(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】端末
(51)【国際特許分類】
H04W 72/23 20230101AFI20240729BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240729BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240729BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20240729BHJP
【FI】
H04W72/23
H04W72/0453
H04W16/28
H04W88/02 140
(21)【出願番号】P 2022516558
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(86)【国際出願番号】 JP2020017406
(87)【国際公開番号】W WO2021214919
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】芝池 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/174665(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3512148(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークから
特定のポートの復調用参照信号を受信する受信部と、
410MHzから7.125GHzまでの周波数レンジと、24.25GHzから52.6GHzまでの周波数レンジとを含
む周波数帯域を利用する場合よりも広いサブキャリア間隔が適用される場合、前記
特定のポートと同一の符号分割多重(CDM)グループの他のポートの復調用参照信号の
多重が除外されると想定する制御部と
備える端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記周波数帯域と異なる異周波数帯域を利用する場合、前記他のポートの復調用参照信号の多重が除外されると想定する請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記特定のポートの復調用参照信号は、タイプ1の復調用参照信号である請求項1に記載の端末。
【請求項4】
前記特定のポートの復調用参照信号は、タイプ2の復調用参照信号である請求項1に記載の端末。
【請求項5】
ネットワークから特定のポートの復調用参照信号を受信するステップと、
410MHzから7.125GHzまでの周波数レンジと、24.25GHzから52.6GHzまでの周波数レンジとを含む周波数帯域を利用する場合よりも広いサブキャリア間隔が適用される場合、前記特定のポートと同一の符号分割多重(CDM)グループの他のポートの復調用参照信号の多重が除外されると想定するステップと
を含む端末における無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信を実行する端末、特に、ネットワークから参照信号を受信する端末に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、5th generation mobile communication system(5G、New Radio(NR)またはNext Generation(NG)とも呼ばれる)を仕様化し、さらに、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる次世代の仕様化も進めている。
【0003】
3GPPのRelease 15及びRelease 16(NR)では、複数の周波数レンジ、具体的には、FR1(410 MHz~7.125 GHz)及びFR2(24.25 GHz~52.6 GHz)を含む帯域の動作が仕様化されている。
【0004】
また、52.6GHzを超え、71GHzまでをサポートするNRについても検討が進められている(非特許文献1)。さらに、Beyond 5G、5G Evolution或いは6G(Release-18以降)は、71GHzを超える周波数帯もサポートすることを目標としている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】"New WID on Extending current NR operation to 71 GHz", RP-193229, 3GPP TSG RAN Meeting #86, 3GPP, 2019年12月
【発明の概要】
【0006】
52.6GHzを超えるような高周波数帯域など、FR1, FR2と異なる異周波数帯域を利用する場合、キャリア間の位相雑音の増大などが問題となり易いため、より大きな(広い)サブキャリア間隔(SCS)を適用することが想定される。
【0007】
このようにSCSを大きくすると、SCS(リソースブロック(RB)と解釈されてもよい)に対するチャネルコヒーレント帯域幅の比は、FR1及びFR2の場合よりも極めて小さくなる。
【0008】
従って、例えば、2つ或いは3つのサブキャリアが専有する帯域幅が、周波数応答がフラットなチャネルコヒーレント帯域幅よりも広くなる可能性がある。
【0009】
復調用参照信号(DMRS)は、2種類(Type1, 2)あり、2つ或いは3つの連続するサブキャリアが専有する帯域幅の周波数応答がフラットであることを前提としているが、SCSが広くなると、このような前提が覆される可能性がある。
【0010】
このため、複数のアンテナポートを用いてDMRSを多重しても、周波数応答がフラットでないため、受信側は、DMRSを正常に受信できず、例えば、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)のデコードに失敗するなどの問題が発生し得る。
【0011】
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、52.6GHzを超えるような高周波数帯域などを利用し、サブキャリア間隔(SCS)が大きい場合でも、復調用参照信号(DMRS)を正常に受信できる端末の提供を目的とする。
【0012】
本開示の一態様は、ネットワークから復調用参照信号を受信する受信部(制御信号・参照信号処理部240)と、一つまたは複数の周波数レンジを含む周波数帯域と異なる異周波数帯域を利用する場合、または前記周波数帯域を利用する場合よりも広いサブキャリア間隔が適用される場合、前記復調用参照信号の生成に用いられるポート、または前記ポートの組み合わせを制限する制御部(制御部270)とを備える端末である。
【0013】
