(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】腔内プローブ処置を計画するための方法、デバイス及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20240729BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240729BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20240729BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20240729BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B1/00 530
A61B1/00 V
A61B6/03 577
A61B6/46 536Z
(21)【出願番号】P 2021531544
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(86)【国際出願番号】 EP2019082375
(87)【国際公開番号】W WO2020114815
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-09-01
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517253388
【氏名又は名称】3メンシオ メディカル イメージング ビー ヴイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デ ファーン、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シャトロウ、マータイン
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-093123(JP,A)
【文献】特開2009-082240(JP,A)
【文献】特表2012-503501(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0279780(US,A1)
【文献】特表2009-517177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
A61B 6/00 - 6/58
A61B 1/00 - 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
TEE又はICEプローブの腔内プローブ
に関連する、患者への医学的インターベンションを計画する方法を実行する装置の操作方法であって、前記装置が、プロセッサを備え、そして以下のステップ:
前記プロセッサにより前記患者の画像化データセットを提供する又はそれにアクセスするステップ;
前記プロセッサによりプローブパラメータを提供するステップ;
前記プロセッサにより前記プローブパラメータに対応する前記腔内プローブの仮想撮像視野を決定するステップ;そして
前記患者の前記画像化データセット及び前記腔内プローブの前記仮想撮像視野に基づいて、表示するために、前記プロセッサにより仮想腔内画像をレンダリングするステップ
を実行し、
前記プローブパラメータを提供するステップが、定義されたビュータイプのセットからビュータイプを選択するステップを備え、前記プローブパラメータが、前記選択されたビュータイプに依存
し、
前記仮想撮像視野は、選択されたビュータイプに対して事前に定義されたルールのセットに従って計算された前記プローブパラメータに依存し、
前記プローブパラメータは、前記選択されたビュータイプに対して前記事前に定義されたルールのセットによって表されるコスト関数の評価によって計算される、
方法。
【請求項2】
前記仮想撮像視野が、前記プローブ及び前記プローブパラメータの腔内経路のセグメント化に依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プローブパラメータが、シャフト挿入深さ、シャフト回転、プローブ回転角、シャフト屈曲前後角、前記シャフト屈曲左右角からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ビュータイプが、2チャンバ、4チャンバ、BiCaval、僧帽弁交連、僧帽弁短軸からなる群から選択される、請求項1~3
の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記仮想撮像視野が、前記プローブの腔内経路及び少なくとも1つの解剖学的構造のセグメント化に依存する、請求項1~4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの解剖学的構造が、僧帽弁輪、三尖弁輪、大動脈弁輪、肺動脈弁、卵円窩、心尖、下大静脈交連、上僧帽弁交連、心耳、SVC(上大静脈)、IVC(下大静脈)からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コスト関数が、少なくとも1つの解剖学的構造と最適な撮像視野面又は撮像視野ポイントとの間の加重距離パラメータに依存する、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記事前に定義されたルールのセットが、前記ビュータイプのセット内の前記ビュータイプによって異なり、そして
前記プローブパラメータが、前記選択されたビュータイプのルールのセット、解剖学的構造、及び前記プローブの前記腔内経路に依存する、
請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
前記仮想撮像視野が、プローブの位置及びプローブの方位から計算され、前記プローブの方位が、ビューの方向及び面の方位によって定義される、請求項1~
8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記仮想撮像視野が、前記プローブの腔内経路のセグメント化を伴わないユーザ入力に依存する、請求項1~
9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記腔内プローブのプローブパラメータを選択的に調整するステップ、
調整された前記プローブパラメータに基づいて、前記プローブの仮想撮像視野を再計算するステップ、及び
前記患者の画像化データセットと前記プローブの前記再計算された仮想撮像視野に基づいて、表示するために、別の仮想腔内画像をレンダリングするステップ、
を、さらに、備える、請求項1~1
0の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
計画の一部として、前記仮想腔内画像及び前記対応するプローブパラメータを表すデータを選択的に保存するステップ、
を、さらに、備える、請求項1~1
1の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記患者の画像化データセットが、X線CT画像化、回転血管造影、MRI、SPECT、PET、および3次元超音波からなる群から選択された容積画像モダリティを使用して取得される、請求項1~1
2の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
TEEプローブ又はICEプローブの腔内プローブ
に関連する、患者に対する医学的インターベンションの方法を実行する装置の操作方法であって、前記装置が、プロセッサを備え、そして以下のステップ:
前記プロセッサにより前記医学的インターベンションの計画の一部として、少なくとも1つの仮想腔内画像及び前記腔内プローブの対応するプローブパラメータを表すデータ
を保存するステップ
;
前記プロセッサにより前記計画の一部として保存された特定のプローブパラメータに対応するように配置されかつ方位された前記腔内プローブを使用して、前記腔内プローブの操作によってライブの腔内画像
を取得するステップ;および
前記プロセッサにより前記計画の一部として保存された仮想腔内画像とライブ腔内画像プローブを、共に表示するディスプレイ
を生成するステップ、
を実行
し、
前記仮想撮像視野は、選択されたビュータイプに対して事前に定義されたルールのセットに従って計算された前記プローブパラメータに依存し、
前記プローブパラメータは、前記選択されたビュータイプに対して前記事前に定義されたルールのセットによって表されるコスト関数の評価によって計算される、
方法。
【請求項15】
腔内プローブを含む、患者への医学的インターベンションを計画するためのシステムであって、
患者の画像データセットを保存するように構成されたメモリ(1902)、及び
前記メモリ(1902)に保存されたプログラム命令を実行するときに、請求項1~14の何れか1項に記載の方法の1
つのステップを実行するように構成されている少なくとも1つのプロセッサ(1901)
を備えるシステム。
【請求項16】
画像取得サブシステム(1903)及びTEEプローブ又はICEプローブの腔内プローブ(1904)を、さらに、備え、前記画像取得サブシステム(1903)が、前記腔内プローブ(1904)から画像を収集するように構成されている、請求項1
5に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサ(1901)が、
前記医学的インターベンションの計画の一部として、少なくとも1つの仮想腔内画像及びこれに対応する前記腔内プローブ(1904)のプローブパラメータを表すデータを保存し、
前記計画の一部として保存された特定のプローブパラメータに対応するように配置及び方位された前記腔内プローブ(1904)を用いて、前記腔内プローブ(1904)の操作によってライブの腔内画像を取得し、
前記計画の一部として保存された仮想腔内画像と
前記ライブ腔内画
像を、共に表示するディスプレイを生成する、
ように構成されている、請求項1
5又は1
6に記載のシステム。
【請求項18】
前記患者の画像データセットを取得するように構成された容積画像取得サブシステム(1900)を、さらに、備える、請求項1
5~1
7の何れか1項に記載のシステム。
【請求項19】
容積画像取得サブシステム(1900)が、X線CT画像化、回転血管造影、MRI、SPECT、PET、および3次元超音波からなる群から選択される容積画像モダリティを使用する、請求項1
5~
18の何れか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医学的インターベンションの分野に関する。より具体的には、本開示は、構造的心臓処置の様な医学的インターベンションを準備又は計画するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
