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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】販売システム、精算装置、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240729BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240729BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240729BHJP
【FI】
G07G1/12 331H
G07G1/01 301D
G06Q30/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019212270
(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公開番号】P2021086182
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 和希
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 直人
(72)【発明者】
【氏名】金子 知樹
(72)【発明者】
【氏名】樋口 真吾
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 和哉
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-185692(JP,A)
【文献】特開2018-147221(JP,A)
【文献】特開2019-153155(JP,A)
【文献】特開2019-057086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の操作に基づいて棚前にて品を登録する登録手段と、
前記登録手段による商品の登録を終えた後に前記登録手段によって登録された登録商品について顧客の操作に基づいて精算する精算手段と、
前記登録手段による商品の登録を終える迄の間における顧客の操作に基づいて記登録商品の数量を変更した数量変更状況に応じて、前記登録手段による商品の登録を終えた後であって前記精算手段による精算を開始する前に店員呼出処理を実行する店員呼出手段と
を備え、
前記店員呼出手段は、
前記登録手段による商品の登録を終える迄の間に顧客が前記登録商品の数量を減少させていた場合であって数量を減少させた前記登録商品又は当該登録商品と関連する他の登録商品の数量を増加させていなかった場合、前記店員呼出処理を実行し、
前記登録手段による商品の登録を終える迄の間に顧客が前記登録商品の数量を減少させていた場合であって数量を減少させた前記登録商品又は当該登録商品と関連する他の登録商品の数量を増加させていた場合、前記店員呼出処理を実行しない
ことを特徴とする販売システム。
【請求項2】
前記精算手段で前記登録商品を精算するために識別情報を表示する表示手段
を更に備え、
前記表示手段は、
前記店員呼出手段によって前記店員呼出処理が実行される場合、前記識別情報と店員が呼び出される旨とを表示することを特徴とする請求項1に記載の販売システム。
【請求項3】
顧客が前記登録商品の数量を減少させた場合に、商品を棚に戻す旨を報知する報知手段
を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の販売システム。
【請求項4】
前記店員呼出手段は、
特定の顧客が操作している場合には、前記数量変更状況にかかわらず、前記店員呼出処理を実行しないことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の販売システム。
【請求項5】
顧客の操作に基づいて棚前にて商品を登録する携帯端末によって登録された登録商品について精算する精算装置であって、
顧客の操作に基づいて精算する精算手段と、
記携帯端末における顧客の操作に基づいて前記登録商品の数量を変更した数量変更状況に応じて、前記精算手段による精算を開始する前に店員呼出処理を実行する店員呼出手段と
を備え、
前記店員呼出手段は、
記携帯端末において顧客が前記登録商品の数量を減少させていた場合であって数量を減少させた前記登録商品又は当該登録商品と関連する他の登録商品の数量を増加させていなかった場合、前記店員呼出処理を実行し、
記携帯端末において顧客が前記登録商品の数量を減少させていた場合であって数量を減少させた前記登録商品又は当該登録商品と関連する他の登録商品の数量を増加させていた場合、前記店員呼出処理を実行しない
ことを特徴とする精算装置。
【請求項6】
顧客の操作に基づいて棚前にて商品を登録する携帯端末によって登録された登録商品について精算する精算装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
顧客の操作に基づいて精算する精算手段、
記携帯端末における顧客の操作に基づいて前記登録商品の数量を変更した数量変更状況に応じて、前記精算手段による精算を開始する前に店員呼出処理を実行する店員呼出手段
として機能させ、
前記店員呼出手段は、
記携帯端末において顧客が前記登録商品の数量を減少させていた場合であって数量を減少させた前記登録商品又は当該登録商品と関連する他の登録商品の数量を増加させていなかった場合、前記店員呼出処理を実行し、
記携帯端末において顧客が前記登録商品の数量を減少させていた場合であって数量を減少させた前記登録商品又は当該登録商品と関連する他の登録商品の数量を増加させていた場合、前記店員呼出処理を実行しない
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売システム、精算装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗にて、客が、自分の所持する携帯端末装置を操作して、自ら商品登録を行うことが可能な販売システムが導入されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5056161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、客自らが商品登録を行うため、不正が行われ易くなるが、不正の防止の観点において、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、客による不正を好適に防止する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるセルフ登録システムは、顧客の操作に基づいて商品の登録処理を実行する登録手段と、顧客の操作に基づいて商品の登録情報を用いて精算処理を実行する精算手段と、精算処理の実行前迄に顧客が所定の呼出事由操作を行っているかに基づいて精算処理の実行時における店員呼出の実行を制御する呼出制御手段とを備え、前記呼出制御手段は、精算処理の実行前迄に顧客が前記呼出事由操作を行っている場合であっても、前記呼出事由操作に加えて所定の呼出制限操作も行っている場合には、精算処理の実行時における店員呼出を実行しないように制御することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】販売システムを説明するためのネットワークの概念図である。
図2】精算装置について説明する説明図である。
図3】携帯端末の表示部における表示例である。
図4】携帯端末の表示部における表示例である。
図5】携帯端末の表示部における表示例である。
図6】携帯端末の表示部における表示例である。
図7】携帯端末の表示部における表示例である。
図8】携帯端末の表示部における表示例等である。
図9】精算装置の表示部における表示例である。
図10】販売システム1による取引全体の流れの概要を説明するシーケンス図である。
図11】販売システム1による取引全体の流れの概要を説明するシーケンス図である。
図12】バスケット情報の一例である。
図13】バスケット情報の更新に関して説明するフローチャートである。
図14】バスケット情報の更新に関して説明するフローチャートである。
図15】バスケット情報の更新に関して説明するフローチャートである。
図16】バスケット情報の更新に関して説明するフローチャートである。
図17】バスケット情報の更新に関して説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、販売システム1を説明するためのネットワークの概念図である。図1に示す販売システム1は、管理装置(例えば、ストアコントローラ)10、クラウドサーバ20、登録精算装置30、精算装置40、監視装置50(例えば、パーソナルコンピュータ等)、携帯端末60(例えば、スマートフォン等)を含む。なお、図1において、1台の登録精算装置30を図示したが、1店舗内の登録精算装置30の数は2台以上であってもよい。また、図1において、2台の精算装置40を図示したが、1店舗内の精算装置40の数は1台であってもよいし3台以上であってもよい。また、図1において、1台の監視装置50を図示したが、1店舗内の監視装置50の数は2台以上であってもよい。また、管理装置10は、基本的には1店舗に1台であるが、2台以上であってもよい。販売システム1は、種々の店舗等(スーパーマーケット、コンビニストア、ドラックストア、ホームセンタ、家電量販店、その他の専門店等)に導入可能である。
【0009】
図1に示した販売システム1は、店員が登録精算装置30を使用して商品を登録する態様に対応するサービス、顧客自身が携帯端末60を使用して商品を登録する態様に対応するサービス(以下、サービスAと称する)など各種サービスを提供する。なお、販売システム1のうち、サービスAを提供する部分を特定販売システムと称する場合がある。換言すれば、特定販売システムは、販売システム1のサブシステムであり、サービスAを提供する。なお、以下の説明において、顧客のうち、サービスAを利用する顧客を特に会員と称する場合がある。
【0010】
管理装置10、登録精算装置30、精算装置40、監視装置50は、店舗内に設置されるものであり、LAN19(有線でも無線でもよい)を介して通信可能に接続されている。管理装置10は、クラウドサーバ20と通信可能である。
【0011】
管理装置10は、主にLAN19内の各種装置を管理する装置である。例えば、管理装置10は、外部の装置との通信機能を有する。管理装置10は、外部の装置(例えば、非図示の本部のサーバ、クラウドサーバ20であってもよい)から、例えば、商品ファイル(商品マスタ)や、特売ファイルを受信し、登録精算装置30等に供給したり、精算装置40等から取引情報を受信し外部の装置(例えば、クラウドサーバ20等)に送信したりする。
【0012】
商品ファイルは、例えば、個々の商品を識別する商品識別情報(商品コード)に対応付けて、商品名や販売価格等を記憶したファイルである。特売ファイルは、例えば、商品識別情報に対応付けて、特売期間(開始日時、終了日時)、特売内容(値引きや割引の条件、値引きや割引の内容)を記憶したファイルである。
【0013】
クラウドサーバ20は、各種サービスを提供するサーバである。例えば、クラウドサーバ20は、サービスA(会員である顧客自身が携帯端末60を使用して商品を登録する態様に対応するサービス)を提供する。例えば、クラウドサーバ20は、サービスAに関係する各種情報(例えば、取引情報(バスケット情報)等)を管理(記憶)する。
【0014】
クラウドサーバ20は、商品ファイルや特売ファイルを管理(記憶)する。なお、上述したように、クラウドサーバ20はサービスAを提供するが、特売ファイルに基づく特売(特売ファイルを参照して実現される特売)は、販売システム1全体において行われるものであってもよいし、販売システム1のうち特定販売システム(サービスA)において限定的に行われるものであってもよい。つまり、店員が登録精算装置30を使用して商品を登録する場合も、会員である顧客自身が携帯端末60を使用して商品を登録する場合も特売ファイルに基づく特売が適用されてもよいし、会員である顧客自身が携帯端末60を使用して商品を登録する場合に限って特売ファイルに基づく特売が適用されてもよい。なお、クラウドサーバ20に代えて、他の装置(例えば、非図示の本部のサーバ)が商品ファイルを管理してもよい。また、クラウドサーバ20に代えて、他の装置(例えば、非図示の本部のサーバ)が特売ファイルを管理してもよい。
