IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ YKK AP株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-フェンス 図1
  • 特許-フェンス 図2
  • 特許-フェンス 図3
  • 特許-フェンス 図4
  • 特許-フェンス 図5
  • 特許-フェンス 図6
  • 特許-フェンス 図7
  • 特許-フェンス 図8
  • 特許-フェンス 図9
  • 特許-フェンス 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】フェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20240729BHJP
   E04H 17/14 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
E04H17/16 103
E04H17/14 103Z
E04H17/14 102C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021001269
(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公開番号】P2022106352
(43)【公開日】2022-07-20
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 信二
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-250153(JP,A)
【文献】特開2007-217928(JP,A)
【文献】特許第5183081(JP,B2)
【文献】特開2001-348828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00 -17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜地に設置される傾斜パネル体を備え、隣り合う前記傾斜パネル体が互いに連結されるフェンスであって、
前記傾斜パネル体は、上胴縁と、下胴縁と、前記上胴縁と前記下胴縁の間に位置するパネルと、前記上胴縁と前記下胴縁を回動可能に連結するとともに前記パネルが回動中心回りに回動可能に連結された2つ以上の縦桟と、を有し、
隣り合う一方の前記傾斜パネル体の前記パネルと他方の前記傾斜パネル体の前記パネルとに接続されて、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネル同士を連結する連結材と、
前記連結材に取り付けられて、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネルの間の隙間を覆う化粧カバーと、
を備えたフェンス。
【請求項2】
請求項1に記載されたフェンスにおいて、
前記パネルは、中空部を有し、
前記連結材は、前記一方の傾斜パネル体の前記パネルの前記中空部内と前記他方の傾斜パネル体の前記パネルの前記中空部内とに配置されて、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネルのそれぞれに接続されるフェンス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたフェンスにおいて、
前記連結材は、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネルの間の隙間に位置して前記化粧カバーが取り付けられる取付部を有し、
前記取付部は、前記一方の傾斜パネル体の前記パネルの前記回動中心と前記他方の傾斜パネル体の前記パネルの前記回動中心とを結ぶ直線上で前記パネルの間の隙間の中央部に位置するフェンス。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたフェンスにおいて、
前記パネルに対して前記傾斜パネル体の厚み方向の一方側に位置して、前記連結材に取り付けられる一方側の前記化粧カバーと、
前記パネルに対して前記傾斜パネル体の厚み方向の他方側に位置して、前記連結材に取り付けられる他方側の前記化粧カバーと、
を備えたフェンス。
【請求項5】
請求項4に記載されたフェンスにおいて、
前記縦桟は、前記パネルに対して前記傾斜パネル体の厚み方向の他方側に位置し、
前記一方側の化粧カバーは、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネルのそれぞれに密着して配置され、
前記他方側の化粧カバーは、隣り合う前記傾斜パネル体の前記縦桟のそれぞれに密着して配置されるフェンス。
【請求項6】
請求項5に記載されたフェンスにおいて、
前記化粧カバーは、取付具により、前記連結材に取り付けられ、
隣り合う前記傾斜パネル体の前記縦桟は、互いの間に前記取付具が通過可能な隙間をあけて配置されて、それぞれ前記他方側の化粧カバーと密着するフェンス。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載されたフェンスにおいて、
前記縦桟の上端部は、上方に向かって次第に幅が狭くなる突形状に形成され、
