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特許7527715ベンティング装置及びこれを含むバッテリーモジュール
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  • 特許-ベンティング装置及びこれを含むバッテリーモジュール 図1
  • 特許-ベンティング装置及びこれを含むバッテリーモジュール 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】ベンティング装置及びこれを含むバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/317 20210101AFI20240729BHJP
【FI】
H01M50/317 101
H01M50/317 201
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023506325
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 KR2022009045
(87)【国際公開番号】W WO2023287056
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】10-2021-0092129
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ソン・チョル・イム
(72)【発明者】
【氏名】サン・スン・オー
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203131137(CN,U)
【文献】特開2021-012761(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0109513(KR,A)
【文献】特開2000-228180(JP,A)
【文献】特開平10-334875(JP,A)
【文献】特表2021-516435(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0069104(KR,A)
【文献】特開2006-040626(JP,A)
【文献】特開平10-184373(JP,A)
【文献】中国実用新案第206786085(CN,U)
【文献】中国実用新案第2872043(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/30-50/392 等
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの一側に備えられ、前記バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部のガスを外部に排出するベンティング装置であって、
前記バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部のガスが流入するガス流入口と、
前記ガス流入口に流入したガスを外部に排出するガス排出口と、
前記ガス排出口の一側に備えられ、外部に排出されるガスによって音を発生させるアラーム手段と、
前記ガス流入口と前記ガス排出口とを連結する連結部と、
前記連結部内に位置し、自動でガスを外部に排出するシーリングキャップと、を含み、
前記シーリングキャップは、平常時には前記ガス流入口と前記ガス排出口との間を遮断してガスの排出及び外部空気の流入を遮断し、一定の条件の下では前記ガス流入口と前記ガス排出口との間を連結するように前記連結部内で移動し、
前記シーリングキャップは、前記バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部ガス圧力が一定値以上に上昇した場合に、前記ガス流入口と前記ガス排出口との間を連結するように前記連結部内で移動し、
前記ガスの流入方向と前記シーリングキャップの移動方向とが異なり、
前記連結部の下端には、前記シーリングキャップの下面と前記連結部の底面との間を離隔させる突起部が備えられる、
ベンティング装置。
【請求項2】
バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの一側に備えられ、前記バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部のガスを外部に排出するベンティング装置であって、
前記バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部のガスが流入するガス流入口と、
前記ガス流入口に流入したガスを外部に排出するガス排出口と、
前記ガス排出口の一側に備えられ、外部に排出されるガスによって音を発生させるアラーム手段と、
前記ガス流入口と前記ガス排出口とを連結する連結部と、
前記連結部内に位置し、自動でガスを外部に排出するシーリングキャップと、を含み、
前記シーリングキャップは、平常時には前記ガス流入口と前記ガス排出口との間を遮断してガスの排出及び外部空気の流入を遮断し、一定の条件の下では前記ガス流入口と前記ガス排出口との間を連結するように前記連結部内で移動し、
前記シーリングキャップは、前記バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部にガスが発生して内部温度が一定値以上に上昇した場合に、前記ガス流入口と前記ガス排出口との間を連結するように前記連結部内で移動し、
前記連結部は、一定温度以上で収縮する熱収縮チューブから形成され、
内部温度が一定値以上に上昇した場合に、ガスの発生によって前記熱収縮チューブが収縮することによって、前記シーリングキャップを移動させて、前記ガス流入口と前記ガス排出口を連通する、
ンティング装置。
【請求項3】
前記熱収縮チューブは、PE(ポリエチレン)及びPP(ポリプロピレン)素材を含む、
請求項に記載のベンティング装置。
【請求項4】
前記熱収縮チューブは、シリコンを含む、
請求項に記載のベンティング装置。
【請求項5】
前記熱収縮チューブは、PET(ポリエチレンテレフタレート)を含む、
請求項に記載のベンティング装置。
【請求項6】
