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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】航空機の飛行制御システム
(51)【国際特許分類】
   B64C 27/82 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
B64C27/82
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2023512004
(86)(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 CA2020051125
(87)【国際公開番号】W WO2022036433
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】523053875
【氏名又は名称】エネクシス リサーチ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ENEXSYS RESEARCH INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】ヘンケ、ジェームズ
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特公昭17-002524(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0087653(US,A1)
【文献】米国特許第02279615(US,A)
【文献】米国特許第05655737(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/82
B64C 3/50
B64C 9/06, 9/16, 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(82)用の反トルクシステム(20)であって、
翼形部(22)を備えており、該翼形部が、
(a)第1の後縁(28)から前縁(30)まで延在している第1の表面(24)と、
(b)第2の後縁(32)から延在して前記前縁において前記第1の表面に接合している第2の表面(26)と、
(c)前記第1の後縁に回動可能に連結された第1の可動偏向パネル(34)と、
(d)前記第2の後縁に回動可能に連結された第2の可動偏向パネル(36)と、
(e)前記第1および第2の可動偏向パネルをそれぞれ第1の回動軸および第2の回動軸を中心に回動させる手段(42、52、54)と、を有し、
前記第1および第2の可動偏向パネル(34,36)が、それぞれの前記後縁からそれぞれの終端(38、40)に向かって、内向きに互いに近づいており、前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端が隙間(41)によって離間されており、
前記第1および第2の可動偏向パネルを回動させる前記手段が、前記第1および第2の可動偏向パネルを同時に略同じ角度で動作可能に回動させ、それによって、前記第1および第2の可動偏向パネルが、全回動範囲にわたって、それぞれの前記後縁からそれぞれの終端に向かって内向きに互いに近づいており、前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端間の前記隙間を維持する、反トルクシステム。
【請求項2】
前記第1および第2の可動偏向パネルが中立位置にあるときは、前記翼形部が中心線に対して対称であり、前記第1および第2の可動偏向パネルが回動位置にあるときは、前記翼形部が前記中心線に対して非対称である、請求項1に記載の反トルクシステム。
【請求項3】
前記第1および第2の可動偏向パネルを回動させる前記手段が、電気機構、油圧機構、機械的機構、空気圧機構またはこれらの組み合わせを含む、請求項1または2に記載の反トルクシステム。
【請求項4】
前記第1および第2の可動偏向パネルを回動させる前記手段が機械的機構を含み、該機械的機構が、
(a)前記翼形部内でスパン方向に延びているシャフト(42)と、
(b)一端で前記第1の可動偏向パネルの内面(56)に回動可能に連結されているとともに、他端で前記シャフトに回動可能に連結された第1のレバー(52)と、
(c)一端で前記第2の可動偏向パネルの内面(58)に回動可能に連結されているとともに、他端で前記シャフトに回動可能に連結された第2のレバー(54)と、
(d)前記シャフトを該シャフトの長手軸を中心に回転させ、これによって前記第1および第2のレバーを回動させて前記第1および第2の可動偏向パネルをそれぞれ回動させる手段(66、70、72、78)と、を有している、請求項1~のいずれか一項に記載の反トルクシステム。
【請求項5】
前記シャフトが、該シャフトから短手軸方向に突出する第1の連係部材および第2の連係部材(62、64)を備え、該第1および第2の連係部材が、それぞれ前記第1および第2のレバーに回動可能に連結されている、請求項に記載の反トルクシステム。