前記縦桟の下端部は、下方に向かって次第に幅が狭くなる突形状に形成されたフェンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜地に設置されて互いに連結される傾斜パネル体を備えたフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
フェンスを傾斜地に設置するときには、複数の傾斜パネル体が傾斜地に沿って並べて設置される。フェンスの傾斜パネル体は、傾斜地の傾斜に対応して、水平方向に対して傾斜して配置され、隣り合う傾斜パネル体と互いに連結される。また、従来、傾斜パネル体の縦桟の外側にスライド可能に設けられた縦桟カバーを利用して、隣り合う傾斜パネル体を連結する傾斜フェンスが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来の傾斜フェンスでは、隣り合う傾斜パネル体の上下の胴縁の端部同士を連結材によって連結する。また、隣り合う傾斜パネル体の間の隙間を塞ぐため、縦桟カバーのスライドにより、隣り合う傾斜パネル体の縦桟カバー同士を当接させて、縦桟カバーを縦桟に固定する。このように、従来の傾斜フェンスでは、傾斜パネル体同士の連結作業に手間が掛かる。また、傾斜パネル体の部品数が多くなることで、傾斜パネル体の重量が増加することがある。その結果、傾斜パネル体が設置し難くなり、傾斜フェンスの施工性に影響が生じる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-217928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、傾斜パネル体同士を容易に連結するとともに、傾斜パネル体を備えたフェンスの施工性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、傾斜地に設置される傾斜パネル体を備え、隣り合う前記傾斜パネル体が互いに連結されるフェンスであって、
前記傾斜パネル体は、上胴縁と、下胴縁と、前記上胴縁と前記下胴縁の間に位置するパネルと、前記上胴縁と前記下胴縁を回動可能に連結するとともに前記パネルが回動中心回りに回動可能に連結された2つ以上の縦桟と、を有し、
隣り合う一方の前記傾斜パネル体の前記パネルと他方の前記傾斜パネル体の前記パネルとに接続されて、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネル同士を連結する連結材と、
前記連結材に取り付けられて、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネルの間の隙間を覆う化粧カバーと、
を備えたフェンスである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、傾斜パネル体同士を容易に連結できるとともに、傾斜パネル体を備えたフェンスの施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のフェンスを一方側からみた正面図である。
図2】本実施形態のフェンスを他方側からみた背面図である。
図3】本実施形態の傾斜パネル体を模式的に示す背面図である。
図4】本実施形態のフェンスを示す縦断面図である。
図5】本実施形態の傾斜パネル体同士の連結構造を示す斜視図である。
図6】本実施形態の傾斜パネル体同士の連結構造を示す斜視図である。
図7】本実施形態のフェンスを示す横断面図である。
図8】本実施形態の傾斜パネル体を示す縦断面図である。
図9】本実施形態の傾斜パネル体同士の連結箇所を示す正面図である。
図10】本実施形態の傾斜パネル体同士の連結箇所を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のフェンスの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のフェンスは、屋外に設置される独立した壁体である。フェンスは、地面に立てた状態で設置されて、屋外の空間を仕切る。
【0010】
図1は、本実施形態のフェンス1を一方側からみた正面図であり、図2は、本実施形態のフェンス1を他方側からみた背面図である。図1図2では、フェンス1の地面Gよりも下側の部分を鎖線で示している。
図示のように、フェンス1は、水平方向に対して傾斜して勾配を有する傾斜地に設置されて、傾斜地の地面G(斜面)に沿って延びる。また、フェンス1は、傾斜地に設置される複数の支柱2及び複数の傾斜パネル体3を備えている。支柱2の下側部分が傾斜地の地中に埋設されて、傾斜地の地面Gよりも上側で、支柱2が上下方向に沿って設置されている。複数の支柱2は、互いに間隔をあけて地面Gに設置されて、直線上に並べて配置されている。
【0011】
なお、傾斜地に設置したフェンス1を正面からみたときに、上下となる方向が上下方向であり、左右となる方向が左右方向である。図1図2では、上下方向は鉛直方向であり、左右方向は水平方向である。フェンス1の延在方向Rは、傾斜地において水平方向に対して傾斜するフェンス1の延びる方向である。傾斜パネル体3の厚み方向は、傾斜パネル体3の厚みとなる方向であり、上下方向及び延在方向Rに直交する。傾斜パネル体3の厚み方向の一方側は、フェンス1の正面側であり、傾斜パネル体3の厚み方向の他方側は、フェンス1の裏面側である。ここでは、フェンス1の正面側は、傾斜パネル体3に対して支柱2の位置する側の反対側であり、フェンス1の裏面側は、傾斜パネル体3に対して支柱2の位置する側である。このように、フェンス1に関する方向は、フェンス1を傾斜地に設置した状態での方向で特定する。
