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特許7528071レールベースのグリッド保管システムの領域同士を接続するためのエキスパンションジョイント、システム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】レールベースのグリッド保管システムの領域同士を接続するためのエキスパンションジョイント、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021519560
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2019075792
(87)【国際公開番号】W WO2020074257
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】20181296
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】317005527
【氏名又は名称】アウトストア・テクノロジー・エーエス
【氏名又は名称原語表記】AUTOSTORE TECHNOLOGY AS
【住所又は居所原語表記】Stokkastrandvegen 85,N-5578 Nedre Vats,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】アウストロヘイム,トロンド
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】実公昭42-016785(JP,Y1)
【文献】特表2017-524625(JP,A)
【文献】特表2018-520965(JP,A)
【文献】米国特許第03528608(US,A)
【文献】特開平09-104513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールベースのグリッド保管システム(50、50’、50”;104、104’、104”)の領域同士を接続するためのエキスパンションジョイント(10)であって、
- 第1のレールエレメント(12)および第2のレールエレメント(11)であって、前記レールエレメント(12、11)は、細長くなっており、前記レールエレメント(12、11)が重なり合っている接合エリアにおいて、互いに対して長手方向にスライドするように構成されている、第1のレールエレメント(12)および第2のレールエレメント(11)を含み、
- 前記エキスパンションジョイント(10)は、コンテナハンドリング車両(200、300、400)を支持するための1つまたは複数のトラック(27’、27”)を画定する上側表面を有しており、前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)は、前記第1のレールエレメント(12)から前記接合エリアを通って前記第2のレールエレメント(11)へ延在しており、前記接合エリアにおいて、それぞれのレールエレメント(11、12)は、前記上側表面の前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)の一部分を提供し、前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)のために、前記エキスパンションジョイント(10)に沿って前記第1のレールエレメント(12)から前記第2のレールエレメント(10)へ延在する移行部が存在するようになっており、
前記エキスパンションジョイント(10)の前記第1または第2のレールエレメント(12、11)は、リンク(14’)を形成する枢動接続構成体(19)を含み、前記リンク(14’)は、前記第2または第1のレールエレメントに渡されることが可能であり、前記枢動接続構成体(19)は、非接続位置と接続位置との間で前記リンク(14’)が枢動させられることを可能にし、前記非接続位置では、前記エキスパンションジョイント(10)の前記第1および第2のレールエレメント(12、11)は、一緒に接続されておらず、前記接続位置では、前記エキスパンションジョイント(10)の前記第1および第2のレールエレメント(12、11)は、前記リンク(14’)によって一緒に接続されており、前記第1または第2のレールエレメント(12、11)に含まれる前記リンク(14’)と前記第2または第1のレールエレメントと前記接合エリアを形成する、エキスパンションジョイント(10)。
【請求項2】
前記第1のレールエレメント(12)は、オス型の突出パーツ(12)を含み、前記第2のレールエレメント(11)は、凹部(17、17’、17”)を含むメス型の受け入れパーツ(11)を含む、請求項1に記載のエキスパンションジョイント(10)。
【請求項3】
前記接合エリアは、前記第1のレールエレメント(12)と前記第2のレールエレメント(11)との間に分割線を画定しており、前記分割線は、前記第1および第2のレールエレメント(12、11)が重なり合っている場所において、前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)の中央に沿って走っている、請求項1または2に記載のエキスパンションジョイント(10)。
【請求項4】
第1および第2のトラック(27’、27”)を含み、前記トラックの一部分は、それぞれ、前記第1および第2のトラック(27’、27)の中央に沿って走る分割線をそれぞれ形成している、請求項3に記載のエキスパンションジョイント(10)。
【請求項5】
ガイド構成体(14)をさらに含み、前記ガイド構成体(14)は、前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)の下方に提供されており、前記第1および第2のレールエレメント(12、11)の端部を支持し、前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)の前記一部分が前記接合エリアにおいて互いにスライドするときに、その相対的な長手方向の移動をガイドする、請求項1から4のいずれかに記載のエキスパンションジョイント(10)。
【請求項6】
レールベースのグリッド保管システム(50、50’、50”;104、104’、104”)の領域同士を接続するためのエキスパンションジョイント(10)であって、
- 第1のレールエレメント(12)および第2のレールエレメント(11)であって、前記レールエレメント(12、11)は、細長くなっており、前記レールエレメント(12、11)が重なり合っている接合エリアにおいて、互いに対して長手方向にスライドするように構成されている、第1のレールエレメント(12)および第2のレールエレメント(11)を含み、
- 前記エキスパンションジョイント(10)は、コンテナハンドリング車両(200、300、400)を支持するための1つまたは複数のトラック(27’、27”)を画定する上側表面を有しており、前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)は、前記第1のレールエレメント(12)から前記接合エリアを通って前記第2のレールエレメント(11)へ延在しており、前記接合エリアにおいて、それぞれのレールエレメント(11、12)は、前記上側表面の前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)の一部分を提供し、前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)のために、前記エキスパンションジョイント(10)に沿って前記第1のレールエレメント(12)から前記第2のレールエレメント(10)へ延在する移行部が存在するようになっており、
ガイド構成体(14)をさらに含み、前記ガイド構成体(14)は、前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)の下方に提供されており、前記第1および第2のレールエレメント(12、11)の端部を支持し、前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)の前記一部分が前記接合エリアにおいて互いにスライドするときに、その相対的な長手方向の移動をガイドし、
前記ガイド構成体(14)は、ローラーベースの接続(14)を含み、前記ローラーベースの接続(14)は、前記長手方向に対して垂直の方向への移動を防止するように配置されている、エキスパンションジョイント(10)。
【請求項7】
レールベースのグリッド保管システム(104、104’、104”)および/または配送レールシステム(50、50’、50”)の第1および第2の領域(50、50’、50”;104、104’、104”)を含む自動倉庫システムであって、請求項1から6に記載の1つまたは複数のエキスパンションジョイント(10)を含み、前記第1および第2の領域のそれぞれは、上側表面を備えたレールを有しており、前記上側表面は、前記エキスパンションジョイント(10)の中の1つまたは複数のトラック(27’、27”)と同じゲージおよびプロファイルの前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)を画定しており、前記エキスパンションジョイント(10)は、前記第1および第2の領域(50、50’、50”;104、104’、104”)の間の1つまたは複数の接続として配置されている、自動倉庫システム。
