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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】ターボ機械用のブレード構造
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/14 20060101AFI20240729BHJP
   F01D 9/02 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
F01D5/14
F01D9/02 101
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019160032
(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公開番号】P2020056400
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】16/143753
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ロバート・ハラー
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-074306(JP,A)
【文献】特開2003-120208(JP,A)
【文献】特開2010-065692(JP,A)
【文献】特開2012-145112(JP,A)
【文献】米国特許第04626174(US,A)
【文献】特開2006-307846(JP,A)
【文献】米国特許第05221181(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/14
F01D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械の流路内に載置するように適合されたブレード構造(200)であって、当該ブレード構造(200)が、
負圧側(204)、前記負圧側(204)に対向する正圧側(206)、前記正圧側(206)と前記負圧側(204)との間にある前縁(208)、前記前縁(208)に対向し、前記正圧側(206)と前記負圧側(204)との間にある後縁(210)、第1の半径方向端部の根元領域(R)、前記第1の半径方向端部の反対側の第2の半径方向端部の先端領域(T)、及び前記根元領域(R)と前記先端領域(T)との間にあるミッドスパン領域(M)を含む翼形部(202)と、
前記負圧側(204)、前記正圧側(206)、前記後縁(210)及び前記前縁(208)に沿って前記翼形部(202)の前記根元領域(R)又は前記先端領域(T)と接続された少なくとも1つの端壁(212)と
を備えており、
前記ミッドスパン領域(M)が、前記根元領域(R)の軸方向幅及び前記先端領域(T)の軸方向幅と比べて減少した軸方向幅を含み、前記ミッドスパン領域(M)での前記翼形部(202)のブレード開口部対ピッチ比が、前記根元領域(R)及び前記先端領域(T)と比較して前記流路内の流体の流れを前記翼形部(202)の前記ミッドスパン領域(M)に集中させるために、前記根元領域(R)及び前記先端領域(T)での前記翼形部(202)の前記ブレード開口部対ピッチ比よりも大きく、前記ミッドスパン領域(M)が、前記根元領域(R)と前記先端領域(T)との間に軸方向幅の差を作り出し、前記根元領域(R)及び前記先端領域(T)と比べて前記ミッドスパン領域(M)にわたる流体流プロファイルの損失を低減し、前記翼形部(202)の前記ブレード開口部と前記翼形部(202)の前記後縁(210)との間の前記負圧側(204)面の裏面偏向(BSD)が、前記翼形部(202)の前記根元領域(R)又は前記先端領域(T)よりも、前記ミッドスパン領域(M)で小さい、ブレード構造(200)。
【請求項2】
前記ミッドスパン領域(M)での前記翼形部(202)の前記ブレード開口部対ピッチ比が少なくとも約0.32であり、前記根元領域(R)及び前記先端領域(T)での前記ブレード開口部対ピッチ比が最大で約0.24である、請求項1に記載のブレード構造(200)。
【請求項3】
前記ミッドスパン領域(M)の前記軸方向幅が、前記根元領域(R)又は前記先端領域(T)での前記翼形部(202)の前記軸方向幅の約70パーセント~約95パーセントである、請求項1に記載のブレード構造(200)。
【請求項4】
前記翼形部(202)の前記ブレード開口部と前記翼形部(202)の前記後縁(210)との間の前記負圧側(204)面の前記裏面偏向(BSD)が、前記翼形部(202)の前記根元領域(R)又は前記先端領域(T)で約33°~約37°であり、前記翼形部(202)の前記ミッドスパン領域(M)で約31°~約33°である、請求項1に記載のブレード構造(200)。
【請求項5】
前記後縁(210)の融合点での前記負圧側(204)面と方向軸(Y)との間の角度が、前記ミッドスパン領域(M)で約0.8°~約5°である、請求項4に記載のブレード構造(200)。
【請求項6】
前記翼形部(202)の前記前縁(208)が、前記根元領域(R)と前記先端領域(T)との間に弓形プロファイルを含み、前記弓形プロファイルの頂点(S)が、前記翼形部(202)の前記ミッドスパン領域(M)内に位置する、請求項1に記載のブレード構造(200)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの端壁(212)の面を前記翼形部(202)の面に接続するフィレット(214)をさらに備え、前記フィレット(214)の半径が、前記根元(R)又は先端(T)の前記ブレード開口部に0.233を乗じたものに等しい、請求項1に記載のブレード構造(200)。
【請求項8】
