(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、バッテリーパック、及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240726BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240726BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240726BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20240726BHJP
H01M 50/367 20210101ALI20240726BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M50/211
H01M50/271 S
H01M50/35 201
H01M50/367
(21)【出願番号】P 2022576862
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 KR2021019894
(87)【国際公開番号】W WO2022149778
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0003199
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】サン-ウ・リュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-ヒョン・ジョ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ソク・チェ
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-133266(JP,A)
【文献】国際公開第2018/123573(WO,A1)
【文献】特表2022-532267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-392
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルを有するセルアセンブリと、
上部が開放され、前記セルアセンブリが収容される収容空間を有する下部ケースと、
前記下部ケースの開放上部をカバーするように前記下部ケースに結合され、前記収容空間と連通するように穿孔した接続口が形成された上部ケースと、
前記上部ケースの上部をカバーするように前記上部ケースと結合し、一部が前記上部ケースから離隔して緩衝空間を形成し、前記緩衝空間と外部とが連通するように穿孔した排出口が形成された上部カバーと、
前記緩衝空間内に設けられ、前記接続口から前記排出口まで延びた移動通路を形成するよう
に構成された仕切り部材と、
を含む
バッテリーモジュールにおいて、
前記仕切り部材は、
少なくとも一方向に延びた隔壁部と、
前記隔壁部が回転移動可能に前記隔壁部の端部とヒンジ結合されたヒンジ部と、
を備えていることを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項2】
前記仕切り部材は、
前記隔壁部から少なくとも一方向に突出可能に構成された延長部をさらに備え、
前記隔壁部には、前記延長部が挿入可能な空間を有し、前記延長部が挿入された状態で前記延長部の突出方向に移動可能に構成された収容溝が形成され
ていることを特徴とする請求項
1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記バッテリーモジュールは、前記仕切り部材を少なくとも2つ含み、 前記仕切り部材は、
少なくとも一部に少なくとも1つの結合溝が形成され、
前記延長部の突出方向の端部に、他の仕切り部材の前記ヒンジ部に形成された前記結合溝に挿入可能に構成された少なくとも1つの結合突起が形成され
ていることを特徴とする請求項
2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記上部カバー及び前記上部ケースの少なくともいずれか一方には、
前記隔壁部の延在方向の端部が挿入されるように構成された挿入溝が形成され
ていることを特徴とする請求項
1から
3のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記上部カバー及び前記上部ケースの少なくともいずれか一方には、
前記仕切り部材の上部または下部が挿入されるように構成された取付溝が形成され
ていることを特徴とする請求項1から
4のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記仕切り部材を少なくとも2つ含み、
前記少なくとも2つの仕切り部材のうち、いずれか1つの仕切り部材は、移動通路を形成するようにいずれか一方向に長く延びるように配置されており、
残りの仕切り部材は、前記いずれか1つの仕切り部材の端部と結合され、前記いずれか1つの仕切り部材の延在方向に対して垂直な方向に延びるように配置され
ていることを特徴とする請求項1から
5のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記仕切り部材を少なくとも2つ含み、
前記少なくとも2つの仕切り部材は、前記緩衝空間において所定の距離だけ離隔して配置されており、
前記少なくとも2つの仕切り部材のうち、いずれか1つの仕切り部材は、前記緩衝空間の一方の側面から所定の距離だけ離隔しており、残りの仕切り部材は、前記緩衝空間の他方の側面から所定の距離だけ離隔していることを特徴とする請求項1から
6のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも1つ含むことを特徴とするバッテリーパック。
【請求項9】
請求項
