(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】電子フルート
(51)【国際特許分類】
G10H 1/00 20060101AFI20240729BHJP
G10H 1/32 20060101ALI20240729BHJP
G10D 7/026 20200101ALI20240729BHJP
【FI】
G10H1/00 A
G10H1/32 Z
G10D7/026
(21)【出願番号】P 2021506667
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2020059063
(87)【国際公開番号】W WO2020201257
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】102019000005274
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521050993
【氏名又は名称】アーティノイズ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】マンチーニ,ダヴィデ
【審査官】大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-518698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10H 1/00
G10H 1/32
G10D 7/026
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子フルート(100)であって、
中央本体(1)と、
前記中央本体を囲む、下カバー(2)及び上カバー(3)と、
前記中央本体(1)及び前記上カバー(3)の間に配設された、第1の印刷回路基板(PCB)(5)と、
前記下カバー(2)及び前記中央本体の間に配設された、第2の印刷回路基板(PCB)(6)と、
前記第1及び第2のPCB(5、6)に接続された、制御ユニット(4)と、
前記制御ユニット(4)に接続された、バッテリ(B)とを備え、
前記中央本体(1)は、
入口(10a)から出口穴(10b)へ長手方向に延びた、チャネル(10)と、
前記チャネル(10)と連通し、ユーザの指によって閉じられて所望の音を生成するのに好適な穴(12)が設けられた、平坦な上壁(11)と、
音の前記穴(12)の周りで前記上壁(11)から上位置に突出した、シャンク(12a)と、
前記チャネル(10)と連通し、ユーザの親指によって閉じられるのに好適な下穴(15)が設けられた、平坦な下壁(14)と、
前記下穴(15)の周りで前記下壁(14)から下位置に突出した、下シャンク(15a)とを備え、
前記第1のPCB(5)は、貫通穴(51)及び前記穴(51)の周りに配設された近接センサ(52)を備え、前記穴(51)を閉じるためにユーザの指が前記穴(51)に接近するのを検出し、前記第1のPCBは、前記中央本体の前記シャンク(12a)が前記第1のPCBの前記穴(51)に貫入するよう、前記中央本体の前記上壁(11)に配設され、
前記上カバー(3)は穴(32)を備え、そこに前記中央本体の前記シャンク(12a)は係合され、
前記第2のPCB(6)は、貫通穴(61)、及び前記第2のPCBにおける前記穴(61)の周りに配設された少なくとも1つの近接センサ(62)を備え、ユーザの指が前記第2のPCBの前記穴(61)に接近するのを検出し、前記第2のPCBは、前記中央本体の前記下シャンク(15a)が前記第2のPCBの前記穴(61)に貫入するよう、前記中央本体の前記下壁(14)に配設され、
前記下カバー(2)は穴(22)を備え、そこに前記中央本体の前記下シャンク(15a)は係合される、電子フルート(100)。
【請求項2】
前記第1のPCB(5)は、前記上カバーに向けられた上側(50a)、及び前記中央本体に向けられた下側(50b)を有し、前記第1のPCBの各前記近接センサ(52)は、前記第1のPCBにおける前記穴(51)の周りで、前記第1のPCBの前記上側(50a)に配設された導電性材料の環状パッドによって実現された、容量センサであり、
前記第2のPCB(6)は、前記中央本体
に向けられた上側(60a)、及び前記下カバーに向けられた下側(60b)を有し、前記第2のPCBの各前記近接センサ(62)は、前記第2のPCBの前記穴(61)の周りで、前記第2のPCBの前記下側(60b)に配設された導電性材料の環状パッドによって実現された、容量センサである、請求項1に記載の電子フルート(100)。
【請求項3】
前記中央本体の前記上壁(11)は、空気を発するための、前記中央本体の前記チャネル(10)に連通された矩形穴(16)と、前記第1のPCBの矩形穴(53)及び前記上カバーの矩形穴(33)に係合されるための、前記矩形穴(16)を取り囲んで上位置に突出した矩形フレーム(16a)と、を有する、請求項1または2に記載の電子フルート(100)。
【請求項4】
