(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】木質壁の取付構造
(51)【国際特許分類】
E04B 2/56 20060101AFI20240729BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
E04B2/56 632J
E04B2/56 645F
E04H9/02 321E
(21)【出願番号】P 2021053731
(22)【出願日】2021-03-26
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(73)【特許権者】
【識別番号】000183428
【氏名又は名称】住友林業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【氏名又は名称】松永 宣行
(72)【発明者】
【氏名】増子 寛
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼林 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】青木 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 真理恵
(72)【発明者】
【氏名】前川 利雄
(72)【発明者】
【氏名】野田 亜久里
(72)【発明者】
【氏名】南 遼太
(72)【発明者】
【氏名】仙葉 香織
(72)【発明者】
【氏名】熊川 佳伸
(72)【発明者】
【氏名】黒田 瑛一
(72)【発明者】
【氏名】萩生田 秀之
(72)【発明者】
【氏名】池谷 聡史
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-101052(JP,A)
【文献】特開2018-162602(JP,A)
【文献】特開2002-339490(JP,A)
【文献】特開2019-094771(JP,A)
【文献】特開2001-349091(JP,A)
【文献】特開2018-080569(JP,A)
【文献】米国特許第05303524(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/56
E04H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中層又は高層の建物の上部及び下部の2つの鉄骨梁間に配置される木質壁の取付構造であって、
上部鉄骨梁下に形成されこれと一体をなす上部断熱層及び下部鉄骨梁上に形成されこれと一体をなす下部断熱層と、
前記上部断熱層に固定され前記上部断熱層からそれぞれ下方へ突出する複数の鋼製の棒部材であって前記木質壁の上端部に設けられ上方に向けてそれぞれ開放する複数の穴に圧入された複数の棒部材と、
前記下部断熱層に固定され前記下部断熱層からそれぞれ上方へ突出する複数の鋼製の棒部材であって前記木質壁の下端部に設けられ下方に向けてそれぞれ開放する複数の穴に圧入された複数の棒部材と、
前記上部断熱層及び前記下部断熱層のいずれか一方と前記木質壁の両側部とに伸縮可能に通され上下方向へ伸びる複数の鋼棒であって各鋼棒がその上端部及び下端部において、それぞれ、前記上部鉄骨梁及び前記木質壁の下端部、又は、前記下部鉄骨梁及び前記木質壁の上端部に固定されている複数の鋼棒とを備える、木質壁の取付構造。
【請求項2】
前記上部断熱層に固定され前記上部断熱層からそれぞれ下方へ突出する複数の鋼製の棒部材であって前記木質壁の上端部に設けられ上方に向けてそれぞれ開放する複数の穴に圧入された複数の棒部材は、さらに、前記上部鉄骨梁に固定されている、請求項1に記載の木質壁の取付構造。
【請求項3】
前記下部断熱層に固定され前記下部断熱層からそれぞれ上方へ突出する複数の鋼製の棒部材であって前記木質壁の下端部に設けられ下方に向けてそれぞれ開放する複数の穴に圧入された複数の棒部材は、さらに、前記下部鉄骨梁に固定されている、請求項1又は2に記載の木質壁の取付構造。
【請求項4】
前記上部断熱層に固定され前記上部断熱層からそれぞれ下方へ突出する複数の鋼製の棒部材であって前記木質壁の上端部に設けられ上方に向けてそれぞれ開放する複数の穴に圧入された複数の棒部材に代えて、
前記上部鉄骨梁及び上部断熱層に固定された、前記上部断熱層から下方へ突出する鋼製のプレートであって前記木質壁の上端部に設けられ上方に向けて開放する一条の溝に受け入れられかつ前記プレート及び前記木質壁の上端部を貫通する複数のピンを介して前記木質壁に連結されているプレートを備える、請求項1又は3に記載の木質壁の取付構造。