8に記載のバッテリーパックを少なくとも1つ含むことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック、及び自動車に関し、より詳細には、火災や爆発に対する安全性を高めたバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2021年1月11日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0003199号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近頃、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などの携帯用電子製品の需要が急激に増大し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、繰り返し充放電が可能な高性能電池セルについての研究が活発に行われている。
【0004】
現在商用化されている電池セルとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム電池セルなどが挙げられるが、中でも、リチウム電池セルは、ニッケル系の電池セルに比べてメモリー効果がほとんど起こらないので、充放電を自由に行うことができ、自己放電率が非常に低く、しかも、エネルギー密度が高いという長所を有することから、脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム電池セルは、主としてリチウム系酸化物及び炭素材をそれぞれ正極活物質及び負極活物質として用いる。また、このようなリチウム電池セルは、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを間に挟んで配置された電極組立体と、このような電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、すなわち、電池ケースと、を備える。
【0006】
また、リチウム電池セルは、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型電池セルと、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型電池セルとに分類することができる。
【0007】
特に、最近では、電気自動車などに適用される大容量のバッテリーモジュールの需要が高まっている。このような大容量のバッテリーモジュールは多数の電池セルを備えており、多数の電池セルで火災や爆発が発生すると、火炎や高温のガスが排出され、爆発により車両内の他のバッテリーモジュールに火災が伝播したり、隣接する他の機器が破損したり、搭乗者が負傷するなどの被害が発生した。これにより、火災やガス爆発に対するバッテリーモジュールの安全性を高める案が必要であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、火災や爆発に対する安全性を高めたバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解されることができ、本発明の実施形態によってなお一層明らかに分かる筈である。なお、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に開示されている手段及びその組み合わせによって実現することができるということが容易に理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するための本発明によるバッテリーモジュールは、
複数の電池セルを有するセルアセンブリと、
上部が開放され、前記セルアセンブリが収容される収容空間を有する下部ケースと、
前記下部ケースの開放上部をカバーするように前記下部ケースに結合され、前記収容空間と連通するように穿孔した接続口が形成された上部ケースと、
前記上部ケースの上部をカバーするように前記上部ケースと結合し、一部が前記上部ケースから離隔して緩衝空間を形成し、前記緩衝空間と外部とが連通するように穿孔した排出口が形成された上部カバーと、
前記緩衝空間内に設けられ、前記接続口から前記排出口まで延びた移動通路を形成するように延びた少なくとも一部を有し、前記一部の延在方向を調節可能に構成された仕切り部材と、を含む。
【0011】
また、前記仕切り部材は、
少なくとも一方向に延びた隔壁部と、
前記隔壁部が回転移動可能に前記隔壁部の端部とヒンジ結合されたヒンジ部と、を備え得る。
【0012】
さらに、前記仕切り部材は、
前記隔壁部から少なくとも一方向に突出可能に構成された延長部をさらに備え、
前記隔壁部には、前記延長部が挿入可能な空間を有し、前記延長部が挿入された状態で前記延長部の突出方向に移動可能に構成された収容溝が形成され得る。
【0013】
さらにまた、前記バッテリーモジュールは、前記仕切り部材を少なくとも2つ含み、
前記仕切り部材は、
少なくとも一部に少なくとも1つの結合溝が形成され、
前記延長部の突出方向の端部に、他の仕切り部材の前記ヒンジ部に形成された前記結合溝に挿入可能に構成された少なくとも1つの結合突起が形成され得る。
【0014】
さらにまた、前記上部カバー及び前記上部ケースの少なくともいずれか一方には、
前記隔壁の延在方向の端部が挿入されるように構成された挿入溝が形成され得る。
【0015】
さらにまた、前記上部カバー及び前記上部ケースの少なくともいずれか一方には、
前記仕切り部材の上部または下部が挿入されるように構成された取付溝が形成され得る。
【0016】
さらにまた、前記仕切り部材を少なくとも2つ含み、
前記少なくとも2つの仕切り部材のうち、いずれか1つの仕切り部材は、移動通路を形成するようにいずれか一方向に長く延びるように配置されており、
残りの仕切り部材は、前記いずれか1つの仕切り部材の端部と結合され、前記いずれか1つの仕切り部材の延在方向に対して垂直な方向に延びるように配置され得る。
【0017】
さらに、前記仕切り部材を少なくとも2つ含む。
【0018】
前記少なくとも2つの仕切り部材は、前記緩衝空間において所定の距離だけ離隔して配置されており、
前記少なくとも2つの仕切り部材のうち、いずれか1つの仕切り部材は、前記緩衝空間の一方の側面から所定の距離だけ離隔しており、残りの仕切り部材は、前記緩衝空間の他方の側面から所定の距離だけ離隔していることができる。
【0019】
