(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】電子気化器のセッション動作
(51)【国際特許分類】
A24F 40/65 20200101AFI20240729BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
A24F40/65
H04M1/00 U
(21)【出願番号】P 2020528150
(86)(22)【出願日】2018-11-21
(86)【国際出願番号】 US2018062324
(87)【国際公開番号】W WO2019104223
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-11-01
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523071097
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】JUUL Labs, Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 F Street NW, Washington DC, 20004, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アダム ボーウェン
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン チュン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムス モンシース
(72)【発明者】
【氏名】ロクソラーナ ウェイチク
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0278435(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0273357(US,A1)
【文献】再公表特許第2016/114402(JP,A1)
【文献】特開2006-180378(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0272220(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0331026(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化器システムであって、
当該気化器システムは、気化器デバイスとモバイル通信デバイスとを含み、
前記気化器デバイスは、気化可能物質の使用を所定の時間内にセンシングするための1つまたは複数のセンサを有し、前記1つまたは複数のセンサは、前記気化可能物質の使用を表す使用データを生成するように構成されており、前記気化器デバイスはさらに、前記使用データを無線チャネルに伝達するための第1のトランシーバを有し、
前記モバイル通信デバイスは、前記気化器デバイスの前記第1のトランシーバと前記無線チャネルを介して通信するように構成された第2のトランシーバを有し、前記モバイル通信デバイスは、アプリケーションを格納するメモリと、前記アプリケーションを実行するためのプロセッサと、さらに前記アプリケーションの出力を表示するためのユーザインタフェースとを有し、
前記アプリケーションは、
前記気化器デバイスによる物理的アクションを介した前記気化器デバイスのヒータの温度設定
と、
前記気化器デバイスの電力設定
とのうちの少なくとも1つを介して、前記気化器デバイスのユーザによる前記気化可能物質の好みの使用についての使用プリファレンスを受け取り、
前記気化器デバイスによる前記物理的アクションを介した前記気化器デバイスの前記ヒータの前記温度設定と、
前記気化器デバイスの前記電力設定
とのうちの少なくとも1つが、前記気化器デバイスが使用可能になる前に要求され、
前記第2のトランシーバを介して、前記気化器デバイスの使用を表す前記使用データを受け取り、
予め決められた時間内に前記使用データを前記使用プリファレンスと比較し、
前記気化可能物質の前記ユーザの好みの使用に対応する、前記気化器デバイスのための動作設定セットを決定し、
前記第2のトランシーバを介して前記無線チャネルを経由し前記気化器デバイスへ、前記気化器デバイスのための前記動作設定セットを送信するように構成されている、
気化器システム。
【請求項2】
前記使用プリファレンスは、前記予め決められた時間にわたり前記気化器デバイスから吸い出されるニコチンの量を含む、請求項1記載の気化器システム。
【請求項3】
前記使用プリファレンスは、前記気化可能物質の投与量限度を含む、請求項1記載の気化器システム。
【請求項4】
前記投与量限度は、前記気化器デバイスの使用ごとに指定される、請求項3記載の気化器システム。
【請求項5】
前記投与量限度は、前記予め決められた時間ごとに指定される、請求項3記載の気化器システム。
【請求項6】
前記使用プリファレンスは、前記気化器デバイスにより受け取られる、請求項1記載の気化器システム。
【請求項7】
モバイルコンピューティングデバイスにより実行されるアプリケーションと通信するように構成された気化器デバイスであって、
前記アプリケーションは、当該気化器デバイスのユーザによる気化可能物質の好みの使用についての使用プリファレンスを受け取り、さらに前記気化可能物質の前記ユーザの好みの使用に対応する、当該気化器デバイスのための動作設定セットを決定するように構成されており、前記使用プリファレンスが、
前記気化器デバイスによる物理的アクションを介した前記気化器デバイスのヒータの温度設定
と、
前記気化器デバイスの電力設定
とのうちの少なくとも1つを介して受け取られ、
前記気化器デバイスによる前記物理的アクションを介した前記気化器デバイスの前記ヒータの前記温度設定
と、
前記気化器デバイスの前記電力設定
とのうちの少なくとも1つが、前記気化器デバイスが使用可能になる前に要求され、
当該気化器デバイスは、気化器本体と、カートリッジと、1つまたは複数のセンサと、トランシーバとを含み、
前記気化器本体は、電源とレセプタクルとコントローラとを有し、
前記カートリッジは、前記気化器本体のレセプタクルと係合するように構成されていて、前記気化可能物質を保持するための貯蔵器と、前記ユーザによる当該気化器デバイスの使用に基づき前記気化可能物質を気化させるための前記ヒータとを有し、前記ヒータは、前記コントローラにより管理される前記動作設定セットに応答し、
前記1つまたは複数のセンサは、気化可能物質の使用を所定の時間内にセンシングするために、前記気化器本体および/または前記カートリッジと関連づけられており、前記1つまたは複数のセンサは、前記気化可能物質の使用を表す使用データを生成するように構成されており、
前記トランシーバは、無線チャネルを介して前記モバイルコンピューティングデバイスに前記使用データを伝達し、かつ当該気化器デバイスの前記ユーザから受け取った前記気化可能物質の好みの使用についての前記使用プリファレンスに従う、当該気化器デバイスを制御するために、前記動作設定セットを受け取る、
気化器デバイス。
【請求項8】
前記使用プリファレンスは、前記所定の時間にわたり当該気化器デバイスから吸い出されるニコチンの量を含み、前記気化器デバイスを制御するための前記動作設定セットは、当該気化器デバイスから吸い出されるニコチンの量を制限するための動作設定を含む、請求項7記載の気化器デバイス。
【請求項9】
前記使用プリファレンスは、前記気化可能物質の投与量限度を含み、前記気化器デバイスを制御するための前記動作設定セットは、当該気化器デバイスによる前記気化可能物質の投与量を制限するための動作設定を含む、請求項7記載の気化器デバイス。
【請求項10】
前記投与量限度は、当該気化器デバイスの使用ごとに指定される、請求項9記載の気化器デバイス。
【請求項11】
前記投与量限度は、予め決められた時間ごとに指定される、請求項9記載の気化器デバイス。
【請求項12】
前記気化器本体と関連づけられたユーザ入力デバイスをさらに含み、前記ユーザ入力デバイスは前記使用プリファレンスを受け取る、請求項7記載の気化器デバイス。
【請求項13】
ユーザにより気化させられるための気化可能物質を含む気化器デバイスを動作させる方法であって、
前記気化器デバイスは、ユーザインタフェースを有するモバイルコンピューティングデバイスにより実行されるアプリケーションと通信するように構成されており、
当該方法は、
前記気化器デバイスによる物理的アクションを介した前記気化器デバイスのヒータの温度設定
と、
前記気化器デバイスの電力設定
とのうちの少なくとも1つを介して、前記気化器デバイスの前記ユーザによる前記気化可能物質の好みの使用についての使用プリファレンスを受け取るステップであって、
前記気化器デバイスによる前記物理的アクションを介した前記気化器デバイスの前記ヒータの前記温度設定
と、
前記気化器デバイスの前記電力設定
とのうちの少なくとも1つが、前記気化器デバイスが使用可能になる前に要求されるステップと、
前記アプリケーションによって、前記気化器デバイスと関連づけられた1つまたは複数のセンサから、前記気化器デバイスの使用を表す使用データを受け取るステップと、
前記アプリケーションによって、予め決められた時間内に前記使用データを前記使用プリファレンスと比較するステップと、
前記アプリケーションによって、前記気化可能物質の前記ユーザの好みの使用に対応する、前記気化器デバイスのための動作設定セットを決定するステップと、
前記モバイルコンピューティングデバイスによって無線チャネルを介して前記気化器デバイスへ、前記気化器デバイスの動作を制御するために前記気化器デバイス用の前記動作設定セットを送信するステップと、
を含む、
気化器デバイスを動作させる方法。
【請求項14】
前記使用プリファレンスは、前記予め決められた時間にわたり前記気化器デバイスから吸い出されるニコチンの量を含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記使用プリファレンスは、前記気化可能物質の投与量限度を含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記投与量限度は、前記気化器デバイスの使用ごとに指定される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記投与量限度は、前記予め決められた時間ごとに指定される、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記使用プリファレンスは、前記モバイルコンピューティングデバイスの前記ユーザインタフェースおよび前記気化器デバイスの入力デバイスのうちの1つまたは複数によって受け取られる、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2017年11月22日出願の米国特許仮出願第62/590,142号の優先権を主張するものであり、この参照をもってその開示内容すべてが本願に取り込まれるものとする。
【0002】
本明細書で説明する装置、デバイス、システムおよび方法は、電子気化器デバイスなどの気化デバイスに関するものであり、さらにかかるデバイスを使用、制御、製造する方法に関する。オプションとして、これらの装置、デバイス、システムおよび方法を、所定の時間にわたり摂取された蒸気量を表す情報をユーザに提供するように、またはこの情報を提供することを含むように、構成することができる。
【0003】
背景
電子気化器デバイスまたはe気化器デバイスとも称することができる気化デバイスを、気化デバイスのユーザによる蒸気の吸入によって1つまたは複数の有効成分を含有する蒸気を供給するために、使用することができる。電子気化器デバイスは、薬剤供給において処方に従い医学的に使用するためと、タバコおよび他の植物由来の喫煙に適した物質を摂取するための両方について、人気の上昇を博している。電子気化器デバイスは特に、携行可能であり自給式であって、かつ使い勝手がよいものであるかもしれない。一般にかかるデバイスは、気化器上の1つまたは複数のスイッチ、ボタンまたはこれらに類するもの(コントロール)によって制御されるが、最近では、無線で外部のコントローラ(たとえばスマートフォン)と通信可能である多くのデバイスを利用できるようになってきた。
【0004】
かかる無線制御は主として、温度設定と、すでにデバイス自体においておそらくはもっとうまい具合に実施されていた他の機構とに制限されていた。これらのシステムは、デバイス内に装填された物質または物質の種類の検出に基づき、デバイスの動作を自動化または対応して調整することができない。かかるシステムは一般に、投与量または気化器の「セッション動作」の情報を追跡することもできず、かつ/または投与またはセッション動作の情報に基づきデバイスの変更を行えるようにすることもできない。さらにここで説明したシステムは、他のユーザとの社会的交流をもたらすことができない。
【0005】
たとえば投与に関して、蒸気および/または蒸気中の有効成分の投与量を決定しようというこれまでの試みは、不十分なものであった。1回のセッション中に供給される物質の量を制限することにより投与量を予め決定するシステムは、それらの物質すべてが吸収されることになると誤って想定していることが多く、部分的な投与量について調節できない場合がある。かかるシステムが物質の量を計量する場合もあり、気化のために供給される物質の質量および/または体積の正確な測定を必要とし、あるいは当初の質量/体積と供給後の質量または体積との差を測定する。これらの測定は難しく、ハイレベルの精度と労力とが必要とされる可能性があり、不正確な結果となる可能性がある。さらに目下の用量またはセッションを制御する電子喫煙デバイスは一般的には、ユーザの現時点の臨床的および医学的なニーズとの連携またはそれについての現時点の知識を伴うことなく、供給される用量を制御しており、体重、年齢、症状などのようなユーザの生体計測に基づき、制御された用量またはセッションを調節できるようにするのは不可能である。同様に既存のシステムには、ユーザの習慣および目標ならびにユーザの社会的ニーズに基づき、ユーザが使用をカスタマイズできるようにする機構も欠けているかもしれない。
【0006】
本明細書で説明するシステム、装置、デバイスおよび方法は、少なくともこれらの問題および懸案事項に取り組むものである。
【0007】
概要
本明細書は、電子気化器のセッション動作のためのデバイス、システムおよび方法について説明するものである。いくつかの態様において、気化器システムは気化器デバイスを含み、この気化器デバイスは、気化可能物質の使用を所定の時間内にセンシングするための1つまたは複数のセンサを有する。1つまたは複数のセンサは、気化可能物質の使用を表す使用データを生成するように構成されている。気化器デバイスはさらに、使用データを無線チャネルに伝達するための第1のトランシーバを含む。システムはさらに、無線チャネルを介して気化器デバイスの第1のトランシーバと通信するように構成された第2のトランシーバを有するモバイル通信デバイスを含む。モバイル通信デバイスは、アプリケーションを格納するメモリと、アプリケーションを実行するためのプロセッサと、アプリケーションの出力を表示するためのユーザインタフェースとを含む。
【0008】
さらに別の態様において、モバイルコンピューティングデバイスにより実行されるアプリケーションと通信するように構成された気化器デバイスが開示される。このアプリケーションは、気化器デバイスのユーザによる気化可能物質の好みの使用についての使用プリファレンスを受け取るように構成されており、さらに気化可能物質のユーザの好みの使用に対応する、気化器デバイスのための動作設定セットを決定するように構成されている。いくつかの実装形態において、気化器デバイスは、電源とレセプタクルとコントローラとを有する気化器本体を含む。気化器デバイスはさらに、気化器本体のレセプタクルと係合するように構成されたカートリッジを含み、このカートリッジは、気化可能物質を保持するための貯蔵器と、ユーザによる気化器デバイスの使用に基づき気化可能物質を気化させるためのヒータとを有し、このヒータは、コントローラにより管理される動作設定セットに応答する。気化器デバイスはさらに、気化可能物質の使用を所定の時間内にセンシングするために、気化器本体および/またはカートリッジと関連づけられた1つまたは複数のセンサを含み、1つまたは複数のセンサは、気化可能物質の使用を表す使用データを生成するように構成されている。気化器デバイスはさらにトランシーバを含み、このトランシーバは、無線チャネルを介してモバイルコンピューティングデバイスに使用データを伝達し、かつ気化器デバイスのユーザから受け取った気化可能物質の好みの使用についての使用プリファレンスに従い気化器デバイスを制御するために、動作設定セットを受け取る。
【0009】
さらに別の態様において、ユーザにより気化させられるための気化可能物質を含む気化器デバイスを動作させる方法が提起される。気化器デバイスは、ユーザインタフェースを有するモバイルコンピューティングデバイスにより実行されるアプリケーションと通信するように構成されている。いくつかの実装形態において、方法は、アプリケーションによって、気化器デバイスのユーザによる気化可能物質の好みの使用についての使用プリファレンスを受け取るステップと、アプリケーションによって、気化器デバイスと関連づけられた1つまたは複数のセンサから、気化器デバイスの使用を表す使用データを受け取るステップとを含む。この方法は、アプリケーションによって、予め決められた時間内に使用データを使用プリファレンスと比較するステップと、アプリケーションによって、気化可能物質のユーザの好みの使用に対応する、気化器デバイスのための動作設定セットを決定するステップとを含む。この方法はさらに、気化器デバイスの動作を制御するために、モバイルコンピューティングデバイスによって無線チャネルを介して気化器デバイスへ、気化器デバイスのための動作設定セットを送信するステップを含む。
【0010】
システムのいくつかの実装形態によれば、アプリケーションは、ユーザインタフェースを介して、気化器デバイスのユーザによる気化可能物質の好みの使用についての使用プリファレンスを受け取るように構成されている。アプリケーションはさらに、第2のトランシーバを介して、気化器デバイスの使用を表す使用データを受け取り、予め決められた時間内に使用データを使用プリファレンスと比較するように構成されている。アプリケーションはさらに、気化可能物質のユーザの好みの使用に対応する、気化器デバイスのための動作設定セットを決定し、かつ第2のトランシーバを介して無線チャネルを経由し気化器デバイスへ、気化器デバイスのための動作設定セットを送信するように構成されている。
【0011】
添付の図面および以下の説明には、本明細書で説明する対象の1つまたは複数のバリエーションについての詳細が記載されている。本明細書で説明する対象のその他の特徴および利点は、これらの説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から、明らかになるであろう。ここで開示される対象の特定の特徴を、例示目的で電子気化器デバイスに関連して説明するけれども、自明のとおり、かかる特徴は限定を意図したものではない。本開示に続く特許請求の範囲は、保護される対象の範囲を規定することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書に組み込まれてその一部分を成している添付の図面は、本明細書で開示される対象の特定の態様を示しており、その説明と併せて、開示される実装形態に関連するいくつかの原理を説明するのに役立つものである。
【
図1】いくつかの例示的な実装形態による気化器を示すブロック図である。
【
図2A】いくつかの例示的な実装形態による
図1の気化器を示す例示的な分解図である。
【
図2B】いくつかの例示的な実装形態による
図1の気化器を示す別の例示的な図である。
【
図2C】いくつかの例示的な実装形態による
図1の気化器を示す別の例示的な図である。
【
図2D】いくつかの例示的な実装形態による
図1の気化器カートリッジを示す例示的な図である。
【
図3】いくつかの例示的な実装形態による別の気化器を示すブロック図である。
【
図4A】いくつかの例示的な実装形態による
図3の気化器を示す別の例示的な図である。
【
図4B】いくつかの例示的な実装形態による
図3の気化器を示す別の例示的な図である。
【
図5】いくつかの例示的な実装形態による気化器とユーザデバイスとサーバとの間の通信について示すブロック図である。
【
図6】いくつかの例示的な実装形態による、既述の機構および/または構成部品のうちの1つまたは複数を実装するために用いることができる例示的なデバイスを示す図である。
【
図7】いくつかの例示的な実装形態による、セッション動作情報をユーザに提供するための例示的な方法のフローチャートを示す図である。
【0013】
実用的な場合であれば、同じ参照符号は同じ構造、機構または要素を表す。
【0014】
詳細な説明
本発明の対象の実装形態には、ユーザによる吸入のための1つまたは複数の物質の気化および/またはエアロゾル化に関連する方法、デバイス、装置、製造品およびシステムが含まれる。例示的な実装形態には、気化器デバイスおよび気化器デバイスを含むシステムが含まれる。用語「気化器」は、以下の説明および特許請求の範囲において、自給式装置、2つ以上の分離可能なパーツ(たとえばバッテリおよび/またはその他のハードウェアを含む気化器本体、ならびに気化可能物質を含む、かつ/または気化可能物質を保持するように構成されたカートリッジ)を含む装置、および/またはこれらに類するもののいずれかを指すために、総称的に用いられる。本明細書で用いられる「気化器システム」は、1つまたは複数の構成部品を含むことができ、気化器と(たとえば無線でまたは有線コネクションを介して)通信するデバイスなど、およびオプションとして気化器自体なども含むことができる。本発明の対象の実装形態による気化器あるいは気化器システムの1つまたは複数の構成部品を、ユーザコントロールおよびオペレーションのために構成することができる。本明細書で用いられる「エアロゾル」は、「蒸気」および/または「気化器」のことを指す場合もある。
【0015】
本発明の対象の実装形態による気化器の実施例には、電子気化器、電子タバコ、eタバコまたはこれらに類するものが含まれる。一般にかかる気化器は、吸入可能な所定の用量の物質を供給するために、気化可能物質を(対流、伝導、放射、またはこれらのいくつかの組み合わせによって)加熱するハンドヘルドデバイスである。気化器と共に使用される気化可能物質を、カートリッジ内に設けることができる(これはたとえば貯蔵器または他の容器内に気化可能物質を含む気化器の一部分であって、この部分を、空になったときに再充填可能なものとすることができ、あるいは同じまたは異なる種類の付加的な気化可能物質を含む新たなカートリッジの方を選択して、廃棄可能なものとすることができる)。気化器を、カートリッジを使用する気化器、カートリッジなしの気化器、またはカートリッジのあるなしにかかわらず使用可能な多目的気化器とすることができる。たとえば多目的気化器は加熱室(たとえば炉)を含むことができ、この加熱室は、気化可能物質を加熱室内にじかに収容するように、さらには気化可能物質を保持するための貯蔵器またはこれに類するものを有するカートリッジを収容するようにも、構成されている。様々な実装形態において、気化器を、液体の気化可能物質(たとえば有効成分および/または非有効成分が溶液中に懸濁または保持されている担体溶液、または気化可能物質そのものの液体形態)と共に、あるいは固体の気化可能物質と共に、使用するように構成することができる。固体の気化可能物質は植物物質を含むことができ、この植物物質はその一部分を気化可能物質として放出し(たとえば気化可能物質がユーザによる吸入のために放出された後、植物物質の一部分が廃棄物として残るようにし)、またはオプションとしてこの固体の気化可能物質を、気化可能物質そのものの固体形態とすることができ、この固体物質のすべてを最終的に吸入のために気化させることができるようにする。液体の気化可能物質を同様に完全に気化可能であるようにすることができ、または液体の気化可能物質は、吸入に適した物質すべてが消費された後に残留する液体物質の一部を含むことができる。
【0016】
本発明の対象のいくつかの実装形態によれば、気化器および/または気化器システムを、気化すべき気化可能物質を識別し、それに応じて気化器の動作を調節するように、構成することができる。たとえば気化器を、気化可能物質(たとえば気化可能物質であるニコチン、大麻および/または他の有効成分の溶液)を保持するカートリッジまたは予め組み込まれた他の容器を収容するように適合させることができ、さらに気化可能物質および/またはカートリッジまたは予め組み込まれた他の容器に関する情報、たとえば以下の情報のうち1つまたは複数の情報、を識別および/または特定するように適合させることができる。すなわち、気化可能物質の種類、カートリッジの貯蔵器または他の容器内に含まれる溶液中の気化可能物質または他の非純粋形態の気化可能物質の濃度、カートリッジの貯蔵器または他の容器内における気化可能物質の量(たとえば質量、体積など)、カートリッジのコンフィギュレーション(たとえばヒータの電力またはコンフィギュレーション、1つまたは複数の電気特性など、どのような固有の構成部品または構成部品の種類がカートリッジ内に存在しているのか)、カートリッジのロット番号、カートリッジの製造年月日、以降はカートリッジを使用するのが望ましくない使用期限年月日、カートリッジの製造または充填の年月日、あるいはこれらに類するもの。
【0017】
本発明の対象の実装形態による気化器を、この気化器と通信する通信デバイス(またはオプションとして複数の通信デバイス)と接続するように(たとえば無線でまたは有線コネクションを介して接続するように)、構成することができる。かかるデバイスを、上述の気化器システムの1つの構成部品とすることができ、さらにかかるデバイスは第1の通信ハードウェアを含むことができ、この第1の通信ハードウェアは、気化器の第2の通信ハードウェアとの無線通信チャネルを確立することができる。たとえば、気化器システムの一部として使用されるデバイスは、汎用コンピューティングデバイス(たとえばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートウォッチなど他の何らかのポータブルデバイス、またはこれらに類するもの)を含むことができ、このデバイスは、デバイスのユーザが気化器とやりとりできるようにするユーザインタフェースを生成するためのソフトウェアを実行する。本発明の対象の別の実装形態において、気化器システムの一部として使用されるデバイスを、リモートコントロールデバイスまたは他の無線デバイスまたは有線デバイスなどのような専用のハードウェア部品とすることができ、これは1つまたは複数の物理的な、あるいはソフトウェアによる(たとえば画面上または他の表示デバイス上でコンフィギュレーション可能であり、かつ接触感応型画面による、またはマウス、ポインタ、トラックボール、カーソルボタンまたはこれらに類するものなど他の何らかの入力デバイスによるユーザインタラクションを介して選択可能な)インタフェースコントロールを有する。本明細書では用語「デバイス」が用いられているにせよ、用語「装置」のことを意図している。
【0018】
上述の気化器システムの一部であるデバイスを、以下のような1つまたは複数の機能のうちのいずれかのために使用することができる。すなわち投与の制御(たとえば用量監視、用量設定、用量制限、ユーザ追跡など)、セッション動作制御(たとえばセッション監視、セッション設定、セッション制限、ユーザ追跡など)、ロケーション情報の取得(たとえば他のユーザのロケーション、小売店/販売場所のロケーション、ベイピングロケーション、気化器自体の相対的または絶対的なロケーションなど)、気化器のパーソナライズ(たとえば気化器の命名、気化器を保護するロック/パスワード、1つまたは複数のペアレンタルコントロールの調節、気化器とユーザグループとの関連づけ、メーカまたは保証メンテナンス組織への気化器の登録など)、他のユーザと共に社会活動への参加(たとえばゲーム、ソーシャルメディアコミュニケーション、1つまたは複数のグループとの交流など)、またはこれらに類するもののような、1つまたは複数の機能のうちのいずれかのために使用することができる。以下の説明および特許請求の範囲において、気化器の使用に費やされる1つの期間を指すために、用語「セッション動作」、「セッション」、「気化器セッション」、または「蒸気セッション」が総称的に用いられる。この期間は、時間、用量の数、気化可能物質の量および/またはこれらに類するものを含むことができる。
【0019】
本発明の対象のいくつかの実装形態において、気化器は、気化可能物質を含むカートリッジと通信するための機能を含むことができる。気化器は、気化器システムの一部であるデバイスと通信することもできるが、これは必須ではない。気化器が、気化器システムの一部であるかまたは気化器システムとは独立したスタンドアローンユニットであるデバイスに制御されていようが、またはさもなければこのデバイスと通信していようが、カートリッジから受信された、またはカートリッジの識別に基づきデータベースまたは情報源から呼び出された、1つまたは複数のパラメータに基づき、気化器の動作の変更、制御などを行えるように、構成することができる。
【0020】
たとえば、本発明の対象の実装形態による気化器を、カートリッジを認識し、カートリッジに関する情報を列挙し(さらにいくつかのケースでは送信し)、またはさもなければ取得するように構成することができる。換言すれば、気化器本体に関連づけられているコントローラまたはこれに類するものといったコンピューティング要素は、何らかの形態のデータ交換を介して、カートリッジに関する情報を取得することができる。気化器によりカートリッジを認識する様々な方法は、あとでさらに詳しく説明するものを含め、本発明の対象の範囲内に入るものである。本明細書で説明するアプローチのいずれも、やはり本明細書で説明する無線通信/コネクティビティの追加があろうがなかろうが、実施することができ、ただし、あとでいっそう詳しく説明するように、本明細書で説明するような無線コネクティビティを有利に適用することができる。
【0021】
本発明の対象の実装形態は、気化可能物質の1つまたは複数の化学種または気化可能物質それ自体の用量、量またはこれらに類するものの決定および/または制御といったような機能のために、気化器および/または気化器システムを使用する方法も含む。
【0022】
図1には、いくつかの例示的な実装形態による気化器100のブロック図が示されている。
図2Aには、いくつかの例示的な実装形態による
図1の気化器100の例示的な分解図が示されている。図示されているように、気化器100は、気化器本体101と、気化器本体101とは独立したカートリッジ114とを含むことができる。
図2Bには、いくつかの例示的な実装形態による
図1の気化器100の例示的な(正面平面)図が示されている。いくつかの態様では、
図2Aに示されている気化器100は、組み立てられたときに、
図2Bに示されている気化器100のように見える可能性がある。
図2Cには、いくつかの例示的な実装形態による
図1の気化器100の例示的な(側面斜視)図が示されている。いくつかの態様では、
図2Aに示されている気化器100は、組み立てられたときに、
図2Cに示されている気化器100のように見える可能性がある。
図2Dには、いくつかの例示的な実装形態による
図1の気化器カートリッジ114の例示的な図が示されている。いくつかの実装形態では、カートリッジ114は、液体の気化可能物質を保持することができ、かつ/または保持するように構成可能である。たとえば、気化器が(カートリッジ114のような)カートリッジを含むならば、カートリッジ114は、気化可能物質の、かつ/または気化可能物質のための、1つまたは複数の貯蔵器120を含むことができる。ニコチンまたは他の有機物質の溶液を含め、任意の適切な気化可能物質を、カートリッジ114の貯蔵器120内に収容することができる。
【0023】
図示されているように、
図1の気化器100は気化器本体101を含む。気化器本体101は、電源103(たとえばオンデマンドでの使用のための電気エネルギーを貯蔵するデバイスまたはシステム)を収容したハウジングを含むことができ、この電源103をバッテリ、キャパシタ、これらの組み合わせ、またはこれらに類するものとすることができ、再充電可能または再充電不可能なものとすることができる。ハウジングはコントローラ105も収容することができ、このコントローラ105はプロセッサを含むことができる。図示されている実施例の場合、カートリッジ114を、気化器本体101上に、気化器本体101内に、または部分的に気化器本体101内に、取り付けることができる。
【0024】
