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特許7528007地域貢献度判定装置、地域貢献度判定方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】地域貢献度判定装置、地域貢献度判定方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240729BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021042620
(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公開番号】P2022142446
(43)【公開日】2022-09-30
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】宮岡 真也
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-091784(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0240563(US,A1)
【文献】国際公開第2018/225227(WO,A1)
【文献】特開2020-003841(JP,A)
【文献】特開2004-355616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0295128(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0066137(US,A1)
【文献】特開2019-049932(JP,A)
【文献】バリューチェーンコア企業の地域貢献の検討,調査研究レポート,[online],日本政策投資銀行,2015年03月17日,インターネット<URL: https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/227.pdf>,[検索日:2024年2月14日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者の所在地を記憶する記憶部と、
前記事業者の地域活動を示す情報である地域活動情報を取得する取得部と、
前記地域活動情報から前記事業者の前記所在地を含む地域での活動を示す少なくとも一つの地域活動量を算出する地域活動量算出部と、
少なくとも一つの前記地域活動量に基づき前記地域での地域貢献度を算出する貢献度算出部と
を備え
前記地域活動情報は、事業者の所在地を含む所定のエリアへの人流情報と、事業者の所在地に対する物流情報との少なくとも一つである、地域貢献度判定装置。
【請求項2】
前記地域活動情報は、事業者の取引相手に関する取引先情報と、事業者の従業員に関する人事労務情報との少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載の地域貢献度判定装置。
【請求項3】
前記地域活動量算出部は、事業者の取引相手に関する取引先情報に含まれる取引先の数又は取引金額に基づき前記地域活動量を算出する、請求項1に記載の地域貢献度判定装置。
【請求項4】
前記地域活動量算出部は、事業者の従業員に関する人事労務情報に含まれる雇用人数と、給与額と、職種とのうち少なくとも一つに基づき前記地域活動量を算出する、請求項1の地域貢献度判定装置。
【請求項5】
前記地域活動量算出部は、事業者の所在地を含む所定のエリアへの人流情報に含まれる前記事業者が前記所在地に移転する前の前記エリアの滞在人数と移動量とのいずれか一方又は両方と前記事業者が前記所在地に移転した後の滞在人数と移動量とのいずれか一方又は両方とに基づき前記地域活動量を算出する、請求項1の地域貢献度判定装置。
【請求項6】
前記地域活動量算出部は、事業者の所在地に対する物流情報に含まれる物品の配送量に基づき前記地域活動量を算出する、請求項1の地域貢献度判定装置。
【請求項7】
事業者に対して前記地域貢献度を向上させる施策を提供する施策提供部
を更に備え
前記施策提供部は、前記地域貢献度に対する複数の地域活動量の各々の寄与度を求め、求めた寄与度が予め設定した寄与度閾値以下の地域活動量を向上させる施策を提供する、請求項1の地域貢献度判定装置。
【請求項8】
前記施策提供部は、事業者に対して前記地域貢献度に対する寄与度が寄与度閾値以下である地域活動量を向上させる施策を提供する、請求項7の地域貢献度判定装置。
【請求項9】
前記施策提供部は、事業者の取引相手に関する取引先情報に含まれない前記地域の取引先を特定する情報を通知する、請求項7又は請求項8に記載の地域貢献度判定装置。
【請求項10】
前記施策提供部は、事業者の取引相手に関する取引先情報に含まれる業種に基づき取引先を特定する情報を通知する、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の地域貢献度判定装置。
【請求項11】
前記施策提供部は、事業者へ前記地域の求職に対する人材応募情報を通知する、請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の地域貢献度判定装置。
【請求項12】
前記施策提供部は、事業者へ前記地域における職種情報を通知する、請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の地域貢献度判定装置。
【請求項13】
前記施策提供部は、事業者の前記地域の求職情報を通知する、請求項7から請求項12のいずれか一項に記載の地域貢献度判定装置。
【請求項14】
前記貢献度算出部が算出した前記事業者の前記地域貢献度に基づいて前記事業者を前記所在地へ誘致した誘致事業者に対する報酬を決定する報酬決定部
をさらに備える、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の地域貢献度判定装置。
【請求項15】
前記報酬決定部が決定した前記報酬に基づいて前記所在地に移転した前記事業者へ分配する報酬を決定する報酬分配部
をさらに備える、請求項14に記載の地域貢献度判定装置。
【請求項16】
前記報酬分配部は、所定の条件に基づいて前記所在地に移転した前記事業者へ分配する前記報酬を決定する、請求項15に記載の地域貢献度判定装置。
【請求項17】
事業者の所在地を記憶するステップと、
前記事業者の地域活動を示す情報である地域活動情報を取得するステップと、
前記地域活動情報から前記所在地を含む地域での活動を示す少なくとも一つの地域活動量を算出するステップと、
少なくとも一つの前記地域活動量に基づき前記地域での地域貢献度を算出するステップと
を有し、
前記地域活動情報は、事業者の所在地を含む所定のエリアへの人流情報と、事業者の所在地に対する物流情報との少なくとも一つである、コンピュータが実行する地域貢献度判定方法。
【請求項18】
コンピュータに、
事業者の所在地を記憶するステップと、
前記事業者の地域活動を示す情報である地域活動情報を取得するステップと、
前記地域活動情報から前記所在地を含む地域での活動を示す少なくとも一つの地域活動量を算出するステップと、
少なくとも一つの前記地域活動量に基づき前記地域での地域貢献度を算出するステップと
を実行させ、
前記地域活動情報は、事業者の所在地を含む所定のエリアへの人流情報と、事業者の所在地に対する物流情報との少なくとも一つである、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域貢献度判定装置、地域貢献度判定方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自治体等からの特定の課題解決の委託に基づき事業者が施策を行い、施策の成果に応じて設定された報酬を自治体等から得る成果報酬型の業務委託方法がある。この業務委託方法を用いて自治体は地方活性化のために企業誘致を行う事業者に企業誘致を委託する場合がある。自治体は、誘致した企業の地域への貢献度に応じて事業者へインセンティブを付与する成果報酬制度を考えているが、誘致した企業が地域へどの程度貢献しているか判定する方法がないため事業者へインセンティブを与えることができなかった。利用者の行動を分析する技術に関して全地球測位システム(Global Positioning System: GPS)などによって取得された人の位置情報に基づく行動ログを分析し、居住地や通勤通学場所を分析することで地域での人の活動を把握する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-142383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は企業などの事業者が地域へどの程度貢献しているかを判定できる地域貢献度判定装置、地域貢献度判定方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の一態様は、事業者の所在地を記憶する記憶部と、前記事業者の地域活動を示す情報である地域活動情報を取得する取得部と、前記地域活動情報から前記事業者の前記所在地を含む地域での活動を示す少なくとも一つの地域活動量を算出する地域活動量算出部と、少なくとも一つの前記地域活動量に基づき前記地域での地域貢献度を算出する貢献度算出部とを備え、前記地域活動情報は、事業者の所在地を含む所定のエリアへの人流情報と、事業者の所在地に対する物流情報との少なくとも一つである、地域貢献度判定装置である。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の地域貢献度判定装置において、前記地域活動情報は、事業者の取引相手に関する取引先情報と、事業者の従業員に関する人事労務情報との少なくとも一つをさらに含む
(3)本発明の一態様は、上記(1)に記載の地域貢献度判定装置において、前記地域活動量算出部は、事業者の取引相手に関する取引先情報に含まれる取引先の数又は取引金額に基づき前記地域活動量を算出する。
(4)本発明の一態様は、上記(1)に記載の地域貢献度判定装置において、前記地域活動量算出部は、事業者の従業員に関する人事労務情報に含まれる雇用人数と、給与額と、職種とのうち少なくとも一つに基づき前記地域活動量を算出する。
(5)本発明の一態様は、上記(1)に記載の地域貢献度判定装置において、前記地域活動量算出部は、事業者の所在地を含む所定のエリアへの人流情報に含まれる前記事業者が前記所在地に移転する前の前記エリアの滞在人数と移動量とのいずれか一方又は両方と前記事業者が前記所在地に移転した後の滞在人数と移動量とのいずれか一方又は両方とに基づき前記地域活動量を算出する。
(6)本発明の一態様は、上記(1)に記載の地域貢献度判定装置において、前記地域活動量算出部は、事業者の所在地に対する物流情報に含まれる物品の配送量に基づき前記地域活動量を算出する。
(7)本発明の一態様は、上記(1)に記載の地域貢献度判定装置において、事業者に対して前記地域貢献度を向上させる施策を提供する施策提供部を更に備え、前記施策提供部は、前記地域貢献度に対する複数の地域活動量の各々の寄与度を求め、求めた寄与度が予め設定した寄与度閾値以下の地域活動量を向上させる施策を提供する。
(8)本発明の一態様は、上記(7)に記載の地域貢献度判定装置において、前記施策提供部は、事業者に対して前記地域貢献度に対する寄与度が寄与度閾値以下である地域活動量を向上させる施策を提供する。
(9)本発明の一態様は、上記(7)又は上記(8)に記載の地域貢献度判定装置において、前記施策提供部は、事業者の取引相手に関する取引先情報に含まれない前記地域の取引先を特定する情報を通知する。
(10)本発明の一態様は、上記(7)から上記(9)のいずれか一項に記載の地域貢献度判定装置において、前記施策提供部は、事業者の取引相手に関する取引先情報に含まれる業種に基づき取引先を特定する情報を通知する。
(11)本発明の一態様は、上記(7)から上記(10)のいずれか一項に記載の地域貢献度判定装置において、前記施策提供部は、事業者へ前記地域の求職に対する人材応募情報を通知する。
(12)本発明の一態様は、上記(7)から上記(11)のいずれか一項に記載の地域貢献度判定装置において、前記施策提供部は、事業者へ前記地域における職種情報を通知する。
(13)本発明の一態様は、上記(7)から上記(12)のいずれか一項に記載の地域貢献度判定装置において、前記施策提供部は、事業者の前記地域の求職情報を通知する。
(14)本発明の一態様は、上記(1)から上記(13)のいずれか一項に記載の地域貢献度判定装置において、前記貢献度算出部が算出した前記事業者の前記地域貢献度に基づいて前記事業者を前記所在地へ誘致した誘致事業者に対する報酬を決定する報酬決定部をさらに備える。
(15)本発明の一態様は、上記(14)に記載の地域貢献度判定装置において、前記報酬決定部が決定した前記報酬に基づいて前記所在地に移転した前記事業者へ分配する報酬を決定する報酬分配部をさらに備える。
(16)本発明の一態様は、上記(15)に記載の地域貢献度判定装置において、前記報酬分配部は、所定の条件に基づいて前記所在地に移転した前記事業者へ分配する前記報酬を決定する。
【0006】
(17)本発明の一態様は、事業者の所在地を記憶するステップと、前記事業者の地域活動を示す情報である地域活動情報を取得するステップと、前記地域活動情報から前記所在地を含む地域での活動を示す少なくとも一つの地域活動量を算出するステップと、少なくとも一つの前記地域活動量に基づき前記地域での地域貢献度を算出するステップとを有し、前記地域活動情報は、事業者の所在地を含む所定のエリアへの人流情報と、事業者の所在地に対する物流情報との少なくとも一つである、コンピュータが実行する地域貢献度判定方法である。
【0007】
(18)本発明の一態様は、コンピュータに、事業者の所在地を記憶するステップと、前記事業者の地域活動を示す情報である地域活動情報を取得するステップと、前記地域活動情報から前記所在地を含む地域での活動を示す少なくとも一つの地域活動量を算出するステップと、少なくとも一つの前記地域活動量に基づき前記地域での地域貢献度を算出するステップとを実行させ、前記地域活動情報は、事業者の所在地を含む所定のエリアへの人流情報と、事業者の所在地に対する物流情報との少なくとも一つである、コンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、企業などの事業者が地域へどの程度貢献しているかを判定できる地域貢献度判定装置、地域貢献度判定方法、及びコンピュータプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の地域貢献度判定システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態の地域貢献度判定システムの一例を示す概略図である。
図3】本実施形態の地域貢献度判定システムの詳細を示す図である。
図4】本実施形態の地域貢献度判定システムの動作の例1を示す図である。
図5】本実施形態の地域貢献度判定システムの動作の例2を示す図である。
図6】本実施形態の地域貢献度判定システムの動作の例3を示す図である。
図7】実施形態の変形例1の地域貢献度判定装置の詳細を示す図である。
図8A】インセンティブの例1を説明するための図である。
図8B】インセンティブの例2を説明するための図である。
図9】実施形態の変形例2の地域貢献度判定装置の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本実施形態の地域貢献度判定装置、地域貢献度判定方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0011】
(第1の実施形態)
(地域貢献度判定システム)図1は、本発明の実施形態の地域貢献度判定システムの構成例を示す図である。図1において、地域貢献度判定システム1は、地域貢献度判定装置100を備える。図1には、地域貢献度判定装置100に加え、企業情報提供サーバ200と、地域情報提供サーバ300と、自治体などの報酬支払組織が使用する自治体端末装置400とが示されている。地域貢献度判定装置100と企業情報提供サーバ200と地域情報提供サーバ300と自治体端末装置400とは、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0012】
図2は、本実施形態の地域貢献度判定システムの一例を示す概略図である。地域貢献度判定システム1は、地方活性化のために自治体が企業誘致を行う事業者に企業誘致を委託し、企業誘致を委託された事業者が企業を誘致した場合に誘致した企業の地域への貢献度を算出する。
地域貢献度判定システム1を提供するために必要な共通の土台(基盤)となる標準環境である企業活動支援PF(プラットフォーム)が用意される。企業活動支援PF上に、地域貢献度判定装置100と企業情報提供サーバ200と地域情報提供サーバ300と自治体端末装置400とのうち少なくとも一つが存在してもよい。企業活動支援PFは、企業(誘致した企業)に対してBtoB(Business to Business)請求と人事労務管理とを行う。企業活動支援PFは、位置情報ビッグデータを取得する。企業活動支援PFは、BtoB請求を行うことによって、取引数を特定する情報と取引金額を特定する情報とを取得する。これによって、法人の納税額を取得できる。企業活動支援PFは、人事、労務管理を行うことによって、雇用数を特定する情報と給与金額を特定する情報と雇用職種を特定する情報とを取得する。これによって、個人納税額と人材の多様性を特定する情報を取得できる。企業活動支援PFは、位置情報ビッグデータを取得することによって、人流を特定する情報と物流を特定する情報とを取得する。これによって、人、モノ、トランザクション数を特定する情報を取得できる。
地域貢献度判定装置100は、誘致した企業の企業活動量を取得し、取得した企業の企業活動量に基づいて、その企業の地域への貢献度を判定する。企業の企業活動量の一例は、その企業の業務活動支援PFから取得した情報である。企業の企業活動量には、企業の取引先との支払い情報から取得する取引情報と人事労務管理情報から取得する地域の社員への給与額などの人事労務情報と企業の所在地への人流情報と物流情報とが含まれる。図1に戻り説明を続ける。
【0013】
地域貢献度判定装置100は、企業を特定する情報(以下「企業特定情報」という)とその企業の所在地を特定する情報(以下「企業所在地特定情報」という)を要求する情報とを含む、企業情報提供サーバ200を宛先とする企業所在地特定情報を取得するための所在地要求を作成する。地域貢献度判定装置100は、作成した所在地要求を企業情報提供サーバ200へ送信する。企業情報提供サーバ200は、地域貢献度判定装置100が送信した所在地要求を受信し、企業特定情報と企業所在地特定情報を要求する情報とを取得する。企業情報提供サーバ200は、取得した企業特定情報と企業所在地特定情報を要求する情報とに基づいて、企業特定情報に関連付けて記憶されている企業所在地特定情報を取得する。企業情報提供サーバ200は、企業特定情報と取得した企業所在地特定情報とを含む、地域貢献度判定装置100を宛先とする所在地応答を作成する。企業情報提供サーバ200は、作成した所在地応答を地域貢献度判定装置100へ送信する。
【0014】
地域貢献度判定装置100は、企業情報提供サーバ200が送信した所在地応答を受信し、企業特定情報と企業所在地特定情報とを取得する。地域貢献度判定装置100は、取得した企業特定情報と企業所在地特定情報とを関連付けて記憶する。地域貢献度判定装置100は、企業特定情報と企業間の取引情報を要求する情報とを含む、企業情報提供サーバ200を宛先とするその企業の企業間の取引情報を要求するための企業間取引情報要求を作成する。地域貢献度判定装置100は、作成した企業間取引情報要求を企業情報提供サーバ200へ送信する。
企業情報提供サーバ200は、地域貢献度判定装置100が送信した企業間取引情報要求を受信し、企業特定情報と企業間の取引情報を要求する情報とを取得する。企業情報提供サーバ200は、取得した企業特定情報と企業間の取引情報を要求する情報とに基づいて、企業特定情報に関連付けて記憶されている企業間の取引情報を取得する。企業情報提供サーバ200は、取得した企業間の取引情報と企業特定情報とを含む、地域貢献度判定装置100を宛先とする企業間取引情報応答を作成する。企業情報提供サーバ200は、作成した企業間取引情報応答を地域貢献度判定装置100へ送信する。
地域貢献度判定装置100は、企業情報提供サーバ200が送信した企業間取引情報応答を受信し、企業特定情報と企業間の取引情報とを取得する。地域貢献度判定装置100は、取得した企業特定情報に基づいて、企業所在地特定情報を取得する。地域貢献度判定装置100は、取得した企業間の取引情報と企業所在地特定情報に基づいて、企業の所在地を含む地域(エリア)でのその企業の活動を示す地域活動量(以下「企業間取引情報に基づく地域活動量」という)を少なくとも一つ算出する。
【0015】
地域貢献度判定装置100は、企業特定情報と企業の人事労務情報を要求する情報とを含む、企業情報提供サーバ200を宛先とする企業の人事労務情報を要求するための人事労務情報要求を作成する。地域貢献度判定装置100は、作成した人事労務情報要求を企業情報提供サーバ200へ送信する。企業情報提供サーバ200は、地域貢献度判定装置100が送信した人事労務情報要求を受信し、企業特定情報と人事労務情報を要求する情報とを取得する。企業情報提供サーバ200は、取得した企業特定情報と人事労務情報を要求する情報とに基づいて、企業特定情報に関連付けて記憶されている人事労務情報を取得する。企業情報提供サーバ200は、取得した人事労務情報と企業特定情報とを含む、地域貢献度判定装置100を宛先とする人事労務情報応答を作成する。企業情報提供サーバ200は、作成した人事労務情報応答を地域貢献度判定装置100へ送信する。
地域貢献度判定装置100は、企業情報提供サーバ200が送信した人事労務情報応答を受信し、企業特定情報と人事労務情報とを取得する。地域貢献度判定装置100は、取得した企業特定情報に基づいて、企業所在地特定情報を取得する。地域貢献度判定装置100は、取得した人事労務情報と所在地特定情報とに基づいて、企業の所在地を含む地域でのその企業の活動を示す地域活動量(以下「人事労務情報に基づく地域活動量」という)を少なくとも一つ算出する。
【0016】
地域貢献度判定装置100は、企業所在地特定情報と企業の所在地を含む地域の人流情報を要求する情報とを含む、地域情報提供サーバ300を宛先とするその企業の所在地を含む地域の人流情報を要求するための人流情報要求を作成する。地域貢献度判定装置100は、作成した人流情報要求を地域情報提供サーバ300へ送信する。地域情報提供サーバ300は、地域貢献度判定装置100が送信した人流情報要求を受信し、企業所在地特定情報とその企業の所在地を含む地域の人流情報を要求する情報とを取得する。地域情報提供サーバ300は、取得した企業所在地特定情報と企業の所在地を含む地域の人流情報を要求する情報とに基づいて、企業所在地特定情報に関連付けて記憶されている人流情報を取得する。企業情報提供サーバ200は、取得した人流情報と企業所在地特定情報とを含む、地域貢献度判定装置100を宛先とする人流情報応答を作成する。地域情報提供サーバ300は、作成した人流情報応答を地域貢献度判定装置100へ送信する。
地域貢献度判定装置100は、地域情報提供サーバ300が送信した人流情報応答を受信し、企業所在地特定情報と人流情報とを取得する。地域貢献度判定装置100は、取得した企業所在地特定情報と人流情報とに基づいて、所在地を含む地域でのその企業の活動を示す地域活動量(以下「人流情報に基づく地域活動量」という)を少なくとも一つ算出する。
【0017】
地域貢献度判定装置100は、企業所在地特定情報と、その企業の所在地を含む地域の物流情報を要求する情報とを含む、地域情報提供サーバ300を宛先とするその企業の所在地を含む地域の物流情報を要求するための物流情報要求を作成する。地域貢献度判定装置100は、作成した物流情報要求を地域情報提供サーバ300へ送信する。
地域情報提供サーバ300は、地域貢献度判定装置100が送信した物流情報要求を受信し、企業所在地特定情報と、その企業の所在地を含む地域の物流情報を要求する情報とを取得する。地域情報提供サーバ300は、取得した企業所在地特定情報と、その企業の所在地を含む地域の物流情報を要求する情報とに基づいて、企業所在地特定情報に関連付けて記憶されている物流情報を取得する。企業情報提供サーバ200は、取得した物流情報と企業所在地特定情報とを含む、地域貢献度判定装置100を宛先とする物流情報応答を作成する。地域情報提供サーバ300は、作成した物流情報応答を地域貢献度判定装置100へ送信する。地域貢献度判定装置100は、地域情報提供サーバ300が送信した物流情報応答を受信し、企業所在地特定情報と物流情報とを取得する。地域貢献度判定装置100は、取得した企業所在地特定情報と物流情報とに基づいて、所在地を含む地域でのその企業の活動を示す地域活動量(以下「物流情報に基づく地域活動量」という)を少なくとも一つ算出する。
【0018】
地域貢献度判定装置100は、算出した企業間取引情報に基づく地域活動量と人事労務情報に基づく地域活動量と人流情報に基づく地域活動量と物流情報に基づく地域活動量とに基づいて、地域への貢献度を示す地域貢献度を算出する。地域貢献度判定装置100は、企業特定情報と地域貢献度とを含む、自治体端末装置400を宛先とする地域への貢献度を通知するための地域貢献度通知を作成する。地域貢献度判定装置100は、作成した地域貢献度通知を自治体端末装置400へ送信する。
自治体端末装置400は、地域貢献度判定装置100が送信した地域貢献度通知を受信する。自治体端末装置400は、企業特定情報と地域貢献度とを取得する。自治体端末装置400は、取得した企業特定情報と地域貢献度とを関連付けて記憶する。自治体は、記憶された地域貢献度に基づいて、企業への報酬を決定する。以下、地域貢献度判定システム1に含まれる地域貢献度判定装置100と、企業情報提供サーバ200と、地域情報提供サーバ300との各々について、順次説明する。
【0019】
図3は、本実施形態の地域貢献度判定システムの詳細を示す図である。
(地域貢献度判定装置100) 地域貢献度判定装置100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。地域貢献度判定装置100は、例えば通信部102と処理部104と取得部106と地域活動量算出部107-1と地域貢献度算出部107-2と作成部108と記憶部110とを備える。
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部102は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、通信部102は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部102は、作成部108が出力した所在地要求と企業間取引情報要求と人事労務情報要求とを企業情報提供サーバ200へ送信する。通信部102は、作成部108が出力した人流情報要求と物流情報要求とを地域情報提供サーバ300へ送信する。通信部102は、作成部108が出力した地域貢献度通知を自治体端末装置400へ送信する。通信部102は、企業情報提供サーバ200が送信した所在地応答と企業間取引情報応答と人事労務情報応答とを受信する。通信部102は、地域情報提供サーバ300が送信した人流情報応答と物流情報応答とを受信する。
【0020】
作成部108は、企業特定情報と企業所在地特定情報を要求する情報とを含む、企業情報提供サーバ200を宛先とする、所在地要求を作成する。作成部108は、作成した所在地要求を通信部102へ出力する。処理部104は、通信部102が受信した所在地応答を取得する。処理部104は、取得した所在地応答に含まれる企業特定情報と企業所在地特定情報とを取得する。処理部104は、取得した企業特定情報と企業所在地特定情報とを関連付けて記憶部110に記憶させる。
作成部108は、企業特定情報と企業間の取引情報を要求する情報とを含む、企業情報提供サーバ200を宛先とする、企業間取引情報要求を作成する。作成部108は、作成した企業間取引情報要求を通信部102へ出力する。取得部106は、通信部102が受信した企業間取引情報応答を取得し、取得した企業間取引情報応答に含まれる企業特定情報と企業間の取引情報とを取得する。企業間の取引情報には、企業間取引数を特定する情報と金額を特定する情報とが含まれる。地域活動量算出部107-1は、取得部106が取得した企業特定情報と企業間の取引情報とを取得する。地域活動量算出部107-1は、取得した企業特定情報に関連付けて記憶されている企業所在地特定情報を取得する。地域活動量算出部107-1は、企業間の取引情報と企業所在地特定情報とに基づいて、企業間取引情報に基づく地域活動量を少なくとも一つ算出する。例えば企業間の取引情報に含まれる一又は複数の情報の各々が活動量に基づいて数値化されていてもよい。
【0021】
作成部108は、企業特定情報と企業の人事労務情報を要求する情報とを含む、企業情報提供サーバ200を宛先とする、人事労務情報要求を作成する。作成部108は、作成した人事労務情報要求を通信部102へ出力する。取得部106は、通信部102が受信した人事労務情報応答を取得し、取得した人事労務情報応答に含まれる企業特定情報と人事労務情報とを取得する。人事労務情報には、自治体の住民の雇用数を特定する情報と給与金額を特定する情報とが含まれる。地域活動量算出部107-1は、取得部106が取得した企業特定情報と人事労務情報とを取得する。地域活動量算出部107-1は、取得した企業特定情報に関連付けて記憶されている企業所在地特定情報を取得する。地域活動量算出部107-1は、人事労務情報と企業所在地特定情報とに基づいて、人事労務情報に基づく地域活動量を少なくとも一つ算出する。企業間取引情報に基づく地域活動量と人事労務情報に基づく地域活動量とを算出することによって、自治体の歳入の増加に直接関与する誘致企業の地域貢献度を求めることができる。例えば人事労務情報に含まれる一又は複数の情報の各々が活動量に基づいて数値化されていてもよい。
【0022】
作成部108は、企業所在地特定情報とその企業の所在地を含む地域の人流を特定する情報とを含む、地域情報提供サーバ300を宛先とする、人流情報要求を作成する。作成部108は、作成した人流情報要求を通信部102へ出力する。取得部106は、通信部102が受信した人流情報応答を取得し、取得した人流情報応答に含まれる企業所在地特定情報と人流情報とを取得する。人流情報には、地域の人材の多様性を特定する情報が含まれる。地域の人材の多様性とは、従来地域に存在しなかった人材ポジションの雇用創出の有無を特定する情報である。例えばサイト作成、デザインスキル所有者がいない駅前商店街地域に空き家再生事業で誘致した企業が同スキルを所有する人材を雇用・育成する。
これにより、駅前商店街のホームページ(HP: homepage)作成やクオリティの高い広告物の作成が容易に可能となり、商店街の活性化に貢献することが可能となる。自治体歳入増に直接は貢献しないが、地域貢献しているといえるためである。雇用創出がある場合には、その雇用数を特定する情報が含まれる。地域活動量算出部107-1は、取得部106が取得した企業所在地特定情報と人流情報とを取得する。地域活動量算出部107-1は、取得した企業所在地特定情報と人流情報とに基づいて、人流情報に基づく地域活動量を少なくとも一つ算出する。例えば人流情報に含まれる一又は複数の情報の各々が活動量に基づいて数値化されていてもよい。
【0023】
作成部108は、企業所在地特定情報と企業の所在地を含む地域の物流を特定する情報とを含む、地域情報提供サーバ300を宛先とする、物流情報要求を作成する。作成部108は、作成した物流情報要求を通信部102へ出力する。取得部106は、通信部102が受信した物流情報応答を取得し、取得した物流情報応答に含まれる企業所在地特定情報と物流情報とを取得する。物流情報には、人、モノのトランザクション数を特定する情報が含まれる。地域が活性すると自然と人流や物流のトランザクションの質と量は向上すると想定される。人流については、若者、子連れ家族、シニアなどの人自体の属性と地域が求める人の属性とを鑑みて、重みづけするようにしてもよい。価値のある人流を作り出したり、物流量を高めたりすることは、地域貢献しているといえるためである。地域活動量算出部107-1は、取得部106が取得した企業所在地特定情報と物流情報とを取得する。地域活動量算出部107-1は、取得した企業所在地特定情報と物流情報とに基づいて、物流情報に基づく地域活動量を少なくとも一つ算出する。人流情報に基づく地域活動量と物流情報に基づく地域活動量とを算出することによって、自治体の歳入の増加に直接関与しない(間接的に関与する)誘致企業の地域貢献度を求めることができる。
【0024】
地域貢献度算出部107-2は、少なくとも一つの企業間取引情報に基づく地域活動量と少なくとも一つの人事労務情報に基づく地域活動量と少なくとも一つの人流情報に基づく地域活動量と少なくとも一つの物流情報に基づく地域活動量とに基づいて、地域貢献度を算出する。具体的には、地域貢献度算出部107-2は、少なくとも一つの企業間取引情報に基づく地域活動量の各々と、少なくとも一つの人事労務情報に基づく地域活動量の各々と、少なくとも一つの人流情報に基づく地域活動量の各々と、少なくとも一つの物流情報に基づく地域活動量の各々との加重平均を計算する。作成部108は、地域貢献度算出部107-2が算出した地域貢献度を取得し、取得した地域貢献度を含む、自治体端末装置400を宛先とする地域貢献度通知を作成する。作成部108は、作成した地域貢献度通知を通信部102へ出力する。
記憶部110は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。
処理部104、取得部106、地域活動量算出部107-1、地域貢献度算出部107-2、及び作成部108は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0025】
(企業情報提供サーバ200) 企業情報提供サーバ200は、スマートフォン、携帯端末、又はパーソナルコンピュータ、タブレット端末装置、あるいはその他の情報処理機器として実現される。企業情報提供サーバ200は、例えば通信部202と処理部204と作成部208と記憶部210とを備える。
通信部202は、通信モジュールによって実現される。通信部202は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部202は、例えば有線LANなどの通信方式で通信する。また、通信部202は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部202は、地域貢献度判定装置100が送信した所在地要求と企業間取引情報要求と人事労務情報要求とを受信する。通信部202は、作成部208が出力した所在地応答と企業間取引情報応答と人事労務情報応答とを地域貢献度判定装置100へ送信する。
【0026】
記憶部210は、HDD、フラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部210には、企業特定情報と企業所在地特定情報とが関連付けられた一又は複数の情報(以下「企業所在地情報」という)と、企業特定情報と企業の企業間の取引情報とが関連付けられた一又は複数の情報(以下「企業取引情報」という)と、企業特定情報と企業の人事労務情報とが関連付けられた一又は複数の情報(以下「企業人事労務情報」という)とが記憶される。企業所在地情報と企業取引情報と企業人事労務情報とがクラウド上に記憶されていてもよい。
処理部204は、通信部202が受信した所在地要求を取得し、取得した所在地要求に含まれる企業特定情報と企業所在地特定情報を要求する情報とを取得する。処理部204は、取得した企業特定情報と関連付けて記憶されている企業所在地特定情報を記憶部210の企業所在地情報から取得する。作成部208は、処理部204から企業特定情報と企業所在地特定情報とを取得する。作成部208は、取得した企業所在地特定情報と企業特定情報とを含む、地域貢献度判定装置100を宛先とする所在地応答を作成する。処理部204は、作成した所在地応答を通信部202へ出力する。
【0027】
処理部204は、通信部202が受信した企業間取引情報要求を取得し、取得した企業間取引情報要求に含まれる企業特定情報と企業間の取引情報を要求する情報とを取得する。処理部204は、取得した企業特定情報と関連付けて記憶されている企業の企業間の取引情報を記憶部210の企業取引情報から取得する。作成部208は、処理部204から企業特定情報と企業の企業間の取引情報とを取得する。作成部208は、取得した企業特定情報と企業の企業間の取引情報とを含む、地域貢献度判定装置100を宛先とする企業間取引情報応答を作成する。処理部204は、作成した企業間取引情報応答を通信部202へ出力する。
処理部204は、通信部202が受信した人事労務情報要求を取得し、取得した人事労務情報要求に含まれる企業特定情報と人事労務情報を要求する情報とを取得する。処理部204は、取得した企業特定情報と関連付けて記憶されている人事労務情報を記憶部210の企業人事労務情報から取得する。作成部208は、処理部204から企業特定情報と企業の人事労務情報とを取得する。作成部208は、取得した企業特定情報と企業の人事労務情報とを含む、地域貢献度判定装置100を宛先とする人事労務情報応答を作成する。処理部204は、作成した人事労務情報応答を通信部202へ出力する。
処理部204、作成部208は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部210に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0028】
(地域情報提供サーバ300) 地域情報提供サーバ300は、スマートフォン、携帯端末、又はパーソナルコンピュータ、タブレット端末装置、あるいはその他の情報処理機器として実現される。地域情報提供サーバ300は、例えば、通信部302と処理部304と作成部308と記憶部310とを備える。
通信部302は、通信モジュールによって実現される。通信部302は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部302は、例えば有線LANなどの通信方式で通信する。また、通信部302は、例えば、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部302は、地域貢献度判定装置100が送信した人流情報要求と物流情報要求とを受信する。通信部302は、作成部308が出力した人流情報応答と物流情報応答とを地域貢献度判定装置100へ送信する。
記憶部310は、HDD、フラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部310には、地域を特定する情報とその地域の人流を特定する情報とが関連付けられた一又は複数の情報(以下「地域人流情報」という)と、地域を特定する情報とその地域の物流情報とが関連付けられた一又は複数の情報(以下「地域物流情報」という)とが記憶される。地域人流情報と地域物流情報とがクラウド上に記憶されていてもよい。
【0029】
処理部304は、通信部302が受信した人流情報要求を取得し、取得した人流情報要求に含まれる企業所在地特定情報と、その企業の所在地を含む地域の人流情報を要求する情報とを取得する。処理部304は、取得した企業所在地特定情報に基づいて、企業の所在地を含む地域を特定する情報に関連付けて記憶されているその地域の人流を特定する情報を記憶部310の地域人流情報から取得する。作成部308は、処理部304から企業所在地特定情報と人流を特定する情報とを取得する。作成部308は、取得した企業所在地特定情報と人流を特定する情報とを含む、地域貢献度判定装置100を宛先とする人流情報応答を作成する。処理部304は、作成した人流情報応答を通信部302へ出力する。
処理部304は、通信部302が受信した物流情報要求を取得し、取得した物流情報要求に含まれる企業所在地特定情報と企業の所在地を含む地域の物流情報を要求する情報とを取得する。処理部304は、取得した企業所在地特定情報に基づいて、企業の所在地を含む地域を特定する情報に関連付けて記憶されているその地域の物流を特定する情報を記憶部310の地域物流情報から取得する。作成部308は、処理部304から企業所在地特定情報と物流を特定する情報とを取得する。作成部308は、取得した企業所在地特定情報と物流を特定する情報とを含む、地域貢献度判定装置100を宛先とする物流情報応答を作成する。作成部308は、作成した物流情報応答を通信部302へ出力する。
処理部304、作成部308は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部310に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0030】
