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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】アーティスト活動の支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240729BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024078118
(22)【出願日】2024-05-13
【審査請求日】2024-05-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524115246
【氏名又は名称】株式会社KAZAORI
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 綾乃
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-120795(JP,A)
【文献】特開2016-162300(JP,A)
【文献】特開2021-170168(JP,A)
【文献】特開2022-011069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出演者への贈物として公演会場に飾られる風船を購入する画面である風船購入画面の表示を指令する風船購入画面表示指令部と、
購入された前記風船に対応する画像である風船画像が表示される画面である風船画面において前記風船画像が占める比率が前記風船の売上の増加に伴い増すよう、前記風船画面の表示を指令する風船画面表示指令部と、
前記売上のうち、前記出演者に分配される金額を算出する金額算出部と、
を備える、アーティスト活動の支援装置。
【請求項2】
前記風船購入画面表示指令部は、2以上の出演者のうちいずれかを特定して風船を購入する風船購入画面の表示を指令し、
前記風船画面表示指令部は、前記2以上の出演者それぞれに係る売上の大小関係を視認できる態様で、前記2以上の出演者それぞれと対応付けられた風船画像を表示する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記風船購入画面表示指令部は、前記出演者に係る特典が付与された前記風船を購入する風船購入画面の表示を指令する、請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
前記風船購入画面表示指令部が付与する特典は、前記出演者に係る複数種類の特典から無作為に選択される、請求項3に記載の支援装置。
【請求項5】
前記特典は、前記出演者に係るデジタル画像であり、かつ、非代替性トークン(NFT)と関連付けられたデジタル画像であるNFT画像を含む、請求項3に記載の支援装置。
【請求項6】
前記NFT画像を出品する画面である出品画面の表示を指令する出品画面表示指令部と、
前記出品画面を介して出品された前記NFT画像を購入する画面である画像購入画面の表示を指令する画像購入画面表示指令部と、
をさらに備える、請求項5に記載の支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーティスト活動の支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アーティスト等に対するファン活動が行われている。ファン活動は、いわゆる「推し活」とも称される。ファン活動の一例として、コンサート会場、音楽ライブ会場等の公演に際して、出演者であるアーティスト等に花を贈る活動が挙げられる。贈られた花は、スタッフ等により公演会場に飾られ、来場者の目を楽しませる。しかしながら、花は、かさばり、また、輸送及び管理において労力を求められ、重たい花器を伴うこともある。そのため、公演終了後における花の扱いが主催側の負担となる。このような事情により、花に代わる贈物によりアーティストを応援する(「推す」とも称される)手段が求められている。
【0003】
従来技術における花に代わる贈物を贈る手段に関し、特許文献1は、遠隔のイベント参加者に商品(生花、食べ物、アルコールドリンク、人形等)をギフティングする方法であって、サーバ端末は、ユーザ端末に、商品情報を含むイベント情報を送信し、ユーザ端末から、メッセージ情報及び商品購入要求を受信し、商品購入要求に関連して商品受注管理処理を実行し、前記イベント参加者が参加するイベントの運営者端末にメッセージ情報を送信する、方法を開示している。
【0004】
特許文献1の技術は、よりユーザとイベント参加者との絆を深めることが可能な技術を提供し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2022-105345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の技術において贈られる商品は、生花、食べ物、アルコールドリンク、人形等である。これらは、大きい、輸送/管理に係る労力を求められる、又は重たいその他の扱いに困る要件を備えている。特許文献1の技術において贈られる商品のうち、食べ物、アルコールドリンクは、アーティストの食事管理の事情から、アーティストを直接的に支援する点において課題がある。また、当該商品のうち、人形等の飾るものは、アーティストにおける盗撮対策等の事情から、アーティストを直接的に支援する点において課題がある。加えて、食べ物、アルコールドリンク等は、贈られた金額を予想しやすい。そのため、これらの贈物は、きらびやかで幻想的とも言えるアーティスト活動から離れた現実世界の金銭という生々しさをファンに感じさせ、ファン活動に対する意欲を削ぐことが懸念される。
【0007】
したがって、特許文献1の技術は、ファンの目を楽しませることと、公演の主催側が扱いに困らないことと、アーティストを直接的に支援することと、ファンに金銭的な生々しさを感じさせないこととを両立する贈物をファンが贈れるようにする点で、さらなる改良の余地がある。
【0008】
本発明は、ファンの目を楽しませることと、公演の主催側が扱いに困らないこととを両立し、いわゆるアーティスト活動を直接的に支援できる贈物をファンが贈れるようにする手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、公演会場に飾られる現実の風船を贈れるようにすると共に、風船の売上に応じて表示面積が増える仮想的な風船画像を表示し、さらに、売上からアーティスト等の出演者に分配される金額を算出すること等によって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明は、出演者への贈物として公演会場に飾られる風船を購入する画面である風船購入画面の表示を指令する風船購入画面表示指令部と、前記風船に対応する画像である風船画像が表示される画面である風船画面において前記風船画像が占める比率が前記風船の売上の増加に伴い増すよう、前記風船画面の表示を指令する風船画面表示指令部と、前記売上のうち、前記出演者に分配される金額を算出する金額算出部と、を備える、アーティスト活動の支援装置を提供する。
