IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特許-プリフォーム組立体 図1
  • 特許-プリフォーム組立体 図2
  • 特許-プリフォーム組立体 図3
  • 特許-プリフォーム組立体 図4
  • 特許-プリフォーム組立体 図5
  • 特許-プリフォーム組立体 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】プリフォーム組立体
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/22 20060101AFI20240729BHJP
   B65D 1/00 20060101ALI20240729BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20240729BHJP
   B29C 49/06 20060101ALI20240729BHJP
   B29B 11/04 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
B29C49/22
B65D1/00 120
B65D1/02 111
B29C49/06
B29B11/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021013802
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022117220
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝典
(72)【発明者】
【氏名】北村 隆
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-081604(JP,A)
【文献】特開2019-119476(JP,A)
【文献】特開2017-222141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00-49/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外口部と該外口部に連なる外側延伸部を備えた合成樹脂製の外プリフォームと、
前記外口部の内側に配置される内口部と該内口部に連なる内側延伸部とを備えた合成樹脂製の内プリフォームと、を有し、
ブロー成形により、外層体と該外層体の内側に配置された内層体とを備えた積層剥離容器に成形されるプリフォーム組立体であって、
前記外プリフォームの内周面または前記内プリフォームの外周面の何れか一方に、前記外口部ないし前記内口部の軸線の方向に沿って延びるとともに径方向に向けて突出する縦リブが一体に設けられ、
前記縦リブの上端面が、前記外プリフォームの内周面または前記内プリフォームの外周面からの突出高さが上方に向けて徐々に低くなるように、前記軸線に垂直な方向に対して45度以上の角度で傾斜していることを特徴とするプリフォーム組立体。
【請求項2】
前記縦リブの上端面が平面である、請求項1に記載のプリフォーム組立体。
【請求項3】
前記外口部が、前記外口部を径方向に貫通する外気導入孔を備え、
前記縦リブが、前記外気導入孔よりも下方に配置されている、請求項1または2に記載のプリフォーム組立体。
【請求項4】
前記外プリフォームの内周面または前記内プリフォームの外周面の何れか一方に、複数の前記縦リブが、前記軸線を中心とした周方向に等間隔に並べて設けられている、請求項1~3の何れか1項に記載のプリフォーム組立体。
【請求項5】
前記外プリフォーム及び前記内プリフォームが、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂製である、請求項1~4の何れか1項に記載のプリフォーム組立体。
【請求項6】
前記縦リブが、前記内プリフォームの外周面に一体に設けられている、請求項1~5の何れか1項に記載のプリフォーム組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロー成形用のプリフォーム組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
醤油等の食品調味料、飲料、化粧料、シャンプー、リンス、液体石鹸などの液体を内容液として収納する容器として、外口部と外口部に連なる有底筒状の胴部とを備えた合成樹脂製の外層体と、外口部の内側に配置された内口部と胴部の内面に剥離可能に積層された減容変形自在の収納部とを備えた合成樹脂製の内層体と、を有する積層剥離容器が知られている。
【0003】
