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特許7527448プログラム、見積り提示方法及び見積り提示システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】プログラム、見積り提示方法及び見積り提示システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/20 20200101AFI20240726BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20240726BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240726BHJP
【FI】
G06F30/20
G06F30/10 100
G06Q50/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023150738
(22)【出願日】2023-09-19
【審査請求日】2023-09-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593132917
【氏名又は名称】白銅株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】阿佐美 亨
(72)【発明者】
【氏名】高橋 広恵
(72)【発明者】
【氏名】山本 峻士
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-009351(JP,A)
【文献】特開2003-067598(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0274572(US,A1)
【文献】特開2002-007791(JP,A)
【文献】特開2022-178717(JP,A)
【文献】特開2020-183106(JP,A)
【文献】特開2018-073111(JP,A)
【文献】特開平09-305665(JP,A)
【文献】特開2022-093129(JP,A)
【文献】特開2003-016140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/398
G05B 19/418
G06Q 30/00 -30/08
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械を用いた加工によって部品が製造される場合における前記部品の価格に関する第1見積りを前記部品の形状に基づいて算出する処理と、
3Dプリンタを用いることによって前記部品が製造される場合における前記部品の価格に関する第2見積りを前記部品の形状に基づいて算出する処理と、
前記第1及び第2見積りに基づいた、前記部品の価格に関する見積り結果をディスプレイに表示させる処理と
前記部品の数量に関する選択をユーザから受け付ける処理と、
前記部品の数量に基づいて、前記工作機械を用いて前記部品を製造すること、及び、前記3Dプリンタを用いて前記部品を製造することの一方を推薦するメッセージを前記ディスプレイに表示させる処理とをコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記見積り結果には、前記部品の納期に関する見積りがさらに含まれ、
前記工作機械及び前記3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて前記部品の納期に関する見積りを算出する処理と、
前記見積り結果における前記部品の納期よりも早い納期がユーザによって希望された場合に、前記見積り結果における前記部品の価格を高める処理とを前記コンピュータにさらに実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記部品の形状を示す部品データを受信する処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記第1見積りは、前記部品データによって示される前記部品の形状に基づいて算出され、
前記第2見積りは、前記部品データによって示される前記部品の形状、及び、前記3Dプリンタによって前記部品を製造する場合に必要となる補強部材の形状に基づいて算出される、請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記部品の形状を示す部品データを受信する処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記3Dプリンタによって前記部品を製造する場合に必要となる補強部材を示すデータが前記部品データに含まれている場合には、受信された前記部品データに基づいて前記第2見積りが算出される一方、
前記補強部材を示すデータが前記部品データに含まれていない場合には、前記補強部材を示すデータを含めるように前記部品データを加工する処理を前記コンピュータにさらに実行させ、加工後の前記部品データに基づいて前記第2見積りが算出される、請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記部品の材料の選択をユーザから受け付ける処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記第2見積りは、ユーザによって選択された前記材料が前記3Dプリンタに対応している場合に算出される、請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記部品の価格が安いことと前記部品の納期が早いこととのいずれを優先するかの選択をユーザから受け付ける処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記部品の納期が早いことが優先される場合には、前記見積り結果が、自社管理の前記工作機械及び自社管理の前記3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて算出され、
前記部品の価格が安いことが優先される場合には、前記見積り結果が、他社管理の前記工作機械及び他社管理の前記3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて算出される、請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記部品の形状に基づいて、必要な複数の加工ステップを推定する処理と、
前記複数の加工ステップの少なくとも一部の加工ステップの選択をユーザから受け付ける処理とを前記コンピュータにさらに実行させ、
前記見積り結果は、選択された前記加工ステップ毎の価格に関する見積りを含む、請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項8】
コンピュータが、
工作機械を用いた加工によって部品が製造される場合における前記部品の価格に関する第1見積りを前記部品の形状に基づいて算出するステップと、
3Dプリンタを用いることによって前記部品が製造される場合における前記部品の価格に関する第2見積りを前記部品の形状に基づいて算出するステップと、
前記第1及び第2見積りに基づいた、前記部品の価格に関する見積り結果をディスプレイに表示させるステップと
前記部品の数量に関する選択をユーザから受け付けるステップと、
前記部品の数量に基づいて、前記工作機械を用いて前記部品を製造すること、及び、前記3Dプリンタを用いて前記部品を製造することの一方を推薦するメッセージを前記ディスプレイに表示させるステップとを実行することを含む、見積り提示方法。
【請求項9】
工作機械を用いた加工によって部品が製造される場合における前記部品の価格に関する第1見積りを前記部品の形状に基づいて算出する第1算出部と、
3Dプリンタを用いることによって前記部品が製造される場合における前記部品の価格に関する第2見積りを前記部品の形状に基づいて算出する第2算出部と、
前記第1及び第2見積りに基づいた、前記部品の価格に関する見積り結果を表示する表示部と
前記部品の数量に関する選択をユーザから受け付ける受付部とを備え、