圧力センサ(53)であって、前記第1のPCBの前記下側(50a)に取り付けられ、前記中央本体の前記チャネル(10)の中に突出しないよう、前記中央本体の前記チャネル(10)と連通した前記入口(10a)の近くで、前記中央本体の前記上壁(11)に設けられた穴(17)に配設された、圧力センサ(53)を備える、請求項
2に記載の電子フルート(100)。
【請求項5】
前記第1のPCBにおける前記穴(51)の近くで前記第1のPCBの前記下側(50b)に取り付けられ、前記中央本体の前記シャンク(12a)近くで前記中央本体の前記上壁に設けられた座部(13)に係合された、ラーニングLED(L1、L2)を備え、前記ラーニングLEDによって発せられた光が前記シャンク(12a)を照射し、前記シャンク(12a)を前記上カバー(3)上で見ることができるように、前記中央本体の前記シャンク(12a)は透光性材料で作られる、請求項2~4のうちいずれか一項に記載の電子フルート(100)。
【請求項6】
前記第1のPCBの前記上側(50a)に取り付けられたキー(54)と、前記上カバー(3)から突出したブリッジ(34)とを備え、前記ブリッジ(34)は、ユーザが前記キーを押圧できるよう、前記キー(54)に対応した窓(35)を備える、請求項
2または5のうちいずれか一項に記載の電子フルート(100)。
【請求項7】
前記キー(54)の近くで、前記第1のPCBの前記上側(50a)に取り付けられた、LED列(7)を備え、前記LED列(7)は、ユーザが見ることができるように、前記上カバーの前記ブリッジ(34)に設けられた穴(36)と係合された、信号LED(70)を備える、請求項6に記載の電子フルート(100)。
【請求項8】
前記制御ユニット(4)の近くで、前記第1のPCBの前記下側(50b)に取り付けられた、傾斜検出器(58)を備え、前記中央本体(1)は、前記制御ユニット(4)及び前記傾斜検出器(58)を受け入れるために、前記上壁(11)に設けられた矩形開口部(18)を有する、請求項2~7のうちいずれか一項に記載の電子フルート(100)。
【請求項9】
前記中央本体(1)の外側に回され、かつ前記下カバー及び前記上カバーの内側に配設された電気ケーブル(8)によって、前記第1のPCB(5)は前記第2のPCB(6)に電気接続される、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の電子フルート(100)。
【請求項10】
前記第2のPCBに接続された電気ケーブル(8)との接続のため、前記制御ユニット(4)の近くで前記第1のPCBの前記下側(50b)に取り付けられた、コネクタ(57)と、
前記バッテリ(B)を再充電するために、前記制御ユニット(4)の近くで前記第1のPCBの前記下側(50b)に取り付けられた、USBポート(56)とを備え、
前記コネクタ(57)及び前記USBポートは、前記中央本体の前記上壁(11)に設けられた矩形開口部(18)に配設される、請求項8または9に記載の電子フルート(100)。
【請求項11】
前記バッテリ(B)は、前記下カバーの凹状座部(23)に収容され、前記第2のPCB(6)に電気接続される、請求項1~10のうちいずれか一項に記載の電子フルート(100)。
【請求項12】
前記制御ユニット(4)は、音響信号を発するのに好適な音響発生装置(Q)と、スマートデバイスにワイヤレスモードで接続されるのに好適なトランシーバ(40)とを備える、請求項1~11のうちいずれか一項に記載の電子フルート(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子フルートに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術による電子管楽器が知られており、それらには、音響の放出を変更(改善)及び制御するための制御部が設けられる。電子管楽器は、製作中に遭遇する困難及び技術のために、非常に高価である。
【0003】
米国特許出願公開第2015/0101477号明細書は、フルート本体の穴に配設された複数の近接センサを支持するPCBを備えた、電子フルートを開示している。このPCBは、フルート本体によって画定された管状チャネルの内側に配設される。明らかに、PCBはフルートのチャネルの中に流れる空気に干渉し、フルートが発する音響に悪影響を及ぼす。米国特許出願公開第2015/0101477号明細書は、信号機能を有さない赤外線LEDを開示しており、圧力センサ及び傾斜センサを使用する可能性は開示していない。
【0004】
米国特許出願公開第2006/0283312号明細書は、縦笛とは実質的に異なる横笛などの管楽器を開示している。実際、このような管楽器には、穴を覆うために使用されるキーが設けられる。位置センサは各キーに一体化され、穴の閉鎖を検出する。したがって、位置センサはPCBに取り付けられない。米国特許出願公開第2006/0283312号明細書は、全体的に圧力センサに言及しており、それは図面に表わされておらず、取付位置は指定されていない。センサ、レセプタ、及びエミッタから構成されたシステムは、ユーザによって押されたキーを検出するために、管楽器の空洞の内側に配設される。