従来、このような積層剥離容器をブロー成形により形成するためのプリフォームとして、外気導入孔を備えた外口部と該外口部に連なる外側延伸部を備えた合成樹脂製の外プリフォームの内側に、内口部と該内口部に連なる内側延伸部とを備えた合成樹脂製の内プリフォームを組み込んだ構成のプリフォーム組立体が知られている(例えば特許文献1参照)。この場合、外プリフォーム及び内プリフォームは、それぞれ射出成形により互いに別々に形成された後、互いに組み付けられてプリフォーム組立体とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-119476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のプリフォーム組立体では、外口部と内口部との間に外気導入口から導入された外気の流路を形成するために、内プリフォームの外周面に、内口部の軸線の方向に沿って延びるとともに径方向外側に向けて突出して外プリフォームの内周面に当接する縦リブを一体に設けるようにしている。
【0006】
しかし、内プリフォームの外周面に縦リブを設けた構成とすると、合成樹脂材料の射出成形によって内プリフォームを成形する際に、縦リブの周辺や内プリフォームの内面にひけが生じる場合があった。
【0007】
外プリフォームの内周面に縦リブを設ける構成も考えられるが、この場合も同様に、射出成形により外プリフォームを成形する際に、縦リブの周辺や外プリフォームの外面にひけが生じる場合があった。
【0008】
そのため、プリフォーム組立体ないしプリフォーム組立体をブロー成形して形成される積層剥離容器を、所定の形状に精度良く形成することができない、という問題が生じる虞があった。
【0009】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、所定の形状に精度良く形成されたプリフォーム組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のプリフォーム組立体は、外口部と該外口部に連なる外側延伸部を備えた合成樹脂製の外プリフォームと、前記外口部の内側に配置される内口部と該内口部に連なる内側延伸部とを備えた合成樹脂製の内プリフォームと、を有し、ブロー成形により、外層体と該外層体の内側に配置された内層体とを備えた積層剥離容器に成形されるプリフォーム組立体であって、前記外プリフォームの内周面または前記内プリフォームの外周面の何れか一方に、前記外口部ないし前記内口部の軸線の方向に沿って延びるとともに径方向に向けて突出する縦リブが一体に設けられ、前記縦リブの上端面が、前記外プリフォームの内周面または前記内プリフォームの外周面からの突出高さが上方に向けて徐々に低くなるように、前記軸線に垂直な方向に対して45度以上の角度で傾斜していることを特徴とする。
【0011】
本発明のプリフォーム組立体は、上記構成において、前記縦リブの上端面が平面であるのが好ましい。
【0012】
本発明のプリフォーム組立体は、上記構成において、前記外口部が、前記外口部を径方向に貫通する外気導入孔を備え、前記縦リブが、前記外気導入孔よりも下方に配置されているのが好ましい。
【0013】
本発明のプリフォーム組立体は、上記構成において、前記外プリフォームの内周面または前記内プリフォームの外周面の何れか一方に、複数の前記縦リブが、前記軸線を中心とした周方向に等間隔に並べて設けられているのが好ましい。
【0014】
本発明のプリフォーム組立体は、上記構成において、前記外プリフォーム及び前記内プリフォームが、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂製であるのが好ましい。
【0015】
本発明のプリフォーム組立体は、上記構成において、前記縦リブが、前記内プリフォームの外周面に一体に設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定の形状に精度良く形成されたプリフォーム組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施の形態であるプリフォーム組立体を、その一部を切り欠いて示す正面図である。
図2図1に示す外プリフォームを、その一部を切り欠いて示す正面図である。
図3図1に示す内プリフォームの、正面視での半断面図である。
図4図3におけるA-A線に沿う断面図である。
図5図3におけるB-B線に沿う断面図である。
図6図1に示すプリフォーム組立体をブロー成形して形成した積層剥離容器を、その一部を切り欠いて示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施の形態に係るプリフォーム組立体1及び積層剥離容器100について具体的に例示説明する。
【0020】
なお、本明細書及び特許請求の範囲においては、上下方向は、プリフォーム組立体1を図1に示す正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとし、径方向は、プリフォーム組立体1の軸線Oを通り、軸線Oに垂直な直線に沿う方向を意味するものとする。
【0021】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るプリフォーム組立体1は、合成樹脂製の外プリフォーム10と合成樹脂製の内プリフォーム20とを有し、外プリフォーム10の内側に内プリフォーム20を組み込んだ二重構造となっている。
