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特許7527467取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/64 20060101AFI20240726BHJP
   B29C 49/78 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
B29C49/64
B29C49/78
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023504054
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 CN2020118766
(87)【国際公開番号】W WO2022056958
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】202010981815.8
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022046462.0
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521317081
【氏名又は名称】広州達意隆包装機械股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】鄒大群
(72)【発明者】
【氏名】曽観源
(72)【発明者】
【氏名】劉敬鋒
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-070569(JP,A)
【文献】特開平06-064027(JP,A)
【文献】特開平11-188785(JP,A)
【文献】特開2011-011479(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0254676(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00-49/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷風エアナイフ、加温炉及び搬送機構を備え、
前記冷風エアナイフは、前記加温炉の出口側に設けられ、ボトルプリフォームは、前記搬送機構により前記加温炉の中に搬入されて加熱された後に、前記冷風エアナイフに搬送され、前記ボトルプリフォームは、ボトルボディ及び前記ボトルボディに設けられた取手を備え、前記冷風エアナイフは、前記取手の下端に対してエアブロー降温を行い、
前記冷風エアナイフは、前記ボトルプリフォームのボトルボディの一方側に設けられ且つ前記取手の下方に位置し、前記冷風エアナイフには、第1の風出口及び第2の風出口が開設されており、前記第1の風出口と前記ボトルボディとの距離は、前記第2の風出口と前記ボトルボディとの距離より小さく、前記第2の風出口の中から吹き出された気流は、前記取手に向かい且つ鉛直上向きとなり、前記第1の風出口の中から吹き出された気流は、前記取手に向かい且つ前記第2の風出口側に偏る、
取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備。
【請求項2】
前記冷風エアナイフは、エアナイフ本体、第1の気流ガイド材及び第2の気流ガイド材を備え、前記第1の気流ガイド材及び前記第2の気流ガイド材はいずれも前記エアナイフ本体に取外し可能に接続され、前記エアナイフ本体の内部は、空洞を有し、前記第1の気流ガイド材が前記エアナイフ本体に組み立てられて前記第1の風出口が形成され、前記第2の気流ガイド材が前記エアナイフ本体に組み立てられて前記第2の風出口が形成され、前記第1の風出口及び前記第2の風出口はいずれも前記空洞に連通される、
請求項に記載の取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備。
【請求項3】
前記第1の気流ガイド材は、前記第1の風出口の、前記ボトルボディに近い側に位置する延在部を備え、前記延在部の頂端は、前記第1の風出口の上方に位置し、前記延在部の、前記ボトルボディから乖離する側には風ガイド面が形成され、前記第1の風出口の中から吹き出された気流は、前記風ガイド面に衝突し且つ前記風ガイド面によって偏向される、
請求項に記載の取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備。
【請求項4】
前記風ガイド面と鉛直方向との挟角は0~15度である、
請求項に記載の取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備。
【請求項5】
前記ボトルプリフォームは、前記冷風エアナイフを通過するときに直線運動し且つ回転せず、前記第1の風出口及び前記第2の風出口はいずれも直線型を呈し、
又は、前記ボトルプリフォームは、前記冷風エアナイフを通過するときに曲線運動し、前記第1の風出口及び前記第2の風出口は、曲線型を呈する、
請求項に記載の取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備。