構造的心臓病は、心臓弁膜症、不整脈、及び心臓の筋肉構造の欠陥を含む、広範囲の心臓状態がカバーする。この病気は、先天性であるだけでなく、後天性でもある。西側の人口が高齢化するにつれて、石灰化(老人性)大動脈弁狭窄症及び僧帽弁逆流の様な後天性疾患の重要性が増大して来ている。過去20年間に、例えば、弁の修復及び交換、心房中隔欠損症(ASD: atrial septal defects)、並びに欠損の閉鎖及び心房細動の塞栓リスクを軽減するための左心耳の隔離の様な、経カテーテル療法による構造的心臓病の革命的な治療が開発されて来ている。以前はリスクの高い外科的処置しか受けることが出来なかった、又は完全に手術不能であった患者に対しても、今や(多くの場合、1泊のみの入院で)カテーテル検査室で行われる経カテーテルアプローチにより治療を行うことが可能となっている。
【0003】
構造的心臓病の治療に関して、コンピュータ断層撮影(CT: computed tomography)が、術前の経カテーテル処置計画において重要な役割を果たす場合、CTは、心臓の構造及び可能性のある周囲の構造についての正確な3次元情報を医師に提供する。例えば、弁の経カテーテル交換又は修復では、CTは、例えば、非特許文献1で説明されているように、弁輪の解剖学的構造と幾何学的測定値を決定することにより、デバイスの選択に重要な役割を果たす。非特許文献1は、適切なデバイスを使用しそして正しい治療法を決定するためには、患者の解剖学的構造のサイズ測定と視覚的な解剖学的評価が、重要であると結論付けている。
【0004】
経カテーテル処置(例えば、経カテーテル大動脈弁置換術)は、X線を基本的な画像化モダリティとするカテーテル検査室で実行される。これらの経カテーテル処置の大部分は、経食道心エコー検査(TEE: transesophageal echocardiography)のガイドの下で実行される。TEEは、経カテーテル処置中に使用されるX線と比較して、高い時間分解能、血流を評価する可能性及び異なる組織応答を有するので、TEEは、補完的な画像化モダリティである。例えば、TEEは、心周期中の弁尖及び弁尖の動きを評価することが出来る。
【0005】
TEEは、直径約10mmの管であるTEEプローブを食道に挿入することを必要とする半侵襲的手技である。TEEは、経カテーテル心臓弁処置の全プロセスをガイド及び監視するために不可欠である。例えば、僧帽弁クリップを適切に配置するために、カテーテルを弁輪に同軸で整合させることは、弁の展開に対し、不可欠である。組織に配置されるアンカとカテーテルの整合は、アンカを必要とするデバイスに対し、又は治療効果を保証するために、事前に設定された位置で組織に穴を開ける必要があるデバイスに対し、不可欠である。これらの位置は、全て、TEEによって監視されそしてガイドされる。
【0006】
TEEを正確に実行するために、心エコー検査技師及び(インターベンション)心臓専門医/外科医には、処置の前に、処置及び解剖学的構造の知識が必要である。非特許文献2によって述べられている勧告には、TEEをエビデンスに基づいて使用することにより結果を改善する意図で、(処置中の)周術期TEEの適切な使用に関する基本的な推奨事項が、説明されている。加えて、これらの推奨事項の中で、現在使用されている20のビューに加えて8つの追加ビューの説明が、今後の新しい経カテーテル心臓処置への対応として説明されている。これらの推奨事項に記載されているように、TEEの臨床的指標は、どのビューが先ず取得されるべきか、及び各ビューから取得される詳細レベルに関して、主要な決定要因である必要がある。さらに、これは、食道と心臓の解剖学的関係には個人差があるので、特定のビューを取得するためのTEE画像化デバイスの配置は、患者ごとに異なることを説明している。例えば、何人かの患者では、食道は、房室溝の外側部分に隣接しているが、他の患者では、左心房のすぐ後ろにある。非特許文献3も、特定の構造を包括的に画像化するためには(例、心臓デバイスを移植するために、心臓構造とカテーテルを整合させる経カテーテル心臓処置に対し)、記述された28のビューを超える追加の画像が、必要であると述べている。さらに、トランスデューサの回転の程度、及び右又は左の屈曲、前屈又は後屈及びプローブの回しの様な追加の操作が、最適なTEE画像を達成するために、個々の患者に必要となる場合がある。
【0007】
TEEによって得られる画像の品質、及び配備されるデバイスとそれらの画像をどのように整合させるかは、心エコー検査技師の経験に強く依存することは周知である。従って、心エコー検査技師が、心臓の構造及び埋め込み型デバイスの解剖学及び機能について正確な知識を持っていることは不可欠である。TEEが、ユーザに大きく依存する画像化モダリティであるので、プローブの適切な操作、空間的位置、解剖学的構造及び機能に関する正確な知識は、重要な役割を果たす。さらに、少量の出血、チョッキング、心不整脈、及び食道出血の様な合併症が、TEE画像化中に、発生する可能性がある。
【0008】
心エコー検査技師の技能を改善することを目的として、TEEシミュレーション技術を利用することが可能である。特許文献1は、人間の上半身を模倣するファントム及び既定の心臓モデルを含む、TEEの教育シミュレータを開示する。特許文献2は、複数のCT画像に基づいて3次元モデルを使用して、TEEオペレータをトレーニングするためのTEE処置をシミュレートする方法を開示する。特許文献1及び特許文献2は、何れも、教育目的でTEEシミュレーションを提供することを意図している。
【0009】
経カテーテル心臓処置を受ける患者の血管の解剖学的構造は、正常な母集団から逸脱していて、そして患者間には大きな逸脱が存在する。TEE画像化のための構造的心臓処置の設定範囲内で術前計画を可能にするには、患者固有の容積画像データが必要である。さらに、所望のTEE画像ビューをサポートするためには、容積画像データセット内で識別された患者固有の解剖学的ランドマークが必要である。
【0010】
従って、特定の患者に対して医師(例、心エコー検査技師)がTEE画像化を計画することを可能にするシステムが必要である。ここで開示される方法は、また、特定の標準的なビュー(例えば、「4チャンバ」)を得るための最適なパラメータも予測するであろう。これらの予測が無い場合、医師は、処置中に最適な方位を探す必要がある。従って、ここで開示される方法は、処置をより短くしかつ患者のリスクを低減させるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許出願公開第2009/0162820号明細書
【文献】欧州特許第2538398号明細書
【文献】米国特許第9008386号明細書
【非特許文献】
【0012】
【文献】Theriault-Lauzieretal外による「構造的心臓病及びインターベンションのためのコンピュータ化された断層写真術」、Interventional Cardiology(2015)9月; 10(3):149-154
【文献】Cahalan外による「米国心エコー検査学会及び心臓血管麻酔学会」(Anesth Analg。2002 Jun; 94(6):1384-8)
【文献】Shiota 外による「心臓弁膜症のカテーテルベースの管理のための心エコー検査の役割」、Journal of Cardiology 69(2017)66-73
【文献】Grosgeorge外による「スケルトン事前ベースのグラフカットを使用した3DCTデータからの食道セグメント化」Comput Math Methods Med. 2013; 2013:547897
【文献】Theriault-Lauzieretal外による「経カテーテル僧帽弁インターベンションのための僧帽弁複合体の定量的マルチスライスコンピュータ断層撮影評価パート1:体系的な測定方法と観察者間の変動」、EuroIntervention. 2016 Oct 10;12(8): e1011-e1020
【文献】Zhen外による「限界空間学習と操作可能な機能を使用した3D心臓CT容積の4チャンバ心臓モデリングと自動セグメント化」、IEEE Trans Med Imaging. 2008 Nov;27(11):1668-81
【文献】Blanke 外による「経カテーテル僧帽弁置換術のコンテキストでのCTによる僧帽弁輪評価」、JACC Cardiovasc Imaging 2015 May;8(5):612-615
【文献】Feldman外による「マイトラクリップシステムによる経皮的僧帽弁修復術:最初のEVEREST(血管内弁の端から端までの修復研究)コホートにおける安全性と中期耐久性」、J Am Coll Cardiol. 2009 Aug 18;54(8):686-94
【文献】Hahn外による「包括的な経食道心エコー検査を実施するためのガイドライン:米国心エコー検査学会及び心臓血管麻酔学会からの推奨」、Anesth Analg. 2014 Jan;118(1):2168
【文献】Wrightによる「座標降下アルゴリズム」、Mathematical programming, June 2015, Volume 151
【文献】M.Alkhouli 外による「構造的心臓病インターベンションにおける心臓内心エコー検査」、JACC: Cardiovascular Interventions, volume 11, issue 21, Nov 2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本明細書の実施形態の目的は、TEE又は血管内プローブの様な腔内プローブを含む、患者への医学的インターベンションを計画するデバイス、コンピュータプログラム製品、及びコンピュータ実装方法を提供することである。
【課題を解決しようとする手段】
【0014】
これらのデバイス、プログラム製品、及び方法は、特定の実行可能な命令により構成された1つ又は複数のコンピュータシステムの制御下で、
患者の画像化データセットを提供する又はそれにアクセスするステップ、
プローブパラメータを提供するステップ、
前記プローブパラメータに対応する腔内プローブの仮想撮像視野を決定するステップ、そして
前記患者の前記画像化データセット及び前記腔内プローブの仮想撮像視野に基づいて、表示するために、仮想腔内画像をレンダリングするステップ
を備える。
【0015】
実施形態では、前記プローブパラメータが、シャフト挿入深さ、シャフト回転、プローブ回転角、シャフト屈曲前後角、前記シャフト屈曲左右角からなる群から選択される。
【0016】
前記仮想撮像視野は、典型的には、前記プローブの腔内経路のセグメント化及び前記プローブパラメータに依存する。
【0017】
プローブの腔内経路は、前記プローブのタイプに応じて、食道、直腸、膣、血管、心房、心室からなる群から選択させることができることが有利である。
【0018】
一実施形態では、前記プローブパラメータは、定義されたビュータイプのセットからビュータイプを選択することによって入力される。
【0019】
