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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】アンテナ切り替えのスケジューリング
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/02 20090101AFI20240729BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20240729BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240729BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240729BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H04W88/02 140
H04W52/02 110
H04W88/06
H04W16/28 130
H04B7/06 100
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022512410
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2020048588
(87)【国際公開番号】W WO2021041947
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】16/557,783
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】タワット・ゴパル
(72)【発明者】
【氏名】スコット・フーヴァー
(72)【発明者】
【氏名】デファン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】シュリダール・バンダル
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-273705(JP,A)
【文献】特開平05-206903(JP,A)
【文献】特開2018-078564(JP,A)
【文献】特開2002-033688(JP,A)
【文献】特表2016-518768(JP,A)
【文献】特開2004-297795(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0004802(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/06
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチアンテナユーザ機器(UE)におけるワイヤレス通信のための方法であって、
第1のアンテナを使用して基地局と通信するステップと、
前記第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えるかどうかを決定するために通信メトリクスを評価するステップと、
前記基地局と通信するために前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えると決定するステップであって、前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えるとの前記決定は、前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えるかどうかを決定するために、前記通信メトリクスを第1の閾値と比較することを含む、ステップと、
前記基地局との通信が中断されるサイレンスウィンドウを決定するステップであって、前記サイレンスウィンドウが測定間隔に対応する、ステップと、
前記切り替えを実行するために前記サイレンスウィンドウを待つか、それとも前記サイレンスウィンドウの前に前記切り替えを実行するかを決定するために、前記通信メトリクスを第2の閾値と比較するステップと、
前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えるとの前記決定と、前記サイレンスウィンドウの開始との間の時間の長さを決定するステップと、
前記時間の長さと閾値の時間を比較するステップと、
前記通信メトリクスと前記第2の閾値との前記比較に基づいて、かつ前記時間の長さが前記閾値の時間未満であることに基づいて、前記サイレンスウィンドウの間に発生するように前記第1のアンテナから前記第2のアンテナへの前記切り替えをスケジューリングするステップと、
前記サイレンスウィンドウの間に前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えるステップと
を備える、方法。
【請求項2】
前記通信メトリクスが、ダウンリンク通信メトリクスおよびアップリンク通信メトリクスの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の閾値および前記第2の閾値の各々が、1つまたは複数のダウンリンク閾値および1つまたは複数のアップリンク閾値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、または両方が、第1の無線アクセス技術(RAT)および第2のRATの間で共有されるかどうかを決定するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のRATおよび前記第2のRATを使用して前記第1のアンテナを介して通信するステップと、
前記第1のRATおよび前記第2のRATを使用して前記第2のアンテナを介して通信するステップと
をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のRATおよび前記第2のRATを使用した通信が前記サイレンスウィンドウの間に中断される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、または両方が、第1の無線アクセス技術(RAT)および第2のRATの間で共有され、
前記サイレンスウィンドウが、前記第1のRATと前記第2のRATの両方のための測定間隔に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記サイレンスウィンドウが、接続モード不連続受信(CDRX)オフ時間長に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、または両方が、第1の無線アクセス技術(RAT)および第2のRATの間で共有され、
前記サイレンスウィンドウが、前記第1のRATの接続モード不連続受信(CDRX)オフ時間長が前記第2のRATのCDRXオフ時間長と時間的に重複するウィンドウに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記マルチアンテナUEにおける現在のアクティブなサービスが音声サービスであると決定するステップをさらに備え、
前記音声サービスがサイレンス間隔記述子パケットを有し、
前記サイレンスウィンドウが、前記サイレンス間隔記述子パケットと関連付けられる音声サイレンス時間長に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基地局と通信するために前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えるための時間の長さに対応する切り替え時間長を決定するステップと、
前記サイレンスウィンドウの時間の長さに対応するサイレンス時間長を決定するステップと、
前記切り替え時間長を前記サイレンス時間長と比較するステップと
をさらに備え、前記サイレンス時間長が前記切り替え時間長以上であることに応答して、前記第1のアンテナから前記第2のアンテナへの前記切り替えが前記サイレンスウィンドウの間にスケジューリングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
アップリンク多入力多出力(MIMO)構成において前記第1のアンテナおよび第3のアンテナを使用して前記基地局と通信するステップと、
前記基地局とのアップリンク通信のために、前記第1のアンテナおよび前記第3のアンテナから前記第2のアンテナおよび第4のアンテナに切り替えると決定するステップと、
前記サイレンスウィンドウの間に発生するように前記第1のアンテナおよび前記第3のアンテナから前記第2のアンテナおよび前記第4のアンテナへの前記切り替えをスケジューリングするステップと、
前記サイレンスウィンドウの間に前記第1のアンテナおよび前記第3のアンテナから前記第2のアンテナおよび前記第4のアンテナに切り替えるステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のアンテナから切り替えると決定するステップが、前記第3のアンテナから切り替えると決定することとは独立である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ワイヤレス通信のための装置であって、
第1のアンテナを使用して基地局と通信するための手段と、
前記第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えるかどうかを決定するために通信メトリクスを評価するための手段と、
前記基地局と通信するために前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えると決定するための手段であって、前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えるとの前記決定は、前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えるかどうかを決定するために、前記通信メトリクスを第1の閾値と比較することを含む、手段と、
前記基地局との通信が中断されるサイレンスウィンドウを決定するための手段であって、前記サイレンスウィンドウが測定間隔に対応する、手段と、
前記切り替えを実行するために前記サイレンスウィンドウを待つか、それとも前記サイレンスウィンドウの前に前記切り替えを実行するかを決定するために、前記通信メトリクスを第2の閾値と比較するための手段と、
前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えるとの前記決定と、前記サイレンスウィンドウの開始との間の時間の長さを決定するための手段と、
前記時間の長さと閾値の時間を比較するための手段と、
前記通信メトリクスと前記第2の閾値との前記比較に基づいて、かつ前記時間の長さが前記閾値の時間未満であることに基づいて、前記サイレンスウィンドウの間に発生するように前記第1のアンテナから前記第2のアンテナへの前記切り替えをスケジューリングするための手段と、
前記サイレンスウィンドウの間に前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに切り替えるための手段と
を備える、装置。
【請求項15】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく優先権の主張
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照によって本明細書に明確に組み込まれる、2019年8月30日に出願された「ANTENNA SWITCH SCHEDULING」という表題の非仮出願第16/557,783号の優先権を主張する。
【0002】
以下は、全般にワイヤレス通信に関し、より詳細には、マルチアンテナユーザ機器(UE)におけるアンテナ切り替えのスケジューリングに関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは、音声、ビデオ、パケットデータ、メッセージング、ブロードキャストなどの、様々なタイプの通信コンテンツを提供するために広く展開されている。これらのシステムは、利用可能なシステムリソース(たとえば、時間、周波数、および電力)を共有することによって、複数のユーザとの通信をサポートすることが可能であり得る。そのような多元接続システムの例は、E-UTRA、Long Term Evolution(LTE)システム、またはLTE-Advanced(LTE-A)システムなどの第4世代(4G)システム、およびNew Radio(NR)システムと呼ばれ得る第5世代(5G)システムを含む。これらのシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、または離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-S-OFDM)などの技術を採用することがある。ワイヤレス多元接続通信システムは、ユーザ機器(UE)としても知られている複数の通信デバイスのための通信を各々が同時にサポートする、いくつかの基地局またはネットワークアクセスノードを含み得る。
【0004】
一般に、基地局およびUEは、順方向リンクおよび逆方向リンクでの送信を介して通信する。順方向リンク(またはダウンリンク)は、基地局からUEへの通信リンクを指し、逆方向リンク(またはアップリンク)は、UEから基地局への通信リンクを指す。順方向および/または逆方向リンクは、単入力単出力(SISO)、多入力単出力(MISO)、または多入力多出力(MIMO)システムを介して確立され得る。複数のアンテナを利用するデバイスでは、所望の性能を達成するためにアンテナを切り替えるための(たとえば、デバイスの持ち方により遮蔽され得るあるアンテナを使用することから切り替えるために)、アルゴリズムが存在することがある。その上、一部のUEは、E-UTRA New Radio-Dual Connectivity(EN-DC)モードなどにおける、多元無線アクセス技術を使用して、基地局と通信するように構成され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
