(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】瘻孔を形成するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/11 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
A61B17/11
(21)【出願番号】P 2022539673
(86)(22)【出願日】2019-12-30
(86)【国際出願番号】 US2019068965
(87)【国際公開番号】W WO2021137851
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-10-31
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513114032
【氏名又は名称】ティーブイエー メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カシラロ, マット
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-509366(JP,A)
【文献】特表2018-515221(JP,A)
【文献】特開平07-051273(JP,A)
【文献】特開2002-113018(JP,A)
【文献】特表2019-503229(JP,A)
【文献】特表2016-512756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/11
A61B 17/00
A61M 25/00
A61M 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
瘻孔を形成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の脈管を通して前進させられるように構成された第1のカテーテルであって、前記第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを備えている、第1のカテーテルと、
第2の脈管を通して前進させられるように構成された第2のカテーテルであって、前記第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を備え、前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素とは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとを一緒に引き寄せるように構成されている、第2のカテーテルと、
前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間で生成された磁場の大きさを示す磁場信号を出力するように構成された1つ以上の磁場センサと、
準備完了信号を出力するように構成されたユーザ出力デバイスと、
前記1つ以上の磁場センサおよび前記ユーザ出力デバイスに通信可能に結合されたコントローラと
を備え、
前記コントローラは、
前記1つ以上の磁場センサから前記磁場信号を受信することと、
前記1つ以上の磁場センサからの前記磁場信号に基づいて、前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの分離の距離を決定することと、
前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの前記分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、前記ユーザ出力デバイスを用いて、前記準備完了信号を出力することと
を行うように構成され、
前記準備完了信号は、前記瘻孔形成要素を用いて前記瘻孔を形成するための前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す、システム。
【請求項2】
前記瘻孔形成要素は、前記第1のカテーテルの先端
に対して近位に位置付けられ、前記第1のカテーテルの側壁から延長可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の磁場センサは、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルのうちの少なくとも一方に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上の磁場センサは、前記第1のカテーテルに結合された第1の磁場センサと、前記第2のカテーテルに結合された第2の磁場センサとを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザ出力デバイスは、インジケータライトを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が前記所定の距離より大きいことが決定されると、前記瘻孔形成要素の動作を防止するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記瘻孔形成要素は、電源に結合された電極を備え、前記電源は、前記電極に通電し、前記コントローラは、前記電源に通信可能結合され、前記コントローラは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が前記所定の距離より大きいことが決定されると、前記電極の通電を防止するように前記電源を動作させるように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上の磁場センサは、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、微小電気機械システムセンサ、および/または超伝導量子干渉デバイスセンサのうちの少なくとも1つを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
瘻孔を形成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の脈管を通して前進させられるように構成された第1のカテーテルであって、前記第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを備えている、第1のカテーテルと、
第2の脈管を通して前進させられるように構成された第2のカテーテルであって、前記第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を備え、前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素とは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとを一緒に引き寄せるように構成されている、第2のカテーテルと、
治療部位の外部に位置付けられるように構成されたプローブであって、前記プローブは、前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間で生成された磁場の大きさを示す磁場信号を出力するように構成された1つ以上の磁場センサを備えている、プローブと、
準備完了信号を出力するように構成されたユーザ出力デバイスと、
前記1つ以上の磁場センサおよび前記ユーザ出力デバイスに通信可能に結合されたコントローラと
を備え、
前記コントローラは、
前記1つ以上の磁場センサから前記磁場信号を受信することと、
前記1つ以上の磁場センサからの前記磁場信号に基づいて、前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの分離の距離を決定することと、
前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの前記分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、前記ユーザ出力デバイスを用いて準備完了信号を出力することと
を行うように構成され、
前記準備完了信号は、前記瘻孔形成要素を用いて前記瘻孔を形成するための前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す、システム。
【請求項10】
前記瘻孔形成要素は、前記第1のカテーテルの先端
に対して近位に位置付けられ、前記第1のカテーテルの側壁から延長可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ユーザ出力デバイスは、前記プローブに結合されたインジケータライトを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が前記所定の距離より大きいことが決定されると、前記瘻孔形成要素の動作を防止するようにさらに構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記瘻孔形成要素は、電源に結合された電極を備え、前記電源は、前記電極に通電し、前記コントローラは、前記電源に通信可能結合され、前記コントローラは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が前記所定の距離より大きいことが決定されると、前記電極の通電を防止するように前記電源を動作させるように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上の磁場センサは、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、微小電気機械システムセンサ、および超伝導量子干渉デバイスセンサのうちの少なくとも1つを備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
