(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】リンクユニットをモールドに着脱可能に取り付けるための方法及びリンクユニット
(51)【国際特許分類】
B29C 33/34 20060101AFI20240729BHJP
B22D 17/20 20060101ALI20240729BHJP
B29C 33/30 20060101ALI20240729BHJP
B29C 45/26 20060101ALI20240729BHJP
B29C 45/17 20060101ALI20240729BHJP
B29C 45/04 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
B29C33/34
B22D17/20 Z
B29C33/30
B29C45/26
B29C45/17
B29C45/04
(21)【出願番号】P 2021559379
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(86)【国際出願番号】 US2020027102
(87)【国際公開番号】W WO2020210256
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-04-06
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520449345
【氏名又は名称】キヤノンバージニア, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Canon Virginia, Inc.
【住所又は居所原語表記】12000 Canon Blvd., Newport News, Virginia, United States of America
(73)【特許権者】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳原 裕一
(72)【発明者】
【氏名】小平 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】松本 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】片桐 宏之
(72)【発明者】
【氏名】下江 暢成
(72)【発明者】
【氏名】池口 智昭
(72)【発明者】
【氏名】田島 潤子
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 健太
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-111822(JP,U)
【文献】特開昭63-097351(JP,A)
【文献】特開2019-126906(JP,A)
【文献】特開昭56-120324(JP,A)
【文献】特開2020-019231(JP,A)
【文献】特開2002-192563(JP,A)
【文献】特開2008-173911(JP,A)
【文献】実開昭61-184708(JP,U)
【文献】実開昭58-066926(JP,U)
【文献】実開平06-035072(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
B29C 45/00-45/84
B60D 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔及びスリットを備える端部を含むリンクユニットをモールドに着脱可能に取り付けるための方法であって、
前記孔を介して、前記モールドに接続された第1取付部材を挿入することと、
前記スリットを介して、前記モールドに接続された第2取付部材を挿入することと、
を有し、
前記リンクユニットは、前記第1取付部材が前記モールドから外され、前記第2取付部材が前記モールドに接続されたままの状態で、前記スリットが形成された方向とは反対の方向に前記リンクユニットを移動させることによって、前記モールドから取り外されることを特徴とする方法。
【請求項2】
モールド及びアクチュエータに配置された、孔及びスリットを備える端部を含むリンクユニットを着脱可能に取り付けるための方法であって、
前記孔を介して、前記モールド及び前記アクチュエータに接続された第1取付部材を挿入することと、
前記スリットを介して、前記モールド及び前記アクチュエータに接続された第2取付部材を挿入することと、
を有し、
前記リンクユニットは、前記第1取付部材が前記モールド及び前記アクチュエータから外され、前記第2取付部材が前記モールド及び前記アクチュエータに接続されたままの状態で、前記スリットが形成された方向とは反対の方向に前記リンクユニットを移動させることによって、前記モールド及び前記アクチュエータから取り外されることを特徴とする方法。
【請求項3】
複数のモールドを接続するためのリンクユニットであって、
第1モールドに接続するための第1接続部材と、
第2モールドに接続するための第2接続部材と、
を有し、
前記第1接続部材は、前記リンクユニットと前記第1モールドとを接続するための取付部材を受け入れるように構成されたスリットを含み、
前記スリットは、
直線形状であり、前記取付部材によって確立された、前記リンクユニットと前記第1モールドとの間の接続は、前記第1接続部材の直線移動に基づいて解除されることを特徴とするリンクユニット。
【請求項4】
複数のモールドを接続するためのリンクユニットであって、
第1モールドに接続するための第1接続部材と、
第2モールドに接続するための第2接続部材と、
を有し、
前記第1接続部材は、前記リンクユニットと前記第1モールドとを接続するための取付部材を受け入れるように構成されたスリットを含み、
前記スリットは、湾曲形状であり、前記取付部材によって確立された、前記リンクユニットと前記第1モールドとの間の接続は、前記第1接続部材の回転に基づいて解除されることを特徴とす
るリンクユニット。
【請求項5】
前記第1接続部材は、前記リンクユニットと前記第1モールドとを接続するための少なくとも1つの取付部材を受け入れるようにそれぞれ構成された、少なくとも1つの孔を更に有することを特徴とする請求項3
又は4に記載のリンクユニット。
【請求項6】
前記第1接続部材は、前記スリットの形状に基づいた方向以外の少なくとも1つの方向への前記第1接続部材の移動を制限するための少なくとも1つのピンを更に有することを特徴とする請求項3
又は4に記載のリンクユニット。
【請求項7】
モールドと、前記モールドを移動させるためのアクチュエータとを接続するためのリンクユニットであって、
前記モールドに接続するための第1接続部材と、
前記アクチュエータに接続するための第2接続部材と、
を有し、
前記第1接続部材は、前記リンクユニットと前記モールドとを接続するための取付部材を受け入れるように構成されたスリットを含み、
前記スリットは、
直線形状であり、前記取付部材によって確立された、前記リンクユニットと前記モールドとの間の接続は、前記第1接続部材の直線移動に基づいて解除されることを特徴とするリンクユニット。
【請求項8】
モールドと、前記モールドを移動させるためのアクチュエータとを接続するためのリンクユニットであって、
前記モールドに接続するための第1接続部材と、
前記アクチュエータに接続するための第2接続部材と、
を有し、
前記第1接続部材は、前記リンクユニットと前記モールドとを接続するための取付部材を受け入れるように構成されたスリットを含み、
前記スリットは、湾曲形状であり、前記取付部材によって確立された、前記リンクユニットと前記モールドとの間の接続は、前記第1接続部材の回転に基づいて解除されることを特徴とす
るリンクユニット。
【請求項9】
前記第1接続部材は、前記リンクユニットと前記モールドとを接続するための少なくとも1つの取付部材を受け入れるようにそれぞれ構成された、少なくとも1つの孔を更に有することを特徴とする請求項
7又は8に記載のリンクユニット。
【請求項10】
前記第1接続部材は、前記スリットの形状に基づいた方向以外の少なくとも1つの方向への前記第1接続部材の移動を制限するための少なくとも1つのピンを更に有することを特徴とする請求項