【請求項6】
前記冷風エアナイフは少なくとも同時に、2つの前記ボトルプリフォームに対して冷却を行う、
請求項に記載の取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備。
【請求項7】
エアナイフホルダをさらに備え、前記冷風エアナイフは、前記エアナイフホルダに接続され、前記エアナイフホルダの内部には、均圧チャンバが開設されており、前記均圧チャンバは、前記空洞に連通される、
請求項に記載の取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備。
【請求項8】
冷風エアナイフ、加温炉及び搬送機構を備え、
前記冷風エアナイフは、前記加温炉の出口側に設けられ、ボトルプリフォームは、前記搬送機構により前記加温炉の中に搬入されて加熱された後に、前記冷風エアナイフに搬送され、前記ボトルプリフォームは、ボトルボディ及び前記ボトルボディに設けられた取手を備え、前記冷風エアナイフは、前記取手の下端に対してエアブロー降温を行い、
前記冷風エアナイフにより吹き出された気流の温度は、3ないし10摂氏度である、
手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備。
【請求項9】
冷風エアナイフ、加温炉及び搬送機構を備え、
前記冷風エアナイフは、前記加温炉の出口側に設けられ、ボトルプリフォームは、前記搬送機構により前記加温炉の中に搬入されて加熱された後に、前記冷風エアナイフに搬送され、前記ボトルプリフォームは、ボトルボディ及び前記ボトルボディに設けられた取手を備え、前記冷風エアナイフは、前記取手の下端に対してエアブロー降温を行い、
前記加温炉は、前記ボトルプリフォームのボトルボディの下部に対して加熱を行う第1の加温領域、及び前記ボトルプリフォームのボトルボディの上部及び前記取手に対して加熱を行う第2の加温領域を備え、前記第2の加温領域の温度は、前記第1の加温領域の温度より低い、
手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2020年9月17日で出願番号が202010981815.8である中国特許出願、及び出願日が2020年9月17日で出願番号が202022046462.0である中国特許出願の優先権を主張し、上記出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、ボトルブロー機の技術分野に関し、例えば、取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備に関する。
【背景技術】
【0003】
現在の市場では、取手付きのプラスチック哺乳瓶及びドリンクボトルは主に2種類に分けられており、1つの種類が取手付きのHDPE材質のボトルであり、もう1つの種類が後付け取手のPET材質のボトルである。そのうち、取手付きのHDPE材質のボトルには、密封が不完全で、ボトルボディが破損しやすく、及びボトル容量が制御できないなどの欠陥がある一方で、もう1つのPET材質のボトルには、HDPE材質のボトルと比べて、密封性がよく、ボトルボディが丈夫で、酸素バリア性能が高く且つ透明で観測されやすいなどの利点があるものの、現在PET材質のボトルはいずれも後付け取手を作る必要があり、後付け取手のPET材質の牛乳瓶における取手は特定の機器による生産及び取付が必要であり、且つ取付後に脱落しやすい。以上の理由から、業界内の関連企業は、現在の市場における後付け取手PET材質のボトルの代わりに取手付きPET材質ボトルを用いることを望むよう促されている。
【0004】
取手の位置が変化せず形状が完全であることを保証するために、ボトルプリフォームの取手部位のプリフォーム材料は、縦方向に延伸不可で、横方向のみに延伸可能である。そのため、ボトルプリフォームの加温過程における取手部位に対して技術的な処理を行い、ボトルブローの過程において取手部位の温度が高すぎると柔らかくなるため変形が生じ、さらにボトルブローの失敗を引き起こすことを防止しなければならない。大量のボトルブロー試験により、ボトルの各部位の壁厚を総合的に保証してボトルの物理的性能の要求を達成する場合に、ボトルプリフォームの加温後の低温の取手部位と高温のボトルボディ部位は、1つの緩やかな温度過渡領域を有する必要があり、即ち、取手とボトルボディとの接合箇所及び取手下端の温度を適度に高める必要があり、これによる不利な結果が、ボトルプリフォームのブローが完成した後に、取手下端が下に伸びて変形することであることを見出した。しかし、関連技術における加温炉は、赤外線ランプ管を採用してボトルプリフォームに対して加熱を行っており、ボトルプリフォームに上記温度過渡領域を出現させても、取手下端が高い温度に加温されて変形するまでに至らないようにさせる、という問題を解決できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、冷風エアナイフによりボトルプリフォームの取手下端に対して個別冷却を行うことで、ボトルボディと取手下端との結合箇所の温度が緩やかな過渡を実現し、ボトルプリフォームのブロー後の製品品質を高める取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施例は、冷風エアナイフ、加温炉及び搬送機構を備え、前記冷風エアナイフは、前記加温炉の出口側に設けられ、ボトルプリフォームは、前記搬送機構により前記加温炉の中に搬入されて加熱された後に、前記冷風エアナイフに搬送され、前記ボトルプリフォームは、ボトルボディ及び前記ボトルボディに設けられた取手を備え、前記冷風エアナイフは、前記取手の下端に対してエアブロー降温を行う取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備を提供する。