説明される技法は、マルチアンテナユーザ機器(UE)におけるアンテナ切り替えのスケジューリングをサポートする、改善された方法、システム、デバイス、または装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マルチアンテナUEにおけるワイヤレス通信の方法が説明される。方法は、第1のアンテナを使用して基地局と通信するステップと、基地局と通信するために第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えると決定するステップと、基地局との通信が中断されるサイレンスウィンドウを決定するステップと、サイレンスウィンドウの間に発生するように第1のアンテナから第2のアンテナへの切り替えをスケジューリングするステップと、サイレンスウィンドウの間に第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えるステップとを含み得る。
【0007】
マルチアンテナUEが説明される。UEは、第1のアンテナと、第2のアンテナと、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、UEに、第1のアンテナを使用して基地局と通信させ、基地局と通信するために第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えると決定させ、基地局との通信が中断されるサイレンスウィンドウを決定させ、サイレンスウィンドウの間に発生するように第1のアンテナから第2のアンテナへの切り替えをスケジューリングさせ、サイレンスウィンドウの間に第1のアンテナから第2のアンテナへ切り替えさせるように、プロセッサによって実行可能であり得る。
【0008】
ワイヤレス通信のための装置が説明される。装置は、第1のアンテナを使用して基地局と通信するための手段と、基地局と通信するために第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えると決定するための手段と、基地局との通信が中断されるサイレンスウィンドウを決定するための手段と、サイレンスウィンドウの間に発生するように第1のアンテナから第2のアンテナへの切り替えをスケジューリングするための手段と、サイレンスウィンドウの間に第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えるための手段とを含み得る。
【0009】
ワイヤレス通信のためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が説明される。コードは、第1のアンテナを使用して基地局と通信し、基地局と通信するために第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えると決定し、基地局との通信が中断されるサイレンスウィンドウを決定し、サイレンスウィンドウの間に発生するように第1のアンテナから第2のアンテナへの切り替えをスケジューリングし、サイレンスウィンドウの間に第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えるように、プロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の態様による、マルチアンテナユーザ機器(UE)におけるアンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするワイヤレス通信のためのシステムの例を示す図である。
図2】本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするマルチアンテナUEの部分のブロック図である。
図3】本開示の態様による、多入力多出力(MIMO)アンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするマルチアンテナUEの部分のブロック図である。
図4】本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングにおけるUEの動作を図示する時系列図である。
図5】本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングにおけるUEの動作を図示する時系列図である。
図6】本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングにおけるUEの動作を図示する時系列図である。
図7】本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングにおけるUEの動作を図示する時系列図である。
図8】本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングにおけるUEの動作を図示する時系列図である。
図9】本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするデバイスのブロック図である。
図10】本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするマルチアンテナUEを含むシステムのブロック図である。
図11】本開示の態様による、マルチアンテナUEにおけるアンテナ切り替えのスケジューリングのための方法を示す図である。
図12】本開示の態様による、マルチアンテナUEにおけるアンテナ切り替えのスケジューリングのための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の様々な態様は、マルチアンテナユーザ機器(UE)におけるアンテナ切り替えをスケジューリングするための技法を提供する。一態様では、UEは、基地局と通信する際に、第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えると決定し得る。あるアンテナから別のアンテナへの切り替えは、UEの構成要素(たとえば、電力増幅器などのフロントエンド構成要素)の損傷を避けるために、および/または、構成要素の設定(たとえば、アンテナ切り替えダイバーシチ(ASDIV)構成)を変更するために、通信の中断を伴い得る。基地局との接続の間に通信を中断すると、通信遅延および/または障害が生じ得る。ある態様では、UEは、近づいているサイレンスウィンドウが利用可能かどうかを決定してもよく、サイレンスウィンドウの間に発生するようにアンテナの切り替えをスケジューリングしてもよい。いくつかの態様では、アンテナ切り替えをスケジューリングすることで、送信および/または受信の中断もしくは空白による接続の障害または喪失を減らすことができる。
【0012】
最初に、本開示の態様は、ワイヤレス通信システムの文脈で説明される。本開示の態様はさらに、マルチアンテナUEにおけるアンテナ切り替えのスケジューリングに関する装置図、時系列図、システム図、およびフローチャートによって示され、それらを参照して説明される。
【0013】
図1は、本開示の様々な態様による、マルチアンテナUEにおけるアンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするワイヤレス通信システム100の例を示す。ワイヤレス通信システム100は、基地局105と、UE115と、コアネットワーク130とを含む。いくつかの態様では、ワイヤレス通信システム100は、Long Term Evolution(LTE)ネットワーク、LTE Advanced(LTE-A)ネットワーク、またはNew Radio(NR)ネットワークであり得る。いくつかの場合、ワイヤレス通信システム100は、拡張ブロードバンド通信、超高信頼性(たとえば、ミッションクリティカル)通信、低レイテンシ通信、または低コストで低複雑度のデバイスとの通信をサポートしてもよい。
【0014】
基地局105は、1つまたは複数の基地局アンテナを介して、UE115とワイヤレスに通信し得る。本明細書で説明される基地局105は、トランシーバ基地局、無線基地局、アクセスポイント、無線トランシーバ、NodeB、eNodeB(eNB)、次世代NodeBもしくはgiga-NodeB(それらのうちのいずれもgNBと呼ばれることがある)、Home NodeB、Home eNodeB、またはいくつかの他の適切な用語を含むことがあり、あるいは当業者によってそのように呼ばれることがある。ワイヤレス通信システム100は、異なるタイプの基地局105(たとえば、マクロセル基地局またはスモールセル基地局)を含み得る。本明細書で説明されるUE115は、マクロeNB、スモールセルeNB、gNB、リレー基地局などを含む、様々なタイプの基地局105およびネットワーク機器と通信することが可能であり得る。
【0015】
各基地局105は、様々なUE115との通信がサポートされる特定の地理的カバレッジエリア110と関連付けられてもよい。各基地局105は、通信リンク125を介してそれぞれの地理的カバレッジエリア110に通信カバレッジを提供してもよく、基地局105とUE115との間の通信リンク125は、1つまたは複数のキャリアを利用してもよい。ワイヤレス通信システム100に示される通信リンク125は、UE115から基地局105へのアップリンク送信または基地局105からUE115へのダウンリンク送信を含んでもよい。ダウンリンク送信は、順方向リンク送信と呼ばれることもあり、アップリンク送信は、逆方向リンク送信と呼ばれることもある。
【0016】
基地局105のための地理的カバレッジエリア110は、地理的カバレッジエリア110の一部分のみを構成するセクタに分割されてもよく、各セクタはセルと関連付けられてもよい。いくつかの態様では、各基地局105は、マクロセル、スモールセル、ホットスポット、もしくは他のタイプのセル、またはそれらの様々な組合せのための通信カバレッジを提供してもよい。いくつかの態様では、基地局105は可動であってもよく、したがって、移動する地理的カバレッジエリア110に通信カバレッジを提供してもよい。いくつかの態様では、異なる技術と関連付けられる異なる地理的カバレッジエリア110が重複することがあり、異なる技術と関連付けられる、重複する地理的カバレッジエリア110は、同じ基地局105によって、または異なる基地局105によってサポートされることがある。ワイヤレス通信システム100は、たとえば、異なるタイプの基地局105が様々な地理的カバレッジエリア110のためのカバレッジを提供する異種LTE/LTE-AまたはNRネットワークを含み得る。
【0017】
「セル」という用語は、(たとえば、キャリアを介した)基地局105との通信のために使用される論理通信エンティティを指し、同じかまたは異なるキャリアを介して動作する隣接セルを区別するための識別子(たとえば、物理セル識別子(PCID)、仮想セル識別子(VCID))と関連付けられてもよい。いくつかの態様では、キャリアは、複数のセルをサポートすることがあり、異なるセルは、異なるタイプのデバイスのためのアクセスを提供することがある異なるプロトコルタイプ(たとえば、マシンタイプ通信(MTC)、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、または他のもの)に従って構成されてもよい。いくつかの場合、「セル」という用語は、その上で論理エンティティが動作する地理的カバレッジエリア110(たとえば、セクタ)の一部分を指すことがある。
【0018】
UE115は、ワイヤレス通信システム100全体にわたって分散していることがあり、各UE115は固定式または移動式であり得る。UE115はまた、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、リモートデバイス、ハンドヘルドデバイス、もしくは加入者デバイス、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることがあり、「デバイス」はユニット、局、端末、またはクライアントと呼ばれることもある。UE115はまた、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはパーソナルコンピュータなどのパーソナル電子デバイスであってもよい。いくつかの例では、UE115はまた、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、モノのインターネット(IoT)デバイス、あらゆるモノのインターネット(IoE)デバイス、またはMTCデバイスなどを指すことがあり、これらは、アプライアンス、車両、メーターなどの様々な物品において実装されることがある。
【0019】
MTCデバイスまたはIoTデバイスなど、いくつかのUE115は、低コストまたは低複雑度のデバイスであることがあり、機械間の自動化された通信(たとえば、マシンツーマシン(M2M)通信による)を提供し得る。M2M通信またはMTCは、人が介在することなく、デバイスが互いにまたは基地局105と通信することを可能するデータ通信技術を指すことがある。いくつかの態様では、M2M通信またはMTCは、センサーまたはメーターを組み込んで情報を測定または獲得し、その情報を利用できる中央サーバもしくはアプリケーションプログラムにその情報を中継するか、またはプログラムもしくはアプリケーションと対話する人間にその情報を提示する、デバイスからの通信を含むことがある。いくつかのUE115は、情報を収集し、または機械の自動化された挙動を可能にするように設計されてもよい。MTCデバイスの応用の例には、スマートメータリング、在庫監視、水位監視、機器監視、ヘルスケア監視、野生生物監視、天候および地質学的事象監視、フリート管理および追跡、リモートセキュリティ検知、物理的アクセス制御、ならびにトランザクションベースのビジネス課金がある。
【0020】
