(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20240729BHJP
F01N 3/28 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
E02F9/00 D
F01N3/28 P
(21)【出願番号】P 2020194346
(22)【出願日】2020-11-24
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000140719
【氏名又は名称】株式会社加藤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 雄大
(72)【発明者】
【氏名】江田 涼司
【審査官】佐久間 友梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-145472(JP,A)
【文献】特開2016-176292(JP,A)
【文献】特開2019-132106(JP,A)
【文献】特開2020-045658(JP,A)
【文献】特開2020-019402(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0031644(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
9/08
F01N 3/00
3/02
3/04-3/38
9/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
旋回体フレームを備え、前記下部走行体に対して旋回可能に前記下部走行体の鉛直上側に連結される上部旋回体と、
前記上部旋回体の前記旋回体フレーム上に搭載されるエンジンと、
前記上部旋回体の幅方向の一方側へ前記エンジンに対して離れた位置で前記旋回体フレーム上に設置され、前記上部旋回体の前後方向について互いに対して離れる一対の支持フレームと、
前記旋回体フレームに対して前記鉛直上側に離れた位置において、前記一対の支持フレームの間を接続する接続ブラケットと、
前記接続ブラケット上に設置され、前記エンジンからの排気ガスを後処理して、大気に排気する後処理装置と、
を具備し、
前記一対の支持フレームのそれぞれは、
前記上部旋回体の前記幅方向について互いに対して離れて配置され、鉛直方向に沿ってそれぞれが延設される一対の脚部と、
前記一対の脚部の下方端の間を接続し、前記旋回体フレームに接続される底板部と、
前記一対の脚部の上方端の間を接続し、前記一対の脚部及び前記底板部と一体に形成される天板部と、
前記一対の脚部の間を接続し、前記底板部に対して前記鉛直上側に離れ、かつ、前記天板部に対して鉛直下側に離れて位置する中継部材と、
を備
え、
前記接続ブラケットは、前記一対の支持フレームのそれぞれに、前記中継部材で接続される、
建設機械。
【請求項2】
前記一対の支持フレームの中で前記上部旋回体の前方側に位置する前方側支持フレームに取付けられる第1のフィルタ、及び、
前記一対の支持フレームの中で前記上部旋回体の後方側に位置する後方側支持フレームに取付けられる第2のフィルタ、
の少なくとも一方をさらに具備する、請求項1の建設機械。
【請求項3】
前記第1のフィルタ及び/又は前記第2のフィルタは、前記上部旋回体の前後方向について前記一対の支持フレームの間に位置する、請求項2の建設機械。
【請求項4】
前記第1のフィルタ及び/又は前記第2のフィルタは、
前記鉛直方向について、前記一対の支持フレームのそれぞれの前記底板部と前記接続ブラケットとの間に位置する、請求項2又は3の建設機械。
【請求項5】
接続ブラケットから前記鉛直上側に向かって延設され、前記上部旋回体の前記幅方向の前記エンジンが位置する側とは反対側から、前記後処理装置に対向するカバー板をさらに具備する、請求項1乃至4のいずれか1項の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建設機械として油圧ショベルが開示されている。この油圧ショベルでは、上部旋回体のエンジンルームに、エンジン及び後処理装置が搭載される。そして、後処理装置によって、エンジンからの排気ガスの無害化処理等の後処理が行われ、後処理された排気ガスが大気に排気される。上部旋回体は、旋回体フレームを備え、旋回体フレーム上に、エンジンが搭載される。また、上部旋回体では、後処理装置の支持構造を形成する支持台が、旋回体フレーム上に設置される。そして、支持台上に、後処理装置が設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のようにエンジン及び後処理装置が設けられる建設機械では、後処理装置が大型化及び重量化しても、支持台等の支持構造によって後処理装置が適切に支持されることが、求められている。このため、後処理装置の支持構造の強度が高く確保されることが、求められている。
