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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】端部構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/158 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
E04D13/158 501E
E04D13/158 501P
E04D13/158 501A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020155252
(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2022049179
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2023-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000165505
【氏名又は名称】元旦ビューティ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】舩木 元旦
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-087118(JP,U)
【文献】特開2014-015721(JP,A)
【文献】実開昭63-085729(JP,U)
【文献】特開平11-159071(JP,A)
【文献】実開昭63-171504(JP,U)
【文献】中国実用新案第202187500(CN,U)
【文献】欧州特許出願公開第2952647(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00-15/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物のケラバに沿って配設される下部材と、カバー部材からなる端部構造であって、
前記下部材は、下地への固定部と、底面に勾配を有して上方が開口する排水空間が形成され、該排水空間の外側壁部には、前記カバー部材と連結される被差し込み部と、前記下地上に配設された外装材の端部を下方から支持する支持部とが備えられ、
前記カバー部材は、前記外装材端部を覆い、前記下部材と連結される差し込み部と、前記下部材への固定部とを備え、
前記差し込み部を前記被差し込み部に連結することにより、前記カバー部材と前記下部材とで前記外装材端部を上下から挟持状に保持していることを特徴とする端部構造。
【請求項2】
前記外装材表面と前記カバー部材の裏面間に弾性を有する止水材を介在させることを特徴とする請求項1に記載の端部構造。
【請求項3】
前記下部材と前記カバー部材とは、上方からの締着部材の締め付けにて固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の端部構造。
【請求項4】
前記外装材の端部の厚みに応じ、前記排水空間の深さが異なる下部材を選択して用いることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の端部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水手段を備える端部構造を、特別な技量を必要とすることなく容易に施工することができ、屋根材の種類などにも対応できる端部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
横葺き、縦葺き等からなる屋根のケラバ(妻側)は、例えば特許文献1,2に記載されるような外装材の端部を、断面コ字状の納め部材に差し込む施工態様、或いは特許文献3に記載されるようなケラバ部材に外装材の端部を巻き込む(つかみ込む)施工態様等にて行われている。
前記特許文献1は、折り返し片4、覆い片5、延出片6にて断面コ字状部分が形成されるけらば部材に関する提案であって、前記特許文献2は、包み片3の内方に逆L字状の補強体Aが配設されたケラバキャップ1と捨板片2との間に横葺き屋根板4の端縁を差し込むことが記載されている。また、前記特許文献3は、水平状の載置片F7と垂下片F8にて屋根材Aの端部を巻き込むことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-208541号公報
【文献】特開平11-030013号公報