前記後縁(210)の融合点での前記負圧側(204)面と方向軸(Y)との間の角度が、前記翼形部(202)の前記根元領域(R)又は前記先端領域(T)よりも、前記ミッドスパン領域(M)で小さい、請求項1に記載のブレード構造(200)。
【請求項9】
前記根元領域(R)内の前記翼形部(202)のピッチ対軸方向幅比が、約0.7~約1.3である、請求項1に記載のブレード構造(200)。
【請求項10】
ターボ機械の流路内の静的ノズルセクション(21)であって、当該静的ノズルセクション(21)が、
静的ノズル(22)のセットであって、前記静的ノズル(22)のセットが、
負圧側(204)、前記負圧側(204)に対向する正圧側(206)、前記正圧側(206)と前記負圧側(204)との間にある前縁(208)、前記前縁(208)に対向し、前記正圧側(206)と前記負圧側(204)との間にある後縁(210)、第1の半径方向端部の根元領域(R)、前記第1の半径方向端部の反対側の第2の半径方向端部の先端領域(T)、及び前記根元領域(R)と前記先端領域(T)との間にあるミッドスパン領域(M)を含む翼形部(202)と、
前記負圧側(204)、前記正圧側(206)、前記後縁(210)及び前記前縁(208)に沿って前記翼形部(202)の前記根元領域(R)又は前記先端領域(T)と接続された少なくとも1つの端壁(212)であって、前記翼形部(202)の前記前縁(208)と前記少なくとも1つの端壁(212)との間の交差角が、約10度~約35度である端壁(212)と
を有する少なくとも1つのノズルセクション(21)を含む静的ノズル(22)のセット
を備えており、
前記ミッドスパン領域(M)が、前記根元領域(R)の軸方向幅及び前記先端領域(T)の軸方向幅と比べて減少した軸方向幅を含み、前記ミッドスパン領域(M)での前記翼形部(202)のブレード開口部対ピッチ比が、前記根元領域(R)及び前記先端領域(T)と比較して前記流路内の流体の流れを前記翼形部(202)の前記ミッドスパン領域(M)に集中させるために、前記根元領域(R)及び前記先端領域(T)での前記翼形部(202)の前記ブレード開口部対ピッチ比よりも大きく、前記ミッドスパン領域(M)が、前記根元領域(R)と前記先端領域(T)との間に軸方向幅の差を作り出し、前記根元領域(R)及び前記先端領域(T)と比べて前記ミッドスパン領域(M)にわたる流体流プロファイルの損失を低減し、前記翼形部(202)の前記ブレード開口部と前記翼形部(202)の前記後縁(210)との間の前記負圧側(204)面の裏面偏向(BSD)が、前記翼形部(202)の前記根元領域(R)又は前記先端領域(T)よりも、前記ミッドスパン領域(M)で小さい、静的ノズルセクション(21)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、ターボ機械に関する。より具体的には、本明細書で開示される主題は、限定はしないが、ガスおよび/または蒸気タービンを含む、任意のタイプのターボ機械内の構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の航空機および/または発電プラントシステム、例えばある特定のジェット航空機、または原子力、単純サイクルおよび複合サイクル発電プラントシステムでは、設計および動作にタービン(ターボ機械とも呼ばれる)を用いている。これらのタービンの一部は、動作中に流体の流れにさらされる翼形部(例えば、静止または回転タービンブレード)を用いる。これらの翼形部は、流体の流れと空気力学的に相互作用し、発電の一部としてこれらの流体の流れからシャフト動力を発生するように構成される(例えば、推力の生成、運動エネルギーから機械的エネルギーへの転換、熱エネルギーから機械的エネルギーへの転換など)。この相互作用および変換の結果として、これらの翼形部の空気力学的特性および損失がシステムとタービンの動作、性能、推力、効率、および動力に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様は、ターボ機械の流路内に載置するように適合されたブレード構造を含み、ブレード構造は、負圧側、負圧側に対向する正圧側、正圧側と負圧側との間にある前縁、前縁に対向し、正圧側と負圧側との間にある後縁、第1の半径方向端部の根元領域、第1の半径方向端部の反対側の第2の半径方向端部の先端領域、および根元領域と先端領域との間にあるミッドスパン領域を含む翼形部と、負圧側、正圧側、後縁および前縁に沿って翼形部の根元領域または先端領域と接続された少なくとも1つの端壁とを含み、ミッドスパン領域は、根元領域の軸方向幅および先端領域の軸方向幅と比べて減少した軸方向幅を含み、ミッドスパン領域での翼形部のブレード開口部対ピッチ比は、根元領域および先端領域と比較して流路内の流体の流れを翼形部のミッドスパン領域に集中させるために、根元領域および先端領域での翼形部のブレード開口部対ピッチ比よりも大きく、ミッドスパン領域は、根元領域と先端領域との間に軸方向幅の差を作り出し、根元領域および先端領域と比べてミッドスパン領域にわたる流体流プロファイルの損失を低減する。
【0004】
本発明の第2の態様は、ターボ機械の流路内の静的ノズルセクションを含み、静的ノズルセクションは、静的ノズルのセットであって、静的ノズルのセットは、負圧側、負圧側に対向する正圧側、正圧側と負圧側との間にある前縁、前縁に対向し、正圧側と負圧側との間にある後縁、第1の半径方向端部の根元領域、第1の半径方向端部の反対側の第2の半径方向端部の先端領域、および根元領域と先端領域との間にあるミッドスパン領域を含む翼形部と、負圧側、正圧側、後縁および前縁に沿って翼形部の根元領域または先端領域と接続された少なくとも1つの端壁であって、翼形部の前縁と少なくとも1つの端壁との間の交差角は、約10度~約35度である端壁とを有する少なくとも1つのノズルを含む静的ノズルのセットを含み、ミッドスパン領域は、根元領域の軸方向幅および先端領域の軸方向幅と比べて減少した軸方向幅を含み、ミッドスパン領域での翼形部のブレード開口部対ピッチ比は、根元領域および先端領域と比較して流路内の流体の流れを翼形部のミッドスパン領域に集中させるために、根元領域および先端領域での翼形部のブレード開口部対ピッチ比よりも大きく、ミッドスパン領域は、根元領域と先端領域との間に軸方向幅の差を作り出し、根元領域および先端領域と比べてミッドスパン領域にわたる流体流プロファイルの損失を低減する。