本開示の一態様は、ネットワークから複数種類の復調用参照信号を受信する受信部(制御信号・参照信号処理部240)と、一つまたは複数の周波数レンジを含む周波数帯域と異なる異周波数帯域を利用する場合、または前記周波数帯域を利用する場合よりも広いサブキャリア間隔が適用される場合、前記復調用参照信号の種類を制限する制御部(制御部270)と備える端末である。
【0014】
本開示の一態様は、ネットワークから単一シンボルまたは二重シンボルの復調用参照信号を受信する受信部(制御信号・参照信号処理部240)と、一つまたは複数の周波数レンジを含む周波数帯域と異なる異周波数帯域を利用する場合、または前記周波数帯域を利用する場合よりも広いサブキャリア間隔が適用される場合、前記単一シンボルまたは前記二重シンボルの何れかの復調用参照信号に制限する制御部(制御部270)と備える端末である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。
【
図2】
図2は、無線通信システム10において用いられる周波数レンジを示す図である。
【
図3】
図3は、無線通信システム10において用いられる無線フレーム、サブフレーム及びスロットの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、UE200の機能ブロック構成図である。
【
図5】
図5は、DMRSの構成例1(Type 1, single-symbol)を示す図である。
【
図6】
図6は、DMRSの構成例2(Type 1, double-symbol)を示す図である。
【
図7】
図7は、DMRSの構成例3(Type 2, single-symbol)を示す図である。
【
図8】
図8は、DMRSの構成例4(Type 2, double-symbol)を示す図である。
【
図9】
図9は、チャネルコヒーレント帯域幅と遅延スプレッドとの関係の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、UE200におけるDMRS関連の処理フロー(動作例1)を示す図である。
【
図11】
図11は、UE200におけるDMRS関連の処理フロー(動作例2)を示す図である。
【
図12】
図12は、UE200におけるDMRS関連の処理フロー(動作例3)を示す図である。
【
図13】
図13は、UE200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0017】
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、5G New Radio(NR)に従った無線通信システムであり、Next Generation-Radio Access Network 20(以下、NG-RAN20、及び端末200(以下、UE200, User Equipment)を含む。
【0018】
なお、無線通信システム10は、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる方式に従った無線通信システムでもよい。
【0019】
NG-RAN20は、無線基地局100A(以下、gNB100A)及び無線基地局100B(以下、gNB100B)を含む。なお、gNB及びUEの数を含む無線通信システム10の具体的な構成は、
図1に示した例に限定されない。
【0020】
NG-RAN20は、実際には複数のNG-RAN Node、具体的には、gNB(またはng-eNB)を含み、5Gに従ったコアネットワーク(5GC、不図示)と接続される。なお、NG-RAN20及び5GCは、単に「ネットワーク」と表現されてもよい。
【0021】
gNB100A及びgNB100Bは、5Gに従った無線基地局であり、UE200と5Gに従った無線通信を実行する。gNB100A、gNB100B及びUE200は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームBMを生成するMassive MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)、複数のコンポーネントキャリア(CC)を束ねて用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及びUEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。
【0022】
また、無線通信システム10は、複数の周波数レンジ(FR)に対応する。
図2は、無線通信システム10において用いられる周波数レンジを示す。
【0023】
図2に示すように、無線通信システム10は、FR1及びFR2に対応する。各FRの周波数帯は、次のとおりである。
【0024】
・FR1:410 MHz~7.125 GHz
・FR2:24.25 GHz~52.6 GHz
FR1では、15, 30または60kHzのSub-Carrier Spacing(SCS)が用いられ、5~100MHzの帯域幅(BW)が用いられてもよい。FR2は、FR1よりも高周波数であり、60または120kHz(240kHzが含まれてもよい)のSCSが用いられ、50~400MHzの帯域幅(BW)が用いられてもよい。
【0025】
なお、SCSは、numerologyと解釈されてもよい。numerologyは、3GPP TS38.300において定義されており、周波数ドメインにおける一つのサブキャリア間隔と対応する。
【0026】
さらに、無線通信システム10は、FR2の周波数帯域よりも高周波数帯域にも対応する。具体的には、無線通信システム10は、52.6GHzを超え、71GHzまでの周波数帯域に対応する。このような高周波数帯域は、便宜上「FR2x」と呼ばれてもよい。
【0027】
このような問題を解決するため、52.6GHzを超える帯域を用いる場合、より大きなSub-Carrier Spacing(SCS)を有するCyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(CP-OFDM)/Discrete Fourier Transform - Spread(DFT-S-OFDM)を適用してもよい。
【0028】
図3は、無線通信システム10において用いられる無線フレーム、サブフレーム及びスロットの構成例を示す。
【0029】
図3に示すように、1スロットは、14シンボルで構成され、SCSが大きく(広く)なる程、シンボル期間(及びスロット期間)は短くなる。SCSは、
図3に示す間隔(周波数)に限定されない。例えば、480kHz、960kHzなどが用いられてもよい。
【0030】
なお、
図3に示す時間方向(t)は、時間領域、シンボル期間またはシンボル時間などと呼ばれてもよい。また、周波数方向は、周波数領域、リソースブロック、サブキャリア、バンド幅部分(BWP:Bandwidth part)などと呼ばれてもよい。
【0031】