【0011】
本発明は、風船購入画面表示指令部により、アーティスト等の出演者への贈物として公演会場に飾られる風船をファンが購入できるようにする。これにより、本発明は、ファンが贈った風船によって公演会場に来場したファンの目を楽しませる。この風船は、ファンが来場の記念として撮影する記念撮影のためのオブジェとしても機能し得る。
【0012】
上述のような扱いに困る要件を備えている花と異なり、風船は、しぼませることでかさばらなくなり、その輸送が容易となる。また、風船は、時間経過によって傷まないため、管理に係る労力が花より小さい。加えて、風船は、花よりも軽い。以上より、本発明は、ファン活動を行うファンの目を楽しませることと、公演の主催側が扱いに困らないこととを両立する贈物を、ファンがアーティスト等に贈ることを可能とする。
【0013】
そして、本発明は、風船画面表示指令部により、風船の売上に応じて表示面積が増える仮想空間の風船画像を表示する。すなわち、本発明は、ファンたちがこの風船を贈ることで示したファン活動の程度を、その金額を直接的に示さない間接的な表示によってファンたちに示すことができる。これにより、ファンは、現実世界の金銭という生々しさを感じることなく、公演が始まる前から、自らのファン活動の成果を感じると共に、同じアーティスト等に対するファン活動を行う他のファンたちとの連帯感を感じることができる。
【0014】
さらに、本発明は、この風船の売上から出演者に分配される金額を算出することにより、売上の一部が出演者に分配されることを支援する。これにより、ファンが購入した風船は、アーティスト活動を直接的に支援できる贈物となる。加えて、本発明は、風船購入画面表示指令部が出演者に係る特典が付与された風船を購入する風船購入画面の表示を指令する態様を取り得る。当該態様の本発明は、風船の購入によってファン自身が特典を得られるようにできる。
【発明の効果】
【0015】
以上より、本発明は、ファンの目を楽しませることと、公演の主催側が扱いに困らないこととを両立し、アーティスト活動を直接的に支援できる贈物をファンが贈れるようにする手段を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、売上データベース121の一例である。
図3図3は、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図4図4は、前図から続くフローチャートである。
図5図5は、前図から続くフローチャートである。
図6図6は、前図から続くフローチャートである。
図7図7は、前図から続くフローチャートである。
図8図8は、風船画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず初めに、以下の開示、図表、及び/又は請求項等が、単独であるか、又は1つ以上の他の側面との組合せとして記述されていると説明されているものの、即時開示の主題はそのように限定されることを意図していない。つまり、即時開示、図表、及び請求項は、ここで記載されている様々な側面を、それぞれ単独であるか、又はお互いと1つ以上の組合せで包含することを意図する。例えば、即時開示が第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態を、第1実施形態が特に第2実施形態に関連して記述及び図示されるか、第2実施形態が第3実施形態に関連してのみ記述及び図示されるような方法で記述及び図示する場合でも、即時開示と図示はそのように限定されるものではなく、第1実施形態のみ、第2実施形態のみ、第3実施形態のみ、又は第1、第2及び/又は第3実施形態の1つ以上の組合せ、例えば第1実施形態と第2実施形態、第1実施形態と第3実施形態、第2実施形態と第3実施形態、又は第1、第2、及び第3実施形態が含まれることがある。
【0018】
本文中でのフレーズ「又は」の使用は、明示的に指定されていない限り、「排他的ではない」取決めを意味するものとする。例えば、「項目xがA又はBである」と言う場合、次のいずれかを意味するものとする:(1)項目xがA又はBのどちらか一方のみである、(2)項目xがAとBの両方である。言い換えれば、単語「又は」は、「排他的」な取決めを定義するために使用されない。
【0019】
また、本文中で用いられるフレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、システム又は要素と組み合わせて使用される場合、そのシステム又は要素がフレーズの後に列挙された要素の1つ以上を含むことを意味する。例えば、要素が第1要素から第3要素の3種類である場合、フレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、次のような構造的配置のいずれかとして解釈する:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0020】
本文中で「以下の少なくとも1つで使用されている」というフレーズが使用される場合も同様の解釈が意図されている。さらに、本文中で使用される「及び/又は」は、言語的な接続詞として用いられ、記載された要素や条件の1つ以上が含まれるか発生することを示すために使用されている。例えば、第1要素、第2要素、及び/又は第3要素を含むデバイスは、次の構造的配置のいずれかとして解釈される:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0021】
なお、本文中でのフレーズ「及び/又は」の使用が「排他的ではない」取決めを意味することは、日本産業規格(JIS)の「規格票の様式及び作成方法 JIS Z 8301」にも規定されている。
【0022】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0023】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。以下、図1を用いて、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例が説明される。
【0024】
システムSは、アーティスト活動の支援装置1を含んで構成される。支援装置1は、ネットワークNを介して端末Tと通信するよう構成される。必須の態様ではないが、アーティストに係る画像と関連付けられた非代替性トークン(NFT)の提供及び取引を可能とすべく、支援装置1は、ネットワークNを介してブロックチェーンに参加する他の装置(図示せず)と通信するよう構成されることが好ましい。
【0025】
〔支援装置1〕
支援装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を備える。支援装置1の種類は、特に限定されず、例えば、サーバ装置、クラウドサーバ等で良い。
【0026】
[アーティスト活動、出演者]
