(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】液体収容容器
(51)【国際特許分類】
B65D 51/16 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
B65D51/16 110
(21)【出願番号】P 2022527598
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(86)【国際出願番号】 JP2021016520
(87)【国際公開番号】W WO2021241098
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2020093482
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000106106
【氏名又は名称】サラヤ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】西尾 優
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平1-274765(JP,A)
【文献】実開昭52-30346(JP,U)
【文献】特開平10-152163(JP,A)
【文献】実開昭58-64338(JP,U)
【文献】特開平7-96960(JP,A)
【文献】実開昭51-58195(JP,U)
【文献】米国特許第4301799(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス抜き機構を有する液体収容容器であって、
本体部と、前記本体部に設けられ開口部と、を有するボトルと、
前記ボトルの前記開口部と嵌合し、上面の中央には第1のガス排出孔を有し、その周囲には第2のガス排出孔を有するキャップと、
中空部を備え、前記中空部を囲む溝部を上面に有するリング部と、前記リング部に一端が取り付けられたパイプ部と、を有し、前記パイプ部は、前記リング部に設けられ、前記溝部に接続された第1の開口部と、他端に設けられた第2の開口部とを有する中栓と、
を含み、
前記ボトルと前記キャップとの間に前記中栓の前記リング部を挟んだ状態で、前記ボトルに前記キャップが固定され、
前記ボトルの内部から前記中栓の前記中空部を通って前記キャップの前記第1のガス排出孔まで接続された第1の排気経路と、前記ボトルの内部から前記中栓の前記パイプ部を通り、前記溝部を介して前記キャップの前記第2のガス排出孔まで接続された第2の排気経路と、の少なくとも2つのガス抜き経路を備えることを特徴とする液体収容容器。
【請求項2】
前記パイプ部の前記第2の開口部は、前記液体収容容器の配置方向によらず、前記液体収容容器に収容された液体の外になる位置に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項3】
前記キャップの上面に、前記第1のガス排出孔を覆う多孔膜が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の液体収容容器。
【請求項4】
前記中栓の前記リング部と、前記キャップとの間に、前記リング部の前記中空部を覆う多孔性のライナーが設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の液体収容容器。
【請求項5】
前記キャップの表面に垂直な方向から見た場合に、前記ボトルの中央に前記中栓の前記パイプ部が位置するように、前記ボトルの前記開口部が偏在することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の液体収容容器。
【請求項6】
前記中栓の前記パイプ部の前記第2の開口部を覆うように多孔膜が設けられたことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の液体収容容器。
【請求項7】
前記キャップの表面に垂直な方向から見た場合に、前記キャップの前記第2のガス排出孔と、前記中栓の前記溝部とは、重なるように配置されることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の液体収容容器。
【請求項8】
前記中栓の前記パイプ部は、前記リング部の下面から、下面に直交する方向に延びることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の液体収容容器。
【請求項9】
前記第2のガス排出孔は、1つ以上の孔であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の液体収容容器。
【請求項10】
前記キャップは、さらに、上面に設けられた円筒状のリブを有することを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の液体収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体収容容器に関し、特に、ガス抜き機構を有する液体収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
