(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】分散局、集約局、端末、および通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0453 20230101AFI20240729BHJP
H04W 36/08 20090101ALI20240729BHJP
H04W 36/30 20090101ALI20240729BHJP
H04W 92/12 20090101ALI20240729BHJP
【FI】
H04W72/0453
H04W36/08
H04W36/30
H04W92/12
(21)【出願番号】P 2020145666
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-06-13
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、総務省 「第5世代移動通信システムの更なる高度化に向けた研究開発」に関する委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 英範
(72)【発明者】
【氏名】関 裕太
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/159390(WO,A1)
【文献】CMCC,Discussion on Intra-DU Inter-Cell Mobility[online],3GPP TSG RAN WG3 #97 R3-173142,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_97/Docs/R3-173142.zip>,2017年08月12日
【文献】KT Corp.,Considerations for F1 Setup Procedure[online],3GPP TSG RAN WG3 #98 R3-174854,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_98/Docs/R3-174854.zip>,2017年11月18日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末から第1の無線装置を介して、無線装置の切り替えに関する情報を受信する受信回路と、
前記情報に基づいて、前記第1の無線装置から第2の無線装置への切り替えと、前記第2の無線装置におけるBWP(Bandwidth part)のアグリゲーションとを判断する制御回路と、
を有
し、
前記第1の無線装置および前記第2の無線装置は、第1のセルを形成し、
前記情報は、前記第1の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、前記第2の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、を含む、
分散局。
【請求項2】
前記制御回路は、レイヤ1、レイヤ2、またはレイヤ3のいずれかのシグナリングを用いて、前記端末に対し前記BWPのアグリゲーションを通知する、
請求項1に記載の分散局。
【請求項3】
前記第2の無線装置は、第2のセルを形成し、
前記情報は、前記第2の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、前記第1の無線装置の前記第1のセルの受信品質であって、前記第2のセルの帯域に対応する受信品質とを含む、
請求項
1に記載の分散局。
【請求項4】
前記情報は、前記端末の位置情報を含む、
請求項
1に記載の分散局。
【請求項5】
端末と無線通信する無線装置を制御する分散局から、BWPのアグリケーションの設定要求を受信する受信回路と、
前記設定要求に応じて、前記BWPのアグリケーションに関する端末のコンテキストとベアラとを設定する制御回路と、
を有する集約局。
【請求項6】
第1の無線装置を介して、無線装置の切り替えに関する情報を分散局に送信する送信回路と、
前記分散局から
前記第1の無線装置を介して、
第2の無線装置
への切り替えと、BWPのアグリケーションとを指示する指示情報を受信する受信回路と、
前記指示情報に基づいて、切り替え先の
前記第2の無線装置とBWPのアグリゲーションに基づく通信を実行する制御回路と、
を有
し、
前記第1の無線装置および前記第2の無線装置は、第1のセルを形成し、
前記情報は、前記第1の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、前記第2の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、を含む、
端末。
【請求項7】
分散局は、
端末から第1の無線装置を介して、無線装置の切り替えに関する情報を受信し、
前記情報に基づいて、前記第1の無線装置から第2の無線装置への切り替えと、前記第2の無線装置におけるBWPのアグリゲーションとを判断
し、
前記第1の無線装置および前記第2の無線装置は、第1のセルを形成し、
前記情報は、前記第1の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、前記第2の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、を含む、
通信方法。
【請求項8】
集約局は、
端末と無線通信する無線装置を制御する分散局から、BWPのアグリケーションの設定要求を受信し、
前記設定要求に応じて、前記BWPのアグリケーションに関する端末のコンテキストとベアラとを設定する、
通信方法。
【請求項9】
端末は、
第1の無線装置を介して、無線装置の切り替えに関する情報を分散局に送信し、
前記分散局から
前記第1の無線装置を介して、
第2の無線装置の切り替えと、BWPのアグリケーションとを指示する指示情報を受信し、
前記指示情報に基づいて、切り替え先の
前記第2の無線装置とBWPのアグリゲーションに基づく通信を実行
し、
前記第1の無線装置および前記第2の無線装置は、第1のセルを形成し、
前記情報は、前記第1の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、前記第2の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、を含む、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分散局、集約局、端末、および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際標準化団体である3rd Generation Partnership Project(3GPP)のRelease 15において、第5世代移動通信システム(5G:5th Generation mobile communication systems)の無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)のアーキテクチャとして、新しいインタフェース(例えば、New Radio(NR))、および、機能モジュールの導入が検討される。
【0003】
例えば、5GのRANを構成する5G NRの無線基地局(例えば、基地局、または、Next-Generation NodeB(gNB)とも呼ばれる)の機能を分離(換言すると、split)する構成が検討される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】NGMN(Next Generation Mobile Networks Alliance), “NGMN Overview on 5G RAN Functional Decomposition”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、端末がBWP(Bandwidth part)をアグリゲーションする方法については検討されていない。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、端末がBWPをアグリゲーションできる分散局、集約局、端末、および通信方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る分散局は、端末から第1の無線装置を介して、無線装置の切り替えに関する情報を受信する受信回路と、前記情報に基づいて、前記第1の無線装置から第2の無線装置への切り替えと、前記第2の無線装置におけるBWPのアグリゲーションとを判断する制御回路と、を有する。
