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  • 特許-熱画像感知を用いた溶接部検査方法 図1
  • 特許-熱画像感知を用いた溶接部検査方法 図2
  • 特許-熱画像感知を用いた溶接部検査方法 図3
  • 特許-熱画像感知を用いた溶接部検査方法 図4
  • 特許-熱画像感知を用いた溶接部検査方法 図5
  • 特許-熱画像感知を用いた溶接部検査方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】熱画像感知を用いた溶接部検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 25/72 20060101AFI20240729BHJP
   B23K 31/00 20060101ALI20240729BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240729BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20240729BHJP
【FI】
G01N25/72 F
B23K31/00 K
H01M50/505
H01M50/516
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021548614
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 KR2020014365
(87)【国際公開番号】W WO2021107407
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-08-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0153866
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ムン・チェ・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ハン・ジュン・チェ
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】▲高▼見 重雄
【審判官】渡▲辺▼ 純也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/074161(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N25/72
H01M50/516
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセル(100)のリード部(110)とバスバー(200)との間の溶接部(300)を検査する方法であって、
前記バッテリーセル(100)は出荷前のパッキングされた状態であり、
ジュール熱(joule heat)を用いて前記溶接部(300)を加熱した前記溶接部(300)の温度上昇パターン及び前記バッテリーセル(100)が完全に放電された後の前記溶接部(300)での温度下降パターンから不良有無を判断する際、
前記ジュール熱(joule heat)は前記バスバー(200)と溶接されている前記バッテリーセル(100)から供給される電流によって発生し、
前記溶接部及び前記溶接部の周辺の領域を所定個数の単位領域に分割し、
該分割した各単位領域別に温度分布データを確保し、
該確保した各単位領域別の温度分布データに基づいて、前記溶接部の不良有無を判断する、バッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法。
【請求項2】
前記温度上昇パターンは、所定温度まで到逹するのにかかる時間、時間による温度増加率、及び最高温度のいずれか一つ以上である、請求項1に記載のバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法。
【請求項3】
前記温度下降パターンは、所定温度から初期温度まで到逹するのにかかる時間及び時間による温度減少率のいずれか一つ以上である、請求項1または2に記載のバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法。
【請求項4】
2個以上の前記バッテリーセル(100)の前記リード部(110)と前記バスバー(200)を溶接して前記溶接部(300)を形成する第1段階と、
前記バッテリーセル(100)が通電することができるようにスイッチをオン(ON)状態に操作する第2段階と、
前記溶接部(300)の温度変化を連続的に測定する第3段階と、
前記温度変化の結果から前記溶接部(300)の不良有無を判断する第4段階と、
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法。
【請求項5】
前記第2段階は前記バッテリーセル(100)が放電された後にも所定時間維持する、請求項4に記載のバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年11月27日付の韓国特許出願第2019-0153866号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容はこの明細書の一部として含まれる。
本発明は熱画像感知を用いた溶接部検査方法に関するものであり、より詳しくは溶接部の温度上昇パターン及び温度下降パターンを熱画像で感知して分析した結果から溶接部の不良有無を判断する熱画像感知を用いた溶接部検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ノートブック型PC、カムコーダー、デジタルカメラなどのモバイル機器に対する技術開発及び需要が増加するのに伴い充放電の可能な二次電池に関する技術が活発に研究されている。また、二次電池は大気汚染物質を誘発する化石燃料の代替エネルギー源であり、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などに適用されており、二次電池に対する開発の必要性が段々高くなっている状況である。
