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特許7528106再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの電極
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの電極
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/02 20060101AFI20240729BHJP
   H01M 4/72 20060101ALI20240729BHJP
   H01M 4/74 20060101ALI20240729BHJP
   H01M 4/80 20060101ALI20240729BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20240729BHJP
   H01M 4/06 20060101ALI20240729BHJP
   H01M 4/24 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H01M4/02 Z
H01M4/72 A
H01M4/74 C
H01M4/80 C
H01M4/66 A
H01M4/06 T
H01M4/24 H
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021549183
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 FR2020050395
(87)【国際公開番号】W WO2020178509
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】1902150
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】523377092
【氏名又は名称】イシル ジンク
(73)【特許権者】
【識別番号】501455677
【氏名又は名称】サントル・ナシオナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シアンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100086265
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100076451
【弁理士】
【氏名又は名称】三嶋 景治
(72)【発明者】
【氏名】カルデラ ヴァンサン
(72)【発明者】
【氏名】ティエル ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】シャトネ マリアン
(72)【発明者】
【氏名】デュボ ラエティティア
(72)【発明者】
【氏名】ラコスト フランソワ
【審査官】結城 佐織
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-028979(JP,A)
【文献】特開2018-126842(JP,A)
【文献】国際公開第2017/110285(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/02
H01M 4/72
H01M 4/74
H01M 4/80
H01M 4/66
H01M 4/06
H01M 4/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの外層間に配置された幾つかの内層を備え、前記内層は、少なくとも1つの電極活性材料で構成される幾つかの電極材料層MEと、電子伝導率が10S.cm-1以上である電子伝導性材料で構成された幾つかの多孔性集電層CCとを備え、前記電極材料層ME及び前記集電層CCは交互になる、再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの電極であって、
前記外層は、前記多孔性集電層CCからならず、
前記電極は厳密に4mm超の総厚を有することを特徴とする電極。
【請求項2】
厳密に4mm超から10mmの範囲の総厚を有することを特徴とする請求項1に記載の電極。
【請求項3】
厳密に4mm超から6mmの範囲の総厚を有することを特徴とする請求項に記載の電極。
【請求項4】
前記多孔性集電層CCの少なくとも1つの部分又はそれぞれは、格子、有孔シート、フェルト、メッシュ、織物、又は発泡体の形態であることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の電極。
【請求項5】
前記多孔性集電層CCは同一であるか、又は異なり、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、錫、及びそれらの混合物の1つから選択される金属Mを任意選択的に含む導電材料の層からなることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の電極。
【請求項6】
前記電極材料層MEのそれぞれは、高分子バインダ及び任意選択的に導電性付与剤を含むことを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の電極。
【請求項7】
前記電極材料層MEのそれぞれは、50μm~1mmの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の電極。
【請求項8】
前記電極材料層MEのそれぞれは、100μm~500μmの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項7に記載の電極。
【請求項9】
前記電極は、前記電極の前記2つの外層のそれぞれが、以下の構造:
ME-[CC-ME]又は[ME-CC-ME]
を有する電極材料層MEである連続層のアセンブリの形態であり、式中、MEは電極材料層であり、CCは多孔性集電層であり、「n」は3≦n≦200である反復パターンであることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の電極。
【請求項10】
前記反復パターンの「n」は3≦n≦100である請求項9に記載の電極。
【請求項11】
前記電極は、前記内層の少なくとも1つが、電気的不活性多孔性材料を含む含浸層MIである連続層のアセンブリの形態であり、前記電極が2つ以上の含浸層を含む場合、前記含浸層MIは、少なくとも100μm~4mm離間されることを特徴とする請求項1~10の何れか一項に記載の電極。
【請求項12】
前記含浸層MIは、少なくとも300μm~3mm離間されることを特徴とする請求項11に記載の電極。
【請求項13】
前記電極の前記2つの外層のそれぞれは、電極材料層MEであり、前記電極は、以下の構造:
ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME
を有する連続層のアセンブリの形態であり、式中、MEは電極材料層であり、CCは多孔性集電層であり、MIは含浸層であり、「n」は、2≦n≦200である反復パターンであることを特徴とする請求項11又は12に記載の電極。
【請求項14】
前記反復パターンの「n」は2≦n≦100である請求項13に記載の電極。
【請求項15】
