(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
A63F7/02 308G
(21)【出願番号】P 2020137676
(22)【出願日】2020-08-17
【審査請求日】2021-10-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 裕
(72)【発明者】
【氏名】瀬沼 太郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】長村 友和
(72)【発明者】
【氏名】小林 基澄
(72)【発明者】
【氏名】三澤 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 優介
(72)【発明者】
【氏名】生熊 亮太
【合議体】
【審判長】小林 俊久
【審判官】▲吉▼川 康史
【審判官】阿部 知
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-81467(JP,A)
【文献】特開2020-103570(JP,A)
【文献】特開2020-81378(JP,A)
【文献】特開2020-68804(JP,A)
【文献】特開2020-137675(JP,A)
【文献】特開2020-58920(JP,A)
【文献】特開2020-58920(JP,A)
【文献】特開2018-118162(JP,A)
【文献】特開2014-184009(JP,A)
【文献】特開2018-42800(JP,A)
【文献】特開2015-208493(JP,A)
【文献】特開2020-105232(JP,A)
【文献】特開2014-18335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動操作が可能なハンドルを備え、
前記ハンドルが設けられた本体枠が、外枠に対して開閉可能に支持された遊技機であって、
前記ハンドルは、径方向外側に向けて突出する複数の指掛部を有し、
前記複数の指掛部のうち、最も突出量の大きい指掛部を特定指掛部とし、
前記ハンドルは、初期位置から最大回動位置までのいずれかの回動位置へ回動操作されることで、遊技媒体の発射強度を調節可能であり、
前記ハンドルの回転中心から前記特定指掛部の先端部までの距離を第1距離とし、
前記ハンドルの回転中心から前記本体枠の下側の縁までの距離を第2距離とすると、
前記第1距離が前記第2距離より大きくなっており、
前記複数の指掛部の何れの指掛部も、前記ハンドルが前記初期位置に位置している状態で、前記本体枠の下側の縁よりも下方に突出せず、
前記複数の指掛部の何れの指掛部も、前記ハンドルが前記初期位置に位置している状態で、前記本体枠の右側の縁よりも右方に突出せず、
前記複数の指掛部の何れの指掛部も、前記ハンドルが前記最大回動位置に位置している状態で、前記本体枠の下側の縁よりも下方に突出せず、
前記複数の指掛部の何れの指掛部も、前記ハンドルが前記最大回動位置に位置している状態で、前記本体枠の右側の縁よりも右方に突出せず、
前記特定指掛部は、前記ハンドルが前記初期位置に位置している状態で、他の指掛部に対し、前記本体枠の右側の縁から最も離れた位置に配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技機(パチンコ機)では、遊技者が遊技球の発射強度を調節可能なハンドルを操作することにより遊技盤内の遊技領域に向かって遊技球が発射され、遊技領域を流下した遊技球が始動口に入球したことを条件に特別図柄に係る抽選が実行される。そして、遊技機では、特別図柄表示器において、特別図柄が変動表示され、さらに、抽選によって決定された特別図柄が停止表示されることで遊技者に抽選結果が報知される。このとき、遊技機では、特別図柄表示器に大当たりであることを示す特定の特別図柄が停止表示されると、通常の遊技に比べて遊技者に有利な大役遊技が開始される。大役遊技が開始された場合、遊技機では、アタッカー装置が所定回数開閉し、大入賞口への遊技球の入球が可能になるため、遊技者が多くの賞球の払い出しを受けることが可能となる。
【0003】
上述したような遊技機にあっては、遊技に関する制御を行う主制御基板と、演出に関する制御を行う副制御基板とが備えられており、その副制御基板には音量を調整可能なロータリースイッチ(所謂ボリュームスイッチ)が設けられている。このロータリースイッチによる音量の調整は、例えば遊技場の管理者が施錠を解除して扉となる中枠を開放することで調整可能となるように構成されている。また、近年、副制御基板に設けられたロータリースイッチとは別に、例えば遊技機の前面に配置された十字キー等を遊技者が操作することで音量の調整が行えるように構成されている。
【0004】
ところで、遊技機にあっては、遊技の演出に合わせて出力される音(以下、演出音という)の他に、例えば玉詰まり等の不具合や不正行為が検出された際にエラー時に出力される音(以下、エラー音という)があるが、上述のような音量の調整によって音量を小さくした際に、エラー音まで小さくなってしまうと、遊技場の管理者がエラーの発生に気付き難くなるという問題がある。そのため、ロータリースイッチによる演出音の音量の調整に対して、エラー音の音量の調整を独立させたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、遊技場の管理者にとっては、遊技場に設置された遊技機の台数が多いと、演出音とエラー音とを別々に調整する作業負荷が大きくなってしまうという問題がある。一方で、エラー音の音量を固定してしまうと、遊技場での環境に合わせた音量の調整ができなくなるので、エラー音についても音量の調整が可能となることが要望される。そして、遊技場の管理者が設定したエラー音の音量の調整が例えば遊技者によって勝手に小さく調整されると、エラーの発生に気付き難くなるという問題もある。要するに、遊技者が遊技する上で音量の調整が可能なサービスを提供したいものの、遊技場の管理者が意図して行った音量の調整については調整されたくないという、相反する要望がある。
【0007】
また、例えば、遊技機を搬送する際や遊技機を開閉する際に、ハンドルが周辺の設備や遊技機の接地面等に接触し、ハンドルが破損したり変形したりすると、遊技球の発射強度を調節する機能が変化し、公正な遊技に影響を与える虞がある。
【0008】
そこで本発明は、公正な遊技を担保することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、回動操作が可能なハンドルを備え、前記ハンドルが設けられた本体枠が、外枠に対して開閉可能に支持された遊技機であって、前記ハンドルは、径方向外側に向けて突出する複数の指掛部を有し、前記複数の指掛部のうち、最も突出量の大きい指掛部を特定指掛部とし、前記ハンドルは、初期位置から最大回動位置までのいずれかの回動位置へ回動操作されることで、遊技媒体の発射強度を調節可能であり、前記ハンドルの回転中心から前記特定指掛部の先端部までの距離を第1距離とし、前記ハンドルの回転中心から前記本体枠の下側の縁までの距離を第2距離とすると、前記第1距離が前記第2距離より大きくなっており、前記複数の指掛部の何れの指掛部も、前記ハンドルが前記初期位置に位置している状態で、前記本体枠の下側の縁よりも下方に突出せず、前記複数の指掛部の何れの指掛部も、前記ハンドルが前記初期位置に位置している状態で、前記本体枠の右側の縁よりも右方に突出せず、前記複数の指掛部の何れの指掛部も、前記ハンドルが前記最大回動位置に位置している状態で、前記本体枠の下側の縁よりも下方に突出せず、前記複数の指掛部の何れの指掛部も、前記ハンドルが前記最大回動位置に位置している状態で、前記本体枠の右側の縁よりも右方に突出せず、前記特定指掛部は、前記ハンドルが前記初期位置に位置している状態で、他の指掛部に対し、前記本体枠の右側の縁から最も離れた位置に配置されている、ことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、公正な遊技を担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係るパチンコ機の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係るパチンコ機の外観構成を示す正面図である。
【
図3】本実施形態に係る遊技盤を示す正面図である。
【
図4】本実施形態に係る操作ハンドルを示す拡大図である。
【
図5】本実施形態に係る操作ハンドルの操作トルクを示すグラフで、(A)実施例1及び比較例の操作トルクを示すグラフ、(B)実施例2及び比較例の操作トルクを示すグラフ。
【
図6】本実施形態に係る枠上意匠部の形状を示す断面図である。
【
図7】本実施形態に係る遊技盤を示す分解図である。
【
図8】本実施形態に係る遊技盤を示す図で、(A)正面図、(B)断面図。
【
図9】本実施形態に係る外レールを示す図で、(A)外レールの正面図、(B)外レールの側面図、(C)
図9(B)における外レールの矢視図。
【
図10】本実施形態に係るパチンコ機の機能ブロックを示す図である。
【
図11】本実施形態に係る遊技演出音の音量設定を示す表である。
【
図12】本実施形態に係る初期演出音の音量設定を示す表である。
【
図13】本実施形態に係るエラー音の音量設定を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0016】
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技価値(遊技球)を用いた遊技を行う遊技機であるパチンコ機1の斜視図であり、
図2は、パチンコ機1の正面図である。
図1及び
図2に示すように、パチンコ機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた扉部としての中枠5と、中枠5にヒンジ機構によって開閉可能に取り付けられた本体枠4と、を備えている。本体枠4は、外枠2に取り付けられる中枠5と、中枠5にヒンジ機構によって開閉可能に取り付けられた前枠6と、を備えている。また、中枠5は、外枠2に対して着脱可能に取り付けられており、前枠6は、中枠5に対して着脱可能に取り付けられている。
【0017】
中枠5は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されている。パチンコ機1では、中枠5の囲繞空間に遊技盤30(
図3参照)を保持している。また、前枠6には、板面を平行にして前後方向に並べられたガラス製又は樹脂製の透過板471,472(
図6参照)を有するガラスユニット11が保持されている。そして、パチンコ機1では、中枠5及び前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤30においてベースとなり、パチンコ機1を正面視した場合における中枠5の前面に設置される遊技板31(
図3参照)と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、パチンコ機1の正面側から、透過板471,472を介して遊技盤30が視認可能となる。
【0018】
前枠6の右下部には、パチンコ機1の正面側に突出し、遊技球の発射強度を調節可能な操作ハンドル12が設けられている。操作ハンドル12には、遊技者によって回転操作可能な発射操作レバー12aが設けられており、回動中心12cを中心として、前枠6に対して回動自在に支持されている。遊技者が発射操作レバー12aを回転させて発射操作を行うと、発射操作レバー12aの回動角度(回動位置)に応じた強度で、発射装置495によって遊技価値としての遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤30の遊技板31の表面である遊技盤面31a(
図3参照)に設けられた外レール(レール)32に案内され、外レール32と内レール33との間を上昇して遊技領域40に導かれることになる。なお、操作ハンドル12は、本体枠4に設けられていればよく、例えば、中枠5に設けられていてもよい。
【0019】
図3は、本実施形態に係る遊技盤30の正面図である。