さらにまた、上記のような目的を達成するための本発明によるバッテリーパックは、前記バッテリーモジュールを少なくとも一つ含み得る。
【0020】
これらに加えて、上記のような目的を達成するための本発明による自動車は、前記バッテリーパックを少なくとも一つ含み得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、本発明では、上部カバーと上部ケースとにより内部に緩衝空間を形成し、さらに緩衝空間でガスと炎が移動する移動通路を形成し、延在方向を調節可能に構成された部分を有する仕切り部材を含むことにより、バッテリーモジュールのセルアセンブリの複数の電池セルが爆発したり発火したりした場合、発生した火炎とガスが緩衝空間の移動通路に沿って移動する間に結合部材と干渉または接触して火炎が消滅し、発生したガス圧を効果的に下げることができる。最終的に、本発明のバッテリーモジュールは、複数の電池セルの爆発または火災による外部被害を効果的に低減することができ、バッテリーモジュールの安全性を大幅に高めることができる。
【0022】
さらに、本発明の一態様によれば、本発明の仕切り部材は、移動通路をさらに延長可能に隔壁部から突出可能に構成された延長部と、延長部を収容する収容溝とを備えることにより、緩衝空間においてより少ない数の仕切り部材を活用して、同じ長さの移動通路を形成することができる。すなわち、バッテリーモジュールの電池容量が相対的に小さい場合、火災や爆発時、爆発の威力が相対的に小さくなるため、火炎とガスが移動する移動通路を形成する仕切り部材の数を減らすことができる。すなわち、本発明のバッテリーモジュールは、相対的に少数の仕切り部材を活用して同じ長さの移動通路を形成することができるので、バッテリーモジュールの部品数と製造コストを効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
この明細書に添付される次の図面は、本発明の好適な一実施形態を例示するものにすぎず、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術的思想をなお一層理解しやすくする役割を果たすものであるため、本発明は、そのような図面に記載されている事項にのみ限定されて解釈されてはならない。
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの様子を概略的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す分離斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す分離斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す分離斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す分離斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの上部カバーの様子を概略的に示す底面斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの仕切り部材の様子を概略的に示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの仕切り部材の分離した様子を概略的に示す分離斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの仕切り部材の変形した様子を概略的に示す斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの仕切り部材の結合した様子を概略的に示す斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの仕切り部材の変形した様子を概略的に示す斜視図である。
【
図13】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す斜視図である。
【
図14】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて、本発明による好適な実施形態について詳しく説明する。これに先立って、この明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則を踏まえて、本発明の技術的な思想に見合う意味及び概念として解されなければならない。
【0026】
よって、この明細書に記載の実施形態と図面に示されている構成は、本発明の最も好適な一部の実施形態に過ぎないものであり、本発明の技術的な思想をいずれも代弁するものではないため、本発明の出願時点においてこれらに代替できる様々な均等物と変形例があり得るということを理解しなければならない。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの様子を概略的に示す斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す分離斜視図である。
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す分離斜視図である。
図4は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す分離斜視図である。なお、
図5は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す分離斜視図である。参考までに、
図1では、前後方向をY軸の負方向と正方向とし、左右方向をX軸の負方向と正方向とし、上下方向をZ軸の正方向と負方向とした。
【0028】
図1から
図5を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール100は、複数の電池セル111を有するセルアセンブリ110、下部ケース122、上部ケース124、上部カバー126、及び少なくとも1つの仕切り部材130を含む。
【0029】
具体的には、前記電池セル111は、例えば、パウチ型電池セルであってもよい。例えば、