【文献】特開2015-175148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1,2に記載の施工態様では、形成される断面コ字状部分が一定であるため、屋根材の種類や下地の構成(例えば断熱材等の厚み)に対応できず、様々な高さ(厚さ)のものを用意する必要があり、管理の手間やコスト上昇が避けられなかった。
また、前記特許文献3に記載の施工態様では、外装材(屋根材A)の端部を下方へ曲げ加工しなければならず、ケラバの全長を施工するため非常に手間の掛かるものであった。しかも、その作業は、作業者の技量に依存するため、その技量が低いと意匠性を損ねたり飛散や漏水という問題が生じる恐れもあった。
【0005】
そこで、本発明は、排水手段を備える端部構造を、特別な技量を必要とすることなく容易に施工することができ、屋根材の種類などにも対応できる端部構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記に鑑み提案されたものであって、建築物のケラバに沿って配設される下部材と、カバー部材からなる端部構造であって、前記下部材は、下地への固定部と、底面に勾配を有して上方が開口する排水空間が形成され、該排水空間の外側壁部には、前記カバー部材と連結される被差し込み部と、前記下地上に配設された外装材の端部を下方から支持する支持部とが備えられ、前記カバー部材は、前記外装材端部を覆い、前記下部材と連結される差し込み部と、前記下部材への固定部(以下、下部材の固定部と区別するため連絡固定部とする)とを備え、前記差し込み部を前記被差し込み部に連結することにより、前記カバー部材と前記下部材とで前記外装材端部を上下から前記下部材と前記カバー部材で前記外装材端部を挟持状に保持していることを特徴とする端部構造を提案するものである。
【0007】
また、本発明は、前記端部構造において、前記外装材表面と前記カバー部材の裏面間に弾性を有する止水材を介在させることを特徴とする端部構造をも提案する。
【0008】
また、本発明は、前記端部構造において、前記下部材と前記カバー部材とは、上方からの締着部材の締め付けにて固定されていることを特徴とする端部構造をも提案する。
【0009】
また、本発明は、前記端部構造において、前記外装材の端部の厚みに応じ、前記排水空間の深さが異なる下部材を選択して用いることを特徴とする端部構造をも提案する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の端部構造は、排水手段を備える端部構造を、特別な技量を必要とすることなく容易に施工することができ、外装材の端部の厚みも限定しないので各種の屋根材の種類などにも対応できる。特にカバー材の差し込み部を下部材の被差し込み部に連結することにより、カバー部材と下部材とで外装材端部を上下から下部材とカバー部材で挟持状に保持でき、外装材端部が簡易に且つ確実に固定される。
【0011】
また、前記外装材表面と前記カバー部材の裏面間に弾性を有する止水材を介在させる場合、雨水の浸入を確実に防止することができる。
【0012】
また、前記下部材と前記カバー部材とは、上方からの締着部材の締め付けにて固定されている場合、容易に且つ確実に外装材端部を挟持状に保持することができる。
【0013】
また、前記外装材の端部の厚みに応じ、前記排水空間の深さが異なる下部材を選択して用いるようにすれば、各種の外装材に対して容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)本発明の端部構造の第1実施例を示す断面図、(b)第2実施例を示す断面図である。
図2】(a)第1実施例及び第2実施例に用いたカバー部材の斜視図、断面図、(b)第1実施例に用いた下部材の斜視図、断面図、(c)第2実施例に用いた下部材の斜視図、断面図である。
図3】(a)第1実施例の下部材にカバー部材を組み付けた状態を示す斜視図、(b)第2実施例の下部材にカバー部材を組み付けた状態を示す斜視図、(c)第2実施例の要部を示す斜視図である。
図4】(a)本発明の端部構造の第3実施例を示す断面図、(b)第4実施例を示す断面図である。
図5】(a)本発明の端部構造の第5実施例を示す断面図、(b)第6実施例を示す断面図、(c)第7実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、建築物のケラバに沿って配設される下部材と、カバー部材からなる端部構造であって、前記下部材は、下地への固定部と、底面に勾配を有して上方が開口する排水空間が形成され、該排水空間の外側壁部には、前記カバー部材と連結される被差し込み部と、前記下地上に配設された外装材の端部を下方から支持する支持部とが備えられ、前記カバー部材は、前記外装材端部を覆い、前記下部材と連結される差し込み部と、前記下部材への連絡固定部とを備え、前記差し込み部を前記被差し込み部に連結することにより、前記カバー部材と前記下部材とで前記外装材端部を上下から挟持状に保持していることを特徴とする。
