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特許7527705生物製剤プロセスを監視するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】生物製剤プロセスを監視するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240729BHJP
   A61J 3/00 20060101ALN20240729BHJP
【FI】
G06Q50/04
A61J3/00 310K
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021557152
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2020057515
(87)【国際公開番号】W WO2020193327
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】1904231.6
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ケイ・ヒュッケンベリ
(72)【発明者】
【氏名】マグヌス・カールソン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・フルトクヴィスト
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク・ルンドクヴィスト
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-123213(JP,A)
【文献】特開2009-151787(JP,A)
【文献】特表2018-522309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A61J 3/00
G05B 19/00
G05B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物製剤プロセスを監視するための方法(10、20、30)であって、前記生物製剤プロセスが、前記生物製剤プロセスを制御するための命令のセットに基づいて制御され、前記方法が、生物製剤プロセス監視要素によって実行される以下のステップ、
前記生物製剤プロセスを制御するための前記命令のセットを取得するステップ(S11)と、前記生物製剤プロセスを制御するための前記命令のセットの前記命令が実行されている間、実行された命令ごとに、
a)どの命令が現在実行されているかまたは終了したばかりかを示す実行状態更新を受信するステップ(S13)と、
b)前記受信した実行状態更新に基づいて、現在実行されているかまたは終了したばかりの前記命令を前記命令のセット内のその位置に関連付ける実行状態指標を形成するステップ(S14)と
を含む、方法(10、20、30)において、
現在実行されているかまたは終了したばかりの前記命令の少なくとも一部について、前記実行状態指標と、場合によっては、存在する場合は対応する取得したセンサデータとを表示するステップ(S25)をさらに含み、
前記命令のセットが表示ビューにおいて表示され、前記表示ビューが、プログラミングにおいて使用されるビューに少なくとも部分的に対応し、前記実行状態指標が、前記表示ビューにおいて現在実行されているかまたは終了したばかりの前記命令をマークすることによって表示され、前記実行するための次の命令も前記表示ビューにおいて示され得る、方法
【請求項2】
前記生物製剤プロセスを制御するためのコントローラが、前記生物製剤プロセスを制御するための前記命令のセットの前記命令の実行を制御する間、実行された命令ごとに、前記コントローラが、前記実行状態更新を前記生物製剤プロセス監視要素に送信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法(10、20、30)。
【請求項3】
前記生物製剤プロセス監視要素において、前記生物製剤プロセスに関連するセンサデータを取得するステップ(S23)と、
現在実行されているかまたは終了したばかりの前記命令の少なくとも一部について、前記対応する取得したセンサデータを前記実行状態指標と相関させるステップ(S24)と
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
現在実行されているかまたは終了したばかりの前記命令の少なくとも一部について、前記実行状態指標と、場合によっては、存在する場合は前記対応する取得したセンサデータとを記憶するステップ(S24)をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記生物製剤プロセスを制御するための前記命令のセットが、前記生物製剤プロセスを定義する少なくとも1つのプロセス変数値を含むか、またはそれに関連付けられ、前記方法が、
前記命令のセットの実行中、前記生物製剤プロセス監視要素において、前記生物製剤プロセスを定義する前記プロセス変数値のうちの少なくとも1つの更新を取得するステップ(S31)と、
前記命令のセットの前記実行中、前記生物製剤プロセスの制御のためのコントローラにおいて、前記生物製剤プロセスの更新された制御のための前記更新に関連する情報を受信するステップ(S33)と
を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記プロセス変数値のうちの少なくとも1つの前記更新がユーザインターフェースを介して受信される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記生物製剤プロセス監視要素が、
前記生物製剤プロセスに関連する前記取得されたセンサデータを監視し、
前記取得されたセンサデータが所定のパターンまたは値または境界から逸脱した場合を検出し、