瘻孔を形成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の脈管を通して前進させられるように構成された第1のカテーテルであって、前記第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを備えている、第1のカテーテルと、
第2の脈管を通して前進させられるように構成された第2のカテーテルであって、前記第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を備え、前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素は、前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素と整列させられている、第2のカテーテルと、
前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間に生成された磁場を検出するように構成された1つ以上の磁場センサであって、前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの分離の距離が、前記1つ以上の磁場センサからの磁場信号に基づいて決定される、1つ以上の磁場センサと、
前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの前記分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して準備完了信号を発生させるように構成されたユーザ出力デバイスであって、前記準備完了信号は、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す、ユーザ出力デバイスと
を備え、
前記瘻孔は、前記準備完了信号に応答して、前記瘻孔形成要素を用いて形成される、システム。
【請求項16】
前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が所定の距離より大きいことが決定されると、前記瘻孔形成要素の動作が防止される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記瘻孔形成要素は、電源に結合された電極を備え、前記電源の動作は、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が前記所定の距離より大きいことが決定されると、防止される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上の磁場センサは、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルのうちの少なくとも一方に結合されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上の磁場センサは、前記第1のカテーテルに結合された第1の磁場センサと、前記第2のカテーテルに結合された第2の磁場センサとを備えている、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記1つ以上の磁場センサは、治療部位の外部に位置付けられたプローブに結合されている、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、瘻孔を形成するためのシステムおよび方法に関し、より具体的に、磁場センサが瘻孔形成のためのカテーテルの適切な位置の決定を可能にする第1および第2のカテーテルを使用して瘻孔を形成するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
瘻孔(fistula)は、概して、2つの内臓間に形成された通路である。2つの血管の間に瘻孔を形成することは、1つ以上の有益な機能を有し得る。例えば、動脈と静脈との間の瘻孔の形成は、血液透析患者のための血管系へのアクセスを提供し得る。具体的に、動脈と静脈との間に瘻孔を形成することは、血液が、毛細血管を迂回しながら、脈管間で急速に流動することを可能にする。針、カテーテル、または他のカニューレが、次いで、瘻孔の近傍の血管の中に挿入され、循環器系から血液を引き込み、これを透析機に通し、これを身体に戻し得る。瘻孔によって提供される、速められた流動は、効果的な血液透析を提供し得る。概して、瘻孔形成は、動脈への外科手術的吻合のために静脈を横切開し、移動させる、標的静脈の外科手術的切開を要求する。これらの瘻孔は、典型的に、約30~60%の一次不全率(患者が透析を受ける前の不全)を有し、瘻孔が透析のために使用可能になる前に1~12ヶ月(例えば、4~8週間)を要する。2つの血管間に瘻孔を形成するための改善された方法を見出すことが、有用であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に説明される実施形態によって提供されるこれらの追加の特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明に照らして、より完全に理解されるであろう。
【0004】
一実施形態では、瘻孔を形成するためのシステムは、第1の脈管を通して前進させられるように構成された第1のカテーテルと、第2の脈管を通して前進させられるように構成された第2のカテーテルと、1つ以上の磁場センサと、準備完了信号を出力するように構成されたユーザ出力デバイスと、1つ以上の磁場センサおよびユーザ出力デバイスに通信可能に結合された制御ユニットとを含む。第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを含む。第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を含む。1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と1つ以上の第2のカテーテル磁気要素とは、第1のカテーテルと第2のカテーテルとを一緒に引き寄せるように構成されている。1つ以上の磁場センサは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間に生成される磁場の大きさを示す磁場信号を出力するように構成されている。制御ユニットは、1つ以上の磁場センサから磁場信号を受信し、1つ以上の磁場センサからの磁場信号に基づいて、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離を決定し、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、ユーザ出力デバイスを用いて準備完了信号を出力するように構成され、準備完了信号は、瘻孔形成要素を用いて瘻孔を形成するための第1のカテーテルと第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す。
【0005】
別の実施形態では、瘻孔を形成するためのシステムは、第1の脈管を通して前進させられるように構成された第1のカテーテルと、第2の脈管を通して前進させられるように構成された第2のカテーテルと、治療部位の外部に位置付けられるように構成されたプローブと、準備完了信号を出力するように構成されたユーザ出力デバイスと、1つ以上の磁場センサおよびユーザ出力デバイスに通信可能に結合された制御ユニットとを含む。第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを含む。第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を含む。1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と1つ以上の第2のカテーテル磁気要素とは、第1のカテーテルと第2のカテーテルとを一緒に引き寄せるように構成されている。プローブは、治療部位の外部に位置付けられるように構成され、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間で生成された磁場の大きさを示す磁場信号を出力するように構成された1つ以上の磁場センサを含む。制御ユニットは、1つ以上の磁場センサから磁場信号を受信し、1つ以上の磁場センサからの磁場信号に基づいて、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離を決定し、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、ユーザ出力デバイスを用いて準備完了信号を出力するように構成され、準備完了信号は、瘻孔形成要素を用いて瘻孔を形成するための第1のカテーテルと第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す。
【0006】
さらに別の実施形態では、瘻孔を形成する方法は、第1の脈管を通して第1のカテーテルを前進させることであって、第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを備えている、ことと、第2の脈管を通して第2のカテーテルを前進させることであって、第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を備えている、ことと、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を整列させることと、1つ以上の磁場センサを用いて、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間に生成された磁場を検出することと、1つ以上の磁場センサからの磁場信号に基づいて、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離を決定することと、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、ユーザ出力デバイスを用いて準備完了信号を発生させることであって、準備完了信号は、第1のカテーテルと第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す、ことと、準備完了信号に応答して、瘻孔形成要素を用いて瘻孔を形成することとを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
