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特許7528068人工心弁デバイス、システム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】人工心弁デバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240729BHJP
   A61F 2/966 20130101ALI20240729BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/966
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021518574
(86)(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019055049
(87)【国際公開番号】W WO2020073050
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】62/742,043
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/755,996
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512052029
【氏名又は名称】シファメド・ホールディングス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】アルジェント,クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】バッカス,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,アリス
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-506118(JP,A)
【文献】特表2011-506017(JP,A)
【文献】特表2016-530005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
A61F 2/966
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁プロテーゼ装置であって、
自然弁に隣接して配置されるように適合され、アンカー及びフレーム構造を装填可能に構成された送達デバイスと、
細長い送達構成で前記送達デバイスに装填されるように構成され、自由端を有する螺旋ワイヤを備える前記アンカーと、
前記フレーム構造の頂端部で前記アンカーに取り付けられ、収縮構成で前記送達デバイスに装填されるように構成された前記フレーム構造と、を備えており、
前記送達デバイスは、
前記フレーム構造が前記アンカーの中で前記収縮構成を維持する状態で、前記自然弁の第1の側における前記アンカー前記送達構成から配備構成へ配備を制御し、
前記アンカーが前記自然弁の第2の側のみに位置するように、前記配備構成の前記アンカー、前記自然弁の前記第1の側から前記自然弁の前記第2の側まで前進を制御し
前記自然弁の前記第2の側における、1つまたは複数の構造の周り前記配備構成の前記アンカーの前記自由端回転を制御し
前記フレーム構造が前記アンカーの中で前記収縮構成から拡張構成に自己拡張することを許容するように前記フレーム構造を制御可能に解放し、これにより、前記フレーム構造を前記自然弁に固定するように構成されている、弁プロテーゼ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の弁プロテーゼ装置であって、
前記フレーム構造が、互いに対向する第1の端部および第2の端部を備えており、
前記自然弁の前記第1の側の上方で前記第1の端部が延在し、前記自然弁の前記第2の側の下方で前記第2の端部が延在するように、前記フレーム構造が拡張されるように構成されている、弁プロテーゼ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の弁プロテーゼ装置であって、
前記自由端は、前記1つまたは複数の構造の周りでの前記自由端の回転を容易にするために、前記配備構成の前記アンカーの本体から径方向外側に配設される、弁プロテーゼ装置。
【請求項4】
請求項1に記載の弁プロテーゼ装置であって、
前記自然弁が僧帽弁を含み、前記自然弁の前記第1の側が左心房を含み、前記自然弁の前記第2の側が左心室を含む、弁プロテーゼ装置。
【請求項5】
請求項1に記載の弁プロテーゼ装置であって、
前記送達デバイスは、外側シース及び前記外側シースの中に配設される内側シャフトを備える、弁プロテーゼ装置。
【請求項6】
請求項に記載の弁プロテーゼ装置であって、
前記送達構成の前記アンカーは、前記内側シャフトの中に配置される、弁プロテーゼ装置。
【請求項7】
請求項1に記載の弁プロテーゼ装置であって、
前記配備構成は、前記アンカーが前記送達デバイスの中に残らない完全な配備構成を含む、弁プロテーゼ装置。
【請求項8】
請求項1に記載の弁プロテーゼ装置であって、
前記自由端が非外傷性先端部を備える、弁プロテーゼ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001]本出願は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2018年10月5日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/742,043号、および2018年11月5日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/755,996号の利益を主張するものである。
【0002】
[0002]本出願は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2018年8月21日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/720,853号、2019年8月21日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国特許出願第16/546,901号、2019年10月19日に出願した「Adjustable Medical Device」と題される米国仮特許出願第62/748,162号、2018年12月21日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/784,280号、2019年3月5日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/813,963号、2019年3月8日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/815,791号、2019年3月19日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Delivery Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/820,570号、2019年4月3日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/828,835号、2019年4月12日に出願した「Minimal Frame Prosthetic Cardiac Valve Delivery Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/833,425号、2019年4月12日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Delivery Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/833,430号、2019年5月22日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/851,245号、2019年7月9日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Delivery Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/872,016号、2019年7月12日に出願した「Systems, Methods, and Devices for Expandable Sensors」と題される米国仮特許出願第62/873,454号、2019年7月29日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/879,979号、および2019年8月30日に出願した「Prosthetic Cardiac Valve Devices, Systems, and Methods」と題される米国仮特許出願第62/894,565号に関連する。
【背景技術】
【0003】
[0003]心室の間のおよび心室から出る血流が自然弁(native valve)(僧帽弁、大動脈弁、肺動脈弁、および三尖弁)によって調節される。これらの弁の各々が、圧力差に反応して開いたり閉じたりする受動的な一方向弁である。弁膜疾患を患う患者は少なくとも1つの弁の解剖学的異常および機能的異常を有する。例えば、弁が完全には閉じず、逆行する形で血液が流れるのを可能にする場合、弁が逆流とも称される不全症を患っている可能性がある。弁狭窄症は、弁が適切に開くのを失敗させる可能性がある。他の病気も弁の機能障害につながる可能性がある。この病気を治療するのに薬物治療が利用され得るが、多くの事例で、欠陥のある弁は患者の一生における何らかの時点で修復されるかまたは取り換えられる必要がある可能性がある。存在する弁、ならびに外科的な修復および/または置換手技が、リスクを増大させる可能性があり、存続期間を限定する可能性があり、および/または非常に侵襲的である可能性がある。いくつかのより侵襲的ではない経カテーテル的な選択肢が利用可能であるが、これらは、一般に、大動脈弁手技に限定され、その患者間の融通性(patient-to-patient flexibility)において制限を受け、しばしば、移植することにおいて所望されるよりもより長くの時間を要する。
【0004】
[0004]図1および2を参照すると、心臓2が、4つの弁によって接続される4つの心室を有する。心臓2の上側部分が左心房25および右心房5を有する。下側部分が左心室26および右心室6を有する。心臓2および心臓血管系が閉回路のように動く。心臓2の右側が身体から非酸素化血液を受け取り、肺動脈7を通して肺まで血液を送達し、肺で血液が再び酸素化される。酸素化された血液が全身側(systemic side)と称される心臓2の左側に戻され、心臓2の左側が酸素化血液を全身のいたるところに送達する。
【0005】
[0005]心室の間の血流が弁によって調節される。心臓の左側で、僧帽弁4が左心房25と左心室26との間に位置し、大動脈弁9が左心室26と大動脈1との間に位置する。心臓2の右側で、肺動脈弁3が右心室6と肺動脈7との間に位置し、三尖弁8が右心室6と右心房5との間に位置する。
【0006】
[0006]4つのすべての心臓弁が、圧力差に反応して開いたり閉じたりする「リーフレット」を備える受動的な一方向弁である。例えば、健康な心臓では、心収縮中、左心室26が収縮して大動脈弁9から血液を押し出す。さらに、左心室26内の圧力が僧帽弁4を閉じさせ、それにより心収縮中に左心房25の中に血液が戻るのを防止する。
【0007】
[0007]有意な集団がその一生のうちに弁膜症を患う。先天性心臓疾患もやはり深刻な問題である。弁膜疾患を患う患者は少なくとも1つの弁の解剖学的異常および機能的異常を有する。先天性の弁異常は、後年において生命に危険を及ぼす問題にまで深刻化するまでの数年の間においては、我慢される可能性があり、および/または一時的な苦痛緩和のために治療される可能性がある。しかし、先天性の心臓疾患は気づかれないまま生命に危険を及ぼすリスクを呈する可能性がある。患者が、リウマチ熱、心臓麻痺、リーフレット組織の変性、および細菌感染などから弁膜疾患を患う可能性がある。
【0008】
[0008]弁膜疾患は図3から5に示される複数の要因を原因とする可能性がある。図3が健康な僧帽弁4を示す。図4から5を参照すると、罹患した僧帽弁4が示されている。図4の弁4は逆流とも称される不全症を患っている。このような弁4は完全には閉じず、逆行する形で血液が流れるのを可能にする。このような事例では、心収縮中に血液が左心房25の中まで逆流することになる。図5が、狭窄症を患っている僧帽弁4を示している。このような弁4は適切に開かない。一部の弁4は随伴性の不全症および狭窄症を患う可能性もある。弁4を適切に機能させるのを妨げるBarlow病などの他の疾患が発症する可能性もある。これらの疾患は心臓拍出量を低下させ、より過酷に心臓2を働かせ、それにより心不全および腱索不全(chordae failure)のリスクを増大させる。
【0009】
[0009]この病気を治療するのに薬物治療が利用され得るが、多くの事例で、欠陥のある弁は患者の一生における何らかの時点で修復されるかまたは取り換えられる必要がある可能性がある。自然弁が機械的な弁または組織弁に取り換えられ得る。機械的な弁は開いたり閉じたりするディスクまたは他の部材を有する。機械的な弁は生体適合材料で形成されるが、機械的な弁は凝血のリスクを増大させる。したがって、患者は、通常、患者の残りの人生において抗凝血剤をとることを必要とすることになり、それによりさらなる合併症が発症することになる。組織弁は、人間または動物の組織で、さらにはポリマー材料で、形成され得る。組織弁は、機械的な弁とは異なり、通常、長期間にわたる抗凝血剤の使用を必要としないが、生きている組織で形成されることを理由として、機械的な弁ほどは広く利用可能ではなく、機械的な弁ほど長期間持続しない。一般的な組織弁には、ステント状の構造の中に設置されるブタ大動脈弁が含まれる。
【0010】
[0010]より最近では、人工弁を移植するためのより侵襲的ではない手技の対しての関心が増大している。1つの種類の経皮的手技には、罹患した心臓弁または損傷した心臓弁の内部に人工弁を配置するためにカテーテルを使用することが伴う。
【0011】
[0011]弁修復のための既存の経皮的手技は今なお多くの課題に直面している。これらの課題は、特定の患者集団および特定の解剖学的構造において経カテーテル手技を採用するのを制限することになる。現在まで、経カテーテルデバイスは主として大動脈弁手技に集中しており、また手術に耐えることができない可能性がある重症の患者集団に集中している。外科用弁の性能および安全性を満たすかまたは上回る改善された経カテーテルデバイスが継続して必要とされる。経皮的な弁置換も大動脈弁の手技のみに限定されている。集団のうちの大部分が三尖弁および僧帽弁の疾患を患っているわけであるが、これらの弁の解剖学的構造および機能は経カテーテル置換に対していくつかの課題を呈している。大動脈弁は大腿動脈を介してアクセスされ得るが、例えば僧帽弁は通常は経中隔的アプローチを必要とする。僧帽弁の解剖学的構造は大動脈弁と比較して経カテーテル手技においてのより高い複雑性も呈する。例えば、図4に示されるように、僧帽弁4は、2つの非対称なリーフレット4a、4bおよび不規則な形状の環状部4cを有する。また、僧帽弁4は大動脈弁と比較して患者ごとに大きく異なる。これらの理由および他の理由のために、これまで、外科的置換および経皮的修復が、僧帽弁の疾患のための広く利用可能である利益を見込める唯一の治療であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
[0012]したがって、僧帽弁を含めた心臓弁の修復および置換のためのより侵襲的ではない手技、より迅速な外科的手法、多様な患者の要求に対応する多様な異なる弁組立体、および/または多様な個別の患者に対応することができる人工弁を提供することが望まれる。必ずしもこれらのすべての態様または利点が任意特定の実施形態によって達成されるわけではない。したがって、本明細書で教示される1つの利点または利点のグループを達成または最適化するような1つの手法において、本明細書でやはり教示または提案され得る他の態様または利点を必ずしも達成することなく、多様な実施形態が実行され得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[0013]本開示は、概して、心臓疾患の治療に関連し、より具体的には、移植可能な弁プロテーゼ、および心臓弁膜症のための治療に関連する。
[0014]本開示は、概して、患者の中の罹患した自然弁を治療することに関連し、より具体的には、人工心臓弁に関連する。
【0014】
[0015]本開示は人工心臓デバイスに関連し、いくつかの実施形態で、カテーテルベースの僧帽弁などの人工心臓弁に関連する。
[0001]本開示の態様が、患者の中の罹患した自然弁を治療するための方法を提供する。この方法が、送達デバイスの遠位端を自然弁の第1の側まで前進させることであって、送達デバイスの遠位端がアンカーおよびフレーム構造に着脱自在に結合される、前進させることと、自然弁の第1の側においてアンカーを送達構成から配備構成に配備することと、配備構成であるアンカーを自然弁の第1の側から自然弁の第2の側まで前進させることと、自然弁の第2の側において配備構成であるアンカーの自由端を1つまたは複数の構造の周りで回転させることと、送達デバイスの遠位端からアンカーを解放することと、自然弁の中にあるフレーム構造を収縮構成から拡張構成へ拡張させることと、送達デバイスの遠位端からフレーム構造を解放することと、送達デバイスを自然弁から後退させることとを含む。
【0015】
[0002]いくつかの実施形態で、この方法が、送達デバイスの遠位端を自然弁の第1の側から自然弁の第2の側まで前進させた後で自然弁の第2の側のみにアンカーを位置させるようにアンカーを配置することをさらに含むことができる。