アーティスト活動の支援装置1に係る「アーティスト活動」は、特に限定されない。当該活動は、例えば、音楽活動、アイドル活動、舞踏に係る活動、話芸に係る活動、演劇に係る活動、軽業に係る活動、奇術に係る活動等で良い。アーティスト活動を行う「出演者」は、特に限定されない。出演者は、例えば、歌唱家、演奏家、アイドル、ミュージシャン、タレント、ダンサー、お笑い芸人、噺家、弁論家、役者、プロレスラー、ジャグラー、奇術師等でよい。出演者は、実在する人物でもよく、1以上の操演者等によって演じられる架空の人物(マスコットキャラクター、ゆるキャラ、Vtuber、覆面ヒーロー、アニメキャラクター等)でもよい。
【0027】
[制御部11]
制御部11は、Central Processing Unit(CPU)、Random Access Memory(RAM)、及びRead Only Memory(ROM)等を備える。
【0028】
制御部11は、必要に応じて、記憶部12又は通信部13のうち、少なくとも何れか一方と協働する。そして、制御部11は、支援装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、ログイン部111、公演登録部112、風船購入画面表示指令部113、風船画面表示指令部114、金額算出部115、出品画面表示指令部116、画像購入画面表示指令部117等を実現する。
【0029】
[記憶部12]
記憶部12は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。記憶部12には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、売上データベース121等が格納されている。利用者ごとの処理を実現すべく、記憶部12には、ログイン処理に係る情報(アカウント情報、認証情報等)がさらに格納されることが好ましい。
【0030】
(売上データベース121)
売上データベース121には、公演を特定する情報と当該公演に飾られる風船の売上に係る売上情報とが互いに関連付けられて格納される。公演を特定する情報は、例えば、公演ID、公演名、公演の日時、公演会場、公演の主催者、又は公演の出演者等によって例示される公演に係る各種情報の1以上を含む。風船の売上は、購入された風船の数、購入された風船に係る売上金額等によって例示される、風船の売上を特定可能な情報を含む。
【0031】
また、売上データベース121には、売上のうち出演者に分配される金額(分配額)を算出するための情報が、公演を特定する情報と関連付けられて格納されることが好ましい。当該情報は、例えば、分配率、売上と分配額との対応テーブル、分配額を計算する数式等である。
【0032】
出演者ごとの売上を管理すべく、風船の売上は、当該公演に出演する2以上の出演者のうちいずれかを特定する情報と関連付けられて格納されてもよい。多種多様な風船により公演会場が飾られるようにすべく、風船の売上は、当該公演に飾られる風船の種類と関連付けられて格納されてもよい。風船の種類は、例えば、風船の大きさ、風船の色、風船の形状、又は風船に付される飾り等によって例示される風船の特徴の1以上を含んでよい。
【0033】
推しに関する特典を得る楽しみをファンに与えるべく、風船の売上は、当該風船に付される特典の種類と関連付けられて格納されてもよい。特典の種類は、例えば、非代替性トークン(NFT)と関連付けられた画像(NFT画像)等のデジタルコンテンツ、出演者との記念撮影、出演者からのメッセージ、又は公演の観衆が応援に用いる物品(衣類、装身具、応援用品等)等によって例示される各種特典の1以上を含んでよい。
【0034】
図2は、売上データベース121の一例である。当該例には、公演ID「S0001」に関する売上情報として、出演者「白井バル」さんに宛てた「L風船(白、NFT画像付)x5、M風船(白、ペンライト(白)付)x7、S風船(白、リストバンド(白)付)x5」が売れたとのデータが格納されている。
【0035】
また、当該例には、公演ID「S0001」に関する売上情報として、出演者「赤風セン」さんに宛てた「L風船(赤、NFT画像付)x4、M風船(赤、ペンライト(赤)付)x3、S風船(赤、リストバンド(赤)付)x3」が売れたとのデータが格納されている。
【0036】
売上データベース121に上述のデータが格納されていることにより、支援装置1は、風船の売上に応じて表示面積が増える仮想空間の風船画像を表示できる。また、支援装置1は、いずれの出演者に対応する風船であるかを色によって区別できる態様で、当該風船画像を表示できる。また、支援装置1は、購入された風船の種類を特定できる態様で、当該風船画像を表示できる。
【0037】
[通信部13]
通信部13は、支援装置1をネットワークNに接続して通信可能にするものであれば特に限定されない。通信部13として、例えば、イーサネット規格に対応したネットワークカード、無線LANに対応した通信機器等が挙げられる。
【0038】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、支援装置1等を通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0039】
〔端末T〕
端末Tは、アーティストのファン、支援装置1の管理者等により利用される。端末Tの種類は、特に限定されない。当該種類は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等の携帯端末、デスクトップパソコン等の据置端末等である。
【0040】
アーティストのファンにより利用される端末Tは、支援装置1へのログインに係る処理、支援装置1からの表示指令に基づいてログイン画面、風船購入画面、風船画面、出品画面、画像購入画面等の各種画面を表示する処理、風船の購入に係る処理、NFT画像の出品/購入に係る処理等を実行する。
【0041】
必須の態様ではないが、アーティストのファンにより利用される端末Tは、NFT画像の出品/購入に係る処理を実行すべく、当該NFT画像の取引等に用いられるブロックチェーン上でのトークン保有等に係るウォレットを実現するよう構成されることが好ましい。
【0042】
支援装置1の管理者により利用される端末Tは、支援装置1へのログインに係る処理、支援装置1に公演を登録することに係る処理、ログイン画面、公演登録画面、出演者に分配される金額を示す画面等の各種画面を表示する処理等を実行する。
【0043】
〔支援処理のメインフローチャート〕
図3は、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図4は、前図から続くフローチャートである。図5は、前図から続くフローチャートである。図6は、前図から続くフローチャートである。図7は、前図から続くフローチャートである。以下、図3から図7を用いて、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例が説明される。
【0044】
利用者ごとの処理を実現すべく、支援処理は、利用者のログインに係る一連の処理を実行することが好ましい。ステップS1からステップS2は、当該処理の一例である。
【0045】
[ステップS1:ログイン処理を行うか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13等と協働し、ログイン部111を実行する。そして、制御部11は、ログイン部111により、ログイン処理を行うか判別する処理を実行する(ログイン判別ステップ)。行うと判別したならば、制御部11は、処理をステップS2に移す。行うと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0046】
