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特許7527572デュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法、装置、および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】デュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法、装置、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/23 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
H04B3/23
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022196688
(22)【出願日】2022-12-08
(65)【公開番号】P2023164265
(43)【公開日】2023-11-10
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】202210470223.9
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522412976
【氏名又は名称】深▲セン▼市中科藍訊科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Bluetrum Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】1301-1 Building A, Zhihui Square, No.4068 Qiaoxiang Road, Gaofa Community, Shahe Street, Nanshan District, Shenzhen, 518052, Guangdong, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】宋明輝
(72)【発明者】
【氏名】林錦鴻
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】Osamu Hoshuyama,Dual-microphone echo canceller for suppressing loud nonlinear echo,2012 IEEE International Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing (ICASSP),IEEE,2012年03月25日,pages 181-184
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器のスピーカーにより再生される声信号である遠端信号と、前記電子機器のデュアルマイクロフォンアレイが採集する声信号である第1の近端信号および第2の近端信号とを取得することと;
前記遠端信号をフーリエ変換して、遠端周波数領域情報を得て、前記第1の近端信号をフーリエ変換して、第1の近端周波数領域情報を得て、かつ前記第2の近端信号をフーリエ変換して、第2の近端周波数領域情報を得ることと;
前フレームの更新されたフィルタ重み係数により前記遠端周波数領域情報をフィルタ処理して、エコースペクトルを得ることと;
前記第1の近端周波数領域情報から前記エコースペクトルを減算して、第1の初期誤差スペクトルを得ることと;
前記第2の近端周波数領域情報から前記エコースペクトルを減算して、第2の初期誤差スペクトルを得ることと;
前記遠端周波数領域情報と前記第1の初期誤差スペクトルとの間の第1の相互相関係数、および前記遠端周波数領域情報と前記第2の初期誤差スペクトルとの間の第2の相互相関係数を算出することと;
前記第1の相互相関係数を重心フィッティングして、前記第1の近端信号の第1の初期抑圧ゲインファクターを得るとともに、前記第2の相互相関係数を重心フィッティングして、前記第2の近端信号の第2の初期抑圧ゲインファクターを得ることと;
前記第1の初期抑圧ゲインファクターに前記第1の初期誤差スペクトルを乗算して、第1の誤差スペクトルを得るとともに、前記第2の初期抑圧ゲインファクターに前記第2の初期誤差スペクトルを乗算して第2の誤差スペクトルを得ることと;
以下の式により、適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得ることと:
【請求項2】
【請求項3】
前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターに基づいて前記前フレームのフィルタ重み係数を更新して、現フレームのフィルタ重み係数を得ることと;
前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターが予め設定した閾値より小さいと、前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとすることとをさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
【請求項5】
上記した前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、目標近端音声信号を得ることは、
前記目標スペクトル信号をノイズ低減処理することと;
前記二次抑圧ゲインファクターにノイズ低減処理された前記目標スペクトル信号を乗算した後、逆フーリエ変換し重畳加算して、目標近端音声信号を得ることとを含む、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
電子機器のスピーカーにより再生される声信号である遠端信号と、前記電子機器のデュアルマイクロフォンアレイが採集する声信号である第1の近端信号および第2の近端信号とを取得するための信号取得モジュールと、
前記遠端信号をフーリエ変換して、遠端周波数領域情報を得て、前記第1の近端信号をフーリエ変換して、第1の近端周波数領域情報を得て、かつ前記第2の近端信号をフーリエ変換して、第2の近端周波数領域情報を得て、前フレームの更新されたフィルタ重み係数により前記遠端周波数領域情報をフィルタ処理して、エコースペクトルを得て、前記第1の近端周波数領域情報から前記エコースペクトルを減算して、第1の初期誤差スペクトルを得て、前記第2の近端周波数領域情報から前記エコースペクトルを減算して、第2の初期誤差スペクトルを得るための線形フィルタモジュールと、
前記遠端周波数領域情報と前記第1の初期誤差スペクトルとの間の第1の相互相関係数、および前記遠端周波数領域情報と前記第2の初期誤差スペクトルとの間の第2の相互相関係数を算出し、前記第1の相互相関係数を重心フィッティングして、前記第1の近端信号の第1の初期抑圧ゲインファクターを得るとともに、前記第2の近端信号の前記第2の相互相関係数を重心フィッティングして、第2の初期抑圧ゲインファクターを得て、及び、前記第1の初期抑圧ゲインファクターに前記第1の初期誤差スペクトルを乗算して、第1の誤差スペクトルを得るとともに、前記第2の初期抑圧ゲインファクターに前記第2の初期誤差スペクトルを乗算して第2の誤差スペクトルを得るための重心フィットモジュールと、
以下の式により、適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得るための残留エコー抑圧モジュールと:
を備えることを特徴とするデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去装置。