7又は8に記載のリンクユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月11日に出願された米国特許出願第62/832,732号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、射出成形機の製造プロセスは、射出、冷却及び成形部品の除去を含み、射出成形機は、典型的には、冷却の間に移動せず、生産性を制限することができる。米国特許出願公開第2018/0009146号/特開2018-001738号公報/VN20160002505は、1つの射出成形機における2つのモールドの交互のスイッチングを含む成形部品の製造方法を論じている。米国特許出願公開第2018/0009146号/特開2018-001738号公報/VN20160002505は、2つのモールドを移動させるための構成も開示し、第1アクチュエータが第1モールドを射出成形機の一方の側に移動させ、第2アクチュエータが第2モールドを射出成形機の他方の側に移動させる。
【0003】
上述の構成において、リンクユニットが第1アクチュエータと第1モールドとの間に取り付けられ、第1アクチュエータの力を第1モールドに伝達する。同様なリンクユニットが第2アクチュエータと第2モールドとの間に取り付けられる。
【0004】
一般的に、モールドは、スチールなどの金属から製造され、相当な重量に達することがある。モールドとアクチュエータとの間に、或いは、重いモールドを移動させたときのモールド自体の間に、ミスアライメントが発生すると、大きな負荷がリンクユニットにかかる。その結果、リンクユニットが破損したり、アクチュエータに悪影響を及ぼしたりして、アクチュエータが故障する原因となる可能性がある。このタイプのリンクユニットの破損又はアクチュエータの故障の可能性を低減する構成が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
孔及びスリットを備える端部を含むリンクユニットをモールドに着脱可能に取り付けるための方法であって、前記孔を介して、前記モールドに接続された第1取付部材を挿入することと、前記スリットを介して、前記モールドに接続された第2取付部材を挿入することと、を有し、前記リンクユニットは、前記第1取付部材が前記モールドから外され、前記第2取付部材が前記モールドに接続されたままの状態で、前記スリットが形成された方向とは反対の方向に前記リンクユニットを移動させることによって、前記モールドから取り外されることを特徴とする。
【0006】
複数のモールドを接続するためのリンクユニットであって、第1モールドに接続するための第1接続部材と、第2モールドに接続するための第2接続部材と、を有し、前記第1接続部材は、前記リンクユニットと前記第1モールドとを接続するための取付部材を受け入れるように構成されたスリットを含み、前記スリットは、前記取付部材によって確立された、前記リンクユニットと前記第1モールドとの間の接続が、前記第1接続部材の移動に基づいて解除されるような形状を含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の様々な実施形態、目的、特徴及び利点を示す。
【
図2A】
図2Aは、リンクユニット20、リンクユニット40、及び、モールドA及びBの上面図を示す。
【
図2B】
図2Bは、リンクユニット20、リンクユニット40、及び、モールドA及びBの側面図を示す。
【
図3A】
図3Aは、フローティングジョイント300aの上面図を示す。
【
図3B】
図3Bは、フローティングジョイント300aの側面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、モールドAの側の部分がZ軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がY軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図5B】
図5Bは、モールドAの側の部分がZ軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がY軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図5C】
図5Cは、モールドAの側の部分がZ軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がY軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図5D】
図5Dは、モールドAの側の部分がZ軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がY軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図5E】
図5Eは、モールドAの側の部分がZ軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がY軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図5F】
図5Fは、モールドAの側の部分がZ軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がY軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図6A】
図6Aは、モールドAの側の部分がY軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がZ軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図6B】
図6Bは、モールドAの側の部分がY軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がZ軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図6C】
図6Cは、モールドAの側の部分がY軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がZ軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図6D】
図6Dは、モールドAの側の部分がY軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がZ軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図6E】
図6Eは、モールドAの側の部分がY軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がZ軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図6F】
図6Fは、モールドAの側の部分がY軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がZ軸方向に平行に移動した場合を示す。
【
図8A】
図8Aは、ボルト34及び35が丸孔60及び62から取り外された場合を示す。
【
図9A】
図9Aは、モールドAからのフローティングジョイント300aの取り外しを示す。
【
図9B】
図9Bは、モールドAからのリンクブラケット44の取り外しを示す。
【
図9C】
図9Cは、モールドBからのフローティングジョイント300bの取り外しを示す。
【
図10】
図10は、リンクユニット20を取り外し、及び、取り付けるための構成を示す。
【
図11】
図11は、リンクユニット20を取り外し、及び、取り付けるための構成を示す。
【
図13B】
図13Bは、モールドAがサイドガイドローラ47に接触する面がテーパ状である場合の三面図を示す。
【
図13C】
図13Cは、モールドAがサイドガイドローラ47に接触する面と、ボトムガイドローラ46に接触する面とがテーパ状である場合の三面図を示す。
【
図14】