いくつかのUE115は、半二重通信などの、電力消費を低減する動作モード(たとえば、送信または受信を介した単方向通信をサポートするが、送信および受信を同時にはサポートしないモード)を利用するように構成されてもよい。いくつかの態様では、半二重通信は、低減されたピークレートで実行され得る。UE115のための他の電力節約技法は、アクティブな通信に関与していないときに省電力「ディープスリープ」モードに入ること、または限定された帯域幅を介して(たとえば、狭帯域通信に従って)動作することを含む。いくつかの場合、UE115は、クリティカルな機能(たとえば、ミッションクリティカルな機能)をサポートするように設計されてもよく、ワイヤレス通信システム100は、これらの機能のために超高信頼通信を提供するように構成されてもよい。
【0021】
いくつかの場合、UE115はまた、(たとえば、ピアツーピア(P2P)プロトコルまたはデバイス間(D2D)プロトコルを使用して)他のUE115と直接通信できることがある。D2D通信を利用するUE115のグループのうちの1つまたは複数が、基地局105の地理的カバレッジエリア110内にあることがある。そのようなグループの中の他のUE115は、基地局105の地理的カバレッジエリア110の外側にあることがあり、または別様に基地局105からの送信を受信できないことがある。いくつかの場合、D2D通信を介して通信するUE115のグループは、各UE115がグループの中のあらゆる他のUE115へ送信する1対多(1:M)システムを利用することがある。いくつかの場合、基地局105が、D2D通信のためのリソースのスケジューリングを容易にする。他の場合には、D2D通信は、基地局105が関与することなく、UE115間で実行される。
【0022】
基地局105は、コアネットワーク130とおよび互いと通信し得る。いくつかの態様では、基地局105は、バックホールリンク132を通じて(たとえば、S1または他のインターフェースを介して)コアネットワーク130とインターフェースし得る。基地局105は、バックホールリンク134を介して(たとえば、X2または他のインターフェースを介して)、直接(たとえば、基地局105の間で直接)または間接的に(たとえば、コアネットワーク130を介して)のいずれかで互いに通信し得る。
【0023】
コアネットワーク130は、ユーザ認証、アクセス許可、追跡、インターネットプロトコル(IP)接続性、および他のアクセス機能、ルーティング機能、またはモビリティ機能を提供し得る。コアネットワーク130は、evolved packet core(EPC)であってもよく、EPCは、少なくとも1つのモビリティ管理エンティティ(MME)と、少なくとも1つのサービングゲートウェイ(S-GW)と、少なくとも1つのパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)とを含んでもよい。MMEは、EPCと関連付けられる基地局105によってサービスされるUE115のためのモビリティ、認証、およびベアラ管理などの、非アクセス層(たとえば、制御プレーン)機能を管理してもよい。ユーザIPパケットは、それ自体がP-GWに接続され得るS-GWを通じて転送され得る。P-GWは、IPアドレス割振りならびに他の機能を提供し得る。P-GWは、ネットワーク事業者のIPサービスに接続され得る。事業者IPサービスは、インターネット、イントラネット、IPマルチメディアサブシステム(IMS)、またはパケット交換(PS)ストリーミングサービスへのアクセスを含み得る。
【0024】
基地局105などのネットワークデバイスのうちの少なくともいくつかは、アクセスネットワークエンティティなどの下位構成要素を含んでもよく、アクセスネットワークエンティティは、アクセスノードコントローラ(ANC)の例であってもよい。各アクセスネットワークエンティティは、無線ヘッド、スマート無線ヘッド、または送信/受信ポイント(TRP)と呼ばれることがある、いくつかの他のアクセスネットワーク送信エンティティを通じて、UE115と通信してもよい。いくつかの構成では、各アクセスネットワークエンティティまたは基地局105の様々な機能は、様々なネットワークデバイス(たとえば、無線ヘッドおよびアクセスネットワークコントローラ)にわたって分散していてもよく、または単一のネットワークデバイス(たとえば、基地局105)に統合されてもよい。
【0025】
ワイヤレス通信システム100は、通常は300MHzから300GHzの範囲にある、1つまたは複数の周波数帯域を使用して動作し得る。一般に、300MHzから3GHzの領域は、極超短波(UHF)領域またはデシメートル帯域として知られているが、これは、波長の長さが、およそ1デシメートルから1メートルに及ぶからである。UHF波は、建物および環境特性によって遮蔽されることがあり、または方向転換されることがある。しかしながら、これらの波は、マクロセルが屋内に位置するUE115にサービスを提供するのに十分に構造物を貫通し得る。UHF波の送信は、300MHz未満のスペクトルの短波(HF)または超短波(VHF)部分のより低い周波数およびより長い波を使用する送信と比較して、より小型のアンテナおよびより短い距離(たとえば、100km未満)に関連することがある。
【0026】
ワイヤレス通信システム100はまた、センチメートル帯域としても知られている、3GHzから30GHzの周波数帯域を使用する超高周波(SHF)領域において動作することがある。SHF領域は、他のユーザからの干渉を許容することができるデバイスによって機会主義的に使用され得る、5GHz産業科学医療(ISM)帯域などの帯域を含む。
【0027】
ワイヤレス通信システム100はまた、ミリメートル帯域としても知られている、(たとえば、30GHzから300GHzの)スペクトルの極高周波(EHF)領域において動作することがある。いくつかの態様では、ワイヤレス通信システム100は、UE115と基地局105との間のミリメートル波(mmW)通信をサポートすることがあり、それぞれのデバイスのEHFアンテナは、UHFアンテナよりも、さらに小さいことがあり、より間隔が密であることがある。いくつかの場合、これは、(たとえば、空間多重化または指向性ビームフォーミングなどの多入力多出力(MIMO)動作のための)UE115内でのアンテナアレイの使用を容易にし得る。しかしながら、EHF送信の伝搬は、SHF送信またはUHF送信よりもさらに大きい大気減衰を受け、到達距離がより短いことがある。本明細書において開示される技法は、1つまたは複数の異なる周波数領域を使用する送信にわたって採用されてもよく、これらの周波数領域にわたる帯域の指定される使用は、国または規制団体によって異なることがある。
【0028】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信システム100は、免許無線周波数スペクトル帯域と免許不要無線周波数スペクトル帯域の両方を利用することがある。たとえば、ワイヤレス通信システム100は、5GHz ISM帯域などの免許不要帯域において、LTE License Assisted Access(LTE-LAA)、またはLTE-Unlicensed(LTE-U)無線アクセス技術、またはNR技術を採用することがある。免許不要無線周波数スペクトル帯域の中で動作するとき、基地局105およびUE115などのワイヤレスデバイスは、データを送信する前に周波数チャネルがクリアであることを保証するために、リッスンビフォアトーク(LBT)手順を採用することがある。いくつかの場合、免許不要帯域における動作は、免許帯域において動作するCCと連携するCA構成に基づいてもよい。免許不要スペクトルの中での動作は、ダウンリンク送信、アップリンク送信、ピアツーピア送信、またはこれらの組合せを含んでもよい。免許不要スペクトルの中での複信は、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、またはその両方の組合せに基づいてもよい。
【0029】
いくつかの場合、基地局105またはUE115のアンテナは、空間多重化などのMIMO動作をサポートすることがある、またはビームフォーミングを送信もしくは受信することがある、1つまたは複数のアンテナまたはアンテナアレイ内に配置されることがある。たとえば、1つまたは複数の基地局アンテナまたはアンテナアレイは、アンテナタワーなどのアンテナアセンブリにおいて一緒に置かれてもよい。いくつかの場合、基地局105と関連付けられるアンテナまたはアンテナアレイは、多様な地理的位置に配置されてもよい。基地局105は、基地局105がUE115との通信のビームフォーミングをサポートするために使用することがあるアンテナポートのいくつかの行および列を伴うアンテナアレイを有してもよい。同様に、UE115は、様々なMIMO動作またはビームフォーミング動作をサポートすることがある1つまたは複数のアンテナアレイを有してもよい。
【0030】
MIMOワイヤレスシステムは、送信デバイス(たとえば、基地局105)と受信デバイス(たとえば、UE115)との間である送信方式を使用し、送信デバイスと受信デバイスの両方が、複数のアンテナを備える。MIMO通信は、異なる空間経路を介して異なる信号を送信または受信することによって無線周波数スペクトル帯域の利用率を高めるために、マルチパス信号伝搬を採用してもよく、これは空間多重化と呼ばれることがある。異なる信号が、たとえば、異なるアンテナまたはアンテナの異なる組合せを介して送信デバイスによって送信されてもよい。同様に、異なる信号が、異なるアンテナまたはアンテナの異なる組合せを介して受信デバイスによって受信されてもよい。異なる信号の各々は、別々の空間ストリームと呼ばれることがあり、所与のデバイスにおける異なるアンテナまたはアンテナの異なる組合せ(たとえば、空間次元と関連付けられるデバイスの直交リソース)は、空間レイヤと呼ばれることがある。
【0031】
空間フィルタリング、指向性送信、または指向性受信と呼ばれることもあるビームフォーミングは、送信デバイスと受信デバイスとの間である方向に沿ってアンテナビーム(たとえば、送信ビームまたは受信ビーム)を成形またはステアリングするために、送信デバイスまたは受信デバイス(たとえば、基地局105またはUE115)において使用されることがある信号処理技法である。アンテナアレイに対して特定の配向で伝搬する信号は強め合う干渉を受けるが、他の信号は弱め合う干渉を受けるように、アンテナアレイのアンテナ素子を介して通信される信号を合成することによって、ビームフォーミングが達成され得る。アンテナ素子を介して通信される信号の調整は、送信デバイスまたは受信デバイスが、デバイスと関連付けられるアンテナ素子の各々を介して搬送される信号にいくらかの位相オフセット、タイミング進み/遅れ、または振幅調整を適用することを含んでもよい。アンテナ素子の各々と関連付けられる調整は、(たとえば、送信デバイスもしくは受信デバイスのアンテナアレイに対する、またはいくつかの他の配向に対する)特定の配向と関連付けられるビームフォーミング重みセットによって定義されてもよい。
【0032】
一態様では、基地局105は、UE115との指向性通信のためのビームフォーミング動作を行うために、複数のアンテナまたはアンテナアレイを使用し得る。たとえば、信号は異なる方向に複数回送信されてもよく、これは、異なる送信の方向と関連付けられる異なるビームフォーミング重みセットに従って信号が送信されることを含んでもよい。受信デバイス(たとえば、mmW受信デバイスの例であり得るUE115)は、同期信号または他の制御信号などの、様々な信号を基地局105から受信するとき、複数の受信ビームを試みてもよい。たとえば、受信デバイスは、異なるアンテナサブアレイを介して受信することによって、異なるアンテナサブアレイに従って受信された信号を処理することによって、アンテナアレイの複数のアンテナ素子において受信された信号に適用された異なる受信ビームフォーミング重みセットに従って受信することによって、またはアンテナアレイの複数のアンテナ素子において受信された信号に適用された異なる受信ビームフォーミング重みセットに従って受信された信号を処理することによって、複数の受信方向を試みることができ、それらのいずれも、異なる受信ビームまたは受信方向に従った「聴取」と呼ばれることがある。
【0033】
いくつかの場合、ワイヤレス通信システム100は、階層化プロトコルスタックに従って動作するパケットベースのネットワークであってもよい。ユーザプレーンでは、ベアラまたはパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)レイヤにおける通信は、IPベースであってもよい。無線リンク制御(RLC)レイヤは、いくつかの場合、論理チャネルを介して通信するために、パケットのセグメント化および再アセンブリを実行してもよい。媒体アクセス制御(MAC)レイヤは、優先処理、およびトランスポートチャネルへの論理チャネルの多重化を実行してもよい。MACレイヤは、MACレイヤにおける再送信を行ってリンク効率を改善するために、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)を使用することもできる。制御プレーンでは、無線リソース制御(RRC)プロトコルレイヤが、ユーザプレーンデータのための無線ベアラをサポートする、UE115と基地局105またはコアネットワーク130との間のRRC接続の確立、構成、および保守を行い得る。物理(PHY)レイヤにおいて、トランスポートチャネルが物理チャネルにマッピングされ得る。
【0034】
いくつかの場合、UE115および基地局105は、データが受信に成功する可能性を高めるために、データの再送信をサポートすることがある。HARQフィードバックは、データが通信リンク125を介して正確に受信される可能性を高める1つの技法である。HARQは、(たとえば、巡回冗長検査(CRC)を使用する)誤り検出、前方誤り訂正(FEC)、および再送信(たとえば、自動再送要求(ARQ))の組合せを含み得る。HARQは、劣悪な無線条件(たとえば、信号対雑音条件)の中でMACレイヤにおけるスループットを改善し得る。いくつかの場合、ワイヤレスデバイスが同一スロットHARQフィードバックをサポートすることがあり、同一スロットHARQフィードバックにおいて、デバイスは、特定のスロットの中の前のシンボルにおいて受信されたデータに対するHARQフィードバックを、そのスロットにおいて提供し得る。他の場合には、デバイスは、後続のスロットの中で、またはいくつかの他の時間間隔に従って、HARQフィードバックを提供し得る。
