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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】縦型製袋充填装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/20 20120101AFI20240729BHJP
【FI】
B65B9/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020091890
(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公開番号】P2021187455
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】391024744
【氏名又は名称】不双産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 保彦
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/141871(WO,A1)
【文献】特開平05-193615(JP,A)
【文献】特開2011-168287(JP,A)
【文献】特開2015-077984(JP,A)
【文献】特開平08-512268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦シール手段と横シール手段を利用した包材のシールによる製袋化と原料の充填が行われる縦型製袋充填装置において、
包材に対して互いに直交する2つの横シール方向にそれぞれ対応した二組の横シール手段を備え、
前記横シール手段は、超音波ホーン側横シールユニットと受けロール側横シールユニットで構成され、それぞれの横シールユニットが上下移動機構と前後移動機構と横移動機構を備えており、
前記包材の下方への縦送り連続動作中における、上記の移動機構による移動動作により、一方の横シール手段による横シールと他方の横シール手段による横シールが交互に実施されて、前記包材が三角錐状に順次製袋化されていくことを特徴とする縦型製袋充填装置であって、
前記超音波ホーン側横シールユニットは前記包材の押え板と、前記押え板に形成され、前記包材を重ね合わせて扁平にしたときの幅方向の長さよりも長い横長の長孔と、前記押え板と前後方向の移動が連動する超音波ホーンを備え、
前記受けロール側横シールユニットは前記包材の押え板と、前記押え板に形成され、前記包材を重ね合わせて扁平にしたときの幅方向の長さよりも長い横長の長孔と、前記押え板と前後方向の移動が連動する受けロールを備え、
上方視で、前記超音波ホーン側横シールユニットの押え板と前記受けロール側横シールユニットの押え板は平行で、前記超音波ホーン側横シールユニットでは前記超音波ホーンの振動子は前記長孔を貫通して前記包材側に突出し、前記受けロール側横シールユニットでは前記受けロールの受け面は前記長孔を貫通して前記包材側に突出しており、
前記超音波ホーン側横シールユニットと前記受けロール側横シールユニットは前記包材の下方への縦送り連続動作に同期した下方への移動中に、前記超音波ホーンと前記受けロールが前記包材に対して横方向に移動することで、前記超音波ホーンの振動子と前記受けロールの受け面は斜め軌道を正対のまま下方に移動しながら横シールを実施し、且つ、
前記超音波ホーン側横シールユニットと前記受けロール側横シールユニットは、横シールの実施の前には、前方に移動しながら下方に移動し、実施の後には、後方に移動しながら下方に移動し、前記横移動機構による横移動の始点と終点は前記包材を挟まずに前記超音波ホーンの振動子と前記受けロールの受け面が正対することを特徴とする縦型製袋充填装置。
【請求項2】
請求項1に記載した縦型製袋充填装置において、
側方視で、横シール手段の超音波ホーンと受けロールは上下移動機構及び前後移動機構により包材を挟んで対向する同じ形状の周回軌道上を互いに逆方向に同期して移動し、前方のシール作業位置に移動した後の下方への移動中に縦送りされる包材に対して横シールが実施されており、
二組の横シール手段における前記周回軌道上の移動の位相のずれにより交互の横シールが実現されていることを特徴とする縦型製袋充填装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した縦型製袋充填装置において、
上方視で、二組の横シール手段のそれぞれの一対の押え板が共に後退位置にあるときには、四角形の角部に相当する位置が欠落した枠状をなしており、一方の一対の押え板の前進移動に他方の一対の押え板が干渉しないことを特徴とする縦型製袋充填装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載した縦型製袋充填装置において、