前記生物製剤プロセスによって現在実行されているバッチが保存されるように、前記検出された逸脱に基づいて、少なくとも1つの潜在的なプロセス変数値が更新されるべきであると判断する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記生物製剤プロセスの制御が、前記少なくとも1つの潜在的なプロセス変数値に基づいて自動的に更新されるか、または前記少なくとも1つのプロセス変数値が、ユーザによる受け入れ/拒否/修正のためにユーザインターフェースに供給される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
生物製剤プロセスを監視するためのシステム(100)であって、前記システムが、
前記生物製剤プロセスが実行される処理設備(112)と、
前記生物製剤プロセスを制御するための命令のセットを記憶し、前記処理設備を制御する制御信号を生成するための前記命令のセットの前記命令を実行するように構成されたコントローラ(111)と
を備える処理システム(110)を備え、
前記コントローラ(111)が、実行された命令ごとに、どの命令が現在実行されているかまたは終了したばかりかを示す実行状態更新を生成および送信するようにさらに構成され、
前記システム(100)が、実行状態指標を受信し、前記受信した実行状態更新に基づいて、現在実行されているかまたは終了したばかりの前記命令を前記命令のセット内のその位置に関連付ける前記実行状態指標を形成するように構成された生物製剤プロセス監視要素(120)をさらに備える、
システム(100)において、
前記実行状態指標を表示するように構成されたディスプレイ(142)と、存在する場合は対応する取得したセンサデータとをさらに備え、
前記対応する取得したセンサデータが存在する場合には、前記命令のセットが表示ビューにおいて表示され、前記表示ビューが、プログラミングにおいて使用されたビューに少なくとも部分的に対応し、前記実行状態指標が、前記表示ビューにおいて、現在実行されているかまたは終了したばかりの前記命令をマークすることによって表示され、実行するための次の命令も前記表示ビューにおいて示され得る、システム
【請求項10】
前記生物製剤プロセス監視要素(120)が、前記生物製剤プロセスを制御するための前記命令のセットを記憶するように構成され、前記実行状態指標の前記形成が、前記受信した実行状態更新を、前記記憶された命令のセット内の対応する命令に関連付けることを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記処理システム(110)が、前記処理設備の処理の状態を監視するように構成された複数のセンサ(113)と、場合によっては、処理要素の処理の監視された状態を表示するように構成されたディスプレイとをさらに備える、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記生物製剤プロセス監視要素(120)が、現在実行されているかまたは終了したばかりの前記命令の少なくとも一部について、前記対応する取得したセンサデータを前記実行状態指標と相関させるように構成された、請求項9から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
現在実行されているかまたは終了したばかりの前記命令の少なくとも一部について、前記実行状態指標と、場合によっては、存在する場合は前記対応する取得したセンサデータとを記憶するように構成されたメモリ(130)をさらに備える、請求項9から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記生物製剤プロセスを制御するための前記命令のセットが、前記生物製剤プロセスを定義する少なくとも1つのプロセス変数値を含むか、またはそれに関連付けられる、請求項9から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記命令のセットの実行中に、少なくとも1つのプロセス変数値を更新するための命令の取得に応答して、前記生物製剤プロセス監視要素は、前記取得したプロセス変数値更新に基づいて、表示ビューを修正し、前記プロセス変数値更新またはそれに関連する情報を前記コントローラに送信するように構成され、前記コントローラが、前記プロセス変数値更新に従って前記処理設備を制御するための制御信号を生成するように構成された、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
少なくとも1つのプロセス変数値を更新するための、前記命令のユーザのためのユーザインターフェース(140、141)をさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記生物製剤プロセス監視要素(120)が、
前記生物製剤プロセスに関連する前記取得されたセンサデータを監視し、前記取得されたセンサデータが所定のパターンまたは値または境界から逸脱した場合を検出し、
少なくとも1つの潜在的なプロセス変数値が更新されるべきであると判断するように構成された、請求項9から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記生物製剤プロセスがクロマトグラフィプロセスまたは方法であり、前記命令が、クロマトグラフィプロセスまたは方法ステップを含み、オプションでレシピまたはレシピステップを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法、請求項9から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