過酢酸や次亜塩素酸は、食器や医療用品の滅菌に広く使用されるが、貯蔵中や輸送中にガスが発生するため、ガス抜き機構を有する容器に収容する必要がある。例えば過酢酸溶液を収容する容器として、底面の中央に凹部からなるベント通路が設けられ、ベント通路の先端部に、多孔膜で覆われたベント開口部を設けたアンプルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このアンプルでは、アンプルの配置が上下、左右方向に入れ替わっても、ベント開口部は、容器に収容された過酢酸溶液中には沈まず、常に過酢酸溶液から発生したガスを、多孔膜を通って外部に排出できるようになっている。また、過酢酸溶液の取り出しは、ニードルが多孔膜を貫通してアンプル内に入り、過酢酸溶液を吸い上げて行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構造では、ベント開口部が1箇所であるため、多孔膜が濡れた場合や、アンプルが置かれた床にアンプルの底面が密着した場合は、ベント開口部からのガス抜きが十分に機能せず、アンプルが破裂するという問題があった。
また、ベント開口部の多孔膜をニードルが容易に貫通できるためには、ベント通路を広くする必要があるが、これによりアンプル中に収容できる液体の容量が減少するという問題があった。
さらには、ベント開口部がアンプルの中央にあるため、ニードルを垂直に挿入する場合に、ニードルを支えるアームが長くなる(例えば特許文献1の
図3参照)という問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、ガス抜き機能が十分に機能し、液体の収容量が大きくでき、かつニードルを用いた液体の取り出しが容易な液体収容容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様は、
ガス抜き機構を有する液体収容容器であって、
本体部と、本体部に設けられ開口部と、を有するボトルと、
ボトルの開口部と嵌合し、上面の中央には第1のガス排出孔を有し、その周囲には第2のガス排出孔を有するキャップと、
中空部を備え、中空部を囲む溝部を上面に有するリング部と、リング部に一端が取り付けられたパイプ部と、を有し、パイプ部は、リング部に設けられ、溝部に接続された第1の開口部と、他端に設けられた第2の開口部とを有する中栓と、
を含み、
ボトルとキャップとの間に中栓のリング部を挟んだ状態で、ボトルにキャップが固定され、
ボトルの内部から中栓の中空部を通ってキャップの第1のガス排出孔まで接続された第1の排気経路と、ボトルの内部から中栓のパイプ部を通り、溝部を介してキャップの第2のガス排出孔まで接続された第2の排気経路と、の少なくとも2つのガス抜き経路を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様にかかる液体収容容器では、少なくとも2つのガス抜き経路を備えることで、液体収容容器の配置方向によらずガス抜き機能が十分に機能するとともに、液体の収容量が大きくでき、かつニードルを用いた液体の取り出しを容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器の斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器の分解図である。
【
図3】本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器の断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器のキャップの底面図である。
【
図5】本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器の中栓の斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器中の液体の位置を示す断面図である。
【
図7】本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器ついて、
図6の位置から180度、上下逆さ方向に回転した場合の、液体の位置である。
【
図8】本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器について、
図6の位置から左方向に90度傾けた場合の、液体の位置を示す断面図である。
【
図9】本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器について、
図6の位置から右方向に90度傾けた場合の、液体の位置を示す断面図である。
【
図10】本発明の実施の形態1にかかる他の液体収容容器の斜視図である。
【
図11】本発明の実施の形態1にかかるさらなる他の液体収容容器の斜視図である。
【
図12】本発明の実施の形態2にかかる液体収容容器の斜視図である。
【
図13】本発明の実施の形態2にかかる液体収容容器の分解図である。
【
図14】本発明の実施の形態2にかかる液体収容容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施の形態1>
図1は、全体が100で表される、本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器の斜視図であり、
図2はその分解図、
図3は
図1をA-A方向に見た場合の断面図である。
【0010】
図2に示すように、液体収容容器100は、ボトル10、中栓20、キャップ30および多孔膜35からなる。ボトル10は、本体部11と開口部12を有し、開口部12の周囲には外ねじ13が設けられている。
【0011】