前記ビュータイプは、2チャンバ、4チャンバ、BiCaval、僧帽弁交連、僧帽弁短軸からなる群から選択させることできることが有利である。
【0020】
実施形態では、前記仮想撮像視野は、前記プローブの腔内経路及び少なくとも1つの解剖学的構造のセグメント化に基づかせることが出来る。
【0021】
実施形態では、前記少なくとも1つの解剖学的構造は、僧帽弁輪、三尖弁輪、大動脈弁輪、肺動脈弁、卵円窩、心尖、下大静脈交連、上僧帽弁交連、心耳、SVC(上大静脈)、IVC(下大静脈)からなる群から選択される。
【0022】
実施形態では、前記仮想撮像視野は、選択されたビュータイプに対して事前に定義されたルールのセットに従って計算されたプローブパラメータに基づかせることが出来る。前記プローブパラメータは、前記選択したビュータイプの事前定義されたルールセットによって表されるコスト関数の評価によって計算させることが出来る。前記事前に定義されたルールのセットは、ビュータイプのセット内の前記ビュータイプによって異なる場合がある。
【0023】
実施形態では、前記仮想撮像視野は、プローブの位置、撮像視野方向、及び面方位を含むプローブパラメータから決定することができる。
【0024】
これらのデバイス、プログラム製品及び方法は、さらに、前記腔内プローブのプローブパラメータを選択的に調整するステップ、調整された前記プローブパラメータに基づいて、前記プローブの仮想撮像視野を再計算するステップ、そして前記患者の画像化データセットと前記プローブの前記再計算された仮想撮像視野に基づいて、表示するために、別の仮想腔内画像をレンダリングするステップを備える。さらに、計画の一部として、前記仮想腔内画像及び前記対応するプローブパラメータを表すデータを選択的に保存することも、含ませることも出来る。
【0025】
実施形態では、前記患者の画像化データセットは、X線CT画像化、回転血管造影、MRI、SPECT、PET、3次元超音波等からなるグループから選択された容積画像モダリティを使用して取得させることが出来る。
【0026】
別の態様では、デバイス、プログラム製品、及び方法は、医学的インターベンションの計画の一部として、少なくとも1つの仮想腔内画像及びプローブの対応するプローブパラメータを表すデータを保存することを含む。計画の一部として保存された特定のプローブパラメータに対応するように配置及び方向付けされた前記プローブを使用して、ライブ腔内画像が、プローブの操作によって取得される。計画の一部として保存された仮想腔内画像と前記ライブ腔内画像を共に表示するディスプレイが生成される。
【0027】
実施形態は、また、腔内プローブを含む患者への医学的インターベンションを計画するためのシステムにも関連し、このシステムは、患者の画像化データセットを保存するように構成されたメモリと、メモリに保存されたプログラム命令を実行するときに、本明細書の実施形態による方法の1つ又は複数のステップを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを備える。特定の実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、前記医学的インターベンションの計画の一部として、少なくとも1つの仮想腔内画像及び前記腔内プローブの対応するプローブパラメータを表すデータを保存し、前記計画の一部として保存された特定のプローブパラメータに対応するように配置及び方位された前記腔内プローブを用いて、前記腔内プローブの操作によってライブの腔内画像を取得し、前記計画の一部として保存された仮想腔内画像及び前記ライブ腔内画像プローブを共に表示するディスプレイを生成する。
【0028】
システムは、さらに、画像取得サブシステムと、TEEプローブ又はICEプローブの様な腔内プローブとを備えていても良く、画像取得サブシステムが、腔内プローブから画像を取得するように構成されている。
【0029】
前記システムは、さらに、前記患者の画像データセットを取得するように構成された容積画像取得サブシステムを備えていても良い。前記容積画像取得サブシステムは、X線CT画像、回転血管造影、MRI、SPECT、PET、三次元超音波等からなる群から選択される容積画像モダリティを使用することができることは有利である
【0030】
画像取得サブシステムは、医学的インターベンション計画のためのより一般的なシステムの一部とする、又はこのシステムにインターフェースさせても良い。有利な構成では、画像取得システムは、本明細書の実施形態による方法ステップを実行するように構成された、例えば、専用又は汎用タイプのメモリ及びプロセッサを含む、医療インターベンション計画機能を備える。このような画像取得システムは、状況及び処理装置の利用可能性に応じて、同等に、容積取得システム又は腔内取得システムの何れかとすることが出来る。これにより、非常にコンパクトなシステムを製造することが可能となるであろう。
【0031】
他の態様及び改善は、従属請求項の目的である。
【0032】
本明細書の実施形態の特徴及びそれから得られる利点は、添付の図面に示される限定されない実施形態の以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本出願の実施形態の例示的なフローチャートを示す。
【
図2】例示的なX線CTシステムの機能ブロック図を示す。
【
図3】4チャンバビューの多面再フォーマット(MPR:Multi Plane Reformatting)を示す。
【
図4】MPR再構成、シミュレートされた血管造影ビュー及び容積レンダリングビュー内の計画されたTEEの例を示す。
【
図5】マイトラクリップ(MitraClip)の配置を計画するために使用される概略図を示す。
【
図6】プローブを操作してTEE画像を取得するための可能な移動を示す。
【
図9】計画されたTEEビューの画面レイアウトを示す。
【
図10】TEEプローブパラメータ及び仮想撮像視野を計算するための例示的なフローチャートを示す。
【
図11】プローブパラメータを調整するための制御を備えた例示的なユーザインターフェースを示す。
【
図12】X線CTシステムの例のハイレベルのブロック図を示す。
【
図13】TEE計画に基づいてTEE画像を取得するための例示的なフローチャートを示す。
【
図14】容積画像データに基づく模倣TEE画像の例を示す。
【
図15】大動脈弁を使用して、計画されたTEEビューを、取得されたTEEビューと手動で照合するための例を示す。
【
図16】計画されたTEEビューを、取得されたTEEに登録するための拡張された方法を示す。
【
図18】プローブを操作して心臓内心エコー画像を取得するための可能な移動を示す。
【
図19】本明細書の実施形態による、容積測定及び腔内画像化サブシステムを含む統合システムの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本出願は、CTシステムで取得された患者固有のCT画像データセットに基づいて、経カテーテル心臓処置中の(TEE又は心臓内画像化の様な)腔内画像化を術前に計画することに、特に、有利であり、そしてこれは、主に、この分野(例えば、心臓弁置換術、弁修復術及び左心耳(LAA)閉鎖)の様な構造的心臓処置の計画を参照して開示されるであろう。腔内プローブは、(例えば、食道、直腸、膣、血管(動脈又は静脈)、心臓の心房、心臓の心室の様な)体腔又は体の開口部に挿入され、そしてそこから画像を提供する、超音波タイプの画像化デバイスである。
【0035】
図1は、本出願の一実施形態による操作を示すフローチャートを示す。これらの操作は、器官(又はその一部)又は他の対象オブジェクトの容積画像を取得及び処理することができる(例えば、コンピュータ断層撮影)画像化システムを使用する。
【0036】
図2は、
図1の操作の一部である画像化システムに使用することが出来る、例示的なX線CTシステム120の機能ブロック図である。例示的なX線CTシステム120は、ユーザインターフェースモジュール216からのコマンドの下で動作しそしてデータ処理モジュール210にデータを提供するCT画像化装置212を含む。
【0037】
X線CT画像化装置212は、対象器官のCTスキャンをキャプチャする。X線CT画像化装置212は、典型的には、回転可能なガントリにマウントされたX線源及び検出器を含む。ガントリは、X線源と検出器の間のテーブルで支持されている患者の周りをスキャンする間に、X線源と検出器を連続速度で回転させる。
【0038】
データ処理モジュール214は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション又は他のコンピュータ処理システムによって実現させても良い。データ処理モジュール214は、X線CT画像化装置212によってキャプチャされたCTスキャンを処理して、本明細書に記載されているデータを生成する。
【0039】
ユーザインターフェースモジュール216は、ユーザと対話し、データ処理モジュール214と通信する。ユーザインターフェースモジュール216は、視覚出力用の表示画面、タッチ用のタッチスクリーン、入力、入力用のマウスポインタ又は他のポインティングデバイス、音声入力用のマイク、音声出力用のスピーカ、入力用のキーボード及び/又はキーパッド等の様な異なる種類の入力及び出力デバイスを含むことが出来る。データ処理モジュール214及びユーザインターフェースモジュール216は、協働して以下に説明する
図1の操作を実行する。
【0040】
図1の操作は、また、コンピュータ製品(例えば、光ディスク、又はUSBドライブの様な他の形態の永続メモリ又はネットワークサーバ)に具体化されるソフトウェアコードによって実行させることも出来る。ソフトウェアコードは、
図1の操作を実行するために、データ処理システムのメモリに直接ロードさせることが出来る。
【0041】
ここで、
図1を参照して実施形態を開示する。ここに示されているステップは、意味のある如何なる論理シーケンスでも実行させることが出来、そしてそれらの一部を省略させることが出来ることは明らかである。本明細書の実施形態の目的は、患者固有のCT画像データセットに基づく経カテーテル心臓処置中に、TEE画像化を計画するために使用することが出来る選択された(例、最適な)ワークフローを提供することであるので、ワークフローの例示的なステップも参照されるであろう。
【0042】
図1から明らかなように、ワークフローは、いくつかのステップを備える。
図1のステップ101に記載されているように、第1の患者固有の画像データが取得される。患者固有の画像データは、例えば、CTスキャナで取得されるような容積画像データセットを表す。患者固有の画像データセットは、心臓の動きを表す3次元(3D)の時系列である4次元(4D)データにより構成させても良い。
【0043】
図1のステップ102において、食道の経路が、患者固有の画像データセット内でセグメント化される。この経路は、食道の3D中心線を表す。この中心線を決定するために、手動で、又は例えば、非特許文献4によって開示されるように自動で、セグメント化される血管の中心線をセグメント化するために使用されるものと同様の技術を適用することが出来る。、