図3に示すように、遊技領域40は、遊技盤面31aと遊技盤面31aの前方に配置されたガラスユニット11(透過板472、
図1参照)との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下又は転動可能な領域である。遊技盤30には、上述した外レール32や内レール33、外レール32を保持する外レール保持部材35、遊技盤面31aに設けられた多数の釘や風車を有しており、外レール32によって遊技領域40に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。また、遊技盤30には、後述する主制御部100、副制御部200等の制御基板等が設けられている。
【0020】
遊技領域40は、発射装置495の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域40L及び第2遊技領域40Rを備えている。第1遊技領域40Lは、パチンコ機1に正対した遊技者から見て遊技領域40の左側に位置し、第2遊技領域40Rは、パチンコ機1に正対した遊技者から見て遊技領域40の右側に位置している。パチンコ機1では、内レール33が遊技領域40の左側の上部で途切れていることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球が第1遊技領域40Lに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球が第2遊技領域40Rに進入することになる。
【0021】
また、遊技領域40には、遊技球が入球可能な第1始動口51、第2始動口52、複数の第1一般入賞口58、第2一般入賞口59、が設けられており、詳細には、第1遊技領域40Lに進入した遊技球は、第1始動口51、複数の第1一般入賞口58に入球可能であり、第2遊技領域40Rに進入した遊技球は、第2始動口52、第2一般入賞口59に入球可能であるように構成されている。第1始動口51、第2始動口52、第1一般入賞口58、第2一般入賞口59のそれぞれに遊技球が入球すると、それぞれに設定された所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、パチンコ機1において、賞球数は、1個以上であれば何個でもよく、また、第1始動口51、第2始動口52、第1一般入賞口58、第2一般入賞口59のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。パチンコ機1では、第1始動口51に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口52に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
【0022】
本実施形態のパチンコ機1では、第1始動口51内に第1始動領域が設けられ、第2始動口52内に第2始動領域が設けられている。そして、パチンコ機1では、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球して第1始動領域又は第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1つの特別図柄を決定するための内部抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当たり遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の特典(遊技利益)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の特典を受ける権利獲得の抽選の機会を獲得することとなる。
【0023】
また、第2始動口52には、可動片52aが開閉可能に設けられており、可動片52aの状態に応じて、第2始動口52への遊技球の進入容易性が変化するように構成されている。具体的には、可動片52aが閉状態にあるときには、第2始動口52への遊技球の入球が不可能となり、可動片52aが開き、遊技球の直径よりも開いた状態にあるときには、第2始動口52への遊技球の入球が可能となっている。
【0024】
パチンコ機1では、第2遊技領域40Rに設けられたゲート53内の進入領域を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、抽選によって当たりに当選すると、可動片52aが所定時間、開状態に制御される。可動片52aが開状態に制御されることで、本実施形態のパチンコ機1では、可動片52aが遊技球を第2始動口52に導く受け皿として機能し、第2始動口52への遊技球の入球が容易となる。なお、パチンコ機1は、可動片52aが閉状態にあるときに、第2始動口52への遊技球の入球が不可能となるように構成されているが、第2始動口52が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成されていてもよい。
【0025】
なお、第2遊技領域40Rの上部には、ワープ導入口56及びワープ排出口57が設けられており、第2遊技領域40Rに進入した遊技球のうち、右側を流下する遊技球はワープ導入口56から遊技盤30の背面側を通過してワープ排出口57に導かれ、再度、ゲート53の上部で第2遊技領域40Rに戻される。
【0026】
第2遊技領域40Rの下方側には、遊技球が入球可能な大入賞口65を有する大入賞口装置60が設けられている。大入賞口装置60には、開閉扉61が大入賞口65を開閉可能となるように設けられており、通常、開閉扉61が大入賞口65を閉鎖して、大入賞口65への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、パチンコ機1では、大当たり遊技が実行されると、開閉扉61が開放されて、大入賞口65への遊技球の入球が可能となる。なお、大入賞口装置60には、開閉扉61の開閉と連動して上下に回動する回動部材62が設けられており、開閉扉61が開放された際に回動部材62が上方に回動して、上方から流下してくる遊技球を受け止めて大入賞口65に導き易くなる入賞補助を行うように構成されている。
【0027】
そして、大入賞口65に遊技球が入球すると、大入賞口検出センサ67により遊技球の通過が検出され、所定の賞球が遊技者に払い出される。そして、大入賞口65から入球した遊技球は、下方側に配置された排出口69を通過して大入賞口装置60の背面側から外部に排出される。なお、大入賞口検出センサ67を通過した遊技球は、遊技球検出センサである大入賞口排出検出センサ68により通過が検出され、所定時間以内に大入賞口装置60の排出口69から遊技盤30の背面に適切に排出されたか否かが検出される。
【0028】
また、第2始動口52及び大入賞口65に入球しなかった遊技球は、大入賞口装置60をそのまま通過して、第2一般入賞口59の上方に導かれ、第2一般入賞口59に入賞するか、或いはそのまま下方に流下する。なお、第2一般入賞口59は、例えば賞球を1個に設定し、第1遊技領域40Lを狙って遊技球を発射すべき状態で入賞を検出した際に、第1遊技領域40Lを狙うべき旨(つまり左打ちの推奨)を報知するように構成しておくことが可能である。
【0029】
そして、遊技領域40の最下部には、第1一般入賞口58、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口65、第2一般入賞口59、のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域40から遊技盤30の背面側に排出する排出口55が設けられている。
【0030】
また、
図1及び
図2に示すように、パチンコ機1には、遊技状態の変化や各入賞口への入球の有無、各種抽選結果等の遊技の進行に応じた演出を実行する演出装置として、液晶表示装置からなる画像を表示する表示装置(表示部)としての演出表示装置400、演出役物装置410、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置420、スピーカからなる音響出力装置430、遊技者の演出に関する操作を受け付ける演出操作装置450、枠上意匠部4610、遊技盤意匠部4620が設けられている。
【0031】
演出表示装置400は、遊技盤30の略中央部分において、パチンコ機1の正面側から視認可能な位置に画像を表示する画像表示装置としての画像表示部400aを備えており、パチンコ機1を正面視した場合において中枠5の背面側に設置されることで遊技板31よりも奥側に設けられている。つまり、本実施形態のパチンコ機1では、画像表示部400aよりも手前に遊技板31が位置している。
【0032】
演出表示装置400は、
図2に示すように、画像表示部400aに左側、中央、右側にそれぞれ配置された演出図柄401L、401C,401Rが変動表示され、演出図柄401L、401C,401Rの停止表示態様によって大当たり抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。なお、画像表示部400aには、詳しくは後述するように音量調整を行う際にポップアップされる音量表示画像402が表示される。音量表示画像402には、音量を数値で示す音量値402aと、音量値を視覚的に表示するレベルメータ402bとが含まれている。
【0033】
演出役物装置410は、演出表示装置400の画像表示部400aよりも前方に配置され、通常、画像表示部400aの表示を邪魔しないように縮退しているが、演出図柄401L、401C,401Rの変動表示中等に、画像表示部400aの前方に進出するように移動する等して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
【0034】
図1乃至
図3に示すように、演出照明装置420は、例えば光源としてのLEDやLEDから照射される光を拡散するレンズ等を有して構成され、演出役物装置410や遊技盤30等に設けられており、演出表示装置400に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0035】
遊技盤意匠部4620は、遊技盤30に設けられており、円弧状に形成された外レール32の内側に配置されている。遊技盤意匠部4620は、その上面4620aと外レール32の内面32aとの間に、遊技領域40の上端部を通る遊技球が案内される上通路(遊技球通路)40Uを形成している。言い換えると、外レール32の内面32aによって、上通路40Uの上面40U1が形成され、遊技盤意匠部4620の上面によって、上通路40Uの下面40U2が形成される。また、遊技盤意匠部4620は、光源としてのLEDやLEDから照射される光を拡散するレンズ等を有して構成され、演出役物装置410や演出表示装置400に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0036】
図1に示すように、音響出力装置430は、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置に設けられた、いわゆるスピーカであって、演出表示装置400に表示される画像等に合わせて、パチンコ機1の正面側に向けてさまざまな演出に関する音を出力する。なお、音(音響)には、楽音、噪音、音声、擬音等、音に関するすべての概念を含む。また、音響出力装置430から出力される音の種類としては、詳しくは後述するように、遊技に関する演出の演出音(以下、「遊技演出音」という)、デモ画面等の初期演出に関する演出音(以下、「初期演出音」という)、エラー時のエラー音が含まれる。
【0037】
演出操作装置450は、遊技者による押下操作を受け付ける演出押下ボタン451と、遊技者による演出操作装置450全体を回動させる回動操作を受け付ける演出回動レバー452と、遊技者による演出照明装置420の輝度の変更操作を受け付ける輝度操作キー453と、遊技者による音響出力装置430の音量の変更操作を受け付ける音量操作キー454と、遊技者による方向操作を受け付ける十字キー455と、を有しており、パチンコ機1の幅方向略中央位置であって、かつ、ガラスユニット11の下部の前方に設けられている。演出操作装置450は、演出表示装置400に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、演出表示装置400や演出役物装置410を用いたさまざまな演出が実行される。
