(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】仕切りユニット
(51)【国際特許分類】
E04H 17/14 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
E04H17/14 103Z
(21)【出願番号】P 2021020929
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 圭亮
(72)【発明者】
【氏名】相澤 雅也
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-115432(JP,A)
【文献】特開2019-148111(JP,A)
【文献】特開2019-044363(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0001493(US,A1)
【文献】特開2020-056264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00 -17/26
E04F 11/18
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に取り付けられるパネル体と、
前記支柱が設置される設置面と、前記パネル体の下端部との間に配置される隙間隠し部材と、
前記隙間隠し部材を前記パネル体に取り付ける取付具とを備え、
前記取付具は、パネル体取付部と、隙間隠し部材取付部とを有し、
前記パネル体取付部は、前記パネル体の下端部に後側からねじ止めされ、
前記隙間隠し部材取付部は、前記隙間隠し部材に後側からねじ止めされ、
前記隙間隠し部材は、前記パネル体の下面と前記設置面との間に配置されている
ことを特徴とする仕切りユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の仕切りユニットにおいて、
前記隙間隠し部材は、上端部に上タイト材ホルダを有し、
前記上タイト材ホルダには、上タイト材が装着されている
ことを特徴とする仕切りユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の仕切りユニットにおいて、
前記隙間隠し部材は、下端部に下タイト材ホルダを有し、
前記下タイト材ホルダには、下タイト材が装着されている
ことを特徴とする仕切りユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の仕切りユニットにおいて、
前記隙間隠し部材は、前記パネル体の前面から後面に向かう前後方向において、前記パネル体の前面位置よりも後ろ側に配置されている
ことを特徴とする仕切りユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の仕切りユニットにおいて、
長手方向に配置される複数の隙間隠し部材間には、隠し部材連結具が配置され、
前記隠し部材連結具は、
各隙間隠し部材の小口間に配置されて各小口が当接されるベース部と、
前記ベース部から前記各隙間隠し部材側にそれぞれ延出されて前記隙間隠し部材に後ろ側からねじ止めされる挿入部とを備える
ことを特徴とする仕切りユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕切りユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フェンスなどの仕切りユニットとして、パネル体と、取付具と、カバー材とを備え、パネル体の下端部にカバー材を取り付け、パネル体の下端と設置面の間の隙間を隠す構造が開示されている。具体的には、パネル体取付部およびカバー材取付部を有する取付具のパネル体取付部をパネル体の端部に前側からねじ止めし、カバー材の固定部を取付具のカバー材取付部に後側からねじ止めし、カバー材の被覆部で前記取付具のパネル体取付部を前側から覆い、カバー材の隙間隠し部がパネル体の外周側の隙間を隠す構造を採用した構造体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、取付具をパネル体の端部に前側からねじ止めし、カバー材を取付具に後側からねじ止めするため、作業者はパネル体の前側と後側とに移動して取付作業を行う必要があり、作業性が低下する。
