IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特許7527384セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車
<>
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図1
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図2
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図3
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図4
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図5
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図6
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図7
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図8
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図9
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図10
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図11
  • 特許-セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】セルスウェリングを吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/289 20210101AFI20240726BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240726BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240726BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240726BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240726BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240726BHJP
   H01M 50/276 20210101ALI20240726BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20240726BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240726BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240726BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240726BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240726BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240726BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20240726BHJP
   H01M 10/6551 20140101ALI20240726BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/204 401H
H01M50/211
H01M50/291
H01M50/293
H01M50/271 B
H01M50/276
H01M50/224
H01M50/249
H01M50/588
H01M50/593
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6551
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022548486
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 KR2021010086
(87)【国際公開番号】W WO2022030922
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0098099
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-ヒ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ファン・ロ
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-175078(JP,A)
【文献】特開2007-165698(JP,A)
【文献】特表2020-501320(JP,A)
【文献】特表2018-521447(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106531917(CN,A)
【文献】中国実用新案第211045543(CN,U)
【文献】実開昭50-139218(JP,U)
【文献】特表2019-502250(JP,A)
【文献】中国実用新案第207818693(CN,U)
【文献】中国実用新案第202259460(CN,U)
【文献】中国実用新案第209766556(CN,U)
【文献】特開2006-128122(JP,A)
【文献】特開2015-002082(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0183119(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110444722(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0063174(KR,A)
【文献】欧州特許出願公開第3565023(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 10/60-10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルを備える単位積層体を複数個含むセル積層体と、
前記セル積層体を収容し、上面及び下面にそれぞれ形成された複数の挿入スリットを備えるモジュールハウジングと、
前記バッテリーセルと平行に配置され、隣接する単位積層体同士の間に介在されて前記バッテリーセルのスウェリングによる体積膨張に伴って変形してスウェリングを吸収し、上下の両端部が前記挿入スリットに挿入され固定される少なくとも一つの隔壁アセンブリと、を含
前記隔壁アセンブリは、
互いに対面し離隔して位置する一対の隔壁と、
前記隔壁の上端から下方に所定の距離だけ離れた位置及び前記隔壁の下端から上方に所定の距離だけ離れた位置にそれぞれ形成されて、前記一対の隔壁同士を連結する一対の連結部と、を含み、
前記一対の隔壁は、
互いに離隔して位置する一対の挿入スリットに挿入され、前記モジュールハウジングの外側に露出するように構成された、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記挿入スリットは、
前記隔壁と対応する位置に形成される、請求項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記一対の連結部は、前記モジュールハウジングの高さに対応する距離だけ離隔して位置する、請求項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記隔壁は、
前記挿入スリットを通して前記モジュールハウジングの上部に露出した領域に形成される少なくとも一つのハンドリング孔を備える、請求項のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記隔壁は、
前記バッテリーセルの電極組立体収容部と対応する長さを有する、請求項のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記モジュールハウジング及び隔壁アセンブリは、金属材質からなる、請求項のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記モジュールハウジングは、
ベースプレート及び一対のサイドプレートを含む下部ハウジングと、
前記セル積層体の上部から前記下部ハウジングに結合される上部ハウジングと、を含む、請求項のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記下部ハウジングを構成するベースプレートと一対のサイドプレートとは一体に形成され、
前記上部ハウジングと下部ハウジングとの結合部位には溶接部が形成される、請求項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記挿入スリットの内側面と前記隔壁との間には溶接部が形成される、請求項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含むバッテリーパック。
【請求項11】
請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルスウェリング(cell swelling)を吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関し、より具体的には、複数のバッテリーセルを含む単位積層体同士の間毎に介在される隔壁アセンブリを備えることで、バッテリーセルのスウェリング発生時にスウェリングによって増加した単位積層体の体積を収容可能な空間を確保することができる構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2020年8月5日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0098099号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池の容量を十分に確保するためには、バッテリーモジュール内に配置されるバッテリーセルの個数を増やさなければならないが、バッテリーセルの個数が増加するとスウェリング発生による体積の増加量もより大きくなる。また、体積の増加量が大きくなるほどスウェリングによってモジュールハウジングの側壁に加えられる力も増加し、モジュールハウジングが変形せずにこのような力に耐えるためにはモジュールハウジングを構成するプレートの厚さを増大させるしかない。
【0004】
従来、モジュールハウジングの厚さの増加を抑えながらもこのようなバッテリーセルスウェリングによる膨張を吸収するため、バッテリーセル積層体の両側最外郭及び/または隣接したバッテリーセル同士の間に所定の厚さを有するスウェリング吸収パッドを適用している。しかし、スウェリング吸収パッドを適用する場合、スウェリング吸収パッドを支持する別途の固定構造がないため、モジュールハウジング内にバッテリーセル及び吸収パッドを含む積層体を収容する工程が容易ではない。