【0003】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがある。この中で、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べ、メモリ効果がほとんど発生しないから、充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高い利点が脚光を浴びている。
【0004】
一方、小型機器に用いられる二次電池は数個の電池セルが配置されるが、自動車などには多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュールが用いられる。このような電池モジュールには多数の電池セルが互いに直列及び並列に連結されることにより容量や出力を増大させ、これらの電池セル間の電気的連結のためにバスバー(bus bar)が用いられる。
【0005】
ここで、バスバー(bus bar)と電池セルのリードは電気が通じる金属であるから通常の溶接方法で連結している。
【0006】
従来は、これらを互いに溶接するとき、弱溶接、過溶接などの全ての溶接不良に対する検出技術が存在しないため溶接品質を向上させるのには限界があった。すなわち、抵抗溶接の後に肉眼検査を実施する場合には過溶接に対する一部の検出は可能であるが、弱溶接に対する検出は不可能であり、溶接部を引っ張って未溶接を検出するスティック(stick)検査を遂行する場合には一部の弱溶接や未溶接の検出は可能であるが、この際にはリードやバスバー(bus bar)に直接的に力を加えることになるので、電池セルが損傷されるなどの危険が発生することがある問題点がある。
【0007】
特許文献1には、互いに溶接された2個の金属部材であるタブ端子部材とバスバーのパターン部分のうち、タブ端子部材の先端部を加熱ジグで挟持し、タブ端子部材から溶接部を介してバスバーのパターン部分に伝熱させ、バスバーのパターン部の裏面で放射温度計で最高温度、温度分布などを測定し、測定した最高温度又は所定温度以上の領域面積を予め求めた比較値と比較して溶接部の不良有無を判断する技術が開示されている。
【0008】
前記特許文献によれば、溶接部を破壊せずに溶接部の不良有無をある程度判断することができるという利点があるが、伝熱のための別途の装備と電源が必要であるから、検査のための装置が複雑であり、これによる検査費用が増加するしかないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2000-131254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記のような問題点を解決するためのものであり、溶接不良有無を正確に確認することができる溶接部検査方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、別途の外部電源なしに溶接部の不良有無を確認することができる溶接部検査方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、設備が簡単な溶接部検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記のような問題点を解決するための本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法は、ジュール熱(joule heat)を用いて溶接部(300)を加熱し、溶接部(300)の温度上昇パターンから不良有無を判断することを特徴とする。
【0014】
また、本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法において、前記ジュール熱(joule heat)はバスバー(200)と溶接されているバッテリーセル(100)から供給される電流によって発生することを特徴とする。
【0015】
また、本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法において、前記バッテリーセル(100)は出荷前のパッキングされた状態であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法において、加熱された溶接部(300)を冷却し、溶接部(300)の温度下降パターンから不良有無を判断することを特徴とする。
【0017】
また、本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法において、前記冷却はバッテリーセル(100)から供給される電流の遮断によって遂行することを特徴とする。
【0018】
また、本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法において、前記温度上昇パターンは、所定温度まで到逹するのにかかる時間、時間による温度増加率、及び最高温度のいずれか一つ以上であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法において、前記温度下降パターンは所定温度から初期温度まで到逹するのにかかる時間及び時間による温度減少率のいずれか一つ以上であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法において、前記温度上昇パターン及び/又は下降パターンは、溶接部及び前記溶接部付近の領域を所定個数に分割した領域を対象とすることを特徴とする。