【0005】
本発明の第3の態様は、ターボ機械の流路内のタービンセクションを含み、タービンセクションは、回転可能なブレードのセットであって、回転可能なブレードのセットは、負圧側、負圧側に対向する正圧側、正圧側と負圧側との間にある前縁、前縁に対向し、正圧側と負圧側との間にある後縁、第1の半径方向端部の根元領域、第1の半径方向端部の反対側の第2の半径方向端部の先端領域、および根元領域と先端領域との間にあるミッドスパン領域を含む翼形部と、負圧側、正圧側、後縁および前縁に沿って翼形部の根元領域または先端領域と接続された少なくとも1つの端壁であって、翼形部の前縁と少なくとも1つの端壁との間の交差角は、約2.5度~約20度である端壁とを有する少なくとも1つのブレード構造を含む回転可能なブレードのセットを備え、ミッドスパン領域は、根元領域の軸方向幅および先端領域の軸方向幅と比べて減少した軸方向幅を含み、ミッドスパン領域での翼形部のブレード開口部対ピッチ比は、根元領域および先端領域と比較して流路内の流体の流れを翼形部のミッドスパン領域に集中させるために、根元領域および先端領域での翼形部のブレード開口部対ピッチ比よりも大きく、ミッドスパン領域は、根元領域と先端領域との間に軸方向幅の差を作り出し、根元領域および先端領域と比べてミッドスパン領域にわたる流体流プロファイルの損失を低減する。
【0006】
本発明のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、本発明の様々な態様の以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態による、タービンの一部の三次元部分切断斜視図である。
図2】本開示の様々な実施形態による、翼形部および端壁を含むタービンノズルの概略三次元図である。
図3】本開示の様々な実施形態による、翼形部および端壁を含むタービンノズルの二次元側面図である。
図4】本開示の実施形態による、2つの翼形部のミッドスパン領域の切断斜視図である。
図5】本開示の実施形態による、2つの翼形部の根元領域または先端領域の切断斜視図である。
図6】本開示の様々な実施形態による、翼形部および端壁を含む回転タービンブレードの概略三次元図である。
図7】本開示の様々な実施形態による、翼形部および端壁を含む回転タービンブレードの二次元側面図である。
図8】本開示の実施形態による、マルチシャフト発電プラントシステムの部分を示す概略ブロック図である。
図9】本開示の実施形態による、単一シャフト複合サイクル発電プラントシステムの部分を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の図面は、必ずしも原寸に比例しないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを示すことを目的としており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなすべきではない。図間で同様に番号付けされた要素は、相互に関連して説明されたものと実質的に同様であり得ることが理解される。さらに、図1図9を参照して示され説明された実施形態では、同様の番号は同様の要素を表し得る。これらの要素の冗長な説明は、明確化のために省略されている。最後に、図1図9の構成要素およびそれらに付随する説明は、本明細書に記載の任意の実施形態に適用されてもよいことが理解される。
【0009】
本明細書で述べたように、本発明の様々な態様は、ターボ機械用のブレード構造に向けられている。本発明の特定の態様は、ブレードの根元および先端領域と比べて、それらのミッドスパン領域において減少した軸方向幅を有するブレード構造を含む。
【0010】
従来のタービンノズルとは対照的に、本発明の態様は、対向する端壁付近に位置する根元および先端領域と比べて、軸方向幅が減少し、ブレード開口部対ピッチ比が大きいミッドスパン領域を有するブレード構造(例えば、ガスまたは蒸気などの作動流体を向けるための静的ノズルまたは回転可能なブレード)を含む。翼形部にわたるブレード開口部対ピッチ比の違いにより、近くの空気流が制御され、動作流体が翼形部のミッドスパン領域に集中する。空気流の集中により、ブレード構造(ならびに関連するタービン段およびタービン機械)の性能、効率および/または耐久性を高めることができる。ブレード構造の根元領域または先端領域から流体の流れを逸らせることにより、ブレードの比較的効率的なミッドスパン領域でより多くの流れを提供し、翼形部の端壁付近の二次損失が高い領域を通る流れをより少なくする。
【0011】
本明細書で使用する場合、「軸方向の」および/または「軸方向に」という用語は、軸Aに沿った物体の相対的な位置/方向を指し、軸Aは、ターボ機械の回転軸(具体的には、ロータセクション)に実質的に平行である。さらに本明細書で使用する場合、「半径方向の」および/または「半径方向に」という用語は、軸(r)に沿った物体の相対的な位置/方向を指し、軸(r)は、軸Aと実質的に垂直であり、ただ1つの場所で軸Aと交差する。加えて、「円周方向の」および/または「円周方向に」という用語は、軸Aを囲むが、いかなる場所においても軸Aと交差しない円周に沿った物体の相対的な位置/方向を指す。さらに、前縁という用語は、システムの流体の流れに対して主に上流に配向される面を指し、後縁という用語は、システムの流体の流れに対して主に下流に配向される面を指す。前述に加えて、方向「r」は、半径方向を示し、方向「A」は、軸方向を示し、方向「Y」は、該当する場合は円周方向を示すことに留意されたい。