中栓20は、リング部21と、リング部21に略垂直に取り付けられたパイプ部22からなる。パイプ部22の一端はリング部21を一周するように設けられた溝部26に接続された開口部23となっており、キャップ30がどのような位置で勘合されても、ガスがガス排出孔32から排出できるようになっている。一方、パイプ部22の他端は多孔膜で覆われた開口部24となっている。また、リング部21に囲まれた部分は中空部25となっている。なお、本実施の形態でいう多孔膜あるいは多孔性の膜は、通気性はあるが、液体は通さない膜をいう。
【0012】
キャップ30は、側面の内部に内ねじ33(
図3参照)が設けられている。上面の中央には、ガス排出孔31が設けられ、ガス排出孔31は多孔膜35で覆われている。ガス排出孔31の周囲には、さらに小さな3つのガス排出孔32が同心円上に設けられている。
【0013】
ボトル10は、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)から形成され、中栓20、キャップ30は、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)から形成される。また、多孔膜35は、多孔性フッ素膜、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成される。
【0014】
図3に示すように、ボトル10の開口部12の上に、中栓20のリング部21を載せ、その上からキャップ30を被せて、外ねじ13と内ねじ33を噛み合わせることで、ボトル10とキャップ30との間に中栓20が挟まった状態で固定される。中栓20は、パイプ部22がボトル10の中央側(
図3の左側)になるように固定される。この場合、中栓20に位置合わせ用の突起等を設けても構わない。
【0015】
図4はキャップ30の底面図、
図5は中栓20の斜視図であり、
図1~3と同一符号は、同一または相当箇所を示す。
図4に示すように、キャップ30の上面の裏側は平坦で、無端状のシールリング36、38が二重に設けられている。シールリング36の内側には、ガス排出孔31が設けられ、シールリング36とシールリング38との間には3つのガス排出孔32が同心円上に設けられている。ガス排出孔31は、液体を取り出す際にニードルが貫通するため、マージンを考慮してガス排出孔32に比較して面積が大きくなる。
【0016】
図3に示すように、ボトル10にキャップ30を固定した状態では、中栓20の周囲は、ボトル10の開口部12とキャップ30との間に挟まれてシールされると共に、シールリング36は中栓20の中空部25の周囲と接触し、シールリング38は中栓20の上面にめり込む。この結果、中栓20の上面とキャップ30の裏面が接触した状態で両者の間がシールされる。
【0017】
図3に示すように、本体部11の内部から、中栓20の中空部25を介してキャップ30のガス排出孔31まで、第1の排気経路が形成される。ここで、液体収容容器100から液体を取り出す場合、ガス排出孔31を覆う多孔膜35をニードルが突き抜けて、ニードルの先端を液体に浸した状態で液体を吸い上げる。このように、第1の排気経路は、液体取り出し用のニードルの挿入経路を兼ねる。
【0018】
一方、上述のように、ボトル10にキャップ30を固定した状態では、溝部26の上に1つ以上のガス排出孔32が配置され、これにより、中栓20の開口部23とガス排出孔32とが、溝部26により接続される。このように、本体部11の内部からパイプ部22を通り、中栓20の溝部26を経てキャップ30のガス排出孔32まで、第2の排気経路が形成される。
【0019】
本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器100では、キャップ30がボトル10の中央ではなく、一方向に偏在するように設けられている。このため、特許文献1の
図3に示すような装置を用いて液体収容容器100から液体を取り出す場合、ボトル10の側面からガス排出孔31までの距離を短くすることで、ニードルを支えるアームが短くなり、より正確で容易にニードルをガス排出孔31に挿入できる。
【0020】
図6~9は、液体収容容器100を異なる向きに配置した場合の、内部に収容された液体50の位置を示す。液体50の量は、液体収容容器100で収容可能と規定される最大量である。なお、中栓20のパイプ部22は、
図6では最も左側になるように固定されている。液体は、例えば過酢酸溶液や次亜塩素酸溶液のような、ガスが発生する液体である。
【0021】
図6に示すように、ボトル10の底面が下になる通常の配置では、中栓20のパイプ部22の先端の開口部24は、液面より上に位置する。この状態では、液体50からガスが発生しても、第1の排気経路、第2の排気経路の双方を通って、ガス排出孔31およびガス排出孔32からガスを外部に放出でき、内部の加圧によるボトル10の破裂を防止できる。なお、ボトル10内の液体は、開口部24を覆う多孔膜およびガス排出孔31を覆う多孔膜35により、容器の外には漏れない。
【0022】
図7に示すように、ボトル10を上下逆さに配置した場合、ガス排出孔31は液体50に覆われるためガスの放出はできないが、開口部24は液体50より上部にあるため、パイプ部22を介してガス排出孔32からの排気が可能となる。
【0023】
図8に示すように、
図6の位置から左方向に90°倒した状態では、ガス排出孔31、32の双方からガスを外部に放出できる。また、
図9に示すように、
図6の位置から右方向に90°倒した状態では、ガス排出孔31は液体50に覆われるためガスの放出はできないが、ガス排出孔32からの放出は可能となる。なお、ここでは図示しないが、
図6を前後方向にそれぞれ90°倒した場合でも、少なくともガス排出孔32からのガスの放出は可能となる。
