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特許7528238充放電制御回路、方法、装置及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】充放電制御回路、方法、装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20240729BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H02J7/10 B
B60R16/04 S
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022552286
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2022096751
(87)【国際公開番号】W WO2023130660
(87)【国際公開日】2023-07-13
【審査請求日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】202210013620.3
(32)【優先日】2022-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】王▲興▼昌
(72)【発明者】
【氏名】田▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼方友
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-217169(JP,A)
【文献】特開2013-027273(JP,A)
【文献】特開2016-092953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0201634(US,A1)
【文献】特開2013-233072(JP,A)
【文献】特開2011-234479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
B60R 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に適用される充放電制御システムであって、
起動電源と、
第1の端子が前記起動電源に接続され、第2の端子が前記自動車の発電機及び前記自動車の負荷に接続され、前記発電機が前記起動電源を充電する場合の充電回路の電流方向である第1の電流方向の電流を切断するメイン回路正極スイッチユニットと、
前記メイン回路正極スイッチユニットの制御端子及び前記起動電源に接続されており、前記起動電源の電圧を検出し、且つ前記起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、前記メイン回路正極スイッチユニットが前記第1の電流方向の電流を切断するように制御することで、前記発電機による前記起動電源への充電を停止する電池管理モジュールと、
第1の端子が前記起動電源の負極に接続され、第2の端子が前記発電機の第2の端子及び前記負荷の第2の端子に接続されているメイン回路負極スイッチユニットと、
第1の端子が前記メイン回路正極スイッチユニットの第2の端子に接続され、第2の端子が前記メイン回路負極スイッチユニットの第1の端子に接続され、制御端子が前記電池管理モジュールに接続され、前記起動電源を加熱する加熱モジュールと、
を備え
前記電池管理モジュールは、前記起動電源のセル温度が充電可能な温度範囲より低い場合、前記メイン回路正極スイッチユニットが前記第1の電流方向の電流を切断するように制御し、前記加熱モジュールが前記起動電源を加熱するように制御し、且つ前記メイン回路負極スイッチユニットがオンするように制御することで、前記発電機と、前記加熱モジュールと、前記メイン回路負極スイッチユニットとの間に電流回路を形成して、前記発電機が前記加熱モジュールに電力を供給する、
充放電制御システム
【請求項2】
前記メイン回路正極スイッチユニットは、
第1の端子が前記起動電源の正極に接続され、第2の端子が前記発電機の第1の端子及び前記負荷の第1の端子に接続されている第1のスイッチと、
前記第1のスイッチに並列接続されており、且つ前記第1のスイッチがオフになった場合、前記起動電源が前記負荷に給電する場合の給電回路の電流方向である第2の電流方向の電流を維持する逆方向保護モジュールと、
を備え、
前記電池管理モジュールは、前記起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値未満の場合、前記第1のスイッチをオンにすることで、前記起動電源に対して充電及び放電を行い、前記起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、前記第1のスイッチをオフにすることで、前記起動電源に対して放電を行い、且つ前記起動電源の充電を停止する、
請求項1に記載の充放電制御システム
【請求項3】
前記逆方向保護モジュールは、
アノードが前記第1のスイッチの第1の端子に接続され、カソードが前記第1のスイッチの第2の端子に接続されているダイオードを含む、
請求項2に記載の充放電制御システム
【請求項4】
前記メイン回路正極スイッチユニットは、
第1の端子が前記起動電源の正極に接続されている第1の電界効果トランジスタと、
第1の端子が前記発電機の第1の端子及び前記負荷の第1の端子に接続され、第2の端子が前記第1の電界効果トランジスタの第2の端子に接続されている第2の電界効果トランジスタと、