ィスプレイにおいて、現在実行されているクロマトグラフィプロセス/方法ステップまたはレシピもしくはレシピステップを表示するステップと、同じ前記表示ビューにおいて、前記現在実行されているプロセス/方法ステップまたは前記レシピもしくはレシピステップに対応する、事前定義されたプロセス/方法ステップまたは前記レシピもしくはレシピステップを表示するステップとをさらに含む、請求項18に記載の方法またはシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生物製剤プロセスを監視するための方法に関し、前記生物製剤プロセスは、前記生物製剤プロセスを制御するための命令のセットに基づいて制御される。
【0002】
本開示は、生物製剤プロセスを監視するためのシステムにさらに関する。
【背景技術】
【0003】
過去10年間で、革新的な生物製剤業界によって製造および販売されている製品の性質に重要な変化が見られた。今日の世界的な生物製剤ポートフォリオは、大分子薬物の普及、個人化された製品または標的化された製品の数の拡大、および多くの希少疾患に対する治療法の増加を反映している。これらの開発傾向は、生産工程が非常に限られた生物製剤製品、高度に特殊な製造要件、および遺伝子型固有の製品を提供する。製品構成の進行中の変化は、生産生物製剤製造の効率および有効性の継続的な改善の必要性をもたらす。
【0004】
例えば、治療用タンパク質、モノクローナル抗体、ワクチンなどの生物学的医薬品(バイオロジーとも呼ばれる)は、生きた細胞によって、または生きた細胞から作製された複雑な分子である。それらは、しばしば、点滴または注射による非経口投与を必要とし、それによって、安全性と有効性とを保証するために、高度に専門化された製造、特殊な貯蔵および取り扱い、ならびに厳密に管理された高品質の製造および流通ネットワークを必要とする。希少医薬品、すなわち、患者集団が200000人未満の疾患を対象とする医薬品についても開発が見られ、過去10年間で着実に増加している。さらに、製造業者は、有効な治療法がほとんどまたはまったくない、より複雑な疾患にますます焦点を合わせている。これらの疾患に対する新しい治療法は、少量生産によって特徴付けられる。
【0005】
生物製剤の別の重要な傾向は、特定の患者集団を対象とする製品である、個人化医療の出現である。時間の経過とともに、患者レベルの個人化医療が導入されると、製造および製品供給の複雑さが増す可能性がある。一般に、個人化医療は、関連するバイオ製造プロセスがより小規模で、患者の近くで行われることを必要とする。
【0006】
これらの医薬品ポートフォリオの傾向は、商業的に製造および販売される製品の数および複雑さの増加に寄与している。全体として、これらの医薬品ポートフォリオの傾向は、コストを削減するのに役立ち得る運用効率を生み出しながら、妥協のない品質で柔軟性を生み出す改善された製造の必要があることを示す。
【0007】
今日、生物製剤プロセスを処理するための処理システムは、前記生物製剤プロセスが実行される特徴的な処理設備と、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットを記憶し、処理設備を制御する制御信号を生成するための命令のセットの命令を順次実行するように構成されたコントローラとを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、製品の製造、特に製品の試験製造を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これは、生物製剤プロセスを監視するための方法によって達成されており、前記生物製剤プロセスは、前記生物製剤プロセスを制御するための命令のセットに基づいて制御される。方法は、生物製剤プロセス監視要素によって実行される以下のステップ、
生物製剤プロセスを制御するための前記命令のセットを取得するステップと、
生物製剤プロセスを制御するための命令のセットの命令が実行されている間、実行された命令ごとに、どの命令が現在実行されているかまたは終了したばかりかを示す実行状態更新を受信するステップと、受信した実行状態更新に基づいて、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令を命令のセット内のその位置に関連付ける実行状態指標を形成するステップとを含む。
【0010】
それによって、製造プロセスの状態の完全な理解を継続的に得ることが可能になる。これは、製剤プロセスが所望の通りに制御されているかどうか、または製剤プロセスの制御になんらかの適応が望まれているかどうかをユーザが判断することを可能にする。
【0011】
さらに、不在の人が、形成された実行状態指標を見ることによって、生物製剤プロセスの状態について完全に理解することができる。
【0012】
提案された生物製剤プロセスにより、コストを削減するのに役立ち得る運用効率を生み出しながら、妥協のない品質で柔軟性が得られる。
【0013】
プロセス/レシピにおいて現在実行している命令を方法/レシピと同じビューにおいて示すことによって、クロマトグラフィ実行などの生物製剤プロセスの実行の進行を容易に視覚化する方法が定義され得る。
【0014】
ユーザは、生物製剤プロセスを制御するための命令のプログラミングにおいて使用されるビューに少なくとも部分的に対応するビューを表示する表示ビューにおいて、システム実行の進行にグラフィカルに従うことができ得る。
【0015】
異なる実施形態において、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットは、生物製剤プロセスを定義する少なくとも1つのプロセス変数値を含むか、またはそれに関連付けられる。方法は、次いで、命令のセットの実行中に、生物製剤プロセス監視要素において、生物製剤プロセスを定義する前記プロセス変数値のうちの少なくとも1つの更新を受信するステップと、命令のセットの実行中に、生物製剤プロセスの制御のためのコントローラにおいて、生物製剤プロセスの更新された制御のための更新に関連する情報を受信するステップとを含み得る。
【0016】