図14は、サイドガイドローラ47とモールドAとの接触位置の上面図を示す。
【
図16A】
図16Aは、モールドAとモールドBとがリンクされていない構成を示す。
【
図16B】
図16Bは、モールドAとモールドBとがリンクされていない構成を示す。
【
図17A】
図17Aは、リンクユニット20、リンクユニット40、及び、モールドA及びBの上面図を示す。
【
図17B】
図17Bは、リンクユニット20、リンクユニット40、及び、モールドA及びBの側面図を示す。
【
図19】
図19は、領域800の拡大図を示す。 図面を通して、別段の記載がない限り、同一の参照符号及び文字は、例示された実施形態の同様な特徴、要素、構成要素又は部分を示すために使用される。本開示は、図面を参照して詳細に説明されるが、実例となる例示的な実施形態に関連してそのように行われる。添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の真の範囲及び精神から逸脱することなく、説明された例示的な実施形態に対して変更及び修正を行うことができることが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、幾つかの例示的な実施形態を説明し、当業者に知られている詳細については、特許、特許出願及び他の参考文献に依拠する。従って、特許、特許出願又は他の参考文献が本明細書で引用又は反復される場合、それは、全ての汎用のため、並びに、列挙される命題のために、その全体が参考として組み込まれることが理解されるべきである。
【0009】
図面を参照して、本開示の例示的な実施形態における射出成形システムを説明する。各図において、矢印符号X及びYは、互いに直交する水平方向を示し、矢印符号Zは、垂直(直立)方向を示す。Z軸方向は、地面に垂直な方向である。
【0010】
図1A及び
図1Bは、例示的な実施形態の射出成形システム1の外観図を示す。樹脂は、主として、モールドに射出するための材料として使用される。但し、本実施形態は、樹脂に限定されるものではなく、ワックス又は金属など、本実施形態を実施可能な材料であればどのようなものであってもよい。
図1Aは、射出成形システム1の上面図を示す。
図Bは、射出成形システム1の側面図を示す。
【0011】
図1Aに示すように、射出成形システム1は、射出成形機600と、モールドA又はモールドBを射出成形機600に移動させるコンベヤー装置100B及びコンベヤー装置100Cとを含む。
図1Bに示すように、駆動部100Aは、コンベヤー装置100Bに取り付けられ、リンクされているモールドAとモールドBとを移動させる。
【0012】
ボトムガイドローラ46とサイドガイドローラ47とが接続されたブロック45は、コンベヤー装置100B及び100Cのトップパネルに設けられている。ボトムガイドローラ46は、モールドAのボトムパネルに接触し、モールドAの動きをガイドする。サイドガイドローラ47は、モールドAのサイドパネルに接触し、モールドAの動きをガイドする。また、射出成形機600の内部に取り付けられたボトムガイドローラ49及びサイドガイドローラ48がある。ボトムガイドローラ51とサイドガイドローラ52とが接続されたブロック50は、コンベヤー装置100C上に設けられている。
【0013】
駆動部100Aは、モールドA又はモールドBを、
図1Bに「位置2」として示される特定の射出位置に交互に移動させる。特定の射出位置は、モールドへの樹脂の射出が行われ、成形部品を除去する射出成形機600の内部の位置である。
図1Bにおいて、「位置1」は、モールドAを冷却するための待機位置であり、「位置3」は、モールドBを冷却するための待機位置である。モールドA又はモールドBのいずれかを「位置2」に移動させ、他方のモールドをそれぞれ「位置1」又は「位置3」に移動させることによって、他方のモールドを冷却しながら、樹脂を一方のモールドに射出することができる。
【0014】
駆動部100Aの詳細は、
図1Bに関して説明される。モールドAとモールドBとは、駆動部100Aにリンクされ、アクチュエータ10を駆動することによって移動させることができる。リンクユニット20は、リンク金具43と、フローティングジョイント300aとを含み、アクチュエータ10とモールドAとをリンクさせる。リンクユニット40は、リンク金具44とフローティングジョイント300bとを含み、モールドAとモールドBとをリンクさせる。
【0015】
アクチュエータ10のスライダ41は、プレート42、リンク金具43及びフローティングジョイント300aを介して、モールドAに接続されている。これにより、スライダ41をX軸方向に沿って移動させることによって、モールドAをX軸方向に沿って移動させることができる。また、モールドBは、リンク金具44及びフローティングジョイント300bを介して、モールドAに接続されているため、モールドAをX軸方向に移動させることによって、モールドBもX軸方向に沿って移動する。即ち、
図1Bに示すように、モールドAが+X軸方向に移動すると、モールドBも+X軸方向に移動する。
【0016】
図2Aは、リンクユニット20、リンクユニット40、及び、モールドA及びBの上面図を示す。
図2Bは、リンクユニット20、リンクユニット40、及び、モールドA及びBの側面図を示す。
図2Cは、
図2Bに示される、矢印「A」の方向からの断面図を示す。
図2Dは、
図2Bに示される、矢印「B」の方向からの断面Bを示す。
図2Eは、
図2Bに示される、矢印「C」の方向からの断面Cを示す。
図2A乃至
図2Cにおいて、フローティングジョイント300aは、モールドAの固定モールド2aに固定され、リンク金具44は、モールドAの固定モールド2aに固定され、フローティングジョイント300bは、モールドBの固定モールド2bに固定される。固定モールド2a/2bは、Y軸方向に移動しないモールドである。可動モールド3は、成形部品を除去する場合に、射出成形機600の内部でY軸方向に移動するモールドである。
【0017】
モールド及びローラの形状は、モールド及び/又はローラの個々のバリエーションに起因して、常に、完全に一致するとは限らない。ある場合には、互いに形状が異なる2つのモールドを用いて成形が行われる。射出成形機600に対して、コンベヤー装置100B又はコンベヤー装置100Cの位置を合わせることは困難であるため、様々な構成要素に含まれるローラの位置を合わせることも困難である。
【0018】
形状の差異は、ローラの位置又はローラの高さの差異に起因して、モールドA又はモールドBを移動する際に、ミスアライメントを発生させる。リンクユニット20又はリンクユニット40には、Y軸方向、Z軸方向、θY方向及びθZ方向に発生する負荷を発生させることができる。射出成形機600でモールドクランピング動作を行うと、θZ方向に大きな負荷が発生する。モールドクランピング動作は、可動モールド3を固定モールド2に押し当てる動作、及び、樹脂の注入を準備する動作である。本実施形態では、このタイプの負荷を考慮して、フローティングジョイント300a及び300bが、それぞれ、リンクユニット20及びリンクユニット40に接続している。
【0019】
次に、フローティングジョイント300a及び300bの詳細について説明する。フローティングジョイント300a及び300bの構成は同じであるため、以下の説明では、フローティングジョイント300aについてのみ説明するが、フローティングジョイント300bについても適用される。
図3Aは、フローティングジョイント300aの上面図を示す。
図3Bは、フローティングジョイント300aの側面図を示す。
図3Cは、
図3Bに示されている、矢印「D」の方向からの断面Dを示す。
【0020】
図3A及び
図3Bに示すように、フローティングジョイント300aは、Z軸方向に延在するパイプシャフト22bと、Y軸方向に延在するパイプシャフト22aとを備えている。パイプシャフト22bは、2つのボルト36bによってY軸方向にクランプされ、ブロック23に対して固定されている。パイプシャフト22aは、2つのボルト36aによってZ軸方向にクランプされ、ブロック23に対して固定されている。パイプシャフト22a及びパイプシャフト22は、中空又は非中空とすることができる。
【0021】