【請求項6】
前記シャフトが、前記第1の後縁と前記第2の後縁との間の中間点に配置されている、請求項またはに記載の反トルクシステム。
【請求項7】
複数のオリフィス(80)が前記第1および第2の可動偏向パネルによって画定されている、請求項1~のいずれか一項に記載の反トルクシステム。
【請求項8】
前記シャフトを回転させる前記手段が、電気機構、油圧機構、機械的機構、空気圧機構またはこれらの組み合わせを含む、請求項のいずれか一項に記載の反トルクシステム。
【請求項9】
前記航空機が回転翼航空機である、請求項1~のいずれか一項に記載の反トルクシステム。
【請求項10】
前記回転翼航空機がヘリコプターである、請求項に記載の反トルクシステム。
【請求項11】
回転翼航空機(82)であって、
(a)主回転翼(84)と、
(b)前記主回転翼からのダウンウォッシュの領域を通って延びている尾部支材(88)と、
(c)前記尾部支材の少なくとも一部を包んでいるか、または前記尾部支材の少なくとも一部に取り付けられている翼形部(22)と、を備え、
前記翼形部が、
(i)第1の後縁(28)から前縁(30)まで延在している第1の表面(24)と、
(ii)第2の後縁(32)から延在して前記前縁において前記第1の表面に接合している第2の表面(26)と、
(iii)前記第1の後縁に回動可能に連結された第1の可動偏向パネル(34)と、
(iv)前記第2の後縁に回動可能に連結された第2の可動偏向パネル(36)と、
(v)前記第1および第2の可動偏向パネルをそれぞれ第1の回動軸および第2の回動軸を中心に回動させる手段(42、52、54)と、を有し、
前記第1および第2の可動偏向パネル(34,36)が、それぞれの前記後縁からそれぞれの終端(38、40)に向かって、内向きに互いに近づいており、前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端が隙間(41)によって離間されており、
前記第1および第2の可動偏向パネルを回動させる前記手段が、前記第1および第2の可動偏向パネルを同時に略同じ角度で動作可能に回動させ、それによって、前記第1および第2の可動偏向パネルが、全回動範囲にわたって、それぞれの前記後縁からそれぞれの終端に向かって内向きに互いに近づいており、前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端間の前記隙間を維持し、
前記前縁が上方に向けられ、前記第1および第2の可動偏向パネルが下方に向けられている、回転翼航空機。
【請求項12】
前記第1および第2の可動偏向パネルを回動させる前記手段が、電気機構、油圧機構、機械的機構、空気圧機構またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の回転翼航空機。
【請求項13】
前記第1および第2の可動偏向パネルを回動させる前記手段が、機械的機構を含み、該機械的機構が、
(a)前記翼形部内でスパン方向に延びているシャフト(42)と、
(b)一端で前記第1の可動偏向パネルの内面(56)に回動可能に連結されているとともに、他端で前記シャフトに回動可能に連結されている第1のレバー(52)と、
(c)一端で前記第2の可動偏向パネルの内面(58)に回動可能に連結されているとともに、他端で前記シャフトに回動可能に連結されている第2のレバー(54)と、
(d)前記シャフトを該シャフトの長手軸を中心に回転させ、これによって前記第1および第2のレバーを回動させて前記第1および第2の可動偏向パネルをそれぞれ回動させる手段(66、70、72、78)と、を有している、請求項1または1に記載の回転翼航空機。
【請求項14】
(d)垂直尾翼(92)と、
(e)前記垂直尾翼の少なくとも一部を包んでいるか、または前記垂直尾翼の少なくとも一部に取り付けられている第2の翼形部(22A)と、をさらに備え、
前記第2の翼形部が、
(i)第1の後縁(28)から前縁(30)まで延在している第1の表面(24)と、
(ii)第2の後縁(32)から延在して前記前縁において前記第1の表面に接合している第2の表面(26)と、
(iii)前記第1の後縁に回動可能に連結された第1の可動偏向パネル(34)と、
(iv)前記第2の後縁に回動可能に連結された第2の可動偏向パネル(36)と、
(v)前記第1および第2の可動偏向パネルをそれぞれ第1の回動軸および第2の回動軸を中心に回動させる手段(42、52、54)と、を有しており、
前記前縁が前方に向けられ、前記第1および第2の可動偏向パネルが後方に向けられている、請求項1~1のいずれか一項に記載の回転翼航空機。
【請求項15】
回転翼航空機(82)であって、
(a)主回転翼(84)と、
(b)前記主回転翼からのダウンウォッシュの領域を通って延びている尾部支材(88)と、
(c)前記尾部支材の少なくとも一部を包んでいるか、または前記尾部支材の少なくとも一部に取り付けられている第1の翼形部(22)であって、