これは、実行中に、プロセス/レシピの変数値を変更することができることを意味する。したがって、システム制御における変数値の編集が実施される。
【0017】
方法の追加の特徴的な特徴は、従属請求項において見られ得る。
【0018】
本開示は、生物製剤プロセスを監視するためのシステムにさらに関する。システムは、前記生物製剤プロセスが実行される処理設備と、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットを記憶し、処理設備を制御する制御信号を生成するための命令のセットの命令を実行するように構成されたコントローラとを備える処理システムを備える。コントローラは、実行された命令ごとに、どの命令が現在実行されているかまたは終了したばかりかを示す実行状態更新を生成および送信するようにさらに構成される。システムは、前記実行状態指標を受信し、受信した実行状態更新に基づいて、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令を命令のセット内のその位置に関連付ける実行状態指標を形成するように構成された生物製剤プロセス監視要素をさらに備える。
【0019】
システムの追加の特徴的な特徴は、従属請求項において見られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】生物製剤プロセスを監視するためのシステムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】第1の態様による、生物製剤プロセスを監視するための方法の例を概略的に示すフローチャートである。
図3】第2の態様による、生物製剤プロセスを監視するための方法の例を概略的に示すフローチャートである。
図4】生物製剤プロセスの監視を開始するために使用されるソフトウェアインターフェースビューの例を概略的に示す図である。
図5】生物製剤プロセスを監視する際に使用されるソフトウェアインターフェースビューの例を概略的に示す図である。
図6】より詳細な情報のビューの選択のために生物製剤プロセスを監視する際に使用されるソフトウェアインターフェースビューの例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、生物製剤プロセスを監視するためのシステム100を開示する。システム100は、処理システム110を備える。処理システム110は、図示の例では、前記生物製剤プロセスが実行される処理設備112を備える。処理設備112は、クロマトグラフィシステムなどの機器またはシステムによって提供されるワークフロー管理システムを備え得る。
【0022】
処理システム110は、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットを記憶するように構成されたコントローラ111をさらに備える。コントローラ111は、処理設備112を制御する制御信号を生成するための命令のセットの命令を実行するように構成される。
【0023】
したがって、生物製剤プロセスは、前記生物製剤プロセスを制御するための命令のセットに基づいて制御される。詳細には、これは、コントローラが処理設備を制御する制御信号を生成するための命令のセットの命令を実行することを意味する。命令のセットは、事前設定された実行方式に従って実行されるように構成される。例えば、命令のセットは、順次に実行されるか、非順次に実行されるか、またはそれらの組合せであるように構成され得る。したがって、命令のうちの少なくともいくつかは、並列に実行されるように構成され得る。
【0024】
コントローラ111は、実行された命令ごとに、どの命令が現在実行されているかまたは終了したばかりかを示す実行状態更新を生成および送信するようにさらに構成される。
【0025】
処理システム110は、処理設備の処理の状態を監視するように構成された複数のセンサ113をさらに備え得る。
【0026】
処理システム110は、処理要素の処理の監視された状態を表示するように構成されたディスプレイ(図示せず)も備え得る。
【0027】
システム100は、生物製剤プロセス監視要素120をさらに備える。生物製剤プロセス監視要素120は、コントローラ111と通信するように構成される。生物製剤プロセス監視システムは、存在する場合、センサ113と通信するようにさらに構成され得る。生物製剤プロセス監視要素120は、前記実行状態更新を受信し、受信した実行状態更新に基づいて、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令を命令のセット内のその位置に関連付ける実行状態指標を形成するように構成される。生物製剤プロセス監視要素120は、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットを記憶するように構成され得る。実行状態指標の形成は、受信した実行状態更新を、記憶された命令のセット内の対応する命令に関連付けることを含み得る。
【0028】
生物製剤プロセスを制御するための命令のセットは、生物製剤プロセスを定義する少なくとも1つのプロセス変数値を含むか、またはそれに関連付けられ得る。それぞれの変数値は、命令のセットの特定の命令、または複数の命令に関連付けられ得る。それぞれの変数は、センサデータおよび/または時間データに関連し得る。センサデータに関連するそれぞれの変数は、1つまたは複数のセンサからのセンサデータに基づいて形成され得る。センサデータに関連する生物製剤プロセスを定義する変数値は、最大値および/または最小値および/または許容間隔を定義し得る。時間データに関連する変数値は、例えば、命令のセットのうちの特定の命令または命令のグループの実行のための通常の持続時間または通常の持続時間に関する時間間隔を定義し得る。
【0029】