【0044】
図1のステップ103において、1つ又は複数の解剖学的構造(ランドマーク)が識別され、そしてセグメント化される。容積画像データを使用することにより、手動、半自動又は完全自動の方法を使用して、1つ又は複数の解剖学的構造をラベル付けしそしてセグメント化する(又は描く)ことが出来る。僧帽弁の手動セグメント化の例は、非特許文献5によって提供されている。心臓内の4つのチャンバの(半)自動セグメント化の例は、非特許文献6によって提供されている。心臓弁の半自動セグメント化の別の例は、ユーザが指定したシードポイントを使用する。
【0045】
表1は、
図1のステップ105によって実行されるTEEビューの決定をサポートする、解剖学的構造(ランドマーク)とそれらに対応する構造タイプのいくつかの例を提供する。構造タイプのいくつかは単純な3D位置(ポイント)であり、いくつかは閉じた3D曲線(閉曲線)であり、そしていくつかはセグメント化された3D構造(例、チューブ状構造)である。
【0046】
【0047】
上記の解剖学的構造は、全て、手動及び/又は半自動でセグメント化させることが出来る。TEEプローブパラメータの計算(ステップ105)で、ランドマークが、自動で、半自動で又は手動でセグメント化されるか否かは、問題ではない。例えば、僧帽弁輪のランドマークは、非特許文献7で説明されているように、収集されたユーザ定義のポイントの集まりを配置することによって、しばしば、手動で描かれる。表1から明らかなように、いくつかのランドマークはポイントであり、いくつかは閉曲線であり、いくつかはチューブ状の構造である。
【0048】
図3は、これらの解剖学的構造(ランドマーク)をどのように使用することが出来るかを示す例を示す。
図3は、患者固有の容積画像データに基づく4チェンバビューの多断面再フォーマット(MPR: Multi Plane Reformatting )を示す。この4チェンバビューは、識別されたランドマークに依存する2D画像面によって定義される。この画像面は、僧帽弁303、三尖弁304、及び卵円窩305の中心、並びに心尖306を切るように選択される。計画されたTEEプローブ位置301及び仮想撮像視野302は、このMPRビューに重ね合わされる。この例では、ターゲット構造の幾つかはポイント及び閉曲線であり、そして画像面はこれらの構造の中心と交差している。閉曲線構造の中心は、3Dの閉曲線の重心を計算することにより、計算することが出来る。第2の例は、
図4に示されている。
【0049】
図4は、MPR再構成401、シミュレートされた血管造影ビュー402、及び容積レンダリングビュー403を示す。これら3つのビュー全ての中には、TEEプローブ位置404、大動脈弁輪を示す閉曲線405及びビュー406のTEE仮想撮像視野が、示されている。この例では、撮像視野は、3D閉曲線405から計算された面によって定義される。
【0050】
もし、オペレータがインターベンション処置を準備している場合、彼/彼女は、処置中に配置される、又は一時的に存在する仮想デバイス(交換弁、修理デバイス、及び/又はデリバリデバイス)を配置するかもしれない。これらのデバイスの位置は、画像のセグメント化とコンテンツに基づいて推定されるであろう。このようなデバイスの例は、マイトラクリップであり、そして非特許文献8で詳細に説明されている。
【0051】
図5は、マイトラクリップの配置を計画するために使用される概略図を示す。この画像は、僧帽弁を示していて、医師が処置の間に配置させたいマイトラクリップデバイス501の位置が示されている。交差ライン502は、TEE画像ビューが通常僧帽弁と交差する場所を示す。処置中、僧帽弁クリップ501がTEE画像内に見えるように、この交点は位置503にあるべきである。これらのデバイスの位置を使用して、追加のデバイス固有のビューを計算することも出来る。
【0052】
オペレータ(例えば、心エコー検査技師)は、心臓構造をセグメント化することは有益ではないと判断する場合がある。これは、画質又はまれな解剖学的変化により解剖学的構造を自動的にセグメント化できない場合に必要になることがある。この場合、ステップ103、104及び105はスキップさせることが出来、そしてオペレータは、ステップ106によって説明されるように、TEEプローブパラメータ及び仮想TEEを対話により決定することが出来る。
【0053】
図1のステップ104において、オペレータは、計画しようとするTEEビュータイプを選択する。例えば、所望のTEEビュータイプは、次のビュータイプ:例、2チャンバビュータイプ、4チャンバビュータイプ、BiCaval法ビュータイプ、及び僧帽弁交連ビュータイプから選択させることが出来る。
【0054】
図1のステップ105において、所望のTEEビュータイプのためのTEEプローブパラメータと、これに対応する仮想TEEビューを計算することが出来る。ステップ104で識別された特定のTEEビュータイプに対応するTEEプローブパラメータ及び仮想TEEビューを決定するために、対象となる5つのパラメータを計算することが出来る。
図6は、対象となる5つのパラメータを示していて、そしてこれらは以下に説明される。
1.シャフトの挿入深さ
このパラメータは、食道内のTEEプローブの深さを定義し、そして心エコー検査技師によるTEEプローブの前進又は後退(602)によって登録される。TEEスキャン中に、TEE心エコー計は、患者の歯からの挿入深さを測定する。これらが、CT及びMRIの様な心臓画像スキャンに含まれることはめったにないので、オペレータは、既知の高さに対する較正を必要とするであろう。この較正ステップは、
図13に示されているワークフローで詳細に説明されている。
図1によって説明されるワークフローは、オペレータが、特定のTEEビューシミュレーション(105及び/又は106)でシャフト挿入深さをゼロに設定することを可能にする。次で、全ての挿入深さが、この深さを基準にして計算される。このような「相対深さ」は、深さ較正ステップ1302を単純化するために、
図13によって説明されるようなワークフローで使用させることが出来る。
2.シャフトの回転
このパラメータは、シャフトの長軸の周りの回転(603)を定義する。
3.トランスデューサの回転角
このパラメータは、TEEトランスデューサの回転(604)を定義する。
4.シャフトの前後方向曲げ角
このパラメータは、前後方向でのシャフトの曲げ角を定義する(601)。
5.シャフトの左右方向の曲げ角
このパラメータは、シャフトの左右方向の曲げ角を定義する(605)。
【0055】
このシステムは、患者固有の容積画像データセットの座標系において、TEEプローブによって達成させることが出来る仮想撮像視野を計算することができる。TEEプローブパラメータは、
図1のステップ102から生じるセグメント化された食道経路、及び選択されたTEEビュータイプ(104)を説明する解剖学的構造又はランドマーク(103)に基づいて、計算される。特定のTEEビュータイプに対して、1つ以上の解剖学的構造に関連付けられた1つ以上のルールが、特定のTEEビュータイプに対して定義される。
【0056】
表2は、TEEビュータイプとそれの関連するルールのいくつかの例を提供する。
【表2】
【0057】
一般的なTEEビュータイプの例、及び方位の推奨は、非特許文献9に記載されている。
【0058】
ビューを計算するとき、異なる心臓構造(表1)及びそれに関連するルールは、異なる方法で使用することが出来る。ポイント構造の場合、ルールは、ポイントが撮像視野面内に配置される必要があるとすることができ、そしてこのルールは、このポイントが撮像視野内のどこに(例えば、左、中央、右)表示されるかをおおよそ指定することが出来る。(僧帽弁のような)閉曲線は、閉曲線をポイント群に変換し、そしてポイント群に固有値/固有ベクトル分析を実行することにより、中心ポイントと、閉曲線に最適に適合する面とに簡略化させることが出来る。例が、
図7によって提供されている。これは、容積レンダリングビュー内の僧帽弁輪の位置を示す、閉曲線701を示す。ライン702は、面の法線ベクトルを表す、僧帽弁輪に直交するラインであり、そしてランドマーク703は中心である。ライン702及びランドマーク703は、(ランドマーク703を原点として)弁輪面を非明示的に定義している。
【0059】
「僧帽弁短軸」のようなルールは、僧帽弁輪輪郭の中心ポイントを画像面内の中心に配置させ、そして撮像視野面を、(例えば、最小二乗法を使用して)データポインを通るように適合させた面に整合させることを要求することが出来る。3Dチューブ状構造は、同様に、チューブ状構造を通る中心(腔)ラインを計算しそしてこの中心ラインの平均ポジションと方向を使用することにより、中心面の組み合わせに変換させることが出来る。この方向は、平面法線として使用される。中心腔ラインは、例えば、チューブ状構造の骨格化を使用して計算させることが出来る。
【0060】
実施形態では、TEEプローブのトランスデューサのポジション及び方位、並びにTEEプローブの対応するTEE撮像視野は、挿入深さの長さについて食道経路をたどり、そしてTEEプローブの回転及び屈曲を適用することによって、計算させることが出来る。
【0061】
例えば、
【数1】
を、
図8に示されるように、TEEプローブのトランスデューサに対して、左、前、及び上に向く3つのベクトル
【数2】
(803)、
【数3】
(802)、
【数4】
(807)からなる、TEEプローブのトランスデューサ方位システムを表す3x3行列としよう。ポジション
【数5】
(801)は、TEEプローブのトランスデューサの位置を表す。TEEプローブの撮像視野面(804)は、それぞれ、撮像視野方向及び面の方位を表す、ポジション
【数6】
(801)及び
【数7】
(803)、
【数8】
(802)ベクトルによって識別させることが出来る。
【0062】
第1に、トランスデューサの方位/位置
【数9】
は、TEEプローブのシャフトを距離d(602)食道に挿入し、そしてシャフトを
【数10】
(603)回転させた後に、決定させることが出来る。食道経路は、線分により接続されているポイント
【数11】
のリストとして表される。トランスデューサの初期位置
【数12】
は、食道の始点
【数13】
である。
【数14】
は、経路に沿う合計距離
【数15】
に渡って、
【数16】
の各線分に沿って変換される。
【数17】
のZ軸は、
【数18】
の第1の線分に整合される。
【0063】
トラバースされた
【数19】
上の全てのポイントについて、座標系
【数20】
には、回転行列:
【数21】
が乗算される。ここで、ベクトル
【数22】
は、線分kの正規化された方向であり、
【数23】
はベクトル
【数24】
の周りに角度α回転させる回転行列を生成する関数である。
【0064】
次に、TEEプローブのシャフト回転
【数25】
が、