【0005】
米国特許出願公開第2006/0283312号明細書、及び米国特許出願公開第2015/0101477号明細書は、センサが楽器の空洞の内側に配設され、空気の流れに干渉するために、アコースティック楽器として使用できない電子楽器を開示している。
【0006】
詳細には、米国特許出願公開第2006/0283312号明細書で開示されている楽器には、使用タイプ(アコースティック使用または電子使用)によって、2つの異なるマウスピースが装着されるべきである。
【0007】
欧州特許第2017823号明細書は、フルートとは実質的に異なる、サキソフォンなどの電子管楽器を開示している。このようなサキソフォンは、空気が流れるチャネルの内側に配設されたセンサを備え、したがって楽器によって発せられる音響に干渉する。
【0008】
特開平01-243096号公報は、フルートなどの管楽器における傾斜センサの使用を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2015/0101477号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0283312号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2017823号明細書
【文献】特開平01-243096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目標は、安価、多用途、かつ使用が容易な電子フルートを開示することによって、先行技術の欠点を克服することである。
【0011】
本発明の別の目的は、電子部品がフルートの構造を変えず、フルートによって発せられる音響に干渉しない、電子フルートを開示することである。
【0012】
本発明の別の目標は、スマートデバイスと通信できる電子フルートを開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの目的は、添付の独立請求項1の特性を伴う本発明によって実現される。
【0014】
有利な形態は、従属請求項から明らかになる。
【0015】
本発明による電子フルートは、請求項1によって定義される。
【0016】
明確にするために、本発明による電子フルートの説明を、添付の図面を参照して続ける。これらの図面は単に例示であり、値を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による電子フルートの分解組立図を、様々な角度から示す図である。
【
図2】本発明による電子フルートの分解組立図を、様々な角度から示す図である。
【
図3】本発明による電子フルートの分解組立図を、様々な角度から示す図である。
【
図5】本発明によるフルートの、中央本体及び第1のPCBの斜視図である。
【
図8】中央本体及び第1のPCBの、一部を切断した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照すると、全体的に参照番号100で表わされる、本発明による電子フルートが開示される。
【0019】
フルート(100)は、中央本体(1)、下カバー(2)、及び上カバー(3)を備える。
【0020】
図4を参照すると、中央本体(1)は、入口(10a)から出口穴(10b)へ長手方向に延びたチャネル(10)を有する。ユーザは、入口(10a)に吹き込み、チャネル(10)の中に空気を導入する。チャネル(10)は、音響に悪影響を及ぼすことなく、空気の自由な循環を可能にするように、障害物または電子部品を有さないことに留意しなければならない。このように、中央本体(1)は、標準的な縦笛として動作できる。
【0021】
中央本体(1)は、チャネル(10)と連通した7つの穴(12)が設けられた、平坦な上壁(11)を有する。穴(12)は一列に並べられ、所望の音を生成するためにユーザの指によって閉じるのに好適である。シャンク(12a)は、穴(12)の周りで上壁(11)から上位置に突出する。LEDのための座部(13)が、シャンク(12a)の近くの上壁(13)に設けられる。
【0022】
中央本体(1)は、チャネル(10)と連通した下穴(15)が設けられた、平坦な下壁(14)を有する。下穴(15)は、ユーザの親指によって閉じるのに好適である。下シャンク(15a)は、下穴(15)の周りで下壁(14)から下位置に突出する。
【0023】
チャネル(10)と連通した矩形穴(16)から構成された、空気を発するための出口は、入口(10a)の近くにおいて中央本体の上壁(11)に設けられる。ラビューム(9)(
図3に示される)は、振動及び音響を発生させるために、矩形穴(16)3)に対応した入口(10)において、チャネル(10)の内側に配設される。
【0024】
矩形フレーム(16a)は、ラビュームの矩形穴(16)を取り囲んで上位置に突出する。
【0025】
圧力センサのための穴(17)は、入口(10a)とラビュームのための矩形穴(16)との間で、上壁(11)に設けられる。圧力センサのための穴(17)は、チャネル(10)と連通する。