コントローラ105のプロセッサは、ヒータ118の動作を制御する回路を含むことができ、ヒータ118はオプションとして、カートリッジ114内に、たとえばカートリッジ114の一部である貯蔵器または容器内に収容された気化可能物質を気化させるために、1つまたは複数の加熱素子を含むことができる。様々な実装形態において、ヒータ118を、気化器本体101内に、または(
図1に示されているように)カートリッジ114内に、あるいは両方に設けることができる。コントローラ回路は、1つまたは複数のクロック(発振器)、充電回路、I/Oコントローラ、メモリなどを含むことができる。択一的または付加的に、コントローラ回路は、Bluetooth
(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、WiFi
(登録商標)、超音波、ZigBee
(登録商標)、RFIDなどを含む、1つまたは複数の無線通信モードのための回路を含むことができる。気化器本体101はメモリ125を含むこともでき、これをコントローラ105の一部分とすることができ、またはさもなければコントローラとデータ通信することができる。メモリ125は、揮発性のメモリまたはデータストレージ(たとえばランダムアクセスメモリ)、および/または不揮発性のメモリまたはデータストレージ(たとえばリードオンリメモリ、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージ、ハードディスクドライブ、その他の磁気ストレージなど)を含むことができる。
【0025】
さらに
図1を参照すると、気化器100は充電器133(およびコントローラ105により制御可能な充電回路)を含むことができ、これはオプションとして誘導充電器および/またはプラグイン充電器を含む。たとえば、汎用シリアルバス(USB)コネクションを用いて、気化器100を充電することができ、かつ/またはコンピューティングデバイスとコントローラ105との間で有線コネクションを介して通信を行うことができる。充電器133は、オンボード電源103を充電することができる。本発明の対象の実装形態による気化器100は、ボタン、ダイアルまたはこれらに類するものなど1つまたは複数の入力117、および/またはセンサ137を含むこともでき、センサ137は、加速度センサまたは他の運動センサ、容量センサ、流量センサ、またはこれらに類するものを含む。ユーザのハンドリングおよびインタラクションを検出するために、気化器100によってこれらのセンサ137を使用することができる。たとえば、(揺さぶり運動のような)気化器100の急速な運動の検出を、コントローラ105によって(たとえばセンサ137のうちの1つまたは複数からの信号の受信を通して)、気化器システムの一部であるユーザデバイスとの通信を開始するためのユーザ命令であると解釈することができ、あとで詳しく説明するようにこのユーザデバイスを、気化器100の1つまたは複数の動作および/またはパラメータを制御するために使用することができる。付加的または択一的に、(揺さぶり運動のような)気化器100の急速な運動の検出を、コントローラ105によって(たとえばセンサ137のうちの1つまたは複数からの信号の受信を通して)、複数の温度設定を周期的に繰り返させるためのユーザ命令として解釈することができ、これらの温度設定まで、カートリッジ114内に保持された気化可能物質をヒータ118のアクションにより加熱させる。いくつかのオプションとしてのバリエーションにおいて、複数の温度設定を周期的に繰り返す間にコントローラ105により(たとえばセンサ137のうちの1つまたは複数からの信号の受信により)、カートリッジ114の取り外しが検出されることで、温度を安定させるように動作させることができる(たとえばその周期が所望の温度であれば、所望の温度を設定するためにユーザはカートリッジ114を取り外すことができる)。次いでユーザにより、カートリッジ114を気化器本体101と再び係合させることができ、これによって選択された温度設定に従いコントローラ105により制御されたヒータと共に気化器100を使用することができる。複数の温度設定を、気化器本体101上の1つまたは複数のインジケータを介して示すことができる。
【0026】
本発明の対象の実装形態による気化器は、1つまたは複数の出力115を含むこともできる。本明細書で用いられる出力115とは、光学的な(たとえばLED、ディスプレイなどの)、触覚的な(たとえば振動によるものなどの)、または音による(たとえば圧電によるものなどの)フィードバック構成部品またはこれらに類するもののいずれか、あるいはこれらの何らかの組み合わせを指すものとすることができる。
【0027】
カートリッジ114を含む本発明の対象の実装形態による気化器100は、気化器本体101上または気化器本体101内部に、1つまたは複数の電気接点(たとえば
図1に示されている電気接点109、111、113)を含むことができ、これらの接点は、カートリッジが気化器本体101と係合したときに、カートリッジ114上の相補的な接点119、121、123(たとえばピンまたはレセプタクル)と係合可能である。気化器本体上の接点を一般に「気化器本体接点」と称し、カートリッジ上の接点を一般に「カートリッジ接点」と称する。ヒータ118がカートリッジ114内に含まれている本発明の対象の実装形態の場合、これらの接点を使用して、電源103からヒータ118へエネルギーを供給することができる。たとえば、カートリッジ114を気化器本体101と結合することにより、カートリッジ接点と気化器本体接点とがそれぞれ係合させられると、電力回路を形成することができ、これによって気化器本体101内の電源103からカートリッジ114内のヒータ118への電力の流れを制御することができる。気化器本体101内のコントローラ105は、ヒータ118がカートリッジ114内に収容された気化可能物質を加熱する際の温度を制御するために、この電力の流れを調整することができる。
【0028】
ピン(たとえばポゴピン)、プレートおよびこれらに類するものを含め、任意の適切な電気接点を使用することができる。これに加え、あとで説明するように、本発明の対象のいくつかの実装形態において、気化器本体101とカートリッジ114との間で単方向または双方向の通信が、1つまたは複数の電気接点を介して提供され、この電気接点は、電源103からヒータ118へのエネルギーを供給するために使用される電気接点を含むことができる。カートリッジ114と気化器本体101とを、たとえばカートリッジ114のハウジングの一部分を気化器本体101および/または気化器のハウジングと、機械的な接続(たとえばスナップフィットおよび/またはフリクションフィット)またはこれらに類することによって係合させることにより、取り外し可能に互いに結合することができる。択一的にまたは付加的に、カートリッジ114と気化器本体101とを、磁気的にまたは他の何らかの結合メカニズムまたは係合メカニズムを介して、結合することができる。
【0029】
本明細書で説明するカートリッジのいずれも、1つまたは複数の識別子138を含むことができる。識別子138を、気化器本体101によって認識する、検出する、かつ/または読み出すことができ、カートリッジ114内に収容された気化可能物質に関する情報および/またはカートリッジ114自体に関する情報を伝達することができる。識別子138は、読み出し可能および/または読み出し/書き込み可能なカートリッジメモリを含むことができる。識別子138は、カートリッジ114と気化器本体101との間で情報を受信および/または送信するための回路を含むことができる。たとえばデータ交換回路は、情報(たとえばカートリッジの1つまたは複数のパラメータを表すデータ)を格納するカートリッジメモリと、カートリッジ114が気化器本体101に結合されたときに、気化器本体101上の他の回路と共働してデータ交換回路を形成する付加的な回路とを含むことができる。
【0030】
本発明の対象のいくつかの実装形態において、識別子138は受動的なものであり、コードまたはマーキング(たとえばバーコード、クイックレスポンス(QR)コードなど)を含むことができる。いくつかの実施例において、識別子138を、気化器本体101により検出可能なカートリッジ114上の構造物(たとえば1つまたは複数のピン、突起物など)とすることができる。(
図1には示されていない)気化器本体に組み込まれたイメージングデバイス(たとえばカメラなど)または読み取りデバイス(たとえば光学読み取り)を用いて気化器本体101により直接、あるいはスマートフォンなど別個のデバイスによる通信を介して、視覚的なまたは機械的な識別子を識別することができる。たとえば、ユーザは識別子138(たとえばコード、マーキングなど)の画像を撮影することができ、コードまたはコードから導出された情報(たとえば気化可能物質および/またはカートリッジに関する情報など)を、無線回路107を介して、またはオプションとして有線コネクションを介して、気化器本体101に送信することができる。無線コネクション(たとえば無線通信チャネル)を、デバイスの第1の通信ハードウェアと、気化器の第2の通信ハードウェアとの間に確立することができる。第1および第2の通信ハードウェアはそれぞれ、1つまたは複数の無線通信プロトコルを用いて使用するためのトランシーバを含むことができ、これについての非限定的な実施例についてあとで説明する。
【0031】
図3には、カートリッジを使用せず(とはいえそれでもオプションとしてカートリッジを容認できる)、ただしその代わりにばらされた葉状の物質を使用することができる気化器200の概略図が示されている。
図3の気化器200は、炉220(たとえば気化室)内に配置可能なばらされた状態の気化可能物質を含むことができる。
図1および
図2A~Dに示したカートリッジ114を使用する気化器100内に設けられた同じ要素の多くを、カートリッジを使用しない気化器200の一部分として同様に含めることができる。たとえば、カートリッジなしの気化器200は、電源制御回路および/または無線回路207および/またはメモリ225を含むことのできる制御回路205を備えた気化器本体201を含むことができる。電源203(たとえばバッテリ、キャパシタなど)を充電器233によって充電することができる(さらに電源203は図示されていない充電制御回路を含むことができる)。気化器200は、1つまたは複数の出力215、およびセンサ237を伴う1つまたは複数の入力217も含むことができる。これに加え気化器200は、炉220または他の加熱室を加熱する1つまたは複数のヒータ218を含むことができる。たとえばヒータのための抵抗の温度係数を使用することによって、ヒータ218の抵抗を用いてヒータ218を制御して、ヒータの温度を決定することができる。マウスピース244も含めることができる。
【0032】
図4Aには、気化器本体201を備えた例示的な気化器デバイス200の側面斜視図が示されている。
図4Bの底面斜視図には、蓋230が気化器本体201から取り外された状態で示されており、これによって炉/気化室220が露出している。
【0033】
図5には、気化器100、200と、気化器100、200と無線通信するディジタルデバイス305と、気化器100、200と直接またはディジタルデバイス305を介して通信可能なリモートサーバ307との間の通信の概略的な表現が示されている。ディジタルデバイス305を、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレットなどのハンドヘルドモバイルデバイスとしてもよいし、あるいはデスクトップ型またはラップトップ型のコンピューティングデバイスとしてもよい。上述のようにディジタルデバイス305を、オプションとして専用のリモートコントロールデバイスとすることができる。
【0034】
一般に、
図5に概略的に示されているように、(気化器100、200のような)本明細書で説明する気化器装置のいずれも、リモートサーバ307、および/またはウェアラブル電子デバイス(たとえばGoogle Glass
(登録商標)、スマートウォッチ、スマートウェアなど)および/またはスマートフォン、スマートウォッチなどのようなディジタルデバイス305と、リモートで通信することができる。したがってこれらの気化器100、200のいずれも、気化器100、200内に、または気化器100、200上に、通信チップ(たとえば第2の通信ハードウェア)により実装可能な通信インタフェース(無線回路107、207)を含むことができる。例示的な無線チップは、以下に限定されるものではないが、Parani
(登録商標) BCD210またはTexas Instruments
(登録商標)(TI)CC2650 BluetoothシングルチップソリューションといったBluetoothチップ、NFC通信またはリンクセットアップのためにNFCが使用される強化されたWiFi通信またはBluetooth
(登録商標)の通信を可能にする(Qualcomm
(登録商標)のQCA1990といった)NFC対応チップを含むことができる。あとで詳しく説明するように、これらの無線回路のうちの1つまたは複数を、
図1に概略的に示したカートリッジ114を読み取るように構成された実装形態において、カートリッジ114との、またはカートリッジ114との間の通信のために使用することができる。たとえばNFCを、カートリッジ114上の(RFIDタグのような)識別子138を読み取るために使用することができる。
【0035】
無線通信チップは、TIのSimpleLinkファミリーのCC3000といったWiFi対応チップを含むことができ、これによって装置をWiFiネットワークにつなぐことができる。いくつかの実装形態において、無線回路は、気化器の基板上に加入者識別モジュール(SIM)カード、ナノSIMカードまたはこれらに類するものを有している(たとえばこれによって3G/4Gセルラネットワーク通信が可能になる)。気化器100、200とユーザデバイス305との間の双方向通信を確立するために、択一的な通信形態を使用することができる。
【0036】
気化器100、200とユーザデバイス305との間のコネクションを(初期セットアップ後に)自動的に行われるものとすることができ、またはユーザにより様々な設定を介して開始することができ、または気化器100、200を揺さぶることによって開始することができる。
【0037】
上述のように、カートリッジを含む本明細書で説明する気化器装置のいずれも、カートリッジを認識および/または識別するように構成することができる。1つまたは複数の認識/識別アプローチを用いることができる。気化器は、カートリッジおよび/またはカートリッジ内に保持されている気化可能物質に関する情報、たとえば以下の情報のうち1つまたは複数の情報、を特定することができる。すなわち、気化可能物質の種類(たとえばニコチンなど)、気化可能物質の濃度、気化可能物質の量、カートリッジのコンフィギュレーション(たとえばヒータ、電気特性など)、カートリッジのロット番号、カートリッジの製造年月日、使用期限年月日など。この情報をカートリッジ上にじかに符号化することができ、あるいはこの情報のいくつかまたはすべてを調べるためのインデックスとして気化器(または気化器と通信するプロセッサ)が使用できる参照インジケータを設けることができ、あるいは参照番号とダイレクトに符号化された物質との組み合わせを提供することができる。
【0038】
本発明の対象のいくつかの実装形態において、カートリッジと気化器とが係合したときにカートリッジを認識および/または識別することができる。カートリッジを、鍵の適合による気化器との相互作用を含むように構成することができる。たとえば、カートリッジの形状を気化器により検出することができる。たとえば、カートリッジはn個のピンまたは突起を含むことができる。カートリッジが挿入されたときに(たとえば電気接続が完了することによって)、気化器はこれらのピンを検出することができ、n個のピンであれば、2n個の可能なマーキングの組み合わせが存在する。
【0039】
カートリッジを、このカートリッジとの電気接続に基づき気化器が検出可能な電気特性に基づき、構成または識別することができる。たとえば気化器は、ヒータおよび/または付加的な電気接点との2つ以上の電気接点を介して、電気的な接触接続を形成することができ、特有の抵抗、インダクタンスまたは時間応答(たとえば時定数、RC時定数、LC回路共振など)を検出することができる。
【0040】
本発明の対象のいくつかの実装形態において、気化器により識別されたカートリッジ上のマーキングによって、カートリッジを認識および/または識別することができる。これらのマーキングは、ユーザにとって可視であってもよいし、または可視でなくてもよい。たとえばカートリッジを、特有のUV、IRまたは他の波長に固有のインキによってマーキングすることができ、たとえばマーカに固有の放射器/検出器ペアを含むことができる気化器によって、このインキを検出することができる。たとえばマーキングは、カートリッジ上に配置された赤外線スキャン可能なバーコードを含むことができる。いくつかの実装形態において、マーキングをQRコード(登録商標)、バーコードなどのような1つのパターンとすることができ、これによってカートリッジおよび/またはカートリッジの内容物(気化可能物質)に関する情報が表される。マーキングを、英数字を含む記号的なものとすることができる。マーキングを、カメラまたは他の光学式検出器を含むことのできる気化器によって、直接的に「読み取る」または検出することができ、あるいはマーキングを、カメラまたはこれに類するものを有する第2のデバイス(たとえばウェアラブルデバイス、スマートフォンなど)との通信を介して、間接的に検出することができる。たとえばカートリッジ上のマーキングを、ユーザデバイス305のようなスマートフォンによって検出することができる。つまりこの場合、スマートフォンは、ルックアップテーブルから1つまたは複数の属性を調べるためにスマートフォンにおけるアプリケーション(たとえばソフトウェア)を使用してマーキングを識別することができ、あるいはスマートフォンは、属性を調べることができる気化器にマーキングをそのまま伝達することができ、かつ/またはスマートフォンはリモートサーバと通信することができ、このリモートサーバは属性を調べることができ、それらを気化器に直接、またはスマートフォンを介して伝達することができる。
【0041】
本発明の対象のいくつかの実装形態において、RFID(Radio-Frequency identification)テクノロジーによって、カートリッジを認識することができる。RFIDマーカは、在庫管理のための多種多様なアプリケーションにおいて使用されてきた。いくつかのRFIDテクノロジーは、自身の固有の電源を含む能動型デバイスを使用し、それ以外は受動型RFIDデバイスを使用し、受動型RFIDデバイスは、この受動型デバイスにおいて電源に頼ることなくデータを転送させる他の給電されたデバイスとやりとりする。たとえばカートリッジは、1つまたは複数のRFIDチップまたはRFID構成部品を含むことができ、カートリッジに関する情報を識別および受信するために、これを気化器上の読み取り器によって検出して読み取ることができる。
【0042】
本発明の対象のいくつかの実装形態において、気化器との電気接続を介してカートリッジ上のメモリ(たとえばEEPROM
(登録商標))と通信することによって、カートリッジを認識および/または識別することができる。
図1に示した例示的な気化器のように、ヒータがカートリッジ上に存在している実装形態の場合、カートリッジ上の電気接続の1つまたは複数(たとえば接点119、121、123)を使用するのが有利となる可能性があり、これらの電気接続は、メモリとの通信のためにヒータを給電および/または制御するためにも使用される。このことは、カートリッジが2つ以上の向きで気化器と係合する可能性がある場合、および/またはヒータが同じ接点を介して制御される場合、特に難しくなる場合があり、カートリッジと気化器との間において適用/受信される電気信号の調整によって、ヒータの制御および/または温度の決定を変更することができる。1つまたは複数の付加的な電気接点を、ヒータを制御する接点に加えて使用することができる。一般に、カートリッジと気化器との間の通信を単方向としてもよいし(たとえばカートリッジおよび/または気化可能物質に関する情報を、気化器によりカートリッジから読み取る)、あるいはこの通信を双方向としてもよい(たとえばカートリッジおよび/または気化可能物質に関する情報を読み取り、かつデバイスの動作に関する情報、たとえば使用回数、使用持続時間、温度設定などを書き込む)。情報をカートリッジに書き込むことができ、カートリッジ内に残されている物質の量などを含め、カートリッジに関する他の情報を導出するために、この情報を利用することができる。
【0043】
一般に、本明細書で説明する気化器のいずれも、ユーザに供給可能な蒸気および/または蒸気中の(有効成分を含む)物質の量を推定、測定および/または予測することができる。たとえば、あとで詳しく説明するように、本明細書で説明する装置を、気化可能物質の投与を決定および/または制御するために用いることができる。たとえば本発明の対象は、ユーザにより指定された、医学的な、切り替えまたは中止のニーズに基づき、気化可能物質(たとえばニコチンおよび他の任意の有効成分/薬剤)中の有効成分の正確かつ制御された用量供給のための、気化器およびかかる気化器を使用する方法を含む。用量制御は、使用ごと、セッションごと(たとえば1~15分、1~30分、1~60分以内、1~90分、1~120分など、予め決められた時間内の複数回の使用)、日ごと、あるいは他の予め決められたおよび/またはユーザ定義による時間ごとの、投与情報の表示を含むことができる。用量制御は、投与(たとえば装置により供給される1つまたは複数の有効成分の量)を監視することも含むことができる。投与制御は同様にまたは択一的に、経時的に装置により供給される1つまたは複数の有効成分の量に基づき、気化器の動作を制御することを含むことができ、これに含まれるのは、予め決められた(ユーザ定義、工場設定、または第三者による設定)量または閾値に近づいたならば(たとえば予め決められた量の50%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%以内など)、またはそれを超えたならば、ユーザに警告すること、および/または予め決められた閾値に到達したかまたはそれを超えたならば、装置の動作を停止する(ロックする、使用不可にする)ことである。投与(用量)制御を含む装置は、投与を制御するために内部ロジック(特定用途向け集積回路(ASIC)ロジックを含む回路および/またはプログラミング)を含むことができ、かつ/または用量制御のすべてまたは一部を実施する外部のプロセッサと(無線通信リンクを介して)通信することができる。
【0044】
カートリッジおよび/またはカートリッジ内に保持されている気化可能物質に関する情報は、用量の決定に特に役立つかもしれない。たとえば、以下の情報のうち1つまたは複数の情報のような情報を、用量を正確に推定するために使用することができる。すなわち、気化可能物質の種類(たとえばニコチンなど)、気化可能物質の濃度、気化可能物質の内容物、気化可能物質の量、カートリッジのコンフィギュレーション(たとえばヒータ、電気特性など)、カートリッジのロット番号、カートリッジの製造年月日、使用期限年月日、気化可能物質の熱特性など。本発明の対象のいくつかの実装形態において、用量および/または使用の情報をカートリッジにおいて(たとえばメモリ内に)格納する(書き込む)ことができる。
【0045】
気化器、気化器システム、ならびにこれらをデバイス設定のユーザカスタマイズおよび活動パターンに基づく薬剤使用のために使用する方法も、本発明の対象の範囲内である。本明細書による気化器および/または気化器システムによって、ユーザは気化器をパーソナライズすることができるようになり、また、社会活動に参加することができるようになる。
【0046】
本発明の対象の実装形態による気化器および/または気化器システムを、気化器を通して社会的交流を促進するように構成することができる。たとえば気化器を、いっそう良好な処方および医学的治療の管理のために、第三者たとえば医師を含むヘルスケア提供機関などのような他者と、使用情報を共有するように構成することができる。気化器および/または気化器システムを、非医療関係の第三者(たとえば友人、同僚など)と通信するように、さらには未知の第三者と通信するように(これにより一部またはすべての情報が公に利用できるようになる)、構成することもできる。いくつかの実装形態において、本明細書で説明する気化器は、各気化器デバイス単独で、または気化器システムの一部である1つまたは複数の通信デバイスと通信して、気化器からパブリックネットワークまたはプライベートネットワークへの動作、状態、あるいはユーザ入力に関する情報を、識別および供給することができる。本発明の対象のいくつかの実装形態において、気化器および/または気化器システムを、ユーザおよび/または異なる(または同じ)気化器の複数のユーザが使用するための、1つまたは複数の双方向型ゲームを提供するように構成することができ、それらのゲームには、複数の異なる気化器により使用することができるマルチプレイヤーゲームが含まれる。ゲームを(たとえば加速度計の出力、接触または唇のセンシング、吸い出しの検出などに基づき)、気化器の動作および/または気化器のユーザ操作と関連づけてもよい。
【0047】
本発明の対象の実装形態による気化器および/または気化器システムを、ロケーション情報を提供するように構成することもでき、このロケーション情報には場合によっては、他のユーザ(既知または未知のユーザ、指定されたまたは指定されていないユーザなど)、小売店、特定のロケーション(ラウンジ、クラブ、気化器に好意的なロケーション)などのうちの1つまたは複数に近接したユーザロケーションに関する情報のうち1つまたは複数の情報が含まれる。気化器および/または気化器システムを、気化器および/または気化器システムの使用または動作に基づく発注を容易にするように、構成することもできる。
【0048】
気化器はGPS能力を含むことができ、または気化器システムの一部として気化器と通信する他のデバイスからGPS情報を取り出すことができる。
【0049】
本明細書でさらに詳しく説明するように、気化器を、付加的なデバイス(たとえばポータブルデバイス、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、デスクトップ、ラップトップなど)と(たとえば通信で)接続することができ、付加的なデバイスは、ユーザプログラミング可能な用量制御、リアルタイムの使用監視、パーソナライズされた使用の設定、デバイスのロックアウトおよび社会的機構を可能にすることができる。たとえば気化器および/または気化器システムは、ペアレンタルコントロール、ユーザ年齢コントロール/制限および盗難防止コントロールを含む、セキュリティコントロールに関する機構を含むことができる。気化器および/または気化器システムは、盗難防止機能および認証機能を含むことができ、これによって、盗難されたときおよび/または偽造部品により使用されたときに、デバイスの使用/動作をロックまたはさもなければ制限することができ、さらに気化器および/または気化器システムを、チャイルドプルーフのためにロックすることができるように(たとえばペアレンタルロック)、またはさもなければ権限のない第三者の動作を阻止できるように、構成することもできる。この種の偽造防止機構または他のロックアウト機構を、カートリッジ識別子を用いて実装することができる。たとえば照合済みのソースまたはサプライヤからのカートリッジ識別子は、ハッシュコードまたは他の何らかの照合コードを識別子の一部分として含むことができ、気化器は、必要なハッシュコードまたは照合コードが欠けているカートリッジが気化器本体に結合されたならば、その気化器の使用をロックアウトすることができる。気化器と通信するデバイスのところでユーザ身元照合が入力されることを要求し、それによってデバイスが気化器の使用をアンロックするために、かかる機構を使用することができる。1つの実施例の場合、カートリッジは、これが管理物質を収容していることを表す識別子を含むことができ、(このカートリッジから受信した識別子情報を介してこのカートリッジに関して上述の点を特定したことに応答して)、デバイスにおけるアプリケーションはユーザに対し、(たとえばパスワード入力、生体個人認証などを介して)そのユーザの身元を照合するように、さらには管理物質を使用するための権限が識別されたユーザに付与されていることをアプリケーションが照合するように、要求することができ、その後、気化器本体と結合されたそのカートリッジと共に気化器を使用できるようになる。別の実施例の場合、ニコチン含有カートリッジは、ユーザの身元照合を要求することができ、ユーザの身元が照合されて、ユーザが最低年齢を超えているものとして登録されていた場合にのみ、デバイスにおけるアプリケーションが気化器の使用を許可するようにする。
【0050】
いくつかの実施例において、気化器と通信するデバイスにおいて実行されるアプリケーションを介して、セキュリティコントロールを組み込むことができる。たとえば、気化器と通信するデバイスにおいて実行されるアプリケーションは、気化器自体の識別子または択一的/付加的にカートリッジの識別子を受信することができ、この識別子に基づき、またはさもなければこの識別子を使用して、セキュリティ設定がユーザプロフィルに含まれているのか、あるいは気化器またはカートリッジに関連づけられた他の設定に含まれているのか、を判定することができる。本発明の対象の実装形態によれば、かかる機能を完全にまたは部分的に気化器(および/またはカートリッジ)の内部に含めることができ、あるいはこれらの機能を、気化器とユーザインタフェースとの間で分散させることができ、このユーザインタフェースを、制御ロジックを動作させるウェアラブルデバイスおよび/またはハンドヘルドデバイス、ラップトップ、デスクトップなど、気化器システムの一部分である付加的なデバイス上で表示させることができる。これらの機構を提供するための制御ロジックまたは他のソフトウェア機能は、ユーザインタフェースを含むことができ、入力/出力および気化器の動作を調整するための解析能力を提供することができる。デバイスの第1の通信ハードウェアおよび/または気化器の第2の通信ハードウェアのための非限定的なオプションは、上記の記載で説明されている。
【0051】
カートリッジの認識。一般に、気化器は、カートリッジの認識および/または通信のために1つまたは複数の技術を含むことができ、これにはマーカの使用(たとえばQRコード(登録商標)、IRマーカまたはUSマーカなど)、機械的および/または電子的な鍵の適合などが含まれる。本明細書で特に説明するのは、電子的なカートリッジの認識および通信のための方法および装置であって、この場合、カートリッジは、単方向またはいくつかの実装形態では(デュプレックスまたはマルチプレックスを含む)双方向の情報送信を介して、カートリッジと気化器との間で電子的に通信することができ、したがって気化器はカートリッジから情報を受信することができる。この情報は、気化可能物質および/またはカートリッジに関する情報、たとえば以下の情報のうち1つまたは複数の情報、を含むことができる。すなわち、気化可能物質の種類、気化可能物質の濃度、気化可能物質の量、気化可能物質の体積、気化可能物質の特性(たとえば熱特性、組成など)、カートリッジのコンフィギュレーション(たとえばヒータ、電気特性など)、カートリッジのロット番号、製造年月日、使用期限年月日、身元照合、およびこれらに類するもの。
【0052】
識別回路(本明細書ではカートリッジ識別回路とも称する)を含むカートリッジを、かかる情報をカートリッジから気化器へ伝達および転送するように、構成することができる。カートリッジ識別回路は、メモリ(たとえばEEPROM(登録商標))を含むことができる。ヒータ(たとえば抵抗性のコイルまたはワイヤといった抵抗性の加熱素子)が、気化器上の対応する接点と通信する1つまたは複数(たとえば2つ、3つ、または4つなど)のヒータ電気接点へのエネルギーの印加により制御されるようにした、カートリッジのバリエーションの場合、カートリッジ識別回路は、複雑さおよびヒータ損傷の可能性が高まるとはいえ、同じヒータ電気接点を介して気化器と通信することができる。
【0053】
カートリッジ識別回路を、カートリッジ識別回路の動作を妨害することなく、カートリッジを複数の向きで気化器に挿入できるように、構成することもできる。
【0054】
カートリッジ、気化可能物質、およびたとえば使用時間および/または供給された全エネルギーなどを含むカートリッジの履歴に関する情報を、同じカートリッジ識別回路に書き込むこともできる。
【0055】
(読み出しおよび/または書き込み)メモリに格納された情報を符号化することができ、これには暗号化の使用、誤り訂正符号化(たとえばハミング符号など)、またはこれらに類するものが含まれる。動作中、カートリッジが最初に気化器本体に挿入されたときに、カートリッジに関する情報を符号化し、かつ/またはカートリッジを気化器と互換性があるとして識別する信号を、カートリッジから読み取ることができるか否かについて最初に判定するように、気化器のマイクロコントローラを構成することができる。気化器の測定回路を用いて情報を読み出すことができる。いくつかの実装形態において、たとえカートリッジを読み出すことができない(たとえばカートリッジ識別回路を含むことができない、またはカートリッジ識別回路から読み出すことが不可能である)としても、気化器はデフォルト設定を使用することができる。