【数26】
のように、トランスデューサの方位
【数27】
(トラバースされた
【数28】
の最後のポイントを通過した後の方位)
に適用される。
【0065】
次に、前方/後方屈曲角(φ、601)、左右屈曲角(θ、605)、及びトランスデューサ角α(604)が適用される。カテーテルの設計により、φとθの両方がプローブの位置と方位に影響を与える。このプローブの位置
【数29】
と方位
【数30】
は、次のように計算することが出来る:
【数31】
【数32】
定数cは、曲げ長さを表すプローブ定数であることに、留意されたい。
【0066】
パラメータ
【数33】
は、
図8に示されるように、TEEプローブの位置ポジション
【数34】
(801)を表す。パラメータ
【数35】
は、
図8に示されるように、3つのベクトル
【数36】
(803)、
【数37】
(802)、
【数38】
(807)からなる、TEEプローブのトランスデューサ方位システム
【数39】
を表す。
図8に示されるように、TEEプローブの撮像視野面(804)は、
【数40】
(801)、
【数41】
(803)
【数42】
(802)ベクトルの解によって識別させることが出来る。トランスデューサ方位システムは、物理的回転により又は電子的に実行させることが出来るトランスデューサの回転角αに依存するが、これは、TEEプローブトランスデューサの位置と方位の計算に関しては違いがないことに留意されたい。最後に、ここでの計算は、良好な近似値であることに留意されたい。しかしながら、代替の実施形態では、TEEプローブトランスデューサの位置及び方位並びにこれに対応する撮像視野の計算は、組織の剛性及び/又はプローブの物理的特性及び/又は他の要因を考慮することも出来る。
【0067】
図9は、可能性がある画面レイアウトを示す。これらの画像は、データセット101(この場合はCTデータ)の日付を使用してレンダリングされる。ビューポート901は、TEE撮像視野905をシミュレートするビューを示す。これは、トランスデューサ角604のインジケータ906を含む、TEEコンソールのレイアウトを模倣する。ビューポート902は、食道経路904、プローブ907及び撮像視野ビュー905が表示されている、シミュレートされた血管ビューを示す。ビューポート903は、患者の一部が不透明にされ、かつ食道経路904及び撮像視野905が表示されている、容積レンダリングを示す。
【0068】
もし、屈曲(601、605)が使用される場合、プローブの起点は、元の食道経路から離れるように移動することが出来る。患者の場合、プローブが実際に食道から離れることはなく、代わりに食道が変形する。上記の計算では、食道は、抵抗なく変形すると仮定されている。
【0069】
図10は、
図1のステップ103から得られる解剖学的構造又はランドマーク(1001)、
図1のステップ102から得られる食道経路セグメント(1002)、及び
図1のステップ104によって定義されるように選択されたTEEビュータイプを記述するTEEビュールールデータベース(1003)に基づいて、TEEプローブパラメータ及びTEEプローブの仮想撮像視野を計算する方法を詳細に説明する。
【0070】
図10のステップ1004において、コスト関数が定義される。例えば、もし、TEEプローブの仮想撮像視野が特定のランドマークと交差するとした場合、それが正確な交差であり、かつこの特定のランドマークからの距離が大きくなるとコストが増加する場合、コスト関数の寄与は最小になるであろう。
図1のステップ104によって定義されるような所望のTEEビュータイプに対して、適用可能なビュールールセットが、コスト関数として表されるビュールールデータベース1003から選択される。コスト関数は、セグメント化された食道経路1002及び実際のランドマーク位置1001を使用して、プローブパラメータ
【数43】
のセットのみに依存する特定のビュー/患者の組み合わせ
【数44】
に対して、定義させることが出来る(1004)。例えば、パラメータ
【数45】
のセットとこのパラメータ
【数46】
のセットから計算されたTEE撮像視野(FoV: Field of View)との例を考えよう。もし、TEEプローブと交差しかつFoVの中心に配置されるべき2つのランドマークL
1、L
2がある場合、コスト関数は、次のように定義することが出来る:
【数47】
ここで、
【数48】
は、
【数49】
と
【数50】
の中間ポイントから決定されたビューの所望の中心であり、
【数51】
は、撮像視野(FoV)の現在の中心であり、distance
2(a, b)は、2つのポイント間、又はポイントと面の間の距離の2乗であり、そしてW
1、W
2、W
3は、対応する項の重み付けを示す重み係数である。W
1とW
2は互いに同一とすることが出来、そしてW
3はW
1とW
2よりも大幅に小さくすることが出来ることに留意されたい。これらの制約は、画像を正しく中央に配置するよりも、ランドマークL
1とL
2を平面に配置するのに役立つ。
【0071】
ステップ1005において、最適なプローブパラメータが計算される。プローブパラメータのいくつかの組み合わせ
【数52】
は、コスト関数
【数53】
のコストが最小値の場合に、ビュールールとの最適な一致を提供する。この最小値は、ソルバーアルゴリズムを使用して検索することが出来る。このようなアルゴリズムの例には、非特許文献10、又は遺伝的アルゴリズム、又はブルートフォースで説明されている勾配降下アルゴリズムがある。勾配降下アルゴリズムの場合、処理は、プローブパラメータ
【数54】
の初期セットから始まり、そして全てのパラメータ値に関するコスト関数の導関数が計算される。コスト関数の導関数は、コスト関数を最も速く減少させるであろう方向
【数55】
の指標を提供する。設定されたパラメータ
【数56】
は、
【数57】
を追加することによって更新され、そしてこのプロセスは、停止基準を満たすようにコスト関数が最小化されるまで繰り返される。
【0072】
ビュールール1003のデータベースは、また、コスト関数
【数58】
の入力として設定される初期プローブパラメータを計算するための式を含んでいても良い。ビュールールの一部として、ユーザが、制約(挿入距離の固定、屈曲範囲の縮小)を追加することも可能である。アルゴリズムを使用する代わりに、ランドマーク1001及びビュールール1003を使用して、プローブパラメータを分析的又はヒューリスティックに決定するコンピュータプログラムを書くことによって、プローブパラメータを計算することも可能である。このようなプログラムでは、おそらく最初のステップは、撮像視野に対する所望の交差面を計算しそして食道経路(1002)を表すラインとの交点を見出すものであろう。
【0073】
ステップ1006内で、TEEプローブの仮想撮像視野が計算される。この撮像視野は、
図8に示されるように定義される。撮像視野画像化面(804)は、プローブパラメータ
【数59】
のセットから計算される、プローブ位置801、ビュー方向802、及び面の方位803によって定義される。
【0074】
図8に示されるように、TEEプローブの仮想撮像視野(804)は、TEEスキャンのくさび形を説明する撮像視野深さ(805)及び撮像視野角幅(806)によって定義される。TEEプローブの操作による実際のTEE画像の取得中に、これらのパラメータは、TEEコンソールから電子的に制御させることが出来、そして画像化する組織領域を決定することが出来ることに留意されたい。この領域を増加させると、フレームレート及び/又はTEE画質は低下する。TEEプローブの仮想撮像視野の計算中に、これらのパラメータは、事前に定義させておくか、オペレータにより制御させるか、又はランドマーク(1001)と食道経路(1002)を使用して自動的に計算させることが出来る。ビュー深さ(805)及びビュー角度幅(806)のパラメータを自動的に計算する一例は、これらをパラメータセット
【数60】
に含めることである。これにより、アルゴリズムは、可能な最小の深さ(805)及び可能な最小の撮像視野角幅(806)を使用して、必要な解剖学的ランドマークを表示する1つ又は複数の撮像視野を提案することが出来る。これは、
図13を参照してワークフロー内で説明されているように、取得された実際のTEE画像の画質を向上させる。これに代えて、ビュー深さ(805)及び撮像視野角幅(806)の自動計算は、オペレータによって定義された事前に定義された幅又は深さを考慮に入れることも出来る。例えば、オペレータは、深さ又は幅が、最小値又は最大値を有するように定義しても良い。
【0075】
TEEプローブの仮想撮像視野が計算されると、オペレータは、ステップ106の仮想撮像視野に対応する仮想TEE画像を対話して見ることが可能になる。オペレータは、必要に応じて、プローブパラメータを調整することが出来る。次で、ワークフローは、ステップ105に関して上述した、調整されたプローブパラメータに基づいてTEEプローブの仮想撮像視野を再計算し、そしてステップ106の一部として再計算された仮想撮像視野に対応する別の仮想TEE画像をレンダリングすることが出来る。必要に応じて、パラメータの調整、撮像視野の再計算、及びレンダリングは、複数回繰り返すことが出来る。
【0076】
図11は、ユーザが、TEEプローブの仮想撮像視野に対応する仮想TEE画像を対話して見ることを可能にし、そして必要に応じてTEEプローブパラメータを調整することを可能にするユーザインターフェースの例を示す。図示されている制御は、挿入距離1101、トランスデューサ角1102、シャフト回転角1103、前後屈曲角1104、及び左右角1105である。値が変更されると、TEEプローブの仮想撮像視野905が更新され、そして
図9は即座に更新される。
【0077】
仮想撮像視野に対応する仮想TEE画像の視覚化は、容積データセット103内の画像データに基づいて、TEEプローブの仮想撮像視野905をレンダリングすることによって達成させることが出来る。トランスデューサの回転角906は、グラフィック901に示されている。カラールックアップテーブルを使用して、より現実的な仮想TEE画像をレンダリングすることが可能である。実施形態では、操作は、容積データセットのボクセルの立方容積を処理して、この容積を切断しそしてTEEプローブの仮想撮像視野に対応する任意の面を識別し、次いで、ボクセルの画像データを使用して仮想画像上のピクセルの値をこの面に補間することが出来る。この手法は、MPR: multi-plane reformatting又は「多平面再フォーマット」として知られている。この結果得られる画像は、ボクセルの画像データと一致する強度を持つであろう。この結果得られる画像のピクセルにルックアップテーブルを適用して、強度を変換して、軟組織(筋肉、高速)を強調表示しそして残りの部分を黒にすることが出来る。ルックアップテーブルの操作は、次のように表すことが出来る:
【数61】
ここで、
【数62】
は、黒と明るい白に対応する、0.0から1.0まで変化するピクセル強度で、