前記表示部は、前記部品の数量に基づいて、前記工作機械を用いて前記部品を製造すること、及び、前記3Dプリンタを用いて前記部品を製造することの一方を推薦するメッセージを表示する、見積り提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、見積り提示方法及び見積り提示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-25950号公報(特許文献1)は、自動見積りシステムを開示する。この自動見積りシステムにおいては、複数の板金部品、切削部品、プレス部品及び射出成形部品等で構成される機械装置の見積りが自動的に行なわれる。この自動見積りシステムにおいては、寸法、公差、材質、硬度及び表面処理等の製造条件が変更されるのに応じて見積りが更新される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-25950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品の寸法、公差、材質、硬度及び表面処理等の製造条件を変更するだけでは、ユーザの要望に近い適切な見積りを提示できない場合がある。上記特許文献1においては、このような問題を解決する方法が開示されていない。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、より適切な見積り結果をユーザに提示可能なプログラム、見積り提示方法及び見積り提示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従うプログラムは、工作機械を用いた加工によって部品が製造される場合における部品の価格に関する第1見積りを部品の形状に基づいて算出する処理と、3Dプリンタを用いることによって部品が製造される場合における部品の価格に関する第2見積りを部品の形状に基づいて算出する処理と、第1及び第2見積りに基づいて、部品の価格に関する見積り結果をディスプレイに表示させる処理とをコンピュータに実行させる。
【0007】
このプログラムによれば、工作機械及び3Dプリンタの各々が使用された場合の見積りが考慮された上で見積り結果が表示されるため、より適切な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0008】
上記プログラムにおいて、見積り結果には、部品の納期に関する見積りがさらに含まれてもよく、上記プログラムは、工作機械及び3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて部品の納期に関する見積りを算出する処理と、見積り結果における部品の納期よりも早い納期がユーザによって希望された場合に、見積り結果における部品の価格を高める処理とをコンピュータにさらに実行させてもよい。
【0009】
このプログラムによれば、ユーザの希望に従って納期と価格とのバランスが調整されるため、より適切な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0010】
上記プログラムは、部品の形状を示す部品データを受信する処理をコンピュータにさらに実行させてもよく、第1見積りは、部品データによって示される部品の形状に基づいて算出されてもよく、第2見積りは、部品データによって示される部品の形状、及び、3Dプリンタによって部品を製造する場合に必要となる補強部材の形状に基づいて算出されてもよい。
【0011】
このプログラムによれば、第2見積りの算出において補強部材の形状が考慮されるため、共通の部品データに基づいて第1及び第2見積りの算出をより適正に行なうことができる。
【0012】
上記プログラムは、部品の形状を示す部品データを受信する処理をコンピュータにさらに実行させてもよく、3Dプリンタによって部品を製造する場合に必要となる補強部材を示すデータが部品データに含まれている場合には、第2見積りが部品データに基づいて算出されてもよい一方、補強部材を示すデータが部品データに含まれていない場合には、上記プログラムが部品データを加工する処理をコンピュータにさらに実行させてもよく、加工後の部品データに基づいて第2見積りが算出されてもよい。
【0013】
このプログラムによれば、補強部材を示すデータが部品データに含まれているか否かに拘わらず補強部材の形状が考慮された第2見積りが算出されるため、より高精度な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0014】
上記プログラムは、部品の材料の選択をユーザから受け付ける処理をコンピュータにさらに実行させてもよく、第2見積りは、ユーザによって選択された材料が3Dプリンタに対応している場合に算出されてもよい。
【0015】
このプログラムによれば、3Dプリンタによって部品が製造可能な場合に第2見積りが算出されるため、より高精度な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0016】
上記プログラムは、部品の価格が安いことと部品の納期が早いこととのいずれを優先するかの選択をユーザから受け付ける処理をコンピュータにさらに実行させてもよく、部品の納期が早いことが優先される場合には、見積り結果が、自社管理の工作機械及び自社管理の3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて算出されてもよく、部品の価格が安いことが優先される場合には、見積り結果が、他社管理の工作機械及び他社管理の3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて算出されてもよい。
【0017】
一般的に、自社管理の設備が用いられる場合には、納期が早くなり、価格が高くなる。一方、他社管理の設備が用いられる場合には、納期が遅くなり、価格が安くなる。このプログラムによれば、ユーザの希望に従って自社管理の設備及び他社管理の設備のいずれを用いる前提で見積りを算出するかが変更されるため、より適切な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0018】
上記プログラムは、部品の数量に関する選択をユーザから受け付ける処理と、見積り結果における部品の納期及び部品の数量の少なくとも一方に基づいて、工作機械を用いて部品を製造すること、及び、3Dプリンタを用いて部品を製造することの一方を推薦するメッセージをディスプレイに表示させる処理とをコンピュータにさらに実行させてもよい。
【0019】
このプログラムによれば、工作機械及び3Dプリンタのいずれかを推薦するメッセージがディスプレイに表示されるため、より適切な選択をユーザに促すことができる。
【0020】
上記プログラムは、部品の形状に基づいて、必要な複数の加工ステップを推定する処理と、複数の加工ステップの少なくとも一部の加工ステップの選択をユーザから受け付ける処理とをコンピュータにさらに実行させてもよく、見積り結果は、選択された加工ステップ毎の価格に関する見積りを含んでもよい。
【0021】
このプログラムによれば、ユーザが希望する加工ステップ毎の見積りがディスプレイに表示されるため、適切な注文内容をユーザが容易に検討することができる。
【0022】
本発明の他の局面に従う見積り提示方法は、工作機械を用いた加工によって部品が製造される場合における部品の価格に関する第1見積りを部品の形状に基づいて算出するステップと、3Dプリンタを用いることによって部品が製造される場合における部品の価格に関する第2見積りを部品の形状に基づいて算出するステップと、第1及び第2見積りに基づいて、部品の価格に関する見積り結果をディスプレイに表示させるステップとを含む。
【0023】
この見積り提示方法によれば、工作機械及び3Dプリンタの各々が使用された場合の見積りが考慮された上で見積り結果が表示されるため、より適切な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0024】
本発明の他の局面に従う見積り提示システムは、第1算出部と、第2算出部と、表示部とを備える。第1算出部は、工作機械を用いた加工によって部品が製造される場合における部品の価格に関する第1見積りを部品の形状に基づいて算出する。第2算出部は、3Dプリンタを用いることによって部品が製造される場合における部品の価格に関する第2見積りを部品の形状に基づいて算出する。表示部は、第1及び第2見積りに基づいて、部品の価格に関する見積り結果を表示する。
【0025】
この見積り提示システムによれば、工作機械及び3Dプリンタの各々が使用された場合の見積りが考慮された上で見積り結果が表示されるため、より適切な見積り結果をユーザに提示することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、より適切な見積り結果をユーザに提示可能なプログラム、見積り提示方法及び見積り提示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施の形態1に従う見積り提示システムの構成を模式的に示す図である。