【請求項5】
前記下部断熱層に固定され前記下部断熱層からそれぞれ上方へ突出する複数の鋼製の棒部材であって前記木質壁の下端部に設けられ下方に向けてそれぞれ開放する複数の穴に圧入された複数の棒部材に代えて、
前記下部鉄骨梁及び下部断熱層に固定された、前記下部断熱層から下方へ突出する鋼製のプレートであって前記木質壁の下端部に設けられ下方に向けて開放する一条の溝に受け入れられかつ前記プレート及び前記木質壁の下端部を貫通する複数のピンを介して前記木質壁に連結されているプレートを備える、請求項1、2又は4に記載の木質壁の取付構造。
【請求項6】
前記上部断熱層に固定され前記上部断熱層からそれぞれ下方へ突出する複数の鋼製の棒部材であって前記木質壁の上端部に設けられ上方に向けてそれぞれ開放する複数の穴に圧入された複数の棒部材に代えて、
前記木質壁の上端部及び前記上部断熱層にそれぞれ設けられ互いに嵌まり合う複数の凸部及び凹部を備える、請求項1、3又は5に記載の木質壁の取付構造。
【請求項7】
前記下部断熱層に固定され前記下部断熱層からそれぞれ上方へ突出する複数の鋼製の棒部材であって前記木質壁の下端部に設けられ下方に向けてそれぞれ開放する複数の穴に圧入された複数の棒部材に代えて、
前記木質壁の下端部及び前記下部断熱層にそれぞれ設けられ互いに嵌まり合う複数の凸部及び凹部を備える、請求項1、2、4又は6に記載の木質壁の取付構造。
【請求項8】
前記上部鉄骨梁及び前記下部鉄骨梁は、それぞれ、鉄骨造のフレーム架構を構成する上下一対の梁からなる、請求項1~7のいずれか1項に記載の木質壁の取付構造。
【請求項9】
前記上部鉄骨梁及び下部鉄骨梁は、それぞれ、水平方向に関して互いに相対する2つの鉄骨造のフレーム架構を構成する上下2対の梁間に配置されこれらの上下2対の梁にそれぞれ接合された上下2つの他の梁からなる請求項1~7のいずれか1項に記載の木質壁の取付構造。
【請求項10】
前記木質壁はその各側部と前記下部断熱層との間に隙間を規定する切り欠きを有し、
前記鋼棒の下端部は前記切り欠きの内部に配置された支圧板を経て伸び、前記支圧板を介して前記木質壁の下端部に固定されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の木質壁の取付構造。
【請求項11】
前記木質壁は互いに重ね合わされた2つの木製パネルからなる、請求項1~10のいずれか1項に記載の木質壁の取付構造。
【請求項12】
前記棒部材はドリフトピンからなる、請求項1に記載の木質壁の取付構造。
【請求項13】
前記木質壁はその両面に開放する複数の貫通穴を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の木質壁の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中層又は高層の建物における木質壁の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中層又は高層の建物の軽量化、美的造形等の観点から、壁の一部を木質壁とすることが提案されている。木質壁は建物の上部及び下部の2つの鉄骨梁間に配置され、その上端部及び下端部において、2つのせん断力伝達手段を介して上部鉄骨梁及び下部鉄骨梁に取り付けられ、上下に伸びる2つの引張力伝達部材が木質壁の両側方に配置されている。
【0003】
ところで、両引張力伝達部材はこれらの両端部において上部鉄骨梁及び下部鉄骨梁に接続されている。このため、建物全体の崩壊形の確認が不明解で複雑な構造計算を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の実情に鑑み、中層又は高層の建物の構造計画に当たり、建物全体の崩壊形の確認が容易であり、また、より簡易な構造計算が可能である木質壁の取付構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、中層又は高層の建物の上部及び下部の2つの鉄骨梁間に配置される木質壁の取付構造に係る。前記取付構造は、上部鉄骨梁下に形成されこれと一体をなす上部断熱層及び下部鉄骨梁上に形成されこれと一体をなす下部断熱層と、前記上部断熱層に固定され前記上部断熱層からそれぞれ下方へ突出する複数の鋼製の棒部材(以下、便宜的に「上方の棒部材」と称することがある。)と、前記下部断熱層に固定され前記下部断熱層からそれぞれ上方へ突出する複数の鋼製の棒部材(以下、便宜的に「下方の棒部材」と称することがある。)と、複数の鋼棒とを備える。複数の上方の棒部材は、前記木質壁の上端部に設けられ上方に向けてそれぞれ開放する複数の穴(以下、便宜的に「木質壁の上端部の複数の穴」と称することがある。)