前記2つの外層の少なくとも一方は、電解質及びそのイオンの循環が可能であり、又は循環を可能にするように構成された少なくとも1つの電気的不活性材料を含む機械的保持及び分離層MMSであることを特徴とする請求項1~14の何れか一項に記載の電極。
【請求項16】
前記電極は、以下の構造:
MMS-ME-[CC-ME]-MMS又は
MMS-ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME-MMS
を有する連続層のアセンブリの形態であり、式中、MEは電極材料層であり、CCは多孔性集電層であり、MIは含浸層であり、MMSは機械的保持及び分離層であり、「n」は、2≦n≦200である反復パターンであることを特徴とする請求項13~15の何れか一項に記載の電極。
【請求項17】
正電極又は負電極であることを特徴とする請求項1~16の何れか一項に記載の電極。
【請求項18】
亜鉛ベースの負電極であることを特徴とする請求項17に記載の電極。
【請求項19】
少なくとも、1つの正電極と、負電極と、電解質とを含む再充電可能エネルギー貯蔵デバイスであって、前記デバイスは、前記正電極又は前記負電極、請求項1~18の何れか一項に記載の電極であることを特徴とするデバイス。
【請求項20】
前記負電極は、請求項1~18の何れか一項に記載の電極であることを特徴とするデバイス。
【請求項21】
空気亜鉛電池及びニッケル亜鉛電池から選択されるアルカリ蓄電池であることを特徴とする請求項19又は20に記載のデバイス。
【請求項22】
再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの容量を改善するための請求項1~18の何れか一項に記載の電極の使用。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
A)発明の分野
本発明は、エネルギー貯蔵の分野に関する。
【0002】
特に、本発明は、特定の方法で堆積する幾つかの電極材料層(「ME」)及び幾つかの多孔性集電層(「CC」)を含む、電池(電子化学蓄電池)等の再充電可能エネルギー貯蔵デバイスであって、電極が比較的大きな総厚(厳密に4mm超から10mmの範囲)を有することを特徴とするデバイスの電極に関する。
【0003】
本発明はまた、前記電極を備えたエネルギー貯蔵デバイス及び上記電極の使用にも関する。
【背景技術】
【0004】
B)先行技術
電子化学電池は、モバイル電子デバイス、電気又は機械的用途等の静止及びモバイル用途での必須構成要素になった。電気車両及びエネルギー貯蔵分野での使用についても広く研究されている。その技術及び変形は数多い(鉛蓄電池、ニッケルカドミウム、ニッケル金属水素化物、ナトリウム硫黄、空気亜鉛、ニッケル亜鉛等)。
【0005】
現行技術研究は、より環境に優しく、より経済的で、空気亜鉛電池(以下、空気亜鉛)又はニッケル亜鉛電池等の亜鉛で作られた負電極を含むもの等の豊富にある原材料を更に含む電池の開発を目的としている。
【0006】
特に、空気亜鉛等の空気金属再充電可能電池は、金属アノード、空気の酸素と反応するカソード、及び電解質からなる(放電する)システムである。これらの電池は、負電極に関して従来の電池と同様の構成を有し、その理由は、負電極が、負活性材料として機能する金属で作られるためである。正電極側では、空気金属電池は燃料電池と同様であり、その理由は、電解触媒反応により正活性材料として空気の酸素を使用できるようにする材料を含む多孔性構造からなるためである。
【0007】
「電池又は蓄電池の容量」により、完全に充電された後、所与の放電電流状態で、定義された遮断電圧及び温度を与えることが可能な電気エネルギー量を理解されたい。通常、これはアンペア時(Ah)単位で表される。
【0008】
加えて、一方は充電を目的とし、他方は放電を目的とする2つの正電極からなる空気金属電池の特定の場合、システムは幾何学的な技術的制約、すなわち、2つの正電極が1つの負電極の両側に配置されることにより制限される。この場合、電池の容量を上げる唯一の手段は、負電極中に存在する活性材料の量、ひいては負電極の体積を上げることである。
【0009】
それにもかかわらず、電解質による電極の内部アクセス可能性(以下、「含浸」と呼ぶ)等の種々の物理化学現象により、活性材料の量の増大が電子化学性能を制限する要因であることを当業者は知っている。
【0010】
現行の技術水準では、文献である米国特許出願第2017/0098856号明細書に言及し得る。この文献は、少なくとも、正電極、負電極、電解質、及び多孔性分離層を含む電池を形成する方法を記載している。この文献の目的は、特に大きな電極厚を有するリチウム電池を提供することである。電極厚は1mmまでの範囲であり得、好ましくは10μm~1000μm、特に100μm~800μm、典型的には200μm~600μmである。
【0011】
一般にリチウムに基づく電池の電極を記載している文献である米国特許第9,692,056号明細書にも言及し得る。この文献は、そのような電極の集電器も記載している。
【0012】
文献である米国特許出願第2011/0123866号明細書も、リチウム電池に適合された電極を記載している。特に、この発明による電極は、高伝導性材料内容物を含む層が介在する電極材料層を含み得る。高伝導性材料内容物を有するこれらの層は、集電層に対応しない。
【0013】
文献である米国特許出願第2014/0093769号明細書は、
- 導電性基板と、
- 特にカーボンナノチューブに基づく層を含む活性材料層の積層と
を含む再充電可能電池の電極を記載している。
【0014】
多数の再充電可能電池が現在開発中であるが、現行の技術水準では、電池、特にいわゆる、より環境に優しい電池、すなわち、有利なことにはリチウム若しくは鉛を含まない、又はリチウム若しくは鉛からならない電池が必要とされている。
【0015】
したがって、現行の技術水準では、容量がより大きな、空気亜鉛又はニッケル亜鉛電池等の負電極が亜鉛ベースである電池等の環境により優しい再充電可能電池が必要とされている。
【0016】
現行の技術水準では、好ましくはよりよい内部伝導性及び良好な機械的強度を有し、可能ならば好ましくは高いサイクル性、すなわち、より長いサイクル寿命スパン(すなわち、新しい各充電後、電池が同じエネルギーレベルを与えることができる回数)も有しながら、より大きな容量を有するそのような電池も必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、少なくとも部分的に、現行の技術水準のニーズを満たす再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの新しい電極を提供することである。
【0018】
実際に、本発明の目的は、電池の容量を増大させることができ、有利なことには、良好な機械的強度を取得し、可能ならば良好なサイクル寿命スパンを取得し、電極に固有の制約(すなわち、物質移動、多孔性、伝導性、電子侵出(electronic percolation)、又は機械的強度等の電極の物理化学特性)を考慮に入れながらそれを行う電池等の再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの電極を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
C)発明の目的