ログイン判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末Tからログインを行いたいとの要請に係るデータを受信した場合に、ログイン処理を行うと判別する手順を含む。
【0047】
[ステップS2:ログイン処理]
制御部11は、ログイン部111により、認証を介して利用者を特定するログイン処理を実行する(ログイン処理ステップ)。制御部11は、処理をステップS3に移す。ログイン処理ステップは、特に限定されず、従来技術における各種のログイン処理と同様でよい。当該処理として、例えば、アカウント名とパスワードを用いた認証に係る処理、生体認証に係る処理、外部の認証サーバを用いた認証に係る処理等が挙げられる。
【0048】
支援装置1の管理者等による公演の登録を支援装置1で行うべく、支援処理は、公演の登録に係る一連の処理を実行することが好ましい。ステップS3からステップS4は、当該処理の一例である。
【0049】
[ステップS3:公演を登録するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13等と協働し、公演登録部112を実行する。そして、制御部11は、公演登録部112により、公演を登録するか判別する処理を実行する(公演登録判別ステップ)。登録すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS4に移す。登録すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS5に移す。
【0050】
公演登録判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末Tから公演を登録したいとの要請に係るデータを受信し、かつ、ログイン処理ステップにおいてログインした利用者が支援装置1の管理者等であった場合に、公演を登録すると判別する手順を含む。また、当該手順は、ログイン処理ステップにおいてログインした利用者が支援装置1の管理者等であった場合に公演を登録するか確認する画面の表示を指令し、当該画面を介して公演を登録したいとの要請に係るデータを受信した場合に、公演を登録すると判別する手順を含んでもよい。
【0051】
[ステップS4:公演を登録]
制御部11は、公演登録部112により、売上データベース121等に公演を登録する処理を実行する(公演登録ステップ)。制御部11は、処理をステップS5に移す。公演登録ステップにおいて登録される情報は、公演に飾られる風船の販売に係る情報であれば、特に限定されない。当該情報は、例えば、当該公演に関して購入できる風船の種類、風船に係る特典の種類、販売価格、販売期間、風船の種類と出演者との対応付け等を含む。
【0052】
支援処理は、公演に飾られる風船を販売し、その売上に応じた仮想風船を表示し、売上から出演者に分配される金額を算出する一連の処理を含む。これにより、支援装置1は、ファンの目を楽しませ、主催側が扱いに困らず、アーティスト等を直接的に支援できる贈物をファンが贈れるように支援できる。ステップS5からステップS12は、当該処理の一例である。
【0053】
[ステップS5:風船購入画面を表示するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13等と協働し、風船購入画面表示指令部113を実行する。そして、制御部11は、風船購入画面表示指令部113により、出演者への贈物として公演会場に飾られる風船を購入する画面である風船購入画面を表示するか判別する処理を実行する(風船購入画面表示判別ステップ)。表示すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS6に移す。表示すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0054】
風船購入画面表示判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末Tから風船を購入したいとの要請に係るデータを受信した場合に、風船購入画面を表示すると判別する手順を含む。
【0055】
[ステップS6:風船購入画面の表示を指令]
制御部11は、風船購入画面表示指令部113により、出演者への贈物として公演会場に飾られる風船を購入する画面である風船購入画面を表示するよう指令する処理を実行する(風船購入画面表示指令ステップ)。制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0056】
風船購入画面は、出演者への贈物として公演会場に飾られる風船を購入する画面であれば、特に限定されない。当該画面は、例えば、従来技術の電子商取引に係る商品購入画面と同様でよい。
【0057】
風船購入画面は、当該公演に出演する2以上の出演者のうちいずれかと対応する風船を購入する表示を含むことが好ましい。このような対応は、例えば、出演者のイメージカラー、出演者の名前等を表示することにより示される。これにより、支援装置1は、同じ公演に出演する複数の出演者のうち、購入者がファン活動の対象とするアーティスト等(「推し」とも称される。)を特定して風船を購入することができる。
【0058】
風船購入画面は、複数種類の風船から選んで購入する表示を含むことが好ましい。ここで言う「種類」は、例えば、風船の大きさ、風船の色、風船の形状、又は風船に付される飾り等によって例示される風船の特徴の1以上を含んでよい。これにより、ファン等は、「推し」に対する自らの気持ちに相応しい種類の風船を選び、購入することができる。また、これにより、ファンは、公演会場に飾られた多数の風船の中から、自らが購入して贈った風船を、その種類により判別し得る。
【0059】
風船購入画面は、特典が付与された風船の購入に係る表示を含むことが好ましい。ここで言う「特典」は、公演又はアーティストに関するものであれば、特に限定されない。これにより、支援装置1は、推しに関する特典を得る楽しみをファンに与えることで、売上高向上を見込める。
【0060】
当該特典として、例えば、非代替性トークン(NFT)と関連付けられた画像(NFT画像)、出演者の画像が示された物品、出演者との記念撮影、出演者からのメッセージ、公演の観衆が応援に用いる物品(衣類、装身具、応援用品等)、又は出演者が使用した物品等が挙げられる。また、特典は、複数の特典を組合せたものでもよい。
【0061】
なかでも、特典は、NFT画像を含むことが好ましい。贈り主の手元に届くまでに時間がかかる物品の態様の特典と異なり、デジタル画像の態様の特典は、購入してからすぐに贈り主の手元へと届くよう手配できる。これにより、支援装置1は、贈り主がより早く特典を楽しめるようにできる。一方、デジタル画像の態様の特典は、不正な複製・流通が懸念される。
【0062】