【数63】
はルックアップテーブルで、そして
【数64】
は、多平面再フォーマットから得られた画像のピクセルの入力値である。ピクセルの入力値は負になる可能性があることに留意されたい。一例では、ルックアップテーブルは、-255から195の範囲のピクセル入力値に対して1から0までの線形勾配を含むことが出来、そして他のピクセル入力値に対しては0.0である。
【0078】
図14は、カラールックアップテーブルを使用してレンダリングされている、画像データ(101)に基づく仮想TEE画像(MPR画像1401)の例を示す。TEE撮像視野(1402)が、参照のために仮想TEE画像に重ね合わされている。最後に、ステップ103に示されるような仮想デバイスも、また、仮想TEE画像上でレンダリング/シミュレートさせることが出来る。
【0079】
レンダリングは、静的とすることも出来るが、4D CTデータを使用して、この位置での仮想TEE画像が心臓の移動によってどのように変化するかを示すことも出来る。ナビゲーションの目的で、前のステップでセグメント化された心臓構造は、仮想TEE画像に重ね合わせることが出来る。さらに、生成された交差も、MPR又は容積レンダリング904に重ね合わせることが出来る。これには、交差ライン、容積レンダリングに埋め込まれた面、生成されたTEE画像と3D容積レンダリングの融合、部分的な透明度等の、さまざまな手法がある。さらに、血管造影ビューに現れるであろうプローブのプレビューを提供する、X線血管造影シミュレーションビュー(シミュレートされた血管造影ビュー)902が示されている。
【0080】
オペレータが満足すると、彼/彼女は、
図1のステップ107によって説明される計画レポート又は計画を生成することが出来る。このステップは、TEEビューを計画レポートの一部として記録又は保存することを含むことが出来る。TEEビューには、現在の仮想TEE画像と、場合によっては現在の仮想TEE画像の生成に使用されるプローブパラメータとを含めることが出来る。さらに、オペレータは、次の所望ビュータイプに進む(
図1のステップ108)、又は後の使用のために計画レポートを保存することが出来る。
【0081】
計画レポートは、処置前又は実際の処置の間(処置中)に使用することが出来る。処置前のレポートは、処置中の実際のTEE画像を解剖学的に取得できるか否か否かについての視覚的情報を提供し、そして実際の処置中に得られる、予想されるTEE画質の推定を提供することが出来る。例えば、一部の経カテーテル僧帽弁処置では、左心房と右心房の間の中隔は、僧帽弁にアクセスするために、カテーテルで穿刺させる必要がある。経カテーテル処置のこのステップは、TEEによってガイドされる。この穿刺のガイダンスを提供する仮想TEE画像は、僧帽弁と、僧帽弁へのアクセスを得るために中隔が穿刺されるポイントとの両方を含む仮想TEE画像である。この仮想TEE画像は、中隔穿刺ポイントと僧帽弁の間の距離を確認するために使用することが出来る。心房が肥大している患者の場合、しばしばTEEではこのビューを得ることができない。従って、この情報を実際の処置の前に用意しておくことは、医師が最適な治療法を決定するための貴重な入力を提供するであろう。
【0082】
処置前にレポートを使用するための別の例は、処置中のTEE画質を評価することである。高品質のTEE画像を得るには、TEEプローブを対象組織にできるだけ近づける必要がある。レポートは、撮像視野の深さを決定し、そして他の組織/心臓構造が対象組織の前にあるか否かを視覚的にフィードバックするであろう。もし、対象組織が深い深さでしか得られない場合、又は他の構造が対象組織の前にある場合、画質は低下するであろう。
【0083】
実際のTEE処置の間、オペレータは、仮想TEE画像を使用し、そして1つ又は複数の仮想TEE画像を再現する患者の実際のTEE画像を取得することを試みることが出来る。このワークフローの実施形態は、
図13を参照して開示される。TEE処置の間、オペレータは、
図1に示されるワークフロー内で生成されたTEE計画(1301)を紙又は電子文書として開く。次に、オペレータは、TEE計画と実際の患者との間の計算された距離オフセット(1302)を較正する。計画の間に記録された深さ/距離値602は、ライブTEE画像を計画からの画像と共に手動で登録することによって、シャフトに印刷されたスケールに対して較正され、これにより2つのスケール間のオフセットが決定される。
【0084】
このような手動マッチングの一例は、参照TEEビューとして
図1に説明されているワークフローからの、計画されたTEEビューの1つを使用することによるものである。
図1で説明されているワークフロー内の他の全ての計画されたTEEビューに対して、計算されたシャフト挿入深さは、この参照TEEビューに対するものである。このような参照TEEビューは、比較的容易に画像化できる1つ又は複数の解剖学的構造(例えば、大動脈弁)によって定義させることが出来る。大動脈弁を使用したこのような手動マッチングは、
図15に示されている。左側の画像は、参照TEEビューの大動脈弁(1501)を示し、そして右側の画像は、ライブTEE画像の大動脈弁(1502)を示す。もし、
図1に示されるワークフローの間に「相対距離」(食道内のプローブ位置)が使用される場合、較正と再較正は、TEEプローブによって取得されたライブTEE画像の「ゼロ距離」ビューを再現するのみで実行される。この手動マッチングプロセスを簡素化するために、オプションでは、参照TEEビューを、全てのプローブ角パラメータを0に設定して、計画することが出来、そしてプローブのライブTEE画像を回転させずに取得することが出来る。
【0085】
ステップ1303において、オペレータは、TEE計画からTEEビューを選択し、そして選択されたTEEビューに対応するプローブパラメータが、TEE計画から抽出される。
【0086】
ステップ1304において、オペレータは、選択されたTEEビューに属しかつステップ1303でTEE計画から抽出されたプローブパラメータを使用して、TEEプローブを選択されたTEEビューの位置にナビゲートし、そしてそのような位置でライブTEE画像を取得する。このプロセスは、TEEレビューの計画された部分が完了するまで(1306)、繰り返えさせることができる(1305)。
【0087】
図16は、
図13のワークフローの一部として使用することができる代替の拡張登録ワークフローを示す。このような登録ワークフローは、(902と同様な)シミュレートされた血管造影ビュー(1601)、計画されたTEEビューの1つに対する仮想TEEビュー(1602)、ライブ処置X線画像(1603)、及び仮想TEEビュー(1602)に対応する位置及び方位に配置されるTEEプローブによって取得されたライブTEEビュー(1604)を含む多数の画像を共に表示する。仮想TEEビュー(1602)とライブTEE画像(1604)の登録は、シミュレートされた血管造影ビュー(1601)のプローブポジション(1605)をライブX線画像(1603)のプローブポジション(1606)と一致させることによって実行させることが出来る。
図1に記載されているワークフローの間、シミュレートされた血管造影ビュー(1601)は、例えば、特許文献3によって開示されるように、最適な又は定義されたcアームポジションを決定するためのRAO/LAO、足側/頭側角(1607)を計算する。これに代えて、
図1からのステップ105及び/又は106は、処置の間に実行させることも出来る。この場合、シミュレートされた血管造影ビュー(1601)は、X線システム(RAO/LAO、足側/頭側角度)で定義された角によって計算させることが出来る。この場合、アンギュレーション角(1607)は、X線画像のアンギュレーション角と一致するであろう。
【0088】
もし、TEE計画の1つ又は複数の仮想TEEビュー(1602)とこれに対応するライブTEEビュー(1604)との間の差異又は不一致が最小である場合、TEEオペレータは、TEE計画に対応するライブTEE画像を取得し続けることができることに留意されたい。しかしながら、TEE計画の1つ以上の仮想TEEビュー(1602)とそれに対応するライブTEEビュー(1604)との間に重大な不一致又は差異がある場合、TEEオペレータは、TEE計画を放棄し、そしてTEEプローブの最適なポジションの探索的検索に頼ることが出来る。
【0089】
いくつかのTEE機器は、元のFOVに直交する、バイプレーン画像をキャプチャすることが出来る。このようなバイプレーン画像のキャプチャ計画は、前述のワークフローに含ませることが出来る。
【0090】
TEEプローブのシャフトは、自由に回転させることも出来るが、これが較正を必要としないことに留意されたい。具体的には、プローブは、常に、センサが食道から患者の前方に向くように、患者に挿入させることが出来る。もし、それが既に回転している場合には、これは、プローブハンドルの方位から評価させることが出来る。
【0091】
図13に記載されたワークフローは、計画を、
図1に示されたワークフロー内に記載された入力として使用する。前述のように、この計画は、(電子)文書とすることが出来るが、
図1で説明されているワークフローで使用されるソフトウェアと同様な3Dビューアに対する機械可読データ入力とすることも出来るであろう。
【0092】
前述のワークフローに加えて、
図13のワークフローと組み合わせるか否かにかかわらず、
図1に示すワークフローを、実際のTEE処置の間に実行させることが出来る、本発明の異なる実施形態も存在することが出来る。この場合、
図1のステップ107で説明されているように計画を記録する必要は無いが、オペレータは、予測されたプローブパラメータを直接適用することが出来る。
【0093】
TEEは、特に、左心房形態、僧帽弁及び大動脈弁、並びに他の重要な心臓構造の非常に高解像度の画像を提供するための十分に確立された画像化技術である。しかしながら、TEEは、追加のリスク、コスト、及び患者の不快感を招く中程度の侵襲性処置であり、そしてその適用は、インターベンション処置の間は患者の仰臥位のため、妨げられる。
【0094】
心臓内心エコー検査(ICE: intracardiac echocardiology)は、高解像度の画像化を提供し、そして心房細動(AF: atrial fibrillation)切除処置の間に、経中隔穿刺及び周術期カテーテルの視覚化のために、日常的に使用されている。最近、構造的心臓処置をガイドするためのICEの使用が、増加している(非特許文献11)。
【0095】
TEEプローブが患者の食道に挿入されるTEEとは対照的に、プローブは、ICEの間、患者の股間静脈(例、大腿静脈)、腕(例、橈側皮静脈)、又は首(腋窩静脈)を通して患者の心臓の内部に挿入される。
【0096】
本願で開示された方法は、ICEの場合、ICEプローブを食道ではなく心臓に向けてガイドするために静脈をセグメント化する必要があることを除いて、ICEにも当てはまる。例えば、ICEプローブが大腿静脈から心臓の右心房に向かって挿入された場合、ICEプローブの経路は、大腿静脈、下大静脈、及び右心房に存在する可能性がある。これは、