本発明は、2つの外層間に配置された幾つかの内層を備え、上記内層は、少なくとも1つの電極活性材料で構成される幾つかの電極材料層MEと、電子伝導率が10S.cm-1以上、好ましくは10S.cm-1である電子伝導性材料で構成された幾つかの多孔性集電層CCとを備え、上記電極材料層ME及び上記集電層CCは交互になる、空気亜鉛又はニッケル亜鉛電池等の、負電極が亜鉛ベースである電池等の再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの電極であって、
上記外層は、上記多孔性集電層CCからならず、
上記電極は厳密に4mm超、好ましくは厳密に4mm超から10mmの範囲、特に、厳密には4mm超から8mmの範囲の総厚を有することを特徴とする電極を提供する。
【0020】
本発明によれば、電極材料層MEは多孔性集電層CCとは別個である。
【0021】
特に、多孔性集電層CCは、電極材料層MEよりも高い電子伝導率を有する。
【0022】
本発明では、「外層」により、電極の内層を形成せず、電極の表面における層(電解質に接触する)である層を理解されたい。
【0023】
本発明の特徴によれば、外皮は上記多孔性集電層CCからならない。実際に、外層は、再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの電解質と直接接触することが意図され、したがって、これらは好ましくは、この電解質と相溶性を有するべきである。例として、アルカリ電解質を有する再充電可能エネルギー貯蔵デバイス(空気亜鉛及びニッケル亜鉛)の場合、この電解質は溶液中に亜鉛イオンを含む。さらに、電解質は、多孔性集電層を構成する導電材料と相溶性を有さない。したがって、これらは有利なことには、電解質由来の亜鉛との優先的電気めっきを受けず、したがって、結果としてデンドライトを制御不能に形成しないようにするために、活性材料(電極材料層ME)で覆われる。
【0024】
好ましくは、電極は、厳密に4mm超から6mmの範囲の総厚を有する。
【0025】
したがって、本発明には、良好な物理化学特性及び電子化学特性を保ちながら、非常に大きな電極厚に達せられるようにするという利点がある。
【0026】
本発明によれば、「厳密に4mm超から10mmの範囲の総厚」は以下の値及びこれらの値の何れか1つの間に含まれる任意の間隔を含む:4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、8.5mm、9mm、9.5mm、及び10mm。
【0027】
有利なことには、多孔性集電層CCは同一であり、又は異なり、導電材料層からなる。
【0028】
特に、電極は、多孔性集電層CCの少なくとも1つの部分又はそれぞれ(全て)が、格子、有孔シート、フェルト、メッシュ、織物、又は発泡体の形態であることを特徴とする。
【0029】
本発明の特徴によれば、多孔性集電層CCは、同一であるかそれとも異なるかに関係なく、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、錫、及びそれらの混合物の1つから選択される金属Mを更に含む金属製導電材料の層からなる。
【0030】
好ましくは、電極材料層MEのそれぞれは、高分子バインダ及び任意選択的に電子伝導性付与剤又は添加剤を更に含む。
【0031】
本発明の別の特徴によれば、電極材料層MEのそれぞれは、50μm~1mm、好ましくは100μm~500μmの範囲の厚さを有する。
【0032】
本発明の第1の変形によれば、上記電極は、電極の2つの外層のそれぞれが以下の構造:
ME-[CC-ME]又は[ME-CC-ME]
を有する電極材料層MEである連続層のアセンブリの形態であり、式中、MEは電極材料層であり、CCは多孔性集電層であり、「n」は3≦n≦200、好ましくは3≦n≦100、典型的には3≦n≦20である反復パターンである。
【0033】
本発明によれば、特徴「2≦n≦200」は以下の値及びこれらの値の何れか1つの間に含まれる任意の間隔を含む:2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200。
【0034】
本発明では、「n」は特に自然整数である。
【0035】
本発明の第2の変形によれば、上記電極は、上記内層の少なくとも1つが、不活性多孔性材料(すなわち、導電性を有さない)を含み、又は不活性多孔性材料からなる含浸層MIである連続層のアセンブリの形態であり、電極が2つ以上の含浸層MIを含む場合、含浸層は少なくとも、100μm~4mm、好ましくは300μm~3mm、特に500μm~2mm、理想的には1mmだけ離間される。
【0036】
好ましくは、この変形によれば、電極の2つ以上の外層のそれぞれは、電極材料層MEであり、上記電極は以下の構造:
ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME
を有する連続層のアセンブリの形態であり、式中、ME、CC、nは先に定義された通りであり、すなわち、MEは電極材料層であり、CCは多孔性集電層であり、MIは含浸層であり、「n」は先に定義された通りであり、すなわち、2≦n≦200、好ましくは2≦n≦100、典型的には2≦n≦20である反復パターンである。
【0037】
本発明の第3の変形によれば、2つの外層の少なくとも一方、好ましくは両層は、電解質及びそのイオンの循環が可能であり、又は循環を可能にするように構成された少なくとも1つの不活性材料(すなわち、導電性ではない)を含む機械的保持及び分離層MMSである。
【0038】
層MMSは、前記含浸層MIの不活性多孔性材料と同一であることができ、すなわち、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は任意の他の均等な多孔性材料のメッシュを含むか、又はからなることができる少なくとも1つの材料を含み得、又はからなり得る。
【0039】
本発明のこの変形によれば、上記電極は、以下の構造:
MMS-ME-[CC-ME]-MMS又は
MMS-ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME-MMS
を有する連続層のアセンブリの形態であり、式中、ME、CC、MI、MMS、及びnは先に定義された通りであり、すなわち、MEは電極材料層であり、CCは多孔性集電層であり、MIは含浸層であり、MMSは機械的保持及び分離層であり、「n」は、2≦n≦200、好ましくは2≦n≦100、典型的には2≦n≦20である反復パターンである。
【0040】
好ましくは、上記電極は正電極又は負電極である。
【0041】
有利なことには、電極は亜鉛ベースの負電極である。
【0042】
本発明はまた、少なくとも、正電極、負電極、及び電解質を含むエネルギー貯蔵再充電デバイスにも関し、上記デバイスは、少なくとも正電極又は負電極、好ましくは負電極が、先に定義された電極であることを特徴とする。
【0043】
一般に、再充電デバイスは、空気亜鉛電池及びニッケル亜鉛電池等の、負電極が亜鉛ベースである電池から選択されるアルカリ蓄電池である。好ましくは、電池は空気亜鉛電池である。
【0044】
さらに、本発明はまた、再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの容量を改善するための先に定義された電極の使用にも関する。
【0045】
当然ながら、本発明の上記の様々な特徴、変形、及び実施形態は、互いに不適合ではない又は互いを除外しない程度まで種々の組合せに従って一緒に関連付け得る。
【0046】