【0016】
[0003]いくつかの実施形態で、この方法が、送達デバイスの遠位端を自然弁の第1の側の方に向けるように送達デバイスの遠位端を操縦することをさらに含むことができる。
[0004]いくつかの実施形態で、アンカーを前進させることが、自然弁を通す形でアンカーを押すことを含むことができる。別法としてまたは加えて、アンカーを前進させることが、自然弁を通す形でアンカーを回転させることを含むことができる。
【0017】
[0005]いくつかの実施形態で、アンカーを前進させることが、自然弁の第2の側のみにアンカーを位置させるようにアンカーを配置することを含むことができる。
[0006]いくつかの実施形態で、フレーム構造が第1および第2の対向する端部を備えることができる。フレーム構造を拡張させることが、自然弁の第1の側の上方で第1の端部を延在させるようにおよび自然弁の第2の側の下方で第2の端部を延在させるように、フレーム構造を拡張させることを含むことができる。
【0018】
[0007]いくつかの実施形態で、フレーム構造を拡張させることが、自然弁に対してフレーム構造を固定するために、配備されたアンカーの少なくとも一部分の中でフレーム構造の少なくとも一部分を拡張させることを含むことができる。
【0019】
[0008]いくつかの実施形態で、フレーム構造を拡張させることおよびフレーム構造を解放することが同時に行われ得る。
[0009]いくつかの実施形態で、フレーム構造がバルーンにより拡張可能であってよい。フレーム構造を拡張させることが、フレーム構造の中に配設されるバルーンを膨らませることを含むことができる。バルーンを膨らませることがフレーム構造の拡張を引き起こすことができる。
【0020】
[0010]いくつかの実施形態で、フレーム構造が自己拡張式であってよい。フレーム構造を拡張させることが、送達デバイスによる径方向の拘束からフレーム構造を解放することを含むことができる。
【0021】
[0011]いくつかの実施形態で、1つまたは複数の構造が、自然弁の1つまたは複数の弁リーフレットを含んでよい。別法としてまたは加えて、1つまたは複数の構造が左心室の1つまたは複数の腱索を含んでよい。
【0022】
[0012]いくつかの実施形態で、自由端が、1つまたは複数の構造の周りでの自由端の回転を容易にするために、配備構成においてアンカーの本体から径方向外側に配設され得る。
【0023】
[0013]いくつかの実施形態で、ワイヤの自由端が非外傷性先端部を備えることができる。例えば、自由端がボール先端部を備えることができる。
[0014]いくつかの実施形態で、ワイヤの自由端が組織を穿孔するように構成され得る。
【0024】
[0015]いくつかの実施形態で、アンカーが湾曲したワイヤを備えることができる。いくつかの実施形態で、湾曲したワイヤが螺旋ワイヤを含むことができる。任意選択で、アンカーが、螺旋ワイヤを備える第1の部分および別の部分を備えることができる。別法としてまたは加えて、アンカーが複数の螺旋ワイヤを備えることができる。例えば、アンカーが、等しいまたは異なる直径を有する少なくとも2つの螺旋ワイヤを含むことができる。別法としてまたは加えて、アンカーが、等しいまたは異なる巻線ピッチを有する少なくとも2つの螺旋ワイヤを含むことができる。
【0025】
[0016]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略管形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が管形状から径方向外側に延在することができる。
[0017]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略円錐台形形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が円錐台形形状から径方向外側に延在することができる。
【0026】
[0018]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略円筒形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が円筒形状から径方向外側に延在することができる。
[0019]いくつかの実施形態で、フレーム構造が、生体適合性の一方向弁を備える、フレーム構造内にある弁セグメントをさらに備えることができる。
【0027】
[0020]いくつかの実施形態で、自然弁が患者の心臓の中にあってよい。この方法が、送達デバイスの遠位端を心臓の左心房の中に経中隔的に挿入することをさらに含むことができる。別法としてまたは加えて、自然弁が僧帽弁を含んでよく、自然弁の第1の側が左心房を含んでよく、自然弁の第2の側が左心室を含んでよい。
【0028】
[0021]いくつかの実施形態で、自然弁が患者の心臓の中にあってよい。自然弁が大動脈弁を含んでよく、自然弁の第1の側が左心室を含んでよく、自然弁の第2の側が大動脈を含んでよい。
【0029】
[0022]いくつかの実施形態で、自然弁が患者の心臓の中にあってよい。自然弁が三尖弁を含んでよく、自然弁の第1の側が右心房を含んでよく、自然弁の第2の側が右心室を含んでよい。
【0030】
[0023]別の態様で、患者の中の罹患した自然弁を治療するためのシステムが提供される。このシステムが、収縮構成および拡張構成を有するフレーム構造と、湾曲形状を有する本体およびアンカーの配備構成時に本体の湾曲形状から径方向外側に配設される自由端を備えるアンカーとを備える。アンカーが患者の中の自然弁の第1の側から自然弁の第2の側の中まで完全に前進させられて自然弁に隣接するところにおけるフレーム構造の拡張構成時に自然弁に対してフレーム構造を固定するように構成される。
【0031】
[0024]いくつかの実施形態で、湾曲形状が概略管形状であってよい。
[0025]いくつかの実施形態で、湾曲形状が概略円錐台形形状であってよい。
[0026]いくつかの実施形態で、湾曲形状が概略円筒形状であってよい。
【0032】
[0027]いくつかの実施形態で、自由端が、配備構成であるアンカーを回転させるときに自然弁の第2の側において1つまたは複数の構造の周りで回転させられるように構成され得る。
【0033】
[0028]いくつかの実施形態で、自由端が、本体の曲率半径より大きい曲率半径を有することができる。
[0029]別の態様で、患者の中の罹患した自然弁を治療するためのシステムが提供される。このシステムが、収縮構成および拡張構成を有するフレーム構造と、自由端を有するワイヤを備えるアンカーとを備える。アンカーが患者の中の自然弁の心房側から心臓の心室の中まで完全に前進させられて自然弁に隣接するようなフレーム構造の拡張構成時に自然弁に対してフレーム構造を固定するように構成される。
【0034】
[0030]いくつかの実施形態で、システムが送達デバイスをさらに備える。送達デバイスが、外側シースと、外側シースのルーメンの中に配設される内側シャフトと、内側シャフトのルーメンの中に配設されるガイドワイヤとを備えることができる。アンカーの近位端が、自然弁までの送達中に内側シャフトに着脱自在に結合され得る。外側シースが操縦可能であってよい。
【0035】
[0031]いくつかの実施形態で、アンカーが細長い構成および配備構成を有することができる。アンカーが、自然弁に隣接するところにおいて細長い構成から配備構成まで作動させられるように構成され得る。内側シャフトのルーメンの中までのガイドワイヤの後退が、アンカーを配備構成へと作動させることができる。別法としてまたは加えて、アンカーが、外側シースによる径方向の拘束により細長い構成で維持され得、外側シースのルーメンから出る内側シャフトの前進が、アンカーを配備構成へと作動させることができる。
【0036】
[0032]いくつかの実施形態で、アンカーの近位端が、外側シースによる径方向の拘束により送達デバイスの内側シャフトに着脱自在に結合され得る。アンカーの近位端から離れる外側シースの後退が、アンカーを送達デバイスから脱着することができる。別法としてまたは加えて、アンカーの近位端が、取付要素により送達デバイスの内側シャフトに着脱自在に結合され得る。別法としてまたは加えて、アンカーの近位端が、弱い接着剤(weak adhesive)により送達デバイスの内側シャフトに着脱自在に結合され得る。
【0037】
[0033]いくつかの実施形態で、フレーム構造が、自然弁までの送達中に収縮構成において送達デバイスに着脱自在に結合され得る。拡張構成へのフレーム構造の拡張が、フレーム構造を送達デバイスから脱着することができる。
【0038】
[0034]いくつかの実施形態で、自由端が非外傷性先端部を備えることができる。例えば、自由端がボール先端部を備えることができる。
[0035]いくつかの実施形態で、自由端が組織を穿孔するように構成され得る。
【0039】
[0036]いくつかの実施形態で、ワイヤが螺旋ワイヤを含むことができる。任意選択で、アンカーが、螺旋ワイヤを備える第1の部分および別の部分を備えることができる。別法としてまたは加えて、アンカーが複数の螺旋ワイヤを備えることができる。例えば、アンカーが、等しいまたは異なる直径を有する少なくとも2つの螺旋ワイヤを含むことができる。別法としてまたは加えて、アンカーが、等しいまたは異なる巻線ピッチを有する少なくとも2つの螺旋ワイヤを含むことができる。
【0040】
[0037]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略管形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が管形状から径方向外側に延在することができる。
[0038]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略円錐台形形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が円錐台形形状から径方向外側に延在することができる。
【0041】
[0039]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略円筒形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が円筒形状から径方向外側に延在することができる。
[0040]いくつかの実施形態で、フレーム構造が、患者の自然弁の中で拡張するように構成され得る。
【0042】
[0041]いくつかの実施形態で、収縮構成が経皮的な挿入のためにサイズ決定および寸法決定され得、拡張構成が患者の自然弁への移植のためにサイズ決定および寸法決定され得る。
【0043】
[0042]いくつかの実施形態で、フレーム構造が第1および第2の対向する端部を備えることができ、フレーム構造が自然弁に固定されるとき、第1の端部が自然弁の上方に延在し、第2の端部が自然弁の下方に延在する。
【0044】
[0043]いくつかの実施形態で、フレーム構造が自然弁に固定されるとき、フレーム構造が自然弁の下方に着座することができる。
[0044]いくつかの実施形態で、フレーム構造が拡張可能ステントを備えることができる。
【0045】
[0045]いくつかの実施形態で、拡張構成が概略管状の拡張形状を有することができる。
[0046]いくつかの実施形態で、フレーム構造が拡張構成において拡張状態の外側周縁部を有することができ、径方向の外力を受けるときの収縮構成において収縮状態の外側周縁部を有することができる。収縮状態の外側周縁部が拡張状態の外側周縁部よりその直径が小さくてよい。
【0046】
[0047]いくつかの実施形態で、フレーム構造がバルーンにより拡張可能であってよい。
[0048]いくつかの実施形態で、フレーム構造が自己拡張式であってよい。
[0049]いくつかの実施形態で、フレーム構造が、送達デバイスの外側シースによる径方向の拘束により収縮構成で維持され得る。外側シースのルーメンから出る内側シャフトの前進が、フレーム構造を拡張構成へと作動させることができる。
【0047】
[0050]いくつかの実施形態で、システムが、生体適合性の一方向弁を備える、フレーム構造内にある弁セグメントをさらに備えることができる。弁セグメントの少なくとも一部分がフレーム構造の少なくとも一部分の中に配置され得る。弁セグメントが、内側層および外側層を有する少なくとも1つのリーフレットを備えることができる。フレーム構造が、フレーム構造の1つまたは複数の端部のところで外側層に取り付けられ得る。弁セグメントが複数のリーフレットを備えることができる。
【0048】
[0051]別の態様で、患者の中の罹患した自然弁を治療するための方法が提供される。この方法が、送達デバイスの遠位端を自然弁の第1の側から自然弁の第2の側まで前進させることであって、送達デバイスの遠位端がアンカーおよびフレーム構造に着脱自在に結合される、前進させることと、アンカーを自然弁の第2の側に完全に配備することと、送達デバイスの遠位端からアンカーを解放することと、自然弁の中にあるフレーム構造を収縮構成から拡張構成へ拡張させることと、送達デバイスの遠位端からフレーム構造を解放することと、送達デバイスを自然弁から後退させることとを含む。
【0049】
[0052]いくつかの実施形態で、この方法が、送達デバイスの遠位端を自然弁の第1の側の方に向けるように送達デバイスの遠位端を操縦することをさらに含むことができる。
[0053]いくつかの実施形態で、アンカーを完全に配備することが、アンカーを細長い構成から配備構成へ作動させることを含むことができる。
【0050】
[0054]いくつかの実施形態で、アンカーを完全に配備することが、自然弁の第1の側においてアンカーを細長い構成から配備構成へ作動させることと、配備構成であるアンカーを、自然弁を通して自然弁の第2の側まで前進させることとを含むことができる。アンカーを前進させることが、自然弁を通す形でアンカーを押すことを含むことができる。アンカーを前進させることが、自然弁を通す形でアンカーを回転させることをさらに含むことができる。
【0051】
[0055]いくつかの実施形態で、アンカーを完全に配備することが、自然弁の第2の側のみに位置させるようにアンカーを配置することを含むことができる。
[0056]いくつかの実施形態で、フレーム構造が第1および第2の対向する端部を備えることができる。フレーム構造を拡張させることが、自然弁の第1の側の上方で第1の端部を延在させるようにおよび自然弁の第2の側の下方で第2の端部を延在させるように、フレーム構造を拡張させることを含むことができる。
【0052】
[0057]いくつかの実施形態で、フレーム構造を拡張させることが、自然弁に対してフレーム構造を固定するために、配備されたアンカーの少なくとも一部分の中でフレーム構造の少なくとも一部分を拡張させることを含むことができる。
【0053】
[0058]いくつかの実施形態で、フレーム構造を拡張させることおよびフレーム構造を解放することが同時に行われ得る。
[0059]いくつかの実施形態で、フレーム構造がバルーンにより拡張可能であってよい。フレーム構造を拡張させることが、フレーム構造の中に配設されるバルーンを膨らませることを含むことができる。バルーンを膨らませることがフレーム構造の拡張を引き起こすことができる。
【0054】
[0060]いくつかの実施形態で、フレーム構造が自己拡張式であってよい。フレーム構造を拡張させることが、送達デバイスによる径方向の拘束からフレーム構造を解放することを含むことができる。
【0055】
[0061]いくつかの実施形態で、アンカーが自由端を有するワイヤを備えることができる。この方法が、自然弁の第2の側において配備されたアンカーの自由端を1つまたは複数の構造の周りで回転させることをさらに含むことができる。1つまたは複数の構造が、自然弁の1つまたは複数の弁リーフレットを含んでよい。別法としてまたは加えて、1つまたは複数の構造が左心室の1つまたは複数の腱索を含んでよい。
【0056】
[0062]いくつかの実施形態で、ワイヤの自由端が非外傷性先端部を備えることができる。例えば、自由端がボール先端部を備えることができる。
[0063]いくつかの実施形態で、ワイヤの自由端が組織を穿孔するように構成され得る。
【0057】
[0064]いくつかの実施形態で、ワイヤが螺旋ワイヤを含むことができる。任意選択で、アンカーが、螺旋ワイヤを備える第1の部分および別の部分を備えることができる。別法としてまたは加えて、アンカーが複数の螺旋ワイヤを備えることができる。例えば、アンカーが、等しいまたは異なる直径を有する少なくとも2つの螺旋ワイヤを含むことができる。別法としてまたは加えて、アンカーが、等しいまたは異なる巻線ピッチを有する少なくとも2つの螺旋ワイヤを含むことができる。
【0058】
[0065]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略管形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が管形状から径方向外側に延在することができる。
[0066]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略円錐台形形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が円錐台形形状から径方向外側に延在することができる。
【0059】
[0067]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略円筒形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が円筒形状から径方向外側に延在することができる。
[0068]いくつかの実施形態で、フレーム構造が、生体適合性の一方向弁を備える、フレーム構造内にある弁セグメントをさらに備えることができる。
【0060】
