(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】圧縮機ユニット及び冷凍装置
(51)【国際特許分類】
F25B 7/00 20060101AFI20240729BHJP
F25B 41/24 20210101ALI20240729BHJP
F25B 49/02 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
F25B7/00 D
F25B41/24
F25B49/02 520M
F25B49/02 520Z
F25B49/02 540
(21)【出願番号】P 2021543863
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(86)【国際出願番号】 JP2019034786
(87)【国際公開番号】W WO2021044547
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-03-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510048875
【氏名又は名称】ダイキン ヨーロッパ エヌ.ヴイ.
【氏名又は名称原語表記】DAIKIN EUROPE N.V.
【住所又は居所原語表記】Zandvoordestraat 300,Oostende 8400,Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】松田 陽介
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-511771(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0260361(US,A1)
【文献】国際公開第2015/114783(WO,A1)
【文献】特開平07-159010(JP,A)
【文献】特開2011-075117(JP,A)
【文献】国際公開第2019/058464(WO,A1)
【文献】特開2015-038390(JP,A)
【文献】国際公開第2018/235832(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 7/00
F25B 41/20 ~ 41/28
F25B 49/02
F24F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ケース(20a)と、
前記第1ケースに収容される第1圧縮機(21)と、
前記第1ケースに収容されるカスケード熱交換器(24)と、
前記第1ケースに収容される第2圧縮機(25)と、
第1接続口(23)と、
第2接続口(28)と、
第1遮断弁(23a、23b)と、
前記第1遮断弁を閉鎖する制御部(29)と、
前記第1ケースに収容される漏洩検知センサ(61)と、
を備え、建物(B)の内側に配置される圧縮機ユニット(20)であって、
前記第1圧縮機、及び前記カスケード熱交換器は、前記第1ケースから分離される第2ケース(10a)に収容される熱源熱交換器(11)と共に、前記熱源熱交換器を熱源とし、かつ第1冷媒(R1)を循環させる第1冷媒サイクル(C1)を形成し、
前記第2圧縮機、及び前記カスケード熱交換器は、前記第1ケースから分離される第3ケース(50a)に収容される利用熱交換器(52)と共に、前記カスケード熱交換器を熱源とし、かつ
不燃性の第2冷媒(R2)を循環させる第2冷媒サイクル(C2)を形成し、
前記カスケード熱交換器は、前記第1冷媒及び前記第2冷媒の間で熱交換を行い、
前記第1接続口は、第1連絡配管(30)を介して前記熱源熱交換器と接続され、
前記第2接続口は、第2連絡配管(40)を介して前記利用熱交換器と接続され、
前記第1遮断弁は、前記第1接続口と前記熱源熱交換器の間の前記第1冷媒の移動を遮断し、
前記漏洩検知センサは、少なくとも前記第1冷媒の漏洩を検知し、
前記制御部は、前記漏洩検知センサが漏洩を検知する場合、前記第1遮断弁を閉鎖
し、
前記第2接続口と前記利用熱交換器の間の前記第2冷媒の移動を遮断する遮断弁を有しない、
圧縮機ユニット(20)。
【請求項2】
前記第1ケースに収容される過冷却熱交換器(63)、
をさらに備え、
前記過冷却熱交換器は前記第2冷媒サイクルに属する、
請求項1に記載の圧縮機ユニット。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1ケースの外部に配置される、
請求項1又は請求項2に記載の圧縮機ユニット。
【請求項4】
前記第1ケースに収容される冷却用冷媒配管(641、642)、
をさらに備え、
前記制御部は前記第1ケースの内部に配置されるとともに、前記冷却用冷媒配管によって冷却される、
請求項1又は請求項2に記載の圧縮機ユニット。
【請求項5】
前記漏洩検知センサは、前記第1冷媒及び前記第2冷媒の少なくとも一方の存在を検知する冷媒検知センサ(61a)である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の圧縮機ユニット。