【0038】
枠上意匠部(意匠部)4610は、前枠6の前面上部に配置されて、前枠6を装飾している。枠上意匠部4610は、例えば、光源としてのLED、LEDから照射される光を拡散するレンズ、不図示の演出役物装置等を有して構成され、演出表示装置400に表示される画像等に合わせて、さまざまに制御される。
【0039】
また、演出操作装置450の後方には、パチンコ機1から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿22が設けられ、上皿22の下方に下皿24が設けられている。パチンコ機1では、上皿22が遊技球で一杯になると、上皿22に進入できない遊技球が下皿24に導かれることとなる。また、下皿24の底面には、下皿24から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きボタン24aを押下操作することにより、上記開閉板がスライド移動する等して球抜き孔が開放され、球抜き孔から下皿24の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0040】
そして、
図2に示すように、遊技盤30には、遊技領域40の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、遊技に係る種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示器71、第2特別図柄表示器72、第1特別図柄保留表示器73、第2特別図柄保留表示器74、普通図柄表示器75、普通図柄保留表示器76、及び右打ち報知表示器77(
図3参照)を有する情報表示装置70が設けられている。
【0041】
<操作ハンドルの形状>
次に、
図4を参照して、パチンコ機1の操作ハンドル12の形状について説明する。
図4は、発射操作レバー12aが遊技者によって回動操作されていない初期位置に位置している状態を示す図である。発射操作レバー12aは、略円環状に形成されており、径方向外側に向けて突出する指掛部12a0を有している。指掛部12a0は、それぞれ径方向外側に向けて突出する複数の指掛部(指掛突出部)である第1指掛部(第1指掛突出部)12a1、第2指掛部(第2指掛突出部)12a2、第3指掛部(第3指掛突出部)12a3によって構成されている。
【0042】
第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、発射操作レバー12aの円周上においてそれぞれ異なる位置に配置されている。これにより、遊技者が発射操作レバー12aを回動操作する際に、複数の指を第1指掛部12a1~第3指掛部12a3に同時に掛けることが可能となっている。
【0043】
また、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、それぞれ回動中心12c(
図1参照)から頂点までの距離が異なるように形成されている。具体的には、回動中心12cから各指掛部の頂点(先端)までの距離は、第1指掛部(最大指掛部)12a1が最も大きく、第3指掛部(最小指掛部)12a3が最も小さくなっている。例えば、回動中心12cから第1指掛部12a1の頂点までの距離は、53.4mm、回動中心12cから第2指掛部12a2の頂点までの距離は、45.6mm、回動中心12cから第3指掛部12a3の頂点までの距離は、39.3mmとなっている。
【0044】
本実施形態においては、発射操作レバー12aが初期位置に位置している状態で、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、それぞれの頂点の位置が、前枠6の下側の縁S1よりも上方に配置されている。言い換えると、発射操作レバー12aが初期位置に位置している状態で、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、前枠6の下側の縁S1よりも下に突出していない。
【0045】
これにより、例えば、前枠6を中枠5に対して開放した状態や、前枠6を中枠5から取り外した状態で床等へ置いた場合などにおいて、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3が周辺の設備やパチンコ機1の設置面等に接触して操作ハンドル12が傷ついたり破損したり変形したりすることを抑制し、公正な遊技を担保することができる。
【0046】
なお、本実施形態において、中枠5の下側の縁S2は、前枠6の下側の縁S1よりもやや下方に配置されており、中枠5の下側の縁S2が、本体枠4の下側の縁となっている。このため、前枠6を中枠5に対して閉じて、かつ中枠5を外枠2に対して開放した状態や、中枠5を外枠2から取り外した状態においても、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3が周辺の設備やパチンコ機1の設置面等に接触して操作ハンドル12が破損することを抑制可能となっている。
【0047】
更に、本実施形態においては、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、それぞれの頂点の位置が、回動中心12cよりも上方に配置されている。言い換えると、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3のそれぞれの頂点は、前枠6の下側の縁S1に対し、回動中心12cよりも離れた位置に配置されている。これにより、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3が周辺の設備やパチンコ機1の設置面等に、より接触しにくくして、操作ハンドル12の破損を抑制している。なお、本実施形態において、回動中心12cは、遊技機の設置面に略平行となるように形成されている。
【0048】
また、発射操作レバー12aが初期位置に位置している状態で、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、前枠6の右側の縁M1よりも左方に配置されている。これにより、例えば、前枠6を中枠5に対して開放した状態や、前枠6を中枠5から取り外した状態で、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3が周辺の設備等に接触しにくくして操作ハンドル12の破損を抑制するとともに、作業者が前枠6を取り扱う際に第1指掛部12a1~第3指掛部12a3が作業者に触れにくくして作業性を向上させている。
【0049】
なお、実施形態において、中枠5の右側の縁M2は、前枠6の右側の縁M1よりもやや右方に配置されており、中枠5の右側の縁M2が、本体枠4の右側の縁となっている。また、外枠2の右側の縁M3は、中枠5の右側の縁M2よりもやや右方に配置されており、外枠2の右側の縁M3が、パチンコ機1の左側の縁となっている。このため、前枠6を中枠5に対して閉じた状態において、中枠5を外枠2に対して開放した状態、中枠5を外枠2から取り外した状態、前枠6及び中枠5をともに閉じた状態においても、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3が周辺の設備や作業者等に接触しにくくして、操作ハンドル12の破損の抑制や作業性の向上が可能となっている。
【0050】
更に、本実施形態においては、発射操作レバー12aの初期位置からの回動操作方向であるA方向(
図4に示す時計方向)において、第1指掛部12a1が最も上流に配置されており、第3指掛部12a3が最も下流に配置されている。また、発射操作レバー12aが初期位置に位置している状態において、第1指掛部12a1は、最も左方に配置されており、第3指掛部12a3は、最も右方に配置されている。言い換えると、第1指掛部12a1は、前枠6の右側の縁M1から最も離れた位置に配置されている。
【0051】
このように、本実施形態においては、回動中心12cから頂点までの距離が最も大きい指掛部、即ち最も突出量が大きい指掛部である第1指掛部12a1が、前枠6の右側の縁M1から最も離れた位置に配置されている。これにより、最も突出量が大きい第1指掛部12a1が周辺の設備等に接触しにくくして操作ハンドル12の破損を抑制するとともに、第1指掛部12a1が作業者に触れにくくして作業性を向上させている。
【0052】
発射操作レバー12aは、
図4に示す初期位置から、回動操作可能な範囲における回動量が最大となる
図4の12a’で示す最大回動位置(フルストローク位置)までの間で、回動自在に支持されている。なお、本実施形態においては、発射操作レバー12aが最大回動位置に位置する状態で遊技球が発射されることで、遊技球を遊技領域40の右端へ向けて発射する、所謂右打ちが可能となっている。
【0053】
本実施形態においては、発射操作レバー12aが最大回動位置に位置している状態で、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、それぞれの頂点の位置が、前枠6の下側の縁S1よりも上方に配置されている。言い換えると、発射操作レバー12aが最大回動位置に位置している状態で、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、前枠6の下側の縁S1よりも下に突出していない。また、言い換えると、発射操作レバー12aが最大回動位置に位置している状態で、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3の最下点12a’3は、前枠6の下側の縁S1よりも上方に位置している。これにより、発射操作レバー12aが最大回動位置に位置している状態においても、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3が周辺の設備やパチンコ機1の設置面等に、より接触しにくくして、操作ハンドル12の破損を抑制可能となっている。
【0054】
更に、本実施形態においては、発射操作レバー12aが初期位置から最大回動位置までの如何なる回動位置に位置している状態でも、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、それぞれの頂点の位置が、前枠6の下側の縁S1よりも上方に配置されている。言い換えると、発射操作レバー12aが初期位置から最大回動位置までの如何なる回動位置に位置している状態でも、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、前枠6の下側の縁S1よりも下に突出していない。
【0055】
これにより、発射操作レバー12aが任意の回動位置に位置している状態においても、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3が周辺の設備やパチンコ機1の設置面等に、より接触しにくくして、操作ハンドル12の破損や傷つきを抑制可能となっている。また、本体枠4を外枠2から取り外して床等に置いた状態で、発射操作レバー12aを回動させた場合でも、発射操作レバー12aが床等に接触することを抑制し、操作ハンドル12の破損や傷つきを抑制可能となっている。
【0056】
なお、発射操作レバー12aは、初期位置から回動を開始すると、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3の全てが前枠6の右側の縁M1(中枠5の右側の縁M2)に近づく方向へ移動する。このため、前枠6の右側の縁M1(中枠5の右側の縁M2)は、発射操作レバー12aの回動方向における第1指掛部12a1~第3指掛部12a3の下流側の縁であるともいえる。
【0057】