を備え、
前記第2の電界効果トランジスタには寄生ダイオードが設置され、前記寄生ダイオードのアノードが前記第2の電界効果トランジスタの第2の端子に接続され、前記寄生ダイオードのカソードが前記第2の電界効果トランジスタの第1の端子に接続されており、
前記電池管理モジュールは、前記起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値未満の場合、前記第1の電界効果トランジスタと前記第2の電界効果トランジスタをオンにし、前記起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、前記第1の電界効果トランジスタをオンにし、且つ前記第2の電界効果トランジスタをオフにする、
請求項1に記載の充放電制御システム
【請求項5】
前記第1の電界効果トランジスタには寄生ダイオードが設置されており、前記第1の電界効果トランジスタの寄生ダイオードは、第1の電界効果トランジスタがオフになった場合に第2の電流方向の電流を切断する、
請求項4に記載の充放電制御システム
【請求項6】
記電池管理モジュールは、前記起動電源のセル温度が充電可能な温度範囲内に上昇する場合、前記第1の電流方向の電流を回復するように前記メイン回路正極スイッチユニットを制御する、
請求項に記載の充放電制御システム
【請求項7】
前記加熱モジュールは、
制御端子が前記電池管理モジュールに接続されている加熱スイッチと、
第1の端子が前記加熱スイッチを介して前記メイン回路正極スイッチユニットの第2の端子に接続され、第2の端子が前記メイン回路負極スイッチユニットの第1の端子に接続されており、前記起動電源の表面に設置され、前記起動電源を加熱するための加熱装置と、
を備える、
請求項に記載の充放電制御システム
【請求項8】
前記加熱装置は、金属電熱フィルム、無機電熱フィルム又は高分子電熱フィルムである、
請求項に記載の充放電制御システム
【請求項9】
前記充放電制御システムは、
前記起動電源の内部に設置され、前記電池管理モジュールに電気的に接続され、前記起動電源のセル温度に基づいて対応する温度信号を生成するための温度感知ユニットをさらに備え、
前記電池管理モジュールは、前記温度感知ユニットから送信された温度信号に基づいて前記起動電源のセル温度を特定し、前記セル温度が第1の温度閾値未満の場合、前記加熱モジュールをオンにし、前記セル温度が第2の温度閾値より高い場合、前記加熱モジュールをオフにする、
請求項に記載の充放電制御システム
【請求項10】
前記充放電制御システムは、
前記起動電源に直列接続され、前記起動電源がある電流回路の電流が大きすぎる場合に前記起動電源がある電流回路の電流を切断するための過電流保護モジュールと、
前記起動電源に直列接続され、前記起動電源がある電流回路における電流を検出するためのサンプリングモジュールと、
をさらに備える、
請求項1に記載の充放電制御システム
【請求項11】
請求項1ないしのいずれか一項に記載の充放電制御システムに適用される充放電制御方法であって、
自動車の発電機が起動状態であることを検出した場合、前記メイン回路正極スイッチユニットをオンにすることと、
前記起動電源のセル温度を取得することと、
前記セル温度が第1の温度閾値未満の場合、前記加熱モジュールをオンにし、前記メイン回路正極スイッチユニットが前記第1の電流方向の電流を切断するように制御し、且つ前記メイン回路負極スイッチユニットがオンするように制御することで、前記発電機と、前記加熱モジュールと、前記メイン回路負極スイッチユニットとの間に電流回路を形成して、前記発電機が前記加熱モジュールに電力を供給することと、
前記起動電源の電圧が前記予め設定された電圧閾値に達したことを検出した場合、前記メイン回路正極スイッチユニットが前記第1の電流方向の電流を切断するように制御することと、
を含む、
充放電制御方法。
【請求項12】
前記起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達したことを検出した場合、前記メイン回路正極スイッチユニットが前記第1の電流方向の電流を切断するように制御する前に、さらに
記セル温度が第2の温度閾値より高い場合、前記加熱モジュールをオフにし、前記メイン回路正極スイッチユニットが前記第1の電流方向の電流を回復して維持するように制御することとを、
さらに含む、
請求項11に記載の充放電制御方法。
【請求項13】
プロセッサにより実行される場合、請求項11に記載の充放電制御方法が実現されるコンピュータプログラムコマンドが記憶されているコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2022年1月6日に提出された名称が「充放電制御回路、方法、装置及び記憶媒体」である中国特許出願202210013620.3の優先権を主張し、該出願の全ての内容は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、リレー保護の技術分野に関し、特に、充放電制御回路、方法、装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、自動車の起動電源は、一般的に自動車の発電機から出力された電圧を受信して充電され、かつ安定した電圧を出力して自動車の各負荷に給電している。発電機の出力電圧を調整できない場合、起動電源は電力が満充電になった後に過充電が発生しやすく、過充電故障の発生を引き起こす。起動電源の過充電が発生することを避けるために、起動電源が満充電になった場合に、起動電源と車内の主回路を切断することにより、発電機が起動電源に充電し続けることを避けることができる。しかしながら、この場合、起動電源は安定した電圧を出力し続けて各負荷に給電することができず、負荷異常を引き起こしやすく、産業事故を引き起こしている。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施例は、自動車の起動電源が満充電時に電流回路を切断して負荷異常及び産業事故を引き起こしやすいという技術的課題を解決することができる充放電制御回路、方法、装置及び記憶媒体を提供する。