プレート29は、モールドAに締結され、プレート27は、リンク金具43に締結される。
図3Cに示すように、位置決めピン30及び位置決めピン31は、モールドA上に位置している。位置決めピン31のための精密孔は、プレート29の中央に位置し、位置決めピン31が精密孔にフィットするように、モールドAとプレート29とが組み立てられている。プレート29は、
図3Cに示すように、反時計方向に回転される。プレート29は、プレート29が位置決めピン30と接触する位置における4つのボルト32乃至35でモールドAに締結される。
【0022】
パイプシャフト22bは、オイルフリーのブッシュ21bを含む2つのホルダ25bによって両端が固定され、Z軸方向に沿ってスライドすることによって移動することができる。パイプシャフト22aは、オイルフリーのブッシュ21aを含む2つのホルダ25aによって両端が固定され、Y軸方向に沿ってスライドすることによって移動することができる。2つのホルダ25bは、プレート29上に固定され、2つのホルダ25aは、プレート27上に固定されている。蓋26bをホルダ25bに組み立ててシールすることによって、パイプシャフト22bのスライド性を向上させることができ、グリース28bが蓋26bの内面に塗布されている。蓋26aは、ホルダ25aに組み立てられてシールされ、グリース28aが蓋26aの内面に塗布されている。
【0023】
パイプシャフト22bは、ホルダ25bに対して固定されていないため、プレート29上に固定されている各部は、パイプシャフト22bを軸として回転することができる。換言すれば、Z軸を中心として回転させることができる。パイプシャフト22aは、ホルダ25aに対して固定されていないため、プレート27に固定されている各部は、パイプシャフト22aを軸として回転することができる。換言すれば、Y軸を中心として回転させることができる。
【0024】
図4Aは、
図3Aの領域500の拡大図を示す。プレート29上には、Y軸方向に沿って位置する2つのストップピン24bがある。ストップピン24bとブロック23との間には、ギャップがある。パイプシャフト22bを中心として移動させる回転(θZ)は、ギャップで発生する。回転量は、ストップピン24bとブロック23との間の接触によって制御される。Y軸方向の平行運動量は、ブロック23のサイドパネルとホルダ25aとの接触によって制御される。ブロック23がY軸方向に平行に移動したとしても、ブロック23が運動量の範囲内であれば、ストップピン24bと接触することができる。
【0025】
図4Bは、
図3Bの領域510の拡大図を示す。プレート27上には、Z軸方向に沿って組み立てられた2つのストップピン24aがある。ストップピン24aとブロック23との間には、ギャップがある。パイプシャフト22aを中心として移動させる回転(θY)は、このギャップで発生する。回転量は、ストップピン24aとブロック23との間の接触によって制御される。Z軸方向の平行運動量は、ブロック23のサイドパネルとホルダ25bとの間の接触によって制御される。ブロック23がZ軸方向に平行に移動したとしても、ブロック23が運動量の範囲内であれば、ストップピン24aと接触することができる。
【0026】
次に、フローティングジョイント300aの移動について説明する。
図5A乃至
図5Fは、モールドAの側の部分がZ軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がY軸方向に平行に移動した場合を示す。
図6A乃至
図6Fは、モールドAの側の部分がY軸を中心として回転した場合、及び、モールドAの側の部分がZ軸方向に平行に移動した場合を示す。
【0027】
図5Aは、モールドAのY軸方向の中心位置がアクチュエータ10のY軸方向の中心位置に対して、+Y軸方向にミスアライメントされている場合を示す。アクチュエータ10は、リンク金具43のサイドに位置している。モールドAの移動の間に、モールドA及びアクチュエータ10の位置がY軸方向にミスアライメントされると、パイプシャフト22a及びブロック23を含む、モールドAの側の部分(プレート29に固定された部分)が、オイルフリーのブッシュ21aが挿入されたホルダ25aの内部をスライドするパイプシャフト22aに起因して、+Y軸方向に移動する。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのY軸方向に発生するミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0028】
図5Bは、モールドAのY軸方向の中心位置がアクチュエータ10のY軸方向の中心位置に対して、-Y軸方向にミスアライメントされている場合を示す。この場合、パイプシャフト22a及びブロック23を含む、モールドAの側の部分が、オイルフリーのブッシュ21aが挿入されたホルダ25aの内部をスライドするパイプシャフト22aに起因して、-Y軸方向に移動する。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのY軸方向におけるミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0029】
モールドAがY軸方向に移動した場合、モールドAの側の部分は、パイプシャフト22aを介して、アクチュエータ10の側の部分に対して、Y軸方向に移動することができる。その結果、アクチュエータ10及びリンクユニット20への負荷が低減される。モールドA及びアクチュエータ10のY軸方向に発生するミスアライメントが大きいほど、リンクユニット20及びアクチュエータ10にかかる負荷が大きくなる。本実施形態の構成は、かかる荷重の低減又は除去を可能とする。
【0030】
別の実施形態において、リンクユニット20が存在せず、例えば、ロッド状の構成要素を用いるだけでリンクが達成される場合には、アクチュエータ10のY軸方向の中心に対するモールドAのY軸方向の中心のミスアライメントに応じて、モールドAの重量及びY軸方向の移動部分の負荷がアクチュエータ10及びリンク構成要素にかかることになる。これは、Y軸方向に対するリンク構成要素の曲げ屈曲、並びに、アクチュエータ10にかかるY軸方向の負荷をもたらすことになる。リンクユニット20は、モールドAをアクチュエータ10に対してY軸方向に移動させることを可能にし、これにより、リンクユニット20及びアクチュエータ10への負荷が低減される。
【0031】
図5Cは、モールドAのθZ軸方向の中心位置がアクチュエータ10のθZ軸方向の中心位置に対して+θZ軸方向にミスアライメントされている場合を示す。モールドAのモールドクランピングの間に、モールドAとアクチュエータ10との位置がθZ軸方向にミスアライメントされていると、モールドAの側の部分(プレート29に固定されている部分)は、パイプシャフト22bを介して、+θZ軸方向に回転する。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのθZ軸方向のミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0032】
図5Dは、モールドAのθZ軸方向の中心位置がアクチュエータ10のθZ軸方向の中心位置に対して-θZ軸方向にミスアライメントされている場合を示す。この場合、モールドAの側の部分は、パイプシャフト22bを介して、-θZ軸方向に回転することになる。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのθZ軸方向のミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0033】
モールドAがθZ軸方向に移動した場合、モールドAの側の部分は、パイプシャフト22bを介して、アクチュエータ10の側の部分に対して、θZ軸方向に移動することができる。その結果、アクチュエータ10及びリンクユニット20への負荷が低減される。モールドA及びアクチュエータ10のθZ軸方向に発生するミスアライメントが大きいほど、リンクユニット20及びアクチュエータ10にかかる負荷が大きくなる。本実施形態の構成は、かかる荷重の低減又は除去を可能とする。
【0034】