押え板に対して固定されたモータの回転軸による回動を超音波ホーンまたは受けロールの横移動に変換する変換機構を介して超音波ホーンまたは受けロールが連結されていることを特徴とする縦型製袋充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋充填工程において連続した包材を下方に向かって縦送りすることを特徴とする縦型製袋充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
縦型製袋充填装置では、縦方向に連続した帯状包材の幅方向両端部が合掌され縦シールが施されて筒状に成形され、原料が充填される前後にその筒状包材を横切る方向に間隔をあけて横シールが施されると共にその横シール部の中間でカットされており、連続的に原料が充填された袋体が製造される。
シールに関しては、一組の超音波ホーンと受けロールを利用し、加圧下で超音波振動を起こさせて接合する超音波方式が現在のところ主流になっており、特許文献1に記載のように、三角錐状に製袋化する場合には、横シール用の一組の超音波ホーンと受けロールを回転させる水平回転機構を設けて、包材の横シール方向を0°と90°に交互に変えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭63-99804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
競合他社の縦型製袋充填装置との差別化を図るために、製袋充填能力を更に高めることが常に求められており、各工程に要する時間の短縮化の可能性が模索されている。
而して、超音波方式ではシール強度はシール時間に依存するために、縦シール、横シールともシール時間を短縮することは難しい。
従来は包材の縦送りを間欠動作にして停止中に横シールを実施しており、縦送りを連続動作にしてその連続動作中に横シールを並行して実施できれば、製袋に要する時間を短縮できるが、横シール側の水平回転機構に縦送りと同じ速度で下降して横シールを終了した後に次の横シールに備えて高速度で上昇して戻る上下移動機構を付属させることになり、大容量のアクチュエータが必要となるだけでなく、激しい騒音や振動を抑制するために大きな筐体も必要となる。すなわち、製造コスト、消費エネルギー、騒音、振動面で、高速化のメリットよりもデメリットの方が大きくなる。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、包材の縦送りを連続動作にしてその縦送り連続動作中に横シールを並行して実施するアイデアを生かして高速化のメリットを享受しつつ、上記した製造コスト、消費エネルギー、騒音、振動面でのデメリットの発生を阻止できる、新規且つ有用な縦型製袋充填装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、 縦シール手段と横シール手段を利用した包材のシールによる製袋化と原料の充填が行われる縦型製袋充填装置において、包材に対して互いに直交する2つの横シール方向にそれぞれ対応した二組の横シール手段を備え、前記横シール手段は、超音波ホーン側横シールユニットと受けロール側横シールユニットで構成され、それぞれの横シールユニットが上下移動機構と前後移動機構と横移動機構を備えており、前記包材の下方への縦送り連続動作中における、上記の移動機構による移動動作により、一方の横シール手段による横シールと他方の横シール手段による横シールが交互に実施されて、前記包材が三角錐状に順次製袋化されていくことを特徴とする縦型製袋充填装置であって、前記超音波ホーン側横シールユニットは前記包材の押え板と、前記押え板に形成され、前記包材を重ね合わせて扁平にしたときの幅方向の長さよりも長い横長の長孔と、前記押え板と前後方向の移動が連動する超音波ホーンを備え、前記受けロール側横シールユニットは前記包材の押え板と、前記押え板に形成され、前記包材を重ね合わせて扁平にしたときの幅方向の長さよりも長い横長の長孔と、前記押え板と前後方向の移動が連動する受けロールを備え、上方視で、前記超音波ホーン側横シールユニットの押え板と前記受けロール側横シールユニットの押え板は平行で、前記超音波ホーン側横シールユニットでは前記超音波ホーンの振動子は前記長孔を貫通して前記包材側に突出し、前記受けロール側横シールユニットでは前記受けロールの受け面は前記長孔を貫通して前記包材側に突出しており、前記超音波ホーン側横シールユニットと前記受けロール側横シールユニットは前記包