また、パネル体の下端部の前面に取付具のパネル体取付部をねじ止めし、この部分をカバー材の被覆部で覆うため、取付具およびカバー材はパネル体の表面よりも外側に突出して段差が生じ、意匠性が低下する。
【0005】
本発明の目的は、パネル体と設置面との間の隙間を隠す隙間隠し部材の取付作業性を向上でき、意匠性も向上できる仕切りユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の仕切りユニットは、支柱に取り付けられるパネル体と、前記支柱が設置される設置面と、前記パネル体の下端部との間に配置される隙間隠し部材と、前記隙間隠し部材を前記パネル体に取り付ける取付具とを備え、前記取付具は、パネル体取付部と、隙間隠し部材取付部とを有し、前記パネル体取付部は、前記パネル体の下端部に後側からねじ止めされ、前記隙間隠し部材取付部は、前記隙間隠し部材に後側からねじ止めされ、前記隙間隠し部材は、前記パネル体の下面と前記設置面との間に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の仕切りユニットによれば、隙間隠し部材の取付作業性を向上でき、意匠性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の仕切りユニットを示す正面図である。
【
図3】隙間隠し部材の取付構造を示す断面図である。
【
図4】下胴縁および隙間隠し部材の連結構造を示す分解斜視図である。
【
図5】第2実施形態の隙間隠し部材の取付構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る仕切りユニット1を示す正面図である。本実施形態の仕切りユニット1は、敷地の外周に沿って設置されるフェンスであり、敷地の内外を仕切るパネル体2と、地面などの設置面GLに立設されてパネル体2の一方の面側、具体的には敷地側に配置されてパネル体2を支持する支柱3と、パネル体2の下端部と設置面GLとの間に配置される隙間隠し部材4と、隙間隠し部材4をパネル体2に取り付ける取付具5とを備える。
なお、
図1には、2つのパネル体2が左右方向に隣接して配置されている。また、仕切りユニット1が敷地の境界線に沿って設置されている状態で、仕切りユニット1つまりパネル体2の敷地外に面した面を前面、敷地内に面した面を裏面とし、パネル体2の敷地外側を前側、敷地内側を後側とする。また、パネル体2の前面および後面に直交する方向つまり前面から後面に向かう方向をパネル体2の前後方向とし、2つのパネル体2が並ぶ方向を左右方向または幅方向とする。
【0010】
パネル体2は、左右の縦骨21と、上胴縁22および下胴縁23と、上胴縁22および下胴縁23間に取り付けられた2本の中骨24と、各縦骨21と中骨24間および2本の中骨24間に取り付けられた横板格子25と備える。
図1の例では、横板格子25は、各パネル体2において、左右方向に3枚、上下方向に12枚設けられている。
【0011】
上胴縁22は、中空形状を有する押出成形材であり、長手方向つまり左右方向の小口は開口され、上胴縁22を長手方向に連結する場合は、左右の各上胴縁22の小口に上胴縁連結具26を挿入している。
下胴縁23は、中空形状を有する押出成形材であり、長手方向つまり左右方向の小口は開口され、下胴縁23を長手方向に連結する場合は、左右の各下胴縁23の小口に下胴縁連結具27を挿入している。
下胴縁連結具27は、
図2,4に示すように、左右の下胴縁23の小口端面が当接されて、下胴縁23間に配置されるベース部271と、ベース部271の両面からそれぞれ延出されて左右の下胴縁23に挿入される一対の挿入部272とを備えている。挿入部272は、下胴縁23に形成された穴231を介して下胴縁23の裏面から螺合されるドリルねじ232によって下胴縁23に固定されている。