【0024】
このように、本発明の実施の形態1にかかる液体収容容器100では、搬送時などに液体収容容器100が倒れても、少なくとも2つの排出経路の内、少なくとも第2の排気経路を通ってガス排出孔32からガスを外部に放出でき、ガスの発生による液体収容容器100の破裂を防止できる。
【0025】
特に、ガス排出孔31に設けられた多孔膜35は、液体収容容器100の外部に露出しているため、雨等で多孔膜35が濡れて十分に排気できない場合があるが、このような場合であっても、ガス排出孔32からの排気が可能となる。
【0026】
また、ガスの放出経路を2系統とすることにより、第1の排気経路のガス排出孔31を偏在させて、内部の液体を取り出し易くしても、
図7、9に示すように、第2の排気経路のガス排出孔32を用いてガスを外部に放出することができる。
【0027】
さらに、第1の排気経路のガス排出孔31の面積を大きくしてニードルを通しやすくすると共に、第2の排気経路のパイプ部22は、液体取り出し用のニードルは通らないため、ガスのみが通る程度に細くでき、液体の収容量を大きくできる。
【0028】
図10は、全体が200で表される、本発明の実施の形態1にかかる他の液体収容容器の斜視図である。上述の液体収容容器100では、第2の排気経路に3つのガス排出孔32が設けられていたが、液体収容容器200では、9つのガス排出孔32が同心円上に設けられている。
【0029】
このように、液体からのガスの発生量に応じて、環状流路に設けられるガス排出孔32の数を増減しても構わない。なお、ガス排出孔32の数は、少なくとも1つ以上あれば図に示した数に限定されないことは言うまでもない。
【0030】
図11は、全体が300で表される、本発明の実施の形態1にかかる他の液体収容容器の斜視図である。液体収容容器300では、キャップ30の上面に、ガス排出孔31を囲むように、円筒状のリブ37が設けられている。
【0031】
このようにガス排出孔31の周囲に円筒状のリブ37を設けることにより、搬送中等における多孔膜35の破損や剥離を防止できる。
【0032】
<実施の形態2>
図12は、全体が400で表される、本発明の実施の形態2にかかる液体収容容器の斜視図であり、
図13はその分解図、
図14は
図12をB-B方向に見た場合の断面図である。
図12~14中、
図1~3と同一符号は、同一または相当箇所を示す。
【0033】
図13に示すように、液体収容容器400は、ボトル10、中栓20、キャップ30を備え、更に、多孔膜35の代わりに、中栓20とキャップ30との間にライナー40を有する。ライナー40は、パッキンタイプのガス抜きシートであり、2層構造からなる。2層構造の内、中栓20側の層は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成され、キャップ30側の層は、例えばポリエチレンフォーム(PEフォーム)から形成される。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、通気性はあるが、液体は通さない多孔膜である。ポリエチレンフォームは、気体、液体共に通さず、約5mm間隔で複数の溝部41が平行に設けられている。溝部41の底には、ポリテトラフルオロエチレンの層が露出している。この場合、ガス排出孔32を通る第1の排出経路中にも、ライナー40が設けられることになる。
【0034】
図14に示すように、本発明の実施の形態2にかかる液体収容容器400では、中栓20とキャップ30との間にライナー40を挟んで、キャップ30を締めることにより、中栓20とキャップ30との間がライナー40によりシールされて、液体は外部に漏れない。このように、キャップ30のガス排出孔31を、ライナー40でシールすることにより、キャップ30の表面に多孔膜が不要となる。なお、液体収容容器400では、ライナー40を用いるため、実施の形態1のようなシールリング36、38は形成しなくても良い。
【0035】
本発明の実施の形態2にかかる液体収容容器400では、本体部11の内部から、中栓20の中空部25を通り、さらにライナー40の溝部41を通ってキャップ30のガス排出孔31まで、第1の排気経路が形成される。一方、本体部11の内部から、パイプ部22を通り、中栓20の溝部26を経て、ライナー40の溝部41からガス排出孔31、32、内ねじ33と外ねじ13の間、の少なくともいずれかまで第2の排気経路が形成される。
【0036】
このように、ガス排出孔31を、キャップ30の内側からライナー40でシールすることにより、運搬中のこすり等による多孔膜の剥離が防止できる。なお、液体収容容器400の中の液体を取り出す場合は、ライナー40をニードルで突き破れば良い。
【0037】
なお、実施の形態1で述べた他の液体収容容器200、300のような構成は、実施の形態2にかかる液体収容容器400にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、例えば食器や医療用品の滅菌に用いられる過酢酸溶液のようにガスを発生する液体の運搬や保管に用いられる。
【符号の説明】
【0039】
10 ボトル
11 本体部
12 開口部
13 外ねじ
20 中栓
21 リング部
22 パイプ部
23 開口部
24 開口部
25 中空部
26 溝部
30 キャップ
31 ガス排出孔
32 ガス排出孔
33 内ねじ
35 多孔膜
36 シールリング
37 リブ
38 シールリング
40 ライナー
41 溝部
50 液体
100、200、300、400 液体収容容器