材の下方への縦送り連続動作に同期した下方への移動中に、前記超音波ホーンと前記受けロールが前記包材に対して横方向に移動することで、前記超音波ホーンの振動子と前記受けロールの受け面は斜め軌道を正対のまま下方に移動しながら横シールを実施し、且つ、前記超音波ホーン側横シールユニットと前記受けロール側横シールユニットは、横シールの実施の前には、前方に移動しながら下方に移動し、実施の後には、後方に移動しながら下方に移動し、前記横移動機構による横移動の始点と終点は前記包材を挟まずに前記超音波ホーンの振動子と前記受けロールの受け面が正対することを特徴とする縦型製袋充填装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した縦型製袋充填装置において、側方視で、横シール手段の超音波ホーンと受けロールは上下移動機構及び前後移動機構により包材を挟んで対向する同じ形状の周回軌道上を互いに逆方向に同期して移動し、前方のシール作業位置に移動した後の下方への移動中に縦送りされる包材に対して横シールが実施されており、二組の横シール手段における前記周回軌道上の移動の位相のずれにより交互の横シールが実現されていることを特徴とする縦型製袋充填装置である。
【0010】
請求項の発明は、請求項1または2に記載した縦型製袋充填装置において、上方視で、横シール手段の一対の押え板は平行で、二組の横シール手段のそれぞれの一対の押え板が共に後退位置にあるときには、四角形の角部に相当する位置が欠落した枠状をなしており、一方の一対の押え板の前進移動に他方の一対の押え板が干渉しないことを特徴とする縦型製袋充填装置である。
【0011】
請求項の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した縦型製袋充填装置において、押え板に対して固定されたモータの回転軸による回動を超音波ホーンまたは受けロールの横移動に変換する変換機構を介して超音波ホーンまたは受けロールが連結されていることを特徴とする縦型製袋充填装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の縦型製袋充填装置では、二組の横シール手段を備えることにより、上記したデメリットを解消しつつ、包材の縦送りを連続動作にしてその縦送り連続動作中に横シールを並行して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る縦型製袋充填装置の側面図である。
図2図1の主要部の拡大側面図である。
図3図2の二組の横シール手段の斜視図である。
図4図2の二組の横シール手段の上面図である。
図5図3の横シール手段の超音波ホーン側横シールユニットの上下移動機構の構成図である。
図6図3の超音波ホーン側横シールユニットの前後移動機構の構成図である。
図7図3の超音波ホーン側横シールユニットの横移動機構の構成図である。
図8図7の横移動機構の分解図である。
図9図3の横シール手段の一対の横シールユニットにそれぞれ備えられた押え板の周回軌道とその移動方向のイメージ図である。
図10】二組の横シール手段(0°横シール、90°横シール)のタイミング線図である。
図11図10の複数のタイミングにおける包材Kと90°横シール部L及び0°横シール部Nの形成状況と、原料Mの充填状況を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る縦型製袋充填装置1を図面にしたがって説明する。
この縦型製袋充填装置1は、三角錐形状のティーバッグを製造するものであり、縦方向に連続した帯状包材の幅方向両端部が合掌され縦シールが施されて筒状に成形され、原料が充填される前後にその筒状包材を横切る方向に間隔をあけて横シールが施されると共にその横シール部の中間でカットされて、連続的に原料が充填された袋体が製造される。
シールには超音波方式を利用しており、包材としてはナイロン製不織布、ポリエチレン繊維製不織布等の熱溶着可能なものの使用が想定されている。
【0015】
図1図2はこの縦型製袋充填装置1の全体を示す側面図である。符号3は装置筐体を示すが、視認の便宜のため、正面部、天面部と両側面部は図示省略されている。正面側には操作パネル5が配置され、背面側には制御盤7が配置されている。この装置筐体3の上部には2個の原料計量機(図示省略)が備えられている。この原料計量機のそれぞれの投入シュートの下端が装置筐体3内に配置された投入ホッパ9に上側開口から入り込んでおり、この投入ホッパ9の下側には筒状の製袋フォーマ11が連なっている。原料計量機で一袋毎計量された原料が切り出されて投入ホッパ9を介して製袋フォーマ11内に落下する。
【0016】