【0005】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、エンジン及び後処理装置が設けられる構成において、後処理装置の支持構造の強度が高く確保される建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明のある態様の建設機械は、下部走行体と、旋回体フレームを備え、前記下部走行体に対して旋回可能に前記下部走行体の鉛直上側に連結される上部旋回体と、前記上部旋回体の前記旋回体フレーム上に搭載されるエンジンと、前記上部旋回体の幅方向の一方側へ前記エンジンに対して離れた位置で前記旋回体フレーム上に設置され、前記上部旋回体の前後方向について互いに対して離れる一対の支持フレームと、前記旋回体フレームに対して前記鉛直上側に離れた位置において、前記一対の支持フレームの間を接続する接続ブラケットと、前記接続ブラケット上に設置され、前記エンジンからの排気ガスを後処理して、大気に排気する後処理装置と、を備え、前記一対の支持フレームのそれぞれは、前記上部旋回体の前記幅方向について互いに対して離れて配置され、鉛直方向に沿ってそれぞれが延設される一対の脚部と、前記一対の脚部の下方端の間を接続し、前記旋回体フレームに接続される底板部と、前記一対の脚部の上方端の間を接続し、前記一対の脚部及び前記底板部と一体に形成される天板部と、前記一対の脚部の間を接続し、前記底板部に対して前記鉛直上側に離れ、かつ、前記天板部に対して鉛直下側に離れて位置する中継部材と、を備え、前記接続ブラケットは、前記一対の支持フレームのそれぞれに、前記中継部材で接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エンジン及び後処理装置が設けられる構成において、後処理装置の支持構造の強度が高く確保される建設機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る油圧ショベルを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの上部旋回体を、鉛直上側から視た平面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る油圧ショベルのエンジンルーム及びその近傍を、上部旋回体の幅方向の一方側から視た上で示す側面図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの上部旋回体において、後処理装置の旋回体フレームへの取付け構造を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る油圧ショベルにおいて、後処理装置、支持ユニット、及び、支持ユニットに取付けられる部品を、上部旋回体の幅方向の一方側から視た状態で示す側面図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る油圧ショベルにおいて、後処理装置の支持ユニットへの設置構造を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの支持ユニットを示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの支持ユニットを、鉛直上側から視た状態で示す平面図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの支持ユニットの前方側支持フレームを、取付けられる部品等と一緒に示す斜視図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの支持ユニットの前方側支持フレームを示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの支持ユニットの後方側支持フレームを、取付けられる部品等と一緒に示す斜視図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの支持ユニットの後方側支持フレームを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、建設機械の一例として、第1の実施形態に係る油圧ショベル1を示す。
図1に示すように、油圧ショベル1は、下部走行体2及び上部旋回体3を備える。上部旋回体3は、下部走行体2の鉛直上側に連結される。上部旋回体3は、鉛直方向(矢印Z1及び矢印Z2に示す方向)に沿う旋回軸Pを中心として、下部走行体2に対して旋回可能である。
【0011】
上部旋回体3では、鉛直方向に交差する(垂直又は略垂直な)前後方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、及び、鉛直方向及び前後方向の両方に交差する(垂直又は略垂直な)幅方向(矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)が規定される。また、下部走行体2でも、鉛直方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)前後方向、及び、鉛直方向及び前後方向の両方に対して交差する(垂直又は略垂直な)幅方向が規定される。
