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特許7527695無縫合カニューラアセンブリを有する植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】無縫合カニューラアセンブリを有する植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/174 20210101AFI20240729BHJP
   A61M 60/869 20210101ALI20240729BHJP
   A61M 60/861 20210101ALI20240729BHJP
   A61M 60/274 20210101ALI20240729BHJP
   A61M 60/427 20210101ALI20240729BHJP
   A61M 60/531 20210101ALI20240729BHJP
   A61M 60/837 20210101ALI20240729BHJP
【FI】
A61M60/174
A61M60/869
A61M60/861
A61M60/274
A61M60/427
A61M60/531
A61M60/837
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023541966
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2022020409
(87)【国際公開番号】W WO2022197721
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】63/162,086
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/162,098
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521359346
【氏名又は名称】スリーアール ライフ サイエンシズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】ツィ、スティーヴン シー ラップ
(72)【発明者】
【氏名】リュー、パンジュ
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-520621(JP,A)
【文献】特表2009-525128(JP,A)
【文献】特表2009-505742(JP,A)
【文献】特表2013-510691(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0050143(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 60/174
A61M 60/869
A61M 60/861
A61M 60/274
A61M 60/427
A61M 60/531
A61M 60/837
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の心室と血液ポンプ(blood pump)とを接続する共拍動(co-pulsatile)サイクル支援システムにおけるカニューラアセンブリであって、
前記血液ポンプは、血液嚢(blood sac)、血液ポンプハウジング(housing)、前記血液嚢を血液ポンプハウジング内に組み込んだ吊り座(stem suspension)、心拍動を追跡するために血液ポンプハウジングに埋め込まれたセンサ、及びくちばし状フランジ(beak flange)を有するインレットアダプタ(inlet adapter)を含み、
前記カニューラアセンブリは、変形可能なポリマーカニューラと雄バックル及び雌バックルとカプラを提供することを含み、
前記カニューラは、カニューラの流路本体、ベルマウス、フランジ斜面を含み、
前記カニューラの流路本体は、前記ベルマウスと前記フランジ斜面との間に位置し、
前記ベルマウスは前記カニューラの第一端に位置し、前記心室に入れるように配置されており、
前記フランジ斜面は、前記カニューラの第二端に位置し、前記血液ポンプに接続されるように配置されており、
前記カニューラの内面は滑らかでシームレスであり、
記雄バックル及び前記雌バックルはネジで相互にロックされており、
前記雄バックルは前記カニューラに固定されて、前記雌バックルは心室の心臓壁外膜(epicardium)に押し付けられ
前記カプラは、前記カニューラの前記第二端と前記血液ポンプの前記インレットアダプタとを接続し、前記カプラは、フランジベースと、前記フランジベースに固定された一対のロックリングとを含み、前記ロックリングには、前記フランジベースを受け入れ圧縮するために内部スロットがあり、前記カニューラの前記フランジ斜面と前記インレットアダプタの前記くちばし状フランジとが接合されることを特徴とする、
カニューラアセンブリ。
【請求項2】
前記カニューラにはめ込まれているステントをさらに含み、
前記ステントは、
複数の第1ジグザグ状リングからなり、前記カニューラの前記流路本体にはめ込まれているジグザグ状リングアレイと、
前記カニューラの前記ベルマウスはめ込まれて、前記ベルマウスを支持するテーパ状のステント構造を形成する少なくとも2つの第2ジグザグ状リングと、を含むことを特徴とする、
請求項1に記載のカニューラアセンブリ。
【請求項3】
前記ステントは、前記ジグザグ状リングアレイと前記テーパ状のステント構造の間に接続される接続部分をさらに含むことを特徴とする、
請求項2に記載のカニューラアセンブリ。
【請求項4】
前記ベルマウスの肉厚は、ベルマウスの先端に向かって徐々に薄くなり、前記先端は実際に楔形の縁であることを特徴とする、
請求項1に記載のカニューラアセンブリ。
【請求項5】
前記心臓の心筋と接触するように配置される前記カニューラの表面部分は、細胞や組織の内側への成長を促進するために粗面化されているか、多孔質材料で覆われていることを特徴とする、
請求項1に記載のカニューラアセンブリ。
【請求項6】
前記雌バックルは、細胞と組織の内側への成長を促進して止血と固定の目的に達するために、前記心臓壁外膜に接触するように配置された雌バックルキャップを有し、
多孔質材料は雌バックルキャップに付着していることを特徴とする、
請求項1に記載のカニューラアセンブリ。
【請求項7】
前記雌バックルは軟質保護具(cushion cuff)を有し、
前記軟質保護具は前記雌バックルキャップの外縁に巻き込んで付着され、前記心壁外膜に接触していることを特徴とする、
請求項に記載のカニューラアセンブリ。
【請求項8】
前記カニューラの流路本体は、前記カニューラの流路本体の外壁から突出する複数の突出座を有し、
前記雄バックルは、前記突出座にそれぞれ対応する複数の貫通溝を有し、
前記突出座は、前記貫通溝と互いに噛み合うことを特徴とする、
請求項に記載のカニューラアセンブリ。
【請求項9】
前記カニューラは変形可能なポリマー材料からなることを特徴とする、
請求項1に記載のカニューラアセンブリ。
【請求項10】
前記カニューラの流路本体は湾曲または湾曲可能であることを特徴とする、
請求項1に記載のカニューラアセンブリ。
【請求項11】
心臓の心室(ventricular chamber)をつなぐように配置された植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システムであって、
無弁吐出式血液ポンプ(displacement blood pump)、請求項1に記載のカニューラアセンブリ、駆動カニューラアセンブリ、及び共拍動駆動装置を含み、
前記無弁吐出式血液ポンプは、血液嚢(blood sac)、血液ポンプハウジング(housing)、前記血液嚢を血液ポンプハウジング内に組み込んだ吊り座(stem suspension)、心拍動を追跡するために血液ポンプハウジングに埋め込まれたセンサ、及びくちばし状フランジ(beak flange)を有するインレットアダプタ(inlet adapter)を含み
記駆動カニューラアセンブリは前記血液ポンプと空気圧で連通して伝送し、心拍数検出信号を前記駆動装置に伝送し、
前記共拍動駆動装置は感知された心拍の律動波形から指令を与えてエアポンプ作動(pneumatic pumping)支持を駆動し、
共拍動ポンプ作動は心室収縮期にポンプで血液を駆出する(pump ejection)と心室拡張期にポンプで血液を充血する(pump fill)ことによって実現されることを特徴とする、
植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システム。
【請求項12】