【0012】
以下の説明において、その一部を形成する添付の図面が参照されるが、これは本教示を実施することができる特定の実施形態の例証として示されるものである。これらの実施形態は、当業者が本教示を実施することができるように十分に詳しく記載され、本教示の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用されてもよいこと、および変更が行われてもよいことを理解されたい。したがって、以下の説明は、単なる例示である。
【0013】
図面を参照すると、図1は、本発明の様々な実施形態によるタービン10(例えば、蒸気タービン)の斜視部分切断図を示す。タービン10の図は、高圧(HP)、中圧(IP)、または低圧(LP)タービンを表すことができ、本開示の実施形態はHPおよびIPタービンに特に適用可能であり得ることが理解される。タービン10は、回転シャフト14と、複数の軸方向に間隔を置いたロータホイール18とを含むロータ12を含む。複数の回転ブレード20は、各ロータホイール18に機械的に結合される。より具体的には、ブレード20は、各ロータホイール18を囲んで円周方向に延びる列に配置される。シャフト14の周りに円周方向にある複数の静止ノズル22を含む静的ノズルセクション21が示されており、ノズル22は、ブレード20の隣接する列の間に軸方向に位置決めされる。静止ノズル22は、ブレード20と協働してタービン10の段を形成し、タービン10を通る流路の一部を画定する。示すように、静的ノズルセクション21は、ロータ12を少なくとも部分的に囲む(この切断図に示されている)。
【0014】
図示のタービン10は、2つのタービン段のセットに供給を行う軸方向中心にある入口口を含む二重流のタービン10であることが理解される。軸方向タービン、例えば、第1の軸方向端部から燃焼ガスを流入させ、ガスがタービンに機械的仕事を行った後にその燃焼ガスを第2の軸方向端部に流出させる軸方向入口ガスタービンに様々な教示を適用することができることが理解される。動作中、蒸気24などの動作流体は、タービン10の入口26に入り、静止ノズル22を通って流れる。ノズル22は、蒸気24をブレード20に向ける。蒸気24は残りの段を通過し、ブレード20に力を与え、シャフト14を回転させる。タービン10の少なくとも1つの端部は、回転シャフト14から離れて軸方向に延びてもよく、限定はしないが、発電機、および/または別のタービンなどの負荷または機械(図示せず)に取り付けられてもよい。
【0015】
一実施形態では、タービン10は、5つの段を含むことができる。5つの段は、L0、L1、L2、L3およびL4と呼ばれる。段L4は、第1の段であり、5つの段のうちの最小(半径方向に)である。段L3は、第2の段であり、軸方向の次の段である。段L2は、第3の段であり、5つの段の中間に示されている。段L1は、第4の段であり、最後から2番目の段である。段L0は、最後の段であり、最大(半径方向に)である。5つの段は一例としてのみ示されており、各タービンは5つより多いまたは少ない段を有してもよいことを理解されたい。また、本明細書で説明するように、本発明の教示は、多段タービンを必要としない。他の実施形態では、タービン10は、推力を生成するために使用される航空機エンジンまたは産業用ガスタービンを備えてもよい。
【0016】
図2および図3を参照すると、様々な実施形態によるブレード構造(または単に、構造)200の概略三次元図が示されている。構造200は、デバイス、例えば、タービン10(図1)の流路(FP)内に載置するように適合された静的または回転可能なブレードを表してもよい。図2の例では、構造200は、タービン(例えば、タービン10)の段の静止ノズルの環に含まれる静的ノズルとすることができる。すなわち、タービン(例えば、タービン10)の動作中、構造200は、作動流体(例えば、ガスまたは蒸気)の流れを1つまたは複数の可動ブレード(例えば、ブレード20)に向けるために静止したままであり得、これらの可動ブレードにロータシャフト(例えば、シャフト14)の回転を開始させる。構造200は、複数の類似または別個のノズル(例えば、ブレード構造200または他のノズル)と結合(ファスナ、溶接、スロット/溝などを介して機械的に結合)し、タービンの段でノズルの環を形成するように構成されることが理解される。
【0017】
タービン構造200は、負圧側面204と、負圧側面204に対向する正圧側面206(図2では部分的に不明瞭であり、図3では見えない)とを有する翼形部202を含む。構造200はまた、正圧側面206と負圧側面204との間にある前縁208と、前縁208に対向し、正圧側面206と負圧側面204との間にある後縁210とを含むことができる。翼形部202は、中空の内部(図示せず)を有することができ、したがって翼形部202は、内部に中空の内部を取り囲む輪郭壁で形成することができる。「軸方向幅」という用語は、軸Aに沿って翼形部202を直接通る1つの基準点(例えば、前縁208)から別の基準点(例えば、負圧側面204の一部)までの距離を指し得る。いくつかの場合の軸方向幅は、正圧側面206上の1つの場所と翼形部202に対する対応する場所との間の軸Aに沿った軸方向距離を指し得る。例えば、軸方向幅は、軸Aに沿って翼形部202の前縁208から後縁210と接線方向に整列した点までの距離として測定することができる。
【0018】