(i)第1の後縁(28)から前縁(30)まで延在している第1の表面(24)と、
(ii)第2の後縁(32)から延在して前記前縁において前記第1の表面に接合している第2の表面(26)と、
(iii)前記第1の後縁に回動可能に連結された第1の可動偏向パネル(34)と、
(iv)前記第2の後縁に回動可能に連結された第2の可動偏向パネル(36)と、
(v)前記第1および第2の可動偏向パネルをそれぞれ第1の回動軸および第2の回動軸を中心に回動させる手段(42、52、54)と、を有し、
前記第1の翼形部(22)の前記前縁が上方に向けられ、前記第1の翼形部の前記第1および第2の可動偏向パネルが下方に向けられる、第1の翼形部と、
(d)垂直尾翼(92)と、
(e)前記垂直尾翼の少なくとも一部を包んでいるか、または前記垂直尾翼の少なくとも一部に取り付けられている第2の翼形部(22A)であって、
(i)第1の後縁(28)から前縁(30)まで延在している第1の表面(24)と、
(ii)第2の後縁(32)から延在して前記前縁において前記第1の表面に接合している第2の表面(26)と、
(iii)前記第1の後縁に回動可能に連結された第1の可動偏向パネル(34)と、
(iv)前記第2の後縁に回動可能に連結された第2の可動偏向パネル(36)と、
(v)前記第1および第2の可動偏向パネルをそれぞれ第1の回動軸および第2の回動軸を中心に回動させる手段(42、52、54)と、を有し、
前記第2の翼形部(22A)の前記前縁が上方に向けられ、前記第2の翼形部の前記第1および第2の可動偏向パネルが下方に向けられる、第2の翼形部と、を備え、
前記第2の翼形部が、前記第1の翼形部に動作可能に連結されている、回転翼航空機。
【請求項16】
前記第1および第2の翼形部を同時に移動させ、これによって前記第1および第2の翼形部の前記第1および第2の可動偏向パネルを同時にかつそれぞれの回動軸を中心に同じ角度で回動させる手段(94)をさらに備えている、請求項1に記載の回転翼航空機。
【請求項17】
前記第1および第2の翼形部を同時に移動させる前記手段が、前記第1の翼形部のシャフト(42)を前記第2の翼形部のシャフト(42)に連結しているコネクタを備えている、請求項1に記載の回転翼航空機。
【請求項18】
前記第1の翼形部(22)の前記第1および第2の可動偏向パネル(34,36)が、それぞれの前記後縁からそれぞれの終端(38、40)に向かって、内向きに互いに近づいており、前記第1の翼形部の前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端が隙間(41)によって離間される、請求項1に記載の回転翼航空機。
【請求項19】
前記第2の翼形部(22A)の前記第1および第2の可動偏向パネル(34,36)が、それぞれの前記後縁からそれぞれの終端(38、40)に向かって、内向きに互いに近づいており、前記第2の翼形部の前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端が隙間(41)によって離間される、請求項1に記載の回転翼航空機。
【請求項20】
固定翼航空機であって、
(a)胴体と、
(b)前記胴体に取り付けられ、前記胴体から横方向に延びている翼(100)と、を備え、
前記翼が、
(i)前方に向けられた前縁(102)と、
(ii)後方に向けられた後縁(104)と、
(iii)前記前縁を前記後縁に接続しているとともに、互いに反対側に位置している第1の側縁(106)および第2の側縁(108)であって、前記第1の側縁が前記胴体に装着されている、第1の側縁および第2の側縁と、
(iv)前記翼内に配置され、前記第1および第2の側縁の間でスパン方向に延在している後桁(110)と、
(v)前記後桁の第1の縁部(120)から前記前縁まで延在している第1の表面(116)と、
(vi)前記後桁の反対側の第2の縁部(121)から前記前縁まで延在して前記第1の表面に接合している第2の表面(108)と、
(vii)前記後桁の前記第1の縁部に回動可能に連結された第1の可動偏向パネル(119)と、
(viii)前記後桁の前記第2の縁部に回動可能に連結された第2の可動偏向パネル(122)と、
(ix)前記第1および第2の可動偏向パネルを、それぞれ第1の回動軸および第2の回動軸を中心に略同じ角度で同時に回動させる手段と、を有し、
前記第1および第2の可動偏向パネルが、前記後桁のそれぞれの前記縁部からそれぞれの終端に向かって、内向きに互いに近づいており、前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端が隙間によって離間されており、
前記第1および第2の可動偏向パネルを回動させる前記手段が、前記第1および第2の可動偏向パネルを同時に略同じ角度で回動させ、それによって、前記第1および第2の可動偏向パネルが、全回動範囲にわたって、前記後桁のそれぞれの前記縁部からそれぞれの終端に向かって内向きに互いに近づいており、前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端間の前記隙間を維持する、固定翼航空機。