原反ロール13から繰り出された帯状の連続した包材は、先行側の包材が縦シール手段の二組の上下で対向する一対の送りロール15、15に幅方向両端部が合掌した状態で挟まれており、送りロール15、15の逆回転により、後続側の包材は製袋フォーマ11の外面に沿わされて湾曲しながら上方から下方に向かって送られつつ、上下で対向する一対の送りロール15、15の間に配置された超音波ホーン17と受けロール19の間を通過して幅方向両端部に縦シールが施されて筒状に成形されていく。
【0017】
下側の一対の送りロール15、15の下方に、図3図4に示すように、二組の横シール手段が配置されており、この横シール手段に本発明の特徴が実現されている。
横シール手段は、超音波ホーン17側と受けロール19側で互いに物理的に独立した超音波ホーン側横シールユニット21と受けロール側横シールユニット59で構成されており、二組の横シール手段のそれぞれの横シールユニット21、59により、下方に連続的に縦送りされている筒状に成形された包材を横方向で囲んだ状態になる。以下、横シールユニット21、59を説明するにあたり、包材を向いた側を前方、反対側を後方と規定する。
各横シールユニット21、59は長方形のカバーケース23を備えており、前方を向いた面はシール作業用に開口されて作業口23aになっている。
【0018】
以下、超音波ホーン側横シールユニット21について、図5図8にしたがって詳細に説明する。
図5に示すように、カバーケース23の底面部には大きな開口23bが形成されている。底面部の左右両縁には凹状の取付部25の両頂部が固定されている。この取付部25は平板状で板面が前後方向を向いており、その左右両側はカバーケース23よりも延出している。その延出部分には上下方向に延びる摺動凹部25a、25aがそれぞれ設けられている。装置筐体3には3枚の平板を連結して凹形にした支持スタンド27が組付けられており、この支持スタンド27の後方側の左右両縁寄りに設けられたガイドレール27a、27aに、この摺動凹部25a、25aがそれぞれ摺動自在に外嵌されており、取付部25の移動方向がガイドされる。
【0019】
符号29は上下移動モータを示し、この上下移動モータ29のモータ筐体29aは装置筐体3に対して固定されており、その駆動回転が伝達される回転軸29bにはピニオン29c、29cが間隔をあけて外嵌固定されている。この一方のピニオン29cに、取付部25の左右方向一方側の縁部に沿って上下方向に突設されたラック25bが噛合されている。
従って、上下移動モータ29の回転駆動により噛合が進行すると、ガイドされた取付部25と一体となってカバーケース23が上下方向に移動する。
【0020】
カバーケース23の底面部の下側にはボールねじ機構31が設けられている。ボールねじ軸31aが作業口23aに向かって直行する向きに、すなわち前後方向に延びた状態で軸周りに回転可能に取付けられており、このボールねじ軸31aにボールねじナット31bが係合されている。このボールねじナット31bの上面からは複数の支持柱31c、31c、……がカバーケース23の開口23bを通り抜けて立ち上がっており、載置プレート33を持ち上げ支持している。
載置プレート33の左右両縁からは枠壁35、35が立ち上がっており、この枠壁35、35は作業口23aを超えて前方に延びている。枠壁35、35の前端部には押え板37が架け渡されて凹状に一体化している。この押え板37は板面が前後方向を向いた横長の長方形になっており、横方向に長い長孔37aが形成されている。この長孔37aは横シールの際に包材が挟持されて扁平になったとき、その幅方向の長さよりも長くなるよう設計されている。従って、包材が挟持されたときには長孔37aの左右方向両端側に包材の無い隙間が形成される。
【0021】
枠壁35、35の左右方向外側には摺動筒39、39が連結されている。一方、カバーケース23側の左右方向内側には前後方向に延びた状態でガイド軸41、41が取付けられている。このガイド軸41に摺動筒39がガイド軸41の軸線方向に摺動自在に外嵌されており、枠壁35、35及び押え板37の移動方向がガイドされる。
【0022】
図6で符号43は前後移動モータを示し、この前後移動モータ43のモータ筐体43aは取付部25に固定されている。前後移動モータ43の回転駆動が伝達されるプーリ43bと、ボールねじ軸31aに連結され、取付部25の開口部25cから後方に突出したプーリ31dにタイミングベルト(図示省略)が架け渡されている。
従って、前後移動モータ43の回転駆動によりボールねじナット31bが螺進すると、ガイドされた載置プレート33と一体となって押え板37が前後方向に移動する。
【0023】