【0026】
矩形開口部(18)は、矩形穴(16)と音のための穴(12)との間で、上壁(11)に設けられる。
【0027】
中央本体は、平坦な側壁(19)を有する。長手方向リブ(19a)は、各側壁から外側へ突出し、上カバー及び下カバーのための基準要素を生成する。
【0028】
下カバー(2)は、平坦な下壁(20)、及び下壁から上位置に分岐する2つの側壁(21)を備えた、半体として形状が決められる。下穴(22)は、中央本体の下穴(15)に対応した下壁(20)に設けられる。下カバーの下穴(22)は、中央本体の下シャンク(15a)によって係合される。
【0029】
下カバー(2)は、中央本体の入口(11)に対応した後位置に配設された、凹状座部(23)を有する。凹状座部(23)は、バッテリ(B)を受け入れるために好適である。
【0030】
上カバー(3)は、平坦な上壁(30)、及び2つの側壁(31)を備えた、半体として形状が決められる。
【0031】
7つの穴(32)は、中央本体の音の穴(12)に対応した、上カバーの上壁(30)に設けられる。上カバーの7つの穴(32)は、中央本体のシャンク(12a)によって係合される。
【0032】
矩形穴(33)は、中央本体のラビュームの矩形穴(16)に対応した、上カバーの上壁(30)に設けられる。上カバーの矩形穴(33)は、中央本体の矩形フレーム(16a)によって係合される。
【0033】
ブリッジ(34)は、上カバーの上壁(30)の上方に突出する。ブリッジ(34)には、キーまたはボタンを受け入れるための、3つの矩形の窓または凹状座部(35)と、LEDを受け入れるための3つの穴とが設けられる。
【0034】
以下は、フルート(100)の電子機器の説明である。フルート(100)は、第1の印刷回路基板(PCB)(5)及び第2の印刷回路基板(PCB)(6)を備える。
【0035】
第1のPCB(5)は、中央本体の上壁(11)と上カバーの上壁(30)との間に、サンドイッチ構成で配設される。第2のPCB(6)は、下カバーの下壁(20)と中央本体の下壁(14)との間に、サンドイッチ構成で配設される。
【0036】
第1のPCB(5)は、上カバー(4)に向けられた上側(50a)(
図9)、及び中央本体(1)に向けられた下側(50b)を有する。
【0037】
第1のPCB(5)は、中央本体の音の穴(12)が外部と連通するように、中央本体のシャンク(12a)を受け入れる7つの穴(51)を有する。近接センサ(52)は、ユーザの指が穴(51)を閉じるために穴(51)に接近する瞬間を検出するため、第1のPCBの各穴(51)に対応して配設される。近接センサ(52)は、穴(51)の周りで第1のPCBの上側(50a)に配設され、導電性材料の環状パッドによって実現された、容量センサである。有利には、2つ以上の近接センサ(52)は、ユーザの指の2つ以上の位置を検出するために、穴(51)のうちのいくつかに対応して配設させることができる。
【0038】
第1のPCB(5)は、中央本体のラビュームのための矩形穴(16)が外部と連通するよう、中央本体の矩形フレーム(16a)を受け入れる矩形穴(53)を有する。
【0039】
3つのキー(54)は、第1のPCBの上側(50a)に設けられる。キー(54)は、ユーザが接近できるよう、上カバーのブリッジ(34)における窓(35)に係合される。キー(54)は、タッチタイプとすることができる。
【0040】
LED列(7)は、キー(54)の近くで第1のPCBの上側(50a)に取り付けられる。LED列(7)は、ユーザが見ることができるよう、上カバーのブリッジ(34)における穴(36)に係合された3つの信号LED(70)を備える。信号LED(70)は、フルート(100)の状態を表わす。
【0041】
図8及び
図11を参照すると、ラーニングLED(L1、L2)が、第1のPCBにおける穴(51)の各々の近くで、第1のPCBの下側(50b)に取り付けられる。有利には、2つのラーニングLED(L1、L2)が各穴(51)に設けられる。ラーニングLED(L1、L2)は、ユーザがどのキーを押圧するかを知るように、ユーザのために可視光を発しなければならない。
【0042】
ラーニングLED(L1、L2)は、中央本体の上壁に設けられた座部(13)における凹部に設置され、シャンク(12a)に接触または近接する。ラーニングLED(L1、L2)の光がユーザに見えるように、中央本体(1)または少なくともシャンク(12a)は、半透明または乳白色の材料などの透光性材料で作られ、その一方で上カバー(3)は、艶消し材料で作られる。このように、ラーニングLED(L1、L2)によって発せられた光は、照らされたシャンク(12a)によって伝えられ、上カバー(3)上で見ることができる。
【0043】
圧力センサ(55)は、第1のPCBにおける一方の端部近くで、第1のPCBの下側(50b)に配設される。圧力センサ(55)は、中央本体の穴(17)の内側に配設される。圧力センサは、入口(10a)近くで中央本体のチャネル(10)と連通するが、チャネル(10)に突出せず、したがってチャネル(10)の中を流れる空気に干渉せず、ラビュームに当たる層流が、音響を発する空気振動を生成するのを可能にする。