【請求項21】
固定翼航空機であって、
(a)胴体と、
(b)前記胴体に取り付けられ、前記胴体から横方向に延びている水平安定板と、を備え、
前記水平安定板が、
(i)前方に向けられた前縁と、
(ii)後方に向けられた後縁と、
(iii)前記前縁を前記後縁に接続しているとともに、互いに反対側に位置している第1の側縁および第2の側縁であって、前記第1の側縁が前記胴体に装着されている、第1の側縁および第2の側縁と、
(iv)前記水平安定板内に配置され、前記第1および第2の側縁の間でスパン方向に延在している後桁と、
(v)前記後桁の第1の縁部から前記前縁まで延在している第1の表面と、
(vi)前記後桁の反対側の第2の縁部から前記前縁まで延在して前記第1の表面に接合している第2の表面と、
(vii)前記後桁の前記第1の縁部に回動可能に連結された第1の可動偏向パネルと、
(viii)前記後桁の前記第2の縁部に回動可能に連結された第2の可動偏向パネルと、
(ix)前記第1および第2の可動偏向パネルを、それぞれ第1の回動軸および第2の回動軸を中心に略同じ角度で同時に回動させる手段と、を有し、
前記第1および第2の可動偏向パネル(34,36)が、前記後桁のそれぞれの前記縁部からそれぞれの終端(38、40)に向かって、内向きに互いに近づいており、前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端が隙間(41)によって離間されており、
前記第1および第2の可動偏向パネルを回動させる前記手段が、前記第1および第2の可動偏向パネルを同時に略同じ角度で回動させ、それによって、前記第1および第2の可動偏向パネルが、全回動範囲にわたって、前記後桁のそれぞれの前記縁部からそれぞれの終端に向かって内向きに互いに近づいており、前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端間の前記隙間を維持する、固定翼航空機。
【請求項22】
固定翼航空機であって、
(a)胴体と、
(b)前記胴体に取り付けられ、前記胴体から垂直に延びている垂直安定板と、を備え、
前記垂直安定板が、
(i)前方に向けられた前縁と、
(ii)後方に向けられた後縁と、
(iii)前記前縁を前記後縁に接続しているとともに、互いに反対側に位置している第1の側縁および第2の側縁であって、前記第1の側縁が前記胴体に装着されている、第1の側縁および第2の側縁と、
(iv)前記垂直安定板内に配置され、前記第1および第2の側縁の間でスパン方向に延在している後桁と、
(v)前記後桁の第1の縁部から前記前縁まで延在している第1の表面と、
(vi)前記後桁の反対側の第2の縁部から前記前縁まで延在して前記第1の表面に接合している第2の表面と、
(vii)前記後桁の前記第1の縁部に回動可能に連結された第1の可動偏向パネルと、
(viii)前記後桁の前記第2の縁部に回動可能に連結された第2の可動偏向パネルと、
(ix)前記第1および第2の可動偏向パネルを、それぞれ第1の回動軸および第2の回動軸を中心に略同じ角度で同時に回動させる手段と、を有し、
前記第1および第2の可動偏向パネルが、前記後桁のそれぞれの前記縁部からそれぞれの終端に向かって、内向きに互いに近づいており、前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端が隙間によって離間されており、
前記第1および第2の可動偏向パネルを回動させる前記手段が、前記第1および第2の可動偏向パネルを同時に略同じ角度で回動させ、それによって、前記第1および第2の可動偏向パネルが、全回動範囲にわたって、前記後桁のそれぞれの前記縁部からそれぞれの終端に向かって内向きに互いに近づいており、前記第1および第2の可動偏向パネルの前記終端間の前記隙間を維持する、固定翼航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機において飛行制御を行うためのシステム、および飛行制御システムを組み込んだ航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリコプター等の航空機において反トルクおよびヨー制御を行うシステムが、当該技術分野で知られている。ヨー制御を行い、航空機の主回転翼による偏ったトルクを抑制するための一般的な手段としては、航空機の尾部支材の端部に尾部回転翼と呼ばれる回転ブレードを配置する方法がある。しかしながら、尾部回転翼には多くの安全上のリスクが伴う。例えば、尾部回転翼は、航空機の近くで作業する地上要員に安全上のリスクをもたらす。また、尾部回転翼が地上の静止物体と誤って接触することによって事故に至る場合も多い。
【0003】