図7に示すように、載置プレート33には横移動モータ45のモータ筐体45aが載せられて固定されており、この回転軸45bは前方に向かって延びている。回転軸45bの先端側にはレバー47の一端部が固定されており、このレバー47の他端部にはカムフォロア49が固定されている。横移動モータ45の回転駆動によりレバー47が回動し、このカムフォロア49が回転軸45bを中心として円弧状の軌道を往復移動する。
一方、符号51は支持プレートを示し、この支持プレート51は帯板状になっている。支持プレート51の一端側には2穴の移動筒53が取付けられている。一対の枠壁35の延長部分には前後方向と直交する方向に2本のガイド軸55、55が貫通横架されており、このガイド軸55、55が移動筒53の2穴に挿通されている。すなわち、支持プレート51は移動筒53を介して前方に突き出た状態で片持ち支持されており、板面は常に上下方向に矯正されている。そして、移動筒53は、支持プレート51と共に、横方向、すなわち左右方向の移動のみが許容されている。
【0024】
図8に示すように、移動筒53には後方を向いた面にガイド溝53aが形成されている。このガイド溝53aは上側から下端に向かってスリット状に細長く延びている。このガイド溝53aにカムフォロア49が摺動可能に係合した状態で収容されており、横移動モータ45の回転駆動によりカムフォロア49が円弧状の軌道上を移動するときにガイド溝53a内を摺動しながら移動筒53を横方向に動かす。従って、移動筒53と共に、支持プレート51が横方向に移動する。
【0025】
支持プレート51には、超音波ホーン57が載せられて固定されており、振動子57aは支持プレート51より前方に突き出ている。振動子57aの先端部は押え板37の長孔37aを貫通している。従って、横移動モータ45の駆動により生じた回転軸45bの回動が横移動に変換されて超音波ホーン57が横移動する。振動子57aの軸部は押え板37の長孔37a内を横移動しており、上記したように包材が一対の押え板37、37の間で押さえられて扁平になったときに、横シール漏れが無いように、包材の左右両端を超えて隙間まで振動子57aが移動する。
【0026】
超音波ホーン側横シールユニット21は上記のように構成されており、上下移動機構によりカバーケース23全体が上下移動し、前後移動機構によりカバーケース23に対して押え板37と超音波ホーン57が共に前後移動し、横移動機構により超音波ホーン57が押え板37に対して横移動する。
受けロール側横シールユニット59もほぼ同様に構成されているが、超音波ホーン57の代わりに受けロール61が支持プレート51に載せられて固定されている。受け面61aも支持プレート51より前方に突き出して、押え板37の長孔37aを貫通している。従って、横移動モータ45の回動駆動により、受けロール61は横移動し、その際受け面61aの一部は押え板37の長孔37a内を横移動する。
【0027】
超音波ホーン側横シールユニット21と、受けロール側横シールユニット59のそれぞれの押え板37、37の板面が包材を挟んで平行に対向する方向で配置されており、押え板37、37が接近し包材を挟持した状態になったときには、それぞれの長孔37a、37aは孔縁が揃った状態で連通する。従って、包材を押え板37、37によって上下左右で押さえつつ、超音波ホーン57の振動子57aと受けロール61の受け面61aが正対した状態で長孔37a全体を使った横移動が可能となっている。受けロール61の受け面61aの近傍にはカッタ61bも備えられているので、横シールと共にカットが実行される。
【0028】
上下移動機構の上下移動モータ29は、一対の横シールユニット21、59で共用されており、超音波ホーン側横シールユニット21側に配置された上下移動モータ29のモータ筐体29aから回転軸29bが対向する受けロール側横シールユニット59に向かって伸長しており、双方のカバーケース23、23は1つの上下移動モータ29の回転駆動により上下動する。
【0029】
包材を囲んで二組の横シール手段が備えられており、一方の横シール手段の一対の押え板37、37が他方の横シール手段の一対の押え板37、37と直交するように配置されている。従って、それぞれ、カバーケース23の作業口23a側に押え板37が最大限戻った状態、すなわち後退位置にあるときには、図4の上面図に示すように、押え板37、37、37、37で四角形の角部に相当する位置が欠落した枠状をなす。従って、一方の横シール手段の一対の押え板37、37が後退位置にあれば、他方の横シール手段の一対の押え板37、37が当該一方の横シール手段の一対の押え板37、37に干渉されずに、包材に向かって前進し、包材を押さえて横シールを実施し、その横シール終了後には後退位置に戻ることができる。
【0030】