NFT画像は、ブロックチェーン上に格納され、改ざんが困難なNFTに格納された情報により、当該画像の所有権を示す。よって、NFT画像である特典の提供は、購入してからすぐに贈り主の手元へと届くデジタル画像の態様の特典を提供することと、当該デジタル画像の不正入手防止とを両立できる。これにより、支援装置1は、さらなる売上向上を見込める。
【0063】
なお、出演者に係る音声、動画、テキスト、プログラム等のデジタルコンテンツとNFTとが関連付けられた特典においても、NFT画像と同様の効果が得られる。NFT画像に係る画像及び上述のデジタルコンテンツの提供手段は、特に限定されない。当該手段は、例えば、支援装置1又は他のメディアサーバーから、上述のNFTを介して当該デジタルコンテンツ等を配信する手段を含む。
【0064】
特典のうち、出演者の画像が示された物品は、例えば、ブロマイド、写真付冊子等である。特典のうち、公演の観衆が応援に用いる衣類は、例えば、公演名、出演者名、出演する団体名、出演者の画像、出演者に係る意匠等があしらわれたシャツである。特典のうち、公演の観衆が応援に用いる装身具は、例えば、リストバンド等である。特典のうち、公演の観衆が応援に用いる応援用品は、例えば、リストベル、ペンライト等である。特定のアーティスト等を応援するための物品であることを強調すべく、特典のうち、公演の観衆が応援に用いる物品は、出演者のテーマカラーを用いたデザインであることが好ましい。
【0065】
[ステップS7:風船が購入されたか判別]
制御部11は、風船購入画面表示指令部113により、上述の風船購入画面を介して風船が購入されたか判別する処理を実行する(風船購入判別ステップ)。購入したと判別されたならば、制御部11は、処理をステップS8に移す。購入したと判別されなかったならば、制御部11は、処理をステップS9に移す。風船が購入されたか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、従来技術の電子商取引において商品が購入されたか判別する手順と同様でよい。
【0066】
[ステップS8:風船購入処理]
制御部11は、風船購入画面表示指令部113により、風船購入判別ステップで購入したと判別された風船に係る風船購入処理を実行する(風船購入処理ステップ)。制御部11は、処理をステップS9に移す。風船購入処理ステップにおける風船購入処理は、例えば、従来技術の電子商取引に係る商品購入処理と同様でよい。購入された風船は、後日、公演会場に飾られる。
【0067】
風船購入処理は、特典が付与された風船が購入された場合に、出演者に係る複数種類の特典から無作為に選択された特典を付与する手順を含むことが好ましい。これにより、支援装置1は、ファンの射幸心を刺激することで、風船に係る売上の向上を見込める。無作為な付与に係る複数種類の特典は、当該公演に係る複数の出演者のうち、1の出演者に係る特典であることが好ましい。これにより、支援装置1は、自らの「推し」に係る特典を是非とも獲得したいというファン心理を刺激し、風船に係る売上の向上を見込める。
【0068】
風船購入処理は、購入された風船に対応する風船画像を、後述する風船画面上に配置するユーザインタフェースを表示する手順を含むことが好ましい。これにより、風船を購入したファンは、当該ユーザインタフェースを介して、風船画面上の所望の位置に風船を飾りつけることを提案できる。そして、購入された風船を公演会場に飾りつける者は、当該提案を参照して飾りつけを行える。
【0069】
[ステップS9:風船画面を表示するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13等と協働し、風船画面表示指令部114を実行する。そして、制御部11は、風船画面表示指令部114により、上述の風船に対応する画像である風船画像が表示される画面である風船画面を表示するか判別する処理を実行する(風船画面表示判別ステップ)。表示すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS10に移す。表示すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0070】
風船画面表示判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末Tから風船画面を閲覧したいとの要請に係るデータを受信した場合に、風船画面を表示すると判別する手順等を含む。上述の風船画面を閲覧したいとの要請を行うためのユーザインタフェースは、特に限定されない。当該ユーザインタフェースは、例えば、風船購入処理ステップの後、風船購入画面の一部、風船購入画面等の各種画面に遷移するための画面等に表示される。
【0071】
[ステップS10:風船画面の表示を指令]
制御部11は、風船画面表示指令部114により、上述の風船に対応する画像である風船画像が表示される画面である風船画面の表示を指令する処理を実行する(風船画面表示ステップ)。制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0072】
風船画面表示ステップにおける風船画面は、風船画面において風船画像が占める比率が風船の売上の増加に伴い増すよう、その表示を指令される。当該表示として、例えば、風船が購入されるたびに当該風船と1対1で対応する風船画像が風船画面に追加される表示、1以上の風船が示された画像のうち売上に応じた割合の部分のみが描画され、その他の部分が隠されている表示等が挙げられる。また、風船画面は、売上目標に対する現在の売上の割合を示す表示を含んでもよい。当該表示として、例えば、「完成度△△%」のような文字の表示が挙げられる。特典の人気を示すべく、風船画面は、購入された特典に対応する画像を含んでもよい。
【0073】
風船画面表示指令部114には、2以上の出演者それぞれに係る売上の大小関係を視認できる態様で、2以上の出演者それぞれと対応付けられた風船画像を表示することが好ましい。これにより、支援装置1は、同じ公演に出演する複数の出演者のうち推しに対する応援の気持ちの集まり具合を、風船画面を介して視認できるようにする。このような風船画面は、ある出演者を推す贈り主における、他の出演者を応援するファン、すなわち、「推しが違うファン」に対する競争心をかき立てる効果が期待される。よって、支援装置1は、上述の表示により、売上のさらなる向上をもたらし得る。
【0074】
[ステップS11:分配額を算出するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13等と協働し、金額算出部115を実行する。そして、制御部11は、金額算出部115により、売上のうち、出演者に分配される金額(分配額)を算出するか判別する処理を実行する(分配額算出判別ステップ)。算出すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS12に移す。算出すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS13に移す。
【0075】