残りの説明では、別段のことが特記される場合を除き、「XからYまで」又は「X~Y」の値の間隔の表示は、本発明では、値X及びYを含むものとして理解されるべきであり、本発明の文脈における「厳密にZ超」という表現は、限度Zを含まないものとして理解されたい。
【0047】
D)図の説明
加えて、本発明の種々の他の特徴は、本発明の非限定的な実施形態を示す図面を参照して行われる添付の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】一変形による電極の図であり、電極は以下の構造:ME-[CC-ME]を有する連続層のアセンブリの形態であり、式中、「ME」(ハッチング)及び「CC」(点)は先に定義された通りであり、「C」はコレクタ「n」対応し、nは、集電層CC及び電極材料層MEの反復数に対応し、Eは電極である。
図2】別の変形による電極の図であり、電極は、以下の構造ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-MEを有する連続層のアセンブリの形態であり、式中、「ME」(ハッチング)、「CC」(点)、「E」、「Cn」、及び「n」は先に定義された通りであり、「MI」は含浸層に対応する。
図3】別の変形による電極の図であり、電極は、以下の構造MMS-ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME-MMSを有する連続層のアセンブリの形態であり、式中、「ME」(ハッチング)、「CC」(点)、「E」、「MI」、「C」、及び「n」は先に定義された通りであり、「MMS」は機械的保持及び分離層に対応する。
図4】脱イオン水中への浸漬期間(分単位)の関数としての本発明による実施例1による電極の質量(質量%単位)の変動を表すグラフである。
図5】脱イオン水中への浸漬期間(分単位)の関数としての実施例2(含浸材料層MIなし)による電極の質量(質量%単位)の変動を「点線」で表し、脱イオン水中への浸漬期間(分単位)の関数としての本発明による実施例3(含浸材料層MIあり)による電極の質量(質量%単位)の変動を「連続線」で表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
これらの図中、種々の変形に共通する構造的要素及び/又は機能的要素は同じ参照を有し得ることを理解されたい。
【0050】
E)発明の詳細な説明
本出願人は、従来技術の電極と比較して容量を改善し、電極を形成する材料の物理化学的特性に特に関連する技術的制約を考慮に入れながら、且つ電極内で優勢であり得(物質移動の難しさ)、性能を低下させる恐れがある内部抵抗の問題を考慮に入れながらそれを行う新しい電極を開発しようとした。
【0051】
このため、本発明の目的は、2つの外層間に配置された幾つかの内層を含み、上記内層は、少なくとも1つの電極活性材料で構成された幾つかの電極材料層MEと、電子伝導率が10S.cm-1以上である電導材料で構成される幾つかの多孔性集電層CCとを含み、上記電極材料層ME及び上記集電層CCは交互になる、再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの電極であって、
上記外層は上記多孔性集電層CCからならず、
上記電極は、厳密に4mm超、好ましくは厳密に4mm超から10mmの範囲、特に、厳密には4mm超から8mmの範囲の総厚を有することを特徴とする電極である。
【0052】
一般に、電極の総厚は厳密に4mm超から6mmまで変化する。
【0053】
実際に、本出願人は大きな貯蔵容量を有する新しい電極を開発した。実際に、その特性、特に比較的大きな厚さにより、本発明による電極は優れた容量を有する。
【0054】
特に、本発明による電極が、例えば、正電極が固定寸法(高さ×幅)を有する、空気亜鉛等の空気金属電池における負電極として使用される場合、本発明による電極の比較的大きな厚さは、よりよい内部伝導性に繋がる。実際に、本発明による電極は、大量の金属及び大量の導体を有し、エネルギー収集及びエネルギー密度を増大させることができる。
【0055】
また、一般に電極の2つの外層を更に形成する電極材料層MEの使用と組み合わせた、電極に分布する幾つかの多孔性集電層の使用により、マルチ集電網が作成される。特に、内部電流場が改善し、それにより、電極内での電流の分布をよりよくし、金属(亜鉛等)のより均等な再分布を可能にする。さらに、電極の可逆性も改善する。
【0056】
さらに、本願の発明者らは驚くべきことに、先に定義された電極構造が、電極材料中の活性材料の伝導率が低く(すなわち、<10-1S.cm-1)且つ/又はデバイス内の電極の厚さが制限因子ではない(例えば、静止用途)場合、特に適することを発見した。電解質中の物質及び電荷の移動が制限ではない(例えば、スーパーキャパシタ)デバイスにも適する。
【0057】
先に触れたように、本発明による電極は、特に、交互になる別個の電極材料層ME及び集電層CCを含む。これらのCC層及びME層について以下説明する。
【0058】
特に、一般に3つの本発明による多孔性集電層CCは、外部回路との電極の電気接続を保証することが意図され、又はそのように構成される。実際に、多孔性集電層CCは、電極材料層MEが生成した/受け取った電子を再充電可能エネルギー貯蔵デバイス(電池)のシステム外に移動させることが意図される。
【0059】
このために、一般に、多孔性集電層CCの少なくとも一部又はそれぞれ(全て)は、格子、有孔シート、フェルト、メッシュ、織物、又は発泡体の形態、好ましくは開放気孔を有する発泡体の形態であり得る。
【0060】
電極の多孔性集電層CCのそれぞれは、好ましくは、格子の形態である。したがって、これにより、最小重量を保証しながら、最適な電極活性体積を得ることができる。
【0061】
本発明によれば、多孔性集電層CCは、電子伝導率が良好(すなわち、≧10S.cm-1)である材料で構成され、又は材料を含む。したがって、好ましい実施形態によれば、多孔性集電層CCは、同一であるかそれとも異なるかに関係なく、導電材料で作られた層からなる。
【0062】
多孔性集電層CCは、非金属多孔層(導電性炭素フェルト等)又は金属多孔層から選択し得る。
【0063】
金属層からなる場合、多孔性集電層CCは、同一であるかそれとも異なるかに関係なく、特に、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、錫、及びそれらの混合物の1つから選択される金属Mを更に含む炭素織物等の金属導電材料の層からなる。
【0064】
異なる多孔性集電層CCの例として、電極は、金属Mを含む(又はからなる)多孔性集電層CC及び金属M1’を含む(又はからなる)多孔性集電層CC1’を含み得、M及びM1’は異なり、Mと同じ定義を有する。
【0065】
多孔性集電層CCの厚さは、同一であってもよく、又は異なってもよい。
【0066】
多孔性集電層CCの全表面は、金属保護層で覆うことができる。
【0067】
特に、金属保護層は、同一であるかそれとも異なるかに関係なく、鉛、銀、錫、及びそれらの混合物の1つから選択される金属M’を含む(又はからなる)。
【0068】
金属保護層は、特にデバイスの電解質が塩基水溶性電解質である場合、生じ得る腐食から多孔性集電層CCを保護できるようにする。
【0069】
本発明によれば、電極材料層MEのそれぞれは、少なくとも1つの電極活性層、一般に、高分子バインダと、任意選択的に電子伝導性付与剤とを含む。
【0070】
電極が正電極であることが意図される場合、活性材料は正電極活性材料であり、電極が負電極であることが意図される場合、活性材料は負電極活性材料である。