二組の横シール手段は上記のように構成されており、包材の下方への縦送り連続動作と並行して、図9のイメージ図に示すように、横シール手段の一対の横シールユニット21、59のそれぞれの押え板37(及び超音波ホーン57)、37(及び受けロール61)が同じ形状の周回軌道上を矢印に示す方向で同期して逆方向に移動する。前進して横シールの作業位置(CL)に到達して包材を一対の押え板37、37で挟持した後は、包材の縦送りの速度と同じ速度で一対の押え板37、37は下方に移動する。t1、t3(押え板の開閉動作の時間)、t2(横シール時間)、t4、t6(押え板の接離動作の時間)、t5(押え板の上昇戻り時間)のうち、t6と、t1~t4までの時間域が、横シールユニットの干渉域になっている。t2(横シール時間)では、超音波ホーン57の振動子57aと受けロール61の受け面61aは、横移動と下移動の合成により、正対した状態を保ちながら斜め軌道を下方に向かって移動する。
【0031】
二組の横シール手段は、横シールユニットの干渉域で交錯しないよう、調整された位相差をもって移動させることで、包材に対して縦送りの連続動作中に、当該二組の横シール手段で横シールを交互に実施することができる。それぞれの横シール手段による横シールの方向は0°と90°で互いに直交しているので、包材は三角錐状に製袋化される。包材が筒状に成形され更に有底化された段階で原料が上方の開口から落下充填される。
【0032】
図10は、タイミング線図であり、図11は、図10のタイミング時の包材Kと90°横シール部L及び0°横シール部Nの形成状況と、原料Mの充填状態を示すイメージ図である。
(A)では、先行する包材Kの90°横シール部Lによる底部が形成され、原料Mが充填済みになっており、90°横シールユニット(押え板37)が後退しつつ、その一方で、0°横シールユニット(押え板37)が接近しつつある。
(B)では、0°横シールユニット(押え板37)が包材Kの縦送りの連続動作中に、包材Kを押さえて、横シールを開始すると共に、後続の包材K用に原料Mが落下充填を開始する。
(C)では、0°横シールが進行する。
(D)では、0°横シールが完了して、先行する包材Kでは天部(=0°横シール部N)が完成し、後続の包材Kに対してカットされて分離落下する。また、後続の包材Kでは底部(=0°横シール部N)が完成すると共に、原料Mの充填が完了する。
(E)では、0°横シールユニット(押え板37)が後退しつつ、その一方で、90°横シールユニット(押え板37)が接近しつつある。
【0033】
このように、包材Kの縦送り連続動作中に、二組の横シール手段がそれぞれ0°と90°での横シールを各別に担当して実施するので、縦送りの速度が製袋充填速度になり、製袋に要する時間を短縮できる。また、横シールユニットは90°反転動作が不要になるので、上下移動させるのに大容量のアクチュエータは必要としない。
更に、横シール部は包材Kを完全に横断させた状態で形成するために、超音波ホーン57の振動子57aと受けロール61の受け面61aは正対状態を維持しながら包材Kの幅方向一端の手前から横断を開始して他端を超える位置まで移動するので、移動の始点と終点では包材Kを挟まずに正対することになるが、横シールの直前に互いに接近して正対し、横シールを終了すると互いに離間するので、摩耗が阻止される副次的な効果も得られる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1…縦型製袋充填装置 3…装置筐体 5…操作パネル 7…制御盤
9…投入ホッパ 11…製袋フォーマ 13…原反ロール 15…送りロール
17…超音波ホーン 19…受けロール 21…超音波ホーン側横シールユニット
23…カバーケース 23a…作業口 23b…開口 25…取付部
25a…摺動凹部 25b…ラック 25c…開口部 27…支持スタンド
27a…ガイドレール 29…上下移動モータ 29a…モータ筐体
29b…回転軸 29c…ピニオン 31…ボールねじ機構
31a…ボールねじ軸 31b…ボールねじナット 31c…支持柱
31d…プーリ 33…載置プレート 35…枠壁 37…押え板
37a…長孔 39…摺動筒 41…ガイド軸 43…前後移動モータ
43a…モータ筐体 43b…プーリ 45…横移動モータ
45a…モータ筐体 45b…回転軸 47…レバー 49…カムフォロア
51…支持プレート 53…移動筒 53a…ガイド溝 55…ガイド軸
57…超音波ホーン 57a…振動子 59…受けロール側横シールユニット
61…受けロール 61a…受け面 61b…カッタ
K…包材 L…90°横シール部 N…0°横シール部
M…原料
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