【0005】
第1の態様において、自動車に適用される充放電制御回路であって、
起動電源と、
第1の端子が起動電源に接続され、第2の端子が自動車の発電機及び自動車の負荷に接続され、発電機が起動電源を充電する場合の充電回路の電流方向である第1の電流方向の電流を切断するメイン回路正極スイッチユニットと、
メイン回路正極スイッチユニットの制御端子及び起動電源に接続されており、起動電源の電圧を検出し、且つ起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、メイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御することで、発電機による起動電源への充電を停止する電池管理モジュールと、
を備える。
【0006】
メイン回路正極スイッチユニットで電流方向を制御することで、起動電源が満充電にならない場合、メイン回路正極スイッチユニットにより起動電源を充電しかつメイン回路正極スイッチユニットを介して起動電源を放電することができる。起動電源が満充電になると、発電機と起動電源の充電回路の電流方向、すなわち第1の電流方向を制限し、この場合、起動電源は依然としてメイン回路正極スイッチユニットを介して放電することができるが、発電機は起動電源に対する充電を停止し、これにより起動電源の電圧が高い場合に充電を停止し、かつ起動電源が安定した電圧を出力して負荷に給電することを保障することができる。
【0007】
いくつかの実施例において、メイン回路正極スイッチユニットは、
第1の端子が起動電源の正極に接続され、第2の端子が発電機の第1の端子及び負荷の第1の端子に接続されている第1のスイッチと、
第1のスイッチに並列接続されており、且つ第1のスイッチがオフになった場合、起動電源が負荷に給電する場合の給電回路の電流方向である第2の電流方向の電流を維持する逆方向保護モジュールと、
を備え、
電池管理モジュールは、起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値未満の場合、第1のスイッチをオンにすることで、起動電源に対して充電及び放電を行い、起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、第1のスイッチをオフにすることで、起動電源に対して放電を行い、且つ起動電源の充電を停止する。
【0008】
第1のスイッチ及び逆方向保護モジュールを設置することにより、第1のスイッチがオンになった場合、メイン回路正極スイッチユニットが起動電源の充電電流及び放電電流を伝送できるようにさせて、これにより起動電源を充放電し、第1のスイッチがオフになった場合、メイン回路正極スイッチユニットの電流方向は逆方向保護モジュールにより第2の電流方向に制限され、この場合、起動電源は負荷に給電し続けることはできるが、発電機は起動電源に対する充電を停止する。
【0009】
いくつかの実施例において、逆方向保護モジュールは、
アノードが第1のスイッチの第1の端子に接続され、カソードが第1のスイッチの第2の端子に接続されているダイオードを含む。
【0010】
逆方向保護モジュールがダイオードであってもよく、ダイオードによって、電流方向に対して一方向制限を行うことができる。
【0011】
いくつかの実施例において、メイン回路正極スイッチユニットは、
第1の端子が起動電源の正極に接続されている第1の電界効果トランジスタと、
第1の端子が発電機の第1の端子及び負荷の第1の端子に接続され、第2の端子が第1の電界効果トランジスタの第2の端子に接続されている第2の電界効果トランジスタと、
を備え、
第2の電界効果トランジスタには寄生ダイオードが設置され、寄生ダイオードのアノードが第2の電界効果トランジスタの第2の端子に接続され、寄生ダイオードのカソードが第2の電界効果トランジスタの第1の端子に接続されており、
電池管理モジュールは、起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値未満の場合、第1の電界効果トランジスタと第2の電界効果トランジスタをオンにし、起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、第1の電界効果トランジスタをオンにし、且つ第2の電界効果トランジスタをオフにする。
【0012】
2つの対向する直列接続された電界効果トランジスタを設置することにより、二つの電界効果トランジスタがいずれもオンした場合、起動電源は充電及び放電を行うことができる。第1の電界効果トランジスタがオンになり、第2の電界効果トランジスタがオフになった場合、第2の電界効果トランジスタの寄生ダイオードは第1の電流方向の電流を切断することができ、この場合、起動電源は負荷に給電し続けることができるが、発電機は起動電源に対する充電を停止する。
【0013】