示すように、構造200は、翼形部202に接続された少なくとも1つの端壁212(2つが示される)を含み得る。構造200は、負圧側面204、正圧側面206、後縁210および前縁208に沿って翼形部202と接続することができる。様々な実施形態において、フィレット214が翼形部202を各端壁212に接続する。フィレット214は、初期構造から機械加工を介して形成されてもよく、いくつかの場合には、フィレット214は、溶接、ろう付けなどにより形成されてもよい。
【0019】
図1図3を参照すると、様々な実施形態において、構造200は、第1の段(L4)または第2の段(L3)内に位置決めすることができる。特定の実施形態では、構造200は、第2の段ノズル(L3)に位置決めされてもよく、構造200にわたる集中流プロファイルは、第2の段(L3)内、または第2の段(L3)から後続の段への入射する流体の流れを減少させる。様々な実施形態において、タービン10は、タービン10の第2の段(L3)のみ、またはタービン10の第1の段(L4)および第2の段(L3)のみにブレード構造200のセットを含むことができる。
【0020】
従来の構成要素とは対照的に、構造200の翼形部202は、根元領域Rおよび先端領域Tにおける翼形部202の軸方向幅と比較して、ミッドスパン領域Mにおいて減少した軸方向幅を有し得る。各領域R、M、Tにおける翼形部202の様々な軸方向幅は、翼形部202にわたって軸方向幅の差を作り出す。構造200のミッドスパン領域Mにおける翼形部202の軸方向幅および軸方向幅の差の減少は、ミッドスパン領域Mにわたる流体流プロファイルの損失を低減する。特定の質量流量は、流体密度に軸方向Aの流体速度を乗じて計算することができる。本開示の実施形態で特徴付けられる構造的詳細は、他の構成要素と比較して翼形部202を通過する流体の流体速度を維持し、したがって流路FPの特定の質量流量をさらに維持することができる。これらの物理的特性に加えて、構造200の翼形部202は、流路FP内の流体の流れプロファイルを制御するための他の特徴を含み得る。
【0021】
翼形部202の各領域R、M、Tは、対応する半径方向長さ、またはスパンを有し得る。各領域R、M、Tの半径方向長さは、メートル(m)、端壁212の間の翼形部202の半径方向スパン全体の割合、および/または翼形部の寸法を表すのに適した他の単位で測定することができる。ミッドスパン領域Mは、例えば、端壁212の間の翼形部202の半径方向スパンの約70パーセントを占める場合がある。対照的に、根元領域Rおよび先端領域Tは各々、例えば、翼形部202の半径方向スパンの約15パーセントを占める場合がある。80ミリメートル(mm)のブレードの例では、根元領域Rおよび先端領域Tは各々、約12mmの垂直方向長さを有することができ、ミッドスパン領域Mは、約54mmの垂直方向長さを有することができる。
【0022】
図2および図3に示すように、ブレード開口部Dは、翼形部202上の半径方向位置に対して変化し得る。「スロート」としても知られるブレード開口部Dは、1つの翼形部202の後縁と別の翼形部202の負圧側面204との間の最小の通過距離を指す。ブレード開口部Dのサイズは、翼形部202にわたる各領域R、M、Tで異なり、フィレット214付近の根元領域Rおよび先端領域Tで最小であり得る。ブレード開口部Dのサイズは、翼形部202のミッドスパン領域Mで最大であり得る。図2はまた、1つの翼形部202から別の翼形部までの流路FPにわたる円周方向距離を表す翼形部ピッチPを示す。ブレード開口部Dのサイズが変化すると、翼形部202のブレード開口部対ピッチ比がミッドスパン領域202内で最大になり、したがって根元領域Rおよび先端領域Tでのブレード開口部対ピッチ比よりも大きくなる。例示的な実施形態によれば、翼形部のブレード開口部対ピッチ比は、ミッドスパン領域Mでは少なくとも約0.32であるが、根元および/または先端領域R、T内では最大で約0.24であってもよい。いずれにせよ、翼形部202にわたるブレード開口部対ピッチ比のこれらの違いは、構造200の根元領域Rおよび先端領域Tからの流体の流れをミッドスパン領域Mに集中させることができ、これはいくつかのターボ機械用途において望ましい場合がある。
【0023】
流体の流れをミッドスパン領域Mに向けると、当該ブレード列のプロファイルおよび二次損失が減少する。したがって、次のブレード列への入射損失は最小限に抑えられる。構造200の実施形態に関連する流体流プロファイルは、制御された流れプロファイルとして知られている場合がある。この文脈において、制御された流れは、構造200の根元領域Rまたは先端領域T付近の空気流をミッドスパン領域Mに逸らせる構造200の能力を指す。翼形部202の実施形態は、流路FPの空気流プロファイルを制御して根元領域Rまたは先端領域T付近の流体の量を減少させる。
【0024】
図4および図5を参照すると、2つの翼形部202の部分図が示されており、様々な領域におけるそれらの構造の違いを示している。各図は、軸方向rおよび接線方向Yの平面で示されている。図4は、ミッドスパン領域Mにわたる2つの翼形部202の一部を示し、図5は、根元領域Rまたは先端領域Tの同じ2つの翼形部202の一部を示す。翼形部202の各領域R、M、Tは、それらの軸方向幅のみに基づいて互いに区別することができ、それらの間に構成要素を結合することなく翼形部202の連続した部分として形成することができる。翼形部202の根元領域Rおよび先端領域Tは各々、前縁208から後縁210までの第1の軸方向幅Wを有することができる。ミッドスパン領域Mは、第1の軸方向幅Wよりも小さい第2の軸方向幅WR、Tを有し得る。軸方向幅WR、T、Wの違いにより、根元または先端領域R、Tおよびミッドスパン領域Mの翼形部202の同じ2つの基準点の間に軸方向幅の差が生じ得る。動作中の軸方向幅の差により、根元および先端領域R、Tと比べてミッドスパン領域Mにわたる流体流プロファイルの損失が減少する。根元および先端領域R、Tと比較してミッドスパン領域Mの軸方向幅が減少すると、流体Fが流れる可能性のある利用可能な空きスペースも増加する。第2の軸方向幅WR、Tは、第1の軸方向幅Wの約70パーセント~約95パーセントの範囲であり得る。