【請求項6】
前記第1ケースは気密性を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の圧縮機ユニット。
【請求項7】
前記漏洩検知センサは、前記第1ケースの内部の圧力を検知する圧力センサ(61b)である、
請求項6に記載の圧縮機ユニット。
【請求項8】
前記第1ケースは、所定値を越える圧力によって破壊される破裂板(66)を有する、
請求項6又は請求項7に記載の圧縮機ユニット。
【請求項9】
前記第1冷媒及び前記第2冷媒は、いずれも自然冷媒である、
請求項1から8のいずれか1項に記載の圧縮機ユニット。
【請求項10】
前記第1冷媒は、R32又は二酸化炭素で
ある、
請求項1から8のいずれか1項に記載の圧縮機ユニット。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか1項に記載の圧縮機ユニット(20)と、
第2ケース及び前記熱源熱交換器を有する熱源熱交換器ユニット(10)と、
第3ケース及び前記利用熱交換器を有する利用ユニット(501)と、
を備える冷凍装置(100)。
【請求項12】
前記熱源熱交換器ユニットは前記建物の内部に配置されるとともに、前記建物の外部と流体接続する、
請求項
11に記載の冷凍装置。
【請求項13】
前記熱源熱交換器ユニットは、前記第1冷媒サイクルに属するとともに前記第2ケースに収容される第1主膨張弁(13)を有し、
前記圧縮機ユニットは、前記第2冷媒サイクルに属するとともに前記第1ケースに収容される第2主膨張弁(27)を有する、
請求項
11又は請求項
12に記載の冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
圧縮機ユニット、及び圧縮機ユニットを用いた冷凍装置。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特表2018-511771号公報)には、圧縮機ユニット、熱源熱交換器ユニット、利用ユニットからなる空気調和機が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
空気調和機の冷媒回路を構成する配管等に破損が生じる場合、冷媒回路から冷媒が漏洩する。特許文献1の空気調和機の冷媒回路は1つの冷媒サイクル回路から構成されているので、全ての冷媒が冷媒回路から漏洩するおそれがある。したがって、漏洩する冷媒の量を低減することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の圧縮機ユニットは、第1ケースと、第1ケースに収容される第1圧縮機と、第1ケースに収容されるカスケード熱交換器と、第1ケースに収容される第2圧縮機と、第1接続口と、第2接続口と、を備える。第1圧縮機、及びカスケード熱交換器は、第1ケースから分離される第2ケースに収容される熱源熱交換器と共に、第1冷媒サイクルを形成する。第1冷媒サイクルは、熱源熱交換器を熱源とし、かつ第1冷媒を循環させる。第2圧縮機、及びカスケード熱交換器は、第1ケースから分離される第3ケースに収容される利用熱交換器と共に、第2冷媒サイクルを形成する。第2冷媒サイクルは、カスケード熱交換器を熱源とし、かつ第2冷媒を循環させる。カスケード熱交換器は、第1冷媒及び第2冷媒の間で熱交換を行う。第1接続口は、第1連絡配管を介して熱源熱交換器と接続される。第2接続口は、第2連絡配管を介して利用熱交換器と接続される。
【0005】
この構成によれば、圧縮機ユニットが構成する冷媒回路は、第1冷媒サイクル及び第2冷媒サイクルに分割される。したがって、冷媒回路に破損等がある場合、第1冷媒又は第2冷媒の両方が漏洩するおそれが少ないので、漏洩する冷媒の量を抑制できる。
【0006】
第2観点の圧縮機ユニットは、第1観点の圧縮機ユニットであって、第1ケースに収容される過冷却熱交換器、をさらに備える。過冷却熱交換器は第2冷媒サイクルに属する。
【0007】
この構成によれば、第2冷媒サイクルは、過冷却熱交換器を有する。したがって、利用ユニットにおいて、過冷却を確保しやすい。
【0008】
第3観点の圧縮機ユニットは、第1観点又は第2観点の圧縮機ユニットであって、漏洩検知センサ、をさらに備える。漏洩検知センサは、第1ケースに収容され、第1冷媒及び第2冷媒の少なくとも一方の漏洩を検知する。
【0009】
この構成によれば、圧縮機ユニットは漏洩検知センサを備える。したがって、圧縮機などの振動源に起因して冷媒回路が損傷した場合などに、迅速に冷媒の漏洩を検知できる。
【0010】
第4観点の圧縮機ユニットは、第3観点の圧縮機ユニットであって、第1遮断弁、をさらに備える。第1遮断弁は、第1接続口と熱源熱交換器の間の第1冷媒の移動を遮断する。
【0011】
この構成によれば、第1冷媒サイクルは第1遮断弁を有する。したがって、冷媒漏洩が検知される場合に第1遮断弁を遮断することによって、漏洩する冷媒が圧縮機ユニットの外部に到達することを抑制できる。