図1では、下部走行体2の前後方向が上部旋回体3の前後方向と一致又は略一致する状態、すなわち、下部走行体2の前方側が上部旋回体3の前方側(矢印X1側)と一致又は略一致する状態で、油圧ショベル1を示す。
【0012】
上部旋回体3には、作業装置5が連結される。作業装置5は、下部走行体2に対して、上部旋回体3と一緒に旋回する。作業装置5は、ブーム6、アーム7及びバケット8を備える。ブーム6の基端部は、上部旋回体3に回動可能に取付けられる。ブーム6が上部旋回体3に対して回動することにより、ブーム6は、上部旋回体3に対して起状動作又は伏状動作する。アーム7の基端部は、ブーム6の先端部に回動可能に取付けられる。アーム7がブーム6に対して回動することにより、アーム7は、ブーム6に対して起状動作又は伏状動作する。バケット8は、アタッチメントの1種であり、アーム7の先端部に取外し可能に取付けられる。ブーム6、アーム7及びバケット8を作動することにより、油圧ショベル1では、バケット8によって土砂等が掘削される。
【0013】
上部旋回体3は、旋回体フレーム11及び運転室12を備える。運転室12は、旋回体フレーム11上に設置される。運転室12は、上部旋回体3の幅方向(左右方向)について、作業装置5に対して並んで配置される。運転室12では、作業者によって油圧ショベル1の操作等が行われる。また、上部旋回体3の旋回体フレーム11上には、エンジンカバー13及びカウンタウエイト15が、設置される。エンジンカバー13は、運転室12に対して、上部旋回体3の後方側に配置される。そして、カウンタウエイト15は、エンジンカバー13に対して、上部旋回体3の後方側に隣接する。
【0014】
図2は、上部旋回体3を鉛直上側から視た状態で示す。
図2では、エンジンカバー13の一部を省略して示す。
図2等に示すように、エンジンカバー13の内部には、エンジンルーム17が形成される。上部旋回体3では、エンジンルーム17は、運転室12に対して、後方側に位置する。エンジンカバー13は、鉛直上側及び上部旋回体3の幅方向の両側から、エンジンルーム17に隣接する。また、カウンタウエイト15は、上部旋回体3の後方側から、エンジンルーム17に隣接する。また、エンジンカバー13には、開閉可能な扉18が形成される。扉18が開いた状態では、エンジンルームは17、上部旋回体の幅方向の一方側(
図2等の一例では、上部旋回体3の右方側)へ、扉18による開口部分を通して、外部に対して開口する。
【0015】
図3は、上部旋回体3のエンジンルーム17及びその近傍を示す。
図3は、扉18が開いた状態を示し、上部旋回体3の幅方向について扉18が位置する側(右方側)から視た状態を示す。
図2及び
図3等に示すように、エンジンルーム17には、エンジン20及び後処理装置21が配置される。このため、上部旋回体3では、エンジン20及び後処理装置21は、運転室12に対して後方側の領域に、配置される。エンジン20及び後処理装置21は、旋回体フレーム11上に搭載される。
図2等の一例では、エンジン20は、上部旋回体3の幅方向について、旋回体フレーム11の中央部に配置される。そして、後処理装置21は、エンジン20に対して、上部旋回体3の幅方向の一方側(右方側)に離れて配置され、上部旋回体3の幅方向についてエンジン20に対して並んで配置される。
【0016】
後処理装置21は、エンジン20からの排気ガスの無害化処理等の後処理を行う。例えば、後処理装置21は、排気ガスに含まれる窒素酸化物及び粒子状物質(PM:particulate matter)等に対して処理を行う。そして、排気ガスは、後処理装置21によって後処理が行われた後に、大気に排気される。後処理装置21による後処理には、ディーゼル微粒子捕集フィルタ(DPF:diesel particulate filter)による粒子状物の燃焼、及び、選択触媒還元(SCR:selective catalytic reduction)を用いた窒素酸化物の分解等が、含まれる。
【0017】
図4は、後処理装置21の旋回体フレーム11への取付け構造を示す。
図3及び
図4等に示すように、エンジンルーム17には、後処理装置21の支持構造を形成する支持ユニット22が配置される。支持ユニット22は、上部旋回体3の幅方向について、エンジン20に対して、後処理装置21が位置する側に配置される。支持ユニット22は、鉛直下側から後処理装置21を支持する。支持ユニット22は、旋回体フレーム11上に設置される。このため、後処理装置21は、支持ユニット22を間に介して、旋回体フレーム11に取付けられる。
【0018】
また、エンジンルーム17には、油圧ポンプ25が配置される(
図3参照)。油圧ポンプ25は、エンジン20の動力によって、作動される。油圧ポンプ25は、旋回体フレーム11上に設置され、上部旋回体3の幅方向について、エンジン20に対して、後処理装置21が位置する側に配置される。また、油圧ポンプ25は、後処理装置21に対して、鉛直下側に配置される。
【0019】