【0016】
本発明の端部構造を構成する下部材は、前述のように下地への固定部と、底面に勾配を有して上方が開口する排水空間が形成される通し材(樋状材)であり、前記下地上に配設された外装材の端部を下方から支持する支持部が備えられている。なお、底面の勾配は、流れ(長さ)方向に形成されるが、後述する図示実施例のように内側から外側へ勾配をつけてもよい。
一方、前記カバー部材は、前記排水空間を覆う(覆い部を備える)部材であり、通し材であっても一定長さの定尺材であってもよく、組み合わせであってもよい。また、単一部材からなるものでも、複数部材からなるものでもよく、複数部材からなる場合は、同質材であっても異質材であってもよく、更に連結状に一体化するものでも被覆状に一体化するものでもよい。
【0017】
前記下部材は、排水空間を備える連続材(通し材)であるが、前記カバー材は、その上面を覆うように配設されるが、雨水等の内部への侵入を妨げるものではなく、巨大なゴミ等の侵入を防止するものであれば、例えば所定間隔を隔てて配設されるものでもよい。
なお、前記排水手段は、前述のように前記下部材に設けられるものであれば、特にその具体的構成を特定するものではなく、例えば防水シートを配設した構成でもよいし、下部材(の内面)に防水処理を施したものでもよい。
【0018】
前記下部材には、前記排水空間の外側壁部には被差し込み部が形成され、前記カバー部材には、前記被差し込み部と連結される差し込み部が形成される上、前記下部材へ固定される連絡固定部を備えている。
前記連絡固定部は、後述する図示実施例に示すように覆い部の一部に上方からの固定ボルト(締着部材)を締着する部分であってもよく、カバー部材が風雨等にて外れない(飛散又は落下する)ものであれば特に限定するものではない。
それに比べ、前記被差し込み部及び前記差し込み部は、前記下部材に対して前記カバー部材がずれ動かないように係止される役割を果たすものであり、前記連絡固定部として固定ボルトを用いる場合には、その取付作業を容易に行えるものであればよい。なお、この締着部材は、外装材(その端部)を貫通する場合には、そのずれ動きも防止されるため、より好ましい態様である。
【0019】
前記下部材の支持部に端部を支持される外装材は、前記カバー部材にてその端部を覆われる部材であって、縦葺き材でも横葺き材でもよく、より具体的には、端部の裏面(下面)を支持部にて支持され、端部の表面(上面)を覆い部にて覆われるものであって、該端部は、板状(薄肉材)でも下地材を備えた厚肉状でもよい。
【0020】
前記外装材の端部の厚みに応じ、前記排水空間の深さ(高さ)が異なる下部材を予め複数種類用意し、その中より選択して用いることで、容易に各種の外装材の保持に利用することができる。
【0021】
そして、本発明の端部構造では、前述のように「前記下部材と前記カバー部材で前記外装材端部を挟持状に保持している」ことを要件としているが、具体的には、カバー部材の覆い部と下部材の支持部が外装材端部を上下から圧縮状に挟持していることが望ましい。この挟持するための構成としても、前述の締着部材による締着が好ましく、後述する図示実施例に示すように覆い部の一部である連絡固定部から締着部材を支持部の一部に貫通させて締着させることがより望ましい。
このように外装材は、前記カバー部材の覆い部にてその端部の表面側を覆われ、前記下部材の支持部にてその端部の裏面側を支持されるので、表裏方向(上下方向)から挟持状に保持されるものとなる。
【0022】
なお、後述する締着部材は、前記カバー部材と前記下部材との連結ばかりでなく、外装材の端部を貫通しているため、外装材の端部のずれ動きを防止できるが、この場合には外装材の端部の裏面側に必ずしも支持部を密着状に沿わせなくてもよい。
【0023】
このような構成を有する本発明の端部構造は、排水手段を備える端部構造を、特別な技量を必要とすることなく容易に施工することができ、外装材の端部の厚みも限定しないので各種の屋根材の種類などにも対応できる。
【実施例1】
【0024】
図1(a)に示す本発明の第1実施例の端部構造は、建築物のケラバに沿って配設される下部材1と、カバー部材2からなり、これらの下部材1とカバー部材2で外装材6A端部61aを挟持状に保持している。
【0025】
