(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】読み出し動作中のメモリセルバイアス技法
(51)【国際特許分類】
G11C 11/22 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
G11C11/22 230
G11C11/22 240
(21)【出願番号】P 2022559472
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(86)【国際出願番号】 US2021021508
(87)【国際公開番号】W WO2021202064
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-11
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ロカテッリ アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】セルバッリ ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ビスコンティ アンジェロ
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-077271(JP,A)
【文献】特表2008-522346(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0147654(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0221666(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み出し動作の活性化フェーズ中に、メモリセルの電圧を第1の電圧まで上昇させることと、
前記活性化フェーズ中であって且つ前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させた後に、前記メモリセルの前記電圧を、前記第1の電圧よりも大きい第2の電圧まで上昇させることと、
前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることに少なくとも部分的に基づいて、前記読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させることに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリセルと、センスコンポーネントに関連付けられたコンデンサとの間で電荷を転送することであって、前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることは、前記電荷を転送することに少なくとも部分的に基づく、こと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリセルと関連付けられた値を蓄積するためにセンスコンポーネントを活性化することであって、前記読み出し動作の前記リフレッシュフェーズを開始することは、前記センスコンポーネントを活性化することに少なくとも部分的に基づく、こと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記読み出し動作の前記リフレッシュフェーズの後、前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させる前に前記メモリセルによって蓄積されていた値に少なくとも部分的に基づいて、前記読み出し動作のプリチャージフェーズを開始すること、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記読み出し動作の前記プリチャージフェーズを開始することに少なくとも部分的に基づいて前記メモリセルを第3の電圧にバイアスすることであって、前記第1の電圧及び前記第2の電圧は第1の極性を有し、前記第3の電圧は、前記第1の極性とは異なる第2の極性を有する、こと、
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
デジット線をセンスコンポーネントと選択的に結合するカスコードのゲートに第3の電圧を印加することであって、前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させることは、前記カスコードの前記ゲートに前記第3の電圧を印加することに少なくとも部分的に基づく、ことと、
前記第3の電圧よりも大きい第4の電圧を前記カスコードの前記ゲートに印加することであって、前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることは、前記第4の電圧を前記カスコードの前記ゲートに印加することに少なくとも部分的に基づく、ことと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させることは、前記第3の電圧と前記カスコードの閾値電圧との間の差に少なくとも基づき、
前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることは、前記第4の電圧と前記カスコードの前記閾値電圧との間の差に少なくとも部分的に基づく、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第3の電圧を前記カスコードに印加した後、前記メモリセルを前記デジット線と結合することであって、前記読み出し動作の前記活性化フェーズ中に前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させることは、前記メモリセルを前記デジット線と結合することに少なくとも部分的に基づく、こと、
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記読み出し動作のプリチャージフェーズを開始した後、前記メモリセルを前記デジット線から分離すること、
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させる前に前記メモリセルによって第1の値が蓄積されていたことに少なくとも部分的に基づいて、前記読み出し動作の前記リフレッシュフェーズ中に前記メモリセルを前記第2の電圧に維持すること、又は
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させる前に前記メモリセルによって第2の値が蓄積されていたことに少なくとも部分的に基づいて、前記読み出し動作の前記リフレッシュフェーズ中に前記メモリセルに印加される電圧を前記第2の電圧から減少させること、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧及び前記第2の電圧まで上昇させることは、前記メモリセルと結合されたデジット線とプレート線との間の電圧差に少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
読み出し動作の活性化フェーズ中に、メモリセルの電圧を第1の電圧まで上昇させることと、
前記活性化フェーズ中であって且つ前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させた後に、前記メモリセルの前記電圧を、前記第1の電圧よりも大きい第2の電圧まで上昇させることと、
をするように構成されたバイアスコンポーネントと、
前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることに少なくとも部分的に基づいて、前記読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始するリフレッシュコンポーネントと、
を含む装置。
【請求項13】
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させることに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリセルと、センスコンポーネントに関連付けられたコンデンサとの間で電荷を転送する電荷転送コンポーネントであって、前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることは、前記電荷を転送することに少なくとも部分的に基づく、前記電荷転送コンポーネント、
を更に含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリセルと関連付けられた値を蓄積するためにセンスコンポーネントを活性化する活性化コンポーネントであって、前記読み出し動作の前記リフレッシュフェーズを開始することは、前記センスコンポーネントを活性化することに少なくとも部分的に基づく、前記活性化コンポーネント、
を更に含む、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記読み出し動作の前記リフレッシュフェーズの後、前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させる前に前記メモリセルによって蓄積されていた値に少なくとも部分的に基づいて前記読み出し動作のプリチャージフェーズを開始するプリチャージコンポーネント、
を更に含む、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記バイアスコンポーネントは、
前記読み出し動作の前記プリチャージフェーズを開始することに少なくとも部分的に基づいて前記メモリセルを第3の電圧にバイアスすることであって、前記第1の電圧及び前記第2の電圧は第1の極性を有し、前記第3の電圧は、前記第1の極性とは異なる第2の極性を有する、こと、
をするように更に構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記バイアスコンポーネントは、
デジット線をセンスコンポーネントと選択的に結合するカスコードのゲートに第3の電圧を印加することであって、前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させることは、前記カスコードの前記ゲートに前記第3の電圧を印加することに少なくとも部分的に基づく、ことと、
前記第3の電圧よりも大きい第4の電圧を前記カスコードの前記ゲートに印加することであって、前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることは、前記第4の電圧を前記カスコードの前記ゲートに印加することに少なくとも部分的に基づく、ことと、
をするように更に構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させることは、前記第3の電圧と前記カスコードの閾値電圧との間の差に少なくとも基づき、
前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることは、前記第4の電圧と前記カスコードの前記閾値電圧との間の差に少なくとも部分的に基づく、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第3の電圧を前記カスコードに印加した後、前記メモリセルを前記デジット線と結合するように構成された結合コンポーネントであって、前記読み出し動作の前記活性化フェーズ中に前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させることは、前記メモリセルを前記デジット線と結合することに少なくとも部分的に基づく、前記結合コンポーネント、
を更に含む、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記結合コンポーネントは、
前記読み出し動作のプリチャージフェーズを開始した後、前記メモリセルを前記デジット線から分離する、
ように更に構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記バイアスコンポーネントは、
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させる前に前記メモリセルによって第1の値が蓄積されていたことに少なくとも部分的に基づいて、前記読み出し動作の前記リフレッシュフェーズ中に前記メモリセルを前記第2の電圧に維持し、又は
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させる前に前記メモリセルによって第2の値が蓄積されていたことに少なくとも部分的に基づいて、前記読み出し動作の前記リフレッシュフェーズ中に前記メモリセルに印加される電圧を前記第2の電圧から減少させる、
ように更に構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項22】
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧及び前記第2の電圧まで上昇させることは、前記メモリセルと結合されたデジット線とプレート線との間の電圧差に少なくとも部分的に基づく、
請求項12に記載の装置。
【請求項23】
メモリアレイと、
前記メモリアレイと結合され、
読み出し動作の活性化フェーズ中に、前記メモリアレイ
のメモリセルの電圧を第1の電圧まで上昇させることと、
前記活性化フェーズ中であって且つ前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させた後に、前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧よりも大きい第2の電圧まで上昇させることと、
前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることに少なくとも部分的に基づいて、前記読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始することと、
をするように動作可能なコントローラと、
を含む、装置。
【請求項24】
前記コントローラは、
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させることに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリセルと、センスコンポーネントに関連付けられたコンデンサとの間で電荷を転送することであって、前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることは、前記電荷を転送することに少なくとも部分的に基づく、こと、
をするように更に動作可能である、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記コントローラは、
前記メモリセルの前記電圧を前記第2の電圧まで上昇させることに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリセルと関連付けられた値を蓄積するためにセンスコンポーネントを活性化することであって、前記読み出し動作の前記リフレッシュフェーズを開始することは、前記センスコンポーネントを活性化することに少なくとも部分的に基づく、こと、
をするように更に動作可能である、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記メモリセルの前記電圧を前記第1の電圧まで上昇させることに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリセルにかかる前記第1の電圧を或る期間維持すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[クロスリファレンス]