【0015】
登録精算装置30は、登録処理及び精算処理を実行する装置である。登録精算装置30は、店員によって使用される(店員の操作によって登録処理と精算処理とを実行する)。
【0016】
精算装置40は、精算処理を実行する装置である。精算装置40は、基本的には、顧客によって使用される(顧客に操作によって精算処理を実行する)。精算装置40は、少なくとも、サービスAを利用する顧客(会員)に利用される。
【0017】
監視装置50は、主にLAN19内の各種装置を監視する装置である。監視装置50は、他の装置(例えば、登録精算装置30、精算装置40等)の稼働状況等を監視し、他の装置における各種情報を表示したり、他の装置に対する各種命令を出力したりする。
【0018】
携帯端末60は、会員である顧客によって操作される。携帯端末60は、サービスAを利用する際に用いられる。携帯端末60は、通信機能、撮像機能(カメラ)の他に、各種コード(バーコード、2次元コード等)を認識する認識機能を備える。例えば、携帯端末60は、商品に付されているバーコードを認識する。例えば、携帯端末60は、撮像機能によって撮像されている撮像画像(スルー画像として取得している画像)内の特徴点を抽出し、オブジェクト(各種コード)を認識してもよい。
【0019】
なお、携帯端末60は、基本的には各会員の所有物であることを想定しているが、店舗側が貸与するものであってもよい。なお、携帯端末60の数(稼働中の数)は、来店者数等に応じて変化するものであり、図1では、複数台が可能である旨の例として2台の携帯端末60を図示している。
【0020】
なお、携帯端末60は、サービスAに係る各種画面を表示する。例えば、携帯端末60に、サービスAを利用するためのアプリケーションプログラム。以下、特定アプリとも称する。)をインストールしておき、携帯端末60は、サービスAに係る各種画面を表示してもよい。
【0021】
なお、販売システム1(又は特定販売システム)の一部又は全部を他の名称(例えば、商品登録システム、精算システム、商品販売データ処理システム等)などと称してもよい。
【0022】
また、上記では、クラウドサーバ20、精算装置40、携帯端末60について、サービスAに利用される説明したが、管理装置10についてもサービスAに利用される(例えば、精算装置40とクラウドサーバ20との情報の送受信に利用される)。なお、サービスAに他の装置(登録精算装置30、監視装置50、非図示の本部のサーバ等)を利用してもよい。
【0023】
図2は、精算装置40について説明する説明図である。図2(A)は、精算装置40の外観例(客側から見た斜視図)を示す図である。図2(B)は、精算装置40の構成例を示す図である。図2(A)及び図2(B)において、同一部分には同一符号を付している。なお、精算装置40は、基本的に客が操作するものである。
【0024】
以下、図2(A)を参照しつつ、図2(B)に示した精算装置40の構成例を説明する。精算装置40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、表示部405と、スキャナ部406と、カード決済部408と、釣銭機409と、印刷部413と、音声出力部414と、通信部415とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。なお、精算装置40は、キー操作部、撮像部(カメラ)、報知部(サインポール等のランプ)を更に設けていてもよい。
【0025】
CPU401は、中央演算処理装置であり、ROM402に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置40の動作を制御する。
ROM402は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU401が利用する各種の情報を記憶する。
【0026】
RAM403は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM403は、ROM402やハードディスク404から読みだした情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶する。
【0027】
ハードディスク404は、種々の情報を記憶する。ハードディスク404は、例えば、ROM402に代えて、CPU401が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM403に代えて、ROM402から読みだした情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶してもよい。
【0028】
表示部405は、タッチディスプレイであり、種々の情報を表示するとともに、種々の入力を受け付ける。
【0029】
スキャナ部406は、種々の情報を光学的に読み取る。例えば、スキャナ部406は、携帯端末60の表示部に表示されるコード(精算用の2次元コード等)をスキャンし、精算処理に必要な情報を読み取る。また、スキャナ部406は、他の装置(例えば、登録精算装置30が発光したお会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)をスキャンし、精算処理に必要な情報を読み取ってもよい。また、スキャナ部406は、商品に付されているバーコードをスキャンし、商品コードを読み取ってもよい。また、スキャナ部406は、店員の名札に付されたバーコード等をスキャンし、店員コードを読み取ってもよい。
【0030】
カード決済部408は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード、デビット支払時におけるキャッシュカード、ポイント支払時におけるポイントカード等)による決済機構である。カード決済部408は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。なお、カード認識部は、特典付与、割引等のために各種カード(例えば、ポイントカード、会員カード、株主カード等)を認識してもよい。
【0031】
釣銭機409(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。紙幣や硬貨が投入口に投入された場合にはセンサによって検出(投入があった旨の検出、金種別の枚数の検出等)される。
【0032】
印刷部413は、各種媒体(レシート、お会計券等)を印刷、発行する。
音声出力部414は、音声を出力する。例えば、音声出力部414は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部415は、他装置(管理装置10、登録精算装置30、他の精算装置40、監視装置50等)との間において情報を送受信する。
【0033】
なお、精算装置40の外観やハードウェア構成を説明したが、登録精算装置30等の外観やハードウェア構成については説明を省略する。なお、図1において説明したように、登録精算装置30は、基本的に店員が使用する(店員の操作によって登録処理と精算処理とを実行する)。
【0034】
また、登録精算装置30は、両側(店員側、顧客側)の夫々に表示部やスキャナ部を備えるとともに、一方側(客側)に決済部(カード決済部、現金決済部)を備える構成としてもよい。当該構成の登録精算装置30は、例えば稼働状況等に応じて、複数の動作態様(店員の操作によって登録処理を実行して顧客の操作によって精算処理を実行する態様、顧客の操作によって登録処理と精算処理とを実行する態様、店員及び顧客の操作によって登録処理を実行して顧客の操作によって精算処理を実行する態様等)のうちの何れかの動作態様に切り替え可能な装置であってもよい。また、顧客の操作によって精算処理を実行する態様であれば、登録精算装置30をサービスAに利用可能である。すなわち、顧客は、登録処理を携帯端末60で実行し、登録精算装置30で精算処理を実行可能である。
【0035】
図3図8は、携帯端末60の表示部における表示例等である。図3(A)は、サービスAの開始画面の一例である。携帯端末60は、店舗を特定する情報(店舗特定情報)を取得し、開始画面を表示する。例えば、店舗特定情報等を2次元コード化した2次元コードを店舗の入口付近に表示(2次元コードを表示画面に出力、2次元コードを印刷した媒体を貼付等)しておき、来店した顧客(会員)が、携帯端末60で2次元コードをスキャンする(読み取る)ことにより、携帯端末60は店舗特定情報を取得してもよい。なお、来店した顧客が特定アプリを起動させると、2次元コードのスキャンを該顧客に指示する画面を表示するようにしてもよいし、来店した顧客が携帯端末60で2次元コードをスキャンすると、特定アプリが起動し、開始画面を表示してもよい。
【0036】
開始画面には、図3(A)に示すように、種々のボタンが配置されている。例えば、買物開始ボタン600は、買い物を開始するためのボタンである。携帯端末60は、買物開始ボタン600が操作された場合、開始画面に代えて、図3(B)以降に示した登録画面を表示する。
【0037】
図3(B)は、図3(A)に続く場面における表示である。具体的には、図3(B)は、図3(A)の開始画面において、買物開始ボタン600が操作された後に表示される登録画面(初期登録画面)である。登録画面の上側領域601は、主に撮像画像を表示する撮像画像表示領域である。登録画面の下側領域602は、主に商品の登録情報を表示する登録情報表示領域である。
【0038】
図3(C)は、図3(B)に続く場面における表示である。具体的には、図3(C)は、1品目の商品として、「〇〇食パン」に付されているバーコードを撮像しているときの登録画面である。つまり、顧客は、所望の商品(購入する商品)の登録に際し、図3(C)に示すように、該商品に付されているバーコードを撮像する。
【0039】
図3(D)は、図3(C)に続く場面における表示である。図4(A)は、図3(D)に続く場面における表示である。具体的には、図3(D)及び図4(A)は、1品目の商品(〇〇食パン)の登録が完了した場面における表示である。なお、図3(D)は、商品を特定した直後(つまりバーコードを未だ撮像しているとき)における表示例である。従って、図3(D)の表示例では、撮像画像表示領域601に該商品のバーコードが表示されている。一方、図4(A)は、特定した商品を買物カゴに入れた後(つまりバーコードをもはや撮像していないとき)における表示例である。従って、図4(A)の表示例では、撮像画像表示領域601に該商品のバーコードが表示されていない。
【0040】
携帯端末60は、バーコードを撮像することによって特定された商品の登録情報等を登録情報表示領域602に表示する。例えば、携帯端末60は、図3(D)及び図4(A)に示すように、バーコードを撮像することによって特定された商品(〇〇食パン)の登録情報(商品名、数量、金額)を表示する(符号a)。なお、携帯端末60は、登録情報の一部(数量)について数量ボタン603として表示する。また、携帯端末60は、合計情報(合計点数、合計金額)を表示する(符号b)。また、携帯端末60は、精算(会計)に進む場合(商品の登録を終える場合)に操作する会計ボタン604を表示する。
【0041】
図4(B)は、図4(A)に続く場面における表示である。具体的には、図4(B)は、2品目の商品として、「〇〇牛乳」の登録が完了した場面における表示である。なお、1品目の「〇〇食パン」に付されているバーコードを撮像しているときと同様であるため、2品目の「〇〇牛乳」に付されているバーコードを撮像しているときの登録画面については図示を省略している。
【0042】
図4(C)は、図4(B)に続く場面における表示である。具体的には、図4(C)は、「〇〇牛乳」の数量ボタン603の操作(押下)直後の場面における表示である。小画面605は、夫々の登録商品の数量ボタン603の操作に基づいて表示される。小画面605は、現時点(最新)の当該登録商品の数量及び金額を表示する。従って、図4(C)に示した小画面605は、「〇〇牛乳」の数量「1」及び金額「¥120」を表示している。
【0043】