【請求項8】
前記第1および第2の領域は、レールベースのグリッド保管システム(104、104’、104”)の2つの領域、または、配送レールシステム(50、50’、50”)の2つの領域である、請求項7に記載の自動倉庫システム。
【請求項9】
レールベースのグリッド保管システムおよび/または配送レールシステムの前記第1および第2の領域は、複数のグリッドセルを画定するレールのグリッド配置を含む、請求項7または8に記載の自動倉庫システム。
【請求項10】
請求項1から6のいずれかに記載の1つまたは複数のエキスパンションジョイント(10)を使用して、レールベースのグリッド保管システムおよび/または配送レールシステムの領域(50、50’、50”;104、104’、104”)を接続する方法であって、前記領域のそれぞれは、上側表面を備えたレールを有しており、前記上側表面は、前記エキスパンションジョイント(10)の中の1つまたは複数のトラック(27’、27”)と同じゲージおよびプロファイルの前記1つまたは複数のトラック(27’、27”)を画定しており、前記方法は、
- 所定の分離を伴って前記領域(50、50’、50”;104、104’、104”)を配置するステップと、
- 前記エキスパンションジョイント(10)のうちの1つまたは複数を使用して、前記領域(50、50’、50”;104、104’、104”)を一緒に接続し、それによって、第1の領域(50、50’、50”;104、104’、104”)の1つの端部を、前記エキスパンションジョイント(10)を介して、第2の領域(50、50’、50”;104、104’、104”)の反対側端部にリンク接続する、レールの連続的なネットワークを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記第1および第2の領域(50、50’、50”;104、104”、104”)を接続する前に、
- 前記第1および第2の領域(50、50’、50”;104、104’、104”)の前記上側表面が同じエレベーション上にあるように、前記第1および第2の領域(50、50’、50”;104、104”、104”)をレベリングするステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2の領域は、レールベースの保管グリッドシステム(104、104’、104”)または配送レールシステム(50、50’、50”)の領域である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記エキスパンションジョイントは、前記レールベースのグリッド保管システムおよび/または前記配送レールシステムの前記領域(50、50’、50”;104、104’、104”)同士の間の最大で±40mmの相対的な移動を可能にし、室温の変化に対応する、請求項10から12のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫システム(automated storage and retrieval system)の中のレールなどのような、第1のセットのレールおよび第2のセットのレールを接続するためのエキスパンションジョイント、ならびに、そのようなエキスパンションジョイントを利用する関連のシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aおよび図1Cは、フレームワーク構造体100を備えた典型的な先行技術の自動倉庫システム1を開示している。図1Bおよび図1Dは、それぞれ、図1Aおよび図1Cに開示されているシステム1を動作させる先行技術のコンテナハンドリング車両200、300を開示している。
【0003】
フレームワーク構造体100は、複数の直立部材102と、随意的に、直立部材102を支持する複数の水平方向部材103とを含む。部材102、103は、典型的に、金属から、たとえば、押し出し加工されたアルミニウムプロファイルから作製され得る。
【0004】
フレームワーク構造体100は、保管グリッド104を画定しており、保管グリッド104は、列で配置されている保管カラム105を含み、保管カラム105の中には、保管コンテナ106(ビンとしても知られる)が、重ねてスタックされ、スタック107を形成している。
【0005】
それぞれの保管コンテナ106は、典型的に、複数の製品アイテム(図示せず)を保持することが可能であり、保管コンテナ106の中の製品アイテムは、同一であることが可能であり、または、用途に応じて異なる製品タイプのものであることが可能である。
【0006】
保管グリッド104は、スタック107の中の保管コンテナ106の水平方向の移動を防ぎ、保管コンテナ106の垂直方向の移動をガイドするが、通常は、スタックされているときの保管コンテナ106をその他の方法で支持しない。
【0007】
自動倉庫システム1は、コンテナハンドリング車両レールシステム108を含み、コンテナハンドリング車両レールシステム108は、保管所104の上部を横切ってグリッドパターンで配置されており、(図1Bおよび図1Dに例示されているような)複数のコンテナハンドリング車両200、300が、レールシステム108の上で動作させられ、保管カラム105から保管コンテナ106を上昇させ、保管カラム105の中へ保管コンテナ106を低下させ、また、保管カラム105の上方において保管コンテナ106を輸送する。グリッドパターンを構成するグリッドセル122のうちの1つの水平方向の範囲は、図1Aおよび図1Cにおいて、太線によってマークされている。
【0008】
それぞれのグリッドセル122は、典型的に30cmから150cmの間隔の中にある幅、および、典型的に50cmから200cmの間隔の中にある長さを有している。それぞれのグリッド開口部115は、レール110、111の水平方向の範囲に起因して、グリッドセル122の幅および長さよりも典型的に2cmから10cm小さい幅および長さを有している。
【0009】
レールシステム108は、第1のセットの平行なレール110および第2のセットの平行なレール111を含み、第1のセットの平行なレール110は、フレーム構造体100の上部を横切って第1の方向Xへのコンテナハンドリング車両200、300の移動をガイドするように配置されており、第2のセットの平行なレール111は、第1のセットのレール110に対して垂直に配置されており、第1の方向Xに対して垂直である第2の方向Yへのコンテナハンドリング車両200、300の移動をガイドする。このように、レールシステム108は、グリッドカラムを画定しており、グリッドカラムの上方において、コンテナハンドリング車両200、300は、保管カラム105の上方において横方向に移動することが可能であり、すなわち、水平方向のX-Y平面に対して平行になっている平面の中を移動することが可能である。
【0010】
それぞれの先行技術のコンテナハンドリング車両200、300は、車両本体部と、8つのホイールのホイール構成体201、301とを含み、第1のセットの4つのホイールは、X方向へのコンテナハンドリング車両200、300の横方向の移動を可能にし、第2のセットの残りの4つのホイールは、Y方向への横方向の移動を可能にする。ホイール構成体の中のホイールの一方のまたは両方のセットは、リフトおよび低下させられ得、第1のセットのホイールおよび/または第2のセットのホイールが、どの時点においても、それぞれのセットのレール110、111と係合され得るようになっている。
【0011】
また、それぞれの先行技術のコンテナハンドリング車両200、300は、保管コンテナ106の垂直方向の輸送のためのリフティングデバイス(図示せず)を含み、たとえば、リフティングデバイスは、保管カラム105から保管コンテナ106を上昇させ、また、保管カラム105の中へ保管コンテナ106を低下させる。リフティングデバイスは、1つまたは複数の把持/係合デバイス(図示せず)を含み、1つまたは複数の把持/係合デバイスは、保管コンテナ106に係合するように適合されており、把持/係合デバイスは、車両201、301から低下させられ得、車両201、301に対する把持/係合デバイスの位置が、第3の方向Zに調節され得るようになっており、第3の方向Zは、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交している。
【0012】
従来から、また、本出願の目的のために、Z=1は、グリッド104の最上部層を識別しており、すなわち、レールシステム108の直ぐ下方の層を識別しており、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別しており、Z=3は、第3の層を識別しているなどとなっている。図1Aおよび図1Cに開示されている例示的な先行技術のグリッド104では、Z=8は、グリッド104の最下部の底部層を識別している。結果的に、例として、ならびに、図1Aおよび図1Dに示されているデカルト座標系X、Y、Zを使用して、図1Aの中の106’として識別される保管コンテナは、グリッド場所またはセルX=10、Y=2、Z=3を占有すると言われ得る。コンテナハンドリング車両101は、層Z=0の中を進行すると言われ得、それぞれのグリッドカラムは、そのX座標およびY座標によって識別され得る。