瘻孔を形成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の脈管を通して前進させられるように構成された第1のカテーテルであって、前記第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを備えている、第1のカテーテルと、
第2の脈管を通して前進させられるように構成された第2のカテーテルであって、前記第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を備え、前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素とは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとを一緒に引き寄せるように構成されている、第2のカテーテルと、
前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間で生成された磁場の大きさを示す磁場信号を出力するように構成された1つ以上の磁場センサと、
準備完了信号を出力するように構成されたユーザ出力デバイスと、
前記1つ以上の磁場センサおよび前記ユーザ出力デバイスに通信可能に結合されたコントローラと
を備え、
前記コントローラは、
前記1つ以上の磁場センサから前記磁場信号を受信することと、
前記1つ以上の磁場センサからの前記磁場信号に基づいて、前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの分離の距離を決定することと、
前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの前記分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、前記ユーザ出力デバイスを用いて、前記準備完了信号を出力することと
を行うように構成され、
前記準備完了信号は、前記瘻孔形成要素を用いて前記瘻孔を形成するための前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す、システム。
(項目2)
前記瘻孔形成要素は、前記第1のカテーテルの先端の近位に位置付けられ、前記第1のカテーテルの側壁から延長可能である、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記1つ以上の磁場センサは、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルのうちの少なくとも一方に結合されている、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記1つ以上の磁場センサは、前記第1のカテーテルに結合された第1の磁場センサと、前記第2のカテーテルに結合された第2の磁場センサとを備えている、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記ユーザ出力デバイスは、インジケータライトを含む、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記コントローラは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が前記所定の距離より大きいことが決定されると、前記瘻孔形成要素の動作を防止するようにさらに構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記瘻孔形成要素は、電源に結合された電極を備え、前記電源は、前記電極に通電し、前記コントローラは、前記電源に通信可能結合され、前記コントローラは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が前記所定の距離より大きいことが決定されると、前記電極の通電を防止するように前記電源を動作させるように構成されている、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記1つ以上の磁場センサは、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、微小電気機械システムセンサ、および/または超伝導量子干渉デバイスセンサのうちの少なくとも1つを備えている、項目1に記載のシステム。
(項目9)
瘻孔を形成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の脈管を通して前進させられるように構成された第1のカテーテルであって、前記第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを備えている、第1のカテーテルと、
第2の脈管を通して前進させられるように構成された第2のカテーテルであって、前記第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を備え、前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素とは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとを一緒に引き寄せるように構成されている、第2のカテーテルと、
治療部位の外部に位置付けられるように構成されたプローブであって、前記プローブは、前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間で生成された磁場の大きさを示す磁場信号を出力するように構成された1つ以上の磁場センサを備えている、プローブと、
準備完了信号を出力するように構成されたユーザ出力デバイスと、
前記1つ以上の磁場センサおよび前記ユーザ出力デバイスに通信可能に結合されたコントローラと
を備え、
前記コントローラは、
前記1つ以上の磁場センサから前記磁場信号を受信することと、
前記1つ以上の磁場センサからの前記磁場信号に基づいて、前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの分離の距離を決定することと、
前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの前記分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、前記ユーザ出力デバイスを用いて準備完了信号を出力することと
を行うように構成され、
前記準備完了信号は、前記瘻孔形成要素を用いて前記瘻孔を形成するための前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す、システム。
(項目10)
前記瘻孔形成要素は、前記第1のカテーテルの先端の近位に位置付けられ、前記第1のカテーテルの側壁から延長可能である、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記ユーザ出力デバイスは、前記プローブに結合されたインジケータライトを含む、項目9に記載のシステム。
(項目12)
前記コントローラは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が前記所定の距離より大きいことが決定されると、前記瘻孔形成要素の動作を防止するようにさらに構成されている、項目9に記載のシステム。
(項目13)
前記瘻孔形成要素は、電源に結合された電極を備え、前記電源は、前記電極に通電し、前記コントローラは、前記電源に通信可能結合され、前記コントローラは、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が前記所定の距離より大きいことが決定されると、前記電極の通電を防止するように前記電源を動作させるように構成されている、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記1つ以上の磁場センサは、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、微小電気機械システムセンサ、および超伝導量子干渉デバイスセンサのうちの少なくとも1つを備えている、項目9に記載のシステム。
(項目15)
瘻孔を形成する方法であって、前記方法は、
第1の脈管を通して第1のカテーテルを前進させることであって、前記第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを備えている、ことと、
第2の脈管を通して第2のカテーテルを前進させることであって、前記第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を備えている、ことと、
前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を整列させることと、
1つ以上の磁場センサを用いて、前記1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と前記1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間に生成された磁場を検出することと、