いくつかの実施例において、第1の電界効果トランジスタには寄生ダイオードが設置されており、第1の電界効果トランジスタの寄生ダイオードは、第1の電界効果トランジスタがオフになった場合に第2の電流方向の電流を切断する。
【0014】
第1の電界効果トランジスタをオフにし、第2の電界効果トランジスタをオンにするように制御することにより、メイン回路正極スイッチユニットが第2の電流方向の電流をオフにすることを実現することができる。発電機が起動電源を充電する場合、起動電源から出力された安定電圧は第1の電界効果トランジスタがオフになり、第1の電界効果トランジスタの寄生ダイオードが逆バイアスになるため負荷に出力することができない。
【0015】
いくつかの実施例において、充放電制御回路は、
第1の端子が起動電源の負極に接続され、第2の端子が発電機の第2の端子及び負荷の第2の端子に接続されているメイン回路負極スイッチユニットと、
第1の端子がメイン回路正極スイッチユニットの第2の端子に接続され、第2の端子がメイン回路負極スイッチユニットの第1の端子に接続され、制御端子が電池管理モジュールに接続され、起動電源を加熱する加熱モジュールと、
をさらに備える。
【0016】
加熱モジュールを設置することにより、起動電源の電池温度が低い場合に加熱して、起動電源の温度を上昇させることができる。そして、加熱モジュールはメイン回路負極スイッチユニットがオンになった場合、発電機により給電されることができ、メイン回路正極スイッチユニットの電流方向の影響を受けない。
【0017】
いくつかの実施例において、電池管理モジュールは、起動電源のセル温度が充電可能な温度範囲より低い場合、メイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御し、且つ加熱モジュールが起動電源を加熱するように制御する、
電池管理モジュールは、起動電源のセル温度が充電可能な温度範囲内に上昇する場合、第1の電流方向の電流を回復するようにメイン回路正極スイッチユニットを制御する。
【0018】
電池管理モジュールにより第1の電流方向を制御することで、起動電源のセル温度が低い場合、起動電源を直接充電しないことができる。起動電源を加熱してセル温度が充電可能な温度範囲内にまで上昇したとき、電池管理モジュールは第1の電流方向の電流を回復することができ、それにより、起動電源は適切なセル温度で充電され、充電時に起動電源のセル温度が充電需要を満たさないことによる起動電源の損傷を避ける。
【0019】
いくつかの実施例において、加熱モジュールは、
制御端子が電池管理モジュールに接続されている加熱スイッチと、
第1の端子が加熱スイッチを介してメイン回路正極スイッチユニットの第2の端子に接続され、第2の端子がメイン回路負極スイッチユニットの第1の端子に接続されており、起動電源の表面に設置され、起動電源を加熱するための加熱装置と、
を備える。
【0020】
加熱スイッチ及び加熱装置を設置することにより、加熱スイッチをオンにするように制御して、発電機が加熱装置に電力を供給するようにすることで、起動電源を加熱することができる。
【0021】
いくつかの実施例において、加熱装置は、金属電熱フィルム、無機電熱フィルム又は高分子電熱フィルムである。
【0022】
起動電源の表面に適切な電熱フィルムを設置することにより、加熱スイッチをオンにした場合に電熱フィルムに給電して、電熱フィルムが起動電源を加熱するようにすることができる。
【0023】
いくつかの実施例において、充放電制御回路は、
起動電源の内部に設置され、電池管理モジュールに電気的に接続され、起動電源のセル温度に基づいて対応する温度信号を生成するための温度感知ユニットをさらに備え、
電池管理モジュールは、温度感知ユニットから送信された温度信号に基づいて起動電源のセル温度を特定し、セル温度が第1の温度閾値未満の場合、加熱モジュールをオンにし、セル温度が第2の温度閾値より高い場合、加熱モジュールをオフにする。
【0024】
温度感知ユニットを設置することにより、電池管理モジュールは、温度感知ユニットから送信された温度信号に基づいて加熱モジュールを起動して起動電源を加熱するか否かを判断することで、電池温度が低い場合に昇温を行うことができる。
【0025】
いくつかの実施例において、充放電制御回路は、
前記起動電源に直列接続され、前記起動電源がある電流回路の電流が大きすぎる場合に充放電制御回路を切断するための過電流保護モジュールと、
前記起動電源に直列接続され、前記起動電源がある電流回路における電流を検出するためのサンプリングモジュールと、
をさらに備える。
【0026】
過電流保護モジュール及びサンプリングモジュールを設置することにより、充放電制御回路における回路電流を検出し、かつ回路電流が大きすぎる場合に充放電制御回路を切断することで、回路における各素子の過電流損傷を避けることができる。
【0027】
第2の態様において、本願の実施例は上記充放電制御回路に適用される充放電制御方法であって、
自動車の発電機が起動状態であることを検出した場合、メイン回路正極スイッチユニットをオンにすることと、
起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達したことを検出した場合、メイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御することと、
を含む、充放電制御方法。
【0028】
起動電源の電圧が高い場合、メイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御することにより、発電機と起動電源の充電回路を切断して、起動電源の過充電を避けるとともに、起動電源と全体車両負荷の給電回路を正常に保持することができ、起動電源は安定したフィルタ電圧を全体車両の他の負荷に出力することができ、それにより、全体車両給電の異常変動による故障又は事故を避ける。