【0008】
本開示の一実施例に係る集約局は、端末と無線通信する無線装置を制御する分散局から、BWPのアグリケーションの設定要求を受信する受信回路と、前記設定要求に応じて、前記BWPのアグリケーションに関する端末のコンテキストとベアラとを設定する制御回路と、を有する。
【0009】
本開示の一実施例に係る端末は、分散局から無線装置を介して、無線装置の切り替えと、BWPのアグリケーションとを指示する指示情報を受信する受信回路と、前記指示情報に基づいて、切り替え先の無線装置とBWPのアグリゲーションに基づく通信を実行する制御回路と、を有する。
【0010】
本開示の一実施例に係る通信方法は、分散局は、端末から第1の無線装置を介して、無線装置の切り替えに関する情報を受信し、前記情報に基づいて、前記第1の無線装置から第2の無線装置への切り替えと、前記第2の無線装置におけるBWPのアグリゲーションとを判断する。
【0011】
本開示の一実施例に係る通信方法は、集約局は、端末と無線通信する無線装置を制御する分散局から、BWPのアグリケーションの設定要求を受信し、前記設定要求に応じて、前記BWPのアグリケーションに関する端末のコンテキストとベアラとを設定する。
【0012】
本開示の一実施例に係る通信方法は、端末は、分散局から無線装置を介して、無線装置の切り替えと、BWPのアグリケーションとを指示する指示情報を受信し、前記指示情報に基づいて、切り替え先の無線装置とBWPのアグリゲーションに基づく通信を実行する。
【0013】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一実施例によれば、端末はBWPをアグリゲーションできる。
【0015】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】LLSおよびHLSにおけるセル配置の例を示した図
【
図3】複数のDUがRUを共有する場合の無線リソース割り当ての一例を示した図
【
図4】1つのDUが1つのRUを占有する場合の無線リソース割り当ての一例を示した図
【
図6】端末が複数のDUサービスに接続する例を示した図
【
図8】第1の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図
【
図11】第2の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図
【
図13】第3の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図
【
図15】第4の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図
【
図18】第5の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図
【
図20】第6の実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示した図
【
図21】RUにおける無線リソース割り当ての一例を示した図
【
図22】RUにおける無線リソース割り当ての一例を示した図
【
図23】第6の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図
【
図25】RU2における無線リソース(周波数)割り当ての別例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0018】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、基地局の機能モジュールの配置例を示す図である。3GPP Release15では、5GのRANアーキテクチャとして、新しいインタフェースおよび機能モジュールが導入される。例えば、gNBと呼ばれる5G NRの基地局は、Centralized Unit(CU)と、Distributed Unit(DU)と、Radio Unit(RU)との3つの機能モジュールで構成されてもよい。
【0020】
CUは、例えば、集中ノード、集約ノード、集中局、集約局、または集中ユニットと称されてもよい。DUは、例えば、分散ノード、分散局、または分散ユニットと称されてもよい。RUは、例えば、無線装置、無線ノード、無線局、アンテナ部、または無線ユニットと称されてもよい。
【0021】
3つの機能モジュールは、複数の配置構成が考えられる。3つの機能モジュールを、Cell SiteとCentral Siteとのどちら側に配置するかで、Lower Layer Split(LLS)およびHigher Layer Split(HLS)と呼ばれる二つの構成が検討されている。
【0022】
例えば、
図1の(1)に示すモジュール配置は、LLSの構成例を示す。LLSでは、Cell Site側にRUが配置され、Central Site側にCUおよびDUが配置される。
【0023】
図1の(2)に示すモジュール配置は、HLSの構成例を示す。HLSでは、Cell Site側にDUおよびRUが配置され、Central Site側にCUが配置される。
【0024】
なお、Central SiteとCell Siteとの間は、Front haul(FH)と呼ばれるインタフェースで接続される。
【0025】
図2は、LLSおよびHLSにおけるセル配置の例を示した図である。LLSでは、例えば、Central Site側に配置されるDU1と、Cell Site側に配置されるRU1~RU3とによって、Cell#1が形成される。LLSでは、ハンドオーバー等のMobility制御を軽減できる。
【0026】
HLSでは、例えば、DU2がCell Site側に配置され、DU2に紐づくRU2を制御する。HLSでは、LLSが形成するCell#1より小さいCell#2を形成する。HLSでは、DU2がCell Site側に配置されるため、低遅延での通信が可能となる。
【0027】
Cell#1は、マクロセルと称されてもよい。Cell#2は、スモールセルと称されてもよい。RU1~RU3は、LLSにおいて、分散配置されてマクロセルを形成するため、分散アンテナと称されてもよい。LLSのDU1は、LLS DUと称されてもよい。HLSのDU2は、HLS DUと称されてもよい。
【0028】
LLSおよびHLSは、例えば、ユーザのサービス要求に応じて、どちらかの構成が選択されてもよい。また、ユーザの様々なサービス要求に対応するため、両構成が共用運用されてもよい。
【0029】
LLSおよびHLSの両構成において用いられるFHまたはRUは、共用されてもよい。例えば、
図2の例では、RU2は、LLSおよびHLSで共用されている。そのため、FHのリソースおよび無線リソースは、両構成において調整される。
【0030】
図3は、複数のDUがRUを共有する場合の無線リソース(周波数)割り当ての一例を示した図である。
図3に示す周波数割り当ては、例えば、
図2に示したRU2のCell#1(
図2に示した3つのCell#1のうちの中央のCell#1)における周波数割り当てと、
図2に示したCell#2における周波数割り当てとの一例を示す。
【0031】
図2に示したLLS DUのDU1と、HLS DUのDU2とは、RU2を共用する。このため、RU2では、
図3に示すように、システム帯域が複数のBWPによって分けられる。例えば、システム帯域は、LLS DUのDU1が使用するBWPと、HLS DUのDU2が使用するBWPとに分けられる。各BWPの割合は、例えば、DU1およびDU2のトラヒック状況等に応じて、動的に変更されてもよい。
【0032】
一方、一つのDU1で占有されるRU1,RU3においては、一つのDU1によってシステム帯域が占有されてもよい。
【0033】
図4は、1つのDUが1つのRUを占有する場合の無線リソース(周波数)割り当ての一例を示した図である。
図4に示す周波数割り当ては、例えば、
図2に示したRU1およびRU3のCell#1(