前記1つ以上の磁場センサからの磁場信号に基づいて、前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの分離の距離を決定することと、
前記第2のカテーテルからの前記第1のカテーテルの前記分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、ユーザ出力デバイスを用いて準備完了信号を発生させることであって、前記準備完了信号は、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す、ことと、
前記準備完了信号に応答して、前記瘻孔形成要素を用いて瘻孔を形成することと
を含む、方法。
(項目16)
前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が所定の距離より大きいことが決定されると、前記瘻孔形成要素の動作を防止することをさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記瘻孔形成要素は、電源に結合された電極を備え、前記電源の動作は、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間の前記分離の距離が前記所定の距離より大きいことが決定されると、防止される、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記1つ以上の磁場センサは、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルのうちの少なくとも一方に結合されている、項目15に記載の方法。
(項目19)
前記1つ以上の磁場センサは、前記第1のカテーテルに結合された第1の磁場センサと、前記第2のカテーテルに結合された第2の磁場センサとを備えている、項目15に記載の方法。
(項目20)
前記1つ以上の磁場センサは、治療部位の外部に位置付けられたプローブに結合されている、項目15に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面に記載される実施形態は、本質的に例証的かつ例示的であり、請求項によって定義される主題を限定することを意図していない。例証的実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が、同様の参照番号を用いて示される以下の図面と併せて熟読されたとき、理解されることができる。
【0008】
【
図1】
図1は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、瘻孔を形成するためのシステムを描写する。
【0009】
【
図2】
図2は、ここに示され、説明される1つ以上の実施形態による、瘻孔を形成するためのシステムを図式的に描写する。
【0010】
【
図3】
図3は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、磁力線を図式的に図示する。
【0011】
【
図4】
図4は、磁力対距離の間の関係を図示するグラフを描写する。
【0012】
【
図5】
図5は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、外部プローブを含む瘻孔を形成するためのシステムを図式的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に提供される実施形態は、瘻孔を形成するためのシステムおよび方法を対象とする。本開示によるシステムは、概して、第1の脈管を通して前進させられるように構成された第1のカテーテルと、第2の脈管を通して前進させられるように構成された第2のカテーテルとを含む。第1のカテーテルおよび第2のカテーテルのうちの少なくとも一方は、電極等の瘻孔形成要素を含む。加えて、第1および第2のカテーテルは、第1のカテーテルおよび第2のカテーテルを互いに向かって引き寄せるように構成された1つ以上の磁気要素を含む。第1および第2のカテーテルを一緒に引き寄せることによって、第1および第2の脈管の組織が、それらの間で衝突させられた状態になり得、瘻孔形成要素の動作が、第1の脈管と第2の脈管との間に開口部(すなわち、瘻孔)を形成するために使用され得る。しかしながら、第1のカテーテルおよび第2のカテーテルの互いに対する適切な整列および距離を確実にすることは、厄介であり得る。例えば、蛍光透視が、第1および第2のカテーテルの位置を示すために使用され得る。しかしながら、蛍光透視は、2次元平面における視覚フィードバックを提供し、それは、適切な3次元整列を確実にすることを困難にし得る。
【0014】
本概念は、第1および第2のカテーテルの磁気要素間に生成される磁場を検出する1つ以上の磁場センサを使用することを対象とする。検出された磁場に基づいて、制御ユニットは、第1および第2のカテーテルの距離および/または整列を決定し得る。適切な距離および整列が到達されると、第1および第2のカテーテルが瘻孔形成のために正確に位置付けられたことをオペレータに警告する信号が、制御ユニットによって出力され得る。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、制御ユニットが、第1および第2のカテーテルが互いに適切な距離内に位置付けられていないこと、または別様に不適切に整列させられていることを決定すると、瘻孔形成要素の動作および/またはアクティブ化を防止するように動作可能であり得る。試験デバイスの種々の実施形態および試験デバイスの動作が、本明細書により詳細に説明されるであろう。
【0015】
任意の好適なカテーテルまたはカテーテルが、ここに説明される方法および/またはシステムを使用して、瘻孔を形成するために使用され得る。本明細書に説明されるシステムおよび方法は、2011年11月16日に出願され、「DEVICES AND METHODS FOR FORMING A FISTULA」と題された米国特許出願第13/298,169号、2019年11月8日に出願され、「DEVICES AND METHODS FOR FORMING A FISTULA」と題された米国特許出願第14/052,477号、2014年3月14日に出願され、「FISTULA FORMATION DEVICES AND METHODS THEREFOR」と題された米国特許出願第14/214,503号、2015年9月17日に出願され、「Fistula Formation Devises and Methods Therefor」と題された米国特許出願第14/657,997号、2017年7月20日に出願され、「DEVICES AND METHODS FOR FORMING A FISTULA」と題された米国特許出願第15/406,755号、2018年6月29日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR ADHERING VESSELS」と題された米国特許出願第16/024,241号(それらの各々は、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるようなデバイスのうちの1つ以上のものを使用し得る。
【0016】
いくつかの変形例では、瘻孔が、第1の脈管(例えば、動脈)内に設置された第1のカテーテルと、第2の脈管(例えば、静脈)内に設置された第2のカテーテルとを使用して形成され得る。
図1は、第1の脈管と第2の脈管との間に瘻孔を形成するために使用され得るシステム100の一変形例を図示する。そこに示されるように、システム100は、第1のカテーテル110と、第2のカテーテル112とを含み得る。第1のカテーテル110は、カテーテル本体114と、瘻孔形成要素132とを含み得る。瘻孔形成要素132は、カテーテル本体114内の開口部130から外に前進させられ、または付勢され得る。例えば、瘻孔形成要素132は、第1のカテーテル110の先端113の近位に位置付けられ得、カテーテル本体114の第1のカテーテル110の側壁115から延長可能であり得る。他の実施形態では、瘻孔形成要素132は、カテーテル本体114に対して移動可能ではないこともある。
【0017】
瘻孔形成要素132は、第1の脈管(例えば、静脈)と第2の脈管(例えば、動脈)との間に開口部を形成するように動作可能な任意のデバイスであり得る。例えば、瘻孔形成要素132は、ナイフ、針、および/または電極等の任意の切断、穿刺、および/またはアブレートデバイスであり得る。図示される実施形態では、瘻孔形成要素132は、電極134を含む。電流が、電極134に通され、電極134によって触れられた組織をアブレートするか、または別様にそれを除去し得る。いくつかの変形例では、第1のカテーテル110は、カテーテル本体114内に、組織除去/アブレーション中に電極134によって発生させられ得る熱から第1のカテーテル110の他の構成要素を保護することに役立ち得る断熱筐体131(例えば、セラミック筐体または同等物)を有し得る。実施形態では、電極134は、カテーテル本体114内の電極134が保持された(または、別様に保たれた)位置から、電極134が(
図2に示されるもの等の)カテーテル本体114の側壁115から離れるように延びている位置まで選択的に移動させられ得る。電極134は、組織のアブレーションに続いて、後退/低姿勢位置(直前の後退位置と同じ位置または異なる位置のいずれか)まで戻るようにも選択的に移動させられ得る。いくつかの変形例では、電極134は、カテーテル本体114によって別様に拘束されていないとき、伸ばされた位置に向かって付勢され得る。
【0018】
電極134を含む瘻孔形成要素132が、