図1(b)に示す本発明の第2実施例の端部構造は、建築物のケラバに沿って配設される下部材1'と、カバー部材2からなり、これらの下部材1'とカバー部材2で外装材6B端部61bを挟持状に保持している。
【0026】
前記第1実施例の下部材1は、図2(b)に示すように下地5への固定部11と、底面101に勾配を有して上方が開口する排水空間10が形成される通し材(樋状材)であり、下地(野地材)5上に配設された横葺き外装材である外装材6Aの端部61aを下方から支持する支持部13が備えられている。
また、前記下部材1には、前記排水空間10の外側の側面に相当する外側壁部12の上端には被差し込み部121が形成され、内側の側面に相当する内側壁部14の上端には前記支持部13及び溝状部141が形成されている。
【0027】
前記第2実施例の下部材1'は、図2(c)に示すように下地5への固定部11と、底面101に勾配を有して上方が開口する排水空間10'が形成される通し材(樋状材)であり、下地(野地材)5上に配設された縦葺き外装材である外装材6Bの端部61bを下方から支持する支持部13'が備えられている。
また、前記下部材1'には、前記排水空間10'の外側の側面に相当する外側壁部12の上端には被差し込み部121が形成され、内側の側面に相当する内側壁部14の上端には前記支持部13'及び溝状部141が形成されている。
【0028】
前記カバー部材2は、前記第1実施例及び前記第2実施例に共通の部材であって、図2(a)に示すように前記下部材1の排水空間10を覆う覆い部21を備える部材であり、該覆い部21は、平坦状の中央部分の左右に逆U字状の補強部分を備える蓋状部分であるが、外側の端部に形成された下向き片が、前記下部材1の被差し込み部121に連結される差し込み部211であり、前記中央部分が前記下部材1へ固定される連絡固定部212である。
前記連絡固定部212は、覆い部21の一部であって、上方からの固定ボルト3,3'(締着部材)を締着する部分である。
なお、これらの第1実施例及び第2実施例では、固定ボルト3,3'は、下地(野地材)5上に配設された外装材6A,6Bの端部61a,61bを貫通し、前記下部材1,1'の支持部13,13'に至っている。
【0029】
前記第1実施例の横葺き外装材である外装材6Aは、内面側に断熱材が包持され、流れ方向に係合状に敷設されて横葺き外装構造を形成する外装材であって、躯体4上に敷設された下地(野地材)5の上面側に、厚肉の断熱材7等と共に配設されており、図1(a)中に示す符号8は、外装材6Aの表面側に配される弾性を有する止水材である。この止水材8は、外装材6Aの表面と前記カバー部材2の裏面間に介在され、外装材6Aの裏面側への雨水の浸入を防止する役割を果たしている。
【0030】
前記第2実施例の縦葺き外装材である外装材6Bは、躯体4上に敷設された下地(野地材)5の上面側に、厚肉の断熱材7B,7B間に排水部材9A及び保持部材9Cが固定され(固定具9D)、該保持部材9Cに保持される状態で縦葺き外装構造を形成する外装材であって、図1(b)中に示す符号8'は、外装材6Bの表面側に配される弾性を有する止水材であり、外装材6Bの裏面側への雨水の浸入を防止する役割を果たしている。また、符号9Bは、左右の外装材6B,6B間を覆うカバー材であり、この縦葺き外装構造では、外装材6Bとカバー材9Bとの隙間にもハッチングで示す止水材が介在されているが、仮にこの止水材に破損等が生じても、浸入した雨水は排水部材9Aを流れ方向に流下するものとなる。
【0031】
これらの第1実施例及び第2実施例では、それぞれの前記カバー部材2の連絡固定部212から締着部材である固定ボルト3,3'が前記下部材1,1'の支持部13,13'に貫通させて締着されているので、下部材1,1'とカバー部材2で外装材6A,6B端部61a,61bが挟持状に保持された状態となっている。しかも、そもそも固定ボルト3,3'自体が外装材6A,6Bの端部61a,61bを貫通しているので、外装材端部61a,61bは挟持状に保持された上に、物理的に係止されている。
【0032】
そして、仮に雨水が固定ボルト3,3'を長さ方向に伝って浸入することがあったとしても、この雨水は支持部13、13'から排水部分10,10'に導かれて勾配に沿って流下される。特にこれらの第1実施例や第2実施例では、前述のように支持部13,13'の内側に溝状部141,141'が形成されているので、支持部13,13'に至った雨水を内側壁部14,14'の内側への浸入を阻止して該溝状部13,13'内を流下させることができる。
【0033】