また、無線通信システム10では、複数の参照信号(RS)が用いられてよい。RSの種類については後述するが、本実施形態では、復調用参照信号(DMRS)の構成が、3GPP Release-15, 16と異なり得る。
【0032】
DMRSは、参照信号の一種であり、各種チャネル用に準備される。ここでは、特に断りがない限り、下りデータチャネル、具体的には、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)用のDMRSを意味してよい。但し、上りデータチャネル、具体的には、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)用のDMRSは、PDSCH用のDMRSと同様と解釈されてもよい。
【0033】
DMRSは、デバイス、例えば、コヒーレント復調の一部分として、UE200におけるチャネル推定に用い得る。DMRSは、PDSCH送信に使用されるリソースブロック(RB)のみに存在してよい。
【0034】
DMRSは、複数のマッピングタイプを有してよい。具体的には、DMRSは、マッピングタイプA及びマッピングタイプBを有する。マッピングタイプAでは、最初のDMRSは、スロットの2または3番目のシンボルに配置される。マッピングタイプAでは、DMRSは、実際のデータ送信がスロットのどこで開始されるかに関係なく、スロット境界を基準にしてマッピングされてよい。最初のDMRSがスロットの2または3番目のシンボルに配置される理由は、制御リソースセット(CORESET:control resource sets)の後に最初のDMRSを配置するためと解釈されてもよい。
【0035】
マッピングタイプBでは、最初のDMRSがデータ割り当ての最初のシンボルに配置されてよい。すなわち、DMRSの位置は、スロット境界に対してではなく、データが配置されている場所に対して相対的に与えられてよい。
【0036】
また、DMRSは、複数の種類(Type)を有してよい。具体的には、DMRSは、Type 1及びType 2を有する。Type 1とType 2とは、周波数領域におけるマッピング及び直交参照信号(orthogonal reference signals)の最大数が異なる。Type 1は、単一シンボル(single-symbol)DMRSで最大4本の直交信号を出力でき、Type 2は、二重シンボル(double-symbol)DMRSで最大8本の直交信号を出力できる。
【0037】
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、UE200の機能ブロック構成について説明する。
【0038】
図4は、UE200の機能ブロック構成図である。
図4に示すように、UE200は、無線信号送受信部210、アンプ部220、変復調部230、制御信号・参照信号処理部240、符号化/復号部250、データ送受信部260及び制御部270を備える。
【0039】
無線信号送受信部210は、NRに従った無線信号を送受信する。無線信号送受信部210は、Massive MIMO、複数のCCを束ねて用いるCA、及びUEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うDCなどに対応する。
【0040】
アンプ部220は、PA (Power Amplifier)/LNA (Low Noise Amplifier)などによって構成される。アンプ部220は、変復調部230から出力された信号を所定の電力レベルに増幅する。また、アンプ部220は、無線信号送受信部210から出力されたRF信号を増幅する。
【0041】
変復調部230は、所定の通信先(gNB100Aなど)毎に、データ変調/復調、送信電力設定及びリソースブロック割当などを実行する。変復調部230では、Cyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(CP-OFDM)/Discrete Fourier Transform - Spread(DFT-S-OFDM)が適用されてもよい。また、DFT-S-OFDMは、上りリンク(UL)だけでなく、下りリンク(DL)にも用いられてもよい。
【0042】
制御信号・参照信号処理部240は、UE200が送受信する各種の制御信号に関する処理、及びUE200が送受信する各種の参照信号に関する処理を実行する。
【0043】
具体的には、制御信号・参照信号処理部240は、gNB100Aから所定の制御チャネルを介して送信される各種の制御信号、例えば、無線リソース制御レイヤ(RRC)の制御信号を受信する。また、制御信号・参照信号処理部240は、gNB100Aに向けて、所定の制御チャネルを介して各種の制御信号を送信する。
【0044】
制御信号・参照信号処理部240は、Demodulation Reference Signal(DMRS)、及びPhase Tracking Reference Signal (PTRS)などの参照信号(RS)を用いた処理を実行する。
【0045】
DMRSは、データ復調に用いるフェージングチャネルを推定するための端末個別の基地局~端末間において既知の参照信号(パイロット信号)である。PTRSは、高い周波数帯で課題となる位相雑音の推定を目的した端末個別の参照信号である。
【0046】
なお、参照信号には、DMRS及びPTRS以外に、Channel State Information-Reference Signal(CSI-RS)、Sounding Reference Signal(SRS)、及び位置情報用のPositioning Reference Signal(PRS)が含まれてもよい。
【0047】
また、チャネルには、制御チャネルとデータチャネルとが含まれる。制御チャネルには、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、RACH(Random Access Channel、Random Access Radio Network Temporary Identifier(RA-RNTI)を含むDownlink Control Information (DCI))、及びPhysical Broadcast Channel(PBCH)などが含まれる。
【0048】
また、データチャネルには、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)などが含まれる。データとは、データチャネルを介して送信されるデータを意味してよい。
【0049】
本実施形態では、制御信号・参照信号処理部240は、ネットワーク、具体的には、NG-RAN20から復調用参照信号(DMRS)を受信する受信部を構成する。
【0050】
上述したように、DMRSは、スロット内の特定のシンボルを用いてNG-RAN20(より具体的には、gNB100Aなど)から送信されてよい。
【0051】