前記シーリングキャップは、本体部と、前記熱収縮チューブが収縮するときに前記本体部の一部が収縮することができるように、前記本体部の一側に形成された溝部とを含む、
請求項に記載のベンティング装置。
【請求項7】
前記熱収縮チューブは、前記熱収縮チューブのうち前記ガス流入口に近い部分が最低温度で熱収縮する、
請求項に記載のベンティング装置。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載のベンティング装置を備えた、バッテリーセル。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載のベンティング装置を備えた、バッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年7月14日付の韓国許出願第2021-0092129号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明はバッテリーセルで発生したガスを自動で外部に排出するためのベンティング装置及びこれを含むバッテリーモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0003】
スマートフォン、ノートブック型PC、デジタルカメラなどのモバイル機器に対する技術開発及び需要が増加するのに伴い、充放電の可能な二次電池に関する技術が活発に研究されている。また、二次電池は大気汚染物質を発生させる化石燃料の代替エネルギー源であり、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)、及びエネルギー貯蔵デバイス(ESS)などに適用されている。
【0004】
現在広く使われる二次電池の種類には、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、すなわち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.0V~5.0Vである。よって、これより高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列に連結してセルモジュールアセンブリーを構成するか、またはセルモジュールアセンブリーを所要出力電圧または充放電容量に応じて直列または並列に連結してバッテリーモジュールを構成することもできる。このように、少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いて追加的な構成要素を付け加えてバッテリーパックを製作することが一般的である。
【0005】
このようなバッテリーパックは、使用中にバッテリーセルからガスが発生することができる。このようなガスは、高温に露出されるか、内部ショート、過充電または反復的充放電などによる電解質と電極活物質との反応によって発生することができる。
【0006】
このようなガスの発生によってバッテリーセルの内部圧力及び温度が高くなるので、バッテリーケースの破損、内部ショート、爆発、火災などの問題が発生することがある。
【0007】
これを防止するために、バッテリーセルにガスを排出することができる構造を備えるか、またはバッテリーセルを含むバッテリーモジュールやバッテリーパックにベンティング装置を備えることもある。
【0008】
しかし、従来のベンティング装置は内部のガスを排出することにのみ重点を置く場合が大部分であるので、ガスが発生したことを早く確認することができるとともに発生したガスを自動で排出することができる装置が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記のような問題点を解決するために、内部のガス圧力または内部温度によって自動でガスを排出し、これを知らせるアラーム手段が備えたベンティング装置及びこれを含むバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するための本発明によるベンティング装置は、バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの一側に備えられ、前記バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部のガスを外部に排出するベンティング装置であって、前記バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部のガスが流入するガス流入口と、前記ガス流入口に流入したガスを外部に排出するガス排出口と、前記ガス排出口の一側に備えられ、外部に排出されるガスによって音を発生させるアラーム手段と、前記ガス流入口と前記ガス排出口とを連結する連結部と、前記連結部内に位置し、自動でガスを外部に排出するシーリングキャップとを含み、前記シーリングキャップは、平常時には前記ガス流入口と前記ガス排出口との間を遮断してガスの排出及び外部空気の流入を遮断し、一定の条件の下では前記ガス流入口と前記ガス排出口との間を連結するように前記連結部内で移動することを特徴とする。
【0011】
また、本発明によるベンティング装置において、前記シーリングキャップは、前記バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部ガス圧力が一定値以上に上昇した場合に、前記ガス流入口と前記ガス排出口との間を連結するように前記連結部内で移動することを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるベンティング装置において、前記シーリングキャップは、前記バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部にガスが発生して内部温度が一定値以上に上昇した場合に、前記ガス流入口と前記ガス排出口との間を連結するように前記連結部内で移動することを特徴とする。
【0013】