【請求項7】
デュアルマイクロフォンアレイと、少なくとも1つのプロセッサと、前記プロセッサに通信接続されるメモリと、を備え、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1~のいずれか一項に記載の方法を実行することができる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
前記デュアルマイクロフォンアレイはエンドファイア配置であることを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項9】
コンピュータで実行可能なコマンドが記憶されており、前記コンピュータで実行可能なコマンドが電子機器により実行される時に、前記電子機器は請求項1~のいずれか一項に記載の方法を実行するようになることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な不揮発性記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願に係る実施例は、エコー除去の技術分野に関し、特にデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法、装置、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
エコー除去(AEC)技術は、現代の通信電子機器に非常に広く応用されており、双方の通話中に、スピーカーの音が近端マイクロフォンに採集され、遠端でそのエコーを聞こえることから、エコー除去性能の良否は双方の通話品質に大きく影響する。
【0003】
本出願の発明者は、本出願に係る実施例を実現する過程で、実際の環境では、通信機器や環境ノイズなどの要因の影響により、エコー除去性能が通常最適化できず、大きなエコーが残ってしまうことを発見した。
【発明の概要】
【0004】
本出願に係る実施例の目的は、エコー除去効果を効果的に向上させ、音声通話の品質を高めることが可能であるデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法、装置、および電子機器を提供することである。
【0005】
第1の側面において、本発明に係る実施例は、
通話中に電子機器が発生する遠端信号と、デュアルマイクロフォンアレイの第1の近端信号および第2の近端信号とを取得することと;
前記遠端信号、前記第1の近端信号及び第2の近端信号を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得ることと;
前記第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルをそれぞれ重心フィッティングして、前記第1の近端信号と前記第2の近端信号の、第1の初期抑圧ゲインファクターと第2の初期抑圧ゲインファクターを含む初期抑圧ゲインファクターを得て、前記初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとすることと;
前記第1の初期抑圧ゲインファクターに前記第1の初期誤差スペクトルを乗算して、第1の誤差スペクトルを得るとともに、前記第2の初期抑圧ゲインファクターに前記第2の初期誤差スペクトルを乗算して第2の誤差スペクトルを得ることと;
適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得ることと;
前記初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行った後に、平滑化ファクターを求め、全帯域平滑化及び指数演算を行って、二次抑圧ゲインファクターを得ることと;
前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、目標近端音声信号を得ることとを含むデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法を提供する。
【0006】
いくつかの実施例において、上記した前記遠端信号、前記第1の近端信号及び第2の近端信号を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得ることは、
前記遠端信号をフーリエ変換して、遠端周波数領域情報を得て、前記第1の近端信号をフーリエ変換して、第1の近端周波数領域情報を得て、かつ前記第2の近端信号をフーリエ変換して、第2の近端周波数領域情報を得ることと;
前フレームの更新されたフィルタ重み係数により前記遠端周波数領域情報をフィルタ処理して、エコースペクトルを得ることと;
前記第1の近端周波数領域情報から前記エコースペクトルを減算して、第1の初期誤差スペクトルを得ることと;
前記第2の近端周波数領域情報から前記エコースペクトルを減算して、第2の初期誤差スペクトルを得ることとを含む。
【0007】
いくつかの実施例において、上記した前記第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルをそれぞれ重心フィッティングして、前記第1の近端信号と前記第2の近端信号の、第1の初期抑圧ゲインファクターと第2の初期抑圧ゲインファクターを含む初期抑圧ゲインファクターを得ることは、
前記遠端周波数領域情報と前記第1の初期誤差スペクトルとの間の第1の相互相関係数、および前記遠端周波数領域情報と前記第2の初期誤差スペクトルとの間の第2の相互相関係数を算出することと;
前記第1の相互相関係数を重心フィッティングして、第1の初期抑圧ゲインファクターを得るとともに、前記第2の相互相関係数を重心フィッティングして、第2の初期抑圧ゲインファクターを得ることとを含む。
【0008】
いくつかの実施例において、上記した前記初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとすることは、
前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターに基づいて前記前フレームのフィルタ重み係数を更新して、現フレームのフィルタ重み係数を得ることと;
前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターが予め設定した閾値より小さいと、前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとすることとを含む。
【0009】
いくつかの実施例において、上記した適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得ることは、
前記第1の誤差スペクトルと時間遅延補償とに基づいて、第1の分岐スペクトル信号を算出するとともに、第2の誤差スペクトルと時間遅延補償とに基づいて、第2の分岐スペクトル信号を算出することと;
前記第1の分岐スペクトル信号と前記第2の分岐スペクトル信号とに基づいて、前記第1の分岐スペクトル信号と前記第2の分岐スペクトル信号との間の差分信号相互相関パワースペクトル係数及び適応極零点エコー除去器の重み係数を算出することと;
前記適応極零点エコー除去器の重み係数により、前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得ることとを含む。
【0010】
いくつかの実施例において、前記初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行った後に、平滑化ファクターを求め、全帯域平滑化及び指数演算を行って、二次抑圧ゲインファクターを得ることは、
