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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/02 20060101AFI20240729BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20240729BHJP
   F24C 15/02 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
F24C7/02 355A
F24C7/02 301S
F24C7/02 340F
F24C7/04 301Z
F24C15/02 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020180847
(22)【出願日】2020-10-28
(65)【公開番号】P2022071734
(43)【公開日】2022-05-16
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】杉本 尚泉
(72)【発明者】
【氏名】岸本 卓士
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-274696(JP,A)
【文献】特開2014-152959(JP,A)
【文献】特開2018-163080(JP,A)
【文献】特開2012-173249(JP,A)
【文献】特開2017-176560(JP,A)
【文献】特開2020-153615(JP,A)
【文献】特開2020-003074(JP,A)
【文献】特開平02-033527(JP,A)
【文献】特開平06-050545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02
F24C 7/04
F24C 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉を備えた加熱庫と、
前記扉の開閉を検知する開閉検知部と、
前記加熱庫内に光照射する発光素子と、
前記発光素子から照射された光を受光する受光素子と、
前記受光素子の受光信号に応じて前記加熱庫内に被加熱物が配置されているか否かを判定する判定部と、
前記加熱庫内に配置された前記被加熱物を加熱する加熱部と、
前記判定部によって前記加熱庫内に前記被加熱物が配置されていると判定され、かつ、前記開閉検知部によって前記扉が閉じたことが検知されたことを条件として、前記被加熱物を加熱するように前記加熱部の加熱を制御する加熱制御部と、
を含み、
前記発光素子と前記受光素子とは、前記加熱庫の同一の側面上に設けられており、
前記発光素子の光軸は、前記加熱庫の前記被加熱物が配置される面に交差することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記発光素子の光軸は、前記加熱庫の底面に交差することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記受光素子の受光面から垂直方向に延びる仮想線は、前記加熱庫の前記被加熱物が配置される面に交差することを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記加熱庫は、
底面と、前記底面と対向する上面と、前記底面と前記上面を接続する側面と、を有し、
前記発光素子は、前記側面における前記上面よりも前記底面に近い側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記発光素子は複数設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記発光素子の前面に配置され、内壁を有し、当該発光素子が照射した光を前記加熱庫内に導く第1の光路と、
前記受光素子の前面に配置され、内壁を有し、前記加熱庫内からの光を当該受光素子に導く第2の光路と、を有し、
前記第1の光路及び前記第2の光路の内壁は、白色又は鏡面であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
食品の種類を少なくとも示す情報コードを読み取る読取り装置をさらに含み、
前記加熱制御部は、
前記読取り装置によって読取られた前記被加熱物の情報コードに応じた加熱条件で、前記加熱部の加熱を制御することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱庫内部に配置された食品を加熱する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばコンビニエンスストアでは、販売した弁当等の食品を電子レンジ等の加熱調理器にて加熱し、客に手渡すサービスが行われている。
【0003】
食品を加熱する場合の好適な加熱温度や加熱時間は、食品の種類によって異なる。特許文献1および2に示す加熱調理器では、食品の容器に記された、食品の種類を示すバーコードを読取り装置にて読み取り、食品の種類に応じた加熱情報(加熱温度や加熱時間)に従って食品を加熱するようにしている。
【0004】
具体的には、特許文献1に記載の構成では、電子レンジにバーコードスキャナが接続され、ユーザがバーコードスキャナを手動操作して食品の容器に記されたバーコードを読み取ることで食品の種類に応じた加熱情報を得ている。
【0005】