制御信号・参照信号処理部240は、ネットワークから複数種類のDMRSを受信してよい。具体的には、制御信号・参照信号処理部240は、Type 1またはType 2のDMRSを受信することができる。
【0052】
より具体的には、制御信号・参照信号処理部240は、ネットワークから単一シンボル(single-symbol)または二重シンボル(double-symbol)のDMRSを受信することができる。
【0053】
図5~
図8は、DMRSの構成例を示す。具体的には、
図5は、DMRSの構成例1(Type 1, single-symbol)を示し、
図6は、DMRSの構成例2(Type 1, double-symbol)を示す。
【0054】
図7は、DMRSの構成例3(Type 2, single-symbol)を示し、
図8は、DMRSの構成例4(Type 2, double-symbol)を示す。なお、各構成例の詳細については、さらに後述する。
【0055】
符号化/復号部250は、所定の通信先(gNB100Aまたは他のgNB)毎に、データの分割/連結及びチャネルコーディング/復号などを実行する。
【0056】
具体的には、符号化/復号部250は、データ送受信部260から出力されたデータを所定のサイズに分割し、分割されたデータに対してチャネルコーディングを実行する。また、符号化/復号部250は、変復調部230から出力されたデータを復号し、復号したデータを連結する。
【0057】
データ送受信部260は、Protocol Data Unit (PDU)ならびにService Data Unit (SDU)の送受信を実行する。具体的には、データ送受信部260は、複数のレイヤ(媒体アクセス制御レイヤ(MAC)、無線リンク制御レイヤ(RLC)、及びパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル・レイヤ(PDCP)など)におけるPDU/SDUの組み立て/分解などを実行する。また、データ送受信部260は、ハイブリッドARQ(Hybrid automatic repeat request)に基づいて、データの誤り訂正及び再送制御を実行する。
【0058】
制御部270は、UE200を構成する各機能ブロックを制御する。特に、本実施形態では、制御部270は、DMRSの受信及び処理に関する制御を実行する。
【0059】
具体的には、制御部270は、UE200が利用する周波数帯域、或いはサブキャリア間隔(SCS)の大きさ(広さ)に応じて、DMRSの受信及び処理に関する制御を変更することができる。
【0060】
より具体的には、制御部270は、一つまたは複数の周波数レンジ(例えば、FR1, FR2)を含む周波数帯域と異なる異周波数帯域、例えば、上述したFR2x(52.6GHz~71GHz、
図2参照)を利用する場合(以下、異周波数帯域利用時)、3GPP Release-15, 16において規定されるDMRSの受信及び処理を変更することができる。
【0061】
また、制御部270は、FR1, FR2を含む周波数帯域を利用する場合よりも広いSCSが適用される場合(以下、幅広SCS適用時)、3GPP Release-15, 16において規定されるDMRSの受信及び処理を変更することができる。FR1, FR2を利用する場合よりも広いSCSとは、例えば、480kHz、960kHzなどが挙げられる。但し、FR2xを利用する場合に適用されるSCSが、FR1, FR2を利用する場合に適用されるSCSよりも広ければよく、必ずしも480kHz、960kHzなどに限定されない。
【0062】
制御部270は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時、DMRSの生成に用いられるポート、または当該ポートの組み合わせを制限できる。つまり、制御部270は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時、特定のポートまたはポートの組み合わせによって生成されたDMRSのみが用いられると想定してよい。
なお、ポートとは、gNBのポート、具体的には、アンテナポートを意味してよい。
【0063】
具体的には、制御部270は、DMRSの生成に用いられる複数のアンテナポートのうち、一部のアンテナポートのみを用いるようにしてもよいし、DMRSの生成に用いられる複数のアンテナポートの組み合わせのうち、一部の組み合わせのみを用いるようにしてもよい。なお、アンテナポートの制限の具体例については、さらに後述する。
【0064】
また、制御部270は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時、DMRSの種類を制限することもできる。つまり、制御部270は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時、Type 1またはType 2の何れかのDMRSのみが用いられると想定してよい。
【0065】
具体的には、制御部270は、2種類のDMRS(Type 1及びType 2)のうち、Type 1またはType 2の何れかに制限してもよい。
【0066】
さらに、制御部270は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時、単一シンボル(single-symbol)または二重シンボル(double-symbol)の何れかのDMRSに制限してもよい。つまり、制御部270は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時、単一シンボルまたは二重シンボルの何れかのDMRSのみが用いられると想定してよい。
【0067】
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、ネットワーク(NG-RAN20)とUE200との間におけるDMRSの送受信に関する動作について説明する。
【0068】
(3.1)前提及び課題
無線通信システム10は、上述したように、52.6GHzを超え、71GHzまでの周波数帯域(FR2x)に対応する。FR2xのような高周波数帯域は、FR1, FR2と、次の観点において本質的な相違がある。
【0069】
(チャネル/電波伝搬)
・使用可能な帯域幅の拡大(約13GHz(57~71 GHz unlicensedの場合)
・見通し外(NLOS:Non-Line Of Sight)による大きなパスロスによる低い遅延スプレッド
(デバイス(端末))
・波長に応じた小さいサイズのアンテナ素子(による規模の大きい(massiveな)アンテナ)
・アナログビームフォーミングに基づく高指向性(狭いビーム幅)
・パワーアンプの効率の低下(ピーク対平均電力比(PAPR)の上昇)
・位相雑音の増加(より高いSCS及びより短いシンボル時間の適用可能性)