【0012】
第5観点の圧縮機ユニットは、第4観点の圧縮機ユニットであって、制御部、をさらに備える。制御部は、漏洩検知センサが漏洩を検知する場合、第1遮断弁を閉鎖する。
【0013】
この構成によれば、冷媒漏洩が検知される場合、制御部が自動的に第1遮断弁を閉鎖する。したがって、迅速に冷媒回路の遮断を実現できる。
【0014】
第6観点の圧縮機ユニットは、第5観点の圧縮機ユニットであって、制御部は、第1ケースの外部に配置される。
【0015】
この構成によれば、制御部が第1ケースの外部に配置される。したがって、制御部が発する熱を効果的に放出できる。
【0016】
第7観点の圧縮機ユニットは、第5観点の圧縮機ユニットであって、第1ケースに収容される冷却用冷媒配管、をさらに備える。制御部は第1ケースの内部に配置されるとともに、冷却用冷媒配管によって冷却される。
【0017】
この構成によれば、制御部は冷却用冷媒配管によって冷却される。したがって、発熱する制御部を効果的に冷却できる。
【0018】
第8観点の圧縮機ユニットは、第3観点から第7観点のいずれか1つの圧縮機ユニットであって、漏洩検知センサは、冷媒検知センサである。冷媒検知センサは、第1冷媒及び第2冷媒の少なくとも一方の存在を検知する。
【0019】
この構成によれば、漏洩検知センサは冷媒検知センサである。したがって、冷媒の漏洩を直接的に検知できる。
【0020】
第9観点の圧縮機ユニットは、第3観点から第7観点のいずれか1つの圧縮機ユニットであって、第1ケースは気密性を有する。
【0021】
この構成によれば、第1ケースが気密性を有する。したがって、第1ケース内で漏洩する冷媒が、第1ケースの外部へ到達することを抑制できる。
【0022】
第10観点の圧縮機ユニットは、第9観点の圧縮機ユニットであって、漏洩検知センサは、圧力センサである。圧力センサは、第1ケースの内部の圧力を検知する。
【0023】
この構成によれば、漏洩検知センサは圧力センサである。したがって、気密性を有する第1ケースの内部に冷媒が漏洩する場合、圧力の変化によって冷媒の漏洩を検知できる。
【0024】
第11観点の圧縮機ユニットは、第9観点又は第10観点の圧縮機ユニットであって、第1ケースが、破裂板を有する。破裂板は、所定値を越える圧力によって破壊される。
【0025】
この構成によれば、第1ケースは破裂板を有する。したがって、第1ケースの内部の圧力が異常に上昇した場合に、破裂板が破壊されることによって圧力を逃がすことができる。
【0026】
第12観点の圧縮機ユニットは、第1観点から第10観点のいずれか1つの圧縮機ユニットであって、第1冷媒が、R32又は二酸化炭素である。第2冷媒は、R32又はR410Aである。
【0027】
この構成によれば、第1冷媒及び第2冷媒は自然冷媒である。
【0028】
第13観点の冷凍装置は、圧縮機ユニットと、熱源熱交換器ユニットと、利用ユニットと、を備える。圧縮機ユニットは、第1観点から第11感点いずれか1つのものである。熱源熱交換器ユニットは、第2ケース及び熱源熱交換器を有する。利用ユニットは、第3ケース及び利用熱交換器を有する。
【0029】
この構成によれば、冷凍装置が構成する冷媒回路は、第1冷媒サイクル及び第2冷媒サイクルに分割される。したがって、冷媒回路に破損等がある場合、第1冷媒又は第2冷媒の両方が漏洩するおそれが少ないので、漏洩する冷媒の量を抑制できる。
【0030】
第14観点の冷凍装置は、第13観点の冷凍装置であって、圧縮機ユニットが建物の内部に配置される。熱源熱交換器ユニットは建物の内部に配置されるとともに、建物の外部と流体接続する。
【0031】
この構成によれば、熱源熱交換器ユニットが建物の外側から見えない。したがって、冷凍装置が建物の美観を損なわない。
【0032】
第15観点の冷凍装置は、第13観点又は第14観点の冷凍装置であって、熱源熱交換器ユニットは、第1主膨張弁を有する。第1主膨張弁は、第1冷媒サイクルに属するとともに第2ケースに収容される。圧縮機ユニットは、第2主膨張弁を有する。第2主膨張弁は、第2冷媒サイクルに属するとともに第1ケースに収容される。
【0033】
この構成によれば、暖房運転において、第1冷媒サイクル及び第2冷媒サイクルにおける各冷媒配管内を液冷媒が流れる。したがって、各連絡配管に冷媒が流れる際の圧力損失を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】第1実施形態に係る冷凍装置100の回路図である。
【
図3】室内ユニット501、502の外観図である。
【
図4】第1実施形態の変形例1Aに係る冷凍装置100の回路図である。
【
図5】第1実施形態の変形例1Bに係る冷凍装置100の回路図である。
【
図6】第1実施形態の変形例1Cに係る冷凍装置100の回路図である。
【
図7】第1実施形態の変形例1Dに係る冷凍装置100の回路図である。
【
図8】第1実施形態の変形例1Eに係る冷凍装置100の回路図である。