なお、上胴縁連結具26の連結構造は、下胴縁連結具27と同様であるため、説明を省略する。また、上胴縁22および下胴縁23において、他の上胴縁22、下胴縁23と連結されない小口には、エンドキャップ28,29が固定されている。
【0012】
縦骨21および中骨24は、中空形状を有する押出成形材であり、上端部および下端部を上胴縁22および下胴縁23に形成された開口に挿入して取り付けられている。
縦骨21および中骨24の互いに対向する対向面と、中骨24同士の対向面には、上下方向に沿って複数の開口が形成されている。横板格子25は、左右の端部を前記各開口に挿入することで、縦骨21および中骨24に取り付けられている。
以上によりパネル体2が構成されている。なお、パネル体2としては、横板格子25を用いたものに限らず、縦板格子を用いたものや、目隠しの板材を用いた物など様々なデザインのパネル体2が利用できる。
【0013】
支柱3は、断面が矩形状をなす中空部材であり、下端側が地中に打ち込まれて立設されている。本実施形態の支柱3は、パネル体2の裏面に配置された自由柱であり、上胴縁連結具26、下胴縁連結具27で連結された2つのパネル体2に対して、左右方向に間隔を空けて3本の支柱3が設けられている。
各支柱3には、パネル体2の上胴縁22、下胴縁23が上固定金具31および下固定金具32によって取り付けられている。
上固定金具31は、水平板状の固定板部と、固定板部の前端から下方に延出した保持板部とを備え、側面視で略L字状に形成されている。上固定金具31の固定板部は、支柱3の内部に形成されたビスホールにねじ止めされて、支柱3の上端部に固定されている。この上固定金具31の保持板部と、支柱3の前面との間に上胴縁22が挟持されている。
下固定金具32は、
図3に示すように、水平板状の支持板部321と、支持板部321の前方端部から上方に延出された保持板部322と、支持板部321の後方端部から下方に延出されて支柱3の前面に当接する当接板部323と、当接板部323の左右の端部からそれぞれ後方に延長されて支柱3の側面に当接する一対の側面板部324とを備える。
そして、下胴縁23の後面を支柱3の前面に当接させ、下胴縁23の前面に下固定金具32の保持板部322を当接させ、左右の側面板部324で支柱3を挟み、支柱3に当接板部323を当接してねじ325で支柱3に固定している。なお、支柱3には、ねじ325が螺合される穴が予め設けられており、この穴にねじ325を螺合して当接板部323を固定することで、下固定金具32および下胴縁23が予め設定した高さ位置に配置されるように設定されている。
【0014】
[隙間隠し部材]
次に、下胴縁23および設置面GL間の隙間を隠す隙間隠し部材4および取付具5について説明する。
図3、4に示すように、隙間隠し部材4は、取付具5を介して下胴縁23に取り付けられている。取付具5は、パネル体2の下胴縁23の裏面に取り付けられるパネル体取付部51と、隙間隠し部材4の裏面に取り付けられる隙間隠し部材取付部52と、パネル体取付部51の下端および隙間隠し部材取付部52の上端を連結する連結部53とを備えて構成されている。すなわち、取付具5は、側面視で略Z字状に折曲され、左右方向の幅寸法が下胴縁23に比べて短いピース状の金具である。
取付具5は、下胴縁23および隙間隠し部材4の左右の端部にそれぞれ1つずつ取り付けられている。なお、取付具5は、下固定金具32とは左右方向にずれた位置に設けられる。
パネル体取付部51は、ねじ55およびターンナット56によって下胴縁23に固定されている。隙間隠し部材取付部52は、ドリルねじ57によって隙間隠し部材4に固定されている。
【0015】
隙間隠し部材4は、下胴縁23と同じ幅寸法で形成された押出成形材であり、取付具5の隙間隠し部材取付部52に取り付けられる取付部41と、取付部41の上端から前方に延出された上面部42と、上面部42の前端から下方に延出された隠し板部43と、取付部41の下端から前方に延出されて隠し板部43に連結された連結部44とを備える。このため、隙間隠し部材4は、取付部41、上面部42、隠し板部43、連結部44とで囲まれたホロー部を有する。また、隠し板部43の上下方向の高さ寸法は、下胴縁23と設置面GLとの間隔に合わせて設定されている。