また、上述したように、FR2xのような高周波数帯域では、より広いSCS(例えば、240/480/960kHz)の適用が想定される。このような場合、SCSの大きさ(RBのサイズと解釈されてもよい)に対するチャネルコヒーレント帯域幅の比は、FR1及びFR2の場合よりも極めて小さくなる可能性がある。
【0070】
図9は、チャネルコヒーレント帯域幅と遅延スプレッドとの関係の一例を示す。チャネルコヒーレント帯域幅内では、周波数応答(frequency response)はフラットであると想定される。
【0071】
図9に示すように、遅延スプレッド(RMS DS:root-mean-square delay spread)が大きくなるに連れてチャネルコヒーレント帯域幅は小さくなるが、SCSが広くなると、上述したように、SCSの大きさに対するチャネルコヒーレント帯域幅の比が小さくなる。このため、フラットな周波数応答を確保できない場合が発生し得る。
【0072】
上述したように、3GPP Release-15, 16では、Type 1及びType 2のDMRSがサポートされる。具体的には、3GPP Release-15, 16では、Type 1及びType 2は、以下のように規定されている。
【0073】
・Type 1(FD Comb 2 + 2 CS + TD-OCC、
図5,6参照)
・最大4本(single-symbol)または最大8本(double-symbol)をサポート
・周波数応答(チャネル周波数応答)が3つの連続するサブキャリア間においてフラットであることを前提とする
・Type 2(FD-OCC + TD-OCC + FDM、
図7,8参照)
・最大6本(single-symbol)または最大12本(double-symbol)をサポート
・周波数応答(チャネル周波数応答)が2つの連続するサブキャリア間においてフラットであることを前提とする
このような状況、及び大きな伝搬損失に対応したアナログビームフォーミングの利用などを考慮すると、FR2xのような高周波数帯域では、DMRSに関して、FR1及びFR2よりも少ない多重化数が必要となり、かつこのような少ない多重化数(容量)で十分とも想定される。
【0074】
上述したように、Type 1及びType 2のDMRSは、2つ或いは3つの連続するサブキャリアが専有する帯域幅の周波数応答がフラットであることを前提としているが、SCSが広くなると、当該2つ或いは3つの連続するサブキャリアが専有する帯域幅が、チャネルコヒーレント帯域幅よりも大きくなる可能性がある。
【0075】
つまり、フラットな周波数応答の前提が覆される可能性がある。このため、特定のアンテナポートの組み合わせの間では、多重化(例えば、FD-OCC:Frequency Division-Orthogonal Cover Code)が適切に機能しないことがある。
【0076】
以下では、このようなFR2xのような高周波数帯域での特徴を考慮したDMRSの送受信及び処理に関する動作例について説明する。
【0077】
(3.2)動作概要
上述したように、FR2xのような高周波数帯域を利用する場合などにおいて、広いSCSが適用される場合、DMRSの生成に用いられるアンテナポート間の多重化が上手く機能せず、結果的にPDSCHを正しくデコードできない状態が発生し得る。
【0078】
そこで、DMRSの生成に関して、UE200(及びgNB、以下同)は、以下のような動作を実行してよい。
【0079】
・(動作例1):使用可能なポートまたはポートの組み合わせを制限する
具体的には、UE200は、CDM(code domain multiplexing)グループ或いは特定のルールに基づいて制限する。
【0080】
・(動作例2):使用可能なDMRSの種類を制限する
具体的には、UE200は、Type 1またはType 2の何れかのみに制限する。
【0081】
・(動作例3):フロントロードされるDM-RSシンボルの数を制限する
具体的には、UE200は、スロット内の前方に配置されるsingle-symbolまたはdouble-symbolの何れかのみに制限する。
【0082】
(3.3)動作例
以下、上述した動作例1~3の詳細について説明する。
【0083】
(3.3.1)動作例1
図10は、UE200におけるDMRS関連の処理フロー(動作例1)を示す。
図10に示すように、UE200は、FR2xのような高周波数帯域を利用するか、或いはFR1, FR2を利用する場合よりも広いSCSが適用されるか否かを判定する(S10)。
【0084】
具体的には、UE200は、下位レイヤのシグナリング(Downlink Control Information (DCI)など)或いは上位レイヤ(例えば、RRC)のシグナリングによって、利用する周波数帯域及び/または適用されるSCS取得する。
【0085】
UE200は、このようなシグナリングなどに基づいて、高周波数帯域を利用する(異周波数帯域利用時)か、或いは広いSCSが適用される(幅広SCS適用時)か否かを判定できる。なお、FR2xのような高周波数帯域を利用する場合に適用されるSCSを一意に特定できる場合、UE200は、当該シグナリングに基づいて判定しなくても構わない。
【0086】
UE200は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時に該当する場合、DMRSの生成に使用可能なポートまたはポートの組み合わせを制限する(S20)。
【0087】
具体的には、UE200は、DMRSの生成に用いられる複数のアンテナポートのうち、一部のアンテナポートのみを用いる、或いはDMRSの生成に用いられる複数のアンテナポートの組み合わせのうち、一部の組み合わせのみを用いる。つまり、UE200は、特定のポートまたはポートの組み合わせによって生成されたDMRSのみが用いられると想定してよい。
【0088】
UE200は、制限した特定のポートまたはポートの組み合わせに基づいて、ネットワークから送信されるDMRSの検出を試みる(S30)。なお、制限されるポートまたはポートの組み合わせ例については、後述する。
【0089】
UE200は、検出したDMRSに基づく処理を実行する(S40)。具体的には、UE200は、検出したDMRSに基づいて、PDSCHの受信設定などを実行する。
【0090】
DMRSの生成に使用可能なポートまたはポートの組み合わせは、例えば、以下のように制限されてよい。
【0091】
・(オプション1):異なるCDMグループに属するポートの組み合わせのみが多重化に用いられる
これにより、波数選択性フェージングによって多重化に失敗する可能性のあるポートの組み合わせを回避し得る。
【0092】
・(Type 1 DMRS/single-symbol(
図5参照)の場合):以下のポートの組み合わせは除外され、多重化に用いられなくてよい。
【0093】
・ポート1000及び1001(CDMグループ0)
・ポート1002及び1003(CDMグループ1)
・(Type 1 DMRS/double-symbol(