【0029】
いくつかの実施例において、起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達したことを検出した場合、メイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御する前に、さらに、
起動電源のセル温度を取得し、
セル温度が第1の温度閾値未満の場合、加熱モジュールをオンにし、かつメイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御することと、
セル温度が第2の温度閾値より高い場合、加熱モジュールをオフにし、メイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を回復して維持するように制御することとを、
さらに含む。
【0030】
電池管理モジュールは起動電源のセル温度に基づいて加熱モジュールの制御を行うことができる。セル温度が第1の温度閾値より低い場合、加熱モジュールがオンになるように制御し、かつ発電機が起動電源に対する充電を停止するように制御することができる。セル温度が第2の温度閾値より高い場合、加熱モジュールがオフになるように制御し、かつ発電機が起動電源を充電し始めるように制御することができる。
【0031】
第3の態様において、本願の実施例は充放電制御装置を提供し、当該装置は、
プロセッサと、コンピュータプログラムコマンドが記憶されている記憶部とを備え、
プロセッサがコンピュータプログラムコマンドを実行する場合、上記の充放電制御方法を実現する。
【0032】
第4の態様において、本願の実施例は、プロセッサにより実行される場合、上記充放電制御方法が実現されるコンピュータプログラムコマンドが記憶されているコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0033】
本願の実施例により提供される充放電制御回路、方法、装置及び記憶媒体は、メイン回路正極スイッチユニットを設置することにより、電池管理モジュールが起動電源の電圧を検出し、かつ起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、メイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御することができ、第1の電流方向は発電機が起動電源を充電する時の電流方向であり、この場合、起動電源は依然としてメイン回路正極スイッチユニットにより他の負荷に給電することができ、発電機と起動電源の充電回路は、第1の電流方向の電流が切断されるため起動電源を充電することができない。起動電源の電圧が高い場合、発電機と起動電源の充電回路を切断することができ、この場合、起動電源は依然としてメイン回路正極スイッチユニットにより放電することができ、それにより、各負荷に対する安定した給電を保障し、負荷が給電電圧の異常により産業事故を引き起こすことを避ける。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下の図面は、本願のいくつかの実施例のみである。当業者であれば、創造的労働をしない前提で、さらに図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0035】
図1】本願の実施例により提供される充放電制御回路のモジュール構造模式図である。
図2】本願の別の実施例により提供される充放電制御回路のモジュール構造模式図である。
図3】本願のさらに別の実施例により提供される充放電制御回路のモジュール構造模式図である。
図4】本願の実施例により提供される充放電制御回路の回路構造模式図である。
図5】本願の実施例により提供される充放電制御方法のフローチャートである。
図6】本願の別の実施例により提供される充放電制御方法のフローチャートである。
図7】本願の実施例により提供される充放電制御装置の構造模式図である。
【符号の説明】
【0036】
10、起動電源
20、メイン回路正極スイッチユニット
21、逆方向保護モジュール
30、メイン回路負極スイッチユニット
40、電池管理モジュール
50、発電機
60、負荷
70、加熱モジュール
71、加熱装置
80、温度感知ユニット
Fuse、過電流保護モジュール
Shunt、サンプリングモジュール
K1、第1のスイッチ
K2、第2のスイッチ
K3、加熱スイッチ
D1、ダイオード
M1、第1の電界効果トランジスタ
M2、第2の電界効果トランジスタ
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本願の様々な態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明し、本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明らかにするために、以下に図面及び具体的な実施例を参照しながら、本願をさらに詳細に説明する。理解すべきことは、ここで説明された具体的な実施例は本願を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願はこれらの具体的な詳細のうちのいくつかの詳細を必要せずに実施することができる。以下の実施例の説明は本願の例を示すことにより本願をよりよく理解するために用いられる。