図1に示されているが、実施形態が、米国特許出願第13/298,169号、米国特許出願第14/052,477号、米国特許出願第14/214,503号、米国特許出願第14/657,997号、米国特許出願第15/406,755号、および米国特許出願第16/024,241号(参照することによって、それらの全体として以前に組み込まれた)においてより詳細に説明されるもの等、任意の好適な瘻孔形成要素132(例えば、1つ以上の電極/電気焼灼機構、ブレード、ランセット、針等の1つ以上の機械的切断機構、1つ以上の化学デバイス、低温焼灼デバイス、レーザアブレーションデバイス、それらの組み合わせ等)を有するカテーテルを含み得、その中で説明されるような任意の様式において動作させられ得ることを理解されたい。
【0019】
第2のカテーテル112は、それと第1のカテーテル110との間に瘻孔を形成することを補助するような、任意の好適な要素または要素の組み合わせを有し得る。例えば、第2のカテーテル112は、カテーテル本体114を備え得、カテーテル本体114は、その中に延びている陥凹136を有する。陥凹136は、断熱材(図示せず)によってコーティングされ得、断熱材は、第2のカテーテル112の1つ以上の構成要素を損傷させることなく、第1のカテーテル110の電極134(または他の瘻孔形成要素132)を受け取り、それに接触するための守りとしての機能を果たし得る。加えて、または代替として、第2のカテーテル112は、第1のカテーテル110の瘻孔形成要素と同じであり得るか、または、それと異なり得る1つ以上の瘻孔形成要素を含み得る。
【0020】
第1および第2のカテーテル110、112の各々は、血管系内にカテーテルを位置付けることに役立ち得る1つ以上の整列要素を含む。1つ以上の整列要素は、瘻孔が関連付けられる血管間に形成され得るように、2つのカテーテル(それらとともに、関連付けられる血管)をより近接させることに役立つ。加えて、または代替として、1つ以上の整列要素は、1つ以上のカテーテルを血管および/または他のカテーテルに対して特定の回転構成に位置付けるために使用され得る。加えて、または代替として、1つ以上の整列要素は、1つ以上のカテーテルを血管または複数の血管内に軸方向に位置付けるために使用され得る。例えば、1つ以上の整列要素は、瘻孔形成要素132のアクティブ化が、2つの脈管の間の瘻孔形成を対象とするように、カテーテルの瘻孔形成要素132を第1の脈管および第2の脈管に対して位置付けるように構成され得る。
【0021】
1つ以上の整列要素は、1つ以上の磁気要素(例えば、磁気要素120および/または122)を含み得る。ここに説明されるカテーテルとの使用のための磁石配置の例が、米国特許出願第13/298,169号、米国特許出願第14/052,477号、米国特許出願第14/214,503号、米国特許出願第14/657,997号、米国特許出願第15/406,755号、および米国特許出願第16/024,241号(参照することによってそれらの全体として以前に組み込まれた)に見出され得る。これらの磁気整列要素は、1つ以上の追加の要素(例えば、第2のカテーテル112の1つ以上の部分、身体から外部に設置された1つ以上の磁石または他の構成要素)に引きつけられ、脈管内にカテーテルを位置付けること、または整列させることに役立ち得る。例えば、身体の外側において設置された1つ以上の磁石が、カテーテルの磁気整列構成要素と相互作用し、血管系を通したカテーテルの前進を促進することに役立ち得る。加えて、または代替として、第1のカテーテル110の1つ以上の磁気要素が、第2のカテーテル112の1つ以上の磁気要素と相互作用し、第1および第2のカテーテル110、112を互いに向かって引きつけ、および/または、第1および第2のカテーテル110、112を具体的な回転および/または軸方向整列に向かって付勢し得る。
【0022】
例えば、
図1に示されるシステム100の変形例では、第1のカテーテル110は、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120を含み得、第2のカテーテル112は、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素122を含み得る。これらの磁気要素120、122は、第1のカテーテル110の開口部130が第2のカテーテル112の陥凹136と軸方向に整列するように、第1および第2のカテーテル110、112の軸方向の位置付けを付勢するように構成され得る。磁気要素120、122は、第1のカテーテル110の開口部130が第2のカテーテル112の陥凹136に向かって面するように、第1および第2のカテーテル110、112の回転的位置付けを付勢するようにも構成され得る。故に、1つ以上の磁気要素120、122は、電極134が、瘻孔形成中、開口部130から第2のカテーテル112の陥凹136に向かって延び得るように、第1および第2のカテーテル110、112をそれぞれの脈管(例えば、動脈/静脈)内に位置付けることに役立つように使用され得る。
【0023】
1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120は、瘻孔形成要素132の遠位および/または近位に位置付けられた1つ以上の磁石または磁気アレイを含み得る。例えば、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120は、瘻孔形成要素132の両側に位置付けられた1つ以上の磁石または磁気アレイが存在するように、瘻孔形成要素132の近位および遠位の両方に位置付けられ得る。同様に、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素122は、陥凹136の遠位および/または近位に位置付けられた1つ以上の磁石または磁気アレイを含み得る。例えば、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素122は、陥凹136の近位および遠位の両方に位置付けられ、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120に対応し得る。1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120および1つ以上の第2のカテーテル磁気要素122は、一時磁石、永久磁石、および/または電磁石を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1および/または第2のカテーテル110、112は、それらの前進および位置決めを可視化するための1つ以上のマーカ117を含み得る。いくつかの変形例では、マーカ117は、直接可視化され得る。他の変形例では、マーカは、(例えば、超音波、蛍光透視、および/またはX線可視化を介して)間接的に可視化され得る。マーカ117は、カテーテル、例えば、カテーテルの1つ以上の表面、カテーテルの内側に対して任意の場所に位置し得る。いくつかの変形例では、カテーテルの1つ以上の部分が、エコー源性材料または放射線材料から作製され得る。マーカは、任意の好適な方法によって、例えば、機械的取り付け(例えば、カテーテルの一部の中への埋め込み、円周の取り囲み等)、接着剤接合、溶接、はんだ付け、それらの組み合わせ等によってカテーテルに取り付けられ得る。例えば、
図1における、上記に示されるシステム100の変形例では、第1および第2のカテーテル110、112の各々は、1つ以上のマーカ117を含み得る。これらのマーカ117は、第1および第2のカテーテル110、112の前進および/または位置付け中、カテーテルが血管内に適切に位置付けられていることを確認するために可視化され得る。例えば、第1のカテーテル110の開口部130が第2のカテーテル112の陥凹136と軸方向に整列させられる変形例、および/または、第1のカテーテル110の開口部130が第2のカテーテル112の陥凹136に対して回転的に整列させられる変形例では、瘻孔の形成に先立って、1つ以上のマーカ117が、1つ以上の可視化技法(例えば、超音波、蛍光透視、および/またはX線)を通して、第1および第2の脈管との第1および第2のカテーテル110、112のこの位置付けを確認するために使用され得る。
【0025】
しかしながら、上で言及されたように、そのような可視化技法は、エラーにさらされ得る。例えば、第1および第2のカテーテル110、112が、2次元蛍光透視下では、整列させられた状態に見え得るが、第1および第2のカテーテル110、112は、3次元空間では整列させられていないこともある。下記により詳細に説明されるであろうように、1つ以上のマーカ117の代わりに、および/または1つ以上のマーカ117に加えて、システム100は、第1および第2のカテーテル110、112の互いに対する整列および/または位置付けを決定するために使用され得る1つ以上の磁場センサ116を含み得る。
【0026】
図2は、通信経路102を経由して互いに通信可能に結合され得るシステム100のモジュールを図式的に図示する。システム100は、概して、制御ユニット104と、1つ以上の磁場センサ116と、ユーザ出力デバイス140とを含む。なおさらなる実施形態では、システム100は、電源160、および/または、係止機構150等の安全デバイスをさらに含み得る。
【0027】
システム100の種々の電子構成要素が、通信経路102を経由して互いに通信可能に結合される。通信経路102は、システム100の種々の構成要素を接続する、バスであり得る。通信経路102は、例えば、伝導性ワイヤ、伝導性トレース、光導波路等、信号を伝送することが可能である任意の媒体から形成され得る。さらに、通信経路102は、信号を伝送することが可能な媒体の組み合わせから形成され得る。いくつかの実施形態では、通信経路102は、プロセッサ、メモリ、センサ、入力デバイス、出力デバイス、および通信デバイス等の構成要素の種々の構成要素間での電気データ信号の伝送を可能にするように協働する、伝導性トレース、伝導性ワイヤ、コネクタ、およびバスの組み合わせを含む。加えて、用語「信号」が、媒体を通して進行することが可能であるDC、AC、正弦波、三角波、方形波、振動等の(例えば、電気、光、磁気、機械、または電磁)波形を意味することに留意されたい。