【0025】
また、本明細書で説明するように、翼形部202の構造は、構造200の両端からの流体の流れを翼形部202のミッドスパン領域Mに集中させる。図4は、ミッドスパン領域Mのブレード開口部DおよびピッチPによって定義されるブレード開口部対ピッチ比を示している。図5は、根元または先端領域R、Tのブレード開口部DおよびピッチPによって定義されるブレード開口部対ピッチ比を示している。示すように、ミッドスパン領域Mのブレード開口部対ピッチ比は、根元または先端領域R、Tよりも大きく、したがって流路FP内の流体の流れの大部分がミッドスパン領域Mに集中する。この効果は、一部のターボ機械用途、例えば、下流のノズルまたはブレードに対して入射する流体の流れを防ぐために望ましい場合がある。翼形部202のブレード開口部D、DとピッチP、Pとの比例関係は、流路FPの全流体Fの少なくとも50パーセントが翼形部202のミッドスパン領域Mを横切るように選択することができる。
【0026】
図2図5の各々を参照すると、ミッドスパン領域202での翼形部202の軸方向幅は、根元領域Rまたは先端領域Tからミッドスパン領域Mへと連続的に減少し得る。したがって、ミッドスパン領域Mは、翼形部202の最短の軸方向幅を含み、根元領域Rおよび先端領域Tが翼形部202上でより大きな軸方向幅を有するようにする。翼形部202の軸方向幅は、図2に最もよく示されるように、弓形プロファイルの頂点Sが根元領域Rと先端領域Tとの間のミッドスパン領域M内に位置するように弓形形状に沿って端から端まで変化し得る。一実施形態によれば、前縁208は、根元領域Rから先端領域Tまで弓形プロファイルを示し得る。前縁208と半径方向軸rとの間の弓形変位を示す角度β(図2のみ)は、所定の値、例えば、約1度~約5度を有することができる。一例では、静的ノズルの構造200の角度βは、半径方向軸rに対して約3.75度であり得、回転ブレードの構造200の角度βは、半径方向軸rに対して約2.00度であり得る。角度βは、例えば、根元領域Rおよび先端領域Tに対してミッドスパン領域Mにわたる流体の流れの濃度を調整するために実装間で変化し得る。後縁210のプロファイルは、実質的に非弓形であってもよく、さもなければ半径方向軸rからの角度変位が減少していてもよい。示すように、後縁は、翼形部202の各領域における軸方向幅W、WR、Tの違いに影響を及ぼすことなく根元領域R、ミッドスパン領域M、および先端領域Tから実質的に直線に沿って延びることができる。
【0027】
各領域R、M、Tの翼形部202の構造は、流路FPの流体を制御するための追加の特徴を含むことができる。例えば、根元領域Rにおける翼形部202のピッチ対軸方向幅比は、流体が翼形部202にわたって流れる際に流体をミッドスパン領域Mにさらに集中させる構造であってもよい。一例によれば、根元領域RのピッチPと軸方向幅WR、Tとの比は、約0.7~約1.3であってもよい。また、根元領域Rのこれらの特性は、フィレット214から端壁212までのサイズおよび形状に影響を及ぼす可能性がある。例えば、各フィレット214は、根元領域Rまたは先端領域Tのブレード開口部Dに0.233を乗じたものに等しいフィレット半径FRを有することができる。フィレット214のこれらの特性は、流路FPの動作流体を翼形部202のミッドスパン領域Mにさらに逸らせる。
【0028】
本開示の実施形態における構造200の角度構成をよりよく示すために、図4および図5の各翼形部202の切断斜視図も示されている。翼形部の設計では、裏面偏向(BSD)は、一般に、例えば、負圧側面204のほぼ中間点に位置するスロートセクションでの負圧側面204の配向と、ほぼ後縁210の場所との間の角度変位を指す。翼形部202のBSDは、図4において角度φとして示されている。ミッドスパン領域MのBSDは、図4のφとして示され、根元領域Rまたは先端領域TのBSDは、図5のφとして示されている。ミッドスパン領域MのBSD φは、根元領域Rまたは先端領域TのBSDよりも大幅に小さくてもよい。例えば、負圧側面204のBSDφは、約31°~約34°であり得る。比較すると、翼形部202の根元領域Rまたは先端領域TにおけるBSD φは、例えば、約33°~約37°であり得る。
【0029】
構造200(図2図5)の特性は、ミッドスパン領域Mと根元領域Rまたは先端領域Tとの間の翼形部202の他の構造的違いを含むことができる。バックフォーム角度(backform angle)としても知られる別の角度θは、負圧側面204と正圧側面206が融合する後縁210での負圧側面204の配向と接線方向軸Yとの間の変位を示す。角度θは、負圧側面204と正圧側面206が後縁210で収束して合流するため、本明細書の他の場所で説明されているBSDφよりも大幅に小さくてもよい。翼形部202のミッドスパン領域Mの角度θは、従来の翼形部よりも大幅に小さい場合がある。具体的には、角度θは、θに示すように根元領域Rまたは先端領域Tで約3°~約6°であるのと比較して、ミッドスパン領域Mで約0.8°~約5°の範囲であり得る。
【0030】
図2および図3に戻ると、構造200は、ターボ機械の静的ノズルセクションに、または代替的に回転可能なブレード構造の一部としてターボ機械のタービンセクションに含まれてもよい。構造200は、一例では、静的ノズルセクションの一部であるように示されている。ここで、端壁212は、シャフト14(図1)に装着された内側端壁230と、ターボ機械ケーシング(図示せず)の内部に装着された外側端壁232とを含むことができる。内側および外側端壁230、232は、それらの間に流路FPを垂直方向に取り囲むように、および構造200に機械的に結合するように適合され得る。構造200は、フィレット214に沿って端壁230、232に接合されてもよく、フィレット214のサイズは、構造200が使用される流路FPの特性に基づいて選択される。各端壁230、232は、内部に構造200および翼形部202を有する静的ノズルのセット(すなわち、1つまたは複数)を含むように構成することができる。