【0038】
説明すべきことは、本明細書において、「第1」の及び「第2」の等のような関係用語は一つの実体又は操作を他の実体又は操作と区別するために用いられるだけであり、これらの実体又は操作の間に任意の実際の関係又は順序が存在することを要求する又は暗示するものではない。そして、用語「含む」、「備える」又はその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、それにより、一連の要素を含む過程、方法、物品又は装置が、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素もさらに含むか、又は、このような過程、方法、物品又は装置に固有の要素をさらに含むようにする。より多くの制限がない場合、語句「…を含む」で限定された要素は、前記要素を含む過程、方法、物品又は装置に他の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0039】
説明すべきことは、衝突しない場合に、本願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。以下に、図面を参照して実施例を詳細に説明する。
【0040】
関連技術において、自動車の起動電源は、一般的に自動車の発電機から出力された電圧を受信して充電され、かつ安定した電圧を出力して自動車の各負荷に給電することができる。発電機の出力電圧は調整できないため、起動電源は電力が満充電になった後に過充電が発生しやすく、過充電故障の発生を引き起こす。
【0041】
起動電源に過充電が発生することを避けるために、起動電源が満充電になった場合に、起動電源と車内の主回路を切断して、発電機が起動電源に充電し続けることを避けることができる。しかしながら、この場合、起動電源は、安定した電圧を出力し続けて各負荷に給電することができず、負荷異常を引き起こしやすく、産業事故を引き起こす。
【0042】
上記技術的問題を解決するために、本願の実施例は、充放電制御回路、方法、装置及び記憶媒体を提供している。以下では、まず、本願の実施例により提供される充放電制御回路について説明する。
【0043】
本願の実施例に開示された充放電制御回路は、自動車、船舶又は航空機等の電気装置に用いられることができるが、これらに限定されない。本願に開示された充放電制御回路等を用いて該電気消費装置の電源システムを構成すると、起動電源の電圧が高い場合、起動電源に対する充電を停止することができ、且つ起動電源が負荷に電力を供給し続けることができ、それにより負荷の安定した電力供給を保障することができる。
【0044】
図1を参照すると、図1は本願の一つの実施例により提供される充放電制御回路の構造模式図を示す。充放電制御回路は自動車に適用され、回路は起動電源10、メイン回路正極スイッチユニット20及び電池管理モジュール40を含む。
【0045】
メイン回路正極スイッチユニット20の第1の端子は起動電源10に接続され、メイン回路正極スイッチユニット20の第2の端子は自動車の発電機50に接続され、メイン回路正極スイッチユニット20の第2の端子はさらに自動車の負荷60に接続される。メイン回路正極スイッチユニット20は第1の電流方向の電流を切断することができ、該第1の電流方向は発電機50が起動電源10を充電する時の充電回路の電流方向である。
【0046】
電池管理モジュール40は、起動電源10の電圧を検出することができ、且つ起動電源10の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、メイン回路正極スイッチユニット20が第1の電流方向の電流を切断するように制御することにより、発電機50に起動電源10に対する充電を停止させる。
【0047】
起動電源は、自動車、船舶又は航空機等の電気消費装置に設置され、給電及び充電機能を一体に統合することができる携帯式電源である。電気消費装置が自動車であることを例とすると、自動車は内部の発電機により起動電源を充電することができ、起動電源は自動車内の各負荷に給電することができ、且つ起動電源は、さらに、自動車のストップ故障が発生して起動することができない場合、自動車の緊急起動を行うことができる。起動電源は、リチウム電池であってもよく、鉛蓄電池又はナトリウムイオン電池等であってもよい。本実施例では、起動電源をリチウム電池として説明する。
【0048】
電池管理モジュール40は、電気消費装置における各電源又は電池ユニットに対してインテリジェント管理を行い、電池の充電状態、即ち電池の残量を監視し、電池に過充電及び過放電が発生することを防止し、それにより、電池の耐用年数を延長することができる。電池管理モジュール40は、さらに、ユーザのインテリジェント装置と無線通信を行うことで、インテリジェント装置に電気装置における電池のリアルタイム状態を送信するか、又は、ユーザがインテリジェント装置により送信した対応する制御コマンドを受信することにより、電池状態を制御することができる。
【0049】
起動電源10の電圧が予め設定された電圧閾値に達しなかった場合、メイン回路正極スイッチユニット20上の電流方向は双方向であってもよく、すなわち、発電機50は起動電源10を充電することができ、起動電源10は全体車両における他の負荷60に安定した電圧を提供することができる。
【0050】