[0069]いくつかの実施形態で、自然弁が患者の心臓の中にあってよい。この方法が、送達デバイスの遠位端を心臓の左心房の中に経中隔的に挿入することをさらに含むことができる。別法としてまたは加えて、自然弁が僧帽弁を含んでよく、自然弁の第1の側が左心房を含んでよく、自然弁の第2の側が左心室を含んでよい。
【0061】
[0070]別の態様で、患者の中の罹患した自然弁を治療するための方法が提供される。この方法が、送達デバイスの遠位端を自然弁の第1の側から自然弁の第2の側まで前進させることであって、送達デバイスの遠位端がアンカーおよびフレーム構造に着脱自在に結合され、アンカーが、フレーム構造の近位部分に隣接する自由端、およびフレーム構造の遠位部分に結合される第2の端部を備え、送達デバイスの遠位端を前進させることが、アンカーを自然弁の第1の側から自然弁の第2の側まで前進させてアンカーの自由端を自然弁の第2の側に配置する、前進させることと、アンカーを送達構成から配備構成に配備することと、自然弁の第2の側において配備構成であるアンカーの自由端を1つまたは複数の構造の周りで回転させることと、送達デバイスの遠位端からアンカーを解放することと、自然弁の中にあるフレーム構造を収縮構成から拡張構成へ拡張させることと、送達デバイスの遠位端からフレーム構造を解放することと、送達デバイスを自然弁から後退させることとを含む。
【0062】
[0071]いくつかの実施形態で、アンカーが、自然弁の第1の側において送達構成から配備構成に配備され得る。
[0072]いくつかの実施形態で、この方法が、送達デバイスの遠位端を自然弁の第1の側から自然弁の第2の側まで前進させた後で自然弁の第2の側のみにアンカーを位置させるようにアンカーを配置することをさらに含むことができる。
【0063】
[0073]いくつかの実施形態で、アンカーの自由端を1つまたは複数の構造の周りで回転させることが、アンカーを自然弁の方へ上方に回転させることを含むことができる。
[0074]別の態様で、患者の中の罹患した自然弁を治療するための方法が提供される。この方法が、送達デバイスの遠位端を自然弁の第1の側から自然弁の第2の側まで前進させることであって、送達デバイスの遠位端がアンカーおよびフレーム構造に着脱自在に結合される、前進させることと、アンカーを送達構成から配備構成に配備することと、送達デバイスの遠位端を自然弁の第1の側から自然弁の第2の側まで前進させた後で自然弁の第2の側のみにアンカーを位置させるようにアンカーを配置することと、送達デバイスの遠位端からアンカーを解放することと、自然弁の中にあるフレーム構造を収縮構成から拡張構成へ拡張させることと、送達デバイスの遠位端からフレーム構造を解放することと、送達デバイスを自然弁から後退させることとを含む。
【0064】
[0075]いくつかの実施形態で、アンカーが、自然弁の第1の側において送達構成から配備構成に配備され得る。
[0076]いくつかの実施形態で、この方法が、アンカーが配備構成に配備された後で、自然弁の第2の側において配備構成であるアンカーの自由端を1つまたは複数の構造の周りで回転させることをさらに含むことができる。
【0065】
[0077]別の態様で、患者の心臓の中の罹患した自然弁を置換するための心臓弁プロテーゼが提供される。弁プロテーゼが、収縮可能および拡張可能であるフレーム構造と、フレーム構造内に配設される弁セグメントであって、弁セグメントが生体適合性の一方向弁を備える、弁セグメントと、フレーム構造の外側周縁部に接続されるアンカーとを備え、アンカーが自由端を有する螺旋ワイヤを備える。
【0066】
[0078]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤの自由端が、患者の自然弁の交連部を通るように螺旋ワイヤを案内するように構成され得る。
[0079]いくつかの実施形態で、自由端が非外傷性先端部を備えることができる。例えば、自由端がボール先端部を備えることができる。
【0067】
[0080]いくつかの実施形態で、自由端が組織を穿孔するように構成され得る。
[0081]いくつかの実施形態で、アンカーが、螺旋ワイヤを備える第1の部分および別の部分を備えることができる。
【0068】
[0082]いくつかの実施形態で、アンカーが、複数のアンカーを含むことができる。複数のアンカーが、異なる直径を有する少なくとも2つの螺旋ワイヤを含むことができる。別法としてまたは加えて、複数のアンカーが、異なる巻線ピッチを有する少なくとも2つの螺旋ワイヤを含むことができる。
【0069】
[0083]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略管形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が管形状から径方向外側に延在することができる。
[0084]いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤが概略円錐台形形状を有することができる。螺旋ワイヤの自由端が円錐台形形状から径方向外側に延在することができる。
【0070】
[0085]いくつかの実施形態で、フレーム構造が、患者の自然弁内で拡張するように構成され得る。
[0086]いくつかの実施形態で、フレーム構造が、経皮的な挿入のために大きさおよび寸法が決定される収縮状態と、患者の自然弁への移植のために大きさおよび寸法が決定される拡張状態とを有することができる。
【0071】
[0087]いくつかの実施形態で、フレーム構造が第1および第2の対向する端部を備えることができ、弁プロテーゼが自然弁に跨るように配置されるとき、第1の端部が自然弁の上方に延在し、第2の端部が自然弁の下方に延在する。
【0072】
[0088]いくつかの実施形態で、フレーム構造が拡張可能ステントを備えることができる。
[0089]いくつかの実施形態で、フレーム構造が概略管状の拡張形状を有することができる。
【0073】
[0090]いくつかの実施形態で、フレーム構造が、拡張状態の外側周縁部と、径方向の外力を受けるときの収縮状態の外側周縁部とを有することができる。収縮状態の外側周縁部の直径が、拡張状態の外側周縁部の直径よりわずかに小さくてよい。
【0074】
[0091]いくつかの実施形態で、フレーム構造がバルーンにより拡張可能であってよい。
[0092]いくつかの実施形態で、フレーム構造が自己拡張式であってよい。
[0093]いくつかの実施形態で、弁セグメントの少なくとも一部分がフレーム構造の少なくとも一部分の中に配置され得る。
【0075】
[0094]いくつかの実施形態で、弁セグメントが、内側層および外側層を有する少なくとも1つのリーフレットを備えることができる。フレーム構造が、フレーム構造の1つまたは複数の端部のところで外側層に取り付けられ得る。
【0076】
[0095]いくつかの実施形態で、弁セグメントが複数のリーフレットを備えることができる。例えば、弁セグメントが2つのリーフレットを備えることができる。
[0096]別の態様で、患者の罹患した自然弁を置換する方法が提供される。この方法が、弁プロテーゼを送達カテーテルの中に装填することであって、弁プロテーゼが、生体適合性の弁セグメントを担持する拡張可能なフレーム構造と、フレーム構造の外側周縁部に取り付けられるアンカーとを備え、アンカーが自由端を有するワイヤを備える、装填することと、自然弁の上方の標的ロケーションまで弁プロテーゼを送達することと、自然弁を通して自然弁の後方の位置まで弁プロテーゼを挿入することと、弁の下方の腱索の少なくとも一部分の周りに自由端を巻き付けるようにワイヤを回転させることと、弁セグメントを有するフレーム構造を自然弁の中で拡張させることと、を含む。
【0077】
[0097]いくつかの実施形態で、この方法が、自然弁のリーフレットの中にフレーム構造を配置するまで、ワイヤを回転させることにより弁プロテーゼを固定することをさらに含むことができる。
【0078】
[0098]いくつかの実施形態で、この方法が、腱索の周りでワイヤを締め付けるまでワイヤを回転させることにより弁プロテーゼを固定することをさらに含むことができる。
[0099]いくつかの実施形態で、フレーム構造がバルーンにより拡張可能であってよい。フレーム構造を拡張させることが、フレーム構造内でバルーンを膨張させることを含むことができる。
【0079】
[0100]いくつかの実施形態で、フレーム構造が自己拡張式であってよい。フレーム構造を拡張させることが、フレーム構造から送達デバイスのシースを取り外すことを含むことができる。
【0080】
[0101]別の態様で、患者の罹患した自然弁を置換する方法が提供される。この方法が、弁プロテーゼを送達カテーテルの中に装填することであって、弁プロテーゼが、生体適合性の弁セグメントを担持する拡張可能なフレーム構造と、フレーム構造の外側周縁部に取り付けられるアンカーとを備える、装填することと、自然弁の上方の標的ロケーションまで弁プロテーゼを送達することと、自然弁を通して自然弁の後方の位置まで弁プロテーゼを挿入することと、生来のリーフレットおよび/または腱索に対して弁プロテーゼを固定することと、弁セグメントを有するフレーム構造を自然弁の中で拡張させることと、を含む。
【0081】
[0102]いくつかの実施形態で、固定することが、自然弁リーフレットおよび/または腱索に係合させるようにアンカーを回転させることを含むことができる。
[0103]いくつかの実施形態で、アンカーが螺旋ワイヤを備えることができ、固定することが、ワイヤを自然弁リーフレットおよび/または腱索の周りに巻き付けるように螺旋ワイヤを回転させることを含むことができる。
【0082】
[0104]別の態様で、患者の中の罹患した自然弁を置換するための心臓弁プロテーゼが提供される。弁が、収縮可能および拡張可能であるフレーム構造と、フレーム構造の外側周縁部に接続されるアンカーとを有する。アンカーが自由端を有する螺旋ワイヤを備える。弁が、フレーム構造内にある弁セグメントをさらに有することができる。弁セグメントが生体適合性の一方向弁を有することができる。
【0083】
[0105]別の態様で、罹患した自然弁を治療するために人工弁を移植する方法が提供される。
[0106]別の態様で、本明細書で説明される特徴のうちの任意の特徴をその任意の組合せで有する弁が提供される。
【0084】
[0107]添付図面の図に関連する以下の記述でこれらのおよび他の実施形態をさらに詳細に説明する。
参照による援用
[0108]本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、各々の個別の刊行物、特許、または特許出願を参照により組み込まれるものとして具体的にかつ個別に示す場合と同じ程度で参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
[0109]本開示の新規の特徴が添付の特許請求の範囲に具体的に記載される。本開示の原理を利用している例示の実施形態を記載する以下の詳細な記述および添付図面を参照することにより、本開示の特徴および利点をより良好に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
図1】[0110]心臓を通る血流の経路を示す人間の心臓を示す概略図である。
図2】[0111]僧帽弁、大動脈弁、および大動脈を通る、見下ろす方向の心臓を示す断面図である。
図3】[0112]健康な僧帽弁を示す概略図である。
図4】[0113]罹患した僧帽弁を示す概略図である。
図5】罹患した僧帽弁を示す概略図である。
図6】[0114]実施形態による、罹患した自然弁を置換するための経皮的な弁を示す図である。
図7】実施形態による、罹患した自然弁を置換するための経皮的な弁を示す図である。
図8】実施形態による、罹患した自然弁を置換するための経皮的な弁を示す図である。
図9】実施形態による、罹患した自然弁を置換するための経皮的な弁を示す図である。
図10】実施形態による、罹患した自然弁を置換するための経皮的な弁を示す図である。
図11】[0115]実施形態による、図6の弁の人工弁リーフレットを示す斜視図である。
図12】[0116]実施形態による、図6の弁のフレーム構造を示す図である。
図13】実施形態による、図6の弁のフレーム構造を示す図である。
図14】実施形態による、図6の弁のフレーム構造を示す図である。
図15】実施形態による、図6の弁のフレーム構造を示す図である。
図16】実施形態による、図6の弁のフレーム構造を示す図である。
図17】実施形態による、図6の弁のフレーム構造を示す図である。
図18】実施形態による、図6の弁のフレーム構造を示す図である。
図19】[0117]実施形態による、図6の弁を移植する方法を示す図である。
図20】実施形態による、図6の弁を移植する方法を示す図である。
図21】実施形態による、図6の弁を移植する方法を示す図である。
図22】実施形態による、図6の弁を移植する方法を示す図である。
図23】実施形態による、図6の弁を移植する方法を示す図である。
図24】実施形態による、図6の弁を移植する方法を示す図である。
図25】実施形態による、図6の弁を移植する方法を示す図である。
図26】実施形態による、図6の弁を移植する方法を示す図である。
図27】[0118]実施形態による、バルーンを使用するフレーム構造の拡張を示す図である。
図28】実施形態による、バルーンを使用するフレーム構造の拡張を示す図である。
図29】[0119]実施形態による、図6の経皮的な弁に類似する別の経皮的な弁を示す正面図である。
図30A】[0120]実施形態による、図6の経皮的な弁に類似する他の経皮的な弁を示す正面図である。
図30B】実施形態による、図6の経皮的な弁に類似する他の経皮的な弁を示す正面図である。
図30C】実施形態による、図6の経皮的な弁に類似する他の経皮的な弁を示す正面図である。
図30D】実施形態による、図6の経皮的な弁に類似する他の経皮的な弁を示す正面図である。
図30E】実施形態による、図6の経皮的な弁に類似する他の経皮的な弁を示す正面図である。
図30F】実施形態による、図6の経皮的な弁に類似する他の経皮的な弁を示す正面図である。
図31】[0121]実施形態による、図6の弁デバイスに類似する別の弁デバイスを示す斜視図である。
図32】実施形態による、図6の弁デバイスに類似する別の弁デバイスを示す正面図である。
図33】実施形態による、図6の弁デバイスに類似する別の弁デバイスを示す背面図である。
図34】実施形態による、図6の弁デバイスに類似する別の弁デバイスを示す上面図である。
図35】実施形態による、図6の弁デバイスに類似する別の弁デバイスを示している、フレーム構造に対してのアンカーの取り付けを示すデバイスの底部分を示す拡大図である。
図36】[0122]実施形態による、図6の弁デバイスに類似する別の弁デバイスを示す斜視図である。
図37】実施形態による、図6の弁デバイスに類似する別の弁デバイスを示す斜視図である。
図38】実施形態による、図6の弁デバイスに類似する別の弁デバイスを示す正面図である。
図39】実施形態による、図6の弁デバイスに類似する別の弁デバイスを示す上面図である。
図40】[0123]実施形態による、異なるアンカーを示している、図6の弁デバイスに類似する弁デバイスを示す正面図である。
図41】実施形態による、異なるアンカーを示している、図6の弁デバイスに類似する弁デバイスを示す正面図である。
図42】実施形態による、異なるアンカーを示している、図6の弁デバイスに類似する弁デバイスを示す正面図である。
図43A】[0124]実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43B】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43C】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43D】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43E】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43F】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43G】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43H】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43I】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43J】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43K】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43L】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43M】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43N】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43O】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43P】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43R】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43S】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43T】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43U】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43V】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43W】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43X】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43Y】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43Z】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43AA】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43AB】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43AC】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43AD】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43AE】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図43AF】実施形態による、図6および31のデバイスに類似するデバイスを移植する方法を示す連続図である。