また、本実施形態においては、発射操作レバー12aが最大回動位置に位置している状態で、第1指掛部12a1は、頂点の位置が、当該頂点の回動軌道上における最下点に位置していない。これにより、発射操作レバー12aが最大回動位置に位置している状態において、第1指掛部12a1が周辺の設備やパチンコ機1の設置面等に、より接触しにくくして、操作ハンドル12の破損を抑制可能となっている。
【0058】
また、発射操作レバー12aが最大回動位置に位置している状態で、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、前枠6の右側の縁M1よりも右方に突出しない。言い換えると、発射操作レバー12aが最大回動位置に位置している状態で、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3の右端12a’2は、前枠6の右側の縁M1よりも左方に位置している。これにより、発射操作レバー12aが最大回動位置に位置している状態においても、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3が周辺の設備等に接触しにくくして操作ハンドル12の破損を抑制するとともに、作業者が前枠6を取り扱う際に第1指掛部12a1~第3指掛部12a3が作業者に触れにくくして作業性を向上させている。
【0059】
更に、本実施形態においては、発射操作レバー12aが初期位置から最大回動位置までの如何なる回動位置に位置している状態でも、第1指掛部12a1~第3指掛部12a3は、前枠6の右側の縁M1よりも右方に突出しない。これにより、発射操作レバー12aが任意の回動位置に位置している状態においても、操作ハンドル12の破損を抑制するとともに、作業性を向上可能となっている。
【0060】
<操作ハンドルの操作トルク>
次に、操作ハンドル12(発射操作レバー12a)の操作トルクについて説明する。本実施形態において、発射操作レバー12aは、不図示のばねによって最大回動位置から初期位置に向けて付勢されている。これにより、発射操作レバー12aの操作トルク(操作力)は、初期位置からの回動量が大きいほど操作トルクが大きい。
【0061】
例えば、発射操作レバー12aの初期位置での操作トルク、即ち初期位置からの回動開始に必要な操作トルク(初動トルク)を第1操作トルクT1、初期位置と最大回動位置との間の回動位置である左打ち基準位置での操作トルクを第2操作トルクT2、最大回動位置での操作トルク、即ち最大回動位置に発射操作レバー12aを維持するための最小操作トルク(最大トルク)を第3操作トルクT3とすると、第2操作トルクT2が第1操作トルクT1よりも大きく、第3操作トルクT3が、第2操作トルクT2よりも大きい(T1<T2<T3)。
【0062】
なお、詳しくは、左打ち基準位置とは、遊技者が所定の位置を狙って遊技球を打ち込むことで所定の入賞口(本例では第1始動口51)へ入球する可能性が相対的に高いとされる位置(所謂「ぶっ込み位置」)に向けて遊技球が発射される発射強度となる発射操作レバー12aの回動位置である。
【0063】
通常、遊技者は、遊技を行なう際に最大回動位置よりも初期位置側の回動位置(例えば、上記ぶっ込み位置)へ向けて遊技球が発射されるように発射操作レバー12aの回動位置を調節する。このため、遊技者は、回動位置の調節と共に操作トルクの調節も行う必要がある。
【0064】
本実施形態においては、発射操作レバー12aの回動位置の変化に伴う操作トルクの変化を抑制することで、遊技者の操作負担を軽減している。具体的には、発射操作レバー12aの操作トルクは、第3操作トルクT3が、第2操作トルクT2の2倍以下となっている(T3≦2×T2)。これにより、発射操作レバー12aの回動位置の変化に伴う操作トルクの変化を抑制し、遊技者は、発射操作レバー12aの回動操作を行う際に、回動位置の調節に専念しやすくなり、遊技者の疲労を抑制して操作負担を軽減することができる。
【0065】
更に、本実施形態においては、第2操作トルクT2が、第1操作トルクT1の2倍以下となっている(T2≦2×T1)。これにより、更に遊技者の疲労を抑制して操作負担を軽減することができる。
【0066】
図5(A)は、実施例1及び比較例における発射操作レバー12aの操作トルクを示すグラフ、
図5(B)は、実施例2及び比較例における発射操作レバー12aの操作トルクを示すグラフである。
【0067】
図5(A)に示すように、実施例1においては、第1操作トルクT1が6.8[Nmm]、第2操作トルクT2が13.6[Nmm]、第3操作トルクT3が23.8[Nmm]となっている。また、
図5(B)に示すように、実施例2においては、第1操作トルクT1が27.2[Nmm]、第2操作トルクT2が54.4[Nmm]、第3操作トルクT3が95.2[Nmm]となっている。
【0068】
このように、実施例1及び実施例2のいずれにおいても、発射操作レバー12aの操作トルクは、第3操作トルクT1が第2操作トルクT2の2倍以下、かつ第2操作トルクT2が第1操作トルクT1の2倍以下となっており、第1操作トルクT1が31[Nmm]、第2操作トルクT2が69[Nmm]、第3操作トルクT3が152[Nmm]である比較例よりも、発射操作レバー12aの回動位置の変化に伴う操作トルクの変化が小さくなっている。
【0069】
また、本実施形態において、発射操作レバー12aの初期位置から左打ち基準位置までの操作角度(例えば、45°)を第1操作角度A1、発射操作レバー12aの初期位置から最大回動位置までの操作角度(例えば、100°)を第2操作角度A2とすると、第1操作角度A1は、第2操作角度A2の半分以下となっている(A1<0.5×A2)。これにより、一般に遊技者が遊技を行なう際に長時間操作される回動位置である左打ち基準位置における操作トルクを抑制するとともに、初期位置から左打ち基準位置までの操作角度(操作量)を抑制して、遊技者の操作負担を抑制することができる。
【0070】
<枠上意匠部の形状>
次に、
図1、
図2、
図6を参照して、前枠6の前面上部に設けられている枠上意匠部4610の形状について説明する。
図6は、遊技領域40の上端部を通る遊技球が案内される上通路40Uにおける上面40U1の頂点40U1aを通る、
図2のE-E断面図である。本実施形態のパチンコ機1では、
図1、
図2、
図6に示すように、枠上意匠部4610は、その前面4610aが遊技領域40およびガラスユニット411の上方において前方に突出するように形成されている。
【0071】
例えば、枠上意匠部4610は、その内部に設けられた照明用のLED基板(不図示)と、これを覆う外装部材4630とを備えており、外装部材4630の内側に、LED基板等を収納するスペースSが形成されている。また、例えば、枠上意匠部4610は、前面4610aに機種名等を表すロゴが付されており、内部に設けられたLED基板によってロゴが光るようになっている。なお、外装部材4630の内側のスペースSに不図示の楽曲出力装置や演出役物装置等が設けられていてもよい。
【0072】
近年、演出表示装置4000や、遊技盤30に設けられる演出役物装置4100等は大型化の傾向があり、遊技領域40の大型化の需要が高まっている。しかしながら、正面視における遊技機のサイズには制限があるため、遊技領域40を拡大すると、遊技領域40の上端と遊技機の上端との上下方向の距離が小さくなり、枠上意匠部4610の上下方向のサイズが縮小して、LED基板や楽曲出力装置等を収納するスペースSが小さくなってしまう。
【0073】
このため、本実施形態においては、枠上意匠部4610の下面4610bの一部を遊技領域40の上端よりも下方に配置することにより、枠上意匠部4610の大型化を図っている。具体的には、上通路40Uの上面40U1の頂点40U1aを通り、上通路40Uの上面40U1の短手方向、即ち前後方向に延びる水平線を基準線K1とした場合、枠上意匠部4610の下面4610bにおける、基準線K1と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分を第1意匠部4611とし、枠上意匠部4610の下面4610bにおける、基準線K1と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分を第2意匠部4612とすると、第1意匠部4611及び第2意匠部は、基準線K1よりも下方に位置している。
【0074】
言い換えると、第1意匠部4611は、上通路40Uの下面40U2のうち、上通路40Uの上面40U1の頂点40U1aの直下に位置する部分を通り、上通路40Uの上面40U1の短手方向、即ち前後方向に延びる水平線を基準線K2とした場合、枠上意匠部4610の下面4610bにおける、基準線K2と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分である。また、言い換えると、第2意匠部4612は、枠上意匠部の下面4610bにおける、基準線K2と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分である。なお、このとき基準線K1(基準線K2)及び第1意匠部4611のいずれとも交わる鉛直線を鉛直線E1とし、基準線K1(基準線K2)及び第2意匠部4612のいずれとも交わる鉛直線を鉛直線E2とする。
【0075】
このように、本実施形態では、第1意匠部4611及び第2意匠部4612が、基準線K1よりも下方に位置していることにより、枠上意匠部4610の大型化を図り、枠上意匠部4610の内部のスペースSを拡大して、前枠6の前面上部における装飾の自由度を向上させている。なお、本実施形態では、第1意匠部4611は、前後方向において、ガラスユニット11に当接または近接配置されている。
【0076】
本実施形態のように、第1意匠部4611及び第2意匠部4612が、基準線K1よりも下方に位置する場合、基準線K1や基準線K2との位置関係によっては、遊技領域40の一部が枠上意匠部4610によって被覆され、上通路40Uを案内される遊技球の視認性が低下してしまう場合が考えられる。このため、本実施形態の枠上意匠部4610の下面4610bは、前側部分が下方に位置し、後側部分が上方に位置するように形成されている。
【0077】
具体的には、本実施形態では、第1意匠部4611と基準線K1との上下方向の距離L2が、遊技球の直径(11mm)以下、かつ第2意匠部4612と基準線K1との上下方向の距離L3が、遊技球の直径以上となるように、枠上意匠部4610の下面852を形成している。なお、第1意匠部4611と基準線K1との上下方向の距離L2は、遊技球の半径以下であることが望ましい。本実施形態においては、距離L2は4mm、距離L3は40mmとなっている。
【0078】
このように枠上意匠部4610の下面4610bを形成することにより、一般的に遊技領域40の上端よりも下方に視点(アイポイント)が位置する遊技者が遊技を行なう場合、第1意匠部4611及び第2意匠部4612が、基準線K1より下方に配置されていても、遊技領域40の視認性の低下を抑制することができる。また、遊技球の発射強度が大きく、遊技球が上通路40Uの上面40U1に接触しながら上通路40Uを通過する場合であっても、遊技球の視認性の低下を抑制することができる。
【0079】
また、第1意匠部4611を基準線K2よりも上方に配置するとともに、第1意匠部4611と基準線K2との上下方向の距離L4が、遊技球の半径以上となるように、かつ第2意匠部4612を基準線K2よりも下方に配置するとともに第2意匠部4612と基準線K2との上下方向の距離L5が、遊技球の直径以上となるように、枠上意匠部4610の下面852を形成してもよい。本実施形態においては、距離L4は14mm、距離L5は22mmとなっている。
【0080】
このように枠上意匠部4610の下面4610bを形成することにより、遊技球の発射強度が小さく、遊技球が上通路40Uの下面40U2に接触しながら上通路40Uを通過する場合に、遊技球の視認性の低下を抑制することができる。
【0081】
なお、枠上意匠部4610の下面4610bの後端の形状は、左右方向に直線的に形成されているものに限らず、例えば、外レール32(
図3参照)の形状に沿って形成されていてもよい。すなわち、下面852の後端が、正面から視た場合に上側に凸となるように湾曲した形状となっていてもよい。