に圧入されている。また、複数の下方の棒部材は、前記木質壁の下端部に設けられ下方に向けてそれぞれ開放する複数の穴(以下、便宜的に「木質壁の下端部の複数の穴」と称することがある。)に圧入されている。前記複数の鋼棒は、前記上部断熱層及び前記下部断熱層のいずれか一方と前記木質壁の両側部とに伸縮可能に通され上下方向へ伸びている。また、各鋼棒はその上端部及び下端部において、それぞれ、前記上部鉄骨梁及び前記木質壁の下端部、又は、前記下部鉄骨梁及び前記木質壁の上端部に固定されている。ここにおいて、複数の上方の棒部材がさらに前記上部鉄骨梁に固定されているものとし(変形例1)、複数の下方の棒部材がさらに前記下部鉄骨梁に固定されているものとし(変形例2)、あるいは、複数の上方の棒部材及び複数の下方の棒部材が、それぞれ、前記上部鉄骨梁及び前記下部鉄骨梁にさらに固定されているものとすることができる(変形例3)。
【0007】
前記木質壁の取付構造にあっては、複数の上方の棒部材が地震時における前記上部断熱層及び前記木質壁間におけるせん断力伝達手段としての働きをなし、また、複数の下方の棒部材が前記下部断熱層及び前記木質壁間におけるせん断力伝達手段としての働きをなす。さらに、前記複数の鋼棒が引張力伝達手段としての働きをなす。また、前記上部断熱層及び前記下部断熱層は、前記建物の火災時における前記木質壁の発火に伴う該木質壁から上部及び下部の両鉄骨梁への熱の伝達を遮断する働きをなす。
【0008】
前記木質壁の上端部の複数の穴に圧入された複数の上方の棒部材については、これらに代えて、前記上部鉄骨梁及び上部断熱層に固定された、前記上部断熱層から下方へ突出する鋼製のプレートであって前記木質壁の上端部に設けられ上方に向けて開放する一条の溝に受け入れられかつ前記プレート及び前記木質壁の上部を貫通する複数のピンを介して前記木質壁に連結されたプレートからなるものとすることができる(変形例4)。これによれば、前記プレートが、地震時において、前記上部鉄骨梁から前記木質壁全体にせん断力を伝達するせん断力伝達手段としての働きをなす。
【0009】
あるいは、前記木質壁の下端部の複数の穴に圧入された複数の下方の棒部材について、これらに代えて、前記下部鉄骨梁及び下部断熱層に固定された、前記下部断熱層から下方へ突出する鋼製のプレートであって前記木質壁の下端部に設けられ下方に向けて開放する一条の溝に受け入れられかつ前記プレート及び前記木質壁の下端部を貫通する複数のピンを介して前記木質壁に連結されているプレートを備えるものとすることができる(変形例5)。これによれば、前記プレートが、地震時において、前記下部鉄骨梁から前記木質壁全体にせん断力を伝達するせん断力伝達手段としての働きをなす。
【0010】
あるいは、また、前記木質壁の上端部の複数の穴に圧入された複数の上方の棒部材及び前記木質壁の下端部の複数の穴に圧入された複数の下方の棒部材の双方に代えて、前記変形例4及び前記変形例5の双方を備えるものとすることができる(変形例6)。
【0011】
また、前記木質壁の上端部の複数の穴に圧入された複数の上方の棒部材に代えて、前記木質壁の上端部及び前記上部断熱層にそれぞれ設けられ互いに嵌まり合う複数の凸部及び凹部からなるものとすることができる(変形例7)。これによれば、地震時において、互いに嵌まり合う複数の凸部及び凹部が、前記上部断熱層から前記木質壁全体にせん断力を伝達するせん断力伝達手段としての働きをなす。あるいは、前記木質壁の下端部の複数の穴に圧入された複数の下方の棒部材に代えて、前記木質壁の下端部及び前記下部断熱層にそれぞれ設けられ互いに嵌まり合う複数の凸部及び凹部からなるものとすることができる(変形例8)。これによれば、地震時において、互いに嵌まり合う複数の凸部及び凹部が、前記した部断熱層から前記木質壁全体にせん断力を伝達するせん断力伝達手段としての働きをなす。あるいは、また、前記木質壁の上端部の複数の穴に圧入された複数の上方の棒部材及び前記木質壁の下端部の複数の穴に圧入された複数の下方の棒部材の双方に代えて、前記変形例7及び前記変形例8の双方を備えるものとすることができる(変形例9)。
【0012】
本発明に係る木質壁の取付構造にあっては、さらに、前記変形例1と前記変形例5とを備えるもの、前記変形例1と前記変形例8とを備えるもの、前記変形例2と前記変形例4とを備えるもの、前記変形例2と前記変形例7とを備えるもの、前記変形例4と前記変形例8とを備えるもの、あるいは、前記変形例5と前記変形例7とを備えるものとすることができる。
【0013】