分配額算出判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末Tから分配額を算出したいとの要請に係るデータを受信し、かつ、ログイン処理ステップにおいてログインした利用者が支援装置1の管理者等であった場合に、分配額を算出すると判別する手順を含む。また、当該手順は、ログイン処理ステップにおいてログインした利用者が支援装置1の管理者等であった場合に分配額を算出するか確認する画面の表示を指令し、当該画面を介して分配額を算出したいとの要請に係るデータを受信した場合に、分配額を算出すると判別する手順を含んでもよい。
【0076】
[ステップS12:分配額を算出]
制御部11は、金額算出部115により、上述の売上のうち、出演者に分配される金額(分配額)を算出する処理を実行する(分配額算出ステップ)。制御部11は、処理をステップS13に移す。分配額算出ステップは、例えば、記憶部12に格納された分配額を算出するための情報に基づいて分配額を算出する。分配額算出ステップにおいて算出される分配額は、例えば、30%以上55%以下の範囲から選択された還元率を売上に乗じた金額である。出演者と風船とが対応付けられている場合、分配額算出ステップは、出演者ごとに分配額を算出することが好ましい。
【0077】
(売上の表示)
風船の発注及び飾りつけに係る情報を提供すべく、支援処理は、上述の売上を表示/送信等する処理をさらに含むことが好ましい。分配額の送金に係る情報を提供すべく、支援処理は、算出された分配額を表示/送信等する処理をさらに含むことが好ましい。
【0078】
必須の態様ではないが、デジタル画像の態様の特典を取引する場をファンたちに与えることで、売上向上を見込むべく、支援処理は、特典として提供されたNFT画像の取引を仲介する一連の処理を含む。ステップS13からステップS20は、当該処理の一例である。
【0079】
[ステップS13:出品画面を表示するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13等と協働し、出品画面表示指令部116を実行する。そして、制御部11は、出品画面表示指令部116により、上述のNFT画像を出品する画面である出品画面を表示するか判別する処理を実行する(出品画面表示判別ステップ)。表示すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。表示すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS15に移す。
【0080】
出品画面表示判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末TからNFT画像を出品したいとの要請に係るデータを受信した場合に、出品画面を表示すると判別する手順を含む。
【0081】
[ステップS14:出品画面の表示を指令]
制御部11は、出品画面表示指令部116により、上述のNFT画像を出品する画面である出品画面を表示する処理を実行する(出品画面表示ステップ)。制御部11は、処理をステップS15に移す。出品画面表示ステップにおいて出品画面を表示する手順は、特に限定されない。当該手順は、従来技術のNFT画像を出品するための画面を表示する手順と同様でよい。
【0082】
[ステップS15:NFT画像が出品されたか判別]
制御部11は、出品画面表示指令部116により、上述の出品画面を介してNFT画像が出品されたか判別する処理を実行する(出品判別ステップ)。出品されたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS16に移す。出品されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS17に移す。
【0083】
[ステップS16:出品処理]
制御部11は、出品画面表示指令部116により、上述のNFT画像を出品する出品処理を実行する(出品処理ステップ)。制御部11は、処理をステップS17に移す。出品処理ステップにおいて出品する手順は、特に限定されない。当該手順は、従来技術のNFT画像を出品する手順と同様でよい。
【0084】
[ステップS17:画像購入画面を表示するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13等と協働し、画像購入画面表示指令部117を実行する。そして、制御部11は、画像購入画面表示指令部117により、上述の出品画面を介して出品されたNFT画像を購入する画面である画像購入画面を表示するか判別する処理を実行する(画面購入画面表示判別ステップ)。表示すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS18に移す。表示すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS19に移す。
【0085】
画像購入画面表示判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末TからNFT画像を購入したいとの要請に係るデータを受信した場合に、画像購入画面を表示すると判別する手順を含む。
【0086】
[ステップS18:画像購入画面の表示を指令]
制御部11は、画像購入画面表示指令部117により、上述の出品画面を介して出品されたNFT画像を購入する画面である画像購入画面を表示する処理を実行する(画像購入画面表示ステップ)。制御部11は、処理をステップS19に移す。画像購入画面表示ステップにおいて出品画面を表示する手順は、特に限定されない。当該手順は、従来技術のNFT画像を購入するための画面を表示する手順と同様でよい。
【0087】
[ステップS19:NFT画像が購入されたか判別]
制御部11は、画像購入画面表示指令部117により、上述の画像購入画面を介してNFT画像が購入されたか判別されたか判別する処理を実行する(画像購入判別ステップ)。購入されたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS20に移す。購入されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS20の処理を繰り返す。
【0088】
[ステップS20:画像購入処理]
制御部11は、画像購入画面表示指令部117により、上述のNFT画像を購入する画像購入処理を実行する(画像購入処理ステップ)。制御部11は、理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS20の処理を繰り返す。画像購入処理ステップにおいてNFT画像を購入する手順は、特に限定されない。当該手順は、従来技術のNFT画像を購入する手順と同様でよい。
【0089】
[バーチャルイベント開催ステップ]
支援処理は、仮想空間上でのイベント(バーチャルイベント)への参加権を風船の購入者に提供し、当該参加権を有する購入者に向けたバーチャルイベントを提供するバーチャルイベント開催ステップを含むことが好ましい。このバーチャルイベントは、上述の出演者が出演するイベントであることが好ましい。バーチャルイベント開催ステップに係る手順は、特に限定されない。当該手順は、仮想空間上でのイベントを実現する従来技術と同様でよい。
【0090】
[購読管理ステップ]