本特許出願は、2021年3月9日に出願された“MEMORY CELL BIASING TECHNIQUES DURING A READ OPERATION”と題するLOCATELLI等による国際特許出願番号PCT/US2021/021508の国内段階出願であり、それは、2020年3月30日に出願された“MEMORY CELL BIASING TECHNIQUES DURING A READ OPERATION”と題するLOCATELLI等による米国特許出願第16/834,941号に対する優先権を主張し、その各々は、本願の譲受人に譲渡され、参照によりその全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
以下は、一般的に、少なくとも1つのメモリデバイスを含むシステムに関し、より具体的には、読み出し動作中のメモリセルバイアス技法に関する。
【背景技術】
【0003】
メモリデバイスは、コンピュータ、無線通信デバイス、カメラ、及びデジタルディスプレイ等の様々な電子デバイス内に情報を蓄積するために広く使用されている。情報は、メモリデバイス内のメモリセルを様々な状態にプログラミングすることによって蓄積される。例えば、バイナリメモリセルは、論理1又は論理0によりしばしば示される、2つのサポートされている状態の内の1つにプログラミングされ得る。幾つかの例では、単一のメモリセルは、2つよりも多い状態をサポートし得、それらの内の何れか1つが蓄積され得る。蓄積された情報にアクセスするために、デバイスのコンポーネントは、メモリデバイス内の少なくとも1つの蓄積された状態を読み出し得、又はセンシングし得る。情報を蓄積するために、デバイスのコンポーネントは、メモリデバイス内に状態を書き込み得、又はプログラミングし得る。
【0004】
磁気ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、強誘電体RAM(FeRAM)、磁気RAM(MRAM)、抵抗変化型RAM(RRAM)、フラッシュメモリ、及び相変化メモリ(PCM)等、様々なタイプのメモリデバイスが存在する。メモリデバイスは、揮発性又は不揮発性であり得る。不揮発性メモリ、例えば、FeRAMは、外部電源がない場合でも、それらの蓄積された論理状態を長時間維持し得る。揮発性メモリデバイス、例えば、DRAMは、外部電源から切断された場合、それらの蓄積された状態を喪失し得る。FeRAMは、揮発性メモリと同様の密度を達成可能性であり得るが、ストレージデバイスとしての強誘電体コンデンサの使用に起因して、不揮発性の特性を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本明細書に開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートするメモリデバイスの一例を説明する。
【
図2】本明細書で開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートする回路の一例を説明する。
【
図3A】本明細書に開示するような例に従った強誘電体メモリセルの非線形電気特性の例を説明する。
【
図3B】本明細書に開示するような例に従った強誘電体メモリセルの非線形電気特性の例を説明する。
【
図4】本明細書に開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートするタイミング図を説明する。
【
図5】本明細書に開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートする回路の一例を説明する。
【
図6】本明細書に開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートするメモリセルに対する例示的な電圧プロットを説明する。
【
図7】本明細書に開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートするメモリデバイスのブロック図を示す。
【
図8】本明細書に開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートする1つ以上の方法を説明するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
メモリデバイスは、メモリアレイのメモリセルによって蓄積された論理状態を判定するために、様々なセンシング動作を使用し得る。メモリデバイスは、様々なセンシング又は読み出し動作を実行するために、メモリセルに1つ以上の電圧を印加し得る。例えば、メモリデバイスは、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルに1つ以上の電圧を印加し得る。メモリデバイスは、続いて、メモリ動作のリフレッシュフェーズ中にメモリセルに1つ以上の追加の電圧を印加し得る。また、メモリデバイスは、読み出し動作のプリチャージフェーズ中にメモリセルに1つ以上の電圧を印加し得る。幾つかの場合、メモリデバイスは、読み出し動作を実施する場合にメモリセルに相対的に高い電圧を印加し得る。高い電圧を使用してメモリセルを読み出すことは、より大きなリーク電流等の寄生効果を発生させ得る。次に、これらの効果は、メモリアレイ内のメモリセルに障害を発生させ得、それによって、メモリセルを読み出す場合の機能性と信頼性を減少させる。幾つかの場合、センシング動作中にメモリセルに印加される1つ以上の電圧の電圧レベルを低減することは、メモリデバイスの性能を向上させ得る。
【0007】
本明細書に開示するような例に従えば、メモリデバイスは、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルに印加される電圧を低減し得る。幾つかのメモリデバイスは、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを書き込み電圧にバイアスし得る。メモリデバイスは、活性化フェーズの第1の部分中にメモリセルに印加される電圧を、他の読み出し動作と比較して、書き込み電圧よりも小さい読み出し電圧まで低減し得る。例えば、活性化フェーズ中、メモリデバイスは、メモリセルによって蓄積された論理状態を判定するためにメモリセルを第1の電圧(例えば、読み出し電圧)にまずバイアスし得る。メモリデバイスは、続いて、読み出し動作の活性化フェーズ中に、メモリセルの電圧バイアスを第2の電圧(例えば、書き込み電圧)まで増加させ得る。幾つかの場合、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルに印加される電圧レベルを低減することは、読み出し動作によって発生する他のメモリセルへの妨害を低減しつつ、読み出し動作の性能を維持し得る。
【0008】
開示の機構は、
図1及び
図2を参照して説明するように、メモリデバイス及び関連する回路に関連してまず説明される。開示の機構は、
図3~
図6を参照して説明するように、メモリセルの特性、関連する回路、及びタイミング図に関連して説明される。開示のこれらの及びその他の機構は、
図7及び
図8を参照して説明するように、読み出し動作中のメモリセルバイアス技法に関連する装置図及びフローチャートを参照して更に図示及び説明される。
【0009】
図1は、本明細書に開示するような例に従ったメモリデバイスに対する差動センシングをサポートするメモリデバイス100の一例を説明する。メモリデバイス100は、電子メモリ装置とも称され得る。メモリデバイス100は、異なる論理状態を蓄積するようにプログラミング可能なメモリセル105を含み得る。幾つかの場合、メモリセル105は、論理0及び論理1で示される2つの論理状態を蓄積するようにプログラム可能であり得る。幾つかの場合、メモリセル105は、(例えば、マルチレベルセル(MLC)として)2つよりも多い論理状態を蓄積するようにプログラミング可能であり得る。メモリセル105のセットは、(例えば、メモリセル105のアレイを含む)メモリデバイス100のメモリセクション110の一部であり得、幾つかの例では、メモリセクション110は、メモリセル105の連続タイル(例えば、半導体チップの素子の連続セット)を指し得る。
【0010】
幾つかの例では、メモリセル105は、プログラミング可能な論理状態を表す電荷を蓄積し得る(例えば、コンデンサ、容量性メモリ素子、容量性ストレージ素子内に電荷を蓄積する)。一例では、充電及び未充電のコンデンサは、2つの論理状態を夫々表し得る。別の例では、正に充電された(例えば、第1の極性の、正の極性の)及び負に充電された(例えば、第2の極性の、負の極性の)コンデンサは、2つの論理状態を夫々表し得る。DRAM又はFeRAMアーキテクチャは、そうした設計を使用し得、用いられるコンデンサは、絶縁体として線形又は常誘電分極特性を有する誘電体材料を含み得る。幾つかの例では、コンデンサの電荷の異なるレベルは、異なる論理状態を表し得、幾つかの例では、個別のメモリセル105で2つよりも多い論理状態をサポートし得る。FeRAMアーキテクチャ等の幾つかの例では、メモリセル105は、コンデンサの端子間の絶縁(例えば、非導電性)材料として強誘電体材料を有する強誘電体コンデンサを含み得る。強誘電体コンデンサの分極の異なるレベル又は極性は、異なる論理状態を表し得る(例えば、個別のメモリセル105において2つ以上の論理状態をサポートする)。
【0011】
メモリデバイス100の例では、メモリセル105の各行は、第1のアクセス線120のセットの内の1つ(例えば、WL1~WLMの内の1つ等のワード線(WL))と結合され得、メモリセル105の各列は、第2のアクセス線130のセットの内の1つ(例えば、DL1~DLNの内の1つ等のデジット線(DL))と結合され得る。一般的に、1つのメモリセル105は、アクセス線120とアクセス線130との交点に位置し(例えば、それらと結合され、それらの間で結合され)得る。この交点は、メモリセル105のアドレスと称され得る。対象の又は選択されたメモリセル105は、通電された、さもなければ選択されたアクセス線120と、通電された、さもなければ選択されたアクセス線130との交点に位置するメモリセル105であり得る。
【0012】
幾つかのアーキテクチャでは、メモリセル105のストレージコンポーネントは、セル選択コンポーネントによって第2のアクセス線130から電気的に絶縁(例えば、選択的に絶縁)され得、セル選択コンポーネントは、幾つかの例ではスイッチングコンポーネント又はセレクタデバイスと称され得、さもなければメモリセルと関連付けられ得る。第1のアクセス線120は、(例えば、セル選択コンポーネントの制御ノード又は端子を介して)セル選択コンポーネントと結合され得、メモリセル105のセル選択コンポーネントを制御し得る。例えば、セル選択コンポーネントはトランジスタであり得、第1のアクセス線120はトランジスタのゲートと結合され得る(例えば、トランジスタのゲートノードは、トランジスタの制御ノードであり得る)。第1のアクセス線120を活性化することは、1つ以上のメモリセル105の個別の論理蓄積コンポーネントと、1つ以上の対応する第2のアクセス線130との間に電気接続又は閉回路をもたらし得る。第2のアクセス線130は、個別のメモリセル105から読み出し、又は書き込むためにその後アクセスされ得る。
【0013】
幾つかの例では、メモリセル105は、複数の第3のアクセス線140の内の1つ(例えば、PL1~PLNの内の1つ等のプレート線(PL))とも結合され得る。幾つかの例では、第3のアクセス線140の各々は、独立してアドレッシング可能であり得る(例えば、個々の選択又はバイアスをサポートする)。幾つかの例では、複数の第3のアクセス線140は、共通のプレート又は他の共通ノード(例えば、メモリセクション110内のメモリセル105の各々に共通のプレートノード)を表し得、さもなければ機能的に等価であり得る。メモリセル105が論理状態を蓄積するためにコンデンサを用いる場合、第2のアクセス線130は、コンデンサの第1の端子又は第1のプレートへのアクセスを提供し得、第3のアクセス線140は、コンデンサの第2の端子又は第2のプレートへのアクセスを提供し得る。メモリデバイス100の複数の第3のアクセス線140は、複数の第2のアクセス線130と実質的に平行であるように示されているが、他の例では、複数の第3のアクセス線140は、複数の第1のアクセス線120と実質的に平行であり得、又は任意のその他の構成(例:共通の平面導体、共通のプレート材料)であり得る。
【0014】
読み出し、書き込み、再書き込み、及びリフレッシュ等のアクセス動作は、メモリセルと結合された第1のアクセス線120、第2のアクセス線130、又は第3のアクセス線140を活性化又は選択することによってメモリセル105上で実施され得、これは、電圧、電荷、又は電流を個別のアクセス線に印加することを含み得る。(例えば、読み出し動作において)メモリセル105を選択すると、もたらされる信号は、メモリセル105によって蓄積された論理状態を判定するために使用され得る。例えば、論理状態を蓄積する容量性メモリ素子を有するメモリセル105が選択され得、アクセス線を介した電荷のもたらされる流れ、又はアクセス線のもたらされる電圧は、メモリセル105によって蓄積されたプログラミングされた論理状態を判定するために検出され得る。アクセス線120、130、及び140は、金属(例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti))、金属合金、炭素、若しくはその他の導電性若しくは半導電性材料、合金、又は化合物で製作され得る。
【0015】
メモリセル105にアクセスすることは、行コンポーネント125(例えば、行デコーダ)、列コンポーネント135(例えば、列デコーダ)、若しくはプレートコンポーネント145(例えば、プレートデコーダ、プレートドライバ)、又はそれらの組み合わせを通じて制御され得る。例えば、行コンポーネント125は、メモリコントローラ170から行アドレスを受信し得、受信した行アドレスに基づいて適切な第1のアクセス線120を活性化にし得る。同様に、列コンポーネント135は、メモリコントローラ170から列アドレスを受信し得、適切な第2のアクセス線130を活性化し得る。幾つかの例では、そうしたアクセス動作は、プレートコンポーネント145が第3のアクセス線140の内の1つ以上をバイアスする(例えば、第3のアクセス線140の内の1つをバイアスする、第3のアクセス線140をバイアスする、共通のプレートをバイアスする)ことを伴い得る。
【0016】
幾つかの例では、メモリコントローラ170は、様々なコンポーネント(例えば、行コンポーネント125、列コンポーネント135、プレートコンポーネント145、センスコンポーネント150)を通じてメモリセル105の動作(例えば、読み出し動作、書き込み動作、再書き込み動作、リフレッシュ動作)を制御し得る。幾つかの場合、行コンポーネント125、列コンポーネント135、プレートコンポーネント145、及びセンスコンポーネント150の内の1つ以上は、メモリコントローラ170と共同設置され得、さもなければそれに含まれ得る。メモリコントローラ170は、所望のアクセス線120及びアクセス線130を活性化するために行及び列アドレス信号を生成し得る。メモリコントローラ170はまた、メモリデバイス100の動作中に使用される様々な電圧又は電流を生成又は制御し得る。
【0017】
