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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】制御装置、及び荷役システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240729BHJP
   B65G 1/10 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G1/10 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020136628
(22)【出願日】2020-08-13
(65)【公開番号】P2022032639
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】横山 賢一
【審査官】小野 孝朗
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-012405(JP,U)
【文献】特表2020-508274(JP,A)
【文献】国際公開第2019/095804(WO,A1)
【文献】特開2019-131403(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0129705(US,A1)
【文献】特開平9-132328(JP,A)
【文献】特開2020-104986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送車と接続する接続部と、物品を取り出す物品取出部と、前記物品取出部が取出した物品を載置するステージと、前記ステージを昇降させる昇降機構とを備える荷役装置と通信する制御装置であって、
前記荷役装置、前記搬送車、及び上位サーバ通信する通信部と、
取り出す物品を示す取出指示を前記上位サーバから前記通信部により取得し、前記取出指示に基づいて、物品を取り出す為の制御信号を、前記搬送車に前記通信部により送信するか、前記搬送車及び前記荷役装置に前記通信部により送信するかを切り替えるプロセッサと、
を具備し、
前記プロセッサは、前記物品毎に予め設定された位置が、前記搬送車により取り出し可能である場合、前記搬送車に前記制御信号を送信し、前記搬送車により取り出し不可能である場合、前記搬送車及び前記荷役装置に前記制御信号を送信する制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記物品毎に予め設定された位置が、前記搬送車により取り出し不可能である場合、前記搬送車が前記荷役装置に接続して前記荷役装置を移動させ、前記荷役装置が前記物品を取り出すように、前記搬送車及び前記荷役装置に前記制御信号を送信する請求項に記載の制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記物品毎に予め設定された位置が、前記搬送車により取り出し可能である場合、前記搬送車が前記物品を取り出すように、前記搬送車に前記制御信号を送信する請求項に記載の制御装置。
【請求項4】
搬送車と、荷役装置と、制御装置と、を具備する荷役システムであって、
前記荷役装置は、
前記搬送車と接続する接続部と、
物品を取り出す物品取出部と、
前記物品取出部が取出した物品を載置するステージと、
前記ステージを昇降させる昇降機構と、
を具備し、
前記制御装置は、
前記荷役装置前記搬送車、及び上位サーバ通信する通信部と、
取り出す物品を示す取出指示を前記上位サーバから前記通信部により取得し、前記取出指示に基づいて、物品を取り出す為の制御信号を、前記搬送車に前記通信部により送信するか、前記搬送車及び前記荷役装置に前記通信部により送信するかを切り替えるプロセッサと、
を具備し、
前記プロセッサは、前記物品毎に予め設定された位置が、前記搬送車により取り出し可能である場合、前記搬送車に前記制御信号を送信し、前記搬送車により取り出し不可能である場合、前記搬送車及び前記荷役装置に前記制御信号を送信する荷役システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、荷役装置、制御装置、及び荷役システムに関する。
【背景技術】
【0002】
指定された物品(または物品が収容された容器)を棚から取り出す倉庫管理システム(荷役システム)が実用化されている。自動倉庫システムは、例えば、制御装置及び無人搬送車(Automatic Guided Vehicle:AGV)などにより構成される。制御装置は、無人搬送車の動作を制御する。無人搬送車は、平面を走行するように構成されている。無人搬送車は、制御装置からの制御に基づいて、物品の下に潜り込み、物品を持ち上げ、物品を所定の位置に移動させる。
【0003】
倉庫内のスペースを有効に活用するために、棚が複数段重ねられ、棚の各段に物品が配置される場合がある。このような場合、無人搬送車により取り出し可能な棚に制限があるという課題がある。また、スタッカクレーンを用いる場合、移設及び改造などが難しい為、柔軟性に欠けるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2009-539727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、効率よく棚から物品の取出しを行うことができる荷役装置、制御装置、及び荷役システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る荷役装置は、接続部と、物品取出部と、昇降用基部と、昇降機構と、を具備する。接続部は、搬送車と接続する。物品取出部は、物品を取り出す。昇降用基部は、前記物品取出部が取出した物品を載置する。昇降機構は、前記昇降用基部を昇降させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る倉庫管理システムの概略的な構成例について説明する為の説明図である。