図2】サーバのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
図3】設備スケジュールDBの構成を模式的に示す図である。
図4】端末のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
図5】見積り提示システムにおける見積り提示動作の手順の一例を示すフローチャートである。
図6】見積り用情報を入力するための画面の一例を模式的に示す図である。
図7】第1見積り処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8】第2見積り処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図9】補強部材について説明するための図である。
図10】見積り結果表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11】追加料金の支払いによる納期の短縮について説明するための図である。
図12】見積り結果を表示する画面の一例を模式的に示す図である。
図13】納期を短縮する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図14】実施の形態2に従う見積り提示システムの構成を模式的に示す図である。
図15】サーバのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
図16】実施の形態3に従う見積り提示システムの構成を模式的に示す図である。
図17】サーバのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
図18】見積り提示システムにおける見積り提示動作の手順の一例を示すフローチャートである。
図19】見積り結果を表示する画面の一例を模式的に示す図である。
図20】実施の形態4に従う見積り提示システムの構成を模式的に示す図である。
図21】サーバのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
図22】見積り結果のドリルダウンの手順の一例を示すフローチャートである。
図23】加工ステップの選択画面の一例を模式的に示す図である。
図24】ドリルダウン後の見積り結果を表示する画面の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0029】
[1.実施の形態1]
<1-1.見積り提示システムの構成>
(1-1-1.システムの全体構成)
図1は、本実施の形態1に従う見積り提示システム10の構成を模式的に示す図である。見積り提示システム10は、部品(例えば、機械部品)の価格及び納期に関する見積り要求をユーザから受けた場合に、見積りを自動的に実行し、見積り結果をユーザに提示するように構成されている。
【0030】
図1に示されるように、見積り提示システム10は、サーバ100と、端末200とを含んでいる。サーバ100と端末200とは、インターネットN1を通じて互いに通信可能となっている。サーバ100は、例えば、汎用コンピュータによって構成される。端末200は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット又はスマートフォンによって構成される。
【0031】
ユーザは、端末200を操作することによって、部品の見積りに必要な情報(以下、「見積り用情報」とも称する。)を入力する。見積り用情報については、後程詳しく説明する。ユーザによって入力された見積り用情報は、インターネットN1を通じて端末200からサーバ100へ送信される。サーバ100においては、端末200から受信された見積り用情報に基づいて部品の見積りが行なわれる。見積りの結果(以下、「見積り結果」とも称する。)を示す情報(以下、「見積り結果情報」とも称する。)は、インターネットN1を通じてサーバ100から端末200へ送信される。端末200においては、部品の価格及び納期に関する見積り結果が表示される。見積り提示システム10を使用することによって、ユーザは、見積り用情報を入力するだけで、部品の見積り結果を容易に取得することができる。なお、見積り提示システム10において、ユーザから受け付ける見積り要求は部品の価格及び納期の少なくとも一方に関する見積りの要求であってもよく、見積り結果は部品の価格及び納期の少なくとも一方に関する見積り結果であってもよい。
【0032】
(1-1-2.サーバの構成)
図2は、サーバ100のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。図2に示されるように、サーバ100は、制御部110と、通信I/F(interface)130と、記憶部120とを含んでいる。各構成は、バスを通じて電気的に接続されている。
【0033】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)112、RAM(Random Access Memory)114及びROM(Read Only Memory)116等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0034】
通信I/F130は、インターネットN1を通じて、端末200(図1)と通信するように構成されている。通信I/F130は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール又は無線LANモジュールで構成される。
【0035】
記憶部120は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120は、例えば、プログラム122を記憶している。プログラム122がCPU112によって実行されることにより、サーバ100における各種機能が実現される。
【0036】
記憶部120は、さらに設備スケジュールDB124を記憶している。設備スケジュールDB124は、部品製造に用いられる製造装置の稼働予定に関する情報を管理するデータベースである。製造装置としては、工作機械及び3Dプリンタが挙げられる。工作機械の一例としては、旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、ウォータージェットカッタ、歯切り盤、ブローチ盤、マシニングセンタ、ターニングセンタ及び放電加工機が挙げられる。3Dプリンタの一例としては、造形材料として金属又は樹脂を使用する3Dプリンタが挙げられる。製造装置は、ユーザに部品を販売する自社が管理する製造装置であってもよいし、外注先である他社が管理する製造装置であってもよい。また、設備スケジュールDB124の更新は、リアルタイムで行なわれてもよいし、1日1回等の所定の周期で行なわれてもよい。また、設備スケジュールDB124の更新は、インターネットN1等のネットワークを通じて行なわれてもよいし、手動で行なわれてもよい。
【0037】
図3は、設備スケジュールDB124の構成を模式的に示す図である。図3に示されるように、設備スケジュールDB124においては、例えば、オーダーナンバー(発注番号)と、使用される設備(製造装置)の種類と、設備が使用される期間と、特急フラグとが対応付けて管理されている。特急フラグとは、ユーザによって納期短縮が希望されたことを示すフラグである。特急フラグは、「1」である場合に納期短縮が希望された件であることを示し、「0」である場合に納期短縮が希望された件ではないないことを示す。
【0038】
(1-1-3.端末の構成)
図4は、端末200のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。図4に示されるように、端末200は、制御部210と、通信I/F230と、操作部240と、ディスプレイ250と、記憶部220とを含んでいる。端末200において、各構成はバスを通じて電気的に接続されている。
【0039】
制御部210は、CPU、RAM及びROM等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。通信I/F230は、インターネットN1を通じて、サーバ100と通信するように構成されている。通信I/F230は、例えば、有線LANモジュール又は無線LANモジュールで構成される。
【0040】