図44】[0125]フレーム構造が自己拡張式であることを除いて図6の弁デバイスに類似する、実施形態による、弁デバイスを示す正面図である。
図45】フレーム構造が自己拡張式であることを除いて図6の弁デバイスに類似する、実施形態による、弁デバイスを示す斜視上面図である。
図46】フレーム構造が自己拡張式であることを除いて図6の弁デバイスに類似する、実施形態による、弁デバイスを示す底面図である。
図47】フレーム構造が自己拡張式であることを除いて図6の弁デバイスに類似する、実施形態による、弁デバイスを示す斜視図である。
図48】フレーム構造が自己拡張式であることを除いて図6の弁デバイスに類似する、実施形態による、弁デバイスを示している、送達カテーテル上に装填された弁デバイスを示す斜視図である。
図49】フレーム構造が自己拡張式であることを除いて図6の弁デバイスに類似する、実施形態による、弁デバイスを示している、送達カテーテル上に装填されたデバイスを示す底面図である。
図50】[0126]実施形態による、アンカーが細長い構成である状態の、送達デバイス上に装填されたフレーム構造およびアンカーを備える、弁プロテーゼシステムを示す側面図である。
図51】[0127]実施形態による、アンカーが配備構成である状態の、図50の弁プロテーゼシステムを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
[0128]以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。図では、特に明記しない限り、通常、同様の記号が同様の構成要素を示す。詳細な説明、図、および特許請求の範囲で説明される例示の実施形態は限定的であることを意図されない。本明細書で提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態も利用され得、他の変形形態も作られ得る。本明細書で概略的に説明されて図に示される本開示の態様は、広範囲の異なる構成で、構成され得、置換され得、組み合わされ得、分離され得、および設計され得、これらの異なる構成はすべて、本明細書で明確に企図される、ことが容易に理解されよう。
【0088】
[0129]以下では特定の実施形態および実施例が開示されるが、本発明の主題はその範囲が、具体的に開示される実施形態を超えて他の代替的実施形態および/または使用にまで、さらにはその修正形態および均等物にまで及ぶ。したがって、本明細書に添付の特許請求の範囲は、下記で説明される特定の実施形態のうちの任意の実施形態によって限定されない。例えば、本明細書で開示される任意の方法およびプロセスにおいて、方法またはプロセスの行為および動作が任意適切な順序で実施され得、任意の具体的に開示される順序のみに必ずしも限定されない。また、特定の実施形態を理解するのに有用となり得る形で複数の具体的な動作として種々の動作を説明する可能性があるが、説明の順番はこれらの動作が順序依存的であることを暗に示すものであると解釈すべきではない。加えて、本明細書で説明される構造、システム、および/またはデバイスは、一体化される構成要素としてまたは別個の構成要素として具体化され得る。
【0089】
[0130]種々の実施形態を比較するために、これらの実施形態の特定の態様および利点を説明する。これらのすべての態様または利点が必ずしも任意特定の実施形態によって達成されるわけではない。したがって、例えば、本明細書で教示される1つの利点または利点のグループを達成または最適化するような1つの手法において、本明細書でやはり教示または提案され得る他の態様または利点を必ずしも達成することなく、多様な実施形態が実行され得る。
【0090】
[0131]添付の特許請求の範囲での説明の便宜のために、および正確な定義のために、「上方」または「上側」、「下方」または「下側」、「内部」および「外部」という用語が、図に表示される構造部の位置を参照しながら実施形態の構造部を説明するのに使用される。
【0091】
[0132]多くの点において、種々の図の修正形態が先行する修正形態に類似し、添字「a」、「b」、「c」、および「d」を後ろに付される同様の参照符号が対応する部分を示す。複数の修正された部品を有する複数の組合せを得るために、種々の図の対応する部品の修正形態が、複数の実施形態間で、互いに交換可能であることが当業者には理解されよう。
【0092】
[0133]本開示は、例えば僧帽弁、大動脈弁、または三尖弁などの心臓の罹患した自然弁の治療のための、システムの配備、デバイス、または方法に関連して説明される。しかし、これが限定的であることを意図されず、本明細書で開示されるデバイスおよび方法が他の解剖学的領域または他の外科手技でも使用され得ることが当業者には認識されよう。
【0093】
[0134]次に、種々の図を通して同様の参照符号により同様の構成要素を示している図面を参照する。図1~5に注目する。図1が、人間の心臓2、および心臓の4つの心室を通る血流路を示す。図2が、僧帽弁4、大動脈弁9、および大動脈1を示す、人間の心臓2である。僧帽弁4が2つのリーフレット4a、4bを有する。前尖(anterior leaflet)(大動脈リーフレット(aortic leaflet))4aが大動脈1に隣接する。後尖(posterior leaflet)(壁性リーフレット(mural leaflet))4bが大動脈1から離れている。大動脈弁9が3つのリーフレットを有する。この図では、心臓2が心収縮状態であり、大動脈弁9が開いており、僧帽弁4が閉じている。図1は健康な心臓2を示しているが、図2~5は、本開示による人工弁によって対処され得る例示の僧帽弁4の疾患状態を示している。この人工弁は、機能性僧帽弁逆流(FMR:functional mitral regurgitation)などの機能性逆流を治療するのにも使用され得る。
【0094】
[0135]図6~18が、本開示による、罹患した僧帽弁を置換するための例示の弁プロテーゼ10(本明細書では「弁デバイス」とも称される)を示す。示される弁プロテーゼ10が、フレーム構造12、弁セグメント14、およびアンカー15を備える。図6~10が、拡張した配備状態にある弁プロテーゼ10を示す。図12~18が、弁セグメント14を有さないフレーム構造12を示す。フレーム構造12が図12~15では折り畳まれた状態であり、図16~18では拡張状態である。アンカー15が配備状態で示される。
【0095】
[0136]次に、図6~11を参照して例示の弁プロテーゼ10を説明する。示される実施形態では、弁プロテーゼ10が、自然僧帽弁を置換するように構成される。弁10が、フレーム構造12、弁セグメント14、およびアンカー15を有する。示される実施形態では、アンカーが、フレーム構造の周りに螺旋形状または渦巻き形状として形成されるワイヤ20を有する。
【0096】
[0137]例示のフレーム構造12がステントのように構成される。フレーム構造12が拡張状態および非拡張状態(折り畳まれた状態または収縮状態)を有する。収縮状態が経皮的な挿入のためにサイズ決定および寸法決定され、拡張状態が患者の自然弁への移植のためにサイズ決定および寸法決定される。多様な実施形態で、フレーム構造12が、拡張状態の外側周縁部と、径方向の外力を受けるときの収縮状態の外側周縁部とを有し、収縮状態の外側周縁部が拡張状態の外側周縁部よりその直径がわずかに小さい。フレーム構造12が図6では拡張した配備状態で示されている。フレーム構造12が図12では折り畳まれた送達状態で示されている。
【0097】
[0138]例示のフレーム構造12が、形状記憶材料(例えば、NiTi)から形成されるダイヤモンドパターンのスカフォールドである。当業者には、本明細書の記述から、フレーム構造12のために多くの他の構造、材料、および構成が採用されてもよいことが認識されよう。例えば、フレーム構造12が十分な弾性を有するポリマーで形成され得る。フレーム構造12が、ポリマーの中で被覆される金属(例えば、形状記憶材料)などの、金属およびポリマーの組合せで形成され得る。フレーム構造12が、ダイヤモンド形状に加えて、多様なパターンを有してもよい。
【0098】
[0139]弁プロテーゼ10が、フレーム構造12の中に弁セグメント14を有する。例示の弁セグメント14が拡張可能および折り畳み可能である。示される実施形態では、弁セグメント14がフレーム構造12の中に付着され、フレーム構造12と共に拡張および折り畳める。弁セグメントはある程度は人工弁リーフレットと交換可能に使用され、概して人工リーフレットおよびフレームと称される。本明細書で使用される「人工弁」は、組織弁(生体弁)、組織工学によって作製された弁、ポリマー弁(例えば、生分解性ポリマーの弁)、およびさらいは特定の機械的な弁を含めた、作り物である人工の交換弁のすべての意味を表すことができる。
【0099】
[0140]示される実施形態では、フレーム構造12が閉じたフレームであり、したがって、血流が中にある弁セグメント14を強制的に通過させられる。1つまたは複数のスカートおよび/またはシールが血液に弁セグメント14を強制的に通過させるのを補助することができる。
【0100】
[0141]弁セグメント14が、本明細書の説明から当業者には理解されるように構成され得る。弁セグメント14が既存の経カテーテル弁に類似してよい。弁セグメント14が、既存の外科用組織弁および機械的な弁に類似してよい。種々の実施形態で、弁セグメント14が、優先の機能のために複層材料で形成されるリーフレット16を有する。少なくとも1つのリーフレット16が内側層および外側層を有することができる。種々の実施形態で、リーフレット16が弁構造に接続され、弁構造がさらにフレーム構造12に接続される。フレーム構造12が自然弁に隣接するところに配備される前にまたはその後で、弁構造がフレーム構造12に接続され得る。種々の実施形態で、リーフレット16は、フレーム構造12に直接に取り付けられている。リーフレット16が内側層および外側層を有することができ、外側層がフレーム構造12に取り付けられる。リーフレット16は、フレーム構造12の端部に取り付けられ得る。別法としてまたは加えて、リーフレット16が、フレーム構造12の中間部分に取り付けられ得る。種々の実施形態で、弁セグメント14が、2つ、3つ、またはそれ以上のリーフレットといったように、複数のリーフレット16を有する。示される実施形態では、弁セグメント14が、フレーム構造12に取り付けられる3つのリーフレット16を有する。例示のリーフレット16が図11に示される。リーフレット16は、一方向の流れを可能にするために凹形である。具体的には、一方向の流れによりリーフレット16が湾曲して開き、反対方向の流れによりリーフレット16が閉じる。
【0101】
[0142]改めて図6~18を参照すると、またより具体的には図12~18を参照すると、例示のアンカー15が、自由端22を有する、ワイヤ20などの螺旋部材を備える。ワイヤ20のもう一方の端部がフレーム構造12の頂端部に取り付けられる。示される実施形態では、ワイヤ20の一方の端部がフレーム構造12のストラットに固定される。この端部が、限定しないが、溶接、接着剤、および機械的な固定部を含めた、本明細書の記述から当業者には理解されるような適切な手段によって取り付けられ得る。種々の実施形態で、螺旋ワイヤ20が、第2の端部の位置のところのみでフレーム構造に取り付けられる。
【0102】
[0143]アンカーと称されるが、アンカー15が従来の意味でのアンカーの機能を果たすことを必要としないことを当業者であれば認識するであろう。後でより詳細に説明されるように、アンカーが、自然弁の中の所望の位置まで弁プロテーゼ10を案内する。また、アンカー15が、望まれずに僧帽弁の腱索および弁リーフレットに絡みあったり妨害したりするのを軽減することができる。
【0103】
[0144]ワイヤ20が、所定の形状を維持するのに十分な剛性を有する材料で形成される。例示の実施形態では、ワイヤ20が形状記憶材料(例えば、NiTi)で形成される。少なくとも端部分に比較的高い剛性を有させるようにすることが所望される可能性もあり、それにより腱索を動かすための力を作用させることができるようになり、それでもカテーテルの中で折り畳まれるための柔軟性も維持することができる。種々の実施形態で、端部分(自由端22を含む)はその形状を維持するのに十分な剛性のみを必要とし、それにより、荷重下で変形するようになる。例えば、端部分が、ガイドワイヤと同等の剛性を有するようにまたはガイドワイヤよりわずかに高い剛性を有するように構成され得る。
【0104】
[0145]種々の実施形態で、アンカー15が螺旋部材を備える。螺旋部材が螺旋ワイヤまたは平坦なリボンを含むことができる。螺旋部材が本明細書で説明されるような3次元表面を有することができる。
【0105】
[0146]種々の実施形態で、アンカー15が、螺旋ワイヤ20を備える第1の部分および別の部分を備えることができる。別法としてまたは加えて、アンカー15が複数の螺旋ワイヤ20を備えることができる。例えば、アンカー15が、等しいまたは異なる直径を有する少なくとも2つの螺旋ワイヤ20を備えることができる。別法としてまたは加えて、アンカー15が、等しいまたは異なる巻線ピッチを有する少なくとも2つの螺旋ワイヤ20を備えることができる。
【0106】
[0147]種々の実施形態で、アンカー15が、例えば本明細書で説明される複数の螺旋ワイヤ20といったように、複数のアンカーを備えることができる。
[0148]示される実施形態で、弁プロテーゼ10が僧帽弁を置換するように構成され、自由端22が交連部(commissure)を通して挿入されるように構成される。図1が僧帽弁4を有する人間の心臓2の概略図である。図2および4が例示の僧帽弁4を示す。図で見てとれるように、複数の交連ポイント(前交連部4dおよび後交連部4e)が弁リーフレット4a、4bの端部のところに存在する。
【0107】
[0149]継続して図6~18を参照すると、例示の自由端22が、交連部のうちの1つの交連部を通して挿入されるようにサイズ決定および寸法決定される。種々の実施形態で、自由端22が、弁組織およびリーフレットの損傷のリスクを回避するために非外傷性となるように構成される。自由端22が、丸みを有する端部、ボール先端部、湾曲した先端部(例えば、J形の先端部またはピグテール)、および他の非外傷性の形状、の形態であってよい。種々の実施形態で、自由端22が、組織を穿孔するために鋭利な端部を有するように構成される
[0150]種々の実施形態で、ワイヤ20が、その長さに沿って変化する剛性を有する。ワイヤ20が異なる剛性を有する2つ以上のセグメントを有することができ、および/または剛性がその長さにわたって変化してよい。種々の実施形態で、ワイヤ20が複数のポイントでフレーム12に取り付けられ、その結果、自由端22が比較的高い柔軟性を有し、ワイヤ20が、フレーム構造12に取り付けられる部分に沿ってより高い剛性を有する。
【0108】
[0151]種々の実施形態で、自由端22が、フレーム構造12から、また具体的にはワイヤ20の残りの部分から、径方向外側に延在する。後で説明するように、自由端22が、ワイヤ20の主コイルより大きい半径で円を描くように構成される。ワイヤ20の主コイルが概して湾曲形状(例えば、螺旋、管状、円錐台形など)を有する場合、自由端22が湾曲形状から径方向外側に延在することができる。例えば、ワイヤ20の主コイルが概略管形状を有する場合、自由端22が管形状から径方向外側に延在することができる。ワイヤ20の主コイルが概略螺旋形状を有する場合、自由端22が螺旋形状から径方向外側に延在することができる。ワイヤ20の主コイルが概略円錐台形形状を有する場合、自由端22が円錐台形形状から径方向外側に延在することができる。より大きい直径は、後でより詳細に説明されるように回転中に自由端22の緩やかな曲線部分(sweep)内で弁リーフレットおよび/または腱索を捕捉するのを容易にする。
【0109】
[0152]次に、図19~28を参照して、本開示による弁プロテーゼ10を移植する方法を説明する。僧帽弁に関連して示されて説明されるが、本明細書で説明される原理が他の房室弁にも同様に適用され得ることが当業者には理解されよう。手技、送達ツール、および移植される弁プロテーゼの態様は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれている、米国特許第9,034,032号明細書、米国特許第9,005,273号明細書、米国特許第8,323,336号明細書、米国特許第8,075,615号明細書、米国特許第7,621,948号明細書、および米国特許第7,175,656号明細書、ならびに米国特許出願公開第2011/0288637号に説明される態様に類似する。
【0110】
