(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】ねじり振動ダンパ
(51)【国際特許分類】
F16F 15/139 20060101AFI20240729BHJP
F16F 15/134 20060101ALI20240729BHJP
F16D 7/02 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
F16F15/139 D
F16F15/134 A
F16F15/134 D
F16D7/02 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019213300
(22)【出願日】2019-11-26
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】10 2018 130 237.1
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】パスカル シュトラッサー
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05493936(US,A)
【文献】特開2005-127507(JP,A)
【文献】特開平10-073147(JP,A)
【文献】特開平03-066955(JP,A)
【文献】特開2008-121700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/134
F16F 15/129
F16F 15/123
F16D 7/02
F16F 15/139
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじり振動ダンパ(1)であって、
入力部材(2)と出力部材(3)とを備えており、前記入力部材(2)が、前記出力部材(3)に対して回動可能に配置されており、
ばねダンパ装置(7)を備えており、該ばねダンパ装置(7)は、前記入力部材(2)が前記ばねダンパ装置(7)の戻し力に抗して前記出力部材(3)に対して回動可能となるように、トルク伝達経路において入力部材(2)と出力部材(3)との間に配置されており、前記ばねダンパ装置(7)が複数のばね要素(8,9)を有しており、該複数のばね要素(8,9)が、一方では前記入力部材(2)に支持され、他方では前記出力部材(3)に結合されたフランジ要素(12)に支持されており、
トルクリミッタ(15
)が、前記フランジ要素(12)と前記出力部材(3)との間に設けられており、これによって、前記フランジ要素(12)が、摩擦下で前記出力部材(3)に対して回動可能であり、前記フランジ要素(12)が、互いに向かい合って位置する2つのディスク(13,14)の間に軸線方向で緊締されており、該2つのディスク(13,14)が、前記出力部材(3)に相対回動不能に結合されている、
ねじり振動ダンパ(1)において、
前記フランジ要素(12)が、半径方向に突出した複数のばね舌片(18)を備
えて設置された環状領域を有する皿ばねフランジとして形成されており、前記環状領域が、全周にわたって分配された複数の凹部および/または切欠き(19~22)を有して
おり、
前記凹部または前記切欠き(19~22)が、周方向に延びる一列もしくは多列で配置されているかまたは所定のパターンで配置されていることを特徴とする、ねじり振動ダンパ(1)。
【請求項2】
ねじり振動ダンパ(1)であって、
入力部材(2)と出力部材(3)とを備えており、前記入力部材(2)が、前記出力部材(3)に対して回動可能に配置されており、
ばねダンパ装置(7)を備えており、該ばねダンパ装置(7)は、前記入力部材(2)が前記ばねダンパ装置(7)の戻し力に抗して前記出力部材(3)に対して回動可能となるように、トルク伝達経路において入力部材(2)と出力部材(3)との間に配置されており、前記ばねダンパ装置(7)が複数のばね要素(8,9)を有しており、該複数のばね要素(8,9)が、一方では前記入力部材(2)に支持され、他方では前記出力部材(3)に結合されたフランジ要素(12)に支持されており、
トルクリミッタ(15)が、前記フランジ要素(12)と前記出力部材(3)との間に設けられており、これによって、前記フランジ要素(12)が、摩擦下で前記出力部材(3)に対して回動可能であり、前記フランジ要素(12)が、互いに向かい合って位置する2つのディスク(13,14)の間に軸線方向で緊締されており、該2つのディスク(13,14)が、前記出力部材(3)に相対回動不能に結合されている、
ねじり振動ダンパ(1)において、
前記フランジ要素(12)が、半径方向に突出した複数のばね舌片(18)を備えて設置された環状領域を有する皿ばねフランジとして形成されており、前記環状領域が、全周にわたって分配された複数の凹部および/または切欠き(19~22)を有しており、
前記凹部または前記切欠き(19~22)が、前記複数のばね舌片のうちの少なくとも1つのばね舌片内に達していることを特徴とする
、ねじり振動ダンパ(1)。
【請求項3】
ねじり振動ダンパ(1)であって、
入力部材(2)と出力部材(3)とを備えており、前記入力部材(2)が、前記出力部材(3)に対して回動可能に配置されており、