(地域貢献度判定システム1の動作) 図4は、本実施形態の地域貢献度判定システムの動作の例1を示す図である。
(ステップS1-1) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、所在地要求を作成する。
(ステップS2-1) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、作成した所在地要求を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部108が出力した所在地要求を企業情報提供サーバ200へ送信する。
(ステップS3-1) 企業情報提供サーバ200において、通信部202は、地域貢献度判定装置100が送信した所在地要求を受信する。処理部204は、通信部202が受信した所在地要求を取得し、取得した所在地要求に含まれる企業特定情報と企業所在地特定情報を要求する情報とを取得する。処理部204は、取得した企業特定情報と関連付けて記憶されている企業所在地特定情報を記憶部210の企業所在地情報から取得する。作成部208は、処理部204から企業所在地特定情報と企業特定情報とを取得し、所在地応答を作成する。
(ステップS4-1) 企業情報提供サーバ200において、処理部204は、作成した所在地応答を通信部202へ出力する。通信部202は、処理部204が出力した所在地応答を地域貢献度判定装置100へ送信する。
(ステップS5-1) 地域貢献度判定装置100において、通信部102は、企業情報提供サーバ200が送信した所在地応答を受信する。処理部104は、通信部102から取得した所在地応答に含まれる企業特定情報と企業所在地特定情報とを取得する。処理部104は、取得した企業特定情報と企業所在地特定情報とを関連付けて記憶部110に記憶させる。
【0031】
(ステップS6-1) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、企業間取引情報要求を作成する。
(ステップS7-1) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、作成した企業間取引情報要求を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部108が出力した企業間取引情報要求を企業情報提供サーバ200へ送信する。
(ステップS8-1) 企業情報提供サーバ200において、通信部202は、地域貢献度判定装置100が送信した企業間取引情報要求を受信する。処理部204は、通信部202から取得した企業間取引情報要求に含まれる企業特定情報と企業間の取引情報を要求する情報とを取得する。処理部204は、取得した企業特定情報と関連付けて記憶されている企業の企業間の取引情報を記憶部210の企業取引情報から取得する。作成部208は、処理部204から企業特定情報と企業の企業間の取引情報とを取得し、企業間取引情報応答を作成する。
(ステップS9-1) 企業情報提供サーバ200において、処理部204は、作成した企業間取引情報応答を通信部202へ出力する。通信部202は、処理部204が出力した企業間取引情報応答を地域貢献度判定装置100へ送信する。
(ステップS10-1) 地域貢献度判定装置100において、通信部102は、企業情報提供サーバ200が送信した企業間取引情報応答を受信する。
【0032】
(ステップS11-1) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、人事労務情報要求を作成する。
(ステップS12-1) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、作成した人事労務情報要求を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部108が出力した人事労務情報要求を企業情報提供サーバ200へ送信する。
(ステップS13-1) 企業情報提供サーバ200において、通信部202は、地域貢献度判定装置100が送信した人事労務情報要求を受信する。処理部204は、通信部202が受信した人事労務情報要求に含まれる企業特定情報と人事労務情報を要求する情報とを取得する。処理部204は、取得した企業特定情報と関連付けて記憶されている人事労務情報を記憶部210の企業人事労務情報から取得する。作成部208は、処理部204から企業特定情報と企業の人事労務情報とを取得し、人事労務情報応答を作成する。
(ステップS14-1) 企業情報提供サーバ200において、処理部204は、作成した人事労務情報応答を通信部202へ出力する。通信部202は、処理部204が出力した人事労務情報応答を地域貢献度判定装置100へ送信する。
(ステップS15-1) 地域貢献度判定装置100において、通信部102は、企業情報提供サーバ200が送信した人事労務情報応答を受信する。
【0033】
図5は、本実施形態の地域貢献度判定システムの動作の例2を示す図である。
(ステップS1-2) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、人流情報要求を作成する。
(ステップS2-2) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、作成した人流情報要求を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部108が出力した人流情報要求を企業情報提供サーバ200へ送信する。
(ステップS3-2) 地域情報提供サーバ300において、通信部302は、地域貢献度判定装置100が送信した人流情報要求を受信する。処理部304は、通信部302が受信した人流情報要求に含まれる企業所在地特定情報と企業の所在地を含む地域の人流情報を要求する情報とを取得する。処理部304は、取得した企業所在地特定情報に基づいて企業の所在地を含む地域を特定する情報に関連付けて記憶されているその地域の人流を特定する情報を記憶部310の地域人流情報から取得する。作成部308は、処理部304から企業所在地特定情報と人流を特定する情報とを取得し人流情報応答を作成する。
(ステップS4-2) 地域情報提供サーバ300において、処理部304は、作成した人流情報応答を通信部302へ出力する。通信部302は、処理部304が出力した人流情報応答を地域貢献度判定装置100へ送信する。
(ステップS5-2) 地域貢献度判定装置100において、通信部102は、地域情報提供サーバ300が送信した人流情報応答を受信する。
【0034】
(ステップS6-2) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、物流情報要求を作成する。
(ステップS7-2) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、作成した物流情報要求を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部108が出力した物流情報要求を地域情報提供サーバ300へ送信する。
(ステップS8-2) 地域情報提供サーバ300において、通信部302は、地域貢献度判定装置100が送信した物流情報要求を受信する。処理部304は、通信部302が受信した物流情報要求に含まれる企業所在地特定情報と企業の所在地を含む地域の物流情報を要求する情報とを取得する。処理部304は、取得した企業所在地特定情報に基づいて企業の所在地を含む地域を特定する情報に関連付けて記憶されているその地域の物流を特定する情報を記憶部310の地域物流情報から取得する。作成部308は、処理部304から企業所在地特定情報と物流を特定する情報とを取得し物流情報応答を作成する。
(ステップS9-2) 地域情報提供サーバ300において、作成部308は、作成した物流情報応答を通信部302へ出力する。通信部302は、作成部308が出力した物流情報応答を地域貢献度判定装置100へ送信する。
(ステップS10-2) 地域貢献度判定装置100において、通信部102は、地域情報提供サーバ300が送信した物流情報応答を受信する。
【0035】
図6は、本実施形態の地域貢献度判定システムの動作の例3を示す図である。