起動電源10の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、起動電源10が満充電に達したことを示す。この場合、電池管理モジュール40は、メイン回路正極スイッチユニット20が第1の電流方向の電流を切断するように制御することができ、メイン回路正極スイッチユニット20を流れる電流の方向を、メイン回路正極スイッチユニット20の第1の端子からメイン回路正極スイッチユニット20の第2の端子へ流れるように設定する。この場合、起動電源10は、依然として安定した電圧を出力して各負荷60に給電することができるが、発電機50の出力電圧は起動電源10へ充電することができない。従って、起動電源10が満充電である場合、発電機50の出力電圧の受信を停止することができ、且つ安定した電圧を出力し続けて自動車の各負荷60に給電することができ、これにより、全体車両の給電に異常変動が発生して産業事故を引き起こすことを避けることができる。
【0051】
本実施例において、メイン回路正極スイッチユニット20を設置することにより、電池管理モジュール40は起動電源10の電圧を検出し、且つ該電圧に基づいてメイン回路正極スイッチユニット20の電流方向を設定することができる。起動電源10の電圧が予め設定された電圧閾値に達しなかった場合、メイン回路正極スイッチユニット20の電流方向を双方向に設定することができ、この場合、発電機50はメイン回路正極スイッチユニット20により起動電源10を充電することができ、起動電源10はメイン回路正極スイッチユニット20により安定した電圧を出力して各負荷60へ安定した給電を行うことができる。起動電源10の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、起動電源10に対して充電し続けることによる過充電を避けるために、電池管理モジュール40は、メイン回路正極スイッチユニット20が第1の電流方向の電流を切断するように制御することで、メイン回路正極スイッチユニット20の電流方向が第1の端子から第2の端子になるようにし、この場合、起動電源10は負荷60へ給電し続けることができるが、発電機50は起動電源10に対する充電を停止し、これにより起動電源10の過充電を避ける。メイン回路正極スイッチユニット20の電流方向を制御することにより、起動電源10が満充電になっていない場合、メイン回路正極スイッチユニット20により起動電源10を充電し且つメイン回路正極スイッチユニット20により起動電源10を放電することができる。起動電源10が満充電になると、発電機50と起動電源10の充電回路を切断し、この場合、起動電源10は依然としてメイン回路正極スイッチユニット20を介して放電することができ、これにより負荷60への安定した給電を保障する。
【0052】
図2に示すとおり、いくつかの実施例において、メイン回路正極スイッチユニット20は第1のスイッチK1及び逆方向保護モジュール21を含むことができ、第1のスイッチK1の第1の端子は起動電源10の正極に接続され、第1のスイッチK1の第2の端子は発電機50の第1の端子又は負荷60の第1の端子に接続される。逆方向保護モジュール21は第1のスイッチK1に並列接続され、逆方向保護モジュール21は第2の電流方向の電流を維持し、且つ第1の電流方向の電流を切断することができ、第2の電流方向は起動電源10が負荷60に給電する場合の給電回路の電流方向である。第1の電流方向は発電機50が起動電源10に充電する場合の充電回路の電流方向である。
【0053】
電池管理モジュール40は、起動電源10の電圧を検出することができ、起動電源10の電圧が予め設定された電圧閾値より低い場合、第1のスイッチK1がオンになるように制御することができ、この場合、メイン回路正極スイッチユニット20の電流方向は双方向であってもよい。すなわち、起動電源10は、発電機50の出力電圧を受信して充電されることもでき、安定した電圧を出力して負荷60に給電することもできる。起動電源10の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、電池管理モジュール40は第1のスイッチK1がオフになるように制御することができ、この場合、起動電源10は逆方向保護モジュール21を介して安定した電圧を出力して、各負荷60に給電することができる。発電機50と起動電源10との間の充電回路は、第1のスイッチK1のオフにより切断されることで、起動電源10の一方向定電圧出力を実現する。理解できるように、第1のスイッチK1をオフにする時、逆方向保護モジュール21は、起動電源10の出力電圧が逆方向保護モジュール21を介して負荷60に伝送されることができ、発電機50の出力電圧が逆方向保護モジュール21を介して起動電源10に出力できなくなるということを満たせば、本発明の目的を達成することができる。
【0054】
第1のスイッチK1及び逆方向保護モジュール21を設置することにより、第1のスイッチK1がオンになった場合、起動電源10の充電及び放電を行うことができ、第1のスイッチK1がオフになった場合、起動電源10の放電を行い、且つ起動電源10の充電を停止することができる。
【0055】
いくつかの実施例において、再び、図2を参照すると、上記逆方向保護モジュール21はダイオードD1を含むことができ、ダイオードD1のアノードは第1のスイッチK1の第1の端子に接続され、ダイオードD1のカソードは第1のスイッチK1の第2の端子に接続される。
【0056】
第1のスイッチK1がオフになった場合、ダイオードD1は電流方向をアノードからカソードへの方向に制限することができ、この場合、起動電源10はダイオードD1を介して安定した電圧を出力することができるが、発電機50の出力電圧はダイオードD1により切断され、これにより起動電源10の電圧が満充電になった場合に起動電源10への充電を停止することができる。理解できるように、ダイオードD1は高出力ダイオードであってもよく、起動電源10が各負荷60に電力を供給する場合、出力電流が大きすぎることによるダイオードD1の損傷を避けることができる。