支援処理は、ファンによる風船購入サービスの購読を管理する購読管理ステップを含むことが好ましい。ファンによる風船購入サービスの購読を管理する手順は、特に限定されない。当該手順は、デジタルサービスの購読に係る従来技術と同様でよい。当該手順は、購読者に公演への優先参加権を与える手順、チケット販売における優先権を与える手順、風船の購入に応じて付されたポイントを蓄積する手順、当該ポイントにより支払いを行う手順等の1以上を含むことが好ましい。
【0091】
[支援処理の効果]
コンサート会場等の公演会場において、いわゆる「推し」である出演者に花等を贈るとのファン活動が行われている。贈られた花は、公演会場に飾られ、来場者の目を楽しませる。しかしながら、このような贈物は、かさばる、輸送/管理に係る労力を求められる、又は重たいその他の扱いに困る要件を備えている。そのため、このような贈物は、公演の主催者等において負担となる。そのため、ファンの目を楽しませることと、公演の主催側が扱いに困らないこととを両立し、アーティスト活動を直接的に支援できる贈物をファンが贈れるようにする手段が求められている。
【0092】
配信に対する投げ銭であれば、公演の主催側が贈物の扱いに困らず、かつ、アーティスト活動を直接的に支援できる。しかしながら、配信は、時間と労力がかかる。また、配信は、配信プラットフォームに課せられた目標を達成することへの負担もある。加えて、投げ銭は、公演会場に来場した来場者の目を楽しませる点でも課題がある。
【0093】
アーティスト活動に係るクラウドファンディングであれば、公演の主催側が贈物の扱いに困らず、かつ、アーティスト活動を直接的に支援できる。しかしながら、クラウドファンディングでは、投資された金額が可視化される。そのため、お金を出してほしいように見える、お金がないように見えるとの風聞の課題がある。また、クラウドファンディングは、きらびやかで幻想無とも言えるアーティスト等を推すファン活動から離れた現実世界の金銭という生々しさをファンに感じさせ、ファンのファン活動に対する意欲を削ぐことも懸念される。
【0094】
上述の支援処理は、風船購入画面表示指令部113により、アーティスト等の出演者への贈物として公演会場に飾られる風船をファンが購入できるようにする(ステップS5からステップS6)。これにより、ファン等は、当該風船を購入できる(ステップS7からステップS8)。よって、本実施形態の支援装置1は、ファンが贈った風船によって公演会場に来場したファンの目を楽しませることができる。このような風船による飾りつけは、ファンに一体感を感じさせることも期待される。
【0095】
加えて、このような風船による飾りつけは、ファンが来場の記念として撮影する記念撮影のためのオブジェとしても機能し得る。記念撮影された画像/映像がソーシャルネットワークサービス(SNS)を介して配信されることにより、アーティスト活動への支援がSNS上で可視化される。これにより、支援装置1は、アーティスト等の知名度を高めるとの支援を実現し得る。また、この飾りつけは、アーティスト自身が公演当日にSNSに投稿するトピックとしても役立つ。ファン又はアーティスト本人に飾りつけS上で配信された記念撮影された画像/映像は、風船による支援の知名度を高め、その売上を向上させ得る。
【0096】
上述のような扱いに困る要件を備えている花と異なり、風船は、しぼませることでかさばらなくなり、その輸送/処分が容易となる。また、風船は、時間経過によって傷まないため、管理に係る労力が花より小さい。加えて、風船は、花よりも軽い。以上より、上述の支援処理は、ファン活動を行うファンの目を楽しませることと、公演の主催側が扱いに困らないこととを両立する贈物を、ファンがアーティスト等に贈ることを可能とする。
【0097】
そして、支援処理は、風船画面表示指令部114により、風船の売上に応じて表示面積が増える仮想空間の風船画像を表示する(ステップS9からステップS10)。すなわち、支援処理は、ファンたちがこの風船を贈ることで示したファン活動の程度を、その金額を直接的に示さない間接的な表示によってファンたちに示すことができる。これにより、ファンは、現実世界の金銭という生々しさを感じることなく、公演が始まる前から、自らのファン活動の成果を感じると共に、同じアーティスト等を「推す」他のファンたちとの連帯感を感じることができる。
【0098】
さらに、支援処理は、金額算出部115において、この風船の売上から出演者に分配される金額を算出することにより、売上の一部が出演者に分配されることを支援する(ステップS11からステップS12)。これにより、ファンが購入した風船は、アーティスト等のアーティスト活動を直接的に支援できる贈物となる。
【0099】
また、上述の支援処理は、風船購入画面表示指令部113が2以上の出演者のうちいずれかを特定して風船を購入する風船購入画面の表示を指令し、風船画面表示指令部114が2以上の出演者それぞれに係る売上の大小関係を視認できる態様でこれら2以上の出演者それぞれと対応付けられた風船画像を表示する態様を取り得る(ステップS6)。当該態様の表示は、同じ公演に出演する複数の出演者のうち推しに対する応援の気持ちの集まり具合を、風船画面を介して視認できるようにする。このような風船画面は、ある出演者を推す贈り主における、他の出演者を応援するファン、すなわち、「推しが違うファン」に対する競争心をかき立てる効果が期待される。よって、当該態様は、上述の表示により、売上のさらなる向上をもたらし得る。
【0100】
さらに、上述の支援処理は、風船購入画面表示指令部113が出演者に係る特典が付与された風船を購入する風船購入画面の表示を指令する態様を取り得る(ステップS6)。当該態様は、推しに関する特典を得る楽しみをファンに与えることによる売上高向上を見込める。このとき、風船購入画面表示指令部113が付与する特典は、出演者に係る複数種類の特典から無作為に選択される態様を取り得る(ステップS6、ステップS8)。当該態様は、ファンの射幸心を刺激することで、風船に係る売上の向上を見込める。
【0101】
加えて、上述の支援処理は、特典が出演者に係るデジタル画像であり、かつ、非代替性トークン(NFT)と関連付けられたデジタル画像であるNFT画像を含む態様を取り得る(ステップS6)。NFT画像である特典の提供は、購入してからすぐに贈り主の手元へと届くデジタル画像の態様の特典を提供することと、当該デジタル画像の不正入手防止とを両立できる。これにより、さらなる売上向上が見込まれる。
【0102】
このとき、支援処理は、出品画面表示指令部116によりNFT画像を出品する画面である出品画面の表示を指令する手順と、画像購入画面表示指令部117により上述の出品画面を介して出品されたNFT画像を購入する画面である画像購入画面の表示を指令する手順とを含む態様を取り得る(ステップS13からステップS20)。当該態様は、デジタル画像の態様の特典を取引する場をファンたちに与えることで、売上向上を実現し得る。
【0103】
以上より、上述の支援処理を実行する本実施形態の支援装置1は、ファンの目を楽しませることと、公演の主催側が扱いに困らないこととを両立し、アーティスト活動を直接的に支援できる贈物をファンが贈れるようにする手段を提供できる。
【0104】
<使用例>
以下、本実施形態の支援装置1の使用例が説明される。