航空機において反トルクおよびヨー制御を行うための代替的な手段が検討されてきた。このような手段の一つとして、尾部回転翼の代わりにマルチブレードのダクテッドファンを使用できる。しかしながら、回転するブレードへのアクセスが規制されていないため、安全上の懸念は解消されていない。別の手段としては、動作時にはアクセスできない尾部支材の前側部分内に配置されたマルチブレードの可変ピッチファンを使用する方法もある。マルチブレードファンシステムの動作には、航空機のエンジン出力を多量に必要とするという問題があり、主回転翼システムに使用できる出力が少なくなる。
【0004】
1993年5月11日に公開された特許文献1および1987年11月24日に公開された特許文献2には、反トルクおよびヨー制御を行う補助ストレーキシステムが開示されている。このような補助ストレーキシステムは、尾部回転翼の動作に要するエンジン出力の量をわずかにしか低減させない。
【0005】
固定翼航空機において飛行制御を行うための従来の手段には、飛行機の翼、水平安定板および垂直安定板にそれぞれ補助翼、昇降舵および方向舵等の単一の制御面を回動可能に装着する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第5209430号明細書
【文献】米国特許第4708305号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
航空機の飛行制御を行うために、単純で安全かつエネルギー効率の高い機構を備えたシステムが必要とされている。本発明は、回転翼航空機および固定翼航空機用の改良された飛行制御システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、航空機用の飛行制御システムを提供する。本発明の一実施形態において、飛行制御システムは、航空機用の反トルクシステムである。反トルクシステムは、第1の後縁および前縁から延在している第1の表面と、第2の後縁から延在して前縁で第1の表面に接合する第2の表面とを有する翼形部を備えている。第1の可動偏向パネルは、第1の後縁に回動可能に連結され、第2の可動偏向パネルは、第2の後縁に回動可能に連結されている。第1および第2の偏向パネルをそれぞれの回動軸を中心に同時に回動させる手段が設けられている。翼形部の中心線の左側または右側に第1および第2の偏向パネルを選択的に回動させることによって、偏向パネルの回動軸の下流側において偏向パネルの表面上の気流の進行方向が変更され、これによって、主回転翼からの下向きの気流に対して垂直な方向に揚力が発生し、航空機に加わるトルクが抑制される。
【0009】
本発明の別の態様においては、反トルクシステムを組み込んだ回転翼航空機が提供される。回転翼航空機は、主回転翼と、主回転翼の下に垂設されている胴体と、胴体から後方に突出する長尺状の尾部支材とを備えている。尾部支材は、主回転翼の回転によって発生する垂直ダウンウォッシュの領域を通って延びている。翼形部は、前縁が上方を向き、偏向パネルが下方を向いた状態で、尾部支材の少なくとも一部を包んでいるか、または尾部支材の少なくとも一部に取り付けられるように配置される。回転翼航空機は、垂直フィンも備えていてもよい。第2の翼形部は、前縁が前方を向き、偏向パネルが後方を向いた状態で、垂直フィンの少なくとも一部を包んでいるか、または垂直フィンの少なくとも一部に取り付けられるように配置してもよい。第2の翼形部は、航空機の方向舵制御面と同様のトルク制御機能を有しているが、エネルギー効率のより高い手段である。
【0010】
本発明の別の実施形態では、飛行制御システムが固定翼航空機に組み込まれる。飛行制御システムは、翼、水平安定板および/または垂直安定板に配置された1つまたは複数の従来の固定翼制御装置の代わりに設けることができる。例示的な実施形態では、飛行制御システムは翼に配置される。翼は、前方に向けられた前縁と、後方に向けられた後縁と、前縁を後縁に接続しているとともに、互いに反対側に位置している第1の側縁および第2の側縁とを有する翼外形を有している。翼は、第1および第2の側縁の間でスパン方向に延在している後桁と、後桁の第1の縁部から前縁まで延在している第1の表面と、後桁の反対側の第2の縁部から前縁まで延在して第1の表面に接合している第2の表面とを有している。第1および第2の可動偏向パネルは、後桁の第1および第2の縁部にそれぞれ回動可能に連結されている。第1および第2の可動偏向パネルをそれぞれ第1の回動軸および第2の回動軸を中心に回動させる手段が設けられている。偏向パネルの回動によって、偏向パネル上を通過する空気が偏向され、その結果、ロール軸を中心に航空機を回転させる力が発生する。飛行制御システムは、対応する軸線を中心に航空機を回転させるために、水平安定板および/または垂直安定板上に同様に配置してもよい。
【0011】
本発明のさらに別の態様および本発明の特定の実施形態の特徴を以下に説明する。
例示的な実施形態は、図面の参照図に示されている。開示する実施形態および図は限定的ではなく例示である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る反トルクシステムの斜視図。
図2】反トルクシステムのシャフトを回転させる機構を示す、図1の反トルクシステムの部分斜視図。