上面部42つまり隙間隠し部材4の上端部には上面に開口された上タイト材ホルダ45が形成され、隠し板部43つまり隙間隠し部材4の下端部には下面に開口された下タイト材ホルダ46が形成されている。上タイト材ホルダ45には、上タイト材47が装着され、下タイト材ホルダ46には下タイト材48が装着されている。上タイト材47および下タイト材48は、各ホルダ45,46に保持される硬質樹脂製のベース部と、中空形状に形成された軟質樹脂製のシール部とを備える。
上タイト材47は、隙間隠し部材4の上端部と下胴縁23との隙間を塞いでおり、下タイト材48は、隙間隠し部材4の下端部と設置面GLとの隙間を塞いでいる。
【0016】
隙間隠し部材4の長手方向の端部には、隠し部材連結具60またはエンドキャップ70が取り付けられている。すなわち、2つの隙間隠し部材4が連結される部分には隠し部材連結具60が取り付けられ、他の隙間隠し部材4と連結されない端部にはエンドキャップ70が取り付けられる。
隠し部材連結具60は、
図2、4に示すように、左右の隙間隠し部材4の小口端面が当接されて、隙間隠し部材4間に配置されるベース部61と、ベース部61の両面からそれぞれ延出されて左右の隙間隠し部材4のホロー部に挿入される一対の挿入部62と、隠し板部43の裏面に沿って配置される裏板部63とを備えている。
挿入部62には、取付部41に形成された穴411を介して取付部41の裏面から螺合されるドリルねじ415が螺合され、これにより隠し部材連結具60は隙間隠し部材4に固定されている。
【0017】
隙間隠し部材4は、例えば以下の手順で仕切りユニット1の施工後に取り付けられる。
隙間隠し部材4に、ドリルねじ57で予め取付具5を固定しておく。
また、下胴縁23の取付具5が取り付けられる位置にターンナット56を挿入するための穴をあけ、ターンナット56を挿入する。そして、下胴縁23および設置面GL間に仕切りユニット1の後側から隙間隠し部材4を配置し、パネル体取付部51をターンナット56に螺合されるねじ55で下胴縁23に固定する。
複数の隙間隠し部材4を連結する場合は、各隙間隠し部材4を隠し部材連結具60で連結しながら、隙間隠し部材4を下胴縁23に取り付ければよい。また、隙間隠し部材4を連結しない小口には、予めエンドキャップ70をねじ止めしておけばよい。
【0018】
[実施形態の効果]
本実施形態の仕切りユニット1によれば、下胴縁23の裏面側つまり敷地内側から隙間隠し部材4を取付具5で固定でき、下胴縁23の前面に隙間隠し部材4を重ねて取り付ける必要がないため、下胴縁23の前面側に隙間隠し部材4による段差が生じることを防止でき、意匠性を向上できる。
また、隙間隠し部材4を取付具5で下胴縁23の裏面側からねじ止めしているので、隙間隠し部材4を敷地内側から下胴縁23に固定することができる。このため、隙間隠し部材4を固定する際に、作業者は仕切りユニット1の前側および後側に移動してねじ止め作業する必要が無く、現場での施工作業性を向上できる。さらに、隙間隠し部材4および取付具5を固定するねじ55およびドリルねじ57を敷地内から確認できるため、作業管理者は固定作業が確実に実行されたことを容易に確認できる。
【0019】
隙間隠し部材4は、上タイト材47を備えているので、隙間隠し部材4と下胴縁23との隙間を上タイト材47で塞ぐことができ、意匠性を向上できる。また、隙間隠し部材4は、下タイト材48を備えているので、隙間隠し部材4と設置面GLとの隙間を下タイト材48で塞ぐことができ、意匠性を向上できる。
さらに、上タイト材47および下タイト材48は、軟質樹脂製のシール部を備えるため、下胴縁23の下面と支持板部321との間の段差や、設置面GLに凹凸などがあっても中空状のシール部が変形して密着するため、各隙間を確実に塞ぐことができる。
【0020】
取付具5は、略Z字状に折曲されているため、パネル体取付部51に対して隙間隠し部材取付部52を前側に配置でき、隙間隠し部材取付部52の前後方向の位置を連結部53の前後寸法によって設定できる。このため、隙間隠し部材4の前後方向の位置を取付具5によって設定でき、上胴縁22の前面よりも後側にセットバックさせた位置に隙間隠し部材4を配置できる。したがって、敷地外から仕切りユニット1を視認した際に、隙間隠し部材4が目立たないように配置でき、意匠性を向上できる。