【0082】
<外レールの詳細>
次に、
図7~
図9を参照して、外レール32の詳細を説明する。
図7及び
図8(A)に示すように、本実施形態において、外レール32は、外レール保持部材35を介して遊技板31に取り付けられている。外レール32は、例えば、ステンレス鋼板等の金属板によって帯状に形成されている。
【0083】
外レール保持部材35は、遊技領域40の外形に沿って円弧状に形成された内面35aを有しており、外レール32は、この内面35aに沿うように外レール保持部材35に取り付けられている。なお、外レール保持部材35の内面35aは、外レール32の内面32aを内側に向けて傾斜させるため、後側よりも前側が内側となるように傾斜して形成されていてもよい。このように内面35aが形成されることによって、外レール32によって案内される遊技球が遊技盤面31aに沿って案内されやすくなり、発射された遊技球が透過板472に接触することを抑制することができる。
【0084】
外レール32には、外レール32と外レール保持部材35との位置決めを可能とする所定の位置決め部が長手方向に沿って複数形成されている。具体的には、
図7及び
図9(A)に示すように、外レール32には、外レール保持部材35と位置決めするための位置決め孔(所定の位置決め部)32bが長手方向に沿って複数形成されている。
【0085】
外レール保持部材35には、外レール32の位置決め孔32bに対応する位置に、内面35aから遊技領域40の内方に向かって突出する複数の突出部35bが形成されており、外レール32が外レール保持部材35に保持された状態で、突出部35bが位置決め孔32bに篏合し、外レール32と外レール保持部材35とが位置決めされる。
【0086】
本実施形態において、位置決め孔32bは、突出部35bよりも外レール32の長手方向が長い長孔として形成されており、突出部35bが位置決め孔32bに篏合することで、外レール32と外レール保持部材35とが外レール32の短手方向(前後方向、遊技盤面31aに直交する方向)に位置決めされている。また、外レール32は、発射装置495側の端部である始端32s、及び発射装置495から離れた側の端部である終端32eが、外レール保持部材35に固定されて、長手方向が位置決めされている。
【0087】
図8(B)は、
図8(A)の断面図である。
図8(B)に示すように、位置決め孔32bは、遊技球が接触しない位置に形成されている。具体的には、位置決め孔32bは、遊技盤面31aからの距離が、遊技球の半径以上となるように形成されている。また、突出部35bは、遊技球が遊技盤面31a及び外レール32の内面32aに当接した状態(
図8(B)に示す状態)で、遊技球Tが接触しない位置及び寸法に形成されている。これにより、遊技球が外レール32に沿って案内される際に、遊技球が位置決め孔32bや突出部35bに接触しないので、遊技球の軌道を安定させることができる。
【0088】
なお、外レール32は、位置決め孔32bとは別に、外レール32の位置決めに用いられない孔が形成されていてもよく、例えば、外レール32の生産する際に外レール32を固定するためのガイド孔(
図8(A)の32dを参照)が形成されていてもよい。
【0089】
一般に、外レール32の位置精度は、遊技球の発射精度に影響し、特に、発射装置495(
図2参照)から遊技球が発射されて、最初に外レール32に接触する位置(所謂、第1着座位置)の近傍における位置精度は、遊技球の発射精度への影響が大きい。このため、本実施形態において、外レール32は、終端32eよりも始端32sに近い部分において、より高い精度で位置決めされるように構成されている。
【0090】
具体的には、外レール32の始端32sから左端32hまでの範囲を第1範囲H1とし、左端32hから上端32uまでの範囲を第2範囲H2とした場合、外レール32には、第1範囲H1における位置決め孔32bの数(例えば3個)が、第2範囲H2における位置決め孔32bの数(例えば2個)よりも多くなるように、位置決め孔32bが形成されている。
【0091】
更に、外レール32の上端32uから終端32eまでの範囲を第3範囲H3とした場合、外レール32には、第2範囲H2における位置決め孔32bの数が、第3範囲H3における位置決め孔32bの数(例えば0個)よりも多くなるように、位置決め孔32bが形成されている。なお、本実施形態において、位置決め孔32bは、外レール32の左端32h及び上端32u以外の位置に形成されている。
【0092】
このように、複数の位置決め孔32bを均等な間隔ではなく、上述した配置で形成することにより、外レール32は、始端32sに近い部分、即ち第1着座位置に近い部分において、より高い精度で外レール保持部材35に位置決めされるとともに、第1着座位置において、外レール32に遊技球が当接する際の外レール32の振動やずれを抑制し、遊技球の発射精度を向上させることができる。
【0093】
また、遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技球の発射精度に与える影響が小さい終端32e側は位置決め孔32bの数を相対的に少なくすることにより、位置決め孔32bの総数を抑制して、外レール32の生産性を向上させるとともに、外レール保持部材35への取り付け作業性を向上させている。
【0094】
なお、外レール32に形成された位置決め孔32bの数は上述した数に限定されない。外レール32には、始端32sに近いほど位置決め孔32bが多く形成されていればよく、例えば、外レール32には、第1範囲H1における位置決め孔32bの数が、第2範囲H2における位置決め孔32bの数以上となるように、位置決め孔32bが形成されていてもよい。また、例えば、外レール32には、第2範囲H2における位置決め孔32bの数が、第3範囲H3における位置決め孔32bの数以上となるように、位置決め孔32bが形成されていてもよい。また、例えば、外レール32には、第1範囲H1における位置決め孔32bの数が、第3範囲H3における位置決め孔32bの数以上となるように、位置決め孔32bが形成されていてもよい。
【0095】
また、例えば、外レール32には、第1範囲H1における位置決め孔32bの数が、第2範囲H2及び第3範囲H3における位置決め孔32bの総数以上となるように(第2範囲H2及び第3範囲H3における位置決め孔32bの総数よりも多くなるように)、位置決め孔32bが形成されていてもよい。言い換えると、外レール32の始端32sから左端32hまでの範囲を第4範囲H4とし、左端32hから終端32eまでの範囲を第5範囲H5とした場合、外レール32には、第4範囲H4における位置決め孔32bの数が、第5範囲H5における位置決め孔32bの数以上となるように(第5範囲H5における位置決め孔32bの数よりも多くなるように)、位置決め孔32bが形成されていてもよい。
【0096】
また、例えば、外レール32には、第1範囲H1及び第2範囲H2における位置決め孔32bの総数が、第3範囲H3における位置決め孔32bの数以上となるように(第3範囲H3における位置決め孔32bの数よりも多くなるように)、位置決め孔32bが形成されていてもよい。言い換えると、外レール32の始端32sから上端32uまでの範囲を第6範囲H6とし、上端32uから終端32eまでの範囲を第7範囲H7とした場合、外レール32には、第6範囲H6における位置決め孔32bの数が、第7範囲H7における位置決め孔32bの数以上となるように(第7範囲H7における位置決め孔32bの数よりも多くなるように)、位置決め孔32bが形成されていてもよい。
【0097】
また、例えば、外レール32には、始端32sから終端32eまでの中間の位置を中間位置として、始端32sから中間位置までの範囲を第8範囲H8とし、中間位置から終端32eまでの範囲を第9範囲H9とした場合、外レール32には、第8範囲H8における位置決め孔32bの数が、第9範囲H9における位置決め孔32bの数以上となるように(第9範囲H9における位置決め孔32bの数よりも多くなるように)、位置決め孔32bが形成されていてもよい。
【0098】
また、本実施形態において、外レール32は、遊技領域40の外形に沿って円弧状に形成された内面35aを有する外レール保持部材35を介して遊技板31に取り付けられているが、これに限定されない。例えば、外レール32は、位置決め孔32bに取り付けられた不図示のピン等が遊技板31に形成された穴に挿入されることによって、遊技板31に位置決め固定されていてもよい。
【0099】
図10は、本実施形態に係るパチンコ機1の各部を示すブロック図である。主制御基板で構成される主制御部(主制御手段)100は、遊技の進行を制御し、メインCPU100aと、メインROM100bと、メインRAM100cと、を備えている。メインCPU100aは、遊技に関する制御を実行する遊技制御手段101と、エラーを検出するエラー検出手段102と、遊技の実行を制御する遊技制御状態、エラーを検出している状態であり、遊技の実行が不能となるエラー状態、デモ画面等を実行するための初期状態を含む状態の移行を制御する状態制御手段103とを有している。なお、メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0100】
詳細には、遊技制御手段101は、各検出スイッチや払出・発射制御部300からの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の制御部に主制御部100で生成したコマンドを送信したりすることで、遊技の進行に係る制御処理を実行する。エラー検出手段102は、各検出スイッチや払出・発射制御部300からの入力信号に基づいて、玉詰まり等の不具合や不正行為等のエラーを検出する。状態制御手段103は、パチンコ機1の状態を移行制御し、具体的には、エラー検出手段102によりエラーが検出された場合にエラー状態に移行させ、エラーが検出されなくなるとエラー状態から初期状態或いは遊技実行状態に移行させ、パチンコ機1の電源がオンされた直後の場合、或いは一定期間に亘って各検出スイッチ(特に第1始動口検出スイッチ51s、第2始動口検出スイッチ52s)で遊技球の検出が無かった場合に初期状態に移行させ、各検出スイッチ(特に第1始動口検出スイッチ51s、第2始動口検出スイッチ52s)で遊技球の検出があった場合に遊技の実行を制御する遊技制御状態に移行させる。
【0101】
主制御部100には、第1一般入賞口58に遊技球が入球したことを検出する第1一般入賞口検出スイッチ58sと、第2一般入賞口59に遊技球が入球したことを検出する第2一般入賞口検出スイッチ59sと、第1始動口51に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ51sと、第2始動口52に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ52sと、ゲート53を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ53sと、大入賞口65に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ67(
図3参照)に設けられた大入賞口検出スイッチ65sと、大入賞口65から遊技球が排出されたことを検出する大入賞口排出検出センサ68(
図3参照)に設けられた大入賞口排出検出スイッチ68sとが接続されており、各検出スイッチから出力される検出信号が主制御部100に入力されるよう構成されている。
【0102】
また、主制御部100には、第2始動口52の可動片52aを作動する普通電動役物ソレノイド52soと、大入賞口65を開閉する開閉扉61を作動する大入賞口ソレノイド61soと、回動部材62を作動する大入賞口補助ソレノイド62soとが接続されており、主制御部100によって、第2始動口52及び大入賞口65の開閉制御、大入賞口65への入賞補助制御が実行されるよう構成されている。
【0103】
また、主制御部100には、第1特別図柄表示器71と、第2特別図柄表示器72と、第1特別図柄保留表示器73と、第2特別図柄保留表示器74と、普通図柄表示器75と、普通図柄保留表示器76と、右打ち報知表示器77と、が接続されており、主制御部100によって、これら各表示器の表示制御が実行される。