【0071】
一般に、電極材料層MEは同じ電極活性材料を含み、特に同一の組成を有する。
【0072】
本発明の特定の好ましい実施形態によれば、電極は亜鉛ベースの負電極である。この実施形態によれば、電極材料層MEの活性材料は好ましくは、亜鉛酸カルシウム、酸化亜鉛と水酸化カルシウムとの混合物、又は亜鉛と水酸化カルシウムとの混合物から選択される。
【0073】
本発明によれば、電極材料層MEの高分子バインダは、当業者に既知の高分子バインダから、特にポリフッ化ビニリデン(PVDF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチレングリコール(PEO)から選択し得る。特に、高分子バインダは、電極材料層MEの構成材料の良好な結合及び恐らくは集電層CCとの良好な接着を維持することが意図される。
【0074】
また、本発明によれば、電子伝導性付与剤は、当業者に既知の電子伝導体から、特に、任意の形態(ナノチューブ、グラフェムオキサイド、サブミクロン粉体)の炭素化合物、窒化チタン等の導電性セラミックス、又は他の金属酸化物(酸化銀、酸化ビスマス等)から選択し得る。既知のように、この電子伝導性付与剤は、特に電極材料層内への電子の移動による電子伝導性を有する浸透回路網を作成することが意図される。それらの使用はまた、電極材料層MEの内部抵抗の低下にも繋がる。
【0075】
例として、電子伝導性付与剤の電子伝導性は、10S.cm-1以上であり、好ましくは10S.cm-1以上である。
【0076】
高分子バインダ、電子伝導性付与剤は、当業者に周知であり、これ以上詳述しない。
【0077】
好ましくは、電極材料層MEのそれぞれは、50μmから約1mmまで、好ましくは100μmから約500μmまでの様々な厚さを有する。
【0078】
実際に、電極の内部抵抗が、電極材料層MEの厚さに伴って増大することを本出願人は発見した。したがって、ME層が薄くなるほど、内部抵抗は低くなり、電極のよりよい性能に繋がる。
【0079】
一般に、電極材料層MEの厚さは同一であってもよく、又は異なってもよく、好ましくは同一である。
【0080】
本発明の異なる変形について図1図3を参照してこれより以下説明する。
【0081】
図1に表される第1の変形によれば、上記電極は、電極の2つの外層のそれぞれが、以下の構造:
ME-[CC-ME]又は[ME-CC-ME]
を有する電極材料層MEである連続層のアセンブリの形態であり、式中、MEは電極材料層であり、CCは多孔性集電層であり、「n」は、3≦n≦200、好ましくは3≦n≦100、典型的には3≦n≦20である反復パターンである。
【0082】
したがって、この変形によれば、電極の「外層」のそれぞれは電極材料層MEにより形成され、集電層CCは、2つの電極材料層間に配置される。
【0083】
本発明によれば、「外層」により、電極の内層を形成せず、電極の表面層である層であることを理解されたい。特に、この第1の変形によれば、「外層」は、2つの多孔性集電層CC間に配置される電極材料層MEを形成しない。以下分かるように、外層は、電極材料層ME、機械的保持及び分離層MMSにより形成し得る。
【0084】
電極材料層MEからなる電極の外層は好ましくは、デバイスの電解質に接触することが意図される。
【0085】
特に、集電層CCの数は、電極の全体の厚さ及び電極材料層MEの厚さの選択に依存する。
【0086】
一般に、この変形によれば、電極の厚さは好ましくは、4mmから8mmまで、特に4mmから8mmまで、典型的には4mmから6mmまで様々である。
【0087】
同様に、この第1の変形によれば、電極材料層MEのそれぞれは、50μmから約1mmまで、好ましくは100μmから約500μmまで様々な厚さを有する。
【0088】
例として、この変形によれば、
- 4mm(4mmは含まれず)から1cmまでの範囲の厚さを有する電極は、最高で200のCC層及び201のME層を有し得、ME層は、50μmから1mmまで、好ましくは100μmから500μmまでの範囲の厚さを有し、
- 4mmから8mmまでの範囲の厚さを有する電極は、最高で160のCC層及び161のME層を有し得、ME層は、50μmから1mmまで、好ましくは100μmから500μmまでの範囲の厚さを有し、
- 4mmから6mmまでの範囲の厚さを有する電極は、最高で120のCC層及び121のME層を有し得、ME層は、50μmから1mmまで、好ましくは100μmから500μmまでの範囲の厚さを有する。
【0089】
図2に表される第2の変形によれば、上記電極は、本発明による電極の上記内層の少なくとも一方は、不活性多孔性材料(すなわち、導電性ではない)を含む含浸層MIである連続層のアセンブリの形態であり、電極が2つ以上の含浸層MIを含む場合、含浸層は少なくとも、100μm~2mm、好ましくは200μm~1mm、特に300μm~800μm、理想的には500μmだけ離間される。
【0090】
実際に、電極がエネルギー貯蔵デバイスに含まれる場合、電極内の電解質の循環を改善するために、本発明による電極は、内層内に、不活性多孔性材料(すなわち、導電性ではない)で作られた1つ又は幾つかの含浸層MIを含み得る。特に、これらの層MIは、十分な開放気孔により、電解質の自由な循環を可能にし、又は自由な循環を可能にするように構成される。それにもかかわらず、この不活性含浸材料は必然的に、電子化学的に不活性であり、電極のエネルギー密度を下げる。エネルギー密度への悪影響を最小にするために、一般に、活性材料の総重量に対する5重量%未満のMIを使用する必要がある。いかなる理論にも縛られずに、機械的特性により、このMI層はまた、より良好な機械的保持性を電極に授けられるようにする。
【0091】
層MIを形成することができる不活性多孔性材料は、電解質に対して良好な抵抗性を有する高分子材料から選択し得る。また、層MIを形成することができる不活性多孔性材料は、良好な親水性又は親水性にする(すなわち、疎水性から親水性にする)表面処理を受けた高分子材料から選択し得る。
【0092】
一般に、層MIを形成することができる不活性多孔性材料は、多孔性材料、セパレータ、及び他の薄膜の分野に適用可能な従来の方法により測定される40%から70%まで、好ましくは50%から60%まで、典型的には53%から55%までの範囲の開放気孔を有する。
【0093】
本発明では、40%~70%の多孔性は、以下の値又はこれらの間の任意の間隔を含む:40;41;42;43;44;45;46;47;48;49;50;51;52;53;54;55;56;57;58;59;60;61;62;63;64;65;66;67;68;69;70。
【0094】
例として、層MIを形成することができる材料は、Freudenberg社により市販されている多孔性製品に対応し得る。
【0095】
一般に、層MIを形成することができる不活性多孔性材料は、水酸化カリウム30%からなる水溶性電解質吸収に関してEN 29073-03遵守規格を満たす。
【0096】
特に、各MI層は、0.070mmから0.0130mmまで、特に0.090mmから0.120mmまで、典型的には0.100mmから0.110mmまでの範囲の規格ISO9073-2に従って測定された厚さを有する。
【0097】
例として、MI層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィン(PO)、又は任意の他の均等材料で作られたメッシュ型織物により形成し得る。
【0098】