また、上部旋回体3には、旋回体フレーム11上に、燃料タンク26が設置される。燃料タンク26は、エンジンルーム17に対して、上部旋回体3の前方側に位置する。また、燃料タンク26は、上部旋回体3の幅方向について、作業装置5に対して、運転室12とは反対側に位置する。そして、燃料タンク26は、上部旋回体3の幅方向について、後処理装置21及び支持ユニット22に対して、ずれていない、又は、ほとんどずれていない。
【0020】
図5は、後処理装置21、支持ユニット22、及び、支持ユニット22に取付けられる部品を示す。
図5では、上部旋回体3の幅方向について扉18が位置する側(右方側)から視た状態が、示される。
図6は、後処理装置21の支持ユニット22への設置構造を、斜視図で示す。また、
図7及び
図8は、支持ユニット22を示す。ここで、
図7は、斜視図であり、
図8は、鉛直上側から視た状態を示す。
【0021】
図5乃至
図8等に示すように、支持ユニット22は、一対の支持フレーム23を備える。支持フレーム23は、上部旋回体3の幅方向の一方側(後処理装置21が位置する側)へ、エンジン20から離れて位置する。上部旋回体3では、支持フレーム23のそれぞれは、旋回体フレーム11上に設置される。また、一対の支持フレーム23は、上部旋回体3の前後方向について、互いに対して離れて配置される。ここで、一対の支持フレーム23の中で、上部旋回体3の前方側に位置する一方が、前方側支持フレーム23Aである。そして、一対の支持フレーム23の中で、上部旋回体3の後方側に位置する一方が、後方側支持フレーム23Bである。
【0022】
図9及び
図10は、前方側支持フレーム23Aを示し、
図9では、前方側支持フレーム23Aに取付けられる部品等も一緒に示す。また、
図11及び
図12は、後方側支持フレーム23Bを示し、
図11では、後方側支持フレーム23Bに取付けられる部品等も一緒に示す。
図5乃至
図12等に示すように、一対の支持フレーム23のそれぞれは、一対の脚部31,32を備える。支持フレーム23のそれぞれでは、脚部31,32のそれぞれは、鉛直方向に沿って延設される。また、支持フレーム23のそれぞれでは、一対の脚部31,32は、上部旋回体3の幅方向について、互いに対して離れて配置される。
【0023】
前方側支持フレーム23Aでは、脚部31(第1の前方側脚部31A)は、脚部32(第2の前方側脚部32A)に比べて、エンジン20に近い位置に配置される。また、後方側支持フレーム23Bでは、脚部31(第1の後方側脚部31B)は、脚部32(第2の後方側脚部32B)に比べて、エンジン20に近い位置に配置される。したがって、支持フレーム23のそれぞれでは、脚部31は、脚部32に対して、上部旋回体3の幅方向の内側に配置される。また、前方側脚部31Aは、上部旋回体3の幅方向及び鉛直方向について、後方側脚部31Bに対して、ずれていない、又は、ほとんどずれていない。そして、前方側脚部32Aは、上部旋回体3の幅方向及び鉛直方向について、後方側脚部32Bに対して、ずれていない、又は、ほとんどずれていない。
【0024】
また、一対の支持フレーム23のそれぞれは、底板部33及び天板部35を備える。支持フレーム23のそれぞれでは、底板部33は、一対の脚部31,32の下方端の間を接続する。そして、支持フレーム23のそれぞれでは、底板部33は、上部旋回体3の幅方向について一端で、脚部31に接続され、上部旋回体3の幅方向について脚部31とは反対側の端で、脚部32に接続される。したがって、支持フレーム23のそれぞれでは、底板部33は、上部旋回体3の幅方向に沿って、脚部31の下方端から脚部32の下方端まで延設される。そして、支持フレーム23のそれぞれでは、脚部31,32のそれぞれは、底板部33から鉛直上側に向かって延設される。
【0025】
前方側支持フレーム23Aの底板部33(前方側底板部33A)は、後方側支持フレーム23Bの底板部33(後方側底板部33B)に対して、上部旋回体3の前方側に離れて配置される。また、前方側底板部33Aは、上部旋回体3の幅方向及び鉛直方向について、後方側底板部33Bに対して、ずれていない、又は、ほとんどずれていない。一対の支持フレーム23のそれぞれでは、底板部33が旋回体フレーム11に接続される。すなわち、支持フレーム23のそれぞれでは、底板部33が、旋回体フレーム11との接続位置になる。
【0026】
また、支持フレーム23のそれぞれでは、天板部35は、一対の脚部31,32の上方端の間を接続する。そして、支持フレーム23のそれぞれでは、天板部35は、上部旋回体3の幅方向について一端で、脚部31に接続され、上部旋回体3の幅方向について脚部31とは反対側の端で、脚部32に接続される。したがって、支持フレーム23のそれぞれでは、天板部35は、上部旋回体3の幅方向に沿って、脚部31の上方端から脚部32の上方端まで延設される。そして、支持フレーム23のそれぞれでは、脚部31,32のそれぞれは、天板部35から鉛直下側に向かって延設される。
【0027】