図1内のステップ102が「静脈経路をセグメント化する」になることを意味する。この経路は、ICEプローブを心臓に向けてガイドするために使用される静脈の3D中心ラインを表す。この中心ラインを決定するためには、
図1のステップ102で前述したものと同様の技術を適用することが出来る。
【0097】
図18は、ICEカテーテル(1801)、ICE撮像視野(1802)、及びその自由度(1803~1806)を示す。既に説明したTEEプローブ(
図6)と同様に、ICEカテーテル(1801)は、シャフトの回転(1803)、挿入の深さ(1804)、左右屈曲(1805)及びAntero-Retro屈曲(1806)を有する。これらは、TEEがその撮像視野を回転できること(トランスデューサ角、
図6の604)を除いてTEEプローブと同じである。自動又は手動で計画することができるカテーテルの最初の経路は、心臓に接続された血管を通りそして心腔内にまで延長しなければならない。この経路は、手動又は自動で計画させることができる。
【0098】
本開示は、主に、対象オブジェクトを心臓として説明する。当業者は、この教示がオブジェクトに等しく拡張できることを理解するであろう。さらに、本開示は、CT画像データセットに言及している。当業者は、この教示が、他の画像化モダリティ、例えば、回転血管造影、MRI、SPECT、PET、3D超音波等に等しく拡張できることを理解するであろう。
【0099】
本開示の実施形態は、スタンドアロンシステム上で使用することが出来る、又は、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)システム及び/又はTEE又はICE画像化システム及び/又はX線システムに直接含ませることが出来る。
図12は、コンピュータ断層撮影(CT)システムのハイレベルのブロック図の例を示す。このブロック図には、本実施形態が、このようなシステムにどのように統合させることが出来るかの例としての実施形態が含まれている。
【0100】
(様々な機能ブロックによって定義される)システムの部分は、専用のハードウェア、アナログ及び/又はデジタル回路、及び/又はメモリに保存されたプログラム命令を動作させる1つ又は複数のプロセッサで実装させることが出来る。
【0101】
コンピュータ断層撮影の最も一般的な形態は、X線CTであるが、ポジトロン放出断層撮影(PET:positron emission tomography)及び単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT: single emission computed tomography)の様な他の多くのタイプのCTが、存在する。
【0102】
図12のCTシステムは、X線CTシステムを説明している。X線CTシステムでは、X線システムが、ガントリ内の患者の周りを移動しそして画像を取得する。デジタル処理を使用することにより、3次元画像が、単一の回転軸の周りで撮影された一連の2次元血管造影画像から構築される。
【0103】
典型的なX線CTシステム120の場合、オペレータは、患者1200を患者テーブル1201上に配置し、そして操作コンソール1202を使用してスキャンのための入力を提供する。操作コンソール1202は、通常、コンピュータ、キーボード/フットパドル/タッチスクリーンと1つ又は複数のモニタからなる。
【0104】
動作制御コンピュータ1203は、オペレータコンソール入力を使用して、ガントリ1204に回転するように指示するのみならず、スキャンを実行するように患者テーブル1201及びX線システム1205に命令を送信する。
【0105】
オペレータコンソール1202で選択されたスキャンプロトコルを使用して、動作制御コンピュータ1203は、一連のコマンドをガントリ1204、患者テーブル1201、及びX線システム1205に送信する。ガントリ1204は、次いで、一定の回転速度に到達しそしてスキャン全体を通して一定の回転速度を維持する。患者テーブル1201は、所望の開始位置に到達し、そしてスキャンプロセス全体を通して一定の速度を維持する。
【0106】
X線システム1205は、X線ビーム1208を生成する高電圧生成器1207を備えたX線管1206を含む。
【0107】
高電圧生成器1207は、電力を制御しそしてそれをX線管1206に供給する。高電圧生成器1207は、X線管1206の陰極と回転陽極との間の真空ギャップに高電圧を印加する。
【0108】
X線管1206に印加される電圧により、電子移動がX線管1206の陰極から陽極へと起こり、この結果、制動放射とも呼ばれるX線光子生成効果が起こる。生成された光子は、画像検出器1209に向けられたX線ビーム1208を形成する。
【0109】
X線ビーム1208は、とりわけ、X線管1206に印加される電圧及び電流によって決定される最大値までの範囲のエネルギーのスペクトルを有する光子からなる。
【0110】
次で、X線ビーム1208は、移動テーブル1201上の患者1200を通過する。X線ビーム1208のX線光子は、様々な程度で患者の組織を透過する。患者1200の異なる構造は、放射線の異なる部分を吸収して、ビーム強度を変調する。
【0111】
患者1200から出射する、変調されたX線ビーム1208’は、X線管の反対側に配置された画像検出器1209によって検出される。
【0112】
この画像検出器1209は、間接又は直接検出システムの何れかとすることが出来る。
【0113】
間接検出システムの場合、画像検出器1209は、X線出射ビーム1208’を増幅された可視光画像に変換する真空管(X線画像増強器)からなる。次に、この増幅された可視光画像は、画像の表示及び記録のために、デジタルビデオカメラの様な可視光画像受容体に送信される。これにより、デジタル画像信号が生成される。
【0114】
直接検出システムの場合、画像検出器1209は、フラットパネル検出器からなる。フラットパネル検出器は、X線出射ビーム1208’をデジタル画像信号に直接変換する。
【0115】
画像検出器1209から得られるデジタル画像信号は、処理のために画像生成器1210に渡される。通常、画像生成システムには、高速コンピュータとデジタル信号処理チップが含まれる。取得されたデータは、オペレータが見るためにディスプレイデバイス1202にそしてアーカイブのためにデータストレージデバイス1211に送信される前に、前処理及び拡張される。
【0116】
ガントリにおいて、X線システムは、患者1200及び移動テーブル1201が、X線管1206と画像検出器1209との間に位置するように配置される。
【0117】
造影剤増強CTスキャンでは、造影剤の注入は、スキャンと同期しなければならない。造影剤注入器1212は、動作制御コンピュータ1203によって制御される。
【0118】
本出願の実施形態は、以下のように、
図12のX線CTシステム120によって実施される。臨床医又は他のユーザは、操作コンソール1202を使用してスキャンプロトコルを選択することにより、患者1200のCTスキャンを取得する。患者1200は、操作制御コンピュータ1203によって制御されるスキャン全体の間、連続速度で移動する調整可能テーブル1201上に横たわる。ガントリ1204は、スキャン全体を通して一定の回転速度を維持する。
【0119】
次に、複数の二次元X線画像が、上述した、高電圧生成器1207、X線管1206、画像検出器1209、及びデジタル画像生成器1210を使用して生成される。次に、この画像はハードドライブ1211に保存される。これらのX線画像を使用して、3次元画像が画像生成器1210によって構築される。
【0120】
汎用処理ユニット1215は、3次元画像を使用して、
図1に記載されているワークフローを実行する。
【0121】
本出願の別の実施形態は、TEE画像化システムによって実施される。
図17はTEEシステムの例を示す。この図を参照すると、経食道(TEE)画像化システム(10)は、ケーブル(16)、ストレインリリーフ(17)、及びコネクタ(18)により電子ボックス(20)に接続されている、プローブハンドル(14)を備えたTEEプローブ(12)を含む。電子ボックス(20)は、キーボード(22)とインターフェースされ、そしてビデオディスプレイ(24)に画像信号を提供する。電子ボックス(20)は、送信ビームフォーマ、受信ビームフォーマ、及び画像生成器を含む。経食道プローブ(12)は、細長い半屈曲可能本体(36)に接続された遠位部分(30)を有する。細長い部分(36)の近位端は、プローブハンドル(14)の遠位端に接続されている。プローブ(12)の遠位部分(30)は、細長い本体(36)の遠位端に接続されている剛性領域(32)及び屈曲可能領域(34)を含む。プローブハンドル(14)は、屈曲可能領域(34)を関節運動させ、これにより、対象組織に対して剛性領域(32)を方位させるためのポジション制御装置(15)を含む。細長い半屈曲可能本体(36)は、食道に挿入するために構築及び配置されている。挿入チューブ全体の長さは、約110cmで、直径は約30Frenchである。
【0122】
臨床医又は他のユーザは、キーボード(22)及び経食道プローブ(12)を使用してスキャンプロトコルを選択することにより、TEE画像化システム(10)を使用して患者のTEEスキャンを取得する。電子ボックス(20)は、
図1のワークフローによって生成されたレポートを使用して、
図13によって説明されたワークフローをサポートする。ここで説明された実施形態は、ICE画像化システムによっても実装させることが出来る。
【0123】
本出願の別の実施形態は、TEE画像化システムよって実施される。この実施形態では、電子ボックス(20)は、CTシステムからの画像データを使用して、
図1に記載のワークフロー及び/又は
図13に記載のワークフローを実行する。ここで説明された実施形態は、ICE画像化システムによっても実装させることが出来る。
【0124】
本出願の別の実施形態は、TEE画像化システムよって実施される。この実施形態内で、電子ボックス(20)は、
図1によって説明されるワークフロー内で計算されたプローブパラメータを使用し、そしてポジション制御(15)を制御することによってプローブポジションを自動的に設定する。これは、例えば、ポジション制御(15)の制御を制御する電子(サーボ)モータを使用して実行させることが出来る。ここで説明された実施形態は、ICE画像化システムによっても実装させることが出来る。
【0125】
図19は、腔内プローブを含む患者への医学的インターベンションを計画するための統合システムを示す。このシステムは、患者の画像データセットを保存するように構成されたメモリ1902;そしてメモリに保存されたプログラム命令を実行するときに、本明細書の実施形態による方法の1つ又は複数のステップを実行するように構成されている少なくとも1つのプロセッサ1901を含む。