また、小画面605は、プラスボタン606、マイナスボタン607、商品取消ボタン608、決定ボタン609、戻るボタン610を表示する。プラスボタン606は、当該登録商品の数量を増加させるための操作(数量増加操作)を受け付ける。マイナスボタン607は、当該登録商品の数量を減少させるための操作(数量減少操作)を受け付ける。商品取消ボタン608は、当該登録商品の登録を取り消すための操作(商品取消操作)を受け付ける。決定ボタン609は、プラスボタン606による数量増加操作、マイナスボタン607による数量減少操作、又は、商品取消ボタン608による商品取消操作を決定(確定)するための操作を受け付ける。戻るボタン610は、当該小画面605を単に消去するための操作(決定ボタン609による決定なく単に戻るための操作)を受け付ける。
【0044】
図4(D)は、図4(C)に続く場面における表示である。具体的には、図4(D)は、小画面605のプラスボタン606の2回目の操作(数量増加操作)直後の場面における表示である。
【0045】
図5(A)は、図4(D)に続く場面における表示である。具体的には、図5(A)は、小画面605の決定ボタン609の操作直後の場面における表示である。図5(A)に示すように、決定ボタン609の操作に基づいて、小画面605が消去される。また、決定ボタン609の操作に基づいて、決定ボタン609の操作時点における小画面605による操作内容(「〇〇牛乳」の数量「3」及び金額「¥360」)が登録情報表示領域602に反映される。
【0046】
図5(B)は、図5(A)に続く場面における表示である。具体的には、図5(B)は、3品目の商品として、〇〇シャンプーの登録と数量の変更(増加)が完了した場面における表示である。なお、1品目の「〇〇食パン」に付されているバーコードを撮像しているときと同様であるため、3品目の「〇〇シャンプー」に付されているバーコードを撮像しているときの登録画面については図示を省略している。また、2品目の「〇〇牛乳」の数量を変更しているときと同様であるため、3品目の「〇〇シャンプー」の数量を変更しているときの登録画面(小画面605)については図示を省略している。
【0047】
図5(C)は、図5(B)に続く場面における表示である。具体的には、図5(C)は、「〇〇牛乳」の数量ボタン603の操作直後の場面における表示である。
【0048】
図6(A)は、図5(C)に続く場面における表示である。具体的には、図6(A)は、小画面605のマイナスボタン607の1回目の操作(数量減少操作)直後の場面における表示である。
【0049】
図6(B)は、図6(A)に続く場面における表示である。具体的には、図6(B)は、小画面605の決定ボタン609の操作直後の場面における表示である。図6(B)に示すように、決定ボタン609の操作に基づいて、小画面605が消去されるとともに、商品を棚に戻す旨を報知(注意喚起)する小画面611が表示される。また、決定ボタン609の操作に基づいて、決定ボタン609の操作時点における小画面605による操作内容(「〇〇牛乳」の数量「2」及び金額「¥240」)が登録情報表示領域602に反映される。
【0050】
図6(C)は、図6(B)に続く場面における表示である。具体的には、図6(C)は、小画面611が消去された直後の場面における表示である。なお、図6(B)及び図6(C)は、一定時間経過後(自動的に)、小画面611が消去される例を説明したものであるが、小画面611は、顧客の操作に応じて(例えば、小画面611上にOKボタンを配置し、該OKボタンが操作されたことに基づいて)、消去されてもよい。
【0051】
図7(A)は、図5(C)に続く場面における表示である(つまり、図6(A)とは異なる展開における表示である)。具体的には、図7(A)は、小画面605の取消ボタン609の操作(商品取消操作)直後の場面における表示である。図7(A)では、数量「3」及び金額「¥360」に取消線が付されている。なお、図7(A)では、取消態様の一例として取消線を用いているが、例えば、グレーダウン表示等であってもよい。
【0052】
図7(B)は、図7(A)に続く場面における表示である。具体的には、図7(B)は、小画面605の決定ボタン609の操作直後の場面における表示である。図7(B)に示すように、決定ボタン609の操作に基づいて、小画面605が消去されるとともに、商品を棚に戻す旨を報知(注意喚起)する小画面612が表示される。また、決定ボタン609の操作に基づいて、決定ボタン609の操作時点における小画面605による操作内容(「〇〇牛乳」の取り消し)が登録情報表示領域602に反映される。
【0053】
なお、数量減少の場合の小画面611(図6(B)と、商品取消の場合の小画面612(図7(B))とは、一部の文言(メッセージ)が異なる。つまり、携帯端末60は、数量減少の場合には、数量が減少した旨と商品(減少分の商品)を棚に戻す旨とを報知する小画面611を表示する。一方、携帯端末60は、商品取消の場合には、商品を取り消した旨と、商品(取消した1以上の商品)を棚に戻す旨とを報知する小画面612を表示する。
【0054】
図7(C)は、図7(B)に続く場面における表示である。具体的には、図7(C)は、小画面612が消去された直後の場面における表示である。なお、図7(B)及び図7(C)は、一定時間経過後(自動的に)、小画面612が消去される例を説明したものであるが、小画面612は、顧客の操作に応じて(例えば、小画面612上にOKボタンを配置し、該OKボタンが操作されたことに基づいて)、消去されてもよい。
【0055】
図7(D)は、図7(B)に代わる他の表示例である。つまり、携帯端末60は、図7(A)の表示において決定ボタン609が操作された場合に、図7(B)に示したように、登録情報表示領域602から「〇〇牛乳」の登録情報を消去してもよいし、図7(D)に示したように、「〇〇牛乳」の登録情報に取消線を付してもよい。なお、図7(D)では、取消態様の一例として取消線を用いているが、例えば、グレーダウン表示等であってもよい。小画面612の消去後(図7(C))についても同様である。
【0056】
図8(A)は、精算用の2次元コードを表示した2次元コード表示画面である。携帯端末60は、登録画面において、会計ボタン604が操作された場合、登録画面に代えて、図8(A)に示すような2次元コード表示画面を表示する。なお、携帯端末60は、2次元コード表示画面に代えて、登録画面上に(登録画面の手前側に)、精算用の2次元コードを表示した小画面を表示してもよい。
【0057】
図8(B)は、精算装置40における精算用の2次元コードの読み取り(図10のステップS15)の様子である。なお、図8(B)は、精算装置40における精算用の2次元コードの読み取りの様子を説明用に図示したものであるが、携帯端末60は、顧客向けに、図8(B)に示したような案内情報を表示してもよい。
【0058】
携帯端末60は、店員呼び出しがある場合(該2次元コードの読取後に、ボタン等の操作がなくても店員呼出処理が実行される場合)には、図8(A)に示したような2次元コード表示画面に代えて、図8(C)に示したような2次元コード表示画面を表示してもよい。より詳細には、携帯端末60は、店員呼び出しがない場合(該2次元コードの読取後に、ボタン等の操作がなければ店員呼出処理が実行されない場合)には図8(A)に示したような2次元コード表示画面を表示するが、店員呼び出しがある場合には図8(A)に示したような2次元コード表示画面を表示してもよいし、図8(B)に示したような2次元コード表示画面を表示してもよい。つまり、携帯端末60は、店員呼び出しがある場合には、2次元コード表示画面において店員呼び出しがある旨を報知してもよいし、報知しなくてもよい。
【0059】
図9は、精算装置40の表示部405における表示例である。具体的には、図9(A)(図9(Bも同様)は、精算装置40が、精算用の2次元コードを読み取ることによって表示する精算画面(登録内容を確認する画面)の一例である。
【0060】
図5(B)の登録内容(「〇〇食パン」を1点、「〇〇牛乳」を3点、「〇〇シャンプー」を2点)で精算する場合の精算画面である。つまり、図5(B)の登録状態において会計ボタン604の操作後に携帯端末60が表示する2次元コードを、精算装置40が読み取った場合、該精算装置40は図9(A)に示すような精算画面を表示部405に表示する。
【0061】
図9(B)は、図6(C)の登録内容(「〇〇食パン」を1点、「〇〇牛乳」を2点、「〇〇シャンプー」を2点)で精算する場合における精算画面である。つまり、図6(C)の登録状態において会計ボタン604の操作後に携帯端末60が表示する2次元コードを、精算装置40が読み取った場合、該精算装置40は図9(B)に示すような精算画面を表示部405に表示する。
【0062】
図9(A)(B)に示すように、精算画面には、一覧表示領域400、価格帯登録数表示領域401、お会計ボタン402等が設けられている。
【0063】
図9(A)は、店員呼び出しがない場合の精算画面の一例である。具体的には、図9(A)の精算画面は、図5(B)の登録状態(〇〇食パン数量1、〇〇牛乳数量3、〇〇シャンプー数量2)から会計ボタン604が操作され表示される2次元コード(例えば、図8(A)に示した2次元コード表示画面の2次元コード)を、例えば図8(B)の如く、精算装置40が読み取った場合に、該精算装置40が表示する精算画面の一例である。
【0064】
図9(A)に示すように、精算画面の中央部分はメイン領域1400である。メイン領域1400内には、登録商品(買上商品、購入商品)を表示する商品確認欄1401が設けられている。また、メイン領域1400内には、商品確認欄1401の他に、メッセージ等も表示可能である。図9(A)の精算画面では、メイン領域1400内の商品確認欄1401の上には、「商品の内容を確認し、お会計ボタンを押してください。」なる第1メッセージ1403を表示している。精算画面の上側部分(メイン領域1400の上の部分)には、合計点数、合計金額が表示されている。また、精算画面の上側部分には、お会計ボタン1402が配置されている。なお、精算装置40は、お会計ボタン402の操作後に、現金の投入を受け付けるようにしてもよい。また、精算装置40は、お会計ボタン402の操作後に、決済種別を選択するボタン、ポイントカード等を選択するボタン等を表示してもよい。精算画面の下側部分(メイン領域1400の下の部分)には、価格帯毎の点数がされている。また、精算画面の下側部分には、店員呼出ボタンが配置されている。
【0065】
図9(B)は、店員呼び出しがある場合の精算画面の一例である。具体的には、図9(B)の精算画面は、図6(C)の登録状態(〇〇食パン数量1、〇〇牛乳数量2、〇〇シャンプー数量2)から会計ボタン604が操作され表示される2次元コード(例えば、図8(C)に示した2次元コード表示画面の2次元コード)を、例えば図8(B)の如く、精算装置40が読み取った場合に、該精算装置40が表示する精算画面の一例である。
【0066】
精算装置40は、店員呼び出しがない場合と、店員呼び出しがある場合とで、精算画面を異なる表示態様で表示する。図9(A)(B)に示した例では、精算装置40は、店員呼び出しがない場合には図9(A)に示すようにメイン領域1400の背景色を通常態様で表示し、店員呼び出しがある場合には図9(B)に示すようにメイン領域1400の背景色を通常態様よりも目立つ特別態様(図9(B)では斜線にて表示)で表示している。
【0067】
精算装置40は、店員呼び出しがない場合と、店員呼び出しがある場合とで、メッセージを異ならせる。図9(A)(B)に示した例では、精算装置40は、店員呼び出しがない場合には図9(A)に示すように商品確認欄1401の上に「商品の内容を確認し、お会計ボタンを押してください。」なる第1メッセージ1403を表示し、店員呼び出しがある場合には図9(B)に示すように商品確認欄1401の上に「商品の内容を確認してください。」なる第1メッセージ1403を表示するとともに商品確認欄1401の下に「店員が来るまでお待ちください。」なる第2メッセージ1404を表示している。
【0068】
図9(A)の精算画面は、店員呼出処理が実行されていない場面を示すものであり、店員呼出ボタンが操作されることに基づいて店員呼出が実行される。一方、図9(B)の精算画面は、店員呼出ボタンの操作によらず、図8(C)に示した2次元コードの読み取りによって店員呼出処理が実行されている場面(若しくは実行が予定されている場面)を示すものであり、既に店員呼出処理が実行されているため(若しくは実行が予定されているため)、図9(A)における店員呼出ボタンの文言「店員呼出」が、図9(B)においては「店員呼出中」に変化している。