【0021】
また、本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法において、2個以上のバッテリーセル(100)のリード部(110)とバスバー(200)を溶接して溶接部(300)を形成する第1段階、前記バッテリーセル(100)が通電することができるようにスイッチをオン(ON)状態に操作する第2段階、前記溶接部(300)の温度変化を連続的に測定する第3段階、及び温度変化結果から溶接部(300)の不良有無を判断する第4段階を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法において、前記第2段階はバッテリーセル(100)が放電された後にも所定時間維持することを特徴とする。
【0023】
また、本発明によるバッテリーセルリード部とバスバーとの間の溶接部検査方法において、前記第3段階は前記バッテリーセル100が放電されるまで遂行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明による熱画像感知を用いた溶接部検査方法によれば、溶接部での発熱特性及び冷却特性を一緒に考慮して溶接部の不良有無を判断するから、一層正確な判断が可能であるという利点がある。
【0025】
また、本発明による熱画像感知を用いた溶接部検査方法によれば、検査が要求されるバッテリーセル自体の電源を用いるから、別途の電源が必要なく、さらに検査のための付加装備を最小化することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の好適な第1実施例による溶接部検査のための配置構成図である。
図2】本発明の好適な第1実施例による溶接部の検査方法を説明するためのフローチャートである。
図3】電流印加時の溶接部の発熱メカニズムを説明するための概念図である。
図4】電流印加時又は遮断時の溶接部の温度変化を説明するための概念図である。
図5】溶接部を含む隣近領域での温度分布イメージ結果の一例を示す図である。
図6】本発明の好適な第2実施例による溶接部検査のための配置構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本出願で、「含む」、「有する」、又は「備える」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、構成要素、部分品又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組合せなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0028】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その間にさらに他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというとは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0029】
以下、本発明による熱画像感知を用いた溶接部検査方法について説明する。
【0030】
図1は本発明の好適な第1実施例による溶接部検査のための配置構成図である。図1を参照すると、2個のバッテリーセル100のそれぞれから延びるリード部110と、これらのリード部110を電気的に連結するためのバスバー200と、リード部110とバスバー200を固定する溶接部300と、溶接部300の温度変化を測定するための熱画像カメラ500とを備える。
【0031】
2個のバッテリーセル100は製品出荷のために溶接部などの各種性能を満たすかを点検することが要求されるセルであり、バスバー200はこれらのバッテリーセル100のいずれか一つのセルから延びる負極リードと一側が連結され、他のバッテリーセル100から延びる正極リードと他側が連結されることにより、バッテリーセル100を電気的に連結することができる。
【0032】
一般に、金属からなるリード部110とバスバー200は抵抗溶接などのような溶接によって互いに連結される。この際、リード部110からバスバー200に連結される溶接部300が形成される。
【0033】
一方、バスバー200と連結されていないバッテリーセル100の一側リード部、すなわち図1の左側に位置するバッテリーセル100の正極リードと、右側に位置するバッテリーセル100の負極リードとの間には、これらを電気的に連結するか遮断するためのスイッチ400が備えられる。
【0034】
また、リード部110とバスバー200を互いに固定している溶接部300の付近には熱画像カメラ500が設置される。熱画像カメラは発熱を追跡及び探知して温度によって異なる色で表現するカメラであり、既に多様な分野で広く知られている技術に相当するので、作動原理や機能などの具体的な説明は省略する。
【0035】
以下では、図1のような構成を有する溶接部検査配置構成図に基づいて溶接部を検査する方法について説明する。図2は本発明の好適な第1実施例による溶接部の検査方法を説明するためのフローチャート、図3は電流印加時の溶接部の発熱メカニズムを説明するための概念図、図4は電流印加時又は遮断時の溶接部の温度変化を説明するための概念図、図5は溶接部及びその付近領域での温度分布イメージ結果の一例を示す図である。
【0036】
本発明による溶接部の検査方法は、2個以上のバッテリーセル100のリード部110とバスバー200を溶接して溶接部300を形成する第1段階、前記バッテリーセル100が通電することができるようにスイッチをオン(ON)状態に操作する第2段階、前記溶接部300の温度変化を連続的に測定する第3段階、及び温度変化結果から溶接部300の不良有無を判断する第4段階を含んでなる。
【0037】