ばねダンパ装置(7)を備えており、該ばねダンパ装置(7)は、前記入力部材(2)が前記ばねダンパ装置(7)の戻し力に抗して前記出力部材(3)に対して回動可能となるように、トルク伝達経路において入力部材(2)と出力部材(3)との間に配置されており、前記ばねダンパ装置(7)が複数のばね要素(8,9)を有しており、該複数のばね要素(8,9)が、一方では前記入力部材(2)に支持され、他方では前記出力部材(3)に結合されたフランジ要素(12)に支持されており、
トルクリミッタ(15)が、前記フランジ要素(12)と前記出力部材(3)との間に設けられており、これによって、前記フランジ要素(12)が、摩擦下で前記出力部材(3)に対して回動可能であり、前記フランジ要素(12)が、互いに向かい合って位置する2つのディスク(13,14)の間に軸線方向で緊締されており、該2つのディスク(13,14)が、前記出力部材(3)に相対回動不能に結合されている、
ねじり振動ダンパ(1)において、
前記フランジ要素(12)が、半径方向に突出した複数のばね舌片(18)を備えて設置された環状領域を有する皿ばねフランジとして形成されており、前記環状領域が、全周にわたって分配された複数の凹部および/または切欠き(19~22)を有しており、 前記切欠き(19~22)が、前記環状領域を貫通していることを特徴とする
、ねじり振動ダンパ(1)。
【請求項4】
前記凹部または前記切欠き(19~22)が、円形、長円形、楕円形、
または角
形の輪郭を有していることを特徴とする、請求項1
から3までのいずれか1項記載のねじり振動ダンパ(1)。
【請求項5】
前記凹部(19~22)が、前記環状領域の片面または両面に加工されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のねじり振動ダンパ(1)。
【請求項6】
前記ばね舌片(18)が、前記ばね要素(8,9)との接触領域で肉厚にされていることを特徴とする、請求項1から
5までのいずれか1項記載のねじり振動ダンパ(1)。
【請求項7】
前記出力部材(3)に結合された前記2つのディスク(13,14)が、半径方向内側では、前記出力部材(3)にリベット締めされていて、半径方向外側では、前記皿ばねフランジの前記環状領域が前記2つのディスク(13,14)の間に係合するように、互いに間隔を置いて配置されていることを特徴とする、請求項1から
6までのいずれか1項記載のねじり振動ダンパ(1)。
【請求項8】
前記2つのディスク(13,14)の第1のディスク(13,14)が、前記2つのディスク(13,14)の第2のディスク(13,14)よりも半径方向外側に達していることを特徴とする、請求項1から
7までのいずれか1項記載のねじり振動ダンパ(1)。
【請求項9】
前記皿ばねフランジの前記環状領域が、半径方向外側で前記第1のディスク(13,14)に軸線方向において支持されていて、半径方向内側で前記第2のディスク(13,14)に軸線方向において支持されていることを特徴とする、請求項
8記載のねじり振動ダンパ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車のパワートレーン用のねじり振動ダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
入力部材と、出力部材と、ばねダンパ装置とを備えたねじり振動ダンパが知られている。この既知のねじり振動ダンパでは、複数のばね要素が、例えば円弧状ばねとして形成されて使用される。これらの円弧状ばねは、入力部材の、半径方向内向きに開いた環状通路内に配置されている。半径方向内側から、出力部材のフランジ要素が係合している。ばね要素は、周方向で入力部材のストッパとフランジ要素とに支持されていて、入力部材と出力部材との間でトルクを伝達する。ねじり振動ダンパを高いトルクピークから保護するために、フランジ要素と出力部材との間にトルクリミッタ、例えばスリップクラッチが設けられており、これによって、トルクピークが高い場合に、トルクピークを低下させるために、フランジ要素が出力部材に対してスリップし始めることも知られている。このために、フランジが、出力部材の、互いに向かい合って位置する2つのディスクに軸線方向で支持された皿ばねフランジとして形成されていることが知られている。
【0003】
皿ばねフランジの特性線は、皿ばねフランジの厚さ、皿ばねフランジの幾何学形状および設置高さに関連している。原動機トルクが小さい場合には、肉薄の皿ばねフランジが全くもって有利である。なぜならば、この場合には、静モーメントおよび動モーメントが少ないからである。しかしながら、皿ばねフランジを任意の薄さで構成することは不可能である。なぜならば、さもないと、必要なトルクをばねダンパ装置のばね要素に伝達することができなくなってしまうからである。それにもかかわらず、皿ばねフランジと、出力部材の、互いに向かい合って位置する両ディスクとの間には、少ない静モーメントおよび動モーメントが所望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ばねダンパ装置とトルクリミッタとを備えたねじり振動ダンパを改良して、トルクリミッタが少ない静モーメントおよび動モーメントを伴って形成されているようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は、請求項1の特徴によって解決される。
【0006】
本発明の実施例は、ねじり振動ダンパであって、入力部材と出力部材とを備えており、入力部材が、出力部材に対して回動可能に配置されており、ばねダンパ装置を備えており、このばねダンパ装置は、入力部材がばねダンパ装置の戻し力に抗して出力部材に対して回動可能となるように、トルク伝達経路において入力部材と出力部材との間に配置されており、ばねダンパ装置が複数のばね要素を有しており、これらの複数のばね要素が、一方では入力部材に支持され、他方では出力部材に結合されたフランジ要素に支持されており、トルクリミッタ、例えばスリップクラッチを備えており、このトルクリミッタが、フランジ要素と出力部材との間に設けられており、これによって、フランジ要素が、摩擦下で出力部材に対して回動可能であり、フランジ要素が、互いに向かい合って位置する2つのディスクの間に軸線方向で緊締されており、これらの2つのディスクが、出力部材に相対回動不能に結合されており、フランジ要素が、半径方向に突出した複数のばね舌片を備えた傾けられて(getopft)設置された環状領域を有する皿ばねフランジとして形成されており、環状領域が、全周にわたって分配された複数の凹部および/または切欠きを有している、ねじり振動ダンパに関する。凹部または切欠きを形成することによって、フランジ要素の厚さが減らされないにもかかわらず、環状領域と両ディスクとの間の接触面が減少する。これによって、安定性が維持され続け、摩擦が減少する。同時に、高い力での皿ばねフランジの特性線が平坦になる。
【0007】
凹部または切欠きが、円形、長円形、楕円形、角形またはその他の形の輪郭を有していても有利である。これによって、凹部または切欠きの輪郭の構成に応じて、環状領域と両ディスクとの間の摩擦を減らしかつ特性線を平坦にする適切なパターンを形成することができる。
【0008】
凹部または切欠きが、周方向に延びる一列もしくは多列で配置されているかまたは所定のパターンで配置されていても有利である。これによっても、接触領域における摩擦が目的に合わせて減らされ、特性線が平坦になる。
【0009】
別の実施例では、凹部または切欠きが、複数のばね舌片のうちの少なくとも1つのばね舌片内に達していても有利である。こうして、ばね舌片の弾性に影響を与えることもできる。
【0010】
凹部が、環状領域の片面または両面に加工されていても有利である。これによって、皿ばねフランジの摩擦と特性線とに目的に合わせて影響を与えることができる。
【0011】
切欠きが、環状領域を貫通していても有利である。これによって、重量を減らすことができ、同時に、摩擦と特性線とに影響を与えることができる。
【0012】
ばね舌片が、ばね要素との接触領域で肉厚にされていても有利である。これによって、フランジ要素のばね舌片とばね要素の巻条との間で、改善された当付けと、より良好な力伝達とを行うことができ、その結果、フランジとばね要素とにかかる面負荷を減らすことができる。
【0013】
出力部材に結合された2つのディスクが、半径方向内側では、出力部材にリベット締めされており、半径方向外側では、皿ばねフランジの環状領域が2つのディスクの間に係合するように互いに間隔を置いて配置されていると特に有利である。これによって、簡単に形成された、一種のスリップクラッチのようなトルクリミッタが提供される。
【0014】
2つのディスクの第1のディスクが、2つのディスクの第2のディスクよりも半径方向外側に達していても特に有利である。これによって、良好な負荷分配と、規定された摩擦面分配とを行うことができる。
【0015】
皿ばねフランジの環状領域が、半径方向外側で第1のディスクに軸線方向において支持されていて、半径方向内側で第2のディスクに軸線方向において支持されていても有利である。これによって、同じく良好な力分配が達成される。
【0016】
以下に、本発明を好適な実施例に基づき、対応する図面と共に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るねじり振動ダンパの実施例の概略的な半割断面図である。
【
図2】
図1のねじり振動ダンパの拡大部分図である。
【
図3】フランジ要素のばね舌片に肉厚部を有するフランジ要素を示す図である。
【
図4】フランジ要素に設けられた肉厚部を含む部分断面図である。
【
図6】本発明による代替的なフランジ要素の斜視図である。
【
図7】本発明による別のフランジ要素の斜視図である。
【
図8】本発明による別のフランジ要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、入力部材2と出力部材3とを備えたねじり振動ダンパ1が半割断面図で示してある。このねじり振動ダンパ1は、軸線x-xを中心として回動可能に配置されている。ねじり振動ダンパ1は、例えばデュアルマスフライホイール、クラッチダンパ、デュアルクラッチダンパまたはその他のねじり振動ダンパとして形成されている。
【0019】
入力部材2は、出力部材3に対して回動可能に配置されている。入力部材2は、例えば軸受によって出力部材3に対して回動可能に支承することができる。しかしながら、このような軸受は、ねじり振動ダンパの構成に応じて選択的でもある。図示の実施例では、このような軸受は使用されていない。