【0022】
図2に示すように、外プリフォーム10は、金型を用いて合成樹脂材料を射出成形することにより形成された射出成形品であり、外口部11と外側延伸部12とを備えている。
【0023】
本実施の形態では、外プリフォーム10は、ポリエチレンテレフタレート樹脂製である。
【0024】
外口部11は略円筒状であり、その外周面には、上側から順に、雄ねじ13、シール突起14及びネックリング15が互いに間隔を空けて当該外口部11と一体に設けられている。
【0025】
また、外口部11には、外口部11を径方向に貫通する外気導入孔16が設けられている。図1図2においては、1つの外気導入孔16のみが示されるが、本実施の形態では、外口部11には、外口部11の軸線Oを挟んだ両側に、互いに対称に一対の外気導入孔16が設けられている。
【0026】
外側延伸部12は、ブロー成形により径方向及び上下方向に延伸される部分であり、底部が半球状となった略試験管形状となって外口部11の下端に一体に連なっている。外側延伸部12の厚みは、下方に向けて徐々に増大しており、全体として外口部11の厚みよりも厚くなっている。
【0027】
図3に示すように、内プリフォーム20は、外プリフォーム10とは別の金型を用いて合成樹脂材料を射出成形することにより形成された射出成形品であり、内口部21と内側延伸部22とを備えている。
【0028】
本実施の形態では、内プリフォーム20は、ポリエチレンテレフタレート樹脂製である。
【0029】
内口部21は、外口部11よりも小径の略円筒状であり、図1に示すように、外口部11の内側に当該外口部11と同軸に配置されている。外口部11と内口部21との間には、径方向に所定の隙間Sが設けられている。
【0030】
本実施の形態では、内口部21の上端に拡径部23が一体に設けられており、拡径部23の外周面が外口部11の内周面に全周に亘って当接することで、外口部11と内口部21との間の隙間の上端部分が外部に対して閉塞されている。また、拡径部23の上端には径方向外側に向けて延びるフランジ部24が一体に設けられており、フランジ部24が外口部11の上端に当接することで内口部21は外口部11に対して軸方向に位置決めされている。
【0031】
内側延伸部22は、ブロー成形により径方向及び上下方向に延伸される部分であり、底部が半球状となった略試験管形状となって内口部21の下端に一体に連なっている。図5に示すように、内側延伸部22の軸線Oに垂直な断面は円形であり、内側延伸部22の外径は外側延伸部12の内径よりも小径となっており、外側延伸部12の内周面と内側延伸部22の外周面との間には所定の隙間が設けられている。これにより、内プリフォーム20を外プリフォーム10の内部に組み込む際に、外側延伸部12の内周面と内側延伸部22の外周面とに傷が付かないようになっている。
【0032】
外プリフォーム10の内周面または内プリフォーム20の外周面の何れか一方には、縦リブ25が一体に設けられる。本実施の形態では、内プリフォーム20の外周面に、縦リブ25を一体に設けた場合を示す。このような縦リブ25を設けることにより、ブロー成形される際に外口部11と内口部21との間に外気の流路となる隙間を保持することができる。
【0033】
図4に示すように、本実施の形態では、内プリフォーム20の外周面に、互いに同一形状となる8本の縦リブ25が、軸線Oを中心とした周方向に等間隔に並べて設けられている。これらの縦リブ25は、それぞれ軸線Oの方向(上下方向)に沿って延びるとともに径方向外側に向けて突出しており、図1に示すように、外気導入孔16の下方に位置する(上端が外気導入孔16の下端よりも下方に位置する)とともに、外プリフォーム10の内周面に僅かな隙間を空けて対向している。
【0034】
より具体的には、それぞれの縦リブ25は、内プリフォーム20の外周面からの突出高さが略一定の本体部25aを有している。図4に示すように、本体部25aの軸線Oに垂直な方向の断面形状は略台形状となっている。
【0035】
図3に示すように、縦リブ25の本体部25aの下端面25bは、内プリフォーム20の外周面からの突出高さが下方に向けて徐々に低くなるように外側に向けて突出する湾曲形状となっている。
【0036】
一方、縦リブ25の本体部25aの上端面25cは、内プリフォーム20の外周面からの突出高さが上方に向けて徐々に低くなるよう傾斜した平面となっている。
【0037】
ここで、平面に構成された上端面25cの、軸線Oに垂直な方向(径方向)に対する傾斜角度θは、45度以上の角度とされる。本実施の形態では、上端面25cの、軸線Oに垂直な方向に対する傾斜角度θは、57度である。
【0038】
なお、縦リブ25の上端面25cは、平面に限らず、軸線Oを通る断面視で湾曲する形状とすることもできる。この場合、上端面25cの各部の角度の平均角度を、上端面25cの軸線Oに垂直な方向に対する傾斜角度θとすることができる。
【0039】