【0105】
〔公演を登録〕
支援装置1の管理者は、端末Tを介して支援装置1にログインする。支援装置1は、ログイン処理を実行する。管理者は、端末Tを介して、公演に係る情報を支援装置1に登録する。支援装置1は、当該情報を記憶部12に格納する。
【0106】
〔ファンのログイン〕
登録された公演に出演する出演者のファンは、端末Tを介して支援装置1にログインする。支援装置1は、ログイン処理を実行する。
【0107】
〔風船の購入〕
支援装置1は、風船購入画面の表示を端末Tに指令する。端末Tは、L風船(白、NFT画像付)、M風船(白、ペンライト(白)付)、S風船(白、リストバンド(白)付)、L風船(赤、NFT画像付)、M風船(赤、ペンライト(赤)付)、S風船(赤、リストバンド(赤)付)の購入に係る風船購入画面を表示する。ファンは、端末Tを介して、自らの「推し」である出演者「白井バル」さんのイメージカラーである白色の風船を購入する。購入された風船には、特典として、複数のNFT画像から無作為に選ばれたNFT画像が付与されている。支援装置1は、決済処理等を行い、当該購入に係る情報を売上データベース121に登録する。また、支援装置1は、当該NFT画像を端末Tに提供する。
【0108】
〔風船画面の表示〕
支援装置1は、風船画面の表示を端末Tに指令する。端末Tは、上述の風船に対応する画像である風船画像が表示される画面である風船画面を表示する。
【0109】
図8は、風船画面Vの表示例である。当該例では、大中小3種類の白色風船が複数連ねられた第1風船画像B1と、大中小3種類の赤色風船が複数連ねられた第2風船画像B2とが表示されている。なお、図8において赤色は、縦線ハッチングにて表現されている。当該例において、白色風船は、白色をイメージカラーとする出演者「白井バル」さんに贈られた風船である。また、当該例において、赤色風船は、赤色をイメージカラーとする出演者「赤風セン」さんに贈られた風船である。
【0110】
当該例の風船画面Vは、出演者「白井バル」さんに贈られた風船の売上が「L風船(白、NFT画像付)x5、M風船(白、ペンライト(白)付)x7、S風船(白、リストバンド(白)付)x5」であることと、出演者「赤風セン」さんに贈られた風船の売上が「L風船(赤、NFT画像付)x4、M風船(赤、ペンライト(赤)付)x3、S風船(赤、リストバンド(赤)付)x3」であることとを反映している。その結果、当該例の風船画面Vにおいて、第1風船画像B1が風船画面Vに占める比率は、第2風船画像B2が風船画面Vに占める比率より大きくなっている。すなわち、風船画面Vには、出演者「白井バル」さんに対応する風船の売上が出演者「赤風セン」さんに対応する風船の売上より大きいことが示されている。
【0111】
このような風船画面Vが表示されることにより、出演者「白井バル」さんを特別に応援するファン、すなわち、当該出演者を「推し」として「推す」ファンは、当該出演者の人気を確認し、よりいっそう応援しようという意欲をかき立てられる。これにより、当該出演者のイメージカラーである白色の風船がさらに購入されることが期待される。
【0112】
また、このような風船画面Vが表示されることにより、出演者「赤風セン」さんを特別に応援するファン、すなわち、当該出演者を「推し」として「推す」ファンは、より多くの風船が贈られている出演者「白井バル」さん及びそのファンに対抗心を燃やし、よりいっそう応援しようという意欲をかき立てられる。これにより、当該出演者のイメージカラーである赤色の風船がさらに購入されることが期待される。
【0113】
〔NFT画像のトレード〕
付与されたNFT画像が自らの「推し」である出演者「白井バル」さんの画像ではなく、出演者「赤風セン」さんの画像であったため、上述のファンは、端末Tを介して、出品画面の表示を指令する。支援装置1は、NFT画像の出品に係る出品画面を表示する。そして、当該ファンは、出品画面を介して、当該NFT画像を出品する。支援装置1は、出品されたNFT画像を記憶部12に格納する。
【0114】
出演者「赤風セン」さんを「推す」ファンは、当該出演者のNFT画像を手に入れるべく、端末Tを介して、画像購入画面の表示を指令する。支援装置1は、NFT画像の購入に係る画像購入画面を表示する。そして、当該ファンは、画像購入画面を介して、出品画面を介して出品された、出演者「赤風セン」さんに係るNFT画像を購入する。支援装置1は、購入されたNFT画像を当該ファンの端末Tに提供する。
【0115】
〔風船の飾りつけ〕
支援装置1の管理者は、端末Tを介して支援装置1にログインする。支援装置1は、ログイン処理を実行する。管理者は、端末Tを介して、風船の売上を支援装置1に表示させる。支援装置1は、端末Tに当該売上を表示させる。管理者は、種類ごとの風船の売上を確認し、購入された風船を公演会場に飾りつける。飾りつけられた風船は、公演当日に、ファンの目を楽しませる。また、公演当日において、当該風船は、ファンが記念撮影を行うときの背景として用いられ、ファンを楽しませる。公演終了後、風船は、しぼませられて片づけられる。
【0116】
〔分配額の支払い〕
管理者は、端末Tを介して、出演者ごとの売上からの分配額を支援装置1に表示させる。支援装置1は、端末Tに当該分配額を表示させる。管理者は、表示された分配額を出演者それぞれに送金する。これにより、アーティスト等の出演者のアーティスト活動が、風船の購入により直接的に支援される。
【0117】
以上、本発明の好ましい態様の一例が説明された。なお、本発明の思想の範疇において、当業者は、各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、上述の一例と同様に、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものは、本発明の要旨を備えている限り、上述の一例と同様に、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
S システム
1 支援装置
11 制御部
111 ログイン部
112 公演登録部
113 風船購入画面表示指令部
114 風船画面表示指令部
115 金額算出部
116 出品画面表示指令部
117 画像購入画面表示指令部
12 記憶部
121 売上データベース
13 通信部
N ネットワーク
T 端末
V 風船画面
B1 第1風船画像
B2 第2風船画像
【要約】
【課題】ファンの目を楽しませることと、公演の主催側が扱いに困らないこととを両立し、アーティスト活動を直接的に支援できる贈物をファンが贈れるようにする手段の提供。
【解決手段】本発明のアーティスト活動の支援装置1は、出演者への贈物として公演会場に飾られる風船を購入する画面である風船購入画面の表示を指令する風船購入画面表示指令部113と、当該風船に対応する画像である風船画像が表示される画面である風船画面Vにおいて風船画像が占める比率が上述した風船の売上の増加に伴い増すよう、風船画面Vの表示を指令する風船画面表示指令部114と、上述の売上のうち、上述の出演者に分配される金額を算出する金額算出部115と、を備える。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8