【0028】
制御ユニット104は、任意のタイプのコンピューティングデバイスであることができ、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のメモリモジュールとを含む。1つ以上のプロセッサは、1つ以上のメモリモジュール上に記憶されるもの等、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶される機械読み取り可能な命令を実行することが可能な任意のデバイスを含み得る。故に、1つ以上のプロセッサの各々は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、および/または任意の他のコンピューティングデバイスを含み得る。
【0029】
制御ユニット104の1つ以上のメモリモジュールは、1つ以上のプロセッサに通信可能に結合される。1つ以上のメモリモジュールは、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリとして構成され得、したがって、ランダムアクセスメモリ(RAM、DRAM、および/または他のタイプのRAMを含む)、フラッシュメモリ、セキュアデジタル(SD)メモリ、レジスタ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、および/または他のタイプの非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。特定の実施形態に応じて、これらの非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体は、制御ユニット104内に常駐し、および/または制御ユニット104の外部にあり得る。1つ以上のメモリモジュールは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、制御ユニット104が、例えば、第2のカテーテル112から第1のカテーテル110の分離の距離および/または第1のカテーテル110および第2のカテーテル112の整列を決定し、第2のカテーテル112から第1のカテーテル110の分離の距離が所定の閾値内であることを決定することに応答して、(例えば、ユーザ出力デバイス140を用いて)ユーザ出力デバイス140を出力することを可能にする論理(すなわち、機械読み取り可能な命令)を記憶するように構成され得る。分離の距離が所定の閾値(例えば、約2mm超、約1.5mm超、約1mm超、または他の所定の閾値距離)より大きいと決定される、または制御ユニット104が、第1および第2のカテーテル110、112が別様に整列させられていないことを決定する、いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサによって実行される論理が、瘻孔形成要素132の動作を防止し得る。
【0030】
上で言及されたように、システム100は、1つ以上の磁場センサ116を含む。1つ以上の磁場センサ116は、第1のカテーテル110および第2のカテーテル112の互いに対する整列情報を提供する。磁場センサ116は、磁場の大きさ、例えば、磁場の力を示す磁場信号を出力するように構成された任意のデバイスを含み得る。そのような磁場センサ116は、限定ではないが、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、微小電気機械システム(MEMS)磁場センサ116、超伝導量子干渉デバイス(SQUID)センサ等を含み得る。
図3は、第1のカテーテル磁気要素120と第2のカテーテル磁気要素122との間の磁力線を図式的に図示する。第1のカテーテル磁気要素120が、第2のカテーテル磁気要素122のより近くに移動するにつれて、第1のカテーテル磁気要素120と第2のカテーテル磁気要素122との間の磁気引きつけ力が、増大する。
図4は、クーロンの法則によって教示されるような、x軸上の距離172とy軸上の力171との間の対数関係:
【数1】
をグラフで図示する。式中Fは、引きつけ力であり、rは、磁気要素120と122との間の距離である。すなわち、引きつけ力は、分離の距離の2乗値に反比例する。1つ以上の磁場センサ116によって出力される磁場信号は、磁気要素120と122との間の磁気引きつけ力を示す測定値を提供する。動作時、制御ユニット104は、1つ以上の磁場センサ116から磁場信号を受信し、上記のクーロンの法則を使用して、第2のカテーテル112から第1のカテーテル110の分離の距離を決定するための論理を実行する。所定の分離の距離Aに到達されると、制御ユニット104は、第1および第2のカテーテル110、112が、適切に位置付けられているという通知をオペレータに提供し得る。
【0031】
加えて、増大した引きつけ力および整列を提供するために、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120および1つ以上の第2のカテーテル磁気要素122は、両極が互いに面している状態で配置され得る。すなわち、例えば、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120は、N極が瘻孔形成要素132を伴うカテーテル本体114の側面に整列させられるように配置され得、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素120は、S極が瘻孔形成要素132を受け取るための陥凹136を伴うカテーテル本体114の側面に整列させられるように配置され得、逆もまた同様である。故に、極が引きつけ力に関して適切には整列させられていない場合、いかなる磁場も、生成されないか、またはより弱い磁場が、生成されるであろう。故に、磁場信号に基づいて感知される磁場のサイズは、第2のカテーテル112から第1のカテーテル110の距離および第1のカテーテル110および第2のカテーテル112の整列の両方を示し得る。
【0032】
瘻孔形成中、第1のカテーテル110と第2のカテーテル112との間の分離の距離は、瘻孔形成のための所定の閾値内であるべきである。例えば、所定の閾値は、約1.5mm以下、1mm以下等、約2mm以下であり得る。所定の閾値または距離は、瘻孔形成要素132を用いて瘻孔を形成することが可能であること、またはそうであることが示されている任意の距離である。例えば、そのような所定の距離は、瘻孔形成要素132が、第2のカテーテル112の陥凹136に接触するように、第1の脈管の壁を通して、かつ第2の脈管の壁を通して十分に延び、それによって、第1の脈管と第2の脈管との間に開口部を形成することを可能にし得る。故に、下記により詳細に解説されるであろうように、制御ユニット104が、第1のカテーテル110と第2のカテーテル112との間の分離の距離が1mm以下である(例えば、瘻孔形成要素132を含む第1のカテーテル110の一部と、陥凹136を含む第2のカテーテル110の一部との間で)と決定すると、制御ユニット104は、適切な距離および整列が第1のカテーテル110と第2のカテーテル112との間に達成されていると決定する。
【0033】
1つ以上の磁場センサ116は、
図1に図示されるように、第1のカテーテル110、第2のカテーテル112、または両方のカテーテル本体114に、および/またはその中に搭載され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の磁場センサ116は、代わりに、
図5に図示されるように、外部プローブ118上に搭載され得る。
【0034】
図1に図示される実施形態では、1つ以上の磁場センサ116は、第1および/または第2のカテーテル110、112の中に統合され得る。すなわち、1つ以上の磁場センサ116は、第1および/または第2のカテーテル110、112と共に1つ以上の脈管を通して前進させられる。1つ以上の磁場センサ116は、第1および/または第2のカテーテル110、112の1つ以上の磁気要素120、122の近位および/または遠位に位置付けられ得る。例えば、磁場センサ116は、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120および/または瘻孔形成要素132の遠位の(例えば、その先端113により近接する)第1のカテーテル110に搭載され得る。いくつかの実施形態では、磁場センサ116は、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120および瘻孔形成要素132の近位に位置し得る。いくつかの実施形態では、第1の磁場センサは、第1のカテーテル110の第1の磁気要素に関連付けられ得、第2の磁場センサは、瘻孔形成要素132のいずれかの側における第1のカテーテル110の第2の磁気要素に関連付けられ得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、磁場センサ116は、第1のカテーテル110および第2のカテーテル112のうちの一方にのみ組み込まれ得る。例えば、第2のカテーテル112は、第2のカテーテル112の1つ以上の磁気要素120および陥凹136の遠位および/または近位の第2のカテーテル112のカテーテル本体114に搭載された磁場センサ116を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のカテーテル110および第2のカテーテル112の各々が、1つ以上の磁場センサ116を含む。追加の磁場センサが、整列および分離距離に対するより優れた感度を提供し得ることに留意されたい。1つ以上の磁場センサ116は、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120および/または1つ以上の第2のカテーテル磁気要素122に接近して据え付けられ(例えば、1つ以上の磁気要素から約10mm以下間隔を置かれ)得る。