初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行って、若干のサブバンドの範囲内の初期抑圧ゲインファクターを得ることと;
若干の前記サブバンドの範囲内の初期抑圧ゲインファクターをソート処理し、抑圧ゲイン係数の平滑化ファクターを算出することと;
前記抑圧ゲイン係数の平滑化ファクターにより、前記初期抑圧ゲインファクターに対して全帯域平滑化処理及び指数演算を行って、前記二次抑圧ゲインファクターを得ることとを含む。
【0011】
いくつかの実施例において、上記した前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、目標近端音声信号を得ることは、
前記目標スペクトル信号をノイズ低減処理することと;
前記二次抑圧ゲインファクターにノイズ低減処理された前記目標スペクトル信号を乗算した後、逆フーリエ変換し重畳加算して、目標近端音声信号を得ることとを含む。
【0012】
第2の側面において、本発明に係る実施例は、
通話中に電子機器が発生する遠端信号と、デュアルマイクロフォンアレイの第1の近端信号および第2の近端信号とを取得するための信号取得モジュールと、
前記遠端信号、前記第1の近端信号及び第2の近端信号を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得るための線形フィルタモジュールと、
前記第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルをそれぞれ重心フィッティングして、前記第1の近端信号と前記第2の近端信号の、第1の初期抑圧ゲインファクターと第2の初期抑圧ゲインファクターを含む初期抑圧ゲインファクターを得て、前記初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとし、及び、
前記第1の初期抑圧ゲインファクターに前記第1の初期誤差スペクトルを乗算して、第1の誤差スペクトルを得るとともに、前記第2の初期抑圧ゲインファクターに前記第2の初期誤差スペクトルを乗算して第2の誤差スペクトルを得るための重心フィットモジュールと、
適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得るための残留エコー抑圧モジュールと、
前記初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行った後に、平滑化ファクターを求め、全帯域平滑化及び指数演算を行って、二次抑圧ゲインファクターを得るための平滑化モジュールと、
前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、目標近端音声信号を得るための目標取得モジュールと、を備えるデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去装置を提供する。
【0013】
第3の側面において、本発明に係る実施例は、電子機器を提供しており、この電子機器は、
デュアルマイクロフォンアレイと、少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を備え、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される時に、前記電子機器は、上記のいずれか一項に記載の方法を実現するようになる。
【0014】
第4の側面において、本発明に係る実施例は、コンピュータで実行可能なコマンドが記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータで実行可能なコマンドが電子機器により実行される時に、前記電子機器は上記のような方法を実行するようになるコンピュータ読み取り可能な不揮発性記憶媒体を提供する。
【0015】
本発明に係る実施例によるデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法、装置、および電子機器では、通話中に電子機器が発生する遠端信号と、デュアルマイクロフォンアレイの第1の近端信号および第2の近端信号とを取得し、そして、遠端信号とデュアルマイクロフォンアレイの近端信号を一次フィルタ処理し、ここで、前記遠端信号、前記第1の近端信号および第2の近端信号を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得ることで、エコーを初歩的に除去でき、次に、前記第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルをそれぞれ重心フィッティングして、前記第1の近端信号と前記第2の近端信号の初期抑圧ゲインファクターを得て、前記初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとし、適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得ることで、残留エコー抑圧を実現し、さらに、前記初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行った後に、平滑化ファクターを求め、全帯域平滑化及び指数演算を行って、二次抑圧ゲインファクターを得て、前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、二次抑圧ゲインフィルタリングを実現し、目標近端音声信号が得られ、エコー除去効果を効果的に向上させ、音声通話の品質を効果的に高める。
【図面の簡単な説明】
【0016】
1つ又は複数の実施例について、それに対応する添付図面における図によって例示的に説明するが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、添付図面において、同じ参照符号を付した要素は、類似の要素を表し、添付図面における図は、特に明記されない限り、縮尺制限がなされるものではない。
図1】本発明に係る実施例による電子機器の模式的なブロック図である。
図2】本発明に係る実施例による電子機器の回路構造図である。
図3】本発明に係る実施例による電子機器のデュアルマイクロフォンアレイの構造模式図である。
図4】本発明に係る実施例によるデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法の一実施例の流れ模式図である。
図5】本発明のデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去装置の一実施例の構造模式図である。
図6】本発明の電子機器の一実施例におけるコントローラのハードウェアの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本出願について、具体的な実施例を参照しながら詳細に説明する。以下の実施例は、当業者が本出願をさらに理解することに寄与するが、いかなる形でも本出願を制限するものではない。なお、当業者にとっては、本出願の構想を逸脱しないことを前提にして、いくつかの変形および改良を行うこともできる。これらは、すべて本出願による保護範囲に属する。
【0018】
以下、本出願の目的、技術方案及び利点をより一層明らかにするために、図面及び実施例を参照しながら本出願をさらに詳細に説明する。ここで記述された具体的な実施例は、本出願を釈明するためのものだけであり、本出願を限定するためのものではないことは理解されるべきである。
【0019】