図3に示すように、前記セルアセンブリ110は、一方向(X軸方向)に並んで互いに積層された複数の電池セル111を備えていてもよい。例えば、前記電池セル111は、前端及び後端のそれぞれに電極リード(不図示)を備えていてもよい。例えば、前記電池セル111は、前端に正極リードを備え、後端に負極リードを備えていてもよい。
【0030】
しかしながら、本発明によるバッテリーモジュール100には、電池セル111の構成要素を、上述したパウチ状の電池セル111にのみ何ら限定されるものではなく、本発明の出願時点で公知となった様々な種類の電池セル111が採用可能である。例えば、前記電池セル111は、六面体の外装ケースを有する角型電池セルであってもよい。
【0031】
また、前記セルアセンブリ110の前方及び後方のそれぞれにバスバーアセンブリ140を備えていてもよい。前記バスバーアセンブリ140は、前記複数の電池セル111を電気的に接続するように構成されてもよい。例えば、前記バスバーアセンブリ140は、前記複数の電池セル111の電極リードと接触するように構成されたバスバー(不図示)と、前記バスバーを搭載するように構成されたバスバーフレーム142と、を備えていてもよい。前記バスバーは、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属を含み得る。前記バスバーフレーム142は、例えば、電気絶縁性の素材を含み得る。前記電気絶縁性の材料は、例えば、ポリ塩化ビニルであってもよい。
【0032】
さらに、前記下部ケース122は、前記セルアセンブリ110が収容される収容空間S1を備えていてもよい。すなわち、前記下部ケース122は、上部が開放された四角ボックスの形状を呈していてもよい。例えば、前記
図2に示すように、前記下部ケース122は、前記セルアセンブリ110と対応する大きさの収容空間S1を形成するための水平方向の側壁部122a1と、前記側壁部122a1の下部に結合された下壁122a2と、を備えていてもよい。前記下部ケース122は、前記側壁部122a1の上端から水平方向に延びたフランジ部122bを備えていてもよい。前記フランジ部122bには、外周部に沿って所定の間隔で多数の第2ボルト孔H4が形成されてもよい。前記フランジ部122bは、前記上部ケース124と前記第2ボルト孔H4とを介してボルト結合することができる。なお、ここで「水平方向」とは、地面と平行ないずれかの方向を意味する。
【0033】
また、前記上部ケース124は、前記下部ケース122の開放上部をカバーするように水平方向に延びたプレート形状を呈していてもよい。前記上部ケース124は、前記下部ケース122のフランジ部122bと結合するように構成されてもよい。このために、前記上部ケース124には、水平方向の外周部に多数の第1ボルト孔H3が形成されてもよい。前記上部ケース124はまた、前記上部カバー126と結合するように構成されてもよい。
【0034】
さらに、
図5に示すように、前記上部ケース124は、上部にガスケット150を備えていてもよい。前記ガスケット150は、前記上部ケース124と前記上部カバー126との間の結合面を通じて外部にガスが逃げるのを防止するように構成されてもよい。すなわち、前記ガスケット150は、前記上部ケース124と前記上部カバー126との間に介在してもよい。
【0035】
また、
図2に示すように、前記上部カバー126は、前記上部ケース124の上部をカバーするように水平方向に延びるプレート形状を呈していてもよい。前記上部カバー126の水平方向の外周部には、所定の間隔で離隔された複数の第3ボルト孔H5が形成されてもよい。
【0036】
例えば、
図1及び
図2に示すように、前記上部ケース124の上部には前記上部カバー126が結合され、前記上部ケース124の外周部は前記下部ケース122のフランジ部122bと結合するように構成されてもよい。このとき、多数のボルトBは、前記上部カバー126の第3ボルト孔H5、前記上部ケース124の第1ボルト孔H3、及び前記下部ケース122の第2ボルト孔H4のそれぞれを貫通することができる。前記ボルトBは、前記ボルト孔H3、H4、H5に螺合されてもよい。あるいは、前記ボルトBは、前記ボルト孔H3、H4、H5に挿入された後、前記下部ケース122のフランジ部122bの下面から下方へと突出した本体にナットNを挿入して締結固定されてもよい。
【0037】
図6は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す斜視図である。また、
図7は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの上部カバーの様子を概略的に示す底面斜視図である。参考までに、
図7では、上部カバー126を左側から見た底面斜視図である。
【0038】
図1と結び付けて
図6及び
図7を参照すると、前記上部ケース124は、前記収容空間S1と連通するように一部が穿孔して接続口H1が形成される。前記下部ケース122は、一部が前記上部ケース124から離間して形成された緩衝空間S2を備えていてもよい。例えば、前記緩衝空間S2は、対向している前記上部ケース124及び前記上部カバー126の一面のうちの少なくともいずれか一方が凹んで形成されてもよい。例えば、前記緩衝空間(
図1のS2)を形成するために、前記上部カバー126の下面の一部は上方に凹んだ部分Wを有し、前記上部ケース124の上面の一部は下方に凹んだ部分Wを有していてもよい。
【0039】
また、前記上部カバー126は、前記緩衝空間S2と外部とが連通するように一部が穿孔して排出口H2が形成されてもよい。すなわち、本発明のバッテリーモジュール100は、前記セルアセンブリ110が熱暴走から火災を発生し、前記セルアセンブリ110からガスと火炎が発生した場合、発生したガスと火炎が前記収容空間S1から前記上部ケース124の接続口H1を介して前記緩衝空間S2に流入することができる。前記緩衝空間S2に流入した火炎は消失し、冷却されたガスは前記上部カバー126の前記排出口H2を介して外部に排出され得る。
【0040】