【
図9】第1実施形態の変形例1Fに係る冷凍装置100の模式図である。
【
図10】第2実施形態に係る冷凍装置100の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1は第1実施形態に係る冷凍装置100の回路図である。冷凍装置100は、典型的には空気調和機であるが、これに限られない。冷凍装置100は、冷蔵庫、冷凍庫、給湯器などであってもよい。冷凍装置100は、熱源熱交換器ユニット10、圧縮機ユニット20、第1連絡配管30、利用ユニット501、502、第2連絡配管40、を備える。
【0036】
(2)詳細構成
(2-1)熱源熱交換器ユニット10
熱源熱交換器ユニット10は、建物Bの外側に配置される。熱源熱交換器ユニット10は、ケース10a、熱源熱交換器11、熱源ファン12、熱源熱交換器ユニット膨張弁13、熱源熱交換器ユニット制御部19、を有する。熱源熱交換器ユニット10は、第1冷媒R1を扱う。
【0037】
(2-1-1)ケース10a
ケース10aは、熱源熱交換器ユニット10の構成部品を収容する。ケース10aは、例えば金属製である。
【0038】
(2-1-2)熱源熱交換器11
熱源熱交換器11は、熱源として機能する。熱源熱交換器11は、建物Bの外側の空気と第1冷媒R1との間で熱交換を行う。冷房運転の場合、熱源熱交換器11は、第1冷媒R1の放熱器(又は凝縮器)として機能する。暖房運転の場合、熱源熱交換器11は、第1冷媒R1の吸熱器(又は蒸発器)として機能する。
【0039】
(2-1-3)熱源ファン12
熱源ファン12は、空気流を発生させることによって、熱源熱交換器11の熱交換を促進する。
【0040】
(2-1-4)熱源熱交換器ユニット膨張弁13
熱源熱交換器ユニット膨張弁13は、第1冷媒R1を減圧させる。熱源熱交換器ユニット膨張弁13は、開度を調節することができる弁である。
【0041】
(2-1-5)熱源熱交換器ユニット制御部19
熱源熱交換器ユニット制御部19は、マイクロコンピュータ及びメモリを有する。熱源熱交換器ユニット制御部19は、熱源ファン12、熱源熱交換器ユニット膨張弁13などを制御する。メモリは、これらの部品を制御するためのソフトウェアを記憶する。
【0042】
熱源熱交換器ユニット制御部19は、図示しない通信線を介して、後述する圧縮機ユニット制御部29、後述する利用ユニット制御部59とデータ及びコマンドを授受する。
【0043】
(2-2)圧縮機ユニット20
圧縮機ユニット20は、
図2に示す外観を有する。
図1に示すように、圧縮機ユニット20は、建物Bの内側に配置される。圧縮機ユニット20は、ケース20a、第1圧縮機21、第1四路切換弁22、第1接続口23、カスケード熱交換器24、第2圧縮機25、第2四路切換弁26、圧縮機ユニット膨張弁27、第2接続口28、漏洩検知センサ61、圧縮機ユニット制御部29、を有する。圧縮機ユニット20は、第1冷媒R1及び第2冷媒R2を扱う。
【0044】
(2-2-1)ケース20a
ケース20aは、圧縮機ユニット20の構成部品を収容する。ケース20aは、例えば金属製である。
【0045】
(2-2-2)第1圧縮機21
第1圧縮機21は、吸入した低圧ガス状態の第1冷媒R1を圧縮することによって、高圧ガス状態の第1冷媒R1を生み出す。第1圧縮機21は、第1圧縮機モータ21aを有する。第1圧縮機モータ21aは、圧縮に必要な動力を発生する。
【0046】
第1圧縮機21は振動源であるので、第1圧縮機21及びそれに近接する部品からの冷媒の漏洩が懸念される。
【0047】
(2-2-3)第1四路切換弁22
第1四路切換弁22は、冷媒回路の接続を切り替える。冷房運転の場合、第1四路切換弁22は、
図1の実線で示した接続を実現する。暖房運転の場合、第1四路切換弁22は、
図1の破線で示した接続を実現する。
【0048】
(2-2-4)第1接続口23
第1接続口23は、後述の第1連絡配管30を接続するための1対のポートである。第1接続口23には、第1液側遮断弁23aと、第1ガス側遮断弁23bと、が配置される。第1液側遮断弁23aと第1ガス側遮断弁23bは、受信したコマンドに応答して、冷媒流路を遮断する。
【0049】
(2-2-5)カスケード熱交換器24
カスケード熱交換器24は、2系統の冷媒流路を有し、第1冷媒R1と第2冷媒R2の間で熱交換を行う。冷房運転の場合には、カスケード熱交換器24は、第1冷媒R1の吸熱器(又は蒸発器)、及び第2冷媒R2の放熱器(又は凝縮器)として機能する。暖房運転の場合には、カスケード熱交換器24は、第1冷媒R1の放熱器(又は凝縮器)、及び第2冷媒R2の吸熱器(又は蒸発器)として機能する。
【0050】
(2-2-6)第2圧縮機25
第2圧縮機25は、吸入した低圧ガス状態の第2冷媒R2を圧縮することによって、高圧ガス状態の第2冷媒R2を生み出す。第2圧縮機25は、第2圧縮機モータ25aを有する。第2圧縮機モータ25aは、圧縮に必要な動力を発生する。
【0051】
第2圧縮機25は振動源であるので、第2圧縮機25及びそれに近接する部品からの冷媒の漏洩が懸念される。