図2図2は、一実施形態に係る倉庫管理システムの構成例について説明する為の説明図である。
図3図3は、一実施形態に係る制御装置の動作の例について説明する為の説明図である。
図4図4は、一実施形態に係る無人搬送車の動作の例について説明する為の説明図である。
図5図5は、一実施形態に係る無人搬送車の動作の例について説明する為の説明図である。
図6図6は、一実施形態に係る無人搬送車の動作の例について説明する為の説明図である。
図7図7は、一実施形態に係るシャトルフォーク装置の動作の例について説明する為の説明図である。
図8図8は、一実施形態に係るシャトルフォーク装置の動作の例について説明する為の説明図である。
図9図9は、一実施形態に係るシャトルフォーク装置の動作の例について説明する為の説明図である。
図10図10は、一実施形態に係るシャトルフォーク装置の動作の例について説明する為の説明図である。
図11図11は、一実施形態に係るシャトルフォーク装置の動作の例について説明する為の説明図である。
図12図12は、一実施形態に係る倉庫管理システムの他の構成例について説明する為の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、倉庫管理システム1の概略的な構成例について説明する為の説明図である。図2は、倉庫管理システム1の各構成について説明する為のブロック図である。一実施形態に係る倉庫管理システム1は、倉庫などにおいて、種々の物品が収容された物品11を棚12から取り出す荷役システムである。
【0009】
まず、倉庫における物品11及び棚12について説明する。
物品11は、商品、部品、郵便物などの種々の物品である。また、物品11は、複数の物品が収容されたコンテナ、パレット、ビン、ケース、または段ボールなどの容器であってもよい。物品11は、物品、または物品を収容する収容部を支持する基部を有する。基部は、鉛直方向における物品11の下方に設けられている。基部は、物品11が棚12または床面13などに配置された場合に、配置面との間に空間を形成するように構成されている。例えば、基部は、物品11を配置面より高い位置で支持する支柱及びフレームとして構成される。
【0010】
なお、物品には、予め識別情報(物品識別情報)が設定されている。物品識別情報は、物品固有の識別情報である。
【0011】
棚12は、物品11が置かれる棚である。棚12は、支柱と、支柱に取り付けられた棚受けと、棚受けに載せられた棚板とを備える。棚12は、例えば、縦方向(鉛直方向)に複数の棚板が設けられている。棚12は、第1棚14及び第2棚15を有する。
【0012】
第1棚14は、倉庫の床面13と面一または平坦に構成された面(物品11の配置面)を有する棚板により構成された棚である。第2棚15は、倉庫の床面13から鉛直方向における上方に設けられた面(物品11の配置面)を有する棚板により構成された棚である。第1棚14及び第2棚15の棚板上の配置面には、それぞれ物品11が配置される。例えば、第1棚14には、使用頻度(取出しの頻度)が高い物品11が配置されている。また、例えば、第2棚15には、使用頻度(取出しの頻度)が低い物品11が配置されている。これにより、倉庫などにおいて、鉛直方向の空間を物品11の保管に利用することができる。
【0013】
また、第1棚14及び第2棚15の物品11が配置される位置には、予め識別情報(棚識別情報)が設定されている。棚識別情報は、物品11が配置される位置を示す固有の識別情報である。棚識別情報は、棚12と、第1棚14と第2棚15のどちらであるかと、棚板上の物品11が配置されている位置と、を特定する為の情報を含む。
【0014】
次に、倉庫管理システム1の構成について説明する。
倉庫管理システム1は、搬送装置21、充電スタンド22、上位サーバ23、制御装置24、無人搬送車25、及びシャトルフォーク装置26などを備える。倉庫管理システム1の搬送装置21、充電スタンド22、上位サーバ23、制御装置24、無人搬送車25、及びシャトルフォーク装置26は、ネットワーク27に接続されている。例えば、搬送装置21、充電スタンド22、上位サーバ23、及び制御装置24は、有線通信によりネットワーク27に接続されている。また、無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26は、無線LANのアクセスポイント28を介して無線通信によりネットワーク27に接続されている。
【0015】
搬送装置21は、処理対象の物品11の荷降し先である。搬送装置21は、荷降し台及び搬送路などを備える。荷降し台は、無人搬送車25またはシャトルフォーク装置26によって持ち上げられた物品11が降ろされる台である。搬送路は、荷降し台に降ろされた物品11を搬送する。搬送路は、例えば回転することにより物品11を搬送する複数のローラにより構成される。また搬送路は、ベルトコンベアなどとして構成されてもよい。
【0016】