別の実施形態において、リンクユニット20が存在せず、例えば、ロッド状の構成要素を用いるだけでリンクが達成される場合には、アクチュエータ10のθZ軸方向の中心に対するモールドAのθZ軸方向の中心のミスアライメントに応じて、モールドクランピングに起因するモールドAのθZ軸方向の移動部分の負荷がアクチュエータ10及びリンク構成要素にかかることになる。その結果として、リンク構成要素は、θZ軸方向に屈曲し、また、θZ軸方向の負荷がアクチュエータ10にかかることになる。本実施形態のリンクユニット20は、モールドAをアクチュエータ10に対してθZ軸方向に移動させることを可能とし、これにより、リンクユニット20及びアクチュエータ10への負荷を低減することができる。
【0035】
図5Eは、モールドAのY軸方向の中心位置がアクチュエータ10のY軸方向の中心位置に対して+Y軸方向にシフトした場合、及び、モールドAのθZ軸方向の中心位置がアクチュエータ10のθZ軸方向の中心位置に対してモールドAの+θZ軸方向にシフトした場合を示す。この場合、パイプシャフト22a及びブロック23を含む、モールドAの側の部分が、オイルフリーのブッシュ21aが挿入されたホルダ25aの内部をスライドするパイプシャフト22aに起因して、+Y軸方向に移動する。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのY軸方向に発生するミスアライメントの負荷を吸収することができる。モールドAの側の部分は、パイプシャフト22bを介して、+θZ軸方向に回転することになる。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのθZ軸方向に発生するミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0036】
図5Fは、モールドAのY軸方向の中心位置がアクチュエータ10のY軸方向の中心位置に対して-Y軸方向にシフトした場合、及び、モールドAのθZ軸方向の中心位置がアクチュエータ10のθZ軸方向の中心位置に対して-θZ軸方向にシフトした場合を示す。この場合、パイプシャフト22a及びブロック23を含む、モールドAの側の部分が、オイルフリーのブッシュ21aが挿入されたホルダ25aの内部をスライドするパイプシャフト22aに起因して、-Y軸方向に移動する。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのY軸方向に発生するミスアライメントの負荷を吸収することができる。モールドAの側の部分は、パイプシャフト22bを介して、-θZ軸方向に回転することになる。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのθZ軸方向に発生するミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0037】
図6Aは、モールドAのZ軸方向の中心位置がアクチュエータ10のZ軸方向の中心位置に対して-Z軸方向にシフトした場合を示す。この場合、モールドAの側の部分(プレート29に固定された部分)は、オイルフリーのブッシュ21bが挿入されたホルダ25bの内部をスライドするパイプシャフト22bに起因して、-Z軸方向に移動する。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのZ軸方向に発生するミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0038】
図6Bは、モールドAのZ軸方向の中心位置がアクチュエータ10のZ軸方向の中心位置に対して+Z軸方向にシフトした場合を示す。この場合、モールドAの側の部分は、オイルフリーのブッシュ21bが挿入されたホルダ25bの内部をスライドするパイプシャフト22bに起因して、-Z軸方向に移動する。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのZ軸方向に発生するミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0039】
図6Cは、モールドAのθY軸方向の中心位置がアクチュエータ10のθY軸方向の中心位置に対して+θY軸方向にシフトした場合を示す。この場合、パイプシャフト22b及びブロック23を含む、モールドAの側の部分(プレート29に固定された部分)は、パイプシャフト22aを介して、+θY軸方向に移動する。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのθY軸方向におけるミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0040】
図6Dは、モールドAのθY軸方向の中心位置がアクチュエータ10の-θY軸方向の中心位置に対して-θY軸方向にシフトした場合を示す。この場合、パイプシャフト22b及びブロック23を含む、モールドAの側の部分は、パイプシャフト22aを介して、-θY軸方向に回転する。これにより、アクチュエータ10のθY軸方向におけるミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0041】
図6Eは、モールドAのZ軸方向の中心位置がアクチュエータ10のZ軸方向の中心位置に対して-Z軸方向にシフトした場合、及び、モールドAのθY軸方向の中心位置がアクチュエータ10のθY軸方向の中心位置に対して+θY軸方向にシフトした場合を示す。この場合、モールドAの側の部分は、オイルフリーのブッシュ21bが挿入されたホルダ25bの内部をスライドするパイプシャフト22bに起因して、-Z軸方向に移動する。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのZ軸方向におけるミスアライメントの負荷を吸収することができる。パイプシャフト22b及びブロック23を含む、モールドAの側の部分は、パイプシャフト22aを介して、+θY軸方向に回転することになる。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのθY軸方向におけるミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0042】
図6Fは、モールドAのZ軸方向の中心位置がアクチュエータ10のZ軸方向の中心位置に対して-Z軸方向にシフトした場合、及び、モールドAのθY軸方向の中心位置がアクチュエータ10のθY軸方向の中心位置に対して-θZ軸方向にシフトした場合を示す。この場合、モールドAの側の部分は、オイルフリーのブッシュ21bが挿入されたホルダ25bの内部をスライドするパイプシャフト22bに起因して、-Z軸方向に移動する。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのZ軸方向におけるミスアライメントの負荷を吸収することができる。パイプシャフト22b及びブロック23を含む、モールドAの側の部分は、パイプシャフト22aを介して、-θY軸方向に回転することになる。これにより、アクチュエータ10及びモールドAのθY軸方向におけるミスアライメントの負荷を吸収することができる。
【0043】
上述の構成は、パイプシャフト22a及び22bをブロック23で締結する部分が、オイルフリーのブッシュ21a及び21bが挿入されたホルダ25a及び25bの内側で、Y軸、Z軸、θY軸又はθZ軸方向にスライドできることを提供する。これにより、モールドA及びアクチュエータ10のY軸、Z軸、θY軸及びθZ軸方向のそれぞれのミスアライメントの負荷を低減することができる。
【0044】
上述の構成は、リンクユニット20、リンクユニット40、及び、最終的には、アクチュエータ10に余剰負荷がかからないことを保証し、リンクユニット20及びリンクユニット40への破損の可能性を低減し、アクチュエータ10への破損の可能性を低減することができる。典型的には、アクチュエータ10にかかる負荷が大きければ、負荷を考慮して、大きなアクチュエータの選択が必要となる。本実施形態の構成は、これを回避し、コスト削減を図ることができる。上述の構成を選択することによって、射出成形機600に対するコンベヤー装置100Bの過度の位置調整、及び、サイドガイドローラ47及びボトムガイドローラ47の過度の位置調整が不要となる。これにより、装置部品の精密な緩み、及び、組み立て時の組み立て工数を削減することができるため、コストの削減につながる。