操作部240は、ユーザからの入力を受け付けるように構成されている。操作部240は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス及びマイクの一部又は全部で構成される。見積り用情報の入力は、例えば、操作部240を介して入力される。
【0041】
ディスプレイ250は、画像を表示するように構成されている。ディスプレイ250は、例えば、液晶モニタ又は有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタで構成される。ディスプレイ250は、例えば、サーバ100から受信された見積り結果を含む画面を表示する。
【0042】
記憶部220は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部220は、例えば、プログラム222を記憶している。プログラム222が制御部210のCPUによって実行されることにより、端末200における各種機能が実現される。
【0043】
<1-2.見積り提示動作>
図5は、見積り提示システム10における見積り提示動作の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、サーバ100の制御部110によって実行される。
【0044】
図5を参照して、サーバ100の制御部110は、見積り用情報が端末200から受信されたか否かを判定する(ステップS100)。見積り用情報は、端末200の操作部240を介して入力される。操作部240を介して見積り用情報が入力されると、見積り用情報は端末200からサーバ100へ送信される。受信された見積り用情報は、RAM114又は記憶部120に記憶される。
【0045】
図6は、見積り用情報を入力するための画面の一例を模式的に示す図である。図6に示されるように、画面S1は、端末200のディスプレイ250に表示される。画面S1は、領域T1-T4と、ボタンB1,B2とを含んでいる。領域T1は、見積り対象である部品(以下、単に「対象部品」とも称する。)の形状を示すデータ(3Dデータ又は図面データ)をサーバ100にアップロードするための領域である。例えば、ユーザは、3Dデータ又は図面データ(CADデータ等)を領域T1にドラッグアンドドロップすることによって、3Dデータ又は図面データ(以下、「3Dデータ等」とも称する。)をサーバ100にアップロードすることができる。なお、2Dの図面データがアップロードされた場合に、サーバ100の制御部110は、アップロードされた図面データに基づいて3Dデータを自動的に生成してもよい。なお、2Dデータから3Dデータを自動的に生成する技術としては、公知の種々の技術が適用され得る。
【0046】
領域T2は、対象部品の製造に用いられる材料を選択するための領域である。使用可能な材料の種類は予め定められており、プルダウンに材料のリストが表示される。リストに含まれる材料には、例えば、工作機械及び3Dプリンタのいずれであっても使用可能な材料と、工作機械のみで使用可能な材料とが存在する。ユーザは、リストに表示される複数種類の材料からいずれかの材料を選択することができる。
【0047】
領域T3は、対象部品の数量を指定するための領域である。領域T4は、対象部品の配達先を指定するための領域である。ユーザによってボタンB1が押下されると、領域T1-T4に入力された情報(見積り用情報の一例)が端末200からサーバ100へ送信される。ユーザによってボタンB2が押下されると、ディスプレイ250に表示される画面が前の画面(不図示)に遷移する。
【0048】
再び図5を参照して、ステップS100において、見積り用情報が受信されていないと判定されると(ステップS100においてNO)、制御部110は、再びステップS100の処理を実行する。一方、ステップS100において、見積り用情報が受信されたと判定されると(ステップS100においてYES)、制御部110は、第1見積り処理を実行する(ステップS110)。第1見積り処理は、対象部品が工作機械によって製造される場合における価格及び納期に関する見積りを行なう処理である。
【0049】
図7は、第1見積り処理の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、サーバ100の制御部110によって実行される。
【0050】
図7を参照して、サーバ100の制御部110は、対象部品が工作機械によって製造される場合に必要となる1又は複数の加工ステップを3Dデータ等に基づいて推定すると共に、使用する必要がある工作機械を特定する(ステップS200)。ステップS200においては、例えば、対象部品を製造するためには、フライス加工、マシニング加工及び穴開け加工がこの順に行なわれることが必要であるといったことが推定される。
【0051】
制御部110は、設備スケジュールDB124を参照することによって、使用する必要がある工作機械のスケジュール情報を取得する(ステップS210)。これにより、使用する必要がある工作機械を使用可能な期間が特定される。制御部110は、対象部品が工作機械によって製造される場合に必要となる加工ステップ、及び、使用する必要がある工作機械を使用可能な期間に基づいて、対象部品の価格及び納期に関する第1見積りを算出する(ステップS220)。例えば、複雑な加工ステップが多くなるほど価格は高く見積もられ、工作機械を使用可能な期間に余裕がないほど納期は遅く見積もられる。なお、第1見積り処理においては、後述の第2見積り処理のように3Dデータ等が加工されることはない。すなわち、サーバ100の制御部110は、端末200からアップロードされた3Dデータ等に加工を施すことなく、端末200からアップロードされた3Dデータ等そのものに基づいて第1見積りを算出する。
【0052】
再び図5を参照して、第1見積り処理が完了すると、制御部110は、第2見積り処理を実行する(ステップS120)。第2見積り処理は、対象部品が3Dプリンタによって製造される場合における価格及び納期に関する見積りを行なう処理である。
【0053】
図8は、第2見積り処理の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、サーバ100の制御部110によって実行される。
【0054】
図8を参照して、制御部110は、ユーザによって選択された材料が3Dプリンタに対応しているか否かを見積り用情報に基づいて判定する(ステップS300)。いずれの材料が3Dプリンタに対応しているかは予め記憶部120に記憶されている。選択された材料が3Dプリンタに対応していないと判定されると(ステップS300においてNO)、第2見積りは算出されず、このフローチャートに示される処理は終了する。
【0055】
一方、選択された材料が3Dプリンタに対応していると判定されると(ステップS300においてYES)、制御部110は、設備スケジュールDB124を参照することによって、3Dプリンタのスケジュール情報を取得する(ステップS310)。これにより、3Dプリンタを使用可能な期間が特定される。
【0056】
制御部110は、対象部品を3Dプリンタで製造する場合に補強部材が必要であるか否かを3Dデータに基づいて判定する(ステップS310)。対象部品の安定性が十分でなく、3Dプリンタによる製造途中で部品が自立できなくなる可能性がある場合に、補強部材が部品と併せて造形される。
【0057】
図9は、補強部材について説明するための図である。図9を参照して、造形物300は、対象部品の一部である。造形物300が自立できないため、造形物300の造形と同時に補強部材310が造形される。これにより、十分な安定性を確保した状態で造形物300が造形される。
【0058】
再び図8を参照して、ステップS310において、補強部材が必要であると判定されると(ステップS320においてYES)、制御部110は、3Dデータに補強部材が予め含まれているか否かを判定する(ステップS330)。3Dデータに補強部材が予め含まれているか否かの判定は、例えば、3Dデータを解析することによって行なわれてもよい。また、補強部材が含まれている旨を示す情報が見積り用情報に含まれ、3Dデータに補強部材が予め含まれているか否かが当該情報に基づいて判定されてもよい。
【0059】
3Dデータに補強部材が予め含まれていないと判定されると(ステップS330においてNO)、制御部110は、3Dデータを加工することによって、3Dデータに補強部材のデータを追加する(ステップS340)。なお、3Dデータの加工においては、必ずしも補強部材に関する3Dデータが追加されなくてもよく、補強部材を実現するために必要な材料の容量に関するデータが追加されるだけでもよい。
【0060】