様々な例において、メモリデバイス100内の1つの、複数の、又は全てのメモリセル105は同時にアクセスされ得る。例えば、共通のアクセス線120を共有するメモリセル105の各々、又は共通のアクセス線120(例えば、共通のセル選択線)を共有するメモリセル105の幾つかのサブセットは、(例えば、メモリ行アクセス配列に従って、“ページ”アクセス配列に従って、同時にアクセス又はセンシングされ得るアクセス線130又は列のセットに従って)同時にアクセスされ得る。別の例では、メモリデバイス100の複数の又は全てのメモリセル105は、メモリセル105又はメモリセル105のグループ(例えば、メモリセクション110のメモリセル105)が単一の論理状態にセットされるリセット動作中に同時にアクセスされ得る。
【0018】
メモリセル105は、メモリセル105に書き込まれた又はメモリセル105によって蓄積された論理状態を判定するために、(例えば、メモリコントローラ170と協働して)メモリセル105がアクセスされる場合にセンスコンポーネント150によって読み出され(例えば、センシングされ)得る。例えば、読み出し動作の活性化フェーズ中、センスコンポーネント150は、読み出し動作に応答して、メモリセル105に流れる若しくはメモリセル105からの電流又は電荷の転送、又はメモリセル105をセンスコンポーネント150と結合することからもたらされる電圧を評価するように構成され得る。センスコンポーネント150は、メモリセル105から読み出された論理状態を指し示す出力信号を1つ以上のコンポーネント(例えば、列コンポーネント135、入力/出力コンポーネント160、メモリコントローラ170)に提供し得る。
【0019】
センスコンポーネント150は、幾つかの例では、ラッチと称され得る、センシング信号の差(例えば、読み出し電圧とリファレンス電圧との間の差、読み出し電流とリファレンス電流との間の差、読み出し電荷とリファレンス電荷との間の差)を検出又は増幅するために、様々なスイッチングコンポーネント、選択コンポーネント、トランジスタ、アンプ、コンデンサ、抵抗器、又は電圧源を含み得る。幾つかの例では、センスコンポーネント150は、センスコンポーネント150に接続されたアクセス線130のセットの各々に対して繰り返されるコンポーネント(例えば、回路素子)の集合を含み得る。例えば、アクセス線130のセットの個別の1つと結合された個別のメモリセル105に対して論理状態が別個に検出され得るように、センスコンポーネント150は、センスコンポーネント150と結合されたアクセス線130のセットの各々に対して別個のセンシング回路(例えば、別個の又は複製されたセンスアンプ、別個の又は複製された信号発現コンポーネント)を含み得る。
【0020】
読み出し動作の活性化フェーズ中、メモリコントローラ170は、メモリセル105に1つ以上の電圧を印加することによって、メモリセル105(例えば、読み出し動作の実行中に読み出される対象のメモリセル105)をバイアスし得る。例えば、行コンポーネント125は、アクセス線120(例えば、WL1)を第1の電圧(例えば、読み出し電圧)にバイアスし得る。メモリセルが第1の電圧にバイアスされている間、センスコンポーネント150は、(例えば、メモリセル105によって蓄積された論理値に基づいて)メモリセル105内に蓄積された電荷の量を評価するように構成され得る。メモリセル105を第1の電圧にバイアスした後、行コンポーネント125は、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセル105を第1の電圧よりも大きい第2の電圧(例えば、書き込み電圧)にバイアスし得る。第2の電圧は、メモリセル105と関連付けられた飽和電圧に凡そ等しくてもよい。すなわち、メモリセル105を第2の電圧にバイアスすることは、メモリセル105を飽和させ得、又は飽和電荷容量と関連付けられ得る。
【0021】
幾つかのメモリアーキテクチャでは、メモリセル105にアクセスすることは、蓄積された論理状態を劣化又は破壊し得、(例えば、読み出し動作のリフレッシュフェーズ及び/又はプリチャージフェーズ中に)蓄積された論理状態をメモリセル105に戻すために、再書き込み又はリフレッシュ動作が実施され得る。例えば、DRAM又はFeRAMでは、メモリセル105のコンデンサは、センシング動作中に部分的又は完全に放電又は非分極され得、それによってメモリセル105内に蓄積された論理状態を破損する。したがって、幾つかの例では、メモリセル105内に蓄積された論理状態は、アクセス動作後に再書き込みされ得る。更に、単一のアクセス線120、130、又は140を活性化することは、活性化されたアクセス線120、130、又は140と結合されたメモリセル105の放電をもたらし得る。したがって、アクセス動作と関連付けられたアクセス線120、130、又は140と結合された1つ以上のメモリセル105(例えば、アクセスされた行のセル、アクセスされた列のセル)は、アクセス動作後に再書き込みされ得る。
【0022】
幾つかの例では、メモリセル105を読み出すことは非破壊的であり得る。すなわち、メモリセル105が読み出された後に、メモリセル105の論理状態は再書き込みされなくてもよい。しかしながら、幾つかの例では、メモリセル105の論理状態をリフレッシュすることは、他のアクセス動作が存在しない場合又は存在する場合に必要であってもなくてもよい。例えば、メモリセル105によって蓄積された論理状態は、蓄積された論理状態を維持するために適切な書き込み、再書き込み、又はリフレッシュバイアスを印加することによって周期的な間隔でリフレッシュされ得る。
【0023】
関連する第1のアクセス線120、第2のアクセス線130、又は第3のアクセス線140を(例えば、メモリコントローラ170を介して)活性化することによって、メモリセル105はセットされ得、又は書き込まれ得る。言い換えれば、メモリセル105内に論理状態が蓄積され得る。行コンポーネント125、列コンポーネント135、又はプレートコンポーネント145は、例えば、入力/出力コンポーネント160を介して、メモリセル105に書き込まれるデータを受け入れ得る。幾つかの例では、書き込み動作は、センスコンポーネント150によって少なくとも部分的に実施され得、又は書き込み動作は、センスコンポーネント150をバイパスするように構成され得る。
【0024】
容量性メモリ素子の場合、メモリセル105は、所望の論理状態と関連付けられたコンデンサ内に電荷を蓄積するために、コンデンサに又はコンデンサに渡って電圧を印加し、コンデンサをその後絶縁する(例えば、メモリセルを書き込むために使用される電圧源からコンデンサを絶縁する、コンデンサをフローティングにする)ことによって書き込まれ得る。強誘電体メモリの場合、メモリセル105の強誘電体メモリ素子(例えば、強誘電体コンデンサ)は、所望の論理状態と関連付けられた分極で強誘電体メモリ素子を分極するのに十分に高い大きさの電圧を印加する(例えば、飽和電圧を印加する)ことによって書き込まれ得、強誘電体メモリ素子は絶縁され(例えば、フローティングし)得、又は強誘電体メモリ素子に渡ってゼロの正味電圧又はバイアスが印加され得る(例えば、接地し、仮想接地し、又は強誘電体メモリセルに渡って電圧を等化する)。
【0025】
図2は、本明細書で開示するような例に従ったメモリデバイスに対する差動センシングをサポートする例示的な回路200を説明する。回路200は、メモリセル105-a及びセンスコンポーネント150-aを含み、これらは、
図1を参照して説明したような個別のコンポーネントの例であり得る。回路200はまた、ワード線205、デジット線210、及びプレート線215を含み、これらは、幾つかの例では、
図1を参照して説明したような(例えば、メモリセクション110の)第1のアクセス線120、第2のアクセス線130、及び第3のアクセス線140に夫々対応し得る。様々な例において、プレート線215は、独立してアドレッシング可能なプレート線、又は(例えば、メモリセル105-aを含むメモリセクション110の)共通のプレートノードを例示し得る。
【0026】
メモリセル105-aは、第1のプレート、セルプレート221と、第2のプレート、セル底部222とを有するコンデンサ220等の論理ストレージコンポーネント(例えば、メモリ素子、ストレージ素子、メモリストレージ素子)を含み得る。セルプレート221及びセル底部222は、(DRAM用途においては)それらの間に位置付けられた誘電体材料を通じて容量的に結合され得、又は(例えば、FeRAM用途においては)それらの間に位置付けられた強誘電体材料を通じて容量的に結合され得る。回路200に説明されるように、セルプレート221は電圧Vplateと関連付けられ、セル底部222は電圧Vbottomと関連付けられ得る。セルプレート221はプレート線215を介してアクセスされ得、セル底部222はデジット線210を介してアクセスされ得る。本明細書に説明するように、コンデンサ220を充電、放電、又は分極することによって、様々な論理状態が蓄積され得る。
【0027】
コンデンサ220は、デジット線210に電気的に接続され得、コンデンサ220の蓄積された論理状態は、回路200に表された様々な素子を動作させることによって読み出され得、又はセンシングされ得る。例えば、メモリセル105-aはまた、セル選択コンポーネント230を含み得、それは、幾つかの例では、アクセス線(例えば、デジット線210)とコンデンサ220とに結合された、又はそれらの間に結合されたスイッチングコンポーネント又はセレクタデバイスと称され得る。幾つかの例では、セル選択コンポーネント230は、メモリセル105-aの例示的な境界の外側にあるとみなされ得、セル選択コンポーネント230は、アクセス線(例えば、デジット線210)とメモリセル105-aとに結合された、又はそれらの間に結合されたスイッチングコンポーネント又はセレクタデバイスと称され得る。
【0028】
コンデンサ220は、(例えば、活性化論理信号を介して)セル選択コンポーネント230が活性化される場合にデジット線210と選択的に結合され得、コンデンサ220は、(例えば、非活性化論理信号を介して)セル選択コンポーネント230が非活性化される場合にデジット線210から選択的に絶縁され得る。論理信号又はその他の選択信号若しくは電圧は、(例えば、ワード線205を介して)セル選択コンポーネント230の制御ノード235に印加され得る。言い換えれば、セル選択コンポーネント230は、ワード線205を介して制御ノード235に印加される論理信号又は電圧に基づいて、コンデンサ220及びデジット線210を選択的に結合又は分離するように構成され得る。
【0029】
セル選択コンポーネント230を活性化することは、メモリセル105-aを選択すること又は活性化することと称され得、セル選択コンポーネント230を非活性化することは、メモリセル105-aを選択解除すること又は非活性化することと称され得る。幾つかの例では、セル選択コンポーネント230はトランジスタであり、その動作は、活性化電圧をトランジスタのゲート(例えば、制御又は選択ノード又は端子)に印加することによって制御され得る。トランジスタを活性化するための電圧(例えば、トランジスタのゲート端子とトランジスタのソース端子との間の電圧)は、トランジスタの閾値電圧の大きさよりも大きい電圧であり得る。幾つかの例では、セル選択コンポーネント230を活性化することは、メモリセル105-aをデジット線210と選択的に結合することと称され得る。
【0030】
プレート線215又はデジット線210をバイアスすることは、コンデンサ220に渡る電圧差(例えば、デジット線210の電圧-プレート線215の電圧)をもたらし得る。電圧差は、(例えば、コンデンサ220とデジット線210との間の電荷共有に起因して、コンデンサ220とプレート線215との間の電荷共有に起因して)コンデンサ220によって蓄積された電荷の変化を伴い得、蓄積された電荷の変化の大きさは、コンデンサ220の初期状態(例えば、初期の電荷又は論理状態が論理1を蓄積していたか、それとも論理0を蓄積していたか)に依存し得る。
【0031】
メモリセル105-a上で読み出し動作を実施するために、デジット線210の電圧を増加させ、プレートの電圧を一定電圧(例えば、約0ボルト)に保持することによって、読み出し動作の活性化フェーズ中にコンデンサ220に渡って第1の電圧が印加され得る。コンデンサ220が第1の電圧にバイアスされている間、電荷がコンデンサ220に流入し得、又はコンデンサ220から流出し得る。メモリセル105-aを第1の電圧にバイアスした後、デジット線210の電圧は、読み出し動作の活性化フェーズ中にコンデンサ220を第2の電圧(例えば、書き込み電圧)にバイアスするために第2の電圧まで増加させられ得る。コンデンサ220を第2の電圧にバイアスすることは、コンデンサ220を飽和させる(例えば、飽和電荷容量と関連付けられ得る)。
【0032】
デジット線210は、追加のメモリセル105(図示せず)と結合し得、デジット線210は、(例えば、ピコファラッド(pF)オーダーの)無視できない固有の静電容量240をもたらす特性を有し得、これは、デジット線210を電圧源250-aと結合し得る。電圧源250-aは、共通の接地若しくは仮想接地電圧、又は回路200の隣接するアクセス線の電圧(図示せず)を表し得る。
図2では別個の素子として説明されているが、固有の静電容量240は、デジット線210全体に分布する特性と関連付けられ得る。
【0033】
センスコンポーネント150-aは、信号発現コンポーネント260と、信号線265を介して信号発現コンポーネント260と結合されたセンスアンプ270とを含み得る。様々な例において、信号発現コンポーネント260は、(例えば、センスアンプ270による)論理状態検出動作の前にデジット線210の信号を増幅する、さもなければ変換するように構成された回路を含み得る。信号発現コンポーネント260は、例えば、トランジスタ、アンプ、カスコード、又はメモリセル105-aによって蓄積された論理状態をセンシングするための信号を発現するように構成された任意のその他の回路を含み得る。幾つかの例では、信号発現コンポーネント260は、カスコード構成又は電圧制御構成で1つ以上のトランジスタを含み得る電荷転送センスアンプ(CTSA)を含み得る。
【0034】
デジット線210及び信号線265は別個の線として識別されているが、デジット線210、信号線265、及びメモリセル105をセンスアンプ270に接続する任意のその他の線は、(例えば、メモリセル105の、又はそれと関連付けられた)単一のアクセス線と称され得る。こうしたアクセス回線の構成部分は、様々な例示的な構成における介在コンポーネント及び介在信号を説明する目的で別個に識別され得る。
【0035】
センスアンプ270は、第1のノード271及び第2のノード272を含み得、それらは、幾つかの例では、回路の異なるアクセス線(例えば、夫々、回路200の信号線265及びリファレンス線285)と結合され得、又は他の例では、異なる回路(図示せず)の共通のアクセス線と結合され得る。幾つかの例では、第1のノード271は信号ノードと称され得、第2のノード272はリファレンスノードと称され得る。しかしながら、本明細書で説明される技法をサポートするために、アクセス線又はリファレンス線の他の構成が使用され得る。
【0036】
センスアンプ270は、ラッチと称され得る、信号の差を検出、変換、又は増幅するために様々なトランジスタ又はアンプを含み得る。例えば、センスアンプ270は、第1のノード271におけるセンス信号電圧(例えば、信号線265のVsig)を受け取り、第2のノード272におけるリファレンス信号電圧(例えば、リファレンス線285のVref)と比較する回路素子を含み得る。セル選択コンポーネント230が活性化されている間のコンデンサ220の電荷転送に少なくとも部分的に基づく電圧等、第1のノード271の電圧は、メモリセル105-aにアクセスすることに基づき得る。幾つかの例では、第2のノード272の電圧は、リファレンスコンポーネント280によって提供され得る。他の例では、リファレンスコンポーネント280は省略され得、リファレンス電圧は、例えば、(例えば、自己リファレンスアクセス動作において)リファレンス電圧を生成するためにメモリセル105-aにアクセスすることによって提供され得る。センスアンプ270の出力は、センスアンプ270における比較に基づいて、相対的に高い電圧(例えば、正の電圧)又は相対的に低い電圧(例えば、負の電圧、接地電圧)に駆動され得る。
