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特許7527851軍需品用の収容クレードル及び関連除去方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】軍需品用の収容クレードル及び関連除去方法
(51)【国際特許分類】
   F41A 15/22 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
F41A15/22
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020098593
(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公開番号】P2020201035
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】1906007
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パスカリーヌ・デュゲ
(72)【発明者】
【氏名】リオネル・レノー
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・エレロ
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-081600(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0370667(US,A1)
【文献】特開平06-026788(JP,A)
【文献】国際公開第2007/064442(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41A 15/22
F41F 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出手段(13)によって第1の軸Xに沿って延在する筒(12)から除去される軍需品(11)を収容するように意図されている収容クレードル(10)であって、
a.前記筒(12)の出口端部(16)に固定されるように意図されている固定ベース(15)を含む構造体(14)と、
b.前記第1の軸Xに沿って実質的に延在する収容バッグ(17)であって、前記構造体(14)に固定されており、前記軍需品(11)を収容するように意図されている収容バッグ(17)と
を含み、
前記構造体(14)は、第1の端部(19)で前記固定ベース(15)に各々が接続されている第1のアーム(21)及び第2のアーム(22)を含み、前記収容バッグ(17)は、前記2つのアーム(21、22)と前記固定ベース(15)とに固定されている、
収容クレードル(10)。
【請求項2】
前記固定ベース(15)は、U字形であり、内部(23)は、前記筒(12)の前記出口端部(16)の外部(24)と接触しているように意図されていることを特徴とする、請求項に記載の収容クレードル(10)。
【請求項3】
前記収容バッグ(17)は、
a.前記2つのアーム(21、22)の第2の端部(26)に位置決めされており、前記軍需品(11)用の止め具を形成するように構成されている拘束コーン(25)と、
b.前記拘束コーン(25)を保持し、前記拘束コーン(25)を前記2つのアーム(21、22)と前記固定ベース(15)とに接続するデバイス(27)と
を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の収容クレードル(10)。
【請求項4】
前記拘束コーン(25)を保持する前記デバイス(27)は、
a.2つのラッチ点(33、34)の所まで前記拘束コーン(25)の両側に前記拘束コーン(25)から延在する2つの横ストラップ(31、32)であって、前記2つのラッチ点のうち第1のラッチ点(33)は前記第1のアーム(21)に位置し、前記2つのラッチ点のうち第2のラッチ点(34)は前記第2のアーム(22)に位置している、当該2つの横ストラップと、
b.前記固定ベース(15)の所まで前記拘束コーン(25)から延在する装着ストラップ(35)と
を含むことを特徴とする、請求項に記載の収容クレードル(10)。
【請求項5】