充電スタンド22は、無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26などに電力を供給する構成である。充電スタンド22は、商用電源などから供給される交流電力を直流電力に変換する。充電スタンド22は、コネクタに接続された機器に対して、直流電力を出力する。これにより、充電スタンド22は、コネクタに接続された機器の二次電池を充電させることができる。充電スタンド22は、例えばコネクタを複数備えていてもよい。充電スタンド22は、例えば高い位置と低い位置とにそれぞれコネクタを備えていてもよい。また、充電スタンド22は、コイルなどを介して非接触で対象の機器に電力を供給する構成であってもよい。
【0017】
上位サーバ23は、制御装置24に対して、取り出す物品を指示する装置である。上位サーバ23は、通信インタフェース、プロセッサ、メモリ、及びストレージ装置などを備える一般的なサーバ装置である。上位サーバ23は、例えば、取り出す物品の物品識別情報の一覧を含む取出指示を、制御装置24に送信する。また、取出指示は、取り出した物品11を移動させる移動先(搬送先)を示す情報をさらに含んでいてもよい。
【0018】
次に、制御装置24の構成について説明する。
制御装置24は、無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26の動作を制御する。即ち、制御装置24は、棚12から物品11を取出し、所定の移動先に移動させる荷役処理を無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26に行わせる。
【0019】
制御装置24は、プロセッサ31、メモリ32、及び通信部33を備える。
【0020】
プロセッサ31は、演算処理を実行する演算素子である。プロセッサ31は、例えばCentral Processing Unit(CPU)として構成される。プロセッサ31は、メモリ32に記憶されているプログラムに基づいて種々の処理を行う。なお、プロセッサ31は、例えばプログラマブルロジックコントローラ(PLC)、Micro Processor Unit(MPU)、またはMicro Controller Unit(MCU)として構成されていてもよい。
【0021】
プロセッサ31は、搬送装置21、充電スタンド22、無人搬送車25、及びシャトルフォーク装置26などに動作を行わせる為の制御信号を生成する。プロセッサ31は、通信部33及びネットワーク27などを介して制御信号を搬送装置21、充電スタンド22、無人搬送車25、及びシャトルフォーク装置26に送信する。また、プロセッサ31は、通信部33及びネットワーク27などを介して、無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26から動作結果を示す情報を取得する。これにより、プロセッサ31は、無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26の状態を逐次認識することができる。
【0022】
メモリ32は、プログラム及びデータを記憶する記憶装置である。メモリ32は、例えば、読み出し専用の不揮発性メモリであるROM、データを一時的に記憶するRAM、及びデータを記憶するストレージのいずれか、または複数を備える。
【0023】
通信部33は、他の機器と通信する為の構成である。通信部33は、ネットワーク27を介して、搬送装置21、充電スタンド22、及び上位サーバ23と通信する。また、通信部33は、ネットワーク27及びアクセスポイント28を介して、無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26と通信する。
【0024】
次に、無人搬送車25の構成について説明する。
無人搬送車25は、制御装置24の制御に基づいて走行する自走台車である。無人搬送車25は、走行用基部41、移動機構42、リフタ43、検出部44、通信部45、電源部46、及びコントローラ47を備える。
【0025】
走行用基部41は、移動機構42によって移動される無人搬送車25の本体である。走行用基部41には、移動機構42、リフタ43、検出部44、通信部45、電源部46、及びコントローラ47などが設けられる。走行用基部41は、上記の物品11と物品11の配置面との間の空間に潜り込むことが可能な寸法で構成されている。
【0026】
移動機構42は、コントローラ47の制御に基づいて、走行用基部41を移動させる構成である。移動機構42は、例えば、図示されないモータなどによって駆動する複数のホイールを備える。ホイールは、例えば、メカナムホイール、またはオムニホイールなどにより構成される。このような構成によると、移動機構42は、前進、後進、及び平行移動などが可能である。また、移動機構42は、走行用基部41を旋回させる構成であってもよい。また、移動機構42は、ホイールの代わりにゴムクローラなどが用いられてもよい。
【0027】
リフタ43は、コントローラ47の制御に基づいて、対象物を持ち上げる機構である。リフタ43は、対象物に接触する接触面と、リフト機構と、リフト機構を駆動する駆動部とを有する。駆動部は、リフト機構に駆動力を与える。リフト機構は、駆動部から伝達される駆動力によって、接触面を走行用基部41から突出する方向(例えば鉛直方向)に移動させる。即ち、リフタ43は、リフト機構及び駆動部の動作によって、接触面が上昇または下降する。リフタ43は、接触面が対象物に接触している状態で、接触面をさらに上昇させることにより、対象物を持ち上げることができる。また、リフタ43は、接触面を下降させることにより、対象物を降ろすことができる。また、リフタ43は、リフタ43の接触面に対する圧力を検出するセンサを備えていてもよい。これにより、接触面が対象物に接触していることを検出することができる。
【0028】
検出部44は、無人搬送車25の走行の姿勢、及び移動距離などを検出する為の構成である。検出部44は、検出結果をコントローラ47に供給する。