本発明にあっては、引張力伝達手段をなす前記鋼棒の上端部及び下端部が、それぞれ、前記上部鉄骨梁及び前記木質壁の下端部、又は、前記下部鉄骨梁及び前記木質壁の上端部に固定されている。このことから、鉄骨造のラーメン構造におけると同様に、建物全体の崩壊形の確認が容易であり、また、より簡易な構造計算が可能である。
【0014】
前記上部鉄骨梁及び前記下部鉄骨梁は、一例として、鉄骨造のフレーム架構を構成する上下1対の梁からなる。また、他の例として、水平方向に関して互いに相対する2つの鉄骨造のフレーム架構を構成する上下2対の梁間に配置されこれらの上下2対の梁にそれぞれ接合された上下2つの他の梁からなる。
【0015】
前記木質壁はその各側部と前記下部断熱層(又は前記上部断熱層)との間に隙間を規定する切り欠きを有し、前記鋼棒の下端部(又は上端部)は前記切り欠きの内部に配置された支圧板を経て伸び、前記支圧板を介して前記木質壁の下端部(又は上端部)に固定されているものとすることができる。
【0016】
前記木質壁は互いに重ね合わされた2つの木製パネルからなるものとすることができる。前記棒部材は例えばドリフトピンからなる。
【0017】
また、前記木質壁はその両面に開放する複数の貫通穴を有するものとすることができる。前記複数の貫通穴は前記中層又は高層の建物における採光、美的造形の創出等に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】中層又は高層の建物に取り付けられる木質壁の配置位置の例を平面的に示す概略的なレイアウト図である。
【
図2】建物の上下両階の一部、木質壁、該木質壁の取付構造の一の例を示す正面図である。
【
図5】建物の上下両階の一部、木質壁、該木質壁の取付構造の他の例を示す正面図である。
【
図6】建物の上下両階の一部、木質壁、該木質壁の取付構造のさらに他の例を示す正面図である。
【
図7】建物の上下両階の一部、木質壁、該木質壁の取付構造のさらに他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照すると、中層又は高層の建物10の一部と、建物10に取り付けられる複数の木質壁12とが模式的に示されている。
図1は、平面上における木質壁12の配置位置を示すことを目的として描かれ、木質壁12は、便宜的に、斜線を施した細長い矩形で表されている。木質壁12は、直交集成板(CLT)、単板積層材(LVL)、無垢材のような1又は複数の木製パネルからなる。図示の木質壁12は全体に矩形状を呈し、上端部12a及び下端部12bと、2つの側部12c、12dとを有する(
図2参照)。
【0020】
建物10はその躯体を構成する複数の鉄骨造のフレーム架構14を備える。フレーム架構14は2つの鉄骨柱16及び両鉄骨柱16に接合された上部及び下部の2つの鉄骨梁(上部鉄骨梁及び下部鉄骨梁)18、20(
図2参照)を有する。また、建物10は複数対の他の鉄骨梁22を備える。各対の他の鉄骨梁22は上部及び下部の2つの鉄骨梁(上部鉄骨梁及び下部鉄骨梁)からなり、それぞれ、水平方向に関して互いに相対する2つのフレーム架構14の上下2対の鉄骨梁18、20間に配置され、一方の他の鉄骨梁22が2つの鉄骨梁18に接合され、他方の他の鉄骨梁22が2つの鉄骨梁20に接合されている(但し、両鉄骨梁22のうちの一方のみを示す。)。他の鉄骨梁22は、両フレーム架構14の鉄骨梁18、20を大梁とする小梁をなす。図示の例において、鉄骨梁、18、20、22は、それぞれ、H形鋼からなる。
【0021】
図示の例において、木質壁12はフレーム架構14の上部及び下部の2つの鉄骨梁(大梁)18、20間及び上部及び下部の2つの鉄骨梁(小梁)22間の双方に配置されている。図示の例に代えて、木質壁12は上部及び下部の2つの鉄骨梁(大梁)18、20間にのみ、又は、上部及び下部の2つの鉄骨梁(小梁)22間のみに配置することができる。上部及び下部の2つの鉄骨梁(大梁)18、20間の木質壁12は、好ましくは、各鉄骨梁(大梁)18、20の長さ寸法より小さい幅寸法を有し、両鉄骨柱16間に各鉄骨柱16から間隔をおいて配置される。同様に、上部及び下部の2つの鉄骨梁(小梁)22間の木質壁12は鉄骨梁(小梁)22の長さ寸法より小さい幅寸法を有し、両フレーム架構14の上部及び下部の2つの鉄骨梁(大梁)18、20間にこれらの鉄骨梁18、20から間隔をおいて配置される。
【0022】
木質壁12は、
図2~
図4を参照して以下に説明する取付構造24をもって、上部及び下部の2つの鉄骨梁(大梁)18、20及び上部及び下部の2つの鉄骨梁(小梁)22にそれぞれ同様にして取り付けられる。
図2~
図4では、フレーム架構14を構成する上部及び下部の2つの梁(大梁)18、20が木質壁12の取付対象として示されている。