図2に示した3つのCell#1のうちの中央のCell#1を除く左右のCell#1)における周波数割り当ての一例を示す。
【0034】
図2に示したLLS DUのDU1は、RU1およびRU3を占有する。このため、RU1およびRU3では、
図4に示すように、システム帯域がDU1によって占有される。例えば、システム帯域は、LLS DUのDU1が使用するBWPによって占有されてもよい。
【0035】
3GPPの仕様では、一つの端末(UE)が使用できるActive BWPは一つである。例えば、端末は、
図3に示す2つのBWPのうち、1つのBWPを使用する。別言すれば、端末は、
図3に示す2つのBWPを同時に使用できない。このため、端末は、異なるBWPを使用する場合、BWPを切り替える。
【0036】
図5は、BWPの切り替え例を示した図である。
図5に示すBWP1は、例えば、
図3に示すLLSのBWPに対応する。BWP2は、例えば、
図3に示すHLSのBWPに対応する。
【0037】
上記した通り、3GPPの仕様では、一つの端末が使用できるActive BWPは一つである。従って、端末は、
図5に示すように、使用するBWP1,BWP2を切り替え、複数のBWPを使用する。BWPの切り替えには、例えば、L1(PDCCH)、L2(MAC CE)、またはL3(RRC)における、基地局から端末へのシグナリングが使用される。
【0038】
L1は、Layer1の略である。PDCCHは、Physical Downlink Control Channelの略である。L2は、Layer2の略である。MAC CEは、Media Access Control Control Elementの略である。L3は、Layer3の略である。RRCは、Radio Resource Controlの略である。
【0039】
一つの端末が使用できるActive BWPは一つであるため、例えば、複数のDU(例えばLLS DUおよびHLS DU)が異なるBWPを用いて異なるサービスを提供している場合、端末は、複数のDUにおける異なるサービスを同時に受信することができない。そこで、第1の実施の形態は、端末が複数のBWPに同時接続(アグリゲーション)する例を開示する。
【0040】
図6は、端末が複数のDUサービスに接続する例を示した図である。
図6において、
図2と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
図6に示すRU2は、例えば、Cell#1(3つのCell#1のうちの中央のCell#1)と、Cell#2とを、交差点に形成してもよい。
【0041】
マクロセルエリアのCell#1を形成するLLS DUのDU1からは、例えば、eMBB(enhanced Mobile Broadband)におけるストリーミングサービスが提供される。スモールセルエリアのCell#2を形成するHLS DUのDU2からは、例えば、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)における、交差点での歩行者情報の提供といったV2X(Vehicle-to-everything)サービスが提供される。
【0042】
例えば、自動車の車載端末といった端末は、マクロセルエリアではeMBBサービスを受信する。端末は、スモールセルエリア(交差点エリア)に進入(移動)した場合、マクロセルエリアのeMBBサービスに加え、V2Xサービスを受信する。すなわち、端末は、交差点エリアに進入した場合、複数のBWPに接続し、複数のサービスを受信する。
【0043】
なお、低遅延処理が求められるDU2のCell#2においては、端末は、早期の接続が要求される。端末のRRM Measurementを用いて、隣接セルであるHLS DU(DU2)を検出してから、BWPに複数接続するようにした場合、端末の接続処理は遅くなる。
【0044】
また、BWPは、CA(Carrier Aggregation)のように、Staticな帯域のCC(Component Carrier)を複数接続する場合と異なり、動的に帯域が変わる。このため、Carrier Aggregationで用いられる設定や接続シーケンスでは、複数のBWP接続(BWP Aggregation)の実現が困難である。
【0045】
RU2は、マクロセルエリアのCell#1を構築するDU1と、スモールセルエリアのCell#2を構築するDU2とによって共用される。このため、RU2が構築するCell#1のカバレッジと、Cell#2のカバレッジとは、ほぼ同等と捉えてもよい。従って、端末は、マクロセルエリアのCell#1におけるRUの切り替えにおいて、複数のBWPへの接続を開始できる。
【0046】
例えば、端末は、
図6に示す3つのCell#1のうち、左側のCell#1から、中央のCell#1に進入する。この場合、端末は、Cell#1内でのRU1からRU2への切り替えの際に、LLSのDU1が使用するBWPと、HLSのDU2が使用するBWPとに接続する。
【0047】
端末は、マクロセルエリアのCell#1を構成する複数のRUを識別し、Cell#1内でのRUを切り替える。例えば、Cell#1を構成する複数のRUは、異なるBeamを送信する。端末は、複数のRUごとにおいて異なるBeamに基づいて、複数のRUを識別し、マクロセルエリアのCell#1のRUを切り替える。
【0048】
図7は、端末のRUの切り替え動作例を説明する図である。
図7に示すSS Block1およびSS Block2は、同期信号ブロック(SSB)である。SS Block1およびSS Block2は、SSB indexで識別される複数のBeam#1およびBeam#2によって、シーケンシャルに送信される。
【0049】
RU1およびRU2が、異なるBeam#1およびBeam#2を用いてSS Block1およびSS Block2をシーケンシャルに送信することにより、端末は、マクロセルエリアのCell#1を構成する複数のRU1およびRU2を識別する。端末は、Beam#1およびBeam#2の受信品質に基づいて、RU1およびRU2を切り替える。端末は、切り替え先のRUにおいて、複数のBWPが提供されている場合、複数のBWPへの接続を実行する。
【0050】
図8は、第1の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図である。無線通信システムは、例えば、L1シグナリングまたはL2シグナリングを用いて、基地局から端末へのBeam切り替え、つまり、RU切り替えを指示してもよい。
【0051】
以下では、マクロセルエリアのCell#1を構成するDU1を、Primary DUと称することがある。スモールセルエリアのCell#2を構成するDU2をSecondary DUと称することがある。Secondary DUのDU2は、追加のBWPを提供するDUと捉えてもよい。
【0052】
端末は、複数のBWP接続を開始する前に、CUから、隣接セル情報(Cell#2)と、同時接続できるBWP情報とをRRCメッセージで受信する(S1)。
【0053】
端末は、RU1(またはRU3)、DU1、およびCUを介して、5GC(5G Core network)と通信する(S2)。すなわち、端末は、RU1のCell#1(またはRU3のCell#1)に位置し、単一のBWPにおいて通信する。
【0054】
Primary DUのDU1は、RUの切り替えと、複数のBWP接続(BWP Aggregation)とをトリガする条件(別の実施の形態で説明する)を満たすと(S3)、CUに対してAggregation Requestを送信し、複数のBWP接続を要求する(S4)。
【0055】
CUは、S4のAggregation requestに応じて、Secondary DUのDU2に対し、UEコンテキスト情報(例えばセキュリティ関連情報)およびベアラ情報を送信し、UEコンテキストおよびベアラの設定を行う(S5)。
【0056】
CUは、UEコンテキストおよびベアラの設定が完了した後、Primary DUのDU1にAggregation responseを送信し、Aggregation Request に対する応答を通知する(S6)。
【0057】
Primary DUのDU1は、RUの切り替えメッセージ(RU change)を、L1シグナリングまたはL2シグナリングを用いて、端末が現在接続しているRU1(またはRU3)を介し、端末に送信する(S7)。