なお、矛盾しない限り、本出願に係る実施例における各特徴は相互に結合でき、いずれも本出願による保護範囲にある。また、装置の模式図において、機能モジュールの分割を行って、フローチャートに論理的な順序を示したが、ある場合には、装置におけるモジュールの分割と異なる分割、あるいはフローチャートにおける順序と異なる順序で、示されるあるいは記述されるステップを実行してもよい。また、ここで採用される「第1」、「第2」、「第3」などの文字は、データおよび実行順序を限定するものではなく、機能および作用が基本的に同一である同一項又は類似項を区別するものに過ぎない。
【0020】
特に定義されない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語および科学用語は、本出願の技術分野に属する技術者によって一般的に理解される意味と同じである。本明細書において、本出願の明細書に用いられる用語は、具体的な実施形態を説明するためのものだけであり、本出願を制限するためのものではない。本明細書で用いられる用語「及び/又は」は、1つまたは複数の関連するリストされた項目のいずれか及びすべての組み合わせを含む。
【0021】
また、以下に記述する本出願の各実施形態に係る技術特徴は、お互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることができる。
【0022】
本出願に係る実施例によって提供されるデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法と装置は電子機器に適用されることができ、電子機器はスマートフォン、ブルートゥース(登録商標)イヤフォン、有線イヤフォンなどの通話に使用する機器であってもよく、ブルートゥース(登録商標)イヤフォンを例にとると、通話するスマートフォンにブルートゥース(登録商標)イヤフォンをブルートゥース(登録商標)接続し、ユーザがブルートゥース(登録商標)イヤフォンを装着することで通話を実現することができる。
【0023】
図1および図2に示すように、電子機器100は、コントローラ11と、スピーカー12と、デュアルマイクロフォンアレイ13とを備え、コントローラ11と、スピーカー12およびデュアルマイクロフォンアレイ13とが接続されている。スピーカー12は遠端信号である声を再生するためのものであり、デュアルマイクロフォンアレイ13は近端信号である声を採集するためのものであり、デュアルマイクロフォンアレイ13で採集される声には、ユーザの話し声、エコーおよびバックグラウンドノイズが含まれる。また、デュアルマイクロフォンアレイ13は、第1のマイクロフォンmic1、第2のマイクロフォンmic2の2つのマイクロフォンを備え、デュアルマイクロフォンアレイ13は、図3に示すように、エンドファイア配置であり、デュアルマイクロフォンアレイ13は、エンドファイア形態を採用することにより、増加しようとしない方向の声、すなわちスピーカー12の方向の声を抑圧することができ、したがって、増加する必要がある方向の声、すなわち近端ユーザの発話方向の声を保持することができる。コントローラ11は、ユーザの通話中に発生する遠端信号と、第1のマイクロフォンmic1の第1の近端信号および第2のマイクロフォンmic2の第2の近端信号とを取得するために使用される。
【0024】
電子機器100は、線形適応フィルタモジュール14と、適応極零点エコーキャンセラ15と、シングルチャネルノイズ低減モジュールNRと、抑圧ゲインフィルタリング・出力モジュール16とをさらに備える。
【0025】
それらの中に、線形適応フィルタモジュール14は、前記遠端信号、前記第1の近端信号および第2の近端信号を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得るためのものである。
【0026】
線形適応フィルタモジュール14はまた、前記第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルをそれぞれ重心フィッティングして、前記第1の近端信号と前記第2の近端信号の初期抑圧ゲインファクターを得て、前記初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとすることに用いられる。
【0027】
適応極零点エコーキャンセラ15は、第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得るためのものである。
【0028】
抑圧ゲインフィルタリング・出力モジュール16は、前記初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行った後に、平滑化ファクターを求め、全帯域平滑化及び指数演算を行って、二次抑圧ゲインファクターを得ること;前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、目標近端音声信号を得て、前記目標近端音声信号を出力することに使用される。
【0029】
電子機器100は、遠端信号と第1の近端信号および/または第2の近端信号の各々との間の時間遅延補償を計算するための時間遅延補償演算モジュールd/cをさらに備える。
【0030】
線形適応フィルタモジュール14、適応極零点エコーキャンセラ15、シングルチャネルノイズ低減モジュールNR、抑圧ゲインフィルタリング・出力モジュール16、時間遅延補償演算モジュールd/cがソフトウェアモジュールであってもよい。
【0031】
図4を参照すると、図4は、本発明に係る実施例によって提供されるデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法の流れ模式図であり、この方法は電子機器100に適用され、電子機器100におけるプロセッサ111により実行可能であり、図4に示すように、以下を含む。
【0032】
S401:通話中に電子機器が発生する遠端信号と、デュアルマイクロフォンアレイの第1の近端信号および第2の近端信号とを取得する。
【0033】
電子機器のコントローラは、通話中に電子機器が発生する遠端信号および近端信号を取得し、遠端信号はスピーカーにより再生される声信号であり、近端信号には、ユーザの話し声、エコーおよび/またはバックグラウンドノイズが含まれる。また、デュアルマイクロフォンアレイは第1のマイクロフォンmic1と第2のマイクロフォンmic2からなり、第1のマイクロフォンが第1の近端信号を発生し、第2のマイクロフォンが第2の近端信号を発生する。
【0034】
遠端信号はx(n)で表され、また、遠端信号x(n)は式1で表される。
【0035】
第1の近端信号はd1(n)で表され、また、第1の近端信号d1(n)は式2で表される。
【0036】
第2の近端信号はd2(n)で表され、また、第2の近端信号d2(n)は式3で表される。
式中、Mは一つフレームの遠端信号x(n)または第1の近端信号d1(n)、第2の近端信号d2(n)のサンプリング点数を表し、iは電子機器のコントローラが遠端信号x(n)または第1の近端信号d1(n)、第2の近端信号d2(n)のi番目のサンプリング点を採集することを表す。
【0037】
S402:前記遠端信号、前記第1の近端信号及び第2の近端信号を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得る。
【0038】
電子機器のコントローラが遠端信号x(n)、第1の近端信号d1(n)、第2の近端信号d2(n)を取得した後、遠端信号x(n)、第1の近端信号d1(n)、第2の近端信号d2(n)を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得る。