【0007】
本願の1つの選択可能な方案として、前記冷風エアナイフは、前記ボトルプリフォームのボトルボディの一方側に設けられ且つ前記取手の下方に位置し、前記冷風エアナイフには、第1の風出口及び第2の風出口が開設されており、前記第1の風出口と前記ボトルボディとの距離は、前記第2の風出口と前記ボトルボディとの距離より小さく、前記第2の風出口の中から吹き出された気流は、前記取手に向かい且つ鉛直上向きとなり、前記第1の風出口の中から吹き出された気流は、前記取手に向かい且つ前記第2の風出口側に偏る。
【0008】
本願の1つの選択可能な方案として、前記冷風エアナイフは、エアナイフ本体、第1の気流ガイド材及び第2の気流ガイド材を備え、前記第1の気流ガイド材及び前記第2の気流ガイド材はいずれも前記エアナイフ本体に取外し可能に接続され、前記エアナイフ本体の内部は、空洞を有し、前記第1の気流ガイド材が前記エアナイフ本体に組み立てられて前記第1の風出口が形成され、前記第2の気流ガイド材が前記エアナイフ本体に組み立てられて前記第2の風出口が形成され、前記第1の風出口及び前記第2の風出口はいずれも前記空洞に連通される。
【0009】
本願の1つの選択可能な方案として、前記第1の気流ガイド材は、前記第1の風出口の、前記ボトルボディに近い側に位置する延在部を備え、前記延在部の頂端は、前記第1の風出口の上方に位置し、前記延在部の、前記ボトルボディから乖離する側には風ガイド面が形成され、前記第1の風出口の中から吹き出された気流は、前記風ガイド面に衝突し且つ前記風ガイド面によって偏向される。
【0010】
本願の1つの選択可能な方案として、前記風ガイド面と鉛直方向との挟角は0~15度である。
【0011】
本願の1つの選択可能な方案として、前記ボトルプリフォームは、前記冷風エアナイフを通過するときに直線運動し且つ回転せず、前記第1の風出口及び前記第2の風出口はいずれも直線型を呈し、
又は、前記ボトルプリフォームは、前記冷風エアナイフを通過するときに曲線運動し、前記第1の風出口及び前記第2の風出口は、曲線型を呈する。
【0012】
本願の1つの選択可能な方案として、前記冷風エアナイフは少なくとも同時に、2つの前記ボトルプリフォームに対して冷却を行う。
【0013】
本願の1つの選択可能な方案として、取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備は、エアナイフホルダをさらに備え、前記冷風エアナイフは、前記エアナイフホルダに接続され、前記エアナイフホルダの内部には、均圧チャンバが開設されており、前記均圧チャンバは、前記空洞に連通される。
【0014】
本願の1つの選択可能な方案として、前記冷風エアナイフにより吹き出された気流の温度は、3ないし10摂氏度である。
【0015】
本願の1つの選択可能な方案として、前記加温炉は、前記ボトルプリフォームのボトルボディの下部に対して加熱を行う第1の加温領域、及び前記ボトルプリフォームのボトルボディの上部及び前記取手に対して加熱を行う第2の加温領域を備え、前記第2の加温領域の温度は、前記第1の加温領域の温度より低い。
【発明の効果】
【0016】
本願の取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備は、加温炉の出口側に冷風エアナイフを設け、冷風エアナイフは、ボトルプリフォームの取手下端に対してエアブロー冷却を行い、気流により取手下端とボトルボディとの接続領域の温度が適度に下げられ、ボトルボディと取手との温度の緩やかな過渡が実現され、これにより、ボトルプリフォームがブローされた後の取手が変形しにくくなり、ボトルプリフォームのブロー後の品質が効果的に高められる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願の実施例の取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備の斜視模式図である。
図2】本願の実施例の冷風エアナイフ、エアナイフホルダ及びボトルプリフォームの位置関係の模式図である。
図3】本願の実施例の冷風エアナイフの断面図である。
図4】本願の実施例の加温炉の構造模式図である。
【符号の説明】
【0018】