図6参照)の場合):以下のポートの組み合わせは除外され、多重化に用いられなくてよい。
【0094】
・ポート1000、1001、1004、1005のポートの組み合わせ(CDMグループ0)
・ポート1002、1003、1006、1007のポートの組み合わせ(CDMグループ1)
・(Type 2 DMRS/single-symbol(
図7参照)の場合):以下のポートの組み合わせは除外され、多重化に用いられなくてよい。
【0095】
・ポート1000及び1001(CDMグループ0)
・ポート1002及び1003(CDMグループ1)
・ポート1004及び1005(CDMグループ2)
・(Type 2 DMRS/double-symbol(
図8参照)の場合):以下のポートの組み合わせは除外され、多重化に用いられなくてよい。
【0096】
・ポート1000、1001、1006、1007のポートの組み合わせ(CDMグループ0)
・ポート1002、1003、1008、1009のポートの組み合わせ(CDMグループ1)
・ポート1004、1005、1010、1011のポートの組み合わせ(CDMグループ2)
・(オプション2):特定のポートの組み合わせのみが多重化に用いられる
具体的には、同一のCDMグループを含まれるポートの幾つかの組み合わせが許可される。これにより、大きな多重化数(容量)を維持しつつ、多重化の失敗を回避し得る。
【0097】
・(Type 1 DMRS/single-symbol(
図5参照)の場合):以下のポートの組み合わせは除外され、多重化に用いられなくてよい。
【0098】
・ポート1000及び1001
・ポート1002及び1003
・(Type 1 DMRS/double-symbol(
図6参照)の場合):以下のポートの組み合わせは除外され、多重化に用いられなくてよい。
【0099】
・ポート1000及び1001
・ポート1002及び1003
・ポート1004及び1005
・ポート1006及び1007
例えば、ポート1000と1004との組み合わせは、同じCDMグループに属していても使用してよい。
【0100】
・(Type 2 DMRS/single-symbol(
図7参照)の場合):以下のポートの組み合わせは除外され、多重化に用いられなくてよい。
【0101】
・ポート1000及び1001
・ポート1002及び1003
・ポート1004及び1005
・(Type 2 DMRS/double-symbol(
図8参照)の場合):以下のポートの組み合わせは除外され、多重化に用いられなくてよい。
【0102】
・ポート1000及び1001
・ポート1002及び1003
・ポート1004及び1005
・ポート1006及び1007
・ポート1008及び1009
・ポート1010及び1011
例えば、ポート1000と1006との組み合わせは、同じCDMグループに属していても使用してよい。上述した組み合わせは、Type 2 DMRS/single-symbolの場合と同様に、多重化が失敗する可能性がある。
【0103】
また、他の組み合わせ(例えば、オプション1とオプション2との組み合わせ)が想定されてもよい。さらに、動作例1は、後述する動作例2,3と組み合わされてもよい。
【0104】
(3.3.2)動作例2
図11は、UE200におけるDMRS関連の処理フロー(動作例2)を示す。以下、動作例1と異なる部分について主に説明する。
【0105】
図11のS110は、
図10のS10と同様である。UE200は、FR2xのような高周波数帯域を利用するか、或いはFR1, FR2を利用する場合よりも広いSCSが適用されるか否かを判定する。
【0106】
UE200は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時に該当する場合、DMRSの生成に使用可能なDMRSの種類を制限する(S120)。
【0107】
具体的には、UE200は、Type 1及びType 2のうち、何れかの種類のみを用いる。つまり、UE200は、Type 1またはType 2の何れかのみが用いられると想定してよい。
【0108】
UE200は、制限した何れかの種類のDMRSを想定し、ネットワークから送信されるDMRSの検出を試みる(S130)
S140は、
図10のS40と同様である。UE200は、検出したDMRSに基づく処理を実行する。具体的には、UE200は、検出したDMRSに基づいて、PDSCHの受信設定などを実行する。
【0109】
Type 1 DMRSのみに制限される場合、ポート当たり周波数領域でより大きなDMRS密度(復調性能の向上)を達成し得る。FR2xのような高周波数帯域では、FR1, FR2などよりも小さな多重化能力で十分であると想定してよい。
【0110】
Type 2 DMRSのみに制限される場合、より大きな多重化容量を達成し得る。また、動作例2は、特に、動作例1と組み合わせることが好ましい。
【0111】
(3.3.3)動作例3
図12は、UE200におけるDMRS関連の処理フロー(動作例3)を示す。以下、動作例1と異なる部分について主に説明する。
【0112】
図12のS210は、
図10のS10と同様である。UE200は、FR2xのような高周波数帯域を利用するか、或いはFR1, FR2を利用する場合よりも広いSCSが適用されるか否かを判定する。
【0113】
UE200は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時に該当する場合、DMRSのシンボル数を制限する(S220)。
【0114】
具体的には、UE200は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時、単一シンボル(single-symbol)または二重シンボル(double-symbol)の何れかのDMRSに制限する。つまり、UE200は、single-symbolまたはType 2double-symbol何れかのみが用いられると想定してよい。
【0115】
UE200は、制限した何れかのシンボルのDMRSを想定し、ネットワークから送信されるDMRSの検出を試みる(S230)。
【0116】
S240は、
図10のS40と同様である。UE200は、検出したDMRSに基づく処理を実行する。具体的には、UE200は、検出したDMRSに基づいて、PDSCHの受信設定などを実行する。
【0117】
single-symbol DMRSの場合、データに使用できるシンボル数を増やし得る(すなわち、より高いデータレートを達成し得る)。
【0118】
double-symbol DMRSの場合、2番目のシンボルでのDMRSのデコードは、受信側におけるDMRSのポート多重化の正確な理解に資する。
【0119】