前記インレットアダプタの前記くちばし状フランジは、前記フランジ斜面に接続されたくちばし状インターフェースを有し、
前記くちばしの内径は前記カニューラの流路本体の内径よりやや大きく、かつ、前記フランジ斜面は前記カニューラの中心線に向かって30~60度傾いていることを特徴とする、
請求項11に記載の植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システム。
【請求項13】
前記カプラは、デカップリング防止ラッチとロックリング輪郭を含み、
前記ロックリング輪郭は、前記ロックリングが閉鎖している間、同期に前記カプラの前記フランジベースの全周縁を抱き込んで、血液接触面に最小の不連続性を持つ接続特性を実現することを特徴とする、
請求項11に記載の植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システム。
【請求項14】
前記共拍動ポンプ作動は心電図波形を参考することによって実現されることを特徴とする、
請求項11に記載の植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システム。
【請求項15】
前記共拍動ポンプ作動は、圧力センサであるセンサによって取得する圧力波形を参照することによって実現されることを特徴とする、
請求項11に記載の植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システム。
【請求項16】
前記吊り座に一対の軸対称座が設けられており、
前記血液ポンプの前記血液嚢が軸対称を呈し、前記一対の軸対称座に支持されて前記血液ポンプの耐久性を延長することを特徴とする、
請求項11に記載の植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システム、特に無縫合カニューラキットを含む共拍動サイクル支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
心室支援装置(ventricular assist device; VAD)、特に左心室支援装置(left ventricular assist device; LVAD)は、末期心不全の治療(heart failure; HF)の標準治療方式となった。
現在、VAD治療が必要な心不全患者は薬物治療に反応しない患者たちで、彼らは末期心不全に分類され、心臓埋め込みや機械サイクルの支援を受けていなければ、いつでも死の脅威に直面する。
これまで、HeartMate 2、HeartMate 3、HeartWare HVADを含む連続流、持続的なLVAD(回転血液ポンプ)の設備から、承認を得て以来、世界で25000人以上のLVADが埋め込みされた患者事例が登録され、登録されている。
技術の更なる発展に伴い、LVADは末期心不全治療の使用としてますます受け入れられると予想される。
【0003】
よく見られる心不全は収縮性心不全(systolic heart failure)と拡張性心不全(diastolic heart failure)に分けられる。
駆出分率(ejection fraction; EF)は心室から駆出される血液の体積を心室に貯蔵できる最大の血液体積で割ったものと定義され、臨床的には心臓の収縮力を定量化するために用いられる。健常者にとって、EFは休憩時に約70%である。収縮性心不全のEFは一般的に40%未満であり、病理的拡張型心室と肉厚の減少として現れる。
ラプラスの法則(Laplace Law)によると、前記拡大したチャンバーは心筋のより多くの収縮エネルギーを消費して脈動出力を提供するため、心室の収縮が不十分で非効率的である。しかし、拡張性心不全は心室の貯血機能の障害によるもので、心筋の壁が異常に硬くて厚いため、貯血能力が損なわれて心拍出量が不足したが、EFはほぼ正常であった。
収縮性心不全または駆出率が低下する心不全(heartfailurewithreducedejectionfraction; HFrEF)病理はすでに比較的はっきりと理解されており、しかも薬や装置で治療する治療法も比較的完備している。
一方、正常収縮分率心不全(heart failure with preserved ejection fraction; HFpEF)は拡張性心不全とその他の非心臓合併症を含む、より広範な疾患であり、近年、より多くの注目を集めている。しかし、病理生理学についてはあまり知られておらず、利用可能な治療法の効果が低い。
HFpEF患者は心不全の総死亡率の約半分を占めている。HFpEFによる疫学的医療負担(それによる死亡率と入院率を含む)は年々上昇しており、増加する高齢者人口の割合は前記医療負担傾向を悪化させると予想される。
【0004】
EF分類によると、EF<40%の心不全患者はHFrEFに分類され、一方、EFは閾値ないし正常値のEF、すなわちEF>40-50%であると、HFpEFファミリに分類される。
二十数年来、人々はずっとHFpEF病理の原因と相応の治療方法を探す努力をしている。20項目ほどの医学試験を行ったが、HFpEFの治療に有効であることが証明された薬は一つもなかった。
HFpEFの病原因子は異質性(heterogenous)であり、患者は心臓と非心臓の原因で死亡する。
HFpEFの死亡の病原因子としては、肺動脈高圧、浮腫、右心室(RV)不全、心房細動、全身性高血圧、心室-血管の硬直、及び肥満、貧血、糖尿病、腎不全などの非心臓因子が証明されている。
【0005】
HFrEFとHFpEFは同じ疾患悪化の特徴を持っており、悪サイクルに陥ると死亡するまで悪化し続ける。
現在、装置介入は薬物治療以外のより有効な治療選択であり、薬物治療は現在利尿剤管理と合併症の緩和治療しかできない。
近年ますます人気のある回転式血液ポンプ(rotary blood pump)はef<40%の収縮性心不全にのみ適用され、しかもその標準は患者に十分な右心準備量を満たすことを要求している。
統計によると、約30-40%のロータリーポンプ使用患者はLVAD埋め込み後に装置による右心不全が出現する。
現在の連続流LVADは通常の左心室腔サイズに制限のあるHFpEF患者にとって有益である可能性は低い。
LVADがHFpEFを効果的に治療するためには、HFpEFに関連する疾患の特徴を解決するために、異なる設計概念を用いて開発しなければならない。現在、HFpEFを治療するための装置療法はまだない。
HFpEFの病理生理学に対する理解と病因に対する治療法を見つけることは、薬物や機械的方法を問わず切実に必要とされているといえる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来のサイクル支援製品の限界を解決するために、本発明の一実施形態は、心臓の心室と血液ポンプ(blood pump)とを接続する共拍動(co-pulsatile)サイクル支援システムにおけるカニューラアセンブリであって、変形可能なポリマーカニューラと一対の雄バックル及び雌バックルを提供することを含む。
前記カニューラは、カニューラの流路本体、ベルマウス、フランジ斜面を含み、前記うち、前記カニューラの流路本体は、前記ベルマウスと前記フランジ斜面との間に位置する。
前記ベルマウスはカニューラの第一端に位置し、心室に入れるように配置されており、前記フランジ斜面部分は、前記カニューラの第二端に位置し、前記血液ポンプに属するアセンブリに接続されるように配置されている。
前記カニューラの内面は滑らかでシームレスである。
前記雄雌バックルはネジで相互にロックされており、前記雄バックルは前記カニューラに固定されて、雌バックルを心臓の心臓壁外膜(epicardium)に押し付けられる。
【0007】
いくつかの実施例では、前記カニューラはステントを有し、前記カニューラの壁内にはめ込まれている。
【0008】
いくつかの実施例では、前記ステントは、前記カニューラの流路本体と前記ベルマウス内に位置する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記ステントはジグザグ状リングと、接続部分とテーパ状のステントリングとが配列され、前記カニューラの流路本体内にある前記ジグザグ状の環状配列とベルマウス内にあるテーパステントの環状配列とを接続する。
【0010】
いくつかの実施例では、前記ベルマウスの肉厚は、ベルマウスの先端に向かって徐々に薄くなり、前記先端は実際に楔形の縁である。
【0011】
いくつかの実施例では、前記心臓の心筋と接触するように配置される前記カニューラの表面部分は、細胞や組織の内側への成長を促進するために粗面化されているか、多孔質材料で覆われている。
【0012】