【0012】
複数の傾斜パネル体3は、それぞれ支柱2に取り付けられて、支柱2により支持されている。傾斜パネル体3は、パネル状のフェンス本体であり、フェンス1の延在方向Rに沿って延びる。フェンス1及び傾斜パネル体3は、水平方向に対する傾斜地(地面G)の傾斜(勾配)に対応して、水平方向に対して傾斜して設置される。フェンス1の延在方向Rにおいて隣り合う傾斜パネル体3は、互いに連結される。
【0013】
フェンス1において、互いに隣り合う傾斜パネル体3を区別するときには、一方の傾斜パネル体3を第1傾斜パネル体3Aといい、他方の傾斜パネル体3を第2傾斜パネル体3Bという。ここでは、第1傾斜パネル体3Aは、第2傾斜パネル体3Bに対して下手側に位置する下手側傾斜パネル体であり、第2傾斜パネル体3Bは、第1傾斜パネル体3Aに対して上手側に位置する上手側傾斜パネル体である。第1傾斜パネル体3Aと第2傾斜パネル体3Bは、傾斜地でフェンス1の延在方向Rに並べて設置されて、連結構造により、互いの隣り合う端部において連結される。
【0014】
図3は、本実施形態の傾斜パネル体3を模式的に示す背面図であり、フェンス1の裏面側からみた1つの傾斜パネル体3を示している。また、図3では、図2に示す傾斜パネル体3を簡略にして示している。以下、図3に示す傾斜パネル体3を例にとり、フェンス1について説明する。
図示のように、傾斜パネル体3は、予め組み立てられたパネルユニットであり、複数の縦桟10、上胴縁20、下胴縁21、及び、複数のパネル30を有している。上胴縁20、下胴縁21、及び、パネル30は、それぞれ押出成形により形成された形材からなり、フェンス1の延在方向Rに延びる。
【0015】
上胴縁20は、傾斜パネル体3の上縁部に位置する上縁材であり、下胴縁21は、傾斜パネル体3の下縁部に位置する下縁材である。複数のパネル30は、上胴縁20と下胴縁21の間に位置するパネル材であり、上下方向に並べて配置されて、上下方向において互いに隣接している。傾斜パネル体3のそれぞれには、2つ以上(ここでは、3つ)の縦桟10が、パネル30の長手方向(フェンス1の延在方向R)に互いに間隔をあけて配置されている。
【0016】
縦桟10は、パネル30の長手方向における傾斜パネル体3の両側の端部寄りの部分と、傾斜パネル体3の中央部とに設けられて、上下方向に沿って配置されている。上胴縁20、下胴縁21、及び、パネル30は、それぞれフェンス1の延在方向Rに沿って配置されて、縦桟10と交差して延びる。縦桟10は、上胴縁20と下胴縁21を回動可能に連結し、複数のパネル30は、縦桟10に回動可能に連結されている。縦桟10は、パネル30に対して傾斜パネル体3の厚み方向の他方側(フェンス1の裏面側)に位置し、上胴縁20、下胴縁21、及び、パネル30を支持している。
【0017】
3つの縦桟10のうち、1つの縦桟10は、上胴縁20と下胴縁21のそれぞれの長手方向の中央部に連結され、2つの縦桟10は、上胴縁20と下胴縁21のそれぞれの長手方向の両側の端部から中央部側に離隔した位置で上胴縁20と下胴縁21のそれぞれに連結されている。また、3つの縦桟10のうち、1つの縦桟10は、パネル30の長手方向の中央部に連結され、2つの縦桟10は、パネル30の長手方向の両側の端部から中央部側に離隔した位置でパネル30に連結されている。
【0018】
上胴縁20は、複数のパネル30及び縦桟10の上方に位置して、連結具であるネジ40により、縦桟10の上端部11に回動可能に連結されている。上胴縁20の回動中心(回動軸)は、ネジ40の中心である。上胴縁20は、複数の縦桟10のそれぞれに対して1つのネジ40により連結されて、回動中心回りに回動する。下胴縁21は、複数のパネル30及び縦桟10の下方に位置して、連結具であるネジ41により、縦桟10の下端部12に回動可能に連結されている。下胴縁21の回動中心(回動軸)は、ネジ41の中心である。下胴縁21は、複数の縦桟10のそれぞれに対して1つのネジ41により連結されて、回動中心回りに回動する。
【0019】
縦桟10の幅は、縦桟10の左右方向の幅である。縦桟10の上端部11は、上方に向かって次第に幅が狭くなる突形状に形成されて、上方に向かって突出している。左右方向に対して傾斜した傾斜部11Aが、縦桟10の上端部11に形成されて、上胴縁20の回動中心に対して左右方向の両側に設けられている。縦桟10の下端部12は、下方に向かって次第に幅が狭くなる突形状に形成されて、下方に向かって突出している。左右方向に対して傾斜した傾斜部12Aが、縦桟10の下端部12に形成されて、下胴縁21の回動中心に対して左右方向の両側に設けられている。
【0020】
縦桟10の上端部11は、2つの傾斜部11Aを上方に向けて傾斜パネル体3に設けられて、上胴縁20の回動による移動領域(回動領域)の外側に配置される。上胴縁20が回動可能な角度内のいずれの角度で回動して移動しても、縦桟10の上端部11は、上胴縁20と干渉せず、上胴縁20の回動(移動)を許容する。縦桟10の下端部12は、2つの傾斜部12Aを下方に向けて傾斜パネル体3に設けられて、下胴縁21の回動による移動領域(回動領域)の外側に配置される。下胴縁21が回動可能な角度内のいずれの角度で回動して移動しても、縦桟10の下端部12は、下胴縁21に干渉せず、下胴縁21の回動(移動)を許容する。