上記構成を有するプリフォーム組立体1は、ブロー成形により積層剥離容器100に成形される。すなわち、プリフォーム組立体1をブロー成形することにより、ブロー成形品としての積層剥離容器100を形成することができる。ブロー成形としては、例えば二軸延伸ブロー成形を採用することができる。
【0040】
図6に示すように、積層剥離容器100は、合成樹脂製の外層体110と合成樹脂製の内層体120とを有する二重構造となっている。
【0041】
外層体110は、外口部111と、外側延伸部12がブロー成形によって延伸されることにより外口部111に連ねて形成された有底筒状の胴部112とを備え、積層剥離容器100の外郭を構成している。外口部111は、プリフォーム組立体1の外口部11と基本的に同一形状となっており、雄ねじ113、シール突起114、ネックリング115及び外口部111を径方向に貫通する外気導入孔116を備えている。
【0042】
内層体120は、プリフォーム組立体1の内口部21と基本的に同一形状の内口部(不図示)と、内側延伸部22がブロー成形によって延伸されることにより内口部に連ねて形成されるとともに外層体110の胴部112の内面に剥離可能に積層された減容変形自在の収納部122とを備えた構成とされている。
【0043】
上記構成を有する積層剥離容器100は、例えば、醤油等の食品調味料、飲料、化粧料、シャンプー、リンス、液体石鹸などの液体を内容液として収納する容器として用いることができる。この場合、積層剥離容器100は、例えば、逆止弁を備えた注出キャップと組み合わされたスクイズ式の注出容器、あるいはポンプと組み合わされたポンプ付き容器とされ、外層体110の胴部112をスクイズ(圧搾)したりポンプを操作したりすることで内容液を外部に注出することができる構成とされる。内容液の注出後には、外層体110に設けた外気導入孔116から外層体110と内層体120との間に外気が導入されることにより、外層体110の胴部112を元の形状に復元ないし維持したまま内層体120の収納部122のみを減容変形させることができる。したがって、積層剥離容器100によれば、内層体120の収納部122に収容されている内容液を外気と置換することなく外部に注出させて、内層体120の内部に収容されている内容液への外気の接触を減らし、当該内容液の劣化や変質等を抑制することができる。
【0044】
上記の通り、積層剥離容器100のブロー成形に用いられる本実施の形態のプリフォーム組立体1は、射出成形品である内プリフォーム20の外周面に縦リブ25を一体に設けた構成において、縦リブ25の上端面25cを、内プリフォーム20の外周面からの突出高さが上方に向けて徐々に低くなるように軸線Oに垂直な方向に対して45度以上の角度で傾斜する構成としたので、合成樹脂材料の射出成形によって内プリフォーム20を形成する際に、縦リブ25の周辺や内プリフォーム20の内面にひけが生じることを抑制して、内プリフォーム20ないしこれを用いたプリフォーム組立体1を所定の形状に精度良く形成することができる。また、プリフォーム組立体1を所定の形状に精度良く形成することができるので、プリフォーム組立体1をブロー成形して形成される積層剥離容器100を、所定の形状に精度良く形成することができる。
【0045】
また、本実施の形態のプリフォーム組立体1では、縦リブ25の上端面25cを平面に形成するようにしたので、合成樹脂材料の射出成形によって内プリフォーム20を形成する際に、金型の縦リブ25を成形する部分に合成樹脂材料が入り込み易くすることができる。これにより、合成樹脂材料の射出成形によって内プリフォーム20を形成する際に、縦リブ25の周辺や内プリフォーム20の内面にひけが生じることをさらに効果的に抑制して、内プリフォーム20ないしこれを用いたプリフォーム組立体1を所定の形状にさらに精度良く形成することができる。
【0046】
さらに、本実施の形態のプリフォーム組立体1では、縦リブ25を、外口部11に設けられた外気導入孔16よりも下方に配置するようにしたので、縦リブ25を拡径部23から離間した位置に設けることができる。これにより、合成樹脂材料の射出成形によって内プリフォーム20を形成する際に、縦リブ25の周辺や内プリフォーム20の内面にひけが生じることをさらに効果的に抑制して、内プリフォーム20ないしこれを用いたプリフォーム組立体1を所定の形状にさらに精度良く形成することができる。また、ブロー成形後の積層剥離容器100において、外層体110と内層体120との間に、外気導入孔116から胴部112に向けた外気の流路が確実に形成されるようにすることもできる。
【0047】
さらに、本実施の形態のプリフォーム組立体1では、内プリフォーム20の外周面に、複数の縦リブ25を、軸線Oを中心とした周方向に等間隔に並べて設けるようにしたので、縦リブ25が設けられる部分における内プリフォーム20の軸線Oに垂直な断面形状を周方向に均等な形状とすることができる。これにより、合成樹脂材料の射出成形によって内プリフォーム20を形成する際に、縦リブ25の周辺や内プリフォーム20の内面にひけが生じることをさらに効果的に抑制して、内プリフォーム20ないしこれを用いたプリフォーム組立体1を所定の形状にさらに精度良く形成することができる。また、ブロー成形後の積層剥離容器100において、外層体110と内層体120との間に、外気導入孔116から胴部112に向けた外気の流路がさらに確実に形成されるようにすることもできる。