【0023】
取付構造24は、上部鉄骨梁18下に形成されこれと一体をなす上部断熱層26と、下部鉄骨梁20上に形成された下部断熱層28とを備える。木質壁12は上部断熱層26及び下部断熱層28間にあって、その上端部12a及び下端部12bにおいて、より詳細にはその上端面及び下端面において、上部断熱層26及び下部断熱層28に接している。上部断熱層26及び下部断熱層28は、それぞれ、建物10の火災時における木質壁12の発火に伴う該木質壁から上部及び下部の両鉄骨梁18、20への熱の伝達を遮断する働きをなす。
【0024】
図示の例において、上部断熱層26及び下部断熱層28は、それぞれ、現場打ちコンクリートにより形成された鉄筋コンクリートからなる。但し、現場打ちコンクリートに代えて、プレキャストコンクリートにより形成されたものとすることができる。上部断熱層26は、木質壁12の幅寸法と同じ大きさの長さ寸法(
図2で見て左右方向における長さ寸法)を有する。また、下部断熱層28は床スラブからなり、図上を左右方向へ長く伸びている。上部断熱層26及び下部断熱層28は、前記鉄筋コンクリート又は前記プレキャストコンクリートに代えて、例えば無筋のコンクリート、モルタル、セラミック、吹き付けロックウール等からなるものとすることができる。
【0025】
上部鉄骨梁18及び下部鉄骨梁20には、それぞれ、下方に向けて伸びる複数の頭付きスタッド及び上方に向けて伸びる複数の頭付きスタッド32が固定され、これらの頭付きスタッド30、32はそれぞれ上部断熱層26及び下部断熱層28に埋設されている。頭付きスタッド30と頭付きスタッド32とは、上部断熱層26及び上部鉄骨梁18の一体性と、下部断熱層28及び下部鉄骨梁20の一体性とをそれぞれ高める働きをなす。
【0026】
取付構造24は、また、上部断熱層26と下部断熱層28とにそれぞれ固定された複数の鋼製の棒部材(以下、便宜的に「上方の棒部材」と称することがある。)34と複数の鋼製の棒部材(同「下方の棒部材」)36とを備える。各棒部材34、36は平滑な表面を有し、また、その両端間を真っ直ぐに伸びかつ同一の太さと同一の断面形状とを有し、例えば円形の断面形状を有するドリフトピン、鋼棒等からなる。
【0027】
上方の棒部材34の一部は上部断熱層26中に埋設され、これにより上部断熱層26に固定され、残りの他の一部が上部断熱層26から下方へ突出している。上部断熱層26から下方へ突出する複数の上方の棒部材34は、それぞれ、これらの前記他の一部において、木質壁12の上端部12aに設けられ上方に向けて開放する複数の穴(以下、便宜的に「木質壁12の上端部12aの複数の穴」と称することがある。)38に圧入されている。
【0028】
他方、下方の棒部材36の一部は下部断熱層28中に埋設され、これにより下部断熱層28に固定され、残りの他の一部が下部断熱層28から上方へ突出している。下部断熱層28から上方へ突出する複数の下方の棒部材36は、それぞれ、これらの前記他の一部において、木質壁12の下端部12bに設けられ下方に向けて開放する複数の穴(同「木質壁12の下端部12bの複数の穴」と称することがある。)40に圧入されている。これにより、上方の棒部材34の前記他の一部はその全周面において木質壁の上端部の穴38の周壁面の全部に接し、また、穴38の周壁面から圧迫を受けた状態におかれている。同様に、下方の棒部材36の前記他の一部もまたその全周面において木質壁の下端部の穴40の周壁面の全部に接し、また、穴40の周壁面から圧迫を受けた状態におかれている。前記圧迫の程度すなわち接触圧は、棒部材34、36のそれぞれの太さ(直径)、棒部材34同士及び棒部材36同士のそれぞれの相互間隔、棒部材34、36の前記他の一部の突出長さ、棒部材34、36のそれぞれの総数等又はこれらの組み合わせを適宜に選択することにより任意に定めることができる。
【0029】
上方の棒部材34については、
図5に示すように、さらに、その上端部34aにおいて上部鉄骨梁18に固定されたもの(変形例1)とすることができる。これにより、上部断熱層26中への頭付きスタッド30の埋設を不要とすることができる。また、下方の棒部材36について、さらにその下端部において下部鉄骨梁20に固定されたもの(図示せず)(変形例2)とすることができる。これにより、上部断熱層26中への頭付きスタッド30の埋設を不要とすることができる。前記変形例1及び前記変形例2において、棒部材34、36は鋼棒からなる。さらに、上方の棒部材34及び下方の棒部材36の双方について、前記変形例1及び前記変形例2の双方からなるものとすることができる(変形例3)。
【0030】