また、下胴縁23のサイズやデザイン等に応じて取付具5を選択することで、隙間隠し部材4の位置を容易に調整できる。
【0021】
上胴縁連結具26、下胴縁連結具27によって左右の上胴縁22、下胴縁23を連結しているので、2つの仕切りユニット1を一体化することができる。このため、2つの仕切りユニット1を3本の支柱3で支持でき、支柱3の本数を少なくできる。
隠し部材連結具60によって左右の隙間隠し部材4を連結できるので、左右の隙間隠し部材4において隠し板部43の前面を揃えることができ、隙間隠し部材4の意匠性を向上できる。
【0022】
支柱3に予め設けられた穴を用いて下固定金具32を支柱3にねじ止めしているので、下胴縁23の高さ位置を予め設定した位置に設定できる。このため、設置面GLと下胴縁23の下面との高さ寸法は、隙間隠し部材4の高さ寸法に対応した寸法となり、設置面GLと下胴縁23の下面との間の隙間を隙間隠し部材4で確実に塞ぐことができる。
【0023】
[第2実施形態]
第2実施形態の仕切りユニット1Aについて、
図5を参照して説明する。第1実施形態では、下胴縁23に取付具5を取り付けていたが、仕切りユニット1Aでは、横板格子25Aに取付具5Aを介して隙間隠し部材4Aを取り付けている。すなわち、仕切りユニット1Aは、上胴縁や下胴縁を設けずに、縦骨21Aや中骨に横板格子25Aを取り付けたパネル体2Aと、パネル体2Aの裏面に配置されて上固定金具や下固定金具32Aを用いてパネル体2Aを支持する支柱3Aと、最下端の横板格子25Aに取付具5Aで固定される隙間隠し部材4Aとを備える。
下固定金具32Aは、水平面状の支持板部321と、支持板部321の前端から上方に延出された保持板部322と、支持板部321の後端から下方に延出された当接板部323とを備えている。当接板部323は、支柱3Aの前面に上下方向に連続して設けられた凹溝の底面にねじ325で固定されている。また、保持板部322は、横板格子25Aの下面に形成された凹溝251内に配置され、パネル体2Aを支持している。
【0024】
隙間隠し部材4Aは、隙間隠し部材4と同様に、取付部41、上面部42、隠し板部43、連結部44、上タイト材ホルダ45、下タイト材ホルダ46を備えて構成され、各ホルダ45,46に上タイト材47、下タイト材48が装着されている。
取付具5Aは、平板状の金具であり、横板格子25Aの裏面にドリルねじ55Aで固定されるパネル体取付部51Aと、取付部41にドリルねじ57Aで固定される隙間隠し部材取付部52Aとを備える。
【0025】
第2実施形態の仕切りユニット1Aは、隙間隠し部材4Aに取付具5Aをドリルねじ57Aで取り付けておき、隙間隠し部材4Aを横板格子25Aおよび設置面GL間にパネル体2Aの後側から配置し、取付具5Aをドリルねじ55Aで横板格子25Aに固定することで設置できる。
第2実施形態の仕切りユニット1Aによれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0026】
[変形例]
仕切りユニットとしては、パネル体2、2Aを支持する支柱3、3Aをパネル体2、2Aの裏面に配置した自由柱タイプに限らず、パネル体2,2Aを支柱間に配置する間仕切りタイプとしてもよい。
隙間隠し部材4は、上タイト材47、下タイト材48が装着されていたが、上タイト材47を備えないものでもよいし、下タイト材48を備えないものでもよい。ただし、上タイト材47、下タイト材48を設けたほうが隙間を容易にかつ確実に塞ぐことができる利点がある。
前記実施形態では、隙間隠し部材4の前後方向の位置を、下胴縁23や横板格子25Aの前面よりも奥側にセットバックさせていたが、下胴縁23や横板格子25Aの前面に揃う位置に設けてもよい。
第2実施形態の仕切りユニット1Aでは、平板状の取付具5Aを用いていたが、折曲された取付具5を用いてもよい。
【0027】
[本発明のまとめ]