前方側支持フレーム23Aの天板部35(前方側天板部35A)は、後方側支持フレーム23Bの天板部35(後方側天板部35B)に対して、上部旋回体3の前方側に離れて配置される。また、前方側天板部35Aは、上部旋回体3の幅方向及び鉛直方向について、後方側天板部35Bに対して、ずれていない、又は、ほとんどずれていない。一対の支持フレーム23のそれぞれでは、天板部35は、一対の脚部31,32及び底板部33と一体に形成される。また、一対の支持フレーム23のそれぞれでは、上部旋回体3の前後方向から視て、一対の脚部31,32、底板部33及び天板部35で囲まれる部分が、長方形状又は略長方形状になる。
【0028】
前方側支持フレーム23Aは、中継部材41,42を備える。中継部材41,42のそれぞれは、上部旋回体3の幅方向について一端で、前方側脚部31Aに接続され、上部旋回体3の幅方向について前方側脚部31Aとは反対側の端で、前方側脚部32Aに接続される。このため、中継部材41,42のそれぞれは、上部旋回体3の幅方向に沿って、前方側脚部31Aから前方側脚部32Aまで延設され、前方側脚部31A,32Aの間を中継する。中継部材41,42は、前方側底板部33Aに対して鉛直上側に離れて位置し、前方側天板部35Aに対して鉛直下側に離れて位置する。また、中継部材41は、中継部材42に対して鉛直上側に離れて位置する。このため、前方側支持フレーム23Aでは、鉛直下側から、前方側底板部33A、中継部材42、中継部材41及び前方側天板部35Aの順に配置される。
【0029】
また、中継部材41は、突出板部43を備える。突出板部43は、前方側脚部31A,32A、前方側底板部33A、前方側天板部35A及び中継部材42に対して、上部旋回体3の後方側へ突出する。突出板部43は、上部旋回体3の幅方向について、前方側脚部31A,32Aの間の中継部材41の略全寸法に渡って、形成される。また、突出板部43は、中継部材41の上方端を形成し、突出板部43の厚さ方向は、鉛直方向と一致又は略一致する。
【0030】
前方側支持フレーム23Aでは、前方側脚部32Aに、ブラケット45が接続される。ブラケット45は、鉛直方向について中継部材41,42の間に位置し、鉛直方向について中継部材41,42のそれぞれに対して離れて位置する。ブラケット45は、前方側脚部32Aから、上部旋回体3の幅方向について前方側脚部31Aが位置する側へ、突出する。ただし、ブラケット45は、前方側脚部31Aに接続されず、ブラケット45の前方側脚部32Aからの突出端は、上部旋回体3の幅方向についての前方側支持フレーム23Aの中央位置に対して、前方側脚部32Aに近い位置に位置する。また、前方側支持フレーム23Aでは、中継部材41の突出板部43に、ブラケット46が接続される。ブラケット46は、突出板部43から、鉛直下側へ突出する。また、ブラケット46は、ブラケット45の前方側脚部32Aからの突出端に比べて、前方側脚部32Aから離れた位置に配置される。
【0031】
後方側支持フレーム23Bは、中継部材51,52を備える。中継部材51,52のそれぞれは、上部旋回体3の幅方向について一端で、後方側脚部31Bに接続され、上部旋回体3の幅方向について後方側脚部31Bとは反対側の端で、後方側脚部32Bに接続される。このため、中継部材51,52のそれぞれは、上部旋回体3の幅方向に沿って、後方側脚部31Bから後方側脚部32Bまで延設され、後方側脚部31B,32Bの間を中継する。中継部材51,52は、後方側底板部33Bに対して鉛直上側に離れて位置し、後方側天板部35Bに対して鉛直下側に離れて位置する。また、中継部材51は、中継部材52に対して鉛直上側に離れて位置する。このため、後方側支持フレーム23Bでは、鉛直下側から、後方側底板部33B、中継部材52、中継部材51及び後方側天板部35Bの順に配置される。
【0032】
また、中継部材51は、突出板部53を備える。突出板部53は、後方側脚部31B,32B、後方側底板部33B、後方側天板部35B及び中継部材52に対して、上部旋回体3の前方側へ突出する。突出板部53は、上部旋回体3の幅方向について、後方側脚部31B,32Bの間の中継部材51の略全寸法に渡って、形成される。また、突出板部53は、中継部材51の上方端を形成し、突出板部53の厚さ方向は、鉛直方向と一致又は略一致する。後方側支持フレーム23Bの突出板部53は、上部旋回体3の幅方向及び鉛直方向について、前方側支持フレーム23Aの突出板部43に対して、ずれていない、又は、ほとんどずれていない。
【0033】
後方側支持フレーム23Bでは、中継部材52に、ブラケット55が接続される。ブラケット55は、中継部材52から、上部旋回体3の前方側へ突出する。ブラケット55は、上部旋回体3の幅方向についての後方側支持フレーム23Bの中央位置に対して、後方側脚部32Bに近い位置に位置する。また、後方側支持フレーム23Bでは、中継部材51の突出板部53に、ブラケット56が接続される。ブラケット56は、突出板部53から、鉛直下側へ突出する。また、ブラケット56は、ブラケット55に比べて、後方側脚部32Bから離れた位置に配置される。ブラケット56には、上部旋回体3の前後方向にブラケット56を貫通する孔57が、形成される。また、後方側支持フレーム23Bでは、後方側脚部32Bに、接続板58が接続される。接続板58は、後方側脚部32Bから、上部旋回体3の幅方向の外側へ、すなわち、エンジン20から離れる側へ、突出する。接続板58は、エンジンカバー13の扉18に接続され、後方側支持フレーム23Bと扉18との間を接続する。