【0039】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記遠端信号、前記第1の近端信号及び第2の近端信号を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得ることは、
前記遠端信号をフーリエ変換して、遠端周波数領域情報を得て、前記第1の近端信号をフーリエ変換して、第1の近端周波数領域情報を得て、かつ前記第2の近端信号をフーリエ変換して、第2の近端周波数領域情報を得ること;
前フレームの更新されたフィルタ重み係数により前記遠端周波数領域情報をフィルタ処理して、エコースペクトルを得ること;
前記第1の近端周波数領域情報から前記エコースペクトルを減算して、第1の初期誤差スペクトルを得ること;
前記第2の近端周波数領域情報から前記エコースペクトルを減算して、第2の初期誤差スペクトルを得ることを含む。
【0040】
具体的には、まず、遠端信号x(n)をフーリエ変換して、遠端周波数領域情報X(n)を得て、第1の近端信号d1(n)をフーリエ変換して、第1の近端周波数領域情報D1(n)を得て、かつ第2の近端信号d2(n)をフーリエ変換して、第2の近端周波数領域情報D2(n)を得る。遠端周波数領域情報X(n)は式4で表され、第1の近端周波数領域情報D1(n)は式5で表され、第2の近端周波数領域情報D2(n)は式6で表される。
【0041】
式中、X(n)は第nのフレームの遠端周波数領域情報を表し、D1(n)は第nのフレームの第1の近端周波数領域情報を表し、D2(n)は第nのフレームの第2の近端周波数領域情報を表し、winはハニング窓を表し、長さは2*Mであり、fftはフーリエ変換を表す。近端周波数領域情報D(n)は、第1の近端周波数領域情報D1(n)と第2の近端周波数領域情報D2(n)を含む。
【0042】
そして、前フレームの更新されたフィルタ重み係数により遠端周波数領域情報X(n)をフィルタ処理して、エコースペクトルが得られ、エコー経路と通話フローが固定であるため、フィルタリングの前に遠端周波数領域情報と、第1の近端周波数領域情報D1(n)および第2の近端周波数領域情報D2(n)の各々とを遅延整列させることで、第1のエコースペクトルY1(n)と第2のエコースペクトルY2(n)を推定することができ、前フレームの更新されたフィルタ重み係数は、第1のマイクロフォンの前フレームの更新されたフィルタ重み係数
と、第2のマイクロフォンの前フレームの更新されたフィルタ重み係数
を含む。すなわち、遠端周波数領域情報X(n)を周波数領域でフィルタリングし、得られたエコースペクトルはY(n)で表され、エコースペクトルY(n)は第1のエコースペクトルY1(n)と第2のエコースペクトルY2(n)を含み、式7と式8により算出される。
【0043】
式中、
は第1のマイクロフォンの前フレームの更新されたフィルタ重み係数を表し、
は第2のマイクロフォンの前フレームの更新されたフィルタ重み係数を表す。
【0044】
最後に、前記近端周波数領域情報D(n)から前記エコースペクトルY(n)を減算して、第1の初期誤差スペクトルE1(n)と第2の初期誤差スペクトルE2(n)が得られ、すなわち、第1の近端周波数領域情報D1(n)から第1のエコースペクトルY1(n)を減算して、第1の初期誤差スペクトルE1(n)が得られ、第2の近端周波数領域情報D2(n)から第2のエコースペクトルY2(n)を減算して、第2の初期誤差スペクトルE2(n)が得られる。式9と式10で表される。
【0045】
得られた第1の初期誤差スペクトルE1(n)と第2の初期誤差スペクトルE2(n)によれば、第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンの線形エコーを初歩的に除去することができる。
【0046】
S403:前記第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルをそれぞれ重心フィッティングして、前記第1の近端信号と前記第2の近端信号の、第1の初期抑圧ゲインファクターと第2の初期抑圧ゲインファクターを含む初期抑圧ゲインファクターを得て、前記初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとし、及び、
前記第1の初期抑圧ゲインファクターに前記第1の初期誤差スペクトルを乗算して、第1の誤差スペクトルを得るとともに、前記第2の初期抑圧ゲインファクターに前記第2の初期誤差スペクトルを乗算して第2の誤差スペクトルを得る。
【0047】
近端信号の線形エコーの大部分を減らすためには、まず、初期抑圧ゲインファクターを算出する必要があり、初期抑圧ゲインファクターは第1の初期抑圧ゲインファクターと第2の初期抑圧ゲインファクターを含む。前記第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルをそれぞれ重心フィッティングして、前記第1の近端信号と前記第2の近端信号の初期抑圧ゲインファクターを得ることは、
前記遠端周波数領域情報と前記第1の初期誤差スペクトルとの間の第1の相互相関係数、および前記遠端周波数領域情報と前記第2の初期誤差スペクトルとの間の第2の相互相関係数を算出すること;
前記第1の相互相関係数を重心フィッティングして、第1の初期抑圧ゲインファクターを得るとともに、前記第2の相互相関係数を重心フィッティングして、第2の初期抑圧ゲインファクターを得ることを含んでも良い。
【0048】
具体的には、まず、遠端周波数領域情報X(n)と第1の初期誤差スペクトルE1(n)との間の第1の相互相関係数を算出する。同様に、遠端周波数領域情報X(n)と第2の初期誤差スペクトルE2(n)との間の第2の相互相関係数を算出する。
【0049】
式11~17により、第1の相互相関係数と第2の相互相関係数を算出する。
【0050】
式中、gammaは平滑化ファクターを表し、一般的には1より小さいが1に近い数、例えば0.9とし、σは除算保護ファクターを表し、除算保護ファクターσ>0としてもよく、conjは共役演算を表し、
は第1の初期誤差スペクトルの平滑化パワースペクトルを表し、
は第2の初期誤差スペクトルの平滑化パワースペクトルを表し、
は遠端周波数領域情報の平滑化パワースペクトルを表し、
は遠端周波数領域情報及び第1の初期誤差スペクトルの平滑化パワースペクトルを表し、
は遠端周波数領域情報及び第2の初期誤差スペクトルの平滑化パワースペクトルを表し、
は第1の相互相関係数を表し、
は第2の相互相関係数を表す。
【0051】
次に、第1の相互相関係数を重心フィッティングして、第1の初期抑圧ゲインファクターを得るとともに、第2の相互相関係数を重心フィッティングして、第2の初期抑圧ゲインファクターを得て、ここで、式18と式19により計算して得られる。
【0052】
式中、kは重心フィッティング距離を表し、iは第nのフレームのi番目の周波数点を表し、
は第1の初期抑圧ゲインファクターを表し、
は第2の初期抑圧ゲインファクターを表す。
【0053】
【0054】
式中、
は第1の誤差スペクトルを表し、
は第2の誤差スペクトルを表す。
【0055】
得られた第1の誤差スペクトル
と第2の誤差スペクトル
によれば、ほとんどの線形エコーの近端周波数領域信号を減らすことができる。
【0056】
そのうちのいくつかの実施形態において、フィルタの精度とロバスト性を向上するために、フィルタ重み係数をリアルタイムで更新することができ、したがって、上記した前記初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとすることは、