好ましくは、この第2の変形によれば、電極の2つの外層のそれぞれは電極材料層MEであり、上記電極は、以下の構造:
ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME
を有する連続層のアセンブリの形態であり、式中、MEは電極材料層であり、CCは多孔性集電層であり、MIは含浸層であり、「n」は、2≦n≦200、好ましくは2≦n≦100、典型的には2≦n≦20である反復パターンである。したがって、この変形によれば、電極の2つの「外層」のそれぞれは、第1の変形と同じように、電極材料層MEにより形成される。特に、上記構造の例によれば、層MIは代替的にはパターン:
ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME
に従って分布する。
【0099】
一般に、層MIの数は電極の総厚に依存する。
【0100】
例として、本発明によれば、
- 4mm(4mmは含まれず)から1cmまでの範囲の厚さを有する電極は、5~200のCC層、6~201のME層、及び1~16のMI層を有し得、ME層は50μmから1mm、好ましくは100μmから500μmの範囲の厚さを有し、
- 4mmから8mmまでの範囲の厚さを有する電極は、5から160のCC層、6から161のME層、及び1から80のMI層を有し得、ME層は、50μmから1mmまで、好ましくは100μmから500μmまでの範囲の厚さを有し、
- 4mmから6mmまでの範囲の厚さを有する電極は、5から120のCC層、5から121のME層、及び1から60のMI層を有し得、ME層は、50μmから1mmまで、好ましくは100μmから500μmまでの範囲の厚さを有する。
【0101】
図3に表される第3の変形によれば、電極は、2つの外層の少なくとも一方、好ましくは両層が、電解質及びそのイオンの循環が可能な又は循環を可能にするように構成された少なくとも1つの不活性材料を含む機械的保持及び分離層MMSからなることを特徴とし得る。実際に、MMS層は、エネルギー貯蔵デバイスの電解質を循環させるように構成され、したがって、多孔性により物理的に又は層が均一で非多孔性である場合、拡散/移行等の他のメカニズムにより電解質のイオンを循環させるように構成されるため、「イオン伝導性」として見なすことができる。しかしながら、電子を伝導しないため、導電性ではない。
【0102】
MMS層は、含浸層MIの不活性多孔性材料と同一であってもよく、又は異なってもよい少なくとも1つの材料を含み得、又は少なくとも1つの材料からなり得、すなわち、
- PP、PTFE、又は任意の他の均等な多孔性材料のメッシュ等の多孔性材料及び/又は
- ポリビニルアルコール(PVOH)、Nafion(登録商標)、任意の他のイオン伝導材料イオン交換膜等の非多孔性材料
を含み、又はこれらからなり得る。
【0103】
一般に、MMS層は、20%以下、好ましくは10%以下、典型的には5%以下の多孔性を有する。
【0104】
本発明では、20%以下の多孔性は以下の値又はこれらの値間の任意の間隔を含む:0;1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20。
【0105】
例として、MMS層は、浸漬、噴霧、ブラシ塗布、又はMMS層の構成材料を適した溶媒中に溶解した形態で又は純粋な形で適用できるようにする任意の他の技法等の物理的堆積により準備し得る。
【0106】
特に、この変形は第1又は第2の変形と組み合わせ得、すなわち、MMS層は、これらの実施形態の外層を形成する電極材料層MEに重なり得、1つ又は幾つかのMI層と組み合わせられてもよく、又は組み合わせられなくてもよい。
【0107】
好ましくは、この第2の変形によれば、上記電極は、以下の構造:
MMS-ME-[CC-ME]-MMS又は
MMS-ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME-MMS
を有する連続層のアセンブリの形態であり、ここで、MEは電極材料層であり、CCは多孔性集電層であり、MIは含浸層であり、MMSは機械的保持及び分離層であり、「n」は、2≦n≦200、好ましくは2≦n≦100、典型的には2≦n≦20である反復パターンである。
【0108】
この第3の変形によれば、MMS層は電極全体を包み、それにより、電極(例えば負電極)をエネルギー貯蔵デバイスの第2の電極(例えば正電極)から分離できるようにする。これらの2つのMMS外層の別の機能は、電極の全体的な機械的保持を改善することである。
【0109】
一般に、各MMS層は、20μmから150μm、特に20μmから70μm、典型的には25μmから60μmの厚さを有する。
【0110】
本発明によれば、電極は正電極又は負電極であり得る。
【0111】
好ましくは、電極は負電極、好ましくは亜鉛ベースである。
【0112】
本発明による電極は、電極材料層を
少なくとも1つの正又は負電極活性材料、少なくとも1つの溶媒、可能な場合には少なくとも1つの高分子バインダ、及び可能な場合には電子伝導性付与剤を含むインク又はペーストの形態で多孔性集電層CCにわたり適用できるようにする任意のタイプのプロセスにより容易に製造することができる。そのような方法の中でも特に、コーティング、浸漬、噴霧、プリント、カレンダ処理等を言及し得る。
【0113】
本発明は、少なくとも、正電極、負電極、及び電解質を含むエネルギー貯蔵再充電デバイスにも関し、上記デバイスは、少なくとも正電極又は負電極、好ましくは負電極が、先に定義された電極であることを特徴とする。
【0114】
当然ながら、上記特徴はここで、本発明によるエネルギー貯蔵再充電デバイスを特徴付けるために全体的に繰り返される。
【0115】
本発明によれば、「電解質」により、イオン変位により電流の通過を可能にする任意の液体又は固体の物質を理解されたい。
【0116】
本発明の好ましい実施形態によれば、電解質は、上記電極の電極材料層ME又はMMS層からなり得る外層を通して、先に定義された電極と直接接触する。
【0117】
特に、デバイスの電解質は、上述した電極の多孔性集電層CCと直接接触しない。したがって、これにより、デンドライトの形成を回避又は少なくとも低減することができるとともに、デバイス内の短絡を回避することができる。実際に、多孔性集電層CCは非常に高い導電性を有するため、電解質との直接接触は、初回充電以後、電解質の非飽和及び電極の厚さの増大を生じさせ得、デンドライトの形成、セパレータの穿孔、及び場合によっては1又は2サイクル後の短絡を誘導する。
【0118】
デバイスは、電極の2つの外層の他方、特に、外部回路との電極の電気接続を保証することが意図される外層との直接接触する少なくとも1つのガラス炭素要素を更に含み得る。その結果として、外部回路との電極の電気接続は、上記要素を通して行われる。したがって、これにより、電極の2つの外層の上記他方とデバイス内の電解質との間で生じ得る接触を回避することができる。
【0119】
特に、デバイスは、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ニッケル水素又はNi-MH電池、及びスーパーキャパシタから選択し得る。
【0120】
従来通り、デバイスタイプに応じて、電解質は液体、ゲル、又は固体であり得る。
【0121】
本発明の好ましい実施形態によれば、デバイスは、空気亜鉛電池及びニッケル亜鉛電池等の、負電極が亜鉛ベースである電池から選択されるアルカリ蓄電池である。
【0122】