【0052】
(2-2-7)第2四路切換弁26
第2四路切換弁26は、冷媒回路の接続を切り替える。冷房運転の場合、第2四路切換弁26は、
図1の実線で示した接続を実現する。暖房運転の場合、第2四路切換弁26は、
図1の破線で示した接続を実現する。
【0053】
(2-2-8)圧縮機ユニット膨張弁27
圧縮機ユニット膨張弁27は、第2冷媒R2を減圧させる。圧縮機ユニット膨張弁27は、開度を調節することができる弁である。
【0054】
(2-2-9)第2接続口28
第2接続口28は、後述の第2連絡配管40を接続するための1対のポートである。第2接続口28には、第2液側遮断弁28aと、第2ガス側遮断弁28bと、が配置される。第2液側遮断弁28aと第2ガス側遮断弁28bは、受信したコマンドに応答して、冷媒流路を遮断する。
【0055】
(2-2-10)漏洩検知センサ61
漏洩検知センサ61は、冷媒の漏洩を検知する。漏洩検知センサ61は、第1冷媒R1及び第2冷媒R2の少なくとも一方の存在を検知する冷媒検知センサ61aである。
【0056】
(2-2-11)圧縮機ユニット制御部29
圧縮機ユニット制御部29は、マイクロコンピュータ及びメモリを有する。圧縮機ユニット制御部29は、第1圧縮機モータ21a、第1四路切換弁22、第1液側遮断弁23a、第1ガス側遮断弁23b、第2圧縮機モータ25a、第2四路切換弁26、圧縮機ユニット膨張弁27、第2液側遮断弁28a、第2ガス側遮断弁28bなどを制御する。圧縮機ユニット制御部29は、漏洩検知センサ61から信号を取得する。メモリは、これらの部品を制御するためのソフトウェアを記憶する。
【0057】
圧縮機ユニット制御部29は、図示しない通信線を介して、熱源熱交換器ユニット制御部19、後述する利用ユニット制御部59とデータ及びコマンドを授受する。
【0058】
(2-3)第1連絡配管30
第1連絡配管30は、熱源熱交換器ユニット10と圧縮機ユニット20とを接続する。第1連絡配管30は、第1液連絡配管31、第1ガス連絡配管32を有する。
【0059】
(2-3-1)第1液連絡配管31
第1液連絡配管31は、熱源熱交換器ユニット10と第1液側遮断弁23aとを接続する。第1液連絡配管31は、主に高圧液状態又は低圧気液二相状態の第1冷媒R1を案内する。
【0060】
(2-3-2)第1ガス連絡配管32
第1ガス連絡配管32は、熱源熱交換器ユニット10と第1ガス側遮断弁23bとを接続する。第1ガス連絡配管32は、主に高圧ガス状態又は低圧ガス状態の第1冷媒R1を案内する。
【0061】
(2-4)利用ユニット501、502
利用ユニット501、502は、
図3に示す外観を有する。
図1に示すように、利用ユニット501、502は、建物Bの内側に配置される。利用ユニット501、502は、第2冷媒R2を扱う。利用ユニット501と利用ユニット502の構成は同じであるので、以下では利用ユニット501についてのみ説明し、利用ユニット502についての説明を省略する。利用ユニット501は、ケース50a、利用ユニット膨張弁51、利用熱交換器52、利用ファン53、利用ユニット制御部59を有する。
【0062】
(2-4-1)ケース50a
ケース50aは、利用ユニット501の構成部品を収容する。
【0063】
(2-4-2)利用ユニット膨張弁51
利用ユニット膨張弁51は、第2冷媒R2を減圧させる。利用ユニット膨張弁51は、第2冷媒R2の流量を制限する。利用ユニット膨張弁51は、開度を調節することができる弁である。
【0064】
(2-4-3)利用熱交換器52
利用熱交換器52は、冷熱又は温熱をユーザに提供する。利用熱交換器52は、建物Bの内側の空気と第2冷媒R2との間で熱交換を行う。冷房運転の場合、利用熱交換器52は、第2冷媒R2の吸熱器(又は蒸発器)として機能する。暖房運転の場合、利用熱交換器52は、第2冷媒R2の放熱器(又は凝縮器)として機能する。
【0065】
(2-4-4)利用ファン53
利用ファン53は、空気流を発生させることによって、利用熱交換器52の熱交換を促進する。
【0066】
(2-4-5)利用ユニット制御部59
利用ユニット制御部59は、マイクロコンピュータ及びメモリを有する。利用ユニット制御部59は、利用ユニット膨張弁51、利用ファン53などを制御する。メモリは、これらの部品を制御するためのソフトウェアを記憶する。
【0067】
利用ユニット制御部59は、図示しない通信線を介して、熱源熱交換器ユニット制御部19、圧縮機ユニット制御部29とデータ及びコマンドを授受する。
【0068】
(2-5)第2連絡配管40
第2連絡配管40は、圧縮機ユニット20と利用ユニット501、502とを接続する。第2連絡配管40は、第2液連絡配管41、第2ガス連絡配管42を有する。
【0069】
(2-5-1)第2液連絡配管41
第2液連絡配管41は、第2液側遮断弁28aと利用ユニット501、502とを接続する。第2液連絡配管41は、主に高圧液状態又は低圧気液二相状態の第2冷媒R2を案内する。
【0070】