【0069】
図10は、販売システム1(具体的には特定販売システムが提供するサービスA)による取引全体の流れの概要を説明するシーケンス図である。具体的には、図10は、ある店舗(サービスAが稼働する店舗)に、ある顧客(特定アプリをインストール済みの携帯端末60を所持する会員)が来店し、当該携帯端末60を使用して当該店舗に陳列されている商品を登録し、登録した商品についての精算が完了する迄における、当該携帯端末60、当該店舗に設置された精算装置40、データセンタ等の外部に設置されたクラウドサーバ20の夫々における処理の流れの一例を示したものである。図10の左側が、携帯端末60の処理、中央が精算装置40の処理、右側がクラウドサーバ20の処理である。
【0070】
なお、ある顧客が来店し、精算が完了する迄の間には、当該顧客は、商品コードのスキャン、プラスボタン606による数量増加操作、マイナスボタン607による数量減少操作、商品取消ボタン608による商品取消操作等を行うが、図10のシーケンス図は、商品コードをスキャンした場合のシーケンス図である。なお、数量増加操作、数量減少操作、及び、商品取消操作があった場合については、図11を用いて説明する。
【0071】
ステップS1:携帯端末60は、店舗特定情報を取得する。例えば、来店した顧客が、携帯端末60で、店舗の入口付近に表示されている2次元コードをスキャンすることにより、携帯端末60は店舗特定情報を取得する。
【0072】
ステップS2:店舗特定情報を取得した携帯端末60は、当該店舗特定情報を顧客識別情報(ユーザID)とともにクラウドサーバ20に送信する。
【0073】
(クラウドサーバ20のアドレス)
ステップS2の実行時において、クラウドサーバ20のアドレス(送信先情報)は、携帯端末60に記憶されている。具体的には、携帯端末60は、顧客登録の際(例えば、携帯端末60に特定アプリをインストールする際等)に、クラウドサーバ20のアドレスを記憶する。例えば、特定アプリ内にクラウドサーバ20のアドレスが保持されており、顧客登録の完了時に、クラウドサーバ20のアドレスが、携帯端末60の記憶部(特定アプリのユーザ記憶領域であってもよいし、アプリ共通の記憶領域であってもよい)に記憶されるようにしてもよい。
【0074】
(顧客識別情報について)
ステップS2の実行時において、顧客識別情報は、携帯端末60に記憶されている。具体的には、携帯端末60は、顧客登録の際に、顧客識別情報を記憶する。顧客登録では、携帯端末60を用いて、登録フォームに入力された情報が、クラウドサーバ20に顧客情報として記憶されるが、登録フォームに顧客識別情報を入力する態様(顧客が顧客識別情報を指定する態様)の場合、登録フォームに入力した顧客識別情報が、当該携帯端末60の記憶部に記憶されるとともに、クラウドサーバ20に送信され、クラウドサーバ20に顧客情報として記憶される。一方、登録フォームに顧客識別情報を入力しない態様(クラウドサーバ20が顧客識別情報を生成する態様)の場合、クラウドサーバ20が生成した顧客識別情報が、クラウドサーバ20に顧客情報として記憶されるとともに、携帯端末60に送信され、携帯端末60の記憶部にも記憶される。
【0075】
ステップS3:携帯端末60から顧客識別情報及び店舗特定情報を受信したクラウドサーバ20は、当該取引のバスケット(バスケット情報)を生成する。バスケット情報は、例えば、バスケット識別情報、取引開始日時、取引終了日時、顧客識別情報、登録商品情報を含むものであってもよい。バスケット識別情報は、バスケットを一意に識別する識別情報である。例えば、バスケット識別情報は、店舗識別情報と、日付と、シリアル番号(例えば店舗別日付別のシリアル番号)とから構成されるものであってもよい。取引開始日時は、取引の開始日時(例えば、バスケット情報の生成日時)である。なお、取引開始日時は、1品目の商品の登録日時であってもよい。バスケット情報の生成日時と1品目の商品の登録日時とを別々に両方記憶してもよい。取引終了日時は、取引の終了日時(例えば、精算日時)である。なお、図12は、バスケット情報の一例であるが、詳細は後述する。
【0076】
ステップS4:当該取引のバスケットを生成したクラウドサーバ20は、画面情報(開始画面の画面情報、初期登録画面の画面情報)を生成し、生成した画面情報をバスケット識別情報とともに携帯端末60に送信する。
【0077】
ステップS5:クラウドサーバ20からバスケット識別情報及び画面情報を受信した携帯端末60は、バスケット識別情報を記憶するとともに、図3(A)に示すように、開始画面を表示部に表示する。
【0078】
ステップS6:買物開始ボタン600の操作に応じて、携帯端末60は、図3(B)に示すように、登録画面(初期登録画面)を表示部に表示する。
【0079】
なお、図10のシーケンス図では、開始画面の画面情報とともに初期登録画面の画面情報を送受信しているが、開始画面の画面情報を送受信した後に、初期登録画面の画面情報を送受信してもよい。つまり、上記ステップS6は、例えば、下記(1)~(3)のように動作するものであってもよい。(1)携帯端末60は、買物開始ボタン600が操作された旨の情報を顧客識別情報とともにクラウドサーバ20に送信する。(2)携帯端末60から買物開始ボタン600が操作された旨の情報及び顧客識別情報を受信したクラウドサーバ20は、画面情報(初期登録画面の画面情報)を生成し、生成した画面情報を携帯端末60に送信する。(3)クラウドサーバ20から画面情報を受信した携帯端末60は、初期登録画面を表示部に表示する。
【0080】
ステップS7:顧客の読取操作に応じて、携帯端末60は、商品に付されたバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。
【0081】
ステップS8:携帯端末60は、読み取った商品コードと、登録指示情報(当該商品コードの商品の登録を指示する指示情報)とを、バスケット識別情報とともにクラウドサーバ20に送信する。
【0082】
ステップS9:携帯端末60からバスケット識別情報、商品コード、登録指示情報を受信したクラウドサーバ20は、バスケット識別情報から当該取引のバスケットを特定する。
【0083】
ステップS10:クラウドサーバ20は、特定したバスケットのバスケット情報を更新(登録商品情報を追加等)する。詳細は後述する。
【0084】
ステップS11:バスケット情報を更新したクラウドサーバ20は、更新後のバスケット情報に対応する登録画面の画面情報(商品登録後の登録画面の画面情報)を生成し、生成した画面情報をバスケット識別情報とともに携帯端末60に送信する。
【0085】
ステップS12:クラウドサーバ20からバスケット識別情報及び画面情報を受信した携帯端末60は、当該バスケット識別情報が記憶しているバスケット識別情報と一致するかを確認した後、当該画面情報に基づく登録画面を表示部に表示する。つまり、登録画面において、ステップS7にてバーコードをスキャンした商品の情報が追加される。
【0086】
なお、図10では説明の便宜上簡略化したが、ステップS7~ステップS12の処理は、ステップS13において会計指示を受け付ける迄の間において、ステップS7において商品コードを読み取る度に繰り返し実行される。つまり、携帯端末60は、ステップS12に続いて、会計指示を受け付ける場合(ステップS13に進む場合)と、再度商品コードを読み取る場合(上記ステップS7に戻る場合)とがある。
【0087】
また、ステップS13において会計指示を受け付ける迄の間には、携帯端末60は、数量増加操作、数量減少操作、又は、商品取消操作も受け付け可能である(図11)。
【0088】
ステップS13:携帯端末60は、顧客の操作として会計指示を受け付ける。具体的には、携帯端末60は、会計ボタン604の操作を受け付ける。
【0089】
ステップS14:会計指示を受け付けた携帯端末60は、精算用の2次元コードを生成する。つまり、携帯端末60は、当該携帯端末60による買上商品について精算処理を実行するために必要となる情報(例えば、バスケット識別情報)を2次元コード化する。2次元コードを生成した携帯端末60は、図8(A)に示すように、生成した2次元コードを表示部に表示する。
【0090】
ステップS15:顧客の読取操作に応じて、精算装置40は、携帯端末60の表示部に表示されている2次元コードをスキャンし、2次元コードを読み取る。例えば、精算装置40は、顧客によってスキャナ部406による認識範囲内に向けられた携帯端末60の表示部に表示されている2次元コードをスキャンし、2次元コードを読み取る。
【0091】
ステップS16:2次元コードを読み取った精算装置40は、クラウドサーバ20に小計金額の算出を要求する。例えば、精算装置40は、小計金額の算出を要求する算出要求(小計算出要求情報)を2次元コードから取得したバスケット識別情報とともに、管理装置10を介して、クラウドサーバ20に送信する。
【0092】
ステップS17:携帯端末60からバスケット識別情報及び小計算出要求情報を受信したクラウドサーバ20は、バスケット識別情報から当該取引のバスケットを特定する。
【0093】
ステップS18:バスケットを特定したクラウドサーバ20は、特定したバスケットの小計金額を算出する。
【0094】
ステップS19:小計金額を算出したクラウドサーバ20は、バスケット情報を更新(小計金額(算出後小計金額)を記憶)するとともに、算出した小計金額を示す小計情報をバスケット識別情報とともに、管理装置10を介して、精算装置40に送信する。
【0095】
ステップS20:クラウドサーバ20からバスケット識別情報及び小計情報を受信した精算装置40は、表示部405に小計金額を表示する。つまり、精算装置40は、精算画面(図9)に小計金額を表示する。
【0096】
ステップS21:表示部405に小計金額を表示した精算装置40は、支払い(精算)を実行する。また、精算装置40は、精算が完了した場合には、精算完了情報をバスケット情報とともに、管理装置10を介して、クラウドサーバ20に送信し、クラウドサーバ20は当該バスケットの取引終了日時(精算日時)を記憶する。
【0097】
なお、図10のシーケンス図では省略しているが、マイナスボタン607による数量減少操作、商品取消ボタン608による商品取消操作があった場合には、店員による確認のため、精算時に、店員を呼び出す処理(店員呼出処理)を実行する場合がある(詳細は後述するが、数量減少操作や商品取消操作があった場合でも店員呼出処理を実行しない場合もある)。店員呼出処理の一例は、店員の携帯する端末、登録精算装置30、監視装置50等に店員を呼び出すためのメッセージを送信する処理である。精算装置40にランプ等の発光部材を具備させることにより、店員呼出処理として、該発光部材を発光させて店員を呼び出してもよい。
【0098】
図11は、販売システム1による取引全体の流れの概要を説明するシーケンス図である。具体的には、図11(A)のシーケンス図は、数量変更操作(プラスボタン606による数量増加操作、又は、マイナスボタン607による数量減少操作)があった場合のシーケンス図である。なお、商品コードをスキャンした場合の図10のシーケンス図と破線枠P内以外は共通するため、図11(A)のシーケンス図では、差異部分(図10の破線枠P内に相当する部分)のみを説明している。つまり、図11(A)のシーケンス図は、図10の破線枠P内の部分を、数量変更操作に対応するものに置き換えたものである。図11(B)のシーケンス図は、商品取消ボタン608による商品取消操作があった場合のシーケンス図である。なお、商品コードをスキャンした場合の図10のシーケンス図と破線枠P内以外は共通するため、図11(B)のシーケンス図では、差異部分(図10の破線枠P内に相当する部分)のみを説明している。つまり、図11(B)のシーケンス図は、図10の破線枠P内の部分を、商品取消操作に対応するものに置き換えたものである。
【0099】
(数量変更操作)
図11(A)のステップS7A:携帯端末60は、一の登録商品の数量変更操作を受け付ける。
【0100】
ステップS8A:携帯端末60は、当該登録商品の商品コードと、変更後の数量とを、バスケット識別情報とともにクラウドサーバ20に送信する。
【0101】
ステップS9A:携帯端末60からバスケット識別情報、商品コード、変更後の数量を受信したクラウドサーバ20は、バスケット識別情報から当該取引のバスケットを特定する。