本発明の仕切りユニットは、支柱に取り付けられるパネル体と、前記支柱が設置される設置面と、前記パネル体の下端部との間に配置される隙間隠し部材と、前記隙間隠し部材を前記パネル体に取り付ける取付具とを備え、前記取付具は、パネル体取付部と、隙間隠し部材取付部とを有し、前記パネル体取付部は、前記パネル体の下端部に後側からねじ止めされ、前記隙間隠し部材取付部は、前記隙間隠し部材に後側からねじ止めされ、前記隙間隠し部材は、前記パネル体の下面と前記設置面との間に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、隙間隠し部材をパネル体に取り付ける取付具は、隙間隠し部材およびパネル体に後側つまり敷地内側から固定できるので、パネル体の前面に隙間隠し部材を重ねて取り付ける必要がなく、パネル体の前面側に隙間隠し部材による段差が生じることを防止でき、意匠性を向上できる。
また、隙間隠し部材を取付具でパネル体の後側からねじ止めしているので、隙間隠し部材を敷地内側からパネル体に固定することができる。このため、隙間隠し部材を固定する際に、作業者はパネル体の前側および後側に移動してねじ止め作業する必要が無く、現場での施工作業性を向上できる。
【0028】
本発明の仕切りユニットにおいて、前記隙間隠し部材は、上端部に上タイト材ホルダを有し、前記上タイト材ホルダには、上タイト材が装着されていることが好ましい。
本発明によれば、隙間隠し部材の上端部に上タイト材を装着したので、上タイト材をパネル体の下面に当接させることができ、パネル体の下面と隙間隠し部材の上端との隙間を確実に隠すことができ、意匠性を向上できる。
【0029】
本発明の仕切りユニットにおいて、前記隙間隠し部材は、下端部に下タイト材ホルダを有し、前記下タイト材ホルダには、下タイト材が装着されていることが好ましい。
本発明によれば、隙間隠し部材の下端部に下タイト材を装着したので、下タイト材を仕切りユニットの設置面に当接させることができ、隙間隠し部材の下端と設置面との隙間を確実に隠すことができ、意匠性を向上できる。
【0030】
本発明の仕切りユニットにおいて、前記隙間隠し部材は、前記パネル体の前面から後面に向かう前後方向において、前記パネル体の前面位置よりも後ろ側に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、隙間隠し部材をパネル体の前面に沿って配置する場合に比べて、隙間隠し部材がパネル体の前面よりも奥側に配置されるため、隙間隠し部材を目立ちにくくでき、意匠性を向上できる。
【0031】
本発明の仕切りユニットにおいて、長手方向に配置される複数の隙間隠し部材間には、隠し部材連結具が配置され、前記隠し部材連結具は、各隙間隠し部材の小口間に配置されて各小口が当接されるベース部と、前記ベース部から前記各隙間隠し部材側にそれぞれ延出されて前記隙間隠し部材に後ろ側からねじ止めされる挿入部とを備えることが好ましい。
本発明によれば、隙間隠し部材連結具で各隙間隠し部材を連結できるので、左右の隙間隠し部材の前面を揃えることができ、隙間隠し部材の意匠性を向上できる。
【符号の説明】
【0032】
1…仕切りユニット、1A…仕切りユニット、2…パネル体、2A…パネル体、3…支柱、3A…支柱、4…隙間隠し部材、4A…隙間隠し部材、5…取付具、5A…取付具、21…縦骨、21A…縦骨、22…上胴縁、23…下胴縁、24…中骨、25…横板格子、25A…横板格子、26…上胴縁連結具、27…下胴縁連結具、28…エンドキャップ、29…エンドキャップ、31…上固定金具、32…下固定金具、32A…下固定金具、41…取付部、42…上面部、43…隠し板部、44…連結部、45…上タイト材ホルダ、46…下タイト材ホルダ、47…上タイト材、48…下タイト材、51…パネル体取付部、51A…パネル体取付部、52…隙間隠し部材取付部、52A…隙間隠し部材取付部、53…連結部、55…ねじ、55A…ドリルねじ、56…ターンナット、57…ドリルねじ、57A…ドリルねじ、60…隠し部材連結具、61…ベース部、62…挿入部、63…裏板部、70…エンドキャップ、231…穴、232…ドリルねじ、251…凹溝、271…ベース部、272…挿入部、321…支持板部、322…保持板部、323…当接板部、324…側面板部、325…ねじ、411…穴、415…ドリルねじ、GL…設置面。