いくつかの実施例では、前記雌バックルは、止血と固定の目的で細胞と組織の内側への成長を促進して止血と固定の目的に達するために、前記心壁外膜に接触するように配置された雌バックルキャップを有し、多孔質材料は雌バックルキャップに付着している。
【0013】
いくつかの実施例では、前記雌バックルは軟質保護具(cushion cuff)を有し、前記軟質保護具は前記雌バックルキャップの外縁に巻き込んで付着され、前記心壁外膜に接触している。
【0014】
いくつかの実施例では、前記カニューラの流路本体は、前記カニューラの流路本体の外壁から突出する複数の突出座を有し、前記雄バックルは、前記突出座にそれぞれ対応する複数の貫通溝(through slot)を有し、前記突出座は、前記貫通溝と互いに噛み合う(engaged)。
【0015】
いくつかの実施例では、前記カニューラは変形可能なポリマー材料からなる。
【0016】
いくつかの実施例では、前記カニューラの前記流路本体は湾曲または湾曲可能である。
【0017】
本発明のもう一つの実施例は、心臓の心室(ventricular chamber)をつなぐように配置され、無弁吐出式血液ポンプ(displacement blood pump)、変形可能なポリマー(polymeric)カニューラ、一対の雄雌バックル、カプラ、駆動カニューラアセンブリ、共拍動駆動装置を含む植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システムを提供する。
前記無弁吐出式血液ポンプは、血液嚢(blood sac)、血液ポンプハウジング(housing)、前記血液嚢を血液ポンプハウジング内に組み込んだ吊り座(stem suspension)、心拍動を追跡するために血液ポンプハウジングに埋め込まれたセンサ、及びくちばし状フランジ(beak flange)を有するインレットアダプタ(inlet adapter)を含む。
前記変形可能なポリマーカニューラは、カニューラの流路本体、ベルマウス、フランジ斜面を含み、前記カニューラの流路本体は、前記ベルマウスと前記フランジ斜面との間に位置する。
前記ベルマウスは前記カニューラの第一端に位置し、心室に入れられるように配置されており、前記フランジ斜面部分は、前記カニューラの第二端に位置し、前記インレットアダプタと接続インターフェースを形成するように配置され、前記カニューラの内面は滑らかでシームレスである。
前記一対の雄雌バックルはネジがあって相互にロックされ、前記雄バックルは前記カニューラに固定され、前記雌バックルが心臓の心臓壁外膜(epicardium)に押し付けられる。
前記カプラは、カニューラの第二端と前記インレットアダプタを接続する。
前記カプラは、フランジベースと、フランジベースに固定された一対のロックリング(collar)とを含む。
前記ロックリングには、前記ロックリングには、前記フランジベースを受け入れ圧縮するために内部スロットがあり、前記カニューラの前記フランジ斜面とインレットアダプタの前記くちばし状フランジとが接合される。
前記駆動カニューラアセンブリは前記血液ポンプと空気圧で連通して伝送し、心拍数検出信号を前記駆動装置に伝送し、前記共拍動駆動装置は感知された心拍の律動波形から指令を与えてエアポンプ作動(pneumatic pumping)支持を駆動し、共拍動ポンプ作動は心室収縮期にポンプで血液を駆出する(pump ejection)と心室拡張期にポンプで血液を充血する(pump fill)ことによって実現される。
【0018】
いくつかの実施例では、前記カニューラは前記カニューラのカニューラ壁に埋め込まれているステントを有する。
【0019】
いくつかの実施例では、前記ベルマウスの肉厚は、前記ベルマウスの先端に向かって徐々に薄くなっており、前記先端は楔形の縁(Wedge Shape)である。
【0020】
いくつかの実施例では、細胞や組織の内側への成長を促進するために、前記カニューラの心臓の心筋と接触する外面は、粗面化されているか、多孔質材料で覆われている。
【0021】
いくつかの実施例では、前記カニューラの流路本体は湾曲または湾曲可能である。
【0022】
いくつかの実施例では、前記雌バックルには、前記雌バックルキャップは、細胞や組織の内側への成長を促進して止血と固定の目的に達するために、心壁外膜に接触するように配置される雌バックルキャップがあり、多孔質材料は前記雌バックルキャップに付着している。
【0023】
いくつかの実施例では、前記インレットアダプタの前記くちばし状フランジは、前記フランジ斜面に接続されたくちばし状インターフェースを有し、前記くちばしの内径は前記カニューラの流路本体の内径よりやや大きく、かつ、前記フランジ斜面は前記カニューラの中心線に向かって30~60度傾いている。
【0024】
いくつかの実施例では、前記カプラは、デカップリング防止ラッチとロックリング輪郭を含み、前記ロックリング輪郭は、前記ロックリングが閉じている間、同期に前記カプラの前記フランジベースの全周縁を抱き込んで、血液接触面に最小の不連続性を持つ接続特性を実現する。
【0025】
いくつかの実施例では、前記共拍動ポンプ作動は、心電図波形を参考することによって実現される。
【0026】
いくつかの実施例では、前記共拍動ポンプ作動は、圧力センサであるセンサによって取得する圧力波形を参照することによって実現される。
【0027】
いくつかの実施例では、前記吊り座に一対の軸対称座が設けられており、前記血液ポンプの前記血液嚢が軸対称を呈し、前記一対の軸対称座に支持されて血液ポンプの耐久性を延長する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の植え込み型心室外延サイクル支援装置のシステム概略図
図2】本心室外延サイクル支援装置の埋め込み可能サブシステムの分解図
図3】心室外延サイクル支援装置の左心室での模式図
図4A】カニューラの側面図
図4B】カニューラの断面図
図5】ステントがカニューラに嵌め込まれる斜視図
図6A図5のステントインサートの側面図
図6B図5のステントインサートの別の視点図
図7A】雄バックルの側面図
図7B】雄バックルの断面図
図8A】雌バックルの正面図と背面図
図8B】雌バックルの断面図
図8C】雌バックル設計の別の実施例
図8D】雌バックル設計の別の実施例の断面図
図9】雄雌バックルは、高速でカニューラ路本体のいずれかのロック位置にある断面図
図10A】インレットアダプタの視点図
図10B】インレットアダプタの断面図
図11A】カプラアセンブリの分解図
図11B】ラッチされていない開状態のカプラの視角図
図11C】ラッチクローズのロック形態のカプラの視角図
図12】心室外延サイクル支援装置システムにおける吐出量式血液ポンプの好ましい実施例の側面図
図13】心室外延サイクル支援装置システムにおける吐出量式血液ポンプの好ましい実施例の断面図
図14】多層遠隔駆動カニューラの構成図
図15】組み立てられた心室外延血液ポンプの断面図
図16A】共拍動心室外延血液ポンプが心臓拡張期間中に提供する左心室充血効果の模式図
図16B】共拍動心室外延血液ポンプが心臓収縮期において提供する左心室駆出増強と共拍動増量効果の模式図
図17A】電気機械アクチュエータとモータコントローラのブロック図
図17B】電気機械アクチュエータとモータコントローラの別の模式図
図18】左心室圧(left ventricular pressure; LVP)、大動脈圧(aortic pressure; AoP)、心電図(electrocardiogram; ECG)電気機械アクチュエータの駆動EVBPサイクル支援システムにおけるピストン変位軌跡間での共拍動関係図
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、支援装置の実施例の作成と使用について詳しく検討する。しかしながら、本実施形態は多くの適用可能な発明概念を提供しており、これらの概念は様々な特定の状況で実現可能であることが理解されるべきである。議論される特定の実施形態は、実施形態を作成し使用する特定の方法を説明するだけであり、本発明の開示の範囲を限定するものではない。
【0030】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。一般的な辞書に定義されている各用語は、本開示の内容に適合する相対的な技能と背景または状況の意味を有すると解釈されるべきであり、特に定義されていない限り、理想化または正式すぎる方法で解釈してはならないことを理解されたい。
【0031】
本発明が明らかにした一実施例は拡張性心不全に対する植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システム、あるいはより広い意味でのHFpEFに対するものである。