【0104】
本実施形態のパチンコ機1では、主に第1始動口51又は第2始動口52への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート53を遊技球が通過することによって開始される普通遊技と、に遊技の種別が大別される。そして、主制御部100のメインROM100bには、特別遊技及び普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0105】
遊技制御手段101は、例えば、発生させた乱数を用いて実行する特別図柄の当否に係る内部抽選、普通電動役物ソレノイド52soに信号を出力し可動片52aを作動させる制御、大入賞口ソレノイド61soに信号を出力し開閉扉61を作動させる制御、大入賞口補助ソレノイド62soに信号を出力し回動部材を作動させる制御、内部抽選における特別図柄の当選確率を変更する制御等、遊技の進行に係る制御を実行する。メインCPU100aは、各制御の結果や、各検出スイッチから入力された検出信号をコマンド(主制御コマンド)に変換し、払出・発射制御部300や副制御部200に送信する。なお、特別図柄の当選確率を変更する制御とは、大当たり遊技の終了後の遊技状態を、内部抽選における特別図柄の当選確率を、通常の確率とする通常状態と、通常の確率よりも上昇する確変状態と、のいずれかに決定する遊技状態決定制御のことを指している。
【0106】
払出・発射制御部300は、遊技球を発射させるための制御及び賞球を払い出すための制御を行う。払出・発射制御部300も、主制御部100と略同様に、図示を省略したCPU、ROM、RAMを備えており、主制御部100に対して双方向に通信可能に接続されている。払出・発射制御部300には、遊技情報出力端子板311が接続されており、主制御部100から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出・発射制御部300及び遊技情報出力端子板311を介して、外部カウンタや遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0107】
また、払出・発射制御部300には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ312が接続されている。払出・発射制御部300は、主制御部100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ312を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、パチンコ機1では、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ313sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるように構成されている。
【0108】
また、払出・発射制御部300には、下皿24の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ314sが接続されている。皿満タン検出スイッチ314sは、遊技球を上皿22から下皿24に導く通路に設けられており、皿満タン検出スイッチ314sにおける遊技球の有無を遊技球検出信号として払出・発射制御部300に出力するように構成されている。即ち、払出・発射制御部300は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿24が満タン状態であると判断し、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断する。なお、下皿24が満タン状態であると判断される場合、例えば副制御部200が演出表示装置400や音響出力装置430等を用いて遊技者に下皿24が満タン状態であることを報知する。
【0109】
また、払出・発射制御部300には、遊技球の発射制御を行う払出・発射制御回路301が設けられている。払出・発射制御部300には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12sと、発射操作レバー12aの操作角度を検出する操作ボリューム12vと、が接続されている。そして、タッチセンサ12s及び操作ボリューム12vから信号が入力されると、払出・発射制御回路301において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド12soを通電して遊技球を発射させる制御が実行される。
【0110】
副制御基板で構成され、遊技に関する演出を制御する演出制御部としての副制御部(副制御手段)200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御し、サブCPU200aと、サブROM200bと、サブRAM200cと、を備えている。なお、パチンコ機1においては、主制御部100に対して、不正防止の観点により、当該主制御部100から副制御部200への一方向にのみ通信可能に接続されている。
【0111】
サブCPU200aは、演出に関する制御を実行する演出制御手段201と、上記遊技制御状態において遊技の実行に関する演出の演出音(遊技演出音)を制御する遊技演出音制御手段202と、初期状態に関する演出の演出音(初期演出音)を制御する初期演出音制御手段203と、エラー状態においてエラーに関するエラー音を制御するエラー音制御手段204と、を有している。なお、遊技演出音制御手段202、初期演出音制御手段203、エラー音制御手段204による音量調整の制御の詳しい内容は後述する。
【0112】
演出制御手段201は、主制御部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出表示装置400に画像を表示させる制御である画像表示制御や、演出役物装置410を駆動させたり発光させたりする演出役物制御、演出照明装置420を点灯させる点灯制御、音響出力装置430から音を出力させる音響出力制御等の演出に係る制御を実行する。サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0113】
また、副制御部200には、演出操作装置450の演出押下ボタン451への遊技者の押下操作を検出する押下操作検出スイッチ451sと、演出回動レバー452への遊技者の回動操作を検出する回動操作検出スイッチ452sと、輝度操作キー453への遊技者の変更操作を検出する輝度操作検出スイッチ453sと、音量操作キー454への遊技者の変更操作を検出する外部音量スイッチ454sと、十字キー455への遊技者の方向操作を検出する十字キー操作検出スイッチ455sと、副制御部200の背面に設けられた不図示の音量調整つまみへの回転操作を検出する内部ロータリースイッチ460sと、が接続されている。
【0114】
なお、本実施形態においては、内部ロータリースイッチ460sによって第1音量調整手段を構成し、外部音量スイッチ454sによって第2音量調整手段を構成している。内部ロータリースイッチ460s(音量調整つまみ)は、副制御部200の背面に設けられているため、通常は遊技者による調整が不能となっており(遊技者による調整の対象とならず)、遊技場においては管理者が施錠を解除して中枠5を開放した状態で操作可能となる。一方、外部音量スイッチ454s(音量操作キー454)は、パチンコ機1の前面にあって上皿22の前側に配置されており、遊技場にあって誰でも操作可能であり、つまり中枠5を閉塞した状態で遊技者が操作可能となっている(遊技者による調整の対象となっている)。
【0115】
押下操作検出スイッチ451sは、遊技者による演出押下ボタン451の押下操作を検出すると、演出押下操作検出信号を副制御部200に出力し、また、回動操作検出スイッチ452sは、遊技者による演出回動レバー452の回動操作を検出すると、演出回動操作検出信号を副制御部200に出力する。そして、副制御部200は、これら演出押下操作検出信号や演出回動操作検出信号等の副制御部200に入力される信号や、遊技の進行等に基づき、演出表示装置400、演出役物装置410、演出照明装置420、音響出力装置430等を用いた演出を実行する。
【0116】
また、押下操作検出スイッチ451sは、例えばデモ画面を開始してから所定時間が経過した状態で押下操作されると、演出押下操作検出信号を副制御部200に出力し、それを受けて副制御部200は、メニュー画面を画像表示部400aに表示する。この状態で、十字キー操作検出スイッチ455sが十字キー455による方向操作を検出すると、メニュー画面における各選択肢の選択状態が移動され、押下操作検出スイッチ451sによる押下操作の検出により選択が決定される。これにより、パチンコ機1の演出のカスタマイズ等を行うことができる。
【0117】
また、輝度操作検出スイッチ453sは、遊技者による輝度操作キー453の変更操作を検出すると、輝度操作検出信号を副制御部200に出力する。それを受けて副制御部200は、演出照明装置420におけるLEDの輝度(明るさ)を変更する。この際、演出照明装置420の輝度に関する値は、画像表示部400aに例えばレベルメータや輝度の値が表示され、遊技者はそれを見ながら演出照明装置420の輝度を調整することができる。
【0118】
また、外部音量スイッチ454sは、遊技者による音量操作キー454の変更操作を検出すると、外部音量操作検出信号を副制御部200に出力する。それを受けて副制御部200は、詳しくは後述するように音響出力装置430における遊技に関する演出の音量を変更(調整)する。この際、
図3に示すように、音響出力装置430の音量に関する値は、画像表示部400aに音量表示画像402(レベルメータ402bや音量値402a)が表示され、遊技者はそれを見ながら音響出力装置430の音量を調整することができる。
【0119】
そして、内部ロータリースイッチ460sは、遊技場の管理者による音量調整つまみの回転操作を検出すると、内部音量操作検出信号を副制御部200に出力する。それを受けて副制御部200は、詳しくは後述するように音響出力装置430における音量を変更(調整)する。この際も、
図3に示すように、音響出力装置430の音量に関する値は、画像表示部400aに音量表示画像402(レベルメータ402bや音量値402a)が表示され、遊技場の管理者はそれを見ながら音響出力装置430の音量を調整することができる。
【0120】
なお、パチンコ機1には、例えば100Vの電圧からなる商用電源の電力を入力し、電源として機能する不図示の電源ユニットが備えられており、電源ユニットは、商用電源の100Vの電圧を、例えば24V(或いは12Vでもよい)の電圧に降圧して各部に供給する第1降圧回路と、例えば5Vの電圧に降圧して各部に供給する第2降圧回路とを有している。なお、島設備に供給されている例えば24Vの電圧からなる電力をそのまま入力するものでもよく、その場合、第1降圧回路は不要である。
【0121】
第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力は、主制御部100、副制御部200、普通電動役物ソレノイド52so、大入賞口ソレノイド61so、大入賞口補助ソレノイド62so、第1特別図柄表示器71、第2特別図柄表示器72、第1特別図柄保留表示器73、第2特別図柄保留表示器74、普通図柄表示器75、普通図柄保留表示器76、右打ち報知表示器77、払出モータ312、発射用ソレノイド12so、演出表示装置400、演出役物装置410、演出照明装置420、音響出力装置430等に送電され、それらの駆動電力や発光電力として用いられる。
【0122】
また、第2降圧回路からの例えば5Vの電圧の電力は、第1一般入賞口検出スイッチ58s、第2一般入賞口検出スイッチ59s、第1始動口検出スイッチ51s、第2始動口検出スイッチ52s、ゲート検出スイッチ53s、大入賞口検出スイッチ65s、大入賞口排出検出スイッチ68s、払出球計数スイッチ313s、皿満タン検出スイッチ314s、タッチセンサ12s、操作ボリューム12v、押下操作検出スイッチ451s、回動操作検出スイッチ452s等に送電され、それらのセンサやスイッチの駆動電力として用いられる。