【0102】
ステップS10A:クラウドサーバ20は、特定したバスケットのバスケット情報を更新(数量の変更等)する。詳細は後述する。
【0103】
ステップS11A:バスケット情報を更新したクラウドサーバ20は、更新後のバスケット情報に対応する登録画面の画面情報(数量変更後の登録画面の画面情報)を生成し、生成した画面情報をバスケット識別情報とともに携帯端末60に送信する。
【0104】
ステップS12A:クラウドサーバ20からバスケット識別情報及び画面情報を受信した携帯端末60は、当該バスケット識別情報が記憶しているバスケット識別情報と一致するかを確認した後、当該画面情報に基づく登録画面を表示部に表示する。つまり、登録画面において、ステップS7Aにて受け付けた数量変更操作の内容が反映される。
【0105】
(商品取消操作)
図11(B)のステップS7B:携帯端末60は、一の登録商品の商品取消操作を受け付ける。
【0106】
ステップS8B:携帯端末60は、当該登録商品の商品コードと、取消指示情報(当該商品コードの登録商品の登録の取消を指示する指示情報)とを、バスケット識別情報とともにクラウドサーバ20に送信する。
【0107】
ステップS9B:携帯端末60からバスケット識別情報、商品コード、取消指示情報を受信したクラウドサーバ20は、バスケット識別情報から当該取引のバスケットを特定する。
【0108】
ステップS10B:クラウドサーバ20は、特定したバスケットのバスケット情報を更新(登録商品情報の消去等)する。詳細は後述する。
【0109】
ステップS11B:バスケット情報を更新したクラウドサーバ20は、更新後のバスケット情報に対応する登録画面の画面情報(商品取消後の登録画面の画面情報)を生成し、生成した画面情報をバスケット識別情報とともに携帯端末60に送信する。
【0110】
ステップS12B:クラウドサーバ20からバスケット識別情報及び画面情報を受信した携帯端末60は、当該バスケット識別情報が記憶しているバスケット識別情報と一致するかを確認した後、当該画面情報に基づく登録画面を表示部に表示する。つまり、登録画面において、ステップS7Bにて受け付けた商品取消操作の内容が反映される。
【0111】
(店員呼出処理の制御例)
図10の説明の最後に、数量減少操作や商品取消操作があった場合でも店員呼出処理を実行しない場合もあると説明したが、具体的には、例えば、以下のように制御する。
(1)数量を減少させた商品(但し、減少後に元の数量以上に増加させた商品は除く)が1つでも存在する場合には、店員呼出処理を実行する。
(2)取り消した商品(但し、取消後に再度登録した商品は除く)が1つでも存在する場合には、店員呼出処理を実行する。
(3)数量を減少させた商品(但し、減少後に元の数量以上に増加させた商品は除く)も、取り消した商品(但し、取消後に再度登録した商品は除く)も、全く存在しない場合には、店員呼出処理を実行しない。
【0112】
(バスケット情報)
図12は、バスケット情報の一例である。上述した店員呼出処理の制御(上記(1)~(3))を実現するために、例えば、バスケット情報は、図12に示したようなものであってもよい。
【0113】
図12に示したバスケット情報は、バスケット識別情報、取引開始日時、取引終了日時、顧客識別情報、店員呼出制御情報、登録商品情報、取消情報を含む。バスケット識別情報、取引開始日時、取引終了日時、顧客識別情報については既に説明しているため、以下、店員呼出関連情報、登録商品情報、取消情報について説明する。
【0114】
店員呼出制御情報は、店員呼出処理の制御に用いられる情報である。店員呼出制御情報は、呼出事象フラグ、 呼出禁止フラグを含む。
【0115】
呼出事象フラグは、当該取引において、店員呼出事象(数量減少、商品取消)が生じたか否かに関するフラグである。呼出事象フラグの値「0(初期値)」は、店員呼出事象発生前(未発生)である旨を示す。呼出事象フラグの値「1」は、店員呼出事象発生後(発生済)である旨を示す。呼出事象フラグの値は、一の商品が数量減少状態(後述)や取消状態(後述)となったことに基づいて、値「0」から値「1」となる。ひとたび「1」となった場合には「0」にならない。
【0116】
呼出禁止フラグは、当該取引における、店員呼出の許容/禁止に関するフラグである。呼出禁止フラグの値「0(初期値)」は、店員呼出を許容する旨を示す。呼出禁止フラグの値「1」は、店員呼出を禁止する旨を示す。呼出禁止フラグの値は、呼出事象フラグが「1」の状態(一の商品が数量減少状態(後述)や取消状態(後述)となった後)において、全部の商品が数量減少状態や取消状態でなくなったことに基づいて、値「0」から値「1」となる。値「1」となった後にも、一の商品が数量減少状態や取消状態となったことに基づいて値「1」から値「0」となる。
【0117】
精算時(例えば図10のステップS15以降)において、呼出事象フラグが値「1」、且つ、呼出禁止フラグが値「0」である場合に、店員呼出処理を実行する。つまり、精算時において、呼出事象フラグが値「1」であっても呼出禁止フラグが「1」である場合には店員呼出処理を実行しない。
【0118】
登録商品情報は、「登録商品情報(計)」及び「登録商品情報(個別)」から構成される。登録商品情報(個別)は、個々の商品(登録した商品)毎の登録商品情報である。登録商品情報(計)は、登録商品情報(個別)を合計(集計)した登録商品情報である。
【0119】
登録商品情報(個別)は、商品を新たにスキャンした場合に生成され、該商品を取り消した場合に消去される。取消後に再度当該商品をスキャンした場合に反映させるため、取消時に、消去する情報のうちの一部(数量変更取消履歴情報等)については「取消情報(個別)」内に引き継がれる(退避される)。登録商品情報(個別)は、商品コード、品名、価格、数量、数量変更取消履歴情報、数量減少状態フラグ(個別)を含む。
【0120】
数量変更取消履歴情報は、当該商品の数量変更(増減)及び取消に関する履歴情報である。例えば、ある商品Aがスキャンされ、続いて3個に増加され、続いて2個に減少され、続いて削除された場合には、商品Aの数量変更取消履歴情報として、当該経過(例えば、「1→3→2→削」)が記憶される。また、ある商品Bがスキャンされ、続いて削除され、続いて再度スキャンされ、続いて4個に増加された場合には、商品Bの数量変更取消履歴情報として、当該経過(例えば、「1→削除→1→4」)が記憶される。
【0121】
数量減少状態フラグ(個別)は、当該商品について数量減少状態であるか否かに関するフラグである。数量減少状態とは、現数量が過去最大数量未満である状態である。数量減少状態フラグ(個別)の値「0(初期値)」は、当該商品について数量減少状態でない旨(現数量が過去最大数量である旨)を示す。数量減少状態フラグ(個別)の値「1」は、当該商品について数量減少状態である旨(現数量が過去最大数量未満である旨)を示す。
【0122】
登録商品情報(計)は、登録品数、小計金額、数量減少状態フラグ(全体)を含む。数量減少状態フラグ(全体)は、取引全体として数量減少状態であるか否かに関するフラグである。数量減少状態フラグ(全体)の値「0(初期値)」は、取引全体として数量減少状態でない旨(具体的には、全部の登録商品情報(個別)の数量減少状態フラグ(個別)が値「0」である旨)を示す。数量減少状態フラグ(全体)の値「1」は、取引全体として数量減少状態である旨(具体的には、少なくとも1つの登録商品情報(個別)の数量減少状態フラグ(個別)が値「1」である旨)を示す。
【0123】
取消情報は、「取消情報(計)」及び「取消情報(個別)」から構成される。取消情報(個別)は、個々の商品(取り消した商品)毎の取消情報である。取消情報(計)は、取消情報(個別)を合計(集計)した取消情報である。
【0124】
取消情報(個別)は、登録した商品を取り消した場合に生成され、再登録(再スキャン)した場合には取消状態フラグ(個別)の値が「1(初期値)」から「0」となる。つまり、取消後に再登録した場合であっても、取消情報(個別) 自体は消去されない。取消情報(個別)は、商品コード、引継情報(数量変更取消履歴情報等)、取消状態フラグ(個別)を含む。
【0125】
取消状態フラグ(個別)は、当該商品について取消状態であるか否かに関するフラグである。取消状態とは、現在、再登録が行われていない状態である。取消状態フラグ(個別)の値「1(初期値)」は、当該商品について取消状態である旨(再登録状態でない旨)を示す。取消状態フラグ(個別)の値「0」は、当該商品について取消状態でない旨(再登録状態である旨)を示す。
【0126】
取消状態(計)は、取消品数、取消状態フラグ(全体)を含む。取消品数は、取消状態(取消状態フラグ(個別)の値「1」)である商品の商品数である。取消状態フラグ(全体)は、取引全体として取消状態であるか否かに関するフラグである。取消状態フラグ(全体)の値「1(初期値)」は、取引全体として取消状態である旨(具体的には、少なくとも1つの取消情報(個別)の取消状態フラグ(個別)が値「1」である旨)を示す。取消状態フラグ(全体)の値「0」は、取引全体として取消状態でない旨(具体的には、全部の取消情報(個別)の取消状態フラグ(個別)が値「0」である旨)を示す。
【0127】
図13図17は、バスケット情報の更新に関して説明するフローチャートである。具体的には、図13及び図14は、図10のステップS10の処理(商品コードをスキャンした場合におけるバスケット情報の更新処理)に関して説明するフローチャートである。図15及び図16は、図11(A)のステップS10Aの処理(数量変更操作があった場合におけるバスケット情報の更新処理)に関して説明するフローチャートである。図17は、図11(B)のステップS10Bの処理(商品取消操作があった場合におけるバスケット情報の更新処理)に関して説明するフローチャートである。
【0128】
(商品コードをスキャンした場合におけるバスケット情報の更新処理)
図13のステップS100:クラウドサーバ20は、当該商品(スキャンした商品)の登録商品情報(個別)が存在するか否かを判断する。なお、ある商品Aの登録商品情報(個別)は、当該商品Aを過去にスキャンし、かつ当該商品Aが取消状態ではない場合には、存在する。ある商品Aの登録商品情報(個別)は、当該商品Aを過去にスキャンしていないか、又は、当該商品Aを過去にスキャンしたが、当該商品Aが取消状態である場合には、存在しない。また、ある商品Aの取消情報(個別)が存在し、かつ取消状態フラグ(個別)が「1(取消状態)」である場合には、当該商品Aは取消状態である。
【0129】
当該商品の登録商品情報(個別)が存在する場合(ステップS100:YES)、図15のステップS201に進む。当該商品の登録商品情報(個別)が存在しない場合(ステップS100:NO)、ステップS101に進む。
【0130】
ステップS101:クラウドサーバ20は、当該商品が取消状態であるか否かを判断する。当該商品が取消状態である場合(ステップS101;YES)、図14のステップS120に進む。当該商品が取消状態でない場合(ステップS101;NO)、ステップS110に進む。
【0131】
ステップS100、S101を整理する。当該商品が過去にスキャンされかつ取消状態でなければ、図15のステップS201に進む。なお、ある商品Aが過去にスキャンされかつ取消状態でなければ、当該商品Aの登録商品情報(個別)は存在する。また、当該商品Aの取消情報(個別)は、存在しない場合と存在する場合(数量減少状態フラグ(個別)が「0(再登録状態)」)とがある。当該商品が過去にスキャンされかつ取消状態であれば、図14のステップS120に進む。なお、ある商品Aが過去にスキャンされかつ取消状態であれば、当該商品Aの登録商品情報(個別)は存在しない。また、当該商品Aの取消情報(個別)は、存在する(数量減少状態フラグ(個別)が「1(取消状態)」)。当該商品が過去にスキャンされていなければ、ステップS110に進む。なお、ある商品Aが過去にスキャンされていなければ、当該商品Aの登録商品情報(個別)も、当該商品Aの取消情報(個別)も、存在しない。
【0132】
ステップS110:クラウドサーバ20は、登録商品情報(個別)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、当該商品の登録商品情報(個別)を追加する。追加に際し、クラウドサーバ20は、数量変更取消履歴情報を生成(最初の情報として「1」を記憶)する。また、クラウドサーバ20は、数量減少状態フラグ(個別)の値として「0」をセットする。続いてステップS111に進む。