なお、前記第1実施例における外装材6Aの端部61aは厚肉に形成され、前記第2実施例における外装材6Bの端部61bは薄肉に形成されているため、第1実施例に用いる下部材1の排水部分10は、第2実施例に用いる下部材1'の排水部分10'より深く形成(成形)されている。具体的には図2(b),(c)より、外側壁部12,12'の高さが相違するように形成されているが、このように前記排水空間10,10'の深さ(高さ)が異なる下部材1,1'を予め複数種類用意し、その中より選択して用いることで、容易に各種の外装材6A,6Bの保持に利用することができる。
【0034】
図3(a)は前記第1実施例における下部材1にカバー部材2を組み合わせた状態を示し、図3(b)は前記第2実施例における下部材1'にカバー部材2を組み合わせた状態を示しているが、それぞれ固定ボルト3,3'を打ち込む以前の状態を示している。さらに、図3(c)は前記第2実施例の要部、即ち前記図1(b)の斜視図を示しているが、同図でも固定ボルト3'を打ち込む以前の状態を示している。
なお、固定ボルト3,3'を打ち込む連絡固定部212には、V字状の谷状部が条設されている。
【0035】
図4(a)に示す本発明の第3実施例の端部構造は、建築物のケラバに沿って配設される下部材1Cと、カバー部材2からなり、これらの下部材1Cとカバー部材2で外装材6A端部61aを挟持状に保持しており、前記第1実施例と殆ど同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
前記第1実施例とこの第3実施例との相違は、下部材1,1Cの支持部13の内側に溝状部141を備えているか否かであるが、下部材1Cの支持部13に形成される固定ボルト3の貫通孔に止水処理を行うことで、前記第1実施例の溝状部141と同様の効果、即ち固定ボルト3を長さ方向に伝って浸入して支持部13に至った雨水が、内側壁部14の内側へ浸入することを阻止できる。
【0036】
図4(b)に示す本発明の第4実施例の端部構造は、建築物のケラバに沿って配設される下部材1Dと、カバー部材2からなり、これらの下部材1Dとカバー部材2で外装材6B端部61bを挟持状に保持しており、前記第2実施例と殆ど同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
前記第2実施例とこの第4実施例との相違は、下部材1',1Dの支持部13'の内側に溝状部141を備えているか否かであるが、下部材1Cの支持部13に形成される固定ボルト3の貫通孔に止水処理を行うことで、前記第2実施例の溝状部141と同様の効果、即ち固定ボルト3'を長さ方向に伝って浸入して支持部13'に至った雨水が、内側壁部14'の内側へ浸入することを阻止できる。
【0037】
図5(a)~(c)に示す本発明の第5~7実施例の端部構造では、共通に用いる下部材1Eと、カバー部材2からなり、これらの下部材1Eとカバー部材2で外装材6C端部61cを挟持状に保持している構造であって、下地5への固定部11と外装材6Cの端部61cを下方から支持する支持部13とが、他の実施例のように段差状に形成されずに同一直線上に並んでいる点が他の実施例と相違する。
【0038】
図5(a)の第5実施例は、下地(野地材)5上に直接的に外装材6Cが配設される態様であって、横葺き、縦葺きを特定するものではないが、例えば上方に別途化粧材が配される際の下葺き材としてこの外装材6Cを敷設する態様と共通するものである。
図5(b)の第6実施例は、下地(野地材)5の上面側及びケラバ側を覆うように面状材9Fが張設された上に、Z状成形材9Eが固定され、更にその上面側に外装材6Cが配設される態様であって、下地5上に間隔を隔てて外装材6Cが配設される点では、前記第2,第4実施例のような断熱材や排水部材を隔てて縦葺き外装材を敷設する態様と共通するものである。
図5(c)の第7実施例は、前記第6実施例と同様に下地(野地材)5の上面側及びケラバ側を覆うように面状材9Fが張設された上に、更に大型のZ状成形材9Gが固定され、更にその上面側に外装材6Cが配設される態様であり、図中の符号9Hは、化粧材(化粧カバー)である。
【符号の説明】
【0039】
1,1',1C,1D,1E 下部材
10,10' 排水空間
11 固定部
12 外側壁部
121 被差し込み部
13 支持部
14 内側壁部
141 溝状部
2 カバー部材
21 覆い部
211 差し込み部
212 (連絡)固定部
3,3' 固定ボルト(締着部材)
4 躯体
5 下地(野地材)
6A 外装材(横葺き外装材)
6B 外装材(縦葺き外装材)
6C 外装材
61a,61b,61C 端部
7,7B 断熱材
8,8' 止水材
9A 排水部材
9B カバー材
9C 保持部材
9D 固定具
図1
図2
図3
図4
図5