前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターに基づいて前記前フレームのフィルタ重み係数を更新して、現フレームのフィルタ重み係数を得ること;
前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターが予め設定した閾値より小さいと、前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとすることを含んでも良い。
【0057】
【0058】
【0059】
したがって、フィルタが収束しない場合、残留エコーが大きすぎて、ステップサイズが大きくなり、フィルタの迅速な収束を寄与し、フィルタが収束していく場合、例えば、第1の初期抑圧ゲインファクター
、第2の初期抑圧ゲインファクター
が例えば0.01という予め設定した閾値より小さくなり0に近づいていくように徐々に小さくなる場合、ステップサイズが徐々に減少していて、これは、第1の初期誤差スペクトルE1(n)と第2の初期誤差スペクトルE2(n)に残留エコーが小さいか、エコーなしの状態であることを示している。そして、ステップS402に従って、現フレームのフィルタ重み係数
で遠端周波数領域情報X(n)をフィルタ処理してエコースペクトルが得られ、さらに初期誤差スペクトルを算出する。
【0060】
S404:適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得る。
そのうちのいくつかの実施形態において、適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得ることは、
前記第1の誤差スペクトルと時間遅延補償とに基づいて、第1の分岐スペクトル信号を算出するとともに、第2の誤差スペクトルと時間遅延補償とに基づいて、第2の分岐スペクトル信号を算出すること;
前記第1の分岐スペクトル信号と前記第2の分岐スペクトル信号とに基づいて、前記第1の分岐スペクトル信号と前記第2の分岐スペクトル信号との間の差分信号相互相関パワースペクトル係数及び適応極零点エコー除去器の重み係数を算出すること;
前記適応極零点エコー除去器の重み係数により、前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得ることを含んでも良い。
【0061】
具体的には、まず、二つの分岐のスペクトル信号を算出し、すなわち、第1の誤差スペクトルと時間遅延補償とに基づいて、第1の分岐スペクトル信号を算出するとともに、第2の誤差スペクトルと時間遅延補償とに基づいて、第2の分岐スペクトル信号を算出し、次に、第1の分岐スペクトル信号と第2の分岐スペクトル信号とに基づいて、第1の分岐スペクトル信号と第2の分岐スペクトル信号との間の差分信号相互相関パワースペクトル係数及び適応極零点エコー除去器の重み係数を算出し、最後に、前記適応極零点エコー除去器の重み係数により、前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得る。式24~式29により得られることができる。
【0062】

【0063】
S405:前記初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行った後に、平滑化ファクターを求め、全帯域平滑化及び指数演算を行って、二次抑圧ゲインファクターを得る。
【0064】
エコー除去効果を向上するために、初期抑圧ゲインファクターを平滑化することができる。
【0065】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記初期抑圧ゲインファクターは、前記第1の初期抑圧ゲインファクターと前記第2の初期抑圧ゲインファクターとを含み、初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行った後に、平滑化ファクターを求め、全帯域平滑化及び指数演算を行って、二次抑圧ゲインファクターを得ることは、
前記初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行って、若干のサブバンドの範囲を得ること;
若干の前記サブバンドの範囲内の初期抑圧ゲインファクターをソート処理し、抑圧ゲイン係数の平滑化ファクターを算出すること;
前記抑圧ゲイン係数の平滑化ファクターにより、前記初期抑圧ゲインファクターに対して全帯域平滑化処理及び指数演算を行って、前記二次抑圧ゲインファクターを得ることを含んでも良い。
【0066】
具体的には、サブバンド範囲の選択について、サブバンドの最小値minFre、サブバンドの最大値maxFreおよび基準サブバンド点refFreを選択し、次にサブバンド範囲を例えば小さい順にソート処理して、シーケンスhNIが得られ、式30に従って基準値Referを選択することができ、式30は以下に示す通りである。
【0067】
式中、
は基準値を表し、refFreは基準サブバンド点を表し、hNIはサブバンド範囲の小さい順のシーケンスを表す。
【0068】
式31により抑圧ゲイン係数の平滑化ファクターを算出することができ、式31は以下の通りである。
【0069】
式中、
は抑圧ゲイン係数の平滑化ファクターを表し、minFreはサブバンドの最小値を表し、maxFreはサブバンドの最大値を表し、refFreは基準サブバンド点を表し、iは第nのフレームのi番目の周波数点を表す。
【0070】
抑圧ゲイン係数の平滑化ファクター
を求めた後、抑圧ゲイン係数の平滑化ファクター
により、初期抑圧ゲインファクターに対して全帯域平滑化処理及び指数演算を行って、式32で表される二次抑圧ゲインファクターを得る。
【0071】
式中、初期抑圧ゲインファクターは、第1の初期抑圧ゲインファクターg1(i)と第2の初期抑圧ゲインファクターg2(i)を含み、G(i)は、二次抑圧ゲインファクターを表す。
【0072】
S406:前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、目標近端音声信号を得る。
残留エコーをできるだけ除去するとともに、二次フィルタリングによって近端信号が損なわれる可能性を避けて最適な出力が得られるために、前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、目標近端音声信号を得ることは、
前記目標スペクトル信号をノイズ低減処理すること;
前記二次抑圧ゲインファクターにノイズ低減処理された前記目標スペクトル信号を乗算した後、逆フーリエ変換し重畳加算して、目標近端音声信号を得ることを含んでも良い。
【0073】
具体的には、まず目標スペクトル信号をノイズ低減処理し、次に、二次抑圧ゲインファクターにノイズ低減処理された目標スペクトル信号を乗算した後、逆フーリエ変換し重畳加算して、目標近端音声信号を得る。式33~式36で計算して得られる。
【0074】

【0075】
本発明に係る実施例では、通話中に電子機器が発生する遠端信号と、デュアルマイクロフォンアレイの第1の近端信号および第2の近端信号とを取得し、そして、遠端信号とデュアルマイクロフォンアレイの近端信号を一次フィルタ処理し、ここで、前記遠端信号、前記第1の近端信号および第2の近端信号を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得ることで、エコーを初歩的に除去でき、次に、前記第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルをそれぞれ重心フィッティングして、前記第1の近端信号と前記第2の近端信号の初期抑圧ゲインファクターを得て、前記初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとし、適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得ることで、残留エコー抑圧を実現し、さらに、前記初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行った後に、平滑化ファクターを求め、全帯域平滑化及び指数演算を行って、二次抑圧ゲインファクターを得て、前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、二次抑圧ゲインフィルタリングを実現し、目標近端音声信号が得られ、エコー除去効果を効果的に向上させ、音声通話の品質を効果的に高める。