また、特許文献2に記載の構成では、加熱調理器の前面の一方の側部に設けられた第1のバーコード読取り装置に、食品の容器に記されたバーコードをかざしてバーコードを読み取ることで食品の種類に応じた加熱情報を得ている。あるいは加熱調理器の加熱庫内部に、容器に収容された食品を配置し、加熱庫の天壁に設けられた第2のバーコード読取り装置にて食品の容器に記されたバーコードを読み取ることで食品の種類に応じた加熱情報を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-64362号公報
【文献】実用新案登録第3076649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1、2の何れにおいても、バーコードスキャナや、第1あるいは第2のバーコード読取り装置がバーコードを読み取るタイミングについては記載されていない。しかしながら、これらの読取り装置が常にバーコードを読取り可能な状態とすると、加熱庫内部から加熱後の食品を取り出す際、誤って当該食品の容器のバーコードを読取る恐れがある。この場合、食品を加熱庫から取り出した後に前扉が閉められると、加熱庫に食品が存在しない状態で加熱が行われる恐れがある。つまり、無負荷運転を行うことで、加熱調理器の加熱部、例えばマグネトロンに負担がかかり、機器寿命を短くするという問題が生じる。
【0008】
本発明の一態様は、無負荷運転を行わないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る加熱調理器は、扉を備えた加熱庫と、前記扉の開閉を検知する開閉検知部と、前記加熱庫内に光照射する発光素子と、前記発光素子から照射された光を受光する受光素子と、前記受光素子の受光信号に応じて前記加熱庫内に被加熱物が配置されているか否かを判定する判定部と、前記加熱庫内に配置された前記被加熱物を加熱する加熱部と、前記判定部によって前記加熱庫内に前記被加熱物が配置されていると判定され、かつ、前記開閉検知部によって前記扉が閉じたことが検知されたことを条件として、前記被加熱物を加熱するように前記加熱部の加熱を制御する加熱制御部と、を含み、前記発光素子と前記受光素子とは、前記加熱庫の同一の側面上に設けられており、前記発光素子の光軸は、前記加熱庫の前記被加熱物が配置される面に交差することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、無負荷運転を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態1の加熱調理器の前扉を閉じた状態を正面の斜め上方から見た場合の斜視図である。
図2図1に示した加熱調理器の前扉を開放した状態の正面図である。
図3図1に示した加熱調理器の前扉を開放した状態を右斜め下方から見た場合の斜視図である。
図4図1に示した加熱調理器が備える読取り装置の設置状態を示すコントロールフレームの縦断面図である。
図5図4に示した読取り装置の読取り領域を示す説明図である。
図6】情報コードの具体的な例を示す説明図である。
図7図1に示した検知センサを加熱庫の上面側からみた断面図である。
図8図1に示した検知センサの発光素子から照射された光の反射を示す図である。
図9図1に示した加熱調理器における食品センサの配置例および検知領域を示す説明図である。
図10図1に示した加熱調理器が備える制御装置の構成を示すブロック図である。
図11図1に示した加熱調理器における情報コードの読取り制御の流れを示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態2の加熱調理器の前扉を開放した状態の正面図である。
図13図12に示した庫内灯から照射された光の反射を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態の加熱調理器1の本体に設けられた開閉自在の前扉12を閉じた状態を正面の斜め上方から見た場合の斜視図である。図2は、図1に示した加熱調理器1の前扉12を開放した状態を正面の斜め下方から見た場合の斜視図である。図3は、図1に示した加熱調理器1の前扉12を開放した状態を右斜め下方から見た場合の斜視図である。
【0013】
(加熱調理器1の概要)
図1から図3に示すように、加熱調理器1は、例えば電子レンジであり、前面の上部に操作パネル11を有し、操作パネル11の下に前扉12を有している。前扉12は、前扉12の奥に設けられている加熱庫13を開閉する扉であり、閉状態にて加熱庫13の前面開口部13bを覆う。前扉12は、本実施形態において、向って左側の端部を中心として回転する横開き形式であり、回転中心と反対側の端部である、右端付近に取手14を有している。
【0014】
加熱庫13は、図2に示すように、被加熱物が配置される側の底面と、底面と対向する上面13dと、底面と上面13dとを接続する側面13aによって形成されている。庫内の側面13aに検知センサ31が設けられている。検知センサ31によって、加熱庫13内の底面に設けられたフラットプレート13c上に被加熱物(食品)が配置されているか否かを検出する。つまり、検知センサ31は、加熱庫13内のフラットプレート13c上の被加熱物(食品)の有無を検知する。検知センサ31および被加熱物(食品)の検知の詳細については後述する。なお、加熱庫13の底面に、フラットプレート13cではなく、例えばターンテーブルを設け、ターンテーブル上に被加熱物を配置しても良い。