【0021】
フェンス1の延在方向Rの長さを比べたときに、パネル30の長さは、上胴縁20及び下胴縁21の長さと同じ長さ、又は、上胴縁20及び下胴縁21の長さとほぼ同じ長さである。パネル30は、連結具である連結ピン42により、縦桟10に回動可能に連結されている。パネル30の回動中心(回動軸)は、円柱状の連結ピン42の中心である。パネル30は、複数の縦桟10のそれぞれに対して1つの連結ピン42により連結されて、回動中心回りに回動する。
【0022】
傾斜パネル体3の傾斜地への設置前に、上胴縁20、下胴縁21、及び、複数のパネル30は、それぞれの回動中心を中心に回動する。その際、3つの縦桟10が平行な状態で、縦桟10が上下方向に変位する。縦桟10の上下方向の位置の変化に伴い、上胴縁20、下胴縁21、及び、複数のパネル30は、同時に、かつ、同じ角度だけ回動する。上胴縁20、下胴縁21、及び、複数のパネル30は、水平方向に対する傾斜地の傾斜に対応して回動して、水平方向に対して傾斜し、互いに並列して配置される。これにより、傾斜パネル体3は、傾斜地の傾斜に対応して傾斜する。その状態で、隣り合う2つの傾斜パネル体3は、互いに連結される。
【0023】
図4は、本実施形態のフェンス1を示す縦断面図であり、支柱2及び支柱2に取り付けられた傾斜パネル体3を示している。
図示のように、上胴縁20と下胴縁21は、中空形状に形成されている。上胴縁20の下面部には板状の連結部22が接続し、下胴縁21の上面部には板状の連結部23が接続している。上胴縁20は、ネジ40により縦桟10の上端部11に取り付けられる連結部22を介して、縦桟10の上端部11に連結されている。下胴縁21は、ネジ41により縦桟10の下端部12に取り付けられる連結部23を介して、縦桟10の下端部12に連結されている。
【0024】
傾斜パネル体3の複数のパネル30の部分は、傾斜パネル体3に設けられたルーバーである。パネル30は、ルーバーを構成するルーバーパネル(羽板)であり、中空形状に形成された中空部31を有している。複数のパネル30は、上下方向に隣接するパネル30との間に隙間をあけた状態で、互いに平行に並べて配置されている。空気(風)は、上下のパネル30の間の隙間を傾斜パネル体3の厚み方向Tに通過する。中空部31は、パネル30の上方方向の中央部に設けられて、パネル30の長手方向に延び、パネル30の長手方向の両側の端面に開口している。連結ピン42は、縦桟10とパネル30の中空部31に取り付けられて、パネル30の中空部31を縦桟10に回動可能に連結している。
【0025】
図5図6は、本実施形態の傾斜パネル体3同士の連結構造4を示す斜視図である。図5図6では、連結構造4により連結される傾斜パネル体3の端部側の部分を示している。また、図5では、連結構造4を分解して示し、図6では、連結された2つの傾斜パネル体3の一部と連結構造4の一部を鎖線で示している。図5図6では、傾斜パネル体3の上胴縁20、複数のパネル30のうちで最も上方に位置するパネル30、及び、縦桟10の上端部11側の部分を示すとともに、連結構造4の上側部分を示している。図5図6では、縦桟10の下端部12側の部分及び連結構造4の下側部分を省略している。
【0026】
図示のように、傾斜地で隣り合う傾斜パネル体3(第1傾斜パネル体3A、第2傾斜パネル体3B)は、フェンス1に設けられた連結構造4により、互いに連結される。連結構造4は、上胴縁20同士及び下胴縁21同士を連結する連結体50と、パネル30同士を連結する連結材60と、板状の化粧カバー70と、化粧カバー70に装着される端部カバー71を有している。隣り合う傾斜パネル体3の上胴縁20は、それぞれの端部において連結体50により連結され、隣り合う傾斜パネル体3の下胴縁21は、それぞれの端部において連結体50により連結される。また、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30は、それぞれの端部において連結材60により連結される。
【0027】
連結体50は、隣り合う傾斜パネル体3のそれぞれに向かって突出する2つの挿入部51と、2つの挿入部51の間に位置する環状のスペーサ部52を有している。連結体50の挿入部51は、第1傾斜パネル体3Aの上胴縁20内と第2傾斜パネル体3Bの上胴縁20内のそれぞれに挿入されて、上胴縁20内に嵌め込まれる。その状態で、固定具であるネジ(図示せず)により、第1傾斜パネル体3Aの上胴縁20と第2傾斜パネル体3Bの上胴縁20を連結体50の挿入部51に固定する。これにより、連結体50が2つの上胴縁20に固定されて、連結体50により、隣り合う傾斜パネル体3の上胴縁20同士が連結される。また、上胴縁20と同様に、連結体50により、隣り合う傾斜パネル体3の下胴縁21同士が連結される。
【0028】
上胴縁20同士を連結する連結体50及び下胴縁21同士を連結する連結体50により、隣り合う傾斜パネル体3が連結される。その状態で、連結体50のスペーサ部52は、隣り合う傾斜パネル体3の上胴縁20の間及び下胴縁21の間に挟まれて、上胴縁20同士及び下胴縁21同士を間隔あけて配置する。これにより、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30の間に隙間が形成される。