【0037】
センスアンプ270は、第1のノード271及び第2のノード272における信号の比較に基づいて、1つ以上のI/O線275を介して、検出された論理状態を出力し得る。例えば、第1のノード
271が第2のノード272よりも低い電圧を有する場合、センスアンプ270の出力は、第1のセンスアンプ電圧源250-bの相対的に低い電圧(例えば、
V
0
に実質的に等しい接地電圧
又は負の電圧であり得るV
Lの電圧)に駆動され得る。第1のノード271が第2のノード272よりも高い電圧を有する場合、センスアンプ270の出力は、第2のセンスアンプ電圧源250-c又
は250-dの電圧(例えば、V
H1又はV
H2の電圧)に駆動され得る。センスコンポーネント150-aは、メモリセル105-a内に蓄積された論理状態を判定するためにセンスアンプ270の出力をラッチし得る(例えば、第1のノード271が第2のノード272よりも低い電圧を有する場合、論理0をラッチ又は判定し、第1のノード271が第2のノード272よりも高い電圧を有する場合、論理1をラッチ又は判定する)。メモリセル105-aの検出された論理状態に対応する、センスアンプ270のラッチされた出力は、1つ以上の入力/出力(I/O)線(例えば、I/O線275)を介して出力され得、これは、
図1を参照して説明した列コンポーネント135又は入力/出力コンポーネント160を通じた出力を含み得る。
【0038】
メモリセル105-a上で書き込み動作を実施するために、(例えば、プレート線215を通じた)セルプレート221と(例えば、デジット線210を通じた)セル底部2222との電圧を制御することによってコンデンサ220に渡って電圧が印加され得る。例えば、論理0を書き込むために、セルプレート221は(例えば、プレート線215を接地して、プレート線215を仮想接地して、プレート線215に負の電圧を印加して)低くされ得、セル底部222は(例えば、デジット線210に正の電圧を印加して)高くされ得る。論理1を書き込むために反対のプロセスが実施され得、セルプレート221は高くされ、セル底部222は低くされる。幾つかの場合、書き込み動作中にコンデンサ220に渡って印加される電圧は、コンデンサ220が分極され、したがって、印加電圧の大きさが減少した場合でも、又はコンデンサ220に渡ってゼロの正味電圧が印加された場合でも電荷を維持するように、コンデンサ220内の強誘電体材料の飽和電圧以上の大きさを有し得る。
【0039】
センスアンプ270、セル選択コンポーネント230、信号発現コンポーネント260、又はリファレンスコンポーネント280を含む回路200は、様々なタイプのトランジスタを含み得る。例えば、回路200はn型トランジスタを含み得、n型トランジスタに対する閾値電圧よりも高い相対的に正の電圧(例えば、閾値電圧よりも大きい、ソース電圧に対して正の大きさを有する印加電圧)をn型トランジスタのゲートに印加することは、n型トランジスタの他の端子の間の(例えば、導電チャネルに渡る、ドレイン端子とソース端子との間の)導電経路を可能にする。
【0040】
幾つかの例では、n型トランジスタは、スイッチングコンポーネントとして機能し得、印加電圧は、相対的に高い論理信号電圧(例えば、正の論理信号電圧供給源と関連付けられ得る、論理1の状態に対応する電圧)を印加することによってトランジスタを通じた導電性を可能にし、又は相対的に低い論理信号電圧(例えば、接地又は仮想接地電圧と関連付けられ得る、論理0の状態に対応する電圧)を印加することによってトランジスタを通じた導電性を不可能にするために使用される論理信号である。n型トランジスタがスイッチングコンポーネントとして用いられる幾つかの例では、ゲート端子に印加される論理信号の電圧は、(例えば、飽和領域内の又は活性化領域内の)特定の動作点でトランジスタを動作させるために選択され得る。
【0041】
幾つかの例では、n型トランジスタの挙動は、論理的スイッチングよりも複雑であり得、トランジスタに渡る選択的な導電性は、ドレイン及びソース電圧の変化の関数でもあり得る。例えば、ゲート端子における印加電圧は、ソース端子電圧がある一定のレベルを下回る(例えば、ゲート端子電圧-閾値電圧を下回る)場合にドレイン端子とソース端子との間の導電性を可能にするために使用される特定の電圧レベル(例えば、制限電圧)を有し得る。ソース端子の電圧がある一定のレベルを超えて上昇する場合、ドレイン端子とソース端子との間の導電経路が開放されるように、n型トランジスタは非活性化され得る。
【0042】
追加的に又は代替的に、回路200はp型トランジスタを含み得、p型トランジスタに対する閾値電圧を上回る相対的に負の電圧(例えば、閾値電圧よりも大きい、ソース端子に対して負の大きさを有する印加電圧)をp型トランジスタのゲートに印加することは、p型トランジスタの他の端子の間の(例えば、導電チャネルに渡る、ドレイン端子とソース端子との間の)導電経路を可能にする。
【0043】
幾つかの例では、p型トランジスタは、スイッチングコンポーネントとして機能し得、印加電圧は、相対的に低い論理信号電圧(例えば、負の論理信号電圧供給源と関連付けられ得る、論理“1”の状態に対応する電圧)を印加することによって導電性を可能にし、又は相対的に高い論理信号電圧(例えば、接地又は仮想接地電圧と関連付けられ得る、論理“0”の状態に対応する電圧)を印加することによって導電性を不可能にするために使用される論理信号である。p型トランジスタがスイッチングコンポーネントとして用いられる幾つかの例では、ゲート端子に印加される論理信号の電圧は、(例えば、飽和領域内の又は活性化領域内の)特定の動作点でトランジスタを動作させるように選択され得る。
【0044】
幾つかの例では、p型トランジスタの挙動は、ゲート電圧による論理的スイッチングよりも複雑であり得、トランジスタに渡る選択的な導電性は、ドレイン及びソース電圧の変化の関数でもあり得る。例えば、ゲート端子における印加電圧は、ソース端子電圧がある一定のレベルを上回る(例えば、ゲート端子電圧+閾値電圧を上回る)限り、ドレイン端子とソース端子との間の導電性を可能にするために使用される特定の電圧レベルを有し得る。ソース端子電圧の電圧がある一定のレベルを下回る場合、ドレイン端子とソース端子との間の導電経路が開放されるように、p型トランジスタは非活性化され得る。
【0045】
回路200のトランジスタは、MOSFETと称され得る金属酸化物半導体FETを含む電界効果トランジスタ(FET)であり得る。これらの及びその他のタイプのトランジスタは、基板上の材料のドープ領域によって形成され得る。幾つかの例では、トランジスタは、回路200の特定のコンポーネントに専用の基板(例えば、センスアンプ270のための基板、信号発現コンポーネント260のための基板、リファレンスコンポーネント280のための基板、メモリセル105-aのための基板)上に形成され得、又はトランジスタは、回路200の特定のコンポーネントに共通の基板(例えば、センスアンプ270、信号発現コンポーネント260、リファレンスコンポーネント280、又はメモリセル105-aの内の2つ以上に共通の基板)上に形成され得る。幾つかのFETは、アルミニウム又はその他の金属を含む金属部分を有し得るが、幾つかのFETは、MOSFETと称され得るそれらのFETを含む、多結晶シリコン等のその他の非金属材料を実装し得る。更に、酸化物部分はFETの誘電体部分として使用され得るが、他の非酸化物材料は、MOSFETと称され得るそれらのFETを含むFET内の誘電体材料で使用され得る。
【0046】
回路200は、単一のメモリセル105に関連するコンポーネントのセットを説明しているが、回路200の様々なコンポーネントは、様々な動作をサポートするためにメモリデバイス100において複製され得る。例えば、行アクセス又はページアクセス動作をサポートするために、センスコンポーネント150は、信号発現コンポーネント260、信号線265、リファレンスコンポーネント280、リファレンス線285、センスアンプ270、又はその他のコンポーネントの内の1つ以上のマルチプルで構成され得、マルチプルは、行アクセス又はページアクセス動作で(例えば、同時動作で)アクセスされ得るメモリセル105の量に従って構成され得る。様々な例では、そうしたマルチプルのセットは、メモリデバイス100内の各メモリセクション110に対応し得、さもなければ繰り返され得、又はマルチプルのそうしたセットは、メモリデバイス内の1つ以上のメモリセクション110の間で共有され得る。
【0047】
図3A及び
図3Bは、本明細書に開示するような様々な例に従った、ヒステリシスプロット300-a及び300-bを夫々有する強誘電体メモリセルの非線形電気特性の例を説明する。ヒステリシスプロット300-a及び300-bは、
図2を参照して説明したような強誘電体コンデンサ220を用いるメモリセル105の読み出し動作内の様々なフェーズの例を説明し得る。ヒステリシスプロット300-a及び300-bは、(例えば、電圧差V
capに従って電荷が強誘電体コンデンサ220に流入する又は強誘電体コンデンサ220から流出することが許容される場合の)強誘電体コンデンサ220の端子間の電圧差V
capの関数としての、強誘電体コンデンサ220上に蓄積された電荷Qを描写する。例えば、電圧差V
capは、セル底部222とセルプレート221との間の電圧差(例えば、V
bottom-V
plate、V
DL-V
PL)を表し得る。
【0048】
強誘電体材料は、電界が存在しない場合に材料が非ゼロの電荷を維持し得る電気分極によって特徴付けられる。強誘電体材料の例は、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、タンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)を含む。本明細書に説明する強誘電体コンデンサ220は、これらの又はその他の強誘電体材料を含み得る。強誘電体コンデンサ220内の電気分極は、強誘電体材料の表面に正味の電荷をもたらし、強誘電体コンデンサ220の端子を通じて反対の電荷を引き付ける。したがって、電荷は、強誘電体材料とコンデンサ端子との界面に蓄積され得る。
【0049】
図3Aは、読み出し動作の活性化フェーズ中に読み出し電圧315をメモリセルに印加するプロセスを説明するヒステリシスプロット300-aを含み得る。ヒステリシスプロット300-aに描写するように、強誘電体コンデンサ220内で使用される強誘電体材料は、強誘電体コンデンサ220の端子間に正味の電圧差がない場合、正又は負の分極を維持し得る。例えば、ヒステリシスプロット300-aは、2つの可能な分極状態、電荷状態305-a及び電荷状態310-aを説明し、これらは、正の飽和分極状態及び負の飽和分極状態を夫々表し得る。電荷状態305-a及び310-aは、外部バイアス(例えば、電圧)を除去したときに残る分極(又は電荷)を指し得る残留分極(Pr)値を説明する物理的状態にあり得る。ヒステリシス プロット300-aの例に従えば、電荷状態305-aは、強誘電体コンデンサ220に渡って電圧差が印加されていない場合に論理0を表し得、電荷状態310-aは、強誘電体コンデンサ220に渡って電圧差が印加されていない場合に論理1を表し得る。幾つかの例では、個別の電荷状態又は分極状態の論理値は、メモリセル105を動作させるための他のスキームに対応するために反転させられ得、又は反対の方法で解釈され得る。
【0050】
強誘電体コンデンサ220の蓄積状態を読み出す又はセンシングするために、強誘電体コンデンサ220に渡って電圧(例えば、読み出し電圧)も印加され得る。印加電圧に応答して、強誘電体コンデンサによって蓄積される後続の電荷Qは変化し、変化の程度は、初期の分極状態、印加電圧、アクセス線上の固有又はその他の静電容量、及びその他の要因に依存し得る。言い換えれば、読み出し動作からもたらされる電荷状態又はアクセス線電圧は、要因の中でもとりわけ、電荷状態305-a、若しくは電荷状態310-a、又はその他の電荷状態の何れが最初に蓄積されていたかに依存し得る。
【0051】
ヒステリシスプロット300-aは、蓄積された電荷状態305-a及び310-aを読み出すために読み出し動作の活性化フェーズ中に読み出し電圧を印加するための一例を説明する。読み出し電圧315は、例えば、
図2を参照して説明したように、デジット線210及びプレート線215を介した電圧差として印加され得る。ヒステリシスプロット300-aは、読み出し電圧315が負の電圧差V
capである(例えば、V
bottom-V
plateが負である、V
DLがV
PLよりも小さい)読み出し動作を説明し得る。強誘電体コンデンサ220に渡る負の読み出し電圧は、“プレートハイ”読み出し動作と称され得、デジット線210は最初に低い電圧(例えば、接地電圧)にされ、プレート線215は最初に高い電圧にある。読み出し電圧315は強誘電体コンデンサ220に渡る負の電圧として示されているが、代替のアクセス動作では、読み出し電圧は強誘電体コンデンサ220に渡る正の電圧であり得、これは“プレートロー”読み出し動作と称され得る。
【0052】
読み出し電圧315は、(例えば、
図2を参照して説明したようにワード線205を介してセル選択コンポーネント230を活性化することによって)メモリセル105が選択されている間に、強誘電体コンデンサ220に渡って印加され得る。読み出し電圧315を強誘電体コンデンサ220に印加すると、関連するデジット線210及びプレート線215を介して電荷が強誘電体コンデンサ220に流入し得、又は強誘電体コンデンサ220から流出し得、幾つかの例では、強誘電体コンデンサ220が電荷状態305-aにあった(例えば、論理0を蓄積する)か、それとも電荷状態310-aにあった(例えば、論理1を蓄積する)か、それとも何らかのその他の電荷状態にあったかに依存して、異なる電荷状態又はアクセス線電圧がもたらされ得る。
【0053】
電荷状態305-a(例えば、論理0)にある強誘電体コンデンサ220上で読み出し動作を実施する場合、正味の負の電荷が強誘電体コンデンサ220に渡って蓄積するにつれて、蓄積された電荷は極性を反転し得る。幾つかの場合、読み出し電圧315は(例えば、より大きな電圧がメモリセルに渡って印加されることと関連付けられた書き込み電圧と比較して)低減され得る。ここで、低減された読み出し電圧315が強誘電体コンデンサ220に渡って印加され得、電荷状態は、電荷状態305-bの電荷及び電圧に到達するまで経路320をたどり得る。低減された読み出し電圧315が(例えば、書き込み電圧の代わりに)印加されるため、電荷状態は、読み出し動作の活性化フェーズの第1の部分中に、電荷状態305-bを越えて経路320をたどらない。コンデンサ220に流れる電荷の量は、デジット線210又はその他のアクセス線の固有の又はその他の静電容量に関連し得る。“プレートハイ”読み出し構成では、電荷状態305-a及び305-bと関連付けられた読み出し動作、又はより一般的に、論理0の状態と関連付けられた読み出し動作は、(例えば、電荷状態310-a及び310-b、又はより一般的に、論理1の状態と関連付けられた読み出し動作と比較して)相対的に大量の電荷転送と関連付けられ得る。
【0054】