【0058】
Primary DUのDU1は、複数のBWP接続を指示するメッセージ(Aggregation Activate)を、L1シグナリングまたはL2シグナリングを用いて、RUの切り替え先のRU2(RU2のマクロセルエリアのCell#1)を介し、端末に通知する(S8)。
【0059】
Primary DUのDU1は、CUおよびSecondary DUのDU2に対して、Aggregation Confirmを送信し、BWPのアグリゲーションの設定完了を通知する(S9)。
【0060】
Primary DUのDU1、Secondary DUのDU2、および5GCは、パスのアップデート処理を実行する(S10)。
【0061】
端末および5GCは、RU2、Primary DUのDU1、およびCUを介して通信を行う(S11)。また、端末および5GCは、RU2、Secondary DUのDU2、およびCUを介して通信を行う(S12)。すなわち、端末は、マクロセルを構成するDU1およびスモールセルを構成するDU2を介し、5GCと通信を行う。
【0062】
つまり、端末とRU2との間の無線区間は、
図8の枠A11に示すように、DU1が提供するBWPと、DU2が提供するBWPとがアグリゲーションされる。このように、端末は、マクロセルエリアのRUの切り替えの際に、複数のBWP接続が可能となり、早期にスモールセルエリアのDU2の低遅延サービスを享受できる。
【0063】
なお、S7のRUの切り替えメッセージと、S8の複数のBWP接続を指示するメッセージとは、まとめて一つのシグナリングで送信されてもよい。例えば、S8のメッセージは、S7のシグナリングにおいて送信されてもよい。
【0064】
また、端末のハンドオーバー等のモビリティ制御や上りの送信電力制御等に必要な制御信号は、Primary DUのDU1が提供するBWPにおいて送信されてもよい。
【0065】
また、Primary DUのDU1が制御するBWPは、Primary BWPと称されてもよい。Secondary DUのDU2が制御するBWPは、Secondary BWPと称されてもよい。
【0066】
また、Primary DUのDU1が形成するCell#1は、Primary Cellと称されてもよい。Secondary DUのDU2が形成するCell#2は、Secondary Cellと称されてもよい。
【0067】
図9は、基地局のブロック構成例を示した図である。
図9に示すように、基地局は、CUと、DU(Primary/Secondary DU)と、RUと、を有する。DUは、制御部11と、IF(Interface)部12a,12bと、を有する。
【0068】
IF部12aは、例えば、光ファイバを介して、RUと通信する。IF部12bは、例えば、光ファイバを介して、CUと通信する。IF部12a,12bは、通信回路または通信部と称されてもよい。通信回路は、受信回路および送信回路を備えてもよい。
【0069】
制御部11は、DU全体を制御する。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)といったプロセッサによって構成されてもよい。制御部11は、制御回路と称されてもよい。制御部11は、例えば、記憶装置(図示せず)に記憶されたプログラムを実行し、下記の機能を有してもよい。
【0070】
制御部11は、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガする条件を満たすか否か判定する。制御部11は、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガする条件を満たすと判定した場合、Aggregation Requestを生成し、IF部12bを介して、CUに送信する。
【0071】
制御部11は、IF部12bを介して、CUから、追加されるBWPのUE Context情報を受信し、UE Contextを設定する。
【0072】
制御部11は、IF部12bを介して、CUへのAggregation Requestに対するAggregation ResponseをCUから受信する。制御部11は、Aggregation Responseを受信すると、RUを切り替えるRU changeを生成し、IF部12aを介して、RUに送信する。また、制御部11は、複数のBWP接続を指示するAggregation Activateを生成し、IF部12aを介して、RUに送信する。
【0073】
制御部11は、Aggregation Activateを送信した後、Aggregation Confirmを生成し、IF部12bを介して、CUに送信する。
【0074】
CUは、制御部13と、IF部14と、を有する。IF部14は、例えば、光ファイバを介して、DUと通信する。IF部14は、通信回路または通信部と称されてもよい。通信回路は、受信回路および送信回路を備えてもよい。
【0075】
制御部13は、CU全体を制御する。制御部13は、例えば、CPUまたはDSPといったプロセッサによって構成されてもよい。制御部13は、例えば、記憶装置(図示せず)に記憶されたプログラムを実行し、下記の機能を有してもよい。
【0076】
制御部13は、IF部14を介して、CUからAggregation Requestを受信する。制御部13は、Aggregation Requestを受信すると、追加されるBWPのBearer Contextを設定する。
【0077】
制御部13は、Bearer Contextを設定すると、Aggregation Responseを生成し、IF部14を介して、DUに送信する。
【0078】
図10は、端末のブロック構成例を示した図である。
図10に示すように、UEは、制御部21と、IF部22と、を有する。
【0079】
IF部22は、RUと無線通信する。IF部22は、制御部21の制御に応じて、単一のBWPまたは複数のBWPを用いた無線通信を行う。IF部22は、通信回路または通信部と称されてもよい。通信回路は、受信回路および送信回路を備えてもよい。
【0080】
制御部21は、UE全体を制御する。制御部21は、例えば、CPUまたはDSPといったプロセッサによって構成されてもよい。制御部21は、制御回路と称されてもよい。制御部21は、例えば、記憶装置(図示せず)に記憶されたプログラムを実行し、下記の機能を有してもよい。
【0081】
制御部21は、複数BWPへの接続を開始する前に、IF部22を介して、BWP informationおよびNeighbor Cell informationを受信する。制御部21は、基地局がトリガ条件を判定するための情報(Aggregation Trigger)を、基地局に送信する。
【0082】
制御部21は、IF部22を介して、RUの切り替えを指示するRU changeを受信する。また、制御部21は、IF部22を介して、複数のBWP接続を指示するAggregation Activateを受信する。
【0083】
制御部21は、RU ChangeおよびAggregation Activateを受信すると、IF部22を制御し、RUを切り替え、BWP Aggregation通信を行う。例えば、制御部21は、RU Changeの受信に応じて、マクロセルを形成するRUを切り替えるとともに、Aggregation Activateの受信に応じて、切り替え先のRUで提供されるスモールセルに接続する。すなわち、制御部21は、IF部22を介して、RUとBWPのアグリゲーションに基づく通信を実行する。
【0084】
以上説明したように、DU1は、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガするトリガ条件を満たした場合に、RUの切り替えと、複数のBWP接続とを実行する。これにより、端末は、BWPをアグリゲーションできる。
【0085】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、RUの切り替えおよび複数のBWP接続のシグナリングを、L1シグナリングまたはL2シグナリングで行っていたが、第2の実施の形態では、このシグナリングをL3シグナリングで行う。これにより、第1の実施の形態と同様に、マクロセルエリアのRUの切り替えと、複数のBWP接続とが可能となり、端末は、スモールセルエリアのDU2の低遅延サービスを早期に受信できる。