【0029】
通信部45は、他の機器と通信する為の構成である。通信部45は、ネットワーク27及びアクセスポイント28を介して、制御装置24と通信する。
【0030】
電源部46は、無人搬送車25の各部に電力を供給する構成である。電源部46は、二次電池及び充電回路などを有する。二次電池は、例えば、セパレータを介して正極及び負極が積層された電極群を備えるリチウムイオン二次電池として構成される。充電回路は、電源入力端子を備える。充電回路は、充電スタンド22のコネクタに接続された電源入力端子から供給される直流電圧によって、二次電池を充電する。なお、電源部46は、交流電力を直流電力に変換するコンバータをさらに備えていてもよい。また、電源部46は、非接触で電力を受け取り、充電回路に直流電圧を供給する受電回路をさらに備えていてもよい。
【0031】
コントローラ47は、無人搬送車25の動作を制御する。コントローラ47は、プロセッサ及びメモリを備える。コントローラ47は、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより種々の動作の制御を行う。なお、コントローラ47は、例えばPLC、MPU、またはMCUなどにより構成されていてもよい。
【0032】
コントローラ47は、制御装置24からの制御信号、及び検出部44からの検出結果に基づいて、移動機構42による無人搬送車25の移動を制御する。また、コントローラ47は、制御装置24からの制御信号に基づいて、リフタ43による対象物の持ち上げを制御する。また、コントローラ47は、電源部46による充電動作の制御などを行う。また、コントローラ47は、制御装置24からの制御信号に基づく動作の結果を、制御装置24に送信する。これにより、無人搬送車25の状態を逐次制御装置24に伝達することができる。
【0033】
次に、シャトルフォーク装置26の構成について説明する。
シャトルフォーク装置26は、制御装置24の制御に基づいて、対象物の持ち上げなどを行う荷役装置である。シャトルフォーク装置26は、昇降用基部51、昇降機構52、シャトルフォーク部53、通信部54、電源部55、及びコントローラ56を備える。
【0034】
昇降用基部51は、シャトルフォーク装置26の本体である。昇降用基部51には、昇降機構52、シャトルフォーク部53、通信部54、電源部55、及びコントローラ56などが設けられる。昇降用基部51は、昇降機構52、シャトルフォーク部53、通信部54、電源部55、及びコントローラ56を移動可能に構成されている。昇降用基部51は、例えば、フレーム61と、キャスタ62と、弾性部材63と、テーブル64と、ステージ65とを備える。
【0035】
フレーム61は、例えば複数の支柱などにより構成されている。フレーム61は、昇降機構52、シャトルフォーク部53、通信部54、電源部55、及びコントローラ56などを支持する。
【0036】
キャスタ62は、フレーム61に取り付けられる。キャスタ62は、フレーム61と床面13との間に位置し、フレーム61の移動を容易にするように構成されている。また、キャスタ62には、キャスタ62の回転を静止させるストッパ62aが設けられている。ストッパ62aは、コントローラ56の制御に応じて、キャスタ62の回転を静止させる状態と、キャスタ62が自由に回転する状態とを切り替える。
【0037】
弾性部材63は、例えば、金属製のバネ、金属製のスプリング、または合成ゴムなどにより構成される。弾性部材63は、フレーム61とキャスタ62との間に設けられる。弾性部材63は、フレーム61に掛かる荷重(応力)によって収縮する。
【0038】
テーブル64は、フレーム61に固定され、且つ無人搬送車25のリフタ43の接触面と接する面を備える部材である。即ち、テーブル64は、無人搬送車25とシャトルフォーク装置26とを接続する接続部として機能する。テーブル64のリフタ43と接する面は、少なくともリフタ43が突出していない状態の無人搬送車25の鉛直方向の寸法よりも低い位置に配置されている。
【0039】
ステージ65は、シャトルフォーク部53が搭載され、且つ昇降機構52によって昇降される構成である。また、ステージ65は、シャトルフォーク部53が取出した物品11が載置される。
【0040】
昇降機構52は、コントローラ56の制御に基づいて、ステージ65を昇降させる機構である。即ち、昇降機構52は、ステージ65を昇降させることにより、シャトルフォーク部53を昇降させる。昇降機構52は、図示されないモータによって駆動するギア及びチェーンなどの駆動機構を備える。駆動機構は、モータの動作によって、ステージ65を所定の方向(例えば鉛直方向)に昇降させる。具体的には、昇降機構52は、フレーム61の支柱に沿って配置されたギア及びチェーンなどによって、シャトルフォーク部53が搭載されたステージ65を昇降させる。これにより、昇降機構52は、鉛直方向における任意の位置にシャトルフォーク部53を昇降させる。
【0041】
シャトルフォーク部53は、コントローラ56の制御に基づいて、棚12から物品11を取り出す物品取出部である。シャトルフォーク部53は、第2棚15から物品11を取り出す。シャトルフォーク部53は、フォーク66、及びリーチ機構67を備える。また、シャトルフォーク部53は、フォーク66に対する圧力を検出するセンサを備えていてもよい。これにより、フォーク66によって物品11を支持できているか否かを検出することができる。
【0042】