[0153]移植前、弁プロテーゼ10が折り畳まれて例えば送達カテーテルである送達デバイス30の中に装填される。弁システムが、任意選択で、送達カテーテル30の中に装填される前にまたはその後で準備を整えられる。図19が、その心房中隔の中に経中隔穿孔部27を有する心臓2の断面図を示す。弁4のリーフレット42が完全には逸脱しておらず、患者が逆流を経験している。
【0111】
[0154]次に、送達カテーテル30がイントロデューサを通して血管の中に挿入される。送達カテーテル30が、セルジンガーテクニックを利用して、標的の位置までガイドワイヤの上で案内され得る。示される実施形態では、送達カテーテル30が、図20に示されるように、従来の方式で、経中隔穿孔部27を通して左心房25まで案内される。
【0112】
[0155]図21~22を参照すると、この時点で、送達カテーテル30の端部が僧帽弁4の方を指している。次いで、弁プロテーゼ10が送達カテーテル30の遠位端から押し出される。送達デバイス30が、外側カテーテル50、および内側カテーテルまたは内側シャフト52を備えることができる。いくつかの実施形態で、送達デバイス30が定位置にくると、送達チューブ52が外側カテーテル50から外まで伸びて弁デバイス10を自然弁4の方へ遠位側に移動させる。弁プロテーゼ10が送達カテーテル30から外に出ると。ワイヤ20などのアンカー15が配備されて(例えば、送達デバイス30内での直線形状から)その予め形成された配備形状になり、フレーム12に巻き付き、それによりフレーム12が図22に示されるようにその折り畳まれた状態を維持する。次いで、弁プロテーゼ10が標的の自然弁4に位置合わせされ、その結果、弁プロテーゼ10の軸が自然弁4の中心軸に位置合わせされる。
【0113】
[0156]図23~24を参照すると、例示の螺旋ワイヤ20を使用して弁10が自然弁4に固定される。弁プロテーゼ10(フレーム12、ワイヤ20、および弁セグメント14)がゆっくり回転させられて自然僧帽弁4の中に入る。示される実施形態では、弁10を回転させるためのトルカーが送達カテーテル30の中に設けられる。ワイヤ20の自由端22が接合部を通るように回転させられ、自然弁4の環状部の下方に延在する。弁プロテーゼ4がさらに回転させられ、その結果、自由端22が腱索(「乳頭筋」とも称される)40および/または自然弁リーフレット42を捕捉する。ワイヤ20が継続して回転させられると、腱索40が寄せ集められて径方向内側に引かれる。自由端22が螺旋コイルの本体より大きい半径を有し(例えば、螺旋コイルの本体の径方向外側に配設される)、それにより、弁プロテーゼ10の回転中に腱索40を捕捉するのを容易にする。ワイヤ20が回転させられるとき、フレーム構造12も自然弁4の中まで移動する。腱索40が十分な程度で捕捉されるとおよび/またはフレーム構造12が自然弁40の中の所望の場所にくると、弁プロテーゼ10が適切な位置にくる。自然弁を通してデバイスを挿入することが、心臓周期中の自然弁の自然な開閉によって容易にされ得る。示される実施形態では、腱索40が内側に引かれて束になっている(図25で最も良好に見ることができる)。自然弁リーフレット42も螺旋コイル20につながっている。この段階で、弁デバイス10が自然弁40の環状部に隣接する形で堅固に固定される。
【0114】
[0157]臨床医が弁を取り除くかまたは再配置することを望む場合、螺旋ワイヤ20が反対方向に回転させられ得、それによりデバイス10を自然弁4から再び外すことができる。この場合、このインプラントの回転手技が繰り返し行われ得る。
【0115】
[0158]弁10が図25に示されるように所望の位置にくると、フレーム構造12が拡張させられる。フレーム構造12が第1および第2の対向する端部を備えることができ、フレーム構造12が自然弁4に固着されるとき、第1の端部が自然弁の上方に延在し、第2の端部が自然弁の下方に延在する。示される実施形態では、フレーム構造12が図27~28に示されるようにバルーン48を用いて拡張させられる。種々の実施形態で、フレーム構造12が自己拡張式である。自己拡張式の例示のフレーム構造12は、形状記憶材料または超弾性特性を有する任意の材料で形成される。自己拡張式のフレーム構造12は、自己拡張式のステントまたはスカフォールドと同様の形で構成され、拡張する。フレーム構造12を拡張させることが、フレーム構造12から送達デバイス30のシース(例えば、外側シース50)を取り外すことを含む。
【0116】
[0159]フレーム構造12が拡張させられると、弁組立体10の全体が送達カテーテル30から解放されて送達カテーテル30が図26に示されるように取り外される。いくつかの実施形態では、フレーム構造12の拡張が、送達カテーテル30からのフレーム構造12の解放と同時に行われ得る。
【0117】
[0160]示される実施形態では、弁構造14およびフレーム構造12が同時に配備される。しかし、フレーム構造12が先に配置されて人工弁セグメント14を受け取ることができることも当業者であれば認識するであろう。
【0118】
[0161]種々の実施形態で、弁プロテーゼ10が弁セグメント14を有さない。代わりに、フレーム構造12およびアンカー15が自然弁4の中に配置される。フレーム構造12が、別個に送達される弁セグメント14を受け取るように構成される。特定の実施形態で、フレーム構造12が、複数の弁サイズおよび弁の種類のうちの1つを受け取るように構成され得る。こうすることで、臨床医が個別の患者に適切である弁を選択することができる。
【0119】
[0162]示される実施形態では、アンカー15の螺旋ワイヤ20が所望の軸に沿わせて弁システム10を自然弁4に隣接する位置まで案内する。また、ワイヤ20が初期の固着を実現する。フレーム構造12が自然弁4内で拡張させられると、弁プロテーゼ10が最終的に固着される。フレーム構造12が弁リーフレット14を広げて、圧縮力が弁プロテーゼ10を定位置で固定する。その後、組織内方成長が弁プロテーゼ10に着座状態を維持させるのを保証し、弁プロテーゼ10が動かなくなる。
【0120】
[0163]本開示に従って本明細書で説明される弁デバイスが、従来の弁システムに優る複数の利点を提供する。本明細書で説明される実施形態は、使用が容易である再配置可能なデバイスを提供する。従来の弁システムとは異なり、本明細書で説明される弁プロテーゼは腱索を損傷させるかまたは腱索に裂傷を負わせるリスクを低減する。一般的な僧帽弁置換システムは、弁の周りに人工の環状部またはリングを移植することを伴う。リングが弁の外周を増大させ、大動脈弁の入口を塞ぐリスクを増大させる。本明細書で説明される弁デバイスはこれらのおよび他の問題を解消する。
【0121】
[0164]図29が本開示による別の実施形態を示す。弁プロテーゼ10’が、螺旋ワイヤ20’、およびフレーム構造12’を有する。弁構造10’は、弁セグメント14’がフレーム構造12’の別個の端部の中で固定されることを除いて、弁10に類似する。ワイヤ20’が、弁セグメント14’が固定されるフレーム構造12の上側部分より小さい直径を有するフレーム構造12の下側部分に巻き付けられる。
【0122】
[0165]図30Aから30Fが本開示による複数の他の実施形態を示す。弁10aから10fの各々が螺旋ワイヤおよびフレームを有する。各々が、任意選択で、フレーム内に弁セグメントを有することができる。
【0123】
[0166]図30Aが、自由端22aが非外傷性のボール先端部を有することを除いて、弁プロテーゼ10に類似する弁プロテーゼ10を示す。また、ワイヤ20aが一方の端部のところで管形状を有し、もう一方の端部のところで円錐台形形状を有する。フレーム構造12aは、フレーム構造12と実質的に同様である。
【0124】
[0167]図30Bが、自由端22がピグテール先端部を有することを除いて、弁プロテーゼ10に類似する弁プロテーゼ10bを示す。また、ワイヤ20bが、フレーム構造12bの端部ではなく、フレーム構造12bの中間部分に取り付けられる。フレーム構造12bは、フレーム構造12と実質的に同様である。
【0125】
[0168]図30Cが、フレーム構造12cがスカフォールド状の構造またはステント状の構造の代わりに管状構造であることを除いて、弁プロテーゼ10に類似する弁プロテーゼ10cを示す。フレーム構造12cが、ポリウレタンまたはポリカーボネートウレタンなどの、拡張可能な材料で形成され得る。ワイヤ20cは、ワイヤ20と実質的に同様である。自由端22cは、自由端22に実質的に同様である。
【0126】
[0169]図30Dが、アンカー15がワイヤ20の代わりに3次元表面20dで形成されることを除いて、弁プロテーゼ10に類似する弁プロテーゼ10dを示す。3次元表面20dが、本明細書で説明される自由端のうちの任意の自由端に実質的に同様であってよい自由端22dを備える。フレーム構造12dは、フレーム構造12と実質的に同様である。
【0127】
[0170]図30Eが、フレーム構造12eが管状形状の代わりに円錐形状を有することを除いて、弁プロテーゼ10に類似する弁プロテーゼ10eを示す。フレーム構造12が本開示による多様な形状をとることができることが本記述から認識されよう。ワイヤ20eは、ワイヤ20と実質的に同様である。自由端22eは、自由端22と実質的に同様である。
【0128】
[0171]図30Fが、弁デバイス10fが複数のワイヤ20fおよび20f’を有することを除いて、弁プロテーゼ10に類似する弁プロテーゼ10fを示す。複数のワイヤ20fおよび20f’を使用することで固着の強度を向上させることができる。両方の自由端22fおよび22f’を挿入することが困難であることを理由として、一方または両方の自由端22fおよび22f’が、組織を穿孔するための鋭利な先端を有することができる。こうすることで、鋭利な端部が弁輪または弁リーフレットを穿孔することができる。棘または他の機構がワイヤの固着を強化するのに採用され得る。例えば、ワイヤ20fおよび20f’の一方または両方が、定位置までねじ込まれた後で軸方向において位置がずれるのを防止するための網状の表面または棘を有することができる。
【0129】
[0172]図31~35は、弁プロテーゼ10gが、自然僧帽弁の環状部の底部(つまり、心室側)から固定されるように構成されることを除いて、弁プロテーゼ10に類似する別の弁プロテーゼ10gの実施形態を示す。弁プロテーゼ10と比較すると、弁プロテーゼ10gは、フレーム構造12gの底部のところに狭いセクションを有してデバイス10gの中央部分に沿って幅広のセクションを有するような、円錐台形形状(または、円錐形状)の螺旋アンカー15gを有する。示される実施形態では、アンカー15gの最も幅広のセクションがコイル15gの頂部の近くにある。示される実施形態では、コイル状のアンカー15gが、折り畳まれた構成(例えば、非拡張構成)で、フレーム構造12gの底部からフレーム構造12gの頂部セクションまで延在する。フレーム構造12g、アンカー15g、および弁セグメント(図示せず)は、他の点において、概して、弁プロテーゼ10のフレーム構造、アンカー、および弁セグメント、または本明細書で説明されるフレーム構造、アンカー、または弁セグメントのうちの任意のものに類似する。
【0130】
[0173]アンカー15gは図6のアンカー15と比較すると反転している。自由端22gが弁プロテーゼ10gの中央セクションに沿って配置される。図43A~43AFを参照して後でより詳細に説明されるように、弁プロテーゼデバイス10gが自然弁(例えば、僧帽弁)を通して挿入されて下方から固定されるように構成され得る。具体的には、アンカー15gが、弁の環状部の下方から腱索および/または自然弁リーフレット(換言すれば、弁小葉)を捕捉するように構成され得る。この反転したデザインは、長周期の臨床的に有用な固定機構を提供しながら、罹患した自然弁に対しての単純な経カテーテル的アプローチを実現する。
【0131】
[0174]例示のアンカー15gが一方の端部57のところでフレーム構造12gに取り付けられる。示される実施形態では、図35で最も良好に示されるように、この端部がフレーム構造12gのストラットに固定される。この取り付けられる端部は、限定しないが、溶接、接着剤、および機械的な固定部を含めた、本明細書の記述から当業者には理解されるような適切な手段によって取り付けられ得る。示される実施形態では、弁プロテーゼ10gが、コイルアンカー15gの補助的な固定のための任意選択のアイレット55を有する。例示のアンカー15gは、本明細書で説明される他のアンカーワイヤに類似であり、アイレット55を通って延在するセクションを有する、コイルワイヤの形状で形成される。コイル15gがアイレット55内で摺動可能に保持される。コイル15gが配備後にその形状を維持するように構成され得る。次いでフレーム構造12が拡張させられると、コイルワイヤアンカー15gがアイレット55を通って摺動し、それによりフレーム構造12がアンカー15gのより大きい直径の中で拡張することが可能となる。アイレット55がコイルワイヤアンカー15gを、フレーム構造12gを基準とした径方向位置で保持する。これにより、コイル15gがフレーム構造12gから離れるように曲がることおよび/または破損して故障することのリスクを低減することができる。
【0132】
[0175]継続して図31~32を参照すると、例示の実施形態では、アンカー15gが約15mmから約50mmの間の曲率半径(R)を有する。種々の実施形態で、Rが約35mmである。種々の実施形態で、アンカーの高さ(H)が約10mmから約60mmの間である。種々の実施形態で、アンカーの高さ(H)が約3mmから約60mmの間である。種々の実施形態で、アンカーの高さ(H)が約3mmから約6mmの間である。種々の実施形態で、アンカーの高さ(H)が約3mmから約50mmの間である。種々の実施形態で、Hが約30mmである。種々の実施形態で、フレーム構造の高さ(H)が約20mmから約55mmの間である。種々の実施形態で、Hが約30mmである。種々の実施形態で、折り畳まれた構成であるフレーム構造の幅(W)が約4mmから約8mmの間である。種々の実施形態で、Wが約6mmである。種々の実施形態で、拡張構成であるフレーム構造12gの幅(W)が約25mmから約35mmの間である。種々の実施形態で、Wが約30mmである。種々の実施形態で、アンカー15gが変化する幅を有するコイルとして形成され、最小幅(または、最小半径)が約10mmであり、最大半径が約30mmである。
【0133】
[0176]本明細書で説明される任意のアンカーの実施形態が、アンカー15gまたは本明細書で説明される他のアンカーのうちの任意のアンカーを参照して本明細書で説明される寸法と同等の寸法を有するように形成され得ることが当業者には理解されよう。
【0134】
[0177]本明細書で説明される任意のフレーム構造の実施形態が、フレーム構造12gまたは本明細書で説明される他のフレーム構造のうちの任意のフレーム構造を参照して本明細書で説明される寸法と同等の寸法を有するように形成され得ることが当業者には理解されよう。
【0135】
[0178]図36~39が、アンカー15hが概して対称の管状プロファイルを有することを除いて、弁プロテーゼ10gに類似する別の弁プロテーゼ10hの実施形態を示す。アンカー15hの近位端57hがコイル本体からフレーム構造12h上の取り付け位置まで内側に延在する。端部57hが、本明細書で説明されるように、フレーム構造12hの周りに巻き付き、フレーム構造12hに固定される。コイル20hが、折り畳まれたフレーム構造12hの周りにおける1周分のうちの一部分を有することができる。コイル20hが、折り畳まれたフレーム構造12hの周りにおける1周分または複数周分を有することができる。コイル20hの一部分が本明細書で説明されるようにアイレット55hを通って延在することができる。弁10gと同様に、フレーム構造12gが、アイレット55hを通って摺動するコイルアンカー15gにより拡張することが可能となり得る。同時に、アイレット55hが、コイルアンカー15gのそれぞれの部分の相対的な径方向位置を維持することができる。本実施形態はアイレット55gを示しているが、本明細書の記述から、限定しないが、フックおよびガイドレールなどまたはその任意の組合せを含めた他の機構もアンカー15gを案内するのに適し得ることが当業者あれば認識するであろう。
【0136】
[0179]図40~42が、弁プロテーゼ10gに類似し、多様な構成のアンカー15i、15j、および15kを有する例示の弁プロテーゼの実施形態10i、10j、および10kを示す。示される実施形態では、例示のアンカーが本明細書で説明される非外傷性先端部60を有する。非外傷性先端部が、ボール、丸みを有する縁部、J形の先端部、または本明細書の記述から当業者には理解されるような他の任意適切な手段として形成され得る。
【0137】
[0180]図40が、アンカー15iが線形形状または対称形状を有さないことを除いて、弁プロテーゼ10gに類似する弁プロテーゼ10iを示す。アンカー15iの少なくとも一部分がテーパ形状を有する。示される実施形態では、アンカー15iがコイルとして形成され、巻線の少なくとも1周分が曲線形状を有する。アンカー10gの巻線の複数周分のうちの少なくとも一部が概して一平面内で平坦であるのに対して、弁プロテーゼ10i内のそれぞれの1周分がこの平面から出て3次元の変形(degenerate)表面内を延在するように構成される。示される実施形態では、曲線形状がより明確であり、底部の複数周分よりも頂部の1周分の曲率半径が大きい。アンカー15iの全体の形状が概略円錐形である。この形状は、後でより詳細に説明されるように、自然弁リーフレットを通してアンカーを挿入するのを促進することができる。
【0138】
[0181]図41が、弁プロテーゼ10g、10h、10i、および10jに類似する弁プロテーゼ10jを示す。アンカー15jが複雑なテーパ形状を有するコイルとして形成される。図41が、アンカー15kが自然弁を通してより容易に挿入されるのを促進するように構成されることを除いて、弁プロテーゼ10g、10h、10i、および10jに類似する弁プロテーゼ10kを示す。示される実施形態では、アンカー15kが、他のアンカーより比較的小さい形状要素(form factor)を有するコイルとして形成される。コイルの径方向の幅が小さいことで、必要な数の腱索および/または自然弁リーフレットを捕捉するのに十分な幅を有しながら、自然弁を通して挿入されるのを促進することができる。
【0139】
[0182]本明細書で説明される任意のアンカーの実施形態が、多様な形状および曲率を有する巻線を有することができる。種々の実施形態で、アンカーの下側部分が第1の方向に湾曲している巻線を有し、上側部分が第2の方向に湾曲している巻線を有する(フレーム構造および/またはアンカーの主軸に対して概して垂直である平面において)。種々の実施形態で、第2の方向が第1の方向の反対である。種々の実施形態で、アンカーが、第1の曲率半径(フレーム構造および/またはアンカーの主軸に対して概して垂直である平面において)を有する第1の部分と、第2の曲率半径を有する第2の部分とを有する。種々の実施形態で、アンカーが第3の曲率半径を有する第3の部分を有する。種々の実施形態で、アンカーが第4の曲率半径を有する第4の部分を有する。種々の実施形態で、アンカーが、固有の曲率半径を各々が有する複数の部分を有する。種々の実施形態で、それぞれの曲率半径がすべて異なる。種々の実施形態で、第2の曲率半径が第1の曲率半径より大きく、第3の曲率半径が第2の曲率半径より大きい。種々の実施形態で、上側の巻線の曲率半径が30mmより大きい。種々の実施形態で、下側の巻線の曲率半径が10mmより大きい。
【0140】
[0183]図42が、アンカー15jをフレーム構造12jに取り付けるための例示の様式を示す。種々の実施形態で、アンカー15jがフレーム構造12jに溶接され、例えば、フレーム構造12jのストラットのうちの1つのストラットに溶接される。種々の実施形態で、アンカー15jの一方の端部が、アンカー15jが機械的に留められているところであるフレーム構造12jの内部を延在するように構成される。図42に示される実施形態では、アンカー15jがフレーム構造12jの最も底側の(下側の)端部に固定される。
【0141】
[0184]次に、図43A~43AFを参照して、弁デバイス10g、10h、10i、10j、10k、10l、10mなどに類似する弁デバイスを使用する方法を説明する。
[0185]図43A~43AFが、送達デバイス30’を使用して弁プロテーゼ10を移植する方法の連続図を示す。弁プロテーゼ10は、本明細書で説明されるかまたは本明細書の記述から当業者には理解される弁プロテーゼのうちの任意の弁プロテーゼに類似してよい。例えば、弁プロテーゼ10が図31~35に示される弁プロテーゼ10gに実質的に類似してよく、本明細書で説明されるフレーム構造12gおよびアンカー15gを備えることができる。送達デバイス30’が、本明細書で説明されるかまたは本明細書の記述から当業者には理解される送達デバイスのうちの任意の送達デバイスに類似してよい。送達デバイス30’が、本明細書で説明される内側シャフトまたは送達チューブ52を備えることができる。送達デバイス30’が、任意選択で、当業者によって所望されるその任意の組合せで、外側シャフトもしくは外側カテーテル50、ガイドワイヤ54、および/または膨張可能バルーン48を備えることができる。図の乱雑さを低減するためにおよび見るのを容易にするために、図43A~43AFの各々においてすべての要素に符号が付されるわけではない。
【0142】
[0186]図43A~43AFに示される方法は僧帽弁置換手技に関連して説明されるが、本明細書で説明される方法が、例えば心臓の他の房室弁などの、多様な手技または解剖学的領域にも適用され得ることが当業者には理解されよう。例えば、本明細書で説明される方法は、罹患した大動脈弁または三尖弁の置換に適用され得る。
【0143】
[0187]図43A~43Cが、本明細書で説明されるデバイス、システム、および方法を使用して治療され得る罹患した僧帽弁4を有する心臓2の種々の断面図を示す。僧帽弁4が左心房25と左心室26との間に存在し、適切に機能している場合、逆方向におけるバックフローまたは逆流を防止しながら左心房25から左心室26まで血液が流れるのを可能にする。図43Aに示されるように、罹患した僧帽弁4の自然弁リーフレット42が完全には逸脱しておらず、患者が逆流を経験している。図43Bが、線A-Aに沿う、図43Aに示される心臓2の断面図を示しており、これが、左心房25の視点から僧帽弁4の自然弁リーフレット42を示している。図43Cが、線B-Bに沿う、図43Aに示される心臓2の断面図を示しており、これが、左心室26の腱索40を示している。
【0144】
[0188]図43Dに示されるように、送達デバイス30’の遠位端が、本明細書で説明されるように、経中隔穿孔部を介して心臓2の左心房25の中に挿入され得る。例えば、内側シャフト52および/または外側シース50の遠位端が心臓2の左心房25の中まで前進させられ得る。内側シャフト52が、任意選択で、外側シース50の遠位端から離れる形で左心房25の中まで遠位側に前進させられ得る。いくつかの実施形態で、外側シース50を基準として内側シャフト52を前進させることが、本明細書で説明されるように弁プロテーゼ10gを配備および/または配置するのを補助することができる。別法として、内側シャフト52および外側シース50の両方が経中隔穿孔部を通して左心房25の中まで遠位側に前進させられ得る。
【0145】
[0189]図43E~43Hが、送達デバイス30’の遠位端からのアンカー15gの配備を示す。本明細書で説明されるように、弁プロテーゼ10gの少なくとも一部分が、非配備構成(例えば、収縮構成)から、左心房25内での拡張構成へと配備され得る。アンカー15gの少なくとも一部分が、送達構成および/または細長い構成から、心臓の中での配備構成へ配備され得る。例えば、アンカー15が、本明細書で説明されるように細長い構成(例えば、直線形状)から左心房25内での配備構成(例えば、示されるような螺旋形状または円錐形状などの、移植のための予め形成された形状)まで作動させられ得る。いくつかの実施形態で、アンカー15gが、本明細書で説明されるように、内側シャフト52から出すようにアンカー15gを押して、アンカー15gを、外側シース50を後退させることによる径方向の拘束から解放するという形などにより、内側シャフト52から配備され得る。いくつかの実施形態で、アンカー15gが、本体の外側に位置する近位側ハンドル(図示せず)上にあるプッシャを使用して、内側シャフト52から押し出され得る。アンカー15gが送達デバイス30’から配備された後、フレーム構造12gをアンカー15gの中に配置するために、フレーム構造12gが図43Hに示されるように少なくとも部分的に送達デバイス30’から配備され得る。フレーム構造12gは、当業者には理解されるように配備場所に応じて、非拡張構成または拡張構成のいずれかで送達デバイス30’から配備され得る。
【0146】
[0190]図43I~43Kが、非拡張状態のフレーム構造12の周りで配備状態であるアンカー15gを有する、治療を必要とする自然弁4の方に向かう弁プロテーゼ10gの前進を示す。送達デバイス30’の遠位端(例えば、内側シャフト52および/または外側シース50の遠位端)が、送達デバイス30’の遠位端を自然弁4の心房側の方に向けるように、操縦され得る。このような操縦は、弁プロテーゼ10gの少なくとも一部分の配備(例えば、アンカー15gの配備)の前、その最中、またはその後で、行われ得る。いくつかの実施形態で、外側シース50の遠位端が操縦可能であってよい。別法としてまたは加えて、内側シャフト52が、内側シャフト52の近位部分を基準とした内側シャフト52の遠位部分の角度を変更するように構成される連結部(換言すれば、継手)を備えることができる。内側シャフト52が、内側シャフト52の近位部分を基準とした内側シャフト52の遠位部分の角度を変更することによって操縦され得る。連結部の角度が受動的にまたは能動的に変更され得る。種々の実施形態で、角度が近位側ハンドルによって選択的に制御され得る。例えば、プルワイヤまたは他の機構が連結部をハンドル上の制御装置に接続することができる。
【0147】
[0191]図43L~43Pが、送達デバイス30’により、自然弁4を通って左心房25から左心室26まで前進させられる弁プロテーゼ10gを示す。僧帽弁4を通る弁プロテーゼ10gおよび任意選択の送達デバイス30’の前進が、心臓周期中の弁4の自然な開閉によって容易にされ得る。送達デバイス30’および/または弁プロテーゼ10gの遠位端が自然弁の第1の側から自然弁の第2の側まで前進させられるように構成され得る。例えば、送達デバイス30’および/または弁プロテーゼ10gの遠位端が僧帽弁4の左心房側から僧帽弁4の左心室側まで前進させられ得る。アンカー15gを前進させることが、自然弁4を通す形でアンカー15gを押すことを含むことができる。別法としてまたは加えて、アンカー15gを前進させることが、自然弁4を通す形でアンカー15gを回転させることを含むことができる。いくつかの例で、回転モーションおよび押すことの組合せが、自然弁4の第1の側から自然弁4の第2の側までのデバイスの前進を容易にすることができる。
【0148】
[0192]いくつかの例で、自然弁4を通す形でアンカー15gを前進させることにより、図43Mに示されるようにアンカー15gを伸ばすかまたは細長くするようにすることができる。前進中のアンカー15gの回転が、アンカー15gを緩めるのを補助することにより伸ばすプロセスを支援することができる。加えて、回転運動が、アンカー15gの自由端22gが生来のリーフレット43を通しての挿入中に他の解剖学的構造に望まれずに係合されるリスクを低減することができる。アンカー15gが、自然弁4を通す形での比較的容易な挿入を可能にするためにおよび/または生来のリーフレット43の損傷のリスクを低減するために十分な弾性を有してよい。アンカー15gが自然弁4を通る形で伸ばされた後、アンカー15gが図43Nに示されるように配備構成に戻ることができる。図43O~43Pが、心室26の中での弁プロテーゼ10gの位置、また具体的には、自然腱索40および自然弁の環状部を基準としたアンカー15gの位置を示している。
【0149】
[0193]いくつかの実施形態で、アンカー15gが、送達構成(例えば、細長い構成)から配備構成へ完全に配備された後で心室の中まで前進させられ得る。
[0194]いくつかの実施形態で、アンカー15gが、送達構成(例えば、細長い構成)から配備構成へ配備される前に心室の中まで前進させられ得る。
【0150】
[0195]図43Q~43Tが、僧帽弁4の心室側の1つまたは複数の構造の周りでの弁プロテーゼ10gの回転を示す。1つまたは複数の構造が、1つまたは複数の弁リーフレット43および/または1つまたは複数の腱索40を含んでよい。アンカー15gが1つまたは複数の腱索40に隣接するように左心室26の中に少なくとも部分的に配備された後、弁プロテーゼ10が生来の腱索40および/または生来のリーフレット43を捕捉して固定するために回転させられ得る。アンカー15gの自由端22が、生来の構造を捕捉するのを容易にするためにアンカー15gの残りの部分から径方向外側に延在することができる。コイル15gの自由端22gが、図43Q~43Rに示されるように、腱索40のうちの1つまたは複数の腱索40の周りで回転させられ得る。弁コイル15gをさらに回転させることが、図43S~43Tに示されるように追加の腱索40を段階的に捕捉することができる。
【0151】
[0196]例えばアンカー15gおよび/またはフレーム構造12の回転などの、弁プロテーゼ10gの回転が、本明細書で説明される送達デバイス30’によって容易にされ得る。例えば、内側シャフト52が回転させられ得、回転運動が内側シャフト52から弁プロテーゼ10gまで伝達され得、それにより本明細書で説明されるように僧帽弁4の心室側の1つまたは複数の構造の周りで弁プロテーゼ10gを回転させる。
【0152】
[0197]図43U~43Vが、捕捉した腱索40の周りに巻き付けられた弁プロテーゼ10gを示す。弁プロテーゼ10gが腱索40の周りで回転させられ得、その結果、腱索40が内側に引かれて束になる。図43Uに示されるように、自然弁リーフレット43も弁プロテーゼ10gにつながっている。弁プロテーゼ10gが、自然弁の環状部に隣接するところでアンカー15gを堅固に固定するように腱索40および/または弁リーフレット43を十分に捕捉するために回転させられ得る。弁プロテーゼ10gが腱索40の一部分のみの周りに巻き付けられることによって固定され得る。すべてのまたは実質的にすべての腱索40を捕捉することが可能となり得るが、プロテーゼ10gを十分に固定することにおいてこれは必須ではない可能性がある。本明細書でさらに説明されるように、自然弁の中でアンカー15gに接触する形でフレーム構造12gを拡張させることによりプロテーゼがさらに固定され得る。
【0153】
[0198]アンカー15gが自然弁4に隣接するところで固定されると、フレーム構造12gおよび人工弁セグメント14が本明細書で説明されるようにアンカー15gの中で少なくとも部分的に拡張させられ得る。フレーム構造12gおよび弁セグメント14gが同時に配備され得る(例えば、拡張させられ得る)。別法としてまたは加えて、フレーム構造12gおよび弁セグメント14gが、例えば最初にフレーム構造12gを拡張させて次いでその中で人工弁セグメント14gを受け取るという形で、順番に配備され得る。
【0154】
[0199]図43W~43AAが自然弁4の中でのフレーム構造12gの拡張を示す。フレーム構造12gが自然弁4の中で非拡張構成から拡張構成まで拡張させられ得る。いくつかの実施形態で、フレーム構造12gの少なくとも一部分が、配備されたアンカー15gの少なくとも一部分の中で拡張させられ得、それにより自然弁4に対してフレーム構造12gを固定する。いくつかの実施形態で、フレーム構造12gが拡張可能ステントを備えることができる。いくつかの実施形態で、弁プロテーゼ10gのフレーム構造12が自己拡張式であってよい。いくつかの実施形態で、弁プロテーゼ10gのフレーム構造12がバルーンにより拡張可能であってよい。送達デバイス30’が、弁プロテーゼ10gを拡張させるために弁プロテーゼ10gの中に配設され得るバルーン48gを備えることができる。バルーン48gが、膨らませられる前の段階で、弁プロテーゼ10gの少なくとも一部分の中に配置され得、例えば図43Wに示されるように膨らんでいない構成においてフレーム構造12の少なくとも一部分の中に配置され得る。アンカー15gが自然弁4に隣接するところに配置されてそこから前進させられて(あるいは、内側シャフト52または外側シース50がそこから後退させられて)フレーム構造12gの中に配置されるとき、膨張可能バルーン48gが例えば内側シャフト52または外側シース50の中に配設され得る。別法として、膨張可能バルーン48gが、弁プロテーゼ10gの配置中、フレーム構造12gの中に配設され得る。図43X~43Yが、部分的に膨らんだバルーン48gによって部分的に拡張させられたフレーム構造12gを示す。図43Yに示されるように、フレーム構造12gがアンカー15gの方に部分的に拡張させられ得、それによりそれらの間で腱索40を捕捉することができる。フレーム構造12gが継続して拡張させられて図43Z~43AAに示されるように完全な拡張状態になると、腱索40がアンカー15gとフレーム構造12gとの間に挟まれ得る。したがって、フレーム構造12gおよびアンカー15gが腱索40に固定され得る。
【0155】
[0200]次いで、弁プロテーゼ10gが送達デバイス30’から解放され得る。いくつかの実施形態で、弁プロテーゼ10gを解放することが、アンカー15gおよび/またはフレーム構造12gを解放することを含むことができる。送達デバイス30’から弁プロテーゼ10gを解放することが、弁プロテーゼ10gを非拡張構成から拡張構成まで拡張させることを含むことができる。例えば、フレーム構造12gを拡張させることおよびフレーム構造12gを解放することが本明細書で説明されるように同時に行われ得る。別法として、フレーム構造12gは、拡張させられる前にまたはその後で解放され得る。
【0156】
[0201]図43AB~43ADが、バルーン48gのしぼみ(図43AB)、内側シャフト52の中へのバルーン48の後退(図43AC)、および心臓2からの送達デバイス30’の取り外し(図43AD)を示す。本明細書で説明されるようにフレーム構造12gが拡張させられて自然弁4に固定された後、膨張可能バルーン48gがしぼませられ得る。バルーン48gが再び送達デバイス30’の中まで後退させられ得、例えば内側シャフト52の中に入る。次いで、送達デバイス30’が心臓2から取り出され得る。
【0157】
[0202]図43AE~43AFが、フレーム構造12gとアンカー15gとの間で自然弁リーフレット42および腱索40が捕捉された状態の、完全に拡張した弁プロテーゼ10gを示す。本明細書で説明されるように、弁プロテーゼ10gが、自然弁リーフレット42を置換するための、弁プロテーゼ10gの中に配設された1つまたは複数の弁セグメント14gを備えることができる。
【0158】
[0203]上記のステップは実施形態に従って自然弁4の中に弁プロテーゼ10を配備する方法を示すが、当業者であれば本明細書で説明される教示に基づいて多くの変形形態を認識するであろう。これらのステップは多様な順序で完了され得る。ステップは追加されたりまたは排除されたりされ得る。これらのステップのうちのいくつかのステップがサブステップを含むことができる。これらのステップのうちの多くのステップが、項目の少なくとも一部分を組み立てるのに必要となる回数で繰り返し行われてよい。
【0159】
[0204]例えば、いくつかの実施形態で、弁プロテーゼ10を配備することが、弁プロテーゼ10の別の部分(例えば、フレーム構造12)の前に弁プロテーゼ10の一部分(例えば、アンカー15)を配備することが可能となるような形で、複数のステップで行われ得る。別法としてまたは加えて、いくつかの実施形態で、アンカー15を配備することが、自然弁4を通す形で前進させる前にアンカー15の一部分を配備するのを可能にする形で、および自然弁4を通す形で前進させた後でアンカー15の別の部分を配備するのを可能にする形で、複数のステップで行われ得る。別法としてまたは加えて、送達デバイス30が、弁プロテーゼ10の非配備状態において、左心房25から左心室26まで前進させられ得る。多くの実施形態で、フレーム構造12が自己拡張式であってよく、フレーム構造12を拡張させるのにバルーン48が必要ない可能性がある。別法としてまたは加えて、フレーム構造12がアンカー15の中で拡張させられた後で、アンカー15が解放され得る。