図3】反トルクシステムの可動偏向パネルを回動させる機構を示す、図1の反トルクシステムの部分断面図。
図4A】可動偏向パネルが翼の中心線の左側に回動している状態の図1の反トルクシステムを示す概略図。
図4B】可動偏向パネルが翼の中心線の右側に回動している状態の図1の反トルクシステムを示す概略図。
図5図1の反トルクシステムが2つ組み込まれている回転翼航空機の側面図。
図6】本発明の別の実施形態による飛行制御システムが組み込まれた固定翼航空機の翼の斜視図。
図7図6の7-7線に沿った概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の説明および、対応する部分および同様の部分には同じ符号が付されている図面においては、当業者の理解を助けるために特定の詳細事項が記載されている。しかしながら、周知の要素は、開示が不要に不明瞭になることを避けるために、詳細に図示または説明されていない場合や、全く図示または説明されていない場合もある。
【0014】
本明細書において、「上方」、「下方」、「前方」および「後方」という方向に関する用語は、図5に示すような直線水平飛行における航空機を基準とした相対位置を指す。
図1から3を参照して、一実施形態において、本発明のシステムは航空機の反トルクシステム20に関する。航空機は、例えば、ヘリコプター等の回転翼航空機であってもよい。システム20は翼形部22を備えている。翼形部22は、第1の後縁28から前縁30まで延在する第1の表面24と、第1の表面24の反対側で第2の後縁32から延在して前縁30で第1の表面24に接合する第2の表面26とを有している。第1の可動偏向パネル34は、第1の後縁28に回動可能に連結され、第1の偏向パネル34の反対側の第2の可動偏向パネル36は、第2の後縁32に回動可能に連結されている。回動可能な連結は、ヒンジによるものであってもよい。第1の偏向パネル34および第2の偏向パネル36は、各後縁28、32からそれぞれの終端38、40に向かって、内向きに互いに近づいている。第1の偏向パネル34および第2の偏向パネル36の終端38、40は、調整された隙間41によって分離されている。複数のオリフィス80が、第1の偏向パネル34および第2の偏向パネル36に画定されている。オリフィス80は、第1の後縁28および第2の後縁32の付近において、後縁28、32の回動軸の下流側に配置されている。翼形部22は、中立位置にあるときは対称をなし、第1の表面24および第2の表面26が、翼形部22の前縁30を通って延びる中心線に対して対称的に配置されている。
【0015】
第1の表面24と第2の表面26との間には、第1の偏向パネル34および第2の偏向パネル36をそれぞれの回動軸を中心に同時に回動させる手段が設けられている。第1の偏向パネル34および第2の偏向パネル36を回動させる適切な手段は、例えば、電気機構、油圧機構、機械的機構、空気圧機構またはこれらの組み合わせのうちのいずれであってもよい。図3に機構の一例を示す。円形かつ長尺状のシャフト42が、翼形部22内で、第1の後縁28の両側の縁部44、46の間をスパン方向に延在している。シャフト42は、第1の後縁28と第2の後縁32との間の中間点に配置されている。第1のコネクタプレート60が、翼形部22の内側に配置され、シャフト42の長さ方向における一箇所でシャフト42に固定されている。第1のコネクタプレート60は、シャフト42から突出して第1のレバー52および第2のレバー54をそれぞれシャフト42に回動可能に連結させる第1の連係部材62および第2の連係部材64を有している。第1のレバー52は、一端において第1の偏向パネル34の内面56に回動可能に連結され、他端において第1の連係部材62に回動可能に連結されている。第2のレバー54は、一端において第2の偏向パネル36の内面58に回動可能に連結され、他端において第2の連係部材64に回動可能に連結されている。
【0016】
シャフト42をその長手軸を中心に回転させる手段が設けられている。長手軸に沿ったシャフト42の回転によって第1のレバー52および第2のレバー54が回動し、これによって、第1の偏向パネル34および第2の偏向パネル36がそれぞれの回動軸35および37を中心に回動する。シャフト42を回転させる適切な手段は、例えば、電気機構、油圧機構、機械的機構、空気圧機構またはこれらの組み合わせのうちのいずれであってもよい。図2に機構の一例を示す。接続ロッド66は、一端において、シャフト42の端部に固定された第2のコネクタプレート68に回動可能に連結されており、他端において、回動アーム70に回動可能に連結されている。回動アーム70は、回動アーム70の回動軸71を支持するために翼形部22に固定された長尺状のバー72に回動可能に連結されている。例示的な実施形態において、長尺状のバー72は、一端において、第1の表面24と第2の表面26との間を延在している第1の支持部材74に取り付けられ、他端において、第1の支持部材74から間隔を空けて平行に延びる第2の支持部材76に取り付けられている。第2の支持部材76は、シャフト42に固定されていてもよい。回動アーム70は、接続ロッド66を制御ロッド78に回動可能に連結している。制御ロッド78は、シャフト42の長手方向の長さと平行に翼形部22内でスパン方向に延びている。制御ロッド78は、翼形部22内でスパン方向に移動可能である。制御ロッド78がスパン方向に移動することによって、回動アーム70および接続ロッド66がそれぞれの回動軸を中心に回動し、その結果、シャフト42が長手軸を中心に回転する。制御ロッド78は航空機内の制御システムに連結され、動作時に操縦者が制御ロッド78の動きを制御できる。