さらに、前記緩衝空間S2には、少なくとも1つの前記仕切り部材130が配備されてもよい。前記仕切り部材130は、前記緩衝空間S2に前記接続口H1から前記排出口H2まで延びた移動通路Pを形成するように構成されてもよい。すなわち、前記仕切り部材130は、前記緩衝空間S2を区画するように構成されてもよい。前記仕切り部材130は、前記緩衝空間S2で水平方向に延びた形状を有していてもよい。
【0041】
例えば、
図6に示すように、35個の仕切り部材130が前記上部ケース124の上部に搭載されてもよい。35個の仕切り部材130は、互いに結合された形態の7個の仕切り部材130を1つのグループとして5つのグループを形成することができる。5つのグループは、左右方向(X軸方向)に互いに所定の距離だけ離隔して配置されてもよい。1つのグループの7つの仕切り部材130は、前後方向(Y軸方向)に長く配置されてもよい。このとき、7つの仕切り部材130のそれぞれは、前後方向の端部が他の仕切り部材130と結合された形状を有してもよい。すなわち、前記仕切り部材130は、発生したガスや火炎が緩衝空間S2において即座に左右方向(X軸方向)に移動するのを防ぎ、ガスと火炎が前後方向(Y軸方向)に交互に複数回移動しながら前記排出口H2に向かって移動するように誘導することができる。これにより、本発明は、前記緩衝空間S2におけるガスと火炎の移動経路を最大化し、高温のガスの温度ができるだけ低くなり、火炎が自ら消失するように誘導することができる。
【0042】
例えば、
図6に示すように、本発明は前記、仕切り部材130を少なくとも2つ含んでいてもよい。例えば、本発明のバッテリーモジュール100は、35個の仕切り部材130を備えていてもよい。前記少なくとも2つの仕切り部材130は、前記緩衝空間S2において所定の距離だけ離隔して配置されてもよい。例えば、
図6に示すように、7つの仕切り部材130が互いに結合された形態で1つのグループを形成し、5つのグループを左右方向(X方向)に互いに離隔して配置してもよい。
【0043】
また、前記少なくとも2つの仕切り部材130のうち、いずれか1つの仕切り部材130は、中央を基準に前記緩衝空間S2の一側(前側)に偏って配置され、残りの仕切り部材130は、前記緩衝空間S2の他方(後側)に偏って配置されてもよい。言い変えれば、前記少なくとも2つの仕切り部材130のうち、いずれか1つの仕切り部材130は前記緩衝空間S2の一方の側面から所定の距離だけ離隔して配置されてもよく、残りの仕切り部材130は前記緩衝空間S2の他方の側面から所定の距離だけ離隔して配置されてもよい。例えば、
図6に示すように、仕切り部材130からなる5つのグループのうち、いずらか1つのグループは、前記緩衝空間S2の後側面から所定の距離だけ離隔して前記緩衝空間S2において前方に偏って配置されてもよく、他のグループは、前記緩衝空間S2の前側面から所定の距離だけ離隔して前記緩衝空間S2において後方に偏って配置されてもよい。
【0044】
すなわち、
図6に示すように、前記バッテリーモジュール100では、前記緩衝空間S2の移動通路Pをジグザグ状に設定した場合、いずれか1つの仕切り部材130を前記緩衝空間S2の一方の端部(前端部)に偏って配置して、前記緩衝空間S2の他方の端部(後端部)にガスや火炎が通過可能な通路を形成し、隣接する他の仕切り部材130を前記緩衝空間S2の他端部(後端部)に偏って配置して、前記緩衝空間S2の一方の端部(前端部)にガスや火炎が通過可能な通路を形成してもよい。
【0045】
そして、前記仕切り部材130は、前記緩衝空間S2に位置してもよい。前記仕切り部材130は、前記接続口H1前記から排出口H2まで延びた移動通路Pを形成するように延びた少なくとも一部を有していてもよい。例えば、
図6に示すように、本発明のバッテリーモジュール100は、7つの仕切り部材130が1つのグループを形成してもよい。前記7つの仕切り部材130は、互いに結合されて水平方向に長く延びた形状を有してもよい。例えば、
図6に示すように、前記仕切り部材130は、前後方向に長く延びた形状を有してもよい。しかしながら、仕切り部材130の延在方向を前後方向に限定するものではなく、複数の仕切り部材130のうち、一部は左右方向に延び、残りは前後方向に延びてもよい。
【0046】
さらに、前記仕切り部材130は、前記一部の延在方向を調整可能に構成されてもよい。例えば、前記仕切り部材130は、前記一部が左右方向に延びるように配置されてもよい。あるいは、前記仕切り部材130は、前記一部が前後方向に延びるように配置されてもよい。例えば、
図6に示すように、前記仕切り部材130は、前記一部が前後方向に延びるように配置されてもよい。
【0047】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明では、前記上部カバー126と前記上部ケース124とにより内部に緩衝空間S2を形成し、さらに、前記緩衝空間S2にガスと火炎が移動する移動通路Pを形成し、延在方向を調節可能に構成された部分を備えた仕切り部材130を含んでいるので、バッテリーモジュール100のセルアセンブリ110の複数の電池セル111が爆発したり発火したりした場合、発生した火炎とガスが緩衝空間S2の移動通路Pに沿って移動する間に結合部材160と干渉または接触して火炎が消滅し、発生したガス圧を効果的に下げることができる。最終的に、本発明のバッテリーモジュール100は、複数の電池セル111の爆発または火災による外部被害を効果的に減らすことができ、バッテリーモジュール100の安全性を大幅に高めることができる。
【0048】
図8は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの仕切り部材の様子を概略的に示す斜視図である。また、
図9は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの仕切り部材の分離した様子を概略的に示す分離斜視図である。
【0049】
図6と結び付けて
図8及び
図9を参照すると、前記仕切り部材130は、隔壁部131及びヒンジ部(蝶番部)132を備えていてもよい。具体的には、前記隔壁部131は、少なくとも一方向に延びてもよい。例えば、
図6に示すように、前記隔壁部131は、前後方向に長く延びた形状で配置されてもよい。前記隔壁部131は、上下方向及び前後方向に延びたブロック形状を呈していてもよい。
【0050】