【0133】
ステップS111:クラウドサーバ20は、登録商品情報(計)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、登録品数、小計金額(概算小計金額。なお、最終的な小計金額は会計指示後であるステップS18にて算出)を更新する。なお、クラウドサーバ20は、数量減少状態フラグ(全体)の値を維持する(「0」であれば「0」のままとし、「1」であれば「1」のままとする。但し、数量減少状態フラグ(全体)を新規に記憶する場合には「0」をセットする)。そして、本フローチャートは終了する。
【0134】
図14のステップS120:クラウドサーバ20は、登録商品情報(個別)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、当該商品の登録商品情報(個別)を追加する。追加に際し、クラウドサーバ20は、当該商品の取消情報(個別)の引継情報(数量変更取消履歴情報)を引き継ぐ。例えば、クラウドサーバ20は、当該商品の取消情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→削除」であれば、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→削除→1」とし、当該商品の取消情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→2→削除」であれば、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→2→削除→1」とする。また、クラウドサーバ20は、引き継いだ数量変更取消履歴情報に基づき、当該商品の過去最大数量が1であれば数量減少状態フラグ(個別)の値として「0」をセットし、当該商品の過去最大数量が2以上であれば数量減少状態フラグ(個別)の値として「1」をセットする。例えば、クラウドサーバ20は、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→削除→1」であれば数量減少状態フラグ(個別)の値として「0」をセットし、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→2→削除→1」であれば数量減少状態フラグ(個別)の値として「1」をセットする。つまり、取消状態の商品の再登録によって取消状態は解消するが(ステップS122)、クラウドサーバ20は、更に数量減少状態も解消している場合には数量減少状態フラグ(個別)の値として「0」をセットし、数量減少状態は解消していない場合には数量減少状態フラグ(個別)の値として「1」をする。続いてステップS121に進む。
【0135】
ステップS121:クラウドサーバ20は、登録商品情報(計)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、登録品数、小計金額を更新する。また、クラウドサーバ20は、全部の登録商品の数量減少状態フラグ(個別)の値が「0」であれば数量減少状態フラグ(全体)の値として「0」をセットし、少なくとも一部の登録商品の数量減少状態フラグ(個別)の値が「1」であれば数量減少状態フラグ(全体)の値として「1」をセットする。続いてステップS122に進む。
【0136】
ステップS122:クラウドサーバ20は、取消情報(個別)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、取消状態フラグ(個別)を「1」から「0」に更新する。続いてステップS123に進む。
【0137】
ステップS123:クラウドサーバ20は、取消情報(計)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、取消品数を更新する。また、クラウドサーバ20は、全部の商品の取消状態フラグ(個別)の値が「0」であれば取消状態フラグ(全体)の値として「0」をセットし、少なくとも一部の商品の取消状態フラグ(個別)の値が「1」であれば取消状態フラグ(全体)の値として「1」をセットする。つまり、クラウドサーバ20は、当該商品の取消状態フラグ(個別)を「0(再登録状態)」としたことによって、全部の商品の取消状態フラグ(個別)の値が「0」となった場合には取消状態フラグ(全体)の値を「1」から「0」に更新する。続いてステップS124に進む。
【0138】
ステップS124:クラウドサーバ20は、呼出禁止フラグの値が「0」であるか否かを判断する。呼出禁止フラグの値が「0」である場合(ステップS124;YES)、ステップS125に進む。呼出禁止フラグの値が「1」である場合(ステップS124;NO)、本フローチャートは終了する。
【0139】
ステップS125:クラウドサーバ20は、数量減少状態フラグ(全体) の値が「0」であるか否かを判断する。数量減少状態フラグ(全体)の値が「0」である場合(ステップS125;YES)、ステップS126に進む。数量減少状態フラグ(全体)の値が「1」である場合(ステップS124;NO)、本フローチャートは終了する。
【0140】
ステップS126:クラウドサーバ20は、取消状態フラグ(全体)の値が「0」であるか否かを判断する。取消状態フラグ(全体)の値が「0」である場合(ステップS126;YES)、ステップS128に進む。取消状態フラグ(全体)の値が「1」である場合(ステップS126;NO)、本フローチャートは終了する。
【0141】
ステップS128:クラウドサーバ20は、呼出禁止フラグの値を「0」から「1」に更新する。そして、本フローチャートは終了する。
【0142】
(数量変更操作があった場合におけるバスケット情報の更新処理)
図15のステップS200:クラウドサーバ20は、数量増加であるか否かを判断する。例えば、クラウドサーバ20は、変更後の数量と、登録商品情報(個別)内の数量(又は登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報における現在の数量)とに基づいて数量増加であるか否かを判断する。なお、携帯端末60が数量増加操作であるか数量減少操作であるかを示す操作情報を送信することにより、クラウドサーバ20は、当該操作情報に基づいて数量増加であるか否かを判断してもよい。数量増加である場合(ステップS200;YES)、ステップS201に進む。数量減少である場合(ステップS200;NO)、図16(B)のステップS230に進む。
【0143】
ステップS201:クラウドサーバ20は、当該商品は数量減少状態であるか否かを判断する。なお、ある商品Aの登録商品情報(個別)が存在し、かつ数量減少状態フラグ(個別)が「1」である場合には、当該商品Aは数量減少状態である。数量減少状態である場合(ステップS201;YES)、図16(A)のステップS220に進む。数量減少状態でない場合(ステップS201;NO)、ステップS210に進む。
【0144】
ステップS210:クラウドサーバ20は、登録商品情報(個別)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、価格、数量、数量変更取消履歴情報を更新する。例えば、クラウドサーバ20は、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1」であれば、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→増加後数量」とし、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→2」であれば、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→2→増加後数量」とする。なお、クラウドサーバ20は、数量減少状態フラグ(個別)の値を維持する(つまり「0」のままとする)。そして、本フローチャートは終了する。続いてステップS211に進む。
【0145】
ステップS211:クラウドサーバ20は、登録商品情報(計)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、登録品数、小計金額を更新する。なお、クラウドサーバ20は、数量減少状態フラグ(全体)の値を維持する(「0」であれば「0」のままとし、「1」であれば「1」のままとする。)。そして、本フローチャートは終了する。
【0146】
図16(A)のステップS220:クラウドサーバ20は、登録商品情報(個別)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、価格、数量、数量変更取消履歴情報を更新する。例えば、クラウドサーバ20は、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→2→1」であれば、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→2→1→増加後数量」とし、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→3→1」であれば、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→3→1→増加後数量」とする。また、クラウドサーバ20は、更新後の数量変更取消履歴情報に基づき、当該商品の増加後の数量が過去最大数量であれば、数量減少状態フラグ(個別)の値を「1」から「0」に更新する。つまり、クラウドサーバ20は、数量増加によって数量減少状態が解消している場合には数量減少状態フラグ(個別)の値を「1」から「0」に更新する。続いてステップS221に進む。
【0147】
ステップS221:クラウドサーバ20は、登録商品情報(計)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、登録品数、小計金額を更新する。また、クラウドサーバ20は、全部の登録商品の数量減少状態フラグ(個別)の値が「0」であれば、数量減少状態フラグ(全体)の値を「1」から「0」に更新する。続いてステップS224に進む。
【0148】
ステップS224:クラウドサーバ20は、呼出禁止フラグの値が「0」であるか否かを判断する。呼出禁止フラグの値が「0」である場合(ステップS224;YES)、ステップS225に進む。呼出禁止フラグの値が「1」である場合(ステップS224;NO)、本フローチャートは終了する。
【0149】
ステップS225:クラウドサーバ20は、数量減少状態フラグ(全体) の値が「0」であるか否かを判断する。数量減少状態フラグ(全体)の値が「0」である場合(ステップS225;YES)、ステップS226に進む。数量減少状態フラグ(全体)の値が「1」である場合(ステップS224;NO)、本フローチャートは終了する。
【0150】
ステップS226:クラウドサーバ20は、取消状態フラグ(全体)の値が「0」であるか否かを判断する。取消状態フラグ(全体)の値が「0」である場合(ステップS226;YES)、ステップS228に進む。取消状態フラグ(全体)の値が「1」である場合(ステップS226;NO)、本フローチャートは終了する。
【0151】
ステップS228:クラウドサーバ20は、呼出禁止フラグを「0」から「1」に更新する。そして、本フローチャートは終了する。
【0152】
図16(B)のステップS230:クラウドサーバ20は、登録商品情報(個別)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、価格、数量、数量変更取消履歴情報を更新する。例えば、クラウドサーバ20は、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→3」であれば、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→3→減少後数量」とし、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→取消→1→3」であれば、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→取消→1→3→減少後数量」とし、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→5→4」であれば、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→5→4→減少後数量」とする。また、クラウドサーバ20は、数量減少状態フラグ(個別)の値が「0」であれば、数量減少状態フラグ(個別)の値を「0」から「1」に更新する。続いてステップS231に進む。
