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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】コネクタ組立体および中継コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 31/06 20060101AFI20240729BHJP
   H01R 13/514 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H01R31/06 M
H01R13/514
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020037052
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021140927
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 雅明
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-301386(JP,A)
【文献】特開平05-137183(JP,A)
【文献】国際公開第1998/039838(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 31/00,31/06
H01R 13/514
G05B 19/414,19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバと電気的に接続されて該ドライバにより駆動されるモータに設置されたレシーバコネクタ上に積み重ねられて該レシーバコネクタと電気的に接続される中継コネクタと、
前記中継コネクタ上に積み重ねられて該中継コネクタと電気的に接続される上部コネクタとを備え、
前記上部コネクタが、ドライバあるいは前段のモータから延びる第1ケーブルに電気的に接続されるコネクタであり、
前記中継コネクタが、後段のモータに向かって延びる第2ケーブルに電気的に接続されるコネクタであって、
最終段の前記モータには、前記モータの動作をモニタするセンサが取り付けられており、前記センサは前記ドライバと配線により電気的に接続され、前記センサによるセンシング結果は前記ドライバに送られ前記ドライバでモニタされ
前記中継コネクタは、
前記上部コネクタのコンタクトおよび前記レシーバコネクタのコンタクトの双方に電気的に接続され、前記第2ケーブルには電気的に接続されない、前記ドライバからの前記モータに対する制御信号を前記レシーバコネクタに伝送するための第2コンタクトと、
前記上部コネクタのコンタクトには電気的に接続されずに、前記レシーバコネクタのコンタクトおよび前記第2ケーブルの双方に電気的に接続され、前記制御信号を後段のモータに向けて前記第2ケーブルを介して伝送するための第3コンタクトと、を備えることを特徴とするコネクタ組立体。
【請求項2】
前記上部コネクタが、前記中継コネクタを介することなく前記レシーバコネクタ上に直接に積み重ねられて該レシーバコネクタと電気的に接続される構造を有するコネクタであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記中継コネクタは、
前記上部コネクタのコンタクトおよび前記レシーバコネクタのコンタクトの双方に電気的に接続され、さらに前記第2ケーブルに電気的に接続される第1コンタクト(72d)を備え、
前記上部コネクタからの電力を、前記レシーバコネクタに伝送するとともに、前記第2ケーブルを介して後段の上部コネクタに伝送することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記中継コネクタは、
前記上部コネクタのコンタクトおよび前記第2ケーブルに電気的に接続され、前記レシーバコネクタのコンタクトには接続されない第4コンタクト(72e)を備え、
前記センサ用の信号が前記第2ケーブルを介して後段の前記上部コネクタに伝送されることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
ドライバと電気的に接続されて該ドライバにより駆動されるモータに設置されたレシーバコネクタ上に積み重ねられて該レシーバコネクタと電気的に接続され、さらに
当該中継コネクタが、当該中継コネクタ上に積み重ねられた上部コネクタと電気的に接続され、さらに後段のレシーバに向かって延びる第2ケーブルに電気的に接続される中継コネクタであって、
前記上部コネクタのコンタクトおよび前記レシーバコネクタのコンタクトの双方に電気的に接続され、前記第2ケーブルには電気的に接続されない、前記ドライバからの前記モータに対する制御信号を前記レシーバコネクタに伝送するための第2コンタクトと、
前記上部コネクタのコンタクトには電気的に接続されずに、前記レシーバコネクタのコンタクトおよび前記第2ケーブルの双方に電気的に接続され、前記制御信号を後段のモータに向けて前記第2ケーブルを介して伝送するための第3コンタクトと、を備えることを特徴とする中継コネクタ。
【請求項6】
前記上部コネクタのコンタクトおよび前記レシーバコネクタのコンタクトの双方に電気的に接続され、さらに前記第2ケーブルに電気的に接続される第1コンタクト(72d)を備え