前記固定ベース(15)は、前記筒(12)の前記出口端部(16)への前記収容クレードル(10)の取り付け中に、前記第1の軸Xと実質的に垂直な第2の軸Yの周りに前記収容クレードル(10)が回転することができるようにするために、前記筒(12)のカラー(42)の一部と係合するように意図されているラッチノーズ(36)を前記固定ベース(15)の外部(43)に含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の収容クレードル(10)。
【請求項6】
前記収容バッグ(17)は、
a.前記2つのアーム(21、22)の第2の端部(26)に位置決めされており、前記軍需品(11)用の止め具を形成するように構成されている拘束コーン(25)と、
b.前記拘束コーン(25)を保持し、前記拘束コーン(25)を前記2つのアーム(21、22)と前記固定ベース(15)とに接続するデバイス(27)と
を含み、
前記拘束コーン(25)を保持する前記デバイス(27)は、
a.2つのラッチ点(33、34)の所まで前記拘束コーン(25)の両側に前記拘束コーン(25)から延在する2つの横ストラップ(31、32)であって、前記2つのラッチ点のうち第1のラッチ点(33)は前記第1のアーム(21)に位置し、前記2つのラッチ点のうち第2のラッチ点(34)は前記第2のアーム(22)に位置している、当該2つの横ストラップと、
b.前記固定ベース(15)の所まで前記拘束コーン(25)から延在する装着ストラップ(35)と
を含み、
前記アーム(21、22)は、伸縮自在であり、前記2つのラッチ点(33、34)のうち各々の1つは、前記ラッチ点が位置決めされる前記アーム(21、22)の上を摺動するように構成されていることを特徴とする、請求項に記載の収容クレードル(10)。
【請求項7】
ロック解除位置から、前記固定ベース(15)を前記筒(12)の前記出口端部(16)の周りに適所に保持するロック位置に、及び前記ロック位置から前記ロック解除位置に移行することができるロックデバイス(51)を含み、前記ロックデバイス(51)は、
a.前記筒(12)の前記出口端部(16)の形状を少なくとも部分的に一致させるように構成されているハンドル(52)と、
b.前記ハンドル(52)を前記固定ベース(15)に固定する手段(53)と
を含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の収容クレードル(10)。
【請求項8】
前記ハンドル(52)を前記固定ベース(15)に固定する前記手段(53)は、ボール継手接続部(54)と、平面座面(55)とを含むことを特徴とする、請求項に記載の収容クレードル(10)。
【請求項9】
排出手段(13)によって第1の軸Xに沿って延在する筒(12)から軍需品(11)を除去する方法であって、
a.収容クレードル(10)を前記筒(12)の出口端部(16)に固定するステップ(101)と、
前記収容クレードル(10)は、
i.前記筒(12)の出口端部(16)に固定されるように意図されている固定ベース(15)を含む構造体(14)と、
ii.前記第1の軸Xに沿って実質的に延在する収容バッグ(17)であって、前記構造体(14)に固定されており、前記軍需品(11)を収容するように意図されている収容バッグ(17)とを含み、
前記構造体(14)は、第1の端部(19)で前記固定ベース(15)に各々が接続されている第1のアーム(21)及び第2のアーム(22)を含み、前記収容バッグ(17)は、前記2つのアーム(21、22)と前記固定ベース(15)とに固定されており、
b.前記排出手段(13)を作動させるステップ(102)と、
c.前記軍需品(11)を排出するステップ(103)と、
d.前記軍需品(11)を前記収容バッグ(17)に収容するステップ(104)と
を含む方法。
【請求項10】
前記固定ベース(15)は、ラッチノーズ(36)を前記固定ベース(15)の外部(43)に含み、前記収容クレードル(10)は、ロック解除位置から、前記固定ベース(15)を前記筒(12)の前記出口端部(16)の周りに適所に保持するロック位置に、及び前記ロック位置から前記ロック解除位置に移行することができるロックデバイス(51)を含み、前記収容クレードル(10)を前記筒(12)の前記出口端部(16)に固定するステップ(101)は、
a.前記ラッチノーズ(36)を前記筒(12)のカラー(42)の一部と係合させるステップ(111)と、
b.前記第1の軸Xと実質的に垂直な第2の軸Yの周りに前記収容クレードル(10)を回転させるステップ(112)と、
c.前記ロックデバイス(51)をロックするステップ(113)と
を含むことを特徴とする、請求項に記載の除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銃身筒、例えば120mmライフル迫撃砲(但し、限定されない)から軍需品を除去する技術分野に関する。特に有利なことに、本発明は、銃身筒に引っかかった軍需品、又は不発の場合の軍需品の場合に適用できる。
【背景技術】
【0002】
現在、コードに装着されたつめ付きエキストラクターを用いて、軍需品を除去する。このような先行技術のエキストラクター5を、図1に示す。エキストラクター5を、ユーザによって銃身筒に摺動する。エキストラクター5は、重力の影響下で軍需品の信管7にラッチする1組のつめ6を含む。この状況で、信管は、軍需品の前部チップを意味するものとする。次に、ユーザは、エキストラクター5のハンドル8に装着されたコードを用いて、軍需品を除去する。この方法は、専門職で広く使用されているが、このようなシステムの使用は、技術的な限界を有する。銃身筒の銃口に引っかかった軍需品を放出することができない。その上、軍需品に使用される様々なタイプの信管にエキストラクターを適合させる必要がある。更に、エキストラクターを銃身筒に挿入する場合、ユーザに危険が生じ、ユーザは、筒銃口の前にユーザの手を通す必要がある。軍需品が銃身筒から出た場合、ユーザの手を誤った位置に置くと、エキストラクターが外れて、軍需品が銃身筒の底に戻ることがあり、その結果、軍需品の望ましくない発火の危険性がある。
【0003】
スイス特許第624 480号明細書には、圧縮空気の注入によって銃身から軍需品を除去するデバイス及び方法が記載されている。この方法は、握られるのに十分なだけ銃身から軍需品が出るように、注入圧縮空気の圧力の調整を当てにする。この方法は、圧力調整用の複雑な機器を必要とする。更に、除去軍需品が、地面と銃口との間の高さから落ちる危険性がある。その結果、軍需品が爆発する危険性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】スイス特許第624 480号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、どんな信管でも、特に圧縮空気の注入によって、筒から軍需品を排出する手段によって除去される軍需品を収容するのに役立つ収容クレードルを提案することによって、上述の課題の全部又は一部を改善することにある。更に、収容クレードルは、任意の適切な排出手段によって筒から軍需品を排出した後、銃口に引っかかった軍需品を回収するのに役立つ。銃身の銃口の前にユーザの身体の全部又は一部をユーザが決して通さないという事実のために、この種のデバイスは特に安全である。更に、軍需品が筒の底に戻る危険性を排除する。
【0006】
このために、本発明は、排出手段によって第1の軸Xに沿って延在する筒から除去される軍需品を収容するように意図されている収容クレードルであって、
a.筒の出口端部に固定されるように意図されている固定ベースを含む構造体と、
b.第1の軸Xに沿って実質的に延在する収容バッグであって、構造体に固定されており、軍需品を収容するように意図されている収容バッグと
を含む収容クレードルに関する。
【0007】
有利なことに、構造体は、第1の端部で固定ベースに各々が接続されている第1のアーム及び第2のアームを含み、収容バッグは、2つのアームと固定ベースとに固定されている。
【0008】
有利なことに、固定ベースは、U字形であり、内部は、筒の出口端部の外部と接触しているように意図されている。
【0009】
有利なことに、収容バッグは、
a.2つのアームの第2の端部に位置決めされており、軍需品用の止め具を形成するように構成されている拘束コーンと、
b.拘束コーンを保持し、拘束コーンを2つのアームと固定ベースとに接続するデバイスと
を含む。
【0010】
有利なことに、拘束コーンを保持するデバイスは、