1・・・冷風エアナイフ、10・・・エアナイフ本体、130・・・空洞、11・・・第1の気流ガイド材、110・・・第1の風出口、111・・・延在部、1111・・・風ガイド面、12・・・第2の気流ガイド材、120・・・第2の風出口、2・・・加温炉、20・・・赤外ランプ管、210・・・第1の加温領域、220・・・第2の加温領域、230・・・風入機構、240・・・風出機構、3・・・搬送機構、4・・・エアナイフホルダ、40・・・均圧チャンバ、100・・・ボトルプリフォーム、101・・・ボトルボディ、102・・・取手。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら具体的な実施形態により本願の技術案をさらに説明する。
【0020】
本願において、別途明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又はの「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触することを含んでもよいし、第1の特徴と第2の特徴が直接接触せずそれらの間の他の特徴を介して接触することを含んでもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことを示す。第1の特徴が第2の特徴の「下」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含むか、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴より小さいことを示す。
【0021】
また、用語「第1」、「第2」は、目的を説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示したり、指示される技術特徴の数量を暗黙的に指し示したりするものとしては理解できない。従って、「第1」、「第2」が限定された特徴は、1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。
【0022】
図1及び図2に示すように、本実施例の取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備は、冷風エアナイフ1、加温炉2及び搬送機構3を備え、冷風エアナイフ1は、加温炉2の出口側に設けられ、ボトルプリフォーム100は、搬送機構3により加温炉2の中に搬入されて加熱された後に、冷風エアナイフ1に搬送され、ボトルプリフォーム100は、ボトルボディ101及びボトルボディ101に接続される取手102を備え、冷風エアナイフ1は、取手102下端に対してエアブロー降温を行う。
【0023】
本実施例の取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備は、加温炉2の出口側に冷風エアナイフ1を設け、冷風エアナイフ1は、ボトルプリフォーム100の取手102下端に対してエアブロー冷却を行い、気流により取手102下端とボトルボディ101との接続領域の温度が適度に下げられ、ボトルボディ101と取手102との温度の緩やかな過渡が実現され、これにより、ボトルプリフォーム100がブローされた後の取手102が変形しにくくなり、ボトルプリフォーム100のブロー後の品質が効果的に高められる。
【0024】
図2及び図3に示すように、選択可能に、冷風エアナイフ1は、ボトルプリフォーム100のボトルボディ101の一方側に設けられ且つ取手102の下方に位置し、冷風エアナイフ1には、第1の風出口110及び第2の風出口120が開設されており、第1の風出口110とボトルボディ101との距離は、第2の風出口120とボトルボディ101との距離より小さく、第2の風出口120の中から吹き出された気流は、取手102に向かい且つ鉛直上向きとなり、第1の風出口110の中から吹き出された気流は、取手102に向かい且つ第2の風出口120側に偏る。ダブル風出口の設置は、冷風エアナイフ1の冷却範囲を大きくさせ、第1の風出口110がボトルボディ101に近いことから、第1の風出口110の中から噴出された気流が、高い温度に維持されるべきボトルボディ101下部に対して冷却を行うことを防止するために、第1の風出口110の中から噴出された気流をボトルボディ101から離れた方向にある程度偏向させ、即ち、それを第2の風出口120側に偏らせる必要がある。
【0025】
例示的に、冷風エアナイフ1は、エアナイフ本体10、第1の気流ガイド材11及び第2の気流ガイド材12を備え、第1の気流ガイド材11及び第2の気流ガイド材12はいずれもエアナイフ本体10に取外し可能に接続され、エアナイフ本体10の内部は、空洞130を有し、第1の気流ガイド材11がエアナイフ本体10に組み立てられて第1の風出口110が形成され、第2の気流ガイド材12がエアナイフ本体10に組み立てられて第2の風出口120が形成され、第1の風出口110及び第2の風出口120はいずれも空洞130に連通される。異なるサイズ又は形状のボトルプリフォーム100は、取手102のサイズも通常異なっており、具体的なボトルプリフォーム100の形態に合わせて良好な冷却効果を保証するために、第1の気流ガイド材11及び第2の気流ガイド材12を交換することにより第1の風出口110及び第2の風出口120の形態を変えることができる。
【0026】