【0056】
動作中、気化器は、カートリッジ識別回路内のメモリに、もし検出されたならば、周期的に(たとえばそのつどふかした後などに)書き込みを行うことができる。気化器はメモリに信号を供給し、デバイスがメモリに書き込む手法と同様にメモリからの読み出しを要求することができ、次いでヒータ接点に印加されているバッテリ電圧を遮断して、メモリ(たとえばEEPROM(登録商標))がI/Oラインを支配できるようにし、このラインを使用してデータを出力し、これにより(I/Oラインをロー/ハイに切り替える)ディジタル出力が供給されて、気化器が抵抗測定回路を介して検出した出力が送信される。典型的には、メモリが送信を行っているならば、それによって温度制御の絶対的な正確さに影響が及ぼされる可能性がある。したがってメモリが送信(出力)を行っているときにはデバイスは加熱を行わず、通常の加熱動作によってもメモリがトリガされてデータが送信されることがないように、気化器を構成することができる。
【0057】
あとでさらに詳しく説明するように、本明細書で説明するようなカートリッジ識別回路のメモリ内に格納されている情報は、特に無線能力を含むデバイスにおいては、用量制御(たとえば投与情報の計算および格納)のためにも、セキュリティ、通信および動作パラメータの格納のためにも、有用であるかもしれない。ただし、カートリッジ識別は、無線通信能力がないとしても、有用であるかもしれない。
【0058】
既述のように、メモリ(たとえばEEPROM(登録商標))は、気化可能物質および/またはカートリッジに関する情報を格納することができる。格納可能な情報の一例は、加熱素子の固有の特性に関する値を含むことができ、たとえばカートリッジの加熱素子を含む、カートリッジ用の公称ヒータR(抵抗)などである。この値を、デバイスが製造/生産された時点に工場において特定して格納することができ、かつ/またはこれをあとで行ってもよい。カートリッジごとに固有のR値をそのカートリッジに関連づけられたメモリ内に格納することは、上述のように周囲温度でベースライン抵抗を測定することを含め、デバイスに対する正確な温度制御に有用であるかもしれない。製造ラインでの抵抗/ベースライン測定は、使用にあたりデバイスが取得する測定値とはいくらか異なる可能性があるけれども、(アルゴリズムにより決定される)ベースライン調節を使用することもできる。択一的または付加的に、ある1つのカートリッジについて信頼性のあるベースラインが決定されたならば、このベースラインをその特定のカートリッジと関連づけられたIDに(たとえばリモートデータベース内で、リモートサーバなどにおいて)結び付けることができ、その結果、カートリッジが取り外され、再び挿入されたときに、(カートリッジIDが確認されればただちに)、同じベースライン値を同様に使用することができ、これは安定したベースラインが検出されるのを待つよりも迅速なチェックであるかもしれない。
【0059】
一般に、カートリッジ自体の中にあるヒータの抵抗など、カートリッジの特性を格納することは、気化器とカートリッジとの間の接続が良好であること、および気化器の抵抗測定回路が正常に動作していることを確認するためにも、有用であるかもしれない。したがって、本明細書で説明する方法および装置のいずれにおいても、公称のカートリッジ抵抗を、カートリッジのメモリ内に格納することができ(またはリモートサーバ/リモートデバイスに格納し、ユニークなカートリッジIDに基づき取り出すことができ)、デバイスとポッドとの間の接続が良好であること、および/またはデバイスの抵抗測定回路が正常に動作していること、および/またはカートリッジが組み立てられて以降または充填されて以降、カートリッジの抵抗が変化していないこと、を確認するために用いることができる。
【0060】
上述のように、いくつかの実装形態において、気化器は使用情報をカートリッジのメモリに書き込むことができる。その際に使用情報を、カートリッジから取り除かれた気化可能物質の量、および残存する気化可能物質の量を推定するために、用いることができる。使用情報は、ふかし/吸い出しの回数、供給された投与量、またはこれらに類するものを含むことができる。
【0061】
アプリケーション/コネクティビティ。気化器および/または気化器システムは、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアを含むことができ、これは、気化器とは分離されており、または分離可能であり、気化器と無線通信する。たとえばアプリケーション(「アプリ」)を、ポータブルデバイスおよび/またはウェアラブルデバイスのプロセッサにおいて実行することができ、これにはスマートフォン、スマートウォッチおよびこれらに類するものが含まれ、これらをパーソナルディジタルデバイスと称することもできるし、またはオプションとして単にデバイス(たとえば
図5におけるユーザデバイス305)と称することもでき、これは気化器システムの一部分である。これらのディジタルデバイスは、気化器に関連する機能との連動およびやりとりのためにユーザ向けのインタフェースを提供することができ、そのような機能には、気化器への、および気化器からディジタルデバイスまたはこれに類するものへの、かつ/または付加的な第三者のプロセッサ(たとえば
図5におけるリモートサーバ307などのようなサーバ)への、データ通信が含まれる。たとえばユーザは、気化器のいくつかの状況(温度、投与量など)、および/またはオプションとしてデバイスの第1の通信ハードウェアと気化器の第2の通信ハードウェアとの間の無線通信チャネルを介した、気化器へのおよび気化器からのデータの送信およびデータの受信を、制御することができる。ユーザがデータ通信プロセスを開始または許可しなくてもよいように、(たとえばデバイス上に表示されたユーザインタフェースとのやりとりを含む)ユーザの1つまたは複数のアクションに応答して、かつ/またはバックグラウンドオペレーションとして、データを通信することができる。
【0062】
ユーザインタフェースをディジタルデバイス上に配備することができ、これによって気化器の操作についてユーザを支援することができる。たとえば、ディジタルデバイス上で動作するユーザインタフェースは、アイコンおよびテキスト要素を含むことができ、これらによって、気化器の設定をユーザにより調節またはコンフィギュレーションすることのできる様々な手法について、ユーザに通知することができる。この手法の場合(または本発明の対象による他の手法の場合)、通信デバイスにより表示されるユーザインタフェースを使用して、気化器に関する情報を見せることができる。バッテリ情報(充電残量、蒸気吸い出し残量、充電時間、充電中など)、カートリッジ状態(たとえばカートリッジおよび気化可能物質の種類、カートリッジの充填状態など)およびこれらに類するデバイス状態、といったような気化器の状態に関する情報を、ユーザが見ることができるようにするために、アイコンおよび/またはテキスト要素を設けることができる。気化器内における(ファームウェアとしても知られる)内部ソフトウェアをユーザがアップデートできるようにするために、アイコンおよび/またはテキスト要素を設けることができる。デバイスをアクティベートするためのPINまたは個人生体情報の使用を認証手段として設定するなど、気化器のセキュリティ機構および/または権限付与機構をユーザが設定できるようにするために、アイコンおよびテキスト要素を設けることができる。フォアグランドデータの共有および関連設定をユーザがコンフィギュレーションできるようにするために、アイコンおよびテキスト要素を設けることができる。
【0063】
気化器は、1つまたは複数の認証機構を含むまたは組み込むことができる。たとえばユーザインタフェース(「アプリ」)は、たとえばPINベースの認証、生体認証を含むことができる(生体認証は、指紋ベースの認証、虹彩スキャンベースの認証、顔認識ベースの認証および/またはこれらに類するものを含むことができる)。権限付与は、顔の特徴の分析に基づくユーザ年齢の推定または計算のような、年齢分析を含むことができる。気化器のロック/アンロックのために、権限付与を用いることができる。
【0064】
有線または無線の手法を使用することでデータを通信可能な(たとえば本明細書で説明する気化器システムの一部である)パーソナルディジタルデバイスにインストールされて実行されるアプリケーションの1つの機構として、認証プロセスを実装することができる。パーソナルディジタルデバイス(たとえばスマートフォン)は、アプリケーションを実行可能なオペレーティングシステムを有することができる。
【0065】
たとえば、予め決められた時間および/またはプリセット時間にわたり使用が検出されなければ、「スリープモード」に入るというようにして、所定の非アクティブ期間後に気化器を非アクティブにすることができる。本発明の対象のいくつかの実装形態において、気化器をアクティベートし、それによって蒸気を生成する目的でユーザが使用できるようにするためには、デバイスが意図されたエンドユーザにより利用されていることを保証し、権限のない使用、デバイスの不慮のまたは意図しないアクティベーション、あるいはニコチンを含む有効成分を摂取する法的年齢ではない個人によるデバイスの使用を阻止するために、ユーザを認証しなければならない。個人識別番号(PIN)ベースの認証は、ユーザが選択したPINをエンドユースの認証に適用することができる。オプションとして1つまたは複数のアプローチを利用して、生体認証を用いることができる。たとえば指紋ベースの認証プロセスにより、エンドユーザを認証することができる。虹彩スキャンベースの認証プロセスは、エンドユーザを認証するために目または虹彩のスキャンまたはこれに類するものを使用することができる。顔認識ベースの認証は、エンドユーザを認証するために、顔のスキャンまたは画像処理アルゴリズムを使用することができる。虹彩スキャンベースの認証および顔認識ベースの認証は、パーソナルディジタルデバイスが前向きカメラのようなカメラを有する場合に、特に有用であるかもしれない。
【0066】
個人用気化器を、閾値判定基準が満たされたことに従って、ディアクティベートすることができる。たとえば所定の非アクティブ期間後に、気化器を非アクティブにすることができる。非アクティブ期間を(たとえばパーソナルディジタルデバイス上で実行される制御ソフトウェアを使用して)、ユーザがプリセットおよび/または選択することができる。したがって非アクティブ期間を、気化器のコンフィギュレーション可能なパラメータとすることができる。アプリケーションソフトウェア/ファームウェアは、上述のように認証を利用して気化器をアンロックまたはアクティベートする機能を含むことができる。
【0067】
認証プロセスを実施することができる。認証プロセスが失敗したならば、気化器をディアクティベートしたままにすることができる。認証プロセスが成功したならば、気化器をアンロックして、使用準備完了状態にすることができる。
【0068】
気化器は、オンボードデータ収集、データ分析、および/またはデータ伝送方法を実施することができる。既述のように、有線通信または無線通信の能力がある気化器は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ/ネットブック/デスクトップコンピュータといったディジタルコンシューマテクノロジー製品、「スマートウォッチ」などのウェアラブル無線テクノロジー、Google「グラス」など他のウェアラブルテクノロジーまたはこれらに類するものと、プログラミング、ソフトウェア、ファームウェア、GUI、無線通信、有線通信、および/または一般にアプリケーションまたは「アプリ」と称されるソフトウェアを使用することにより、インタフェースを介して連携することができる。気化器からディジタルコンシューマテクノロジー製品への/ディジタルコンシューマテクノロジー製品から気化器への、データの送信および交換の目的で、気化器をディジタルコンシューマテクノロジー製品に対しインタフェースを介して連携させるために(さらにこれによってディジタルコンシューマテクノロジー製品上で実行されるアプリとのインタフェースを介した連携のためにも)、有線通信コネクションを使用することができる。気化器からディジタル無線インタフェースへの/ディジタル無線インタフェースから気化器への、データの送信および交換の目的で、気化器をディジタルコンシューマテクノロジー製品に対しインタフェースを介して連携させるために、無線通信コネクションを使用することができる。気化器は、コンシューマテクノロジーと通信する目的で、赤外線(IR)送信機、Bluetoothインタフェース、802.11仕様のインタフェース、および/またはセルラ電話ネットワークとの通信のうちの1つまたは複数を含む、無線インタフェースを使用することができる。
【0069】
気化器は、付加的な機能を追加するために情報およびデータを中継する手法として、ディジタルコンシューマテクノロジー製品およびアプリと、インタフェースを介して連携する(たとえば通信する)ことができる。この付加的な機能は以下のことを含むことができる(ただしこれらに限定されるものではない)。(a)所定の時間にわたる所望のアクティベーションサイクル数を設定および/または指定すること。(b)ユーザに通知するための1つまたは複数のリマインダ、アラーム、またはこれらに類するものを設定および/または指定すること。(c)吸入ごとに有効物質を供給するためのユーザ所望の1つまたは複数の用量を設定および/または指定すること。(d)1日の総用量のように、所定の時間にわたり供給される有効物質の所望の総供給用量を設定および/または指定すること。(e)気化器により生成される蒸気および/またはエアロゾルについて、蒸気および/またはエアロゾルの強度、蒸気および/またはエアロゾルの密度、蒸気および/またはエアロゾルの体積、蒸気および/またはエアロゾルの香り、蒸気および/またはエアロゾルの温度、および/またはその他の蒸気特性および/またはエアロゾル特性を調整するために、気化器の1つまたは複数の電力設定を設定および/または指定すること。(f)バッテリの寿命および/またはパフォーマンスに関連するデバイスの設定を調整、調節、コンフィギュレーションするために、またはこれらに類することを行うために、気化器の電力設定を設定および/または指定すること。(g)液体の成分および製剤に関連する気化器のコンフィギュレーションを設定および/または指定すること。(h)周囲温度に基づく環境のコンフィギュレーションを設定および/または指定すること。(i)湿度に基づく環境のコンフィギュレーションを設定および/または指定すること。(j)高度に基づく環境のコンフィギュレーションを設定および/または指定すること。(k)時間(たとえば時刻)に基づくコンフィギュレーションを設定および/または指定すること。(l)蒸気生成物の味および/または香りの成分の機能的効果を最小化、最大化および/または調整するためのパラメータを設定および/または指定すること。(m)蒸気生成物またはエアロゾル生成物の有効成分または薬剤成分の薬力学および薬物動態学に関連する機能的効果を最小化または最大化するための機能的効果パラメータを設定および/または指定すること。(n)気化器の警告および通知を受信および/またはユーザに供給すること。(o)再充電に関連する気化器の警告および通知(たとえばバッテリ(たとえば
図1の電源103)を再充電する必要があるのか)を受信および/またはユーザに供給すること。(p)充電状態に関連する気化器の警告および通知(たとえばバッテリが完全に充電されているのかまたは部分的に充電されているのか)を受信および/またはユーザに供給すること。(q)カートリッジから取得された使用回数または吸入回数のような、液体カートリッジの使用状態に関連する気化器の警告および通知を受信および/またはユーザに供給すること。(r)カートリッジに残されている使用回数または吸入回数のような、液体カートリッジの残留状態に関連する気化器の警告および通知を受信および/またはユーザに供給すること。(s)プリセット時間および/または予め決められた時間にわたり取得された使用回数または吸入回数、たとえば1日あたりに取得された使用回数または吸入回数などのような、時間ベースの液体カートリッジの使用状態に関連する警告および通知を受信および/またはユーザに供給すること。(t)有効成分、強度、投与量(またはこれらに類するもの)、香りプロフィル(またはこれに類するもの)、および全般的な製剤(またはこれに類するもの)のような、液体カートリッジの内容物に関連する警告および通知を受信およびユーザに供給すること。(u)交換を必要とする液体カートリッジ、液体カートリッジアセンブリまたはこれらに類するものに関連する警告および通知を受信および/またはユーザに供給すること。(v)気化器の使用に対するプリセット時間に関連する警告および通知を受信および/またはユーザに供給すること。さらに(w)実施されたサイクル数、および/または加熱素子または加熱素子アセンブリの交換が提案および/または要求されるまでに残されているサイクル数のような、状態または「調子」に関する加熱素子の警告および通知を受信および/またはユーザに供給すること。
【0070】
気化器により生成される蒸気またはエアロゾルについて、蒸気および/またはエアロゾルの強度、蒸気および/またはエアロゾルの密度、蒸気および/またはエアロゾルの体積、蒸気および/またはエアロゾルの香り、蒸気および/またはエアロゾルの温度、および/またはこれらに類する蒸気特性およびエアロゾル特性をもたらす目的で、さらにこれらを調整する目的で、ピークアクティベーションまたは「ウォームアップ」または「ランプ」までの時間、および/または最大アクティベーションまたはピークアクティベーションの時間、および/または加熱素子がディアクティベートされている時間または「クールダウン」の時間に関連して、エネルギー供給されている加熱素子のパラメータを調整またはコンフィギュレーションするのと同様に、加熱素子に供給されるアクティベーションエネルギーを調整またはコンフィギュレーションするために、気化器の電力設定を設定および/または指定することができる。1つの実装形態の場合、最大バッテリ寿命となるよう気化器に対する調節をユーザが設定できるように、気化器の電力設定を設定および/または指定することができる。このケースでは気化器は結果として、バッテリ充電サイクルごとに維持することのできる最大サイクル数を保つために、いっそう低いエネルギー出力で動作することができる。これとは逆に、サイクルごとのデバイスのエネルギー出力に関してユーザがパフォーマンスを最大化することができるように、気化器の電力設定を設定および/または指定することができる。
【0071】
気化器のカートリッジ関連の設定を、気化またはエアロゾル化させることのできる液体に関する情報のように、液体の成分および/または製剤、またはこれらに類するものを含む、カートリッジに関する情報に基づくものとすることができる。デバイスのアクティベーションパラメータを調整、コンフィギュレーション、調節、または別の手法でコンフィギュレーションするために、気化器の液体関連の設定は、予め決められた、ならびにユーザがコンフィギュレーション可能な設定を有することができる。1つの実装形態において、周囲の温度、湿度および/または高度に基づきパフォーマンスを最適化するために、加熱素子のアクティベーションおよびアクティベーションパラメータを気化器が最適化するように、ユーザ固有の環境のコンフィギュレーションに関する設定を行うことができる。たとえば気化器は、寒冷気候設定または温暖気候設定、湿度設定、および/または高度設定といったコンフィギュレーションを有することができる。
【0072】
気化器を、時間ベースの設定によりコンフィギュレーション(プログラミング)することができ、これはたとえば、ユーザが1日の特定の時刻に吸入あたりいっそう多くの有効成分の供給を好むといったような、ユーザ固有の経時的なコンフィギュレーションのようなものである。気化器が1日の時刻に基づき所定の投与量の有効成分を供給するように、気化器をコンフィギュレーションすることができる。たとえば、ユーザに供給される投与量が夕方に最も多くなるように、または最大値(またはこれに類するもの)になるようにし、その日の早い時間帯では、吸入あたりいっそう少ない供給用量または最小値(またはこれに類するもの)に維持されるように、気化器をコンフィギュレーションすることができる。ユーザは、個人のプリファレンスに基づきこれらの設定(および本明細書で説明する他のもの)をプログラミングすることができる。
【0073】
味および/または香りに関連する気化器の設定によって、蒸気生成物の味および/または香りの成分の機能的効果を最小化、最大化および/または調整することができる。たとえば、蒸気またはエアロゾルから供給される香りが1回の吸入の期間にわたり最小化、最大化または調整される、というような手法でアクティベートするように、気化器をコンフィギュレーションすることができる。(ユーザによる吸入のために蒸気またはエアロゾルを生成する目的で加熱素子が動作可能である温度範囲内で)いっそう低い温度範囲が加熱素子により生成されるときよりもいっそう高い温度範囲が加熱素子により生成されるように、気化器がアクティベートされたときに、蒸気またはエアロゾルの香り特性に寄与する可能性のある気化される液体のいくつかの成分を、いっそう広範囲に、いっそう優勢に、またはいっそうたっぷりとなるようにすることができる。たとえば、蒸気生成物またはエアロゾル生成物に関する香りについて最大の、最小の、中庸の、または他の中間の値で作動するように、ユーザは気化器を設定することができる。気化器は、加熱素子のアクティベーションサイクルを、これに応じて調整することができる。
【0074】
機能的効果に関連する気化器の設定により、蒸気生成物またはエアロゾル生成物の有効成分または薬剤成分の薬力学および薬物動態学に関連する機能的効果を、最小化、最大化または調整することができる。たとえば、蒸気またはエアロゾルから供給される有効成分または薬剤が、ターゲットの組織または器官への供給という点で最小化または最大化される、というような手法でアクティベートするように、気化器をコンフィギュレーションすることができる。粒子サイズを調整することができる。ユーザは、蒸気またはエアロゾル中の有効成分または薬剤成分としてニコチンを供給するために、気化器を使用している可能性がある。ニコチンを摂取していなかった期間の後(ユーザの衝動または要求が高まりそうなとき)などに、ニコチンを血流にもっと速やかに供給するためのオプションを有するのが、ユーザにとって望ましい(またはユーザによって望まれる)可能性がある。択一的に、血流へのニコチンの吸収をもっと緩慢にすることが、ときにはユーザにとって望ましい(またはユーザによって望まれる)可能性があり、これは以下のようなときである。すなわち(i)ユーザの欲求または衝動が小さいとき、(ii)就寝前、またはユーザがニコチンの投与または適用のためのデバイスを使えなくなるようなイベントの前など、ユーザがニコチンに対する衝動または欲求をもつまでにいっそう引き延ばした期間をとりたいとき、などである。デバイスのアクティベーションおよび加熱素子の温度ならびに加熱素子のアクティベーション特性に関連する気化器の設定を、たとえばいっそう低い温度のアクティベーションでは、加熱素子のいっそう高い温度のアクティベーションのときよりも、薬剤成分の粒子サイズを大きくするように、調整することができる。したがって、有効成分または薬剤を含む液体を揮発または気化させるために加熱素子によって、気化室中に入力される温度エネルギーまたは加熱エネルギーの入力を調整することによって、有効成分または薬剤の粒子サイズに関連する蒸気またはエアロゾルの特性を、ユーザによって全体的にまたは部分的に調整することができる。これらの設定を、ニコチンなどの有効成分または薬剤への依存性を減らすために、エンドユーザまたはヘルスケア提供機関(またはこれに類するもの)が利用することもできる。ユーザのニコチンの依存性または嗜癖を低減または緩和するために、ニコチン投与量の低減と併せてこのような過渡的変化を利用することもできる。
【0075】
アプリは、気化器に関連づけられた警告および通知を受け取ることができる。これらの警告および通知は、たとえば以下のものを含むことができる。すなわち、バッテリ寿命状態、バッテリコンディションデータ(バッテリサイクル数など)、およびバッテリの「調子」(気化器内部バッテリの目下のおよび「リアルタイム」全体のコンディションについて、要求どおりにユーザに通知することができるなど)。
【0076】
気化器、および/またはディジタルコンシューマテクノロジー製品(たとえば上述の気化器システムの一部を成すまたは一部であるデバイス)上で実行される関連アプリケーション(アプリ)は、メーカ、メーカ関連会社、または他の事業体(小売店、ヘルスケア提供機関、サプライヤ、マーケティング事業体など)と、データを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、使用頻度など匿名またはユーザ固有の使用データを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、アクティベーションサイクル特性などユーザ固有の使用データ、たとえばアクティベーション持続時間および(適用可能であれば)ユーザにより指定されたアクティベーション設定などを、収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザ固有の人口統計情報を収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザ固有の社会経済的情報を収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザ固有の情報を収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザ固有のフィードバック情報を収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザ固有の人口統計情報を収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、調査、投票およびこれらに類すること、および/またはデータ解析を利用して、ユーザ固有のフィードバック情報を収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。
【0077】
気化器および/または関連アプリケーションは、デバイスのエラーまたは誤動作など匿名および/またはユーザ固有の使用データおよび/または信頼性データを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、保証サービス、修理および/または交換などの要求といった、ユーザ固有の使用データおよび/または信頼性データを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、技術サポートの要求といった、ユーザ固有の顧客満足度データを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、製品情報の要求といったユーザ固有のセールスリードデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、使用命令の要求といったユーザ固有の使用性能データを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、製品の機構または機能に関する情報の要求といったユーザ固有の情報を収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器の購入、および/または医師またはヘルスケア提供機関からの処方箋を通した気化器の入手に関する情報の要求など、ユーザ固有のマーケティングデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。
【0078】
気化器および/または関連アプリケーションは、気化器の誤用または濫用を表す気化器データを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器を位置特定するために使用可能な気化器データおよび/または使用データおよび/またはデータ伝送特性を収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、紛失または盗難のときに気化器を位置特定するために使用可能なデータおよび/またはデータ伝送特性を収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器は、関連アプリケーションを介して、製品のリコールまたはこれに類する急所に関する通知を収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができ、かつ/またはかかるリコールまたは急所をユーザに通知することができる。気化器は、関連アプリケーションを介して、メーカ(たとえばカートリッジメーカ)の利用規約に関する通知を収集、受信、記録、格納、送信、推定、データ共有することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができ、かつ/またはかかる利用規約をユーザに通知することができ、かつ/またはかかる利用規約の承認をユーザから受け取ることができる。
【0079】
気化器は、気化器システムの一部分であるデバイス上で実行される関連アプリケーションを介して、気化器の他のユーザの身元を同定するために、気化器の他のユーザと連絡をとるために、または気化器の他のユーザと接続するために利用可能なネットワークからのデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定、データ共有することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができ、さらに気化器は、関連アプリケーションを介して、ネットワーク内の他のユーザの身元を同定するために、ネットワーク内の他のユーザと連絡をとるために、またはネットワーク内の他のユーザと接続するために利用可能なネットワークからのデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定、データ共有することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器は、気化器により収集、受信、記録、格納、送信、推定、共有された、またはこれらに類することが行われた、あるいは気化器に関連づけられたアプリケーションを使用してユーザから直接的に収集されたデータのすべてまたは一部の共有を選択することができ、かつ/またはそれに対し権限付与することができる。気化器は、気化器により収集、受信、記録、格納、送信、推定、共有された、またはこれらに類することが行われた、あるいは気化器に関連づけられたアプリケーションを使用してユーザから直接的に収集されたデータのすべてまたは一部の、ネットワークを介した共有を選択することができ、かつ/またはそれに対し権限付与することができる。ネットワークはソーシャルメディアを有することができる。ソーシャルメディアの会員は、ユーザの家族を含むことができる。ソーシャルメディアの会員は、ユーザの友人を含むことができる。ソーシャルメディアの会員は、サポートグループまたはこれに類するもの(たとえば禁煙グループ)を含むことができる。ソーシャルメディアの会員は、第三者のサービス、会社、組織(たとえば教会)、気化器の他のユーザ、またはこれらに類するものを含むことができる。
【0080】