(2-5-2)第2ガス連絡配管42
第2ガス連絡配管42は、第2ガス側遮断弁28bと利用ユニット501、502とを接続する。第2ガス連絡配管42は、主に高圧ガス状態又は低圧ガス状態の第2冷媒R2を案内する。
【0071】
(3)冷媒回路の構成
冷凍装置100は、全体として2つの冷媒サイクルを構成する。
【0072】
(3-1)第1冷媒サイクルC1
第1冷媒サイクルC1は、第1冷媒R1を循環させる。第1冷媒サイクルC1は、熱源熱交換器11を熱源とする。第1冷媒サイクルC1に属する構成部品は、第1圧縮機21、第1四路切換弁22、第1ガス側遮断弁23b、熱源熱交換器11、熱源熱交換器ユニット膨張弁13、第1液側遮断弁23a、カスケード熱交換器24、などである。
【0073】
(3-2)第2冷媒サイクルC2
第2冷媒サイクルC2は、第2冷媒R2を循環させる。第2冷媒サイクルC2は、カスケード熱交換器24を熱源とする。第2冷媒サイクルC2に属する構成部品は、第2圧縮機25、第2四路切換弁26、カスケード熱交換器24、圧縮機ユニット膨張弁27、第2液側遮断弁28a、利用ユニット膨張弁51、利用熱交換器52、第2ガス側遮断弁28b、などである。
【0074】
(3-3)冷媒
第1冷媒R1は、R32又は二酸化炭素である。これにより、第1冷媒R1のGWP値(地球温暖化係数)を低くできる。ひいては、冷凍装置100の使用による地球温暖化を抑制できる。
【0075】
第2冷媒R2は、R32又はR410Aである。これにより、第2冷媒R2のGWP値を低くできる。ひいては、冷凍装置100の使用による地球温暖化を抑制できる。
【0076】
例えば、第1冷媒R1としてR32又は二酸化炭素、第2冷媒としてR32を用いることで、冷凍装置100による地球温暖化を抑制できる。
【0077】
第1冷媒R1及び第2冷媒R2は、自然冷媒であるのが好ましい。
【0078】
(4)漏洩検知時の制御
漏洩検知センサ61が冷媒漏洩を検知する場合、圧縮機ユニット制御部29は、第1液側遮断弁23a、第1ガス側遮断弁23b、第2液側遮断弁28a、第2ガス側遮断弁28bを遮断させる。これにより、圧縮機ユニット20に位置する第1冷媒R1及び第2冷媒R2が、圧縮機ユニット20の外部へ出ることが抑制される。
【0079】
(5)特徴
(5-1)
圧縮機ユニット20が構成する冷媒回路は、第1冷媒サイクルC1及び第2冷媒サイクルC2に分割される。したがって、冷媒回路に破損等がある場合、第1冷媒R1又は第2冷媒R2の両方が漏洩するおそれが少ないので、漏洩する冷媒の量を抑制できる。
【0080】
圧縮機ユニット20と熱源熱交換器ユニット10は別個のユニットとして構成されている。したがって、冷凍装置100は、圧縮機ユニット20と熱源熱交換器ユニット10を接続する第1連絡配管30を有する。長い第1連絡配管30を有する冷凍装置100は、圧縮機と熱源熱交換器とを同一のユニットに収容する冷凍装置と比較して、より多量の冷媒を使用する。しかし、この場合においても、冷凍装置100は、第1冷媒サイクルC1及び第2冷媒サイクルC2という2系統の冷媒サイクルを有するので、漏洩冷媒の拡散を抑制できる。
【0081】
(5-2)
圧縮機ユニット20は漏洩検知センサ61を備える。したがって、圧縮機などの振動源に起因して冷媒回路が損傷した場合などに、迅速に冷媒の漏洩を検知できる。
【0082】
漏洩検知センサ61は冷媒検知センサ61aである。したがって、冷媒の漏洩を直接的に検知できる。
【0083】
(5-3)
第1冷媒サイクルC1は第1液側遮断弁23a、第1ガス側遮断弁23bを有する。したがって、冷媒漏洩が検知される場合に第1液側遮断弁23a、第1ガス側遮断弁23bを遮断することによって、漏洩する冷媒が圧縮機ユニット20の外部に到達することを抑制できる。
【0084】
第2冷媒サイクルC2は第2液側遮断弁28a、第2ガス側遮断弁28bを有する。したがって、冷媒漏洩が検知される場合に第2液側遮断弁28a、第2ガス側遮断弁28bを遮断することによって、漏洩する冷媒が圧縮機ユニット20の外部に到達することを抑制できる。
【0085】
(5-4)
冷媒漏洩が検知される場合、圧縮機ユニット制御部29が自動的に第1液側遮断弁23a、第1ガス側遮断弁23bを閉鎖する。したがって、迅速に冷媒回路の遮断を実現できる。
【0086】
また、この構成により、第1冷媒R1を第1連絡配管30および熱源熱交換ユニット10に閉じ込めることができる。
【0087】
(5-5)
暖房運転において、第1冷媒サイクルC1における第1液連絡配管31、及び、第2冷媒サイクルC2における第2液連絡配管41を液冷媒が流れる。したがって、第1液連絡配管31及び第2液連絡配管41に冷媒が流れる際の圧力損失を低減させることができる。
【0088】
(6)変形例
(6-1)変形例1A
図4は、第1実施形態の変形例1Aに係る冷凍装置100である。この冷凍装置100は、上述の実施形態と異なり、第2接続口28において、第2液側遮断弁28a及び第2ガス側遮断弁28bを有しない。
【0089】