アルカリ蓄電池は、少なくとも1つ正電極、少なくとも1つの負電極、液体電解質、及び1つ又は幾つかの多孔性セパレータを含む再充電可能エネルギー貯蔵デバイスとして定義される。
【0123】
アルカリ蓄電池がニッケル亜鉛電池からなる場合、デバイスの負電極は、先に定義したように亜鉛ベースの電極である。
【0124】
この実施形態では、正電極は、特に、活性材料として酸化ニッケル(III)(NiOOH)、水酸化ニッケル(II)(Ni(OH))、又はそれらの混合物の1つを含むニッケルベースの電極からなり得る。
【0125】
多孔性セパレータは、電子非伝導性多孔性材料、一般にポリオレフィンベースの高分子材料(例えばポリエチレン)又は線維(例えば、ガラス繊維又は木質繊維、セルロース繊維)であり得る。
【0126】
本発明の第1の目的による電極は、外部回路との電気接続を保証することが意図される縁部(上部、下部、又は周辺)を含み得る。これらの縁部は次に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の絶縁材料で覆うことができる。したがって、これにより、電解質との接触が意図されない電極の部分のデバイス内での絶縁が可能になる。
【0127】
本発明によるデバイスは、当業者に既知の任意の技法により容易に組み立てることができる。
【0128】
本発明の別の目的は、再充電可能エネルギー貯蔵デバイスの容量を改善するための先に定義した電極の使用である。
【0129】
当然ながら、電極又はエネルギー貯蔵再充電デバイスについて上述した特徴は、本発明による電極の使用を特徴付けるために全体的にここで繰り返される。
【実施例
【0130】
F)実施例
以下のテストの説明は、単なる例示的な及び非限定的な例として与えられる。
【0131】
特に、以下の表1は本出願人により実行された異なるテストを示す。
【0132】
【表1】
【0133】
1-原材料
テストに関して、出発点となる原材料を以下の表2にまとめた。
【0134】
【表2】
【0135】
別段のことが特記される場合を除き、全ての材料は製造業者から受け取ったまま使用した。
【0136】
2-本発明による電極を実施する一般手順
本発明による様々な電極を準備するために(実施例1~5)、前ステップが実行される。このステップは、様々な電極材料層MEを形成することが意図される水性インクを準備することからなる。
【0137】
3-実施例1:第1の変形(ME-[CC-ME]アセンブリ)による本発明による電極の準備
固体物質を45%含む水性インクを以下の表3にまとめられた特性に従って準備する。
【0138】
【表3】
【0139】
この水性インクは、電極材料MEを構成する混合物を表す。均質な混合物は、高さが50μm精度で調整可能なコーティングスクレーパを使用して抗接着性支持体の表面に堆積した均一層の形態で塗布される。この実施例1では、第1のコーティング高さはインクの1500μmに設定される。
【0140】
堆積すると、集電層が銅格子CCの形態でこの第1の層の表面に適用され、電極の最終表面の所望の寸法(100cm)に従って事前に切断される。
【0141】
集電層を有するこの第1のコーティング層では、上に第2の集電層が銅格子の形態で適用される第2のインク層が、厳密に前の集電層CCと平行して位置決めされて適用される。プロセスは、所望の層の厚さ及び数に達するまで繰り返される。この実施例1では、この動作は7回繰り返される。コーティングの高さ、すなわち、層当たりの堆積インク高さ及び累積インク層を以下の表4に列記する。
【0142】
【表4】
【0143】
実施例1は、最初及び最後のコーティング層1500μm厚並びに内部コーティング層700μm厚を有するという点で特有である。したがって、この実施例1は以下の構造:
ME-[CC-ME]
を有する連続層のアセンブリの形態である。
【0144】
電極材料(すなわちインク)及び集電層CCのウェットアセンブリを35℃で24~48時間、サーモスタット制御されたエンクロージャ内で乾燥する。乾燥すると、空の電極を取り出し、次に周囲温度で脱イオン水に2時間浸漬させた。PVA及びPTFEは接合性を維持するため、空の電極は崩壊せず、1つの一体ブロックの形態のままである。水和されると、実施例1の電極は、集電層CCが電極の縁部から突出しないように所望の寸法(100cm)に入念に切断される。8トンプレスがウェット電極に適用される。その後、高分子材料の収縮により層が剥離するのを避けるために、電極は応力下で乾燥される。乾燥を続けるために、真空エンクロージャがこの実施例1では使用される。
【0145】
乾燥すると、電極の重量測定により、銅及び他の非活性材料を差し引くことで電極の容量を特定することができる。実施例1の電極は、厚さ4.5mm、容量20.0Ah、表面積100cmを有する電極である。
【0146】
全ての集電層を1つの電極頭部に一緒にまとめるために、ニッケル又はニッケルめっきされた鋼BUSが、点溶接により電極頭部に適用される。その後、電極頭部はPTFEで作られた封止リボンにより覆われる。
【0147】
この実施例1の電極は、実際のシステムでこの電極タイプが使用される状況での可能な電子化学テストを開始することが可能になる前に、電極が必要とする時間を特定するために、含浸テストを受ける。
【0148】
含浸は、電極を脱イオン水に完全に含浸させることにより行われ、この電極で得られた結果を図4に示す。
【0149】
この図4に示されるように、この実施例1による電極は高い含浸率、ひいては優れた水性電解質同化能力を有する。
【0150】
4-実施例2:第1の変形([ME-CC-ME]アセンブリ)による本発明による電極の準備
固体物質を45%含む水性インクを先の表3(実施例1)にまとめられた特性に従って準備する。
【0151】
この水性インクは、電極材料MEを構成する混合物を表す。均質な混合物は、高さが50μm精度で調整可能なコーティングスクレーパを使用して抗接着性支持体の表面に堆積した均一層の形態で塗布される。この実施例2では、インクの完全枯渇まで1つの2000μmコーティングが適用されて、幾つかのウェットコーティングを得る。その後、これらのウェットコーティングを35℃で24時間、サーモスタット制御されたエンクロージャ内で乾燥する。その後、このようにして得られた乾燥した生のコーティングを脱イオン水に再び含浸させ、次に所望の寸法に切断してウェットコーティングを得る。この実施例2では、コーティングは寸法60mm×40mmに従って切断される。最終電極を形成するために、ウェットコーティングに集電層CCを組み付け、次に2Tプレスする。
【0152】
実施例2の電極はパターン:
[ME-CC-ME]
に従って組み立てられる。
【0153】
この製造法は、層が剥離する傾向がある電極をもたらす。PVAバインダは温度が90℃よりも高い水中で容易に溶解するため、予防措置がとられ、予防措置の本質は、電極の縁部が含浸テストに十分な機械的強度を提供するように、実施例2の電極の縁部のみを非常に素早く(長くとも10秒)浸漬させることにある。
【0154】
その後、高分子材料の収縮による層の剥離を避けるために、電極を応力下で乾燥させる。乾燥を続けるために、真空エンクロージャを実施例2に使用する。
【0155】
乾燥すると、電極の重量測定により、銅及び他の非活性材料を差し引くことで電極の容量を特定することができる。実施例2の電極は、厚さ8.0mm、容量12Ah、表面積27cmを有する電極である。
【0156】