本発明の一つの代表的な実施例として、図1は本発明の植え込み型心室外延サイクル支援装置のシステム概略図であり、図1に示すように、カニューラアセンブリ30A、カプラ40、心室外延血液ポンプ50(epi-ventricular blood pump; EVBP)、駆動カニューラアセンブリ60A及び共拍動駆動装置70を含む。
前記心室外延血液ポンプ50は、前記カプラ40を介してカニューラアセンブリ30Aのカニューラ30に接続されており、前記カニューラ30は心臓20の左心室(LV)に埋め込まれている。
HFpEFに関連する特徴的な構造変化、すなわち左心室心筋の壁厚が増加し硬くなること、及び左心室の体積が減少することを解決するために、本発明の一実施例は、機械式体積補償器(volume compensator)を介して左心室に能動的に調節する前記心室外延血液ポンプ50を付加することを革新した。
このような心室外延血液ポンプ50と心臓20の左心室(LV)との吻合口の接続は、下記の通り、新型の血液ポンプフローアダプタの発明(カニューラアセンブリ30A、カプラ40を含む)によって行われ、本サイクル支援の操作は、心室外延血液ポンプ50の共拍動(co-pulsatile support)によって行われる。
【0032】
図2は前記心室外延サイクル支援装置の埋め込み可能なサブシステムの分解図であり、次に図2でさらに説明する。
カニューラアセンブリ30Aは、カニューラ(またはカニューラ)30と雄雌バックル対33、34とを有する。
前記カニューラ30の遠側端(第一端)30S1は漏斗状であり、雄雌バックル対33、34が前記カニューラ30の周囲に取り付けられて、前記カニューラ30と心臓20の左心室(LV)との漏れが一切ないように固定されて実現されており、その後で説明する。
前記カニューラ30の近側端(第二端)30S2には、最小の結合ポートを用いて不連続性のある設計で機構が統合されており、前記カニューラ30と心室外延血液ポンプ50のインレットアダプタ51(図10A参照)とを接続するために用いられる。
いくつかの実施例では、前記カニューラ30は変形可能なポリマー(polymeric)カニューラである。
【0033】
図3は心室外延サイクル支援装置の左心室での模式図であり、その中でカニューラが左心室に埋め込まれた詳細(ここで、LV:左心室、RV:右心室)について特に説明する。
図3に示すように、心室外延サイクル支援装置の埋め込み、特に強調したいのは、前記心室外延血液ポンプ50と左心室との接続は縫合なしの接続方法で行われたことである。
前記カニューラ30は、心壁内膜と面一のベルマウス31(形状として漏斗状の流路)を有し、雌バックル34で締め付けられ、心壁外膜に押圧力を加え、前記ベルマウス31をストッパーとして、左心室との漏れのない装置の接続が完了し、雄バックル33と雌バックル34はネジで相互に締め付けられ、前記雄バックル33は前記カニューラ30に固定され、前記雌バックル34は前記心臓20の心臓外膜(epicardium)に押し付けられる。
【0034】
前記心室外延血液ポンプ50を心臓20の左心室(LV)に接続するための前記カニューラアセンブリ30Aの一実施例については、図3及び図4Aに記載する。
図3では、前記カニューラ30と前記心室外延血液ポンプ50が心臓20の左心室(LV)にどのように接続されているかが示されており、前記模式図には、人工流路と、心室壁先端(apical coring)に埋め込まれてコア孔21とが描かれている。
カニューラアセンブリ30Aは、ベルマウス31と、カニューラの流路本体32と、一対の雄バックル33と雌バックル34と、フランジ斜面36とを備える。
前記ベルマウス31は、心臓20の左心室に挿入されるように配置されている。
カプラ40は、カニューラ30のフランジ斜面36と心室外延血液ポンプ50のインレットアダプタ51とを接続するように配置されている。
フランジ斜面36の斜面面38はインレットアダプタ51と接続または接触している。
【0035】
図4Aは前記カニューラの側面図であり、はっきりさせるために、前記カニューラの外面に付着した組織を内側に成長させるための多孔質材料を一時的に除去し、図4Bは前記カニューラの断面図であるが、図4A図4Bにカニューラ30の詳細な説明をさらに示す。
図示のように、遠側端(第一端)(orifice)30S1はベルマウス31に位置しており、接続されたサイクル支援システム10から見てより遠いカニューラ端と定義されており、テーパの直径が徐々に大きくなるベルマウス形状を有するように設計されている。
前記ベルマウス31は心室に置かれ、そのテーパ角は通常、前記カニューラの流路本体32の回転軸となす角が30~75度である。
前記カニューラ30の中心部は、均一な断面構造を有する直カニューラの流路本体32であり、カニューラの流路本体32は湾曲または湾曲可能である。
カニューラの材質は半剛性で弾力性があり、通常は金型から射出されるポリマー材質で構成することができる。
心臓20の左心室の頂点に近いコア孔21(図3参照)を入れると、漏斗状の前記カニューラ30は幾何学的ロック機構を構成する。
近側端(第二端)30S2において、前記カニューラ30の血液接触内面は、接続された前記心室外延血液ポンプ50の前記インレットアダプタ51に几何学的に滑らかに移行する。
【0036】
前記カニューラの流路本体32の心筋芯と接触する表面部分320は、傷が癒されている間に組織の内側への成長を促進するために粗面化することができる。粗面化された表面部分320は、適当なポロシティを有する繊維材料を付着させたり、薄膜を堆積させて生成したポリマーフィラメント(例えば、静電紡糸)を用いたりすることで作成することができる。
このような粗面のある表面部分320は、埋め込みされたカニューラ30を接着または密封するように組織内に成長するのを助けることができ、術後に安全な埋め込みに必要な長期止血特性を維持することができる。
心筋が接触する前記カニューラ30の表面部分320は、細胞や組織の内側への成長を促進するように粗面化されていてもよいし、多孔質材料で覆われていてもよい。
【0037】
前述の漏斗状のカニューラ30の2つの実施例をそれぞれ図4A図4Bに示す。
これらの実施形態について、シリコン樹脂(silicone)、ポリウレタン(polyurethane)などのポリマーエラストマーを材料として用いることができ、金型を介して滑らかな血液接触面をシームレスカニューラ30に注湯または射出することができる。
前記ベルマウス31の前記遠側端30S1は楔形の先端楔形310であり、心壁内膜に付着することができ、最小の幾何学的不連続性を持つ。
また、前記先端楔形310の周囲の肉厚が徐々に薄くなっているため、前記ベルマウス31の剛性は、前記先端楔形310に向かう肉厚に比例して低下し、心壁内膜を圧縮する際に、前記ベルマウス31に柔軟性と形状共形性(shape-conformal)を持たせる。
【0038】
図5は、ニッケルチタン合金(Nitinol)ステント型補強インサートのカニューラでの透視図であり、本実施例とは、特に、先の実施例(図4A及び図4B)を金属ステント311(ニッケルチタン合金(Nitinol)ステント補強物)に嵌め込む。
図5に示すように、前記金属ステント311は、前記カニューラ30のカニューラ壁30W内にはめ込まれている。
特に、前記金属ステント311は、カニューラの流路本体32とベルマウス31の内部に位置し、剛性(stiffness)を提供する。
前記金属ステント311をカニューラ壁30W内に嵌め込むことにより、カニューラ壁の厚さをさらに薄くしてカニューラ流路の外径を小さくすることができる。
そのため、内径35で主導する血行動態の性能に影響を与えることなく、ステント嵌入カニューラ30の埋め込み性が向上する。
また、いくつかの実施例には、ニッケル-チタン合金で補強して製作された金属ステント311は、カニューラの流路本体32にかかる脉動圧の負荷を多く分担することができるため、カニューラの耐久性と安全性が向上する。
一般的に、超弾性ニッケル-チタン合金ステントは、構造的な降伏(structural yielding)を起こさずに大きな変形量に耐えられるため、前記カニューラ30の折り畳み性の要求を満たすことが好ましい。
【0039】
図6Aは、図5のステントインサートの側面図を示し、図6Bは、図5のステントインサートの別の視点図を示し、前記金属ステント311が埋め込まれた側面図と別の視点図を説明する。
ジグザグ状リング(Zig-zag rings)312の形状はラジアル荷重に抵抗する配列になっており、接続部分313は前記ジグザグ状リング312を軸力に抵抗するようにグループ化する。
前記ベルマウス31の壁内には、複数のテーパ状のステントリング314が嵌め込まれる。
薄肉の前記ベルマウス31では、錐体直径が先端楔形310に向かうにつれて径方向の強度が次第に弱くなっている。
前記ベルマウス31の肉厚は先端楔形310に向かって次第に細くなっている。