第1段階に関連して図1を参照しながら詳細に説明したので、重複説明は省略する。
【0038】
第2段階はバッテリーセル100が通電することができるようにスイッチ400をオン(ON)状態に操作する段階である。この際、溶接部300を中心に熱が発生する。
【0039】
発熱に関連して図3に示すように、バッテリーセル100の負極端子から供給される電子eはバスバー200を経た後、他方のバッテリーセル100の正極端子に移動する。この際、溶接部300では異種金属間の結合と組職変化による抵抗によって式1のようなジュール熱(joule heat)が発生する。
【0040】
〔数1〕
Q=I×R×t
ここで、Qはジュール熱、Iは電流、Rは抵抗、tは時間である。
【0041】
一方、溶接部300のジュール熱を発生させる電源は外部から別途の電源を供給することも可能であるが、バスバー200と直接的に連結されているバッテリーセル100の電源を使うことが好ましい。
【0042】
通常、バッテリーセル100は、電解液を注入した後、活性化段階を経て完成される。このようなバッテリーセル100には一定量が充電されている状態であるので、これを用いることが有利である。すなわち、外部電源を用いるときには別途の電源が必要であるだけでなく外部電源とバスバー200を電気的に連結するための追加的な配線などが必要であるに対して、バスバー200と連結された状態のバッテリーセル100に充電された電源を用いれば前記のような欠点を克服することができるからである。
【0043】
図4に示すように、バッテリーセル100に充電されている電流を流して送れば、電流印加時間が長くなるにつれて発熱によって溶接部300は温度が上がり、バッテリーセル100が放電されればそれ以上電流が移動しないので溶接部300の温度は低くなる。
第3段階は溶接部300の温度変化を測定する段階であり、バッテリーセル100を互いに通電させる第2段階と同時に遂行することも可能である。
【0044】
前記温度変化において、熱画像カメラ500を用いて溶接部300付近の熱輻射エネルギーを電子的にスキャンして電流印加時間による位置別温度分布データを生成する。
【0045】
すなわち、図5に示すように、溶接部を含めてその周辺を複数の単位領域に分割し、これらの領域別温度データを確保する。
【0046】
最後に、第4段階は温度変化結果から溶接部300の不良有無を判断する段階であり、温度変化が正常範囲内にあるかを比較検討する。
【0047】
一例として、図4で電流が流れるときに測定した温度値が正常範囲(図4のA領域)以内で上昇するときには当該溶接部300は正常に溶接されたと判断する一方で、正常範囲を外れて上昇する場合であれば溶接不良と判断する。
【0048】
また、バッテリーセル100が完全に放電された後、所定時間放置すれば、加熱された溶接部300の温度が低くなり、同様に測定した溶接部300での温度下降パターンが正常範囲(図4のB領域)以内で変化しているかを比較して不良有無を決定する。
【0049】
温度上昇は電流印加による強制加熱によって短時間に内部に熱が蓄積されることによって発生するが、冷却時には蓄積された熱が自然的に内外部に伝達される現象である。
【0050】
特に、冷却過程では、表面を介しての対流、放射及び内部伝導は溶接部の表面状態と気孔及びグレインのサイズ及び形成構造などのような内部組職構造によって冷却パターンが異なることができ、よって冷却時の温度下降パターンから溶接部の状態を判断することが可能である。
【0051】
一方、温度上昇パターンの具体例は、特定温度まで到逹するのにかかる時間、温度増加率(温度変化/時間)、最高温度とすることができ、また冷却パターンは最高温度で元の温度まで到逹するのにかかる時間、温度減少率(温度変化/時間)とすることができる。
【0052】
そして、前記のような温度上昇パターンと冷却パターンの各具体例は、単一又は複数の因子を同時に活用することが好ましく、特に、図5のように複数に分割した全ての領域に前記因子を適用することがより好ましい。
【0053】
もちろん、溶接不良有無を検出するために一般的に実施していた肉眼検査、スティック検査などとともに溶接部での温度変化分布結果をマッチングして正常状態での溶接部温度変化結果を確保しておかなければならないというのは明らかである。
【0054】
図6は本発明の好適な第2実施例による溶接部検査のための配置構成図である。
【0055】
第2実施例は、4個のバッテリーセル100が直列に連結されており、隣接したバッテリーセル100を電気的に連結するために3個のバスバー200が使われていることを除き、第1実施例と同一である。
【0056】
すなわち、電流が移動することができるようにスイッチ400を連結し、各バスバー200に形成されている溶接部300を熱画像カメラ500でスキャンして温度データを分析することにより、特定のバスバー200に形成された溶接部300の不良有無を判断することができる。
【0057】
たとえ図面は一つの熱画像カメラ500を使うものとして示しているが、複数の熱画像カメラ500を用いることも可能である。
【0058】
以上で本発明の内容の特定部分を詳細に記述したが、当該分野の通常の知識を有する者にこのような具体的技術はただ好適な実施様態であるだけであり、これによって本発明の範囲が制限されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのは当業者に明らかであり、このような変形及び修正が添付の特許請求の範囲に属するというのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0059】
100 バッテリーセル
110 リード部
200 バスバー
300 溶接部
400 スイッチ
500 熱画像カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6