【0031】
ここで図6および図7を参照すると、構造200および翼形部202はまた、ターボ機械のタービンセクションの回転ブレードの一部として含まれ得る。ここで、構造200の翼形部202は、根元ダブテール240とシュラウド242との間で半径方向に延びることができる。翼形部202は、根元ダブテール240とシュラウド242との間の流路FP内に位置決めすることができる。翼形部202は、静的ノズルセクションでの展開に関して本明細書の他の場所で説明されている構造的特徴を含むことができる。具体的には、翼形部202は、それぞれの軸方向幅を有する根元領域R、ミッドスパン領域M、および先端領域Tを含む。したがって、図4および図5は、代替的に、図6および図7に示されるような翼形部202の部分斜視図とみなされてもよい。根元領域Rおよび先端領域Tは、翼形部202のミッドスパン領域Mよりも大きな軸方向幅を有することが示されている。回転ブレードの形態の構造200はまた、前縁208に沿った弓形プロファイルを特徴とし、弓形プロファイルの頂点Sは、ミッドスパン領域M内にある。翼形部202はまた、回転ブレード構造で使用するように構成された特徴を含むことができるが、そうでない場合は、特に明記しない限り、図2および図3に示す同じ構造的特徴を含むことができる。そのような特徴は、例えば、根元領域R、ミッドスパン領域M、および先端領域Tの相対的なサイズおよび/または測定値、ターボ機械の第2の段(L3(図1))内の載置、および/または本明細書で説明される他の構造的特徴を含み得る。例えば、翼形部202の前縁208は、根元ダブテール240およびシュラウド242から部分的に半径方向かつ非垂直方向に外向きに延びることができる。翼形部202のこの構成により、負圧側面204が根元ダブテール240付近の正圧側面206よりも大きな長さを有し、負圧側面204がシュラウド242付近の正圧側面206よりも小さな長さを有し得る。
【0032】
様々な実施形態において、他の軸方向幅ならびに様々な他の翼形部パラメータ、例えば、壁の頂点の場所、ブレードピッチ、幅、様々な面の長さおよび/または面積間のアスペクト比などが可能であることが理解される。本明細書で与えられるそのようなパラメータの例示的な値は、本開示による多くの可能な実施形態のうちのいくつかの単なる例示にすぎない。
【0033】
図8を参照すると、マルチシャフト複合サイクル発電プラント900の部分の概略図が示されている。複合サイクル発電プラント900は、例えば、発電機970に動作可能に接続されたガスタービン980を含むことができる。発電機970およびガスタービン980は、シャフト915によって機械的に結合することができ、シャフト915は、ガスタービン980の駆動シャフト(図示せず)と発電機970との間でエネルギーを伝達することができる。図5には、ガスタービン980および蒸気タービン992に動作可能に接続された熱交換器986も示されている。熱交換器986は、従来の導管(番号は省略されている)を介してガスタービン980と蒸気タービン992の両方に流体接続することができる。ガスタービン980および/または蒸気タービン992は、図2図7および/または本明細書で説明する他の実施形態を参照して図示および説明する1つまたは複数のブレード構造200を含むことができる。熱交換器986は、従来の複合サイクル発電システムで使用されるような、従来の排熱回収ボイラ(HRSG)であってもよい。発電の技術分野で知られているように、熱交換器986は、給水と組み合わされたガスタービン980からの高温排気を使用し、蒸気タービン992に供給される蒸気を生成することができる。オプションとして、蒸気タービン992は、(第2のシャフト915を介して)第2の発電機システム970に結合されてもよい。発電機970およびシャフト915は、当技術分野で知られている任意のサイズまたはタイプのものであってもよく、それらの用途またはそれらが接続されるシステムに応じて異なってもよいことが理解される。発電機とシャフトの共通の番号は明瞭にするためであり、必ずしもこれらの発電機またはシャフトが同一であることを示唆するわけではない。図8に示す別の実施形態では、単一シャフト複合サイクル発電プラント990は、単一のシャフト915を介してガスタービン980と蒸気タービン992の両方に結合された単一の発電機970を含むことができる。蒸気タービン992および/またはガスタービン980は、図2図7および/または本明細書で説明する他の実施形態を参照して図示および説明する1つまたは複数の構造200を含むことができる。
【0034】
本開示の装置およびデバイスは、任意の1つの特定のエンジン、タービン、ジェットエンジン、発電機、発電システムまたは他のシステムに限定されず、他の航空機システム、発電システムおよび/またはシステム(例えば、複合サイクル、単純サイクル、原子炉など)と共に使用することができる。さらに、本発明の装置は、本明細書で説明する装置およびデバイスの効率の向上から利益を得ることができる、本明細書で説明しない他のシステムと共に使用することができる。
【0035】
様々な実施形態において、互いに「結合される」ものとして記載された構成要素は、1つまたは複数のインターフェースに沿って接合されてもよい。いくつかの実施形態では、これらのインターフェースは、別個の構成要素間の接合部を含むことができ、他の場合には、これらのインターフェースは、強固におよび/または一体的に形成された相互接続を含むことができる。すなわち、いくつかの場合には、互いに「結合された」構成要素は、単一の連続した部材を画定するように同時に形成することができる。しかし、他の実施形態では、これらの結合された構成要素は、別々の部材として形成することができ、その後公知のプロセス(例えば、締結、超音波溶接、接着)により接合することができる。