また、前記ヒンジ部132は、前記隔壁部131の回転移動を可能にするために前記隔壁部131とヒンジ結合されてもよい。前記ヒンジ部132は、前記隔壁部131の一端部と前記ヒンジ結合されてもよい。前記ヒンジ部132は、上部キャップ132a、柱部132b、及び下部キャップ132cを備えていてもよい。このとき、前記隔壁部131は、前記柱部132bとヒンジ結合されてもよい。前記隔壁部131は、前記柱部132bが上下方向に挿入されるように構成された中空Tが形成されてもよい。すなわち、前記隔壁部131は、前記中空Tに柱部132bが挿入された状態で、前記柱部132bの外面に沿って回転移動可能に構成されてもよい。
【0051】
さらに、前記上部キャップ132aは、前記柱部132bの上部に結合するように構成されてもよい。例えば、前記上部キャップ132aの下部には、前記柱部132bの上部が挿入されるように上方に凹んだ溝が形成されてもよい。前記下部キャップ132cは、前記柱部132bの下部に結合するように構成されてもよい。例えば、前記下部キャップ132cの上部には、前記柱部132bの下部が挿入されるように下方に凹んだ溝が形成されてもよい。
【0052】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明の仕切り部材130は、このような隔壁部131と、前記隔壁部131とヒンジ結合されたヒンジ部132とを備えることにより、複数の仕切り部材130を互いに結合して前記緩衝空間S2において様々な方向に延びる移動通路Pを形成してもよい。すなわち、複数の仕切り部材130を用いて移動通路Pの一方の部分が前記緩衝空間S2において前後方向に延びるように構成し、他方の部分が左右方向に延びるように構成してもよい。このように、バッテリーモジュール100の電池容量及びケースの形状に応じて、ガスや火炎が移動する移動通路Pの形状を設定することができるので、新たなバッテリーモジュール100を製造するたびに仕切り部材130を新たに設計する必要がなく、製造コストと製造時間を効果的に減らすことができる。すなわち、本発明の仕切り部材130は、様々な容量のバッテリーモジュール100の全てに適用可能であるので、部品の標準化が容易である。
【0053】
図10は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの仕切り部材の変形した様子を概略的に示す斜視図である。
【0054】
図8及び
図9と共に
図10に戻ると、前記仕切り部材130は、前記隔壁部131から少なくとも一方向に突出可能に構成された延長部133をさらに含んでいてもよい。前記延長部133は、前記隔壁部131と同様に、上下方向及び水平方向の一方向(突出方向)に延びたブロック形状を有してもよい。すなわち、前記延長部133は、前記隔壁部131の延在方向と同じ方向に突出可能に構成されてもよい。例えば、
図10に示すように、仕切り部材130は、前後方向(Y軸の方向)に長く配置された隔壁部131と、前記隔壁部131から前方(Y軸の負方向)を突出するように配置された延長部133と、を備えていてもよい。
【0055】
また、前記隔壁部131には、前記延長部133を収容するように構成された前記収容溝131h1が形成されてもよい。前記収容溝131h1は、前記延長部133が挿入可能な空間を有していてもよい。すなわち、前記収容溝131h1は、水平方向の一側、上部及び下部が開放された形状を有していてもよい。前記収容溝131h1の場合、前記延長部133が前記収容溝131h1の水平方向の一側から内部空間に挿入されてもよい。前記収容溝131h1は、前記延長部133が挿入された状態で前記延長部133の突出方向に移動可能に構成されてもよい。例えば、
図10に示すように、前記収容溝131h1は、前記延長部133が挿入された状態で前後方向に移動可能に構成されてもよい。
【0056】
このとき、前記収容溝131h1及び前記延長部133のそれぞれには、スライド溝131h2及びスライド突起133p2が設けられてもよい。前記スライド溝131h2は、前記スライド突起133p2と雌雄結合した状態で、前記スライド突起133p2が一方向(例えば前後方向)にスライド移動可能に構成されてもよい。
【0057】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明の仕切り部材130は、移動通路Pをさらに延長可能に前記隔壁部131から突出可能に構成された延長部133と、前記延長部133を収容する収容溝131h1とを備えることにより、前記緩衝空間S2においてより少ない数の仕切り部材130を活用して、同じ長さの移動通路Pを形成することができる。すなわち、バッテリーモジュール100の電池容量が相対的に小さい場合、火災や爆発時、爆発の威力が相対的に小さくなるため、火炎とガスが移動する移動通路Pを形成する仕切り部材130の数を減らすことができる。すなわち、本発明のバッテリーモジュール100は、相対的に少数の仕切り部材130を活用して同じ長さの移動通路Pを形成することができるので、バッテリーモジュール100の部品数と製造コストを効果的に低減することができる。
【0058】
図11は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの仕切り部材の結合した様子を概略的に示す斜視図である。
図12は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの仕切り部材の変形した様子を概略的に示す斜視図である。
【0059】
図8と共に
図11及び
図12に戻ると、前記バッテリーモジュール100が少なくとも2つの前記仕切り部材130を含む場合、前記2つ以上の仕切り部材130は、互いに結合された形態で前記緩衝空間S2に配置されてもよい。例えば、
図11に示すように、2つ以上の仕切り部材130は、いずれも前後方向(Y軸方向)に長く延びた形状で互いに結合されてもよい。また、他の実施形態として、例えば、
図12に示すように、2つ以上の仕切り部材130のうち、いずれか1つの仕切り部材130は、前後方向(Y軸方向)に長く延びた形状で配置され、他の仕切り部材130は、前記1つの仕切り部材130に対して垂直な方向である左右方向(X軸方向)に長く延びた形状で配置されてもよい。