【0005】
すなわち、モジュールハウジング内でバッテリーセル及び吸収パッドが動かないようにするためには、モジュールハウジングの幅よりも大きい厚さを有するようにバッテリーセル及びスウェリング吸収パッドを積層した後、積層体の両側から加圧して積層体を圧縮した状態で積層体をモジュールハウジング内に収容しなければならない。
【0006】
しかし、二次電池の容量を確保するためバッテリーセルの個数が増加する場合は、バッテリーセル及びスウェリング吸収パッドを含む積層体の積層厚さが非常に厚くなり、これによって積層体をモジュールハウジング内に収容する工程が困難になり、収容過程でバッテリーセルがモジュールハウジングと干渉して損傷される場合も発生するおそれがある。
【0007】
したがって、バッテリーセルのスウェリングによる体積膨張を効果的に吸収でき、バッテリーセル積層体をモジュールハウジング内に挿入する工程が容易であるバッテリーモジュール構造の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーセルのスウェリングによる体積膨張を効果的に吸収でき、またバッテリーセル積層体をモジュールハウジング内に挿入する工程が容易な構造を有するバッテリーモジュールを提供することを一目的とする。
【0009】
また、本発明は、容量確保のため一つのバッテリーモジュールに適用されるバッテリーセルのサイズ及び個数が増大することに伴うバッテリーモジュールの重量増加に鑑みてハンドリングし易い構造を有するバッテリーモジュールを提供することを他の目的とする。
【0010】
本発明が解決しようとする技術的課題は上記の課題に制限されず、その他の課題は下記の発明の説明から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様によるバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルを備える単位積層体を複数個含むセル積層体と、前記セル積層体を収容し、上面及び下面にそれぞれ形成された複数の挿入スリットを備えるモジュールハウジングと、前記バッテリーセルと平行に配置され、隣接する単位積層体同士の間に介在されて前記バッテリーセルのスウェリングによる体積膨張に伴って変形してスウェリングを吸収し、上下の両端部が前記挿入スリットに挿入され固定される少なくとも一つの隔壁アセンブリと、を含む。
【0012】
前記隔壁アセンブリは、互いに対面し離隔して位置する一対の隔壁と、前記隔壁の上端から下方に所定の距離だけ離れた位置及び前記隔壁の下端から上方に所定の距離だけ離れた位置にそれぞれ形成されて、前記一対の隔壁同士を連結する一対の連結部と、を含み得る。
【0013】
前記挿入スリットは、前記隔壁と対応する位置に形成され得る。
【0014】
前記一対の隔壁は、互いに離隔して位置する一対の挿入スリットに挿入され得る。
【0015】
前記一対の連結部は、前記モジュールハウジングの高さに対応する距離だけ離隔して位置し得る。
【0016】
前記隔壁は、前記挿入スリットを通して前記モジュールハウジングの上部に露出した領域に形成される少なくとも一つのハンドリング孔を備え得る。
【0017】
前記隔壁は、前記バッテリーセルの本体と対応する長さを有し得る。
【0018】
前記モジュールハウジング及び隔壁アセンブリは、金属材質からなり得る。
【0019】
前記モジュールハウジングは、ベースプレート及び一対のサイドプレートを含む下部ハウジングと、前記セル積層体の上部から前記下部ハウジングに結合される上部ハウジングと、を含み得る。
【0020】
前記下部ハウジングを構成するベースプレートと一対のサイドプレートとは一体に形成され、前記上部ハウジングと下部ハウジングとの結合部位には溶接部が形成され得る。
【0021】
前記挿入スリットの内側面と前記隔壁との間には溶接部が形成され得る。
【0022】
上述した課題を解決するため、本発明の他の一態様によるバッテリーパック及び自動車は、上述したような本発明の一態様によるバッテリーモジュールを含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様によれば、バッテリーセルのスウェリングによる体積膨張を効果的に吸収することができ、またバッテリーセル積層体をモジュールハウジング内に挿入する工程を容易に行うことができる。
【0024】
また、本発明の一態様によれば、容量確保のため一つのバッテリーモジュールに適用されるバッテリーセルのサイズ及び個数が増大することに伴うバッテリーモジュールの重量増加にもかかわらず、バッテリーモジュールを容易にハンドリングすることができる。
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを示した分解斜視図である。
図2】本発明のセル積層体を示した図である。
図3】本発明のモジュールハウジングを構成する下部ハウジングを示した図である。
図4図3に示された下部ハウジングの下面を示した図である。
図5】本発明の隔壁アセンブリを示した図である。
図6】本発明の隔壁アセンブリを示した図である。
図7】本発明の隔壁アセンブリを示した図である。
図8】本発明の下部ハウジングと隔壁アセンブリとが結合された状態を示した図である。
図9図8に示された下部ハウジングのサイドプレートと隔壁アセンブリとの間の空間及び隣接した一対の隔壁アセンブリ同士の間の空間に単位積層体がそれぞれ挿入された形態を示した図である。
図10】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを示した斜視図である。
図11】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールに適用される隔壁アセンブリを示した図である。
図12】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールの上面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0028】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールは、セル積層体100、モジュールハウジング200及び隔壁アセンブリ300を含む。
【0029】
図1及び図2を参照すると、前記セル積層体100は、複数の単位積層体110を含む。隣接した単位積層体110同士の間には隔壁アセンブリ300が介在される。前記単位積層体110は、対面して積層される複数のバッテリーセル111を含む。
【0030】
前記バッテリーセル111としては、例えばパウチ型バッテリーセルが適用され得る。この場合、前記バッテリーセル111は、電極組立体収容部111a、電極組立体収容部111aの周縁に形成されるシーリング部111b、及び電極組立体(図示せず)に連結されてシーリング部111bからパウチケースの外側に引き出される一対の電極リード111cを含む。前記一対の電極リード111cは互いに反対方向に引き出され得る。前記一対の電極リード111cは、モジュールハウジング200の前方及び後方に形成された開口部を通して露出し得る。前記開口部は、モジュールハウジング200の長手方向(X軸方向)の両側にそれぞれ形成され得る。
【0031】
複数のバッテリーセル111は、モジュールハウジング200の底面(X-Y平面と平行な面)上に立てられた状態で互いに対面して積層されて単位積層体110を形成する。本発明においては、複数のバッテリーセル111を含む単位積層体110が三つである場合のみを図示しているが、これは例示に過ぎず、単位積層体110の個数は二つまたは四つ以上であってもよい。
【0032】
図1図4及び図8図10を参照すると、前記モジュールハウジング200は、セル積層体100を収容し、その上面及び下面にそれぞれ形成された複数の挿入スリットSを備える。前記モジュールハウジング200は、前面及び後面(Y-Z平面に平行な面)が開放した形態を有し得る。前記モジュールハウジング200は、剛性確保及び迅速な放熱の面から金属材質からなり得る。
【0033】
前記モジュールハウジング200は、下部ハウジング210及び上部ハウジング220を含む。前記下部ハウジング210は、セル積層体100を支持するベースプレート211及びベースプレート211の幅方向(Y軸方向)の両側端部から上方(Z軸方向)に延びた一対のサイドプレート212を含む。前記ベースプレート211及びサイドプレート212は一体に形成され得る。
【0034】
前記ベースプレート211は、ベースプレート211の長手方向(X軸方向)に沿って長く延びた形態の挿入スリットSを複数個備える。前記挿入スリットSは、後述する隔壁アセンブリ300を構成する隔壁310(図5及び図6を参照)の個数と対応する個数で形成される。前記ベースプレート211に形成された挿入スリットSは、隔壁アセンブリ300の下端が挿入されて固定される空間を提供する。前記サイドプレート212は、セル積層体100の最外側に配置されるバッテリーセル111と対面する。前記ベースプレート211上に形成された挿入スリットSを通して隔壁アセンブリ300が挿入及び固定されると、サイドプレート212と隔壁アセンブリ300との間及び隣接する一対の隔壁アセンブリ300同士の間にはそれぞれ単位積層体110を挿入可能な空間が形成される。
【0035】
前記上部ハウジング220は、下部ハウジング210にセル積層体100が載置された状態でセル積層体100の上部から下部ハウジング210に結合される。前記上部ハウジング220の幅方向(Y軸方向)の両側端部は、一対のサイドプレート212とそれぞれ結合される。工程の便宜上及びセル積層体100の損傷防止のため、上部ハウジング220を下部ハウジング210に結合する工程は、下部ハウジング210と隔壁アセンブリ300との結合によって分割形成された複数の空間内に複数の単位積層体110A、110B、110Cがそれぞれ載置された後に行われることが望ましい。
【0036】
前記隔壁アセンブリ300と挿入スリットSの内側面との間には溶接部が形成される。すなわち、前記隔壁アセンブリ300と下部ハウジング210との結合は溶接によって行われる。一方、前記下部ハウジング210と上部ハウジング220との結合部位にも同様に溶接部が形成され得る。すなわち、前記下部ハウジング210と上部ハウジング220との結合は溶接によって行われ得る。ただし、これにより前記下部ハウジング210と上部ハウジング220との結合方式が限定されることはなく、下部ハウジング210と上部ハウジング220との結合は溶接の外にボルティングなどの他の方式によって行われてもよい。
【0037】
前記上部ハウジング220は、下部ハウジング210に形成された挿入スリットSと対面する位置にそれぞれ形成される複数の挿入スリットSを備える。したがって、前記上部ハウジング220が下部ハウジング210に結合されるとき、既に下部ハウジング210に固定された隔壁アセンブリ300は、その上端が上部ハウジング220に形成された挿入スリットSを通してモジュールハウジング200の上部に露出する。前記モジュールハウジング200と隔壁アセンブリ300との間の締結力を強化するため、上部ハウジング220に形成された挿入スリットSの内側面と隔壁アセンブリ300との間には溶接部が形成され得る。すなわち、前記上部ハウジング220に形成された挿入スリットSの内側面と隔壁アセンブリ300とは溶接によって結合され得る。