なお、ベルマウス31が雌バックル34に係止する場合、ベルマウス31の径方向の強度が不足すると、局所的な構造が湾曲し、形状の共形性が失う、湾曲先端楔形310の周囲に大量の駆出が発生する可能性がある。
ニッケルチタン合金の金属ステント311を強化することにより、ベルマウス31の肉厚を厚くすることなく、十分な座屈強度を得ることができ、高分子材料の硬度を向上させることができる。
特に、前記金属ステント311は、ジグザグ状リング312、接続部分313、テーパ状のステントリング314が配列されており、カニューラの流路本体32内に位置するジグザグ状リング312の配列とベルマウス31内に位置するテーパ状のステントリング314の配列とが接続されていることを強調している。
【0040】
再び図3を参照すると、前記カニューラ30を植込む前に、直径が10~15mmの範囲内のコア孔(through-hole)21が必要であり、その内径は意図的にカニューラの流路本体32の外径よりも小さく保たれている。
そのため、本発明のカニューラの変形性が必要であり、前記ベルマウス31と前記カニューラ30をより小さな予備包装形態に巻縮して埋め込みを容易にすることを許可する。
前記ベルマウス31を挿入し、巻縮の拘束を解放すると、折れ曲がったカニューラ30は元の形状と直径に戻り、小さなサイズのコア取後のコア孔21の切り欠き面に密着して広がる。
同様に、前記ベルマウス31の入口に、巻縮の拘束から解放された後も広がり、心壁内膜への耐変位アンカーを構成する。
【0041】
LVADの手術埋め込みでは、通常、左心室の頂点を接続位置として使用する。
現代の回転式血液ポンプ(rotary blood pump)に関連する剛性壁(rigid-walled)インフローカニューラ(直径20~30 mm)と比較すると、本発明の前記カニューラ30の埋め込みに必要なコア孔のサイズ(直径10~15 mm)を大幅に縮小することができる。
心壁から比較的少量の組織を切除することは手術と解剖学的に有利である。
収縮筋の永久的な喪失を減らすだけでなく、房室弁の機能を担う乳突筋(papillary muscle)や腱索(chordae tendineae)の損傷のリスクを軽減することができる。
注意すべきは、二尖弁逆流(regurgitation)は肺うっ血(pulmonary congestion)と高血圧を引き起こし、肺水腫(pulmonary edema)と死亡に危険を及ぼす右心不全を引き起こすことである。
コアリングによる(coring-induced)腱索と乳突筋の損傷を避けるべきで、しかも小さいコア孔は前記手術リスクとそれによる肺部合併症を顕著に下げることができる。
また、HFpEFによく見られるLV制限内径を少し増加させ、ポンプ充血(またはLV”下向き吸入(suck-down)”)中に挿管先端が詰まる可能性を減らす。
【0042】
委員が本発明の特徴をよりよく認識できるようにするために、ここでは、本発明が従来の回転式血液ポンプのインフローカニューラ接続設計と最も異なる点を説明する。
従来の設計では、通常、10-12針のリスクの高い縫合手術が必要であり、特にコア孔21がコアを取った後、LVADを接続して心臓20に留置し、コア孔21の周囲を円周縫合し、その後、伝統的な手術は縫合によって固定される方式で、薯は相対的に固定された縫合を引き締め、縫合糸に張力を与える。
本発明とは対照的に、本発明は無縫合血液ポンプ固定方式を採用し、特に雄雌バックル対33、34による全く異なる固定力生成方法を採用した。
前記新しい固定デザインは、カニューラ30のベルマウス31の周囲と心筋上の接続部位をロックして固定する。
【0043】
雄バックルと雌バックル33、34の詳細構造をそれぞれ図7図8に示す。
図9に示す雄雌バックル対カニューラ流路本体のロック位置の断面図を示す。
図9に示すようにカニューラ30に取り付けられた一体雄バックル33と雌バックル34を示す。
これら雄雌バックル33、34をカニューラ流路本体32に取り付ける際には、該カニューラ流路本体32の変形能力が必要である。
カニューラ30のフランジ斜面36(第二端30S2)は、雄バックル33を順次通過し、雌バックル34を通過するように、小さい巻縮輪郭に圧縮または折り曲げなければならない。
そして、カニューラ30の巻き縮み輪郭が解放された後、雄バックル33はまずカニューラ流路本体32に取り付けられて固定され、少なくとも2つ(または複数)の貫通溝330を介してカニューラ流路本体32の壁外に突出した少なくとも2つ(または複数)の突出座37に係合する。
いくつかの実施例では、2つの突出座37は、カニューラの流路本体32の2相に対応する反対側に位置する。
雌バックル34は、挿入時にフランジ斜面36が圧縮されてから解放され、対応する雄バックル33にロックされる。
そして、前記雌バックル34を心壁外膜に接触するまで前進させる。
装置の固定と漏れシールに必要な適切な圧縮力を加えることができ、ネジ331と342に伴い、外科医が決定するか、トルクレンチがロックの密着性を制御する。
【0044】
図7はバックル33を説明する側面図と断面図である。
ネジ331は、雄バックル33の外面に最初から最後まで刻まれており、雄バックル33の中央付近に位置する2つ以上の貫通溝330を有している。
雄バックル33の内径はカニューラの流路本体32の外径とほぼ等しく、両者の間には小さな隙間がある。
前記カニューラ30に取り付けると、カニューラ流路本体32の突出座37が貫通溝330に係合して、雌バックル34とのねじ止めに必要な軸方向と横方向の反力を提供するための支持アンカーとして機能する。
【0045】
前記雌バックル34の実施例は、図8A、8Bに示す雌バックルを外した正面図と背面図と雌バックルとの断面図にそれぞれ説明されている。
雌バックル34はナットである、漏斗状のリモートキャップ(雌バックルキャップ)340を有し、系止と密封の目的を達成するために心壁外膜に押し付ける。
前記漏斗状のリモートキャップ340の角度は、ベルマウス31のベルマウス角度と等しい。
雄留め具33のネジ331と雌バックル34のネジ342とをネジ止めすると、漏斗状のリモートキャップ340とベルマウス31との間に挟まれた心筋に圧縮力が均一に分布する。
そして、前記ベルマウス31の錐体は、心壁内膜形態に合わせて変形し、駆出予防と血液ポンプ固定の機能を同時に実現する。
漏斗状のリモートキャップ340には、外壁の外膜に接触するように配置する軟質保護具341があり、漏斗状のリモートキャップ340の外縁の周囲に位置する接続されている。
いくつかの実施例では、軟質保護具341は手術用フェルトで作ることができる。
その中の雌バックル34のネジ342は雄バックル33の対応ネジ331と一致しなければならない。
雌バックル34の本体外部周囲には、締め付けトルクをかけやすくするために、多数のローレット溝343が設けられている。
【0046】
本発明の無縫合カニューラアセンブリは、手術埋め込み後、クランプ接続部位で組織萎縮(tissue atrophy)に遭遇する可能性がある。
このような組織萎縮は接合部の密封の有効性を危うくし、接合部の駆出を招く可能性がある。
図8C図8Dに、雌バックル設計の別の実施例と雌バックルの別の実施例の断面図を示す。
図中の雌バックル34の別の実施例は、主に前記萎縮による術後駆出を軽減することを意図している。
軟質保護具341は、図6に示すベルマウス31のテーパ状のステントリング314と同様に、テーパニッケルチタンステント341Nに支持されていてもよい。
雌バックル34が心壁外膜に圧縮されたとき、変形可能な弾性ニッケルチタン合金製ステント341Nは弾性接触荷重を提供し、傷の治癒過程で軟質保護具341が心壁外膜に常に付着することを確保し、術後萎縮による駆出リスクを回避する。
【0047】
機構的には、ネジで雄雌バックル33、34を締め付け、ベルマウス31と雌バックル34のキャップ340は心臓20のコア孔21の両側から心筋を挟んで、固定と漏れのない要求を完成させる。
注目すべきは、圧縮時、ベルマウス31は心壁内膜系形状と同形(shape-conformal)である。
ベルマウス31は心壁内膜形態に適応し、血液漏れの問題を避けるための密封バリアを形成することができる。
雄バックル33は、カニューラの流路本体32の突出座37に固定する、発生するロックロック力を相殺するためのベースとなる。
テーパフェルト材質の軟質保護具341はキャップ340に接続され、ロック時にキャップ340と接触する心壁外膜との間に非侵襲的なクッションとなる。
フェルトクッションの材質が提供するソフト接触特性は止血のもう一つの保証である。
組織または細胞は術後の傷の癒合過程に伴い、軟質保護具341中に内向きに成長する。したがって、軟質保護具341は、植設されたカニューラ30を固定する長期固定機構とすることができる。