【0036】
本明細書で使用される専門用語は、特定の例示的な実施形態のみを説明するためのものであり、限定を意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「この(the)」は、特に明示しない限り、複数形も含むことが意図され得る。「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含んでいる(including)」、および「有している(having)」という用語は、包括的であり、したがって記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。本明細書に記載の方法のステップ、プロセス、および動作は、性能の順序として具体的に指定されない限り、必ずしも説明または図示された特定の順序で性能を必要とすると解釈されるべきではない。付加的または代替的なステップを用いることもできることを理解されたい。
【0037】
ある要素または層が別の要素または層に対して「上に」、「係合される」、「接続される」、または「結合される」と言及される場合には、他の要素または層に対して直接的に上に、係合され、接続され、または結合されてもよいし、あるいは介在する要素または層が存在してもよい。逆に、ある要素が別の要素または層に対して「直接上に」、「直接係合される」、「直接接続される」または「直接結合される」と言及される場合には、介在する要素または層は存在しなくてもよい。要素間の関係を記述するために使用される他の単語も同様なやり方(例えば、「間に」対「直接間に」、「隣接する」対「直接隣接する」など)で解釈するべきである。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のいずれかおよび1つまたは複数のすべての組合せを含む。
【0038】
「内側」、「外側」、「真下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」などのような空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示すような、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を記述するための説明を容易にするために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に示した配向に加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる配向を含むことを意図し得る。例えば、図中のデバイスが上下反転された場合、他の要素または特徴の「下方」または「真下」にあると記述される要素は、他の要素または特徴の「上方」に配向される。したがって、例示的な用語「下方」は、上方および下方の両方の配向を含むことができる。デバイスは、他の配向(90度回転、または他の配向)にすることもでき、本明細書で使用される空間的に相対的な記述は、これに従って解釈される。
【0039】
本発明の様々な態様の前述の説明は、例示および説明の目的で提示したものである。網羅的であること、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図するものではなく、多くの修正および変更が可能であることが明らかである。当業者に明らかであり得るこのような修正および変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれる。
【0040】
本明細書は、本発明を開示するために実施例を用いており、最良の形態を含んでいる。また、いかなる当業者も本発明を実施することができるように実施例を用いており、任意のデバイスまたはシステムを製作し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言との差がない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な差がない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0041】
10 タービン
12 ロータ
14 回転シャフト
18 ロータホイール
20 回転ブレード
21 静的ノズルセクション
22 静止ノズル
24 蒸気
26 入口
200 タービン構造、ブレード構造
202 翼形部
204 負圧側面
206 正圧側面
208 前縁
210 後縁
212 端壁
214 フィレット
230 内側端壁
232 外側端壁
240 根元ダブテール
242 シュラウド
900 マルチシャフト複合サイクル発電プラント
915 第2のシャフト
970 発電機、第2の発電機システム
980 ガスタービン
986 熱交換器
990 単一シャフト複合サイクル発電プラント
992 蒸気タービン
A 軸方向、軸
D ブレード開口部
ブレード開口部
ブレード開口部
F 流体
FP 流路
FR フィレット半径
L0 段
L1 段
L2 段
L3 段
L4 段
M ミッドスパン領域
P 翼形部ピッチ
ピッチ
ピッチ
R 根元領域
r 半径方向
S 弓形プロファイルの頂点
T 先端領域
第1の軸方向幅
R、T 第2の軸方向幅
Y 接線方向、接線方向軸
β 角度
φ 裏面偏向(BSD)
φ 裏面偏向(BSD)
θ 角度
θ 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9