システムは、ユーザインターフェース140をさらに備え得る。ユーザインターフェースは、ディスプレイ142を備え得る。ユーザインターフェースは、キーボード、コンピュータマウス、またはジョイスティックなどの、ユーザデータ入力のための手段141を備え得る。ユーザインターフェース140は、タッチスクリーンなどの、データ入力のための手段141一体化されたディスプレイ142を備え得る。
【0030】
生物製剤プロセス監視要素120は、ディスプレイ142に表示データを提供するように構成される。ディスプレイ142は、実行状態指標を表示するように構成される。詳細には、ディスプレイ142は、表示ビューにおいて命令のセットを表示するように構成され、前記表示ビューは、プログラミングにおいて使用されるビューに少なくとも部分的に対応する。命令のセットの表示は、事前設定された実行方式に従って構造化された命令のセットの表示を含み得る。実行状態指標は、表示ビューにおいて、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令をマークすることによって表示され得る。また、次の実行命令が表示ビューにおいて示され得る。
【0031】
入力手段141を有するユーザインターフェース140は、少なくとも1つのプロセス変数値を更新するための命令のユーザ入力に適合され得る。
【0032】
命令のセットの実行中に、少なくとも1つのプロセス変数値を更新するための命令を取得したことに応答して、生物製剤プロセス監視要素は、取得されたプロセス変数値更新に基づいて表示ビューを修正し、更新された少なくとも1つのプロセス変数値、またはそれらに関連する情報をコントローラに送信するように構成され得、コントローラは、更新に従って、処理設備を制御するための制御信号を生成するように構成される。
【0033】
生物製剤プロセス監視要素120は、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令の少なくとも一部について、対応する取得されたセンサデータおよび/または時間データを実行状態指標と相関させるように構成され得る。
【0034】
生物製剤プロセス監視要素120は、生物製剤プロセスに関連する取得されたセンサデータおよび/または時間データを監視し、取得されたセンサデータおよび/または時間データが所定のパターンまたは値または境界から逸脱する場合を検出し、少なくとも1つの潜在的なプロセス変数値が更新されるべきであると判断するように構成され得る。したがって、プロセス変数値は、プロセスが実行している間に、プロセスの実行に影響を与えるように更新され得る。したがって、プロセス変数値は、実行中に発生する予期せぬ逸脱を補正するために更新され得る。これは、例えば、生物製剤プロセスによって現在実行されているバッチを保存するために使用され得る。
【0035】
プロセス変数値は、一時的にのみ更新され得る。したがって、プロセス変数値は、現在実行されているバッチについてのみ更新され得る。代替的には、プロセス変数値の更新は、プロセスの将来の実行においても使用するために保存される。入力手段141は、更新が永続的であるか、またはプロセスの現在の実行のみを目的とするかをユーザが選択するために使用され得る。
【0036】
上記のように、プロセス監視要素は、少なくとも1つの潜在的なプロセス値が更新されるべきであると判断するように構成され得る。プロセス監視要素はまた、更新されたプロセス値を決定するように構成され得る。代替的には、プロセス監視要素は、プロセス値が更新されるべきであると判断し、ユーザが、更新されたプロセス値を決定および入力する。
【0037】
さらに、ユーザは、取得されたセンサデータおよび/もしくは時間データが逸脱した場合の検出に基づいて、ならびに/または所定のパターンもしくは値もしくは境界からの逸脱の程度に基づいて、少なくとも1つの潜在的なプロセス値が更新されるべきであると判断し得る。ユーザは、次いで、更新されたプロセス値を入力し得る。
【0038】
さらに、命令のセットは、ジャンプ機能を含み得、少なくとも1つの所定の条件が満たされたとき、方式内の所定の命令にジャンブが実行される。例えば、センサデータに関する所定の条件が満たされたとき、所定の命令へのジャンプが実行され得る。所定の条件は、
達したときに、所定の第1の命令へのジャンプをアクティブにする最大値、および/または
達したときに、所定の第2の命令へのジャンプをアクティブにし、第1および第2の命令が同じまたは異なる命令であり得る、最小値
などのプロセス値を形成する。
【0039】
それに加えて、またはその代わりに、時間データに関する所定の条件が満たされたとき、所定の命令へのジャンプが実行され得る。所定の条件は、命令のセットのうちの特定の命令または命令のグループの実行のための通常の持続時間または通常の持続時間に関する時間間隔などのプロセス値を形成する。命令もしくは命令のグループの実行が通常の持続時間よりも長くかかる場合、または実行時間が通常の持続時間に関する時間間隔から外れる場合、所定の命令へのジャンプが活性化される。
【0040】
それに加えて、または代わりに、命令のセットは、ユーザ対話が所望の命令へのジャンプを実行することを可能にするように設計され得る。
【0041】
上記から明らかなように、監視は、プロセスの実行中のユーザ対話を可能にする。ユーザは、検出された逸脱から学習し、それに応じて対話し得る。さらにまたは代わりに、ユーザは、逸脱の潜在的な発生を予測し、それに応じて対話し得る。さらにまたは代わりに、来るイベントのタイミングを予測し、それに応じて対話し得る。ユーザ対話は、上記で論じたように、プロセス値を更新すること、および/または命令のセットにおいてジャンプを実行することを含み得る。
【0042】
システム100は、実行状態指標、および/または対応する取得されたセンサデータが存在する場合はそれを記憶するように構成されたメモリ130をさらに備え得る。メモリは、実行された命令の少なくとも一部に関連する実行状態指標、および/または対応する取得されたセンサデータを記憶し得る。したがって、メモリは、プロセス追跡データの記憶を可能にする。それによって、処理に関連する情報は、実行の後にもアクセス可能であり得る。これは、段階的なトラブルシューティングを可能にし、対応するセンサデータとともに各命令が見られおよび/または分析され得る。したがって、トラブルが発生した場合、実行中のどこで、すなわち、どの命令でトラブルが発生したかを示す情報がアクセス可能であり、トラブル、ならびにトラブルの発生に先行する命令に関連するセンサデータおよび/または時間データがさらに利用可能であるという点において、プロセスに透明性がある。提供される透明性は、システムを、例えば、プロセスを実行することにおける人材育成に適するものにする。
【0043】
図2において、生物製剤プロセスを監視するための方法10を示す。生物製剤プロセスは、前記生物製剤プロセスを制御するための命令のセットに基づいて制御される。詳細には、制御は、前記命令のセットと、場合によっては生物製剤プロセスの状態に関連するセンサデータとに基づいて、処理設備の動作を特徴的に制御するコントローラによって実行される。
【0044】
生物製剤プロセスを監視するための方法10は、生物製剤プロセス監視要素において、生物製剤プロセスを制御するための前記命令のセットを取得するステップ(S11)を含む。したがって、生物製剤プロセス監視要素は、生物製剤プロセスの制御のためのコントローラによって使用されるのと同じ、生物製剤プロセスを制御するための命令を取得する。
【0045】
次いで、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットの実行が開始され得る(S12)。
【0046】
生物製剤プロセスを監視するための方法10は、事前設定された実行方式に従って、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットの命令を実行しながら、実行された命令ごとに、以下を実行することをさらに含む。
【0047】
最初に、実行状態更新が生物製剤プロセス監視要素に提供される(S13)。実行状態更新は、どの命令が現在実行されているかまたは終了したばかりかを示す。
【0048】
したがって、特徴的に、生物製剤プロセスを制御するためのコントローラが、事前設定された実行方式に従って、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットの命令の実行を制御する間、実行された命令ごとに、コントローラは、実行状態更新を生物製剤プロセス監視要素に送信する。したがって、コントローラは、実行状態更新を取得し、実行状態更新を生物製剤プロセス監視要素に送信する。
【0049】
実行更新を受信すると、生物製剤プロセス監視要素において実行状態指標が形成される(S14)。実行状態指標は、受信した実行状態更新に基づいて、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令を命令のセット内のその位置に関連付ける。詳細には、実行状態指標は、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令を、事前設定された実行方式に従って構造化された命令のセット内のその位置に関連付ける。
【0050】
方法は、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令の少なくとも一部について、形成された実行状態指標を表示するステップ(S15)をさらに含み得る。また、実行するための次の命令が表示され得る(S15)。
【0051】
特徴的に、命令のセットは、表示ビューにおいて表示される。表示ビューは、生物製剤プロセスの制御のための命令のセットをプログラムする際に使用されるビューに少なくとも部分的に対応する。したがって、表示ビューにおいて、制御のための命令のセットのすべてまたは一部が継続的に表示される。
【0052】
実行状態指標は、表示ビューにおいて、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令をマークすることによって表示される。例えば、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令は、表示ビューにおいて明るくされ得る。強調表示は、例えば、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令を色でマークすることによって行われ得る。代替的には、表示される現在実行されていないかまたは終了したばかりではない命令は、グレーなど、より明るくなく提示され、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令は、例えば、黒色において、より明るく提示される。
【0053】
したがって、生物製剤プロセスを実行するとき、プログラマなどは、生物製剤プロセスが実行スキームのどのステップを現在実行しているかに関する包括的で明確な情報を取得する。これは、例えば、生物製剤プロセスが試験される試験状況において有利である。例えば、生物製剤プロセスの表示ビューおよび監視から、特定の実行ステップの実行後、生物製剤プロセスの特性が所望の特性から逸脱することが明らかである場合、その特定の実行ステップが修正され得ることが確認され得る。例えば、特定のループが、命令のセットによって定義された回数に対して追加の回数実行される必要があると決定され得る。これは、実際には、プロセスの実行中に処理され得る。したがって、ループが実行されるべき回数の修正を示す更新がコントローラに伝達され得(S16)、コントローラは、実行を適応させる。したがって、命令自体(またはそれに関連する変数値)は、更新の使用によって命令のセットの実行中に修正され得る。この例について、後により詳細に説明する場合がある。
【0054】