【0153】
ステップS231:クラウドサーバ20は、登録商品情報(計)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、登録品数、小計金額を更新する。また、クラウドサーバ20は、数量減少状態フラグ(全体)が「0」であれば、数量減少状態フラグ(全体)の値を「0」から「1」に更新する。続いてステップS237に進む。
【0154】
ステップS237:クラウドサーバ20は、呼出事象フラグの値が「0」であれば、呼出事象フラグの値を「0」から「1」に更新する。続いてステップS238に進む。
【0155】
ステップS238:クラウドサーバ20は、呼出禁止フラグの値が「1」であれば、呼出禁止フラグの値を「1」から「0」に更新する。そして、本フローチャートは終了する。
【0156】
(商品取消操作があった場合におけるバスケット情報の更新処理)
図17のステップS300:クラウドサーバ20は、当該商品は、過去に取消状態となっていないか否かを判断する。つまり、クラウドサーバ20は、当該商品が、取消後に再登録された商品であるか否かを判断する。例えば、クラウドサーバ20は、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を参照し、上記を判断する。例えば、クラウドサーバ20は、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1」や「1→2」であれば過去に取消状態となっていない(つまり取消後に再登録された商品ではない)と判断し、当該商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→取消→1」や「1→2→取消→1→2」であれば過去に取消状態となっている(つまり取消後に再登録された商品である)と判断する。過去に取消状態となっていない(取消後に再登録された商品ではない)場合(ステップS300;YES)、ステップS312に進む。過去に取消状態となっている(取消後に再登録された商品である)場合(ステップS300;NO)、ステップS322に進む。
【0157】
ステップS312:クラウドサーバ20は、取消情報(個別)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、当該商品の取消情報(個別)を追加する。追加に際し、クラウドサーバ20は、当該商品の商品登録情報(個別)の数量変更取消履歴情報を引き継ぐ。例えば、クラウドサーバ20は、当該商品の商品登録情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1」であれば、当該商品の取消情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→削除」とし、当該商品の商品登録情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→2」であれば、当該商品の取消情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→2→削除」とする。また、クラウドサーバ20は、取消状態フラグ(個別)の値として初期値である「1(取消状態)」をセットする。続いてステップS323に進む。
【0158】
ステップS322:クラウドサーバ20は、取消情報(個別)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、当該商品の取消情報(個別)を更新する。更新に際し、クラウドサーバ20は、当該商品の商品登録情報(個別)の数量変更取消履歴情報を引き継ぐ。例えば、クラウドサーバ20は、当該商品の商品登録情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→取消→1」であれば、当該商品の取消情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→取消→1→取消」とし、当該商品の商品登録情報(個別)内の数量変更取消履歴情報が「1→2→取消→1→2」であれば、当該商品の取消情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を「1→2→取消→1→2→取消」とする。また、クラウドサーバ20は、取消状態フラグ(個別)の値を「0」から「1」に更新する。続いてステップS323に進む。
【0159】
ステップS323:クラウドサーバ20は、取消情報(計)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、取消品数を更新する。また、クラウドサーバ20は、取消状態フラグ(全体)の値が「0」であれば、取消状態フラグ(全体)を「0」から「1」に更新する。続いてステップS331に進む。
【0160】
ステップS331:クラウドサーバ20は、登録商品情報(個別)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、当該商品の登録商品情報(個別)を消去する。なお、当該消去(ステップS322)に先立って、登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報は、取消情報(個別)内に引き継がれている(ステップS312、S322)。続いてステップS323に進む。
【0161】
ステップS322:クラウドサーバ20は、登録商品情報(計)を更新する。具体的には、クラウドサーバ20は、登録品数、小計金額を更新する。また、クラウドサーバ20は、全部の登録商品の数量減少状態フラグ(個別)の値が「0」あり、且つ、数量減少状態フラグ(全体)の値が「1」であれば、数量減少状態フラグ(全体)の値を「1」から「0」に更新する。続いてステップS337に進む。
【0162】
ステップS337:クラウドサーバ20は、呼出事象フラグの値が「0」であれば、呼出事象フラグの値を「0」から「1」に更新する。続いてステップS338に進む。
【0163】
ステップS338:クラウドサーバ20は、呼出禁止フラグの値が「1」であれば、呼出禁止フラグの値を「1」から「0」に更新する。そして、本フローチャートは終了する。
【0164】
続いて、変形例(変形例1、変形例2)について説明する。
【0165】
(変形例1)
変形例1は、店員呼出事象が生じたか否かや、店員呼出を許容するか禁止するかの判断を、個々の操作等(数量減少操作、商品取消操作、商品コードのスキャン)のタイミングとは異なるタイミングで実行する態様である。
【0166】
図10図17に示した例では、店員呼出事象が生じたか否かや、店員呼出を許容するか禁止するかの判断を、個々の操作等(数量減少操作、商品取消操作、商品コードのスキャン)のタイミングで行っているが、例えば、変形例1として、店員呼出事象が生じたか否かや、店員呼出を許容するか禁止するかの判断を、会計指示を受け付けた後(図10のステップS13以降)のいずれかのタイミングで行うようにしてもよい。
【0167】
具体的には、クラウドサーバ20は、携帯端末60からバスケット識別情報及び小計算出要求情報の受信後にバスケットを特定するが(ステップS17)、当該特定後に、各商品の登録商品情報(個別)内の数量変更取消履歴情報、各取消情報(個別)内の数量変更取消履歴情報を参照し、店員呼出事象が生じたか否かや、店員呼出を許容するか禁止するかの判断を、行うようにしてもよい。例えば、クラウドサーバ20は、全部の商品について取消の履歴も数量減少の履歴もなければ店員呼出事象が生じていないと判断し、少なくとも1つの商品について取消の履歴か数量減少の履歴があれば店員呼出事象が生じたと判断する。また、クラウドサーバ20は、店員呼出事象が生じたと判断した場合、少なくとも1つの商品について取消状態や数量減少状態が解消されていなければ店員呼出を許容すると判断し、全部の商品について取消状態や数量減少状態が解消されていれば店員呼出を禁止すると判断する。
【0168】
なお、店員呼出事象が生じたか否かや、店員呼出を許容するか禁止するかの判断を、個々の操作等毎に行う態様では、店員呼出に関する情報(店員呼出事象が生じたか否かや、店員呼出を許容するか禁止するかに関する情報)を、操作等毎に適宜把握することができる。一方、店員呼出事象が生じたか否かや、店員呼出を許容するか禁止するかの判断を、会計指示を受け付けた後に行う態様では、個々の操作等毎に行う態様に比べて、個々の操作等毎の処理の負荷を低減させることができる。
【0169】
(変形例2)
クラウドサーバ20とは異なる他の装置が、店員呼出処理を制御(呼出事象フラグ、呼出禁止フラグ等の各種フラグを更新)する態様である。
【0170】
図10図17に示した例では、クラウドサーバ20が、店員呼出処理を制御(呼出事象フラグ、呼出禁止フラグ等の各種フラグを更新)しているが、例えば、変形例2として、携帯端末60が、クラウドサーバ20からバスケット情報を取得し、当該バスケット情報に基づいて(又は、クラウドサーバ20から受信する画面情報に基づいて)、各種フラグを更新してもよい。会計指示を受け付けた後に店員呼出処理を制御する態様(変形例1の態様)においても同様である。つまり、携帯端末60は、会計指示を受け付けた場合、クラウドサーバ20からバスケット情報を取得し、当該バスケット情報に基づいて(又は、最新の画面情報に基づいて)、各種フラグを更新してもよい。また、変形例2として、精算装置40が、クラウドサーバ20からバスケット情報を取得し(2次元コードをスキャンした後にバスケット情報を要求し)、当該バスケット情報に基づいて、各種フラグを更新してもよい。
【0171】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0172】
また、図10図17に示した例では、数量減少させた商品(数量減少状態の商品)について数量増加操作があった場合には、所定の条件に応じて(増加後の数量が過去最大数量であれば)、当該商品の数量減少状態フラグ(個別)の値を「1」から「0」に更新しているが(図16(A)のステップS220)、無条件に(増加後の数量が過去最大数量でなくても)、当該商品の数量減少状態フラグ(個別)の値を「1」から「0」に更新するようにしてもよい。つまり、図10図17に示した例では、数量減少させた商品について減少分の数量に回復する迄増加させた場合に、当該商品の数量減少を店員呼出の理由としないようにしているが、減少分の数量に回復する迄増加させていない場合であっても、当該商品の数量減少を店員呼出の理由としないようにしてもよい。
【0173】
また、図10図17に示した例では、取り消した商品(取消状態の商品)についてスキャン(再スキャン)があった場合には、所定の条件に応じて(当該商品の過去最大数量が1であれば)、当該商品の数量減少状態フラグ(個別)の値を「0」としているが(図14(A)のステップS120)、無条件に(当該商品の過去最大数量が2以上であっても)、当該商品の数量減少状態フラグ(個別)の値を「0」としてもよい。つまり、図10図17に示した例では、取り消した商品について再登録させた場合、当該商品の過去最大数量が1であれば、(再登録直後の数量は1であるため)再登録によって数量減少状態とはならないため、当該商品の数量減少を店員呼出の理由としないようにしているが、当該商品の過去最大数量が2以上であっても、当該商品の数量減少を店員呼出の理由としないようにしてもよい。
【0174】
また、図10図17に示した例では、呼出事象フラグ、呼出禁止フラグ、数量減少状態フラグ(個別)、数量減少状態フラグ(全体)、取消状態フラグ(個別)、取消状態フラグ(全体)を設けて、店員呼出事象が生じたか否かや、店員呼出を許容するか禁止するかを判断しているが、必ずしも全部のフラグを設けなくてもよい。例えば、呼出事象フラグは、例えば、数量変更取消履歴情報から導出できるため、呼出事象フラグを必ずしも設けなくてもよい。呼出禁止フラグについても同様である。数量減少状態フラグ(全体)の値は、例えば、各商品の数量減少状態フラグ(個別)の値から導出できるため、数量減少状態フラグ(全体)を必ずしも設けなくてもよい。取消状態フラグ(全体)についても同様である。また、数量減少状態フラグ(個別)の値は、数量変更取消履歴情報から導出できるため、数量減少状態フラグ(個別)を設けなくてもよい。取消状態フラグ(個別)についても同様である。