地震時に建物10に横方向への水平変位が生じ、上部鉄骨梁18及び下部鉄骨梁20に対して木質壁12が水平方向へ相対的に変位するとき、棒部材34、36が、それぞれ、木質壁12の穴38、40からの引き抜き力を受ける。その結果、棒部材34、36がそれぞれ木質壁12の穴38、40の内部をその軸線方向へ相対移動し、その一部分が穴38、40の外部に引き出される。このとき、穴38、40の周壁面と棒部材34、36との間に摩擦力が生じる。また、棒部材34、36が折り曲げられる。上部鉄骨梁18及び下部鉄骨梁20に作用する地震荷重の一部は、前記摩擦力に抗しての棒部材34、36の前記相対移動及び折り曲げ、木質壁12、鉄骨梁18、20、頭付きスタッド30、32、後記引張力伝達手段を構成する鋼棒42等の変形に費やされ、これにより、前記地震荷重の一部が吸収される。また、棒部材34、36の折れ曲がりは木質壁12に及ぼされるせん断力の伝達に寄与する。なお、前記変形による破壊現象が木質壁12に最後に現れるように地震荷重を吸収するメカニズムを維持すべく、鉄骨梁18、20、頭付きスタッド30、32、棒部材34、36、鋼棒42等の材質、大きさ、径等が選定される。
【0031】
木質壁12の取付構造24は、さらに、上部断熱層26と木質壁12の両側部12c、12dとを貫通し、上下方向へ伸びる複数(図示の例では4対(8つ))の鋼棒42を備える。
【0032】
各鋼棒42は、上部断熱層26と木質壁12の各側部12c、12dとに非接着状態で通され、これにより、上部断熱層26と木質壁12の各側部12c、12dとに対してその軸線方向への伸縮が可能とされている。各鋼棒42は、これらの上下両端部42a、42bにおいて、上部鉄骨梁18と木質壁12とに固定されている。これにより、4対の鋼棒42は、木質壁12と上方の梁18との接合部における引張力伝達手段をなす。
【0033】
この引張力伝達手段は上部鉄骨梁18と木質壁12、すなわち建物10の1つの階層における天井梁と壁体とに連結されている。このことから、鉄骨造のラーメン構造におけると同様に、建物全体の崩壊形の確認が容易であり、また、より簡易な構造計算が可能である。
【0034】
図示の例において、木質壁12は互いに重ね合わされた2つの木製パネル12Aからなる。両木製パネル12Aは、非接着状態で互いに接合されたもの(
図3及び
図4参照)、あるいは例えば接着剤により互いに接合されたもの、あるいはまた、互いに間隔をおいて対向する非接合状態におかれたものとすることができる。木質壁12の両側部12c、12dを構成する各木製パネル12Aの両側部には、それぞれ、各木製パネル12Aの接合面に開放し、上下方向へ伸びる2条の凹溝44(
図4)が設けられている。両木製パネル12Aが互いに重ね合わされるとき又は互いに対向されるとき、一方の木製パネル12Aの2条の凹溝44と他方の木製パネル12Aの2条の凹溝44とが対向し、各2条の凹溝44に各対(2つ)の鋼棒42が通される。
【0035】
各鋼棒42は、その上端部42a及び下端部42bにおいてそれぞれ上部鉄骨梁18及び木質壁12の下端部12bに固定されている。図示の例において、各鋼棒42の両端部42a、42bにそれぞれねじ山が設けられており、各ねじ山に螺合されたナット46を介して、各鋼棒42が上部鉄骨梁18及び木質壁12の下端部12bに固定されている。
【0036】
図示の例においては、木質壁12の各側部12c、12dに配置される2対の鋼棒42の上端部42aが、それぞれ、上部鉄骨梁18をなす前記H形鋼のウエブ18aの両側において上下の両フランジ18b、18cのうちの下フランジ18cを貫通している。各対の鋼棒42の上端部42aは、それぞれ、前記H形鋼のウエブ18aの両側のそれぞれにおいて前記H形鋼に固定された鋼製の2つの縦プレート48に支持された水平な鋼製の横プレート50に設けられた穴(図示せず)を経て上方へ伸び、各上端部42aに螺合されたナット46が横プレート50に接している。
【0037】
また、図示の例において、木質壁12はその下端部12bに2つの切り欠き54を有する。両切り欠き54は、それぞれ、木質壁12の両側部12c、12dと下部断熱層28との間に2つの隙間52を規定する。各対の鋼棒42の下端部42bは、切り欠き54の内部に配置された鋼製の支圧板56を経て伸び、支圧板56を介して木質壁12の下端部12bに固定されている。より詳細には、支圧板56を経て下方に伸びる鋼棒42の下端部42bにナット46が螺合され、ナット46が支圧板56に接している。
【0038】
木質壁12及び複数の鋼棒42は、図示の例に代えて、これを天地逆さまにした状態にあるように配置することができる。この状態において、木質壁12の上端部12aは下部断熱層28に接し、下端部12bは上部断熱層26に接する。ここにおいて、下部断熱層28から上方に向けて伸びる複数の棒部材36は、下方に位置する木質壁12の上端部12aの複数の穴38に圧入され、また、上部断熱層26から下方に向けて伸びる複数の棒部材34は、上方に位置する木質壁12の下端部12bの複数の穴40に圧入される。
【0039】
また、前記天地逆さまにした状態において、上下方向へ伸びる複数の鋼棒42は、これらの上端部42a及び下端部42bがそれぞれ下方及び上方に位置し、下部断熱層28と木質壁12の両側部12c、12dとに伸縮可能に通される。ここにおいて、各鋼棒42は、下方に位置する上端部42aにおいて下部鉄骨梁20に固定され、上方に位置する下端部42bにおいて、木質壁12の上方に位置する下端部12bに固定される。各鋼棒42の上端部42aの下部鉄骨梁20に対する固定については、図示の例における各鋼棒42の上端部42aの上部鉄骨梁18に対する固定の態様に準じて行うことができる。また、各鋼棒42の下端部42bの木質壁12の下端部12bに対する固定についても、同様に、図示の例における各鋼棒42の下端部42bの木質壁12の下端部12bに対する固定の態様に準じて行うことができる。
【0040】
木質壁12はその両面に開放する複数の貫通穴58(
図2)を有するものとすることができる。貫通穴58は、その平面形状として、図示の円形や、他の形の輪郭を有するものを任意に採用することができる。また、複数の貫通穴58は、異なる大きさを有するものとすることができる。複数の貫通穴58は高層の建物10における採光、美的造形の創出等に寄与する。
【0041】
ここで、
図6を参照すると、取付構造24の他の例(変形例4)が示されている。前記変形例4においては、取付構造24を構成する木質壁12の上端部12aの複数の穴38に圧入された複数の上方の棒部材34に代えて、鋼製のプレート60及びプレート60に固定され該プレートに直交する複数の板状の鋼製のリブ62と、木質壁12の上端部12aに設けられ上方に向けて開放する一条の溝64及び該溝に直交する複数の溝66とからなるものとされている。ここに、プレート60及び複数のリブ62は、共に、上部鉄骨梁18及び上部断熱層26に固定され、上部断熱層26からそれぞれ下方へ突出している。プレート60が上部鉄骨梁18に固定されているため、頭付きスタッド30は必要とされない。
【0042】
図示のプレート60は矩形状を呈し、上部鉄骨梁18の伸長方向へ伸びている。また、図示の複数のリブ62はそれぞれ矩形状を呈し、対をなしてプレート60の伸長方向へ互いに間隔をおいて配置されている。各対のリブ62はプレート60の両面に配置され互いに相対している。一条の溝64及び該溝に直交する複数の溝66は、それぞれ、プレート60及び複数のリブ62に対応して配置され、プレート60及び複数のリブ62をそれぞれ受け入れている。これにより、上部断熱層26と木質壁12の上端部12aとが互いに接している。また、プレート60は該プレート及び木質壁12の上端部12aを貫通する複数のピン68を介して木質壁12に連結されている。図示の例において、複数のピン68は、それぞれ、木質壁12の上端部12aに設けられた複数の穴70と、プレート60に設けられた複数の穴(図示せず)とを経て伸びている。なお、複数のリブ62及びこれらのリブ62を受け入れる複数の溝66については、これらの設置を省略し、プレート60及びこれを受け入れる一条の溝64のみとすることができる。図示の例によれば、プレート60及び複数のリブ62の双方(プレート60のみの場合にあってはプレート60)が、地震時において、上部鉄骨梁18から木質壁12全体にせん断力を伝達するせん断力伝達手段としての働きをなす。
【0043】
図6を参照して説明した前記変形例4に係る構成は、木質壁12の下端部12bの複数の穴40に圧入された複数の下方の棒部材36に代えた構成として、同様に適用することができる(変形例5)。すなわち、前記変形例5は、鋼製のプレート60と同様のプレート(図示せず)及び該プレートに固定され該プレートに直交する、複数の板状の鋼製のリブ62と同様の複数のリブ(図示せず)と、木質壁12の下端部12bに設けられ下方に向けて開放する、一条の溝64及び該溝に直交する複数の溝66と同様の一条の溝(図示せず)及び該溝に直交する複数の溝(図示せず)とからなる。ここに、プレート60と同様の前記プレート及び複数のリブ62と同様の前記複数のリブは、共に、下部鉄骨梁20及び下部断熱層28に固定され、下部断熱層28からそれぞれ上方へ突出している。プレート60と同様の前記プレートが下部鉄骨梁20に固定されているため、頭付きスタッド32は必要とされない。