その後、制御部110は、加工後の3Dデータ、及び、3Dプリンタを使用可能な期間に基づいて、対象部品の価格及び納期に関する第2見積りを算出する(ステップS350)。例えば、使用される材料の容量が多くなるほど価格は高く見積もられ、3Dプリンタを使用可能な期間に余裕がないほど納期は遅く見積もられる。
【0061】
一方、ステップS320において補強部材が不要であると判定された場合(ステップS320においてNO)、及び、ステップS330において3Dデータに補強部材が含まれていると判定された場合(ステップS330においてYES)には、制御部110が、3Dデータに特に加工を施すことなく、未加工の3Dデータ、及び、3Dプリンタを使用可能な期間に基づいて、対象部品の価格及び納期に関する第2見積りを算出する(ステップS360)。例えば、使用される材料の容量が多くなるほど価格は高く見積もられ、3Dプリンタを使用可能な期間に余裕がないほど納期は遅く見積もられる。
【0062】
再び図5を参照して、第2見積り処理が完了すると、制御部110は、見積り結果表示処理を実行する(ステップS130)。見積り結果表示処理は、第1見積り処理及び第2見積り処理の結果を踏まえた見積り結果を端末200のディスプレイ250に表示させるための処理である。
【0063】
図10は、見積り結果表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、サーバ100の制御部110によって実行される。
【0064】
サーバ100の制御部110は、第1見積りにおける価格が第2見積りにおける価格よりも安いか否かを判定する(ステップS400)。第1見積りにおける価格が第2見積りにおける価格よりも安いと判定されると(ステップS410においてYES)、制御部110は、第1見積り結果を見積り結果として端末200のディスプレイ250に表示させるために、第1見積り結果情報を端末200へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS410)。
【0065】
一方、第1見積りにおける価格が第2見積りにおける価格よりも安くはないと判定されると(ステップS410においてNO)、制御部110は、第2見積り結果を見積り結果として端末200のディスプレイ250に表示させるために、第2見積り結果情報を端末200へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS420)。
【0066】
制御部110は、設備スケジュールDB124を参照することによって、価格次第で短縮可能な納期を算出し、価格次第で短縮可能な納期を示す情報を端末200へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS430)。見積り提示システム10においては、ユーザが追加料金を支払うことによって納期の短縮が可能となっている。例えば、ユーザは、追加料金を支払うことによって、特急フラグ(図3参照)が「0」である注文を抜かして自身の注文を先に処理してもらうことができる。端末200のディスプレイ250には、例えば、サーバ100から受信された見積り結果、及び、価格次第で短縮可能な納期が表示される。
【0067】
図11は、追加料金の支払いによる納期の短縮について説明するための図である。図11に含まれる上側の図及び下側の図の各々は、特定の使用設備の使用予定を示している。図11に含まれる上側の図を参照して、横軸は時間を示す。この例においては、オーダーNo.XX1の特急フラグが「1」であり、オーダーNo.XX2の特急フラグが「0」である。特急フラグが「1」であるオーダーにおいては、特急フラグが「0」のオーダーと比較して、設備の使用完了予定日と納期との間の差が小さい。一方、特急フラグが「0」のオーダーにおいては、設備の使用完了予定日と納期との間にバッファが設けられている。例えば、オーダーNo.XX2においては、仮の予定として時刻t1-t2が設備使用予定となっているが、納期は時刻t10と通知されている。特急フラグが「0」のオーダーに関しては、一旦最先のタイミングが設備の使用予定期間に設定されるが、その予定はあくまでも「仮」である。
【0068】
図11に含まれる下側の図を参照して、横軸は時間を示す。サーバ100の制御部110は、追加支払い後の納期を見積もる場合に、見積り対象のオーダーと同一の使用設備の使用を予定しているオーダーであって、特急フラグが「0」のオーダーを検索する。制御部110は、検索されたオーダーのうち予定を繰り下げても納期を徒過しないオーダーを検索する。制御部110は、検索されたオーダーのうち最先のオーダーの予定を繰り下げたと仮定して、追加支払い後の納期を見積もる。
【0069】
図12は、見積り結果を表示する画面の一例を模式的に示す図である。図12に示されるように、画面S2は、端末200のディスプレイ250に表示される。画面S2には、対象部品の価格及び納期に関する見積りが表示されている。また、追加料金を支払うことによって納期が短縮される旨が表示されている。画面S2は、さらにボタンB3,B4を含んでいる。ユーザによってボタンB3が押下されると、見積りに従った発注が行なわれる。また、ユーザによってボタンB4が押下されると、価格及び納期に関する見積りが更新される。具体的には、価格が高められると共に納期が短縮される。見積りに従った発注が受信されると、サーバ100の制御部110は、設備スケジュールDB124を更新する。これにより、設備スケジュールDB124に新たなオーダーが追加される。
【0070】
図13は、納期を短縮する処理の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、サーバ100の制御部110によって実行される。
【0071】
図13を参照して、サーバ100の制御部110は、納期を早める要求を示す信号が端末200から受信されたか否かを判定する(ステップS500)。例えば、図12に示されるボタンB4がユーザによって押下された場合に、納期を早める要求を示す信号が端末200からサーバ100へ送信される。納期を早める要求を示す信号が端末200から受信されていないと判定されると(ステップS500においてNO)、制御部110は、再びステップS500の処理を実行する。
【0072】
一方、納期を早める要求を示す信号が端末200から受信されたと判定されると(ステップS500においてYES)、制御部110は、見積り結果における価格及び納期を変更する処理を実行する(ステップS510)。具体的には、納期を短縮すると共に価格を上昇させる処理が実行される。変更後の価格及び納期を示す情報は、サーバ100から端末200へ送信され、端末200のディスプレイ250に表示される。
【0073】
<1-3.特徴>
以上のように、本実施の形態1に従う見積り提示システム10においては、第1及び第2見積りに基づいて、部品の価格に関する見積り結果がディスプレイに表示される。したがって、見積り提示システム10によれば、工作機械及び3Dプリンタの各々が使用された場合の見積りが考慮された上で見積り結果が端末200のディスプレイ250に表示されるため、より適切な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0074】
また、見積り提示システム10においては、見積り結果における部品の納期が、工作機械及び3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて算出され、見積り結果における部品の納期よりも早い納期がユーザによって希望された場合に、見積り結果における部品の価格が高められる。したがって、見積り提示システム10によれば、ユーザの希望に従って納期と価格とのバランスが調整されるため、より適切な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0075】
また、見積り提示システム10においては、第1見積りが、3Dデータ等によって示される部品の形状に基づいて算出され、第2見積りが、3Dデータ等によって示される部品の形状、及び、3Dプリンタによって部品を製造する場合に必要となる補強部材の形状に基づいて算出される。したがって、見積り提示システム10によれば、第2見積りの算出において補強部材の形状が考慮されるため、共通の3Dデータ等に基づいて第1及び第2見積りの算出をより適正に行なうことができる。
【0076】
また、見積り提示システム10においては、3Dプリンタによって部品を製造する場合に必要となる補強部材を示すデータが3Dデータに含まれている場合には、第2見積りが3Dデータに基づいて算出され、補強部材を示すデータが3Dデータに含まれていない場合には、加工後の3Dデータに基づいて第2見積りが算出される。したがって、見積り提示システム10によれば、補強部材を示すデータが3Dデータに含まれているか否かに拘わらず補強部材の形状が考慮された第2見積りが算出されるため、より高精度な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0077】