【0076】
これに対応して、本発明に係る実施例は、図5に示すように、電子機器に使用することができるデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去装置をさらに提供しており、デュアルマイクロフォンアレイのエコー除去装置500は、
通話中に電子機器が発生する遠端信号と、デュアルマイクロフォンアレイの第1の近端信号および第2の近端信号とを取得するための信号取得モジュール501と、
前記遠端信号、前記第1の近端信号及び第2の近端信号を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得るための線形フィルタモジュール502と、
前記第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルをそれぞれ重心フィッティングして、前記第1の近端信号と前記第2の近端信号の、第1の初期抑圧ゲインファクターと第2の初期抑圧ゲインファクターを含む初期抑圧ゲインファクターを得て、前記初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとし、及び、
前記第1の初期抑圧ゲインファクターに前記第1の初期誤差スペクトルを乗算して、第1の誤差スペクトルを得るとともに、前記第2の初期抑圧ゲインファクターに前記第2の初期誤差スペクトルを乗算して第2の誤差スペクトルを得るための重心フィットモジュール503と、
適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得るための残留エコー抑圧モジュール504と、
前記初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行った後に、平滑化ファクターを求め、全帯域平滑化及び指数演算を行って、二次抑圧ゲインファクターを得るための平滑化モジュール505と、
前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、目標近端音声信号を得るための目標取得モジュール506と、を備える。
【0077】
本発明に係る実施例では、通話中に電子機器が発生する遠端信号と、デュアルマイクロフォンアレイの第1の近端信号および第2の近端信号とを取得し、そして、遠端信号とデュアルマイクロフォンアレイの近端信号を一次フィルタ処理し、ここで、前記遠端信号、前記第1の近端信号および第2の近端信号を線形フィルタ処理して、第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルを得ることで、エコーを初歩的に除去でき、次に、前記第1の初期誤差スペクトルと第2の初期誤差スペクトルをそれぞれ重心フィッティングして、前記第1の近端信号と前記第2の近端信号の初期抑圧ゲインファクターを得て、前記初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとし、適応極零点エコー除去器により前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得ることで、残留エコー抑圧を実現し、さらに、前記初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行った後に、平滑化ファクターを求め、全帯域平滑化及び指数演算を行って、二次抑圧ゲインファクターを得て、前記二次抑圧ゲインファクターにより前記目標スペクトル信号をフィルタ処理して、二次抑圧ゲインフィルタリングを実現し、目標近端音声信号が得られ、エコー除去効果を効果的に向上させ、音声通話の品質を効果的に高める。
【0078】
他の実施例において、線形フィルタモジュール502は、さらに、
前記遠端信号をフーリエ変換して、遠端周波数領域情報を得て、前記第1の近端信号をフーリエ変換して、第1の近端周波数領域情報を得て、かつ前記第2の近端信号をフーリエ変換して、第2の近端周波数領域情報を得ること;
前フレームの更新されたフィルタ重み係数により前記遠端周波数領域情報をフィルタ処理して、エコースペクトルを得ること;
前記第1の近端周波数領域情報から前記エコースペクトルを減算して、第1の初期誤差スペクトルを得ること;
前記第2の近端周波数領域情報から前記エコースペクトルを減算して、第2の初期誤差スペクトルを得ることに用いられる。
【0079】
他の実施例において、重心フィットモジュール503は、さらに、
前記遠端周波数領域情報と前記第1の初期誤差スペクトルとの間の第1の相互相関係数、および前記遠端周波数領域情報と前記第2の初期誤差スペクトルとの間の第2の相互相関係数を算出すること;
前記第1の相互相関係数を重心フィッティングして、第1の初期抑圧ゲインファクターを得るとともに、前記第2の相互相関係数を重心フィッティングして、第2の初期抑圧ゲインファクターを得ることに用いられる。
【0080】
他の実施例において、デュアルマイクロフォンアレイのエコー除去装置500は、
前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターに基づいて前記前フレームのフィルタ重み係数を更新して、現フレームのフィルタ重み係数を得ること;
前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターが予め設定した閾値より小さいと、前記第1の初期抑圧ゲインファクター、前記第2の初期抑圧ゲインファクターを次フレームの線形フィルタ処理の可変ステップサイズファクターとすることに用いられる更新モジュール507をさらに備える。
【0081】
他の実施例において、残留エコー抑圧モジュール504は、さらに、
前記第1の誤差スペクトルと時間遅延補償とに基づいて、第1の分岐スペクトル信号を算出するとともに、前記第2の誤差スペクトルと時間遅延補償とに基づいて、第2の分岐スペクトル信号を算出すること;
前記第1の分岐スペクトル信号と前記第2の分岐スペクトル信号とに基づいて、前記第1の分岐スペクトル信号と前記第2の分岐スペクトル信号との間の差分信号相互相関パワースペクトル係数及び適応極零点エコー除去器の重み係数を算出すること;
前記適応極零点エコー除去器の重み係数により、前記第1の誤差スペクトルと第2の誤差スペクトルに対して残留エコー抑圧を行って、目標スペクトル信号を得ることに用いられる。
【0082】
他の実施例において、平滑化モジュール505は、さらに、
初期抑圧ゲインファクターに対してサブバンド範囲選択を行って、若干のサブバンドの範囲内の初期抑圧ゲインファクターを得ること;
若干の前記サブバンドの範囲内の初期抑圧ゲインファクターをソート処理し、抑圧ゲイン係数の平滑化ファクターを算出すること;
前記抑圧ゲイン係数の平滑化ファクターにより、前記初期抑圧ゲインファクターに対して全帯域平滑化処理及び指数演算を行って、前記二次抑圧ゲインファクターを得ることに用いられる。
【0083】