電荷状態310-a(例えば、論理1)にある強誘電体コンデンサ220上で読み出し動作を実施する場合、追加の負の電荷が強誘電体コンデンサ220に渡って蓄積し得る。幾つかの場合、強誘電体コンデンサ220に渡って読み出し電圧315が印加され得、電荷状態は、電荷状態310-bの電荷及び電圧に到達するまで経路325をたどり得る。読み出し電圧315が(例えば、より大きな書き込み電圧の代わりに)印加されるため、電荷状態310は、読み出し動作の活性化フェーズの第1の部分中に電荷状態310-bを越えて経路325をたどらない。コンデンサ220に流れる電荷の量は、デジット線210又はその他のアクセス線の固有の又はその他の静電容量に関連し得る。“プレートハイ”読み出し構成では、電荷状態310-a及び310-bと関連付けられた読み出し動作、又はより一般的に、論理1の状態と関連付けられた読み出し動作は、(例えば、電荷状態305-a及び305-b、又はより一般的に、論理0の状態と関連付けられた読み出し動作と比較して)相対的に少量の電荷転送と関連付けられ得る。
【0055】
読み出し動作を開始した後の電荷状態305-b及び電荷状態310-bの位置は、特定のセンシングスキーム及び回路を含む複数の要因に依存し得る。幾つかの場合、最終的な電荷は、メモリセル105と結合されたデジット線210の正味の静電容量に依存し得、それは、固有の静電容量240及び(例えば、センスコンポーネント150の)積分コンデンサ等を含み得る。例えば、強誘電体コンデンサ220がデジット線210と電気的に結合され、かつ、読み出し電圧315が印加された場合、電荷が、デジット線210の正味の静電容量から強誘電体コンデンサ220に流れるため、メモリセル105が選択されるとデジット線210の電圧が低下し得る。したがって、幾つかの例では、センスコンポーネント150において測定された電圧は、読み出し電圧315と等しくないことがあり、代わりに、電荷共有の期間の後に続くデジット線210又はその他のアクセス線の電圧に依存し得る。
【0056】
強誘電体コンデンサ220の初期状態(例えば、電荷状態、論理状態)は、読み出し動作からもたらされるデジット線210、又は該当する場合は信号線265の電圧を(例えば、
図2を参照して説明したようなリファレンス線285を介した)リファレンス電圧と比較することによって判定され得る。幾つかの例では、デジット線電圧は、プレート線電圧と強誘電体コンデンサ220に渡る最終電圧(例えば、蓄積された電荷状態305-aを有する強誘電体コンデンサ220を読み出す場合の電荷状態305-bの電圧、又は蓄積された電荷状態310-aを有する強誘電体コンデンサ220を読み出す場合の電荷状態310-bの電圧)との和であり得る。
【0057】
図3Bは、読み出し動作の活性化フェーズ並びに読み出し動作のリフレッシュ及びプリチャージフェーズ中にメモリセルに書き込み電圧330を印加するプロセスを説明するヒステリシスプロット300-bを含み得る。幾つかの場合、ヒステリシスプロット300-bによって説明されるプロセスは、ヒステリシスプロット300-aによって説明されるプロセスの後に発生し得る。
【0058】
強誘電体コンデンサ220に渡って正味の電圧差を印加することによって、強誘電体材料の電気分極、したがって、コンデンサ端子上の電荷を制御することによって、メモリセル105に論理0又は1が書き込まれ得る。例えば、
図3Aの電荷状態305-b(例えば、蓄積された電荷状態305-aを有する強誘電体コンデンサ220を読み出す場合)又は電荷状態310-b(例えば、蓄積された電荷状態310-aを有する強誘電体コンデンサ220を読み出す場合)の何れかに強誘電体コンデンサ220をバイアスした後、強誘電体コンデンサ220に渡って電圧330が印加され得る。電圧330は、書き込み電圧330に対応し得、書き込み電圧330を印加する前にメモリセルに印加された読み出し電圧315よりも大きくてもよい。また、電圧330は、負の飽和電圧以下の電圧であり得、強誘電体コンデンサ220に渡って電圧330を印加することは、電荷状態310-dに到達する(例えば、論理1を書き込む)まで電荷蓄積をもたらし得る。
【0059】
強誘電体コンデンサ220から電圧330を除去する(例えば、強誘電体コンデンサ220の端子に渡ってゼロの正味の電圧を印加する)と、強誘電体コンデンサ220の電荷状態は、電荷状態310-dとコンデンサに渡るゼロの電圧における電荷状態310-cとの間に示される経路335をたどり得る。言い換えれば、電荷状態310-cは、負に飽和した強誘電体コンデンサ220に渡る等化電圧にある論理1の状態を表し得る。
【0060】
同様に、電荷状態305-b又は電荷状態310-bの何れかに強誘電体コンデンサ220をバイアスした後、(例えば、読み出し動作のプリチャージフェーズ中に)強誘電体コンデンサ220に渡って電圧340が印加され得る。電圧340は、正の飽和電圧以上の電圧であり得、強誘電体コンデンサ220に渡って電圧340を印加することは、電荷状態305-eに到達する(例えば、論理0を書き込む)まで電荷蓄積をもたらし得る。強誘電体コンデンサ220から電圧340を除去する(例えば、強誘電体コンデンサ220の端子に渡ってゼロの正味の電圧を印加する)と、強誘電体コンデンサ220の電荷状態は、電荷状態305-eとコンデンサに渡るゼロの電圧にある電荷状態305-dとの間に示される経路345をたどり得る。言い換えれば、電荷状態305-dは、正に飽和した強誘電体コンデンサ220に渡る等化電圧にある論理0の状態を表し得る。幾つかの例では、飽和電圧を表す電圧330及び電圧340は、強誘電体コンデンサ220に渡る同じ大きさであるが反対の極性を有し得る。
【0061】
図4は、本開示の例に従った読み出し動作技法中のメモリセルバイアスをサポートするタイミング
図400を説明する。タイミング
図400は、読み出し動作全体のメモリセル(例えば、
図1~
図3を参照して説明したメモリセル105)に渡る電圧を説明し得る。読み出し動作は、活性化フェーズ405、リフレッシュフェーズ410、及びプリチャージフェーズ415を含み得る。
【0062】
アクセスされる前に、メモリセルは、0ボルトに凡そ等しくてもよい電圧425(例えば、V0)にバイアスされ得る。次に、T0において、メモリセルは、セルを読み出し電圧430にバイアスすることによって、読み出し動作の活性化フェーズ405中にアクセスされ得る。読み出し電圧430は、
図3を参照して説明したようにプレート線とデジット線との間の電圧差に基づいてメモリセルに印加され得る。ここで、デジット線の電圧は読み出し電圧430に凡そ等しくてもよく、プレート線の電圧は0ボルトに凡そ等しくてもよい。幾つかの場合、読み出し電圧の極性は(例えば、正の極性から負の極性に)反転させられ得る。すなわち、プレート線の電圧は読み出し電圧430に凡そ等しくてもよく、デジット線の電圧は0ボルトに凡そ等しくてもよい。読み出し電圧430を印加することは、
図3Aを参照して説明したように、メモリセルを読み出し電圧430にバイアスする前のメモリセルの論理状態に基づいてメモリセルの電荷状態が経路320又は325をたどり得るようにさせ得る。
【0063】
時間T1において、書き込み電圧435がメモリセルに印加され得る。すなわち、メモリセルに印加される電圧は、読み出し電圧430から書き込み電圧435に増加し得る。幾つかの場合、読み出し電圧430に凡そ等しい電圧から、書き込み電圧435に凡そ等しい電圧までデジット線の電圧を増加させることによって、書き込み電圧435がメモリセルに印加され得る。幾つかの他の場合(例えば、メモリセルに印加される電圧の極性が反転する場合)、読み出し電圧430に凡そ等しい電圧から、書き込み電圧435に凡そ等しい電圧までプレート線の電圧を増加させることによって、書き込み電圧435がメモリセルに印加され得る。書き込み電圧435は、メモリセルと関連付けられた飽和電圧以上の電圧に対応し得る。したがって、書き込み電圧435をメモリセルに印加することは、
図3Bを参照して説明したように、メモリセルの電荷状態が飽和点までヒステリシス曲線をたどるようにさせ得る。幾つかの場合、このことは、論理値“1”を蓄積するようにメモリデバイスをプログラミングすることに対応し得る。
【0064】
時間T2において、メモリセルは、読み出し動作のリフレッシュフェーズ410中、約0ボルトにバイアスされ得る。動作のリフレッシュフェーズ410は、活性化フェーズ405の後で、読み出し動作のプリチャージフェーズ415の前に発生し得る。幾つかの場合、読み出し動作のリフレッシュフェーズ410は、オープンページアクセス動作を表し得る。そうした場合、オープンページアクセス動作の継続時間は、活性化フェーズ405の終了から読み出し動作のプリチャージフェーズ415の開始まで延長し得る。
【0065】
時間T3において、メモリデバイスは、読み出し動作のプリチャージフェーズ415を開始し得る。読み出し動作のプリチャージフェーズ415中、メモリセルは、読み出し動作の前にメモリセルによって蓄積され
ていた値に基づいて電圧425(例えば、V0)に随意にバイアスされ得る。例えば、メモリセルが読み出し動作の前に論理値“1”を蓄積していた場合、メモリデバイスはプリチャージパルスを印加することを控え得る。幾つかの他の場合では、メモリセルは、プリチャージフェーズ415中に電圧440(例えば、V1)に随意にバイアスされ得る。例えば、メモリセルが読み出し動作前に論理値“0”を蓄積していた場合、メモリデバイスは、時間T3から時間T4までプリチャージパルスを印加し得る。幾つかの場合、電圧440(例えば、V1)の大きさは、反対の極性を有する書き込み電圧435に凡そ等しくてもよい。タイミング
図400の機構は、強誘電体メモリ技術を使用するメモリデバイスで使用され得る。幾つかの場合、タイミング
図400の機構は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、強誘電体RAM(FeRAM)、磁気RAM(MRAM)、抵抗変化型RAM(RRAM)、フラッシュメモリ、又は相変化メモリ(PCM)等のその他のタイプのメモリ技術で使用され得る。
【0066】
図5は、本明細書に開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートする回路500の一例を説明する。回路500は、メモリセル105-bの論理状態をセンシングするためのセンスアンプ290-aを含む。電荷又はその他の信号は、組み合わせてメモリセル105-bの単一のアクセス線と称され得る、デジット線210-a及び信号線265-aを介してセンスアンプ290-aとメモリセル105-bとの間で通信され得る。アクセス線の信号は、図示するように、デジット線210-a上の電圧V
DLと信号線265-a上のV
sigとによって説明され得る。
【0067】
例示的な回路500は、電圧源510-lによって有効化され得る、デジット線210-aと信号線265-aとの間に結合されたカスコード505を含み得る。様々な例では、カスコード505は、信号発現コンポーネント260の一例であり得、さもなければ信号発現コンポーネント260の一部として含まれ得る。回路500はまた、(例えば、論理信号WLによって)メモリセル105-bを選択又は選択解除するためのワード線205-aと、メモリセル105-bの論理状態を検出する場合に信号線265-aの信号と比較するためのリファレンス信号(例えば、図示するようなVref)を提供するためのリファレンス線285-aとを含み得る。回路500はまた、メモリセル105-bのコンデンサのセルプレートにアクセスするためのプレート線215-aを含み得る。したがって、メモリセル105-bは、第1のアクセス線(例えば、デジット線210-a及び信号線265-a)と第2のアクセス線(例えば、プレート線215-a)との間に結合されたメモリセル105を表し得る。
【0068】
回路500は、例示的な回路500を含むメモリデバイスの様々な電圧供給源又は共通の接地点若しくは仮想接地点と結合され得る、様々な電圧源510を含み得る。
【0069】
電圧源510-aは、他の電圧から区別される電圧V0を有する共通のリファレンス電圧と関連付けられ得る共通の接地点(例えば、シャーシ接地、中性点)を表し得る。電圧源510-aは、デジット線210-aの固有の静電容量240-aを介してデジット線210-aと結合され得る。
【0070】
電圧V
1を有する電圧源510-bは、プレート線電圧源を表し得、メモリセル105-bのプレート線215-aを介してメモリセル105-bと結合され得る。幾つかの例では、電圧源510-bは、
図3のヒステリシスプロット300-a及び300-bを参照して説明したそれらの動作を含む、読み出し又は書き込み動作等のアクセス動作に対して制御され得る。言い換えれば、幾つかの例では、電圧源510-bは、電圧V
1が複数のレベルを有し得る可変電圧源であり得る。
【0071】
電圧V2を有する電圧源510-cは、デジット線電圧源を表し得、論理信号SW1によって活性化又は非活性化され得るスイッチングコンポーネント520-aを介してデジット線210-aと結合され得る。
【0072】
電圧V3を有する電圧源510-dは、信号線プリチャージ電圧源を表し得、論理信号SW3によって活性化又は非活性化され得るスイッチングコンポーネント520-cを介して信号線265-aと結合され得る。
【0073】
電圧V4を有する電圧源510-eは、リファレンス信号電圧源を表し得、論理信号SW6によって活性化又は非活性化され得るスイッチングコンポーネント520-fを介してリファレンス線285-aと結合され得る。
【0074】
電圧V11を有する電圧源510-1は、アンプ又はカスコード電圧源を表し得、カスコード505と結合され得る。幾つかの例では、カスコード505は、トランジスタ又はアンプであり得、電圧源510-lは、トランジスタのゲートと結合され得る。カスコード505は、第1の端子で信号線265-aと結合され得、第2の端子でデジット線210-aと結合され得る。幾つかの場合、カスコードは、カスコード構成で結合された2つ以上のトランジスタを含み得る。
【0075】
電圧源510-lは、デジット線210-aに様々な電圧を印加するように構成され得る。すなわち、電圧源510-aは、カスコード505のゲートに電圧V11を印加し得る。カスコード505のゲートに印加されるゲート電圧の大きさは、メモリセルに印加される電圧に影響を与え得る。例えば、カスコード505のゲートに印加されるゲート電圧の第1の大きさは、読み出し電圧(例えば、読み出しパルス)がメモリセル105-bに印加されることをもたらし得、カスコード505のゲートに印加されるゲート電圧の第2の大きさは、書き込み電圧(例えば、書き込みパルス)パルスがメモリセル105-bに印加されることをもたらし得る。電圧V11がカスコード505のゲート電圧を超える場合、(例えば、スイッチングコンポーネント520-bが閉鎖される場合に)デジット線210-aに電圧が印加され得る。例えば、読み出し動作の活性化フェーズ中、電圧源510-lは、カスコード505のゲート電圧と読み出し電圧との和に等しい電圧を印加し得る。したがって、デジット線210-aに読み出し電圧が印加される。デジット線210-aに読み出し電圧を印加した後、電圧源510-lは、カスコード505のゲートに印加される電圧を、カスコード505のゲート電圧と書き込み電圧との和に凡そ等しい電圧まで増加させ得る。ここで、書き込み電圧は、読み出し動作の活性化フェーズ中にデジット線210-aに印加され得る。
【0076】
デジット線210-aに電圧を印加する場合、メモリセル105-bに渡る電圧(例えば、メモリセル105-bに印加されるバイアス電圧)は、デジット線210-aとプレート線215-aとの電圧間の差に凡そ等しくてもよい。ここで、プレート線215-aの電圧は、読み出し動作の活性化フェーズ中、ゼロボルトにほぼ等しくてもよい(例えば、V1はゼロボルトに凡そ等しくてもよい)。メモリセル105-bは、電圧源510-lが読み出し動作の活性化フェーズ中にカスコード505に電圧を印加することに基づいて、活性化フェーズ中に読み出し電圧、次いで書き込み電圧にバイアスされ得る。
【0077】