図3に示すように、1つの具体的な実施例において、第1の気流ガイド材11は、第1の風出口110の、ボトルボディ101に近い側に位置する延在部111を備え、延在部111の頂端は、第1の風出口110の上方に位置し、延在部111の、ボトルボディ101から乖離する側には風ガイド面1111が形成され、第1の風出口110の中から吹き出された気流は、風ガイド面1111に衝突し且つ風ガイド面1111によって偏向される。風ガイド面1111は、鉛直方向と一定の挟角を呈する1つの平面であるため、気流の流向を制限し、気流がボトルボディ101に直接衝突してボトルボディ101の温度を下げることを防止することができる。
【0027】
例示的に、風ガイド面1111と鉛直方向との挟角は0~15度である。風ガイド面1111の傾斜角度は大きくなりすぎてはならず、さもなくば、第1の風出口110の中から噴出された気流を取手102に直接吹き当てることができず、冷風エアナイフ1による取手102への降温効果に影響を与える。
【0028】
選択可能に、第1の風出口110及び第2の風出口120はいずれも直線型を呈し、ボトルプリフォーム100は、冷風エアナイフ1を通過するときに直線運動し且つ回転しない。第1の風出口110及び第2の風出口120はいずれも細長い直線型であり、冷風エアナイフ1の加工難度が低く、第1の風出口110及び第2の風出口120の幅の一致性も良好に保証されることができ、これにより、第1の風出口110及び第2の風出口120の各箇所により噴出された気流の流速及び流量の一致性も良好になり、冷風エアナイフ1の冷却能力を正確に制御することを容易にする。第1の風出口110及び第2の風出口120の形態に合わせるために、搬送機構3は、ボトルプリフォーム100が冷風エアナイフ1を通過するときに直線運動を保持し且つ回転しないようにさせる必要があり、冷却気流を終始取手102に吹くようにさせる。
【0029】
他のいくつかの実施例において、搬送空間を節約するために、ボトルプリフォーム100は、冷風エアナイフ1を通過するときに曲線運動し、その軌跡が1つの円弧を含むため、第1の風出口110及び第2の風出口120の形態も曲線型であり、これにより、冷却気流が終始取手102に吹くようにさせる。
【0030】
例示的に、冷風エアナイフ1は少なくとも同時に、2つのボトルプリフォーム100に対して冷却を行う。冷風エアナイフ1のサイズが小さければ、単一のボトルプリフォーム100は冷却される時間が短く、降温効果を保証するために、ボトルプリフォーム100の搬送速度を低くさせる必要があり、そのため、生産効率の向上に不利であり、冷風エアナイフ1のサイズを適度に大きくすると、単一のボトルプリフォーム100は、搬送速度が速くても冷却気流により長い時間冷却可能であるため、生産効率の向上に有利である。
【0031】
図2に示すように、1つの具体的な実施例において、取手付きPETボトルプリフォーム熱処理設備は、エアナイフホルダ4をさらに備え、冷風エアナイフ1は、エアナイフホルダ4に接続され、エアナイフホルダ4の内部には、均圧チャンバ40が開設されており、均圧チャンバ40は、空洞130に連通され、冷却気体が先にエアナイフホルダ4の均圧チャンバ40に注入された後に、空洞130に流れ込み、最後に第1の風出口110及び第2の風出口120から噴出するため、冷風エアナイフ1により噴出された冷却気流の圧力の安定性を保証し、冷却効果が時間とともに大きく変動しないように、冷風エアナイフ1の冷却効果の一致性を高めることができる。
【0032】
選択可能に、冷風エアナイフ1により吹き出された気流の温度は、3ないし10摂氏度である。この温度範囲は、良好な冷却効果を奏することができるとともに、温度が低すぎることでボトルプリフォーム100に悪影響を及ぼすまでには至らない。
【0033】
図4に示すように、選択可能に、加温炉2は、ボトルプリフォーム100のボトルボディ101の下部に対して加熱を行う第1の加温領域210、及びボトルプリフォーム100のボトルボディ101の上部及び取手102に対して加熱を行う第2の加温領域220を備え、第2の加温領域220の温度は、第1の加温領域210の温度より低い。加温炉2は、いくつかの赤外ランプ管20によりボトルプリフォーム100に対して加熱を行い、且つ風入機構230及び風出機構240により第1の加温領域210及び第2の加温領域220の温度に対して調節を行い、これにより、ボトルプリフォーム100の各部分は、目標温度に達した後に冷風エアナイフ1に搬出されて局所降温される。
【0034】
風入機構230から入り込んだ空気は、第1の加温領域210に流れ込んだ後に、第2の加温領域220を通過してから風出機構240により排出される必要があるため、第2の加温領域220の熱空気は、第1の加温領域210に流れ込むことができず、第1の加温領域210が、第2の加温領域220における気流により加熱されることがない。
【0035】
本願の好ましい実施方案として、本明細書の説明において、参考用語「好ましい」などの説明は、該実施例又は例を参照して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれていることを意味する。本明細書において、上記用語に対する模式的な表現は必ずしも同じ実施例又は例を指すものではない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例、若しくは例において適切な方式で結び付けられることができる。
図1
図2
図3
図4