【0123】
また、主制御部100においては、第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力をさらに例えば5Vの電圧の電力に降圧し、この例えば5Vの電圧の電力は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100c、払出・発射制御回路301の駆動電力として用いられる。
【0124】
そして、副制御部200においても、第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力をさらに例えば3.3V(或いは1.2Vでもよい)の電圧の電力に降圧し、この例えば3.3Vの電圧の電力は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cの駆動電力として用いられる。
【0125】
2.音量調整の制御
続いて、本実施形態に係るパチンコ機1の音量の調整の制御について説明する。上述したように主制御部100のメインCPU100aには、状態制御手段103が備えられており、上述したようにパチンコ機1の状態を、初期状態、遊技制御状態、エラー状態の間で移行させる。副制御部200のサブCPU200aは、状態制御手段103により移行された状態をコマンドにより受信し、演出制御手段201によって、それらの状態に応じた演出(画像や音響の出力制御)を実行する。即ち、例えば初期状態であれば画像表示部400aにデモ画面を表示させたり、遊技実行状態であれば画像表示部400aに演出図柄401L,401C,401Rを変動表示させたり、エラー状態であれば画像表示部400aにエラー画面を表示させたりする。本パチンコ機1においては、初期状態における演出の演出音(初期演出音)の音量、遊技実行状態における遊技に関する演出の演出音(遊技演出音)の音量、エラーに関するエラー音の音量、をそれぞれ個別の値に設定するものである。以下、それらの音量の調整(音量値の設定)に関する制御を説明する。
【0126】
図11は、遊技演出音の音量設定のテーブル(以下、遊技演出音テーブルという)を示す図であり、
図12は、初期演出音の音量設定のテーブル(以下、初期演出音テーブルという)を示す図であり、
図13は、エラー音の音量設定のテーブル(以下、エラー音テーブルという)を示す図である。これらのテーブルは、サブROM200bに記憶されている(
図10参照)。
【0127】
遊技演出音制御手段202(
図10参照)は、上記内部ロータリースイッチ460sと上記外部音量スイッチ454sとにより操作が検出された際に、
図11に示す遊技演出音テーブルを参照して、遊技演出音の音量を決定する制御を行う。また、初期演出音制御手段203は、上記内部ロータリースイッチ460sにより操作が検出された際に、
図12に示す初期演出音テーブルを参照して、初期演出音の音量を決定する制御を行う。さらに、エラー音制御手段204も、上記内部ロータリースイッチ460sにより操作が検出された際に、
図13に示すエラー音テーブルを参照して、エラー音の音量を決定する制御を行う。
【0128】
例えば遊技場の管理者が、遊技場の営業時間外等において、中枠5の施錠を解除して副制御部200の背面に設けられた不図示の音量調整つまみを回転操作すると、内部ロータリースイッチ460sによりその回転操作が検出される。すると、遊技演出音制御手段202、初期演出音制御手段203、及びエラー音制御手段204は、それぞれ遊技演出音テーブル、初期演出音テーブル、及びエラー音テーブルを参照して、内部ロータリースイッチ460sが検出した回転位置に応じて遊技演出音、初期演出音、及びエラー音の音量を同時に変更する。
【0129】
また、例えば遊技者が、遊技の開始前や遊技中等において、音量操作キー454の「+」部分又は「-」部分を押圧して変更操作すると、外部音量スイッチ454sによりその変更操作が検出される。すると、遊技演出音制御手段202は、
図11に示す遊技演出音テーブルを参照して、外部音量スイッチ454sが検出した回転位置に応じて遊技演出音の音量を変更する。
【0130】
要するに、例えば遊技場の管理者が、遊技演出音、初期演出音、及びエラー音の再生音量の基準(ベース)となる設定値を設定し、遊技者は、その設定された再生音量を基に、音量操作キー454で遊技演出音のみの再生音量を調整することが可能となっている。
【0131】
詳細には、内部ロータリースイッチ460sが音量調整つまみの回転操作を検出すると、内部ロータリースイッチ460sの設定値の範囲として10段階の「9」~「0」があり、遊技演出音制御手段202は、
図11に示す遊技演出音テーブルを参照して、内部ロータリースイッチ460sの設定値に応じて再生音量を「0」~「9」の間の10段階で設定し、外部音量スイッチ454sが音量操作キーの変更操作を検出すると、内部ロータリースイッチ460sの検出結果に応じて設定した音量を上限として、制御的に内部ロータリースイッチ460sの設定値の範囲として10段階よりも小さい5段階の音量調整を許容する。なお、この際、演出制御手段201は、
図3に示すように、演出表示装置400の画像表示部400aに調整された音量の大きさを音量表示画像402(レベルメータ402bや音量値402a)で表示するが、遊技者が音量操作キー454で音量の変更操作を行う際は、5段階の表示となり、つまり内部ロータリースイッチ460sの設定値が遊技者に対して表示されることはない。
【0132】
図11に示すように、例えば遊技場の管理者が音量調整つまみで内部ロータリースイッチ460sの設定値を「6」に設定した場合、遊技者は音量操作キー454によって遊技演出音の再生音量を「6」~「2」の間で調整できることになり、また、例えば遊技場の管理者が音量調整つまみで内部ロータリースイッチ460sの設定値を「3」に設定した場合、遊技者は音量操作キー454によって遊技演出音の再生音量を「3」~「1」の間で調整できることになる。なお、本パチンコ機1では、最低の再生音量が「1」であり、例えば遊技場の管理者が音量調整つまみで内部ロータリースイッチ460sの設定値を「0」(消音)に設定した場合(所謂ミュートに設定した場合)、遊技者は音量操作キー454によって再生音量を調整しようとしても再生音量は「0」(消音)のままである。
【0133】
また、内部ロータリースイッチ460sが音量調整つまみの回転操作を検出すると、初期演出音制御手段203は、
図12に示す初期演出音テーブルを参照して、再生音量を「0」~「9」の間で設定する。なお、例えば遊技場の管理者が音量調整つまみで内部ロータリースイッチ460sの設定値を「6」に設定した場合、遊技者が音量操作キー454によって遊技演出音の再生音量を調整したとしても初期演出音の再生音量は「6」のままであり、また、例えば遊技場の管理者が音量調整つまみで内部ロータリースイッチ460sの設定値を「3」に設定した場合、遊技者が音量操作キー454によって遊技演出音の再生音量を調整したとしても初期演出音の再生音量は「3」のままであり、つまり初期演出音の再生音量は変更されることなく、そのまま維持される。
【0134】
また、内部ロータリースイッチ460sが音量調整つまみの回転操作を検出すると、エラー音制御手段204は、
図13に示すエラー音テーブルを参照して、再生音量を「5」~「9」の間で設定する。即ち、エラー音制御手段204は、エラー音の最低音量を「5」に設定しており、例えば遊技演出音や初期演出音を「4」以下に下げたとしても、エラー音は「4」以下にならず、「5」以上に維持される。換言すると、遊技演出音の再生音量を「0」~「5」の第1の範囲の音量で調整した場合には、エラー音の音量が所定の音量としての「5」に調整され、第1の範囲の音量よりも大きい第2の範囲の音量として遊技演出音の再生音量を「6」~「9」で調整した場合には、エラー音の音量が所定の音量の「5」よりも大きい音量として調整された再生音量と同じ「6」~「9」で調整される。
【0135】
これは、遊技場の営業時間外に音量を調整する場合には、他の遊技機から音が出力されてないことが多く、遊技場の管理者が誤ってエラー音を下げてしまうことの防止を図るためである。従って、例えば遊技場の管理者が音量調整つまみで内部ロータリースイッチ460sの設定値を「6」に設定した場合、エラー音は「6」に設定され、また、例えば遊技場の管理者が音量調整つまみで内部ロータリースイッチ460sの設定値を「3」に設定した場合、エラー音は「5」に設定される。なお、遊技者が音量操作キー454によって遊技演出音の再生音量を調整したとしてもエラー音の再生音量は変更されることなく、そのまま維持される。
【0136】
以上説明したように本パチンコ機1においては、遊技場の管理者が遊技演出音、初期演出音、及びエラー音の音量調整を設定することが可能であり、かつ遊技者が遊技演出音の音量調整を行うことができるものでありながら、音量操作キー454でエラー音の音量調整が操作不能であるので、エラー音が遊技者によって勝手に小さくされることを防止でき、遊技場の管理者がエラーの発生に気付き難くなることの防止を図ることができ、つまり遊技場の管理者が意図する音量を出力可能とすることができる。
【0137】
また、遊技演出音は、遊技場の管理者が調整した音量を上限とした範囲で、遊技者により音量操作キー454で音量調整が操作可能であるので、遊技演出音の音量が、遊技場の管理者が意図しない大きな音量となることを防止でき、つまり遊技場の管理者が意図する音量を出力可能とすることができる。
【0138】
3.本実施の形態のまとめ
本発明に係る遊技機(1)は、
回動操作が可能なハンドル(12a)と、
音を出力可能な音響出力装置(430)と、
遊技の実行を制御する遊技制御状態と、エラー状態と、を含む状態の移行を制御する主制御手段(100)と、
前記遊技制御状態に関する遊技演出制御と前記エラー状態に関するエラー制御とを実行する副制御手段(200)と、
遊技者による調整の対象とされず、前記遊技演出制御による演出音の音量を調整可能な第1音量調整手段(460s)と、
遊技者による調整の対象とされ、前記演出音の音量を調整可能な第2音量調整手段(454s)と、を備え、
前記ハンドル(12a)が設けられた本体枠(4)が、外枠(2)に対して開閉可能に支持された遊技機(1)であって、
前記第1音量調整手段(460s)は、前記エラー制御によるエラー音の音量を調整可能であり、
前記第2音量調整手段(454s)は、前記エラー音の音量を調整不能であり、
前記ハンドル(12a)は、径方向外側に向けて突出する指掛部(12a0)を有し、
前記ハンドル(12a)は、初期位置から最大回動位置までのいずれかの回動位置へ回動操作されることで、遊技媒体の発射強度を調節可能であり、
前記指掛部(12a0)は、前記ハンドル(12a)が前記初期位置に位置している状態で、前記本体枠(4)の下側の縁(S2)よりも下方に突出せず、
前記指掛部(12a0)は、前記ハンドル(12a)が前記最大回動位置に位置している状態で、前記本体枠(4)の下側の縁(S2)よりも下方に突出しない、ことを特徴とする。
【0139】
これにより、エラー音が遊技者によって勝手に小さくされることを防止でき、遊技場の管理者がエラーの発生に気付き難くなることの防止を図ることができて、遊技場の管理者が意図する音量を出力可能とすることができる。
【0140】
また、本発明に係る遊技機(1)は、
前記エラー音の音量は、前記演出音の音量が第1の範囲(例えば0~5)の音量に調整された場合に所定の音量(例えば5)に調整され、前記演出音の音量が前記第1の範囲の音量と異なる第2の範囲(例えば6~9)の音量に調整された場合に前記所定の音量(例えば5)とは異なる音量に調整されることを特徴とする。
【0141】
これにより、演出音が調整されても、エラー音が遊技者によって勝手に小さくされることを防止できる。
【0142】
回動操作が可能なハンドル(12a)と、
音を出力可能な音響出力装置(430)と、
遊技に関する制御を実行する主制御手段(100)と、
演出に関する制御を実行する副制御手段(200)と、