前記上部コネクタからの電力を、前記レシーバコネクタに伝送するとともに、前記第2ケーブルを介して後段の上部コネクタに伝送することを特徴とする請求項に記載の中継コネクタ。
【請求項7】
前記上部コネクタのコンタクトおよび前記第2ケーブルに電気的に接続され、前記レシーバコネクタのコンタクトには接続されない第4コンタクト(72e)を備えていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の中継コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに組み合う複数のコネクタからなるコネクタ組立体、およびそのコネクタ組立体を構成する複数のコネクタのうちの1つである中継コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
1つのドライバで、順次に接続された複数のレシーバを駆動する駆動方式が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ドライバとして作用する1台のコントローラで、順次に接続された複数のサーボモータ20を駆動する構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-070422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上掲の特許文献1には、信号の受け渡しについて概括的に記載されている。また、この特許文献1には、コネクタについても概括的な開示があるが、1台のコントローラで順次に接続された複数のサーボモータ20を駆動するのに適した具体的なコネクタ構造については開示されていない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、順次に接続された複数のレシーバを1つのドライバで駆動する駆動方式に適した構造のコネクタ組立体および中継コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明のコネクタ組立体は、
ドライバと電気的に接続されてそのドライバにより駆動されるレシーバに設置されたレシーバコネクタ上に積み重ねられてレシーバコネクタと電気的に接続される中継コネクタと、
中継コネクタ上に積み重ねられて中継コネクタと電気的に接続される上部コネクタとを備え、
上部コネクタが、ドライバあるいは前段のレシーバから延びる第1ケーブルに電気的に接続されるコネクタであり、
中継コネクタが、後段のレシーバに向かって延びる第2ケーブルに電気的に接続されるコネクタであることを特徴とする。
【0008】
本発明のコネクタ組立体は、中継コネクタと上部コネクタとで構成されている。中継コネクタは、前段との電気的な接続を担っている。また、上部コネクタは、後段との電気的な接続を担っている。したがって、中継コネクタを後段のレシーバ用の上部コネクタに接続することによって、複数のレシーバを順次に接続することができる。
【0009】
また、本発明のコネクタ組立体を構成する中継コネクタはレシーバコネクタに積み重ねられ、上部コネクタは中継コネクタに積み重ねられる。このように、本発明のコネクタ組立体は順次に積み重ねる構成としたため、小型化、省スペース化が図られる。
【0010】
ここで、本発明のコネクタ組立体において、上部コネクタが、中継コネクタを介することなくレシーバコネクタ上に直接に積み重ねられてレシーバコネクタと電気的に接続される構造を有するコネクタであることが好ましい。
【0011】
順次に接続される複数のレシーバのうちの最後段のレシーバには、さらなる後段とは接続されない。そこで、上部コネクタを、中継コネクタを介することなくレシーバコネクタ上に直接に積み重ねられてレシーバコネクタと電気的に接続される構造を有するコネクタとする。こうすることによって、最後段のレシーバには中継コネクタを省くことが可能となる。
【0012】
また、上記目的を達成する本発明の中継コネクタは、
ドライバと電気的に接続されてそのドライバにより駆動されるレシーバに設置されたレシーバコネクタ上に積み重ねられてレシーバコネクタと電気的に接続される中継コネクタであって、さらに
この中継コネクタが、この中継コネクタ上に積み重ねられた上部コネクタと電気的に接続され、さらに後段のレシーバに向かって延びる第2ケーブルに電気的に接続されることを特徴とする。
【0013】
ここで、本発明の中継コネクタにおいて、上部コネクタのコンタクトおよびレシーバコネクタのコンタクトの双方に電気的に接続され、さらに第2ケーブルに電気的に接続される第1コンタクトを備えていることが好ましい。
【0014】
中継コネクタが上記の第1コンタクトを備えていると、ドライバは、順次に接続された複数のレシーバに同一の電力あるいは信号を分配することとができる。
【0015】
また、本発明の中継コネクタにおいて、
上部コネクタのコンタクトおよびレシーバコネクタのコンタクトの双方に電気的に接続され、第2ケーブルには電気的に接続されない第2コンタクトと、
上部コンタクトには電気的に接続されずに、レシーバコネクタのコンタクトおよび第2ケーブルの双方に電気的に接続される第3コンタクトとを備えていることも好ましい態様である。
【0016】
これらの第2コンタクトおよび第3コンタクトを備えていると、第2コンタクト経由で受信した信号を例えばレシーバ内のバッファ回路を介して再び送り出すなど、レシーバを介して信号を後段に伝達することができる。
【0017】
さらに、本発明の中継コネクタにおいて、上部コネクタのコンタクトおよび第2ケーブルに電気的に接続され、レシーバコネクタのコンタクトには接続されない第4コンタクトを備えていることも好ましい態様である。
【0018】
この第4コンタクトを備えて最後段のレシーバのレシーバコネクタに直接に上部コネクタを積み重ねる。こうすることにより、例えば最後段のレシーバに備えられているセンサをドライバでモニタするなど、中間に位置するレシーバを経由することなくドライバと最後段のレシーバを接続することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上の本発明によれば、順次に接続された複数のレシーバを1つのドライバで駆動する駆動方式に適した構造のコネクタ組立体および中継コネクタが実現する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】信号伝送経路と、その信号伝送経路を実現するためのコネクタのセットの模式図である。
図2】本発明の一実施形態のコネクタ組立体を示した斜視図である。
図3】上部コネクタの斜視図である。
図4】上部コネクタの平面図(A)および底面図(B)である。
図5】上部コネクタの、図4に示す矢印A-Aに沿う断面図である。
図6】上部コネクタの、図4に示す矢印B-Bに沿う断面図である。
図7】上部コネクタの、図4に示す矢印C-Cに沿う断面図である。
図8】中継コネクタの斜視図である。
図9】中継コネクタの平面図(A)および底面図(B)である。
図10】中継コネクタの正面図である。
図11図9に示す矢印D-Dに沿う断面図である。
図12図9に示す矢印E-Eに沿う断面図である。
図13図9に示す矢印F-Fに沿う断面図である。
図14図9に示す矢印G-Gに沿う断面図である。
図15図10に示す矢印H-Hに沿う断面図である。
図16】ヘッダコネクタの斜視図である。
図17】ヘッダコネクタの平面図(A)および底面図(B)である。
図18図17に示す矢印I-Iに沿う断面図である。
図19図17に示す矢印J-Jに沿う断面図である。
図20】積み重ねた状態の平面図(A)および底面図(B)である。
図21図20に示す矢印K-Kに沿う断面図である。
図22図20に示す矢印L-Lに沿う断面図である。
図23図20に示す矢印M-Mに沿う断面図である。
図24図20の矢印N-Nに沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について説明する。ここでは先ず、後述する本発明の一実施形態のコネクタ組立体を採用して伝送しようとしている、電力および信号の伝送経路について説明する。そして、その次に、その伝送経路を実現するためのコネクタのセットについて説明する。その後、本発明の一実施形態のコネクタ組立体について説明する。
【0022】
図1は、信号伝送経路と、その信号伝送経路を実現するためのコネクタのセットの模式図である。
【0023】
この図1には、1台のコントローラ10とn台のモータ20_1,20_2,・・,20_nが示されている。最終段のモータ20_nには、そのモータ20_nの動作をモニタするセンサ21が取り付けられている。n台のモータ20_1,20_2,・・,20_nには、1台のコントローラ10から電力が供給され、また制御信号が送信される。また、センサ21によるセンシング結果はコントローラに送られてコントローラ10でモニタされる。
【0024】
ここで、コントローラ10は、本発明にいうドライバの一例に相当する。また、n台のモータ20_1,20_2,・・,20_nは、その各々が本発明にいうレシーバの一例に相当する。
【0025】
各モータ20には、各ヘッダコネクタ30が取り付けられている。各モータ20には、そのモータ20に取り付けられているヘッダコネクタ30を介して電力が供給され、また、制御信号の送受信が行われる。また、各モータ20に対応して、中継コネクタ70と上部コネクタ60とからなるコネクタ組立体40が配備されている。コネクタ組立体40を構成する中継コネクタ70は、ヘッダコネクタ30上に積み重ねられてヘッダコネクタ30と電気的に接続される。また、上部コネクタ60は、中継コネクタ70上に積み重ねられて中継コネクタ70と電気的に接続される。上部コネクタ60は、シールドケーブル50を介して、コントローラ10あるいは前段のモータ20の中継コネクタ70と接続される。すなわち、前段との接続は上部コネクタ60が担当し、後段との接続は中継コネクタ70が担当している。
【0026】
ここで、最終段のモータ20_nに関しては、最終段のモータ20_nよりも後段にはモータ20は存在しないため、中継コネクタ70は配備されていない。最終段のモータ20_nに関しては、ヘッダコネクタ30上に直接に上部コネクタ60が配備され、上部コネクタ60とヘッダコネクタ30が直接に電気的に接続されている。
【0027】
最終段の上部コネクタ60とセンサ21との間に配線51が示されている。この配線51は、最終段のシールドケーブル50_n内の、コントローラ10と電気的に接続されている配線をそのまま延長したものである。すなわち、この配線51は、最終段の上部コネクタ60を素通りしている。コントローラ10では、センサ21によるセンシング結果がモニタされる。
【0028】
ここで、センサ21の信号は差動信号である。ここでは、互いに対になったセンサ用の差動信号であることを示すために、+、-の符号を付して「センサ+およびセンサ-」と称する。ここでは、対になった他の信号あるいは電源についても同様に表現する。具体的には、本実施形態のコネクタセットでは、センサ+およびセンサ-の信号のほか、信号1+および信号1-の信号、信号2+および信号2-の信号、並びに、電源1+および電源1-(GND)の電力、電源2+および電源2-の電力が伝送される。ここで、信号1+および信号1-と信号2+および信号2-は上段側から受けとる信号を信号1+および信号1-と称し、後段側に送り出す信号を信号2+および信号2-と称している。すなわち、信号1+および信号1-と、信号2+および信号2-は、同種の制御信号である。これらの信号や電力については、本実施形態のコネクタ組立体について説明していく中で合わせて説明する。
【0029】
上記の電力や信号などは、シールドケーブルで伝送される。このシールドケーブルのシールドは、コントローラ10および各モータ20の筐体に接続される。
【0030】
上記のように、本実施形態のコネクタ組立体40は、上部コネクタ60に前段との接続を担わせ、中継コネクタ70に後段との接続を担わせている。そして、最終段のモータ20_nを除く各モータ20のヘッダコネクタ30上に中継コネクタ70を積み重ね、その中継コネクタ70上に上部コネクタ60を積み重ねている。このようにして、順次に接続された複数のモータ20を1台のコントローラ10で駆動する駆動方式に適した構造のコネクタ組立体40を実現している。
【0031】
以下、本発明の一実施形態のコネクタ組立体について説明する。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態のコネクタ組立体を示した斜視図である。ここには、ヘッダコネクタ30も示されている。そして、そのヘッダコネクタ30の上に中継コネクタ70が積み重ねられ、さらにその中継コネクタ70の上に上部コネクタ60が積み重ねられている。ここでは、中継コネクタ70と上部コネクタ60とのペアをコネクタ組立体40と称している。また、ヘッダコネクタ30は、本発明にいうレシーバコネクタの一例に相当する。
【0033】
以下、各コネクタについて説明する。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態の上部コネクタの斜視図である。ここで、図3(A)は上部コネクタの上面が現れる角度からみたときの斜視図、図3(B)は上部コネクタの底面が現れる角度からみたときの斜視図である。
【0035】
また、図4は、本発明の一実施形態の上部コネクタの平面図(A)および底面図(B)である。
【0036】
ここでは、この上部コネクタ60を、図2に示すように中継コネクタ70の上に重ねるものとして説明する。図1に示す最終段のモータ20_nのようにヘッダコネクタ30の上に直接に上部コネクタ60を重ねる使い方については後述する。
【0037】
この上部コネクタ60には、ハウジング61と、そのハウジング61に支持されたコンタクト62(図5等を参照)と、ケース63とが備えられている。ハウジング61には、その底面側に、10個の開口611が形成されている。これら10個の開口611のうち8個の開口611に、後述する中継コネクタ70のコンタクトが挿し込まれて、この上部コネクタ52のコンタクト62と導通する。残りの2個の開口611は不使用である。詳細は後述する。
【0038】
また、この上部コネクタ60のケース63には、その内面側に、切断および折曲げ加工により形成されたシールド板64(図5等を参照)が固定されている。さらに、この上部コネクタ60には、シールドケーブル50の端部が差しこまれる開口65が設けられている。
【0039】
また、図3図4には、本発明の一実施形態における、先端に雄ネジが形成された棒状の留め具66が示されている。この留め具66は、この上部コネクタ60および後述する中継コネクタ70をヘッダコネクタ30に固定するための留め具である。
【0040】
図5図6、および図7は、本発明の一実施形態の上部コネクタの、図4に示す、それぞれ矢印A-A,B-B,C-Cに沿う各断面図である。
【0041】
上部コネクタ60には、ハウジング61に支持された複数のコンタクト62が備えられている。各コンタクト62には、図5に示すように、シールドケーブル50を構成する被覆電線(不図示)の芯線および被覆部をそれぞれ圧着接続する芯線圧着部621および被覆部圧着部622が備えられている。この圧着により、シールドケーブル50を構成する各被覆電線が各コンタクト62に接続される。そして、ハウジング61の底部の開口611から、後述する中継コネクタ70のコンタクトが挿し込まれ、上部コネクタ60のコンタクト62を介してシールドケーブル50と中継コネクタ70とが電気的に導通する。また、シールドケーブル50のシールド(図1参照)は、ケース63に固定されたシールド板64に接続される。
【0042】
ここで、コンタクト62は2列に並んでいるが、図6図7に示すように、これらの図の右側から2番目の開口611に対応する位置にはコンタクト62は配置されていない。したがって、この上部コネクタ60に備えられているコンタクト62は、8個である。これらのコンタクト62は、図6図7の一番右側が、信号1+および信号1-用のコンタクト62aである。この上部コネクタ60には、信号2+および信号2-用のコンタクトは存在しない。そして、さらに、電源1+および電源1-(GND)用のコンタクト62c、電源2+および電源2-(GND)用のコンタクト62d、およびセンサ+およびセンサ-用のコンタクト62eが並んでいる。図5は、信号1+および信号1-用のコンタクト62aの部分の断面図であるが、他のコンタクト62も同形である。
【0043】
電源1+および電源1-(GND)は、コントローラ10からn台のモータ20_1,20_2,・・,20_nの各々に供給される電力である。例えば、モータ20 1,20 2,・・,20_nの各々またはいずかへの電力供給は、並列的に行われる。これにより、n台のモータ20_1,20_2,・・,20_nの各々に電源1の電力が供給される。
【0044】
また、電源2+および電源2-(GND)も、コントローラ10からn台のモータ20_1,20_2,・・,20_nの各々に供給される電力である。例えば、モータ20 1,20 2,・・,20_nの各々またはいずかへの電力供給は、並列的に行われる。
【0045】
ここで、電源1は、例えば商用電源由来の電力を供給する電源であり、電源2は、例えばバッテリ由来の電力を供給する電源である。
【0046】
さらに、信号1+および信号1-の信号は、コントローラ10から送り出される制御信号である。この制御信号は、例えば、n台のモータ20_1,20_2,・・,20_nの中の、信号を受け取るべきモータ20のIDと、そのモータ20の回転制御用の信号(例えば回転開始/回転停止、回転速度などの指示信号)とからなる。n台の各モータ20_1,20_2,・・,20_nでは、送信されてきた制御信号に含まれているIDが調べられる。そして、そのIDが自分のIDだったときは、そのIDが含まれていた制御信号にしたがって、そのモータ20の回転が制御される。
【0047】
図8は、本発明の一実施形態の中継コネクタの斜視図である。ここで、図8(A)は、中継コネクタの上面が現れる角度からみたときの斜視図、図8(B)は中継コネクタの底面が現れる角度からみたときの斜視図である。
【0048】
また、図9は、本発明の一実施形態の中継コネクタの平面図(A)および底面図(B)である。
【0049】
さらに、図10は、本発明の一実施形態の中継コネクタの正面図である。
【0050】
この中継コネクタ70にも、上部コネクタ60と同様、ハウジング71と、そのハウジング71に支持されたコンタクト72と、ケース73とが備えられている。
【0051】
コンタクト72は、ハウジング71から上方に向かって8本突き出ている。これに対し、ハウジング71の底面には、ヘッダコネクタ30のコンタクトが挿入される9個の開口711が形成されている。詳細は後述する。
【0052】
また、上部コネクタ60と同様、この中継コネクタ70にも、一部が上方に突き出たシールド板74が備えられている。
【0053】
さらに、これも上部コネクタ60と同様、この中継コネクタ70にも、シールドケーブル50の端部が差しこまれる開口75が設けられている。
【0054】
図11は、図9に示す矢印D-Dに沿う断面図である。
【0055】
この図11には、本発明の一実施形態の中継コネクタ70のコンタクト72のうちの、上部コネクタ60の信号1+および信号1-用のコンタクト62aと電気的に接続されるコンタクト72aが示されている。
【0056】
コンタクト72aは、雄型のコンタクトピン部72a_1と雌型のリセコンタクト部72a_2とを有する。この中継コネクタ70のハウジング71は、上部ハウジング71aと下部ハウジング71bとで構成されている。そして、雄型のコンタクトピン部72a_1は、上部ハウジング71aから上方に突き出ている。一方、下部ハウジング71bには雌型のリセコンタクト部72a_2に通じる開口711が形成されている。
【0057】
この開口711からは、ヘッダコネクタ30のコンタクトが挿し込まれて、コンタクト72aと電気的に導通する。
【0058】
このように、中継コネクタ70の、信号1+および信号1-用のコンタクト72aは、上部コネクタ60とヘッダコネクタ30との間を単純に中継するコンタクトとなっている。
【0059】
図12は、図9に示す矢印E-Eに沿う断面図である。
【0060】
この図12には、本発明の一実施形態の中継コネクタ70のコンタクト72のうちの、上部コネクタ60のコンタクト62dと電気的に接続されるコンタクト72dが示されている。このコンタクト72dは、電源2+および電源2-(GND)用のコンタクトである。なお、ここでは、電源2+および電源2-(GND)用のコンタクト72dを取り上げて説明するが、電源1+および電源1-(GND)用のコンタクト72cも同形である。
【0061】
コンタクト72dは、図11に示した信号1+および信号1-用のコンタクト72aと同様、雄型のコンタクトピン部72d_1と雌型のリセコンタクト部72d_2とを有する。雄型のコンタクトピン部72d_1は、上部ハウジング711aから上方に突き出ている。また、下部ハウジング71bには雌型のリセコンタクト部72d_2に通じる開口711が形成されている。この開口711からは、ヘッダコネクタ30のコンタクトが挿し込まれて、コンタクト72dと電気的に導通する。
【0062】
電源2+および電源2-(GND)用のコンタクト72dは、ここまでは信号1+および信号1-用のコンタクト72aと同様である。この電源2+および電源2-(GND)用のコンタクト72dは、さらに以下のように構成されている。このコンタクト72dは、サブコンタクト72d_3を備えている。また、このコンタクト72dは、ピン72d_4を備えている。このピン72d_4は、サブコンタクト72d_3に挿し込まれている、そして、そのピン72d_4は、雄型のコンタクトピン部72d_1や雌型のリセコンタクト部72d_2をそのサブコンタクト72d_3と電気的に一体化させている。サブコンタクト72d_3は、開口75(図8参照)から挿し込まれたシールドケーブル50を構成する被覆電線(不図示)の芯線および被覆部をそれぞれ圧着接続する芯線圧着部721および被覆部圧着部722を備えている。
【0063】
すなわち、電源2+および電源2-(GND)用のコンタクト72dは、上部コネクタ60から受け取った電源2+および電源2-(GND)の電力を、先ずはヘッダコネクタ30に伝送する。また、これとともに、コンタクト72dは、サブコンタクト72d_3およびシールドケーブル50を経由して1つ下段の上部コネクタ60に送り出す。
【0064】
図13は、図9に示す矢印F-Fに沿う断面図である。
【0065】
ここには、本発明の一実施形態における、上部コネクタ60のコンタクト62eと結合する、センサ+およびセンサ-用のコンタクト72eが示されている。このコンタクト72eは、上方に突き出た雄型のコンタクトピン部72e_1は存在するが、例えば図12における雌型のリセコンタクト部72d_2に相当するリセコンタクト部は存在しない。ただし、図12におけるサブコンタクト72d_3およびピン72d_4に相当するサブコンタクト72e_3およびピン72e_4が備えられている。サブコンタクト72e_3は、開口75(図8参照)から挿し込まれたシールドケーブル50を構成する被覆電線(不図示)の芯線および被覆部をそれぞれ圧着接続する芯線圧着部721および被覆部圧着部722を備えている。
【0066】
すなわち、このコンタクト72eは、ヘッダコネクタ30からは電気的に切り離されている。このコンタクト72eは、上部コネクタ60と1つ下段の上部コネクタ60とを単純に接続している。すなわち、このコンタクト72eは、前段と後段とをそのまま繋ぐ役割のコンタクトである。
【0067】
また、この図13の断面には、本発明の一実施形態におけるもう1つのコンタクト72fが示されている。このコンタクト72fは、雌型のリセコンタクトであって、シールド板74と導通している。下部ハウジング71bの底部には、そのコンタクト72fと対応する位置に開口711が形成されている。この開口711からはヘッダコネクタ30のグランド用のコンタクトが挿入される。ヘッダコネクタ30のグランド用のコンタクトはモータ20のグランドにつながっている。
【0068】
図14は、図9に示す矢印G-Gに沿う断面図である。
【0069】
また、図15は、図10に示す矢印H-Hに沿う断面図である。
【0070】
ここでは、これらの図14図15を参照して、本発明の一実施形態における信号2+および信号2-用のコンタクト72bについて説明する。
【0071】
例えば、コントローラ10の、信号1+および信号1-用の端子は、最前段の1台のモータ20_1の信号1+および信号1-の端子にのみ接続される。一方、各モータ20_1,20_2,・・,20_nには、信号2+および信号2-の端子が存在する。各モータ20の信号2+および信号2-の端子は、そのモータ20の1つ後段のモータ20の信号1+および信号1-の端子に接続されている。ただし、最終段のモータ20_nはそれよりも後段にはモータ20が存在しないため、最終段のモータ20_nの信号2+および信号2-の端子は、接続されないままとなっている。
【0072】
例えば、各モータ20では、信号1+および信号1-の端子を経由して受信した制御信号が、そのモータ20に備えられている波形整形用のバッファ(不図示)に導かれる。そして、そのバッファで波形整形された制御信号が信号2+および信号2-の端子を経由して送り出される。コントローラ10から送り出された制御信号は、このようにして、1つ後段のモータ20に順次に送信される。
【0073】
図14に示すように、信号2+および信号2-用のコンタクト72bは、例として、信号1+および信号1-用のコンタクト72aと同様に、開口711から挿し込まれてきたヘッダコネクタ30のコンタクトと接続されるリセコンタクト部72b_2を有する。ただし、このコンタクト72bには、信号1+および信号1-用のコンタクト72aのコンタクトピン部72a_1のような、上方に突き出た雄型のコンタクトピン部は備えられていない。したがって、このコンタクト72bは、ヘッダコネクタ30のコンタクトとは接続されるものの、上部コネクタ60のコンタクトとは接続されない。
【0074】
ただし、本発明の一実施形態のこのコンタクト72bは、図12に示す電源2+および電源2-(GND)用のコンタクト72dと同様、サブコンタクト72b_3(図15参照)を有する。このサブコンタクト72b_3は、コンタクト72dのサブコンタクト72d_3と同様、シールドケーブル50の被覆電線(不図示)の芯線および被覆部をそれぞれ圧着接続する芯線圧着部および被覆部圧着部(不図示)を備えている。すなわち、このコンタクト72bは、ヘッダコネクタ30と1つ下段の上部コネクタ60(の信号1+および信号1-用のコンタクト62a)とを繋ぐコンタクトである。
【0075】
図16は、本発明の一実施形態のヘッダコネクタの斜視図である。
【0076】
また、図17は、本発明の一実施形態のヘッダコネクタの平面図(A)および底面図(B)である。
【0077】
このヘッダコネクタ30は、ハウジング31と、そのハウジング31に支持された9本のコンタクト32とを有する。これら9本のコンタクト32のうちの、図16図17の左隅に位置する2本のコンタクト32aは、信号1+および信号1-用のコンタクトである。すなわち、この2本のコンタクト32aは、コントローラ10(図1参照)あるいは1つ前段の中継コネクタ70から送信されてきた信号1+および信号1-をモータ20に送り込むコンタクトである。また、その次の2本のコンタクト32bは、信号2+および信号2-用のコンタクトである。すなわち、この2本のコンタクト32bは、モータ20からの信号2+および信号2-を1つ後段のモータ20に信号1+および信号1-として送り込むコンタクトである。さらにその次の2本のコンタクト32cは、電源1+および電源1-(GND)用のコンタクトである。さらにその次の2本のコンタクト32dは、電源2+および電源2-(GND)用のコンタクトである。そして、最も右側の1本のコンタクト32fは、モータ20の内部のグランドとの接続用のコンタクトである。
【0078】
図18は、図17に示す矢印I-Iに沿う断面図である。
【0079】
また、図19は、図17に示す矢印J-Jに沿う断面図である。
【0080】
図18には、本発明の一実施形態における、電源1+および電源1-(GND)用のコンタクト32cが示されている。ただし、このヘッダコネクタ30を構成するコンタクト32は、全て同形のコンタクトである。
【0081】
本発明の一実施形態のコンタクト32cは、上方に突き出た雄型のコンタクトピン部32c_1を有し、下部には、モータ20から延びるケーブル(不図示)と圧着接続するための芯線圧着部321および被覆部圧着部322を備えている。このコンタクト32cは、ハウジング31に設けられているランス31aにより、ハウジング31内に抜け止め固定されている。ハウジング31の、ランス31aに対応する位置にに形成されている孔31bは、ランス31aの形成のために必要とした孔である。
【0082】
また、このヘッダコネクタ30には、図19に示すように、ばねコンタクト38が形成されている。このばねコンタクト38は、中継コネクタ70のシールド板74に接触してヘッダコネクタ30のコンタクト32をシールドするためのものである。このヘッダコネクタ30は、ねじ39でモータ20の筐体にねじ止め固定される。このばねコンタクト38は、ねじ39とも導通している。このため、ばねコンタクト38とモータ20の筐体がねじ39を介して導通し、全体が同じグランド電位となる。
【0083】
本発明の一実施形態のヘッダコネクタ30の上には中継コネクタ70が積み重ねられ、さらに、その中継コネクタ70の上には上部コネクタ60が積み重ねられる。次に、この積み重ねたときのコンタクトどうしの接続状態について簡単に説明する。図2には、積み重ねた状態のヘッダコネクタ30、中継コネクタ70、および上部コネクタ60の斜視図が示されている。
【0084】
図20は、積み重ねた状態の平面図(A)および底面図(B)である。
【0085】
また、図21は、図20に示す矢印K-Kに沿う断面図である。
【0086】
この図21には、本発明の一実施形態における、信号1+および信号1-の信号、すなわち、コントローラ10あるいは前段のモータ20からこの積み重ねられたコネクタが配置されたモータ20に伝達される信号を中継するコンタクトの組み合わせが示されている。具体的には、この図21には、図5に示した上部コネクタ60の、信号1+および信号1-用のコンタクト62aが示されている。また、この図21には、そのコンタクト62aと接触する、中継コネクタ70の、図9に示す、信号1+および信号1-用のコンタクト72aが示されている。さらに、この図21には、そのコンタクト72aと接触する、ヘッダコネクタ30のコンタクト32aが示されている。このコンタクト32aは、図18に示すコンタクト32cと同形である。
【0087】
図22は、図20に示す矢印L-Lに沿う断面図である。
【0088】
この図22には、本発明の一実施形態における、電源2+および電源2-(GND)の電力の伝送を中継するコンタクトの組み合わせが示されている。この図22に示した上部コネクタ60のコンタクト62d、およびヘッダコネクタ30のコンタクト32dは、それぞれ、図21に示したコンタクト62a、およびコンタクト32aと同形である。この図22には、中継コネクタ70の、図12に示す、電源2+および電源2-(GND)用のコンタクト72dが示されている。この電源2+および電源2-(GND)の電力は、前段側から上部コネクタ60を介して伝送されてきて中継コネクタ70およびヘッダコネクタ30を介してモータ20に伝えられる。また、それとともに、この電源2+および電源2-(GND)の電力は、中継コネクタ70から後段の上部コネクタ60にも伝えられる。電源1+および電源1-(GND)についても同様である。
【0089】
図23は、図20に示す矢印M-Mに沿う断面図である。
【0090】
この図23には、本発明の一実施形態における、信号2+および信号2-の信号、すなわち、モータ20から出力されて後段に伝送される信号を中継するコンタクトの組み合わせが示されている。図6に示すように、上部コネクタ60には、信号2+および信号2-用のコンタクトは存在しない。したがって、中継コネクタ70の、図14に示す、信号2+および信号2-用のコンタクト72bは、上部コネクタ60とは切り離されている。コンタクト72bには、ヘッダコネクタ30の、図19にも示す、信号2+および信号2-用のコンタクト32aが挿し込まれている。
【0091】
また、この図23には、上部コネクタ60の、図6に示す、センサ+およびセンサ-用のコンタクト62eが示されている。本発明の一実施形態のこのコンタクト62eには、中継コネクタ70の、図14に示すセンサ+およびセンサ-用のコンタクト72eが挿し込まれている。このセンサ+およびセンサ-用の信号は、中継コネクタ70を単に通過するだけであって、ヘッダコネクタ30には伝えられない。
【0092】
この図23には、さらに、図13にも示すもう1つのコンタクト72fが示されている。本発明の一実施形態のこのコンタクト72fには、中継コネクタ70のシールド板74に接触するばねコンタクト部77f_1が設けられている。すなわち、このコンタクト72fは、グランド用のコンタクトである。このコンタクト72fには、ヘッダコネクタ30の、モータ20の内部のグランドとの接続用のコンタクト32fが挿し込まれる。
【0093】
図24は、図20の矢印N-Nに沿う断面図である。
【0094】
この図24には、本発明の一実施形態における、上部コネクタ60のシールド板64、および中継コネクタ70のシールド板74が示されている。上部コネクタ60のシールド板64は、前段側と繋ぐシールドケーブル50のシールドに接続されている。また、中継コネクタ70のシールド板74は、後段側と繋ぐシールドケーブル50のシールドに接続されている。また、上部コネクタ60のシールド板64と中継コネクタ70のシールド板74は、互いに接触している。さらに、ヘッダコネクタ30は、図19にも示すばねコンタクト38を備えている。このばねコンタクト38は、中継コネクタ70のシールド板74に接触している。また、このばねコンタクト38は、ヘッダコネクタ30をモータ20の筐体にねじ止めするためのネジ39に接触している。これにより、モータ20、ヘッダコネクタ30、中継コネクタ70、上部コネクタ60、およびシールドケーブル50の全体が一体にシールドされる。
【0095】
次に、ヘッダコネクタ30の上に、中継コネクタ70を介在させずに上部コネクタ60を積み重ねる本発明の一実施形態について説明する。図1に示すように、最終段のモータ20_nの場合、ヘッダコネクタ30_nの上に、中継コネクタ70を介在させずに上部コネクタ60が積み重ねられる。
【0096】
本発明の一実施形態の上部コネクタ60は、コネクタの構造自体はヘッダコネクタ30にそのまま嵌合する形状となっている。ただし、この最終段の上部コネクタ60は、最終段以外の上部コネクタ60とは配線が異なる点がある。以下、異なる配線について説明する。前段側から延びるシールドケーブル50内の、センサ+およびセンサ-用の配線は、最終段の上部コネクタ60のセンサ+およびセンサ-用のコンタクト62eには接続されない。図1に示すように、センサ+およびセンサ-用の配線51は、そのまま、センサ21に接続される。そして、センサ+およびセンサ-用の2本のコンタクト62eのうちの、ヘッダコネクタ30のグランド用のコンタクト32fに対応する位置にある1本のコンタクト62eには、グランドが接続される。これにより、ヘッダコネクタ30に直接に上部コネクタ60を重ねたとき、グランド用のコンタクト32fがグランド電位となり、モータ20_nの内部にグランド電位が伝えられる。また、ヘッダコネクタ30に直接に上部コネクタ60を重ねたとき、ヘッダコネクタ30のばねコンタクト38が上部コネクタ60のシールド板64に接触する。これにより、モータ20_nの筐体もグランド電位となる。
【0097】
上記の通り、本実施形態は、役割が分担されたコネクタを順次に積み重ねる構成としたため、小型化、省スペース化が図られる。したがって、本実施形態によれば、順次に接続された複数のモータ20を1つのコントローラ10で駆動および制御する方式に適した構造の、上部コネクタ60と中継コネクタ70とからなるコネクタ組立体、および中継コネクタ70が実現する。
【0098】
なお、当業者であれば認識するように、本発明の性質を説明するために説明すると共に図示した部品及び動作の細部、材料及び配置の改造及び変形が可能であり、しかもかかる改造及び変形は、本明細書に含まれる教示及び特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、可能とされるものである。また、任意特定の実施例と関連して上述した本明細書の原理を他の実施例のうちの任意の1つ又は2つ以上と関連して説明した原理と組み合わせることができる。つまり、当業者であれば、本明細書において説明した種々の概念を用いて想到できる特徴及び要素の広範な組み合わせを理解されよう。さらに、当業者であれば、開示した原理から逸脱することなく、本明細書において開示した例示の実施形態を種々の形態に適合させることができる。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、特許請求の範囲に記載された本発明は、本明細書に示した実施形態には限定されるものではない。
【符号の説明】
【0099】
10 コントローラ
20 モータ
30 ヘッダコネクタ
32 コンタクト
40 コネクタ組立体
50 シールドケーブル
51 配線
60 上部コネクタ
62 コンタクト
64 シールド板
70 中継コネクタ
72 コンタクト
74 シールド板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24