【0044】
プレート60と同様の前記プレート及び複数のリブ62と同様の複数のリブは、それぞれ、一条の溝64及び該溝に直交する複数の溝66と同様の前記一条の溝及び前記複数の溝に、それぞれ、受け入れられている。これにより、下部断熱層28と木質壁12の下端部12bの一部分(両切り欠き54間の部分)とが互いに接している。また、プレート60と同様の前記プレートは該プレート及び木質壁12の下端部12bを貫通する、複数のピン68と同様の複数のピン(図示せず)を介して木質壁12に連結されている。図示の例において、複数のピン68と同様の前記複数のピンは、それぞれ、木質壁12の下端部12bに設けられた、複数の穴70と同様の複数の穴と、プレート60に設けられた複数の穴と同様の複数の穴(図示せず)とを経て伸びている。なお、複数のリブ62及び複数の溝66と同様の前記複数のリブ及び前記複数の溝については、これらの設置を省略し、プレート60と同様の前記プレート及びこれを受け入れる、一条の溝64と同様の前記一条の溝のみとすることができる。この変形例によれば、プレート60と同様のプレート及び複数のリブ62と同様の複数のリブの双方(プレート60と同様のリブのみの場合にあっては当該プレート)が、地震時において、下部鉄骨梁20から木質壁12全体にせん断力を伝達するせん断力伝達手段としての働きをなす。また、木質壁12の上端部12aの複数の穴38に圧入された複数の上方の棒部材34及び木質壁12の下端部12bの複数の穴40に圧入された複数の下方の棒部材36の双方について、前記変形例4及び前記変形例5の双方からなるものとすることができる(変形例6)。
【0045】
次に、
図7を参照すると、取付構造24のさらに他の例(変形例7)が示されている。この変形例7においては、木質壁12の上端部12aの複数の穴38に圧入された複数の上方の棒部材34が、これらに代えて、木質壁12の上端部12a及び上部断熱層26にそれぞれ設けられ互いに嵌まり合う複数の凸部72、74及び凹部76、78からなるものとされている。より詳細には、木質壁12の上端部12aに設けられた複数の凸部72と上部断熱層26に設けられた複数の凹部78とが互いに嵌まり合い、また、上部断熱層26に設けられた凸部74と木質壁12の上端部12aに設けられた複数の凹部76とが互いに嵌まり合っている。これにより、木質壁12の上端部12aと上部断熱層26とが互いに接している。
【0046】
この例によれば、互いに嵌まり合う木質壁12の上端部12aの複数の凸部72及び上部断熱層26の複数の凹部78と、互いに嵌まり合う上部断熱層26の凸部74及び木質壁12の上端部12aの複数の凹部76とが、地震時において、上部鉄骨梁18から木質壁12全体にせん断力を伝達するせん断力伝達手段としての働きをなす。
【0047】
図7を参照して説明した前記変形例7に係る構成は、木質壁12の下端部12bの複数の穴40に圧入された複数の下方の棒部材36に代えた構成として、同様に適用することができる(変形例8)。すなわち、前記変形例8は木質壁12の下端部12b及び下部断熱層28にそれぞれ設けられ互いに嵌まり合う複数の凸部及び凹部(図示せず)からなる。この変形例8によれば、互いに嵌まり合う、下部断熱層26の凹凸部及び木質壁12の凹凸部が、地震時において、下部鉄骨梁20から木質壁12全体にせん断力を伝達するせん断力伝達手段としての働きをなす。また、木質壁12の上端部12aの複数の穴38に圧入された複数の上方の棒部材34及び木質壁12の下端部12bの複数の穴40に圧入された複数の下方の棒部材36の双方について、前記変形例7及び前記変形例8の双方からなるものとすることができる(変形例9)。
【0048】
さらに、本発明に係る木質壁の取付構造24にあっては、さらに、前記変形例1と前記変形例5とを備えるもの、前記変形例1と前記変形例8とを備えるもの、前記変形例2と前記変形例4とを備えるもの、前記変形例2と前記変形例7とを備えるもの、前記変形例4と前記変形例8とを備えるもの、あるいは、前記変形例5と前記変形例7とを備えるものとすることができる。
【符号の説明】
【0049】
10 中層又は高層の建物
12 木質壁
12a、12b 木質壁の上端部及び下端部
12c、12d 木質壁の側部
14 フレーム架構
16 鉄骨柱
18 上部鉄骨梁
20 下部鉄骨梁
22 鉄骨梁
24 取付構造
26 上部断熱層
28 下部断熱層
34、36 棒部材(ドリフトピン)
38、40 穴
42 鋼棒
42a、42b 鋼棒の上端部及び下端部
54 切り欠き
56 支圧板
58 貫通穴
60 プレート
62 リブ
64、66 溝
68 ピン
72、74 凸部
76、78 凹部