【0013】
それぞれのコンテナハンドリング車両200は、レールシステム108を横切って保管コンテナ106を輸送するときに保管コンテナ106を受け入れて収納するための保管コンパートメントまたはスペース(図示せず)を含む。保管スペースは、たとえば、WO2014/090684A1に説明されているように、車両本体部の中に中央に配置されているキャビティーを含むことが可能であり、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0014】
代替的に、コンテナハンドリング車両300は、NO317366に説明されているように、片持ち梁構造を有することが可能であり、その文献の内容は、また、参照により本明細書に組み込まれている。
【0015】
コンテナハンドリング車両200は、所定の設置面積、すなわち、X方向およびY方向への範囲を有することが可能であり、それは、グリッドセル122の横方向の範囲に概して等しく、すなわち、たとえば、WO2015/193278A1に説明されているように、X方向およびY方向へのグリッドセル122の範囲に概して等しく、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。本明細書で使用されている「横方向の」という用語は、「水平方向の」を意味することが可能である。
【0016】
代替的に、コンテナハンドリング車両200は、たとえば、WO2014/090684A1に開示されているように、グリッドカラム105の横方向の範囲(グリッドカラム105によって画定される横方向のエリア)よりも大きい設置面積を有することが可能である。
【0017】
レールシステム108は、図2Aに示されているように、シングルレール(シングルトラックとも示される)システムであることが可能である。代替的に、レールシステム108は、図2Bに示されているように、ダブルレール(ダブルトラックとも示される)システムであることが可能であり、したがって、グリッドカラム112によって画定される横方向のエリアに概して対応する設置面積を有するコンテナハンドリング車両201がグリッドカラムの列に沿って進行することを可能にする(別のコンテナハンドリング車両200がその列の近隣のグリッドカラムの上方に位置決めされている場合にも)。シングルレールシステムおよびダブルレールシステムの両方、または、シングルレールシステム108の中のシングルレール構成体およびダブルレール構成体を含む組み合わせは、複数の長方形および均一なグリッド場所またはグリッドセル122を含む、水平方向の平面Pの中のグリッドパターンを形成しており、ここで、それぞれのグリッドセル122は、グリッド開口部115を含み、グリッド開口部115は、第1のレール110の1対のレール110a、110b、および、第2のセットのレール111の1対のレール111a、111bによって境界を定められている。図2Bでは、グリッドセル122は、破線のボックスによって示されている。たとえば、アルミニウムから作製されているレールベースのシステムのセクションは、レールであり、レールの上側表面の上には、1対のトラックが存在しており、車両のホイールが1対のトラックの中を走る。しかし、セクションは、それぞれトラックを備えた別個のレールであることが可能である。
【0018】
結果的に、レール110aおよび110bは、X方向に走るグリッドセルの平行な列を画定する近隣のレールの対を形成しており、レール111aおよび111bは、Y方向に走るグリッドセルの平行な列を画定する近隣のレールの対を形成している。
【0019】
図2Cに示されているように、それぞれのグリッドセル122は、典型的に30cmから150cmの間隔の中にある幅W、および、典型的に50cmから200cmの間隔の中にある長さLを有している。それぞれのグリッド開口部115は、典型的にグリッドセル122の幅Wおよび長さLよりも2cmから10cm小さい幅Wおよび長さLを有している。
【0020】
X方向およびY方向において、近隣のグリッドセル122は、互いに接触して配置されており、それらの間にスペースが存在しないようになっている。
【0021】
保管グリッド104において、グリッドカラムの大部分は、保管カラム105であり、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管されているグリッドカラム105である。しかし、グリッド104は、通常、少なくとも1つのグリッドカラムを有しており、その少なくとも1つのグリッドカラムは、保管コンテナ106を保管するために使用されるのではなく、その少なくとも1つのグリッドカラムは、コンテナハンドリング車両200、300が保管コンテナ106をドロップオフおよび/またはピックアップすることができる場所を含み、保管コンテナ106が第2の場所(図示せず)へ輸送され得るようになっており、第2の場所において、保管コンテナ106は、グリッド104の外側からアクセスされ得、または、グリッド104から外へもしくはグリッド104の中へ移送され得る。当技術分野において、そのような場所は、通常、「ポート」と称されており、ポートが位置付けされているグリッドカラムは、「配送カラム」119、120と称され得る。コンテナハンドリング車両のドロップオフポートおよびピックアップポートは、「配送カラムの上側ポート」119、120と称される。一方、配送カラムの反対側端部は、「配送カラムの下側ポート」と称される。
【0022】
図1Aおよび図1Cの保管グリッド104は、2つの配送カラム119および120を含む。第1の配送カラム119は、たとえば、専用のドロップオフポートを含むことが可能であり、そこでは、コンテナハンドリング車両200、300は、配送カラム119を通しておよびさらにアクセスステーションまたは移送ステーション(図示せず)へ輸送されるように、保管コンテナ106をドロップオフすることが可能であり、また、第2の配送カラム120は、専用のピックアップポートを含むことが可能であり、そこでは、コンテナハンドリング車両200、300は、アクセスステーションまたは移送ステーション(図示せず)から配送カラム120を通して輸送されてきた保管コンテナ106をピックアップすることが可能である。第1および第2の配送カラム119、120のポートのそれぞれは、保管コンテナ106のピックアップおよびドロップオフの両方に適切なポートを含むことが可能である。
【0023】
第2の場所は、典型的に、ピッキングステーションまたはストッキングステーションであることが可能であり、そこでは、製品アイテムが、保管コンテナ106から除去されるか、または、保管コンテナ106の中へ位置決めされる。ピッキングステーションまたはストッキングステーションにおいて、保管コンテナ106は、通常、決して自動倉庫システム1から除去されることはなく、アクセスされると保管グリッド104の中へ戻される。保管グリッド104から外へのまたは保管グリッド104の中への保管コンテナの移送のために、配送カラムの中に提供された下側ポートも存在しており、そのような下側ポートは、たとえば、別の保管設備へ(たとえば、別の保管グリッドへ)、直接的に輸送車両(たとえば、列車もしくはローリー)へ、または、生産設備へ、保管コンテナ106を移送するためのものである。
【0024】
自動倉庫システム1を監視および制御するために(たとえば、コンテナハンドリング車両200、300が互いに衝突することなく、所望の保管コンテナ106が所望の時間に所望の場所へ配送され得るように、保管グリッド104の中のそれぞれの保管コンテナ106の場所;それぞれの保管コンテナ106の内容物;および、コンテナハンドリング車両200、300の移動を監視および制御するために)、自動倉庫システム1は、制御システム(図示せず)を含み、制御システムは、典型的に、コンピューター化されており、制御システムは、典型的に、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを含む。
【0025】
コンベヤーを含むコンベヤーシステムは、配送カラム119、120の下側ポートとアクセスステーションとの間で保管コンテナを輸送するために用いられ得る。
【0026】
配送カラム119、120の下側ポートおよびアクセスステーションが異なるレベルに位置付けされている場合には、コンベヤーシステムは、ポートとアクセスステーションとの間で垂直方向に保管コンテナ106を輸送するためのリフトデバイスを含むことが可能である。
【0027】
コンベヤーシステムは、たとえば、WO2014/075937A1に説明されているように、異なるグリッド同士の間で保管コンテナを移送するように配置され得、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0028】
さらに、WO2016/198467A1(その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている)は、配送カラムとワークステーション(オペレーターは、そこで保管コンテナにアクセスすることができる)との間で保管コンテナを輸送するために、コンベヤーベルト(WO2016/198467A1の図5aおよび図5b)およびフレーム装着型レール(WO2016/198467A1の図6aおよび図6b)を有する先行技術のアクセスシステムの例を開示している。
【0029】
図1Aに開示されているグリッド104の中に保管されている保管コンテナ106がアクセスされるべきときには、コンテナハンドリング車両200、300のうちの1つが、グリッド104の中のその位置からターゲット保管コンテナ106を回収するように、および、それを配送カラム119へまたは配送カラム119を通して輸送するように指示される。この動作は、ターゲット保管コンテナ106がその中に位置決めされている保管カラム105の上方のグリッド場所へコンテナハンドリング車両200、300を移動させること、コンテナハンドリング車両のリフティングデバイス(図示せず)を使用して、保管カラム105から保管コンテナ106を回収すること、および、配送カラム119へ保管コンテナ106を輸送することを伴う。ターゲット保管コンテナ106がスタック107の中の深くに位置付けされている場合には、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナがターゲット保管コンテナ106の上方に位置決めされた状態になっている場合には、動作は、また、保管カラム105からターゲット保管コンテナ106をリフトする前に、上方に位置決めされている保管コンテナを一時的に移動させることを伴う。このステップ(それは、当技術分野において「ディギング」と称される場合がある)は、ターゲット保管コンテナ106を配送カラムへ輸送するためにその後に使用される同じコンテナハンドリング車両200、300によって実施され得るか、または、1つもしくは複数の他の協働するコンテナハンドリング車両200、300によって実施され得る。代替的にまたは加えて、自動倉庫システム1は、保管カラム105から保管コンテナ106を一時的に除去するタスクに具体的に特化されたコンテナハンドリング車両200、300を有することが可能である。ターゲット保管コンテナ106が保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナは、元の保管カラム105の中へ再位置決めされ得る。しかし、除去された保管コンテナは、代替的に、他の保管カラム105へ再位置付けされ得る。
【0030】
保管コンテナ106がグリッド104の中に保管されるべきときには、コンテナハンドリング車両200、300のうちの1つが、配送カラム120から保管コンテナ106をピックアップするように、および、それが保管されることとなる保管カラム105の上方のグリッド場所へそれを輸送するように指示される。保管カラムスタック107の中のターゲット位置にまたはその上方に位置決めされている任意の保管コンテナが除去された後に、コンテナハンドリング車両200、300は、所望の位置に保管コンテナ106を位置決めする。次いで、除去された保管コンテナは、保管カラム105の中へ低下させられて戻されるか、または、他の保管カラム105に再位置付けされ得る。
【0031】
2つのレールシステムが接続されることとなるかまたは後の接続のために同時に構築される状況において、レールシステム同士の間のミスアライメントに関する最小の公差だけが可能である。重大なミスアライメントは、車両が脱線することを結果として生じさせる可能性がある。
【0032】
また、レールシステムが配置されている建物またはエリアの中の室温または温度差は、自動倉庫システムに関する問題を引き起こす可能性がある。レールは、大幅に膨張および収縮する可能性があり、レールの中に座屈または過度の張力を結果として生じさせ、潜在的に、レールの中の移動を引き起こし、最終的に、コンテナハンドリング車両が脱線する可能性があるというリスクにさらす。膨張および収縮の問題は、レールの長さに部分的に依存することとなる。したがって、X方向および/またはY方向のいずれかへのかなりの長さのレールシステムに関して、移動のリスクの増加が存在しており、レールシステムの中のその座屈および/または過度の張力を伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
上記を考慮して、先行技術の倉庫システム(storage and retrieval system)の使用に関係する上述の問題のうちの1つまたは複数を解決するかまたは少なくとも軽減する自動倉庫システム、および、そのようなシステムを動作させるための方法を提供することが望ましい。
【0034】
別の目的は、2つのレールシステムの接続を簡単化する接続を提供することである。
別の目的は、レール(とりわけ、結果として膨張および収縮のリスクを伴う大きな温度差を受けるかなりの長さのレール)の膨張および/または収縮に関係する問題を解決するかまたは少なくとも軽減する接続を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明は、独立請求項に記載されており、従属請求項は、本発明の代替例を説明している。
【0036】
本発明は、レールベースのグリッド保管システムの領域同士を接続するためのエキスパンションジョイントであって、
- 第1のレールエレメントおよび第2のレールエレメントであって、レールエレメントは、細長くなっており、レールエレメントが重なり合っている接合エリアにおいて、互いに対して長手方向にスライドするように構成されている、第1のレールエレメントおよび第2のレールエレメントを含み、
- エキスパンションジョイントは、1つまたは複数のトラックを画定するプロファイル付き上側表面(profiled upper surface)を有しており、トラックは、第1のレールエレメントから接合エリアを通って第2のレールエレメントへ延在しており、接合エリアにおいて、それぞれのレールエレメントは、プロファイル付き上側表面のトラックまたはそれぞれのトラックの一部分を提供し、トラックまたはそれぞれのトラックのために、エキスパンションジョイントに沿って第1のレールエレメントから第2のレールエレメントへ延在する移行部が存在するようになっている、エキスパンションジョイントに関する。
【0037】
第1のレールエレメントは、オス型の突出パーツを含むことが可能であり、第2のレールエレメントは、凹部を含むメス型の受け入れパーツを含むことが可能である。代替的に、第1のレールエレメントは、凹部を含むことが可能であり、第2のレールエレメントは、オス型の突出パーツを含むことが可能である。
【0038】
車両のホイールが、エキスパンションジョイントを通過するときにトラックの中の段差を経験することなく、第1の領域から第2の領域へ、第1のまたは第2のレールエレメントのうちの一方を介して第1のまたは第2のレールエレメントのうちの他方へ、重量を移送するように、エキスパンションジョイントの第1および第2のレールエレメントは配置されている。
【0039】
換言すれば、移行部の中に互いにサイドバイサイドに配置されている第1および第2のレールエレメントの一部は、それらが重なり合っている接合エリアの中の連続的なドライブトラックの一部を形成している。
【0040】
接合エリアは、第1のレールエレメントと第2のレールエレメントとの間に分割線を画定することが可能であり、分割線は、第1および第2のレールエレメントが重なり合っている場所において(すなわち、第1および第2のレールエレメントが互いに対してサイドバイサイドに/横方向に配置されているエリアにおいて)、トラックまたはそれぞれのトラックの中央に沿って走っている。
【0041】
第1および第2のレールエレメントが重なり合っているときには(すなわち、サイドバイサイドに配置されている)、第1および第2のレールエレメントの組み合わせられた合計の幅は、それぞれのトラックの幅に等しい。
【0042】
エキスパンションジョイントは、第1および第2のトラックを含むことが可能であり、トラックの一部分は、それぞれ、第1および第2のトラックの中央に沿って走る分割線をそれぞれ形成することが可能である。
【0043】
エキスパンションジョイントは、ガイド構成体をさらに含むことが可能であり、ガイド構成体は、1つまたは複数のトラックの下方に提供されており、第1および第2のレールエレメントの端部を支持し、1つまたは複数のトラックの一部分が接合エリアにおいて互いにスライドするときに、その相対的な長手方向の移動をガイドする。ガイド構成体は、中間接続エレメント、スライド接続、ローラーベースの接続、リンク、第2のレールエレメントの中の凹部、中間接続エレメントの中の凹部、またはリンクのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0044】
ガイド構成体がローラーベースの接続を含む場合には、ローラーベースの接続は、長手方向に対して垂直の方向への移動を防止するように配置され得る。
【0045】
ガイド構成体がリンクを含む場合には、リンクは、枢動接続構成体を介して第1のレールエレメントに接続され得、第1のレールエレメントと第2のレールエレメントとの間のギャップに渡されることが可能であり得る。枢動接続構成体は、非接続位置と接続位置との間でリンクが枢動させられることを可能にすることができ、非接続位置では、エキスパンションジョイントの第1および第2のレールエレメントは、一緒に接続されておらず、接続位置では、エキスパンションジョイントの第1および第2のレールエレメントは、リンクによって一緒に接続されている。
【0046】
さらに説明されているのは、レールベースのグリッド保管システムおよび/または配送レールシステムの第1および第2の領域を含む自動倉庫システムであって、上記に説明されているような1つまたは複数のエキスパンションジョイントを含み、第1および第2の領域のそれぞれは、プロファイル付き上側表面を備えたレールを有しており、プロファイル付き上側表面は、エキスパンションジョイントの中の1つまたは複数のトラックと同じゲージおよびプロファイルの1つまたは複数のトラックを画定しており、エキスパンションジョイントは、第1および第2の領域の間の1つまたは複数の接続として配置されている、自動倉庫システムである。
【0047】
第1および第2の領域は、レールベースのグリッド保管システムの2つの領域、または、配送レールシステムの2つの領域であることが可能であり、すなわち、領域は、レールベースのグリッド保管システムの第1および第2のレールシステムであることが可能であり、または、領域は、配送レールシステムの第1および第2のレールシステムであることが可能である。
【0048】
レールベースのグリッド保管システムおよび/または配送レールシステムの第1および第2の領域は、複数のグリッドセルを画定するレールのグリッド配置を含むことが可能である。
【0049】
第1のセットのレールの中のトラックが、エキスパンションジョイントの中のトラックと重なり合い、それが、再び、第2のセットのレールの中のトラックと重なり合い、それによって、長手方向への連続的なトラックを形成し、同時に、第2のレールシステムに対する第1のレールシステムのスライド移動を可能にし、接合部を横切る滑らかな移行部を提供するように、エキスパンションジョイントが配置され得る。たとえば、引き離すことができる、トラックを横切って横方向に延在する連続的なスロットが存在しないように、エキスパンションジョイントが配置されており、その代わりに、トラックは、重なり合う2つの部分によって形成されており、車両のホイールが、トラックの中の段差を経験することなく、一方から他方へ重量を移送するようになっている。
【0050】
エキスパンションジョイントの中間位置から、好ましくは、たとえば、長手方向に±40mmの移動を可能にすることができる。しかし、長手方向への許容される移動は、より多いことが可能であり、または、それは、より少ないことが可能である。
【0051】
さらに説明されているのは、上記に説明されているような1つまたは複数のエキスパンションジョイントを使用して、レールベースのグリッド保管システムおよび/または配送レールシステムの領域を接続する方法であって、領域のそれぞれは、プロファイル付き上側表面を備えたレールを有しており、プロファイル付き上側表面は、エキスパンションジョイントの中の1つまたは複数のトラックと同じゲージおよびプロファイルの1つまたは複数のトラックを画定しており、方法は、
- 所定の分離を伴って領域を配置するステップと、
- エキスパンションジョイントのうちの1つまたは複数を使用して、領域を一緒に接続し、それによって、第1の領域の1つの端部を、エキスパンションジョイントを介して、第2の領域の反対側端部にリンク接続する、レールの連続的なネットワークを形成するステップと
を含む、方法である。
【0052】
方法は、第1および第2の領域を接続する前に、
- 第1および第2の領域のプロファイル付き上側表面が同じエレベーション上にあるように、第1および第2の領域をレベリングするステップをさらに含むことが可能である。
【0053】
この方法によって接続される第1および第2の領域は、レールベースの保管グリッドシステムまたは配送レールシステムの領域であることが可能である。
【0054】
エキスパンションジョイントは、任意のレールベースのシステム(グリッド保管システムおよび配送レールシステムの両方)において使用され得る。
エキスパンションジョイントは、X方向またはY方向へのレールを備えた2つのグリッドシステムの間の接続において使用され得る。
【0055】
接続は、X方向およびY方向へのレールを備えた1つのグリッドシステムと、シングルレール/ダブルレールを含む1つのレールシステムとの間にあることも可能である。
【0056】
レールベースの保管システムおよび/または配送レールシステムの2つの領域を接続するときには、接続されることとなるそれぞれの第1のレールパーツおよび第2のレールパーツは、セルを横切っておおよそ中間で終了することが可能である。接続されているときには、エキスパンションジョイントが配置されているセルは、標準的なセルとほとんど同様のサイズのものであることが可能であり、または、それは、より長くなっていることが可能であり、または、それは、より短くなっていることが可能である。車両は、典型的に、そのようなセルを1つの方向(すなわち、エキスパンションジョイントの方向)に通過することが可能である。その理由は、反対側方向への車両のホイールのためのトラック同士の間の距離が変化することが可能であるからである。ホイール同士の間の距離は固定されている。そのうえ、トラック同士の間の変化する距離に起因して、エキスパンションジョイントが配置されている列は、保管コンテナを保管するために使用されない可能性がある。
【0057】
以下の図面は、本発明の例示的な実施形態を示しており、本発明の理解を促進させるために添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1A】先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、完全なシステムを示す図である。
図1B】先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、システム動作可能な先行技術のコンテナハンドリング車両の例を示している。
図1C】先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、完全なシステムを示す図である。
図1D】先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、システム動作可能な先行技術のコンテナハンドリング車両の例を示している。
図2図2Aは、コンテナハンドリング車両レールシステムの上面図であり、シングルレール/トラックシステムを示す図である。図2Bは、コンテナハンドリング車両レールシステムの上面図であり、ダブルレール/トラックシステムを示す図である。図2Cは、コンテナハンドリング車両レールシステムの上面図であり、ダブルレール/トラックシステムを示しており、コンテナハンドリング車両グリッドセルの幅および長さを示す図である。
図3A】エキスパンションジョイントを使用して、2つの保管グリッドとして例示されている接続された2つの領域の側面図であり、エキスパンションジョイントは、保管グリッドのX方向のレール同士を接続している、図である。
図3B図3Aのエキスパンションジョイントの上側面拡大図である。
図3C図3Aに開示されているようなエキスパンションジョイントおよび保管グリッドの上面図である。
図3D】ローラーベースの接続を含むエキスパンションジョイントの上側面図であり、エキスパンションジョイントは、Y方向のレール同士を接続しており、保管グリッドの上に配置されている、図である。
図3E図3Dの代替的な上側面図である。
図3F図3Eの側面図である。
図4A】2つの保管グリッドの下方に配置されているレールシステム(たとえば、配送レールシステムなど)の側面図であり、配送レールシステムの領域は、レールシステムの中のレールのX方向において、本発明による例示的なエキスパンションジョイントを使用して接続されており、エキスパンションジョイントは、スライド接続を含む、図である。
図4B】配送レールシステムのコンテナハンドリング車両を示す、図4Aの中のセクションAの拡大図である。
図4C図4Bの配送レールシステムの拡大図である。
図4D図4Cのエキスパンションジョイントの上側面図である。
図4E】スライド接続を含む、図4A図4Dに開示されているエキスパンションジョイントの分解図である。
図5A】スライド接続を含む、レールのY方向へのエキスパンションジョイントの例である。
図5B】スライド接続を含む、レールのY方向への、図5Aのエキスパンションジョイントの分解図であり、側面図である。
図5C】スライド接続を含む、レールのY方向への、図5Aのエキスパンションジョイントの分解図であり、上側面図である。
図5D】レールのY方向へのスライド接続を含むエキスパンションジョイントの拡大図であり、コンテナハンドリング車両のY方向ホイールがスライド接続を通過しようとしていることを示す図である。
図6A】ローラーベースの接続を含む、レールのY方向へのエキスパンションジョイントの例を示す図である。
図6B図6Aの下方からの図である。
図6C】ローラーベースの接続を含む、図6Aおよび図6Bのエキスパンションジョイントの分解図であり、レールのY方向において、2つのレールシステムの間のエキスパンションジョイントのうちの1つのコンポーネントを示す図である。
図7A】第1のセットのレールまたは第2のセットのレールへの接続のための枢動接続を含むエキスパンションジョイントの例であり、非接続位置にあるエキスパンションジョイントを示す図である。
図7B】第1のセットのレールまたは第2のセットのレールに接続可能な枢動接続を含む、図7Aのエキスパンションジョイントの例であり、接続位置にあるエキスパンションジョイントを示す図である。
図7C】接続位置にある、図7Aおよび図7Bのエキスパンションジョイントの上面図である。
図8】シングルトラックの接続において使用されるエキスパンションジョイントの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下において、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に議論されることとなる。しかし、図面は、図面に示されている主題に本発明を限定することを意図していないということが理解されるべきである。そのうえ、特徴のうちのいくつかがエキスパンションジョイントまたはシステムのみに関連して説明されているとしても、それらは、同様に、レールベースの保管システム同士を接続する方法に関しても有効であり、その逆もまた同様であるということが明らかである。したがって、方法に関連して説明されている任意の特徴は、また、エキスパンションジョイントおよびシステムに関しても有効である。
【0060】
図3Aは、エキスパンションジョイント10を使用して接続された2つの保管グリッド104’、104”の側面図である。図3Aのエキスパンションジョイント10は、2つの保管グリッド104’、104”のX方向に延在するレール同士を接続する。保管グリッド104’、104”は、グリッド104’、104”の水平方向の範囲、および、グリッド104’、104”の垂直方向の範囲の両方に関して、等しいサイズのものであることが可能であり、または、異なるサイズを有することが可能である。開示されている保管グリッド104’、104”は、両方とも、4つの保管コンテナ106のスタック107を保管する能力を有している。しかし、保管グリッド104’、104”の中のレールが互いに同一平面上にあり、コンテナハンドリング車両300が、参照符号104’を伴う保管グリッドの上にあるか、参照符号104”を伴う保管グリッドの上にあるか、または、2つの保管グリッド104’、104”の間のエキスパンションジョイント10にあるかということから独立して、保管グリッド104’、104”の間を進行するコンテナハンドリング車両が、主に同じ水平方向の平面Pの中で進行することができるようになっている場合には有利である。すなわち、換言すれば、保管グリッド104’、104”の2つの領域が接続されているときには、それらは、1つの共通の大きなグリッドとして機能する。同様に、および、たとえば、図4A図4E図5A図5C、および図6A図6Cを参照して、より詳細に説明されているように、配送レールシステム50、50’、50”の2つの領域が接続されているときには、それらは、1つの共通の大きなグリッドとして機能する。
【0061】
上記に示されているように、2つの保管グリッド104’、104”は、図3Aにおいて、レールのX方向に接続されており、ここで、参照符号104’を伴う保管グリッドの上のX方向への第1のセットのレール20Xは、参照符号104”を伴う保管グリッドのX方向への第2のセットのレール21Xに接続されている。同様のエキスパンションジョイント10が、同じ水平方向の軸線に沿って、対応する第2のセットのレール21Xを有する第1のセットのレール20Xのすべての間に配置されている。図3Aにおいて、合計で4つの第1のセットのレール20Xそれぞれを専用の第2のセットのレール21Xと接続する合計で4つのエキスパンションジョイント10が存在している。しかし、エキスパンションジョイント10ならびに第1および第2のセットのレール20X、21Xの数は変化することが可能であるということ、ならびに、それがより多くなることが可能であるということ、または、それがより少なくなることが可能であるということが明らかである。
【0062】
エキスパンションジョイント10の長さの変化に起因して、スペース22(すなわち、エキスパンションジョイント10の下方に形成される列)は、通常、コンテナ106、107のための保管スペースとしての役割を果たすこととはならず、その代わりに、通路または同様のものとして使用され得る。
【0063】
X方向に延在するすべてのレールは同一になっており、したがって、第1のセットのレール20Xを参照するすべての図において、21Xは、X方向への個々のレール(ダブルレール/トラックシステムまたはシングルレール/トラックシステム)のいずれかであることが可能である。
【0064】
同様に、Y方向に延在するすべてのレールは同一になっており、したがって、第1のセットのレール20Yを参照する図において、21Yは、Y方向への個々のレール(ダブルレール/トラックシステムまたはシングルレール/トラックシステム)のいずれかであることが可能である。
【0065】
図3Bは、図3AのX方向への第1のセットのレール20XとX方向への第2のセットのレール21Xとの間のエキスパンションジョイント10のうちの3つの上側面拡大図である。図3Bにおいて、保管グリッド104’、104”、エキスパンションジョイント10、およびコンテナハンドリング車両300は、図3Aと比較して反対側に見られる。コンテナハンドリング車両300は、保管コンテナ106を運搬していることが開示されている。
【0066】
図3Cは、図3Aの第1のセットのレール20Xおよび第2のセットのレール21Xを接続する4つのエキスパンションジョイント10の上面図である。
【0067】
図3Dは、ローラーベースの接続を含むエキスパンションジョイントの上側面図であり、エキスパンションジョイント10は、参照符号104’を伴う保管グリッドのY方向への第1のセットのレール20Yと、参照符号104”を伴う保管グリッドのY方向への第2のセットのレール21Yとを接続する。エキスパンションジョイント10は、それぞれの保管グリッド104’、104”のレールシステムを接続する。ローラーベースの接続を含むエキスパンションジョイント10は、X方向にまたはY方向に延在するレールを接続する際に使用されるかどうかに関係なく、同じである。ローラーベースの接続を伴うエキスパンションジョイント10の詳細は、図6A図6Cを参照して下記に与えられている。
【0068】
図3Eは、ローラーベースの接続を含むエキスパンションジョイント10のより詳細を示す、図3Dの代替的な上側面図である。
図3Fは、図3Eの側面図である。
【0069】
図4Aは、2つの保管グリッド104’、104”の下方に配置されている配送レールシステム50の側面図である。配送レールシステム50は、本発明の実施形態によるエキスパンションジョイント10を使用して接続されている2つの配送レールシステムから生じている。
【0070】
図4Bは、配送レールシステム50の上のホイール構成体401を備えたコンテナハンドリング車両400を示す、図4Aの中のセクションAの拡大図である。図3A図3Eに関連して説明されている保管グリッド104’、104”の接続と同様に、2つの配送レールシステム50’、50”は、図4B図4Eにおいて、レールのX方向に接続されており、ここで、参照符号50’を伴う配送レールシステムの上のX方向への第1のセットのレール20Xは、第1のレールエレメント12および第2のレールエレメント11を含むエキスパンションジョイント10を介して、参照符号50”を伴う配送レールシステムのX方向への第2のセットのレール21Xに接続されている。同一のエキスパンションジョイント10が、対応する第2のセットのレール21Xを有する第1のセットのレール20Xのすべての間に配置されている。図4B図4Eにおいて、合計で4つの第1のセットのレール20Xそれぞれを専用の第2のセットのレール21Xと接続する、合計で4つのエキスパンションジョイント10が存在している。第1および第2のレールエレメント12、11は、エキスパンションジョイント10の両側において、エキスパンションジョイント10と接続されることとなるそれぞれの領域(開示されている実施形態では、第1および第2のセットのレール20X、21X)との間で接続される。この数は、単なる例としてのものに過ぎず、それは、車両がそれに沿って進行するための3つのレーンを提供し、車両がグリッド配置に起因して機能停止する場合(シングルポイント障害)には、2つ以上のレーンが問題を低減させることとなる。スペースをあまり占有し過ぎずにルーティングするためのフレキシビリティーの観点から、少なくとも3つのレーンが好適である可能性がある。しかし、それは、より多くになっていることが可能である。
【0071】
図4Cは、図4Bの配送レールシステムの拡大図である。
図4Dは、図4Cのエキスパンションジョイントの上側面図である。
図4Eは、X方向への第1および第2のセットのレール20X、21Xの間の接続において使用される、図4A図4Dに開示されているエキスパンションジョイント10の分解図である。エキスパンションジョイント10は、第1のレールエレメント12(この実施形態では、第1のセットのレール20Xに接続可能なオス型の突出パーツ)と、第2のレールエレメント11(この実施形態では、第2のセットのレール20Xに接続可能なメス型の受け入れパーツ)とを含む。第1のレールエレメント12は、第1のセットのレール20Xの方向に等しい軸線方向に延在しており、第2のレールエレメント11は、第1のレールエレメント12に対して反対側の軸線方向に延在する受け入れパーツを含む。図4Eにおいて、エキスパンションジョイント10は、中間接続エレメント14をさらに含む。中間接続エレメント14は、スライド接続として示されており、中間接続エレメント14の中の垂直方向の孔部16を通る適切な締結手段(たとえば、スクリュー、ピン、またはボルト15など)を使用して、第1のレールエレメント12の下方に接続されるように適合されている。第2のセットの配送レール50’は、第2のレールエレメント11の下方において、第1および第2のセットのレール50’、50”が接続されているときに中間接続エレメント14を受け入れるための凹部が提供されている。接続されているときには、第1のレールエレメント12および第2のレールエレメント11は、軸線方向に対して垂直の方向に少なくとも部分的に重なり合っており、レールシステムの一部を形成し、コンテナハンドリング車両300、400がレールシステムの上を進行することが可能である。接続されているときには、第1のレールエレメント12(すなわち、オス型パーツ)は、第2のレールエレメント11に対して軸線方向に移動することを許容され、第1のレールエレメントの突出パーツ12が、第2のレールエレメント11の中の凹部17の中に受け入れられるようになっており、それによって、第1のセットの配送レール50’と第2のセットの配送レール50”との間で軸線方向に連続的なドライブトラックを形成する。そのうえ、接続されているときには、エキスパンションジョイント10の軸線方向のフレキシビリティーは、第1のセットのレール50’および第2のセットのレール50”の中のレール同士の間のいくらかの相対的な移動を可能にする(たとえば、+-40mm、+-15mm、または、それよりも多くもしくはそれよりも少なく)。非連続的なドライブトラックは、コンテナハンドリング車両にとって許容可能でない。軸線方向への任意の非連続的なレールは、不安定なコンテナハンドリング車両および/または脱線につながる可能性がある。
【0072】
図5Aは、第1のセットの配送レール50’および第2のセットの配送レール50”として例示されているレールベースの保管システムの中の領域同士の間のY方向へのエキスパンションジョイントの例である。エキスパンションジョイント10は、スライド接続を含む。
【0073】
図5Bおよび図5Cは、スライド接続を含む、第1および第2のセットの配送レール50’、50”のY方向への、図5Aのエキスパンションジョイント10の分解図であり、ここで、図5Bは、側面図であり、図5Cは、上側面図である。図5A図5Cのエキスパンションジョイント10は、図4Eに関連して上記に説明されているエキスパンションジョイント10と共通のほとんどすべての特徴を有しており、中間接続エレメント14を除いて、繰り返されないこととなり、中間接続エレメント14は、垂直方向の孔部の代わりに、その側壁部に孔部16が提供されている。結果的に、第1のセットのレール50’は、締結手段を受け入れるための対応する孔部16を有している(図5Aを参照)。これは、X方向に走っているレールに対して、Y方向に走っているレールの異なる構築に起因する。
【0074】
図5Dは、レールのY方向へのスライド接続を含むエキスパンションジョイント10の拡大図であり、コンテナハンドリング車両400のY方向ホイール401がエキスパンションジョイント10を通過しようとしていることを示している。図から明確であるように、第2のレールエレメント11の中の凹部17および第1のレールエレメント12の突出パーツの相補的な形状は、突出パーツおよび凹部17がYレールの軸線方向に対して垂直の方向に重なり合っているという点において、コンテナハンドリング車両のホイールのための連続的なドライブトラックを保証している。換言すれば、移行部において互いにサイドバイサイド配置されている第1および第2のレールエレメント12、11のパーツは、それらが重なり合っている接合エリアにおいて、連続的なドライブトラックを形成する。
【0075】
図6Aは、ローラーベースの接続を含むレールのY方向へのエキスパンションジョイント10の例である。図6Bは、図6Aの下方からの図である。図6Cは、ローラーベースの接続を含む図6Aおよび図6Bのエキスパンションジョイント10の分解図であり、Y方向において、第1のレールシステム20Yと第2のレールシステム21Yとの間のエキスパンションジョイント10のうちの1つのコンポーネントを示している。エキスパンションジョイント10は、第1のレールエレメント12(この実施形態では、第1のセットのレール20Yに接続可能なオス型パーツ)と、第2のレールエレメント11(この実施形態では、第2のセットのレール21Yに接続可能なメス型パーツ)とを含む。第1のレールエレメント12は、第1のセットのレール20Yの方向に等しい軸線方向に延在しており、第2のレールエレメント11は、第1のレールエレメント12に対して反対側の軸線方向に延在する受け入れパーツを含む。エキスパンションジョイント10は、中間接続エレメント14をさらに含む。中間接続エレメント14は、ローラーベースの接続14として示されている。ローラーベースの接続14は、2つのブラケット30’、30’を含み、2つのブラケット30’、30’は、第1のセットのレール20Yのそれぞれの側に接続されており、スクリューおよび/またはボルト32などのような適切な締結手段を使用して互いに接続されている。ブラケット30’、30”が互いから事前定義された距離に配置されていることを確実にするために、固定された距離エレメント31が、2つのブラケット30’、30”の間に配置され得る。そのうえ、図6Bに開示されているように、2つのスクリュー35は、第1のセットのレール20Yに接続されている。それぞれのブラケット30’、30”は、凹部33がさらに提供されている(1つの凹部だけが図6Bに示されている)。ローラー34(1つだけが図6A図6Bに示されている)は、第2のセットのレール21Yに接続されており、水平方向の平面の中を(すなわち、ドライブトラックの軸線方向に)それぞれの凹部33の内側を移動するように提供されている。凹部33およびローラー34は、垂直方向において(すなわち、Z方向において)およびX方向において、第2のセットのレール21Yに対して第1のセットのレール20Yをロックするが、Y方向において、第2のセットのレール21Yに対する第1のセットのレール20Yの間の並進方向への相対的な移動を可能にする。接続されているときには、エキスパンションジョイント10の軸線方向のフレキシビリティーは、第1のセットのレール20Yの中のレールと第2のセットのレール21Yの中のレールとの間のいくらかの相対的な移動を可能にする(たとえば、+/-40mm、+/-15mm、または、それよりも多くもしくはそれよりも少なく)。そのうえ、接続されているときには、第1のレールエレメント12(すなわち、オス型パーツ)は、第2のレールエレメント11に対して軸線方向に移動することを許容され、第1のレールエレメントの突出パーツ12が、第2のレールエレメント11の中の凹部17の中に受け入れられるようになっており、それによって、第1のセットのレール20Yと第2のセットのレール21Yとの間で軸線方向に連続的なドライブトラックを形成する。
【0076】
図7Aは、枢動接続構成体19を介して第2のレールエレメント11(および、第2のセットのレール21Y)に接続されているリンク14’を含むエキスパンションジョイント10の例である。枢動接続構成体19は、当業者に知られている適切な締結手段(たとえば、スクリュー、ボルト、ピンなどによって締結された枢動ブラケット18)を介して、第2のセットのレール21Yおよびリンク14’に接続されている。
【0077】
図7Aにおいて、枢動接続構成体19およびリンク14’は、第2のセットのレール21Yに対して上向き方向に枢動させられているということが示されている。図7Aにおいて、第1のセットのレール20Yおよび第2のセットのレール21Yは接続されておらず、すなわち、エキスパンションジョイント10は、非接続位置にある。代替的に、枢動接続構成体19は、下向き位置に置かれるように枢動させられ得、第1のセットのレール20Yとの接続のために上向きに枢動させられるようになっている。
【0078】
枢動接続構成体19は、第2のレールエレメント11に(および、それによって、第2のセットのレール21Yに)接続されていることが開示されているが、枢動接続構成体19(およびリンク14’)は、その代わりに、第1のレールエレメント12に(および、それによって、第1のセットのレール20Yに)接続され得るということが明確である。
【0079】
図7A図7Cに開示されているように、リンク14’(リンク14’は、図7A図7Cに開示されている解決策において、第2のレールエレメント11の一部を形成すると考えられ得る)は、第1のレールエレメント12に接続されることとなる端部に受け入れパーツ(すなわち、凹部17’)を備えて形成されている。この凹部17’(すなわち、メス型パーツ)および相補的な第1のレールエレメント12(すなわち、オス型の突出パーツ)は、図4Eおよび図5Aに関連して上記に議論されているのと同様の様式で形成されている。加えて、第2のレールエレメント11に最も近いリンク14’の端部は、(図7A図7Cに開示されているように)同様の凹部17”を備えて形成されており、リンク14’と第2のレールエレメント11(および、それによって、第2のセットのレール21Y)との間の接続において、いくらかのフレキシビリティーを提供することが可能である。
【0080】
リンク14’が主に水平方向に配置され、第1のセットのレール20Yおよび第2のセットのレール21Yを接続しているときに、リンク14’と第1のセットのレール20Yとの間の協働は、リンク14’の一部が第1のレールエレメント12の上の表面25の上に置かれるようになっていることが可能である。表面25は、好ましくは、実質的に水平方向になっており、エキスパンションジョイント10が、コンテナハンドリング車両200、300、400のために、第1のセットのレール20Yと第2のセットのレール21Yとの間に実質的に同一平面上のドライブトラックを提供するようになっている。
【0081】
図7Bは、図7Aのエキスパンションジョイント10の例であり、接続位置にあるエキスパンションジョイント10を示しており、ここでは、第1および第2のセットのレール20Y、21Yが接続されている。
【0082】
図7Cは、接続位置にある、図7Aおよび図7Bのエキスパンションジョイント10の上面図である。図7Cにおいて、リンク14’の中の凹部17’、17”、ならびに、第1および第2のレールエレメント11、12の相補的なパーツが、より詳細に示されている。第1のレールエレメント12のオス型パーツは、リンク14’の凹部17’の中へおおよそ半分まで延在しており、接続されているときに、第1のセットのレール20Yと第2のセットのレール21Yとの間のいくらかの相対的な軸線方向の移動を可能にする。
【0083】
第1のレールエレメント12は、オス型パーツであることが可能であり、または、第2のレールエレメント11は、オス型パーツであることが可能であり、また、第1のレールエレメント12は、メス型パーツであることが可能であり、または、第2のレールエレメント11は、メス型パーツであることが可能である。この実施形態では、別個の中間エレメント14は存在しておらず、すなわち、エキスパンションジョイント10は、レスティング位置(すなわち、非接続位置)とアクティブ位置(すなわち、接続位置)との間でリンク14’を枢動させることによって、接続位置と非接続位置との間で単に枢動させられる。
【0084】
図7Cのレールシステムは、X方向にシングルトラックを含み、Y方向にダブルトラックを含むが、しかし、これは1つのオプションに過ぎない。その理由は、X方向およびY方向の両方に、シングルレールだけまたはダブルレールだけのいずれかが存在していることも可能であるからである。
【0085】
先行する説明において、本発明によるエキスパンションジョイントおよび自動倉庫システムのさまざまな態様が、例示目的の実施形態を参照して説明されてきた。説明の目的のために、特定の番号、システム、および構成が、システムおよびその働きの完全な理解を提供するために記載された。しかし、この説明は、限定する意味で解釈されることを意図していない。たとえば、コンテナハンドリング車両の中のレールセンサーは、通常、レールの中の側壁部によって反射して戻されるサイドに向けて光を放出する。コンテナハンドリング車両がXY交差部に進入するときには、側壁部が存在せず、したがって、光は反射されず、センサーに戻されない。しかし、エキスパンダージョイントが、側壁部を備えないパーツを有する場合には、誤った信号が結果として生じる可能性がある。車両の中のソフトウェアは、場合によっては、サイズの測定に関連して(エキスパンダージョイントを備えたセルのサイズは、固定されているグリッドセルのように固定されてはいない)、エキスパンダージョイントを通過するときにコンテナハンドリング車両の中のレール/トラックセンサーへの任意のそのような誤った光を訂正することが可能である。全体的な制御システム(その制御システムは、システムの中のすべての車両を追跡する)は、エキスパンションジョイントを備えたセルにいつ車両が進入することとなるかが分かる。エキスパンションジョイントを備えたセルに車両が進入するときには、全体的な制御システムは、次いで、エキスパンションジョイントにおける誤った光を表す信号を無視するか、または、エキスパンションジョイントを通過するときに車両の中のセンサーをオフにすることが可能である。代替的に、そのような誤った光のリスクは、エキスパンションジョイントにスライド側壁部を配置することによって低減され得、スライド側壁部は、エキスパンションジョイントと一緒に移動し、または、それが最大に拡張した位置にあるときにもエキスパンションジョイントをカバーするようなサイズのものである。
【0086】
図8は、シングルトラックの接続において使用されるエキスパンションジョイントの例である。シングルトラックのためのエキスパンションジョイントの接合エリアにおいて、それは、S字形状に形成されており、それは、図8に見られ得る。これは、第1のレールエレメント12および第2のレールエレメント11の両方がS字形状になっていることに起因する。第1のレールエレメント12と第2のレールエレメント11との間の分割線は、好ましくは、トラック27’の中心線に沿っている。レールがシングルトラックレールである場合には、恐らく、接合エリアは、S字形状をとることとなるが、通常は、それは、ダブルトラックレールであることとなり、したがって、これらは、ミラー対称になったプロファイルとして配置され、オス型パーツおよびメス型パーツを生成させることが可能である。図8に示されているように接合エリアは、S字形状を備えており、S字形状は、1つのトラックから、同様の様式で配置されている別のトラックを横切るS字形状につながっており、トラック27’の中のスロットがトラック27’に沿って広げられるようになっている。第1および第2のレールエレメント12、11の間の中間のギャップは、示されているものと同じ程度に大きくなっている必要はなく、サイドにおけるギャップのサイズに対応することとなる。横方向の安定性に関して、オス型の形状およびメス型の形状を提供することが重要である場合には、グリッドセルの反対側のトラックは、ミラー対称になったプロファイルを有し、その同じインターロッキング効果を提供することが可能である。
【0087】
開示されている図は、先行技術に関連して述べられている課題に対する解決策を開示しており、すなわち、2つのレールシステムの接続を簡単化するエキスパンションジョイントを開示している。加えて、開示されている解決策は、レール(および、とりわけ、結果として膨張および収縮のリスクを伴う大きな温度差にさらされるかなりの長さのレール)の膨張および/または収縮に関係する問題を解決するかまたは少なくとも軽減する接続を提供する。
【0088】
例示目的の実施形態のさまざまな修正例および変形例、ならびに、システムの他の実施形態(それらは、開示されている主題に関する当業者に明らかである)は、特許請求の範囲の中に定義されているような本発明の範囲の中にあると見なされる。
【符号の説明】
【0089】
1 倉庫システム
10 エキスパンションジョイント
11 第2のレールエレメント/メス型パーツ
12 第1のレールエレメント/オス型パーツ
14 中間接続エレメント/ローラーベースの接続
14’ リンク
15 締結手段/ピン/スクリュー/ボルト
16 孔部
17、17’、17” 第2のレールエレメントの中の凹部/中間接続エレメントまたはリンクの中の凹部
18 ブラケット
19 枢動接続構成体
20X X方向への第1のセットのレール
20Y Y方向への第1のセットのレール
21X X方向への第2のセットのレール
21Y Y方向への第2のセットのレール
22 スペース
25 表面第1のレールエレメント
27’、27” プロファイル付き上側表面の中のトラック
30’、30” ブラケット
31 固定された距離エレメント
32 スクリュー/ボルト
33 凹部
34 ローラー
35 スクリュー
50、50’、50” 配送レールシステム
P 水平方向の平面
100 フレームワーク構造体
102 フレームワーク構造体の直立部材
103 フレームワーク構造体の水平方向部材
104、104’、104” 保管グリッド/3次元のグリッド
105 保管カラム
106、106’ 保管コンテナ
107 スタック
108 レールシステム/コンテナハンドリング車両レールシステム
110 第1の方向(X)への第1のセットの平行なレール
110a 第1のセットの第1の近隣のレール
110b 第1のセットの第2の近隣のレール
111 第2の方向(Y)への第2のセットの平行なレール
111a 第2のセットの第1の近隣のレール
111b 第2のセットの第2の近隣のレール
115 グリッド開口部/コンテナハンドリング車両グリッド開口部
119 配送カラム
120 配送カラム
122 グリッドセル/コンテナハンドリング車両グリッドセル
200 第1のコンテナハンドリング車両
201 ホイール構成体
300 第2のコンテナハンドリング車両
301 ホイール構成体
400 第3のコンテナハンドリング車両
401 ホイール構成体
X 第1の方向
Y 第2の方向
P レールシステムの水平方向の平面
Wo コンテナハンドリング車両グリッド開口部の幅
Wc コンテナハンドリング車両グリッドセルの幅
Lo コンテナハンドリング車両グリッド開口部の長さ
Lc コンテナハンドリング車両グリッドセルの長さ
図1A-1B】
図1C-1D】
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8