【0035】
LTEまたはNRにおける時間間隔は、たとえば、Ts=1/30,720,000秒のサンプリング期間を指すことがある基本時間単位の倍数で表されてもよい。通信リソースの時間間隔は、10ミリ秒(Tf=307200*Ts)の時間長を各々有する無線フレームに従って編成され得る。無線フレームは、0から1023に及ぶシステムフレーム番号(SFN)によって識別され得る。各フレームは、0から9の番号が付けられた10個のサブフレームを含んでもよく、各サブフレームは、1ミリ秒という時間長を有してもよい。サブフレームは、0.5ミリ秒の時間長を各々が有する2つのスロットにさらに分割されてもよく、各スロットは、(たとえば、各シンボル期間にプリペンドされたサイクリックプレフィックスの長さに応じて)6つまたは7つの変調シンボル期間を含んでもよい。サイクリックプレフィックスを除いて、各シンボル期間は、2048個のサンプリング期間を含んでもよい。いくつかの場合、サブフレームは、ワイヤレス通信システム100の最小のスケジューリング単位であってもよく、送信時間間隔(TTI)と呼ばれることがある。他の場合には、ワイヤレス通信システム100の最小スケジューリング単位は、サブフレームよりも短くてよく、または(たとえば、短縮TTI(sTTI)のバーストの中で、またはsTTIを使用する選択されたコンポーネントキャリアの中で)動的に選択されてもよい。
【0036】
一部のワイヤレス通信システムでは、スロットはさらに、1つまたは複数のシンボルを含む複数のミニスロットへと分割されてもよく、いくつかの事例では、ミニスロットのシンボルまたはミニスロットが、スケジューリングの最小単位であってもよい。各シンボルは、たとえば、サブキャリア間隔または動作の周波数帯域に応じて、時間長が変化してもよい。いくつかのワイヤレス通信システムは、複数のスロットまたはミニスロットがUE115と基地局105との間の通信のために一緒にアグリゲートされ得る、スロットアグリゲーションを実施してもよい。
【0037】
リソース要素は、1つのシンボル期間(たとえば、1変調シンボルの時間長)および1つのサブキャリア(たとえば、15kHzの周波数範囲)からなっていてもよい。リソースブロックは、周波数領域において12個の連続するサブキャリア(たとえば、集合的に「キャリア」を形成する)を含むことがあり、各直交周波数分割多重化(OFDM)シンボルの中のノーマルサイクリックプレフィックスについて、時間領域(1スロット)において7つの連続するOFDMシンボル期間、または周波数領域および時間領域にまたがる合計84個のリソース要素を含むことがある。各リソース要素によって搬送されるビットの数は、変調方式(各シンボル期間の間に適用され得る変調シンボルの構成)に依存してもよい。したがって、UE115が受信するリソース要素が多いほど、および変調方式が高い(たとえば、所与の変調方式に従った変調シンボルにより表され得るビットの数が多い)ほど、UE115に対するデータレートは高くなり得る。MIMOシステムでは、ワイヤレス通信リソースとは、無線周波数スペクトル帯域リソース、時間リソース、および空間リソース(たとえば、空間レイヤ)の組合せを指すことがあり、複数の空間レイヤの使用は、UE115との通信のためのデータレートをさらに高めることがある。
【0038】
「キャリア」という用語は、通信リンク125を介してアップリンクまたはダウンリンク通信をサポートするための定義された組織構造を有する無線周波数スペクトルリソースのセットを指す。たとえば、通信リンク125のキャリアは、周波数チャネルとも呼ばれ得る無線周波数スペクトル帯域の一部分を含んでもよい。いくつかの態様では、キャリアは複数のサブキャリア(たとえば、複数の異なる周波数の波形信号)からなっていてもよい。キャリアは複数の物理チャネルを含むように編成されてもよく、各物理チャネルは、ユーザデータ、制御情報、または他のシグナリングを搬送してもよい。
【0039】
キャリアの組織構造は、異なる無線アクセス技術(たとえば、LTE、LTE-A、NRなど)に対して異なることがある。たとえば、キャリアを介した通信は、TTIまたはスロットに従って編成されることがあり、それらの各々が、ユーザデータの復号をサポートするために、ユーザデータならびに制御情報またはシグナリングを含むことがある。キャリアはまた、専用の取得シグナリング(たとえば、同期信号またはシステム情報など)と、キャリアに対する動作を協調させる制御シグナリングとを含み得る。いくつかの態様では(たとえば、キャリアアグリゲーション構成では)、キャリアはまた、他のキャリアに対する動作を協調させる取得シグナリングまたは制御シグナリングを有し得る。
【0040】
物理チャネルは、様々な技法に従ってキャリア上で多重化されてもよい。物理制御チャネルおよび物理データチャネルは、たとえば、時分割多重化(TDM)技法、周波数分割多重化(FDM)技法、またはハイブリッドTDM-FDM技法を使用して、ダウンリンクキャリア上で多重化されてもよい。いくつかの態様では、物理制御チャネルにおいて送信される制御情報は、カスケード方式で異なる制御領域の間で(たとえば、共通制御領域または共通探索空間と1つまたは複数のUE固有制御領域またはUE固有探索空間との間で)分散していてもよい。
【0041】
キャリアは、無線周波数スペクトルの特定の帯域幅と関連付けられてもよく、いくつかの態様では、キャリア帯域幅は、キャリアまたはワイヤレス通信システム100の「システム帯域幅」と呼ばれることがある。たとえば、キャリア帯域幅は、特定の無線アクセス技術のキャリアのためのいくつかの所定の帯域幅(たとえば、1.4、3、5、10、15、または20MHz)のうちの1つであってもよい。いくつかの態様では、システム帯域幅は、基地局105とUE115との間の通信をスケジューリングするための最小の帯域幅の単位を指し得る。他の態様では、基地局105またはUE115は、システム帯域幅よりも狭い帯域幅を有するキャリアを介した通信もサポートし得る。そのような態様では、システム帯域幅は「広帯域」帯域幅と呼ばれることがあり、より狭い帯域幅は「狭帯域」帯域幅と呼ばれることがある。ワイヤレス通信システム100のいくつかの態様では、広帯域通信は20MHzのキャリア帯域幅に従って実行されてもよく、狭帯域通信は1.4MHzのキャリア帯域幅に従って実行されてもよい。
【0042】
ワイヤレス通信システム100のデバイス(たとえば、基地局またはUE115)は、特定のキャリア帯域幅を介した通信をサポートするハードウェア構成を有してもよく、またはキャリア帯域幅のセットのうちの1つを介した通信をサポートするように構成可能であってもよい。たとえば、基地局105またはUE115は、システム帯域幅に従った何らかの通信(たとえば、広帯域通信)を実行してもよく、より狭い帯域幅に従った何らかの通信(たとえば、狭帯域通信)を実行してもよい。いくつかの態様では、ワイヤレス通信システム100は、2つ以上の異なる帯域幅と関連付けられたキャリアを介した同時通信をサポートすることができる基地局105および/またはUEを含み得る。
【0043】
ワイヤレス通信システム100は、複数のセルまたはキャリア上でのUE115との通信、すなわち、キャリアアグリゲーション(CA)またはマルチキャリア動作と呼ばれることがある機能をサポートし得る。UE115は、キャリアアグリゲーション構成に従って、複数のダウンリンクCCおよび1つまたは複数のアップリンクCCを用いて構成され得る。キャリアアグリゲーションは、FDDコンポーネントキャリアとTDDコンポーネントキャリアの両方とともに使用され得る。
【0044】
いくつかの場合、ワイヤレス通信システム100は、拡張コンポーネントキャリア(eCC)を利用し得る。eCCは、より広いキャリアまたは周波数チャネル帯域幅、より短いシンボル時間長、より短いTTI時間長、または修正された制御チャネル構成を含む、1つまたは複数の機能によって特徴付けられ得る。いくつかの場合、eCCは、(たとえば、複数のサービングセルが準最適または理想的でないバックホールリンクを有するとき)キャリアアグリゲーション構成またはデュアル接続性構成と関連付けられ得る。eCCはまた、(たとえば、2つ以上の事業者が、スペクトルを使用することを許可される場合)免許不要スペクトルまたは共有スペクトルにおいて使用するために構成され得る。広いキャリア帯域幅によって特徴付けられるeCCは、全キャリア帯域幅を監視することが可能ではないか、または(たとえば、電力を節約するために)限られたキャリア帯域幅を使用するように別様に構成されるUE115によって利用され得る、1つまたは複数のセグメントを含み得る。
【0045】
いくつかの場合、eCCは、他のCCとは異なるシンボル時間長を利用してもよく、これは、他のCCのシンボル時間長と比較して短縮されたシンボル時間長の使用を含んでもよい。より短いシンボル時間長は、隣接サブキャリア間の間隔の増大と関連付けられ得る。eCCを利用するUE115または基地局105などのデバイスは、短縮されたシンボル時間長(たとえば、16.67マイクロ秒)で、(たとえば、20、40、60、80MHzなどの周波数チャネルまたはキャリア帯域幅に従って)広帯域信号を送信し得る。eCCにおけるTTIは、1つまたは複数のシンボル期間からなり得る。いくつかの場合、TTI時間長(すなわち、TTI中のシンボル期間の数)は可変であり得る。
【0046】
NRシステムなどのワイヤレス通信システムは、とりわけ、免許スペクトル、共有スペクトル、および免許不要スペクトル帯域の組合せを使用し得る。eCCシンボル時間長およびサブキャリア間隔の柔軟性により、複数のスペクトルにわたるeCCの使用が可能になり得る。いくつかの態様では、NR共有スペクトルは、特にリソースの動的な(たとえば、周波数にわたる)垂直共有および(たとえば、時間にわたる)水平共有を通じて、スペクトル利用率およびスペクトル効率を高め得る。
【0047】
いくつかの場合、UE115は、基地局105と通信するための複数のアンテナを用いて構成され得る。一態様では、UE115は、UE115の第2のアンテナが使用されない間に、基地局105と通信するために第1のアンテナを使用し得る。UE115は、基地局105と通信するために、第1のアンテナの代わりに第2のアンテナを使用することに切り替えると決定することがある。UE115は、基地局105との通信が中断されるサイレンスウィンドウと同時になるように、第1のアンテナから第2のアンテナへの切り替えを機械主義的にスケジューリングし得る。別の態様では、UE115は、UE115の他のアンテナが使用されない間、複数のアンテナを同時に使用して(たとえば、ダウンリンクMIMO(DL-MIMO)および/またはアップリンクMIMO(UL-MIMO)におけるように)基地局105と通信し得る。UE115は、基地局105と通信するために、使用されているアンテナから使用されていないアンテナに切り替えると決定することがあり、サイレンスウィンドウの間に発生するようにその切り替えを機械主義的にスケジューリングしてもよい。アンテナ切り替えのスケジューリングのさらなる説明が以下に記述される。
【0048】
図2は、本開示の様々な態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするUE115の様々な構成要素のブロック図を示す。図2はUE115の1つの例示的な構成であり、UE115の他のマルチアンテナ構成が、本開示の範囲内にあることが企図される。一態様では、UE115はASDIVを利用する。UE115は、切り替え構成要素215に結合された第1のアンテナ(ANT1)205aおよび第2のアンテナ(ANT2)205bを含む。一態様では、第1のアンテナ205aおよび第2のアンテナ205bは、UE115の異なるエリアの中にあり得る(たとえば、UE115の下部のエリアに1つ、UE115の上部のエリアに1つ)。2つのアンテナが図示されているが、2つより多くのアンテナが実装されてもよいことを当業者は認識するだろう。スイッチ215は、第1のアンテナ205aおよび第2のアンテナ205bをUE115の他の構成要素に結合して切り離すように動作可能である。スイッチ215は図2において単一のブロックにより表されているが、スイッチ215は複数のスイッチおよび/または構成要素を含んでもよい。
【0049】
フィルタ構成要素220は、スイッチ215に結合され、選択された周波数の信号を通すように構成され得る。フィルタ220は図2において単一のブロックにより表されているが、フィルタ220は複数のフィルタおよび/または構成要素を含んでもよい。フィルタ220は、1つまたは複数の電力増幅器230および他の信号調整構成要素/回路(たとえば、混合器、増幅器、フィルタ)235を含む、送信(TX)チェーン225に結合され得る。フィルタ220はまた、1つまたは複数の低雑音増幅器(LNA)245および他の信号調整構成要素/回路(たとえば、自動利得制御(AGC)、混合器、増幅器、フィルタ)250を含む、受信(RX)チェーン240に結合され得る。LNA245は、内蔵のAGC機能を含み得る。送信チェーン225および受信チェーン240は、1つまたは複数のプロセッサ255(たとえば、モデム)に結合される。プロセッサ255は、スイッチ215(制御線260により表される)に結合され、基地局105との通信のためのアンテナを選択するための切り替え動作を制御し得る。
【0050】
一態様では、UE115は、一方または両方のアンテナ205a、205bが複数の無線アクセス技術(RAT)に対応する信号を送信および/または受信するように構成される、マルチコネクティビティモード(たとえば、E-UTRA New Radio - Dual Connectivity(EN-DC)モード)で動作するように構成され得る。マルチコネクティビティモードでは、UE115はRAT間でスイッチ215を共有してもよく、RATは、他のフロントエンド構成要素(たとえば、フィルタ、増幅器、混合器)を共有するか、または別個のフロントエンド構成要素もしくはチェーンを有するかのいずれかであってもよい。別の態様では、UE115は、複数のキャリアを使用してキャリアアグリゲーション(CA)モードで動作するように構成され得る。CAモードでは、UE115はキャリア間でスイッチ215を共有してもよく、キャリアは、他のフロントエンド構成要素(たとえば、フィルタ、増幅器、混合器)を共有するか、または別個のフロントエンド構成要素もしくはチェーンを有するかのいずれかであってもよい。