気化器および/または関連アプリケーションは、デバイスおよび/またはデバイスアプリケーションのソフトウェアコンフィギュレーションを実施するために有用なデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器および/または関連アプリケーションのソフトウェアコンフィギュレーションを実施するために有用なまたは必要とされるデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器および/または関連アプリケーションのソフトウェアコンフィギュレーションを実施するために有用なまたは必要とされるデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができ、この場合、ソフトウェアは、メーカまたはメーカの子会社または代理人またはサードパーティまたはこれらに類するものによりコンフィギュレーションされる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器および/または関連アプリケーションのサードパーティのソフトウェアコンフィギュレーションを実施するために有用なまたは必要とされるデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器および/または関連アプリケーションのファームウェアアップデートを実施するために有用なまたは必要とされるデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器および/または関連アプリケーションを介して、以下のような通知をユーザに提供することができる。すなわち、気化器および/または関連アプリケーションに対するファームウェアまたはこれに類するもののアップデートを入手可能であり、かつ/またはデバイスのトラブルシューティングのために、あるいは気化器および/または関連アプリケーションの意図されたまたは適切な機能のいくつかの側面を妨げている、気化器および/または関連アプリケーションの問題または急所を修正するために、このアップデートが必要とされている、という通知をユーザに提供することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器および/または関連アプリケーションを介して、以下のような通知をユーザに提供することができる。すなわち、気化器および/または関連アプリケーションに対するファームウェアまたはこれに類するもののアップデートを入手可能であり、かつ/または気化器のパフォーマンスの改善、ユーザエクスペリエンスの強化、あるいは同様に気化器および/または関連アプリケーションの意図されたまたは適切な機能のいくつかの側面の改善に関連する、またはこれらを意図した、付加的な機能を提供するために、このアップデートが必要とされている、という通知をユーザに提供することができる。
【0081】
気化器および/または関連アプリケーションは、気化器により収集された、またはアプリケーションを使用してユーザから直接的に収集されたデータを、ユーザのヘルスケア提供機関と共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器により収集された、またはアプリケーションを使用してユーザから直接的に収集されたデータを、ユーザのヘルスケアネットワークと共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器により収集された、またはアプリケーションを使用してユーザから直接的に収集されたデータを、ユーザの保険業者と共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器により収集された、またはアプリケーションを使用してユーザから直接的に収集されたデータを、ユーザの薬局および/または処方薬提供機関またはこれらに類するものと共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器により収集された、またはユーザから直接的に収集されたデータを、非個人化することができ、あるいはさもなければ匿名化することができ、その結果、非個人化されたデータを、研究、解析、公表またはこれらに類する目的などのような目的のために、共有または利用することができる。
【0082】
気化器および/または関連アプリケーションは、エンドユーザのために発行されたまたは書かれた処方が、気化器による患者への供給が意図された処方成分の受け取り、配達、ユーザへの発送またはこれらに類することについて、いつでも入手できる状態にあるという通知を、気化器および/または関連アプリケーションを介してユーザに提供することができる。たとえば薬局は、気化器および/または関連アプリケーションを介して、気化器または気化可能物質(たとえばカートリッジまたは液体)のための自身の処方をユーザが薬局で受け取るかたちで入手できる、ということをユーザに通知するなど、ユーザへの通知を送信することができる(薬局に限らず、ショップ、調剤室などを含む他の販売場所もこのことを行うことができる)。気化器および/または関連アプリケーションは、ヘルスケア提供機関、ネットワーク、代理機関、権限付与されたサードパーティ、またはこれらに類する事業体が、気化器および/または関連アプリケーションを介してユーザに警告、メッセージ、調査またはこれらに類するものを送信することを許可することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ヘルスケア提供機関、ネットワーク、代理機関、権限付与されたサードパーティ、またはこれらに類する事業体が、気化器および/または関連アプリケーションを介して、調査またはこれに類することの結果として生成されたデータにアクセスすることを許可することができる。
【0083】
気化器および/または関連アプリケーションは、気化器の設定をコンフィギュレーション、調節、調整および/または操作することについて、ヘルスケア提供機関に権限付与(たとえば許可)することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ヘルスケア提供機関によりなされた設定、コンフィギュレーションなどを変更、改変、リコンフィギュレーションまたは変化させることについてユーザに権限付与されていない気化器の設定を、コンフィギュレーション、調節、調整および/または操作することについて、ヘルスケア提供機関に権限付与することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ヘルスケア提供機関の代理人または代理機関によりなされた設定、コンフィギュレーションなどを変更、改変、リコンフィギュレーションまたは変化させることについてユーザに権限付与されていない気化器の設定を、コンフィギュレーション、調節、調整および/または操作することについて、ヘルスケア提供機関の代理人または代理機関に権限付与することができる。
【0084】
気化器および/または関連アプリケーションは、気化器により収集された、またはアプリケーションを使用することでユーザから直接的に収集された、デバイス、デバイス構成部品、デバイスアクセサリに関連するユーザの製品所有権、またはこれらに類するデータなど、ユーザ固有の情報を共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器により収集された、またはアプリケーションを使用することでユーザから直接的に収集された、デバイス、デバイス構成部品、デバイスアクセサリに関連するエンドユーザの製品購入、またはこれらに類するデータなど、ユーザ固有の情報を共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、製品プロモーションに関する小売店またはこれに類するものからの通知について、気化器および/または関連アプリケーションを介してユーザに通知を提供することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、製品入手の可能性に関して小売店またはこれに類するものから通知するなど、気化器および/または関連アプリケーションを介してユーザに通知を提供することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、新しい製品またはアクセサリのリリースに関して小売店またはこれに類するものから通知するなど、気化器および/または関連アプリケーションを介してユーザに通知を提供することができる。
【0085】
気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザと地理的に近い小売店のロケーションを探すために、人口統計サービスまたはこれに類する位置特定サービスを使用することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、デバイス購入、デバイスアクセサリ購入、気化器液体および関連パッケージまたはアセンブリの購入、購入頻度、売り場、購入時にユーザにより適用される割引、ならびに関連情報またはこれらに類する情報に関するデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、デバイス購入、デバイスアクセサリ購入、気化器液体および関連パッケージまたはアセンブリの購入、購入頻度、売り場、適用される割引、ならびに関連情報またはこれらに類する情報に関するデータを収集、受信、記録、格納、送信、推定することができ、かつ/またはこれらに類することを行うことができる。
【0086】
気化器および/または関連アプリケーションは、デバイス購入、デバイスアクセサリ購入、気化器液体および関連パッケージまたはアセンブリの購入、購入頻度、売り場、適用される割引に関する情報、ならびに割引、クーポン、販売促進コード、無料商品またはこれらに類するものといった関連情報に関する情報を共有するよう、ユーザに動機を与えることができる。気化器および/または関連アプリケーションは、デバイス購入、デバイスアクセサリ購入、気化器液体および関連パッケージまたはアセンブリの購入、購入頻度、売り場、適用される割引、使用される販売促進コードに関する情報、ならびに割引、クーポン、無料商品またはこれらに類するものといった関連情報に関する情報を共有するよう、的を絞った動機をユーザに与えるために、ユーザプロフィルの使用を提供することができる。
【0087】
気化器および/または関連アプリケーションは、上述のように気化器を非アクティブにして使用できないようにすることができる。たとえば、気化器および/または関連アプリケーションは、誤動作またはこれに類することが発生したならば、気化器を非アクティブにして使用不可にすることができる。気化器および/または関連アプリケーションは、権限付与されたユーザがアプリケーションを使用して個人識別番号(PIN)を入力するまで、気化器を非アクティブにして使用不可にすることができ、その後、アプリケーションによって気化器がアクティベートされる。気化器および/または関連アプリケーションは、権限付与されたユーザが生体識別子を有するようになるまで、気化器を非アクティブにして使用不可にすることができ、この生体識別子によって、これが認識または確認または照合されると、またはこれらに類することが行われると、アプリケーションを使用して気化器がアクティベートされる。上述のように、気化器および/または関連アプリケーションが権限付与されずに使用されることを、PINおよび/またはユニークな生体識別子を使用することによって阻止することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、2人以上のユーザが気化器を使用できるように、デバイスデータおよび個々のユーザのための個人設定を保存することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、デバイスデータおよび個々のユーザごとに保存されるべき個人設定を保存することができ、この場合、デバイスデータのための設定およびそれぞれ異なるユーザごとの個人設定を、アプリケーションを通して気化器および意図するユーザに適用することができる。ユーザは、自身の保存されたコンフィギュレーションをある気化器のために選択することができ、個々のデバイスは、ユーザが選択したこのコンフィギュレーションのもとで動作することになる。気化器および/または関連アプリケーションは、保存されユーザにより選択可能なユーザ設定および/またはコンフィギュレーションのうちの1つまたは複数を、1人のユーザまたは複数のユーザのために備える能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、保存されたユーザ設定および個人設定またはコンフィギュレーションを、アプリケーションおよび/または関連づけられたネットワークを介してユーザにより共有できるようにする能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、他のユーザの設定および/またはコンフィギュレーションを、アプリケーションまたは関連づけられたネットワークを介してユーザと共有できるようにすることが可能である。
【0088】
気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザが自身の気化器、気化器のコンフィギュレーション、カートリッジ(たとえば特定の香りまたはカートリッジブランドなど)またはこれらに類するものを(「10」を最高とする1~10で、または「5個の」星を最高とする1~5個の「星」といったような共通の方法を通してというように)ランク付けするのを、容易にすることができ、促進することができ、またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザが他のユーザのコンフィギュレーションをランク付けするのを容易にすることができ、促進することができ、またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ランク付けされているかもしれないしされていないかもしれないユーザコンフィギュレーションのデータベースを共有してこのデータベースにアクセスすることができ、アプリケーションを通してそれらのユーザコンフィギュレーションにアクセスして、ユーザ自身のデバイスにおいて使用するためにユーザコンフィギュレーションをダウンロードすることが可能である。気化器および/または関連アプリケーションは、ランク付けされているかもしれないしされていないかもしれないユーザコンフィギュレーションのデータベースを共有してこのデータベースにアクセスする能力を有することができ、アプリケーションを通してそれらのユーザコンフィギュレーションにアクセスして、他のユーザのデバイスにおいて使用するために自身のユーザコンフィギュレーションをアップロードすることが可能である。
【0089】
気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザ固有の使用データ、人口統計データ、社会経済的データまたはこれらに類するものに基づきユーザプロフィルを生成するために、メーカ、メーカの子会社、メーカの代理店またはサードパーティと、ユーザデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、メーカ、メーカの子会社、メーカの代理店またはサードパーティと共有されたユーザデータを利用して、固有のユーザプロフィルを決定する能力を有することができる。
【0090】
気化器および/または関連アプリケーションは、関連アプリケーションと、ユーザのパーソナルディジタルデバイスにインストール可能またはその構成部品とすることができる他のアプリケーションとの間でのデータ共有を、許可することができ、容易にすることができ、それに対し権限を付与することができ、それに対し確認を行うことができ、またはこれらに類することを行うことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ソーシャルメディアアプリケーションと情報および/またはデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、電子メールサービス、電子メールプロバイダ、電子メールホスティング、またはこれらに類するものと、情報および/またはデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、テキストメッセージ、ショートメッセージサービス(SMS)またはこれらに類するアプリケーションと、情報および/またはデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、位置情報サービスのアプリケーションと情報および/またはデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、マップまたはマッピング、ナビゲーション、位置特定またはこれらに類するアプリケーションと、情報および/またはデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ヘルスケア、ヘルスケア提供機関、ヘルスケアサービス、ヘルスケアネットワーク、またはこれらに類するアプリケーションと、情報および/またはデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、薬局、薬局型サービス提供機関、またはこれらに類するアプリケーションと、情報および/またはデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、天気、天気予報、気象通報またはこれらに類するアプリケーションと、情報および/またはデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、デバイスメーカのアプリケーションと情報および/またはデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、研究または研究指向のアプリケーションと情報および/またはデータを共有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、気化器の小売店またはこれに類するコンシューマデバイスのアプリケーションと、情報および/またはデータを共有することができる。
【0091】
気化器および/または関連アプリケーションは、デバイスのパフォーマンスまたは機能に関する問題に取り組む目的で、デバイスまたは関連アプリケーションがエラーコードまたはエラーレポートをメーカ、メーカの子会社、メーカの代理店またはサードパーティに送信するために、データの収集、受信、記録、格納、送信、推定またはこれらに類することについて、権限を付与するまたは許可する能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、デバイスアプリケーションに関する問題に取り組む目的で、デバイスまたは関連アプリケーションがエラーコードまたはエラーレポートをメーカ、メーカの子会社、メーカの代理店またはサードパーティに送信するために、データの収集、受信、記録、格納、送信、推定またはこれらに類することについて、権限を付与するまたは許可する能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、デバイスの誤動作に関係するデータメトリクスを推定する目的で、デバイスまたはデバイスアプリケーションがエラーコードまたはエラーレポートをメーカ、メーカの子会社、メーカの代理店またはサードパーティに送信するために、データの収集、受信、記録、格納、送信、推定またはこれらに類することについて、権限を付与するまたは許可する能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、デバイス、デバイス構成部品またはデバイス内で使用される液体に関する製造、品質コントロールまたはこれらに類する急所、あるいは潜在的な問題に関係する可能性のあるデータの収集、受信、記録、格納、送信、推定またはこれらに類することを行う目的で、デバイスまたは関連アプリケーションがエラーコードまたはエラーレポートをメーカ、メーカの子会社、メーカの代理店またはサードパーティに送信するために、データの収集、受信、記録、格納、送信、推定またはこれらに類することについて、権限を付与するまたは許可する能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、デバイスの急所または問題のトラブルシューティングのために、データを収集、受信、記録、格納、送信、推定する能力、またはこれらに類することを行う能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザのエラーに関係する可能性のあるデバイスの急所または問題のトラブルシューティングのために、データを収集、受信、記録、格納、送信、推定する能力、またはこれらに類することを行う能力を有することができる。
【0092】
気化器および/または関連アプリケーションは、無線テクノロジーおよび有線テクノロジーといったデータ伝送方式を使用する能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、本明細書で説明する機能、性能、方法、能力などのうちの1つまたは複数を実施するために、無線テクノロジーおよび有線テクノロジーといったデータ伝送方式を使用する能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ユーザのパーソナルディジタルデバイスへのデータ伝送のために、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、セルラ方式、3G、4G、近距離無線通信(NFC)、またはこれらに類するものといったデータ伝送方式を使用する能力を有することができる。かかる通信を、デバイスの第1の通信ハードウェアと気化器の第2の通信ハードウェアとの間で無線通信チャネルを確立することによって、生じさせることができる。気化器および/または関連アプリケーションは、ネットワークへのデータ伝送のために、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、セルラ方式、3G、4G、近距離無線通信(NFC)、またはこれらに類するものといったデータ伝送方式を使用する能力を有することができる。したがって第1の通信ハードウェアおよび第2の通信ハードウェアは、これらの(または他の同等の)通信アプローチのうちの少なくとも1つのために構成された回路および1つまたは複数のトランシーバを含むことができる。気化器および/または関連アプリケーションは、テキストメッセージ通信またはSMSといったデータ伝送方式を使用する能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、電子メールまたはeメールといったデータ伝送方式を使用する能力を有することができる。気化器および/または関連アプリケーションは、第1の通信ハードウェアを含むことのできるユーザのディジタルデバイスへの通知またはプッシュ通知といったデータ伝送方式を使用する能力を有することができる。
【0093】
気化および/または関連アプリケーションは、コンフィギュレーションまたは設定と称するアプリケーションの様々な機構を使用して、気化器および/または関連アプリケーションの機能、機構、コンフィギュレーションなどのユーザコントロールを可能にする機構(たとえばソフトウェアベースのボタンまたはコントロールおよび/または物理的な入力デバイスまたはコントロール)を含むことができる。これらの設定は、以下のような例示的な一般的使用設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)所定の時間にわたる所望のアクティベーションサイクル数。(b)ユーザに通知するためのリマインダ、アラーム、またはこれらに類するコンフィギュレーションおよび/または設定。(c)吸入ごとの有効物質の所望の用量供給。(d)1日の総用量など、所定の時間にわたり供給される所望の総供給用量。(e)デバイスにより生成される蒸気またはエアロゾルについて、蒸気またはエアロゾルの強度、蒸気またはエアロゾルの密度、蒸気またはエアロゾルの体積、蒸気またはエアロゾルの香り、蒸気またはエアロゾルの温度、またはこれらに類する蒸気またはエアロゾルの特性を調整するための、気化器の電力設定(この電力設定によって、デバイスにより生成される蒸気またはエアロゾルについて、蒸気またはエアロゾルの強度、蒸気またはエアロゾルの密度、蒸気またはエアロゾルの体積、蒸気またはエアロゾルの香り、蒸気またはエアロゾルの温度、あるいはこれらに類する特性をもたらす目的で、さらにこれらを調整する目的で、ピークアクティベーションまたは「ウォームアップ」または「ランプ」までの時間、および/または最大アクティベーションまたはピークアクティベーションの時間、および/または加熱素子がディアクティベートされている時間または「クールダウン」の時間に関連して、エネルギー供給されている加熱素子のパラメータを調整またはコンフィギュレーションするのと同様に、加熱素子に供給されるアクティベーションエネルギーを、調整またはコンフィギュレーションすることができる)。(f)ユーザがバッテリ寿命を最大化するようにデバイスに対する調節を設定でき、デバイスは結果として、バッテリ充電サイクルごとに維持される最大サイクル数を保つよう、いっそう低いエネルギー出力で動作することになるように、バッテリ寿命およびパフォーマンスに関連するデバイスの設定を調整、調節、コンフィギュレーションするための、またはこれらに類することを行うための、気化器の電力設定(逆にユーザは、サイクルごとのデバイスのエネルギー出力に関してパフォーマンスを最大化するよう、デバイスの設定を調整、調節、コンフィギュレーションすることができ、またはこれらに類することを行うことができる)。(g)気化器のアクティベーションパラメータを調整、コンフィギュレーション、調節するために、またはこれらに類することを行うために、気化またはエアロゾル化すべき液体に関する情報が、予め決められたならびにユーザコンフィギュレーション可能な設定を有することができるようにという、液体の成分および製剤またはこれらに類するものに関する設定。(h)周囲温度に基づきパフォーマンスを最適化するために、デバイスが加熱素子のアクティベーションおよびアクティベーションパラメータを最適化するようにという、寒冷気候設定または温暖気候設定といったユーザ固有の環境のコンフィギュレーションに関する設定。(i)ユーザの局所的な湿度の値または範囲に基づきパフォーマンスを最適化するために、気化器が加熱素子のアクティベーションおよびアクティベーションパラメータを最適化するようにという、高湿度設定または低湿度設定といったユーザ固有の環境のコンフィギュレーションに関する設定。(j)エンドユーザの高度に基づきパフォーマンスを最適化するために、気化器が加熱素子のアクティベーションおよびアクティベーションパラメータを最適化するようにという、ユーザの局所的な高度設定といったユーザ固有の環境のコンフィギュレーションに関する設定。(k)1日の特定の時刻ではユーザが吸入ごとにいっそう多い有効成分の供給を好むといったような、ユーザ固有の経時的なコンフィギュレーションに関する設定(たとえば、朝はユーザに供給される投与量が最多または最大値またはこれに類するものであり、夕方の終わりには、吸入ごとにいっそう僅かに供給される用量または最小値またはこれに類するものに向かって次第に減少していくよう、気化器が1日のある時刻に関していっそう多くの投与量の有効成分を供給するというように、気化器をコンフィギュレーションすることができる)。(l)蒸気またはエアロゾルから供給される香りが最小化または最大化されるという手法でアクティベートするよう気化器をコンフィギュレーションできるようにという、蒸気生成物の味または香りの成分の機能的効果を最小化または最大化するための、気化器のパフォーマンスおよびアクティベーションのパラメータの調整に関する設定(たとえば、ユーザによる吸入のために蒸気またはエアロゾルを生成する目的で加熱素子が動作可能である温度範囲内で、いっそう低い温度範囲が加熱素子により生成されるときよりもいっそう高い温度範囲が加熱素子により生成されるように、気化器がアクティベートされたときに、蒸気またはエアロゾルの香り特性に寄与する可能性のある気化される液体の成分を、いっそう広範囲に、またはいっそう優勢に、またはいっそうたっぷりとなるようにすることができ)、たとえばユーザは、蒸気生成物またはエアロゾル生成物に関する香りについて最大値、最小値、中庸な値、またはその他の中間の値で作動するように、気化器を設定することができ、加熱素子のアクティベーションサイクルがこれに応じて調整されることになる。(m)蒸気またはエアロゾルから供給される有効成分または薬剤が、ターゲットの組織または器官への供給という点で最小化または最大化される、というような手法でアクティベートするように、気化器をコンフィギュレーションすることができるといったようにして、蒸気生成物またはエアロゾル生成物の有効成分または薬剤成分の薬力学および薬物動態学に関連する機能的効果を最小化または最大化するための、気化器のパフォーマンスおよびアクティベーションのパラメータの調整に関する設定。(n)デバイスの内部バッテリおよびデバイスの充電ケースの内部バッテリの目下のリアルタイムでのおよび全体のコンディションについて、要求どおりにユーザに通知することができるように、バッテリ寿命状態、バッテリサイクル数などのバッテリコンディションデータ、およびバッテリの「調子」といった、デバイスの警告および通知。(o)気化器は再充電が必要といったようなデバイスの警告および通知。(p)気化器のバッテリは完全に充電されているといったようなデバイスの警告および通知。(q)使用回数または行われた吸入回数および残りの使用回数といった液体カートリッジ状態などのデバイスの警告および通知。(r)有効成分および強度または投与量またはこれらに類するもの、および香りプロフィルまたはこれに類するもの、ならびに全般的な製剤といった、液体カートリッジの内容物などのデバイスの警告および通知。(s)液体カートリッジまたは液体カートリッジアセンブリまたはこれらに類するものは交換が必要といったような、デバイスの警告および通知。(t)気化器を使用するために予め決められた時間またはプリセット時間といったような、デバイスの警告および通知。(u)実施されたサイクル数、および加熱素子または加熱素子アセンブリの交換が提案または要求されるまでに残されているサイクル数といったような、デバイスの加熱素子の状態または「調子」など、デバイスの警告および通知。
【0094】
設定は、以下のようなデバイスメーカのデータ共有設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)使用頻度といった匿名またはユーザ固有の使用データ。(b)アクティベーション持続時間および適用可能であればユーザにより指定されたアクティベーション設定などのアクティベーションサイクル特性といった、匿名またはユーザ固有の使用データ。(c)人口統計情報といったユーザ固有のデータ。(d)社会経済的情報といったユーザ固有のデータ。(e)調査またはこれに類するものの利用を通したユーザフィードバックといったユーザ固有のデータ。(f)デバイスエラーまたは誤動作といった匿名またはユーザ固有の使用データ。(g)保証サービスまたは修理または交換またはこれらに類することの要求といった、ユーザ固有のデータ。(h)テクニカルサポートの要求といったユーザ固有のデータ。(i)製品情報の要求といったユーザ固有のデータ。(j)使用説明書の要求といったユーザ固有のデータ。(k)製品の機構または機能に関する情報の要求といった、ユーザ固有のデータ。(l)製品の購入あるいは医師またはヘルスケア提供機関からの処方箋を通した製品の入手に関する情報の要求といった、ユーザ固有のデータ。(m)デバイスの誤用または濫用を表すデバイスデータ。(n)デバイスを紛失したときまたは盗難されたときにデバイスを位置特定するために使用されるデバイスデータおよびデータ伝送特性。(o)製品のリコールまたはこれに類する急所に関してデバイスまたはアプリケーションを介してなされるユーザへの通知。(p)製品の利用規約の認識およびこの利用規約に対するユーザの合意のための一般的なデータ共有。
【0095】
設定は、以下のようなユーザデータ、使用データ、システムデータ、デバイスデータ、およびオプションとしてのデータの設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)デバイスにより収集された、またはアプリケーションの使用を通してユーザから直接収集されたデータのすべてまたは一部の、ネットワークに対する共有の選択および権限付与に関する設定。(b)ネットワークをソーシャルメディアとすることができる場合。(c)ネットワークをユーザの家族および/または友達により構成することができる場合。(d)ネットワークをサポートグループまたはこれに類するものにより構成することができる場合。(e)デバイスの他のユーザの身元を同定するために、デバイスの他のユーザと連絡をとるために、またはデバイスの他のユーザと接続するために使用可能なネットワークを介した、データ共有の使用に関する設定。(f)他のネットワークをサードパーティのサービス、会社、組織またはこれらに類するものとすることができる場合。
【0096】