【0045】
本実施形態のリンクユニット20及びリンクユニット40は、簡単な方法を用いて、モールドA及びモールドBから、それぞれ、取り外すことができる。以下の説明では、リンクユニット20及びフローティングジョイント300aを例として説明するが、リンクユニット40及びフローティングジョイント300bについても適用される。
【0046】
図7Aは、
図3Cの拡大図を示す。
図7Aでは、丸孔60及び62がプレート29の2つの位置に形成されている。2つの異なる位置において、U形状のスリット61及び63が形成されている。ボルト34及び35(取付部材)は、それぞれ、丸孔60及び62に挿入され、ボルト33及び32は、それぞれ、スリット61及び63に挿入される。
図7Bは、
図7Aの各構成要素を矢印Eの方向から見た場合を示す。4つのボルトは、モールドAに固定されているプレート29の背面を介して、挿入されている。
【0047】
プレート29をモールドAから取り外す場合には、ボルト34及び35が丸孔60及び62から取り外され、ボルト33及び32は、完全に取り外される必要がないため、緩められる。
図8Aは、ボルト34及び35が丸孔60及び62から取り外された場合を示す。
図8Bは、
図8Aの構成要素のそれぞれを矢印Eの方向から見た場合を示す。
【0048】
U形状のスリット61及び63がプレート29に形成されているため、
図9Aに示すように、プレート29を時計回りに回転させることによって、プレート29及びフローティングジョイント300aは、モールドAから容易に取り外すことができる。
図9A乃至9Cは、それぞれ、
図2C乃至2Eに対応する(この構成により、フローティングジョイント300a、並びに、リンク金具44及びフローティングジョイント300bを、同じ工程を介して、容易に取り外すことができる)。
【0049】
リンク金具44及びフローティングジョイント300bを回転させる方向は逆であるが、リンク金具44とフローティングジョイント300bとを互いに分離できる構成であるため、これを達成することができる。別の例示的な実施形態において、リンク金具44及びフローティングジョイント300bを回転させる方向が同じであり、2つの構成要素が一緒に除去される構成が提供される。
【0050】
上述の構成は、構成要素を取り外すことに加えて、構成要素を取り付けることにも適用可能である。例えば、リンクユニット20のフローティングジョイント300aに対して、モールドAに挿入されたスリット61及び63に対応する位置に、ボルト33及び32を用いて、プレート29をフィットさせることができる。
【0051】
上述したように、位置決めピン30及び31は、モールドAに取り付けられ、位置決めピン31にフィットするようにプレート29に形成された孔がある。モールドAとプレート29とは、位置決めピン31がフィットし、
図8Aに示すように、プレート29が反時計回りに回転することを可能にするように、組み立てられる。プレート29は、位置決めピン30に接触する位置に停止する。回転に連動して、モールドAに既に挿入されているボルト33及び32は、スリット61及び63に沿って、プレート29の内部を移動する。ボルト34及び35を丸孔60及び62に挿入して締結し、ボルト33及び32を更に締結することによって、取り付けが完了する。
【0052】
上述の構成は、リンクユニット20を取り外し、取り付けるための構成に関して限定的であるとは見なされない。例えば、別の実施形態では、
図10に示すように、ボルトが取り付けられる3つの位置がある。別の実施形態では、
図11に示すように、プレート29は、必ずしも回転する必要はなく、プレート29をスライドさせることによって移動させることを可能にする構成とすることができる。この構成は、プレート29に形成された、少なくとも1つの丸孔及び1つのスリットを含むこともできる。
【0053】
図11を参照するに、スリット64は、Y軸方向に沿って、プレート29に形成され、ボルト37は、スリット64を介して挿入される。丸孔は、プレート29に形成され、ボルト38は、丸孔に挿入される。プレート29の取り外しは、ボルト38の取り外し、ボルト37の緩め、及び、+Y軸方向へのプレート29のスライドを含む。プレートの取り付けは、ボルト37が挿入された状態で、プレート29を-Y軸方向にスライドさせることを含む。プレート29の固定位置を正確に決めるために、位置決めピン39は、プレート29がそれに押し付けられるように、モールドAに配置される。
【0054】
本実施形態において、スリット64が形成される方向は、スリット64の開口端に向かう方向である。換言すれば、
図7A及び
図8Aの例では反時計回り方向、及び、
図11の例では-Y軸方向が、スリット64が形成される方向である。プレート29は、スリット64が形成される方向とは逆方向にプレート29を移動させることによって、モールドAから取り外すことができる。また、プレート29は、スリット64が形成された方向にプレート29を移動させることによって、モールドAに取り付けることができる。
【0055】
本実施形態では、リンクユニット20を取り外す際に、スリットの位置に取り付けられたボルトを緩めた。これは、限定的であるとは見なされない。スリットの大きさ及びボルトの大きさに応じて、スリットの位置に取り付けられているボルトを緩めずに、プレート29を取り外したり、取り付けたりすることができる。
【0056】
次に、本実施形態のモールドA及びBの構成について説明する。モールドAとモールドBの構成は同じであるため、以下の説明では、モールドAについてのみ説明するが、モールドBについても適用される。
【0057】
図12Aは、モールドAの拡大側面図を示し、
図12Bは、モールドAの拡大上面図を示す。モールドAは、アクチュエータ10に起因する移動の間、ボトムガイドローラ46及びサイドガイドローラ47によって案内される。ローラのそれぞれの間にはギャップがあり、各ローラの大きさの間には個体差がある。これにより、モールドAがローラの間を移動する際に、モールドAがローラ上に残っている場合、大きな負荷がローラにかかる。この状況は、ローラを破損することがある。また、この状況は、リンクユニット20及びアクチュエータ10の損傷につながることもある。
【0058】
上述の状況を克服するために、本実施形態では、モールドAの各ローラとの接触面をテーパ状にしている。
図12Aに示すように、テーパ部は、ボトムガイドローラ46を配置する方向に傾斜している。
図12Bに示すように、テーパ部は、サイドガイドローラ47が配置される方向に傾斜している。
【0059】
図13Aは、モールドがテーパ状でない場合の三面図である。この形状は、ローラ間の移動の間に、大きな負荷がローラにかかった場合、ローラの間でのスムーズな搬送を可能にするものではない。その結果、ローラとモールドとが互いに干渉し、モールドの移動に衝撃を与える可能性がある。
【0060】
図13Bは、モールドAがサイドガイドローラ47に接触する面がテーパ状である場合の三面図である。
図13Bに示すように、θ1の角度を備えるテーパを形成することによって、サイドガイドローラ47の間の移動がスムーズになる。
【0061】
図13Cは、モールドAがサイドガイドローラ47と接触する面、及び、ボトムガイドローラ46と接触する面がテーパ状である場合の三面図である。
図13Cに示すように、θ1の角度を備えるテーパを形成することによって、サイドガイドローラ47の間の移動がスムーズになる。また、モールドAとボトムガイドローラ46との接触面を構成する4つの位置に、θ2の角度を有するテーパを形成することによって、ボトムガイドローラ46の間の移動がスムーズになる。
【0062】
図14は、サイドガイドローラ47とモールドAとの接触位置の上面図である。
図14を参照して、モールドAに加工されるテーパの最小寸法の決定方法について説明する。
【0063】