【0086】
図11は、第2の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図である。
図11において、
図8と同じ処理ステップには同じ符号が付してある。
【0087】
図11に示すS1~S5の処理は、
図8で説明したS1~S5の処理と同様であり、その説明を省略する。ただし、
図11のS1では、端末は、隣接セル情報(Cell#2)を受信し、同時接続できるBWP情報を受信しない。端末は、次に説明するS21にて、同時接続できるBWP情報を受信する。
【0088】
CUは、同時接続できるBWP情報、RUの切り替えメッセージ(RU change)、および複数のBWP接続を指示するメッセージ(Aggregation Activate)を、L3シグナリングを用いて端末に通知する(S21)。
【0089】
端末は、S21のRU ChangeのメッセージおよびAggregation Activateのメッセージを受信すると、RUの切り替え処理および複数BWPの設定処理を実行する。端末は、設定処理が完了すると、設定処理が完了したことを示すメッセージ(RU change and Aggregation complete)を、L3シグナリングを用いて、RUの切り替え先のRU2を介し、Primary DUのDU1に通知する(S22)。また、Primary DUのDU1は、設定処理が完了したことを示すメッセージ(RU change and Aggregation complete)を、L3シグナリングを用いて、CUに通知する(S22)。
【0090】
CUは、S22のRU change and Aggregation completeのメッセージを受信すると、Primary DUのDU1と、Secondary DUのDU2とに対し、Aggregation Completeを送信し、端末のBWPアグリケーション設定の完了を通知する(S23)。
【0091】
図11に示すS10~S12の処理は、
図8で説明したS10~S12の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0092】
図12は、基地局のブロック構成例を示した図である。
図12において、
図9と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
図12のブロック図では、制御部11,13の機能が、
図9で説明した制御部11,13の機能と異なる。
【0093】
図12の制御部11は、
図9に示した制御部11と同様に、「Aggregation Trigger」、「Aggregation Request生成」、および「UE Context設定」の機能を有するが、
図9に示した制御部11の「RU changeおよびAggregation Activate生成」および「Aggregation Confirm生成」の機能を備えない。
【0094】
図12の制御部13は、
図9に示した制御部13と同様に、「Bearer Context設定」の機能を有する。
図12の制御部13は、
図9に示した制御部13の「Aggregation Response生成」の機能を備えず、「RU changeおよびAggregation Activate生成」および「Aggregation Complete」の機能を有する。
【0095】
制御部13は、RUを切り替えるメッセージ(RU change)および複数のBWP接続を指示するメッセージ(Aggregation Activate)を、L3シグナリングを用いて端末に通知する。また、制御部13は、Primary DUと、Secondary DUとに対し、Aggregation Completeを送信する。
【0096】
端末は、
図10に示したブロック構成と同様の構成を有する。ただし、制御部21の機能が一部異なる。制御部21は、IF部22を介して、RUを切り替えるメッセージと、複数のBWP接続を指示するメッセージとを(RU change and Aggregation Activate)、L3シグナリングを用いて受信する。また、制御部21は、RUの切り替え処理および複数BWPの設定処理を完了すると、設定処理が完了したことを示すメッセージ(RU change and Aggregation complete)を、L3シグナリングを用いて、RUに送信する。
【0097】
以上説明したように、DU1は、RUの切り替えと、複数のBWP接続とのシグナリングを、L3シグナリングを用いて送信してもよい。これによっても、端末は、BWPをアグリゲーションできる。L1,L2シグナリングよりも情報量が多いL3シグナリングを使うことにより、L3シグナリングにBWPの帯域情報を設定することができるため、BWPの変更に柔軟に対応できる。
【0098】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガする条件について説明する。
【0099】
端末は、マクロセルエリアのCell#1を構成する各RUのBeamの受信品質として、CSI(Channel State Information)を測定する。端末は、測定したCSIのCSI ReportをPrimary DUに通知する。
【0100】
Primary DUは、通知されたCSI Reportに基づいて、Cell#1における各RUのBeamの受信品質を比較し、切り替え先のRUの受信品質が良い場合に、RUの切り替えと、複数のBWP接続とを実行する。Primary DUは、例えば、次に示す条件1を、RUの切り替えと、複数のBWP接続とのトリガ条件としてもよい。
【0101】
・条件1
(RU2のCell#1のBeamの受信レベル)>(RU1(またはRU3)のCell#1のBeamの受信レベル)
【0102】
例えば、
図6において、端末は、マクロセルエリアのCell#1を構成するRU1、RU2、およびRU3のBeamのCSIを測定する。端末は、CSI ReportをPrimary DUに通知する。なお、端末は、例えば、
図7で説明した方法によって、Cell#1を構成するRU1、RU2、およびRU3のBeamを識別してもよい。
【0103】
ここで、端末は、
図6に示す左側のCell#1のエリアから、中央のCell#1のエリアに進入したとする。この場合、RUの切り替え先となるRU2のCell#1におけるBeamの受信レベルが、切り替え元のRU1のCell#1におけるBeamの受信レベルより大きくなる。従って、Primary DUのDU1は、条件1を満たすと判定し、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガする。
【0104】
なお、条件1は、「端末が現在無線通信している(接続している)第1のRUのマクロセルエリアにおけるBeamの受信レベルよりも、第2のRUのマクロセルエリアにおけるBeamの受信レベルが大きくなった場合」と捉えてもよい。ここで、第1のRUおよび第2のRUは、マクロセルエリアを構成するRUである。第2のRUは、スモールセルエリアを構成するRUであって、複数のBWPを提供するRUである。また、第2のRUは、LLSのDUおよびHLSのDUによって共用されるRUである。
【0105】
図13は、第3の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図である。
図13において、
図8と同じ処理ステップには同じ符号が付してある。
【0106】
図13に示すS1,S2の処理は、
図8で説明したS1,S2の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0107】
端末は、RU1、RU2、およびRU3の、マクロセルエリアのCell#1におけるBeamのCSIを測定し、CSI ReportをPrimary DUのDU1に通知する(S31)。
【0108】
Primary DUのDU1は、通知されたCSI Reportに基づいて、上記した条件1を満たすか否かを判定する(S32)。Primary DUのDU1は、通知されたCSI Reportに基づいて、条件1を満たすと判定した場合、処理をS4に移行する。すなわち、DU1は、複数BWPの接続処理を開始する。
【0109】
図13に示すS4~S12の処理は、
図8で説明したS4~S12の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0110】
図14は、基地局のブロック構成例を示した図である。
図14において、
図9と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
図14のブロック図では、制御部11の機能が、
図9で説明した制御部11の機能と異なる。例えば、
図9に示した「Aggregation Trigger」は、
図14のブロックでは、「受信レベル比較」となっている。
【0111】
制御部11は、端末から通知されたCSI Reportに基づいて、各RUのBeamの受信品質(例えば、受信レベル)を比較し、比較結果が上記の条件1を満たすか否かを判定する。制御部11は、条件1を満たす場合、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガする。制御部11のその他の機能は、
図9で説明した機能と同様であり、その説明を省略する。
【0112】
端末は、
図10に示したブロック構成と同様の構成を有する。なお、第3の実施の形態に係る端末の制御部21は、基地局がトリガ条件を判定するための情報として、CSI Reportを基地局に送信する。
【0113】
以上説明したように、DU1は、端末からRUの切り替えに関する情報(CSI Report)を受信し、受信した情報に基づいて、RUの切り替えと、複数のBWP接続とを判断する。これにより、端末は、BWPをアグリゲーションできる。
【0114】
なお、端末は、Cell#2の受信品質が規定の条件を満たした場合に、RUの切り替えと、複数のBWP接続とのトリガ条件を満たしたとして、Measurement Reportにより基地局に通知してもよい。基地局は、端末からのMeasurement Reportにより、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガしてもよい。
【0115】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、第3の実施の形態で説明したトリガ条件に、端末の位置情報が加わる。これにより、マクロセルエリアCell#1と、スモールセルエリアCell#2とのカバレッジに差があった場合においても、適切なタイミングで、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガできる。
【0116】
端末は、例えば、GPS(Global Positioning System)といった位置取得機能を備える。端末は、位置取得機能を用いて、端末の位置を取得し、取得した位置の位置情報をPrimary DUのDU1に通知する。
【0117】
DU1は、端末から通知された位置情報に基づいて、端末が所定のエリア(トリガエリア)に位置しているか否か判定する。例えば、DU1は、スモールセルエリアのCell#2から、端末が所定の距離以内に位置した場合、端末がトリガエリアに位置していると判定する。
【0118】
なお、トリガエリアは、スモールセルエリアより小さくてもよいし、同じであってもよい。
【0119】
DU1は、端末がトリガエリアに位置し、かつ、第3の実施の形態で説明した条件1を満たした場合、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガする。
【0120】
図15は、第4の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図である。
図15において、
図8と同じ処理ステップには同じ符号が付してある。
【0121】
図15に示すS1,S2の処理は、
図8で説明したS1,S2の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0122】
端末は、RU1、RU2、およびRU3の、マクロセルエリアのCell#1におけるBeamのCSIを測定し、CSI ReportをPrimary DUのDU1に通知する(S41)。また、端末は、位置取得機能を用いて取得した端末の位置情報をPrimary DUのDU1に通知する(S41)。
【0123】
Primary DUのDU1は、通知されたCSI Reportに基づいて、第3の実施の形態で説明した条件1を満たすか否かを判定する(S42)。また、Primary DUのDU1は、通知された端末の位置情報に基づいて、端末がトリガエリアに位置しているかを判定する(S42)。Primary DUのDU1は、第3の実施の形態で説明した条件1を満たし、かつ、端末がトリガエリアに位置していると判定した場合、処理をS4に移行する。すなわち、DU1は、複数BWPの接続処理を開始する。
【0124】
図15に示すS4~S12の処理は、
図8で説明したS4~S12の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0125】
図16は、基地局のブロック構成例を示した図である。
図16において、
図9と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
図16のブロック図では、制御部11の機能が、
図9で説明した制御部11の機能と異なる。例えば、
図9に示した「Aggregation Trigger」は、
図16のブロックでは、「受信レベル比較および位置判定」となっている。
【0126】
制御部11は、端末から通知されたCSI Reportに基づいて、各RUのBeamの受信品質(例えば、受信レベル)を比較し、比較結果が条件1を満たすか否かを判定する。
【0127】
また、制御部11は、端末から通知された端末の位置情報に基づいて、端末がトリガエリアに位置しているか否かを判定する。
【0128】
制御部11は、条件1を満たし、かつ、端末がトリガエリアに位置している場合、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガする。制御部11のその他の機能は、
図9で説明した機能と同様であり、その説明を省略する。
【0129】
端末は、
図10に示したブロック構成と同様の構成を有する。ただし、端末は、GPSといった位置取得機能を備える。第3の実施の形態に係る端末の制御部21は、基地局がトリガ条件を判定するための情報として、CSI Reportと端末の位置情報とを基地局に送信する。
【0130】
以上説明したように、DU1は、CSI Reportに加え、端末の位置情報に基づいて、RUの切り替えと、複数のBWP接続とを判断する。これにより、端末は、RU2が送信するマクロセルエリアCell#1とスモールセルエリアCell#2とのカバレッジに差があった場合においても適切なタイミングで、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガできる。
【0131】
なお、上記では、Primary DUのDU1は、条件1を満たし、かつ、端末がトリガエリアに位置している場合、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガしたが、これに限られない。DU1は、条件1をトリガ条件にしなくてもよい。すなわち、DU1は、端末がトリガエリアに位置した場合に、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガしてもよい。
【0132】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、端末のサブバンド単位におけるCSIを用いて、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガする。
【0133】
図17Aおよび
図17Bは、無線リソース(周波数)割り当ての一例を示した図である。
図17Aには、Primary DUのDU1と、Secondary DUのDU2とによって共用されるRU2の周波数割り当てが示してある。
図17Bには、Primary DUのDU1(またはDU3)によって占有されるRU1(またはRU3)の周波数割り当てが示してある。
【0134】
Primary DUのDU1は、通知されたCSI Reportに基づいて、Secondary DUと共用されるRU2の、Cell#1におけるBeamの受信レベルを取得する。例えば、Primary DUのDU1は、
図17Aに示す帯域B1の受信レベルを取得する。
【0135】
また、Primary DUのDU1は、通知されたCSI Reportに基づいて、Primary DUのDU1が占有するRU1(またはRU3)のCell#1から、Cell#2に相当する帯域の受信レベルを取得する。すなわち、Primary DUのDU1は、サブバンド単位のCSIから算出されるスモールセルエリアのCell#2に相当する帯域の受信レベルを取得する。例えば、Primary DUのDU1は、
図17Bに示す帯域B2の受信レベルを取得する。帯域B2は、スモールセルエリアのCell#2の帯域に対応する。
【0136】
Primary DUのDU1は、例えば、次に示す条件2および条件3を、RUの切り替えと、複数のBWP接続とのトリガ条件としてもよい。
【0137】
・条件2
(RU2のCell#1のBeamの受信レベル)>閾値X
【0138】
・条件3
(RU1(またはRU3)のサブバンドCSIから算出するCell#2と同一帯域の受信レベル)<閾値Y
【0139】
なお、条件2の左辺のBeamの受信レベルは、例えば、
図17Aに示した帯域B1の受信レベルに対応する。条件3の左辺のBeamの受信レベルは、例えば、
図17Bに示した帯域B2の受信レベルに対応する。
【0140】
例えば、
図6において、端末は、マクロセルエリアのCell#1を構成するRU1、RU2、およびRU3のBeamのCSIを、サブバンド単位で測定する。端末は、測定したCSIのCSI ReportをPrimary DUに通知する。なお、端末は、例えば、
図7で説明した方法によって、Cell#1を構成するRU1、RU2、およびRU3のBeamを識別してもよい。
【0141】
ここで、端末は、
図6に示す左側のCell#1のエリアから、中央のCell#1のエリアに進入したとする。この場合、RUの切り替え先となるRU2のCell#1におけるBeamの受信レベルが、閾値Xより大きくなる。また、RU1のサブバンドCSIから算出するCell#2と同一帯域の受信レベルは、Cell#2の干渉により、閾値Yより小さくなる。従って、Primary DUのDU1は、条件2および条件3を満たすと判定し、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガする。
【0142】
なお、条件2は、「複数のBWPを提供するRUのマクロセルエリアにおけるBeamの受信レベルが、閾値Xより大きくなった場合」と捉えてもよい。ここで、複数のBWPを提供するRUは、端末の切り替え先のRUである。
【0143】
また、条件3は、「端末が現在無線通信している(接続している)RUのBeamの受信レベルであって、スモールセルの帯域に対応する帯域(B2)の受信レベルが閾値Yよりも小さい場合」と捉えてもよい。ここで、端末が現在無線通信しているRUは、端末の切り替え前のRUであって、マクロセルエリアを構成するRUである。
【0144】
図18は、第5の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図である。
図18において、
図8と同じ処理ステップには同じ符号が付してある。
【0145】
図18に示すS1,S2の処理は、
図8で説明したS1,S2の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0146】
端末は、マクロセルエリアのCell#1を構成するRU1、RU2、およびRU3のBeamのCSIをサブバンド単位で測定し、CSI ReportをPrimary DUのDU1に通知する(S51)。
【0147】
Primary DUのDU1は、通知されたCSI Reportに基づいて、上記した条件2および条件3を満たすか否かを判定する(S52)。Primary DUのDU1は、通知されたCSI Reportに基づいて、条件2および条件3を満たすと判定した場合、処理をS4に移行する。すなわち、DU1は、複数BWPの接続処理を開始する。
【0148】
図18に示すS4~S12の処理は、
図8で説明したS4~S12の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0149】
図19は、基地局のブロック構成例を示した図である。
図19において、
図9と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
図19のブロック図では、制御部11の機能が、
図9で説明した制御部11の機能と異なる。例えば、
図9に示した「Aggregation Trigger」は、
図19のブロックでは、「受信レベル(subband単位)比較」となっている。
【0150】
制御部11は、端末から通知されたCSI Reportに基づいて、複数BWPを提供するRUのマクロセルエリアにおけるBeamの受信レベルを取得する。制御部11は、取得した受信レベルと閾値Xとを比較し、上記の条件2を満たすか否かを判定する。
【0151】
また、制御部11は、端末から通知されたCSI Reportに基づいて、端末が現在無線通信しているRUのBeamの受信レベルであって、スモールセルの帯域に対応する帯域の受信レベルを取得する。制御部11は、取得した受信レベルと閾値Yとを比較し、上記の条件3を満たすか否かを判定する。
【0152】
制御部11は、条件2および条件3を満たす場合、RUの切り替えと、複数のBWP接続とをトリガする。制御部11のその他の機能は、
図9で説明した機能と同様であり、その説明を省略する。
【0153】
端末は、
図10に示したブロック構成と同様の構成を有する。ただし、制御部21の機能が一部異なる。第5の実施の形態に係る端末の制御部21は、各RUのCSIをサブバンド単位で測定し、CSI Reportを基地局に送信する。サブバンド単位で測定することで基地局はBWPの帯域に合わせた受信品質を知ることが可能となる。
【0154】
以上説明したように、DU1は、条件2および条件3に基づいて、RUの切り替えと、複数のBWP接続とを判断してもよい。これによっても、端末は、BWPをアグリゲーションできる。
【0155】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態では、1つのDUで複数のBWPを形成する。
【0156】
図20は、第6の実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示した図である。
図20に示すDUは、RU1、RU2、およびRU3において、マクロセルエリアのCell#1を形成する。また、
図20に示すDUは、RU2において、マクロセルエリアのCell#1と、スモールセルエリアのCell#2とを形成する。すなわち、
図20に示すDUは、1台でマクロセルエリアのCell#1と、スモールセルエリアのCell#2とを形成する。別言すれば、
図20に示すDUは、Primary DUとSecondary DUの機能を有する。
図20に示すDUは、HLSであってもよいし、LLSであってもよい。
【0157】
図21は、RU1およびRU3における無線リソース(周波数)割り当ての一例を示した図である。DUは、複数のRU1、RU2、RU3のうち、RU1およびRU3においては、
図21に示すように、1つのBWP3を割り当ててもよい。
【0158】
図22は、RU2における無線リソース(周波数)割り当ての一例を示した図である。DUは、複数のRU1、RU2、RU3のうち、RU2においては、
図22に示すように、BWP1およびBWP2の2つのBWPを割り当ててもよい。
【0159】
図20~
図22に示す無線通信システムでは、Secondary DUに対する新規のUEコンテキストおよびベアラの設定が不要となり、UEコンテキストおよびベアラの更新を行えばよい。
【0160】
図23は、第6の実施の形態に係る無線通信システムのシーケンス例を示した図である。
図23において、
図18と同じ処理ステップには同じ符号が付してある。
【0161】
図23に示すS1,S2,S51,S52,S4の処理は、
図18で説明したS1,S2,S31,S32,S4の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0162】
CUは、S4のAggregation requestに応じて、DUに対し、UEコンテキスト情報(例えばセキュリティ関連情報)およびベアラ情報を送信し、UEコンテキストおよびベアラの更新(変更)を行う(S61)。なお、
図18のシーケンスでは、
図18のS5に示すように、CUは、Secondary DUのDU2に対し、UEコンテキストおよびベアラの設定を行う。
【0163】
図23に示すS6~S9の処理は、
図18で説明したS6~S9の処理と同様であり、その説明を省略する。ただし、
図18のシーケンスでは、CUは、Secondary DUのDU2に対して、Aggregation Confirmを送信したが、
図23のシーケンスでは、送信しない。
【0164】
DUおよび5GCは、パスのアップデート処理を行う(S62)。UEおよび5GCは、RU2、DU、およびCUを介して通信を行う(S63、S64)。UEおよびRU2は、
図22に示したように、2つのBWPを用いて無線通信を行う(A11)。
【0165】
図24は、基地局のブロック構成例を示した図である。
図24において、
図19と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
図24のブロック図では、制御部11,13の機能が、
図19で説明した制御部11,13の機能と異なる。例えば、
図19に示した「UE Context設定」は、
図24のブロックでは、「UE Context更新」となっている。また、
図19に示した「Bearer Context設定」は、
図24のブロックでは、「Bearer Context更新」となっている。
【0166】
上記した通り、第6の実施の形態に係る無線通信システムでは、Secondary DUに対する新規のUEコンテキストおよびベアラの設定が不要となる。制御部11,13は、UEコンテキストおよびベアラの更新を行えばよい。
【0167】
端末は、第5の実施の形態で説明した端末のブロック構成と同様のブロック構成を有し、その説明を省略する。
【0168】
以上説明したように、DUは、1台でマクロセルエリアのCell#1と、スモールセルエリアのCell#2とを形成してもよい。この場合でも、端末は、BWPをアグリゲーションできる。
【0169】
なお、複数のBWPを構成するRU2は、複数のBWPを1つのセルにおいて提供してもよい。
【0170】
図25は、RU2における無線リソース(周波数)割り当ての別例を示した図である。
図25に示すように、BWP1およびBWP2を構成するRU2は、スモールセルエリアのCell#2が提供するBWP2と同じBWPを、マクロセルエリアのCell#1において提供してもよい。別言すれば、RU2は、Cell#1において、BWP1とBWP2とを提供してもよい。
【0171】
この場合、BWPをアグリゲーションできる端末は、例えば、
図20に示す中央のCell#1に位置した場合、Cell#1のBWP1とBWP2との2つのBWPを用いて通信する。
【0172】
一方、BWPをアグリゲーションできない端末およびスモールセルエリアに単独で接続する端末は、例えば、
図20に示す中央のCell#1に位置した場合、Cell#2の1つのBWP2を用いて通信する。
【0173】
以上、実施の形態について説明したが、各実施の形態は、組み合わされてもよい。例えば、第5の実施の形態のトリガ条件に、第4の実施の形態で説明した位置情報が加わってもよい。また、例えば、第6の実施の形態に、第3の実施の形態、第4の実施の形態、または第5の実施の形態が組み合わされてもよい。また、条件1~条件3の判定に用いられる情報は、RUの切り替えに関する情報と捉えてもよい。また、RUの切り替えが、複数のBWP接続のトリガ条件であってもよい。
【0174】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0175】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0176】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0177】
本開示における基地局と通信する端末(UE)には、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)が含まれる。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0178】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0179】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0180】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0181】
また、本開示には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0182】
本開示の一実施例に係る分散局は、端末から第1の無線装置を介して、無線装置の切り替えに関する情報を受信する受信回路と、前記情報に基づいて、前記第1の無線装置から第2の無線装置への切り替えと、前記第2の無線装置におけるBWP(Bandwidth part)のアグリゲーションとを判断する制御回路と、を有する。
【0183】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、レイヤ1、レイヤ2、またはレイヤ3のいずれかのシグナリングを用いて、前記端末に対し前記BWPのアグリゲーションを通知する。
【0184】
本開示の一実施例において、前記第1の無線装置および前記第2の無線装置は、第1のセルを形成し、前記情報は、前記第1の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、前記第2の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、を含む。
【0185】
本開示の一実施例において、前記第1の無線装置および前記第2の無線装置は、第1のセルを形成し、前記第2の無線装置は、第2のセルを形成し、前記情報は、前記第2の無線装置の前記第1のセルにおける受信品質と、前記第1の無線装置の前記第1のセルの受信品質であって、前記第2のセルの帯域に対応する受信品質とを含む。
【0186】
本開示の一実施例において、前記情報は、前記端末の位置情報を含む。
【0187】
本開示の一実施例に係る集約局は、端末と無線通信する無線装置を制御する分散局から、BWPのアグリケーションの設定要求を受信する受信回路と、前記設定要求に応じて、前記BWPのアグリケーションに関する端末のコンテキストとベアラとを設定する制御回路と、を有する。
【0188】
本開示の一実施例に係る端末は、分散局から無線装置を介して、無線装置の切り替えと、BWPのアグリケーションとを指示する指示情報を受信する受信回路と、前記指示情報に基づいて、切り替え先の無線装置とBWPのアグリゲーションに基づく通信を実行する制御回路と、を有する。
【0189】
本開示の一実施例に係る通信方法は、分散局は、端末から第1の無線装置を介して、無線装置の切り替えに関する情報を受信し、前記情報に基づいて、前記第1の無線装置から第2の無線装置への切り替えと、前記第2の無線装置におけるBWPのアグリゲーションとを判断する。
【0190】
本開示の一実施例に係る通信方法は、集約局は、端末と無線通信する無線装置を制御する分散局から、BWPのアグリケーションの設定要求を受信し、前記設定要求に応じて、前記BWPのアグリケーションに関する端末のコンテキストとベアラとを設定する。
【0191】
本開示の一実施例に係る通信方法は、分散局から無線装置を介して、無線装置の切り替えと、BWPのアグリケーションとを指示する指示情報を受信し、前記指示情報に基づいて、切り替え先の無線装置とBWPのアグリゲーションに基づく通信を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0192】
本開示の一実施例は、無線通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0193】
11,13 制御部
12a,12b,14 IF部