【0017】
シャフト42は、偏向パネル34および36を、それぞれの回動軸を中心に翼形部22の中心線の左側または右側に選択的に回動させるために、図3における時計回りまたは反時計回りの方向に回転可能である。偏向パネル34、36が各回動軸を中心に回動すると、翼形部22の外形が、偏向パネル34、36が中立位置にある状態の対称的な外形から、偏向パネル34、36が偏向位置にある状態の非対称的な外形に変化する。図4Aおよび4Bは、偏向パネル34、36が中心線の左側および右側に偏向された状態をそれぞれ示している。偏向パネル34、36は、全回動範囲(例えば、最大許容回動角度までの範囲)における任意の許容回動角度に偏向することができ、シャフト42の回転角度によって制御される。
【0018】
図5に、反トルクシステム20が、回転翼航空機82に適用された例を示す。航空機82は、主回転翼84と、主回転翼84の下に垂設されている胴体86と、胴体86から後方に突出する長尺状の尾部支材88とを備えたヘリコプターである。尾部支材88は、航空機がホバリングまたは比較的低速で前進しているときに主回転翼84の回転によって発生する垂直ダウンウォッシュの領域を通って延びている。システム20は、胴体86をその垂直軸を中心に主回転翼84の回転とは逆の方向に回転または偏揺れさせる、主回転翼84に加えられる力を抑制することによって、航空機82の方向制御を維持するために使用される。
【0019】
システム20の翼形部22は、前縁30が上方を向き、偏向パネル34、36が下方を向いた状態で、主回転翼ダウンウォッシュ90の外周内で尾部支材88の少なくとも一部を包んでいるか、少なくとも一部に取り付けられるように配置される。翼形部22は、所定の取付角、すなわち、航空機の垂直軸に対する翼形部22の翼弦線の角度をなして、尾部支材88に装着されている。主回転翼ダウンウォッシュ90は、低速飛行およびホバリング中、翼形部22全体(すなわち、第1の表面24および第2の表面26ならびに偏向パネル34、36の表面)の周りを連続的に流れる。第1および第2のデフレクタ34、36の表面上で気流を選択的に偏向させることにより、偏向の方向と反対の方向に揚力が生じる。ダウンウォッシュ90の流れに垂直な方向のこの揚力によって、低速飛行およびホバリング中の主回転翼のトルクが抑制される。偏向パネル34、36の回動によって、翼形部22の外形が非対称になり、翼形部22の揚力係数が増加する。翼形部22の非対称の外形、ひいては揚力係数は、偏向パネル34、36が全回動範囲にわたって回動するにつれて変化する。シャフト42の回転角度を制御することによって、偏向パネル34、36の回動角度と、結果として生じる翼形部22の非対称の外形とを調節することができ、これによって、翼形部22が発生させる揚力の量を制御できる。
【0020】
偏向パネル34、36の回動に起因する翼形部22の外形曲線の急激な変化によって、偏向パネル34、36の回動軸の下流に位置する第1の表面24および第2の表面26において空気圧変化および境界層乱流が誘発される。偏向パネル34、36の回動によって、流体が流れる表面24または26においては、偏向に応じて増加する正圧領域が発生し、反対側の表面24または26においては、偏向に応じて増加する負圧領域が発生する。この圧力差のバランスをとるために、システム20は、翼形部22によって画定される隙間41および/またはオリフィス80の一方または両方を有している。第1の偏向パネル34および第2の偏向パネル36の終端38、40の間の空間によって画定される隙間41が設けられていることによって、偏向パネル34、36の間に入った空気が終端38、40を通過し、隙間41を介して翼形部22から出ることができる。これによって、終端38、40で形成される渦の強度が低減する。偏向パネル34、36に複数のオリフィス80が設けられていることによって、偏向パネル34、36のうちの一方の外面上で形成される高圧の乱気流がオリフィス80を介して偏向パネル34および36の間の翼形部22内の空間に入り、反対側の偏向パネル34、36の外面上を流れることができる。その結果、反対側の偏向パネル34、36の外面に形成されている低圧の乱気流とのバランスを取ることができるため、圧力差が相殺され、翼形部22の周囲において滑らかな空気の流れを維持することが可能となる。
【0021】