【0020】
例えば円弧状ばねとして形成されたばね要素8,9を備えたばねダンパ装置7が設けられている。このばねダンパ装置7は複数のばね要素8,9を有している。これらのばね要素8,9は、入力部材2により形成されたポケット6内に配置されている。このポケット6は、断面図で見てほぼL字形のシェル5と、半径方向に向けられたシェル10とによって形成されている。
【0021】
ポケット6には、潤滑媒体が満たされていてもよい。この場合には、この潤滑媒体をポケット6内に保っておくかまたは残しておくダイヤフラム11も場合によっては設けられている。このダイヤフラム11は、半径方向内側で出力部材3に支持されていて、半径方向外側で入力部材2に密に結合、例えば溶接されており、また、その逆も然りである。
【0022】
ばねダンパ装置7は、トルク伝達経路において入力部材2と出力部材3との間に配置されている。入力部材2は、ばねダンパ装置7の戻し力に抗して、出力部材3に対して回動可能である。
【0023】
ばねダンパ装置7のばね要素8,9は、周方向で入力部材2に支持されている。フランジ部材12が、半径方向内側からポケット6内に係合していて、周方向でばね要素8,9に支持されており、これによって、入力部材2からばね要素8,9を介してフランジ要素12にトルクを伝達することができる。
【0024】
フランジ要素12は、半径方向内側で2つのディスク13,14の間に軸線方向において緊締されており、これによって、互いに向かい合って位置する両ディスク13,14に対するフランジ要素12の回動が、動摩擦力の作用下で静摩擦力を上回った後にのみ生じるようになっている。このアッセンブリは、一種のスリップクラッチの形態のトルクリミッタ15を形成している。
【0025】
両ディスク13,14は、出力部材3に相対回動不能に結合されていて、例えばリベット要素16によってリベット締めされている。出力部材3に結合され、この出力部材3に半径方向内側でリベット締めされた2つのディスク13,14は、皿ばねフランジとして形成されたフランジ要素12がその環状領域でもって両ディスク13,14の間に係合するように、半径方向外側で互いに間隔を置いて配置されている。フランジ要素12は皿ばねフランジとして形成されている。フランジ要素12の環状領域17は、傾けられて形成されている。
【0026】
図2には、2つのディスク13,14の第1のディスク13と第2のディスク14とが設けられていることが示してある。2つのディスクのうち第1のディスク13は、第2のディスク14よりも半径方向外側に達している。
【0027】
皿ばねフランジの環状領域17は、半径方向外側で第1のディスク13に軸線方向において支持されていて、半径方向内側で第2のディスク14に軸線方向において支持されている。したがって、トルクリミッタ15、例えばスリップクラッチは、トルク伝達経路においてフランジ要素12と出力部材3との間に配置されており、これによって、フランジ要素12が、摩擦下で出力部材2に対して回動可能となる。
【0028】
フランジ要素12と両ディスク13,14との間の適合を達成するために、フランジ要素12が、半径方向に突出した複数のばね舌片18を備えた傾けられて設置された環状領域17を有する皿ばねフランジとして形成されている。環状領域17は、全周にわたって分配された複数の凹部および/または切欠き19を有している。
【0029】
図3および
図4には、ばね舌片18を備えた環状領域17が示してある。ばね舌片18は、ばね要素8,9との接触領域で肉厚にされている(肉厚部25参照)。
【0030】
さらに、
図5~
図8には、環状領域17に配置された凹部および/または切欠き19~22を認めることができる。
【0031】
図5~
図8には、凹部または切欠き19~22が、円形、長円形、楕円形、角形またはその他の形の輪郭を有していることが示してある。凹部または切欠き19~22は、周方向に延びる一列または多列で配置することもできるし、所定のパターンで配置することもできる。
【0032】
また、凹部または切欠き19~22が、複数のばね舌片のうちの少なくとも1つのばね舌片内に達していることも可能である。このことは、
図8にも示してある。
【0033】
凹部19~22がフランジ要素12の材料を貫通していない場合には、凹部19~22を環状領域17の片面または両側に加工することができる。切欠き19~22は、環状領域を貫通している。
【0034】
図9には、凹部および/または切欠き19~22を有する皿ばねフランジの特性線と、凹部および/または切欠きを有していない皿ばねフランジの特性線とが示してある。凹部および/または切欠きを有する皿ばねフランジ17が、このような凹部および/または切欠きを有していない皿ばねフランジに比べて、撓み量が増えるにつれて減じられた力を有していることが認められる。
【符号の説明】
【0035】
1 ねじり振動ダンパ
2 入力部材
3 出力部材
5 シェル
6 ポケット
7 ばねダンパ装置
8 ばね要素
9 ばね要素
10 シェル
11 ダイヤフラム
12 フランジ要素
13 ディスク
14 ディスク
15 トルクリミッタ
16 リベット要素
17 環状領域
18 ばね舌片
19 凹部/切欠き
20 凹部/切欠き
21 凹部/切欠き
22 凹部/切欠き
25 肉厚部