【0160】
[0205]いくつかの実施形態で、本明細書で説明される任意の弁プロテーゼが罹患した僧帽弁を置換するために配備され得る。自然弁の第1の側が左心房を含んでよく、自然弁の第2の側が左心室を含んでよい。
【0161】
[0206]いくつかの実施形態で、本明細書で説明される任意の弁プロテーゼが罹患した三尖弁を置換するために配置され得る。自然弁の第1の側が右心房を含んでよく、自然弁の第2の側が右心室を含んでよい。
【0162】
[0207]いくつかの実施形態で、本明細書で説明される任意の弁プロテーゼが罹患した大動脈弁を置換するために配置され得る。自然弁の第1の側が左心室を含んでよく、自然弁の第2の側が大動脈を含んでよい。
【0163】
[0208]図43A~43AFが弁プロテーゼ10gの送達を参照しているが、本明細書で説明される任意の弁プロテーゼの送達のために類似のステップが使用されてもよいことを当業者であれば理解するであろう。
【0164】
[0209]図44~49が、フレーム構造12lが自己拡張式であることを除いて、弁プロテーゼデバイス10および10g~10jに類似する別の例示の弁プロテーゼデバイス10lを示す。図44~47に示されるように、弁プロテーゼ10lが、螺旋コイル20および20gに類似の螺旋コイル20lを有する。フレーム構造12lが、送達デバイスのシースから取り外されるときに配備形状となるように拡張させられるように構成されることを除いて、フレーム構造12および12g~12jに類似する。フレーム構造12lはこれらの図では理解を容易にするために折り畳まれた形状および配備形状の両方で示されている。例示のフレーム構造12lが、形状記憶材料または超弾性特性を有する任意の材料で形成され得る。例示のフレーム構造12lがダイヤモンドパターンを有するように形成されるが、多くの他のパターンおよび構成も適することが当業者であれば本記述から認識するであろう。例示のフレーム構造12lが、自己拡張式のステントまたはスカフォールドと同様の形で拡張するように構成される。
【0165】
[0210]図48および49が、例示の送達ツールまたはカテーテル30l上に装填された例示の弁プロテーゼ10lを示す。弁プロテーゼデバイス10lを移植するこの手法は、フレーム構造12lがバルーンの力により拡張するのではなくそれ自体で拡張するように構成されることを除いて、弁デバイス10gに関連して本明細書で説明した方法に類似する。この事例では、コイル15lが自然弁に隣接するところで1つまたは複数の構造に固定された後で、フレーム構造12lおよび人工弁セグメントが1回で容易に配備され得る。これにより、バルーンにより拡張可能である実施形態で使用されるバルーンを配備して、膨張させたりしぼませたりするためのシステムと同様に、移植手技の時間が短縮され得、厄介な問題が排除され得る。
【0166】
[0211]本開示に従って本明細書で説明される弁プロテーゼデバイスおよび移植方法は、当業者であれば理解するであろう多くの利点を提供することができる。これらのデバイスおよび方法の全体が、既存のデバイスと比較して、自然弁に対してのアプローチのためのより単純な手法を提供することができる。このシステムが、より侵襲的な経心尖アプローチとは異なり、隔壁を通す形での経カテーテル的アプローチを可能にすることができる。このデイバスが、自然弁に対して固定されるための一貫性のある比較的容易な機構を提供することができる。臨床医は、弁を通してデバイスを挿入してアンカーを回転させる一般的なテクニックのみを必要とする。コイルが自然弁の中で予備的に固定されるのを実現することができる。所望される場合、臨床医がアンカーを再調整することができ、および/またはアンカーを回収することができる(例えば、反対方向の回転により)。この場合、デバイスが自然弁リーフレット内で拡張することにより容易に設定される。本開示によるデバイスおよび方法が、房室の修復および/または置換により、満たされない臨床的要求に対応することができる。既存のデバイスは、例えば僧帽弁および三尖弁の複雑な解剖学的構造による課題に直面している。本開示は、従来の円形状にするように自然弁の環状部の形を作り直して、ロバスト性を有するが単純である固定機構を提供することにより、これらの厄介な問題に対応する。
【0167】
[0212]図50が、アンカー15mが細長い送達構成にある状態の、送達デバイス30mの遠位端上に装填されるフレーム構造12mおよびアンカー15mを備える弁プロテーゼシステム100mの側面図を示す。図51が、アンカー15mが配備構成にある状態の、図50の弁プロテーゼシステム100mの側面図を示す。弁プロテーゼが、フレーム構造の代わりに本明細書で説明されるように送達中にアンカーが送達デバイスに着脱自在に結合され得ることを除いて、本明細書で説明される任意の弁プロテーゼに実質的に類似してよい。フレーム構造の代わりにアンカーを送達デバイスに結合することにより、フレーム構造が拡張中に配備済みのアンカーの形状または位置を変化させることなくアンカーの内部で拡張させられ得、それにより、フレーム構造の拡張により配備済みのアンカーを湾曲させたりまたは動かしたりする場合に可能となる場合よりもより良好な接続を自然弁に隣接するところにおいてアンカーとフレーム構造との間に確立することができる。
【0168】
[0213]フレーム構造12mが非拡張構成(例えば、収縮構成)および拡張構成(図示せず)を有することができる。フレーム構造12mが非拡張構成で図示されている。アンカー15mが自由端22mを有するワイヤ20mを備えることができる。アンカー15mが、患者の中の自然弁の第1の側(例えば、心房側)から自然弁の第2の側(例えば、心臓の心室の中)まで完全に前進させられて、自然弁に隣接するところにおいてフレーム構造12mの拡張構成時に自然弁に対してフレーム構造12mを固定するように、構成され得る。送達デバイス30mが、外側シース(例えば、図示されない外側カテーテル)、外側シースのルーメン(換言すれば、内腔)の中に配設される内側シャフト52(例えば、送達チューブ)、および内側シャフト52のルーメンの中に配設されるガイドワイヤ54を備えることができる。アンカー15mの近位端57が、自然弁までの送達中、内側シャフト52に着脱自在に結合され得る。外側シースが操縦可能であってよい。
【0169】
[0214]アンカー15mが、細長い送達構成(図50に示される)および配備構成(図51に示される)を有することができる。アンカー15mが、自然弁に隣接するところにおいて送達構成から配備構成まで作動させられるように構成され得る。種々の実施形態で、アンカー15mが自己拡張式であってよく、送達シースから除去されるときに配備構成へと動くことができる。種々の実施形態で、アンカーが心臓腔(例えば、左心房)の中に配備されるときにそれ自体で組み立てを実現するように構成され得る。ガイドワイヤ54を内側シャフト52のルーメンの中へ後退させることにより、アンカー15mを配備構成へ作動させることができる。別法としてまたは加えて、アンカー15mが、外側シースによる径方向の拘束により細長い構成で維持され得る。外側シースのルーメンから出すように内側シャフト52を前進させることにより、アンカー15mを配備構成へ作動させることができる。
【0170】
[0215]アンカー15mの近位端57が送達デバイス30mの内側シャフト52に着脱自在に結合され得る。近位端57が、自然弁に隣接するところで細長い構成から配備構成まで作動させられた後、内側シャフト52に係合された状態を維持するように構成され得る。フレーム構造12mが、アンカー15mの配備構成時にその非拡張構成を維持するように構成され得る。
【0171】
[0216]アンカー15mの近位端57が、外側シースによる径方向の拘束により送達デバイス30mの内側シャフト52に着脱自在に結合され得る。アンカー15mの近位端57から離れるように外側シースを後退させることにより、アンカー15mを送達デバイス30から脱着することができる。別法としてまたは加えて、アンカーの近位端57が、取付要素58により送達デバイス30mの内側シャフト52に着脱自在に結合され得る。別法としてまたは加えて、アンカー15mの近位端57が、弱い接着剤により送達デバイス30mの内側シャフト52に着脱自在に結合され得る。
【0172】
[0217]アンカー15mが、内側シャフト52の回転時に回転するように構成され得る。アンカーの回転が、自然弁の第2の側までのアンカーの前進を補助することができる。別法としてまたは加えて、例えば自由端22mを備えるワイヤ20mなどの、アンカーの回転が、本明細書で説明されるように、自由端22mにより自然弁の第2の側の1つまたは複数の構造を捕捉するのを補助することができる。自然弁の第2の側の1つまたは複数の構造を捕捉することにより、アンカー15mが自然弁を基準としたその位置を維持することができ、拡張構成時のフレーム構造12mのための固定位置を提供することができる。
【0173】
[0218]フレーム構造12mが本明細書で説明されるように非拡張構成および拡張構成を有することができる。拡張構成が概略管状の拡張形状を有することができる。フレーム構造12mが患者の自然弁の中で拡張するように構成され得る。いくつかの実施形態で、非拡張構成が経皮的な挿入のためにサイズ決定および寸法決定され得、拡張構成が患者の自然弁への移植のためにサイズ決定および寸法決定され得る。
【0174】
[0219]本明細書で説明される他のフレーム構造と同様に、フレーム構造12mが第1および第2の対向する端部を備えることができ、フレーム構造12mが自然弁に固定されるとき、第1の端部が自然弁の上方に延在し、第2の端部が自然弁の下方に延在する。別法として、フレーム構造12mが自然弁に固定されるとき、フレーム構造12mが自然弁の完全に下方に着座する(換言すれば、位置する)ように構成され得る。
【0175】
[0220]いくつかの実施形態で、本明細書で説明される他のフレーム構造と同様に、フレーム構造が拡張構成において拡張状態の外側周縁部を有することができ、径方向の外力を受けるときの非拡張構成において収縮状態の外側周縁部を有することができる。収縮状態の外側周縁部が拡張状態の外側周縁部よりその直径が小さくてよい。
【0176】
[0221]フレーム構造12mが、バルーンによる拡張可能であってよいか、自己拡張式であってよいか、または本明細書の記述から当業者には理解されるように他の形で拡張可能であってよい。
【0177】
[0222]例えば、送達システム30mが、フレーム構造12mの中に配設された膨張可能バルーン(図示せず)を備えることができる。バルーンを膨張させることが、本明細書で説明されるようにフレーム構造12mの拡張を引き起こすことができる。
【0178】
[0223]別法としてまたは加えて、フレーム構造12mが、送達デバイス30mの外側シースによる径方向の拘束により非拡張構成で維持され得る。外側シースのルーメンから出すように内側シャフトを前進させることが、フレーム構造を拡張構成へ作動させることができる。
【0179】
[0224]フレーム構造12mが、自然弁への送達中に、非拡張構成で送達デバイス30mに着脱自在に結合され得る。フレーム構造12mを拡張構成まで拡張させることが、フレーム構造を送達デバイスから脱着することができる。
【0180】
[0225]本明細書で説明される他のフレーム構造およびアンカーの実施形態と同様に、フレーム構造12mの少なくとも一部分が配備済みのアンカー15mの少なくとも一部分の中で拡張させられ得、それにより自然弁に対してフレーム構造12mを固定することができる。例えば、アンカー15mが、例えば1つまたは複数の腱索ならびに/あるいは1つまたは複数の弁リーフレットなどの1つまたは複数の構造をその中で捕捉するように配備され得る。アンカー15mの中でフレーム構造12mまたはその一部分を拡張させることが、フレーム構造12mとアンカー15mとの間で捕捉済みの構造を収縮させることができ、それによりフレーム構造12を定位置で固定することができる。
【0181】
[0226]ガイドワイヤ54が、ガイドワイヤを自然弁まで案内するのを容易にするように構成されるノーズコーン54aを備えることができる。
[0227]本明細書で説明される他のワイヤと同様に、ワイヤ20mが配備構成である螺旋ワイヤを備えることができる。螺旋ワイヤ20mの自由端22mが、フレーム構造12mから、また具体的にはワイヤ20mの残りの部分から、径方向外側に延在することができる。いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤ20mが概略管形状を有することができる。螺旋ワイヤ20mの自由端22mが管形状から径方向外側に延在することができる。いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤ20mが概略円錐台形形状を有することができる。螺旋ワイヤ20mの自由端22mが円錐台形形状から径方向外側に延在することができる。いくつかの実施形態で、螺旋ワイヤ20mが概略円筒形状を有することができる。螺旋ワイヤ20mの自由端22mが円筒形状から径方向外側に延在することができる。自由端22mが、螺旋ワイヤ20mの主コイルより大きい半径で円を描くように構成され得る。より大きい直径は、本明細書で説明されるように回転中に自由端22mの緩やかな曲線部分内で例えば腱索の弁リーフレットなどの1つまたは複数の構造を捕捉するのを容易にすることができる。
【0182】
[0228]任意選択で、アンカー15m、または本明細書で説明される任意のアンカーが、螺旋ワイヤ20mを備える第1の部分、および別の部分を備えることができる。別法としてまたは加えて、アンカー15mが複数の螺旋ワイヤ20mを備えることができる。例えば、アンカー15mが、等しいまたは異なる直径を有する少なくとも2つの螺旋ワイヤ20mを含むことができる。別法としてまたは加えて、アンカー15mが、等しいまたは異なる巻線ピッチを有する少なくとも2つの螺旋ワイヤ20mを含むことができる。
【0183】
[0229]本明細書で説明される他のアンカーと同様に、ワイヤ20mの自由端22mが、例えば自然弁の交連部のところにあるかまたはその近くにある組織を通してといったように自然弁を通して挿入されるようにあるいは弁自体の開きを利用して挿入されるようにサイズ決定および寸法決定され得る。いくつかの実施形態で、ワイヤ20mの自由端22mが、自然弁組織およびリーフレットの損傷のリスクの回避または低減するための非外傷性先端部を備えることができる。例えば、自由端が、丸みを有する端部、ボール先端部、湾曲した先端部(例えば、J形の先端部またはピグテール)、または他の非外傷性の形状を有することができる。別法として、ワイヤ20mの自由端22mが組織を穿孔するように構成され得る。
【0184】
[0230]ワイヤ20m、または本明細書で説明される任意のワイヤが、所定の形状を維持するのに十分な剛性を有する材料で形成され得る。ワイヤが例えば形状記憶材料(例えば、NiTi)で形成され得る。少なくとも端部分(例えば、自由端22m)に比較的高い剛性を有させるようにすることが所望される可能性があり、それにより、腱索を動かすための力を作用させることができるようになり、それでもカテーテルデバイスの中で折り畳まれるための柔軟性も維持することができる。種々の実施形態で、端部分はその形状を維持するのに十分な剛性のみを必要とし、それにより、荷重下で変形するようになる。例えば、端部分が、ガイドワイヤと同等の剛性を有するようにまたはガイドワイヤよりわずかに高いスティフネス(換言すれば、剛性)を有するように構成され得る。
【0185】
[0231]フレーム構造12m、または本明細書で説明される任意のフレーム構造がステントのように構成され得る。フレーム構造12mが、例えば、形状記憶材料(例えば、NiTi)から形成されるダイヤモンドパターンのスカフォールドを含むことができる。フレーム構造12mまたは本明細書で説明される任意の他のフレーム構造のために多くの他の構造、材料、および構成が採用されてもよいことが当業者には認識されよう。例えば、フレーム構造12mが十分な弾性を有するポリマーで形成され得る。フレーム構造12mが、ポリマーの中で被覆される金属(例えば、形状記憶材料)などの、金属およびポリマーの組合せで形成され得る。フレーム構造12mが、ダイヤモンド形状に加えて、多様なパターンを有してもよい。
【0186】
[0232]フレーム構造12mまたは本明細書で説明される任意のフレーム構造がフレーム構造の中に配設される弁セグメント(図示せず)を備えることができる。上述したように、弁セグメントはある程度は人工弁リーフレットと交換可能に使用され、概して人工リーフレットおよびフレームと称される。本明細書で使用される「人工弁」は、組織(生体弁)、組織工学によって作製された弁、ポリマー弁(例えば、生分解性ポリマーの弁)、およびさらには特定の機械的な弁を含めた、作り物である人工の交換弁のすべての意味を表すことができる。弁セグメントが既存の経カテーテル弁に類似してよい。弁セグメントが、既存の外科用組織弁および機械的な弁に類似してよい。弁セグメントの少なくとも一部分がフレーム構造の少なくとも一部分の中に配置され得る。弁セグメントが、優先の機能のために複層材料で形成されるリーフレットを有することができる。弁セグメントが内側層および外側層を有する少なくとも1つのリーフレットを備えることができる。弁セグメントが弁構造に取り付けられ得、弁構造がフレーム構造12mに接続される。フレーム構造12mが自然弁に隣接するところに配備される前にまたはその後で、弁構造がフレーム構造12mに接続され得る。弁セグメントがフレーム構造12mに直接に取り付けられ得る。フレーム構造12mが、フレーム構造12mの1つまたは複数の端部のところで、例えばリーフレットの外側層といったように、リーフレットに取り付けられ得る。フレーム構造12mが、フレーム構造12mの1つまたは複数の中間部分において、例えばリーフレットの外側層といったように、リーフレットに取り付けられ得る。弁セグメントが複数のリーフレットを備えることができる。弁セグメントが生体適合性の一方向弁を備えることができる。一方向の流れによりリーフレットが湾曲して開くようにすることができ、反対方向の流れによりリーフレット16が閉じるようにすることができる。
【0187】
[0233]本明細書で説明される任意の弁プロテーゼが、所望される場合はその任意の組合せで、本明細書で説明される、任意の、フレーム構造の形状、フレーム構造のデザイン、フレーム構造の材料、アンカーの形状、アンカーの巻線、アンカーの材料、自由端の先端部、リーフレット構成、または任意の他の多様な構造部を有することができることを当業者であれば本明細書の記述に基づいて認識するであろう。
【0188】
[0234]使用方法
[0235]送達デバイス30mの遠位端が、自然弁の第1の側から自然弁の第2の側まで前進させられるように構成され得る。例えば、送達デバイス30mの遠位端が僧帽弁の左心房側から僧帽弁の左心室側まで前進させられ得る。いくつかの例で、送達デバイス30mの遠位端が、左心室の中まで前進させられる前に、心臓の左心房の中に経中隔的に挿入され得る。別法としてまたは加えて、送達デバイス30mの遠位端が、自然弁の第2の側まで前進させられる前に自然弁の第1の側の方を向くように配置可能となるように、操縦可能であってよい。
【0189】
[0236]自然弁の第2の側まで前進させられた後、アンカー15mが自然弁の第2の側に完全に配備され得る。アンカー15mを完全に配備することが、アンカー15mを細長い構成から図51に示される配備構成へと作動させることを含むことができる。
【0190】
[0237]いくつかの実施形態で、アンカー15mを完全に配備することが、自然弁の第1の側(例えば、左心房の中)においてアンカー15mを細長い構成から配備構成へと作動させることと、配備構成においてアンカー15mを自然弁を通して自然弁の第2の側(例えば、左心室の中)まで前進させることとを含むことができる。アンカー15mを前進させることが、本明細書で説明されるように自然弁を通す形でアンカー15mを押すことを含むことができる。アンカー15mを前進させることが、自然弁を通す形でアンカー15mを回転させることをさらに含むことができる。
【0191】
[0238]いくつかの実施形態で、アンカー15mを完全に配備することが、自然弁の第2の側のみにアンカー15mを位置させるようにアンカー15mを配置することを含むことができる。
【0192】
[0239]いくつかの実施形態で、アンカー15mが、自然弁の第2の側まで前進させられる前に、自然弁の第1の側において、送達構成から配備構成へと作動させられ得る。例えば、アンカー15mが、本明細書で説明されるように、心臓の左心室まで前進させられる前に心臓の左心房の中に完全に配備され得る。
【0193】
[0240]配備されたアンカー15mの自由端22mが、任意選択で、自然弁の第2の側において1つまたは複数の構造の周りで回転させられ得る。1つまたは複数の構造が、自然弁の1つまたは複数の弁リーフレットを含んでよい。別法としてまたは加えて、1つまたは複数の構造が左心室の1つまたは複数の腱索を含んでよい。
【0194】
[0241]次いで、アンカー15mが送達デバイス30mの遠位端から解放され得る。アンカー15mが、自然弁の第2の側において送達デバイス30mの遠位端から解放され得る。
【0195】
[0242]フレーム構造12mが、自然弁の中で、非拡張構成から拡張構成まで拡張させられ得る。
[0243]フレーム構造12mが送達デバイス30mの遠位端から解放され得る。いくつかの実施形態で、フレーム構造12mの少なくとも一部分が、配備されたアンカーの少なくとも一部分の中で、拡張させられ得、それにより自然弁に対してフレーム構造12mを固定する。
【0196】
[0244]いくつかの実施形態で、フレーム構造を拡張させることおよびフレーム構造を解放することが同時に行われ得る
[0245]最後に、送達デバイス30mが自然弁から後退させられ得る。
【0197】
[0246]フレーム構造に関する追加の情報を、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に先に組み込まれている、米国仮特許出願62/720,853号、米国仮特許出願第16/546,901号、米国仮特許出願第62/748,162号、米国仮特許出願第62/784,280号、米国仮特許出願第62/813,963号、米国仮特許出願第62/815,791号、米国仮特許出願第62/820,570号、米国仮特許出願第62/828,835号、米国仮特許出願第62/833,425号、米国仮特許出願第62/833,430号、米国仮特許出願第62/851,245号、米国仮特許出願第62/872,016号、米国仮特許出願第62/873,454号、米国仮特許出願第62/879,979号、米国仮特許出願第62/894,565号で見ることができる。
【0198】
[0247]アンカーに関する追加の情報を、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に先に組み込まれている、米国仮特許出願第62/720,853号、米国仮特許出願第16/546,901号、米国仮特許出願第62/748,162号、米国仮特許出願第62/784,280号、米国仮特許出願第62/813,963号、米国仮特許出願第62/815,791号、米国仮特許出願第62/820,570号、米国仮特許出願第62/828,835号、米国仮特許出願第62/833,425号、米国仮特許出願第62/833,430号、米国仮特許出願第62/851,245号、米国仮特許出願第62/872,016号、米国仮特許出願第62/873,454号、米国仮特許出願第62/879,979号、米国仮特許出願第62/894,565号で見ることができる。
【0199】
[0248]送達デバイスに関する追加の情報を、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に先に組み込まれている、米国仮特許出願第62/720,853号、米国仮特許出願第16/546,901号、米国仮特許出願第62/748,162号、米国仮特許出願第62/784,280号、米国仮特許出願第62/813,963号、米国仮特許出願第62/815,791号、米国仮特許出願第62/820,570号、米国仮特許出願第62/828,835号、米国仮特許出願第62/833,425号、米国仮特許出願第62/833,430号、米国仮特許出願第62/851,245号、米国仮特許出願第62/872,016号、米国仮特許出願第62/873,454号、米国仮特許出願第62/879,979号、米国仮特許出願第62/894,565号で見ることができる。
【0200】
[0249]弁プロテーゼが、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に先に組み込まれている、米国仮特許出願第62/720,853号、米国仮特許出願第16/546,901号、米国仮特許出願第62/748,162号、米国仮特許出願第62/784,280号、米国仮特許出願第62/813,963号、米国仮特許出願第62/815,791号、米国仮特許出願第62/820,570号、米国仮特許出願第62/828,835号、米国仮特許出願第62/833,425号、米国仮特許出願第62/833,430号、米国仮特許出願第62/851,245号、米国仮特許出願第62/872,016号、米国仮特許出願第62/873,454号、米国仮特許出願第62/879,979号、米国仮特許出願第62/894,565号で説明される任意の弁プロテーゼに実質的に類似してよい。
【0201】
[0250]本明細書で構造部または要素が別の構造部または要素の「上」にあると言及される場合、この構造部または要素は直接に他の構造部または要素の上にあってよいか、あるいは介在する構造部および/または要素が存在してもよい。対照的に、構造部または要素が別の構造部または要素の「直接に上に」あると言及される場合、介在する構造部または要素が存在しない。また、構造部または要素が、別の構造部または要素に「接続される」、「取り付けられる」、または「結合される」と言及される場合、この構造部または要素は他の構造部または要素に直接に接続され得るか、取り付けられ得るか、または結合され得、あるいは介在する構造部または要素が存在してもよい、ことを理解されたい。対照的に、構造部または要素が別の構造部または要素に「直接に接続される」、「直接に取り付けられる」、または「直接に結合される」と言及される場合、介在する構造部または要素が存在しない。1つの実施形態に関連させて説明されるかまたは示されるが、そのような形で説明されるかまたは示される構造部および要素は他の実施形態にも適用され得る。また、別の構造部に「隣接して」配設される構造または構造部に言及することが、隣接する構造部の上に置かれるかまたは下に置かれる部分を含むことができるということを当業者であれば認識するであろう。
【0202】
[0251]本明細書で説明される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図されない。例えば、本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈により他の意味が明確に示されない限りにおいて、複数形も含むことを意図される。「備える(comprises)」および/または「備える(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、言及した特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示するものであり、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそのグループの存在または追加を排除するものではないことをさらに理解されたい。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連の列記されるアイテムのうちの1つまたは複数のアイテムの任意の、またはすべての組合せを含み、「/」として簡潔に表されてもよい。
【0203】
[0252]「下」、「下方」、「下側」、「上」、および「上側」などの空間的関係の用語は、図に示されるような、別の要素または構造部に対しての1つの要素または構造部の関係を説明することを目的として説明を容易にするのに本明細書において使用され得る。これらの空間的関係の用語は、図に描かれる向きに加えて使用中のまたは動作中のデバイスの別の向きも包含することを意図されることを理解されたい。例えば、図中のデバイスが反転される場合、他の要素または特徴の「下に」または「下方」として説明される要素が、他の要素または構造部の「上に」にある向きになる。したがって、「下に」という例示の用語は上および下の向きの両方を包含することができる。デバイスは別の形で方向づけられてもよく(例えば、90度回転させられたり、他の向きにされたりする)、本明細書で使用される空間的関係の記述語はそれに応じて解釈される。同様に、「上方に」、「下方に」、「垂直」、および「水平」などの用語は、他の意味で特に明記されない限り、本明細書では説明のみを目的として使用される。
【0204】
[0253]本明細書において種々の構造部/要素(ステップを含む)を説明するのに「第1」および「第2」という用語が使用され得るが、文脈により他の意味で示されない限り、これらの構造部/要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は1つの構造部/要素を別の構造部/要素から区別するのに使用され得る。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、以下で考察される第1の構造部/要素は第2の構造部/要素と称されてもよく、同様に以下で考察される第2の構造部/要素は第1の構造部/要素と称されてもよい。
【0205】
[0254]本明細書および以下の特許請求の範囲を通して、文脈により他の意味が必要にならない限り、「備える(comprise)」という用語、ならびに「備える(comprises)」および「備える(comprising)」などのその変化形は、方法および項目(例えば、デバイスおよび方法を含めた構成および装置)において種々の構成要素が同時に採用され得ることを意味する。例えば、「備える(comprising)」という用語は、任意の言及される要素またはステップを含み、任意の他の要素またはステップを排除しない、ことを暗に意味していることが理解されよう。
【0206】
[0255]実施例で使用される場合も含めて、本明細書および特許請求の範囲で使用されるすべての数は、特に明記されない限り、たとえ「約」または「およそ」という単語が明確な見られない場合でも「約」または「および」という単語を前に付されているものとして読むことができる。「約」または「およそ」というフレーズは、説明される値および/または位置が値および位置の予期される妥当な範囲内にあることを示すために、大きさおよび/または位置を説明するときに使用され得る。例えば、数値は、記載される値(または値の範囲)の+/-0.1%、記載される値(または値の範囲)の+/-1%、記載される値(または値の範囲)の+/-2%、記載される値(または値の範囲)の+/-5%、記載される値(または値の範囲)の+/-10%などの値を有することができる。また、本明細書で与えられるすべての数値は、特に明記しない限りに、その数値の概略または近似も含むものとして理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。本明細書に記載されるすべての数値範囲はその中に包含されるすべての部分的な範囲も含むことを意図される。値がその値「以下」、「その値以上」、として開示される場合、当業者には適切に理解されるように、これらの値の間のすべての考えられる範囲も開示される、ことを理解されたい。例えば、値「X」が開示される場合、「X以下」さらには「X以上」も開示される(例えば、Xが数値である)。また、本出願を通して、データが多数の異なるフォーマットで提供されること、およびこのデータが、終点、および始点、ならびにデータ点の任意の組合せのための範囲を表すこと、を理解されたい。例えば、具体的なデータ点「10」および具体的なデータ点「15」が開示される場合、10より大きい、10以上である、10より小さい、10以下である、および10と等しい、ならびに15より大きい、15以上である、15より小さい、15以下である、および15と等しい、とみなされて開示され、さらには10から15の間であることが開示される、ことを理解されたい。また、2つの具体的な数値の間の各数値も開示されることを理解されたい。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13、および14も開示される。
【0207】
[0256]本開示の具体的な実施形態の上記の記述は例示および説明を目的として提示されるものである。これらは包括的であることを意図されず、また、開示される正確な形態のみに本発明を限定することも意図されず、明らかなこととして、上記の教示に照らして、多くの修正形態および変更形態が可能である。これらの実施形態は本発明の原理およびその実際的な用途を最良に説明するために選択されて記述されたものであり、それにより、当業者が、企図される特定の使用に対して適合される種々の修正を行いながら本発明および種々の実施形態を最良に利用することが可能となる。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義されることを意図される。
【0208】
[0257]本開示の具体的な実施形態の上記の記述は例示および説明を目的として提示されるものである。これらは包括的であることを意図されず、また、開示される正確な形態のみに本発明を限定することも意図されず、明らかなこととして、上記の教示に照らして、多くの修正形態および変更形態が可能である。これらの実施形態は本発明の原理およびその実際的な用途を最良に説明するために選択されて記述されたものであり、それにより、当業者が、企図される特定の使用に対して適合される種々の修正を行いながら本発明および種々の実施形態を最良に利用することが可能となる。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義されることを意図される。
【0209】
[0258]本明細書で本開示の好適な実施形態を示して説明してきたが、これらの実施形態が単に例として提供されるものであることが当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、多くの修正形態、変更形態、および置換を当業者であれば思い付くであろう。本明細書で説明される本発明の実施形態に対しての多様な代替形態が本発明を実施するのに採用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義することを意図され、したがって、これらの特許請求の範囲内にある方法および構造ならびにその均等物を包含することが意図される。
図1
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図19
図20
図21
図22
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図27
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図30B
図30C
図30D
図30E
図30F
図31
図32
図33
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