【0034】
支持ユニット22は、一対の接続ブラケット61,62を備える。接続ブラケット61,62のそれぞれは、前方側支持フレーム23Aと後方側支持フレーム23Bとの間を接続する。接続ブラケット61,62のそれぞれは、一対の支持フレーム23の間に、上部旋回体3の前後方向に沿って延設される。接続ブラケット61,62のそれぞれは、上部旋回体3の前後方向について一端(前方端)で、前方側支持フレーム23Aの突出板部43に接続され、上部旋回体3の前後方向について前方側支持フレーム23Aとは反対側の端(後方端)で、後方側支持フレーム23Bの突出板部53に接続される。
【0035】
また、接続ブラケット61,62のそれぞれは、突出板部43に鉛直上側から当接する状態で、突出板部43に接続され、突出板部53に鉛直上側から当接する状態で、突出板部53に接続される。接続ブラケット61,62は、旋回体フレーム11及び底板部33に対して、鉛直上側に離れて配置される。そして、接続ブラケット61,62は、前方側支持フレーム23Aの中継部材42及び後方側支持フレーム23Bの中継部材52に対して、鉛直上側に離れて配置される。ただし、接続ブラケット61,62は、天板部35に対して、鉛直下側に配置される。また、接続ブラケット61,62は、上部旋回体3の幅方向について、互いに対して離れて配置される。本実施形態では、接続ブラケット62は、接続ブラケット61に対して、上部旋回体3の幅方向の外側に配置され、接続ブラケット61に比べて、エンジン20から離れた位置に配置される。
【0036】
支持ユニット22では、板部材63が、前方側支持フレーム23Aの突出板部43に対して、上部旋回体3の後方側に隣接して配置され、板部材65が、後方側支持フレーム23Bの突出板部53に対して、上部旋回体3の前方側に隣接して配置される。また、板部材65は、板部材63に対して、上部旋回体3の後方側に隣接する。板部材63,65は、上部旋回体3の幅方向及び鉛直方向について、突出板部43,53に対して、ずれていない、又は、ほとんどずれていない。そして、板部材63,65は、上部旋回体3の幅方向及び鉛直方向について、互いに対してずれていない、又は、ほとんどずれていない。また、板部材63,65のそれぞれの厚さ方向は、鉛直方向と一致又は略一致する。
【0037】
接続ブラケット61,62のそれぞれは、板部材63に鉛直上側から当接する状態で、板部材63に接続され、板部材65に鉛直上側から当接する状態で、板部材65に接続される。また、突出板部43,53及び板部材63,65のそれぞれは、接続ブラケット61から接続ブラケット62まで、上部旋回体3の幅方向に沿って延設される。板部材63,65は、接続ブラケット61,62を介して、互いに対して連結され、接続ブラケット61,62を介して、前方側支持フレーム23A及び後方側支持フレーム23Bに連結される。また、板部材65では、上部旋回体3の前方側の縁に、すなわち、前方側支持フレーム23Aが位置する側(板部材63が位置する側)の縁に、凹部66が形成される。凹部66は、上部旋回体3の後方側へ凹む。板部材63,65の間には、凹部66によって、鉛直方向に沿った孔が、形成される。
【0038】
支持ユニット22では、接続ブラケット61,62上に、後処理装置21が設置される。後処理装置21は、装置基板71上に配置され、装置基板71は、接続ブラケット61,62に鉛直上側から接続される。また、装置基板71は、接続ブラケット61,62のそれぞれに鉛直上側から当接し、接続ブラケット61から接続ブラケット62まで、上部旋回体3の幅方向に沿って延設される。そして、装置基板71は、板部材63,65の鉛直上側に隣接する。
【0039】
また、支持ユニット22では、接続ブラケット62に、カバー板72,73が接続される。カバー板72,73のそれぞれは、接続ブラケット62から、鉛直上側に向かって延設される。また、カバー板72,73は、上部旋回体3の幅方向の外側から後処理装置21に隣接し、エンジン20が位置する側とは反対側から後処理装置21に対向する。支持ユニット22では、カバー板72が、前方側支持フレーム23Aの前方側脚部32Aに対して、上部旋回体3の後方側に隣接して配置され、カバー板73が、後方側支持フレーム23Bの後方側脚部32Bに対して、上部旋回体3の前方側に隣接して配置される。また、カバー板73は、カバー板72に対して、上部旋回体3の後方側に隣接する。
【0040】
また、支持ユニット22では、中継フレーム75が、前方側支持フレーム23Aの前方側天板部35Aから後方側支持フレーム23Bの後方側天板部35Bまで、上部旋回体3の前後方向に沿って延設される。中継フレーム75は、前方側天板部35Aと後方側天板部35Bとの間を中継する。中継フレーム75の一端(前方端)は、前方側天板部35Aの前方側脚部32Aが位置する側の端部に、接続される。中継フレーム75の前方側天板部35Aとは反対側の端(後方端)は、後方側天板部35Bの後方側脚部32Bが位置する側の端部に、接続される。中継フレーム75は、接続ブラケット61,62に対して、鉛直上側に離れて配置される。