フォーク66は、棚12から物品11を取り出す際に物品11を支持する支持部材である。フォーク66は、例えば棒状または爪状に構成される。フォーク66は、例えば長手方向が水平方向となるように、リーチ機構67により保持されている。なお、フォーク66は、棚12に配置された物品11と配置面との間の空間に差し込むことが可能な寸法で構成されている。
【0043】
リーチ機構67は、コントローラ56の制御に基づいて、図示されないモータにより、所定の方向にフォーク66を移動させるリーチ動作を行う。リーチ機構67は、フォーク66の長手方向にフォーク66を移動させる。即ち、リーチ機構67は、フォーク66の長手方向にフォーク66を突き出す、または突き出したフォーク66を戻す動作を行う。
【0044】
リーチ機構67は、フォーク66を突き出すことにより、棚12に配置された物品11と配置面との間の空間にフォーク66を差し込む。さらに、リーチ機構67は、フォーク66に物品11から鉛直方向の応力が加わっている状態で、突き出したフォーク66を戻すことにより、棚12から物品11を取り出すことができる。
【0045】
通信部54は、他の機器と通信する為の構成である。通信部54は、ネットワーク27及びアクセスポイント28を介して、制御装置24と通信する。
【0046】
電源部55は、シャトルフォーク装置26の各部に電力を供給する構成である。電源部55は、二次電池及び充電回路などを有する。二次電池は、例えば、セパレータを介して正極及び負極が積層された電極群を備えるリチウムイオン二次電池として構成される。充電回路は、電源入力端子を備える。充電回路は、充電スタンド22のコネクタに接続された電源入力端子から供給される直流電圧によって、二次電池を充電する。なお、電源部55は、交流電力を直流電力に変換するコンバータをさらに備えていてもよい。また、電源部55は、非接触で電力を受け取り、充電回路に直流電圧を供給する受電回路をさらに備えていてもよい。
【0047】
コントローラ56は、シャトルフォーク装置26の動作を制御する。コントローラ56は、プロセッサ及びメモリを備える。コントローラ56は、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより種々の動作の制御を行う。なお、コントローラ56は、例えばPLC、MPU、またはMCUなどにより構成されていてもよい。
【0048】
コントローラ56は、制御装置24からの制御信号に基づいて、昇降機構52によるステージ65の昇降、即ちシャトルフォーク部53の昇降を制御する。また、コントローラ56は、制御装置24からの制御信号に基づいて、シャトルフォーク部53のリーチ機構67によるフォーク66のリーチ動作を制御する。また、コントローラ56は、電源部55による充電動作の制御などを行う。また、コントローラ56は、制御装置24からの制御信号に基づく動作の結果を、制御装置24に送信する。これにより、シャトルフォーク装置26の状態を逐次制御装置24に伝達することができる。
【0049】
次に、無人搬送車の動作について説明する。
上記の構成により、無人搬送車25は、対象物の下に移動機構42によって潜り込み、リフタ43によって対象物を持ち上げることができる。さらに、無人搬送車25は、対象物を持ち上げた状態で移動機構42により移動することができる。これにより、無人搬送車25は、対象物を持ち上げて移動させる荷役処理を行うことができる。
【0050】
例えば、無人搬送車25は、第1棚14に配置された物品11の配置面との間の空間に潜り込み、リフタ43によって物品11を持ち上げ、移動機構42により移動する。これにより、無人搬送車25は、物品11を任意の位置に移動させることができる。
【0051】
また、無人搬送車25は、床面13に配置されたシャトルフォーク装置26の昇降用基部51のテーブル64と床面13との間に潜り込み、リフタ43によりテーブル64に床面13側から応力を与える。これにより、無人搬送車25は、シャトルフォーク装置26の昇降用基部51のフレーム61からキャスタ62を介して床面13に与えられる応力を低下させることができる。これにより、シャトルフォーク装置26を床面13上を移動させる際の摩擦が低下する。無人搬送車25は、リフタ43によりテーブル64に床面13側から応力を与えた状態で、移動機構42により移動することにより、シャトルフォーク装置26を任意の位置に移動及び旋回させることができる。
【0052】
次に、シャトルフォーク装置26の動作について説明する。
上記の構成により、シャトルフォーク装置26は、棚12に配置された物品11と配置面の間の空間に、シャトルフォーク部53のフォーク66をリーチ機構67により差し込む。シャトルフォーク装置26は、昇降機構52によりシャトルフォーク部53を上昇させることにより、シャトルフォーク部53のフォークを物品11に接触させる。これにより、フォーク66に物品11から鉛直方向の応力が加わる状態になる。さらに、シャトルフォーク装置26は、リーチ機構67により突き出されたフォーク66を戻すことにより、棚12から物品11を取り出し、ステージ65上に物品11を保持することができる。
【0053】
また、シャトルフォーク装置26は、物品11を支持した状態のフォーク66をリーチ機構67により突き出し、昇降機構52によりシャトルフォーク装置26を下降させ、フォーク66を戻すことにより、物品11を任意の位置に降ろすことができる。例えば、シャトルフォーク装置26は、搬送装置21の荷降し台に物品11を降ろす。これにより、物品11がコンベアによって搬送される。
【0054】
次に、制御装置24の動作について説明する。
図3は、制御装置24の動作について説明する為のフローチャートである。図4乃至図6は、無人搬送車25により棚12から物品11を取り出す例について説明する為の説明図である。図7乃至図12は、無人搬送車25にシャトルフォーク装置26を移動させ、シャトルフォーク装置26により棚12から物品11を取り出す例について説明する為の説明図である。