したがって、表示ビューの使用によって、生物製剤プロセスは、プロセスの実行中に段階的に監視することができる。それによって、プロセスの改善された監視が可能になる。さらに、段階的な監視は、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットにおける各実行ステップの微調整を可能にする。さらに、生物製剤プロセスを実行する試験は、加速され得、命令の許容可能なセットにより早く到着し得る。これは、比較的小さいバッチを処理する際に非常に重要であり、生物製剤プロセスのセットアップのための時間が、プロセスを通してバッチを実行するための合計時間に大きな影響を与える。
【0055】
また、実行する次の命令は、表示ビューにおいて示され得る。
【0056】
図2において論じた生物製剤プロセスを監視するための方法の実施の様々な例は、図1に関連して論じたようなシステムにおいて実施され得る。
【0057】
図3において、図2に関連して論じたように、生物製剤プロセスを制御するためのコントローラが生物製剤プロセスを制御するための命令のセットの命令の実行方式に従って実行を制御する間の、生物製剤プロセス監視要素における実行のさらなる例を示す。
【0058】
図1に関連しても論じたように、実行された命令ごとに、生物製剤プロセス監視要素は、実行状態更新を受信する(S13)。
【0059】
次いで、実行状態指標が形成される(S14)。実行状態指標は、受信した実行状態更新に基づいて、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令を命令のセット内のその位置に関連付ける。
【0060】
さらに、生物製剤プロセス監視要素において、生物製剤プロセスに関連するセンサデータが取得される(S21)。センサデータは、生物製剤プロセスを感知するセンサから取得され得る。したがって、センサデータは、生物製剤プロセスを実行するための処理設備、および/または処理設備によって処理される生物製剤材料を監視するものであり得る。センサデータは、生物製剤プロセスの制御および/または監視において使用するための、温度、圧力などの量を監視するように構成され得る。
【0061】
図示の例において、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令の少なくとも一部について、対応する取得されたセンサデータが、対応する実行状態指標と相関される(S22)。
【0062】
方法は、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令の少なくとも一部について、実行状態指標と対応する取得されたセンサデータとを表示するステップ(S25)をさらに含み得る。図2に関連して論じたように、特徴的に、命令のセットは、表示ビューにおいて表示される。表示ビューは、生物製剤プロセスの制御のための命令のセットをプログラムする際に使用されるビューに少なくとも部分的に対応する。
【0063】
方法は、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令の少なくとも一部について、実行状態指標と、場合によっては、存在する場合、対応する取得されたセンサデータおよび/または時間データとを記憶するステップ(S25)をさらに含み得る。
【0064】
この例によれば、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットは、生物製剤プロセスを定義する少なくとも1つのプロセス変数値を含むか、またはそれに関連付けられる。
【0065】
この例によれば、方法は、命令のセットの実行中、生物製剤プロセス監視要素において、生物製剤プロセスを定義する前記プロセス変数値のうちの少なくとも1つの更新を受信するステップ(S31)を含む。
【0066】
表示ビューは、次いで、命令のセットの実行中、前記プロセス変数値のうちの少なくとも1つの受信された更新に基づいて修正され得る。
【0067】
さらに、更新または更新に関連する情報は、生物製剤プロセスの制御のためのコントローラにおいて、命令のセットの実行中に受信される(S33)。
【0068】
前記プロセス変数値のうちの少なくとも1つの更新は、ユーザインターフェースを介して生物製剤プロセス監視要素および/またはコントローラにおいて受信され得る。前記プロセス変数値のうちの少なくとも1つの更新は、生物製剤プロセス監視要素において受信され得、場合によっては、生物製剤処理要素によって処理され得、処理された更新またはその情報は、生物製剤プロセスの制御の更新のためにコントローラに送信され得る。
【0069】
生物製剤プロセス監視要素は、生物製剤プロセスに関連する取得されたセンサデータおよび/または時間データを監視し、取得されたセンサデータおよび/または時間データが所定のパターンまたは値または境界から逸脱した場合を検出し、少なくとも1つの潜在的なプロセス変数値が前記検出された逸脱に基づいて更新されるべきであると判断し得る。
【0070】
生物製剤プロセスの制御は、少なくとも1つの潜在的なプロセス変数値に基づいて自動的に更新され得、または少なくとも1つの潜在的なプロセス変数値は、ユーザによる受け入れ/拒否/修正のためにユーザインターフェースに供給される。
【0071】
図3において論じたような生物製剤プロセスを監視するための方法を実施する異なる例は、図1に関連して論じたようなシステムにおいて実施され得る。
【0072】
図4において、生物製剤プロセスを制御するための命令のセットの実行の追跡を開始する方法の例を示す。実行の追跡を開始することは、図示の例では、ソフトウェアインターフェースを使用して行われる。ソフトウェアインターフェースは、例えば、本明細書で論じたように生物製剤プロセス監視要素において設けられる。ソフトウェアインターフェースは、生物製剤プロセス監視要素のディスプレイ、例えば、図1に関連して論じたようなディスプレイにおいて提示され得る。
【0073】