他の実施例において、目標取得モジュール506は、さらに、
前記目標スペクトル信号をノイズ低減処理すること;
前記二次抑圧ゲインファクターにノイズ低減処理された前記目標スペクトル信号を乗算した後、逆フーリエ変換し重畳加算して、目標近端音声信号を得ることに用いられる。
【0084】
なお、上記の装置は、本出願に係る実施例によって提供される方法を実行して、実行された方法に対応する機能モジュールと有益な効果を備えることができる。装置の実施例に詳細に記述されていない技術的詳細については、本出願に係る実施例によって提供される方法を参照できる。
【0085】
図6は、電子機器100の一実施例におけるコントローラのハードウェアの構造模式図であり、図6に示すように、コントローラ110は、
1つまたは複数のプロセッサ111と、メモリ112と、を備える。図6では、プロセッサ111が1つ、メモリ112が1つである場合を例にとる。
【0086】
プロセッサ111とメモリ112はバスまたはその他の手段で接続されることができ、図6ではバスで接続される例を示している。
【0087】
メモリ112は、コンピュータ読み取り可能な不揮発性記憶媒体として、本出願に係る実施例におけるデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法に対応するプログラムコマンド/モジュール(例えば、図面5に示す信号取得モジュール501、線形フィルタモジュール502、重心フィットモジュール503、残留エコー抑圧モジュール504、平滑化モジュール505、目標取得モジュール506、更新モジュール507)のような、不揮発性ソフトウェアプログラム、コンピュータで実行可能な不揮発性プログラム及びモジュールを記憶することに用いられることができる。プロセッサ111は、メモリ112に記憶される不揮発性ソフトウェアプログラム、コマンド及びモジュールを実行することによって、コントローラの各種の機能応用及びデータ処理を実行し、即ち、上記方法の実施例のデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法を実現する。
【0088】
メモリ112は、プログラム記憶エリアとデータ記憶エリアを含んでもよく、その中に、プログラム記憶エリアには、システム、少なくとも1つの機能を取り扱うために必要であるアプリプログラムを記憶でき、データ記憶エリアには、電子機器100の利用に従って生成されるデータなどを記憶できる。また、メモリ112は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、例えば少なくとも1つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体メモリデバイスのような不揮発性メモリをさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、メモリ112は、プロセッサ111に対して遠隔に設けられるメモリを選択的に含んでもよく、これらのリモートメモリは、ネットワークによって信号長期記録装置に接続されることができる。上記ネットワークの実例は、インターネット、企業内ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワークおよびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0089】
前記1つまたは複数のモジュールは前記メモリ112に記憶され、前記1つまたは複数のプロセッサ111により実行される時に、上記のいずれの方法の実施例におけるデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法を実行し、例えば、以上に記述した図4における方法のステップS401からステップS406の方法ステップを実行したり、図5におけるモジュール501~507の機能を実現したりする。
【0090】
上記製品は、本出願に係る実施例によって提供される方法を実行し、実行された方法に対応する機能モジュールと有益な効果を備えることができる。本実施例に詳細に記述されていない技術的詳細については、本出願に係る実施例によって提供される方法を参照できる。
【0091】
本出願に係る実施例は、コンピュータ読み取り可能な不揮発性記憶媒体を提供しており、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータで実行可能なコマンドが記憶されており、このコンピュータで実行可能なコマンドは、例えば図6における1つのプロセッサ111のような1つまたは複数のプロセッサによって実行されることで、前記1つまたは複数のプロセッサが上記のいずれの方法の実施例におけるデュアルマイクロフォンアレイのエコー除去方法を実行できるようになり、例えば、以上に記述した図4における方法のステップS401からステップS406の方法ステップを実行したり、図5におけるモジュール501~507の機能を実現したりする。
【0092】
以上に記述した装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、その中に個別の部品として説明された前記ユニットは、物理的に分離されるものであってもよく、分離されていないものであってもよく、ユニットとして示された部品は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットではなくてもよく、すなわち、ある箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分散してもよい。実際のニーズに応じてそのうちの一部又はすべてのモジュールを選択して本実施例の方案の目的を実現することができる。
【0093】
以上の実施例の記述から、当業者であれば、各実施例がソフトウェアと汎用のハードウェアプラットフォームを組み合わせた態様により実現でき、もちろん、ハードウェアにより実現できることを明らかに理解することができる。当業者にとって、上記実施例における方法の全部又は一部のフローの実現が、コンピュータプログラムが関連するハードウェアにコマンドを与えることによって成されることは理解できるものであり、上記のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、このプログラムは実行される時に、上記各方法の実施例のようなフローを含んでもよい。ここで、上記の記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory;ROM)、又はランダムアクセスメモリ(Random Access Memory;RAM)などであってもよい。
【0094】
最後に説明すべきことは、以上の実施例は、本発明の技術方案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではなく、本発明の考えでは、以上の実施例又は異なる実施例における技術特徴の間を組み合わせることもでき、任意の順序でステップを実現することができ、上述のような本発明の異なる側面の他の変化が多く存在するが、簡略化のために、細部には提供されず、前述の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、依然として前述の各実施例に記載の技術方案を補正し、又はそのうちの一部の技術特徴に対して等価の置換を行うことができ、これらの補正および置換は、対応する技術方案の本質を本発明に係る各実施例の技術方案の範囲から逸脱させないと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6