また、本発明によるベンティング装置において、前記連結部は一定温度以上で収縮する熱収縮チューブから形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明によるベンティング装置において、前記熱収縮チューブは、PE(Polyethylene)及びPP(Polypropylene)素材を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明によるベンティング装置において、前記熱収縮チューブはシリコンを含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明によるベンティング装置において、前記熱収縮チューブは、PET(Polyethylene terephthalate)を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明によるベンティング装置において、前記シーリングキャップは、本体部と、前記熱収縮チューブが収縮するときに前記本体部の一部が収縮することができるように、前記本体部の一側に形成された溝部とを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明によるベンティング装置において、前記熱収縮チューブは、前記熱収縮チューブのうち前記ガス流入口に近い部分が最低温度で熱収縮することを特徴とする。
【0019】
また、本発明によるバッテリーセルは本発明のベンティング装置を備えることを特徴とする。
【0020】
また、本発明によるバッテリーモジュールは本発明のベンティング装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のベンティング装置はガス圧力によって自動で開閉するシーリングキャップを備えることで、バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部のガス圧力が一定値以上になれば自動でガスを排出し、一定値以下では外部からの空気流入を遮断することができる利点がある。
【0022】
また、本発明のベンティング装置は温度によって自動で開閉するシーリングキャップを備えることで、バッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部温度が一定値以上になれば自動でガスを排出し、一定値以下では外部からの空気流入を遮断することができる利点がある。
【0023】
また、本発明のベンティング装置はアラーム手段を備えることで、ガスが排出されることを実時間で確認することができる利点がある。
【0024】
また、本発明のベンティング装置をバッテリーセルまたはモジュールに適用することで、内部ガス圧力の上昇によって爆発や破損などが発生する危険を減らすことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施例によるベンティング装置を概略的に示す断面図である。
図2】本発明の他の実施例によるベンティング装置を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本出願で、「含む」、「有する」または「備える」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、構成要素、部分品またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0027】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0028】
以下、本発明によるベンティング装置について添付図面を参照して説明する。
【0029】
図1は本発明の一実施例によるベンティング装置を概略的に示す断面図である。
【0030】
図1を参照して本発明のベンティング装置100を説明すると、ベンティング装置100は、ガス流入口110、ガス排出口120、シーリングキャップ130、連結部140、及びアラーム手段150を含む。
【0031】
ガス流入口110は、一側がバッテリーセルまたはモジュールと結合し、これらの内部からベンティング装置100にガスが流入するようにする通路の役割を果たす部分であり、ガス排出口120は前記ガス流入口110から流入したガスをベンティング装置100の外部に排出する通路の役割を果たす部分であり、一般的に管の形態を有することができるが、これに限定されず、ガスの流入及び排出の可能な多様な形態を適用することができる。
【0032】
また、前記ガス流入口110とガス排出口120との間にはこれらを連結する連結部140が備えられており、連結部140の下端には、シーリングキャップ130の下面と連結部140の底面との間を離隔させる突起部141が備えられている。
【0033】
連結部140に付着されたガス流入口110及びガス排出口120の位置は、図1に示すように、ガス流入口110は連結部140の下端に位置し、ガス排出口120は連結部140のガス流入口110の反対方向に中間程度に位置する。
【0034】
もちろん、場合によってガス排出口120はガス流入口110の反対方向ではなく、ガス流入口110に対して垂直な方向など、多様な位置に備えられることもできる。
【0035】
このような連結部140内には、前記連結部140内で移動可能なシーリングキャップ130が位置し、シーリングキャップ130は、普段に、すなわちバッテリーセルまたはモジュールの内部のガス圧力が外部の空気圧とほぼ同じ場合には、図1の(a)に示すように、連結部140の下端に位置することで、ガス流入口110とガス排出口120との間の気体の流れを遮断するようになる。
【0036】
しかし、バッテリーセルでガスが発生してバッテリーセルまたはモジュールの内部のガス圧力が高くなれば、図1の(b)に示すように、内部のガス圧力によってシーリングキャップ130が連結部140内で上昇してガス排出口120との結合部より高い位置まで上昇した場合に、ガス流入口110から流入したガスが連結部140を通してガス排出口120に排出されることができるようになる。
【0037】
その後、ガスの排出によって内部のガス圧力が低くなれば、シーリングキャップ130は再び連結部140の下端に下降することで、ガスの排出及び外部からの空気流入を遮断するようになる。
【0038】
このようなベンティング装置100のガス流入口110、ガス排出口120、シーリングキャップ130、及び連結部140の素材は、加工性がよく、耐熱性を有するプラスチック、金属などから適宜選択することができる。
【0039】
また、ガス排出口120には、ガス排出の際に音を発生させることで、ガスが排出されることを知らせるアラーム手段150が備えられている。
【0040】
アラーム手段150は、気体の流れによって音を発生させる公知の多様な装置を使うことができ、その位置はガス排出口120内で適切に選択することができる。
【0041】
一方、図2は本発明の他の実施例によるベンティング装置を概略的に示す図である。
【0042】
図2を参照して、前記ベンティング装置100とは形態及び作動メカニズムが異なるベンティング装置200について説明すると、ベンティング装置200は、ガス流入口210、ガス排出口220、シーリングキャップ230、連結部240、及びアラーム手段250を含む。
【0043】
ここで、ガス流入口210及びガス排出口220の機能及び位置は図1の前記ベンティング装置100と同様であるので、別途の説明は省略する。
【0044】
次に、連結部240の形状は、ガス流入口210と連結される下部が狭く、上方に行くほど広くなる台形の断面を有し、それ以後には同じ広さを有する管状を有している。
【0045】
また、連結部240の素材は一定の温度以上で収縮する熱収縮チューブ241から形成されている。
【0046】
熱収縮チューブ241は所定の温度以上で収縮する特性を有するチューブであり、多様な高分子素材から形成可能であり、これらを適切に組み合わせるか選択することで、収縮温度などを所望の範囲に設定することができる。
【0047】
このような熱収縮チューブ241に使われる素材としては、PE(Polyethylene)、PP(Polypropylene)、PET(Polyethylene terephthalate)、PVDF(Polyvinylidenefluoride)、PVC(Polyvinylchloride)、Polytetrafluorethylene(PTFE)、シリコンなどの多様な素材を単独でまたは混合して使うことができる。
【0048】
本発明の熱収縮チューブ241は、収縮温度などを考慮すると、PE(Polyethylene)とPP(Polypropylene)とを混合した素材、シリコンまたはPETを含んで形成することが好ましい。
【0049】
また、熱収縮チューブ241は、ガス流入口210に近接した部分を連結部240の全体のうち最低温度で収縮する素材から形成し、ガス流入口210から遠くなるほど高温で収縮する素材から形成することが好ましい。
【0050】
一方、熱収縮チューブ241に形成された連結部240内にはシーリングキャップ230が位置する。
【0051】
シーリングキャップ230は、本体部231と、本体部231の下面に形成された溝部232とを含み、前記熱収縮チューブ241が収縮する温度でも収縮しない耐熱性素材から形成されることが好ましい。
【0052】
このようなシーリングキャップ230の大きさは、連結部240の広さが一定した部分に位置してガス流入口210とガス排出口220との間の気体の流れを遮断することができるように、連結部240の内径に合わせて形成することが好ましい。
【0053】
また、ガス排出口220には、ガスが排出されることを音で知らせることができるアラーム手段250が付着されている。
【0054】
このような構成のベンティング装置200の作動メカニズムを、図2を参照して説明すると、まず図2の(a)は内部温度が熱収縮チューブ241の収縮温度より低い普段の状態である。
【0055】
平常時には連結部240の内部のシーリングキャップ230が連結部240が細くなる部分の直上に位置してガス流入口210とガス排出口220との間の気体の流れを遮断している。
【0056】
しかし、ガスの発生によってバッテリーセルまたはバッテリーモジュールの内部温度が上昇した場合に、図2の(b)のように、収縮温度が最も低い素材から形成された熱収縮チューブ241の下側から収縮しはじめ、よって内部のシーリングキャップ230は溝部232が形成されている下部が多少収縮することによって連結部240の上側に押し上げられる。
【0057】
このような過程が連続的に進むと、図2の(c)に示すように、シーリングキャップ230は連結部240の上端に上昇し、ガス流入口210とガス排出口220とが連結されることによってガスが排出される。
【0058】
その後、ガスが排出されるのに伴って内部温度が下がれば、熱収縮チューブ241も元の形態に回復し、よって内部のシーリングキャップ230が下降し、再び図2の(a)のような形態になることで、空気の流れを遮断するようになる。
【0059】
前述したように、本発明のベンティング装置100、200は、平常時には外部からの空気流入を遮断し、一定の条件の下で自動で内部のガスを排出することにより、ガス発生による爆発、火災などを予防することができる効果があり、ガスが排出されることをアラーム手段150、250を介して音で確認することもできる。
【0060】
このようなベンティング装置100、200は前述したバッテリーセル及びバッテリーモジュールだけでなく、バッテリーパックなどの多様なバッテリー製品に付着することもでき、付着されるベンティング装置100、200の個数も必要に応じて一つ以上を適切に選択することができる。
【0061】
また、単一のバッテリー製品に作動メカニズムの相異なる二つのベンティング装置100、200を同時に付着することもできる。
【0062】
以上で本発明の内容の特定部分を詳細に記述したが、当該分野で通常の知識を有する者にこのような具体的技術はただ好適な実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が限定されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのは当業者に明らかなものであり、このような変形及び修正も添付の特許請求範囲に属するものであるというのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
100、200 ベンティング装置
110、210 ガス流入口
120、220 ガス排出口
130、230 シーリングキャップ
231 本体部
232 溝部
140、240 連結部
141 突起部
241 熱収縮チューブ
150、250 アラーム手段
図1
図2