(ステップS1-3) 地域貢献度判定装置100において、取得部106は、通信部102が受信した企業間取引情報応答に含まれる企業特定情報と企業間の取引情報とを取得する。
(ステップS2-3) 地域貢献度判定装置100において、地域活動量算出部107-1は、取得部106が取得した企業特定情報に関連付けて記憶されている企業所在地特定情報を取得し、企業間取引情報に基づく地域活動量を少なくとも一つ算出する。
(ステップS3-3) 地域貢献度判定装置100において、取得部106は通信部102が受信した人事労務情報応答に含まれる企業特定情報と人事労務情報とを取得する。
(ステップS4-3) 地域貢献度判定装置100において、地域活動量算出部107-1は、取得部106が取得した企業特定情報に関連付けて記憶されている企業所在地特定情報を取得し、人事労務情報に基づく地域活動量を少なくとも一つ算出する。
(ステップS5-3) 地域貢献度判定装置100において、取得部106は、通信部102が受信した人流情報応答に含まれる企業所在地特定情報と人流情報とを取得する。
(ステップS6-3) 地域貢献度判定装置100において、地域活動量算出部107-1は、取得部106が取得した企業所在地特定情報と人流情報とに基づいて、人流情報に基づく地域活動量を少なくとも一つ算出する。
【0036】
(ステップS7-3) 地域貢献度判定装置100において、取得部106は、通信部102が受信した物流情報応答に含まれる企業所在地特定情報と物流情報とを取得する。
(ステップS8-3) 地域貢献度判定装置100において、地域活動量算出部107-1は、取得部106が取得した企業所在地特定情報と物流情報とに基づいて、物流情報に基づく地域活動量を少なくとも一つ算出する。
(ステップS9-3) 地域貢献度判定装置100において、地域貢献度算出部107-2は、少なくとも一つの企業間取引情報に基づく地域活動量と、少なくとも一つの人事労務情報に基づく地域活動量と、少なくとも一つの人流情報に基づく地域活動量と、少なくとも一つの物流情報に基づく地域活動量とに基づいて、地域貢献度を算出する。
(ステップS10-3) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、算出部107が算出した地域貢献度を取得し、地域貢献度通知を作成する。
(ステップS11-3) 地域貢献度判定装置100において、作成部108は、作成した地域貢献度通知を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部108が出力した地域貢献度通知を自治体端末装置400へ送信する。
(ステップS12-3) 自治体端末装置400は、地域貢献度判定装置100が送信した地域貢献度通知を受信する。自治体端末装置400は、受信した地域貢献度通知に含まれる企業特定情報と地域貢献度とを取得する。自治体端末装置400は、取得した企業特定情報と地域貢献度とを関連付けて記憶する。
【0037】
前述した実施形態では、地域活動量算出部107-1が、企業間取引情報に基づく地域活動量と人事労務情報に基づく地域活動量と人流情報に基づく地域活動量と物流情報に基づく地域活動量とを算出する場合について説明したが、この例に限られない。例えば地域活動量算出部107-1が、企業間取引情報に基づく地域活動量と人事労務情報に基づく地域活動量と人流情報に基づく地域活動量と物流情報に基づく地域活動量との少なくとも一つを算出するようにしてもよい。この場合地域貢献度算出部107-2は、企業間取引情報に基づく地域活動量と人事労務情報に基づく地域活動量と人流情報に基づく地域活動量と物流情報に基づく地域活動量との少なくとも一つに基づいて地域貢献度を算出する。
前述した実施形態において、企業情報提供サーバ200に代わりに法人向けクラウドサービスを利用してもよい。例えば企業間取引数・取引金額を取得するためにBtoB請求代行サービスを利用してもよく、雇用人数・給与金額・雇用職種を取得するために人事労務管理サービスを利用してもよく、位置情報ビッグデータサービスを利用してもよい。地域情報提供サーバ300に代わりに個人向けスマホアプリを利用してもよい。例えば就労情報を取得するためにソーシャル・ネットワーキングサービス(social networking service, SNS)を利用してもよく、給与金額を取得するために資産管理アプリを利用してもよい。
【0038】
本実施形態の地域貢献度判定システム1によれば、地域貢献度判定装置100は、事業者の所在地を記憶する記憶部110と、事業者の地域活動を示す情報である地域活動情報を取得する取得部106と、地域活動情報から事業者の所在地を含む地域での活動を示す少なくとも一つの地域活動量を算出する地域活動量算出部107-1と、少なくとも一つの地域活動量に基づき地域での地域貢献度を算出する地域貢献度算出部107-2とを備える。このように構成することによって、地域での地域貢献度を算出できるため、企業などの事業者が地域へどの程度貢献しているかを判定できる。企業などの事業者が地域へどの程度貢献しているかを判定できるため、自治体は、誘致した企業の地域への貢献度に応じて事業者へインセンティブを付与できることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標11「住み続けられるまちづくりを」に貢献することが可能となる。
前述した地域貢献度判定装置100において、地域活動情報は、事業者の取引相手に関する取引先情報と事業者の従業員に関する人事労務情報と事業者の所在地を含む所定のエリアへの人流情報と事業者の所在地に対する物流情報との少なくとも一つである。このように構成することによって、取引先情報と人事労務情報と人流情報と物流情報との少なくとも一つに基づいて地域活動量を算出できる。
前述した地域貢献度判定装置100において、地域活動量算出部107-1は、事業者の取引相手に関する取引先情報に含まれる取引先の数又は取引金額に基づき地域活動量を算出する。具体的には、地域活動量算出部107-1は、取引先の数、取引金額が大きいほど地域活動量が大きくなるよう地域活動量を算出する。
【0039】
前述した地域貢献度判定装置100において、地域活動量算出部107-1は、事業者の従業員に関する人事労務情報に含まれる雇用人数と給与額と職種とのうち少なくとも一つに基づき地域活動量を算出する。具体的には、地域活動量算出部107-1は、雇用人数が多い又は給与額が大きいほど地域活動量が大きくなるよう貢献度を算出する。職種の貢献度は予め設定されてもよい。職種の貢献度は、地域貢献度判定装置100が取得した職種ごとの当該地域における人数や求人数に応じて、地域活動量を算出してもよい。
前述した地域貢献度判定装置100において、地域活動量算出部107-1は、事業者の所在地を含む所定のエリアへの人流情報に含まれる事業者が所在地に移転する前のエリアの滞在人数と移動量とのいずれか一方又は両方と事業者が所在地に移転した後の滞在人数と移動量とのいずれか一方又は両方とに基づき地域活動量を算出する。具体的には、地域活動量算出部107-1は、移転前後の差が大きいほど活動量が大きくなるように算出する。滞在人数は、携帯端末の位置情報に基づき算出した情報を利用してもよく、交通量調査等の公開されている情報を利用してもよく、地域貢献度判定装置100が当該事業者の入館管理サービスを提供する場合は入館ログを利用してもよい。滞在人数の取得方法は何でもよい。移動量は、該当のエリアに所定の期間滞在した人を対象に、その人の自宅住所から当該エリア住所までの距離をいう。移動量に基づき地域活動量を算出することによって、人の動きが活性化したか否かを把握できる。例えば、皆が自宅にずっといるよりも買物に行く、運動するなどの人の動きが活性化したか否かを把握できる。
前述した地域貢献度判定装置100において、地域活動量算出部107-1は、事業者の所在地に対する物流情報に含まれる物品の配送量に基づき前記地域活動量を算出する。物品の配送料は事業者の商品の出荷や材料の入荷などの配送情報を利用してもよく、配送事業者が提供する配送データを利用してもよい、地域貢献度判定装置100が配送管理サービスを提供する場合は、配送管理システムの配送データを利用してもよい。物品の配送料の取得方法は何でもよい。
【0040】