この構成によっても、冷媒漏洩が検知される場合、第1液側遮断弁23a及び第1ガス側遮断弁23bを遮断することによって、冷媒漏洩を抑制することができる。
【0090】
この構成においては、第2冷媒サイクルC2に使用される第2冷媒R2として、R410などの不燃性冷媒を採用することが好ましい。利用ユニット501、502を含む第2冷媒サイクルC2に不燃性冷媒を用いることで、仮に第2冷媒サイクルC2で第2冷媒R2の漏洩が発生した場合でも、ユーザの安全を確保することができる。
【0091】
また、第1冷媒サイクルC1に使用される第1冷媒R1として、R32又は二酸化炭素を採用することで、冷凍装置100による地球温暖化を抑制できる。
【0092】
(6-2)変形例1B
図5は、第1実施形態の変形例1Bに係る冷凍装置100である。この冷凍装置100は、上述の実施形態と異なり、圧縮機ユニット20が、減圧弁62及び過冷却熱交換器63を有する。減圧弁62及び過冷却熱交換器63は、第2冷媒サイクルC2に属する。過冷却熱交換器63は、第1冷媒流路63a及び第2冷媒流路63bを有する。
【0093】
減圧弁62は第2冷媒R2を減圧することによって、低温ガス状態の第2冷媒R2を生み出す。この低温ガス状態の第2冷媒R2は、第2冷媒流路63bを通過する。第1冷媒流路63aを通過する第2冷媒R2は、第2冷媒流路63bを通過する第2冷媒R2によって冷却されることにより、過冷却度を得る。第2冷媒流路63bを出た第2冷媒R2は、第2圧縮機25の吸入管に吸入される。
【0094】
この構成によれば、第2冷媒サイクルC2は、過冷却熱交換器63を有する。したがって、利用ユニット501、502において、過冷却を確保しやすい。
【0095】
さらに、この構成によれば、第2冷媒R2の一部が第2冷媒流路63bというバイパス経路を通過する。したがって、仮に第2冷媒サイクルC2の第2連絡配管40(第2液連絡配管41、第2ガス連絡配管42)が長い場合であっても、第2連絡配管40に流れる第2冷媒R2の量を削減することによって、第2冷媒R2の圧力損失を低減しつつ、過冷却を確保することができる。
【0096】
なお、第2冷媒流路63bを出た第2冷媒R2は、第2圧縮機25の吸入管に吸入される代わりに、中間インジェクションとして、第2圧縮機25の圧縮室に直接注入されてもよい。
【0097】
(6-3)変形例1C
図6は、第1実施形態の変形例1Cに係る冷凍装置100である。この冷凍装置100は、上述の実施形態と異なり、圧縮機ユニット20が、過冷却熱交換器63を有する。過冷却熱交換器63は、第2冷媒サイクルC2に属する。過冷却熱交換器63は、第1冷媒流路63a及び第2冷媒流路63bを有する。
【0098】
この構成によれば、第2冷媒サイクルC2は、過冷却熱交換器63を有する。したがって、利用ユニット501、502において、過冷却を確保しやすい。
【0099】
その結果、第2冷媒R2の循環量が減少した場合であっても、過冷却度を確保できる。この場合、第2連絡配管40(第2液連絡配管41、第2ガス連絡配管42)を流れる第2冷媒R2の圧力損失を低減しつつ、圧縮機25の消費電力を低減することができる。
【0100】
(6-4)変形例1D
図7は、第1実施形態の変形例1Dに係る冷凍装置100である。この冷凍装置100は、上述の実施形態と異なり、圧縮機ユニット20が、冷媒ジャケット651、652を有する。冷媒ジャケット651、652は、圧縮機ユニット制御部291、292を構成する回路基板と、冷却配管641、642をそれぞれ熱的に結合する。冷却配管641、642は、液冷媒を案内する。これによって、圧縮機ユニット制御部291、292を構成する回路基板は、冷却配管641、642によってそれぞれ冷却される。
【0101】
この構成によれば、圧縮機ユニット制御部291、292は冷却配管641、642によってそれぞれ冷却される。したがって、発熱する圧縮機ユニット制御部291、292を効果的に冷却できる。
【0102】
(6-5)変形例1E
図8は、第1実施形態の変形例1Eに係る冷凍装置100である。この冷凍装置100は、上述の実施形態と異なり、圧縮機ユニット制御部29を構成する回路基板が、ケース20aの外側に配置される。したがって、圧縮機ユニット制御部29が発する熱を効果的に放出できる。
【0103】
(6-6)変形例1F
上述の実施形態では、熱源熱交換器ユニット10は、建物Bの外部に配置される。これに代えて、熱源熱交換器ユニット10は、建物Bの内部に配置されるとともに、建物Bの外部と流体接続してもよい。例えば、
図9に示すように、熱源熱交換器ユニット10は、建物Bに設けられた、外気が通過するダクトに配置されてもよい。
【0104】
この構成によれば、熱源熱交換器ユニット10が建物Bの外側から見えない。したがって、冷凍装置100が建物Bの美観を損なわない。
【0105】
(6-7)変形例1G
上述の実施形態では、利用ユニット501、502の数は2である。これに代えて、利用ユニットの数は、2以外であってよい。例えば、利用ユニットの数は、1、3、4などであってもよい。