2つのサイドガイドローラ47のX軸方向の空間をL1とし、2つのサイドガイドローラのY軸方向のミスアライメント量をX1とする。モールドAが現在のサイドガイドローラ47に接触すると、次のサイドガイドローラ47に移動する直前まで、モールドAの位置が安定するため、モールドAのテーパ長さL2は、2つのサイドガイドローラ47の間の空間L1よりも短くなる。換言すれば、L2<L1の関係が作成される。
【0064】
サイドガイドローラ47の大きさには個体差があり、取り付け位置のばらつきもある。これらを合わせて、Y軸方向に発生するミスアライメント量X1を形成する。サイドガイドローラ47のY軸方向におけるミスアライメントに起因して、モールドAが移動の間にサイドガイドローラ47と干渉しないようにするためには、テーパのY軸方向の長さは、X2>X1の関係となる。
【0065】
モールドAのサイドパネルをテーパ加工する場合、モールドAのモールドクランピング動作の間に、テーパ加工された位置が十分な強度を有していない可能性がある。この状況は、
図15に示される。
図15は、モールドAの上面図であり、固定モールド2aと接触する固定プラテン4a、及び、可動モールド3aと接触する可動プラテン5aを示す。固定プラテン4aは、クランプ機構(不図示)によってクランプされ、図示した矢印の方向に、固定モールド2aに力がかかる。可動プラテン5aは、クランプ機構(不図示)によってクランプされ、図示した矢印の方向に、可動モールド3aに力がかかる。
【0066】
テーパの結果として、固定プラテン4aが固定モールド2aに接触しない範囲、及び、可動プラテン5aが可動モールド3aに接触しない範囲が形成される。
図15において、これらの範囲でY軸方向に挟まれた領域は、参照番号71によって示される。固定モールド2aと固定プラテン4aとが接触する範囲と、可動モールド3aと可動プラテン5aとが接触する範囲とのY軸方向に挟まれた領域は、参照番号70によって示される。領域71の両サイドから伝達される力は領域70よりも小さいため、力は、成形部品に影響を与える可能性がある。従って、モールドAが成形部品を製造するためのキャビティは、まさに、領域70に存在する。
【0067】
上述したように、ローラがモールドAのサイドパネル及びボトムパネルに配置される方向に対してテーパ面を形成することによって、負荷の少ないスムーズな移動が実現される。
【0068】
本実施形態において、サイドパネル及びボトムパネルの両サイドは、Y軸方向にテーパ状になっている。別の例示的な実施形態では、1つのサイドのみがY軸方向にテーパ状になっている構成である。別の例示的な実施形態では、サイドパネル及びボトムパネルのX軸方向の両サイドは、テーパ状になっている。更に、別の例示的な実施形態では、1つのサイドのみがX軸方向にテーパ状になっている構成である。
【0069】
本実施形態において、モールドAの側面の一部がテーパ状となっている。別の例示的な実施形態では、モールドAの側面全体がテーパ状となっている構成である。
【0070】
上述した例示的な実施形態において、フローティングジョイント300aは、モールドAに取り付けられる。別の例示的な実施形態では、フローティングジョイント300aは、アクチュエータ10に取り付けられてもよい。上述した例示的な実施形態において、フローティングジョイント300bは、モールドBに取り付けられる。別の例示的な実施形態では、フローティングジョイント300bは、モールドAに取り付けられてもよい。
【0071】
上述した例示的な実施形態において、駆動部100Aは、コンベヤー装置100Bの直上に取り付けられ、モールドAとモールドBとは、リンクユニット40とリンクされている。
図16A及び
図16Bに示す別の例示的な実施形態では、モールドAとモールドBとは、リンクされていない。この場合、リンクユニット20は、フローティングユニット300と、リンク金具43とを含む。
【0072】
図16A及び
図16Bに示す構成では、モールドB(不図示)にリンクされた別個のアクチュエータ(不図示)を含むコンベヤー装置100Cは、射出成形機600のコンベヤー装置100Bとは反対側に配置することができる。アクチュエータ10とモールドBとの間のリンクユニットは、
図16A及び
図16Bに示すリンクユニット20と同じ構成を有する。
【0073】
上述の説明は、取り扱い、Y軸方向、Z軸方向、θY軸方向及びθZ軸方向のミスアライメントに対するアプローチについて説明した。上述したアプローチは、限定的であるとは見なされない。別の例示的な実施形態では、モールドクランピング又はモールド移動に起因するZ軸方向及びθZ軸方向のミスアラインメントのみが取り扱われる。
【0074】
図17Aは、リンクユニット20、リンクユニット40、及び、モールドA及びBの上面図を示す。
図17Bは、リンクユニット20、リンクユニット40、及び、モールドA及びBの側面図を示す。
図17A及び17Bは、
図2A及び2Bと同様であるが、フローティングジョイント500a及び500bの構成のみが異なる。このように、
図2A及び2Bに関する前述の説明は、
図17A及び17Bに適用可能である。
【0075】
次に、フローティングジョイント500a及び500bの詳細について説明する。フローティングジョイント500a及び500bは、同じ構成を有し、以下の説明では、フローティングジョイント500aについてのみ説明するが、フローティングジョイント500bについても適用可能である。
図18Aは、フローティングジョイント500aの上面図を示し、
図18Bは、フローティングジョイント500aの側面図を示し、
図18Cは、
図18Bに示されている、矢印「D」の方向から見た断面Dを示す。
【0076】
図18A及び
図18Bに示すように、フローティングジョイント500aは、Z軸方向に延在するパイプシャフト22bを備えている。パイプシャフト22bは、2つのボルト36bでY軸方向にクランプされ、ブロック51に対して固定されている。
【0077】
プレート29は、モールドAに締結され、ブロック51は、リンク金具43に締結される。
図18Cに示すように、位置決めピン30及び位置決めピン31は、モールドAに取り付けられている。プレート29の中央に、位置決めピン31のための精密孔が予め開口されている。モールドAとプレート29とは、位置決めピン31がフィットするように組み立てられる。プレート29は、
図18Cに示すように、反時計方向に回転する。プレート29が位置決めピン30と接触する位置において、プレート29は、4つのボルト32乃至35で、モールドAに締結される。
【0078】
パイプシャフト22bは、オイルフリーのブッシュ21bが挿入された2つのホルダ25bによって両端が固定され、Z軸方向にスライドすることによって移動することができる。2つのホルダ25bは、プレート29上に固定されている。パイプシャフト22bのスライド性を向上させるために、蓋26bがホルダ25bに取り付けられてシールし、グリース28bが蓋26bの内面に塗布されている。パイプシャフト22bは、ホルダ25bに固定されていないため、プレート29上に固定された各部は、パイプシャフト22bを軸として回転することができる。換言すれば、Z軸を回転の中心として回転が発生する。
【0079】
図19は、領域800の拡大図を示す。2つのストップピン24bは、Y軸方向に沿って、プレート29上に取り付けられている。ギャップは、ストップピン24bとブロック51との間に設けられている。パイプシャフト22bを中心とした回転(θZ)は、ギャップの領域に発生する。回転量は、ストップピン24bとブロック51とが互いに接触することによって制御される。Z軸方向の平行運動量は、互いに接触するブロック51及びホルダ25bのサイドパネルによって制御される。
【0080】
上述したように、パイプシャフト22bをブロック51で締結する部分は、オイルフリーのブッシュ21bが挿入されたホルダ25bの内部で、Z軸方向及びθZ軸方向にスライドすることが可能な構成を含む。これにより、モールドA及びアクチュエータ10のZ軸方向及びθZ軸方向におけるミスアライメントの負荷を低減させることができる。
【0081】