また、軟質保護具341の周囲に縫合糸をいくつか縫制する、雌バックル34が回転しないようにしてもよい。
【0048】
カニューラ30の変形に関連する力と歪みは、本発明の特殊な設計動機と特徴を与える。
実際、異なる材料の弾性は本発明に組み込むことを慎重に検討する必要がある。
機能的には、カニューラ30の折り畳み性により、パイプを小径に巻き取ることができ、ベルマウス31の挿入と雄雌バックル33、34の取り付けに使用され、本発明のシームレスな接続を実現するためのねじ止めとロックの基礎となる。
【0049】
ちなみに、無縫合カニューラアセンブリが心臓20の左心室に接続されている実施例の1つは、心臓への密封を改善するための前方フィードバック機構を内蔵している。
収縮期には、左心室の圧力が上昇し、共拍動ポンプ作動によってさらに増強され、ベルマウス31での圧縮力が増加し、傾斜した心筋表面に押し付けられ、付着カニューラ30の周囲をより良好にシールする。
全身性高血圧の間でも、駆出の機会はほとんど前記デザインの特徴によって解消されている。
前記順方向フィードバック効果、すなわち左心室の圧力が大きいほど、ベルマウス31による密封効果も高くなるが、これは従来の装置では縫合によって固定される際に不足していた。
圧縮型ロック機構は、クランプされた心筋接触領域の周囲に分布力を与えることができる。
ベルマウス31と雌バックル34の漏斗型リモートキャップ340にソフトに接触する性質は心筋内に発生する従来の縫合糸切断力の集中を回避し、高血圧時に拡大した縫合亀裂によって駆出する可能性がある。
心筋は特に伝統的な縫合吻合術に関連する縫合糸切断の影響を受けやすく、前記問題は個々の外科医の縫合技術に依存する。
【0050】
本発明の植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システムは、患者自身の心拍に対して共拍動として機能する。
左心室収縮期には、共拍動ポンプ作用によって心室内圧と収縮動脈血圧が上昇する。
前記支持特性は回転血液ポンプ操作の場合と大きく異なり、回転血液ポンプは支持操作時に左心室の圧力を下げる。
前記装置誘発による高血圧には心室挿管部位周辺のより優れた密封性が求められ、また共拍動支援装置のためにガイディングカニューラを設計する際には特に注意が必要である。
【0051】
図10に示すように、心室外延血液ポンプ50を接続するインレットアダプタ51は、くちばし状フランジ56とアダプタ本体57とを有するインレットアダプタの視野角図とインレットアダプタの断面図である。
前記くちばし状フランジ56はくちばし52を有し、その内径53は前記カニューラの流路本体32の内径35よりもわずかに大きい(図4b)。
インターフェースで生じる段差不連続性に関する耐障害性を高めるために、現在、くちばし52の接合箇所54の表面は傾斜角55で斜めに流れている。
いくつかの実施例では、前記角度の範囲は30-60度であってもよい。
このようなベベルインタフェース設計により、製造精度の制限や、従来の突合せに関連する一致同心度によって接合部に生じる段差や隙間を回避することができる。
前記アダプタ本体57は、該インレットアダプタ51と該心室外延血液ポンプ50とを接続するための複数のアイレット58を有する。
【0052】
図11A図11Cはカプラ40の詳細構造を示しており、図11Aはカプラアセンブリの分解図、図11Bはラッチされない開状態のカプラの視点図を示しており、図11Cはラッチ閉鎖であるロック形態のカプラの視点図を示しており、ここではカプラ40、このフランジ斜面36とこのインレットアダプタ51を接続するために設計されている。
【0053】
図11Aは、このカニューラ30とこの心室外延血液ポンプ50を一体化したカプラ40のアセンブリの分解図である。
カプラ40は、フランジベース42と、一対のロックリング43と、このフランジベース42とロックリング43を接続するヒンジ44(または一対のヒンジアセンブリ)とを含み、スプリングコイル45(または一対のスプリングコイルアセンブリ)は、ロックリング43がアンロック時に開位置にあるようにヒンジ関節(hinge joint)46に組み込まれている(図11B)。
このロック機構は、開溝板バネ(slotted leaf spring)からなるデカップリング防止ラッチ47であり、ロックリング43の一端に溶接されたプレート(slab)471で固定される。
このフランジベース42は略円形の構造を有し、各ロックリング43は円弧状の構造を有している。
ヒンジ関節46はこのフランジベース42の側面に位置し、ロックリング43はヒンジ関節46に枢着(pivotally connected)され、このヒンジ関節46とこのフランジベース42に対して回転可能である。
ロックリング43の内部スロット431は、このフランジベース42、このカニューラ30のフランジ斜面36、インレットアダプタ51のくちばし状フランジ56(後述)を受け入れることができるように配置されている。
【0054】
このカニューラ30とこの心室外延血液ポンプ50との同心結合は、インターフェースの不連続性を最小化し、抗血栓結合(thromboresistant coupling)を起こすために非常に重要である。
いくつかの実施例では、このカプラ40とカニューラ30のフランジ斜面36とが同心に剛性くちばし52を接続できるようにするとともに、ロックリング43をこのフランジベース42の全周縁に抱き込むことが重要である。
言い換えれば、ロックリング43のロックリング輪郭41は、このような同期抱っこを実現する上で重要な役割を果たしている。
結合中にエラーが発生する原因と、前記結合エラーとそれによって生じる血液凝固塊形成リスクを修正するために救済措置をどのように適用するかについては、出願済みの米国出願番号63/162、098を参照して説明されている。
【0055】
クイック接続型のロックは、図11Cに示すように、ロックリング43を閉じることによって簡単に行うことができる、誤ってロックを解除することなくロックされる。
ロックリング43の先端には板バネ式のラッチ47が取り付けられており、溶接板によって固定されている。
これは、板バネ式ラッチ47がロック中に他方のロックリングの斜面48を滑ると曲がることを示している。
前述のように、前記板バネ式ラッチ47が斜面48の頂部を通過すると、それは弾性復元力によって斜面48の底部まで押し下げられ、安全ロックとして機能し、長期の使用中にポンプの振動や揺動による不意なラッチ解除やロックリングの開放を防止する。
心室外延血液ポンプ50を取り外したり交換したりする際に、アセンブリの結合を解除する必要がある場合、板バネ式ラッチ47は特殊な工具によって曲げられて上方に持ち上げられ、ロックリング43を回転させて開放し、心室外延血液ポンプ50をカニューラ30から離脱させることができる。
【0056】
前述の心室外延血液ポンプ50と前記カニューラ30との間のこのようなインターフェースリンクはその場での血栓形成(thrombus formation in-situ)の減少に二つの血行動態学的メリットがある。
まず、従来の突合せ接合で観察されるような、明らかな段差や隙間型接合部の不連続性の発生はない。
第二に、接合箇所54の一つであるくちばし前縁540(図10B)の接続インターフェースでの停滞流(flow stasis)を最小化できる。
そのため、接続インターフェースを流れる血流は高速な流れを維持し、基本的には接続インターフェースに前方(forward-facing)または後方(backward-facing)の段差を持つドッキング方式より優れており、流れの停滞を招きやすく、その場での血栓形成を促しやすい。
【0057】
本発明が開示するインレットアダプタ51には、本発明のカニューラ30を接続するために、多くの吐出量式血液ポンプと空気駆動型血液ポンプの本体を取り付けることができる。
この心室外延血液ポンプ50は、従来のように長期埋め込み型のセンサがない吐出型血液ポンプに比べ、心拍数を連続的に追跡できる長期信頼性の高いセンサシステムが特に求められている。
共拍動ポンプ作動(co-pulsatile pumping)を促進するためには、ポンプ作動制御に心室の収縮と弛緩を感知できるシグナルが必要である。
心電図(ECG)または心室圧波形は心拍数を反映する参考信号として用いることができる。
かなりの割合(30-40%)の末期心不全患者が不整脈を患っているため、ECG波形に基づくポンプ作動制御は実用上の困難がある。
そのため、圧力に基づくポンプ作動制御はより有利であるが、トリガ検出アルゴリズムの設計はより複雑である。
【0058】