【0044】
さらに、中央本体の上壁(11)における穴(17)に圧力センサ(55)を提供することは、圧力センサに接触することによって使用中にフルートの中で生じる圧縮を防止し、圧力センサの損傷、または不正確な圧力検出を防止する。
【0045】
バッテリ(B)を再充電するために使用される、USBケーブルのためにUSBポート(56)、第2のPCB(6)を接続するために使用されるケーブルのためのコネクタ(57)、傾斜検出器(58)、及び制御ユニット(4)は、第1のPCBの下側(50b)に取り付けられる。傾斜検出器(58)は、加速度計とすることができる。
【0046】
USBポート(56)、コネクタ(57)、傾斜検出器(58)、及び制御ユニット(4)は、中央本体の上壁における座部(18)に配設される。
【0047】
第2のPCB(6)は、中央本体の下壁(14)に向けられた上側(60a)、及び下カバー(2)に向けられた下側(60b)を有する。
【0048】
第2のPCB(6)は、中央本体の下穴(15)が外部と連通するよう、中央本体の下シャンク(15a)を受け入れる穴(61)を有する。少なくとも1つの近接センサ(62)は、いつユーザの指が穴(61)を閉じるために穴(61)に接近するかを検出するため、第2のPCBの穴(61)に対応して配設される。有利には、2つの近接センサ(62)が、いつ穴が完全に閉じられるか、またはいつ穴が部分的に閉じられるかを検出するよう、設けられる。近接センサ(62)は、穴(51)の周りで第1のPCBの下側(50a)に配設された導電性材料の環状パッドによって実現された、容量センサである。
【0049】
バッテリ(B)に接続するための第1のコネクタ(63)、及びケーブル(8)によって第1のPCBのコネクタ(57)に接続するための第2のコネクタ(64)は、第2のPCB(6)に取り付けられる。例示として、ケーブル(8)は、4極フラットケーブルとすることができる。ケーブル(8)は、中央本体のチャネル(10)の内側に干渉しないよう、明確に中央本体(1)の外側に回される。
【0050】
フルート(100)を組み立てるために、第1のPCB(5)は、中央本体(1)と上カバー(3)との間に配設され、第2のPCB(6)は、下カバー(2)と中央本体との間に配設され、2つのカバー(2、3)は、中央本体(1)を囲むように連結される。このような連結は、中央本体におけるカバーの側壁に設けられたクリック手段によって実施することができる。代替として、カバーの側壁の縁部及び中央本体の縁部を、接着剤または溶接によって互いに連結させることができる。
【0051】
制御ユニット(4)は、近接センサ(52,62)、圧力センサ(55)、及び傾斜センサ(58)に電気接続され、これらのセンサから情報を受け取る。制御ユニット(4)は、マイクロプロセッサである。
【0052】
制御ユニット(4)は音響発生装置(Q)を備える。音響発生装置(Q)は、制御ユニット(4)から受け取った電気信号に従って、音響情報を合成するのに好適である。音響発生装置(Q)は、制御ユニット(4)から来る信号を合成するのに好適なチップから成る。音響発生装置(Q)は、ソフトウェアを介してプログラムして、様々なタイプの音調または様々なタイプの楽器を模倣することができる。
【0053】
制御ユニット(4)は、携帯電話などのスマートデバイスにワイヤレスモードで接続するのに好適な、トランシーバ(40)も備える。トランシーバ(40)は、例えばブルートゥース(登録商標)システムなどを用いて、スマートデバイスに接続させることができる。このような事例において、アプリがスマートデバイスにインストールされ、フルート(1)の動作を制御するように、制御ユニット(4)と協働する。このようなアプリは、ラーニングLED(L1、L2)を制御するために特に有用である。
【0054】
キー(54)は、スイッチのオン/オフ、及び電力供給デバイス(2)の構成のために使用される。信号LED(70)は、フルートの状態を表わすインジケータとして動作する。例えば信号LEDは、フルート(100)のスイッチオン、バッテリの状態、フルート(100)の動作モードなどを表わすことができる。
【0055】
キー(54)は、制御ユニット(4)に接続されたスイッチに接続される。各キー(54)は、楽器(100)の動作モードを選択するために使用することができる。スイッチは、制御ユニット(4)に電気接続され、楽器(100)の動作モードを画定するよう、押圧されたキーの情報を送る。
【0056】
ラーニングLED(L1、L2)は、正しい演奏を示すため、または楽曲の演奏中に閉じるべき穴を事前に知らせるために、制御ユニット(4)に接続される。さらに、各穴に2つのLED(L1、L2)を設けることによって、フルート(100)が左利きのユーザによって演奏されるとき、及びフルート(1)が右利きのユーザによって演奏されるときに、正しい演奏を示すことができる。