カスコード505は、デジット線210-aと信号線265-aとの間で電荷、電圧、又はその他の信号の変換を提供し得る。カスコード505は、デジット線210-aの電圧の低下時に(例えば、メモリセル105bの選択時に)、電圧源510-lによって
供給又は
有効にされると、信号線265-aからデジット線210-aへの電荷(例えば、電荷、電流)の流れを可能にし得る。したがって、カスコード505は、電荷転送コンポーネントと称され得、メモリセル105-bと(例えば、センスコンポーネントと関連付けられた)コンデンサ530-aとの間で電荷を転送するように構成され得る。幾つかの例では、(例えば、スイッチ520-bから信号線265-aへの)カスコード505に渡る電荷の説明する流れは、メモリセル105-bの論理状態と関連付けられた電荷転送、又はさもなければメモリセル105-bへのアクセスと関連付けられた電荷転送に対応し得る。例えば、メモリセル105-bが、ヒステリシスプロット300-a及び300-bによって説明されるよう
な強誘電体コンデンサを含む場合、カスコード505は、デジット線210-aの電圧を読み出し電圧(例えば、
図3を参照して説明したような読み出し電圧315、
図4を参照して説明したような読み出し電圧430)に維持するように構成され、(例えば、メモリセル105-bが読み出し電圧にバイアスされている間の)カスコード505に渡る電荷の流れは、メモリセル105-bが論理0を蓄積した場合には電荷状態305-bと305-aとの間の電荷Qの差に対応し得、さもなければそれに少なくとも部分的に基づき得、カスコード505に渡る電荷の流れは、メモリセル105-bが論理1を蓄積した場合には電荷状態310-bと310-aとの間の電荷Qの差に対応し得、さもなければそれに少なくとも部分的に基づき得る。
【0078】
回路500はまた、第1の積分コンデンサ530-a及び第2の積分コンデンサ530-bを含み得、これらは、個別の可変電圧源550と各々結合され得る。例えば、第1の積分コンデンサ530-aは、第1の端子531-aで信号線265-aと結合され得、第2の端子532-aで可変電圧源550-aと結合され得る。第2の積分コンデンサ530-bは、第1の端子531-bでリファレンス線285-aと結合され得、第2の端子532-bで可変電圧源550-bと結合され得る。
【0079】
幾つかの例では、カスコード505に渡る電荷の流れは、信号線265-aの電圧の変化を伴い得る。例えば、信号線265-aが電圧源とさもなければ結合されていない場合、デジット線210-aへの電荷の相対的に小さな流れは、信号線265-aの電圧の相対的に小さな変化と関連付けられ得る一方、デジット線210-aへの電荷の相対的に大きな流れは、信号線265-aの電圧の相対的に大きな変化と関連付けられ得る。アクセス動作と関連付けられた信号線265-aの電圧の変化は、(例えば、積分コンデンサ530-aを含む)信号線265-aの正味の静電容量に基づき得、信号線265-aは、メモリセル105-bを選択した後、カスコード505に渡る電荷の流れに依存して、電圧の相対的に小さな変化又は電圧の相対的に大きな変化を受け得る。
【0080】
様々な例において、カスコード505は、デジット線210-aの電圧又は電荷転送に応答してカスコード505が電荷の流れを調整する方法に関連して、“電圧レギュレータ”又は“バイアスコンポーネント”と称され得る。幾つかの例では、カスコード505、又はカスコード505と積分コンデンサ530-aとの組み合わせは、電荷転送センシングアンプと称され得る。カスコード505は、論理信号SW2によって活性化又は非活性化され得るスイッチングコンポーネント520-bによってデジット線210-aから絶縁され得る。幾つかの例では、スイッチングコンポーネント520-bは、列コンポーネント135、マルチプレクサ、又はデジット線210-aをカスコード505若しくは信号線265-aと選択的に結合するように構成されたその他の何らかの回路の一部であり得る。
【0081】
回路500の例では、可変電圧源550-aは、電圧V5を有する電圧源510-fと、電圧V6を有する電圧源510-gとを含み得、これらは、論理信号SW4を介してスイッチングコンポーネント520-dによって第1の積分コンデンサ530-aとの接続のために選択され得る。幾つかの例では、電圧源510-fは、共通の接地点(図示せず)と結合され得る。他の例では、電圧源510-fは、正又は負の電圧を提供する電圧供給源と結合され得る。電圧源510-gは、電圧源510-fの電圧よりも高い電圧を有する電圧供給源と結合され得、それは、電圧源510-fが接地されている場合にV6-V5、又は単にV6に等しい、電圧源510-gと510-fとの間の電圧差に従って電圧ブースト機能を提供し得る。
【0082】
回路500の例では、可変電圧源550-bは、電圧V7を有する電圧源510-hと、電圧V8を有する電圧源510-iとを含み得、これらは、論理信号SW5を介してスイッチングコンポーネント520-eによって第2の積分コンデンサ530-bとの接続のために選択され得る。幾つかの例では、電圧源510-hは、共通の接地点(図示せず)と結合され得る。他の例では、電圧源510-hは、正又は負の電圧を提供する電圧源と結合され得る。電圧源510-iは、電圧源510-hの電圧よりも高い電圧を有する電圧供給源と結合され得、それは、電圧源510-hが接地されている場合にV8-V7、又は単にV8に等しい電圧源510-iと510-hとの間の電圧差に従って電圧ブースト機能を提供し得る。
【0083】
様々な例において、回路500の1つ以上のコンポーネントは、
図2を参照して説明した信号発現コンポーネント260等の信号発現回路内に含まれ得、さもなければその一部とみなされ得る。例えば、電圧源510-c、スイッチングコンポーネント520-a、スイッチングコンポーネント520-b、カスコード505、電圧源510-l、電圧源510-d、スイッチングコンポーネント520-c、可変電圧源550-a、又は積分コンデンサ530-aの内の任意の1つ以上は、信号発現コンポーネント260内に含まれ得、さもなければ、そうした信号発現コンポーネント260の説明する境界内にあるとみなされ得る。
【0084】
回路500は、2つの可変電圧源550を含むものとして示されているが、本開示に従った幾つかの構成は、単一の共通の可変電圧源550を含み得る。例えば、共通の可変電圧源550の第1の電圧源510は、共通の可変電圧源550のスイッチングコンポーネント520が非活性化された場合に、第1の積分コンデンサ530-aの第2の端子532-a及び第2の積分コンデンサ530-bの第2の端子532-bの両方と結合され得、共通の可変電圧源550の第2の電圧源510は、共通の可変電圧源550のスイッチングコンポーネント520が活性化された場合に、第1の積分コンデンサ530-aの第2の端子532-a及び第2の積分コンデンサ530-bの第2の端子532-bの両方と結合され得る。共通の可変電圧源550を使用する幾つかの例では、第1の積分コンデンサ530-aの第2の端子532-aに提供される電源電圧は、可変電圧源550と積分コンデンサ530の各々との間の回路の違い(例えば、導体の長さ、幅、抵抗、静電容量)に起因して、第2の積分コンデンサ530-bの第2の端子532-bに提供される電源電圧とは異なり得る。
【0085】
更に、可変電圧源550は、2つの電圧源510及びスイッチングコンポーネント520を含むものとして説明されているが、本明細書の動作をサポートする可変電圧源550は、第1の積分コンデンサ530-aの第2の端子532-a及び第2の積分コンデンサ530-bの第2の端子532-bの一方又は両方に可変電圧を提供する電圧バッファ等のその他の構成を含み得る。他の例では、可変電圧源550は、固定電圧源又はその他のタイプの電圧源と置き換えられてもよい。追加的又は代替的に、電圧ブーストの説明する動作は、アクセス動作から省略されてもよい。
【0086】
本明細書に説明する様々な動作をサポートするために、センスアンプ290-aは、回路500の一部分から絶縁され得る。例えば、センスアンプ290-aは、論理信号ISO
1によって活性化又は非活性化され得るスイッチングコンポーネント520-g(例えば、絶縁コンポーネント、活性化コンポーネント)を介して信号線265-aと結合され得る。追加的又は代替的に、センスアンプ290-aは、論理信号ISO
2によって活性化又は非活性化され得るスイッチングコンポーネント520-h(例えば、絶縁コンポーネント)を介してリファレンス線
285-aと結合され得る。更に、センスアンプ290-aは、電圧V
9を有する電圧源510-j及びV
10の電圧を有する電圧源510-kと結合され得、これらは、夫々、
図2を参照して説明したセンスアンプ電圧源250-b及び250-cの例であり得る。
【0087】
回路500に説明する論理信号の各々は、
図1を参照して説明したメモリコントローラ170等のメモリコントローラ(図示せず)によって提供され得る。幾つかの例では、ある一定の論理信号は、他のコンポーネントによって提供され得る。例えば、論理信号WLは、
図1を参照して説明した行コンポーネント125内に含まれ得る行デコーダ(図示せず)によって提供され得る。
【0088】
様々な例において、電圧源510は、例示的な回路500を含むメモリデバイスの電圧供給源又は共通の接地点若しくは仮想接地点の異なる構成と結合され得る。例えば、幾つかの例では、電圧源510-a、510-f、510-h、若しくは510-j、又はそれらの任意の組み合わせは、同じ接地点又は仮想接地点と結合され得、メモリセル105bにアクセスする様々な動作に対して実質的に同じリファレンス電圧を提供し得る。幾つかの例では、幾つかの電圧源510は、メモリデバイスの同じ電圧供給源と結合され得る。例えば、幾つかの例では、電圧源510-c、510-d、510-g、510-i、若しくは510-k、又はそれらの任意の組み合わせは、ある一定の電圧(例えば、“VARY”と称され得る1.5Vの電圧)を有する電圧供給源と結合され得る。そうした例では、信号線265-aは、センシングのためにワード線205-aを介してメモリセル105-bを選択する前に、2×VARYに実質的に等しい電圧、又は約3.0Vにブーストされ得る。他の例では、電圧源510-g及び510-iは、他の電圧供給源とは異なる電圧供給源(例えば、“PDS”と称され得る1.2Vの電圧)と結合され得、それは、したがって、1.2Vの電圧ブーストと関連付けられ得る。
【0089】
幾つかの例では、電圧源510-j及び510-kは、特定の入力/出力パラメータに従って選択され得る。例えば、電圧源510-j及び510-kは、幾つかのDRAM規則等の特定の入力/出力コンポーネント規則に従って、夫々、実質的に0V及び1Vであり得る。電圧源510は、共通の電圧供給源又は接地点と結合され得るが、共通の電圧供給源又は共通の接地点と結合された電圧源510の各々の電圧は、個別の電圧源510と、関連する共通の電圧供給源又は共通の接地点との間の回路における様々な違い(例えば、導体の長さ、幅、抵抗、静電容量)に起因して異なり得る。
【0090】
電圧源510-eは、メモリセル105-bの論理状態をセンシングするためのリファレンス電圧を提供し得る。例えば、V4の電圧は、論理1及び論理0をセンシングすることと関連付けられた信号線電圧間の平均であるように構成され得る。幾つかの例では、V4の電圧は、他の電圧源510と結合された同じ電圧供給源であり得るメモリデバイスの電圧供給源から降下した電圧として提供され得る。例えば、V4は、電圧源510-eを電圧源510-dと同じ電圧供給源と接続するが、電圧供給源と電圧源510-eとの間の介在する電気的負荷(例えば、抵抗性負荷又は静電容量)と接続することによって提供され得る。
【0091】
図6は、本明細書に開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートするタイミング
図600の一例を説明する。タイミング
図600は、活性化フェーズ605、リフレッシュフェーズ607、及びプリチャージフェーズ610を含む例示的な読み出し動作を説明し得る。タイミング
図600は、電圧を時間の関数として描写し得る。例えば、タイミング
図600は、デジット線電圧615、ワード線電圧620、及びプレート線電圧640を含み得る。
【0092】
時間T1において、デジット線電圧615は、0Vから読み出し電圧630まで充電され得る。例えば、
図5を参照して説明したように、電圧源(例えば、電圧源510-l)は、デジット線を読み出し電圧630まで充電するために、読み出し電圧630とカスコードのゲート電圧との和に凡そ等しい電圧を印加し得る。時間T2において、ワード線電圧620は、0Vから、活性化されたワード線電圧620まで充電され得る。こうした場合、読み出し動作中にメモリセルと結合されたワード線に電圧が印加され得る。メモリセルは、ワード線電圧620をワード線に印加することに基づいてアクセスされ得る。
【0093】
(例えば、時間T2から時間T3までの)活性化フェーズ605の第1の部分中に、デジット線電圧615が読み出し電圧630に凡そ等しい間に、メモリセル上の信号が発現し得、デジット線電圧615、プレート線電圧640、及びワード線電圧620は、それらの個別の電圧に維持され得る。ここで、プレート線電圧640が0Vに凡そ等しいとき、メモリセルは読み出し電圧630にバイアスされ得る。時間T2と時間T3との間に、メモリセルと、センスコンポーネントと関連付けられたコンデンサ(例えば、
図5を参照して説明したようなコンデンサ530-a)との間で電荷が転送され得る。幾つかの場合、時間T2と時間T3との間で信号が増幅され得る。
【0094】
幾つかのメモリデバイスでは、デジット線電圧615は、(例えば、時間T2から時間T3までの)活性化フェーズ605の第1の部分中に書き込み電圧635にセットされ得る。ここで、メモリセルは、書き込み電圧635に凡そバイアスされ得、メモリセルと、センスコンポーネントと関連付けられたコンデンサとの間で電荷が同様に転送され得る。幾つかの場合、このことは、時間T2から時間T3までデジット線電圧615を読み出し電圧630にセットするメモリデバイスよりも低いデバイスの信頼性(例えば、デバイスの寿命)と関連付けられ得る。すなわち、読み出し電圧630をデジット線に印加することは、時間T2から時間T3までメモリセルに書き込み電圧635を印加することと比較した場合に、読み出し動作中の電圧変位を減少させ得る。また、アクセス動作中のメモリセルの電圧変位の量を最小限にすることが望ましいことがある。読み出し動作中の電圧変位を減少させることは、読み出し動作と関連付けられた電力消費を減少させ得、読み出し動作中の他のメモリセルへのリーク電流を減少させ得る。また、時間T2から時間T3まで、デジット線電圧615を書き込み電圧635から読み出し電圧630に減少させることは、読み出しウィンドウを維持し得、したがって、読み出し動作の信頼性を維持し得る。
【0095】
時間T3において、デジット線電圧615は、読み出し電圧630から書き込み電圧635まで増加し得る。例えば、
図5を参照して説明したように、電圧源(例えば、電圧源510-1)は、デジット線を書き込み電圧635まで充電するために、書き込み電圧635とカスコードのゲート電圧との和に凡そ等しい電圧を印加し得る。幾つかの場合、このことは、メモリセルをある状態(例えば、論理0又は論理1)にプログラミングし得る。幾つかの場合、デジット線電圧615を書き込み電圧635まで増加させることに基づいて、時間T3において又は時間T3の後に、センスコンポーネントが活性化され得る。
【0096】