上述した例示的な実施形態は、モールドA又はモールドBがX軸方向に整列したローラ上を移動する構成を論じた。この構成は、限定的であるとは見なされない。別の例示的な実施形態では、ローラがモールド自体に取り付けられ、それらがコンベヤー装置100B及び100Cのフレームのトップパネル上を移動したとしても、上述したリンクユニットの構成が適用可能である。
【0082】
上述した実施形態は、オイルフリーのブッシング21a及び21bを説明しているが、これらは限定的なものではない。スライドすることができる金属構成要素なのスライド性を提供する任意の構成要素が適用可能である。本文脈における「スライド性」という用語は、丸孔の内面に対して低い摩擦係数で移動することができる構成要素を指す。
【0083】
上述した例示的な実施形態は、2つのパイプシャフト及びオイルフリーのブッシングを備えた構成におけるモールドのミスアライメントに起因する負荷の分散方法を論じる。この構成は、限定的であるとは見なされない。複数のモールドが一緒に移動する方向をアクチュエータによるX軸方向とした場合、各モールドのミスアライメントによって発生する負荷のY軸方向、Z軸方向、θY軸方向及びθZ軸方向への分散を可能とする任意の構成が適用可能である。
【0084】
上述した実施形態において、パイプシャフトは、θY軸方向に回転してY軸方向に移動し、θZ軸方向に回転してZ軸方向に移動する。別の例示的な実施形態では、パイプシャフトは、ベアリングなどのブッシュ部で、θY軸方向及びθZ軸方向に回転し、別個のリニアガイドなどの直線運動ガイド機構部で、Y軸方向及びZ軸方向に移動することができる。
【0085】
別の例示的な実施形態では、モールドを移動するために、幾つかのモールドが1つのスライダ(ベルトコンベヤ)上に配置される。この実施形態では、複数のモールドは、1つのアクチュエータで移動させることができ、射出成形を効率的、且つ、低コストで行うことができる。
【0086】
定義
説明を参照する際に、開示された例の完全な理解を提供するために、特定の詳細が記載される。他の例では、本開示を不必要に長くしないために、周知の方法、手順、構成要素及び回路は、詳細に説明されていない。
【0087】
ここで、要素又は部品が別の要素又は部品の「上に」、「対して」、「接続されて」、又は「結合されて」いると言及される場合、それは、他の要素又は部品の上に直接、対して、接続され、又は結合されることができ、或いは、介在する要素又は部品が存在することができることを理解されたい。対照的に、要素が別の要素又は部品の「直接上に」、「直接接続されて」又は「直接結合されて」いると言及される場合、介在する要素又は部品は存在しない。使用時、用語「及び/又は」は、そのように提供される場合、1つ以上の関連するリストされたアイテムの任意及び全ての組み合わせを含む。
【0088】
「下(under)」、「下(beneath)」、「下(below)」「上(lower)」、「上(above)」、「上(upper)」、「近位(proximal)」、「遠位(distal)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、説明を容易にするために、様々な図面に示すように、1つの要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を説明するために使用することができる。但し、空間的に相対的な用語は、図面に示す向きに加えて、使用又は動作におけるデバイスの異なる向きを包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図面におけるデバイスが裏返されている場合、他の要素又は特徴の「下(below)」又は「下(beneath)」として記述されている要素は、他の要素又は特徴の「上(above)」に配向されることになる。従って、「下(below)」などの相対的な空間的用語は、上と下の両方の配向を包含することができる。デバイスは、他の方法で配向されてもよく(90度回転、又は、他の配向)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈されるべきである。同様に、相対的な空間的用語「近位(proximal)」及び「遠位(distal)」も、適用可能であれば、交換可能であってもよい。
【0089】
本明細書で使用される用語「約」は、例えば、10%以内、5%以内、又は、それ未満を意味する。幾つかの実施形態において、用語「約」は、測定誤差内を意味してもよい。
【0090】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書では、様々な要素、構成要素、領域、部品及び/又は部分を説明するために使用される。これらの要素、構成要素、領域、部品及び/又は部分は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、部品又は部分を、別の領域、部品又は部分から区別するためにのみ使用される。従って、以下で説明する第1要素、構成要素、領域、部品又は部分は、本明細書の教示から逸脱することなく、第2要素、構成要素、領域、部品又は部分と称することができる。
【0091】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。開示を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)における用語「a」、「an」、「the」、及び、同様の指示対象の使用は、本明細書中で別段の指示がない限り、又は、文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、及び、「含む(containing)」は、別段の指示がない限り、限定されない用語(即ち、「含むが、限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。具体的には、これらの用語が本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を指定するが、明示的に記載されていない1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。本明細書の数値範囲の列挙は、本明細書で特に指摘しない限り、単に、その範囲内にある各個別の値を個々に参照する簡略化された方法としての役割を果たすことだけを意図しており、各個別の値は、本明細書で個々に記載されているかのように、明細書に組み込まれる。例えば、範囲10~15が開示される場合、11、12、13及び14も開示される。本明細書に記載した全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、或いは、明らかに文脈に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書で提供される任意及び全ての例、又は、例示的な言語(例えば、「など(such as)」)の使用は、単に、本開示をより明確にすることを意図したものであり、特に主張されない限り、本開示の範囲に対する限定を提示するものではない。本明細書の如何なる言語も、本開示の実施に不可欠であるとして特許請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0092】
本開示の方法及び組成物は、様々な実施形態の形態に組み込むことができ、そのうちの幾つかのみが本明細書に開示されることが理解されるであろう。これらの実施形態の変形は、前述の説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待し、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本開示が実施されることを意図している。従って、本開示は、適用法によって許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載された主題の全ての修正及び均等物を含む。更に、本明細書で別段の指示がない限り、又は、文脈によって明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形における上述の要素の任意の組合せが、本開示に包含される。