【0055】
制御装置24のプロセッサ31は、取り出す物品11の一覧を示す取出指示を上位サーバ23から通信部33により取得する(ステップS11)。なお、取出指示は、上位サーバ23から任意のタイミング、または定期的に制御装置24に送信されるものであってもよい。また、取出指示は、制御装置24に接続可能な記録媒体などに保存され、制御装置24に与えられるものであってもよい。
【0056】
プロセッサ31は、取得した取出指示に基づいて、物品11が配置されている棚の位置を特定する(ステップS12)。
【0057】
例えば、制御装置24のメモリ32は、物品識別情報と棚識別情報とが対応付けられたデータベースを記憶している。上記したように、取出指示は、取り出す物品の物品識別情報を含む。棚識別情報は、棚12及び棚12上の特定の位置を示す情報を含む。
【0058】
プロセッサ31は、取出指示を取得した場合、取り出す物品11を物品識別情報に基づき特定し、取出指示に含まれている物品識別情報に対応付けられた棚識別情報をデータベースから取得する。プロセッサ31は、棚識別情報に基づいて、取出指示で支持された物品11が、どの棚12のどの位置に配置されているか特定する。
【0059】
次に、プロセッサ31は、取出指示により指定された物品11を無人搬送車25により処理可能であるか否か判断する(ステップS13)。例えば、プロセッサ31は、取出指示により指定された物品11が配置されている棚の位置が、第1棚14である場合、無人搬送車25により取り出し可能であると判断する。即ち、プロセッサ31は、取出指示により指定された物品11が配置されている棚の位置が、第2棚15である場合、無人搬送車25により取り出し不可能であると判断する。
【0060】
プロセッサ31は、取出指示により指定された物品11を無人搬送車25により処理可能であると判断した場合(ステップS13、YES)、無人搬送車25に移動を指示する制御信号を送信する(ステップS14)。プロセッサ31は、この場合、取り出す物品11の位置を移動先として示す制御信号を無人搬送車25に送信する。図3に示されるように、無人搬送車25は、制御装置24から制御信号に基づいて、第1棚14に配置された物品11の位置に向かって移動し、物品11と配置面との間に潜り込む。
【0061】
プロセッサ31は、無人搬送車25の所定位置への移動が完了すると、無人搬送車25に物品11の取出を指示する制御信号を送信する(ステップS15)。図4に示されるように、無人搬送車25は、物品11の位置に到達し、物品11の取出を指示する制御信号を受信すると、リフタ43を上昇させることによって物品11を持ち上げる。
【0062】
プロセッサ31は、無人搬送車25が物品11を持ち上げると、無人搬送車25に移動を指示する制御信号を送信する(ステップS16)。プロセッサ31は、この場合、取り出した物品11の搬送先(荷降ろし先)を移動先として示す制御信号を無人搬送車25に送信する。図5に示されるように、無人搬送車25は、物品11の荷降しを指示する制御信号を受信すると、物品11をリフタ43によって持ち上げた状態で移動機構42により制御信号で指示された搬送先に移動する。
【0063】
プロセッサ31は、無人搬送車25の所定位置への移動が完了すると、無人搬送車25に物品11の荷降しを指示する制御信号を送信し(ステップS17)、ステップS18の処理に移行する。無人搬送車25は、物品11の荷降しを指示する制御信号を受信すると、リフタ43を下降させて物品11を搬送先に荷降ろしする。
【0064】
即ち、プロセッサ31は、取り出す物品11の位置が無人搬送車25によって取り出し可能な位置であると判断した場合、取り出す物品11の位置及び搬送先などを制御信号として無人搬送車25に指示する。これにより、プロセッサ31は、無人搬送車25に第1棚14の物品11の荷役処理を行わせることができる。なお、プロセッサ31は、荷降しが完了した無人搬送車25に所定の位置に戻るように制御信号を送信してもよい。
【0065】
次に、プロセッサ31は、未処理の物品11が存在するか否か判断する(ステップS18)。即ち、プロセッサ31は、ステップS11で取得した取出指示で示された全ての物品11の荷役処理が完了したか否か判断する。
【0066】
プロセッサ31は、未処理の物品11が存在すると判断した場合(ステップS18、YES)、ステップS12の処理に移行し、次の物品11の荷役処理を行うように、無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26に制御信号を出力する。
【0067】
また、プロセッサ31は、未処理の物品11が存在しないと判断した場合(ステップS18、NO)、図3の処理を終了する。
【0068】
また、プロセッサ31は、上記のステップS13において、取出指示により指定された物品11を無人搬送車25により処理することが不可能であると判断した場合(ステップS13、NO)、無人搬送車25に移動を指示する制御信号を送信する(ステップS19)。プロセッサ31は、この場合、物品11の取り出しに用いるシャトルフォーク装置26の位置を示す制御信号を無人搬送車25に送信する。図7に示されるように、無人搬送車25は、制御信号を受信すると、シャトルフォーク装置26の位置に移動し、シャトルフォーク装置26の昇降用基部51のテーブル64と床面13との間に潜り込む。
【0069】