【0051】
プロセッサ255は、送信および/または受信のために使用すべきアンテナを決定するために、任意の数の異なる方法を採用し得る。一態様では、プロセッサ255は、ダウンリンク信号条件、アップリンク信号条件、またはそれらの組合せに対応する通信メトリクスを使用して、使用すべきアンテナを決定し得る。一態様では、プロセッサ225は、受信信号強度メトリクス(たとえば、受信信号強度インジケータ(RSSI)、基準信号受信電力(RSRP)、基準信号受信品質(RSRQ)、または他の信号対雑音(SNR)メトリクス)を使用し得る。一態様では、プロセッサ225は、最大送信電力制限(MTPL)、電力ヘッドルーム(変調およびコーディング方式(MCS)に基づいて変動し得る)、および比吸収率(SAR)バックオフメトリクスなどの、UL送信メトリクスを使用し得る。一態様では、プロセッサ255は、時間にわたってフィルタリングされた通信メトリクス(たとえば、時間平均のメトリクス)を使用し得る。一態様では、プロセッサ255は、アンテナのRSRP(RSRPDelta)間の差が閾値(たとえば、3dB)よりも大きいとき、平均のRSRPDeltaが閾値よりも大きいとき、および/または、ある割合の期間、MTPLに達したときに、あるアンテナから別のアンテナに切り替えると決定し得る。
【0052】
ASDIVは、(たとえば、第1のアンテナ205aから第2のアンテナ205bへの)アンテナ間の切り替えの間に、送信チェーン225の現在の送信を中断すること、および/または、受信チェーン240の構成要素を中断もしくは無効化することを伴い得る。送信チェーン225上での送信は、電力増幅器230などの1つまたは複数の構成要素の損傷を避けるために、空にされ、または中断される必要があり得る。LNA245およびAGC構成要素などの受信チェーン240構成要素は、変化するASDIV構成設定に対応するために、AGCおよびデジタル制御可変利得増幅器(DVGA)の設定またはオフセットを変更するために中断または無効化される必要があり得る。一態様では、プロセッサ255は、サイレンスウィンドウが基地局105との通信の中に存在するかどうか、およびアンテナを切り替えるためにサイレンスウィンドウを待つべきかどうかを決定する。
【0053】
図3は、本開示の様々な態様による、MIMO(たとえば、DL-MIMO、UL-MIMO)応用のためのアンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするUE115の様々な部分のブロック図を示す。図3はUE115の1つの例示的な構成であり、UE115の他のマルチアンテナ構成が、本開示の範囲内にあることが企図される。UE115は、切り替え構成要素315に結合された、第1のアンテナ(ANT1)305a、第2のアンテナ(ANT2)305b、第3のアンテナ(ANT3)305c、および第4のアンテナ(ANT4)305dを含む。4つのアンテナが図示されているが、4つより多くのアンテナが実装されてもよいことを当業者は認識するだろう。一態様では、アンテナはUE115の異なるエリアの中にあり得る。スイッチ315は、第1のアンテナ305a、第2のアンテナ305b、第3のアンテナ305c、および第4のアンテナ305dを、UE115の他の構成要素に結合して切り離すように動作可能である。スイッチ315は図3において単一のブロックにより表されているが、スイッチ315は複数のスイッチまたは構成要素を含んでもよい。
【0054】
MIMOの応用では、アンテナ305a~305dのうちの複数が、同時に送信および/または受信することがある。たとえば、UL-MIMOでは、第1の経路(またはチェーン)320上での送信のための信号は、アンテナ305a~305dのうちの第1のアンテナに向けられてもよく、第2の経路(またはチェーン)330上での送信のための信号は、アンテナ305a~305dのうちの第2のアンテナに向けられてもよい。DL-MIMOの例では、アンテナ305a~305dのうちの第1のアンテナで受信された信号が第1の経路320に向けられてもよく、アンテナ305a~305dのうちの第2のアンテナで受信された信号が第2の経路330に向けられてもよい。第1の経路320および第2の経路330は、送信および/または受信チェーンの一部である様々な構成要素を含み得る。
【0055】
UE115は、様々なアンテナ305a~305dへの経路320、330のルーティングを制御するために、制御線360を介して経路320、330およびスイッチ315に結合される1つまたは複数のプロセッサ355を含み得る。プロセッサ355は、各アンテナ305a~305dと関連付けられるメトリクス(図2を参照して説明されるような)を決定し、メトリクスに基づいて各経路320、330のためのアンテナを選択し得る。プロセッサ355はまた、メトリクスに基づいて、経路320および/または330を異なるアンテナへ向け直すと決定することがある。プロセッサ355は、各経路320、330のためのアンテナを独立に切り替えると決定することがある。たとえば、経路320は第1のアンテナ305aに向けられてもよく、経路330は第2のアンテナ305bに向けられてもよく、プロセッサ355は、経路320を第3のアンテナ305cに向け直すと決定してもよいが、経路330は第2のアンテナ305bに向けられたままである。一態様では、プロセッサ355は、サイレンスウィンドウが基地局105との通信の中に存在するかどうか、および一方または両方の経路320、330のためのアンテナを切り替えるためにサイレンスウィンドウを待つべきかどうかを決定する。
【0056】
図3のUE115は、アンテナ305a~305dのうちの1つまたは複数が、複数のRATに対応する信号を送信および/または受信するように構成される、マルチコネクティビティモード(たとえば、EN-DCモード)で動作するように構成され得る。マルチコネクティビティモードでは、UE115はRAT間でスイッチ315を共有してもよく、RATは、他のフロントエンド構成要素(たとえば、フィルタ、増幅器、混合器)を共有するか、または別個のフロントエンド構成要素もしくはチェーンを有するかのいずれかであってもよい。図3のUE115は、アンテナ305a~305dのうちの1つまたは複数が、複数のキャリアに対応する信号を送信および/または受信するように構成される、CAモードで動作するように構成され得る。
【0057】
図4は、本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするUE115の動作の時系列図400を示す。時系列400は、UE115によって実行され得る動作の一態様である。本開示に従った他の動作および他の順序の動作が、UE115によって実行され得る。時系列400において図示される動作は、プロセッサ(たとえば、プロセッサ255、プロセッサ355)およびスイッチ(たとえば、スイッチ215、スイッチ315)によって、実施および/または実行され得る。
【0058】
t1において、UE115は、第1のアンテナから第2のアンテナに通信を切り替えると決定することによって、切り替え条件を検出する。たとえば、基地局105と通信するために使用されている第1のアンテナは、劣化したチャネル条件(たとえば、ユーザの手または頭による遮蔽により劣化したチャネル条件)を経験することがある。通信のために使用されていない第2のアンテナは、第1のアンテナよりも良いチャネル条件を有し得る(たとえば、第2のアンテナはUE115の異なる位置にあることがあり、遮蔽を受けないか、または第1のアンテナよりも受ける遮蔽が少ないことがある)。いくつかの態様では、UE115は、基地局105と通信するために、第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えるかどうかを決定するために、アンテナと関連付けられる通信メトリクス(たとえば、DLおよび/またはULメトリクス)を決定し得る。一態様では、UE115は、切り替え条件を検出するために、DLメトリクスとULメトリクスの組合せを使用し得る。
【0059】
いくつかの例示的な通信メトリクスが、図2を参照して説明される。一態様では、UE115は、第1のアンテナおよび第2のアンテナのためのRSRPメトリクスを決定し得る。切り替え条件は、閾値を超えるRSRPDelta(または平均のRSRPDelta)に対応し得る。別の態様では、UE115は、閾値の割合の期間、第1のアンテナのためのMTPLに達したかどうかを決定し、この決定をRSRP決定と組み合わせて使用して切り替え条件を検出し得る。いくつかの態様では、UE115は、アンテナおよびASDIV構成を切り替えるかどうかを決定するために、通信メトリクスを定期的に評価し得る。一例として、UE115は640msごとに通信メトリクスを評価し得る。
【0060】
t2において、UE115は、サイレンスウィンドウ405が現れるかどうか、およびサイレンスウィンドウ405の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングするかどうかを決定する。図4において、t2はt1(切り替え検出)の後の何らかの時間に発生するものとして図示されている。しかしながら、t2の動作は、切り替え条件を検出した直後に、または切り替え条件を検出するのと同時に発生し得る。サイレンスウィンドウ405は、UE115と基地局105との間の通信が中断される様々な異なるタイプの時間長に対応し得る。たとえば、サイレンスウィンドウ405は、測定間隔時間長、接続モード不連続受信(CDRX)もしくは不連続送信(DTX)オフ(たとえば、スリープ)状態時間長、および/または音声通信におけるサイレンス間隔に対応し得る。いくつかの態様では、UE115は、マルチコネクティビティモードまたはCAモードで動作するように構成されてもよく、サイレンスウィンドウ405は、基地局105との通信が複数のRATまたは複数のキャリアに対して中断される時間長に対応し得る。サイレンスウィンドウは、UE115によって決定される、またはネットワークからUE115にシグナリングされる、制御情報もしくはパラメータを分析することによるものを含めて、様々な技法を使用して決定され得る。
【0061】
いくつかのシナリオでは、基地局105との通信のために使用されている第1のアンテナのチャネル条件は、UE115がサイレンスウィンドウ405を待つことなく第2のアンテナへ切り替えると決定し得るような点まで劣化することがある。たとえば、第1のアンテナに関するチャネル条件は、サイレンスウィンドウ405が現れる前にUE115が基地局105との接続を失い得るというようなものであり得る。UE115は、アンテナを切り替えるためにサイレンスウィンドウ405を待つかどうかを決定するために、通信メトリクス(たとえば、DLおよび/またはULメトリクス)を使用し得る。一態様では、UE115は、アンテナを切り替えるかどうかを決定するためにt1において通信メトリクスを第1の閾値と比較してもよく、アンテナを切り替えるためにサイレンスウィンドウ405を待つかどうかを決定するためにt2において通信メトリクスを第2の閾値と比較してもよい。ある態様では、通信メトリクスはRSRPDeltaに対応してもよく、第1の閾値は第1のdBレベル(たとえば、3dB)に対応してもよく、第2の閾値は第1のdBレベルよりも大きい第2のdBレベル(たとえば、第1のdBレベルよりも2dB大きい、すなわち5dB)に対応し得る。RSRPDeltaが第1の閾値を超えるが第2の閾値を超えない場合、UE115は、アンテナを切り替えると決定し、切り替えのためにサイレンスウィンドウ405を待ってもよい。RSRPDeltaが第1の閾値および第2の閾値を超える場合、UE115は、アンテナを切り替えるためにサイレンスウィンドウ405を待つことなく、アンテナを切り替えてもよい。
【0062】
UE115はまた、切り替えのためにサイレンスウィンドウ405を待つかどうかを決定するために、切り替え条件の検出とサイレンスウィンドウの開始との間の時間の長さ(たとえば、t1からt3まで)を考慮し得る。t1とt3との間の時間の長さが閾値の時間を超える場合、UE115はサイレンスウィンドウ405の前に切り替えると決定し得る。UE115は、切り替えるためにサイレンスウィンドウ405を待つかどうかを決定するために、通信メトリクスと時間メトリクスの組合せを使用し得る。ある態様では、UE115は、通信メトリクスを閾値(たとえば、第1の閾値および第2の閾値)と比較し、切り替えのためにサイレンスウィンドウ405を待つかどうかを決定するために、次のサイレンスウィンドウ405までの時間を比較し得る。
【0063】
第1のアンテナから第2のアンテナへの切り替えは、瞬時に発生しなくてもよい。代わりに、切り替えの準備の際に、様々な設定および/またはオフセットが変化する必要があることがあり、構成要素への信号が中断されなければならないことがあり、これにはいくらかの時間がかかり得る。切り替えの開始(たとえば、信号の中断、設定の変更の開始)からアンテナの切り替えの完了までの時間の長さは、切り替え時間長と呼ばれ得る。UE115は、サイレンスウィンドウ405のサイレンス時間長が切り替えに対応するのに十分長いかどうか(たとえば、サイレンス時間長が切り替え時間長以上であるかどうか)を決定するために、サイレンスウィンドウ405の時間の長さ(たとえば、t3とt6との間の時間の長さ)に対応するサイレンス時間長と、切り替え時間長を比較し得る。サイレンス時間長が切り替え時間長以上である場合、UE115は、サイレンス時間長の間に発生するように切り替えをスケジューリングし得る。
【0064】
図4に示されるように、UE115は、t3において開始してt6において終了する、サイレンスウィンドウ405の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングすると決定する。UE115は、t4において第1のアンテナから第2のアンテナに切り替え始め、t5において切り替えを終了する。t4はt3の後に発生するものとして図4において示されているが、t4はt3と同時であってもよい。すなわち、UE115は、サイレンスウィンドウ405の最初にアンテナ切り替えを開始し得る。
【0065】
図5は、本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするUE115の動作の時系列図500を示す。時系列500は、UE115によって実行され得る動作の一態様である。本開示に従った他の動作および他の順序の動作が、UE115によって実行され得る。時系列500において図示される動作は、プロセッサ(たとえば、プロセッサ255、プロセッサ355)およびスイッチ(たとえば、スイッチ215、スイッチ315)によって、実施および/または実行され得る。
【0066】
図5において、サイレンスウィンドウ(たとえば、図4を参照して説明されるような)は、間隔505a、505b、および505cなどの測定間隔に対応する。いくつかの態様では、間隔505a~505cはUEごとの測定間隔に対応し得る。間隔505a~505cは、40msごと、80msごと、160msごと、または他の周期ごとなど、定期的に生じ得る。EN-DCなどのマルチコネクティビティシナリオ、またはCAシナリオでは、測定間隔は、複数のRATまたは複数のキャリアのための共通の測定間隔(たとえば、共有された測定間隔)に対応し得る。t1において、UE115は、第1のアンテナから第2のアンテナに通信を切り替えると決定することによって、切り替え条件を検出する。図5に示されるように、t1は第1の間隔505aの後に発生する。
【0067】
t2において、UE115は、第2の間隔505bが現れるかどうか、および第2の間隔505bの間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングするかどうかを決定する。UE115は、第2の間隔505bの間にアンテナ切り替えをスケジューリングするかどうかを決定するために、通信メトリクス、サイレンス時間長(たとえば、間隔505bの時間長)、切り替え時間長、および切り替えの検出と第2の間隔505bの開始との間の時間の長さなどの、様々な要因(たとえば、図4を参照して説明される)を分析し得る。
【0068】
図5に示されるように、UE115は、t3において開始してt6において終了する、第2の間隔505bの間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングすると決定する。UE115は、t4において第1のアンテナから第2のアンテナに切り替え始め、t5において切り替えを終了する。t4はt3の後に発生するものとして図5において示されているが、t4はt3と同時であってもよい。すなわち、UE115は、第2の間隔505bの最初にアンテナ切り替えを開始し得る。第2の間隔505bの間のアンテナ切り替えは、ASDIV構成を変更することを含み得る。ある態様では、第2の間隔505bの前は、ASDIV構成は第1の構成(たとえば、ASDIV config-0)であってもよく、第2の間隔505bの後は、ASDIV構成は第2の構成(たとえば、ASDIV config-1)であってもよい。ASDIV構成の変更は、第2の間隔505bの間に発生するようにスケジューリングされてもよく、第2の間隔505bの間の他の変更または測定を阻止してもよい。
【0069】
図6は、本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするUE115の動作の時系列図600を示す。時系列600は、UE115によって実行され得る動作の一態様である。本開示に従った他の動作および他の順序の動作が、UE115によって実行され得る。時系列600において図示される動作は、プロセッサ(たとえば、プロセッサ255、プロセッサ355)およびスイッチ(たとえば、スイッチ215、スイッチ315)によって、実施および/または実行され得る。
【0070】
図6において、サイレンスウィンドウ(たとえば、図4を参照して説明されるような)は、DRXサイクルにおける、DRXおよび/またはDTX(たとえば、CDRX)OFFまたはスリープ時間長605に対応する。DRX OFF時間長605は、DRXサイクルに従って定期的に発生してもよく、DRX ONまたは覚醒時間長610aの後にあってもよい。図6に示されるように、DRXサイクルはt1からt7にわたり、ON時間長610aはt1からt4にわたり、OFF時間長605はt4からt7にわたる。t2において、UE115は、第1のアンテナから第2のアンテナに通信を切り替えると決定することによって、切り替え条件を検出する。図6に示されるように、t2はON時間長610aの間に発生する。
【0071】
t3において、UE115は、OFF時間長605の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングするかどうかを決定する。UE115は、OFF時間長605の間にアンテナ切り替えをスケジューリングするかどうかを決定するために、通信メトリクス、サイレンス時間長(たとえば、OFF時間長605の長さ)、切り替え時間長、および切り替えの検出とOFF時間長605の開始との間の時間の長さなどの、様々な要因(たとえば、図4を参照して説明される)を分析し得る。一態様では、UE115は、切り替え条件の検出とOFF時間長605の開始との間の時間が100ms以下である場合、OFF時間長605の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングし得る。
【0072】
図6に示されるように、UE115は、OFF時間長605の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングすると決定する。UE115は、t5において第1のアンテナから第2のアンテナに切り替え始め、t6において切り替えを終了する。t5はt4(OFF時間長605の開始)の後に発生するものとして図6において示されているが、t5はt4と同時であってもよい。すなわち、UE115は、OFF時間長605の最初にアンテナ切り替えを開始し得る。UE115がt6においてアンテナ切り替えを終えると、UE115はOFF時間長605の残りの間スリープしてもよい。OFF時間長605の間のアンテナ切り替えは、ASDIV構成を変更することを含み得る。ある態様では、ON時間長610aの間は、ASDIV構成は第1の構成(たとえば、ASDIV config-0)であってもよく、ON時間長610bの間は、ASDIV構成は第2の構成(たとえば、ASDIV config-1)であってもよい。
【0073】
図7は、本開示の態様による、マルチコネクティビティモードにおけるアンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするUE115の動作の時系列図700を示す。時系列700は、UE115によって実行され得る動作の一態様である。本開示に従った他の動作および他の順序の動作が、UE115によって実行され得る。時系列700において図示される動作は、プロセッサ(たとえば、プロセッサ255、プロセッサ355)およびスイッチ(たとえば、スイッチ215、スイッチ315)によって、実施および/または実行され得る。
【0074】
図7において、サイレンスウィンドウ702は、第1のRAT(RAT1)のDRX OFF時間長705aおよび第2のRAT(RAT2)のDRX OFF時間長705bの重複部分に対応する。EN-DCモードなどのマルチコネクティビティモードでは、異なるRATのDRXサイクルは、時間的に同期していないことがあり、異なる長さのONおよび/またはOFF時間長を有することがある。UE115は、各RATに対するDRXサイクル情報を決定し、この情報に基づいて時間的に重複するDRX OFF時間長の部分を特定し得る。
【0075】
t1において、UE115は、第1のアンテナから第2のアンテナに通信を切り替えると決定することによって、切り替え条件を検出する。t2において、UE115は、OFF時間長705aおよび705bの重複部分に対応する、サイレンスウィンドウ702の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングするかどうかを決定する。UE115は、サイレンスウィンドウ702の間にアンテナ切り替えをスケジューリングするかどうかを決定するために、通信メトリクス、サイレンス時間長(たとえば、サイレンスウィンドウ702の時間長)、切り替え時間長、および切り替えの検出とサイレンスウィンドウ702の開始との間の時間の長さなどの、様々な要因(たとえば、図4を参照して説明される)を分析し得る。一態様では、UE115は、切り替え条件の検出とサイレンスウィンドウ702の開始との間の時間が100ms以下である場合、サイレンスウィンドウ702の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングし得る。
【0076】
図7に示されるように、UE115は、サイレンスウィンドウ702の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングすると決定する。UE115は、t4において第1のアンテナから第2のアンテナに切り替え始め、t5において切り替えを終了する。t4はt3(サイレンスウィンドウ702の開始)の後に発生するものとして図7において示されているが、t4はt3と同時であってもよい。すなわち、UE115は、サイレンスウィンドウ702の最初にアンテナ切り替えを開始し得る。UE115がt5においてアンテナ切り替えを終えると、UE115はサイレンスウィンドウ702の残りの間(たとえば、t6まで)スリープしてもよい。
【0077】
図8は、本開示の態様による、アンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするUE115の動作の時系列図800を示す。時系列800は、UE115によって実行され得る動作の一態様である。本開示に従った他の動作および他の順序の動作が、UE115によって実行され得る。時系列800において図示される動作は、プロセッサ(たとえば、プロセッサ255、プロセッサ355)およびスイッチ(たとえば、スイッチ215、スイッチ315)によって、実施および/または実行され得る。
【0078】
図8において、サイレンスウィンドウは、音声タイプのサービスまたは音声関連のサービスにおいて生じ得るサイレンス間隔805に対応する。音声関連のサービスの間、音声活動係数(voice activity factor)は、ユーザ間で音声が通信されている平均時間に対応し得る。一態様では、音声活動係数は約40%であり得る。不活動である間、ボイスボコーダは、サイレンス機会の最初にサイレンスインジケータ記述子(SID)ボコーダパケット810aを送信してもよく、選択された間隔で(たとえば、160msごとに)他のSIDパケット(たとえば、パケット810b)を送信してもよい。サイレンス間隔805は、SIDパケット810aと810bとの間の時間に対応し得る。
【0079】
t0において、UE115は、アクティブなサービスが音声関連のサービスであると決定し得る。t1において、UE115は、音声サイレンス期間または機会に入るための条件が満たされたと(たとえば、音声活動検出アルゴリズムを通じて)決定してもよく、t3においてSIDパケット810aを送信し始めてもよい。t3はt1の後に発生するものとして図8において示されているが、t3はt1と同時であってもよい。すなわち、SIDパケット810aは、音声活動検出アルゴリズムは静寂(silence)を検出すると直ちに送信され得る。
【0080】
t2において、UE115は、第1のアンテナから第2のアンテナに通信を切り替えると決定することによって、切り替え条件を検出する。t2において、UE115は、サイレンス間隔805の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングするかどうかを決定する。UE115は、サイレンス間隔805の間にアンテナ切り替えをスケジューリングするかどうかを決定するために、通信メトリクス、サイレンス時間長(たとえば、サイレンス間隔805の時間長)、切り替え時間長、および切り替えの検出とサイレンス間隔805の開始との間の時間の長さなどの、様々な要因(たとえば、図4を参照して説明される)を分析し得る。t2はt1の後に発生するものとして示されているが、UE115は、音声の静寂を検出するのと同時に、または音声の静寂を検出する前に、切り替え条件を検出し得る。一態様では、UE115は、音声の静寂を検出する前に切り替え条件を検出することがあり、音声の静寂を検出するために選択された期間待つことがある。音声の静寂が選択された期間内に検出されない場合、UE115はアンテナ切り替えを開始し得る。音声の静寂が選択された期間内に検出される場合、UE115は、サイレンス間隔805の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングすると決定し得る。
【0081】
図8に示されるように、UE115は、サイレンス間隔805の間に発生するようにアンテナ切り替えをスケジューリングすると決定する。UE115は、t5において第1のアンテナから第2のアンテナに切り替え始め、t7における次のSIDパケット810bの通信の前に、t6において切り替えを終える。t5はt4(SIDパケット810aの終了)の後に発生するものとして図8において示されているが、t5はt4と同時であってもよい。すなわち、UE115は、SIDパケット810aの通信の直後にアンテナ切り替えを開始し得る。
【0082】