また、見積り提示システム10においては、第2見積りが、ユーザによって選択された材料が3Dプリンタに対応している場合にのみ算出される。したがって、見積り提示システム10によれば、3Dプリンタによって部品が製造可能な場合に第2見積りが算出されるため、より高精度な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0078】
[2.実施の形態2]
実施の形態2に従う見積り提示システム10Aと、上記実施の形態1に従う見積り提示システム10とでは、対象部品の価格及び納期に関する見積りの算出方法が異なる。以下では、上記実施の形態1と同様の部分については説明を繰り返さず、上記実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0079】
<2-1.見積り提示システムの構成>
図14は、本実施の形態2に従う見積り提示システム10Aの構成を模式的に示す図である。見積り提示システム10Aは、部品(例えば、機械部品)の価格及び納期に関する見積り要求をユーザから受けた場合に、見積りを自動的に実行し、見積り結果をユーザに提示するように構成されている。見積り提示システム10Aは、サーバ100Aと、端末200とを含んでいる。サーバ100Aと端末200とは、インターネットN1を通じて互いに通信可能となっている。サーバ100Aは、例えば、汎用コンピュータによって構成される。
【0080】
図15は、サーバ100Aのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。図15に示されるように、サーバ100Aは、制御部110と、通信I/F(interface)130と、記憶部120Aとを含んでいる。各構成は、バスを通じて電気的に接続されている。
【0081】
記憶部120Aは、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120Aは、例えば、プログラム122Aを記憶している。プログラム122AがCPU112によって実行されることにより、サーバ100Aにおける各種機能が実現される。
【0082】
記憶部120Aは、さらに自社設備スケジュールDB124Aと他社設備スケジュールDB126Aとを記憶している。自社設備スケジュールDB124Aは、自社管理の製造装置の稼働予定に関する情報を管理するデータベースである。一方、他社設備スケジュールDB126Aは、他社管理の製造装置の稼働予定に関する情報を管理するデータベースである。自社設備スケジュールDB124A及び他社設備スケジュールDB126Aの各々の更新は、リアルタイムで行なわれてもよいし、1日1回等の所定の周期で行なわれてもよい。また、自社設備スケジュールDB124A及び他社設備スケジュールDB126Aの各々の更新は、インターネットN1等のネットワークを通じて行なわれてもよいし、手動で行なわれてもよい。
【0083】
<2-2.見積り提示システムの動作>
本実施の形態2に従うサーバ100Aにおいては、基本的には図5に示されるフローチャートに沿った処理が実行される。但し、例えば、ステップS100においては、対象部品の価格が安いことと対象部品の納期が早いこととのいずれをユーザが優先するかを示す情報も見積り用情報として受信される。すなわち、対象部品の価格が安いことと対象部品の納期が早いこととのいずれを優先するかに関する入力が、端末200の操作部240を通じてユーザによって行なわれる。
【0084】
また、ステップS110においては、部品の納期が早いことが優先される場合には、自社管理の工作機械の稼働状況、及び、対象部品が工作機械によって製造される場合に必要となる加工ステップに基づいて第1見積りが算出される。一方、部品の価格が安いことが優先される場合には、他社管理の工作機械の稼働状況、及び、対象部品が工作機械によって製造される場合に必要となる加工ステップに基づいて第1見積りが算出される。
【0085】
また、ステップS120においては、部品の納期が早いことが優先される場合には、自社管理の3Dプリンタの稼働状況、及び、3Dデータ(対象部品の製造に必要な材料の容量)に基づいて第2見積りが算出される。一方、部品の価格が安いことが優先される場合には、他社管理の3Dプリンタの稼働状況、及び、3Dデータ(対象部品の製造に必要な材料の容量)に基づいて第2見積りが算出される。
【0086】
<2-3.特徴>
以上のように、本実施の形態2に従う見積り提示システム10Aにおいては、対象部品の納期が早いことが優先される場合には、見積り結果が、自社管理の工作機械及び自社管理の3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて算出され、部品の価格が安いことが優先される場合には、見積り結果が、他社管理の工作機械及び他社管理の3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて算出される。一般的に、自社管理の設備が用いられる場合には、納期が早くなり、価格が高くなる。一方、他社管理の設備が用いられる場合には、納期が遅くなり、価格が安くなる。見積り提示システム10Aによれば、ユーザの希望に従って自社管理の設備及び他社管理の設備のいずれを用いる前提で見積りを算出するかが変更されるため、より適切な見積り結果をユーザに提示することができる。
【0087】
なお、部品の価格が安いことが優先される場合には、見積り結果が、自社管理の工作機械及び自社管理の3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて算出されてもよい。また、部品の価格が安いことが優先される場合には、見積り結果が、自社管理の工作機械及び自社管理の3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況、並びに、他社管理の工作機械及び他社管理の3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて算出されてもよい。すなわち、部品の納期が早いことが優先される場合には、見積り結果が、自社管理の工作機械及び自社管理の3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況に基づいて算出され、部品の価格が安いことが優先される場合には、見積り結果が、自社管理の工作機械及び自社管理の3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況、並びに、他社管理の工作機械及び他社管理の3Dプリンタの少なくとも一方の稼働状況の少なくとも一方に基づいて算出されてもよい。
【0088】
[3.実施の形態3]
実施の形態3に従う見積り提示システム10Bと、上記実施の形態1に従う見積り提示システム10とでは、見積り結果の表示内容が異なる。以下では、上記実施の形態1と同様の部分については説明を繰り返さず、上記実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0089】
<3-1.見積り提示システムの構成>
図16は、本実施の形態3に従う見積り提示システム10Bの構成を模式的に示す図である。見積り提示システム10Bは、部品(例えば、機械部品)の価格及び納期に関する見積り要求をユーザから受けた場合に、見積りを自動的に実行し、見積り結果をユーザに提示するように構成されている。見積り提示システム10Bは、サーバ100Bと、端末200とを含んでいる。サーバ100Bと端末200とは、インターネットN1を通じて互いに通信可能となっている。サーバ100Bは、例えば、汎用コンピュータによって構成される。
【0090】
図17は、サーバ100Bのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。図17に示されるように、サーバ100Bは、制御部110と、通信I/F(interface)130と、記憶部120Bとを含んでいる。各構成は、バスを通じて電気的に接続されている。
【0091】
記憶部120Bは、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120Bは、例えば、プログラム122Bを記憶している。プログラム122BがCPU112によって実行されることにより、サーバ100Bにおける各種機能が実現される。