プロセッサ31は、無人搬送車25の所定位置への移動が完了すると、無人搬送車25にシャトルフォーク装置26の移動を指示する制御信号を送信する(ステップS20)。シャトルフォーク装置26の移動を指示する制御信号は、無人搬送車25のリフタ43の上昇と、シャトルフォーク装置26の移動先(物品11の位置)とを無人搬送車25に指示する信号である。図7に示されるように、無人搬送車25は、シャトルフォーク装置26の移動を指示する制御信号を受信すると、リフタ43を上昇させてシャトルフォーク装置26の昇降用基部51のテーブル64とリフタ43の接触面とを接触させる。これにより、無人搬送車25は、シャトルフォーク装置26のテーブル64に対して鉛直方向における下方から上方の向きの応力を与える。即ち、プロセッサ31は、シャトルフォーク装置26の接続部に無人搬送車25を接続させる。
【0070】
また、プロセッサ31は、無人搬送車25の所定位置への移動が完了し、リフタ43が上昇すると、ストッパ62aによりキャスタ62の回転を静止させる状態を解除することを指示する制御信号をシャトルフォーク装置26に送信する。これにより、無人搬送車25は、シャトルフォーク装置26を容易に移動させることができる。
【0071】
さらに、無人搬送車25は、シャトルフォーク装置26に応力を与えた状態で、制御信号で指定された移動先に移動する。これにより、無人搬送車25は、シャトルフォーク装置26を制御信号で指定された移動先に移動させる。
【0072】
プロセッサ31は、無人搬送車25の所定位置への移動が完了すると、シャトルフォーク装置26に物品11の取出を指示する制御信号を送信する(ステップS21)。図8及び図9に示されるように、シャトルフォーク装置26は、物品11の取出を指示する制御信号を受信すると、昇降機構52によりシャトルフォーク部53を物品11の高さに応じて昇降させる。さらに、シャトルフォーク装置26は、棚12に配置された物品11と配置面の間の空間に、シャトルフォーク部53のフォーク66をリーチ機構67により差し込む。シャトルフォーク装置26は、昇降機構52によりシャトルフォーク部53を上昇させることにより、シャトルフォーク部53のフォーク66を物品11に接触させる。これにより、フォーク66に物品11から鉛直方向の応力が加わる状態になる。さらに、シャトルフォーク装置26は、リーチ機構67により突き出されたフォーク66を戻すことにより、棚12から物品11を取り出し、ステージ65上に物品11を保持(載置)する。
【0073】
なお、プロセッサ31は、無人搬送車25によるシャトルフォーク装置26の所定位置への移動が完了すると、ストッパ62aによりキャスタ62の回転を静止させる状態にすることを指示する制御信号をシャトルフォーク装置26に送信する。これにより、シャトルフォーク装置26は、シャトルフォーク部53のフォーク66を介して生じる応力によって移動することを防ぐことができる。即ち、プロセッサ31は、シャトルフォーク装置26を無人搬送車25により移動させる場合、ストッパ62aによるキャスタ62の回転の静止を解除する。また、プロセッサ31は、シャトルフォーク装置26を停止させたままにする場合、ストッパ62aによりキャスタ62の回転を静止させる。
【0074】
プロセッサ31は、シャトルフォーク部53による物品11の取り出しが完了すると、無人搬送車25に移動を指示する制御信号を送信する(ステップS22)。プロセッサ31は、この場合、取り出した物品11の搬送先(荷降ろし先)を移動先として示す制御信号を無人搬送車25に送信する。図10に示されるように、無人搬送車25は、制御信号を受信すると、シャトルフォーク装置26を制御信号で指定された位置に移動させる。
【0075】
プロセッサ31は、無人搬送車25の所定位置への移動が完了すると、シャトルフォーク装置26に物品11の荷降しを指示する制御信号を送信し(ステップS23)、ステップS18の処理に移行する。図11に示されるように、シャトルフォーク装置26は、荷降しを指示する制御信号を受信すると、物品11を支持した状態のフォーク66をリーチ機構67により突き出し、昇降機構52によりシャトルフォーク装置26を下降させ、フォーク66を戻すことにより、物品11を任意の位置に降ろす。
【0076】
即ち、プロセッサ31は、取り出す物品11の位置が無人搬送車25によって取り出し不可能な位置であると判断した場合、無人搬送車25とシャトルフォーク装置26とを協働させて物品11を棚12から取り出すように、制御信号を無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26に送信する。これにより、プロセッサ31は、無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26に第2棚15の物品11の荷役処理を行わせることができる。なお、プロセッサ31は、荷降しが完了した無人搬送車25及びシャトルフォーク装置26に所定の位置に戻るように制御信号を送信してもよい。
【0077】
上記のように、荷役装置であるシャトルフォーク装置26は、無人搬送車25が接続され、無人搬送車25によって移動される昇降用基部51と、物品11が配置された棚12から物品11を取り出すシャトルフォーク部53と、シャトルフォーク部53を昇降させる昇降機構52とを備える。このような構成によると、無人搬送車25により取り出し不可能な棚12から物品11を取り出す際に、無人搬送車25によりシャトルフォーク装置26を所定位置に移動させ、シャトルフォーク装置26によって棚12から物品11を取り出すことができる。この結果、効率よく棚から物品の取出しを行うことができる。
【0078】