設定は、以下のようなソフトウェアコンフィギュレーションおよびファームウェアアップデートの設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)デバイスおよび/またはデバイスアプリケーションのソフトウェアコンフィギュレーションを実施するために必要とされるまたは有用なデータの共有および送信に関する設定。(b)ソフトウェアがメーカまたはメーカの子会社または代理人またはサードパーティまたはこれに類するものによりコンフィギュレーションされる場合に、デバイスおよび/またはデバイスアプリケーションのソフトウェアコンフィギュレーションを実施するために必要とされるデータの共有および送信に関する設定。(c)ソフトウェアがサードパーティによりコンフィギュレーションされる場合に、デバイスおよび/またはデバイスアプリケーションのソフトウェアコンフィギュレーションを実施するために必要とされるデータの共有および送信に関する設定。(d)デバイスおよび/またはアプリケーションに対するファームウェアまたはこれに類するもののアップデートを実施するために必要とされるデータの共有および送信に対する権限付与に関する設定。(e)デバイスおよび/またはアプリケーションに対するファームウェアまたはこれに類するもののアップデートが入手可能である、かつ/または必要とされるということについての、デバイスまたはアプリケーションを通したユーザへの通知に関する設定。(f)デバイスのトラブルシューティングの手段として、または意図されたまたは適切な機能のいくつかの側面を妨げているデバイスまたはアプリケーションの問題または急所を修正するための手段として、デバイスおよび/またはアプリケーションに対するファームウェアまたはこれに類するもののアップデートが入手可能である、かつ/または必要とされるということについての、デバイスまたはアプリケーションを通したユーザへの通知に関する設定。
【0097】
設定は、以下のようなヘルスケアシステムのデータ共有設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)デバイスにより収集された、またはアプリケーションの使用を通してユーザから直接収集されたデータのすべてまたは一部の、ユーザのヘルスケア提供機関に対する共有に関する設定。(b)デバイスにより収集された、またはアプリケーションの使用を通してユーザから直接収集されたデータのすべてまたは一部の、ユーザのヘルスケアネットワークに対する共有に関する設定。(c)デバイスにより収集された、またはアプリケーションの使用を通してユーザから直接収集されたデータのすべてまたは一部の、ユーザの保険会社に対する共有に関する設定。(d)デバイスにより収集された、またはアプリケーションの使用を通してユーザから直接収集されたデータのすべてまたは一部の、ユーザの薬局または処方薬提供機関またはこれに類するものに対する共有に関する設定。(e)エンドユーザのために発行されたまたは書かれた処方が、デバイスによる患者への供給が意図された処方成分の受け取り、配達、および/またはユーザへの発送またはこれらに類することについて、いつでも入手できる状態にあるという通知に関する設定。たとえば薬局は、デバイスまたはデバイス構成部品のための自身の処方を、ユーザが薬局から受け取るために入手可能であることをユーザに通知するといった通知を、デバイスアプリケーションを介してユーザに送信することができる。(f)デバイス設定をコンフィギュレーション、調節、調整、操作するための、またはこれに類することを行うための、ヘルスケア提供機関の権限付与に関する設定。(g)ヘルスケア提供機関によりなされた設定、コンフィギュレーションまたはこれに類するものを変更、改変、リコンフィギュレーションするための、またはこれに類することを行うための権限がユーザに付与されていない場合に、デバイス設定をコンフィギュレーション、調節、調整、操作するための、またはこれに類することを行うための、ヘルスケア提供機関の権限付与に関する設定。(h)ヘルスケアの代理人または代理機関またはこれらに類するものによりなされた設定、コンフィギュレーションまたはこれに類するものを変更、改変、リコンフィギュレーションするための、またはこれに類することを行うための権限がユーザに付与されていない場合に、デバイス設定をコンフィギュレーション、調節、調整、操作するための、またはこれに類することを行うための、ヘルスケア提供機関の代理人または代理機関またはこれに類するものに権限付与する設定。(i)ヘルスケア提供機関またはヘルスケアネットワークと共有されたデータを非個人化またはさもなければ匿名化して、研究目的、解析目的、公表目的、またはこれらに類する目的など他の目的のために使用できるようにする設定。(j)ヘルスケア提供機関、ヘルスケアネットワーク、代理人、権限付与された第三者、またはこれに類するものが、デバイスアプリケーションを通して警告、メッセージ、調査またはこれに類するものを送信できるようにする設定。(k)ヘルスケア提供機関、ヘルスケアネットワーク、代理人、権限付与された第三者、またはこれに類するものが、調査結果またはこれに類するものとしてデバイスアプリケーションを通して生成されたデータにアクセスできるようにする設定。
【0098】
設定は、以下のような小売店および/または消費者に向けたデータ設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)製品、デバイス、構成部品、アクセサリ、またはこれらに類するものの詳細のようなユーザ固有の情報の共有に関する設定。(b)製品プロモーションに関する小売店またはこれに類するものからの通知の受信に関する設定。(c)製品の在庫に関する小売店またはこれに類するものからの通知の受信に関する設定。(d)新たな製品またはアクセサリのリリースに関する小売店またはこれに類するものからの通知の受信に関する設定。(e)ユーザと地理的に近い小売店のロケーションを探すための、人口統計サービスまたはこれに類する位置特定サービスの利用に関する設定。(f)人口統計的な、社会経済的な、またはこれらに類するマーケティングまたはプロモーションの活動のために使用することができるデータの共有に関する設定。(g)デバイス購入、デバイスアクセサリ購入、気化器液体および関連パッケージまたはアセンブリの購入、購入頻度、売り場、購入時にユーザにより適用される割引、ならびに関連情報またはこれらに類する情報に関するデータの収集に関する設定。(h)デバイス購入、デバイスアクセサリ購入、気化器液体および関連パッケージまたはアセンブリの購入、購入頻度、売り場、適用される割引、ならびに関連情報またはこれらに類する情報に関するデータの共有に関する設定。(i)デバイス購入、デバイスアクセサリ購入、気化器液体および関連パッケージまたはアセンブリの購入、購入頻度、売り場、適用される割引に関する情報、ならびに割引、クーポン、販売促進コード、無料商品またはこれらに類するものといった関連情報に関する情報を共有するよう、ユーザに動機を与えるためのアプリケーションの使用。(j)デバイス購入、デバイスアクセサリ購入、気化器液体および関連パッケージまたはアセンブリの購入、購入頻度、売り場、適用される割引、使用される販売促進コードに関する情報、ならびに割引、クーポン、無料商品またはこれらに類するものといった関連情報に関する情報を共有するよう、的を絞った動機をユーザに与えるためのユーザプロフィルの使用。
【0099】
設定は、以下のようなデバイスアクセス設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)デバイスを非アクティブにして使用不可にすることに関する設定。(b)権限付与されたユーザが、アプリケーションを使用して入力するとデバイスをアクティベートする個人識別番号(PIN)を有する場合に、デバイスを非アクティブにして使用不可にすることに関する設定。(c)権限付与されたユーザが、認識または確認または照合されるとまたはこれに類することが行われるとアプリケーションを使用してデバイスをアクティベートする生体識別子を有する場合に、デバイスを非アクティブにして使用不可にすることに関する設定。(d)権限付与されたユーザが、認識または確認または照合されるとアプリケーションを使用してデバイスをアクティベートする生体識別子を有し、この生体識別子が指紋である場合に、デバイスを非アクティブにして使用不可にすることに関する設定。(e)権限付与されたユーザが、認識または確認または照合されるとアプリケーションを使用してデバイスをアクティベートする生体識別子を有し、この生体識別子が目または虹彩またはこれに類するもののスキャンである場合に、デバイスを非アクティブにして使用不可にすることに関する設定。(f)権限付与されたユーザが、認識または確認または照合されるとアプリケーションを使用してデバイスをアクティベートする生体識別子を有し、この生体識別子が顔認識である場合に、デバイスを非アクティブにして使用不可にすることに関する設定。(g)権限付与されていないデバイス使用が、PINまたはユニークな生体識別子の使用により阻止される場合の設定。(h)権限付与されていないデバイス使用の試みに関するデータの共有に関する設定。(i)ユーザに権限付与しデバイスをアクティベートするためのネットワークを介したデータの共有に関する設定。(j)生体認証をネットワークの使用を介して実施できるようなデータの共有に関する設定。(k)使用後、デバイスが非アクティブにされてデバイスに権限付与するために認証が必要とされる前に経過する時間または期間に関する設定。(l)PINなどユーザ固有の認証情報のリセットまたは変更に関する設定。
【0100】
設定は、以下のような複数のユーザ設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)デバイスおよび/またはデバイスアプリケーションのソフトウェアコンフィギュレーションを実施するために必要とされるまたは有用なデータの共有および送信に関する設定。(b)ソフトウェアがメーカまたはメーカの子会社または代理人またはサードパーティまたはこれに類するものによりコンフィギュレーションされる場合に、デバイスおよび/またはデバイスアプリケーションのソフトウェアコンフィギュレーションを実施するために必要とされるデータの共有および送信に関する設定。(c)ソフトウェアがサードパーティによりコンフィギュレーションされる場合に、デバイスおよび/またはデバイスアプリケーションのソフトウェアコンフィギュレーションを実施するために必要とされるデータの共有および送信に関する設定。(d)デバイスおよび/またはアプリケーションに対するファームウェアまたはこれに類するもののアップデートを実施するために必要とされるデータの共有および送信に対する権限付与に関する設定。(e)デバイスおよび/またはアプリケーションに対するファームウェアまたはこれに類するもののアップデートが入手可能である、かつ/または必要とされるということについての、デバイスまたはアプリケーションを通したユーザへの通知に関する設定。(f)デバイスのトラブルシューティングの手段として、または意図されたまたは適切な機能のいくつかの側面を妨げているデバイスまたはアプリケーションの問題または急所を修正するための手段として、デバイスおよび/またはアプリケーションに対するファームウェアまたはこれに類するもののアップデートが入手可能である、かつ/または必要とされるということについての、デバイスまたはアプリケーションを通したユーザへの通知に関する設定。
【0101】
設定は、以下のような定義済み使用プロフィル設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)ユーザ固有の使用データ、人口統計データ、社会経済的データまたはこれらに類するものに基づきユーザプロフィルを生成する目的での、メーカ、メーカの子会社、メーカの代理店またはサードパーティに対するユーザデータの共有に関する設定。(b)ユーザ固有の使用データ、人口統計データ、社会経済的データまたはこれらに類するものに基づきユーザプロフィルを生成する目的で、メーカ、メーカの子会社、メーカの代理店またはサードパーティと共有されたまたはこれらに送信されたユーザデータの使用が、特定のユーザプロフィルを決定するために使用される場合。(c)ユーザプロフィルが、特定のユーザサブセットと相関する設定コンフィギュレーショングループである場合。(d)ユーザサブセットを、人口統計データ、社会経済的データ、アプリケーションの使用により収集されたパーソナルデータ、デバイス使用データ、またはこれらに類するものに基づくものとすることができる場合。(e)ユーザプロフィルをユーザサブセットに固有のものとすることができ、ユーザプロフィルデータに基づき推奨されるデバイスコンフィギュレーションを、ユーザサブセットに対するユーザの類似性に基づきデバイスのユーザが入手可能であるようにすることができる場合。(f)ユーザの人口統計データ、社会経済的データまたはこれらに類するものに基づき、デバイスに対しデフォルト設定のコンフィギュレーションを構築するために、類似のユーザからの蓄積データを使用することによって、ユーザエクスペリエンスが最適化される場合。
【0102】
設定は、以下のような他のアプリケーションとの統合に関する設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)デバイスアプリケーションと、ユーザのパーソナルディジタルデバイスにインストール可能またはその構成部品とすることができる他のアプリケーションとの間でのデータ共有を、許可するための、容易にするための、それに対し権限を付与するための、それに対し確認するための、またはこれらに類することを行うための設定。(b)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、ソーシャルメディアアプリケーションとすることができる場合。(c)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、電子メールサービス、電子メールプロバイダ、電子メールホスティング、またはこれらに類するアプリケーションとすることができる場合。(d)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、テキストメッセージ、SMSまたはこれらに類するアプリケーションとすることができる場合。(e)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、位置特定サービスアプリケーションとすることができる場合。(f)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、マップ、マッピング、ナビゲーション、位置特定、またはこれらに類するアプリケーションとすることができる場合。(g)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、ヘルスケア、ヘルスケア提供機関、ヘルスケアサービス、ヘルスケアネットワーク、またはこれらに類するアプリケーションとすることができる場合。(h)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、薬局、または薬局型サービス提供機関、またはこれらに類するアプリケーションとすることができる場合。(i)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、天気、または天気予報、または気象通報、またはこれらに類するアプリケーションとすることができる場合。(j)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、デバイスメーカのアプリケーションとすることができる場合。(k)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、研究または研究指向のアプリケーションとすることができる場合。(l)デバイスアプリケーションが情報を共有する他のアプリケーションを、デバイス小売店またはこれに類するコンシューマデバイスのアプリケーションとすることができる場合。
【0103】
設定は、以下のようなエラーコードおよびトラブルシューティングを含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)デバイスのパフォーマンスまたは機能に関する問題に取り組む目的で、デバイスまたはデバイスアプリケーションがエラーコードまたはエラーレポートをメーカ、メーカの子会社、メーカの代理人またはサードパーティに送信するための、データ共有の権限付与または許可に関する設定。(b)デバイスアプリケーションに関する問題に取り組む目的で、デバイスまたはデバイスアプリケーションがエラーコードまたはエラーレポートをメーカ、メーカの子会社、メーカの代理人またはサードパーティに送信するための、データ共有の権限付与または許可に関する設定。(c)デバイスの誤動作に関係するデータメトリクスを推定する目的で、デバイスまたはデバイスアプリケーションがエラーコードまたはエラーレポートをメーカ、メーカの子会社、メーカの代理人またはサードパーティに送信するための、データ共有の権限付与または許可に関する設定。(d)デバイス、デバイス構成部品またはデバイス内で使用される液体に関する製造、品質コントロールまたはこれらに類する急所、あるいは潜在的な問題に関係する可能性のあるデータの収集の目的で、デバイスまたはデバイスアプリケーションがエラーコードまたはエラーレポートをメーカ、メーカの子会社、メーカの代理店またはサードパーティに送信するための、データ共有の権限付与または許可に関するする設定。(e)デバイスの急所または問題のトラブルシューティングの目的でのデータ共有に関する設定。(f)ユーザのエラーに関係する可能性のあるデバイスの急所または問題のトラブルシューティングの目的でのデータ共有に関する設定。
【0104】
設定は、以下のような通信方法に関する設定を含むことができる。ただしそれらに限定されるものではない。(a)無線テクノロジーおよび有線テクノロジーといったデータ伝送方式を使用するデバイスまたはデバイスアプリケーションに関する設定。(b)ユーザのパーソナルディジタルデバイスへのデータ伝送のために、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、またはこれらに類するものといったデータ伝送方式を使用するデバイスまたはデバイスアプリケーションに関する設定。(c)ネットワークへのデータ伝送のために、有線方式または無線方式またはこれらに類するものといったデータ伝送方式を使用するデバイスまたはデバイスアプリケーションに関する設定。(d)テキストメッセージ通信またはSMSといったデータ伝送方式を使用するデバイスまたはデバイスアプリケーションに関する設定。(e)電子メールまたはeメールといったデータ伝送方式を使用するデバイスまたはデバイスアプリケーションに関する設定。(f)ユーザのディジタルデバイスへの通知またはプッシュ通知といったデータ伝送方式を使用するデバイスまたはデバイスアプリケーションに関する設定。
【0105】
パフォーマンスの問題または誤動作が発生した場合のデバイスのトラブルシューティングに関する情報を提供するために、アプリケーションを使用することができる。デバイスまたはユーザに関する安全情報を提供するために、アプリケーションを使用することができる。デバイスのためのメンテナンス、クリーニング、またはこれに類する活動に関する安全情報を提供するために、アプリケーションを使用することができる。デバイスのための保管情報を提供するために、アプリケーションを使用することができる。デバイスの処分またはリサイクルに関する情報を提供するために、アプリケーションを使用することができる。デバイスの適切な分解および組み立てに関する情報を提供するために、アプリケーションを使用することができる。メーカ、卸売業者、小売店、あるいはこれに類するウェブサイトおよび/または連絡先の情報といった情報を提供するために、アプリケーションを使用することができる。利用法、トラブルシューティング、ユーザエクスペリエンス、ユーザレビュー、またはこれらに類するものに関係する可能性があるインターネットフォーラムについてのウェブサイトのユニフォームリソースロケータ(URL)またはリンクといった情報を提供するために、アプリケーションを使用することができる。ユーザに対しデバイスに関する安全情報を提供するために、アプリケーションを使用することができる。デバイスに関係する可能性のある利用可能な製品、アクセサリまたはこれらに類するものに関する情報を提供するために、アプリケーションを使用することができる。デバイスに関係する可能性のあるコンシューマ製品またはサービスを宣伝するためのスペースを提供するために、アプリケーションを使用することができる。デバイスの使用に関する個人的なユーザの目標に関係する機能を提供し、ユーザ定義による目標に関係する使用を追跡し、チャート、グラフ、またはこれらに類するものの形式でデータを見せるために、アプリケーションを使用することができる。
【0106】
これまで述べてきたシステム、コントローラおよび機能を、1つまたは複数のコンピュータシステムを用いて実装することができ、またはそれによって実行することができる。本明細書で説明する方法を、コンピュータ可読媒体に格納することができる。
【0107】
用量制御。気化器および/または気化器システムは、用量制御および/または用量計量を含むことができる。一般に用量制御については、2015年12月4日出願の米国特許出願第14/960,259号明細書に記載されており、この文献をここで参照したことによりその内容全体が本明細書に取り込まれるものとする。
【0108】
上述のように、気化器および/または上述の気化器システムの一部であるデバイスは、(たとえばアプリまたはアプリケーションソフトウェアを含む)ユーザインタフェースを含むことができ、これを通信中のデバイス上で実行することができ、投与を決定、表示、実施および/または計量するように構成することができる。たとえば気化器は、気化器および/またはアプリケーションにおいて表示される「単位用量」モード/インジケータを有することができる。接続されたアプリケーションによって、かつ/または気化器を直接制御することによって、単位用量を変更することができる。たとえばユーザは、用量ごとに1mgのニコチンから用量ごとに2mgのニコチンに移行させたいと望む可能性がある。
【0109】
用量単位をプログラミング可能とすることができる。たとえばユーザは、以前の(記録された)使用に基づき用量をプログラミングすることができる。たとえばユーザは、アプリ上のボタン「スタート」を押して、満足するまで十分にふかし、その後、アプリ上の「ストップ」を押すことができる。これに加えユーザは、投与の決定および/または計量に役立たせることができるユーザ固有のデータを入力することができる。たとえばユーザは、体重、性別および他の任意の関連データを入力することができる。かかる情報を、鎮痛剤、睡眠剤などのような治療薬剤の用量をそれに応じて調節するために使用することができる。
【0110】
上述のように、本発明の対象のいくつかの実装形態において、気化器および/または気化器と接続された(または接続可能である)デバイス上で実行されるアプリは、デバイスの使用または操作を記録することができ、この使用をあとで再生することができる。一般に、気化器またはアプリは、第1の動作パラメータ(たとえば温度設定、加熱までのランプ時間など)および第2の使用パラメータ(たとえばふかし回数、累積用量、使用時間など)を記録することができ、記録された動作パラメータおよび使用パラメータを使用プロフィルとして格納することができ、記録された使用プロフィルを、コントロール、ボタン、アイコンなどと関連づけることができ、使用プロフィルに基づきデバイスの動作をプログラミングすることができ、これによって目下の動作パラメータが記録された動作パラメータを追従するように、動作パラメータが自動的に変更される。
【0111】
たとえばユーザは、温度だけでなく温度が変化する中でのふかし回数(たとえば吸い出しイベント、吸入など)も含む使用プロフィルを記録することができ、これによりこの使用プロフィルを、たとえば記録された/プログラミングされた使用プロフィルに関連づけられたボタンまたは他のインジケータを選択することによって、あとから再生することができる。いくつかの実装形態において、気化器および/またはアプリは、温度および以下のような1つまたは複数の第2の使用パラメータを記録することができる。すなわち、ふかし時間(持続時間)、ふかしカウント(ふかし回数)、気化可能物質に供給されたエネルギー(たとえばエネルギーの累積ジュール)、投与量/露出などうちの1つまたは複数。ふかし回数、ふかしの累積持続時間、供給された累積エネルギー、累積用量等といった記録された使用パラメータのいずれかにおいて再生をインデックス化することができ、再生によって気化器の動作パラメータ(たとえば適用された気化温度、適用されたエネルギーなど)を記録された温度となるよう設定または変更して、気化器が作動させられたときに記録されたおよび/またはプログラミングされた温度に合致させることができ、その結果、同じ使用プロフィルがもたらされることになる。たとえばユーザは、5回の吸い出し(ふかし)のために第1の温度(たとえば150℃)でデバイスを動作させ、次いでさらに5回のふかしのために温度を180℃まで高め、その後、10回のふかしのために温度を200℃まで高める間、使用プロフィルを記録することができる。記録された動作プロフィルを気化器、アプリ、または他の何らかの接続されたメモリに格納して、気化器、アプリおよび/またはリモートのプロセッサまたはメモリにおけるコントロール(たとえばアイコン、グラフィック、テキスト、ボタンなど)に関連づけることができる。その後、たとえば記録された/プログラミングされたプロフィルへの関連づけが完了しているアプリまたは気化器におけるアイコン(またはボタン、コントロール、テキストなど)を選択することによって、記録された動作プロフィルを再生することができる。再生中、気化器は、同じまたは同様の動作パラメータ(たとえばふかし、使用時間、適用された電力、用量など)と合致するまで、またはそれを超えるまで、待機することができ、記録されたプロフィルに基づきヒータを制御することができる。上述の実施例の場合、記録された動作プロフィルを、アイコンを押すことであとから再生することができる。気化器および/またはアプリは、使用パラメータ(ふかし回数など)を気化器の目下の動作と比較することができ、使用プロフィルに合致するように動作パラメータをしかるべく調節することができる。
【0112】
使用プロフィルを記録することができ、またはこれをプログラミングすることができ、または両方を行うことができる(たとえば記録された使用プロフィルを、気化器および/またはアプリにおいてユーザが変更することができるといったことなど)。
【0113】
いくつかの実施例の場合、用量(たとえば累積用量)を、監視される使用パラメータとすることができる。本発明の対象のいくつかの実装形態において、すでにその内容全体が参照により本明細書に取り込まれた2015年12月4日出願の米国特許出願第14/960,259号明細書に記載されているように、用量を計算することができる。送信および/または表示のために、累積用量を格納することができる。さらに、気化器の動作を制御するために用量を使用することができる。
【0114】
ニコチン用量制御の1つの実施例において、ユーザは、1日にどのくらいのニコチンを欲するのかについて目標上限を設定することができる。いくつかの実装形態において、デバイスは、ユーザがそれよりも多く摂取するのをロックアウトするようなことはしないけれども、目標を超えたならば通知を行うようにする。択一的に、デバイスはユーザをロックアウトすることができる。
【0115】
モニタリング-健康状態および中止。本発明の対象の実装形態による気化器および/または気化器システムの一部であるデバイス上で実行されるアプリケーションを、ディジタル健康療法および/または禁煙などのために使用を監視するように構成することもできる。たとえば体重減少監視デバイスと同様に、気化器またはアプリまたはこれら双方を、ニコチン摂取量を低減したい、かつ/または所定期間内にどのくらいのニコチンが摂取されたのかの記録を付けたい人々のために役立たせることができる。たとえば、気化器および/またはアプリを以下のように構成することができる。すなわち、タバコと電子タバコとを併用するユーザが、どのくらいタバコを自身が摂取したのかを記録できるようにし、それぞれ異なる日にそれらのユーザが異なる組み合わせを使用したときに自身が摂取したHPHC(有害および有害性成分)およびニコチンの総量を比較できるようにするのである。
【0116】
アプリおよび/または気化器は、X化合物をどのくらい摂取したのかを報告するなどメッセージ通信を提供することによって、付加的なモチベーションをもたらすこともでき、喫煙を減らすかまたはなくすことによって喫煙経験者がどのくらいの金額を節約しているのかを示すことができる。このことはニコチンに関して最も重要であるかもしれないが、他の物質についても同様に用いることができる。いくつかの実装形態において、ユーザは、タバコのパックあたりの自身の通常の価格を入力することができ、これをベースラインとして用いることができる。
【0117】
本発明の対象のいくつかの実装形態において、アプリは、フィットネスアプリからなど健康に関連する他の活動をユーザが記録できるようにすることもでき、かつ/またはニコチンの使用と、アルコール摂取量、心拍数、血圧、トレーニング時間、または体重変化などとの相関関係を提案することができる。たとえばユーザは、(プリセットまたは上述のような推定された/記録された/プログラミング可能なデータを使用して)望ましい単位用量および投与インターバルまたは1日の総目標量を入力することができる。次いで気化器および/またはアプリは、各投与後にロックアウトすることができ、次の投与のための時間になったならば、ユーザのコンピューティングデバイス(たとえば電話、スマートウォッチ、タブレットなど)上に警告をポップアップさせることができ、次のこの投与のために気化器を自動的にアンロックすることができる。このことを、ユーザ選択低減アプローチ(ステップダウンまたは中止)として使用することができ、または処方された治療規制(たとえばY時間ごとにXmgの薬剤、日にZmgを超えてはならない)を維持するために用いることができる。
【0118】
いくつかの実装形態において、気化器および/または関連アプリは、ダッシュボードスタイルのユーザインタフェースを有することができ、ユーザはこのユーザインタフェースにログオンして、自身の経時的な進捗を一覧表にまとめることができる。データを個人データおよび/またはグループデータに基づくものとすることができる。たとえばグループデータは、気化器を使用し始めてから任意の所与の時点でスモーキングからベイピングへ切り替えた平均的な割合がどれくらいであるかを人数として示すことができる。装置は、ユーザが自身の出発条件たとえば1日のパック、年齢、性別などに基づき1つのグループ(コホート)を定義するために、他のユーザを選択可能なビューを提供することができる。
【0119】
ユーザプリファレンス。いくつかの実装形態において、気化器および/または関連アプリを、ユーザプリファレンスに基づきカスタマイズすることができ、これらは警告またはリマインダを提供することができる。たとえばいくつかの実装形態において、装置は、ユーザの好みで選ぶことができる種々の香り、系統および/または強さのカートリッジ(たとえば「ポッド」)についてプリファレンスを保存することができる。アプリおよび/または気化器は、種々の使用事例(たとえば「ハイキング中」、「就寝時」など)についてプリファレンスを保存することができる。
【0120】
(上述のように)カートリッジのセンシングと連携して、本明細書で説明する実装形態のいずれにおいても、気化器および/またはアプリは同様にまたは択一的に、1つまたは複数の使用プロフィル(たとえば加熱プロフィル)を提案することができる。たとえばカートリッジの種類に基づき、かつ/またはカートリッジ検出を含まない実装形態であっても気化可能物質の種類(香り、系統、強さなど)についてのユーザ入力に基づき、気化器および/またはアプリは、使用プロフィルを提案することができる(たとえば「他のユーザはこの系統をプロフィルXによって楽しんでいます」、または「他のユーザはこの系統を155℃の初期温度で楽しんでいます」など)。
【0121】
気化器のセッション動作。気化器および/または気化器システムは、「セッション」制御および/またはセッション計量を含むことができる。いくつかの態様において、ユーザは、ここで述べた単位投与量についてだけでなく、1日、1週間、1ヶ月、1つまたは複数のセッション、および/またはこれに類するもののように、所定の期間にわたる摂取量についても、気化可能物質の摂取量を監視および/または制御するのが望ましいと感じる場合がある。かかる監視および/または制御によって有利には、ユーザは、ユーザのニーズまたは目標および/またはこれに類することに合致させるため、所定の期間またはセッションにわたり利用可能な気化可能物質の量、気化器を使用することを許可された総時間、気化器セッション間の期間、他の摂取量設定を、調節できるようにすることが可能である。所定の期間、1つまたは複数のセッション、および/またはこれに類するものにわたる摂取量について、気化可能物質の摂取量を監視および/または制御する1つの実施例において、ユーザが自身の望ましい投与量目標に合致し続けることができるように、アプリケーションが期間ごとに提案された投与量制限を規定するのが望ましいとされる可能性がある。提案される投与量制限を、設定された期間にわたる以前のタバコ摂取量またはベイピング摂取量といったような、ユーザインタフェースを介して提供されるユーザデータに基づくものとすることができる。いくつかの実装形態において、ユーザは自身の固有の投与量制限を規定することができる。いくつかの実装形態においてたとえば、所定の期間にわたる摂取量の最大レベルに達したならば、デバイスは、このデバイスの次の使用中、ユーザが1つの完全なセッションを経験できるようにするのに十分な期間にわたりユーザをロックアウトすることができ、目標を超えたときにユーザに通知することができる。