【0092】
<3-2.見積り提示システムの動作>
図18は、見積り提示システム10Bにおける見積り提示動作の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、サーバ100Bの制御部110によって実行される。
【0093】
図18を参照して、ステップS600-S620は、図5のステップS100-S120と同様の処理である。第2見積り処理が完了すると、制御部110は、見積り結果表示処理を実行する(ステップS630)。見積り提示システム10Bにおいては、第1見積り結果及び第2見積り結果の両方が端末200のディスプレイ250に表示される。すなわち、ステップS630における見積り結果表示処理は、第1見積り結果及び第2見積り結果の両方を端末200のディスプレイ250に表示させるための処理である。
【0094】
制御部110は、さらにレコメンド表示処理を実行する(ステップS640)。見積り提示システム10Bにおいては、工作機械及び3Dプリンタのいずれかを推薦する情報(レコメンド情報)が端末200のディスプレイ250に表示される。すなわち、ステップS640におけるレコメンド表示処理は、レコメンド情報を端末200のディスプレイ250に表示させるための処理である。例えば、両方の価格が同じで一方の納期が早い場合には、納期が早いほうが推薦されてもよい。また、例えば、両方の納期が同じで一方の価格が安い場合には価格が安い方が推薦されてもよい。また、例えば、対象部品の数量が多い場合には工作機械が推薦されてもよい。また、例えば、希望納期がユーザによって入力されてもよく、この場合に納期が短いときは3Dプリンタが推薦されてもよい。すなわち、見積り提示システム10Bにおいては、対象部品の納期及び数量の少なくとも一方に基づいて、工作機械を用いて部品を製造すること、及び、3Dプリンタを用いて部品を製造することの一方が推薦される。
【0095】
図19は、見積り結果を表示する画面の一例を模式的に示す図である。図19に示されるように、画面S3は、ディスプレイ250に表示される。画面S3には、工作機械を使用した場合の見積り結果(第1見積り結果)及び3Dプリンタを使用した場合の見積り結果(第2見積り結果)の両方が含まれている。また、画面S3には、レコメンド情報IF1が含まれている。この例においては、3Dプリンタを使用することが推薦されている。また、工作機械(機械加工)が選択された場合に価格及び納期の各々がどのように変動するかを示す情報(価格及び納期の差を示す情報)、及び、工作機械(機械加工)の方が低価格になる数量の閾値を示す情報が含まれている。
【0096】
ユーザは、ボタンB5を操作することによって3Dプリンタ及び工作機械のいずれかを選択することができる。また、ユーザは、領域T5に所望の個数を入力することによって対象部品の数を変更することができる。また、ユーザは、ボタンB6を押下することによって、ボタンB5を通じて選択された見積り結果に従った発注を行なうことができる。
【0097】
<3-3.特徴>
以上のように、本実施の形態3に従う見積り提示システム10Bにおいては、対象部品の納期及び数量の少なくとも一方に基づいて、工作機械を用いて部品を製造すること、及び、3Dプリンタを用いて部品を製造することの一方が推薦される。したがって、見積り提示システム10Bによれば、工作機械及び3Dプリンタのいずれかを推薦するメッセージが端末200のディスプレイ250に表示されるため、より適切な選択をユーザに促すことができる。
【0098】
[4.実施の形態4]
実施の形態4に従う見積り提示システム10Cと、上記実施の形態1に従う見積り提示システム10とでは、見積り結果の表示内容が異なる。以下では、上記実施の形態1と同様の部分については説明を繰り返さず、上記実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0099】
<4-1.見積り提示システムの構成>
図20は、本実施の形態4に従う見積り提示システム10Cの構成を模式的に示す図である。見積り提示システム10Cは、部品(例えば、機械部品)の価格及び納期に関する見積り要求をユーザから受けた場合に、見積りを自動的に実行し、見積り結果をユーザに提示するように構成されている。見積り提示システム10Cは、サーバ100Cと、端末200とを含んでいる。サーバ100Cと端末200とは、インターネットN1を通じて互いに通信可能となっている。サーバ100Cは、例えば、汎用コンピュータによって構成される。
【0100】
図21は、サーバ100Cのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。図21に示されるように、サーバ100Cは、制御部110と、通信I/F(interface)130と、記憶部120Cとを含んでいる。各構成は、バスを通じて電気的に接続されている。
【0101】
記憶部120Cは、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120Cは、例えば、プログラム122Cを記憶している。プログラム122CがCPU112によって実行されることにより、サーバ100Cにおける各種機能が実現される。
【0102】
<4-2.見積り提示システムの動作>
本実施の形態4に従う見積り提示システム10Cにおいては、図12に示されるような見積り結果の表示画面において見積り結果のドリルダウンの指示を受け付けることが可能となっている。ドリルダウンの指示が受け付けられると、対象部品の製造に必要な加工ステップ単位での見積り結果が端末200のディスプレイ250に表示される。ユーザの中には、一部の加工装置を所有しており、自社で不可能な加工のみを外注したいというユーザも存在し得る。そのような外注をスムーズに行なうためにも見積り結果のドリルダウンは有効である。
【0103】
図22は、見積り結果のドリルダウンの手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、サーバ100Cの制御部110によって実行される。
【0104】
図22を参照して、サーバ100Cの制御部110は、ドリルダウンの実行指示を示す信号が端末200から受信されたか否かを判定する(ステップS700)。ドリルダウンの実行指示を示す信号が端末200から受信されていないと判定されると(ステップS700においてNO)、制御部110は、再びステップS700の処理を実行する。
【0105】
一方、ドリルダウンの実行指示を示す信号が端末200から受信されたと判定されると(ステップS700においてYES)、制御部110は、対象部品の製造に必要な加工ステップが既に推定済みであるか否かを判定する(ステップS710)。例えば、第1見積り結果がドリルダウンされる場合には、加工ステップが既に推定済みであるため、ステップS710における判定は「YES」となる。一方、第2見積り結果がドリルダウンされる場合には、加工ステップが推定されていないため、ステップS710における判定は「NO」となる。
【0106】
ステップS710においてNOと判定されると、制御部110は、対象部品が3Dプリンタによって製造される場合に必要となる1又は複数の加工ステップを3Dデータに基づいて推定する(ステップS720)。例えば、3Dプリントを行なうステップ、3Dプリントされた部品から補強部材を削除するステップ、及び、補強部材が削除された部品を研磨するステップが必要である旨が推定される。一方、ステップS710においてYESと判定されると、制御部110は、加工ステップの推定を改めて行なわずにステップS730の処理を実行する。
【0107】
制御部110は、推定された1又は複数の加工ステップから見積り結果の表示対象とする加工ステップを選択するための画面を端末200のディスプレイ250に表示させるための処理を実行する(ステップS730)。例えば、制御部110は、選択画面を示すデータを端末200へ送信するように通信I/F130を制御する。
【0108】