リフレッシュフェーズ607は、時間T4から時間T6まで、活性化フェーズ605に続き得る。時間T4において、メモリセルはある状態にプログラミングされ得る。例えば、メモリセルは、第1の状態又は第2の状態にプログラミングされ得る。メモリセルが第1の状態にプログラミングされる場合、デジット線電圧615は、(例えば、デジット線電圧645によって示されるように)時間T6まで時間T5において減少し得る。メモリセルが第2の状態にプログラミングされる場合、デジット線電圧615は、(例えば、デジット線電圧650によって示されるように)維持され得る。
【0097】
時間T6において、読み出し動作のプリチャージフェーズ610が開始され得る。デジット線電圧615は、時間T6においてデジット線に電圧が印加されると増加する。そうした場合、メモリセルは第1の状態にプログラミングされ得る。
【0098】
時間T7において、プリチャージフェーズ610中にプレート線に電圧が印加されると、プレート線電圧640が増加し得る。ここで、メモリセルは、プレート線電圧640とデジット線電圧615との間の差によって指し示される電圧にバイアスされ得る。幾つかの場合、プリチャージフェーズ610中のメモリセルへの電圧バイアスの極性は、活性化フェーズ605中にメモリセルに印加される電圧バイアスとは反対の極性であり得る。
【0099】
時間T8において、メモリデバイスは、読み出し動作のプリチャージフェーズ610を解決し始め得、読み出し動作全体を解決し得る。例えば、プレート線電圧640は0Vまで減少し得る。
【0100】
時間T9において、メモリデバイスは、デジット線電圧615を電圧0Vにバイアスすることによって、プリチャージフェーズ610を解決し続け得る。
【0101】
時間T10において、メモリデバイスは、ワード線電圧620を非活性化することによって、読み出し動作を解決及び/又は完了し得る。ワード線電圧をバイアスすると、メモリセルはデジット線から絶縁され得る。
【0102】
図7は、本明細書に開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートするメモリデバイス705のブロック
図700を示す。メモリデバイス705は、
図1~
図6を参照して説明したようなメモリデバイスの態様の一例であり得る。メモリデバイス705は、第1の電圧バイアスマネージャ710、第2の電圧バイアスマネージャ715、転送電荷コンポーネント720、センスコンポーネントマネージャ725、プリチャージコンポーネント730、第3の電圧バイアスマネージャ735、カスコード電圧マネージャ740、結合コンポーネント745、分離コンポーネント750、及びリフレッシュフェーズマネージャ755を含み得る。これらのモジュールの各々は、(例えば、1つ以上のバスを介して)相互に直接的又は間接的に通信し得る。
【0103】
第1の電圧バイアスマネージャ710は、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧にバイアスし得る。幾つかの例では、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることは、(例えば、デジット線をセンスコンポーネントと選択的に結合するカスコードのゲートに印加される)第3の電圧とカスコードの閾値電圧との間の差に基づき得る。幾つかの場合、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることは、メモリセルと結合されたデジット線とプレート線との間の電圧差に基づく。
【0104】
第2の電圧バイアスマネージャ715は、メモリセルを第1の電圧にバイアスした後、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧よりも大きい第2の電圧にバイアスし得る。幾つかの場合、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、メモリセルと結合されたデジット線とプレート線との間の電圧差に基づく。幾つかの実例では、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、(例えば、デジット線をセンスコンポーネントと選択的に結合するカスコードのゲートに印加される)第4の電圧とカスコードの閾値電圧との間の差に基づく。
【0105】
転送電荷コンポーネント720は、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、メモリセルと、センスコンポーネントと関連付けられたコンデンサとの間で電荷を転送し得、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、電荷を転送することに基づく。
【0106】
センスコンポーネントマネージャ725は、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、メモリセルと関連付けられた値を蓄積するためにセンスコンポーネントを活性化し得、読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始することは、センスコンポーネントを活性化することに基づく。
【0107】
プリチャージコンポーネント730は、読み出し動作のリフレッシュフェーズの後、メモリセルを第1の電圧にバイアスする前にメモリセルによって蓄積された値に基づいて読み出し動作のプリチャージフェーズを開始し得る。
【0108】
第3の電圧バイアスマネージャ735は、読み出し動作のプリチャージフェーズを開始することに基づいて、メモリセルを第3の電圧にバイアスし得、第1の電圧及び第2の電圧は第1の極性を有し、第3の電圧は、第1の極性とは異なる第2の極性を有する。
【0109】
カスコード電圧マネージャ740は、デジット線をセンスコンポーネントと選択的に結合するカスコードのゲートに第3の電圧を印加し得、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることは、第3の電圧をカスコードのゲートに印加することに基づく。幾つかの実例では、カスコード電圧マネージャ740は、第3の電圧よりも大きい第4の電圧をカスコードのゲートに印加し得、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、第4の電圧をカスコードのゲートに印加することに少なくとも部分的に基づく。
【0110】
結合コンポーネント745は、第3の電圧をカスコードに印加した後、メモリセルをデジット線と結合し得、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧にバイアスすることは、メモリセルをデジット線と結合することに基づく。
【0111】
分離コンポーネント750は、読み出し動作のプリチャージフェーズを開始した後、メモリセルをデジット線から分離し得る。
【0112】
リフレッシュフェーズマネージャ755は、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始し得る。幾つかの例では、リフレッシュフェーズマネージャ755は、メモリセルを第1の電圧にバイアスする前にメモリセルによって第1の値が蓄積されることに基づいて、読み出し動作のリフレッシュフェーズ中にメモリセルを第2の電圧に維持し得る。追加的又は代替的に、リフレッシュフェーズマネージャ755は、メモリセルを第1の電圧にバイアスする前にメモリセルによって第2の値が蓄積されることに基づいて、読み出し動作のリフレッシュフェーズ中にメモリセルに印加されるバイアスを第2の電圧から減少させ得る。
【0113】
図8は、本明細書に開示するような例に従った読み出し動作中のメモリセルバイアス技法をサポートする1つ以上の方法800を説明するフローチャートを示す。方法800の動作は、本明細書に説明するようなメモリデバイス又はそのコンポーネントによって実装され得る。例えば、方法800の動作は、
図7を参照して説明したようなメモリデバイスによって実施され得る。幾つかの例では、メモリデバイスは、説明する機能を実施するためにメモリデバイスの機能的要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的又は代替的に、メモリデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明する機能の態様を実施し得る。
【0114】
805において、メモリデバイスは、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧にバイアスし得る。805の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、805の動作の態様は、
図7を参照して説明したような第1の電圧バイアスマネージャによって実施され得る。
【0115】
810において、メモリデバイスは、メモリセルを第1の電圧にバイアスした後、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧よりも大きい第2の電圧にバイアスし得る。810の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、810の動作の態様は、
図7を参照して説明したような第2の電圧バイアスマネージャによって実施され得る。
【0116】
815において、メモリデバイスは、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始し得る。815の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、815の動作の態様は、
図7を参照して説明したようなリフレッシュフェーズマネージャによって実施され得る。
【0117】
幾つかの例では、本明細書に説明するような装置は、方法800等の1つ以上の方法を実施し得る。装置は、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧にバイアスすることと、メモリセルを第1の電圧にバイアスした後、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧よりも大きい第2の電圧にバイアスすることと、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始することのための機構、手段、又は命令(例えば、プロセッサによって実行可能な命令を蓄積する非一時的コンピュータ可読媒体)を含み得る。
【0118】
本明細書に説明する方法800及び装置の幾つかの場合は、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、メモリセルと、センスコンポーネントと関連付けられたコンデンサとの間で電荷を転送することであって、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、電荷を転送することに基づき得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0119】
本明細書に説明する方法800及び装置の幾つかの実例は、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、メモリセルと関連付けられた値を蓄積するためにセンスコンポーネントを活性化することであって、読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始することは、センスコンポーネントを活性化することに基づき得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0120】
本明細書に説明する方法800及び装置の幾つかの例は、読み出し動作のリフレッシュフェーズの後、メモリセルを第1の電圧にバイアスする前に読み出し動作によって蓄積された値に基づいて読み出し動作のプリチャージフェーズを開始することのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0121】
本明細書に説明する方法800及び装置の幾つかの場合は、読み出し動作のプリチャージフェーズを開始することに基づいて、メモリセルを第3の電圧にバイアスすることであって、第1の電圧及び第2の電圧は第1の極性を有し得、第3の電圧は、第1の極性とは異なる第2の極性を有し得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0122】
本明細書に説明する方法800及び装置の幾つかの実例は、デジット線をセンスコンポーネントと選択的に結合するカスコードのゲートに第3の電圧を印加することであって、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることは、第3の電圧をカスコードのゲートに印加することに基づき得ることと、第3の電圧よりも大きい第4の電圧をカスコードのゲートに印加することであって、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、カスコードのゲートに第4の電圧を印加することに少なくとも部分的に基づき得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0123】
本明細書に説明する方法800及び装置の幾つかの例では、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることは、第3の電圧とカスコードの閾値電圧との間の差に少なくとも基づき得、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、第4の電圧とカスコードの閾値電圧との間の差に基づき得る。
【0124】
本明細書に説明する方法800及び装置の幾つかの場合は、第3の電圧をカスコードに印加した後、メモリセルをデジット線と結合することであって、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧にバイアスすることは、メモリセルをデジット線と結合することに基づき得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0125】
本明細書に説明する方法800及び装置の幾つかの実例は、読み出し動作のプリチャージフェーズを開始した後、メモリセルをデジット線から分離することのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0126】
本明細書に説明する方法800及び装置の幾つかの例は、メモリセルを第1の電圧にバイアスする前にメモリセルによって第1の値が蓄積されることに基づいて、読み出し動作のリフレッシュフェーズ中にメモリセルを第2の電圧に維持すること、又はメモリセルを第1の電圧にバイアスする前にメモリセルによって第2の値が蓄積されることに基づいて、読み出し動作のリフレッシュフェーズ中にメモリセルに印加されるバイアスを第2の電圧から減少させることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0127】
本明細書に説明する方法800及び装置の幾つかの場合、メモリセルを第1の電圧及び第2の電圧にバイアスすることは、メモリセルと結合されたデジット線とプレート線との間の電圧差に基づき得る。
【0128】
本明細書に説明する方法は可能な実装であること、動作及びステップは再配置され得、さもなければ修正され得ること、並びに他の実装が可能であることに留意すべきである。更に、方法の2つ以上からの部分は組み合わされ得る。
【0129】