【0036】
上で言及されたように、
図5を参照すると、1つ以上の磁場センサ116は、任意のカテーテル搭載磁場センサ116に加えて、および/またはその代わりに、外部プローブ118に搭載され得る。外部プローブ118は、ハンドヘルド式プローブであり得るか、または、患者の治療部分に近接してプローブを保持するように構成されたロボットアームまたは他の固定具に搭載され得る。例えば、
図5は、第1の脈管202(例えば、静脈)内に位置付けられた第1のカテーテル110と、第2の脈管204(例えば、動脈)内に位置付けられた第2のカテーテル112とを伴う患者の腕200を図示する。第1および第2のカテーテル110、112は、実質的に、
図1に関して上記に説明されるものに類似する。第1および第2のカテーテル110、112は、第1および第2の脈管を通して(例えば、瘻孔が形成されるべき)治療部位まで前進させられる。第1および第2のカテーテル110、112が、治療部位、または、ほぼ治療部位に位置付けられると、外部プローブ118が、治療部位に向かって前進させられ、第1のカテーテル110の1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120と第2のカテーテル112の1つ以上の第2のカテーテル磁気要素120との間の磁場の強度を検出し得る。例えば、外部プローブ118は、外部プローブ118の1つ以上の磁場センサ116の感知範囲内(例えば、約0.5メートル以内、約0.4メートル以内、約0.3メートル以内等)にあるように前進させられ得る。1つ以上の磁場センサ116は、内部にあるか、外部にあるかにかかわらず、第1のカテーテル磁気要素120および第2のカテーテル磁気要素122が互いに引きつけ始めると、第1のカテーテル110と第2のカテーテル112との間の磁気引きつけ力を自動的に検出し始め得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1および第2のカテーテル110、112の1つ以上の磁気要素120は、電磁石を含み得る。そのような実施形態では、外部磁場発生器(図示せず)が、電磁石を励起するために使用され得る。加えて、第1および第2のカテーテル110、112の電磁石は、制御ユニット104に通信可能に結合され、磁場発生器によって生成される、それらの磁場内の3次元空間における場所を示す電気信号を制御ユニットに出力し得る。例えば、電気信号の各々は、磁場発生器に対する電磁石の場所を示し得る。本情報に基づいて、制御ユニット104は、第1および第2のカテーテル110、112の互いに対する場所を決定するための論理を実行し得る。故に、第1および第2のカテーテル110、112の1つ以上の磁気要素120は、位置特定センサまたは磁場センサ116としての機能を果たし得る。
【0038】
再び
図2を参照すると、システム100は、通信経路102を経由して制御ユニット104に通信可能に結合されたユーザ出力デバイス140をさらに含む。ユーザ出力デバイス140は、制御ユニット104が、1つ以上の磁場センサ116からの磁場信号に基づいて、第1および第2のカテーテル110、112が瘻孔形成のための適切な距離内にあること、および/または、適切な整列を有することを決定すると、準備完了信号を出力するように構成された任意の視覚、触覚、または可聴フィードバックデバイスを含み得る。例えば、ユーザ出力デバイス140は、外部プローブ118または第1のカテーテル110および/または第2のカテーテル112のハンドルに搭載されたライトインジケータ(例えば、蛍光灯、LEDライト等)を含み得る。ライトインジケータは、第1および第2のカテーテル110、112が互いに対して適切に位置付けられたことを検出したことに応答して、制御ユニット104によってオンにされ得る。いくつかの実施形態では、ライトインジケータは、第1および第2のカテーテル110、112が適切に位置付けられたことが決定されたとき、緑色のライトであり得る。いくつかの実施形態では、ライトインジケータまたは別個のインジケータライトは、第1および第2のカテーテル110、112が適切に整列させられていないことが決定されたとき、赤色ライトであり得る。いくつかの実施形態では、可聴音が、適切な整列を達成することに応答して、スピーカから発せられ得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、システム100は、第1および第2のカテーテル110、112が不適切に整列させられている(例えば、所定の分離範囲内にない)ことが決定されたとき、瘻孔形成要素132のアクティブ化を防止する係止機構150を含み得る。例えば、係止機構150は、制御ユニット104によって動作可能であるように、通信経路102を経由して制御ユニット104に通信可能に結合され得る。例えば、係止機構150は、瘻孔形成要素132を電源160に電気的に結合するスイッチであり得る。係止機構150が、第1および第2のカテーテル110、112が不適切に整列させられていることを決定することに応答して、電源160から瘻孔形成要素132(例えば、電極134)へのエネルギーの流動を防止するように位置付けられることもある。いくつかの実施形態では、係止機構150は、制御ユニット104が、第1および第2のカテーテル110、112が適切に整列させられていることを決定するまで、電源160から瘻孔形成要素132へのエネルギーの流動を防止するように位置付けられ得る。他の考えられる係止機構は、限定ではないが、磁気係止機構、中継器、ソレノイド、相互係止アクチュエータ等を含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、電源160は、制御ユニット104が電源160(例えば、バッテリ、RF発生器、コンセント等)を選択的に動作させ得るように、制御ユニット104に通信可能に結合され得る。そのような実施形態では、制御ユニット104は、第1および第2のカテーテル110、112が適切に整列させられていないことが決定されると、電源160の動作を瘻孔形成要素132に通電することを防止するように構成され得る。
【0041】
第1の脈管202と第2の脈管204との間に瘻孔を形成する方法が、ここで説明されるであろう。
図5を参照すると、方法は、第1のカテーテル110を第1の脈管202を通して治療部位まで前進させることと、第2のカテーテル112を第2の脈管204を通して治療部位まで前進させることとを含む。第1および第2のカテーテル110、112の1つ以上の磁気要素120が、互いに整列させられるように互いに接近すると、1つ以上の磁場センサ116(例えば、内部磁場センサまたは外部磁場センサ116のうちのいずれか)は、第1のカテーテル110の1つ以上の第1のカテーテル磁気要素120と第2のカテーテル112の1つ以上の第2のカテーテル磁気要素122との間に生成される磁場を自動的に検出し始め得る。制御ユニット104は、1つ以上の磁場センサ116から信号を受信し、第2のカテーテル112からの第1のカテーテル110の分離の距離(例えば、第2のカテーテル112の1つ以上の磁気要素120から第1のカテーテル110の1つ以上の磁気要素120の軸方向オフセット距離D)を決定するための論理を実行し得る。第2のカテーテル112から第1のカテーテル110の分離の距離が、所定の範囲(例えば、1mm以下)内にあること、および/または適切な回転整列が達成されていることが決定されると、制御ユニット104は、ユーザ出力デバイス140を用いて準備完了信号を発生させ得る。その時点において、システム100のオペレータは、瘻孔形成要素132を用いて、第1の脈管と第2の脈管との間に瘻孔を形成し得る。例えば、オペレータは、電極134を前進させ得るか、または、エネルギーに電極134を通して流動させ、第1のカテーテル110と第2のカテーテル112との間で衝突させられる第1の脈管202および第2の脈管204の組織をアブレートさせ得る。上で言及されたように、適切な整列および距離が達成されていないことが決定された場合、制御ユニット104は、適切な整列が達成されるまで、瘻孔形成を防止するように係止機構150または電源160を動作させ得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、蛍光透視、超音波等を用いた追加の視覚確認が、使用され得る。
【0043】
実施形態は、以下の付番された付記を参照して説明されることができ、好ましい特徴は、従属付記において展開される。
【0044】
1.瘻孔を形成するためのシステムであって、システムは、第1の脈管を通して前進させられるように構成された第1のカテーテルであって、第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを備えている、第1のカテーテルと、第2の脈管を通して前進させられるように構成された第2のカテーテルであって、第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を備え、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素および1つ以上の第2のカテーテル磁気要素は、第1のカテーテルおよび第2のカテーテルを一緒に引き寄せるように構成されている、第2のカテーテルと、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間で生成された磁場の大きさを示す磁場信号を出力するように構成された1つ以上の磁場センサと、準備完了信号を出力するように構成されたユーザ出力デバイスと、1つ以上の磁場センサおよびユーザ出力デバイスに通信可能に結合されたコントローラとを備え、コントローラは、1つ以上の磁場センサから磁場信号を受信することと、1つ以上の磁場センサからの磁場信号に基づいて、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離を決定することと、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、ユーザ出力デバイスを用いて、準備完了信号を出力することとを行うように構成され、準備完了信号は、瘻孔形成要素を用いて瘻孔を形成するための第1のカテーテルと第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す、システム。