この心室外延血液ポンプ50の典型的な実施例は、図12に示す心室外延サイクル支援装置システムにおける吐出型血液ポンプの好ましい実施例の側面図と、図13に示す心室外延サイクル支援装置システムにおける一吐出型血液ポンプの好ましい実施例の断面図であり、圧力センサ内蔵型無弁吐出型血液ポンプである。
前記心室外延血液ポンプ50は、剛性のあるハウジング(血液ポンプハウジング)501と、血液嚢504と、一対の軸対称座505、506を含む吊り座と、血液ポンプハウジング501を介して懸垂血液嚢504と、血液ポンプハウジング501の近端ハウジング502に埋め込まれて心拍数を表現するセンサ507または微小圧力センサ(アセンブリ)とを備える。
また、前記インレットアダプタ51は、前記心室外延血液ポンプ50の遠隔地に取り付けられている。
遠隔駆動カニューラ60(または経皮的リード線)も含まれており、心室外延血液ポンプ50と共拍動駆動装置70との間に空気圧式動力連通伝送と圧力信号伝送とが結合されている。
遠隔駆動カニューラ60は、導入具508を介して遠隔ハウジング503に接続する。
いくつかの実施例では、吊り座505、506は非対称であってもよい。
そして、前記吊り座505、506には、一対の軸対称座が設けており、前記心室外延血液ポンプ50の前記血液嚢504は軸対称をなす、前記一対の軸対称座に支持されて、前記心室外延血液ポンプ50の耐久性を延長する。
【0059】
図14は、血液ポンプと外部駆動系との間で空気圧パルスと電子信号を伝達することができる多層遠隔駆動カニューラの構造図であり、一例として遠隔駆動カニューラ60の構造と構成部品を示している。
内腔601は空力的な連通伝達のためのものであり、第1中間層602は駆動カニューラのキンクを防止するためのコイル補強605を有し、第2中間内腔603と外部シリカ保護具604との間には引張を制限するためのテザー607が配置されている。
電線606は、第1中間層602と第2中間内腔603の内腔との間で螺旋状に巻かれている。
基端側には中空のアダプタ608がある、前記アダプタ608には、空気駆動による連通伝送と電気信号の伝達を容易にするために、電極609と内部流体継手が設けられている。
共拍動駆動装置70と心室外延血液ポンプ50との間の空気圧と電気通信の伝送には多くの設計が使用できる。
図1に示す一実施例は、遠隔駆動カニューラ60と、近端駆動カニューラ61と、駆動カニューラインターコネクタ62とを有する駆動駆動カニューラアセンブリ60Aを含む。
前記心室外延血液ポンプ50と駆動カニューラとの間のモジュールの基本原理と詳細設計はすでに米国出願番号63/162,086と米国出願番号63/125,093で明らかにされている。
【0060】
図15に示す組み立てられた心室外延血液ポンプの断面図は、薯がカプラ40によって前記心室外延血液ポンプ50と前記ガイディングカニューラ30とを接続する統合を説明する。
ロックリング43の内部スロット431が受け入れられ、フランジベース42、カニューラ30のフランジ斜面36、インレットアダプタ51のくちばし状フランジ56と一緒に圧縮される。
ロックリング43がフランジベース42とくちばし状フランジ56を挟持すると同時に挟持するフランジ斜面36は所定の歪みで圧縮する。
カニューラ30のフランジ斜面36は、シール効果を得るために制御された歪みで圧縮された”ガスケット”とみなされていることがわかる。
共拍動心臓支持薯は設計によって左心室の収縮圧を高めるため、接合部のインターフェースに確実な密封を持つことが極めて重要である。
雄雌バックルは、33、34がクランプした心壁外膜に圧縮ロック機構をかけることと、カプラ40が前記カニューラ30との密封結合をかけることは、確実で漏れのない接続を実現するために、2種類の新しいインターフェース設計である。
【0061】
図16Aは、共拍動心室外延血液ポンプが心臓拡張期において提供した左心室充血効果の模式図であり、ただし、LA:左心房、LV:左心室、RA:右心房、RV:右心室、AoV:大動脈弁、MV:二尖弁、TV:三尖弁、PV:肺動脈弁であるが、図16Bは、共拍動心室外延血液ポンプが心臓収縮期において提供した左心室駆出増強及び拍出量増量効果の模式図であり、構造的には、図16Aから分かるように、前記心室外延血液ポンプ50に接続された前記血液嚢504が左心室腔の延長となり、HFpEFに関連する左心室壁の厚くて硬くなったことによるチャンバー体積損失を補償している。
前記心室外延血液ポンプ50は、協調的な血液嚢504の充血と駆出動作の協力で、拡張期において左心房から流入した血液を受け取って、左心室充血の機能障害を補償するための貯液槽として機能することができる。
前記貯液槽の血液はその後収縮期の間に左心室にポンプで戻され、図16Bに示すように、前記ため左心室の拍血量と心拍出量が増加する。
【0062】
図17Aは、電気機械アクチュエータとモータコントローラのブロック図であり、特に前記心室外延血液ポンプ50に内蔵された圧力センサから得られた信号を参照して心室外延血液ポンプ50の作用を制御し、図17Bは、電気機械アクチュエータとモータコントローラの別の模式図であり、特に心室外延血液ポンプ50に配置された心電気センサシステムから得られた信号を参照して心室外延血液ポンプ50の作用を制御する。植え込み型心室外延共拍動サイクル支援システムの設計した一つの代表的な実施例を図17A図17Bに模式的に公開する。
エアパワーコンディショナは、前記共拍動駆動装置70に配置され、電気機械アクチュエータモジュール(electromechanical actuator; EMA)71、モータコントローラユニット72、マイクロコントローラユニット(micro controller unit; MCU)73、ユーザインタフェースモジュール74、電源管理ユニット76、メインバッテリとバックアップバッテリとを含むバッテリモジュール75を含む。
信号の収集、送信、処理、制御ロジックと指令の生成、及びEMAが作動して圧力パルスを発生させて血液ポンプを駆動することは、典型的な実施例として図17Aと17Bに説明されている。
【0063】
図17Aは圧力に基づく共拍動ポンプ作用のグラフである。
血液ポンプ圧力センサ507は、近端血液ポンプハウジング502(図13)に内蔵されており、血液ポンプの圧力を連続的にモニタリングすることを許可する。
ポンプハウジング501には遠隔駆動カニューラ(経皮的リード線)60が接続されており、血液嚢504の駆出と充血を指示するための定時気圧パルスが供給される。
また、遠隔及び近端駆動カニューラ60、61は、エア駆動圧力(共拍動駆動装置70内の電気機械アクチュエータモジュール71によって生成する)を心室外延血液ポンプ50に供給し、血液ポンプ圧力センサ507で発生した血圧電気信号を前記共拍動駆動装置70に送る。
空気駆動経路(破線矢印線で示す)と電気信号経(二重矢印実線で示す)は、インタラクティブモジュール間の機能関係を説明する。
コントローラ回路は、ブラシレスモータを駆動するためのモータコントローラユニット72とマイクロコントローラユニット(micro controller unit; MCU)73を中央処理装置として備え、受信した圧力信号を処理し、モータコントローラがピストン運動を駆動するように制御指令を生成することができる。
【0064】
いくつかの実施例では、共拍動駆動装置70は、感知された心リズム波形に応じて、心室収縮時の駆出及び心室拡張時のポンプ充血によって達成される空気圧ポンプ動作の支持を命令する。
いくつかの実施例では、共拍動ポンプ作用は、血液ポンプハウジング501の周囲または外面に電極が設けるECGリードを埋め込んで得られたECG波形を参照することによって実現される。
【0065】
共拍動駆動装置70は、メインバッテリモジュール75とバックアップ電池から電力を供給し、バックアップ電池は、メイン電池が消耗したり、取り出して充電されたとき、駆動装置に連続的な電源を供給することができる。
移動する必要がない場合、ACアダプタを介して駆動装置に電力を供給し、装置が埋め込まれた患者を容易にすることもできる。
【0066】
電気機械アクチュエータモジュール71はエアアクチュエータであり、ブラシレスサーボモータとボールねじ(ball screw)ピストン/シリンダアセンブリからなる。
大気は駆動媒体として使用され、心室外延血液ポンプ50に往復射出され充填される。
【0067】
駆動装置は血液ポンプの圧力またはECG信号(電気信号)を受信し、トリガ検出アルゴリズムを用いて信号を処理してトリガ信号を生成し、心拍数と同期して駆動するように駆動装置に命令する。
指定されたトリガタイミングを受信した後、マイクロコントローラユニット73はモータコントローラユニット72に指令を送り、ピストンを駆動して、駆出から充血、または充血から射出位置まで、心拍数のサイクル支援を提供する。
しかし、モータコントローラユニット72は、マイクロコントローラユニット73から送る一連の指令に応答して、指定位置、速度、加速度のパラメータでモータを駆動するモータサーボ制御システムである。