なお、物品11と配置面との間に空間を形成する基部を物品11が備えると説明したが、この構成に限定されない。物品11を第1棚14及び第2棚15の配置面より高い位置で支持し、物品11と配置面との間にフォーク66を差し込み可能な空間を形成する支持部材が、第1棚14及び第2棚15に設けられていてもよい。また、物品11が、フォーク66を差し込み可能な空間を有する形状の容器によって構成されていてもよい。
【0079】
また、上記の実施形態では、シャトルフォーク装置26の昇降用基部51が、無人搬送車25のリフタ43と接するテーブル64を備える構成であると説明したが、この構成に限定されない。シャトルフォーク装置26は、テーブル64の代わりに昇降機構52によって昇降するステージを複数備える構成であってもよい。この場合、ステージの床面13と対向する面が、無人搬送車25のリフタ43と接するように構成される。これにより、シャトルフォーク装置26は、より様々な寸法の無人搬送車25によって接続可能になる。
【0080】
また、シャトルフォーク装置26は、シャトルフォーク部53が搭載されているステージ65を、無人搬送車25のリフタ43と接する位置まで下降させる構成であってもよい。この場合、シャトルフォーク装置26からテーブル64が省略され、ステージ65がテーブル64の機能も兼ねるように構成されていてもよい。
【0081】
図12は、シャトルフォーク装置26の他の例であるシャトルフォーク装置26Aについて説明する為の説明図である。図12に示されるように、シャトルフォーク装置26Aは、昇降用基部51A、昇降機構52、シャトルフォーク部53、通信部54、電源部55、及びコントローラ56を備える。
【0082】
また、図12では、第2棚15に物品11が配置され、床面13と同じ高さの第1棚14に、物品11に対してより高さのある移動棚16が配置されている例を示している。移動棚16は、物品11と同様に、配置されている状態で無人搬送車25が潜り込むことが可能な空間ができるように構成されている。移動棚16には、商品、部品、郵便物などの種々の物品11が収容されている。このような場合、物品識別情報と移動棚16固有の移動棚識別情報と棚識別情報とが予め対応付けられている。制御装置24のプロセッサ31は、物品識別情報から移動棚識別情報及び棚識別情報を抽出することにより、指示された物品11が収容されている移動棚16の位置を特定することができる。この場合、無人搬送車25により第1棚14の移動棚16が移動され、シャトルフォーク装置26Aにより、第2棚15の物品11が移動される。
【0083】
昇降用基部51Aは、シャトルフォーク装置26Aの本体である。昇降用基部51Aには、昇降機構52、シャトルフォーク部53、通信部54、電源部55、及びコントローラ56などが設けられる。昇降用基部51Aは、昇降機構52、シャトルフォーク部53、通信部54、電源部55、及びコントローラ56を移動可能に構成されている。昇降用基部51Aは、例えば、フレーム61と、キャスタ62と、弾性部材63と、ステージ65Aとを備える。
【0084】
ステージ65Aは、シャトルフォーク部53が搭載され、且つ昇降機構52によって昇降される構成である。また、ステージ65Aは、シャトルフォーク部53が取出した物品11が載置される。また、ステージ65Aは、無人搬送車25のリフタ43の接触面と接する面を備える。即ち、ステージ65Aは、無人搬送車25とシャトルフォーク装置26Aとを接続する接続部として機能する。
【0085】
制御装置24のプロセッサ31は、無人搬送車25をシャトルフォーク装置26Aのステージ65Aの床面13と対向した面と、床面13との間に移動させ、昇降機構52によりステージ65Aを下降させる。ステージ65Aと無人搬送車25(のリフタ43)とが接触すると、昇降機構52は、ステージ65Aの加工を停止させる。これにより、無人搬送車25とシャトルフォーク装置26Aとが接続される。この結果、シャトルフォーク装置26Aは、無人搬送車25の走行に応じて移動する。
【0086】
このような構成によると、テーブル64を省略することが可能になる。また、無人搬送車25の寸法によらず、無人搬送車25とシャトルフォーク装置26Aとを接続させることが可能になる。
【0087】
また、上記の実施形態では、無人搬送車25がシャトルフォーク装置26に接続し、棚12から物品11を取り出す構成について説明したが、この構成に限定されない。倉庫管理システム1は、吸着パッドまたはロボットハンドなどが用いられた把持部と、把持部を移動させるアーム機構とが組み合わされたロボットアームなどの荷役装置に無人搬送車25が接続し、棚12から物品11を取り出させる構成であってもよい。
【0088】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1…倉庫管理システム、11…物品、12…棚、13…床面、14…第1棚、15…第2棚、16…移動棚、21…搬送装置、22…充電スタンド、23…上位サーバ、24…制御装置、25…無人搬送車、26…シャトルフォーク装置、26A…シャトルフォーク装置、27…ネットワーク、28…アクセスポイント、31…プロセッサ、32…メモリ、33…通信部、41…走行用基部、42…移動機構、43…リフタ、44…検出部、45…通信部、46…電源部、47…コントローラ、51…昇降用基部、51A…昇降用基部、52…昇降機構、53…シャトルフォーク部、54…通信部、55…電源部、56…コントローラ、61…フレーム、62…キャスタ、62a…ストッパ、63…弾性部材、64…テーブル、65…ステージ、65A…ステージ、66…フォーク、67…リーチ機構。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12