【0041】
中継フレーム75は、上部旋回体3の幅方向について、接続ブラケット62及びカバー板72,73に対して、ずれていない、又は、ほとんどずれていない。そして、中継フレーム75は、カバー板72に鉛直上側から当接する状態で、カバー板72に接続され、カバー板73に鉛直上側から当接する状態で、カバー板73に接続される。また、カバー板72,73のそれぞれは、接続ブラケット62から中継フレーム75まで、鉛直方向に沿って延設される。カバー板72,73は、中継フレーム75を介して、前方側支持フレーム23A及び後方側支持フレーム23Bに連結される。
【0042】
前方側支持フレーム23Aには、燃料メインフィルタ81、燃料プレフィルタ82及び燃料フィードポンプ83が取付けられる。燃料メインフィルタ81は、ブラケット46に取付けられ、燃料プレフィルタ82は、ブラケット45に取付けられる。また、燃料フィードポンプ83は、中継部材42に取り付けられる。燃料メインフィルタ81は、エアを抜く機構を備える。また、燃料メインフィルタ81は、エンジン20に取付けられる燃料サプライポンプ(図示しない)に対して、鉛直上側に配置される。また、燃料メインフィルタ81は、燃料フィードポンプ83に対して、上部旋回体3の後方側に配置され、燃料フィードポンプ83に比べて、前方側支持フレーム23Aから離れて位置する。
【0043】
燃料フィードポンプ83は、ホース88Aを介して、燃料メインフィルタ81に接続され、ホース88Bを介して、燃料プレフィルタ82に接続される。ホース88Aは、燃料メインフィルタ81と前方側支持フレーム23Aとの間を通り、ホース88Bは、燃料プレフィルタ82と前方側支持フレーム23Aとの間を通る。燃料メインフィルタ81及び燃料プレフィルタ82等のフィルタ(第1のフィルタ)、及び、燃料フィードポンプ83は、上部旋回体3の後方側から、前方側支持フレーム23Aに取付けられる。このため、燃料メインフィルタ81、燃料プレフィルタ82及び燃料フィードポンプ83は、上部旋回体3の前後方向について、一対の支持フレーム23(23A,23B)の間に位置する。
【0044】
また、燃料メインフィルタ81、燃料プレフィルタ82及び燃料フィードポンプ83は、接続ブラケット61,62に対して鉛直下側に位置し、支持フレーム23のそれぞれの底板部33に対して鉛直上側に位置する。したがって、前方側支持フレーム23Aに取付けられるフィルタ類は、鉛直方向について、支持フレーム23のそれぞれの底板部33と接続ブラケット61,62との間に位置する。このため、前方側支持フレーム23Aに取付けられるフィルタ類等の部品は、前方側支持フレーム23Aの前方側底板部33Aに対して、鉛直下側へ突出しない。
【0045】
後方側支持フレーム23Bには、エンジンオイルフィルタ85及びパイロットフィルタ86が取付けられる。エンジンオイルフィルタ85は、中継部材52に取付けられ、パイロットフィルタ86は、ブラケット55に取付けられる。エンジンオイルフィルタ85及びパイロットフィルタ86等のフィルタ(第2のフィルタ)は、上部旋回体3の前方側から、後方側支持フレーム23Bに取付けられる。このため、エンジンオイルフィルタ85及びパイロットフィルタ86は、上部旋回体3の前後方向について、一対の支持フレーム23(23A,23B)の間に位置する。
【0046】
また、エンジンオイルフィルタ85及びパイロットフィルタ86は、接続ブラケット61,62に対して鉛直下側に位置し、支持フレーム23のそれぞれの底板部33に対して鉛直上側に位置する。したがって、後方側支持フレーム23Bに取付けられるフィルタ類は、鉛直方向について、支持フレーム23のそれぞれの底板部33と接続ブラケット61,62との間に位置する。このため、後方側支持フレーム23Bに取付けられるフィルタ類等の部品は、後方側支持フレーム23Bの後方側底板部33Bに対して、鉛直下側へ突出しない。
【0047】
なお、前述した油圧ポンプ25は、上部旋回体3の前後方向について、一対の支持フレーム23の間に位置する。そして、油圧ポンプ25は、上部旋回体3の前後方向について、前方側支持フレーム23Aに取付けられるフィルタ(燃料メインフィルタ81及び燃料プレフィルタ82等)と後方側支持フレーム23Bに取付けられるフィルタ(エンジンオイルフィルタ85及びパイロットフィルタ86等)との間に位置する。また、油圧ポンプ25は、接続ブラケット61,62に対して鉛直下側に位置する。
【0048】
また、後処理装置21には、排液管(図示しない)が接続される。後処理装置21からの排液は、排液管を通して排出される。排液管は、後処理装置21から、板部材65の凹部66が形成する孔、及び、ブラケット56の孔57を順に通って、延設される。
【0049】
前述のように本実施形態では、一対の支持フレーム23のそれぞれにおいて、一対の脚部31,32の下方端の間が、底板部33によって接続され、一対の脚部31,32の上方端の間が、天板部35によって接続される。また、一対の支持フレーム23のそれぞれでは、底板部33が、旋回体フレーム11に接続され、一対の脚部31,32、底板部33及び天板部35が一体に形成される。このため、支持フレーム23のそれぞれの強度が高く確保され、支持フレーム23のそれぞれは、旋回体フレーム11に強固に設置される。