図23は、加工ステップの選択画面の一例を模式的に示す図である。図23に示されるように、画面S4は、ディスプレイ250に表示される。画面S4は、対象部品の図、及び、ボタンB7を含んでいる。ユーザは、ボタンB7を操作することによって、見積り結果の表示対象とする加工ステップを選択することができる。なお、画面S4においては、1又は複数の加工ステップが選択可能となっている。但し、推定された複数の加工ステップから複数の加工ステップが選択される場合には、連続的に行なわれる加工ステップのみが選択可能となっている。この例においては、素材の準備、フライス加工、マシニング加工及び穴開け加工がこの順で行なわれることによって対象部品が製造される。この場合には、例えば、フライス加工及びマシニング加工という連続的に行なわれる2つの加工を選択することは可能であるが、フライス加工及び穴開け加工という連続的に行なわれない2つの加工を選択することはできない。これは、仮に連続的に行なわれない複数の加工が選択された場合には、加工途中の部品を一旦ユーザに納品し、再度、追加加工後の部品をユーザから受け取る必要が生じるため、納期を見積もることができないためである。また、このようなニーズも大きくない。見積り提示システム10Cによれば、連続的に行なわれない2つの加工を選択することができないため、連続的に行なわれない複数の加工が誤って選択される事態の発生を抑制することができる。
【0109】
再び図22を参照して、制御部110は、見積り結果の表示対象とする加工ステップの選択が完了したか否かを判定する(ステップS740)。例えば、制御部110は、選択された加工ステップを示す情報が端末200から受信されたか否かを判定する。加工ステップの選択が完了していないと判定されると(ステップS740においてNO)、制御部110は、再びステップS740の処理を実行する。
【0110】
一方、加工ステップの選択が完了したと判定されると(ステップS740においてYES)、制御部110は、選択された各加工ステップに関する見積り処理を実行する(ステップS750)。制御部110は、見積り結果を端末200のディスプレイ250に表示させるための処理を実行する(ステップS760)。
【0111】
図24は、ドリルダウン後の見積り結果を表示する画面の一例を模式的に示す図である。図24に示されるように、画面S5は、ディスプレイ250に表示される。画面S5は、図23に示される選択画面において選択された加工ステップ毎の価格及び納期に関する見積り結果を含んでいる。ユーザは、ボタンB8を押下することによって、見積り結果に従った発注を行なうことができる。ユーザは、ボタンB9を押下することによって、表示画面を図23に示される画面に戻すことができる。
【0112】
<4-3.特徴>
以上のように、本実施の形態4に従う見積り提示システム10Cにおいては、対象部品の製造に必要な複数の加工ステップのうち少なくとも一部の加工ステップの選択がユーザから受け付けられ、選択された加工ステップ毎の価格及び納期に関する見積り結果が端末200のディスプレイ250に表示される。見積り提示システム10Cによれば、ユーザが希望する加工ステップ毎の見積りがディスプレイ250に表示されるため、適切な注文内容をユーザが容易に検討することができる。
【0113】
[5.他の実施の形態]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0114】
<5-1>
上記実施の形態1に従う見積り提示システム10においては、第1及び第2見積り結果のうち価格が低い方の見積り結果が端末200のディスプレイ250に表示された。しかしながら、ディスプレイ250に表示される見積り結果はこれに限定されない。例えば、第1及び第2見積り結果の両方がディスプレイ250に表示されてもよい。また、納期を重要視するか価格を重要視するかを予めユーザに選択させ、ユーザが重要視する項目がより優れている方の見積り結果がディスプレイ250に表示されてもよい。また、図12に示される見積り結果の表示画面においては、使用される製造装置の種類(例えば、工作機械又は3Dプリンタ)を示す情報が併せて表示されてもよい。
【0115】
<5-2>
また、上記実施の形態1において、見積り結果における納期を短縮する場合に、価格を高める幅は、工作機械及び3Dプリンタ等の設備の稼働状況に応じて変更してもよい。例えば、対象部品の製造に稼働状況が高い設備が使用される場合には、価格を高める幅をより大きくしてもよい。
【0116】
<5-3>
また、上記実施の形態1において、例えば、図6に示される画面S1において、ユーザによって3Dプリンタに対応していない材料が選択された場合に、特性が近い材料で3Dプリンタ対応の材料の使用が推薦されてもよい。また、ユーザによって選択された材料が機械加工のみに対応している場合に、ユーザによって選択された材料が用いられた場合の第1見積りと、ユーザによって選択された材料に特性が近い材料で3Dプリンタ対応の材料が用いられた場合の第2見積りとの両方が自動的に算出されてもよい。この場合の第2見積りに関して、サーバ100の制御部110は、ユーザによって選択された材料(機械加工のみに対応)に特性が近い材料を自動的に特定する処理、及び、特定された材料が用いられた場合の第2見積り処理を実行してもよい。これにより、3Dプリンタ用の材料に詳しくないユーザに対しても3Dプリンタを使用した場合の見積りを適切に提供することができる。また、この場合に、第2見積りが見積り結果に採用されたときは、見積り結果の表示画面に、「使用材料が、選択された材料の類似材料に変更されている」旨が表示されてもよい。なお、サーバ100の記憶部120には、予め記憶されている複数種類の材料の少なくとも一部に関して、特性が近い材料に関する情報が記憶されていてもよい。サーバ100の制御部110は、算出された第1及び第2見積りに基づいて決定された見積り結果を端末200へ送信するように通信I/F130を制御してもよい。なお、ユーザによって選択された材料が機械加工のみに対応している場合であり、かつ、ユーザによって選択された材料に特性が近い材料で3Dプリンタ対応の材料が存在する場合も「ユーザによって選択された材料が3Dプリンタに対応している場合」であるといえる。
【0117】
<5-4>
また、上記実施の形態4において、見積り結果が加工ステップ毎にドリルダウンされた場合に、加工ステップ毎に工作機械及び3Dプリンタの一方が推薦されてもよい。その場合に、使用する製造装置を変更した場合に、各加工ステップにおける価格及び納期に関する見積りがどのように変化するかを示す情報がディスプレイ250に表示されてもよい。
【0118】
<5-5>
また、上記実施の形態1において、加工方法の変更によって納期の短縮が可能である旨が図11の画面S2に表示されてもよい。例えば、サーバ100の制御部110は、異なる設備のスケジュールを確認することによって、加工方法の変更により納期の短縮が可能か否かを判定してもよい。また、加工方法は変更せず追加料金を支払うことによって短縮可能な納期が画面S2に表示されると共に、加工方法を変更し、かつ、追加料金を支払うことによって短縮可能な納期が画面S2に併せて表示されてもよい。
【0119】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0120】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。例えば、いずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成と、他のいずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成とが組み合わされてもよい。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0121】
10,10A,10B,10C 見積り提示システム、100,100A,100B,100C サーバ、110,210 制御部、112 CPU、114 RAM、116 ROM、120,120A,120B,120C,220 記憶部、122,222,122A,122B,122C プログラム、124 設備スケジュールDB、124A 自社設備スケジュールDB、126A 他社設備スケジュールDB、130,230 通信I/F、200 端末、240 操作部、250 ディスプレイ、300 造形物、310 補強部材、B1-B9 ボタン、IF1 レコメンド情報、N1 インターネット、S1-S5 画面、T1-T5 領域。

【要約】
【課題】より適切な見積り結果をユーザに提示可能なプログラム、見積り提示方法及び見積り提示システムを提供する。
【解決手段】プログラムは、工作機械を用いた加工によって部品が製造される場合における部品の価格に関する第1見積りを部品の形状に基づいて算出する処理と、3Dプリンタを用いることによって部品が製造される場合における部品の価格に関する第2見積りを部品の形状に基づいて算出する処理と、第1及び第2見積りに基づいて、部品の価格に関する見積り結果をディスプレイに表示させる処理とをコンピュータに実行させる。
【選択図】図1

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