a.2つのラッチ点(2つのラッチ点のうち第1のラッチ点は第1のアームに位置決めされ、2つのラッチ点のうち第2のラッチ点は第2のアームに位置決めされている)の所まで拘束コーンの両側に拘束コーンから延在する2つの横ストラップと、
b.固定ベースの所まで拘束コーンから延在する装着ストラップと
を含む。
【0011】
有利なことに、固定ベースは、筒の出口端部への収容クレードルの取り付け中に、第1の軸Xと実質的に垂直な第2の軸Yの周りに収容クレードルが回転することができるようにするために、筒のカラーの一部と係合するように意図されているラッチノーズを固定ベースの外部に含む。
【0012】
有利なことに、収容クレードルは、ロック解除位置から、固定ベースを筒の出口端部の周りに適所に保持するロック位置に、及びロック位置からロック解除位置に移行することができるロックデバイスを含み、ロックデバイスは、
a.筒の出口端部の形状を少なくとも部分的に一致させるように構成されているハンドルと、
b.ハンドルを固定ベースに固定する手段と
を含む。
【0013】
有利なことに、ハンドルを固定ベースに固定する手段は、ボール継手接続部と、平面座面とを含む。
【0014】
有利なことに、アームは、伸縮自在であり、2つのラッチ点のうち各々の1つは、ラッチ点が位置決めされるアームの上を摺動するように構成されている。
【0015】
更に、本発明は、排出手段によって第1の軸Xに沿って延在する筒から軍需品を除去する方法であって、
a.収容クレードルを筒の出口端部に固定するステップと、
収容クレードルは、
i.筒の出口端部に固定されるように意図されている固定ベースを含む構造体と、
ii.第1の軸Xに沿って実質的に延在する収容バッグであって、構造体に固定されており、軍需品を収容するように意図されている収容バッグとを含み、
b.排出手段を作動させるステップと、
c.軍需品を排出するステップと、
d.軍需品を収容バッグに収容するステップと
を含む方法に関する。
【0016】
固定ベースは、ラッチノーズを固定ベースの外部に含み、クレードルは、ロック解除位置から、固定ベースを筒の出口端部の周りに適所に保持するロック位置に、及びロック位置からロック解除位置に移行することができるロックデバイスを含み、収容クレードルを筒の出口端部に固定するステップは、
a.ラッチノーズを筒のカラーの一部と係合させるステップと、
b.第1の軸Xと実質的に垂直な第2の軸Yの周りに収容クレードルを回転させるステップと、
c.ロックデバイスをロックするステップと
を含む。
【0017】
添付図面によって説明を図示する、一例として与えられる一実施形態の詳細な説明を読めば、本発明は、よく理解され、更なる利点は、明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】先行技術から知られているエキストラクターを概略的に示す。
図2】本発明による筒の出口に設置された収容クレードルを概略的に示す。
図3】本発明による展開及び折り畳み構成で収容クレードルの構造体を概略的に示す。
図4】本発明による収容クレードルを概略的に示す。
図5】本発明による収容クレードルの収容バッグの第1の図を概略的に示す。
図6】本発明による収容クレードルの収容バッグの第2の図を概略的に示す。
図7】本発明による筒の出口端部における収容クレードルの取り付けを概略的に示す。
図8】本発明による筒の出口端部における収容クレードルのロックを概略的に示す。
図9】本発明による伸縮アームを有する収容クレードルの実施形態を概略的に示す。
図10】本発明による排出手段を用いて筒から軍需品を除去する方法のステップを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
分かりやすくするために、これらの図面は、全て同じ縮尺であるとは限らない。更に、様々な図面で、同じ要素には同じ参照符号が表示されている。
【0020】
図1は、先行技術から知られているエキストラクターを概略的に示し、序文で既に提示されている。
【0021】
図2は、本発明による筒の出口に設置された収容クレードル10を概略的に示す。収容クレードル10は、排出手段13によって第1の軸Xに沿って延在する筒12から除去される軍需品11を収容するように意図されており、この収容クレードル10は、構造体14と、第1の軸Xに沿って実質的に延在する収容バッグ17とを含み、この収容バッグ17は、構造体14に固定されており、軍需品11を収容するように意図されている。本発明は、例えば、圧縮空気の注入、不活性ガスの注入によって、又は軍需品の後部に力を加えることによって、任意の適切な排出手段に適用する。下記において、圧縮空気の注入として排出手段を扱い、その際、本発明をその例に限定しない。収容クレードルの長さと実質的に等しい長さを有する軍需品11を示す。しかし、軍需品の長さ及び直径が収容クレードル10の長さ及び直径未満であるという条件で、本発明は、軍需品のどんな長さ及び直径でも適用する。構造体14の質量を出来るだけ軽くするために、構造体14を、例えばアルミニウムで構成してもよい。
【0022】
図3は、展開及び折り畳み構成で、本発明による収容クレードル10の構造体14を概略的に示す。構造体14は、図面の左側で展開構成であり、図面の右側で折り畳み構成である。構造体14は、筒12の出口端部16に固定されるように意図されている固定ベース15を含む。有利なことに、構造体14は、第1の端部19で固定ベース15に各々が接続されている第1のアーム21及び第2のアーム22を含む。アーム21、22を、互いに実質的に平行に、及び第1の軸Xと実質的に平行に示す。しかし、この構成は、好ましいが、強制的でなく、2つのアーム21、22は、2つの発散又は収束方向に沿って延在してもよい。収容バッグ17は、2つのアーム21、22と固定ベース15とに固定されている。
【0023】
図4は、本発明による収容クレードル10を概略的に示す。固定ベース15は、U字形であり、内部23は、図7に示すように、筒12の出口端部16の外部24と接触しているように意図されている。収容バッグ17は、固定ベース15の内部23、即ちU字形の中央部で、及び上端部、即ちU字形の中央部から延在する部分及びU字形の中央部の両側で、固定ベース15に固定されている。
【0024】
図5は、本発明による収容クレードル10の収容バッグ17の第1の図を概略的に示す。収容バッグ17は、2つのアーム21、22の第2の端部26に位置決めされており、軍需品11用の止め具を形成するように構成されている拘束コーン25と、拘束コーン25を保持し、拘束コーン25を2つのアーム21、22と固定ベース15とに接続するデバイス27とを含む。
【0025】
拘束コーン25は、本発明による収容クレードル10の主な要素を構成する。実際に、拘束コーン25は、軍需品11の表面の高温に熱的に耐えることができ、引っかかっていない軍需品11の除去中に激しい衝撃の場合に機械的に耐えることができなければならない。
【0026】
拘束コーン25を保持するデバイス27は、2つのラッチ点33、34(2つのラッチ点のうち第1のラッチ点33は第1のアーム21に位置決めされ、2つのラッチ点のうち第2のラッチ点34は第2のアーム22に位置決めされている)の所まで拘束コーン25の両側に拘束コーン25から延在する2つの横ストラップ31、32を含む。保持デバイス27は、固定ベース15の所まで拘束コーン25から延在する装着ストラップ35を更に含む。拘束コーン25、横ストラップ31、32及び装着ストラップ35からなる組立体は、軍需品を止めて保持するために必要な機械的強度を与えるのに適している。取り扱いを容易にするために、ポケットを形成する組立体によって、拘束コーン25及びストラップを接続する。
【0027】
拘束コーン25を、有利なことに開いたコーンによって規定する。このコーンは、非常に強いストラップの複数のフープ61として設計されている。これらのフープ61は、除去中に出来るだけ長い長さにわたって力を分散させるために、特に構造体14の接合部分の所まで、有利なことに収容バッグ17の全長にわたって、例えば長いシームによって収容バッグ17にそれ自体接続された他のストラップ62によって互いに接続されている。軍需品11の信管の尖っている機械的に強い端部が任意の分裂を開始しないように、拘束コーン25は、有利なことに開いている。一緒に追加された複数のフープの使用は、軍需品11を「跳ね返す」影響を制限するのに役立つ。発射体の本体の端部直径よりも僅かに小さい端部直径を有する、この種の拘束コーン25は、衝撃を回避することを可能にする。実際に、発射体は、拘束コーン25のネックによって与えられる制動によって拘束される。拘束コーン25を、軍需品11の本体の外形と同様な円形開口部で示すことに留意しよう。本発明は、発射体を収容クレードル10に保持するために、発射体の本体の端部直径よりも僅かに小さい端部直径の非円形開口部で同様に適用される。
【0028】
一方、収容バッグ17(ストラップ及びポケットからなる)は、一旦発射体が拘束コーン25によって止められると、発射体を回収するのに役立つ。収容バッグ17の深さの目的は、軍需品11が筒12に後退しないようにするために、迫撃砲の仰角が何でも、筒12から軍需品11をずらすことである。換言すれば、軍需品の縦軸は、軸Xと実質的に平行のままであることができるが、軍需品が筒に後退することができないように、軍需品の縦軸は、軸Xに対して十分にずれている。有利なことに、ポケット及びストラップを含む収容バッグ17は、収容バッグ17の外側の機械抵抗層、及び収容バッグ17の内側の耐熱層(少なくとも100℃まで)の2層の布からなる。これは、例えば、耐火性合成布の層であってもよい。
【0029】
収容バッグ17は、消耗部品であり、軍需品との唯一の接合部分である。収容バッグ17が劣化した場合、収容バッグ17を収容クレードル10から取り外すことができるように、収容バッグ17を、構造体14に取り外し可能に接続することができる。
【0030】
図6は、本発明による収容クレードル10の収容バッグ17の第2の図を概略的に示す。収容バッグ17は、互いに機械的に接続された複数の異なる部品からなることができるが、収容バッグ17を1つの片で構成することが好ましい。構造体14を分解することなく収容バッグ17を取り外すことができるように、収容クレードル10の2つのアーム21、22上の収容バッグ17の固定点を設計してもよい。
【0031】
従って、ホースによって圧縮空気タンクを安全弁に接続することによって、軍需品11を、例えば、筒12の下部で、有利なことに迫撃砲の既存の安全弁で、圧縮空気13の注入によって除去する。
【0032】
圧縮空気13は、軍需品を押し、その後、軍需品を収容クレードル10で回収する。除去工程中に、軍需品11を、収容バッグ17の前部によって拘束し、後述のように、軍需品11は、収容バッグ17の底まで落ちる。その結果、軍需品が、筒12から完全に出ており、後退することができない場合、ユーザは、十分安全にのみ介入する。更に、先行技術のつめ付きエキストラクターと同様に、軍需品の信管をラッチ点として使用しないので、本発明による収容クレードルは、どんな信管を使用しても、軍需品を引き出すことができる。これにより、適所の軍需品、又は銃口又は筒内の任意の点に引っかかった軍需品を除去することができる。
【0033】
図7は、本発明による筒12の出口端部16における収容クレードル10の取り付けを概略的に示す。固定ベース15は、筒12の出口端部16への収容クレードル10の取り付け中に、第1の軸Xと実質的に垂直な第2の軸Yの周りに収容クレードル10が回転することができるようにするために、筒12のカラー42の一部と係合するように意図されているラッチノーズ36を固定ベース15の外部43に含む。有利なことに、カラー42は、迫撃砲に属するベースプレートのカラーであり、カラー42は、単純なファスナーを用いてロックする。それにもかかわらず、収容クレードル10を第2の軸Yの周りに回転させることができるために、ラッチノーズ36が押すようになることができる部分をカラーが有するという条件で、任意のタイプのカラーを使用することができる。ラッチノーズ36は、筒12の出口端部16で第1の軸Xに沿って一直線上に収容クレードル10を容易に位置決めすることができる。
【0034】
一旦収容クレードル10が筒12の出口端部16で適切な位置に置かれると、収容クレードル10を、そこに保持されるようにその位置にロックする必要がある。
【0035】
図8は、本発明による筒12の出口端部16における収容クレードル10のロックを概略的に示す。収容クレードル10は、ロック解除構成から、固定ベース15を筒12の出口端部16の周りに適所に保持するロック構成に、及びロック構成からロック解除構成に移行することができるロックデバイス51を含み、このロックデバイス51は、筒12の出口端部16の形状を少なくとも部分的に一致させるように構成されているハンドル52と、このハンドル52を固定ベース15に固定する手段53とを含む。従って、ロックデバイス51を、必要に応じて何度でもロック及びロック解除することができる。ハンドル52は、筒と共に少なくとも点座面を形成する。有利な一実施形態において、ハンドル52と筒12との間の接触は、実質的に平面座面である。好ましい一実施形態において、ハンドル52は、表面にわたって筒12と接触しており、ハンドル52は、筒12の形状を一致させるように意図されている湾曲領域56を有する。
【0036】
固定手段53は、基本的なもの、例えば、ねじナット組立体であることができる。本発明の好ましい一実施形態において、ハンドル52を固定ベース15に固定する手段53は、ボール継手接続部54と、平面座面55とを含む。換言すれば、収容クレードル10を、ハンドル52及び固定手段53によって筒12の上端にわたってロックする。ハンドル52を、ボール継手に取り付けて、機械的止め具(平面座面55)を回して通すことができる。ボール継手接続部のために、ハンドルは、第1の軸Xと平行な軸の周りに、及び点54で軸X及び軸Yと垂直な第3の軸の周りに回転移動することができる。これらの2つの軸の周りの組み合わせ回転において、ハンドル52は、ハンドル52の取り扱い中にユーザによって加えられる僅かな力(これは、数度のオーダーだけ収容クレードル10を傾けることに対応する)に応じて、止め具55、例えば、ねじ頭の下側で平面座面を形成するねじ頭の下を通る。ハンドル52は、止め具としての機能を果たす座面にねじ頭を形成するように意図されている肩を含む。一旦この機械的止め具55が通されると、収容クレードル10は、重力によってロックされる。より詳細には、重力は、重力の方向に収容クレードル10を引き付ける。ねじ頭55の下側を、ハンドル52の肩の上位レベルで動かなくする。次に、収容クレードル10を、筒12の出口端部16における適切な位置で動かなくする。更に、筒12とのハンドルの表面接触56で、収容クレードル10は、不静定であり、収容クレードル10を筒12の出口における適切な位置で完全に保持することを保証する。
【0037】
図9は、本発明による伸縮アームを有する収容クレードル10の別の実施形態を概略的に示す。この実施形態において、アーム21、22は、伸縮自在であり、2つのラッチ点33、34のうち各々の1つは、ラッチ点が位置決めされるアーム21、22の上を摺動するように構成されている。収容バッグ17は、収容クレードル10の伸縮アームに適合するように構成されている。換言すれば、収容バッグ17を折り畳むことができる。これにより、収容クレードル10を運ぶ場合、空間を節約することができる。
【0038】
図10は、本発明による排出手段を用いて筒から軍需品を除去する方法のステップを概略的に示す。排出手段13によって第1の軸Xに沿って延在する筒12から軍需品11を除去する方法は、収容クレードル10を筒12の出口端部16に固定するステップ101を含み、収容クレードル10は、筒12の出口端部16に固定されるように意図されている固定ベース15を含む構造体14と、第1の軸Xに沿って実質的に延在する収容バッグ17であって、構造体14に固定されており、軍需品11を収容するように意図されている収容バッグ17とを含む。本発明による方法は、排出手段を作動させるステップ102を含む。圧縮空気を注入する例において、これは、圧縮空気13を筒12に注入するステップ102である。更に、方法は、この例において、筒12における圧縮空気13の作用で、軍需品11を排出するステップ103を含む。最後に、本発明による方法は、軍需品11を収容バッグ17に収容するステップ104を含む。本発明による方法は、圧力の調整無しで動作するという利点を有する。軍需品を収容クレードルに回収するので、圧力を制御する必要がない。
【0039】
固定ベース15がラッチノーズ36を固定ベース15の外部43に含む実施形態において、クレードル10は、ロック解除構成から、固定ベース15を筒12の出口端部16の周りに適所に保持するロック構成に、及びロック構成からロック解除構成に移行することができるロックデバイス51を含み、収容クレードル10を筒12の出口端部16に固定するステップ101は、ラッチノーズ36を筒12のカラー42の一部と係合させるステップ111と、第1の軸Xと実質的に垂直な第2の軸Yの周りに収容クレードル10を回転させるステップ112と、ロックデバイス51をロックするステップ113とを含んでもよい。