全ての集電層を1つの電極頭部に一緒にまとめるために、ニッケル又はニッケルめっきされた鋼BUSが、点溶接により電極頭部に適用される。その後、電極頭部はPTFEで作られた封止リボンにより覆われる。
【0157】
この実施例2の電極は、実際のシステムでこの電極タイプが使用される状況での可能な電子化学テストを開始することが可能になる前に、電極が必要とする時間を特定するために、含浸テストを受ける。含浸は、電極を脱イオン水に完全に含浸させることにより行われ、この電極で得られた結果を図5に示す。
【0158】
5-実施例3:第2の変形(ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-MEアセンブリ)による本発明による電極の準備
固体物質を45%含む水性インクを先の表3(実施例1)にまとめられた特性に従って準備する。
【0159】
この水性インクは、電極材料MEを構成する混合物を表す。均質な混合物は、高さが50μm精度で調整可能なコーティングスクレーパを使用して抗接着性支持体の表面に堆積した均一層の形態で塗布される。この実施例では、インクの完全枯渇まで1つの2000μmコーティングが適用される。ウェットコーティングを35℃で24時間、サーモスタット制御されたエンクロージャ内で乾燥する。その後、このようにして得られた乾燥した生のコーティングを脱イオン水に再び含浸させ、次に所望の寸法に切断する。この実施例3では、コーティングは寸法60mm×40mmに従って切断される。最終電極を形成するために、ウェットコーティングに集電層及び含浸材料層を組み付け、それから2Tプレスする。
【0160】
実施例3の電極はパターン:
ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME
に従って組み立てられる。
【0161】
この製造法は、層が剥離する傾向がある電極をもたらす。PVAバインダは温度が90℃よりも高い水中で容易に溶解するため、予防措置がとられ、予防措置の本質は、電極の縁部が含浸テストに十分な機械的強度を提供するように、実施例3の電極の縁部のみを非常に素早く(長くとも10秒)浸漬させることにある。その後、高分子材料の収縮による層の剥離を避けるために、電極を応力下で乾燥させる。乾燥を続けるために、真空エンクロージャを実施例3に使用する。
【0162】
乾燥すると、電極の重量測定により、銅及び他の非活性材料を差し引くことで電極の容量を特定することができる。実施例3の電極は、厚さ8.0mm、容量12Ah、表面積27cmを有する電極である。
【0163】
全ての集電層を1つの電極頭部に一緒にまとめるために、ニッケル又はニッケルめっきされた鋼BUSが、点溶接により電極頭部に適用される。その後、電極頭部はPTFEで作られた封止リボンにより覆われる。
【0164】
この実施例3の電極は、実際のシステムでこの電極タイプが使用される状況での可能な電子化学テストを開始することが可能になる前に、電極が必要とする時間を特定するために、含浸テストを受ける。含浸は、電極を脱イオン水に完全に含浸させることにより行われ、この電極で得られた結果を図5に示す。
【0165】
この図5はまた、実施例2及び実施例3による電極が優れた容量(高含浸率)を有するが、電極が含浸層MI(実施例3)を含む場合、これが改善されることも示す。
【0166】
6-実施例4:第3の変形(MMS-ME-[CC-ME]-MMSアセンブリ)による本発明による電極の準備
固体物質を45%含む水性インクを先の表3(実施例1)にまとめられた特性に従って準備する。
【0167】
この水性インクは、電極材料MEを構成する混合物を表す。均質な混合物は、高さが50μm精度で調整可能なコーティングスクレーパを使用して抗接着性支持体の表面に堆積した均一層の形態で塗布される。この実施例4では、インクの完全枯渇まで1つの2000μmコーティングが適用される。ウェットコーティングを35℃で24時間、サーモスタット制御されたエンクロージャ内で乾燥する。その後、このようにして得られた乾燥した生のコーティングを脱イオン水に再び含浸させ、次に所望の寸法に切断する。この実施例4では、コーティングは寸法60mm×40mmに従って切断される。最終電極を形成するために、ウェットコーティングに集電層を組み付け、それから2Tプレスする。その後、高分子材料の収縮により層が剥離するのを避けるために、アセンブリを応力下で乾燥させる。乾燥を続けるために、真空エンクロージャがこの実施例4では使用される。
【0168】
乾燥すると、アセンブリの重量測定により、銅及び他の非活性材料を差し引くことで電極の容量を特定することができる。実施例4の電極は、厚さ8.0mm、容量12Ah、表面積27cmを有する電極である。十分な機械的保持を与え、層の剥離を回避するために、アセンブリは次に、PVA溶液中に浸漬され、それから垂直位置において周囲温度で一晩乾燥される。
【0169】
したがって、この最終段階において、電極はパターン:
MMS-ME-[CC-ME]-MMS
に従って組み立てられる。
【0170】
実施例4の状況では、PVA溶液は10%重量濃度である。全ての集電層を1つの電極頭部に一緒にまとめるために、ニッケル又はニッケルめっきされた鋼BUSが、点溶接により電極頭部に適用される。その後、電極頭部はPTFEで作られた封止リボンにより覆われる。
【0171】
7-実施例5:第3の変形(MMS-ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME-MMSアセンブリ)による本発明による電極の準備
固体物質を45%含む水性インクを先の表3(実施例1)にまとめられた特性に従って準備する。
【0172】
この水性インクは、電極材料MEを構成する混合物を表す。均質な混合物は、高さが50μm精度で調整可能なコーティングスクレーパを使用して抗接着性支持体の表面に堆積した均一層の形態で塗布される。この実施例5では、インクの完全枯渇まで1つの2000μmコーティングが適用される。ウェットコーティングを35℃で24時間、サーモスタット制御されたエンクロージャ内で乾燥する。その後、このようにして得られた乾燥した生のコーティングを脱イオン水に再び含浸させ、次に所望の寸法に切断する。この実施例5では、コーティングは寸法60mm×40mmに従って切断される。最終電極を形成するために、ウェットコーティングに集電層及び含浸材料層を組み付け、それから2Tプレスする。その後、高分子材料の収縮により層が剥離するのを避けるために、アセンブリを応力下で乾燥させる。乾燥を続けるために、真空エンクロージャがこの実施例5では使用される。乾燥すると、アセンブリの重量測定により、銅及び他の非活性材料を差し引くことで電極の容量を特定することができる。実施例5の電極は、厚さ8.0mm、容量12Ah、表面積27cmを有する電極である。十分な機械的保持を与え、層の剥離を回避するために、アセンブリは次に、PVA溶液中に浸漬され、それから垂直位置において周囲温度で一晩乾燥される。
【0173】
したがって、この最終段階において、電極はパターン:
MMS-ME-CC-[ME-MI-ME-CC]-ME-MMS
に従って組み立てられる。
【0174】
全ての集電層を1つの電極頭部に一緒にまとめるために、ニッケル又はニッケルめっきされた鋼BUSが、点溶接により電極頭部に適用される。その後、電極頭部はPTFEで作られた封止リボンにより覆われる。
【0175】
当然ながら、添付の特許請求の範囲の文脈において、種々の変更を本発明に行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5