【0048】
さらに、本実施の形態のプリフォーム組立体1では、外プリフォーム10及び内プリフォーム20を、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂製としたので、プリフォーム組立体1をブロー成形して形成される積層剥離容器100を、所定の形状に精度良く形成されたものとしつつ軽量で透明性の高い容器とすることができる。
【0049】
さらに、本実施の形態のプリフォーム組立体1では、雄ねじ13、シール突起14、ネックリング15及び外気導入孔16などが設けられる外プリフォーム10よりも簡素な構成とされる内プリフォーム20の外周面に縦リブ25を一体に設けるようにしたので、合成樹脂材料の射出成形の際に、縦リブ25の周辺等にひけが生じることをさらに効果的に抑制して、プリフォーム組立体1を所定の形状にさらに精度良く形成することができる。
【0050】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0051】
例えば、前記実施の形態では、内プリフォーム20の外周面に縦リブ25を設けるようにしているが、外プリフォーム10の内周面に縦リブ25を設けるようにしてもよい。
【0052】
また、前記実施の形態では、外口部11に外口部11を径方向に貫通する一対の外気導入孔16を設けた構成としているが、外気導入孔16の数は種々変更可能であり、また、外気導入孔16に替えて外口部11の上端と内口部21の上端との間に外部に開口する隙間として構成された外気導入口を設けた構成とすることもできる。
【0053】
さらに、前記実施の形態では、縦リブ25を、外気導入孔16よりも下方に配置した構成としているが、縦リブ25を、外気導入孔16に対向して配置するなど、その配置は種々変更可能である。
【0054】
さらに、前記実施の形態では、内プリフォーム20の外周面に、8本の縦リブ25を、軸線Oを中心とした周方向に等間隔に並べて設けた構成としているが、これに限らず、縦リブ25は少なくとも1本設けられていればよい。また、複数本の縦リブ25を設ける場合には、これらを軸線Oを中心とした周方向に等間隔に並べて設けるに限らず、周方向に互いに相違する間隔を空けて設けるなど、その配置も適宜変更可能である。
【0055】
さらに、前記実施の形態では、外プリフォーム10をポリエチレンテレフタレート樹脂製としているが、これに限らず、例えばポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、シクロオレフィンコポリマー樹脂(COC樹脂)、シクロオレフィンポリマー樹脂(COP樹脂)などの他の合成樹脂製としてもよい。
【0056】
さらに、前記実施の形態では、内プリフォーム20をポリエチレンテレフタレート樹脂製としているが、これに限らず、例えばポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、シクロオレフィンコポリマー樹脂(COC樹脂)、シクロオレフィンポリマー樹脂(COP樹脂)、エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH樹脂)などの他の合成樹脂製としてもよい。なお、内プリフォーム20の材質としてエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂を用いる場合には、バリア性及び柔軟性を考慮して、適切なエチレン含有率のものを採用することができる。また、内プリフォーム20は、バリア性を確保するために、例えば一対のポリエチレンテレフタレート樹脂層の間にMXナイロン樹脂層などのバリア層を設けた多層構造とすることもできる。
【0057】
さらに、外口部11は雄ねじ13、シール突起14、ネックリング15を備えない構成としてもよく、また、外側延伸部12ないし内側延伸部22の形状も種々変更可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 プリフォーム組立体
10 外プリフォーム
11 外口部
12 外側延伸部
13 雄ねじ
14 シール突起
15 ネックリング
16 外気導入孔
20 内プリフォーム
21 内口部
22 内側延伸部
23 拡径部
24 フランジ部
25 縦リブ
25a 本体部
25b 下端面
25c 上端面
100 積層剥離容器
110 外層体
111 外口部
112 胴部
113 雄ねじ
114 シール突起
115 ネックリング
116 外気導入孔
120 内層体
122 収納部
O 軸線
S 隙間
θ 傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6