【0060】
このとき、前記仕切り部材130には、少なくとも1つの結合溝132hが形成されてもよい。前記延長部133には、前記結合溝132hに挿入可能に構成された結合突起133p1が形成されてもよい。すなわち、前記結合突起133p1は、前記延長部133の突出方向の端部に形成され、他の仕切り部材130の前記上部キャップ132a、前記下部キャップ132c、及び前記隔壁部131の一部にそれぞれ形成された前記結合溝132hに挿入されるように構成されてもよい。前記結合溝132hは、本体の一部が凹んで形成されてもよい。前記結合溝132hの凹んだ形状は、前記結合突起133p1の一部に対応する形状に形成されてもよい。
【0061】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、仕切り部材130に結合溝132hと、前記結合溝132hに挿入されるように構成された結合突起133p1とを備えることにより、複数の仕切り部材130を容易に雌水結合することで移動通路Pを形成することができるので、組み立てが簡単で、かつ迅速に行える。これにより、バッテリーモジュール100の製造効率を大幅に高めることができる。
【0062】
一方、
図4、
図6及び
図7に戻ると、本発明のバッテリーモジュール100の前記上部カバー126及び前記上部ケース124の少なくともいずれか一方には、挿入溝G1が設けられてもよい。前記挿入溝G1は、ここに前記延長部133の延在方向の端部が挿入されるように構成されてもよい。すなわち、前記挿入溝G1は、ここに前記延長部133の突出方向の端部が挿入されるように構成されてもよい。
【0063】
例えば、
図6に示すように、5つの仕切り部材130のうち、3つの仕切り部材130に設けられた延長部133のそれぞれは、前記上部ケース124の前側に設けられた挿入溝G1に挿入されてもよい。残りの2つの仕切り部材130に設けられた延長部133のそれぞれは、前記上部ケース124の後側に設けられた挿入溝G1に挿入されてもよい。なお、別途に図示していないが、5つの仕切り部材130のうち、3つの仕切り部材130に設けられた延長部133のそれぞれは、前記上部カバー126に前側に設けられた挿入溝G1に挿入されてもよい。残りの2つの仕切り部材130に設けられた延長部133のそれぞれは、前記上部カバー126の後側に設けられた挿入溝G1に挿入されてもよい。
【0064】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明では、前記上部カバー126及び前記上部ケース124の少なくともいずれか一方に挿入溝G1を形成することにより、前記仕切り部材130の左右方向の移動を制限する可能性がある。すなわち、本発明では、前記緩衝空間S2に収納された前記仕切り部材130を安定的に固定することができるので、セルアセンブリ110が爆発した場合でも前記仕切り部材130の配置を安定的に維持することができる。
【0065】
図4、
図6及び
図7に戻ると、前記上部カバー126及び前記上部ケース124の少なくともいずれか一方には、前記仕切り部材130の上部または下部が挿入されるように構成された取付溝G2が形成されてもよい。具体的には、前記上部カバー126及び前記上部ケース124の少なくともいずれか一方には、前記隔壁部131及びヒンジ部132のそれぞれの上部または下部が挿入されるように構成された取付溝G2が形成されてもよい。例えば、
図4に示すように、前記上部ケース124には、前記仕切り部材130の隔壁部131及びヒンジ部132の下部が挿入されるように構成された取付溝G2が形成されてもよい。前記上部ケース124の取付溝G2は下方に凹んで形成されてもよい。前記取付溝G2は、前記複数の隔壁部131の下部が挿入される、平面状で前後方向に延びた四角形の部分と、前記複数のヒンジ部132の下部が挿入される複数の円形の部分と、を有していてもよい。
【0066】
また、前記上部カバー126には、前記仕切り部材130の隔壁部131及びヒンジ部132の上部が挿入されるように構成された取付溝G2が形成されてもよい。前記上部カバー126の取付溝G2は上方に凹んで形成されてもよい。前記取付溝G2は、前記隔壁部131の上部が挿入される、平面状で前後方向に延びた四角形の部分と、前記ヒンジ部132の上部が挿入される複数の円形の部分と、を有していてもよい。
【0067】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明では、取付溝G2を形成することにより、仕切り部材130の端部を左右方向に固定することができる。これにより、バッテリーモジュール100が内部で爆発した場合、発生したガス圧力によって前記仕切り部材130が定位置から離脱することを効果的に防止することができる。
【0068】
図13は、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す斜視図である。
【0069】
図1と結び付けて
図13を参照すると、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュール100では、上部カバー126の排出口(図示せず)が中央に形成されてもよい。このような場合、本発明では、ガス及び火炎が移動するように構成された移動通路Pを、前記上部ケース124の接続口H1から前記排出口H2まで平面視略螺旋状に形成されてもよい。したがって、本発明のバッテリーモジュール100は、前記仕切り部材130A、130Bを少なくとも2つ含んでいてもよい。前記少なくとも2つの仕切り部材130のうち、いずれか1つの仕切り部材130Aは、移動通路Pを形成するためにいずれか一方向に長く延びるように配置されてもよい。残りの仕切り部材130Bは、前記いずれか1つの仕切り部材130の端部と結合し、前記いずれか1つの仕切り部材130の延在方向に対して垂直な方向に延びるように配置されてもよい。
【0070】
例えば、