【0122】
いくつかの態様において、気化器を、気化器セッションスタートの指標を受け取るように、かつ/または気化器セッションスタートを決定するように、構成することができる。いくつかの実装形態において、スタート指標は、気化器のアプリケーションにおけるユーザ選択、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスにおける入力のユーザ選択、ユーザが吸入またはふかしを始めること、ユーザが気化器をスイッチオンすること、ユーザ定義によるまたは事前プログラミングによるジェスチャ、あるいは気化器セッションスタートを表す他の任意のユーザアクションまたはデバイス入力を含むことができる。
【0123】
上述のように、気化器および/または上述のように気化器システムの一部であるデバイスは、1つのセッションの状態または完了を知らせるフィードバックまたは指標をユーザに提供することができる。たとえばユーザに提供されるフィードバックを、たとえば視覚的フィードバック、聴覚的フィードバックまたは触覚的フィードバックといった、任意の形態の感覚フィードバックとすることができる。いくつかの態様において、フィードバック/指標は、1つの気化器セッションの進捗、状態および/または完了を表す1つまたは複数のデバイスキューを有することができる。デバイスキューは、1つまたは複数の触覚的キュー、1つまたは複数の視覚的キュー、1つまたは複数の聴覚的キュー、1つまたは複数の蒸気によるキュー、1つまたは複数の空気流によるキュー、1つまたは複数の機械的キュー、他の任意の指標、および/またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0124】
いくつかの実装形態において、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1本のタバコに相当する量のニコチンが供給されたというフィードバックまたは指標を、ユーザに提供することができる。
【0125】
たとえば触覚的キューは、振動または振動パターンを含むことができる。いくつかの実装形態において、触覚的キューは、1つの気化器セッションの状態を表すことができる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、出力(たとえば出力115)を介して、1つの気化器セッションの開始を表す第1の触覚的キューを提供することができる。いくつかの態様において、第1の触覚的キューを、単一の振動パルス、事前定義による振動パターン、またはユーザ定義による振動または他の触覚的指標とすることができる。
【0126】
1つの気化器セッションのスタート後、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの進捗を表す1つまたは複数の第2の触覚的キューを提供することができる。いくつかの態様において、第2の触覚的キューは、期間、強度および/または頻度が増加または減少する振動パルスを含むことができる。たとえば気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す単一の振動パルス、その気化器セッションの中間点を表す2つの振動パルス、およびその気化器セッションの完了間近または完了を表す3つの振動パルスを出力することができる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の強度で1つの振動パルスを出力することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第1の強度よりも強い第2の強度で振動パルスを出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第2の強度よりも強い第3の強度で振動パルスを出力することもできる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の期間にわたり1つの振動パルスを出力することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第1の期間よりも長い第2の期間にわたり振動パルスを出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第2の期間よりも長い第3の期間にわたり振動パルスを出力することもできる。
【0127】
第2の触覚的キューは、1つの気化器セッションの進捗を表す振動パターンを含むこともできる。たとえば気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す第1の振動パターン、その気化器セッションの中間点を表す第2の振動パターン、およびその気化器セッションの完了または完了間近を表す第3の振動パターンを提供することができる。
【0128】
いくつかの態様において、第2の触覚的キューを、あとの時点で提供される第1の触覚的キューと同じものとすることができる。いくつかの実装形態において、振動または触覚的キューを、リニア共振アクチュエータ(LRA)または偏心回転質量(ERM)モータによって提供することができる。気化器セッションを上記の記載では3つのセグメントで説明したけれども、本発明の対象の実装形態によれば、1つの気化器セッションをもっと少ないセグメントに、またはもっと多いセグメントに、分割することができる。
【0129】
上述の実施例のいずれも、1つの気化器セッションの状態または進捗を表すために、組み合わせて使用することもできる。たとえば上述のように気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す単一の振動パルス、その気化器セッションの中間点を表す2つの振動パルス、およびその気化器セッションの完了間近を表す3つの振動パルスを出力することができる。気化器セッションの完了を表すために、気化器は事前定義によるまたはユーザ定義による振動パターンを出力することができる。いくつかの態様において、気化器は、1つの気化器セッションの完了または完了間近を表すために、カウントダウンを含むこともできる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、3つの単位投与量が残っているということを特定することができる。気化器は、残っている投与量を表すために3つの振動パルスを出力することができる。ユーザが1つの用量を完了した後、次いで気化器は、残っている用量を表すために2つの振動パルスを出力することができる。ユーザがもう1つの用量を完了した後、次いで気化器は、残っている用量を表すために1つの振動パルスを出力することができる。最後の用量が完了すると、気化器は、再び振動しないようにすることで、長期間の振動を出力することで、ある振動パターンを出力することで、一連の振動パルスを出力することで、または他の何らかの触覚的指標を出力することで、完了を表すことができる。
【0130】
上述のように、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの状態を表すために、視覚的キューをユーザに提供することができる。いくつかの実装形態において、視覚的キューは、1つの気化器セッションのスタート、進捗/状態および/または完了を表すために、光または光パターンを含むことができる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、出力(たとえば出力115)を介して、1つの気化器セッションの開始を表す第1の視覚的キューを提供することができる。出力115は、LEDライト、ユーザディスプレイ、または他の光ディスプレイを含むことができる。いくつかの態様において、第1の視覚的キューを、単一の光フラッシュ、光アレイ、光色、光輝度、事前定義された光パターン、またはユーザ定義による光パターン、または他の何らかの視覚的指標とすることができる。
【0131】
1つの気化器セッションのスタート後、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの進捗を表す1つまたは複数の第2の視覚的キューを提供することができる。いくつかの実装形態において、1つまたは複数の第2の視覚的キューをいつ提供するのかの判定を、気化器デバイスの使用の監視に基づくものとすることができる。たとえば監視は、1つの気化器セッションにおいて摂取されたまたは残っている気化可能物質量の特定、および気化器セッションの状態または段階を表すためのフィードバック(たとえば第2の視覚的キューまたは他のキュー)の提供を含むことができる。いくつかの態様において、第2の視覚的キューは、期間、強度または輝度、回数および/または頻度が増加または減少する光ディスプレイを含むことができる。第2の視覚的キューは、種々の色、光パターン、アレイを含むこともできる。たとえば気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す1つの光フラッシュ、その気化器セッションの中間点を表す2つの光フラッシュ、およびその気化器セッションの完了間近または完了を表す3つの光フラッシュを出力することができる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションの状態/進捗を表すために、種々の色を出力することができる。いくつかの態様において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の色(たとえば緑色)を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第2の色(たとえば黄色)を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第3の色(たとえば赤色)を出力することもできる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の強度/輝度レベルで1つの光フラッシュを出力することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第1の強度/輝度レベルよりも高い第2の強度/輝度レベルで光フラッシュを出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第2の強度/輝度レベルよりも高い第3の強度/輝度レベルで光フラッシュを出力することもできる。
【0132】
いくつかの実装形態において、気化器は光アレイを含むことができる。光アレイを、1つの気化器セッションの進捗を表すために、種々の光アレイまたは光パターンを提供するように構成することができる。たとえば気化器は、出力115の一部として3つのLEDライトを含むことができる。いくつかの実装形態において、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1のLEDライトを点灯することができる。セッションが経過すると、その気化器セッションの中間点を表すために、第1のLEDライトに加えて、または第1のLEDライトの代わりに、第2のLEDライトを点灯することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第1および/または第2のLEDライトに加えて、または第1および/または第2のLEDライトの代わりに、第3のLEDライトを点灯させることもできる。いくつかの実装形態において、上述の手法によるLEDライトの逐次的な照明によって、ユーザにより設定された、またはアプリケーションにより推奨される、所定期間にわたり供給される所望の総供給用量に対し相対的に、分注された気化可能物質量を表すことができる。上記の記載では3つのライトについて説明したが、これよりも多くのライトまたは少ないライトでも可能である。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す第1の光パターン、その気化器セッションの中間点を表す第2の光パターン、およびその気化器セッションの完了または完了間近を表す第3の光パターンを提供することができる。第1、第2および第3の光パターンは、フラッシュ光、色、輝度などの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、光パターンを事前定義することができ、またはユーザ定義することができる。
【0133】
いくつかの態様において、第2の視覚的キューを、あとの時点で提供される第1の視覚的キューと同じものとすることができる。気化器セッションを上記の記載では3つのセグメントで説明したけれども、本発明の対象の実装形態によれば、1つの気化器セッションをもっと少ないセグメントに、またはもっと多いセグメントに、分割することができる。
【0134】
上述の実施例のいずれも、1つの気化器セッションの状態または進捗を表すために、組み合わせて使用することもできる。たとえば上述のように気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す単一の緑色光フラッシュ、その気化器セッションの中間点を表す2つの黄色光フラッシュ、およびその気化器セッションの完了間近を表す3つの赤色光フラッシュを出力することができる。気化器セッションの完了を表すために、気化器は事前定義によるまたはユーザ定義による光パターンを出力することができる。いくつかの実装形態において、光パターンは、色、フラッシュ、輝度レベルおよび種々の光の組み合わせを含む。いくつかの態様において、気化器は、1つの気化器セッションの完了または完了間近を表すために、カウントダウンを含むこともできる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、3つの単位投与量が残っているということを特定することができる。気化器は、残っている投与量を表すために3つの光フラッシュを出力することができる。ユーザが1つの用量を完了した後、次いで気化器は、残っている用量を表すために2つの光フラッシュを出力することができる。ユーザがもう1つの用量を完了した後、次いで気化器は、残っている用量を表すために1つの光フラッシュを出力することができる。最後の用量が完了すると、気化器は、ライトが点灯しないようにすることで、長期間の光フラッシュを出力することで、ある光パターンを出力することで、ある光色(たとえば赤色)を出力することで、一連の光フラッシュを出力することで、または他の何らかの視覚的指標を出力することで、完了を表すことができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の視覚的キューを、スマートフォンの画面、タブレット、または他のコンピューティング装置など、ユーザインタフェース上のアプリケーションを介して提供することができる。ユーザインタフェースは、気化器に関連づけられた1つまたは複数のセンサから取り出された情報の少なくとも一部分を表示することもできる。気化器の使用に関連づけられた情報をこのように表示することによって、気化器セッションおよび/または気化器の使用/動作の改善された監視を可能にすることができる。
【0135】
上述のように、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの状態を表すために、聴覚的キューをユーザに提供することができる。いくつかの実装形態において、聴覚的キューは、1つの気化器セッションのスタート、進捗/状態および/または完了を表すために、サウンドまたはサウンドパターンを含むことができる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、出力(たとえば出力115)を介して、1つの気化器セッションの開始を表す第1の聴覚的キューを提供することができる。出力115は、スピーカまたはオーディオコントロールを含むことができる。いくつかの態様において、第1の聴覚的キューを、単一のオーディオサウンド(たとえばビープ音)、複数のサウンド、ソング、オーディオボリューム、事前定義によるオーディオパターン、またはユーザ定義によるオーディオパターン、または他の何らかの聴覚的指標とすることができる。いくつかの実装形態において、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、通常動作の一部として1つのサウンドを送出することができる。いくつかの態様において、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、気化器セッションのスタートを表すために、サウンドを変更、模倣または送出することができる。たとえば気化器は、気化された物質のスタートを表すために、気化された物質をユーザが吸入するときに似たパチパチというサウンドを送出することができる。
【0136】
1つの気化器セッションのスタート後、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの進捗を表す1つまたは複数の第2の聴覚的キューを提供することができる。いくつかの態様において、第2の聴覚的キューは、期間、音量、回数および/または頻度が増加または減少するオーディオサウンドを含むことができる。第2の聴覚的キューは、種々のパターンまたはソングを有するサウンドを含むこともできる。たとえば気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す単一のビープ音、その気化器セッションの中間点を表す2つのビープ音、およびその気化器セッションの完了間近または完了を表す3つのビープ音を出力することができる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションの状態/進捗を表すために、種々のサウンドを出力することができる。いくつかの態様において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1のサウンド(たとえばパチパチというサウンド)を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第2のサウンド(たとえばビープ音)を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第3のサウンド(たとえばクリック音)を出力することもできる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の音量レベルで1つのサウンド(たとえばパチパチというサウンド)を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第1の音量レベルよりも小さい第2の音量レベルでサウンドを出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第2の音量レベルよりも小さい第3の音量レベルでサウンドを出力することもできる。
【0137】
いくつかの実装形態において、気化器は、1つの気化器セッションの進捗を表すために、サウンドを変更することができる。たとえば気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、サウンド(たとえばパチパチというサウンド)を出力することができる。セッションが経過すると、その気化器セッションの中間点を表すために、サウンドにスタッタを導入することができる。いくつかの態様において、出力されるサウンドの周波数を制御可能なキャパシタまたは発振器を使用して、スタッタを実装することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、サウンドにおいてスタッタを増加させて、炎またはタバコの飛び散りを再現するサウンドを再現することができる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す第1のサウンドパターン、その気化器セッションの中間点を表す第2のサウンドパターン、およびその気化器セッションの完了または完了間近を表す第3のサウンドパターンを提供することができる。第1、第2および第3のサウンドパターンは、トーン、ピッチ、周波数、音量、旋律などの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、サウンドパターンを事前定義することができ、またはユーザ定義することができる。
【0138】
いくつかの態様において、第2の聴覚的キューを、あとの時点で提供される第1の聴覚的キューと同じものとすることができる。気化器セッションを上記の記載では3つのセグメントで説明したけれども、本発明の対象の実装形態によれば、1つの気化器セッションをもっと少ないセグメントに、またはもっと多いセグメントに、分割することができる。
【0139】
上述の実施例のいずれも、1つの気化器セッションの状態または進捗を表すために、組み合わせて使用することもできる。たとえば上述のように気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す単一のサウンド(たとえばパチパチという音)、その気化器セッションの中間点を表す第2のサウンドを2回(たとえば2つのビープ音)、およびその気化器セッションの完了間近を表す第3のサウンドを3回(たとえばクリック音)、出力することができる。気化器セッションの完了を表すために、気化器は事前定義によるまたはユーザ定義によるサウンドパターンを出力することができる。いくつかの実装形態において、サウンドパターンは、トーン、ピッチ、周波数、音量、旋律などの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、気化器は、1つの気化器セッションの完了または完了間近を表すために、カウントダウンを含むこともできる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、3つの単位投与量が残っているということを特定することができる。気化器は、残っている投与量を表すために3つのサウンド(たとえばビープ音)を出力することができる。ユーザが1つの用量を完了した後、次いで気化器は、残っている用量を表すために2つのビープ音を出力することができる。ユーザがもう1つの用量を完了した後、次いで気化器は、残っている用量を表すために1つのビープ音を出力することができる。最後の用量が完了すると、気化器は、異なるサウンド(たとえばクリック音)を出力することで、長期間のビープ音を出力することで、あるサウンドパターンを出力することで、いっそう大きい音量のサウンド(たとえば大きいビープ音)を出力することで、一連の短時間のビープ音を出力することで、または他の任意の聴覚的指標を出力することで、完了を表すことができる。
【0140】
上述のように、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの状態を表すために、蒸気の内容物/量の変化をユーザに提供することができる。蒸気の内容物/量の変化は、気化器により生成される蒸気またはエアロゾルについて、蒸気および/またはエアロゾルの強度、蒸気および/またはエアロゾルの密度、蒸気および/またはエアロゾルの体積、蒸気および/またはエアロゾルの香り、蒸気および/またはエアロゾルの温度、および/またはこれらに類する蒸気特性またはエアロゾル特性の変化を有することができる。いくつかの態様において、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションのスタート、進捗/状態/および/または完了を表すために、蒸気の体積の増加または減少を提供することができる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの開始を表す第1の蒸気キューを提供することができる。いくつかの態様において、第1の蒸気キューを、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスが第1の体積の蒸気を提供する、というものとすることができる。第1の体積を、ユーザによって予め決めることができ、または予めプログラミングすることができる。いくつかの態様において、蒸気の体積を変化させることは、ユーザがいっそう僅かな蒸気を取得できるように、温度設定ポイントを変化させることを含むことができる。いくつかの態様において、第1の蒸気キューを、固有の蒸気強度、蒸気密度、蒸気体積、蒸気の香り、蒸気温度、または他の任意の蒸気特性とすることができる。
【0141】
1つの気化器セッションのスタート後、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの進捗を表す1つまたは複数の第2の蒸気キューを提供することができる。いくつかの態様において、第2の蒸気キューは、気化器により生成される蒸気またはエアロゾルについて、蒸気および/またはエアロゾルの強度、蒸気および/またはエアロゾルの密度、蒸気および/またはエアロゾルの体積、蒸気および/またはエアロゾルの香り、蒸気および/またはエアロゾルの温度、および/またはこれらに類する蒸気特性またはエアロゾル特性の変化を含むことができる。たとえば気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す第1の体積の蒸気、その気化器セッションの中間点を表す第2の体積の蒸気、およびその気化器セッションの完了間近または完了を表す第3の体積の蒸気を出力することができる。いくつかの態様において、第2の体積は第1の体積よりも大きく、第3の体積は第2および第1の体積よりも小さい。このようにすればユーザは、吐き出された蒸気の体積を、1つのセッションにおける残り時間または残された用量と相関させることができるようにすることが可能である。別の態様において、種々のステージを表すために、ユーザは蒸気体積が増加するのを経験することができる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションの状態/進捗を表すために、種々の香りを出力することができる。いくつかの態様において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の香り(たとえばミント)を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第2の香り(たとえばチェリー)を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第3の香り(たとえばメントール)を出力することもできる。いくつかの態様において、種々のステージを表す香りは、気化器のセッションのその他のために選ばれた香りとは異なる。このようにすればユーザは、自身の進捗を監視するために種々の蒸気キューをいっそう良好に識別することができる。
【0142】
別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の温度で蒸気を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第1の温度よりも高い第2の温度で蒸気を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第2の温度よりも高い第3の温度で蒸気を出力することもできる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の密度で蒸気を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第1の密度よりも高い第2の密度で蒸気を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第2の密度よりも低い第3の密度で蒸気を出力することもできる。この実施例の場合、ユーザが気化器セッションの進捗を特定するのを支援するために、気化器のセッションの開始時および終了時には密度をいっそう低くすることができ、中間点ではいっそう高くすることができる。ただし上述の実施例のいずれかと同様に、他のコンフィギュレーションも可能である。たとえば、気化器セッションの進捗を表すために、気化器セッション全体を通して蒸気密度を増加または減少させることができる。
【0143】
いくつかの態様において、第2の蒸気キューを、あとの時点で提供される第1の蒸気キューと同じものとすることができる。気化器セッションを上記の記載では3つのセグメントで説明したけれども、本発明の対象の実装形態によれば、1つの気化器セッションをもっと少ないセグメントに、またはもっと多いセグメントに、分割することができる。
【0144】
上述の実施例のいずれも、1つの気化器セッションの状態または進捗を表すために、組み合わせて使用することもできる。たとえば上述のように、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の香り(たとえばミント)を第1の温度で提供することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第2の香り(たとえばチェリー)を(たとえば第1の温度よりも高い)第2の温度で提供することができる。気化器は、その気化器セッションの完了間近を表すために、第3の香り(たとえばメントール)を(たとえば第2の温度よりも高い)第3の温度で提供することもできる。気化器セッションの完了を表すために、気化器は事前定義によるまたはユーザ定義による蒸気特性を出力することができる。いくつかの実装形態において、蒸気特性は、体積、香り、密度、温度および強度の任意の組み合わせを含む。たとえばユーザは、大きい体積、高い温度および高い密度のペパーミントの香りを有することを、気化器セッションの完了を表すその最後の用量として望むことができる。
【0145】
上述のように、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの状態を表すために、空気流キューをユーザに提供することができる。いくつかの実装形態において、空気流キューは、1つの気化器セッションのスタート、進捗/状態および/または完了を表すために、気化器のマウスピース(たとえばマウスピース244)を通過する空気流の変化を含むことができる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの開始を表す第1の空気流キューを提供することができる。いくつかの態様において、第1の空気流キューを、マウスピースを通過する空気流のレベル、マウスピースを通過する空気流の変化、マウスピースを通過する空気流のパターン、または他の任意の空気流指標とすることができる。
【0146】
1つの気化器セッションのスタート後、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの進捗を表す1つまたは複数の第2の空気流キューを提供することができる。いくつかの態様において、第2の空気流キューは、抵抗および/または期間が増加または減少する空気流を含むことができる。たとえば気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、マウスピースの空気流に対し第1の抵抗を提供することができる。気化器セッションが経過すると、気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、マウスピースの空気流に第2のレベルの抵抗を提供することができる。第2の抵抗は第1の抵抗よりも高く、これによってユーザはマウスピースを通していっそう吸入しにくくなる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、マウスピースの空気流に第3の抵抗を提供することもでき、第3の抵抗は第2の抵抗よりも高く、これによってユーザはマウスピースを通していっそう吸入しにくくなる。いくつかの実装形態において、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、気化器セッションの完了を表すために、マウスピースを通過する空気流を完全に遮ることができる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の空気流パターンを提供することができる。たとえば第1の空気流パターンは、マウスピースを通過する空気流の単一の短時間の部分的または完全な阻止を有することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第2の空気流パターンを提供することができる。第2の空気流パターンは、マウスピースを通過する空気流の2つの短時間の部分的または完全な阻止を有することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第3の空気流パターンを提供することもできる。いくつかの態様において、第3の空気流パターンは、マウスピースを通過する空気流の3つの短時間の部分的または完全な阻止を有することができる。いくつかの実装形態において、第1、第2および第3の空気流パターンは、マウスピースに対する空気流の抵抗および/または阻止の任意の組み合わせを含むことができる。