【0029】
連結材60は、隣り合う傾斜パネル体3のそれぞれに向かって突出する2つの挿入部61と、2つの挿入部61の間に位置する取付部62を有している。連結材60の挿入部61は、第1傾斜パネル体3Aのパネル30の中空部31内と第2傾斜パネル体3Bのパネル30の中空部31内のそれぞれに挿入されて、パネル30の中空部31内に嵌め込まれる。連結材60は、2つの挿入部61により、第1傾斜パネル体3Aのパネル30と第2傾斜パネル体3Bのパネル30とに接続されて、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30同士を連結する。
【0030】
連結材60は、隣り合う傾斜パネル体3のうちの一方の傾斜パネル体3(第1傾斜パネル体3A)のパネル30の中空部31内と他方の傾斜パネル体3(第2傾斜パネル体3B)のパネル30の中空部31内とに配置されて、2つのパネル30の中空部31に係合する。これにより、連結材60は、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30のそれぞれに接続されて、第1傾斜パネル体3Aのパネル30の中空部31と第2傾斜パネル体3Bのパネル30の中空部31とを連結する。連結材60は、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30の中空部31を連結して連続させる。
【0031】
連結材60は、第1傾斜パネル体3のパネル30と第2傾斜パネル体3のパネル30の間に隙間をあけた状態で、パネル30同士を連結する。隣り合う傾斜パネル体3の複数のパネル30のそれぞれで、フェンス1の延在方向Rに隣り合うパネル30がパネル30の長手方向に互いに離隔して配置されて、パネル30の端部の間に隙間が設けられる。端部カバー71は、化粧カバー70の上端部と下端部のそれぞれに装着される。その状態で、化粧カバー70と端部カバー71は、パネル30の間の隙間の箇所で、取付具であるネジ72により、連結材60に取り付けられる。
【0032】
連結材60の取付部62は、傾斜パネル体3の厚み方向Tに取付部62を貫通するネジ孔63を有している。取付部62及びネジ孔63は、隣り合う傾斜パネル体3の縦桟10の間の箇所で、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30の間の隙間に位置する。ネジ72は、化粧カバー70及び端部カバー71を貫通して、取付部62のネジ孔63に取り付けられる。化粧カバー70及び端部カバー71は、ネジ72により、連結材60の取付部62に取り付けられる。
【0033】
フェンス1は、傾斜パネル体3の厚み方向Tの一方側と他方側の両方に位置して共通の連結材60に取り付けられる2つの化粧カバー70(第1化粧カバー70A、第2化粧カバー70B)を備えている。第1化粧カバー70Aは、パネル30に対して傾斜パネル体3の厚み方向Tの一方側(フェンス1の正面側)に位置する一方側の化粧カバー(正面側化粧カバー)である。第2化粧カバー70Bは、パネル30に対して傾斜パネル体3の厚み方向Tの他方側(フェンス1の裏面側)に位置する他方側の化粧カバー(裏面側化粧カバー)である。第1化粧カバー70Aと第2化粧カバー70Bは、互いの間に傾斜パネル体3を挟んだ状態で、傾斜パネル体3の厚み方向Tの一方側と他方側のそれぞれで、ネジ72により連結材60の取付部62に取り付けられる。連結材60の取付部62には、傾斜パネル体3の厚み方向Tの一方側と他方側の両方からネジ72及び化粧カバー70が取り付けられる。
【0034】
図7は、本実施形態のフェンス1を示す横断面図であり、フェンス1の連結構造4の周辺部分を示している。図8は、本実施形態の傾斜パネル体3を示す縦断面図である。
図示のように、隣り合う傾斜パネル体3の複数のパネル30のうち、少なくとも最も上方に位置するパネル30同士と最も下方に位置するパネル30同士が、それぞれ連結材60により連結される。ここでは、連結材60は、最も上方に位置するパネル30と最も下方に位置するパネル30の箇所でパネル30同士を連結している。
【0035】
第1化粧カバー70Aは、パネル30の一方側に密着し、第2化粧カバー70Bは、パネル30の他方側又は縦桟10に密着する。また、第1化粧カバー70Aは、パネル30の一方側で、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30のそれぞれに密着して配置される。第2化粧カバー70Bは、パネル30の他方側で、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30のそれぞれ、又は、隣り合う傾斜パネル体3の縦桟10のそれぞれに密着して配置される。
【0036】
ここでは、第1化粧カバー70Aは、第1傾斜パネル体3Aの複数のパネル30の正面部32、及び、第2傾斜パネル体3Bの複数のパネル30の正面部32に密着して配置される。パネル30の正面部32は、傾斜パネル体3の厚み方向Tの一方側(フェンス1の正面側)に位置するパネル30の一方側部である。また、第2化粧カバー70Bは、第1傾斜パネル体3Aの1つの縦桟10の裏面部13、及び、第2傾斜パネル体3Bの1つの縦桟10の裏面部13に密着して配置される。縦桟10の裏面部13は、傾斜パネル体3の厚み方向Tの他方側(フェンス1の裏面側)に位置する縦桟10の他方側部である。
【0037】
図9は、本実施形態の傾斜パネル体3同士の連結箇所を示す正面図であり、隣り合う2つの傾斜パネル体3をフェンス1の正面側からみて示している。図10は、本実施形態の傾斜パネル体3同士の連結箇所を示す背面図であり、隣り合う2つの傾斜パネル体3をフェンス1の裏面側からみて示している。図9図10では、それぞれフェンス1の正面側と裏面側からみえない部分を鎖線で示している。
【0038】
図示のように、化粧カバー70の幅は、化粧カバー70の左右方向の幅である。化粧カバー70の上端部73は、上方に向かって次第に幅が狭くなる突形状に形成されて、上方に向かって突出している。左右方向に対して傾斜した傾斜部73Aが、化粧カバー70の上端部73に形成されて、連結材60の取付部62及びネジ72に対して左右方向の両側に設けられている。化粧カバー70の下端部74は、下方に向かって次第に幅が狭くなる突形状に形成されて、下方に向かって突出している。左右方向に対して傾斜した傾斜部74Aが、化粧カバー70の下端部74に形成されて、連結材60の取付部62及びネジ72に対して左右方向の両側に設けられている。
【0039】
化粧カバー70の上端部73は、2つの傾斜部73Aを上方に向けてフェンス1に設けられて、上胴縁20の回動による移動領域(回動領域)の外側に配置される。上胴縁20が回動可能な角度内のいずれの角度で回動して移動しても、化粧カバー70の上端部73は、上胴縁20と干渉せず、上胴縁20の回動(移動)を許容する。化粧カバー70の下端部74は、2つの傾斜部74Aを下方に向けてフェンス1に設けられて、下胴縁21の回動による移動領域(回動領域)の外側に配置される。下胴縁21が回動可能な角度内のいずれの角度で回動して移動しても、化粧カバー70の下端部74は、下胴縁21に干渉せず、下胴縁21の回動(移動)を許容する。
【0040】
傾斜パネル体3のそれぞれで、複数のパネル30の回動中心(連結ピン42の中心)は、上下方向に並べて配置される。また、第1傾斜パネル体3Aの複数のパネル30と第2傾斜パネル体3Bの複数のパネル30の間の隙間5は、上下方向に並べて配置される。複数の隙間5は、フェンス1の延在方向Rにおいて、第1傾斜パネル体3Aの縦桟10と第2傾斜パネル体3Bの縦桟10の間に位置する。
【0041】
隣り合う傾斜パネル体3のそれぞれの縦桟10は、互いの間にネジ72が通過可能な隙間をあけて配置される。ネジ72は、第2化粧カバー70Bを貫通して、2つの縦桟10の間の隙間を通り、連結材60の取付部62に取り付けられる。パネル30及び傾斜パネル体3が水平方向に対して傾斜可能な角度内のいずれの角度で傾斜しても、隣り合う傾斜パネル体3のそれぞれの縦桟10は、第2化粧カバー70Bと密着する。
【0042】
2つの化粧カバー70は、傾斜パネル体3の厚み方向Tの一方側と他方側のそれぞれからみて、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30同士の間の隙間5を覆う位置に配置されて、複数の隙間5を覆う。また、第1化粧カバー70Aは、傾斜パネル体3の厚み方向Tの一方側から隙間5を覆い、第2化粧カバー70Bは、傾斜パネル体3の厚み方向Tの他方側から隙間5を覆う。連結材60により連結されたパネル30では、化粧カバー70は、パネル30同士の間の隙間5を覆うとともに、隙間5に位置する連結材60及び連結材60の取付部62を覆う。
【0043】
連結材60の取付部62は、2つのパネル30の連結材60による連結箇所で、第1傾斜パネル体3Aのパネル30の回動中心と第2傾斜パネル体3Bのパネル30の回動中心とを結ぶ直線L上に位置するとともに、パネル30同士の間の隙間5に位置する。直線Lは、パネル30の長手方向に延びる直線であり、パネル30の回動中心は、直線Lの両端部に位置する。取付部62は、直線L上で隙間5の中央部に位置する。ここでは、第1傾斜パネル体3Aと第2傾斜パネル体3Bとで、それぞれの縦桟10からパネル30の端部までのパネル30の長手方向における距離が同じ距離である。そのため、取付部62は、直線Lの中央部に位置しており、直線L上において両端部のパネル30の回動中心の間の中央部に配置される。
【0044】
連結材60の取付部62は、直線L上に位置する隙間5の中央部に配置される。上下方向に離隔する2つの連結材60の取付部62は、上下方向に延びる直線上に位置する複数のパネル30の回動中心と同様に、上下方向に延びる直線上に位置する。そのため、パネル30及び傾斜パネル体3が水平方向に対して傾斜可能な角度内のいずれの角度で傾斜しても、化粧カバー70と縦桟10は、互いに平行に、かつ、上下方向に沿って配置される。
【0045】
フェンス1を施工するときには(図1図2参照)、複数の支柱2を傾斜地に設置する。続いて、下手側の第1傾斜パネル体3Aを支柱2に取り付け、連結体50(図5図6参照)を第1傾斜パネル体3Aの上胴縁20と下胴縁21にそれぞれ固定する。また、連結材60の挿入部61を第1傾斜パネル体3Aのパネル30の中空部31内に挿入し、第1化粧カバー70Aと端部カバー71をネジ72により連結材60の取付部62に仮止めする。その際、ネジ72を締め付けずに緩んだ状態にする。連結材60、第1化粧カバー70A、及び、端部カバー71は、第1傾斜パネル体3Aに保持される。