遊技者による調整の対象とされず、前記演出に関する演出音の音量を調整可能な第1音量調整手段(460s)と、
遊技者による調整の対象とされ、前記演出音の音量を調整可能な第2音量調整手段(454s)と、を備え、
前記ハンドル(12a)が設けられた本体枠(4)が、外枠(2)に対して開閉可能に支持された遊技機(1)であって、
前記第2音量調整手段(454s)は、前記第1音量調整手段(460s)により調整された音量を上限とした範囲で、前記演出音の音量を調整可能であり、
前記ハンドル(12a)は、径方向外側に向けて突出する指掛部(12a0)を有し、
前記ハンドル(12a)は、初期位置から最大回動位置までのいずれかの回動位置へ回動操作されることで、遊技媒体の発射強度を調節可能であり、
前記指掛部(12a0)は、前記ハンドル(12a)が前記初期位置に位置している状態で、前記本体枠(4)の下側の縁(S2)よりも下方に突出せず、
前記指掛部(12a0)は、前記ハンドル(12a)が前記最大回動位置に位置している状態で、前記本体枠(4)の下側の縁(S2)よりも下方に突出しない、ことを特徴とする。
【0143】
これにより、遊技演出音の音量が、遊技場の管理者が意図しない大きな音量となることを防止でき、遊技場の管理者が意図する音量を出力可能とすることができる。
【0144】
また、本発明に係る遊技機(1)は、
前記第2音量調整手段(454s)による音量調整の段階は、前記第1音量調整手段(460s)による音量調整の段階よりも小さい。
【0145】
これにより、遊技演出音の音量が、遊技場の管理者が設定した音量から大きく離れることを防止できる。
【0146】
また、本発明に係る遊技機(1)は、
前記エラーに関する演出の演出音の音量は、前記遊技に関する演出の演出音の音量の範囲内における所定の音量(例えば「5」)を下限とした範囲で音量調整が可能に構成されている。
【0147】
これにより、遊技場の管理者がエラー音の音量調整を行う際、誤ってエラー音が小さくなり過ぎることを防止することができる。
【0148】
4.他の実施形態の可能性
なお、以上説明した本実施形態においては、内部ロータリースイッチ460sによって、遊技演出音、初期演出音、エラー音を一度で同時に音量の調整をするものを説明したが、これに限らず、複数のスイッチでそれぞれ別々に音量の調整ができるものであってもよい。
【0149】
また、以上説明した本実施形態においては、外部音量スイッチ454sによって、遊技者が遊技演出音の音量を調整可能なものについて説明し、つまり初期演出音とエラー音とが遊技者によって音量の調整が不能なものを説明したが、これに限らず、初期演出音については、外部音量スイッチ454sによって遊技者が音量を調整可能なものであってもよい。
【0150】
また、以上説明した本実施形態においては、エラー音が外部音量スイッチ454sによって音量の調整が不能であり、かつ遊技演出音の音量の調整が内部ロータリースイッチ460sにより調整された音量を上限とした範囲で音量の調整が可能なものと説明したが、これらのいずれか一方が達成されている遊技機であれば、本発明を適用可能である。
【0151】
また、以上説明した本実施形態においては、内部ロータリースイッチ460sによる設定値が10段階のものを説明したが、これに限らず、例えば7段階や16段階のように、どのような段階数であっても構わない。また、外部音量スイッチ454sによる音量の調整が5段階のものを説明したが、これに限らず、例えば7段階等のように、どのような段階数であっても構わない。また、内部ロータリースイッチ460sによる設定値の段階と外部音量スイッチ454sによる音量の調整の段階とが、本実施形態のように異なる段階数であってもよいし、同じ段階数であってもよい。また、内部ロータリースイッチ460sによる設定値の段階と外部音量スイッチ454sによる音量の調整の段階とが異なる段階数である場合、例えば音量表示画像402(レベルメータ402bや音量値402a)おいて表示される段階数に近似して表示し、つまり内部ロータリースイッチ460sによる設定値の段階、或いは外部音量スイッチ454sによる音量の調整の段階、のいずれか一方に合わせて、見た目の段階が同じになるように表示することが考えられる。
【0152】
また、以上説明した本実施形態においては、外部音量スイッチ454sによって、内部ロータリースイッチ460sにより調整された音量を上限とした範囲で遊技演出音の音量の調整が操作可能なものを説明したが、これに限らず、外部音量スイッチ454sによって内部ロータリースイッチ460sにより調整された音量を超えて調整できるものであってもよい。即ち、内部ロータリースイッチ460sによって再生音量が「0」に設定されたとしても、外部音量スイッチ454sによって最大の再生音量である「9」まで上げられるようにしてもよい。また、内部ロータリースイッチ460sによって再生音量が「0」に設定された場合は、つまりミュート(消音)に設定されているので、この場合だけ外部音量スイッチ454sによって再生音量を上げられないようにし、それ以外の場合、つまり内部ロータリースイッチ460sによって再生音量が「1」以上に設定された場合に、外部音量スイッチ454sによって最大の再生音量である「9」まで上げられるようにしてもよい。
【0153】
また、以上説明した本実施形態においては、演出表示装置400の画像表示部400aに調整された音量の大きさを表示する際、内部ロータリースイッチ460sの設定値を遊技者に対して表示しないものを説明したが、反対に、内部ロータリースイッチ460sの設定値を遊技者に対して表示するようにしてもよい。
【0154】
また、以上説明した本実施形態においては、エラー音の音量調整が内部ロータリースイッチ460sによって行われるものについて説明したが、これに限らず、エラー音の音量をそもそも調整不能にしても構わない。エラー音の音量を調整不能にする場合は、例えば再生音量を「5」或いは「6」以上に固定することが好ましく、例えば再生音量が「0」~「2」のように、遊技場で管理者に聞こえ難い再生音量に設定することが無いようにすることが好ましい。
【0155】
また、以上説明した本実施形態においては、遊技演出音の音量が調整されると共にエラー音の音量を調整する際、遊技演出音の再生音量を「0」~「5」の第1の範囲の音量で調整した場合には、エラー音の音量が所定の音量として下限となる「5」に調整され、第1の範囲の音量よりも大きい第2の範囲の音量として遊技演出音の再生音量を「6」~「9」で調整した場合には、エラー音の音量が所定の音量の「5」よりも大きい音量として調整された遊技演出音の再生音量と同じ「6」~「9」で調整されるものを説明した。しかしながら、これに限らず、例えば第1の範囲の音量が「4」~「9」で第2の範囲の音量が「0」~「3」に設定され、遊技演出音が「4」~「9」で調整された際に、所定の音量としてエラー音の音量が「5」に調整され、遊技演出音が「0」~「3」で調整された際に、遊技演出音の再生音量と同じ「0」~「3」で調整されるようにしてもよい。この場合はエラー音の音量の上限が所定の音量の「5」に調整される形となる。エラー音の音量の上限が所定の音量に調整されることで、遊技場で不必要に音量が大きくなることを防止することが可能となる。従って、エラー音の音量は、遊技演出音の音量が第1の範囲の音量に調整された場合に所定の音量に調整され、遊技演出音の音量が第1の範囲の音量と異なる第2の範囲の音量に調整された場合に所定の音量と異なる音量に調整されるものであれば、どのようなものでもよい。
【0156】
また、以上説明した本実施形態においては、遊技場の管理者が内部ロータリースイッチ460sで音量の調整を行うものについて説明したが、これ以外の別のスイッチで管理者が音量の調整を行えるようにしてもよい。例えば中枠5のように施錠を解除して遊技機の内部を開放した状態で操作可能となる、遊技機の内部抽選の当選確率を変更する設定値を変更する設定変更手段があり、その設定変更手段を操作可能にする設定キーがある場合、その設定キーを挿入して設定変更や設定確認をする状態で特定の操作を行うと遊技場の管理者が操作可能となり、エラー履歴やデバイスチェック等が行える管理者メニュー(所謂ホールメニュー)が設けられているものがある。このような管理者メニューを立ち上げて、外部音量スイッチ454sによって内部ロータリースイッチ460sの代わりに管理者による音量の調整を行えるようにしてもよい。なお、この場合、第1音量調整手段及び第2音量調整手段は、物理的なスイッチではなく、副制御部200に設けられたプログラムによって音量の調整が可能となる仮想的な2つの手段で構成されることになる。
【0157】
また、以上説明した本実施形態においては、音量操作キー454への遊技者の変更操作を検出する外部音量スイッチ454sによって遊技演出音の音量を調整可能なものを説明したが、これに限らず、遊技者による操作を検出可能な他のデバイスによって遊技演出音の音量を調整可能であってもよい。例えば、演出操作装置450の演出押下ボタン451への遊技者の押下操作を検出する押下操作検出スイッチ451s、演出回動レバー452への遊技者の回動操作を検出する回動操作検出スイッチ452s、輝度操作キー453への遊技者の変更操作を検出する輝度操作検出スイッチ453s、十字キー455への遊技者の方向操作を検出する十字キー操作検出スイッチ455sによって遊技演出音の音量を調整可能であってもよいし、不図示のタッチパネル等によって遊技演出音の音量を調整可能であってもよい。
【0158】
また、以上説明した本実施形態においては、遊技機の電源をONした直後(電源投入後)や停電等の発生後に復帰した電断復帰後の音量について説明していないが、これらの復帰後の音量は、初期状態として設定された音量とするように構成してもよく、また、電断時や電源OFF時にサブRAM200cのバックアップが行える遊技機であれば、バックアップにより記憶された音量で復帰するように構成することが考えられる。また、バックアップが行える遊技機であっても、初期状態として設定された音量で復帰するように構成してもよい。
【0159】
また、本実施形態においては、遊技機として、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されると、複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、大役遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大役遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えるいわゆる第一種遊技を可能なパチンコ機1を例示したが、これに限らず、例えば、小当たり遊技中に所定の領域に遊技球が侵入することで大役遊技を開始可能な第二種遊技を可能なパチンコ機であっても本発明は適用し得る。また、例えば、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチと、複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチと、遊技の進行を制御する主制御部と、コマンドに基づき演出を制御する演出制御手段を有する副制御部を備え、主制御部が、複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、スタートスイッチによる開始操作の検出に基づいて、複数のリールを回転させ、ストップスイッチによる停止操作の検出及び内部抽選手段により決定された内部抽選の結果に基づいて、回転中のリールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段と、複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、を有するスロットマシンにも、本発明は適用できる。
【符号の説明】
【0160】
1…遊技機(パチンコ機)
2…外枠
4…本体枠
12a…ハンドル(発射操作レバー)
100…主制御手段(主制御部)
200…副制御手段(副制御部)
12a0…指掛部
430…音響出力装置
454s…第2音量調整手段(外部音量スイッチ)
460s…第1音量調整手段(内部ロータリスイッチ)
S2…縁