図9は、本開示の態様による、マルチアンテナUEにおけるアンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするワイヤレスデバイス905のブロック図900を示す。ワイヤレスデバイス905は、本明細書で説明されるようなユーザ機器(UE)115の態様の例であってもよい。ワイヤレスデバイス905は、受信機910、UE通信マネージャ915、および送信機920を含んでもよい。ワイヤレスデバイス905はプロセッサも含んでもよい。これらの構成要素の各々は、(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)互いに通信していてもよく、または結合されてもよい。
【0083】
受信機910は、パケット、ユーザデータ、または、様々な情報チャネル(たとえば、制御チャネル、データチャネルなど)と関連付けられる制御情報などの情報を受信し得る。情報はデバイスの他の構成要素に受け渡され得る。受信機910は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。受信機910は、図2および図3を参照して説明される構成要素、ならびに図10を参照して説明されるトランシーバ1035の態様の例であり得る。
【0084】
UE通信マネージャ915および/またはその様々な下位構成要素のうちの少なくともいくつかは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、UE通信マネージャ915および/またはその様々な下位構成要素のうちの少なくともいくつかの機能は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本開示において説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せによって実行され得る。UE通信マネージャ915および/またはその様々な下位構成要素のうちの少なくともいくつかは、機能の一部が1つまたは複数の物理デバイスによって異なる物理的位置において実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に配置され得る。いくつかの態様では、UE通信マネージャ915および/またはその様々な下位構成要素のうちの少なくともいくつかは、本開示の様々な態様による別個の異なる構成要素であり得る。他の例では、UE通信マネージャ915および/またはその様々な下位構成要素のうちの少なくともいくつかは、限定はされないが、I/O構成要素、トランシーバ、ネットワークサーバ、別のコンピューティングデバイス、本開示で説明される1つまたは複数の他の構成要素、または本開示の様々な態様によるそれらの組合せを含む、1つまたは複数の他のハードウェア構成要素と組み合わせられ得る。UE通信マネージャ915は、図10を参照して説明されるUE通信マネージャ1015、図2を参照して説明されるプロセッサ255、および/または図3を参照して説明されるプロセッサ355の態様の例であり得る。
【0085】
UE通信マネージャ915は、基地局と通信する(たとえば、送信および/または受信する)ために第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えるかどうかを決定し、サイレンスウィンドウが発生するかどうかを決定し、アンテナ切り替えを実行するためにサイレンスウィンドウを待つかどうかを決定し、本明細書において説明されるようにアンテナ切り替えを実行し得る。
【0086】
送信機920は、デバイスの他の構成要素によって生成される信号を送信し得る。いくつかの態様では、送信機920は、トランシーバモジュールにおいて受信機910と併置され得る。送信機920は、図2および図3を参照して説明される構成要素、ならびに図10を参照して説明されるトランシーバ1035の態様の例であり得る。送信機920は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0087】
図10は、本開示の態様による、マルチアンテナUEにおけるアンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするデバイス1005を含むシステム1000の図を示す。デバイス1005は、本明細書において説明されるようなワイヤレスデバイス905、またはUE115の構成要素の例であってもよく、またはそれを含んでもよい。デバイス1005は、UE通信マネージャ1015、プロセッサ1020、メモリ1025、ソフトウェア1030、トランシーバ1035、アンテナ1040、およびI/Oコントローラ1045を含む、通信を送信および受信するための構成要素を含む、双方向音声およびデータ通信のための構成要素を含んでもよい。これらの構成要素は、1つまたは複数のバス(たとえば、バス1010)を介して互いに電子的に通信していてもよく、または結合されてもよい。デバイス1005は、1つまたは複数の基地局105とワイヤレスに通信してもよい。
【0088】
プロセッサ1020は、インテリジェントハードウェアデバイス(たとえば、汎用プロセッサ、DSP、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理構成要素、個別ハードウェア構成要素、またはこれらの任意の組合せ)を含み得る。いくつかの場合、プロセッサ1020は、メモリコントローラを使用して、メモリアレイを動作させるように構成されてもよい。他の場合には、メモリコントローラはプロセッサ1020に組み込まれてもよい。プロセッサ1020は、様々な機能(たとえば、マルチアンテナUEにおけるアンテナ切り替えのスケジューリングをサポートする機能またはタスク)を実行するために、メモリに記憶されたコンピュータ可読命令を実行するように構成され得る。
【0089】
メモリ1025は、ランダムアクセスメモリ(RAM)および読取り専用メモリ(ROM)を含み得る。メモリ1025は、実行されると、プロセッサに、本明細書で説明される様々な機能を実行させる命令を含む、コンピュータ可読のコンピュータ実行可能ソフトウェア1030を記憶し得る。いくつかの場合、メモリ1025は、とりわけ、周辺構成要素もしくは周辺デバイスとの相互作用などの、基本的なハードウェア動作またはソフトウェア動作を制御してもよい基本入出力システム(BIOS)を含み得る。
【0090】
ソフトウェア1030は、マルチアンテナUEにおけるアンテナ切り替えのスケジューリングをサポートするためのコードを含む、本開示の態様を実装するためのコードを含み得る。ソフトウェア1030は、システムメモリまたは他のメモリなどの非一時的コンピュータ可読媒体内に記憶され得る。いくつかの場合、ソフトウェア1030は、プロセッサによって直接実行可能ではないことがあるが、(たとえば、コンパイルされ、実行されると)本明細書で説明される機能をコンピュータに実行させることができる。
【0091】
トランシーバ1035は、上で説明されたように、1つまたは複数のアンテナ、有線リンク、またはワイヤレスリンクを介して、双方向に通信し得る。ある態様では、トランシーバ1035は、ワイヤレストランシーバを表してもよく、別のワイヤレストランシーバと双方向に通信してもよい。トランシーバ1035は、パケットを変調し、変調されたパケットを送信のためにアンテナに与え、アンテナから受信された信号からパケットを復調するためのモデムも含み得る。
【0092】
デバイスは1つより多くのアンテナ1040を有してもよく、アンテナ1040は、複数のワイヤレス送信を同時に送信または受信することが可能であってもよい。図2および図3は、トランシーバ1035に含まれ得る構成要素または部分のいくつかの例を含む。
【0093】
I/Oコントローラ1045は、デバイス1005のための入力信号および出力信号を管理し得る。I/Oコントローラ1045はまた、デバイス1005に組み込まれていない周辺装置を管理することができる。いくつかの場合、I/Oコントローラ1045は、外部周辺装置への物理的な接続またはポートを表し得る。いくつかの場合、I/Oコントローラ1045は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、または別の既知のオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムを利用し得る。他の場合には、I/Oコントローラ1045は、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン、または同様のデバイスを表し、またはそれと対話し得る。いくつかの場合、I/Oコントローラ1045は、プロセッサの一部として実装され得る。いくつかの場合、ユーザは、I/Oコントローラ1045を介して、またはI/Oコントローラ1045によって制御されるハードウェア構成要素を介して、デバイス1005と対話し得る。
【0094】
図11は、本開示の態様による、マルチアンテナUEにおけるアンテナ切り替えのスケジューリングのための方法1100を示すフローチャートを示す。方法1100の動作は、本明細書において説明されたような、UE115またはその構成要素によって実施され得る。ある態様では、方法1100の動作は、図9および図10を参照して説明されたようなUE通信マネージャ、ならびに/または、図2および図3を参照して説明されたようなプロセッサによって実行され得る。いくつかの態様では、UE115は、以下で説明される機能を実行するようにデバイスの機能要素を制御するためのコードのセットを実行してもよい。追加または代替として、UE115は、以下で説明される機能の態様を、専用ハードウェアを使用して実行し得る。
【0095】
ブロック1105において、UE115は、第1のアンテナを使用して基地局105と通信する(たとえば、信号を送信および/または受信する)ことができる。ブロック1105の動作は、本明細書において説明される方法に従って実行され得る。いくつかの例では、ブロック1105の動作の態様は、本明細書において説明されるように、トランシーバ、受信機、送信機、プロセッサ、および/またはUE通信マネージャによって実行され得る。
【0096】
ブロック1110において、UE115は、基地局105と通信するために、第1のアンテナから第2のアンテナに切り替えると決定し得る。ブロック1110の動作は、本明細書において説明される方法に従って実行され得る。いくつかの例では、ブロック1110の動作の態様は、本明細書において説明されるように、UE通信マネージャおよび/またはプロセッサによって実行され得る。
【0097】
ブロック1115において、UE115は、基地局105との通信が中断されるサイレンスウィンドウが生じるかどうかを決定し得る。ブロック1115の動作は、本明細書において説明される方法に従って実行され得る。いくつかの例では、ブロック1115の動作の態様は、本明細書において説明されるように、UE通信マネージャおよび/またはプロセッサによって実行され得る。
【0098】
ブロック1120において、UE115は、サイレンスウィンドウの間に発生するように第1のアンテナから第2のアンテナへの切り替えをスケジューリングし得る。ブロック1120の動作は、本明細書において説明される方法に従って実行され得る。いくつかの例では、ブロック1120の動作の態様は、本明細書において説明されるように、UE通信マネージャおよび/またはプロセッサによって実行され得る。一態様では、ブロック1120の動作は、図12を参照して説明された方法1200に従って実行され得る。
【0099】
ブロック1125において、UE115は、サイレンスウィンドウの間に第1のアンテナから第2のアンテナに切り替え得る。ブロック1125の動作は、本明細書において説明される方法に従って実行され得る。いくつかの例では、ブロック1125の動作の態様は、本明細書において説明されるように、UE通信マネージャ、プロセッサ、トランシーバ、受信機、および/または送信機によって実行され得る。
【0100】
図12は、本開示の態様による、マルチアンテナUEにおいてアンテナ切り替えをスケジューリングするための方法1200を示すフローチャートを示す。方法1200の動作は、本明細書において説明されたような、UE115またはその構成要素によって実施され得る。ある態様では、方法1200の動作は、本明細書において説明されるように、UE115のUE通信マネージャまたはプロセッサによって実行され得る。いくつかの態様では、UE115は、以下で説明される機能を実行するようにデバイスの機能要素を制御するためのコードのセットを実行してもよい。追加または代替として、UE115は、専用ハードウェアを使用して、以下で説明される機能の態様を実行し得る。
【0101】
ブロック1205において、UE115は、その複数のアンテナと関連付けられる通信メトリクスが第1の閾値を超えるかどうかを決定し、第1の閾値を超えることはASDIVの切り替えを引き起こす。ブロック1205の動作は、本明細書において説明される方法に従って実行され得る。通信メトリクス(たとえば、RSRPDelta、MPTL)の態様および閾値(たとえば、3dB)が上で説明されている。いくつかの例では、ブロック1205の動作の態様は、本明細書において説明されるように、UE通信マネージャおよび/またはプロセッサによって実行され得る。
【0102】
ブロック1205において通信メトリクスが第1の閾値を超えない場合、UE115はブロック1210において方法1200を終了する。UE115は、640msごとなど、定期的に方法を繰り返し得る。ブロック1205において通信メトリクスが第1の閾値を満たす、または超える場合、UE115は、ブロック1215において、第1の閾値より大きい第2の閾値と通信メトリクスを比較する。いくつかの例では、ブロック1215の動作の態様は、本明細書において説明されるように、UE通信マネージャおよび/またはプロセッサによって実行され得る。
【0103】