【0046】
次に、第2傾斜パネル体3Bを上手側から第1傾斜パネル体3Aに向かって移動させて第1傾斜パネル体3Aと隣り合う位置に配置し、第2傾斜パネル体3Bを支柱2に取り付ける。その際、第2傾斜パネル体3Bの上胴縁20内と下胴縁21内のそれぞれに第1傾斜パネル体3Aの連結体50の挿入部51を挿入する。同時に、第2傾斜パネル体3Bのパネル30の中空部31内に第1傾斜パネル体3Aの連結材60の挿入部61を挿入する。
【0047】
第1傾斜パネル体3Aの連結材60の挿入部61は、第1傾斜パネル体3Aのパネル30と同様に水平方向に対して傾斜した状態で、第1傾斜パネル体3Aのパネル30から突出する。そのため、第2傾斜パネル体3Bのパネル30の中空部31内には、第1傾斜パネル体3Aの連結材60の挿入部61が真っ直ぐに挿入される。続いて、ネジ72を締め付けて、第1化粧カバー70Aと端部カバー71を連結材60の取付部62に取り付ける。また、連結体50を第2傾斜パネル体3Bの上胴縁20と下胴縁21にそれぞれ固定し、第2化粧カバー70Bと端部カバー71をネジ72により連結材60の取付部62に取り付ける。
【0048】
以上説明したフェンス1では、傾斜パネル体3のパネル30を連結材60により連結して、化粧カバー70を連結材60に取り付ける。そのため、傾斜パネル体3の部品数と重量を削減することができ、傾斜パネル体3を容易に設置することができる。また、傾斜パネル体3の連結作業の手間を軽減することができる。このように、傾斜パネル体3同士を容易に連結できるとともに、傾斜パネル体3を備えたフェンス1の施工性を向上させることができる。連結材60をパネル30の中空部31内に配置することで、連結材60をパネル30に簡単に接続して、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30同士を容易に連結することができる。
【0049】
連結材60の取付部62は、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30の間の隙間5に位置するとともに、両側の傾斜パネル体3のパネル30の回動中心を結ぶ直線L上で隙間5の中央部に位置する。そのため、パネル30の回動角度(水平方向に対する傾斜角度)が変化しても、縦桟10に連結された複数のパネル30の回動中心と同様に複数の連結材60の取付部62を配置でき、化粧カバー70を連結材60の取付部62に縦桟10と平行に取り付けることができる。また、化粧カバー70を縦桟10に沿って上下方向に配置することができる。
【0050】
第1化粧カバー70Aと第2化粧カバー70Bは、共通の連結材60に取り付けられる。そのため、傾斜パネル体3の厚み方向Tの両側に化粧カバー70を容易に設けることができる。また、傾斜パネル体3の厚み方向Tの両側で、パネル30の間の隙間5を化粧カバー70により隠すことができる。第1化粧カバー70Aは、パネル30に密着し、第2化粧カバー70Bは、縦桟10に密着する。その結果、傾斜パネル体3の厚み方向Tの両側で、化粧カバー70により、隣り合うパネル30の間の箇所を安定して隠すことができる。
【0051】
ネジ72は、隣り合う傾斜パネル体3の縦桟10の間の隙間を通過可能であり、化粧カバー70は、隣り合う傾斜パネル体3の縦桟10のそれぞれに密着する。そのため、ネジ72により、化粧カバー70を連結材60に簡単に取り付けられるとともに、化粧カバー70により、隣り合う傾斜パネル体3の縦桟10の間に位置するパネル30の間の箇所を確実に隠すことができる。
【0052】
縦桟10の上端部11は、上方に向かって次第に幅が狭くなる突形状に形成され、縦桟10の下端部12は、下方に向かって次第に幅が狭くなる突形状に形成されている。これにより、上胴縁20の回動が縦桟10の上端部11により阻害されるのを抑制でき、下胴縁21の回動が縦桟10の下端部12により阻害されるのを抑制することができる。また、縦桟10の突形状の上端部11は、上胴縁20の回動による移動領域の外側に配置され、縦桟10の突形状の下端部12は、下胴縁21の回動による移動領域の外側に配置される。その結果、上胴縁20の回動と下胴縁21の回動が縦桟10により阻害されずに、上胴縁20と下胴縁21を円滑に回動することができる。
【0053】
上胴縁20、下胴縁21、及び、複数のパネル30は、互いに同じ長さ、又は、互いにほぼ同じ長さに形成されている。そのため、傾斜パネル体3を切り詰めるときには、傾斜パネル体3を傾斜させずに水平方向に沿って配置した状態で、上胴縁20、下胴縁21、及び、複数のパネル30を上下方向に沿って一直線に切断する。このように、傾斜パネル体3を簡単に短縮することができる。
【0054】
なお、連結材60により、複数のパネル30のうちの上下方向の中間に位置するパネル30同士を連結してもよい。また、パネル30は、ルーバーパネル以外の中空部を有するパネルであってもよい。平坦地に連続する傾斜地に傾斜パネル体3を設置するときには、平坦地に設置されるパネル体に傾斜パネル体3を連結してもよい。
【0055】