【0068】
電気機械アクチュエータモジュール71は患者が携帯する共拍動駆動装置70内に取り付けられている。
電気機械アクチュエータモジュール71は、モータとボールねじ/ナットアセンブリで構成する、シリンダ内で往復動ピストンを駆動する。
ピストンのストローク運動(stroke motion)薯は空気によって前記遠隔駆動カニューラ60から空気が注入された心室外延血液ポンプ50に出入りするように駆動する。
電気機械アクチュエータモジュール71はシリンダ室に接続された圧力バランスバルブを有し、空気の補充と水分の低減に使用される。
バルブは周期的に開き、シリンダ室内の気圧が大気圧に等しくなるまで、ガス塊がシリンダと環境との間を移動できるようにする。電気機械アクチュエータモジュール71は位置と光学センサを組み合わせて、基準信号を取得して電子制御装置が制御指令を出してピストン運動を駆動する。
【0069】
図18は左心室圧(left ventricular pressure; LVP)、大動脈圧(aortic pressure; AoP)、心電図(electrocardiogram; ECG)と、EVBPを駆動するサイクル支援システムにおけるピストンの変位軌跡との間の共拍動関係図である。
実線と破線はそれぞれアシストされている状況とアシストされていない状況を表しており、サイクル支援システム10は、機械アクチュエータモジュール71のピストン位置が共拍動ポンプ作用に対するトリガ指令を描いていることを強調している。
トリガ・テスト・アルゴリズムは、心室拡張末期のタイミングを検出した後、左心室が駆出を始めたときにポンプで血液を充血し、大動脈弁が閉鎖されたときにポンプで充血し、左心室が拡張末期の時点まで等容拡張(isovolumic relaxation)を経験するように設計されている。
図18では、補助なし(unassisted)大動脈圧(aortic pressure; AoP)波形は点線で示し、実線は経補助大動脈圧波形を示す。
マイクロコントローラユニット73は血液ポンプ(BPP)の圧力を監視し、または心電図信号(電気信号)を検出し、左心室拡張末期(left ventricle end-diastole; LVED)タイミングまたはr波(R-wave)を示す。
LVEDタイミングを検出すると、マイクロコントローラユニット73はE_Trig信号を発生する。
連続する二つのE_Trig信号間の時間間隔は一瞬の心臓周期間隔(あるいは周期)を表す。
周期間隔から計算した推定心拍数に基づいて、MCUは血液ポンプの充血のタイミング、すなわちF_Trig信号を判定する。
EMAは、駆出行程(ejection stroke)が完了し、最適化された滞在時間)または一時停止)が経過した後、F_Trig信号を受信した後、予め指定された充血速度で充血動作を実行するように命令される。
【0070】
以上説明ように、本発明の一実施形態によれば、心臓の心室と血液ポンプモジュールとを接続するように構成するカニューラアセンブリであって、カニューラと一対の雄バックルと雌バックルとを備えるカニューラアセンブリが提供される。
カニューラは、カニューラの流路本体とベルマウスとフランジ斜面とからなり、カニューラの流路本体はベルマウスとフランジ斜面との間に位置する。
ベルマウスは、カニューラの一端に位置し、心室に収まるように配置され、フランジ斜面分はカニューラの第二端に位置し、血液ポンプアセンブリとの接続インターフェースに配置され、カニューラの内面は滑らかでシームレスである。
前記対の雄バックルと雌バックルはねじで結ばれており、前記雄バックルは前記カニューラに固定されており、前記雌バックルは前記心臓の一心壁外膜に圧縮されている。
セミリジッドカニューラの両端に施された密封結合は、信頼性と漏れのない接続を実現するために、2種類の新しいインターフェース設計を構成した。
【0071】
本発明のもう一つの実施形態は、無弁吐出式血液ポンプ、変形可能なポリマーガイディングカニューラ、雄雌バックル、カプラ、駆動カニューラアセンブリ及び共拍動を含む埋め込み型心室外延共拍動サイクル支援システムを提供する。
前記血液ポンプは、血液嚢、血液ポンプハウジング、前記血液嚢を血液ポンプハウジング内の吊り座に統合し、前記血液ポンプハウジングにはめ込んで心拍動を追跡するセンサ、くちばし状フランジを有するインレットアダプタを含む。
前記カニューラは、カニューラの流路本体とベルマウスとフランジの斜面とからなり、カニューラの流路本体はベルマウスとフランジの斜面との間に位置している。
ベルマウスはカニューラの一端に位置し、心室内に配置され、フランジ斜面はカニューラの第二端に位置し、インレットアダプタとの接続インターフェースに配置され、カニューラの内面は滑らかでシームレスである。
前記対の雄バックルと雌バックルにはねじが取り付けられ、互いにロックされている。
その中で、前記雄バックルは前記カニューラに固定され、前記雌バックルは前記心臓の心壁外膜に押し付けられている。
カプラは、カニューラの第二端とインレットアダプタとを接続する。
カプラは、フランジベースと、フランジベースに固定された一対のロックリングとを含む。
ロックリングには、フランジベース、カニューラのフランジ斜面、及びインレットアダプタのくちばし状フランジを受け入れるための内部スロットがある。
前記駆動カニューラアセンブリは前記血液ポンプと空気圧で前記連通して伝送され、心拍数検出信号を前記アクチュエータに伝送する。
前記共拍動は感知された心拍の律動波形から指令を与えてエアポンプを作動させて支援し、その中で共拍動作動薯は心室収縮期のポンプからの血液注入と心室拡張期のポンプ充血によって実現される。
【0072】
請求項において、”第一”、”第二”、”第三”などの序数用語を使用して請求要素を修正すること自体は、ある請求要素の他の請求要素に対する優先順位、優先順位、または順序を意味するものではなく、方法行為を実行する時系列を意味するものでもなく、特定の名前を持つ請求要素と同じ名前を持つ別の要素とを区別するためにラベルとして使用されるだけである。(
【0073】
当業者にとっては、本発明において様々な修正や変更を加えることができることは明らかである。その意図は、基準及び実例は単なる例示と見なされ、開示された実施形態の真の範囲は、以下の請求項及びそれらの均等物によって示されることである。
【符号の説明】
【0074】
10:サイクル支援システム;
20:心臓
21:コア孔
30A:カニューラアセンブリ
30:カニューラ
30S1:第一端/遠側端
30S2:第二端/近側端
30W:カニューラ壁
31:ベルマウス
310:先端楔形
311:金属ステント
312:ジグザグ状リング
313:接続部分
314:テーパーステントリング
32:カニューラの流路本体
320:表面部分
33:雄バックル
330:貫通溝
331:ネジ
34:雌バックル
340:漏斗状のリモートキャップ
341:軟質ジャケット
341N:ニッケルチタン合金ステント
342:リブ
343:ローレット溝
35:内径
36:フランジ斜面
37:突出座
38:斜面表面
40:カプラ
41:ロックリング輪郭
42:フランジベース
43:ロックリング
431:内部スロット
44:ヒンジ
45:スプリングコイル
46:ヒンジ関節
47:板バネ式ラッチ
471:プレート
48:斜面
50:心室外延血液ポンプ
501:剛性ハウジング
502:近端ハウジング
503:リモートハウジング
504:血液嚢
505、506:吊り座
507:血液ポンプ圧力センサ
508:導入器
51:インレットアダプタ
52:くちばし
53:内径
54:接合箇所
540:くちばし前縁
55:傾斜角
56:くちばし状フランジ
57:アダプタ本体
58:孔
60A:駆動カニューラアセンブリ
60:遠隔駆動カニューラ
601:内腔
602:第一中間層
603:第二中間内腔
604:シリカゲルジャケット
605:コイル補強
606:電線
607:テザー
608:中空アダプタ
609:電極
61:近端駆動カニューラ
62:駆動カニューラインターコネクタ
70:共拍動駆動装置
71:電気機械アクチュエータモジュール
72:モータコントローラユニット
73:マイクロコントローラユニット
74:ユーザインタフェースモジュール
75:バッテリモジュール
76:電源管理ユニット
77:医療モニター
AoP:大動脈圧
AoV:大動脈弁
ECG:心電図
E_Trig:駆出トリガ信号
F_Trig:充血トリガ信号
LA:左心房
LV:左心室
LVP:左心室圧
MV:二尖弁
PV:肺動脈弁
RA:右心房
RV:右心室
TV:三尖弁
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18