【0147】
いくつかの態様において、第2の空気流キューを、あとの時点で提供される第1の空気流キューと同じものとすることができる。気化器セッションを上記の記載では3つのセグメントで説明したけれども、本発明の対象の実装形態によれば、1つの気化器セッションをもっと少ないセグメントに、またはもっと多いセグメントに、分割することができる。
【0148】
上述の実施例のいずれも、1つの気化器セッションの状態または進捗を表すために、組み合わせて使用することもできる。たとえば上述のように、気化器は、1つの気化器セッションの開始を表すために、第1の空気流パターン(たとえば1つの部分的または完全な阻止)を第1の抵抗で提供することができる。気化器セッションが経過すると、気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第2の空気流パターン(たとえば2つの部分的または完全な阻止)を第2の抵抗で提供することができる。第2の抵抗は第1の抵抗よりも高く、これによってユーザはマウスピースを通していっそう吸入しにくくなる。気化器は、その気化器セッションの完了間近を表すために、第3の空気流パターン(たとえば3つの部分的または完全な阻止)を第3の抵抗で提供することもできる。第3の抵抗は第2の抵抗よりも高く、これによってユーザはマウスピースを通していっそう吸入しにくくなる。
【0149】
いくつかの実装形態において、気化器セッションの完了を表すために、気化器は事前定義によるまたはユーザ定義による空気流パターンを提供することができる。いくつかの実装形態において、空気流パターンは、マウスピースに対する空気流の抵抗および/または阻止の任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、気化器は、1つの気化器セッションの完了または完了間近を表すために、カウントダウンを含むこともできる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、3つの単位投与量が残っているということを特定することができる。気化器は、残っている投与量を表すために、マウスピースを通過する空気流に対し3つの部分的または完全な阻止を提供することができる。ユーザが1つの用量を完了した後、次いで気化器は、残っている用量を表すために、マウスピースを通過する空気流に対し2つの部分的または完全な阻止を提供することができる。ユーザがもう1つの用量を完了した後、次いで気化器は、残っている用量を表すために、マウスピースを通過する空気流に対し1つの部分的または完全な阻止を提供することができる。最後の用量が完了すると、気化器は、マウスピースを通過する空気流を完全に阻止することによって、または他の何らかの空気流指標を提供することによって、完了を表すことができる。別の実施例において、カウントダウンは、ユーザが気化器セッションの終了に近づいたときに、空気流に対しいっそう高いレベルの抵抗を有することができる。
【0150】
上述のように、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの状態を表すために、機械的キューをユーザに提供することができる。いくつかの実装形態において、機械的キューは、1つの気化器セッションのスタート、進捗/状態および/または完了を表すために、気化器の少なくとも一部分に対する機械的変化を含むことができる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、出力(たとえば出力115)を介して、1つの気化器セッションの開始を表す第1の機械的キューを提供することができる。出力115は、ばね荷重突起部、伸長または収縮する気化器の一部分、あるいはユーザが見ることができる、かつ/または感じることができる気化器に対する他の何らかの機械的変化を含むことができる。いくつかの態様において、第1の機械的キューは、気化器から伸長する突起部、気化器本体内で収縮する気化器の一部分、回転する気化器の一部分、または他の何らかの機械的指標とすることができる。
【0151】
1つの気化器セッションのスタート後、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、1つの気化器セッションの進捗を表す1つまたは複数の第2の機械的キューを提供することができる。いくつかの態様において、第2の機械的キューは、期間、回数および/または頻度が増加または減少する機械的変化を含むことができる。たとえば気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す単一の突起部または一部分、その気化器セッションの中間点を表す2つの突起部/一部分、およびその気化器セッションの完了間近または完了を表す3つの突起部/一部分を伸長させることができる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションの状態/進捗を表すために、種々の機械的変化を出力することができる。いくつかの態様において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の機械的変化を出力する(たとえば1つの突起部を伸長させる)ことができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第2の機械的変化(たとえば一部分の収縮)を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第3の機械的変化(たとえば一部分の回転)を出力することもできる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、第1の期間にわたり機械的変化(一部分の伸長)を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第1の期間よりも長い第2の期間にわたり機械的変化を出力することができる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第2の期間よりも長い第3の期間にわたり機械的変化を出力することもできる。
【0152】
別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表す第1の機械的パターン、その気化器セッションの中間点を表す第2の機械的パターン、およびその気化器セッションの完了または完了間近を表す第3の機械的パターンを提供することができる。第1、第2および第3の機械的パターンは、気化器の1つまたは複数の任意の一部分を、伸長、収縮、回転させる、または他のやり方で機械的に変化させることの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、機械的パターンを事前定義することができ、またはユーザ定義することができる。
【0153】
いくつかの態様において、第2の機械的キューを、あとの時点で提供される第1の機械的キューと同じものとすることができる。気化器セッションを上記の記載では3つのセグメントで説明したけれども、本発明の対象の実装形態によれば、1つの気化器セッションをもっと少ないセグメントに、またはもっと多いセグメントに、分割することができる。
【0154】
上述の実施例のいずれも、1つの気化器セッションの状態または進捗を表すために、組み合わせて使用することもできる。たとえば上述のように、気化器は、1つの気化器セッションのスタートを表すために、単一の突起部を伸長させかつ一部分を回転させることができる。気化器は、気化器セッションの中間点を表すために、2つの突起部を伸長させ、かつ気化器の第2の一部分を回転させることもでき、さらに気化器セッションの完了間近を表すために、3つの突起部を伸長させかつ気化器の第3の一部分を回転させることもできる。気化器セッションの完了を表すために、気化器は事前定義によるまたはユーザ定義による機械的パターンを出力することができる。いくつかの実装形態において、機械的パターンは、気化器の1つまたは複数の任意の一部分を、伸長、収縮、回転させる、または他のやり方で機械的に変化させることの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、気化器は、1つの気化器セッションの完了または完了間近を表すために、カウントダウンを含むこともできる。たとえば、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、3つの単位投与量が残っているということを特定することができる。気化器は、残っている投与量を表すために3つの突起部を伸長させることができる。ユーザが1つの用量を完了した後、次いで気化器は、残っている用量を表すために、1つの突起部を収縮させ、かつ2つの突起部を伸長させたままにすることができる。ユーザがもう1つの用量を完了した後、次いで気化器は、残っている用量を表すために、もう1つの突起部を収縮させ、かつ1つの突起部を伸長させたままにすることができる。最後の用量が完了すると、気化器は、最後の突起部を収縮させることで、気化器の一部分(たとえばマウスピース)を回転させることで、ある機械的パターンを出力することで、3つの突起部を再び伸長させることで、それらの突起部を複数回伸長させかつ収縮させることで、または他の任意の機械的指標を出力することで、完了を表すことができる。
【0155】
上述のように、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、これまでに述べた触覚的キュー、視覚的キュー、聴覚的キュー、蒸気キュー、空気流キュー、または機械的キュー、あるいは他の任意の指標のいずれかを組み合わせて、1つの気化器セッションの状態または進捗を表すために使用することができる。たとえば気化器は、1つの気化器セッションの開始を表すために、単一の振動パルスおよび単一の光フラッシュと併せて、単一のオーディオビープ音を提供することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、2つの振動パルスおよび2つの光フラッシュと併せて、2つのオーディオビープ音を提供することもできる。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、3つの振動パルスおよび3つの光フラッシュと併せて、3つのオーディオビープ音を提供することもできる。別の実施例において、気化器は、1つの気化器セッションの開始を表すために、第1の空気流抵抗および第1の機械的変化(たとえば一部分の伸長)と併せて、第1の蒸気体積を提供することができる。気化器は、その気化器セッションの中間点を表すために、第2の空気流抵抗および第2の機械的変化(たとえば一部分の回転)と併せて、第2の蒸気体積を提供することもできる。いくつかの態様において、第2の蒸気体積は第1の蒸気体積よりも大きく、第2の空気流抵抗は第1の空気流抵抗よりも大きい。気化器は、その気化器セッションの完了または完了間近を表すために、第3の空気流抵抗および第3の機械的変化(たとえば一部分の収縮)と併せて、第3の蒸気体積を提供することもできる。いくつかの態様において、第3の蒸気体積は第2および第1の蒸気体積よりも大きく、第3の空気流抵抗は第2および第1の空気流抵抗よりも大きい。いくつかの実装形態において、その気化器セッションの完了を表す目的で、気化器は、長期間の振動パルスおよびある光パターンと併せて、オーディオサウンド(たとえばクリック音)を提供することができる。これに加え気化器は、新たなセッションがスタートさせられるまで、マウスピースを通過する空気流を完全に阻止し、かつ機械的変化(たとえば一部分の伸長)を提供することができる。上記の記載では例示目的で少数の例について述べたが、1つの気化器セッションの種々のセグメントおよび進捗を表すために、他の任意のキューの組み合わせが可能である。
【0156】
新たなセッション開始。1つの気化器セッションの完了後、新たなセッションのスタートを制御するのが望ましい場合がある。いくつかの態様において、ユーザは、所与の時間にわたる気化器セッション(たとえば1時間、1日、1週間、1ヶ月ごとのセッションなど)を制限または監視したい場合がある。気化器セッションを互いに明確に区別する目的で、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、新たな気化器セッションをスタートさせる前に、特定のユーザ入力、セッション間の待機時間、デバイスの設定または状態、あるいは他の判定基準を要求することができる。
【0157】
いくつかの態様において、気化器は、ユーザからの入力を受信するように構成された運動センサ、圧力センサ、または他のセンサを含むことができる。気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、気化器の使用および/または動作を監視するために、これらのセンサのうちの1つまたは複数からデータを受信することができる。気化器は、新たなセッションの実施を許可する前に、特定のユーザアクションまたはユーザ入力を要求することができる。たとえば特定のユーザアクションは、気化器または気化器の一部分で表面(たとえばテーブル)を1回または複数回軽くたたくことを含むことができる。別の実施例の場合、特定のユーザアクションは、気化器上のボタンを押すことを含むことができる。同様に、ユーザが新たなセッションをスタートさせたいことを表すために、ユーザは気化器または気化器の一部分を軽くたたくこともできる。いくつかの態様において、気化器本体から充電ケースまたはバッテリを引き抜くことによって、新たなセッションの実施を許可することができる。これに加え、カートリッジの取り外しおよび/または交換によって、新たなセッションを開始させることができる。いくつかの実装形態において、モバイルデバイスまたはコンピュータにおけるアプリケーションとの接続を通して、新たなセッションを開始させることができる。いくつかの態様において、気化器は、任意の有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して、アプリケーションと接続可能である。たとえば接続を、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、WiFi(登録商標)、超音波、ZigBee(登録商標)、RFID、セルラ方式、USB、Ethernet(登録商標)、または他の任意の通信手段を介して行うことができる。いくつかの実装形態において、ユーザからの入力を受信するために、ユーザインタフェース上にアプリケーションが表示される。ユーザは、アプリケーションを通して新たなセッションをスタートさせるために、選択を行うことができる。これに加えユーザは、新たな気化器セッションのスタートに関連する設定をコンフィギュレーションすることができる。たとえばユーザは、セッション間の最短待機時間、新たなセッションをスタートさせるために必要とされる定義されたアクション/ジェスチャ(たとえば気化器を軽くたたく)、または気化器の固有のコンディション(たとえば炉の温度)を、新たなセッションをスタートさせる前に設定することができる。
【0158】
ソフトウェアプリケーションの機能。上述のように、気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、(たとえばアプリまたはアプリケーションソフトウェアを含む)ユーザインタフェースを含むことができ、これを通信中のデバイス上で実行することができ、セッション投与量またはセッション動作を決定、表示、実施および/または計量するように構成することができる。たとえば気化器は、気化器および/またはアプリケーションにおいて表示される「セッション用量」モード/インジケータを有することができる。接続されたアプリケーションによって、かつ/または気化器を直接制御することによって、セッション用量を変更することができる。たとえばユーザが望む可能性があるのは、1日のニコチン投与量(たとえば1日あたり20mg)を設定し、この1日のニコチン投与量を徐々に経時的に(たとえば1日にあたり10mgまで)減らす、ということである。ユーザは1日の投与量を、1日あたりに許可される複数の気化器セッションに分割することができる。たとえばユーザは、1日あたりに許可されるセッションの回数を4回のセッションに設定し、セッション投与量を5mgのニコチンに設定することができる。次いでユーザは、この気化器セッション回数を4回で維持することができるけれども、ニコチンの総摂取量の低減を支援するため、ニコチンのセッション投与量を2.5mgまで徐々に減らすことができる。いくつかの実装形態において、ユーザインタフェースは、推奨されるセッション投与量またはセッション動作の導出に使用するために、ユーザデータの様々な形態を収集することができる。たとえばユーザインタフェースは、ユーザの好みのタバコの種類またはタバコ製造メーカ、および/または1日に吸う好みのタバコの典型的な本数に関する情報を、収集することができる。いくつかの実装形態において、アプリケーションはユーザインタフェースを介して、自身が望む投与量目標をユーザが達成し続けるように、時間(たとえば1日、1週間など)あたりに提案される投与量限度を提供することができる。
【0159】
別の態様において、1つの気化器セッションの他のコンフィギュレーションの調節をユーザが望む可能性がある。たとえば、セッション間の最短待機時間の設定に加え、ユーザはブラックアウト期間もコンフィギュレーションすることができ、この期間ではユーザは、セッションをスタートさせることができない(たとえば監視中または定期的なミーティングの前)。これに加えユーザは、所定の時間(たとえば1時間、1日、1週間、1ヶ月、1年など)について総ニコチン閾値を設定することもでき、この時間においてユーザが閾値を満たしたならば、気化器は機能しなくなる。これに加えユーザは、以前に定義されたルール/閾値を無効にするための所定の無効手順を設定することもできる。たとえばユーザが望む可能性があるのは、自身のデバイスを共有すること、または単に以前の設定に基づき許可されたものよりも多くの気化器物質を摂取することである。ユーザは、パスコードを入力することができ、一連の質問に答えることができ、他の認証を提供することができ、あるいは自身が以前の設定を無効にしたいことを別の手法で確認することができる。ユーザは、セッション間の最短待機時間を設定しないことさえ可能である。
【0160】
ユーザインタフェースが1つの気化器セッションの状態、1日の投与量、または他の蒸気設定の視覚化を提供するのが望ましい場合もある。たとえばユーザインタフェースは、20本のタバコを有する仮想タバコパックの視覚化を提供することができる。仮想タバコパックを、気化器セッションの投与量、1日の投与量、または定義された他の投与量に対応させることができる。ユーザが1つのセッション全体を進んだとき、仮想タバコパック内のタバコの数を消滅させることができ、色を変更することができ、あるいはセッションまたは他の投与量の一部分(1/20番目)の完了を別の手法で表すことができる。上述の実施例は20本のタバコのパックを用いたが、他のタバコ本数および他の指標が可能である。たとえばタバコ本数を、1日、1週間、1ヶ月、1年などについて残っている気化器セッション数に対応させることができる。これに加え視覚化を、マッチ、葉巻、ライター、または他の任意の視覚化とすることができる。
【0161】
デバイス制御およびカスタマイズ。上述のように、関連アプリへのユーザ入力により気化器を部分的に制御することができる。たとえば制御可能な気化器の特別な態様は、たとえばもっと目立たないようにしなければならないときに、ユーザが蒸気を減らすことができるように、温度設定ポイントを変化させることを含むことができる。これによってユーザは、1回にふかすごとのきつさおよび有効成分摂取量を低減することもできる。
【0162】
アプリは、気化器に表示されるものよりもいっそう正確なバッテリレベルの指標を提供することもできる。たとえば充電中、アプリは残り時間を表すことができる。
【0163】
上述のようにアプリは、気化器に対しファームウェアアップデートを提供することもできる。
【0164】
関連する(接続された)アプリは、複数の種類の気化可能物質を受け入れるデバイスについて、ニコチンのモードと、異なる温度設定ポイントを有する可能性がありそうな他の気化可能物質のモードとを、ユーザが切り替えることができるようにすることもできる。
【0165】
気化器および/または気化器システムの一部であるデバイスは、紛失した気化器をユーザが位置特定するのを支援するために、受信信号強度インジケータ(rssi)を使用することができる。これに加えアプリは、間違った場所に置かれた装置の位置特定を支援するためということを含め、ユーザが気化器を振動させ、フラッシュを光らせ、かつ/またはアラームとしてサウンドを送出させることができるようにすることが可能である。たとえば温度の変化、振動またはフラッシュ光を、気化器がすぐ近くに潜んでいるか否かのインジケータとすることもできる。いくつかの実装形態において、気化器は、電話と接続されているならば間違った場所に置かれた電話の位置特定を、気化器と電話との間の距離に応じてLEDの色を変化させることによって、支援することもできる。
【0166】
気化器のLEDの輝度および色を調節するために、気化器および/またはアプリを使用することができる。たとえば複数のLEDを備えている気化器であれば、ユーザはパーソナライズされたインジケータパターンをデバイスにダウンロードすることができる。気化器の雰囲気をいっそうパーソナライズすることに加え、どの気化器が特定の所有者に属するのかを識別しやすくすることができるので、このことにより実用性を高めることができる。
【0167】
いくつかの実装形態において、気化器温度の粗制御と微制御の双方を1本の指で行うことができるグラフィカルユーザインタフェースを使用することによって、気化器温度を調節することができる。たとえばグラフィカルユーザインタフェース(GUI)は、気化器の目下の温度および/または目標温度を視覚的に表す温度ディスプレイを含むことができる。その際にこの温度を、(所定の範囲内で)上昇方向または下降方向に調節することができる。この実施例の場合、温度を調節するために、ユーザは指先をインジケータ上でまたはインジケータに対し所定のロケーションに保持することができ、気化器温度を(右側で)上昇方向にまたは(左側で)下降方向に調節することができる場合には、これによってインジケータが温度のどちらの側にも現れるようになる。隣り合うインジケータを超えて指を素早くスライドさせることによって、温度設定を大きなインターバルで(たとえば3度、5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度などのインターバルによって)、迅速に動かすことができる。大きなインターバルの調節は、大きな円によって表される。温度インジケータ上または隣り合うインジケータ上に予め決められた比較的長い時間(たとえば1秒、2秒、3秒、4秒、5秒など)にわたり指先を保持することによって、微細な温度コントロールをオープンさせることができる。その際に微細な温度コントロールに沿って指を動かすことにより、選択された温度を微細な量(たとえば0.1度、0.5度、1度、2度など)によって増/減可能にすることができる。温度変化は、中央の温度インジケータによって示される。
【0168】
セルフクリーニング。気化器を、セルフクリーニングモードを含むように構成することができる。この場合、気化器は、予め決められた高い温度(たとえば≧600°F)でセルフクリーニング時間にわたり(たとえば1分よりも長く、2分よりも長く、3分よりも長く、4分よりも長く、5分よりも長く、6分よりも長く、7分よりも長く、8分よりも長く、9分よりも長く、10分よりも長く、12分よりも長く、15分よりも長くといったように、または1分~20分の間、1分~15分の間、1分~10分の間といったように)、ヒータを動作させるように構成されている。セルフクリーニングモードを、気化器によって直接動作させることができ、またはアプリケーション(アプリ)またはこれに類するものと連携して動作させることができる。
【0169】
セルフクリーニングモードを、気化器の加速度計または他のセンサと連携して動作させることができる。たとえば加速度計を、セルフクリーニング動作に入る前に気化器がユーザによって保持または担持されていないかを判定するために、使用することができる。たとえば、30秒、1分、1.5分、2分、2.5分、3分などのような予め決められた時間にわたり、デバイスが「静止」していた(たとえば載置面上にセットまたは保持されていた)場合にのみ、セルフクリーニングを許可することができる。同様に、(
図2A~
図2Cに示されているような)炉または加熱室の扉を有する実装形態において、扉がデバイスの上でしっかりと固定されている場合のみ、セルフクリーニングモードを許可することができる。
【0170】
(たとえば加速度計の入力に基づき)デバイスが持ち上げられたときまたは動かされたとき、セルフクリーニングモードを終了させて、デバイスを冷却できるようにすることもできる。セルフクリーニング中、デバイスは、セルフクリーニングが進行中であることを表す視覚的な、聴覚的な、または触覚的な出力を提供することができる。たとえば1つまたは複数のインジケータは、セルフクリーニングが動作中であることを表すために、照明を行うことができ、またはフラッシュ光を発生させることができる(たとえば赤色、赤色および青色、白色など)。いくつかの実装形態において、気化器は同様にまたは択一的に、トーン、ビープ音またはうなり音またはこれらに類するものを送出して、セルフヒーティングを表すことができる。
【0171】
盗難防止、ペアレンタルロックおよびチャイルドプルーフ。本明細書で説明するデバイスのいずれも、上述のようにデバイスロックを含むことができる。たとえばアプリおよび/または気化器は、偽造防止メカニズムとして暗号化を利用して、モバイルデバイスに対し権限を付与することができる。これに類するスキーマを、気化器を所有者のモバイル通信デバイス(たとえば電話、スマートウォッチ、パッドなど)と結び付けるために使用することができ、盗難されたときに他人がデバイスを使用するのを阻止するために、デバイスが使用不可にされるようにする。いくつかの実装形態において、気化器は、照合のためにモバイル通信デバイスと周期的に接続することができる。いくつかの実装形態において、ユーザは、ユーザのモバイルデバイスまたはコンピュータにおけるアプリケーションと接続することができ、気化器の動作を可能にするために認証を提供することができる。いくつかの態様において、認証は、パスワードまたはPINの入力、定義されたジェスチャ(たとえば3回軽くたたく)、確認ボタンの選択、音声認証、またはアプリケーションに入力された生体認証(たとえば顔の認識)を含むことができる。
【0172】
本明細書で説明する気化器は、ペアレンタルロック(たとえばチャイルドプルーフ)を含むこともできる。たとえば、自身の子供が確実にデバイスを使用しないようにしたい親のために、デバイスを「ロック」することができる。ペアレンタルロックアウトのために、Bluetooth(登録商標)または他の比較的長い到達距離の通信に加えて、装置は、近距離無線通信(NFC)タグを気化器上に実装することもできる。NFCリーダは、多くのスマートフォンに組み込まれている。NFCの1つの特徴は、著しく短い到達距離でしか動作しないということである。このことによってアンロックが著しく簡単になり、つまり電話で気化器を軽くたたくだけである。NFCタグは極めて安価でありかつ小さく、Bluetooth(登録商標)など他の無線通信モードに加えて、またはその代わりに、使用することができる。NFCを、上述の他の特徴のいくつかを実装するために使用することができる。
【0173】
いくつかの実装形態において、気化器において認証が行われる。たとえば気化器は親指指紋センサを含むことができ、このセンサは、有効な親指指紋があるときに気化器の動作を可能にする。別の実施例において、気化器は、動作を可能にするために特有のアクション/ジェスチャを要求することができる。特有のアクションまたはジェスチャは、パスワードまたはPINの入力、定義されたジェスチャ(たとえば3回軽くたたく)、音声認証、確認ボタンの選択、または生体認証(たとえば顔の認識)を含むことができる。
【0174】
探知機、注文およびソーシャルネットワークのためのGPS。本明細書で説明する装置(たとえば気化器および/または関連アプリ)のいずれも、位置特定サービス(GPS)を含むことができる。
【0175】
たとえば、提供元から直接、気化器用のカットリッジを購入するユーザは、自身が所有するカートリッジの個数および残っているカートリッジの個数を正確に理解するために、アプリを使用することができる。小売店はこの情報を利用して、カートリッジが底をつきそうになったときに、追加を自動注文するようユーザに提示することができる。
【0176】
本明細書で説明する装置のいずれにおいても、アプリおよび/または気化器は、気化器の位置特定のために、GPSを含むことができ、あるいはGPSと通信することができる。ロケーション情報を利用して、追加のカートリッジを購入するために最寄りの小売店をユーザに伝えることができ、配達のためにロケーションサービスを利用することができ、スマートフォン(たとえば自動補給と組み合わせられた使用量追跡手段)を介して注文することができ、かつ/または電子タバコの使用について関連のある現地の法律についてユーザに知らせることができる。
【0177】
これに加え、本明細書で説明する気化器およびアプリのいずれも、他のユーザとの交流および特定のユーザとの通信のためということを含め、ユーザのソーシャルエクスペリエンスを向上させるために、使用することができる。
【0178】
いくつかの実装形態において、気化器および/またはアプリは、ユーザのプロフィルを作成することができ、自身と他のユーザとの比較がどのようであるのかをユーザに伝えることができる。たとえば気化器および/またはアプリは、ユーザのニコチン摂取量がどのパーセンタイルに入るのかを表すことができ、かつ/またはユーザの挙動に基づき系統(カートリッジ)を推奨することができる(たとえば「あなたはたいてい夜に気化器を使用していることがわかりました。夜に使用する他の人々はこの系統を好んでいます」など)。
【0179】
気化器またはアプリは、ユーザが情報交換できるフォーラムまたはチャットエリアおよび医師が様々なトピックスを論じている可能性のあるエリアへのアクセスを含むこともできる。
【0180】
一般にこれらの装置のいずれも、使用を奨励することで、または物質の気化とは無関係な(複数のユーザを含む)ユーザが加わることのできる競争を含めることで、ユーザが競争に参加できるようにすることが可能である。たとえば(カートリッジなどの新たな構成部品の購入を含め)使用についてのゲーミフィケーションは、ポイント、賞などの授与、および切り替えまたはそれに類することのためのチームの創設を含むことができる。競争は、装置内の加速度計または他のセンサの使用を含むことができ、これらをアプリおよび/または他のユーザの気化器またはアプリに(たとえば直接またはリモートサーバを介して)無線で送信することができ、これによって競争の相互作用が可能になる。
【0181】
本明細書で説明する気化器および/またはアプリによって、スポンサーシップを促進することもでき、たとえばユーザは友人や家族の一員の名前を記入して、気化器のコストを支払うことができ、気化器をそれらの人に送ることができ、または(たとえばバイクメッセンジャーによって)ただちに配達することすらできる。このことを、旧来のタバコから気化器への切り替えについてスポンサーによって奨励をもたらすために、かつ/または(おそらくは旧来のタバコを使用する代わりに)使用することに対し、たとえばそれを続けたならば賞(たとえばギフトカードなど)がもらえるといったようにして報いるために、利用することができる。
【0182】
(気化器および任意の関連アプリを含め)本明細書で説明する装置のいずれも、ユーザデータを収集および解析するために使用することもできる。これによって気化器の製造業者、提供業者および小売店は、ユーザがどこでいつどのようにして気化器を使用しているのかを理解することを含め、ユーザをよりよく知ることができるようにすることが可能となる。どこでいつ消費者が気化器を使用しているのかを知ることによって、ユーザに対しよりよいマーケティングを行えるようにすることが可能となり、今後の製品についての設計を改善することができる。