【0040】
圧縮空気13を筒12に注入するステップ102は、圧縮空気源を筒12の弁に接続するステップ121と、筒12内に圧縮空気を抜くステップ122とを含んでもよい。
【0041】
軍需品11を収容バッグ17に収容するステップ104は、軍需品11を拘束コーン25によって拘束するステップ141と、軍需品11を収容バッグ17に置くステップ142と、除去軍需品11を供給するステップ143とを含んでもよい。
【0042】
クレードルを固定するステップ101の前に、方法は、クレードルを準備するステップを含んでもよい。このステップでは、伸縮アーム21、22の場合、折り畳み位置で伸縮アームを保持する2つのピンを取り外し、伸縮アーム21、22及び収容バッグ17を展開することによって収容クレードルを展開する必要がある。次に、ピンを交換して、展開位置でアーム21、22を保持する必要がある。必要ならば、次のステップは、軍需品11の退出を妨げないように収容バッグ17を再配置することである。
【0043】
クレードルを準備するステップの後、本発明による方法は、筒を準備するステップを含んでもよい。このステップは、筒のカラーを回収し、筒の出口端部にカラーを位置決めすることである。代わりに、筒に装着されたカラーを使用することができる。
【0044】
軍需品を収容バッグに収容するステップ104の後、収容クレードル10を筒の適切な位置に置いておくことができ、又は収容クレードル10を取り外すことができる。収容クレードルを取り外すステップを含む本発明による方法の場合、事前に、圧縮空気源の弁を閉じる必要がある。収容クレードルを取り外すステップは、ロック構成からロック解除構成に移行することができるために、ロックデバイスをロック解除するステップを含む。有利なことに、取り外しステップは、突然のアンラッチを回避するために、収容クレードルのユーザによって保持するステップも含む。最後に、取り外しステップは、収容クレードルを筒から完全に分離するために、第2の軸Yの周りにラッチノーズで収容クレードルを回転させるステップを含む。その後、収容クレードルを同じ筒又は別の筒で再利用することができる。
【0045】
この明細書から出てくるように、本発明によるデバイス及び関連除去方法は、2つの主な新規な特徴を用いて、銃口を介して大砲兵器軍需品を除去することができる。筒の銃口の前にユーザの身体の全部又は一部を通すようにユーザに要求するステップはないので、ユーザに危険を及ぼすことなく、全除去操作が行われる。収容クレードルは、1つのタイプの軍需品(換言すれば、「信管」、即ち、軍需品の前部チップ)に特有でない。本発明による除去方法は、筒における軍需品の位置がどこでも、筒から軍需品を除去することができる。
【0046】
拘束コーンを有する収容クレードル10の構成は、非常に重要である。圧縮空気を筒12に注入するステップ102の間に、空気の圧力を調整する必要がない。一旦空気圧システムが筒の弁でホースによって設置されると、必要なのは、空気が注入される圧力を心配することなく、空気圧システムの弁を開けることだけである。換言すれば、本発明は、空気圧システムを筒に接続し、最大使用可能圧力で圧縮空気を注入することができる。
【0047】
有利なことに、空気圧システムは、独立型であり、空気を再投入するポンプを含む。
【0048】
除去方法は、単純且つ迅速であり、軍事行動展開状況(即ち、軍事行動の戦域)における使用に適合する。収容クレードルは、運びやすい。
【符号の説明】
【0049】
5 エキストラクター
6 つめ
7 信管
8 ハンドル
10 収容クレードル
11 軍需品
12 筒
13 排出手段
14 構造体
15 固定ベース
16 出口端部
17 収容バッグ
19 第1の端部
21 第1のアーム
22 第2のアーム
23 内部
24 外部
25 拘束コーン
26 第2の端部
27 デバイス
31、32 横ストラップ
33、34 ラッチ点
35 装着ストラップ
36 ラッチノーズ
42 カラー
43 外部
51 ロックデバイス
52 ハンドル
53 固定手段
54 ボール継手接続部
55 平面座面
56 湾曲領域
X 第1の軸
Y 第2の軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10