【0015】
操作パネル11は、コントロールフレーム15の前面に設けられている。操作パネル11は、加熱調理器1の前後方向において、当該操作パネル11の前面が前扉12の前面とほぼ面一となるように設けられている。
【0016】
コントロールフレーム15の内部には、操作パネル11の表示部30の制御や、入力キー等に対するユーザ操作の受け付け等を行う制御基板(図示せず)が設けられている。
【0017】
(読取り装置16)
図4は、読取り装置16の設置状態を示すコントロールフレーム15の縦断面図である。図5は、読取り装置16の読取り領域19を示す説明図である。
【0018】
図4に示すように、コントロールフレーム15は、加熱調理器1の前方へ突出状に設けられている。読取り装置16は、読取り装置基板(回路基板)17の下面に取り付けられ、コントロールフレーム15の内部の下部に設けられている。読取り装置基板17は、読取り装置16の駆動回路を備えている。すなわち、読取り装置16は、加熱庫13の外部、かつ加熱庫13の前面開口部13bの上方位置を設置位置とし、設置位置よりも下方に読取り領域19を有するように設けられている。
【0019】
読取り装置16は、例えばバーコードリーダであり、加熱調理器1にて加熱する食品あるいは食品の容器に付与された情報コード(例えばバーコード)を読み取るようになっている。
【0020】
読取り装置16は、図5に示すように、読取り装置16の下方領域を読取り領域19としており、コントロールフレーム15は、読取り装置16と対向する下壁部の部分に、透明の読取り窓18を有している。
【0021】
読取り装置16の読取り領域19は、ユーザが目視にて読取り領域19を理解できるように、例えば赤色の光にて示すようになっている。この赤色の光は、読取り領域照明部21(図10参照)が照射する。読取り領域照明部21としては、例えば赤色LEDが用いられる。なお、読取り領域19を示す光は赤色に限定されず、ユーザが目視可能な他の光、例えばレーザ等であってもよい。また、赤色LEDの個数は1個でもよいし、複数個であってもよい。
【0022】
また、読取り装置16は、図2および図3に示すように、加熱庫13の前面開口部13bの幅方向(左右方向)の中央部に設けられている。
【0023】
(情報コード)
図6の(a)は、二次元コード(QRコード(登録商標))からなる情報コードの例を示す説明図、図6の(b)は、一次元バーコードからなる情報コードの例を示す説明図である。
【0024】
情報コードは、食品の加熱調理をするために用いられる。例えば情報コードは、食品の種類を示す情報、種類を示した食品の加熱調理の条件を示す情報(加熱情報)を含んでいる。加熱情報は、加熱調理に必要な情報であり、加熱調理器1における加熱時間、高周波出力のワット数を含んでいる。情報コードは、具体的には、食品の種類、例えば食品が弁当であること(あるいはさらに弁当の種類)や、おにぎりであること(あるいはさらにはおにぎりの種類)を示す情報と、それら示された食品に応じた加熱時間、高周波出力のワット数を含む加熱情報とを含んでいる。この情報コードは、食品あるいは食品の容器に、例えば印刷あるいはシールによって付与されている。なお、情報コードは、特定した食品の加熱調理をするために用いられるため、食品を特定する情報のみを含み、特定した食品の加熱情報を外部のサーバ51(図10)から取得するようにしてもよい。また、情報コードは、食品の加熱情報のみを含んでいてもよい。
【0025】
なお、情報コードは、例えば図6の(a)に示すように、二次元コードであってもよいし、図6の(b)に示すように、一次元バーコードであってもよい。なお、情報コードは、食品の種類を示すことができるものであればよく、特にバーコード等に限定されない。
【0026】
(加熱庫13内の被加熱物有無の検知)
図7は、図1に示した検知センサを加熱庫の上面側からみた断面図である。図8は、図1に示した検知センサ31の発光素子33から照射された光の反射を示す図である。図9は、図1に示した加熱調理器1における検知センサ31の配置例および検知領域を示す説明図である。
【0027】
検知センサ31は、例えば反射型フォトセンサからなる。図7に示すように、検知センサ31は、加熱庫13内に光を照射する発光素子33と、発光素子33から照射された光を受光する受光素子34を有している。発光素子33から照射された光を被加熱物(食品)に当て、当該食品から反射した光を受光することで、食品の有無を検知する。
【0028】
発光素子33及び受光素子34の前面には、それぞれ内壁を有するセンサ光路35(第1の光路)、センサ光路36(第2の光路)が設けられている。センサ光路35は、発光素子33が照射した光を加熱庫13内に導く光路である。センサ光路36は、加熱庫13内からの光を受光素子34に導く光路である。センサ光路35、36の内壁は白色又はメッキによる鏡面のようにしても良い。このように、内壁を白色又はメッキによる鏡面としたセンサ光路35、36を設けることにより、発光素子33から照射された光の減衰による受光素子34の感度低下を低減することができる。
【0029】
実施形態1において、発光素子33と受光素子34が、加熱庫13の同一の側面上に設けられている。図8の符号1071に示すように、発光素子33は、フラットプレート13cに向けて設けられている。換言すれば、発光素子33は、光軸が、食品40が配置されるフラットプレート13cに交わるように、設けられている。発光素子33の光軸は、加熱庫13の底面にも交わるように設けられている。発光素子33の光軸を、フラットプレート13cに交わるようにすることで、食品が無い状態における、受光素子34が受光する光の強度を適切に調節することができる。