装置が説明される。装置は、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧にバイアスすることと、メモリセルを第1の電圧にバイアスした後、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧よりも大きい第2の電圧にバイアスすることをするように構成されたバイアスコンポーネントを含み得る。装置は、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始することのためのリフレッシュコンポーネントを更に含み得る。
【0130】
装置の幾つかの例は、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、メモリセルと、センスコンポーネントと関連付けられたコンデンサとの間で電荷を転送することであって、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、電荷を転送することに基づき得ることのための電荷転送コンポーネントを含み得る。
【0131】
装置の幾つかの場合は、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、メモリセルと関連付けられた値を蓄積するためにセンスコンポーネントを活性化することであって、読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始することは、センスコンポーネントを活性化することに基づき得ることのための活性化コンポーネントを含み得る。
【0132】
装置の幾つかの実例は、読み出し動作のリフレッシュフェーズの後、メモリセルを第1の電圧にバイアスする前にメモリセルによって蓄積された値に基づいて読み出し動作のプリチャージフェーズを開始することのためのプリチャージコンポーネントを含み得る。
【0133】
幾つかの例では、バイアスコンポーネントは、読み出し動作のプリチャージフェーズを開始することに基づいてメモリセルを第3の電圧にバイアスすることであって、第1の電圧及び第2の電圧は第1の極性を有し得、第3の電圧は、第1の極性とは異なる第2の極性を有し得ることをするように更に構成され得る。
【0134】
幾つかの場合、バイアスコンポーネントは、デジット線をセンスコンポーネントと選択的に結合するカスコードのゲートに第3の電圧を印加することであって、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることは、第3の電圧をカスコードのゲートに印加することに基づき得ることと、第3の電圧よりも大きい第4の電圧をカスコードのゲートに印加することであって、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、カスコードのゲートに第4の電圧を印加することに基づき得ることをするように更に構成され得る。
【0135】
幾つかの実例では、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることは、第3の電圧とカスコードの閾値電圧との間の差に少なくとも基づき得、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、第4の電圧とカスコードの閾値電圧との間の差に基づき得る。
【0136】
装置の幾つかの例は、カスコードに第3の電圧を印加した後、メモリセルをデジット線と結合することであって、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧にバイアスすることは、メモリセルをデジット線と結合することに基づき得ることをするように構成された結合コンポーネントを含み得る。
【0137】
幾つかの場合、結合コンポーネントは、読み出し動作のプリチャージフェーズを開始した後、メモリセルをデジット線から分離することをするように更に構成され得る。
【0138】
幾つかの実例では、バイアスコンポーネントは、メモリセルを第1の電圧にバイアスする前にメモリセルによって第1の値が蓄積されることに基づいて、読み出し動作のリフレッシュフェーズ中にメモリセルを第2の電圧に維持すること、又はメモリセルを第1の電圧にバイアスする前にメモリセルによって第2の値が蓄積されることに基づいて、読み出し動作のリフレッシュフェーズ中にメモリセルに印加されるバイアスを第2の電圧から減少させることをするように更に構成され得る。
【0139】
幾つかの例では、メモリセルを第1の電圧及び第2の電圧にバイアスすることは、メモリセルと結合されたデジット線とプレート線との間の電圧差に基づき得る。
【0140】
装置が説明される。装置は、メモリアレイと、メモリアレイと結合され、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリアレイのメモリセルを第1の電圧にバイアスすること、メモリセルを第1の電圧にバイアスした後、読み出し動作の活性化フェーズ中にメモリセルを第1の電圧よりも大きい第2の電圧にバイアスすることと、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることに基づいて読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始することをするように動作可能なコントローラとを含み得る。
【0141】
幾つかの例では、コントローラは、メモリセルを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、メモリセルと、センスコンポーネントと関連付けられたコンデンサとの間で電荷を転送することであって、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることは、電荷を転送することに基づき得ることをするように更に動作可能であり得る。
【0142】
幾つかの場合、コントローラは、メモリセルを第2の電圧にバイアスすることに基づいてメモリセルと関連付けられた値を蓄積するためにセンスコンポーネントを活性化することであって、読み出し動作のリフレッシュフェーズを開始することは、センスコンポーネントを活性化することに基づき得ることをするように更に動作可能であり得る。
【0143】
本明細書に説明する情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法の内の何れかを使用して表され得る。例えば、上述の説明全体通じて言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光粒子、又はそれらの任意の組み合わせにより表され得る。幾つかの図面は、(複数の)信号を単一の信号として説明し得るが、バスが様々なビット幅を有し得る場合に、信号が信号のバスを表し得ることは、当業者により理解されるであろう。
【0144】
用語“電子通信”、“導電的に接触”、“接続される”、及び“結合される”は、コンポーネント間の信号の流れをサポートするコンポーネント間の関係を指し得る。コンポーネント間の信号の流れを何時でもサポートし得る何らかの導電経路がコンポーネント間にある場合、コンポーネントは、相互に電子通信する(又は導電的に接触する、又は接続される、又は結合される)とみなされる。任意の所与の時間において、相互に電子通信する(又は導電的に接触する、又は接続される、又は結合される)コンポーネント間の導電経路は、接続されるコンポーネントを含むデバイスの動作に基づいて開回路又は閉回路であり得る。接続されるコンポーネント間の導電経路は、コンポーネント間の直接の導電経路であり得、又は接続されるコンポーネント間の導電経路は、スイッチ、トランジスタ、若しくはその他のコンポーネント等の介在コンポーネントを含み得る間接的な導電経路であり得る。幾つかの場合、接続されるコンポーネント間の信号の流れは、例えば、スイッチ又はトランジスタ等の1つ以上の介在コンポーネントを使用して一時的に中断され得る。
【0145】
用語“結合する”は、信号が導電経路を越えてコンポーネント間で通信することが現在可能ではないコンポーネント間の開回路の関係から、信号が導電経路を越えてコンポーネント間で通信し得るコンポーネント間の閉回路の関係へ移行する状態を指す。コントローラ等のコンポーネントが他のコンポーネントを相互に結合する場合、該コンポーネントは、信号の流れを以前は許さなかった導電経路を越えて、他のコンポーネント間を信号が流れること可能にする変化を開始する。
【0146】
用語“絶縁される”は、信号がコンポーネント間を現在流れることができないコンポーネント間の関係を指す。コンポーネント間に開回路がある場合、コンポーネントは相互に絶縁される。例えば、コンポーネント間に位置付けられたスイッチによって分離された2つのコンポーネントは、スイッチが開放されている場合に相互に絶縁される。コントローラが2つのコンポーネントを絶縁する場合、コントローラは、信号の流れを以前は許可していた導電経路を使用して信号がコンポーネント間を流れることを防止する変更に影響を与える。
【0147】
本明細書で使用するとき、用語“実質的に”は、修飾される特徴(例えば、用語、実質的にによって修飾される動詞又は形容詞)が絶対的である必要はないが、特徴の利点を達成するのに十分に近いことを意味する。
【0148】
メモリアレイを含む本明細書で論じるデバイスは、シリコン、ゲルマニウム、シリコン-ゲルマニウム合金、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム等の半導体基板上で形成され得る。幾つかの例では、該基板は半導体ウエハである。その他の場合、該基板は、シリコンオングラス(SOG)若しくはシリコンオンサファイア(SOP)等のシリコンオンインシュレータ(SOI)基板、又は別の基板上の半導体材料のエピタキシャル層であり得る。基板又は基板のサブ領域の導電性は、リン、ホウ素、又はヒ素を含むがそれらに限定されない様々な化学種を使用したドーピングを通じて制御され得る。ドーピングは、イオン注入により、又は任意のその他のドーピング手段により、基板の初期の形成又は成長中に実施され得る。
【0149】
本明細書で論じるスイッチングコンポーネント又はトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)を表し得、ソース、ドレイン、及びゲートを含む3端子デバイスを含み得る。端子は、導電性材料、例えば、金属を通じて他の電子素子に接続され得る。ソース及びドレインは、導電性であり得、高濃度にドープされた、例えば、縮退した、半導体領域を含み得る。ソース及びドレインは、低濃度にドープされた半導体領域又はチャネルによって分離され得る。チャネルがn型(すなわち、主たるキャリアが電子)である場合、該FETはn型FETと称され得る。チャネルがp型(すなわち、主たるキャリアがホール)である場合、該FETはp型FETと称され得る。チャネルは、絶縁ゲート酸化物によって覆われ得る。チャネルの導電性は、ゲートに電圧を印加することによって制御され得る。例えば、正の電圧又は負の電圧をn型FET又はp型FETに夫々印加することは、チャネルが導電性になることをもたらし得る。トランジスタの閾値電圧以上の電圧がトランジスタのゲートに印加された場合、トランジスタは“オン”に又は“活性化”され得る。トランジスタの閾値電圧未満の電圧がトランジスタのゲートに印加された場合、トランジスタは“オフ”に又は“非活性化”され得る。
【0150】
添付の図面に関連して本明細書に記載される説明は、例示的構成を説明し、実装され得る又は請求項の範囲内にある全ての例を表さない。本明細書で使用される用語“例示的”は、“好適”又は“その他の例よりも有利”ではなく“一例、実例、又は説明として役立つこと”を意味する。詳細な説明は、説明される技法の理解を提供するための具体的詳細を含む。これらの技法は、しかしながら、これらの具体的詳細なしに実践され得る。幾つかの実例では、説明する例の内容を不明確にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスはブロック図の形式で示される。
【0151】
添付の図では、同様のコンポーネント又は機構は、同じ参照ラベルを有し得る。更に、同じタイプの様々なコンポーネントは、参照ラベルに続いてダッシュと、同様のコンポーネントの間で区別する第2のラベルを付すことにより区別され得る。明細書において第1の参照ラベルのみが使用される場合、説明は、第2の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する同様のコンポーネントの内の何れか1つに適用可能である。
【0152】
本明細書に説明する情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法の内の何れかを使用して表され得る。例えば、上述の説明全体通じて言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光粒子、又はそれらの任意の組み合わせにより表され得る。
【0153】
本明細書の開示と関連して説明する様々な説明ブロック及びモジュールは、本明細書に説明する機能を実施するように設計された汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくはその他のプログラミング可能論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実施され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代わりに、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシーンであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意のその他のこうした構成)として実装され得る。
【0154】
本明細書に説明する機能は、ハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。プロセッサにより実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして蓄積され得、又は送信され得る。その他の例及び実装は、開示及び添付の請求項の範囲内である。例えば、ソフトウェアの性質に起因して、上で説明した機能は、プロセッサにより実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、配線、又はこれらの任意の組み合わせを使用して実装され得る。機能を実装する機構はまた、機能の(複数の)部分が異なる物理的場所において実装されるように分散されることを含む、様々な位置に物理的に設置され得る。また、請求項を含む本明細書で使用するとき、項目のリスト(例えば、“少なくとも1つの”又は“の内の1つ以上”等の句により前置きされる項目のリスト)に使用されるような“又は”は、例えば、A、B、又はCの内の少なくとも1つのリストがA又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(すなわち、A及びB及びC)を意味するように包含的リストを指し示す。また、本明細書で使用するとき、句“基づいて”は、条件の閉集合への言及として解釈されないであろう。例えば、“条件Aに基づいて”として説明される例示的ステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づき得る。言い換えれば、本明細書で使用するとき、句“基づいて”は、句“少なくとも部分的に基づいて“と同じ方法で解釈されるであろう。
【0155】
本明細書の説明は、当業者が開示を製作又は使用可能なように提供される。開示への様々な修正は当業者に分かるであろうし、本明細書で定義される包括的な原理は開示の範囲を逸脱することなくその他の変形に適用され得る。したがって、開示は、本明細書に説明した例及び設計に限定されず、本明細書に開示した原理及び新規の機構と一致する最も広い範囲に一致する。