【0183】
本明細書で説明する気化器およびアプリによって、メーカおよび/または小売店と消費者(ユーザ)とのコミュニケーションを促進することもできる。たとえば消費者が製品を
使用しているときに消費者とやりとりすることによって、直販を助長する機会が得られるようになる。したがってたとえばアプリは、以下のことを伝えることができる。すなわち「計算が正しければ、ご自身のパック内には1つのカートリッジしか残っていないようです。新たなカートリッジの購入を希望しますか?」
【0184】
本明細書で説明する気化器およびアプリは、(たとえばアプリの使用による)気化器および/またはアプリの登録を含め、強化された偽造防止構成部品を有することもできる。いくつかの実装形態において、気化器は、アプリおよび/または充電ドックと同様に暗号化されたハンドシェイクを行うことができる。
【0185】
これに加え気化器および/またはアプリは、デバイス診断を行えるようにすることができ、またはデバイス診断を含むことができる。たとえば気化器および/またはアプリは、構成部品レベルの故障(たとえば圧力センサ、バッテリ、ポゴピンなど)を監視することができ、場合によっては壊れたデバイスを現場で識別することができ、デバイスをカスタマサービスに返却する必要なく、保証交換品を発送することができる。これにより、定期的な変更および今後の設計のために利用される共通の問題に関するデータのいっそう迅速な収集も可能とすることができる。
【0186】
実施例:アプリケーションソフトウェア/ハードウェア/ファームウェア(「アプリ」)
【0187】
気化可能物質。上述のように、本発明の対象の実装形態による気化器および/または気化器システムは、任意の適切な気化可能物質と共に使用可能である(さらにそれらを含むことができ、または特にそれらのために構成することができる)。特定の実装形態において、気化可能物質は有機物質である。特定の実施例において、気化可能物質は液体、強粘液、ワックス、ばらされた葉状の植物物質などを含む。特定の実施例において、気化可能物質はタバコベースの物質である。特定の実施例において、気化可能物質は植物性である。特定の実施例において、気化可能物質はニコチン、ニコチン誘導体またはニコチン塩である。特定の実施例において、気化可能物質は栄養補給食品である。特定の実施例において、気化可能物質はカンナビノイドを含有する。特定の実施例において、気化可能物質は医薬品化合物である。
【0188】
特定の実施例において、気化可能物質は1~50センチポアズの粘性を有する。特定の実装形態において、気化可能物質は50~1000センチポアズの粘性を有する。特定の実施例において、気化可能物質は1000~5000センチポアズの粘性を有する。特定の実施例において、気化可能物質は5000~10000センチポアズの粘性を有する。特定の実施例において、気化可能物質は10000センチポアズを上回る粘性を有する。
【0189】
特定の実施例において、気化可能物質はニコチンを含有する。特定の実施例において、気化可能物質はニコチン誘導体を含有する。特定の実施例において、ニコチン誘導体はニコチンの酸性塩である。特定の実装形態において、ニコチンの酸性塩は有機酸を含む。特定の実施例において、ニコチンの酸性塩は無機酸を含まない。
【0190】
特定の実施例において、気化可能物質はニコチン、ニコチン誘導体またはニコチン塩の製剤である。いくつかの製剤の場合、製剤中のニコチンまたはその誘導体の濃度は、約1%(w/w)から約25%(w/w)である。いくつかの製剤の場合、製剤中のニコチンまたはその誘導体の濃度は、約1%(w/w)から約20%(w/w)である。いくつかの製剤の場合、製剤中のニコチンの濃度は、約1%(w/w)から約18%(w/w)である。いくつかの実施例の場合、製剤中のニコチンの濃度は、約1%(w/w)から約15%(w/w)である。いくつかの実施例の場合、製剤中のニコチンの濃度は、約1%(w/w)から約10%(w/w)である。いくつかの実施例の場合、製剤中のニコチンの濃度は、約1%(w/w)から約8%(w/w)である。いくつかの実施例の場合、製剤中のニコチンの濃度は、約2%(w/w)から約10%(w/w)である。いくつかの製剤の場合、製剤中のニコチンの濃度は、約4%(w/w)から約12%(w/w)である。いくつかの製剤の場合、製剤中のニコチンの濃度は約4%(w/w)である。いくつかの実施例の場合、製剤中のニコチンの濃度は約2%(w/w)である。
【0191】
ニコチン塩製剤は、有機酸または無機酸を含む適切な酸をニチコンまたはその誘導体に添加することによって生成される。本明細書で提供されるいくつかの製剤において、適切な有機酸はカルボン酸である。本明細書で開示される有機カルボン酸の例は、モノカルボン酸、ジカルボン酸(2つのカルボン酸基を含有する有機酸)、安息香酸など芳香族基を含有するカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、複素環式カルボン酸、テルペノイド酸、糖酸であり、たとえばペクチン酸、アミノ酸、脂環式酸、脂肪族カルボン酸、ケトカルボン酸、およびこれらに類するものなどである。本明細書で提供されるいくつかの製剤において、本明細書で使用される有機酸はモノカルボン酸である。本明細書で提供されるいくつかの製剤において、有機カルボン酸は、安息香酸、レブリン酸、酢酸、乳酸、クエン酸、ソルビン酸、ラウリン酸、サリチル酸、ピルビン酸、またはこれらの組み合わせである。本明細書で提供されるいくつかの製剤において、有機カルボン酸はレブリン酸ではない。ニコチン塩は、適切な酸をニコチンに添加することにより生成される。本明細書で提供されるいくつかの製剤において、ニコチンと酸との化学量論比(ニコチン:酸)は1:1、1:2、1:3、1:4、2:3、2:5、2:7、3:4、3:5、3:7、3:8、3:10、3:11、4:5、4:7、4:9、4:10、4:11、4:13、4:14、4:15、5:6、5:7、5:8、5:9、5:11、5:12、5:13、5:14、5:16、5:17、5:18または5:19である。本明細書で提供されるいくつかの製剤において、ニコチンと酸との化学量論比は、1:1、1:2、1:3または1:4(ニコチン:酸)である。
【0192】
特定の実施例において、ニコチン製剤のpHは酸性である。特定の実施例において、ニコチン製剤のpHは7.0未満である。特定の実施例において、ニコチン製剤のpHは6.0未満である。特定の実施例において、ニコチン製剤のpHは5.0未満である。特定の実施例において、ニコチン製剤のpHは4.0未満である。特定の実施例において、ニコチン製剤のpHは3.0よりも高い。特定の実施例において、ニコチン製剤のpHは4.0よりも高い。特定の実施例において、ニコチン製剤のpHは5.0よりも高い。特定の実施例において、ニコチン製剤のpHは6.0よりも高い。
【0193】
特定の実施例において、気化可能物質は有効成分として医薬品化合物を含有する。本明細書による方法を使用する電子気化器デバイスを用いた気化のための有効成分である医薬品化合物は、たとえば約100℃(たとえば水性担体についてはたとえば約100℃、105℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃など、エタノール系製剤についてはたとえば約50℃、約60℃、約70℃、約80℃など)から、有効成分が熱分解する温度(たとえば約150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃未満など)付近までの(たとえばこの温度未満までの)温度範囲で、吸入による供給のために気化するまで燃焼を伴わずに加熱可能な薬剤を含む。特定の実施例において、薬剤を溶媒なしとしてもよいし、または薬学的に許容可能な溶媒中で可溶性としてもよい。特定の実施例において、薬剤は、様々な病気のための補助薬として売薬(OTC)物質を含むことができ、その際に上述の薬剤は、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)のための既知の呼吸補助薬を含むことができる。本明細書で説明するデバイスを用いた気化のための有効成分である気化可能物質は、吸入による供給のために気化するまで燃焼を伴わずに加熱可能な薬剤を含むことができ、その際に上述の薬剤は、上気道補助薬(セチリジンなど)、鎮痛剤および内服薬補助薬(イブプロフェン、ナプロキセンなど)、胸焼け補助薬(オメプラゾールなど)、睡眠補助薬(ドキシルアミン、ジフェンヒドラミン、メラトニンなど)、または乗り物酔い補助薬(メクリジンなど)を有するグループからの売薬(OTC)物質を含むことができる。特定の実施例において、気化可能物質は、以下のような喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)のための呼吸補助薬を含有することができる。すなわち、短時間作用型ベータ作動薬(アルブテロール、レバルブテロール、ピルブテロールなど)、長時間作用型ベータ作動薬(サルメテロール、ホルモテロールなど)、抗コリン作動薬(硫酸アトロピン、臭化イプラトロピウムなど)、ロイコトリエン修飾薬(モンテルカスト、ザフィルルカストなど)、コルチコステロイド(フルチカゾン、ブデソニド、モメタゾンなど)、テオフィリン(テオフィリンなど)、またはコルチコステロイドと長時間持続するベータ作動薬との組み合わせ(フルチカゾンとサルメテロール、ブデソニドとホルモテロール、モメタゾンとホルモテロール)など。特定の実施例において、気化可能物質は以下のような植物性食品および/または栄養補給食品を含むことができる。すなわち、お茶(ポリフェノール、フラボノイド、緑茶カテキン+/-カフェイン)、ニガハッカ(フェノールフラボノイド配糖体、ラブダン型ジテルペノイド、ヨヒンベ、クランベリ/ブドウ(プロアントシアニジン)、ブラックコホッシュ(テルペン配糖体留分(アクチン/シミフゴシド))、アマニ(オメガ脂肪酸)、エキナセア(エキナコシド)、バレリアン(アルカロイド、ガバペンチン、イソ吉草酸、テルペン)、センナ(センナ配糖体)、シナモン(シンナムアルデヒド、フェノール、テルペン)、ビタミンD、ソーパルメット(脂肪酸)、またはカフェインなど。特定の実施例において、気化可能物質は、グリコール(プロピレングリコールおよびベジタブルグリセリンなど)、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、エタノールおよびこれらの組み合わせといった任意の適切な担体溶媒中で、少なくとも50重量%まで可溶性である。特定の実施例において、医薬品化合物はテルピノレンである。特定の実施例において、医薬品化合物はリナロールである。特定の実施例において、医薬品化合物はフィトールである。特定の実施例において、医薬品化合物はベータミルセンである。特定の実施例において、医薬品化合物はシトロネロールである。特定の実施例において、医薬品化合物はカリオフィレンオキシドである。特定の実施例において、医薬品化合物はアルファピネンである。特定の実施例において、医薬品化合物はリモネンである。特定の実施例において、医薬品化合物はベータカリオフィレンである。特定の実施例において、医薬品化合物はフムレンである。特定の実装形態において、気化可能物質はエッセンシャルオイルである。
【0194】
図6には、いくつかの例示的な実装形態による、既述の機構および/または構成部品のうちの1つまたは複数を実装するために用いることができる例示的なコンピューティング装置600が示されている。たとえばコンピューティング装置600の少なくとも一部分を、気化器100、気化器200、ユーザデバイス305、リモートサーバ307、および/またはこれらに類するもののうちの少なくとも一部分を実装するために、用いることができる。コンピューティング装置600の構成部品を、図示および/または説明した気化器装置100、200の構成部品のいずれかに加えて、またはいずれかの代替として、実装することができる。コンピューティング装置600を、本明細書で説明するプロセスのうちの1つまたは複数を実施するために、実装することができる。
【0195】
コンピューティング装置600は、本明細書で説明するプロセスのうちの1つまたは複数を実施することができる。たとえばコンピューティング装置600を、いくつかの例示的な実装形態に従い、このコンピューティング装置600と通信する気化器のユーザコントロールを提供するアプリケーションを実行するために、かつ/または気化器に関連する機能との連動およびやりとりのためにユーザ向けにインタフェースを提供するために、使用することができる。
【0196】
図示されているように、コンピューティング装置600は、本明細書で説明する動作に従って動作を実装可能な命令を実行するために、プロセッサ610のような1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。コンピューティング装置600は、実行可能な命令および/または情報を格納するために、メモリ620を含むことができる。メモリ620は、ソリッドステートメモリ、ソリッドステートディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、または他の任意の情報ストレージデバイスを含むことができる。コンピューティング装置600は、
図5を参照しながら説明したネットワークなど、有線ネットワークまたは無線ネットワークに対するネットワークインタフェース640を含むことができる。無線通信を実現するために、ネットワークインタフェース640はたとえば、アンテナ690のような1つまたは複数のアンテナを使用することができる。
【0197】
コンピューティング装置600は、ユーザインタフェース650のような1つまたは複数のユーザインタフェースを含むことができる。ユーザインタフェース650は、ハードウェアまたはソフトウェアのインタフェースを含むことができ、これはたとえばキーボード、マウス、または他のインタフェースなどであって、それらのうちのいくつかは、ディスプレイ630と一体化されたタッチスクリーンを含むことができる。気化器の機能に関連する情報などの情報を表示し、ユーザにプロンプトを用意し、ユーザ入力を受信し、かつ/またはこれらに類することのために、ディスプレイ630を使用することができる。様々な実装形態において、ユーザインタフェース650は、1つまたは複数の周辺デバイスを含むことができ、かつ/またはユーザインタフェース650を、それらの周辺デバイスと通信するように構成することができる。
【0198】
いくつかの態様において、ユーザインタフェース650は、1つまたは複数のセンサを含むことができ、かつ/または本明細書で説明するような1つまたは複数のセンサへのインタフェースを含むことができる。これらのセンサの動作を、少なくとも部分的にセンサモジュール660によって制御することができる。コンピューティング装置600は、入出力フィルタ670を有することができ、このフィルタ670は、センサまたは他のユーザインタフェースから受信される、ネットワークインタフェース640を介して受信および/または送信される情報、および/またはこれらに類するものをフィルタリングすることができる。たとえば、センサを介して検出された信号を、適切な信号コンディショニングのためにフィルタ670を通過させることができ、次いでフィルタリングされたデータを、妥当性チェックおよび処理のために、センサモジュール660および/またはプロセッサ610に送ることができる(たとえばその後、ネットワークインタフェース640を介して結果または指標を送信する)。電源680のような1つまたは複数の電源を使用することによって、コンピューティング装置600を給電することができる。図示されているように、コンピューティング装置600の構成部品のうちの1つまたは複数は、システムバス699を介して通信を行うことができ、かつ/または電力を受け取ることができる。
【0199】
上述のように、本発明の対象の実装形態は、気化器および気化器と通信するデバイスを含む気化器システムの様々な使用方法を含む。
図7には、いくつかの例示的な実装形態による、セッション動作情報をユーザに提供するための方法700のフローチャートが示されている。様々な実装形態において、方法700(または少なくともその一部分)を、気化器100、気化器200、ユーザアクセスデバイス305、リモートサーバ307、コンピューティング装置600、他の関連する装置、および/またはそれらのいくつかの部分のうちの1つまたは複数によって実施することができる。
【0200】
方法700は動作ブロック710からスタートすることができ、この動作ブロック710において装置600はたとえば、気化器セッションのスタートの指標を受け取ることができる。方法700は動作ブロック720に進むことができ、この動作ブロック720において装置600はたとえば、気化器デバイスの使用を監視することができる。いくつかの態様において、装置600は、この装置600に関連づけられた1つまたは複数のセンサからデータを受信することによって、使用を監視することができる。方法700は動作ブロック730に進むことができ、この動作ブロック730において装置600はたとえば、使用を表す第1のフィードバックをユーザに提供することができる。方法700は動作ブロック740に進むことができ、この動作ブロック740において装置600はたとえば、気化器セッションの最終ポイントを特定することができる。方法700は動作ブロック750に進むことができ、この動作ブロック750において装置600はたとえば、気化器セッションの最終ポイントを表す第2のフィードバックをユーザに提供することができる。
【0201】
ある特徴または要素が、本明細書において別の特徴または要素の「上」にあるものとして言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴または要素のすぐ上にあるものとすることができるし、あるいは介在する特徴および/または要素が存在してもよい。これとは対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素の「すぐ上」にあるものとして言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。同様に自明のとおり、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「接続されている」、「取り付けられている」、または「結合されている」ものとして言及される場合、その特徴または要素を、他の特徴または要素に直接、接続することができ、取り付けることができ、または結合することができ、あるいは介在する特徴または要素が存在してもよい。これとは対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、または「直接結合されている」ものとして言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。
【0202】
1つの与えられた例に関して説明または図示されているとはいえ、そのように説明または図示されている特徴および要素を、本発明の対象の他の実装形態に適用することができる。同様に当業者に自明のとおり、他の特徴と「隣り合って」配置された構造または特徴についての言及は、隣り合った特徴と重なる部分またはその下にある部分を含む場合がある。
【0203】
本明細書で用いられる専門用語は、特定の実装形態の説明および実装を目的としているにすぎず、それらに限定されることを意図したものではない。たとえば本明細書で用いられる単数形の不定冠詞および定冠詞は、文脈から明確に別段の指示がない限りは、複数形も同様に含むことを意図している。さらに自明のとおり、用語「有する」および/または「有している」は、本明細書および特許請求の範囲で用いられる場合には、記載された特徴、ステップ、動作、要素および/または構成部品の存在を明記しているが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成部品および/またはこれらから成るグループの存在または追加を排除するものではない。
【0204】
上記の記載および特許請求の範囲において、「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」といったフレーズに続いて、要素または特徴の連言的なリストが続く場合がある。用語「および/または」が、2つ以上の要素または特徴のリスト中に現れる場合もある。用いられる文脈によって別段に暗黙的または明示的に否定されない限りは、かかるフレーズは、列挙された要素または特徴のいずれかを個別に意味すること、あるいは列挙された要素または特徴のいずれかと、列挙された他の要素または特徴のいずれかとの組み合わせを意味することを意図している。たとえば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つまたは複数」、さらに「Aおよび/またはB」というフレーズは各々、「A単独、B単独、またはAとB合わせて」を意味することを意図している。3つ以上の項目を含むリストについても、同様の解釈を意図している。たとえば、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」、「A、BおよびCのうちの1つまたは複数」、さらに「A、Bおよび/またはC」というフレーズは各々、「A単独、B単独、C単独、AとB合わせて、AとC合わせて、BとC合わせて、またはAとBとC合わせて」を意味することを意図している。これまでの記載および特許請求の範囲における用語「に基づく」の使用は、列挙されていない特徴または要素も許容されるように、「に少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。
【0205】
図面に示されているような1つの要素または特徴と他の要素または特徴との関係を説明するための記述を簡単にするために、「の下に」、「より下に」、「より低く」、「の上に」、「より高く」およびこれらに類するものなど空間的に相対的な用語が、本明細書において用いられている場合がある。自明のとおり、空間的に相対的な用語は、図面に描かれている配向に加え、使用時または動作時におけるデバイスの様々な配向を包含することを意図している。たとえば、図中のデバイスが反転されたならば、その場合には他の要素または特徴の「下方に」または「真下に」と記載された要素は、他の要素または特徴の「上方に」配向されることになる。かくして、例として挙げた用語「の下方に」は、上方と下方との配向の双方を包含し得るものである。デバイスが別の向きで配向される(90度または他の向きで回転させられる)場合があり、本明細書で用いられる空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。同様に、用語「上流に」、「下流に」、「垂直に」、「水平に」およびこれらに類するものは、具体的に別段の指示がない限りは、本明細書では説明の目的で用いられるにすぎない。
【0206】
(ステップを含む)様々な特徴/要素を説明するために、本明細書では用語「第1の」および「第2の」が用いられる場合があるけれど、それらの特徴/要素は、文脈から別段の指示がない限りは、それらの用語によって限定されるものではない。1つの特徴/要素を他の特徴/要素と区別するために、これらの用語を用いることができる。よって、本明細書においてもたらされる教示から逸脱することなく、あとで述べる第1の特徴/要素を、第2の特徴/要素と称することも可能であるし、同様に、あとで述べる第2の特徴/要素を第1の特徴/要素と称することも可能である。
【0207】
本明細書およびそのあとに続く特許請求の範囲全体を通して、文脈から別段の要求がない限りは、単語「有する」、およびその三人称単数形の「有する」ならびに現在分詞の「有している」といったバリエーションは、様々な構成部品を方法および物品(たとえばデバイスおよび方法を含む構成物および装置)において共働するように用いることができる、ということを意味する。たとえば用語「有している」は、記載された任意の要素またはステップの含有を意味するけれども、他の任意の要素またはステップの排除を意味するものではない、と理解されたい。
【0208】
実施例において使用される場合を含め、特に別段の指定がない限りは、本明細書および特許請求の範囲において使用されているすべての数は、単語「約」または「ほぼ」が、たとえこれらの表現が特に現れていないにしても、前置きされているかのように読むことができる。記述する値および/またはポジションが値および/またはポジションの妥当な予測範囲内にあることを表すために、大きさおよび/またはポジションを記述するときに、フレーズ「約」または「ほぼ」が用いられる場合がある。たとえば数値は、記載された値(または値範囲)の±0.1%、記載された値(または値範囲)の±1%、記載された値(または値範囲)の±2%、記載された値(または値範囲)の±5%、記載された値(または値範囲)の±10%などの値を有する可能性がある。本明細書において示されているいずれの数値も、文脈から別段の指示がない限りは、おおよそまたはほぼその値を含むものであるとも理解されたい。たとえば値「10」が開示されているならば、その場合には「約10」も開示されている。本明細書で挙げられているいずれの数値範囲も、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことを意図している。同様に理解されるのは、ある1つの値が開示されている場合、当業者であれば適切に理解されるように、その値「以下」、その値「以上」およびそれらの値の間の可能な範囲も開示されている、ということである。たとえば値「X」が開示されているならば、「X以下」ならびに「X以上」(たとえばこの場合、Xは1つの数値である)も開示されている。同様に理解されるのは、本出願全体を通して、データが多くの異なる形式で提供されていること、さらにこのデータは、最終ポイントおよび開始ポイントを表し、これらのデータポイントの任意の組み合わせの範囲に及ぶことである。たとえば、1つの特定のデータポイント「10」と1つの特定のデータポイント「15」とが開示されているならば、ここで理解されるのは、10と15との間と同様に、10および15よりも大きい、10および15以上、10および15未満、10および15以下、および10および15と等しいことも開示されていると見なされる、ということである。同様に、2つの特定の単位の間の単位各々も開示されている、ということも理解される。たとえば10および15が開示されているならば、その場合には11、12、13および14も開示されている。
【0209】
様々な例示的な実装形態についてこれまで説明してきたけれども、本明細書の教示から逸脱することなく、多数の変更のいずれであっても様々な実装形態に加えることができる。たとえば、既述の様々な方法ステップが実施される順序を、択一的な実装形態において変更してかまわないことも多く、さらに他の択一的な実装形態において、1つまたは複数の方法ステップを全体的にスキップしてもかまわない。様々なデバイスおよびシステムの実装形態のオプションとしての特徴を、いくつかの実装形態には含め、他の実装形態には含めないこともできる。したがってこれまでの説明は、主として例示目的で提供されたものであり、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0210】
本明細書で説明する対象の1つまたは複数の態様または特徴を、ディジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはこれらの組み合わせとして、実現することができる。これらの様々な態様または特徴は、1つまたは複数のコンピュータプログラムでの実装を含むことができ、これらのコンピュータプログラムは、専用または汎用の目的のものとすることができる少なくとも1つのプログラミング可能なプロセッサを含む、プログラミング可能なシステムにおいて実行可能および/または解釈可能であり、このシステムは、データおよび命令をストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスから受信するように、さらにデータおよび命令をそれらへ送信するように、結合されている。プログラミング可能なシステムまたはコンピューティングシステムは、クライアントとサーバとを含むことができる。クライアントとサーバとは通例、互いに遠隔に離間されており、一般には通信ネットワークを介してやりとりする。クライアントとサーバとの関係は、個々のコンピュータ上で実行され相互にクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムに基づいて発生する。
【0211】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードと称することもできるこれらのコンピュータプログラムは、プログラミング可能なプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続型言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理型プログラミング言語で、かつ/またはアセンブリ言語/機械語で、実装することができる。本明細書で用いられる用語「機械可読媒体」とは、たとえば磁気ディスク、光学ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)など、任意のコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイスのことを指し、これらは機械命令および/またはデータをプログラミング可能なプロセッサに供給するために使用され、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む。用語「機械可読信号」とは、機械命令および/またはデータをプログラミング可能なプロセッサに供給するために使用される任意の信号のことを指す。機械可読媒体は、たとえば非一時的ソリッドステートメモリまたは磁気ハードディスクドライブまたは任意の等価のストレージ媒体であればそうであるように、かかる機械命令を非一時的に格納することができる。機械可読媒体は、択一的にまたは付加的に、たとえばプロセッサのキャッシュまたは1つまたは複数の物理的なプロセッサコアと関連づけられた他のランダムアクセスメモリであればそうであるように、かかる機械命令を一時的な手法で格納することができる。
【0212】
ユーザとのやりとりを提供するために、本明細書で説明する対象の1つまたは複数の態様または特徴を、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、たとえばブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)モニタなど、ならびにユーザがコンピュータに入力を供給可能なキーボードおよびポインティングデバイス、たとえばマウスまたはトラックボールなど、を有するコンピュータにおいて実装することができる。同様にユーザとのやりとりを提供するために、他の種類のデバイスを使用することができる。たとえばユーザに提供されるフィードバックを、たとえば視覚的フィードバック、聴覚的フィードバックまたは触覚的フィードバックといった、任意の形態の感覚フィードバックとすることができ、ユーザからの入力を、以下に限定されるものではないが、音響的入力、音声入力、または触覚的入力を含む任意の形態で、受信することができる。考えられる他の入力デバイスに含まれるのは、以下に限定されるものではないが、タッチスクリーン、またはシングルポイントまたはマルチポイントの抵抗式または容量式のトラックパッドなど、他の接触感応型デバイス、音声認識用のハードウェアおよびソフトウェア、光学スキャナ、光学ポインタ、ディジタルイメージキャプチャデバイス、および関連する解釈用のソフトウェア、ならびにこれらに類するものである。
【0213】
本明細書に含まれる実施例および図面は、限定としてではなく例示として、本発明の対象を実施可能な特定の実装形態を示している。上述のように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的な置き換えおよび変更を行うことができるように、他の実装形態を利用することができ、そこから導き出すことができる。2つ以上の発明が実際に開示されているならば、本発明の対象のかかる実装形態を、いずれかの単一の発明または発明のコンセプトに本出願の範囲を自ら進んで限定することを意図することなく、単に便宜上、本明細書では個別にまたは集合的に、用語「発明」で呼ぶ場合がある。よって、本明細書では特定の実装形態について図示し説明してきたけれども、同じ目的を達成するために考えられる任意の構成を、図示された特定の実装形態と置き換えることができる。本開示は、様々な実装形態の任意のおよびすべての適応形態または変形形態をカバーすることを意図している。上述の実装形態の組み合わせおよび本明細書で具体的に説明しなかったその他の実装形態は、これまでの説明を精査すれば、当業者には明らかになるであろう。