【0030】
図9の符号1081に示すように、検知センサ31の発光素子33からの光の照射範囲がセンサ検知エリア32となる。センサ検知エリア32は、加熱庫13のフラットプレート13cの中央の図面上やや右側寄りに位置している。
【0031】
発光素子33は、加熱庫13の側面13aにおける上面13dよりもフラットプレート13c側(下側)に設けられている。換言すれば、発光素子33はフラットプレート13cからの高さが低い位置に設けられている。発光素子33を、フラットプレート13cからの高さが低い位置に設けることで、食品の厚さが薄いようなものであっても、食品を検知することができる。
【0032】
図8の符号1071に示すように、加熱庫13内に食品40が配置されていない場合、発光素子33から照射された光は、加熱庫13のフラットプレート13cに当たり、フラットプレート13cから発光素子33と対向する加熱庫13の側面13a側に反射される。つまり、発光素子33から照射された光は、受光素子34が設けられた部分に向かって反射されていない。受光素子34は発光素子33から照射された光を受光しないため、受光素子34の受光強度が低くなる。
【0033】
図8の符号1072に示すように、加熱庫13内に食品40が配置されている場合、発光素子33から照射された光は食品40に当たる。食品40に当たった光は、受光素子34に向かって反射される。受光素子34が反射された光を受光すると、受光素子34の受光強度が高くなる。
【0034】
受光素子34は、センサ検知エリア32からの反射光を受光し、受光した信号(受光信号)を加熱調理器1の制御部22(図10)に送る。制御部22は、送られた受光信号から加熱庫13内の食品40の有無を判定する。食品40の有無の判定の詳細は後述する。
【0035】
上記のように、加熱庫13内に配置された被加熱物である食品40の有無を検知するには、センサ検知エリア32の位置および大きさを調整する必要がある。本実施形態では、図9の符号1082に示すように、加熱庫13の奥行き方向に検知センサ31を3個配置した例を示している。なお、3個の検知センサ31のフラットプレート13cからの高さは同じとする。このように、フラットプレート13cからの高さが同じ、3個の検知センサ31を用いて、加熱庫13のフラットプレート13c上に配置された食品40の有無を検知するための領域である、センサ検知エリア32を形成している。従って、検知センサ31の数やフラットプレート13cからの高さを、加熱庫13の大きさに合わせて調整することで、加熱庫13の大きさに応じたセンサ検知エリア32を形成することが可能となる。このように、検知センサ31の個数や、設置高さ等については、所望する大きさのセンサ検知エリア32を形成できれば特に限定されるものではない。
【0036】
また、加熱庫13の大きさ、発光素子33からの光の照射範囲又は受光素子34の位置などに合わせて、発光素子33の光軸の、フラットプレート13cに対する角度は、適宜変更することが可能である。このように、発光素子33の光軸をフラットプレート13cに対して傾けることで、食品が無い状態における受光素子34の受光強度低下させることができるため、食品の有無による受光素子34の受光強度に差を設けることができる。
【0037】
図7に示すように、発光素子33の光を受光する受光素子34の面を受光面34aとし、受光面34aから垂直方向に延びる線を仮想線Aとする。受光素子34の仮想線Aを、フラットプレート13cに交わるように設けても良い。つまり、受光素子34はフラットプレート13cに対して傾けて設けられている。受光素子34の仮想線Aをフラットプレート13cに交わるように設けることで、発光素子33に対向する加熱庫13の側面13aから反射され、受光素子34に受光される光の強度について調節することができる。つまり、食品40が無い状態における、受光素子34の受光強度を適切に調節することができる。これにより、無負荷運転をより確実に防ぐことができる。
【0038】
また、検知センサ31のとしては、反射型フォトセンサに限定されるものではなく、例えば近赤外LEDと、フォトトランジスタ(受光波長900nm)とをそれぞれ3個用いて、反射型フォトセンサの代わりにしてもよい。従って、検知センサ31としては、発光素子33を有し、加熱庫13内の被加熱物の有無を検知できる構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0039】
(制御装置)
図10は、加熱調理器1が備える制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置は、加熱調理器1の動作を制御する制御部22を備えている。制御部22は、例えばマイクロコンピュータからなり、CPU、ROMおよびRAMを有する。
【0040】
図10に示すように、制御部22には、操作パネル11、加熱動作部23、読取り装置16、読取り領域照明部21、読取り結果報知部24、前扉開閉検知部(開閉検知部)25およびメモリ(記憶部)52が接続されている。前扉開閉検知部25は、例えば前扉12が閉じられたときにオンするスイッチからなり、前扉12の開状態および閉状態を検知する。
【0041】