(実施形態の変形例1) 実施形態の変形例1の地域貢献度判定システムの構成例は、図1を適用できる。ただし、地域貢献度判定装置100の代わりに地域貢献度判定装置100aを備える。地域貢献度判定装置100aは、地域貢献度判定装置100の機能に加えて、地域貢献度を向上させる施策を提供する機能を有する。
図7は、実施形態の変形例1の地域貢献度判定装置の詳細を示す図である。地域貢献度判定装置100aは、地域貢献度判定装置100と比較して、施策提供部109を備える点で異なる。施策提供部109は、事業者に対して地域貢献度を向上させる施策を提供する。具体的には、施策提供部109は、地域貢献度算出部107-2が算出した地域貢献度に対する複数の地域活動量の各々の寄与度を求め、求めた寄与度が予め設定した寄与度閾値以下の地域活動量を向上させる施策を提供する。
図8Aは、施策の例1を説明するための図である。図8Aに示すように施策提供部109は、企業活動量が一定条件を超える場合には減税と一時給付金とのいずれか一方又は両方を事業者へ提供し、企業活動量が一定条件に満たない場合には事業者に罰則金を支払わせる施策を提供する。施策の一例は活動量の高い企業を模倣するレコメンドである。例えばレコメンドは、同一地域で貢献度の高い職種採用のレコメンドと類似地域で貢献度の高い職種採用のレコメンドと自社事業拡大にも役立つ職種応募のレコメンドとを含む。
図8Bは、インセンティブの例2を説明するための図である。職種Aの企業Aが地域1に存在している場合に、以下のレコメンドを行う。施策提供部109は、同一地域で貢献度の高い職種採用のレコメンドの一例として、同じ地域1に存在している企業Bに対して職種Aの人材の採用が有効であることをレコメンドする。施策提供部109は、類似地域で貢献度の高い職種採用のレコメンドとして、地域1と類似する地域2に存在している企業Cに対して職種Aの採用が有効であることをレコメンドする。施策提供部109は、自社事業拡大にも役立つ職種応募のレコメンドの一例として、企業Cの事業拡大のためには、職種Aの周辺の職種Bの採用が有効であることをレコメンドする。ここで、周辺の職種とは類似する職種同士である。類似する職種同士には、例えば、デザイナーとフォトグラファーとコピーライターとが含まれ、プログラマーとソフトウェア設計者とが含まれ、法務と知財とが含まれる。
【0041】
企業活動支援PFによる地域貢献の企業活動量を向上させる施策の具体例について説明する。企業間取引数・金額を増加させる施策として、企業が既存取引で取り扱う商材・サービスの代替商材・サービスを提供可能な地域企業と料金の紹介があげられる。これによって例えば事業者は従来から行っている飲料仕入れについて安く卸してくれる地域企業が分かる。事業者に企業の既存取引の窓口を一本化できる地域企業を紹介できる。取引毎に複数会社と取引するのは大変であるが、複数取引の窓口一本化できる地域企業がわかる。
雇用数・給与金額を増加させる施策として、地域の求職者、転職希望者情報の紹介が挙げられる。これによって、事業者は潜在的な求職者情報が分かるため、直接ハイヤリングできる。また、地域の雇用給与水準を共有できるため、地域の給与水準よりも少しよい条件とすることで良い人材を雇用できる場合がある。このため、地域活動量を向上できる。
地域人材の多様性を増加させる施策として、地域の労働者の職種情報の紹介があげられる。これによって、地域にない(少ない)職種を募集・採用することで、地域人材の多様性に貢献できる。このため、地域活動量を向上できる。人・モノのトランザクションを増加させる施策として、人流・物流情報を参照することがあげられる。これによって、トランザクションの少ないエリアを把握できるため、トランザクション数を増やす施策を実施できる。トランザクションの多すぎるエリアを把握し、トランザクション数を調整する施策を実現できる。
【0042】
実施形態の変形例1の地域貢献度判定システム1aによれば、地域貢献度判定装置100aは、前述した地域貢献度判定装置100において、事業者に対して地域貢献度を向上させる施策を提供する施策提供部109を更に備える。施策提供部109は、事業者に対して地域貢献度に対する寄与度が寄与度閾値以下である地域活動量を向上させる施策を提供する。施策提供部109は、事業者の取引相手に関する取引先情報に含まれない地域の取引先を特定する情報を通知する。施策提供部は109、事業者の取引相手に関する取引先情報に含まれる業種に基づき取引先を特定する情報を通知する。施策提供部109は、事業者へ地域の求職に対する人材応募情報を通知する。施策提供部109は、事業者へ地域における職種情報を通知する。
企業活動支援PFは求人情報提供サービスを提供するために求人情報を取得して記憶しておき、その情報に基づき提案してもよい。また、求人情報や企業活動支援PFが扱う複数の事業者の人材労務情報を記憶し、当該情報から職種ごとの統計情報に基づき、当該地域での数の少ない職種を通知してもよい。これにより、地域の職種の多様性に企業が貢献することで、より貢献度が向上する。事業者に地域貢献度を向上させるために、地域活動量を向上させることを促すことができる。
【0043】
(実施形態の変形例2) 実施形態の変形例2の地域貢献度判定システムの構成例は、図1を適用できる。ただし、地域貢献度判定装置100の代わりに地域貢献度判定装置100bを備える。地域貢献度判定装置100bは、地域貢献度判定装置100の機能に加えて、報酬支払組織から企業誘致を委託された事業者にフィードバックされる報酬を決定する機能と、報酬支払組織から企業誘致を委託された事業者にフィードバックされた報酬のうち、誘致された企業に分配する額を決定する機能を有する。
図9は、実施形態の変形例2の地域貢献度判定装置の詳細を示す図である。地域貢献度判定装置100bは、地域貢献度判定装置100と比較して、報酬決定部111と、報酬分配部112とを備える点で異なる。報酬決定部111は、企業誘致を委託された事業者にフィードバックされる報酬を決定する。具体的には、報酬決定部111は、誘致された企業の地域貢献度に基づいて報酬支払組織から企業誘致を委託された事業者にフィードバックされる(支払われる)報酬を決定する。報酬分配部112は、企業誘致を委託された事業者にフィードバックされた報酬のうち、誘致された企業に分配する額を決定する。具体的には、報酬分配部112は、誘致された企業の地域貢献度に基づいて報酬支払組織から企業誘致を委託された事業者に支払われる報酬の一部を誘致された企業にフィードバックする報酬とする。報酬分配部112は、報酬から一律何%又は報酬から定額を分配する額としてもよい。また、分配する額の決定方法は、これらに限られない。
実施形態の変形例2の地域貢献度判定システム1bによれば、地域貢献度判定装置100bは、前述した地域貢献度判定装置100において、地域貢献度算出部107-2が算出した事業者の地域貢献度に基づいて事業者を所在地へ誘致した誘致事業者に対する報酬を決定する報酬決定部111をさらに備える。報酬決定部111が決定した報酬に基づいて所在地に移転した事業者へ分配する報酬を決定する報酬分配部112をさらに備える。報酬分配部112は、地域貢献度算出部107-2が算出した事業者の地域貢献度に基づいて所在地に移転した事業者へ分配する報酬を決定する。このように構成することによって、誘致事業者に対する報酬の一部を移転した事業者にフィードバックされる仕組みを導入できるため、誘致された企業が更に企業活動量を増加させるモチベーションに繋がり、企業活動を促すことができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、実施形態の変形例1と変形例2とが組み合わされてもよい。例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0045】
1、1a、1b…地域貢献度判定システム、100、100a、100b…地域貢献度判定装置、102…通信部、104…処理部、106…取得部、107…算出部、108…作成部、109…施策提供部、110…記憶部、111…報酬決定部、200…企業情報提供サーバ、202…通信部、204…処理部、208…作成部、210…記憶部、300…地域情報提供サーバ、302…通信部、304…処理部、308…作成部、310…記憶部、400…自治体端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9