図13に示すように、バッテリーモジュール100は、前記上部ケース124上に搭載された28個の仕切り部材130A、130Bを備えていてもよい。前記28個の仕切り部材130A、130Bのそれぞれは、他の1つの仕切り部材(130Aまたは130B)と結合されてもよい。このとき、22個の仕切り部材130Aは、移動通路Pを形成するように前後方向(Y軸方向)に長く延びるように配置され、6個の仕切り部材130Bは、22個の仕切り部材130の延在方向に対して垂直な方向(X軸方向)である左右方向に長く延びるように配置されてもよい。
【0071】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明のバッテリーモジュール100は、場合によって排出口H2の位置が変更されても、複数の仕切り部材130を一方向または一方向に対する垂直方向に延在して配置することができ、移動通路Pが変更された排出口H2につながるように前記移動通路Pを形成することができる。これにより、本発明のバッテリーモジュール100は、前記接続口H1から排出口H2につながる移動通路Pを形成する仕切り部材130を設計変更する必要がないので、製作コスト及び製作時間を効果的に減らすことができる。すなわち、本発明の仕切り部材130は、様々な容量のバッテリーモジュール100に全て適用可能であるので、部品の標準化が容易である。
【0072】
図14は、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成要素の様子を概略的に示す斜視図である。
【0073】
図1と結び付けて
図14を参照すると、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュール100は、前記仕切り部材130を少なくとも2つ含んでいてもよい。前記少なくとも2つの仕切り部材130は、凹んだ部分Wにより前記緩衝空間S2において互いに左右方向(X軸方向)に所定の距離だけ離隔して配置されてもよい。前記少なくとも2つの仕切り部材130のうち、いずれか1つは、前記緩衝空間S2の一方の側面(後側面)から所定の距離だけ離隔しており、残りの仕切り部材130は、前記緩衝空間S2の他方の側面(前側面)から所定の距離だけ離隔していてもよい。
【0074】
例えば、
図14に示すように、20個の仕切り部材130が、前後方向にジグザグ状に移動通路Pを形成するように構成されてもよい。このとき、20個の仕切り部材130は、互いに結合された形態の5個のグループを形成することができる。5つのグループのそれぞれは、前方に形成された挿入溝G1または後部に形成された挿入溝G1に端部が挿入されるように交互に配置されてもよい。すなわち、それぞれが4個の仕切り部材130からなる5つのグループのうち、いずれか1つを前記緩衝空間S2の後側面から所定の距離だけ離隔して配置されてもよい。他の1つのグループは、前記いずれか1つのグループから、左方に離隔しており、前記緩衝空間S2の前側面から所定の距離だけ離隔して配置されてもよい。前記それぞれが4個の仕切り部材130からなる5つのグループは、前後方向にジグザグパターンで配置されてもよい。
【0075】
また、20個の仕切り部材130のそれぞれは、前記延長部133が前記隔壁部131から少なくとも一方向に突出した形状で配置されてもよい。例えば、前記仕切り部材130は、前記延長部133が前記隔壁部131から前方または後方に突出するように配置されてもよい。
【0076】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明の仕切り部材130は、移動通路Pをさらに延長可能に前記隔壁部131から突出した延長部133を備えることにより、前記緩衝空間S2においてより少ない数の仕切り部材130を活用して、同じ長さの移動通路Pを形成することができる。すなわち、バッテリーモジュール100の電池容量が相対的に小さい場合、火災や爆発時、爆発の威力が相対的に小さくなるため、火炎とガスが移動する移動通路Pを形成する仕切り部材130の数を減らすことができる。すなわち、本発明のバッテリーモジュール100は、相対的に少数の仕切り部材130を活用して同じ長さの移動通路Pを形成することができるので、バッテリーモジュール100の部品数と製造コストを効果的に低減することができる。
【0077】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパック(図示せず)は、少なくとも1つの前記バッテリーモジュール100を含む。
【0078】
また、前記バッテリーパックは、前記バッテリーモジュール100の充放電を制御するための各種装置(図示せず)、例えば、バッテリー管理システム(BMS)、電流センサ、ヒューズなどをさらに含んでいてもよい。
【0079】
さらに、本発明の一実施形態による自動車は、バッテリーパックを含む。例えば、前記自動車は、電気自動車やハイブリッド自動車であってもよい。例えば、本発明の一実施形態による自動車は、車体内に上述した本発明の一実施形態によるバッテリーパックを搭載してもよい。
【0080】
一方、この明細書においては、上、下、左、右、前、後などといったように、方向を示す用語が用いられているが、これらの用語は単なる説明のしやすさのためのものに過ぎず、対象となる物事の位置や観測者の位置などに応じて異なってくる可能性があるということは本発明の当業者にとって明らかである。
【0081】
以上、本発明については、たとえ限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術的な思想と後述する特許請求の範囲の均等な範囲内において様々な修正及び変形を加えることが可能であるということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0082】
100 バッテリーモジュール
110 セルアセンブリ
111 電池セル
122 下部ケース
124上部ケース
126上部カバー
S1 収容空間
S2 緩衝空間
H1 接続口
H2 排出口
H3 第1ボルト孔
H4 第2ボルト孔
H5 第3ボルト孔
B ボルト
N ナット
130 仕切り部材
P 移動通路
131 隔壁部
132 ヒンジ部
133 延長部
131h1 収容溝
133p1 結合突起
132h 結合溝
133p2 スライド突起
131h2 スライド溝
G1 挿入溝
G2 取付溝
W 凹んだ部分
140 バスバーアセンブリ
142 バスバーフレーム