加熱動作部23は、加熱庫13に配置された食品を加熱する動作部であり、例えばマイクロ波出力装置やヒータである。読取り結果報知部24は、ブザーや音声発生部であり、制御部22に制御されて、読取り装置16による情報コードの読み取りの成功または失敗をユーザに報知する。
【0042】
制御部22は、例えばインターネット回線を使用してサーバ51と通信可能である。サーバ51には、各種食品の種類に応じた加熱情報が登録されている。制御部22は、読取り装置16が情報コードを読み取ることによって取得した食品の種類に応じた加熱情報をサーバ51から取得し、取得した加熱情報に従って食品が加熱されるように、加熱動作部23を制御する。なお、食品の種類に応じた加熱情報は、加熱調理器1自体が有していてもよい。この場合、加熱調理器1はサーバ51との通信は不要である。
【0043】
さらに、制御部22は、加熱庫13内に食品40が存在しているか否かを判定する判定部22a、判定部22aの判定結果に基づき加熱動作部23の加熱動作を制御する加熱制御部22b、判定部22aの判定結果に基づき読取り装置16の読取り動作を制御する読取り制御部22cを含んでいる。
【0044】
判定部22aは、検知センサ31の受光素子34からの信号(受光信号)に基づいて、加熱庫13内に食品40が存在しているか否かを判定する。具体的には、以下のようにして食品40の有無を判定している。すなわち、センサ検知エリア32に食品40が配置されていなければ、検知センサ31の発光素子33が照射した光はセンサ検知エリア32のフラットプレート13cにて反射され、その反射光は受光素子34には受光されない。一方、センサ検知エリア32に食品40が配置されていれば、検知センサ31の発光素子33が照射した光はセンサ検知エリア32のフラットプレート13cよりも手前の食品40にて反射され、その反射光が受光素子34に受光される。ここで、加熱庫13内に食品40が配置されていないときの検知センサ31の受光強度を基準値として、受光強度が基準値と高くなれば、加熱庫13内に食品40が配置されていると判定する。
【0045】
加熱制御部22bは、判定部22aによって加熱庫13内に食品40があると判定され、かつ前扉開閉検知部25によって前扉12が閉じたことを検知したことを条件として、加熱動作部23による加熱動作を許可する。一方、加熱庫13内に食品40が無いことを示す結果であれば、前扉開閉検知部25によって前扉12が閉じたことを検知されたとしても、加熱制御部22bは加熱動作部23による加熱動作を許可しない。
【0046】
(判定部22aが被加熱物無と判定した場合の制御)
読取り制御部22cは、判定部22aの判定結果が加熱庫13内に食品40が無いことを示す結果であれば、所定時間、読取り装置16による情報コードの読取り動作を停止させる、あるいは、所定時間、読取り装置16によって読み取られた情報コードをキャンセルする。なお、読取り装置16によって読み取られた情報コードには、加熱調理に必要な加熱情報が含まれている。加熱情報とは、加熱調理器1における加熱時間、高周波出力のワット数をいう。
【0047】
読取り装置16による情報コードの読取り動作が停止する所定時間、および読取り装置16によって読み取られた情報コードをキャンセルする所定時間は、任意に設定すればよく、少なくとも加熱庫13内から食品40を完全に取り出して、読取り装置16による読取り位置を過ぎるまでの時間に設定すればよい。このように所定時間を設定すれば、加熱終了後の食品を加熱庫13から取り出す際に、読取り装置16によって再び情報コードが読み込まれる可能性をより低くすることができる。
【0048】
所定時間の開始は、判定部22aによって加熱庫13内の食品40有りと判定された状態から、加熱庫13内の食品40無しと判定された状態に遷移する時点以降であるのが好ましい。この場合、加熱庫13内に食品40が無くなってから、読取り装置16による読取り動作が停止されることになるので、当該加熱庫13から取り出された食品40が読取り装置16の読取り位置を通過しても、当該食品40の情報コードは読み取られる恐れは殆どない。
【0049】
(判定部22aが被加熱物有と判定した場合の制御)
読取り制御部22cは、判定部22aの判定結果が加熱庫13内に食品40が有ると判定している場合、読取り装置16による読取り動作を停止させる、あるいは、読取り装置16によって読み取られた情報コードをキャンセルする。
【0050】
これによって、例えば、加熱庫13内に食品40が無いにも関わらず、検知センサ31が故障して加熱庫13内に食品40が有ると判定している場合、読取り装置16によって情報コードを読み取らない、あるいは、読み取ってもキャンセルすることで、無負荷運転が行われることを抑制することができる。
【0051】
所定時間の完了は、例えば、前扉開閉検知部25によって前扉12が閉じられたことを検知した時点であってもよい。具体的には、前記前扉開閉検知部25によって前扉12が開放されたことを検知し、且つ、判定部22aによって加熱庫13内に食品40無しと判定された後、所定時間後、あるいは、読取り装置16による読取り動作を停止させ、前扉開閉検知部25によって前扉12が閉じられたことを検知した時点以降に読取り装置16による読取り動作の停止を解除する。この場合、加熱調理が終わった食品40を加熱庫13から取り出すには、前扉12を開放する必要があるので、当該前扉12が開放された状態で、加熱庫13から食品40が取り出される。このとき、読取り装置16による読取り動作の停止が開始されることになる。そして、所定時間経過するか、あるいは、前扉12が閉じられた時点以降で、読取り装置16による読取り動作の停止を解除する。これにより、次に、食品40を加熱調理するために前扉12を開放して、加熱庫13に入れようとするときに、食品40の情報コードを読取り装置16によって読み取ることができる。