【0175】
また、上記では、顧客が、購入を止めるとしていた商品Aについて改めて購入する場合には、当該顧客の商品Aに対する購買行動(購入→止め→購入)に関しては店員呼出の理由とならないようにしているが、購入を止めるとしていた商品Aに関連する商品Bについて購入する場合には、当該顧客の商品A等に対する購買行動(購入→止め→関連する商品の購入)に関しても店員呼出の理由とならないようにしてもよい。つまり、上記では、取消状態フラグ(個別)の値が「1(取消状態)」である商品Aが再登録された場合には、当該商品Aの取消状態フラグ(個別)の値を「0(再登録状態)」に更新しているが、取消状態フラグ(個別)の値が「1(取消状態)」である商品Aに関連する商品Bが登録された場合にも、当該商品Aの取消状態フラグ(個別)の値を「0(再登録状態)」に更新するようにしてもよい。商品Aに関連する商品Bとは、例えば、商品Aの代替えとなり得る商品である。例えば、トマトジュースが商品Aである場合、野菜ジュースが商品Bである。
【0176】
また、上記では、顧客が、購入数量を減少させた商品Aについて減少前の数量に増加させた場合には、当該顧客の商品Aに対する購買行動(減少→増加)に関しては店員呼出の理由とならないようにしているが、購入数量を減少させた商品Aに関連する商品Bについて数量を増加させた場合には、当該顧客の商品A等に対する購買行動(減少→関連する商品の増加)に関しても店員呼出の理由とならないようにしてもよい。つまり、上記では、数量減少状態フラグ(個別)の値が「1(数量減少状態)」である商品Aの数量を減少前の数量に増加された場合には、当該商品Aの数量減少状態フラグ(個別)の値を「0」に更新しているが、数量減少状態フラグ(個別)の値が「1(数量減少状態)」である商品Aに関連する商品の数量を数量に増加された場合(例えば、商品Aの減少分以上、増加させた場合)にも、当該商品Aの数量減少状態フラグ(個別)の値を「0」に更新するようにしてもよい。
【0177】
なお、複数の商品間の関連性に関する情報(ある商品に関連する商品はどの商品であるかを特定するための情報)については、販売システム1内(例えば、クラウドサーバ20)に記憶し、適宜、参照すればよい。
【0178】
上記では、どのような顧客であっても同様に、店員呼出処理を制御(呼出事象フラグ、呼出禁止フラグ等の各種フラグを更新)しているが、顧客に応じて、店員呼出処理を制御してもよい。例えば、顧客毎の過去の操作実績等に応じて店員呼出処理を制御してもよい。
【0179】
一例として、数量減少操作や商品取消操作の頻度が所定の基準頻度(例えば、来店1回あたり1回、買上金額千円あたり1回等)以上の顧客については、数量減少操作、商品取消操作、数量増加操作、再登録に応じて店員呼出処理を制御し(図10図17にて例示したように制御し)、一方、数量減少操作や商品取消操作の頻度が所定の基準頻度未満の顧客については、数量減少操作、商品取消操作、数量増加操作、再登録の有無にかかわらず、常に店員呼出処理を禁止してもよい(数量減少操作の後に数量増加操作を行わなくても商品取消操作の後に再登録を行わなくても店員呼出処理を行わないようにしてもよい)。これにより、より好適に、店員呼出の手間を削減することができる。
【0180】
他の例として、数量減少操作や商品取消操作の頻度が所定の基準頻度以上の顧客については、呼出事象フラグの値が「1(発生済)」且つ呼出禁止フラグの値が「0(許容)」であれば、常に店員呼出処理を実行し(図10図17にて例示したように制御し)、数量減少操作や商品取消操作の頻度が所定の基準頻度未満の顧客については、呼出事象フラグの値が「1(発生済)」且つ呼出禁止フラグの値が「0(許容)」であっても、店員呼出処理を実行する場合と実行しない場合とがあるようにしてもよい。なお、所定割合(例えば50%。頻度が少ない場合にはより少ない割合であってもよい)で、ランダムに店員呼出処理を実行するか否かを決定してもよい。これにより、特定の顧客(数量減少操作や商品取消操作の頻度が所定の基準頻度未満の顧客)に対して適度な緊張感を与えつつ、より好適に、店員呼出の手間を削減することができる。
【0181】
なお、過去の操作実績等(数量減少操作や商品取消操作の頻度等)に代えて又は加えて、購買実績等に基づく貢献度に応じて顧客を分類し、店員呼出処理を制御してもよい。
【0182】
また、数量変更取消履歴情報を参照し、一取引中における夫々の商品を対象とする夫々の数量変更操作や商品取消操作の回数が所定の基準回数以上(1取引において3回以上)となった場合には、無条件に(数量増加操作や再登録の有無にかかわらず)、店員呼出処理を実行するようにしてもよい。なお、顧客に応じて、上記基準回数を異ならせてもよい。また、顧客に代えて又は加えて、商品の価格に応じて、上記基準回数を異ならせてもよい。
【0183】
上述した、一取引中における夫々の商品を対象とする夫々の数量変更操作や商品取消操作の回数による制御に代えて又は加えて、数量変更取消履歴情報を参照し、一取引中における全商品を対象とする全体の数量変更操作や商品取消操作の回数が所定の基準回数以上(1取引において10回以上)となった場合には、無条件に、店員呼出処理を実行するようにしてもよい。なお、顧客に応じて、上記基準回数を異ならせてもよい。また、顧客に代えて又は加えて、商品の価格に応じて、上記基準回数を異ならせてもよい。
【0184】
また、数量変更取消履歴情報を参照し、一取引中における夫々の商品を対象とする夫々の数量変更操作や商品取消操作の回数が所定の基準回数以上(1取引において3回以上)となった場合には、顧客に報知(当該顧客の携帯端末60に当該商品に対する数量変更操作等が多い旨、数量を確認すべき旨等を表示等)してもよいし、顧客に報知することに代えて又は加えて、店員に報知(客が使用する端末(監視装置50、登録精算装置30、店員が使用する非図示の携帯端末等に当該商品に対する数量変更操作等が多い旨等を通知等)してもよい。一取引中における全商品を対象とする全体の数量変更操作や商品取消操作の回数が所定の基準回数以上(1取引において10回以上)となった場合においても同様である。
【0185】
なお、上記では、精算装置40は、基本的には顧客に操作によって精算処理を実行する装置であると説明したが、携帯端末60によって登録された商品を精算する装置は、精算処理に加えて登録処理も実行可能な装置であってもよい。例えば、携帯端末60によって登録された商品を精算する装置は、店員によるモード切替操作や他装置からのモード切替指示に応じて動作モードが切り替わる装置(例えば、両側(店員側、客側)から操作が可能であり、動作モードとして、例えば、店員が登録処理を実行し客が精算処理を実行する動作モード、客が登録処理も精算処理も実行する動作モード、店員が登録処理を実行する動作モード(精算処理機能をオフしたモード)、客が精算処理を実行する動作モード(登録処理機能をオフしたモード)を有する装置等)であってもよい。
【0186】
以下に、付記1~6を開示する。
【0187】
(付記1)
顧客の操作に基づいて商品の登録処理を実行する登録手段と、
顧客の操作に基づいて商品の登録情報を用いて精算処理を実行する精算手段と、
精算処理の実行前迄に顧客が所定の呼出事由操作を行っているかに基づいて精算処理の実行時における店員呼出の実行を制御する呼出制御手段と
を備え、
前記呼出制御手段は、
精算処理の実行前迄に顧客が前記呼出事由操作を行っている場合であっても、前記呼出事由操作に加えて所定の呼出制限操作も行っている場合には、精算処理の実行時における店員呼出を実行しないように制御する
ことを特徴とするセルフ登録システム。
【0188】
付記1によれば、客による不正を好適に防止することができる。つまり、呼出事由操作があったものの呼出制限操作もあったような場面は、客が不正を行なった可能性は比較的低いと考えられるため、店員呼出を実行しないようにすることで(すなわち、客が不正を行なった可能性が比較的高いと考えられる場合に絞って店員呼出を実行することで)、好適に(店員の負荷と不正防止の効果との関係において効率的に)、不正を防止することができる。
【0189】
(付記2)
前記呼出事由操作は、
前記登録手段によって登録された登録商品の登録を取り消す商品取消操作(商品取消ボタン608による商品取消操作等)、又は、前記登録商品の数量を減少させる数量減少操作(マイナスボタン607による数量減少操作等)であり、
前記呼出制限操作は、
前記商品取消操作によって登録を取り消した商品を再登録する操作(バーコードをスキャンする操作)、又は、前記数量減少操作によって数量を減少させた前記登録商品の数量を増加させる操作(プラスボタン606による数量増加操作等)である
ことを特徴とする付記1に記載のセルフ登録システム。
【0190】
付記2によれば、客による不正を好適に防止することができる。
【0191】
(付記3)
前記呼出制限操作は、
前記商品取消操作によって登録を取り消した商品と関連する他の商品を登録する操作、又は、前記数量減少操作によって数量を減少させた前記登録商品と関連する他の前記登録商品の数量を増加させる操作である
ことを特徴とする付記2に記載のセルフ登録システム。
【0192】
付記3によれば、客による不正をより好適に防止することができる。例えば、カゴに入れた商品(既に登録した商品)よりもよい商品(既に登録した商品に関連した商品)を見つけた場合、既に商品した商品を取り消した後に関連した商品を登録するといった操作が行われる。当該操作は、通常行われる操作であり、客が不正を行なった可能性は比較的低いと考えられる。従って、取り消した商品を登録する場合と同様、取り消した商品と関連する他の商品を登録した場合にも、店員呼出の対象から除外すれば、より好適に(店員の負荷と不正防止の効果との関係において効率的に)、不正を防止することができる。
【0193】
(付記4)
前記商品取消操作によって前記登録商品の登録を取り消した場合、又は、前記数量減少操作によって前記登録商品の数量を減少させた場合に、商品を棚に戻す旨を報知する報知手段
を更に備えることを特徴とする付記2又は付記3に記載のセルフ登録システム。
【0194】
付記4によれば、商品を棚に戻し忘れるのを防止することができる。
【0195】
(付記5)
前記呼出制御手段は、
特定の顧客が操作している場合には、前記呼出事由操作及び前記呼出制限操作の有無にかかわらず、精算処理の実行時における店員呼出を実行しないように制御する
ことを特徴とする付記1乃至付記4の何れかに記載のセルフ登録システム。
【0196】
付記5によれば、客による不正を好適に防止することができる。特定の顧客に絞って、好適に(店員の負荷と不正防止の効果との関係において効率的に)、不正を防止することができる。
【0197】
(付記6)
精算処理の実行時の表示画面の表示態様は、
店員呼出が実行される場合と実行されない場合とで異なる
ことを特徴とする付記1乃至付記5の何れか記載のセルフ登録システム。
【0198】
付記6によれば、店員呼出が実行されるか否かを一見して確認することができる。
【0199】
なお、以上に説明した販売システム1、管理装置10、クラウドサーバ20、登録精算装置30、精算装置40、監視装置50、携帯端末60等を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0200】
1…販売システム(特定販売システムを含む)
10…管理装置(ストアコントローラ等)
20…クラウドサーバ
30…登録精算装置
40…精算装置
50…監視装置
60…携帯端末
401…CPU
402…ROM
403…RAM
404…ハードディスク
405…表示部
406…スキャナ部
408…カード決済部
409…釣銭機
413…印刷部
414…音声出力部
415…通信部
図1
図2
図3
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図5
図6
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図10
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