【0050】
また、本実施形態では、接続ブラケット61,62は、旋回体フレーム11に対して鉛直上側に離れた位置において、一対の支持フレーム23の間を接続し、後処理装置21は、接続ブラケット61,62上に設置される。支持フレーム23のそれぞれは、前述のように、強度が高く確保される。このため、支持フレーム23及び接続ブラケット61,62等から形成される後処理装置21の支持ユニット(支持構造)22の強度も、高く確保される。支持ユニット22の強度が高くなることにより、後処理装置21が大型化及び重量化しても、支持ユニット(支持構造)22によって、後処理装置21が適切に支持される。
【0051】
また、本実施形態では、接続ブラケット61,62を支持フレーム23のそれぞれから取外すことにより、支持フレーム23を旋回体フレーム11上に設置したまま、後処理装置21のみを旋回体フレーム11から取外し可能である。このため、後処理装置21を旋回体フレーム11から取外す作業の作業性が向上し、後処理装置21の交換及び修理等における作業性が向上する。
【0052】
また、本実施形態では、前方側支持フレーム23Aに燃料メインフィルタ81等が取付けられ、後方側支持フレーム23Bにエンジンオイルフィルタ85等が取付けられる。このため、フィルタ類を、支持フレーム23を含む支持ユニット22と一緒に、旋回体フレーム11から取外し可能である。これにより、支持ユニット22を旋回体フレーム11から取外した状態で、フィルタ類のメンテナンス作業を行うことが可能となり、フィルタ類のメンテナンス作業の作業性が、向上する。
【0053】
また、本実施形態では、燃料メインフィルタ81及びエンジンオイルフィルタ85等のフィルタ類は、上部旋回体3の前後方向について、一対の支持フレーム23の間に位置する。前述のようにフィルタ類が配置されることにより、例えば、エンジンカバー13の内表面にフィルタ類が取付けられる場合等に比べて、エンジンルーム17において支持フレーム23を含む支持ユニット22が占めるスペースが、大きく確保される。これにより、支持フレーム23のそれぞれを大型化することが可能となり、支持フレーム23のそれぞれの強度がさらに高くなる。したがって、後処理装置21の支持ユニット(支持構造)22の強度が、さらに高くなる。
【0054】
また、本実施形態では、燃料メインフィルタ81及びエンジンオイルフィルタ85等のフィルタ類は、鉛直方向について、支持フレーム23のそれぞれの底板部33と接続ブラケット61,62との間に配置される。このため、支持フレーム23のそれぞれでは、フィルタ類等の部品が、底板部33に対して鉛直下側に突出しない。これにより、水平な地面上等に、支持ユニット22を配置可能となり、地面上等に支持ユニット22が配置された状態で、支持ユニット22に取付けられる部品等のメンテナンスを行うことが可能となる。
【0055】
また、本実施形態では、前方側支持フレーム23Aに、燃料メインフィルタ81、燃料プレフィルタ82及び燃料フィードポンプ83等の燃料系の部品が、取付けられる。このため、燃料タンク26と燃料フィードポンプ83との距離が小さくなり、燃料フィードポンプ83の吸入側の抵抗が抑制される。また、燃料系の部品が前方側支持フレーム23Aに取付けられるため、燃料系の部品が前方側支持フレーム23A及びその近傍に、集中的に配置される。これにより、燃料系の部品のメンテナンス性が向上する。
【0056】
なお、前述の実施形態等では、一対の支持フレーム23の両方に、フィルタが取付けられるが、これに限るものではない。ある変形例では、前方側支持フレーム23A及び後方側支持フレーム23Bの一方のみに、フィルタが取付けられてもよい。したがって、前方側支持フレーム23Aに取付けられるフィルタ(第1のフィルタ)、及び、後方側支持フレーム23Bに取付けられるフィルタ(第2のフィルタ)の少なくとも一方が、設けられればよい。
【0057】
また、前述の実施形態等では、油圧ショベル1を例に挙げて説明したが、前述したエンジン20、後処理装置21、支持ユニット22(一対の支持フレーム23を含む)及びフィルタ類等の構成は、下部走行体2及び上部旋回体3を備える建設機械であれば、適用可能である。前述の実施形態等の構成が適用される油圧ショベル1以外の建設機械としては、例えば、クレーンが挙げられる。
【0058】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0059】
1…油圧ショベル、2…下部走行体、3…上部旋回体、11…旋回体フレーム、13…エンジンカバー、17…エンジンルーム、20…エンジン、21…後処理装置、23…支持フレーム、31,32…脚部、33…底板部、35…天板部、61,62…接続ブラケット、81…燃料メインフィルタ、82…燃料プレフィルタ、83…燃料フィードポンプ、85…エンジンオイルフィルタ、86…パイロットフィルタ。