連結材60をパネル30の中空部31内に配置せずに、連結材60をパネル30に接続するようにしてもよい。例えば、連結材60をネジによりパネル30に固定することで、連結材60をパネル30に接続してもよい。この場合には、連結材60は、隣り合う傾斜パネル体3の縦桟10の間に配置されて、2つの縦桟10の間の箇所で、隣り合う傾斜パネル体3のパネル30のそれぞれに固定される。また、パネル30の縦桟10側の箇所で、連結材60の端部がパネル30に固定される。第1傾斜パネル体3Aと第2傾斜パネル体3Bとで、ネジによる連結材60のパネル30への固定位置からパネル30の端部までのパネル30の長手方向における距離は、同じ距離である。
【0056】
以上のとおり、フェンスは、傾斜地に設置される傾斜パネル体を備え、隣り合う前記傾斜パネル体が互いに連結されるフェンスであって、
前記傾斜パネル体は、上胴縁と、下胴縁と、前記上胴縁と前記下胴縁の間に位置するパネルと、前記上胴縁と前記下胴縁を回動可能に連結するとともに前記パネルが回動中心回りに回動可能に連結された2つ以上の縦桟と、を有し、
隣り合う一方の前記傾斜パネル体の前記パネルと他方の前記傾斜パネル体の前記パネルとに接続されて、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネル同士を連結する連結材と、
前記連結材に取り付けられて、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネルの間の隙間を覆う化粧カバーと、
を備えたフェンスである。
従って、傾斜パネル体同士を容易に連結できるとともに、傾斜パネル体を備えたフェンスの施工性を向上させることができる。
【0057】
前記パネルは、中空部を有し、
前記連結材は、前記一方の傾斜パネル体の前記パネルの前記中空部内と前記他方の傾斜パネル体の前記パネルの前記中空部内とに配置されて、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネルのそれぞれに接続される。
連結材をパネルの中空部内に配置することで、連結材をパネルに簡単に接続して、隣り合う傾斜パネル体のパネル同士を容易に連結することができる。
【0058】
前記連結材は、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネルの間の隙間に位置して前記化粧カバーが取り付けられる取付部を有し、
前記取付部は、前記一方の傾斜パネル体の前記パネルの前記回動中心と前記他方の傾斜パネル体の前記パネルの前記回動中心とを結ぶ直線上で前記パネルの間の隙間の中央部に位置する。
従って、パネルの回動角度が変化しても、化粧カバーを連結材の取付部に縦桟と平行に取り付けることができる。
【0059】
フェンスは、
前記パネルに対して前記傾斜パネル体の厚み方向の一方側に位置して、前記連結材に取り付けられる一方側の前記化粧カバーと、
前記パネルに対して前記傾斜パネル体の厚み方向の他方側に位置して、前記連結材に取り付けられる他方側の前記化粧カバーと、
を備える。
従って、傾斜パネル体の厚み方向の両側に化粧カバーを容易に設けることができる。また、傾斜パネル体の厚み方向の両側で、パネルの間の隙間を化粧カバーにより隠すことができる。
【0060】
前記縦桟は、前記パネルに対して前記傾斜パネル体の厚み方向の他方側に位置し、
前記一方側の化粧カバーは、隣り合う前記傾斜パネル体の前記パネルのそれぞれに密着して配置され、
前記他方側の化粧カバーは、隣り合う前記傾斜パネル体の前記縦桟のそれぞれに密着して配置される。
従って、傾斜パネル体の厚み方向の両側で、化粧カバーにより、隣り合うパネルの間の箇所を安定して隠すことができる。
【0061】
前記化粧カバーは、取付具により、前記連結材に取り付けられ、
隣り合う前記傾斜パネル体の前記縦桟は、互いの間に前記取付具が通過可能な隙間をあけて配置されて、それぞれ前記他方側の化粧カバーと密着する。
従って、取付具により、化粧カバーを連結材に簡単に取り付けられるとともに、化粧カバーにより、隣り合う傾斜パネル体の縦桟の間に位置するパネルの間の箇所を確実に隠すことができる。
【0062】
前記縦桟の上端部は、上方に向かって次第に幅が狭くなる突形状に形成され、
前記縦桟の下端部は、下方に向かって次第に幅が狭くなる突形状に形成される。
従って、上胴縁の回動が縦桟の上端部により阻害されるのを抑制でき、下胴縁の回動が縦桟の下端部により阻害されるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0063】
1・・・フェンス、2・・・支柱、3・・・傾斜パネル体、3A・・・第1傾斜パネル体、3B・・・第2傾斜パネル体、4・・・連結構造、5・・・隙間、10・・・縦桟、11・・・上端部、12・・・下端部、13・・・裏面部、20・・・上胴縁、21・・・下胴縁、22・・・連結部、23・・・連結部、30・・・パネル、31・・・中空部、32・・・正面部、40・・・ネジ、41・・・ネジ、42・・・連結ピン、50・・・連結体、51・・・挿入部、52・・・スペーサ部、60・・・連結材、61・・・挿入部、62・・・取付部、63・・・ネジ孔、70・・・化粧カバー、70A・・・第1化粧カバー、70B・・・第2化粧カバー、71・・・端部カバー、72・・・ネジ、73・・・上端部、73A・・・傾斜部、74・・・下端部、74A・・・傾斜部、G・・・地面、L・・・直線、R・・・延在方向、T・・・厚み方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10