ブロック1215において通信メトリクスが第2の閾値を満たす、または超える場合、UE115は、サイレンスウィンドウを待つことなく、ブロック1220においてアンテナ切り替えを開始する。第2の閾値を満たすこと、または超えることは、UE115がアンテナ切り替えを実行するためにサイレンスウィンドウを待つ場合、UE115が基地局105との接続を失い得ることを示し得る。いくつかの例では、ブロック1220の動作の態様は、本明細書において説明されるように、UE通信マネージャ、プロセッサ、トランシーバ、受信機、および/または送信機によって実行され得る。
【0104】
ブロック1215において通信メトリクスが第2の閾値を満たさない、または超えない場合、UE115は、ブロック1225において、サイレンスウィンドウが発生するまでの時間量を時間閾値と比較し、サイレンスウィンドウの時間長または時間の長さ(たとえば、サイレンス時間長)を、アンテナ切り替えの時間長または時間の長さ(たとえば、切り替え時間長)と比較する。ブロック1225の動作は、本明細書において説明される方法に従って実行され得る。いくつかの例では、ブロック1225の動作の態様は、本明細書において説明されるように、UE通信マネージャおよび/またはプロセッサによって実行され得る。
【0105】
ブロック1225において、サイレンスウィンドウまでの時間の長さが時間閾値またはサイレンスウィンドウの時間長を満たす、もしくは超える場合、またはサイレンスウィンドウの時間長がアンテナ切り替えの時間長未満である場合、UE115は、サイレンスウィンドウを待つことなく、ブロック1220においてアンテナ切り替えを開始する。サイレンスウィンドウまでの時間の長さが時間閾値未満であり、サイレンスウィンドウの時間長がアンテナ切り替えの時間長以上である場合、UE115は、ブロック1230において、アンテナを切り替えるためにサイレンスウィンドウを待機する。ブロック1230の動作は、本明細書において説明される方法に従って実行され得る。いくつかの例では、ブロック1230の動作の態様は、本明細書において説明されるように、UE通信マネージャおよび/またはプロセッサによって実行され得る。
【0106】
ブロック1235において、UE115は、サイレンスウィンドウの間に第1のアンテナから第2のアンテナに切り替える。いくつかの例では、ブロック1235の動作の態様は、本明細書において説明されるように、UE通信マネージャ、プロセッサ、トランシーバ、受信機、および/または送信機によって実行され得る。
【0107】
本明細書において説明される技法は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)、および他のシステムなどの、様々なワイヤレス通信システムのために使用されてもよい。CDMAシステムは、CDMA2000、Universal Terrestrial Radio Access(UTRA)などの無線技術を実装してもよい。CDMA2000は、IS-2000規格、IS-95規格、およびIS-856規格をカバーする。IS-2000リリースは、一般に、CDMA2000 1X、1Xなどと呼ばれることがある。IS-856(TIA-856)は、一般に、CDMA2000 1xEV-DO、高速パケットデータ(HRPD)などと呼ばれる。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))およびCDMAの他の変形を含む。TDMAシステムは、Global System for Mobile Communications(GSM)などの無線技術を実装してもよい。
【0108】
OFDMAシステムは、Ultra Mobile Broadband(UMB)、Evolved UTRA(E-UTRA)、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash-OFDMなどの無線技術を実装してもよい。UTRAおよびE-UTRAは、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)の一部である。LTEおよびLTE-AはE-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A、NR、およびGSMは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と称する団体からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と称する団体からの文書に記載されている。本明細書で説明された技法は、上で言及されたシステムおよび無線技術、ならびに他のシステムおよび無線技術に使用されてもよい。LTEまたはNRシステムの態様が例として説明されることがあり、LTEまたはNRの用語が説明の大部分において使用されることがあるが、本明細書において説明された技法は、LTEまたはNR適用例以外に適用可能である。
【0109】
マクロセルは、一般に、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーし、ネットワークプロバイダのサービスに加入しているUE115による無制限アクセスを可能にし得る。スモールセルは、マクロセルと比較して低電力の基地局105と関連付けられることがあり、スモールセルは、マクロセルと同じまたはマクロセルとは異なる(たとえば、免許、免許不要など)周波数帯域において動作することがある。スモールセルは、様々な態様によれば、ピコセル、フェムトセル、およびマイクロセルを含み得る。ピコセルは、たとえば、小さい地理的エリアをカバーすることができ、ネットワークプロバイダのサービスに加入しているUE115による無制限アクセスを可能にすることができる。フェムトセルも、小さい地理的エリア(たとえば、自宅)をカバーすることができ、フェムトセルとの関連付けを有するUE115(たとえば、限定加入者グループ(CSG)中のUE115、自宅内のユーザのためのUE115など)による制限付きアクセスを提供することができる。マクロセルのためのeNBは、マクロeNBと呼ばれることがある。スモールセルのeNBは、スモールセルeNB、ピコeNB、フェムトeNB、またはホームeNBと呼ばれ得る。eNBは、1つまたは複数(たとえば、2つ、3つ、4つなど)のセルをサポートすることができ、1つまたは複数のコンポーネントキャリアを使用する通信をサポートすることもできる。
【0110】
本明細書で説明されたワイヤレス通信システム100またはシステムは、同期動作または非同期動作をサポートし得る。同期動作の場合、基地局105は、同様のフレームタイミングを有することがあり、異なる基地局105からの送信は、時間的にほぼ揃っていることがある。非同期動作の場合、基地局105は、異なるフレームタイミングを有することがあり、異なる基地局105からの送信は、時間的に揃っていないことがある。本明細書において説明された技法は、同期動作または非同期動作のいずれかのために使用され得る。
【0111】
本明細書において説明される情報および信号は、多種多様な技術および技法のいずれを使用して表されてもよい。たとえば、上記の説明全体にわたって言及されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボルおよびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0112】
本明細書の本開示に関して説明される様々な例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェアコンポーネント、または本明細書で説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)としても実装され得る。
【0113】
本明細書において説明された機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶され、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。他の態様および実装形態が、本開示および添付の請求項の範囲内にある。たとえば、ソフトウェアの性質により、上で説明された機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらのうちのいずれかの組合せを使用して実装され得る。機能を実装する特徴はまた、異なる物理的位置において機能の部分が実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に配置され得る。
【0114】
コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、非一時的コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータによってアクセスされることがある任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク(CD)ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用され得るとともに、汎用コンピュータもしくは専用コンピュータまたは汎用プロセッサもしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る、任意の他の非一時的媒体を備え得る。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびBlue-rayディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0115】
特許請求の範囲内を含めて本明細書で使用される場合、項目の列挙(たとえば、「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」などの句で終わる項目の列挙)において使用される「または」は、たとえば、A、B、またはCのうちの少なくとも1つという列挙が、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような、包括的な列挙を示す。また、本明細書で使用される「に基づいて」という句は、条件の閉集合への参照として解釈されてはならない。たとえば、「条件Aに基づいて」として説明される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件Aと条件Bの両方に基づき得る。言い換えれば、本明細書で使用されるとき、「に基づいて」という句は、「に少なくとも部分的に基づいて」という句と同じように解釈されるものとする。
【0116】
添付の図において、類似の構成要素または特徴は、同じ参照ラベルを有することがある。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に、ダッシュと、類似の構成要素を区別する第2のラベルとを続けることによって区別されることがある。第1の参照ラベルだけが本明細書において使用される場合、説明は、第2の参照ラベル、または他の後続の参照ラベルにかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する類似の構成要素のうちのいずれにも適用可能である。
【0117】
添付の図面に関して本明細書に記載される説明は、例示的な構成について説明しており、実装される可能性があるか、または特許請求の範囲内に入るすべての例を表すものではない。本明細書において使用される「例示的」という用語は、「例、事例、または例示として働くこと」を意味し、「好ましい」または「他の例よりも有利な」を意味しない。詳細な説明は、説明する技法の理解をもたらすための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの技法は、これらの具体的な詳細なしに実践されてもよい。いくつかの事例では、説明される例の概念を不明瞭にすることを回避するために、よく知られている構造およびデバイスがブロック図の形態で示される。
【0118】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作成または使用することを可能にするように与えられる。本開示の様々な修正は、当業者に容易に明らかになり、本明細書で定義される一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明される態様および設計に限定されず、本明細書において開示される原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【符号の説明】
【0119】
100 ワイヤレス通信システム
105 基地局
110 地理的カバレッジエリア
115 UE
125 通信リンク
130 コアネットワーク
132 バックホールリンク
134 バックホールリンク
205 アンテナ
205a 第1のアンテナ
205b 第2のアンテナ
215 スイッチ、切り替え構成要素
220 フィルタ、フィルタ構成要素
225 送信チェーン
230 電力増幅器
235 信号調整構成要素/回路
240 受信チェーン
245 低雑音増幅器
250 信号調整構成要素/回路
255 プロセッサ
305 アンテナ
305a 第1のアンテナ
305b 第2のアンテナ
305c 第3のアンテナ
305d 第4のアンテナ
315 スイッチ、切り替え構成要素
320 第1の経路
330 第2の経路
355 プロセッサ
360 制御線
405 サイレンスウィンドウ
505 間隔
505a 間隔
505b 間隔
505c 間隔
605 OFF時間長
610a ON時間長
610b ON時間長
702 サイレンスウィンドウ
705a DRX OFF時間長
705b DRX OFF時間長
805 サイレンス間隔
810a SIDパケット
810b SIDパケット
905 ワイヤレスデバイス
910 受信機
915 UE通信マネージャ
920 送信機
1005 デバイス
1010 バス
1015 UE通信マネージャ
1020 プロセッサ
1025 メモリ
1030 ソフトウェア
1035 トランシーバ
1040 アンテナ
1045 I/Oコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12