【0106】
(6-8)変形例1H
上述の実施形態では、熱源熱交換器ユニット10に搭載される熱源熱交換器11は、第1冷媒R1と空気との熱交換を行うものである。これに代えて、熱源熱交換器11は、第1冷媒R1と水との熱交換を行うものでもよい。さらに代替的に、熱源熱交換器11は、第1冷媒R1とブラインとの熱交換を行うものでもよい。この場合、熱源熱交換器11は、第1冷媒サイクルC1のみならず、例えば冷却塔にも接続される。
【0107】
(6-9)変形例1I
上述の実施形態では、利用ユニット501、502に搭載される利用熱交換器52は、第2冷媒R2と空気との熱交換を行うものである。これに代えて、利用熱交換器52は、第2冷媒R2と水の熱交換を行うものでもよい。この場合、利用者にお湯を提供できる。さらに代替的に、利用熱交換器52は、第2冷媒R2とブラインとの熱交換を行うものでもよい。この場合、利用熱交換器52は、第2冷媒サイクルC2のみならず、例えばラジエータに接続される。ラジエータは、ブラインによって運ばれた熱エネルギーをユーザに提供する。
【0108】
<第2実施形態>
(1)構成
図10は第2実施形態に係る冷凍装置100の回路図である。この冷凍装置100は、第1実施形態とは異なり、漏洩検知センサ61は、圧力センサ61bである。圧力センサ61bは、ケース20aの内部の圧力を検知する。ケース20aは気密性を有する。さらに、ケース20aは、破裂板66を有する。破裂板66は、所定値を越える圧力によって破壊される。
【0109】
(2)特徴
(2-1)
ケース20aが気密性を有する。したがって、ケース20aの内部で漏洩する冷媒が、ケース20aの外部へ到達することを抑制できる。
【0110】
(2-2)
漏洩検知センサ61は圧力センサ61bである。したがって、気密性を有するケース20aの内部に冷媒が漏洩する場合、圧力の変化によって冷媒の漏洩を検知できる。
【0111】
(2-3)
ケース20aは破裂板66を有する。したがって、ケース20aの内部の圧力が異常に上昇した場合に、破裂板66が破壊されることによって圧力を逃がすことができる。
【0112】
(2-4)
ケース20aが気密性を有する。したがって、圧縮機ユニット20の遮音性が高い。この利点は、圧縮機ユニット20が建物Bの内部に配置される場合にとりわけ有意義である。
【0113】
(2-5)
ケース20aが気密性を有する。したがって、ケース20aが金属製である場合、電磁ノイズの遮断の効果が高い。
【0114】
(3)変形例
(3-1)変形例2A
上述の実施形態では、圧縮機ユニット制御部29を構成する回路基板の冷却については特に言及していない。しかし、圧縮機ユニット20のケース20aが気密性を有するので、回路基板の発熱によりケース20aの内部に熱がこもりやすい。そこで、変形例1Dと同様に、回路基板と冷却配管を熱的に接続する冷媒ジャケットを採用してもよい。
【0115】
この構成によれば、回路基板が冷却されるので、ケース20aの内部に熱がこもることを抑制できる。
【0116】
(3-2)変形例2B
上述の実施形態では、圧縮機ユニット制御部29を構成する回路基板がケース20aの内側に配置されている。しかし、圧縮機ユニット20のケース20aが気密性を有するので、回路基板の発熱によりケース20aの内部に熱がこもりやすい。そこで、変形例1Eと同様に、回路基板をケース20aの外部に配置してもよい。
【0117】
この構成によれば、ケース20aの内部に熱がこもることを抑制できる。
【0118】
(3-3)変形例2C
第1実施形態の各変形例を第2実施形態に適用してもよい。
【0119】
<むすび>
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0120】
10 :熱源熱交換器ユニット
10a :ケース(第2ケース)
11 :熱源熱交換器
13 :熱源熱交換器ユニット膨張弁(第1主膨張弁)
20 :圧縮機ユニット
20a :ケース(第1ケース)
21 :第1圧縮機
23 :第1接続口
23a :第1液側遮断弁(第1遮断弁)
23b :第1ガス側遮断弁(第1遮断弁)
24 :カスケード熱交換器
25 :第2圧縮機
27 :圧縮機ユニット膨張弁(第2主膨張弁)
28 :第2接続口
28a :第2液側遮断弁
28b :第2ガス側遮断弁
29 :圧縮機ユニット制御部(制御部)
30 :第1連絡配管
40 :第2連絡配管
50a :ケース(第3ケース)
50b :ケース
51 :利用ユニット膨張弁
52 :利用熱交換器
61 :漏洩検知センサ
61a :冷媒検知センサ
61b :圧力センサ
63 :過冷却熱交換器
66 :破裂板
100 :冷凍装置
501 :利用ユニット
502 :利用ユニット
641 :冷却配管(冷却用冷媒配管)
642 :冷却配管(冷却用冷媒配管)
B :建物
C1 :第1冷媒サイクル
C2 :第2冷媒サイクル
R1 :第1冷媒
R2 :第2冷媒
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】