【0045】
2.瘻孔形成要素は、第1のカテーテルの先端の近位に位置付けられ、第1のカテーテルの側壁から延長可能である、付記1に記載のシステム。
【0046】
3.1つ以上の磁場センサは、第1のカテーテルおよび第2のカテーテルのうちの少なくとも一方に結合されている、付記1に記載のシステム。
【0047】
4.1つ以上の磁場センサは、第1のカテーテルに結合された第1の磁場センサと、第2のカテーテルに結合された第2の磁場センサとを備えている、任意の先行付記に記載のシステム。
【0048】
5.ユーザ出力デバイスは、インジケータライトを含む、任意の先行付記に記載のシステム。
【0049】
6.コントローラは、第1のカテーテルと第2のカテーテルとの間の分離の距離が所定の距離より大きいことが決定されると、瘻孔形成要素の動作を防止するようにさらに構成されている、任意の先行付記に記載のシステム。
【0050】
7.瘻孔形成要素は、電源に結合された電極を備え、電極は、電極に通電し、コントローラは、電源に通信可能結合され、コントローラは、第1のカテーテルと第2のカテーテルとの間の分離の距離が所定の距離より大きいことが決定されると、電極の通電を防止するように電源を動作させるように構成されている、付記6に記載のシステム。
【0051】
8.1つ以上の磁場センサは、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、微小電気機械システムセンサ、および/または超伝導量子干渉デバイスセンサのうちの少なくとも1つを備えている、任意の先行付記に記載のシステム。
【0052】
9.瘻孔を形成するためのシステムであって、システムは、第1の脈管を通して前進させられるように構成された第1のカテーテルであって、第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを備えている、第1のカテーテルと、第2の脈管を通して前進させられるように構成された第2のカテーテルであって、第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を備え、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素および1つ以上の第2のカテーテル磁気要素は、第1のカテーテルおよび第2のカテーテルを一緒に引き寄せるように構成されている、第2のカテーテルと、治療部位の外部に位置付けられるように構成されたプローブであって、プローブは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間で生成された磁場の大きさを示す磁場信号を出力するように構成された1つ以上の磁場センサを備えている、プローブと、準備完了信号を出力するように構成されたユーザ出力デバイスと、1つ以上の磁場センサおよびユーザ出力デバイスに通信可能に結合されたコントローラとを備え、コントローラは、1つ以上の磁場センサから磁場信号を受信することと、1つ以上の磁場センサからの磁場信号に基づいて、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離を決定することと、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、ユーザ出力デバイスを用いて、準備完了信号を出力することとを行うように構成され、準備完了信号は、瘻孔形成要素を用いて瘻孔を形成するための第1のカテーテルと第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す、システム。
【0053】
10.瘻孔形成要素は、第1のカテーテルの先端の近位に位置付けられ、第1のカテーテルの側壁から延長可能である、付記9に記載のシステム。
【0054】
11.ユーザ出力デバイスは、プローブに結合されたインジケータライトを含む、付記9または10に記載のシステム。
【0055】
12.コントローラはさらに、第1のカテーテルと第2のカテーテルとの間の分離の距離が所定の距離より大きいことが決定されると、瘻孔形成要素の動作を防止するように構成されている、付記9-11のいずれかに記載のシステム。
【0056】
13.瘻孔形成要素は、電源に結合された電極を備え、電源は、電極に通電し、コントローラは、電源に通信可能結合され、コントローラは、第1のカテーテルと第2のカテーテルとの間の分離の距離が所定の距離より大きいことが決定されると、電極の通電を防止するように電源を動作させるように構成されている、付記12に記載のシステム。
【0057】
14.1つ以上の磁場センサは、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、微小電気機械システムセンサ、および超伝導量子干渉デバイスセンサのうちの少なくとも1つを備えている、付記9-12のいずれかに記載のシステム。
【0058】
15.瘻孔を形成する方法であって、方法は、第1の脈管を通して第1のカテーテルを前進させることであって、第1のカテーテルは、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と、瘻孔形成要素とを備えている、ことと、第2の脈管を通して第2のカテーテルを前進させることであって、第2のカテーテルは、1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を備えている、ことと、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と1つ以上の第2のカテーテル磁気要素を整列させることと、1つ以上の磁場センサを用いて、1つ以上の第1のカテーテル磁気要素と1つ以上の第2のカテーテル磁気要素との間に生成された磁場を検出することと、1つ以上の磁場センサからの磁場信号に基づいて、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離を決定することと、第2のカテーテルからの第1のカテーテルの分離の距離が所定の距離以下であることを決定することに応答して、ユーザ出力デバイスを用いて準備完了信号を発生させることであって、準備完了信号は、第1のカテーテルと第2のカテーテルとの適切な整列および位置を示す、ことと、準備完了信号に応答して、瘻孔形成要素を用いて瘻孔を形成することとを含む、方法。
【0059】
16.第1のカテーテルと第2のカテーテルとの間の分離の距離が所定の距離より大きいことが決定されると、瘻孔形成要素の動作を防止することをさらに含む、付記15に記載のシステム。
【0060】
17.瘻孔形成要素は、電源に結合された電極を備え、電源の動作は、第1のカテーテルと第2のカテーテルとの間の分離の距離が所定の距離より大きいことが決定されると、防止される、付記16に記載のシステム。
【0061】
18.1つ以上の磁場センサは、第1のカテーテルおよび第2のカテーテルのうちの少なくとも一方に結合されている、付記15-17のいずれかに記載のシステム。
【0062】
19.1つ以上の磁場センサは、第1のカテーテルに結合された第1の磁場センサと、第2のカテーテルに結合された第2の磁場センサとを備えている、付記15-18のいずれかに記載のシステム。
【0063】
20.1つ以上の磁場センサは、治療部位の外部に位置付けられるプローブに結合されている、付記15-19のいずれかに記載のシステム。
【0064】
ここで、本明細書に説明される実施形態が、第1および第2のカテーテルの磁気要素間に生成される磁場を検出する1つ以上の磁場センサを使用することを対象とすることを理解されたい。検出された磁場に基づいて、制御ユニットは、第1および第2のカテーテルの距離および/または整列を決定し得る。適切な距離および整列が到達されると、第1および第2のカテーテルが瘻孔形成のために正確に位置付けられていることをオペレータに警告する信号が、制御ユニットによって出力され得る。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、制御ユニットが第1および第2のカテーテルが相互から適切な距離内に位置付けられていないこと、または別様に不適切に整列させられていることを決定した場合、瘻孔形成要素のアクティブ化を防止するように動作可能であり得る。そのようなシステムは、磁気感知が分離距離および回転整列の両方に対する確認を提供し得るので、蛍光透視を殆どまたは全く使用しないことを含むいくつかの臨床的恩恵を提供した。システムは、蛍光透視他の2次元画像を読み取るとき、オペレータの主観を最小化する。
【0065】
用語「substantially(実質的に)」および「about(約)」が、本明細書では、任意の定量的な比較、値、測定値、または他の表現に起因し得る不確実性の固有の程度を表すために利用され得ることに留意されたい。これらの用語は、本明細書では、それによって定量的表現が、論点となっている本主題の基本機能の変化をもたらすことなく、記載された基準から変動し得る程度を表すためにも利用される。
【0066】
特定の実施形態が、本明細書に例証され、説明されているが、種々の他の変更および修正が、請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく成され得ることを理解されたい。さらに、請求される主題の種々の側面が本明細書に説明されているが、そのような側面は、組み合わせにおいて利用される必要はない。したがって、添付の請求項が請求される主題の範囲内にある全てのそのような変更および修正を網羅することが、意図される。