【0126】
このシステムが、容積測定画像取得サブシステム1900及び腔内プローブ取得サブシステム1903を含むことは、有利である。腔内プローブ取得サブシステム1900(例えば、TEE又は血管内システム)は、インターフェースされた腔内プローブ1904から画像を取得するように構成させることが出来る。一方、容積画像取得サブシステム1900は、例えば、X線CT画像、回転血管造影、MRI、SPECT、PET、3次元超音波等からなる群から選択される容積画像モダリティを使用して、患者の画像データセットを取得するように構成させることが出来る。
【0127】
少なくとも1つのプロセッサ1901は、
少なくとも1つの仮想腔内画像とそれに対応する腔内プローブのプローブパラメータを表すデータを、医学的インターベンションの計画の一部として保存し;
計画の一部として保存された特定のプローブパラメータに対応するように配置及び方向付けされた腔内プローブを使用して、腔内プローブの操作によってライブ腔内画像を取得し;そして
計画の一部として保存された仮想腔内画像と、腔内プローブの操作によって取得されたライブ腔内画像とを共に表示するディスプレイを生成する、
ように構成されていることが有利である。
【0128】
本明細書では、インターベンション計画ための方法及びシステムのいくつかの実施形態が、説明及び図示されて来た。
【0129】
本出願の特定の実施形態が説明されて来たが、本出願は、当技術分野が許す限りにおいて広い範囲にあり、かつ本明細書も同様に読まれることが、意図されているので、本発明をそれに限定することは意図されていない。
【0130】
例えば、データ処理操作は、医用画像技術で一般的に使用されるPACS(picture archiving and communications system)の様なデジタルストレージに格納された画像に対して、オフラインで実行させることが出来る。従って、当業者は、請求項に記載されたその精神及び範囲から逸脱することなく、提供された出願に対してさらに他の修正を行うことが出来ることを理解するであろう。
【0131】
本明細書に記載の実施形態は、上述したように、様々なデータ格納並びに他のメモリ及びストレージ媒体を含むことができる。これらは、1つ又は複数のコンピュータのローカル(及び/又は常駐)ストレージ媒体に、又はネットワーク上の何れか又は全てのコンピュータからリモートにあるストレージ媒体のような、さまざまな場所に配置させることが出来る。実施形態の特定のセットでは、情報は、当業者には周知である格納エリアネットワーク(「SAN: storage-area network」)に存在させることができる。
【0132】
同様に、コンピュータ、サーバ、又は他のネットワークデバイスに起因する機能を実行するために必要なファイルは、必要に応じて、ローカル及び/又はリモートに格納させることが出来る。
【0133】
システムがコンピュータデバイスを含む場合、各デバイスは、バスを介して電気的に結合させることができるハードウェア素子を含むことが出来る。この素子には、例えば、少なくとも1つの中央処理装置(「CPU」又は「プロセッサ」)、及び少なくとも1つの入力デバイス(例、マウス、キーボード、コントローラー、タッチスクリーン又はキーパッド)及び少なくとも1つの出力デバイス(例、ディスプレイデバイス、プリンタ又はスピーカ)が含まれる。このようなシステムは、また、ディスクドライブ、光ストレージデバイス、及びランダムアクセスメモリ(「RAM」)又は読み取り専用メモリ(「ROM」)のようなソリッドステートストレージデバイス及びリムーバブル媒体デバイス、メモリカード、フラッシュカード等のような、1つ又は複数のストレージデバイスを含むこともできる。
【0134】
このようなデバイスは、また、コンピュータ可読ストレージ媒体リーダ、通信デバイス(例、モデム、ネットワークカード(無線又は有線)、赤外線通信デバイス等)及び上述のワーキングメモリを含むことが出来る。
【0135】
コンピュータ可読ストレージ媒体リーダは、リモート、ローカル、固定及び/又はリムーバブルストレージデバイスを表すコンピュータ可読ストレージ媒体、並びに一時的及び/又はより恒久的に、コンピュータ可読情報を格納、送信、取得するストレージ媒体に接続させる、又はこれらを受信するように、構成することが出来る。このシステム及び様々なデバイスは、また、通常、オペレーティングシステム及びクライアントアプリケーション又はウェブブラウザのようなアプリケーションプログラムを含む、少なくとも1つのワーキングメモリデバイス内に配置されているいくつかのソフトウェアアプリケーション、モジュール、サービス又は他の要素も含む。
【0136】
代替の実施形態が、上記のものからの多数の変形を有し得ることは、理解されるべきである。例えば、カスタマイズされたハードウェアを使用する、及び/又は特定の要素をハードウェア、ソフトウェア(アプレットなどのポータブルソフトウェアを含む)、又はその両方に実装することも出来る。
【0137】
さらに、ネットワーク入力/出力デバイスのような他のコンピューティングデバイスへの接続を使用しても良い。
【0138】
様々な実施形態は、さらに、コンピュータ可読媒体上で前述の説明に従って実装される命令及び/又はデータを、受信、送信、又は格納することを含むことができる。コード又はコードの一部を含むためのストレージ媒体及びコンピュータ可読媒体は、当該技術において公知である又は使用される任意の適切な媒体を含むことが出来る。この適切な媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータのような情報を格納及び/又は送信するための任意の方法又は技術で実装された、揮発性及び非揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体のような、ストレージ媒体及び通信媒体を含むが、これらに限定されるものではない。このストレージ媒体及び通信媒は、RAM、ROM、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(「CD-ROM」)、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク格納又は他の磁気ストレージデバイス、又は必要な情報を格納するために使用することが出来そしてシステムデバイスがアクセスすることが出来る他の媒体を含む。本明細書で提供される開示及び教示に基づいて、当業者は、様々な実施形態を実施するための他の方法及び/又は方法を理解するであろう。
【0139】
従って、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で開示されていると見なすべきである。しかしながら、特許請求の範囲に記載されている本出願のより広い精神及び範囲から逸脱せずに、そのような発明に様々な修正及び変更を加えることが出来ることは明らかであろう。
【0140】
本開示の精神の範囲内には、他の変形例がある。したがって、開示された技術は、様々な修正及び代替の構成を受け入れる余地があり、それらの特定の例示された実施態様は、図面に示されていて、そして上述のように詳細に説明されて来た。しかしながら、本出願を、開示された特定の形態に限定する意図はない。それどころか、その意図は、特許請求の範囲に規定されているように、本出願の精神及び範囲内にある全ての修正形態、代替構造、及び均等物を網羅することである。
【0141】
開示された実施態様を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」及び「an」及び「the」及びこれらに類似する冠詞の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」は、特に断りがない限り、制限しない用語として解釈されるべきである(すなわち、「・・を含むがこれらに限定されない」ことを意味する)。「接続された」という用語は、修正されずに物理的な接続を指す場合、例え介在するものがあっても、その一部又は全部がその中に含まれる、つまり、共に取り付けられている又は共に結合されていると解釈される。
【0142】
本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中に別段の指示がない限り、単にその範囲内に含まれる各個別の値を個々に指す簡潔な方法として機能することを意図している。「セット」(例えば、「項目のセット」)又は「サブセット」という用語の使用は、別段の記載がない限り、又は文脈と矛盾しない限り、1つ以上の構成要素を含む空でない集合として解釈されるべきである。
【0143】
さらに、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、対応するセットの「サブセット」は、必ずしも、この対応するセットの適切なサブセットを意味するものではなく、このサブセットとこの対応するセットが同一であっても良い。
【0144】
本明細書に記載のプロセスの操作は、本明細書に別段の指示がない限り又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行させることが出来る。本明細書に記載のプロセス(又はその変形例及び/又は組み合わせ)は、実行可能命令により構成されている1つ以上のコンピュータシステムの制御下で実行させることができ、かつハードウェア又はそれらの組み合わせによって、1つ以上のプロセッサ上で集合的に実行されるコード(例えば、実行可能命令、1つ以上のコンピュータプログラム又は1つ又は複数の本出願)として実装させることができる。コードは、例えば、1つ以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を含むコンピュータプログラムの形で、コンピュータ可読ストレージ媒体に格納させることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、非一時的としてもよい。
【0145】
本出願を実施するために本発明者等が知っている最良の形態を含め、本開示の好ましい実施態様が、本明細書に記載されている。これらの好ましい実施態様の変形例は、前述の説明を読めば当業者には明らかになるであろう。本発明者等は、当業者がそのような変形形態を適切に使用することを予想しており、かつ本発明者等は、本明細書に具体的に記載されたものとは別の方法で本開示の実施態様が実施されることを意図する。
【0146】
したがって、本開示の範囲は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載の主題の全ての修正形態及び均等物を含む。さらに、その全ての可能な変形形態における上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書で別段に示されない限り、又は文脈によって明らかに否定されない限り、本開示の範囲に含まれる。