【0038】
図5図10を参照すると、前記隔壁アセンブリ300は、一対の隔壁310及び一対の隔壁同士の間を連結する一対の連結部320を含む。前記隔壁アセンブリ300は、モジュールハウジング200と同様に金属材質からなり得る。
【0039】
前記一対の隔壁310は、互いに対面し離隔して位置する。前記一対の隔壁310は、それぞれ、電極組立体収容部111aと密着し、バッテリーセル111のスウェリングによって加えられる圧力によって中心部が互いに向かって近づくように弾性変形を起こす(図7を参照)。すなわち、前記隔壁アセンブリ300は、バッテリーセル111のスウェリングを吸収する機能を有する。前記隔壁310は、挿入スリットSに対応する長さ及び幅を有し、その上端及び下端がそれぞれ挿入スリットSを通過してモジュールハウジング200の外側に露出する。
【0040】
前記隔壁310は、単位積層体110の最外郭に配置されるバッテリーセル111の電極組立体収容部111aと対応する長さを有する。これは、前記隔壁アセンブリ300が冷却フィンとしての機能及びスウェリング吸収のための緩衝部材としての機能を効果的に果たしながらも、電極リード111cと隔壁アセンブリ300との間の距離を一定水準以上に確保することで短絡の発生を防止するためである。
【0041】
前記一対の連結部320の一方は、隔壁310の上端から下方に所定の距離だけ離れた位置に形成される。前記一対の連結部320の他方は、隔壁310の下端から上方に所定の距離だけ離れた位置に形成される。前記連結部320は、隔壁アセンブリ300が挿入スリットSを通してモジュールハウジング200の上方または下方に離脱しないようにするストッパとして機能することができる。すなわち、前記連結部320は、モジュールハウジング200の内側に位置する。前記一対の連結部320はモジュールハウジング200の高さに対応する距離だけ、すなわちベースプレート211と上部ハウジング220との間の距離だけ離隔して位置する。
【0042】
上述したように、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールは、モジュールハウジング200内に配置される隔壁アセンブリ300を備えることで、セル積層体100を構成するバッテリーセル111のスウェリングを吸収することができる。
【0043】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの構造によれば、下部ハウジング210に隔壁アセンブリ300を固設することで形成される複数の空間内に単位積層体110A、110B、110Cを個別的に載置した後、上部ハウジング220を締結し得る。したがって、セル積層体100を構成するバッテリーセル111の個数が非常に多い場合、セル積層体100を載置する工程を容易に行うことができ、これによりバッテリーモジュールの製造過程におけるセル積層体100の損傷を防止することができる。
【0044】
以下、図11及び図12を参照して、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールを説明する。本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールは、上述した本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールと比べ、隔壁アセンブリ400の構造が一部相異なるだけで、残りの構成要素は実質的に同一である。したがって、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールについては、上述した実施形態と重なる説明は省略し、相異なる部分についてのみ集中して説明することにする。
【0045】
前記隔壁アセンブリ400は、モジュールハウジング200の上面、すなわち上部ハウジング220に形成された挿入スリットSを通してモジュールハウジング200の外側に露出した領域に形成される少なくとも一つのハンドリング孔310aを備える。前記ハンドリング孔310aは、隔壁アセンブリ400を構成する一対の隔壁310の両方すべてに形成されてもよく、一方のみに形成されてもよい。前記ハンドリング孔310aにより、作業者はバッテリーモジュールを容易にハンドリングすることができる。
【0046】
十分な容量を確保するため、バッテリーモジュールを構成するバッテリーセル111のサイズが大きくなり、その個数も多くなると、バッテリーモジュールの重量が増加することは不可避である。したがって、作業者がバッテリーモジュールを容易にハンドリングするためには、バッテリーモジュールの外側に形成された把持手段が要求される。本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールは、モジュールハウジング200の外側に露出する隔壁アセンブリ300を用いて形成されたハンドリング孔310aを備えることで、このような要求を満たすことができる。
【0047】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0048】
100 セル積層体
110 単位積層体
111 バッテリーセル
111a 電極組立体収容部
111b シーリング部
111c 電極リード
200 モジュールハウジング
210 下部ハウジング
211 ベースプレート
212 サイドプレート
220 上部ハウジング
300 隔壁アセンブリ
310 隔壁
310a ハンドリング孔
320 連結部
400 隔壁アセンブリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12