図示の例において、生物製剤プロセスを制御するためのソフトウェアは、「システム制御」と表記される。図示の例において、ソフトウェアインターフェースは、メニューシステムを備え、ソフトウェアプロセス制御の選択肢がメニューにおいて選択可能である。メニューにおいて「方法トラッカ」を選択すると、ソフトウェアの実行の追跡が開始される。図示の例において、「方法トラッカ」は、ビューメニューにおいて選択可能である。
【0074】
生物製剤プロセスの実行が開始されると、生物製剤プロセスは、追跡される。
【0075】
図5は、生物製剤プロセスの実行を追跡する表示ビューのスナップショットを示す。プロセスの実行が開始されると、生物製剤プロセスは、追跡される。したがって、生物製剤プロセスを制御するための命令の実行方式に従った実行が追跡される。この追跡がどのように実行され得るかの例は、図1図3に関連して示されている。
【0076】
図4における図示の例において、追跡は、方法トラッカ制御ソフトウェアによって実行される。トラッカ制御ソフトウェアは、例えば、本明細書で論じたような生物製剤プロセス監視要素において提供される。トラッカ制御ソフトウェアは、生物製剤プロセス監視要素のディスプレイ、例えば、図1に関連して論じたようなディスプレイにおいて追跡を提示するように構成され得る。
【0077】
方法トラッカ制御ソフトウェアは、生物製剤プロセスの実行を表示するように特徴的に構成される。図5において、左側のビューは、プログラミングにおいて使用されるビューに少なくとも部分的に対応する、命令のセットの表示ビューを示す。したがって、命令のセット全体、または命令のセットのサブセット(サブセットは、命令のセットの全体のどこにサブセットが配置されているかの概要をユーザに提供するのに十分な大きさである)は、この左側のビューにおいて示されている。図示の例において、命令のセットは、命令のセットのサブセットを各々が含む複数の段階を定義する。図示の例において、方法設定段階、平衡化段階、サンプル適用段階、およびカラム洗浄段階が定義され、各々が、命令のセットの対応するサブセットを含む。各段階について、命令の対応するセットは、段階的に実行される。これは、プログラミングにおいて使用されるビューに少なくとも部分的に対応する図示の表示ビューにおいて示される。
【0078】
さらに、左側のビュー51において、現在実行されている命令または終了したばかりの命令を示すマーカ52が存在する。したがって、図示の左側のビュー51において、現在実行されているかまたは終了したばかりの命令を命令のセット内のその位置に関連付ける実行状態指標が提示される。図示の表示ビューから、平衡化段階のシステム洗浄ステップが現在実行されているかまたは終了したばかりであることが明らかである。
【0079】
右側のビュー53において、生物製剤プロセスを定義するプロセス変数(図において方法変数と表記されている)が表示されている。図示の例において、プロセス変数は、段階ごとの順序で提示される。プロセスの各段階について、それに関連するプロセス変数が定義される。それぞれのプロセス変数は、段階全体、または段階の単一のステップの段階の一部に関連し得る。したがって、各変数は、変数が関連する段階および/または段階の一部および/または段階の単一のステップに関連付けられ得る。図示の例において、段階カラム洗浄は、値0に設定された変数「Percent B」に関連付けられる。さらに、方法設定段階は、図示の例では、値1に設定された「圧力制御」変数に関連付けられる。方法設定段階は、さらに、図示の例において、0.9に設定された「流量」変数に関連付けられる。さらに、図示の例におけるカラム洗浄段階は、図示の例では20に設定された「カラム洗浄容量」変数に関連付けられる。各段階について、プロセス変数は、同じ方法で定義され、値がそれらに関連付けられる。
【0080】
現在実行されているかまたは終了したばかりの命令に関連するプロセス変数を示す1つまたは複数のプロセス変数マーカ54が提示される。
【0081】
値は、プロセスの実行中にいつでも修正され得る。また、変数および/または段階は、プロセスの実行中に追加および/または削除され得る。これは、例えば、新しい製品またはバッチの製造前のプロセスの試験および微調整にかかる時間を短縮することに強く寄与する。これは、今度はコストを削減するのに役立つ。
【0082】
さらに、処理システムのセンサによって取得されたセンサデータなどの他の情報が表示ビューにおいて示され得る。センサデータの一部は、特定のプロセス変数に関連し得る。その場合、センサデータは、前記プロセス変数に関連して表示され得る。例えば、センサデータは、センサデータが関連する変数に対応する行における変数列の横の列において表示され得る。センサデータ列は、センサによって測定された量と、測定されたセンサ値とを提示し得る。センサデータの一部は、プロセス全体またはその一部に関連し得る。このセンサデータは、プロセスに関連する一般的なデータの表示のための場所において提示され得る。また、このセンサデータは、センサによって測定された量と、測定されたセンサ値とを提示し得る。
【0083】
図6は、図5に関連して論じた表示ビューにおいて提示される情報よりも詳細な情報を開示する表示ビューへのアクセスの例を示す。図6に示す例において、マークされたプロセス変数または別のプロセス変数は、プロセス変数に関連するより詳細な情報を得るためにクリックされ得る。詳細には、図示の例において、マークされたプロセス変数または別のプロセス変数をクリックすると、メニューが提示され、詳細な情報を見るためのオプションの「詳細なデバッガ情報を示す」が選択され得る。
【符号の説明】
【0084】
51 ビュー
52 マーカ
53 ビュー
54 マーカ
100 システム
110 処理システム
111 コントローラ
112 処理設備
113 センサ
120 生物製剤プロセス監視要素
130 メモリ
140 ユーザインターフェース
141 ユーザデータ入力のための手段、データ入力のための手段、入力手段
142 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6