図5に示すように、回転翼航空機82は、垂直フィン92を備えていてもよい。「垂直」という用語は、航空機82の長手軸に垂直な方向、または航空機のヨー軸に平行な方向に限定されず、ヨー軸に対して角度をなして傾斜したフィンも含まれる。翼形部22は、前縁30が前方に向けられ、後縁28、32が後方に向けられた状態で、垂直フィン92の少なくとも一部を包むか、または少なくとも一部に取り付けられるように配置される。垂直フィン92に配置された翼形部22の偏向パネル34、36は、偏向パネル34、36の表面上の気流層を左または右に選択的に偏向させることによって、垂直フィン92の下流側縁を通過する相対的な水平気流の進行方向を変化させるように回動する。これによって、巡航速度でのトルクを抑制させる、水平気流に垂直な方向の揚力が発生する。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態は、尾部支材88(「第1の翼形部22」と称される)および垂直フィン92(「第2の翼形部22A」と称される)の両方を包んでいるか、これらに取り付けられるように配置された2つの翼形部22を有する回転翼航空機を含み、反トルク制御を行うことによって、全飛行パラメータにおいて方向制御を維持する。図5に示すように、第1の翼形部22の回転シャフト42を第2の翼形部22Aの回転シャフト42に動作可能に連結するために、翼形部コネクタ94が設けられている。このため、一方のシャフト42の回転によって他方のシャフト42が回転し、その結果、第1および第2の翼形部22、22Aの偏向パネル34、36が同じ回動角度で同時に回動する。
【0023】
さらに別の実施形態では、飛行制御システム10は、固定翼航空機の翼または安定板(例えば、水平安定板および垂直安定板)に配置される。飛行制御システム10は、一般的に、固定翼航空機の翼、水平安定板および垂直安定板の後縁にそれぞれ装着される補助翼、昇降舵および方向舵等の、1つまたは複数の従来の固定翼制御装置の代わりに配置してもよい。図6および7に、飛行制御システム10を固定翼航空機の翼100に適用した例を示す。翼100は、前方に向けられた前縁102と、反対側の後方に向けられた後縁104と、2つの側縁106、108と、を含む翼外形を有している。一方の側縁106は、航空機の胴体に取り付けられている。後桁110は、前縁102から離間して配置され、翼100の側縁106、108の間に位置する第1の点112から第2の点114までスパン方向に後縁104と平行に延在している。翼100は、第1の表面116を有し、第1の表面116は、前縁102で反対側の第2の表面118に接合するように延在している。第1の表面116の少なくとも一部は、後桁110の第1の縁部120から前縁102まで延在し、第2の表面118の少なくとも一部は、反対側の第2の縁部121から延在して前縁102で第1の表面116と接合している。第1の表面116の残りの部分は、後縁104から前縁102まで延在し、第2の表面118の残りの部分は、後縁104から延在して、前縁102で第1の表面116に接合している。
【0024】
第1の可動偏向パネル119が、第1の点112と第2の点114との間に延在する後桁110の第1の縁部120に回動可能に連結される。第1の可動偏向パネル118の反対側では、第2の可動偏向パネル122が、第1の点112と第2の点114との間に延在する後桁110の第2の縁部121に回動可能に連結される。後桁110の第1の縁部120および第2の縁部121は、第1の偏向パネル119および第2の偏向パネル122のそれぞれの回動軸を形成している。偏向パネル119、122は、それぞれの終端123、124に向かって、内向きに互いに近づいている。偏向パネル119、122を同時に同じ回動角度で回動させる手段が設けられている。偏向パネル119、122を回動させる適切な手段は、例えば、電気機構、油圧機構、機械的機構、空気圧機構またはこれらの組み合わせのうちのいずれであってもよい。翼形部22の偏向パネル34、36を回動させる例示的な手段を、固定翼航空機の翼100の偏向パネル119、122を回動させるために適合してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1の表面116および第2の表面118全体が、後桁110の第1の縁部120および第2の縁部121のそれぞれから前縁102まで延在している。このような実施形態では、翼100の後縁104は、第1および第2の可動偏向パネル119、122の終端123、124によって画定される。
【0026】
本明細書に記載の偏向パネル119、122は、対称または非対称の翼外形を有する任意の適切な翼または安定板の後桁に回動可能に連結するように配置することができる。
上記開示から当業者には明らかであるように、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の実施において多くの変更および修正が可能である。したがって、明細書および図面は例示的であり、限定的ではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7