【0052】
メモリ52には、読取り装置16が読み取った情報コードに含まれる加熱情報が記憶される。これにより、情報コードを一度読み取った食品に関しては、加熱情報が加熱調理器1のメモリ52に登録されるので、加熱情報を加熱調理器1の外部から情報コードを読み取る都度取得する必要がなくなる。
【0053】
(加熱調理器1の動作)
上記の構成において、加熱調理器1の動作について以下に説明する。ここでは、食品40を、容器の上面に情報コードが付与された弁当とし、この弁当を加熱調理器1にて加熱する場合について説明する。
【0054】
まず、ユーザは、操作パネル11の案内表示20(例えば、「ドアを開けて赤色の光に情報コードをかざしてください」)を確認する。そして、ユーザは、この案内表示20に従って、前扉12を開ける。この前扉12の開放状態を前扉開閉検知部25が検知すると、制御部22は、読取り装置16および読取り領域照明部21を動作させる。
【0055】
次に、ユーザは、操作パネル11の案内表示20に従って、読取り装置16の読取り領域19に情報コードが入るように(情報コードに赤色の光が当たるように)、弁当を移動させる。
【0056】
この動作により、読取り装置16は弁当に付与された情報コードを読み取る。読取り装置16による情報コードの読み取りが成功すると、制御部22は、その読取り結果を読取り結果報知部24にてユーザに報知させる。この場合の読取り結果報知部24の動作は、例えば「ピー」という連続音を発する動作、「情報コードの読み取りが成功しました」という音声を発する動作、あるいはそれら両方である。
【0057】
ユーザは、読取り結果報知部24にて情報コードの読み取りの成功が知らされると、弁当を加熱庫13の内部へ配置した後、前扉12を閉じ、操作パネル11のスタートボタンを押す。この状態では、加熱対象である弁当が加熱庫13内の所定の位置に配置される。つまり、図9の符号1081に示すように、加熱庫13内の検知センサ31のセンサ検知エリア32に弁当(食品40)が配置される。このとき、判定部22aによって弁当が加熱庫13内に配置されていることが判定される。ユーザによって前扉12が閉じられると、前扉開閉検知部25が前扉12を閉じたことを検知する。判定部22aの判定結果及び前扉開閉検知部25の検知結果に基づき、加熱制御部22bによる加熱制御、すなわち加熱動作部23による加熱動作が許可される。
【0058】
制御部22は、情報コードの読み取りが成功すると、サーバ51と通信し、情報コードが示す食品の種類の応じた加熱情報をサーバ51から取得する。その後、制御部22は、ユーザが前扉12を閉じ、操作パネル11のスタートボタンを押と、取得した加熱情報に従って加熱庫13内の弁当を加熱する。
【0059】
その後、制御部22は、ユーザが前扉12を閉じ、操作パネル11の加熱変更ボタン11aが操作され、スタートボタンが押される。そして、スタートボタンの押下に伴って、取得した加熱情報に従って加熱庫13内の弁当を加熱する。
【0060】
一方、読取り装置16による情報コードの読み取りが失敗すると、制御部22は、その読取り結果を読取り結果報知部24にてユーザに報知させる。この場合の読取り結果報知部24の動作は、例えば「ピッ、ピッ、ピッ」という断続音を発する動作、「情報コードの読み取りが失敗しました」という音声を発する動作、あるいはそれら両方である。
【0061】
ユーザは、読取り結果報知部24にて情報コードの読み取りの失敗が知らされると、読取り装置16の読取り領域19に情報コードが入るように(情報コードに赤色の光が当たるように)、再度、弁当を移動させる。これにより、情報コードの読み取りが成功した場合の動作は、前述のとおりである。
【0062】
以上のようにして、弁当の温めが完了すると、その旨がユーザに報知され、ユーザは、加熱庫13内から弁当を取り出す。弁当を加熱庫13内から取り出すことにより、加熱庫13内のセンサ検知エリア32から弁当が無くなり、検知センサ31の受光素子34が受光する信号は基準値となるため、制御部22の判定部22aは、弁当が加熱庫13内に無いと判定する。この判定部22aの判定結果(弁当が加熱庫13内に配置されていない)に基づき、加熱制御部22bは、加熱動作部23による加熱動作を許可しない。これにより、加熱庫13内に弁当が配置されていない状態で、前扉が閉じられたとしても、加熱動作部23による加熱動作は行われない。つまり、無負荷状態での加熱動作は行われない。
【0063】
さらに、判定部22aの判定結果(弁当が加熱庫13内に配置されていない)に基づき、読取り制御部22cは、所定時間、読取り装置16による情報コードの読取り動作を停止させる。これにより、例えば、弁当の取り出し中に、読取り装置16が当該弁当の情報コードを読み取ることはないので、加熱制御部22bによる加熱制御は実施されない。また、判定部22aによって弁当が加熱庫13内に配置されていないと判定されたとき、読取り制御部22cは、所定時間、読取り装置16によって読み取られた情報コードをキャンセルするので、この場合も、加熱制御部22bによる加熱制御は実施されない。
【0064】
(情報コードの読取り制御)
図11は、加熱調理器1における情報コードの読取り制御の流れを示すフローチャートである。
【0065】
まず、制御部22は、加熱調理が終了したか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、制御部22の加熱制御部22bによる加熱動作部23の制御が完了したか否かによって加熱調理の終了を判定する。
【0066】
次に、制御部22は、ステップS11において加熱調理終了したと判定すれば(YES)、加熱庫13内に食品40が無いか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、制御部22の判定部22aが検知センサ31からの信号に基づき、食品40の有無を判定する。
【0067】
続いて、制御部22は、ステップS12において食品無しと判定すれば(YES)、読取り装置16による情報コードの読取りを停止させる(ステップS13)。具体的には、制御部22の読取り制御部23cが読取り装置16の情報コードの読取りを停止させる。
【0068】
次ぎに、制御部22は、所定時間経過したか否かを判定する(ステップS14)。具体的には、制御部22の読取り制御部22cが所定時間経過したか否かを判定する。つまり、読取り制御部22は、読取り装置16による情報コードの読取りを停止させた状態で所定時間経過したか否かを判定する。ここで、読取り制御部22cは、所定時間経過していることを判定すれば(YES)、読取り装置16による情報コードの読取り停止を解除する(ステップS15)。
【0069】
なお、上記の処理では、食品無しの場合に、所定時間、読取り装置16による情報コードの読取りを停止させる例について説明したが、食品無しの場合に、所定時間、読取り装置16が読み取った情報コードをキャンセルするようにしてもよい。
【0070】
(効果)
上記構成の加熱調理器1によれば、検知センサ31の発光素子33は、光軸が、食品40が配置されるフラットプレート13cに交わるように、設けられている。これにより、食品40が加熱庫13内に無い状態における受光素子34の受光強度低下させることができるため、食品40の有無による受光素子34の受光強度に差を設けることができる。そのため、加熱庫13内の食品40の有無をより確実に判定することができる。
【0071】
これにより、加熱庫13内に加熱対象物が存在しない状態、すなわち無負荷運転によってマグネトロンに負担がかかり、機器寿命を短くするといいう問題は生じない。
【0072】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0073】
本実施形態2では、検知センサに発光素子を設ける代わりに、加熱庫13内を照らす庫内灯39を発光素子として用いた点で、実施形態1と異なる。
【0074】
図12は、実施形態2の加熱調理器2の前扉を開放した状態の正面図である。図13は、図12に示した庫内灯39から照射された光の反射を示す図である。
【0075】
図12に示すように、加熱庫13の側面に庫内灯39が設けられている。庫内灯39が設けられた側面と対向する側面には、検知センサ31aの受光素子34が設けられている。実施形態2では、庫内灯39が検知センサの発光素子としての役割を持っている。
【0076】
図13の符号1091に示すように、庫内灯39は加熱庫13の側面の上側に設けられている。換言すれば、庫内灯39はフラットプレート13cからの高さが高い位置に設けられている。検知センサ31aの受光素子34は、加熱庫13内の庫内灯39よりも下側に設けられている。換言すれば、受光素子34はフラットプレート13cからの高さが、庫内灯39よりも低い位置に設けられている。
【0077】
図13の符号1091に示すように、庫内灯39は、光軸が、フラットプレート13cに交わるように設けられている。加熱庫13内に食品40が配置されていない場合、庫内灯39から照射された光は、受光素子34に向かって照射される。受光素子34は庫内灯39から照射された光を受光するため、受光素子34の受光強度が高くなる。
【0078】
図13の符号1092に示すように、加熱庫13内に食品40が配置されている場合、庫内灯39から照射された光は食品40に当たる。食品40に当たった光は、受光素子34が設けられていない部分に向かって反射される。受光素子34は庫内灯39から照射された光を受光しないため、受光素子34の受光強度が低くなる。
【0079】
実施形態2においては、判定部22aは、加熱庫13内に食品40が配置されていないときの検知センサ31aの受光強度を基準値として、受光強度が基準値よりも低くなれば、加熱庫13内に食品40が配置されていると判定する。
【0080】
なお、上述の実施形態においては、QRコード(登録商標)又は一次元バーコードからなる情報コードを読み取る加熱調理器について説明したが、本願はこれに限られるものではない。情報コードを読み取る機能が無い加熱調理器に対しても、本願発明を適用することができる。また、被加熱物については、食品に限られることはなく、加熱調理器によって加熱されるものであればよい。
【0081】
また、上述の実施形態では、発光素子は、被加熱物が配置されるフラットプレート13cに交わるように光軸が設けられることを説明したが、発光素子の光軸を、被加熱物が配置される面に交わるように設けられていれば良い。例えば、加熱庫13の底面にターンテーブルを設けた場合、発光素子の光軸を、被加熱物が配置されるターンテーブルの面に交わるように設けられることとなる。
【0082】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部22の制御ブロック(特に判定部22a、加熱制御部22b、読取り制御部22c)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0083】
後者の場合、制御部22は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0084】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る加熱調理器1は、扉12を備えた加熱庫13と、扉12の開閉を検知する開閉検知部25と、加熱庫13内に光照射する発光素子33と、発光素子33から照射された光を受光する受光素子34と、受光素子34の受光信号に応じて加熱庫13内に食品(被加熱物)40が配置されているか否かを判定する判定部22aと、加熱庫13内に配置された食品40を加熱する加熱部23と、判定部22aによって加熱庫13内に食品40が配置されていると判定され、かつ、開閉検知部25によって扉12が閉じたことが検知されたことを条件として、食品40を加熱するように加熱部23の加熱を制御する加熱制御部22bと、を含み、発光素子33の光軸は、加熱庫13の食品40が配置される面に交差する構成である。
【0085】
上記構成によれば、食品40が無い状態における、受光素子34が受光する光の強度を適切に調節することができる。これにより、加熱庫13内における食品40の有無をより確実に判定することができ、無負荷運転を防ぐことができる。
【0086】
本発明の態様2に係る加熱調理器1は、上記の態様1において、発光素子33の光軸は、加熱庫13の底面に交差する構成である。
【0087】
本発明の態様3に係る加熱調理器1は、上記の態様1または2において、受光素子34の受光面34aから垂直方向に延びる仮想線Aは、加熱庫13の底面に交差する構成としてもよい。
【0088】
上記構成によれば、食品40が無い状態における、受光素子34の受光強度を適切に調節することができる。これにより、無負荷運転をより確実に防ぐことができる。
【0089】
本発明の態様4に係る加熱調理器1は、上記の態様1から3のいずれかにおいて、加熱庫13は、底面と、前記底面と対向する上面13dと、前記底面と上面13dを接続する側面13aと、を有し、発光素子33は、側面13aにおける上面13dよりも前記底面に近い側に設けられている構成としてもよい。
【0090】
上記構成によれば、食品の厚さが薄いようなものであっても、食品を検知することができる。
【0091】
本発明の態様5に係る加熱調理器1は、上記の態様1から4のいずれかにおいて、発光素子33は複数設けられている構成としてもよい。
【0092】
上記構成によれば、センサ検知エリア32の検知エリアを拡大することができ、加熱庫13内の食品40の有無をより確実に検知することができる。
【0093】
本発明の態様6に係る加熱調理器1は、上記の態様1から5のいずれかにおいて、発光素子33の前面に配置され、内壁を有し、当該発光素子33が照射した光を加熱庫13内に導く第1の光路(センサ光路35)と、受光素子34の前面に配置され、内壁を有し、加熱庫13内からの光を当該受光素子に導く第2の光路(センサ光路36)と、を有し、第1の光路(センサ光路35)及び第2の光路(センサ光路36)の内壁は、白色又は鏡面である構成としてもよい。
【0094】
上記構成によれば、発光素子33から照射された光が減衰されることなく、受光素子34に受光することができる。
【0095】
本発明の態様7に係る加熱調理器2は、上記の態様1から3のいずれかにおいて、加熱庫13は、底面と、前記底面と対向する上面13dと、前記底面と上面13dを接続する側面13aと、を有し、加熱庫13の側面13aに庫内灯39が設けられ、発光素子33は、庫内灯39である構成としてもよい。
【0096】
上記構成によれば、庫内灯39によって発光素子を代用することができるため、部品点数を削減することができる。
【0097】
本発明の態様8に係る加熱調理器1、2は、上記の態様1から7のいずれかにおいて、食品の種類を少なくとも示す情報コードを読み取る読取り装置16をさらに含み、加熱制御部22bは、読取り装置16によって読取られた食品40の情報コードに応じた加熱条件で、加熱部23の加熱を制御する構成としてもよい。
【0098】
上記構成によれば、加熱後の食品40を加熱庫13から取り出す際、誤って情報コードを読み取ってしまったことによる、無負荷運転を防ぐことができる。
【0099】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 加熱調理器
11 操作パネル
11a 加熱変更ボタン
12 前扉(扉)
13 加熱庫
13a 側面
13b 前面開口部
13c フラットプレート
13d 上面
14 取手
15 コントロールフレーム
16 読取り装置
17 装置基板
19 読取り領域
20 案内表示
21 領域照明部
22 制御部
22a 判定部
22b 加熱制御部
22c 読取り制御部
23 加熱動作部(加熱部)
24 結果報知部
25 前扉開閉検知部(開閉検知部)
30 表示部(報知部)
31、31a 検知センサ
32 センサ検知エリア
33 発光素子
34 受光素子
35、36 センサ光路
39 庫内灯
40 食品(被加熱物)
51 サーバ
52 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13