(4)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。具体的には、UE200は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時、DMRSの生成に用いられるポート、または当該ポートの組み合わせを制限できる。
【0120】
また、UE200は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時、DMRSの種類(Type 1, Type 2)を制限できる。
【0121】
さらに、UE200は、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時、single-symbolまたはdouble-symbolの何れかのDMRSに制限できる。
【0122】
このため、FR2xのような高周波数帯域などを利用し、SCSが大きい場合でも、DMRSを正常に受信できる。具体的には、SCSが大きく、2つ或いは3つのサブキャリアが専有する帯域幅がチャネルコヒーレント帯域幅よりも広くなる場合でも、DMRSを制限することによって、DMRSの多重化失敗などを回避でき、UE200は、DMRSを正常に受信できる。
【0123】
また、これにより、UE200は、DMRSに基づいてPDSCHを正しくデコードし得る。
【0124】
(5)その他の実施形態
以上、実施形態について説明したが、当該実施形態の記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0125】
例えば、上述した実施形態では、異周波数帯域利用時及び/または幅広SCS適用時に、DMRSに何らかの制限を加える例について説明したが、FR1, FR2と同一のSCSが適用されている場合でも、異周波数帯域利用時には、上述したようなDMRSの制限を加えても構わない。
【0126】
逆に、FR1, FR2でも、240, 480, 960kHzのような広いSCSが適用される場合、上述したようなDMRSの制限を加えても構わない。
【0127】
また、上述した実施形態では、PDSCH用のDMRSを意図して説明したが、他のDMRS(例えば、PUSCH(上り方向)用)を対象としてもよい。
【0128】
さらに、FR2xは、70GHz以下の周波数レンジと、70GHz以上の周波数レンジとに区分されてもよく、70GHz以上の周波数レンジと、70GHz以下の周波数レンジに対して上述した動作例の何れかが部分的に適用されてもよい。
【0129】
また、上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(
図4)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0130】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0131】
さらに、上述したUE200は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図13は、UE200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図13に示すように、UE200は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0132】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0133】
UE200の各機能ブロック(
図4参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0134】
またUE200における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0135】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0136】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0137】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0138】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0139】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0140】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0141】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0142】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0143】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0144】
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0145】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0146】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0147】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0148】
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0149】
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
【0150】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0151】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0152】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0153】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0154】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0155】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0156】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0157】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0158】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0159】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0160】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0161】
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0162】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0163】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0164】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0165】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0166】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームはさらに時間領域において1つまたは複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0167】
ニューメロロジーは、ある信号またはチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing:SCS)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0168】
スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0169】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0170】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、何れも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0171】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0172】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0173】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0174】
なお、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロットまたは1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0175】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partialまたはfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0176】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0177】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0178】
また、RBの時間領域は、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0179】
なお、1つまたは複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB:PRB)、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group:SCG)、リソースエレメントグループ(Resource Element Group:REG)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0180】
また、リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(Resource Element:RE)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0181】
帯域幅部分(Bandwidth Part:BWP)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0182】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つまたは複数のBWPが設定されてもよい。
【0183】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0184】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームまたは無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロットまたはミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0185】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0186】
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0187】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0188】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0189】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0190】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0191】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0192】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0193】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0194】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0195】
10 無線通信システム
20 NG-RAN
100A, 100B gNB
UE 200
210 無線信号送受信部
220 アンプ部
230 変復調部
240 制御信号・参照信号処理部
250 符号化/復号部
260 データ送受信部
270 制御部
BM ビーム
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス