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特許7527842外科用アクセスアセンブリ用の封止アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】外科用アクセスアセンブリ用の封止アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
A61B17/34
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020088623
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021007737
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】16/455,838
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ピレティア
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ディニーノ
(72)【発明者】
【氏名】ギャレット エバーソール
(72)【発明者】
【氏名】ケビン デスジャルディン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ バリル
(72)【発明者】
【氏名】ニコレット ラピエール
(72)【発明者】
【氏名】エリック ブラウン
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-504197(JP,A)
【文献】国際公開第2012/131746(WO,A1)
【文献】特開平6-7369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用アクセスアセンブリであって、
上部、下部、および内部ハウジング区分を含み、かつ空洞を画定する、器具バルブハウジングと、
前記器具バルブハウジングの前記空洞内に配設されたバルブアセンブリであって、
複数のガード区分を含むガードアセンブリと、
前記ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリであって、前記封止アセンブリが、複数の封止区分ならびに上部および下部支持部材を含み、前記複数の封止区分は、展開構成から、前記封止アセンブリが、外科用器具の封止された通路を容易にするための開口部を画定する八角形部材を形成する、折り畳み構成に移動可能であり、前記上部および下部支持部材が、前記複数の封止区分のそれぞれの近位側および遠位側に配設され、かつ前記複数の封止区分の周りで圧縮されて、それらの間に前記複数の封止区分を挟む、封止アセンブリと、
前記封止アセンブリおよびガードアセンブリを、前記器具バルブの前記空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構と
を含む、バルブアセンブリと
を含み、前記複数の封止区分の各封止区分は、それぞれのコネクタ部分によって前記複数の封止区分の隣接する封止区分に接続され、各それぞれのコネクタ部分は、リビングヒンジであり、
前記上部支持部材が、第1のコネクタ部分によって前記複数の封止区分のうちの1つの封止区分に接続されており、前記下部支持部材が、第2のコネクタ部分によって前記複数の封止区分の別の封止区分に接続されており、前記第1のコネクタ部分および前記第2のコネクタ部分は、リビングヒンジである、外科用アクセスアセンブリ。
【請求項2】
前記上部および下部支持部材が、約0.30インチ~約0.45インチの開口部を画定する、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項3】
前記上部および下部支持部材は、厚さが約0.006インチ~約0.015インチである、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の封止区分が、ポリイソプレンまたは液体シリコーンゴムから形成される、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項5】
前記複数の封止区分の各封止区分の内縁部が、V字形を画定する、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項6】
前記V字形が、約180度~約275度の角度を含む、請求項5に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の封止区分が、第1、第2、第3、および第4の封止区分を含み、前記第1、第2、第3、および第4の封止区分の各々が、隣接する前記第2、第3、第4、および第1の封止区分と重なり合う、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項8】
上部および下部保持部材を含む保持アセンブリをさらに含む、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項9】
前記上部および下部保持部材のうちの少なくとも1つが、前記ガードおよび封止アセンブリを互いに対して保持するために、前記ガードアセンブリおよび前記封止アセンブリを通して受容可能である複数のピンを含む、請求項8に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項10】
前記センタリング機構が、ベローズを含む、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項11】
前記上部および下部支持部材が、六角形の形状を含む、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項12】
前記上部および下部支持部材が、八角形の形状を含む、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項13】
バルブアセンブリであって、
複数のガード区分を含むガードアセンブリと、
前記ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリであって、前記封止アセンブリが、複数の封止区分ならびに上部および下部支持部材を含み、前記複数の封止区分は、展開構成から、前記封止アセンブリが、外科用器具の封止された通路を容易にするための開口部を画定する八角形部材を形成する、折り畳み構成に移動可能であり、前記上部および下部支持部材が、前記複数の封止区分のそれぞれの近位側および遠位側に配設され、かつ前記複数の封止区分の周りで圧縮されて、それらの間に前記複数の封止区分を挟む、封止アセンブリと、
前記封止アセンブリおよびガードアセンブリを、外科用アクセスアセンブリの空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構と
を含み、前記複数の封止区分の各封止区分は、それぞれのコネクタ部分によって前記複数の封止区分の隣接する封止区分に接続され、各それぞれのコネクタ部分は、リビングヒンジであり、
前記上部支持部材が、第1のコネクタ部分によって前記複数の封止区分のうちの1つの封止区分に接続されており、前記下部支持部材が、第2のコネクタ部分によって前記複数の封止区分の別の封止区分に接続されており、前記第1のコネクタ部分および前記第2のコネクタ部分は、リビングヒンジである、バルブアセンブリ。
【請求項14】
上部および下部保持部材を有する保持アセンブリをさらに含み、前記上部および下部保持部材のうちの少なくとも1つが、前記ガードおよび封止アセンブリを互いに対して保持するために、前記ガードアセンブリおよび前記封止アセンブリを通して受容可能である複数のピンを含む、請求項13に記載のバルブアセンブリ。
【請求項15】
封止アセンブリであって、
展開構成から、前記封止アセンブリが、外科用器具の封止された通路を容易にするための開口部を画定する八角形部材を形成する、折り畳み構成に移動可能である、複数の封止区分と、
前記複数の封止区分の近位に配設された上部支持部材と、
前記複数の封止区分の遠位に配設された下部支持部材と
を含み、前記上部および下部支持部材が、前記複数の封止区分の周りで圧縮されて、それらの間に前記複数の封止区分を挟み、
前記複数の封止区分の各封止区分は、それぞれのコネクタ部分によって前記複数の封止区分の隣接する封止区分に接続され、各それぞれのコネクタ部分は、リビングヒンジであり、
前記上部支持部材が、第1のコネクタ部分によって前記複数の封止区分のうちの1つの封止区分に接続されており、前記下部支持部材が、第2のコネクタ部分によって前記複数の封止区分の別の封止区分に接続されており、前記第1のコネクタ部分および前記第2のコネクタ部分は、リビングヒンジである、封止アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、封止を含む、低侵襲手術のための外科用アクセスアセンブリに関する。より具体的には、本開示は、外科用アクセスアセンブリ用の封止に関する。
【背景技術】
【0002】
低侵襲手術を容易にするために、手術部位に作業スペースが作成される。吹送液体、典型的には、COが、気腹と呼ばれる膨張状態を作成するために、患者の腹部内に導入される。外科用アクセスアセンブリは、外科用器具および内視鏡(または他の視覚化ツール)の導入を可能にするために利用される。これらの外科用アクセスアセンブリは、それらが外科用器具に適合する1つ以上の封止を有しているため、気腹の圧力を維持する。典型的には、外科用アクセスアセンブリにおける「ゼロ封止」は、外科用アクセスアセンブリ内に外科用器具がないときに外科用アクセスアセンブリを封止し、器具封止は、外科用アクセスアセンブリを通して挿入される外科用器具の周囲を封止する。
【0003】
今日、市場での外科用器具の幅は、複数のサイズに調節すること、かつ外科用器具の複数回の挿入に耐えることが可能な堅牢な封止を必要とする。器具のいくつかは、封止を裂くかまたはさもなければ損傷を与える可能性がある鋭い縁を含む場合がある。したがって、封止の耐久性が向上した外科用アクセスアセンブリを有することが有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
封止の耐久性が向上した外科用アクセスアセンブリが、提供される。外科用アクセスアセンブリは、上部、下部、および内部ハウジング区分を含み、かつ空洞を画定する、器具バルブハウジングと、器具バルブハウジングの空洞内に配設されたバルブアセンブリと、を含む。バルブアセンブリは、複数のガード区分を含むガードアセンブリと、ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリと、封止アセンブリおよびガードアセンブリを器具バルブの空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構と、を含む。封止アセンブリは、複数の封止区分ならびに上部および下部支持部材を含む。複数の封止区分は、展開構成から、封止アセンブリが、外科用器具の封止された通路を容易にするための開口部を画定する八角形部材を形成する、折り畳み構成に移動可能である。上部および下部支持部材は、複数の封止区分のそれぞれの近位側および遠位側で受容され、かつ複数の封止区分の周りで圧縮されて、それらの間に複数の封止区分を挟む。
【0005】
実施形態では、上部および下部支持部材は、約0.30インチ~約0.45インチの開口部を画定する。上部および下部支持部材は、厚さが約0.006インチ~約0.015インチであってもよい。複数の封止区分は、ポリイソプレンまたは液体シリコーンゴムから形成されてもよい。複数の封止区分の各封止区分は、コネクタ部分によって、複数の封止区分の隣接する封止区分に接続されていてもよい。コネクタ部分は、リビングヒンジを含んでもよい。上部支持部材は、コネクタ部分によって複数の封止区分のうちの1つの封止区分に接続されていてもよく、下部支持部材は、別のコネクタ部分によって複数の封止区分の別の封止区分に接続されていてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、複数の封止区分の各封止区分の内縁部は、V字形を画定し得る。V字形は、約180度~約275度の角度を含み得る。複数の封止区分は、第1、第2、第3、および第4の封止区分を含んでもよく、第1、第2、第3、および第4の封止区分の各々は、隣接する第2、第3、第4、および第1の封止区分と重なり合う。
【0007】
外科用アクセスアセンブリは、上部および下部保持部材を含む、保持アセンブリをさらに含み得る。上部または下部保持部材のうちの少なくとも1つは、ガードおよび封止アセンブリを互いに対して保持するために、ガードアセンブリおよび封止アセンブリを通して受容可能である複数のピンを含むことができる。センタリング機構は、ベローズを含んでもよい。上部および下部支持部材は、六角形の形状を含み得る。上部および下部支持部材は、八角形の形状を含み得る。
【0008】
耐久性が向上した封止アセンブリを含むバルブアセンブリが、提供される。バルブアセンブリは、複数のガード区分を含むガードアセンブリと、ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリと、封止アセンブリおよびガードアセンブリを器具バルブの空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構と、を含む。封止アセンブリは、複数の封止区分ならびに上部および下部支持部材を含む。複数の封止区分は、展開構成から、封止アセンブリが、外科用器具のそれを通る封止された通路を容易にするための開口部を画定する八角形部材を形成する、折り畳み構成に移動可能である。上部および下部支持部材は、複数の封止区分のそれぞれの近位側および遠位側に配設され、かつ複数の封止区分の周りで圧縮されて、それらの間に複数の封止区分を挟む。
【0009】
実施形態では、バルブアセンブリは、上部および下部保持部材を有する保持アセンブリをさらに含む。上部および下部保持部材のうちの少なくとも1つは、ガードおよび封止アセンブリを互いに対して保持するために、ガードアセンブリおよび封止アセンブリを通して受容可能である複数のピンを含むことができる。上部支持部材は、コネクタ部分によって複数の封止区分のうちの1つの封止区分に接続されていてもよく、下部支持部材は、別のコネクタ部分によって複数の封止区分の別の封止区分に接続されている。
【0010】
耐久性が向上した封止アセンブリが、提供される。封止アセンブリは、展開構成から、封止アセンブリが、外科用器具の封止された通路を容易にするための開口部を画定する八角形部材を形成する、折り畳み構成に移動可能である、複数の封止区分と、複数の封止区分の近位に配設された上部支持部材と、複数の封止区分の遠位に配設された下部支持部材と、を含む。上部および下部支持部材は、複数の封止区分の周りで圧縮されて、それらの間に複数の封止区分を挟む。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
外科用アクセスアセンブリであって、
上部、下部、および内部ハウジング区分を含み、かつ空洞を画定する、器具バルブハウジングと、
上記器具バルブハウジングの上記空洞内に配設されたバルブアセンブリであって、
複数のガード区分を含むガードアセンブリと、
上記ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリであって、上記封止アセンブリが、複数の封止区分ならびに上部および下部支持部材を含み、上記複数の封止区分は、展開構成から、上記封止アセンブリが、外科用器具の封止された通路を容易にするための開口部を画定する八角形部材を形成する、折り畳み構成に移動可能であり、上記上部および下部支持部材が、上記複数の封止区分のそれぞれの近位側および遠位側に配設され、かつ上記複数の封止区分の周りで圧縮されて、それらの間に上記複数の封止区分を挟む、封止アセンブリと、
上記封止アセンブリおよびガードアセンブリを、上記器具バルブの上記空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構と、を含む、バルブアセンブリと、を含む、外科用アクセスアセンブリ。
(項目2)
上記上部および下部支持部材が、約0.30インチ~約0.45インチの開口部を画定する、上記項目に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目3)
上記上部および下部支持部材は、厚さが約0.006インチ~約0.015インチである、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目4)
上記複数の封止区分が、ポリイソプレンまたは液体シリコーンゴムから形成される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目5)
上記複数の封止区分の各封止区分が、コネクタ部分によって、上記複数の封止区分の隣接する封止区分に接続されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目6)
上記コネクタ部分が、リビングヒンジを含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目7)
上記上部支持部材が、コネクタ部分によって上記複数の封止区分のうちの1つの封止区分に接続されており、上記下部支持部材が、別のコネクタ部分によって上記複数の封止区分の別の封止区分に接続されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目8)
上記複数の封止区分の各封止区分の内縁部が、V字形を画定する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目9)
上記V字形が、約180度~約275度の角度を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目10)
上記複数の封止区分が、第1、第2、第3、および第4の封止区分を含み、上記第1、第2、第3、および第4の封止区分の各々が、隣接する上記第2、第3、第4、および第1の封止区分と重なり合う、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目11)
上部および下部保持部材を含む保持アセンブリをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目12)
上記上部および下部保持部材のうちの少なくとも1つが、上記ガードおよび封止アセンブリを互いに対して保持するために、上記ガードアセンブリおよび上記封止アセンブリを通して受容可能である複数のピンを含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目13)
上記センタリング機構が、ベローズを含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目14)
上記上部および下部支持部材が、六角形の形状を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目15)
上記上部および下部支持部材が、八角形の形状を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目16)
バルブアセンブリであって、
複数のガード区分を含むガードアセンブリと、
上記ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリであって、上記封止アセンブリが、複数の封止区分ならびに上部および下部支持部材を含み、上記複数の封止区分は、展開構成から、上記封止アセンブリが、外科用器具の封止された通路を容易にするための開口部を画定する八角形部材を形成する、折り畳み構成に移動可能であり、上記上部および下部支持部材が、上記複数の封止区分のそれぞれの近位側および遠位側に配設され、かつ上記複数の封止区分の周りで圧縮されて、それらの間に上記複数の封止区分を挟む、封止アセンブリと、
上記封止アセンブリおよびガードアセンブリを、外科用アクセスアセンブリの空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構と、を含む、バルブアセンブリ。
(項目17)
上部および下部保持部材を有する保持アセンブリをさらに含み、上記上部および下部保持部材のうちの少なくとも1つが、上記ガードおよび封止アセンブリを互いに対して保持するために、上記ガードアセンブリおよび上記封止アセンブリを通して受容可能である複数のピンを含む、上記項目に記載のバルブアセンブリ。
(項目18)
上記上部支持部材が、コネクタ部分によって上記複数の封止区分のうちの1つの封止区分に接続されており、上記下部支持部材が、別のコネクタ部分によって上記複数の封止区分の別の封止区分に接続されている、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目19)
封止アセンブリであって、
展開構成から、上記封止アセンブリが、外科用器具の封止された通路を容易にするための開口部を画定する八角形部材を形成する、折り畳み構成に移動可能である、複数の封止区分と、
上記複数の封止区分の近位に配設された上部支持部材と、
上記複数の封止区分の遠位に配設された下部支持部材と、を含み、上記上部および下部支持部材が、上記複数の封止区分の周りで圧縮されて、それらの間に上記複数の封止区分を挟む、封止アセンブリ。
(摘要)
外科用アクセスアセンブリは、器具バルブハウジングと、器具バルブハウジングの空洞内に配設されたバルブアセンブリと、を含む。バルブアセンブリは、ガードアセンブリと、ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリと、封止アセンブリおよびにガードアセンブリを器具バルブの空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構と、を含む。封止アセンブリは、マルチペタル封止部材ならびに上部および下部支持部材を含む。上部および下部支持部材は、その間にマルチペタル封止部材を挟んで、マルチペタル封止部材を通る漏れを低減および/または排除する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例証し、上述した開示の一般的な説明、および下記の実施形態の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0012】
図1】本開示の実施形態による、外科用アクセスアセンブリの側面斜視図である。
図2】切断線2-2に沿って得られた、図1で示される外科用アクセスアセンブリの側面断面図である。
図3】センタリング機構、ガードアセンブリ、封止アセンブリ、および保持アセンブリを含む、図2に示すバルブアセンブリの部品を分離した斜視図である。
図4図3に示される封止アセンブリの上面斜視図である。
図5図3に示される封止アセンブリの底面斜視図である。
図6図3に示す封止アセンブリの支持部材の斜視図である。
図7】切断線7-7に沿って得られた、図4で示される封止アセンブリの側面断面図である。
図8】本開示の別の実施形態による、封止アセンブリの斜視図である。
図9】展開された状態の、図8に示される封止アセンブリの上面図である。
図10】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、図8に示される封止アセンブリの斜視図である。
図11】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、図8に示される封止アセンブリの斜視図である。
図12】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、図8に示される封止アセンブリの斜視図である。
図13】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、図8に示される封止アセンブリの斜視図である。
図14】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、図8に示される封止アセンブリの斜視図である。
図15】完全に折り畳まれた状態にある、図8に示される封止アセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本外科用アクセスアセンブリの特定の実施形態が、添付の図面を参照して以下に記載される。しかしながら、開示される実施形態は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な態様で具現化され得ることを理解されたい。周知の機能または構造体は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを避けるために、詳細には記載されない。それゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に適切で詳細な任意の構造で様々に用いるために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。同様の参照番号は、図面の記載を通して類似または同一の要素を指す。
【0014】
本明細書で使用される場合、「遠位(distal)」という用語は、ユーザからより遠い器具またはその構成要素の部分を指し、「近位(proximal)」という用語は、ユーザにより近い器具またはその構成要素の部分を指す。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、数値が概算であり、小さな変動が開示された実施形態の実施に著しく影響を及ぼさないことを意味する。数値限定が使用される場合、文脈によって他に示されない限り、「約」は、数値が±10%変動し得、開示された実施形態の範囲内に留まり得ることを意味する。
【0015】
外科用アクセスアセンブリは、低侵襲手術中、例えば、腹腔鏡手術、に用いられ、腹腔などの吹送された体腔への外科用器具の封止されたアクセスを提供する。本開示の外科用アクセスアセンブリは、カニューレチューブに装着された器具バルブハウジングと、バルブハウジングおよびカニューレを通して挿入された栓塞子(図示せず)と、を含む。栓塞子は、鈍い遠位端、またはブレード付きもしくはブレードのない穿孔遠位端を有することができ、かつ外科用アクセスアセンブリを腹部に導入できるように、腹壁を切開するために使用され得る。栓塞子のハンドルは、外科用アクセスアセンブリの器具バルブハウジングと係合するか、または選択的に器具バルブハウジングに係止することができる。
【0016】
外科用アクセスアセンブリは、構造体を通る新しい通路を作ることによって、または構造体を通る既存の開口部を通過することによって、解剖学的構造体、例えば、腹壁を通り抜けるために採用される。トロカールアセンブリが解剖学的構造体を通り抜けると、トロカール栓塞子が取り外され、カニューレアセンブリが所定の位置に残る。カニューレの器具バルブハウジングは、体腔からの吹送流体の漏れを防止するバルブを含み、また体腔内に外科用器具が挿入されることも可能にする。
【0017】
様々な実施形態では、外科手技における組織面の分離、および分離中の体組織繊維の視覚化を可能にし、それにより体壁にわたる制御された横断を可能にするブレードレス光学トロカール栓塞子が提供され得る。他の実施形態では、トロカール栓塞子は、光学的でない、例えば、栓塞子の遠位先端部を通して同時発生視覚化を提供しない、ブレードレスであってもよい。ブレードレス栓塞子は、外科手技中に腹部内層の鈍的切開のために提供されてもよい。
【0018】
本開示のカニューレとともに使用することに好適な様々なトロカール栓塞子が既知であり、例えば、ブレード付き、ブレードレス、とがっていない、光学的、および非光学的を含む。例示的なトロカール栓塞子および例示的なカニューレを含む、例示的なトロカールアセンブリの構造ならびに機能の詳細な説明については、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、同一所有者のPCT公開第WO2016/186905号(「‘905公開物」)を参照されたい。
【0019】
ここでまず図1を参照すると、本開示の態様による外科用アクセスアセンブリは、概してカニューレアセンブリ100として示される。カニューレアセンブリ100は、カニューレ102と、カニューレ102に固定された器具バルブハウジング110と、を含む。例示的なカニューレアセンブリの詳細な説明については、‘905公開物を参照されたい。
【0020】
図2を参照すると、カニューレセンブリ100の器具バルブハウジング110は、上部ハウジング区分112、下部ハウジング区分114、および内部ハウジング区分116を含む。上部、下部、および内部ハウジング区分112、114、116は、カニューレ102の近位端上のバルブアセンブリ120を支持するように構成される。より具体的には、内部ハウジング区分116は、上部ハウジング区分112と下部ハウジング区分114との間に固定され、バルブアセンブリ120は、内部ハウジング区分116と下部ハウジング区分114との間に受容される。器具バルブハウジング110の上部ハウジング区分112および下部ハウジング区分114は、内部ハウジング区分116に選択的に取り付け可能、およびそれから取り外し可能であってもよい。下部ハウジング区分114は、カニューレアセンブリ102のカニューレチューブ104に解放可能または永久的に取り付けられ得る。実施形態では、器具バルブハウジング110の上部ハウジング区分112および下部ハウジング区分114のいずれかまたは両方は、節、刻み目、タブを含み得るか、または別様に臨床医による係合を容易にするように構成され得る。
【0021】
カニューレセンブリ100はまた、外科用アクセスアセンブリの安定化のための特徴を含み得る。例えば、カニューレチューブ104の遠位端は、内部から腹部と係合するバルーンアンカーまたは別の拡張可能部材を担持してもよい。例えば、全開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,300,448号を参照されたい。腹壁の反対側の機能は、接着タブまたは調整可能なフォームカラーなど、外科用アクセスアセンブリをさらに安定させるために使用されてもよい。
【0022】
器具バルブハウジング110の上部、下部、および内部ハウジング区分112、114、116は、外科用器具(図示せず)を受容するための長手方向通路111を画定する。バルブアセンブリ120は、器具バルブハウジング110内に支持されて、カニューレアセンブリ100を通る外科用器具の封止された通路を提供する。
【0023】
特に図2および図3を参照すると、器具バルブハウジング110(図2)内に支持されたバルブアセンブリ120は、センタリング機構130と、ガードアセンブリ140と、封止アセンブリ160と、保持アセンブリ180と、を含む。バルブアセンブリ120のセンタリング機構130は、外科用器具がバルブアセンブリ120を通して受容されるときに、器具バルブハウジング110に対するバルブアセンブリ120の半径方向移動を可能にし、他の点では、バルブアセンブリ120を器具バルブハウジング110内のほぼ中央の位置に維持する。ガードアセンブリ140は、封止アセンブリ160を通す外科用器具の挿入および引き抜き中に、封止アセンブリ160を保護する。封止アセンブリ160は、器具バルブハウジング110を通る外科用器具の封止された通路を提供する。保持アセンブリ180は、センタリング機構130と、ガードアセンブリ140と、封止アセンブリ160とを互いに整列した関係に維持する。
【0024】
引き続き図2および図3を参照すると、上述のように、バルブアセンブリ120のセンタリング機構130は、バルブアセンブリ120を器具バルブハウジング110(図2)内の中心に維持するように構成される。実施形態では、示されるように、センタリング機構130は、外部環状リング132、内部環状リング134、および外部環状リング132と内部環状リング134との間に配設されたベローズ136を含む。図2に示されるように、外部環状リング132は、内部ハウジング区分116と下部ハウジング区分114との間に受容されて、センタリング機構130を器具バルブハウジング110内に保持する。内部環状リング134は、封止アセンブリ160を支持する。例示的なセンタリング機構の構造体および機能の詳細な説明については、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,702,787号を参照されたい。
【0025】
ベローズ136を有するセンタリング機構130が示されるが、バルブアセンブリ120は、代替のセンタリング機構を含むことができる。例えば、センタリング機構は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、同一所有者の米国特許出願公開第2015/0025477号(「‘477公開物」)に記載されるように、環状基部および基部から延在する複数のスポークを含んでもよい。‘477公開文献に開示されるように、センタリング機構は、複数の組のスポークを含んでもよいことが想定される。
【0026】
さらに図2および図3を参照すると、バルブアセンブリ120のガードアセンブリ140は、リング部分142および、第1、第2、第3、および第4のペタル144、146、148、150を含む。ガードアセンブリ140は、リング部分142およびペタル144、146、148、150を形成するツールで打ち抜くことにより、プラスチック/ポリマー材料のシートから形成され得る。代替的に、ガードアセンブリ140は、成形または他の技術によって形成されてもよい。ガードアセンブリは、任意の数のペタルを含むことができ、ペタルは、任意のサイズまたは構成のフラップ部分を含むことができることが想定される。例示的なガードアセンブリならびに外科用アクセスアセンブリの他の態様について、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,895,377号および同第6,569,120号を参照されたい。他の例示的なガードアセンブリの構造体および機能の詳細な説明については、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、同一所有者の米国特許出願第16/394,043、同16/238,823、および同##/###,####(代理人整理番号C00019509.USU1(203-12169)、同A0000135US01(203-12267)、および同C00017498US01(203-12319))を参照されたい。
【0027】
ここで図2および図3を引き続き参照すると、バルブアセンブリ120の封止アセンブリ160は、器具バルブハウジング110(図2)を通過する外科用器具(図示せず)の外側表面の周りに封止を提供するように構成されている。
【0028】
封止アセンブリ160は、マルチペタルまたは区分封止部材162、ならびに上部および下部支持部材164、166を含む。示されるように、マルチペタル封止部材162は、六角形の本体を形成し、かつ開口部161を画定する6つのペタルまたは区分を含む。6つの(6)区分を含んで示されているが、封止アセンブリ160は、例えば、少なくても4つの(4)区分、または多くても8つの(8)区分など、任意の適切な数の区分を含み得ることが想定される。マルチペタル封止部材162の開口部161を単一の封止部材を貫通する連続した中実の開口部としてではなく複数のペタルから形成することにより、挿入、取り外し、およびそれを通る外科器具の使用中にマルチペタル封止部材162が裂ける可能性が、大幅に低減される。翼形状のペタル162aが重なっているように示されているが、本開示の態様は、代替の構成および配設のペタルを有する封止部材とともに使用するために修正され得ることが想定される。例示的なマルチペタル封止部材は、2019年2月11日に出願された米国特許出願第16/272,068号に示され、かつ説明されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
特に図6を参照すると、封止アセンブリ160の上部および下部支持部材164、166は各々、それぞれマルチペタル封止部材162の形状に対応する六角形の形状と、各開口部163、165と、を含む。六角形の本体を有するものとして示されているが、上部および下部支持部材164、166は、サイズおよび形状が任意のマルチペタル封止部材、例えば、マルチペタル封止部材162に対応する本体を有し得る。開口部163、165は、マルチペタル封止部材162の適切なカバーを可能にするサイズであり、同時に依然として、より大きな手術器具(図示せず)が力への影響を最小限に抑えて封止アセンブリ160を通して受容されることを可能にする。実施形態では、開口部163、165は、直径が約0.300~約0.450インチの範囲であり得る。
【0030】
上部および下部支持部材164、166は、ポリシオプレン、液体シリコーンゴム、または十分な伸張特性を有する任意の他の材料から形成され得る。実施形態では、上部および下部支持部材164、166は、厚さが0.006インチ~0.015インチである。以下でさらに詳細に説明するように、上部および下部支持部材164、166は、マルチペタル封止部材162の周りでサンドイッチを形成して、マルチペタル封止部材162内の漏れ経路の影響を少なくする。
【0031】
図7を特に参照すると、封止アセンブリ160のマルチペタル封止部材162の複数のペタルの重なり合う層は、吹送流体がバルブアセンブリ120を通って漏れる経路を提供し得る。封止アセンブリ160の上部および下部支持部材164、166は、マルチペタル封止部材162を介した吹送流体の漏れの可能性を低減するように構成されている。より具体的には、上部および下部支持部材164、166は、マルチペタル封止部材162のそれぞれの近位側および遠位側に配設され、かつマルチペタル封止部材162の周りで圧縮されるように構成されている。上部支持部材164と下部支持部材166との間でマルチペタル封止部材162を圧縮することにより、マルチペタル封止部材162の層間の漏れが、大幅に低減および/または排除され得る。上部および下部支持部材164、166はまた、そこを通る外科器具の挿入、操作、および取り外し中に、マルチペタル封止部材162への損傷を防止または低減することを支援し得る。
【0032】
マルチペタル封止部材162、上部支持部材164、および下部支持部材166の各々は、保持アセンブリ180の上部保持部材182から延在する脚部186を受容するための複数の開口部161a、163a、165aをそれぞれ画定する。
【0033】
図7を引き続き参照すると、封止アセンブリ160の上部支持部材164は、ガードアセンブリ140とセンタリング機構130の内部環状リング134との間に配設されている。マルチペタル封止部材162は、内部環状リング134の反対側に配設され、封止アセンブリ160の下部支持部材164は、マルチペタル封止部材162に隣接して配設される。保持アセンブリ180の複数の脚部186は、センタリング機構130、ガードアセンブリ140、ならびにマルチペタル封止162および上部支持部材164および下部支持部材166を含む封止アセンブリ160の各々を通して受容される。
【0034】
保持アセンブリ180の上部および下部保持部材182、184は、封止アセンブリ160を間に挟んで上部および下部支持部材164、166を圧迫するように構成されている。このようにして、マルチペタル封止部材162のペタル162a間に存在するあらゆる漏れは、サイズが低減されるか、または排除される。
【0035】
バルブアセンブリ120の保持アセンブリ180(図3)は、封止アセンブリ160に対してガードアセンブリ140を固定し、かつガードおよび封止アセンブリ140、160をセンタリング機構130に固定するように構成されている。保持アセンブリ180は、上部保持部材182と、下部保持部材184と、を含む。上記のように、上部保持部材182は、複数のピン186を含む。複数のピン186は、上部保持部材182の底面から延在する。複数のピン186の各ピンは、下部保持部材184複数の開口部185(図3)の開口部内に係止可能に受容されるように構成されている。実施形態では、複数のピン186は、下部保持部材184内の複数の開口部185内に溶接、糊付け、接着、接合、または別様に固定されて、上部保持部材182と下部保持部材184を共に固定する。代替的に、下部保持部材184は、代わりに、または付加的に、上部保持部材182が、複数の対応する開口部(図示せず)を画定する状態で、複数のピン(図示せず)を含んでもよい。上部および下部保持部材182、184のいずれかまたは両方は、複数のピンと係合し、上部保持部材182を下部保持部材184に固定するための係止機能(図示せず)を含んでもよい。
【0036】
上部保持部材182の複数のピン186は、ガードアセンブリ140のリング部分142を通って、封止アセンブリ160のそれぞれのマルチペタル封止部材162、ならびに上部および下部支持部材164、166の開口部163a、165a、167aを通って、センタリング機構130の内部環状リング134を通って、かつ下部保持部材184の開口部185内に延在する。
【0037】
カニューレアセンブリ100を利用する外科手技中、外科用器具(図示せず)は、上部、下部、および内部ハウジング区分112、114、116内の長手方向通路113を通って器具バルブハウジング110に導入される。上述のように、外科用器具の遠位端は、ガードアセンブリ140と係合し、ガードアセンブリ140のフラップ部分を、下向きに屈曲させて、封止アセンブリ160のマルチペタル封止部材162と接触させ、封止アセンブリ160を通る外科用器具の通過に対応するように、マルチペタル封止部材162の中央開口部163を開ける。封止アセンブリ160の上部および下部支持部材164、166をサンドイッチ状の方法でマルチペタル封止部材162の周りで圧縮することにより、マルチペタル封止部材162を介した漏れが、低減および/または排除される。
【0038】
ここで図8~15を参照すると、本開示の別の実施形態による封止アセンブリは、概して封止アセンブリ260として示される。封止アセンブリ260は、本明細書で上述した封止アセンブリ160と交換可能であり、それらの間の違いに関してのみ詳細に説明する。
【0039】
図9を特に参照すると、封止アセンブリ260は、複数の封止区分262、上部支持部材264、および下部支持部材266を含む。複数の封止区分262ならびに上部および下部支持部材264、266は、互いに対して固定されている。実施形態では、示されるように、封止アセンブリ260は、一体的に形成され、すなわち、ワンピースまたはモノリシックである。封止アセンブリ260は、型打ち、成形、または他の方法で形成され得る。
【0040】
封止アセンブリ260の複数の封止区分262は、第1、第2、第3、および第4の区分262a、262b、262c、262dを含む。4つの(4)区分のみを有して示されているが、封止アセンブリ260は、多くても8つの(8)区分を含み得ることが想定される。封止アセンブリ260の複数の封止区分262ならびに上部および下部支持部材264、266は、同じまたは異なる材料で形成され得る。実施形態では、少なくとも複数の封止区分262は、弾性材料、例えば、ゴム、ポリイソプレン、またはシリコーンエラストマーで形成される。実施形態では、第1、第2、第3、および第4の区分262a、262b、262c、262dは、1つ以上のファブリック層を含むことができる。
【0041】
封止アセンブリ260のマルチペタル封止部材262の第1、第2、第3、および第4の区分262a、262b、262c、262dの各々、ならびに上部および下部支持部材264、266は、八角形の形状を含むが、他の形状が想定されている。封止アセンブリ260の第1、第2、第3、および第4の区分262a、262b、262c、262dのそれぞれの内縁部268a、268b、268c、268dは、直線(図示せず)であり得るか、または示されるように、V字形もしくは切り取り部分を画定し得る。実施形態では、V字形は、45度(45°)~180度(180°)の角度を画定する。実施形態では、V字形は、90度(90°)の角度を画定する。封止アセンブリ260の第1、第2、第3、および第4の区分262a、262b、262c、262dのそれぞれの内縁部268a、268b、268c、268dのV字形は、封止アセンブリ260を通る外科用器具(図示せず)の受容を容易にする。マルチペタル封止部材262の第1、第2、第3、および第4の区分262a、262b、262c、262dは、(示されるように)平坦な封止を形成してもよく、または円錐形の封止を形成してもよい。
【0042】
図9を引き続き参照すると、封止アセンブリ260の上部支持部材264および第1の区分262aは、コネクタ部分263aによって互いに接続されており、封止アセンブリ260の第1および第2の区分262a、262bは、コネクタ部分263bによって互いに接続されており、封止アセンブリ260の第2および第3の区分262b、262cは、コネクタ部分263cによって互いに接続されており、封止アセンブリ260の第3および第4の区分262cは、コネクタ部分263dによって互いに接続されており、封止アセンブリ260の第4の区分262dおよび下部支持部材266は、コネクタ部分263eによって互いに接続されている。実施形態では、封止アセンブリ260のコネクタ部分263a、263b、263c、263d、263eは、リビングヒンジを含むか、または別様に区分および支持部材の折り畳みを容易にするように形成される。
【0043】
第1、第2、第3、および第4の区分262a、262b、262c、262dの各々、ならびに上部および下部支持部材264、266は、各区分262a、262b、262c、262dの外周に沿ってそれぞれ複数の開口部265a、265b、265c、265dを、および上部および下部支持部材244、246のそれぞれの外周に沿って複数の開口部265e、265fを画定する。複数の開口部265a、265b、265c、265d、265e、265fは、保持アセンブリ180のピン186(図7)を受容して、封止アセンブリ260を折り畳まれた状態に維持し、かつ封止アセンブリ260をガードアセンブリ140およびセンタリング機構130に対して固定する。
【0044】
ここで封止アセンブリ260を折り畳む方法が、図10~15を参照して説明される。最初に図10を参照すると、上部支持部材264が第1の区分262aと重なるように、矢印「A」で示されるように、上部支持部材264は、上部支持部材264と第1の区分262aとの間のコネクタ部分263aで、複数の封止区分262の第1の区分262aに対して折り畳まれる。このようにして、複数の開口部265eは、封止アセンブリ260の第1の区分262aの重なり合う部分の複数の開口部265aと整列する。
【0045】
図11に目を向けると、封止アセンブリ260の第1の区分262aは、矢印「B」で示されるように、第1の区分262aと第2の区分262bとの間のコネクタ部分263bで、封止アセンブリ260の第2の区分262aに対して折り畳まれ、それにより、第1の区分262aは、封止アセンブリ260の第2の区分262bと重なる。このようにして、第1の区分262aの複数の開口部265aは、封止アセンブリ260の第2の区分262bの重なり合う部分の複数の開口部265bと整列する。
【0046】
図12を参照すると、第2の区分262bが封止アセンブリ260の第3の区分262cと重なるように、矢印「C」によって示されるように、封止アセンブリ260の第2の区分262aは、第2の区分262aと第3の区分262bとの間のコネクタ部分263cで、第3の区分262bに対して折り畳まれている。このようにして、第2の区分262bの複数の開口部265bは、封止アセンブリ260の第3の区分262cの重なり合う部分の複数の開口部265cと整列する。
【0047】
図13を参照すると、第3の区分262cが封止アセンブリ260の第4の区分262dと重なるように、矢印「D」で示されるように、封止アセンブリ260の第3の区分262cは、第3の区分262cと第4の区分262dとの間のコネクタ部分263dで、封止アセンブリ260の第4の区分262dに対して折り畳まれる。このようにして、第3の区分262cの複数の開口部265cは、封止アセンブリ160の第4の区分168の重なり合う部分の複数の開口部265dと整列する。
【0048】
図14を参照すると、第4の区分262dが下部支持部材266と重なるように、矢印「E」で示されるように、封止アセンブリ260の第4の区分262dは、第4の区分262dと下部支持部材266との間のコネクタ部分163eで、封止アセンブリ260の下部支持部材266に対して折り畳まれる。このようにして、第4の区分262dの複数の開口部265dは、下部支持部材266の重なり合う部分の複数の開口部265fと整列する。
【0049】
封止アセンブリ260は、上記で説明した封止アセンブリ160と同様の方法で器具バルブハウジング110(図2)内に固定される。封止アセンブリ260は、封止アセンブリ160と同様の方法で動作する。
【0050】
本開示の様々な実施形態が本明細書に示され、かつ説明されたが、これらの実施形態が、例としてのみ提供されることは当業者にとって明らかであろう。多数の変形、変更、および置換が、ここで本開示から逸脱することなく、当業者に思い浮かぶであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲によってのみ限定されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15