【0057】
ダイオードD1を設置することにより、第1のスイッチK1がオフになった場合、起動電源10はダイオードD1を介して安定した電圧を負荷60に出力することができ、且つ発電機50から出力された充電電圧はダイオードD1を介して起動電源10に出力することができない。
【0058】
図3を参照すると、いくつかの実施例において、上記メイン回路正極スイッチユニット20は第1の電界効果トランジスタM1及び第2の電界効果トランジスタM2を含むことができ、第1の電界効果トランジスタM1の第1の端子は起動電源10の正極に接続され、第2の電界効果トランジスタM2の第1の端子は発電機50の第1の端子又は負荷60の第1の端子に接続され、第2の電界効果トランジスタM2の第2の端子は第1の電界効果トランジスタM1の第2の端子に接続される。
【0059】
第2の電界効果トランジスタM2に寄生ダイオードが設置され、寄生ダイオードのアノードが第2の電界効果トランジスタM2の第2の端子に接続され、寄生ダイオードのカソードが第2の電界効果トランジスタM2の第1の端子に接続される。寄生ダイオードは電界効果トランジスタに設置されてもよく、電界効果トランジスタが逆方向電流を受信した場合、該逆方向電流を還流して、逆方向電流が電界効果トランジスタのブレイクダウンを引き起こすことを避ける。寄生ダイオードはP型半導体及びN型半導体で形成された一つのP-N接合を含むことができ、その界面の両側に空間電荷層が形成され、且つ内部電界(built-in field)が確立されている。寄生ダイオードの両端に印加電圧が存在しない場合、P-N接合の両側のキャリア濃度差に起因する拡散電流と内部電界に起因するドリフト電流が等しいため、電気的平衡状態にある。本実施例において、寄生ダイオードは起動電源10から出力された電流を受信した時にオンになることができ、起動電源10から出力された電流を負荷60に伝送することにより、負荷60に給電する。電池管理モジュール40は、起動電源10の電圧を検出することができ、電圧が予め設定された電圧閾値より低い場合、第1の電界効果トランジスタM1と第2の電界効果トランジスタM2をオンにすることができ、この場合、発電機50は起動電源10を充電することができ、起動電源10は安定した電圧を出力して負荷60に給電することができる。
【0060】
第1の電界効果トランジスタM1及び第2の電界効果トランジスタM2を設置することにより、起動電源10の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、電池管理モジュール40は、第1の電界効果トランジスタM1をオンにして、第2の電界効果トランジスタM2をオフにするように制御することができ、この場合、起動電源10は第1の電界効果トランジスタM1及び第2の電界効果トランジスタM2の寄生ダイオードにより安定した電圧を出力することができ、発電機50は、第2の電界効果トランジスタM2の寄生ダイオードが電流方向を制限するため、起動電源10を充電し続けることができない。
【0061】
理解できるように、第1の電界効果トランジスタM1にも寄生ダイオードが設置されることができ、第1の電界効果トランジスタM1をオフにして、第2の電界効果トランジスタM2をオンにするように制御することにより、メイン回路正極スイッチユニット20が第2の電流方向の電流を切断するようにすることもできる。即ち、この場合、発電機50は起動電源10を充電することができるが、起動電源10から出力された安定電圧は、第1の電界効果トランジスタM1がオフになり、第1の電界効果トランジスタM1の寄生ダイオードが逆バイアスになったため、負荷60へ出力することができなくなる。
【0062】
図4を参照すると、いくつかの実施例において、上記充放電制御回路は、メイン回路負極スイッチユニット30及び加熱モジュール70をさらに含むことができる。
【0063】
メイン回路負極スイッチユニット30の第1の端子は起動電源10の負極に接続され、メイン回路負極スイッチユニット30の第2の端子は発電機50の第2の端子又は負荷60の第2の端子に接続されてもよい。加熱モジュール70の第1の端子はメイン回路正極スイッチユニット20の第2の端子に接続され、加熱モジュール70の第2の端子はメイン回路負極スイッチユニット30の第1の端子に接続され、加熱モジュール70の制御端子は電池管理モジュール40に接続される。加熱モジュール70は起動電源10を加熱することができる。メイン回路負極スイッチユニット30は第2のスイッチK2を含むことができる。
【0064】
第1スイッチK1及び第2スイッチK2はリレーであってもよい。電池管理モジュール40は加熱モジュール70のオン/オフを制御することができ、加熱モジュール70をオンにしている場合、起動電源10を加熱して、起動電源10の電池温度を上昇させることができる。加熱モジュール70がオフになった場合、起動電源10に対する加熱を停止することができる。加熱モジュール70の二つの端子はそれぞれメイン回路正極スイッチユニット20の第2の端子とメイン回路負極スイッチユニット30の第1の端子に接続されるため、メイン回路正極スイッチユニット20が第1の電流方向の電流を切断した場合、発電機50、加熱モジュール70及びメイン回路負極スイッチユニット30は電流回路を形成し、発電機50は加熱モジュール70に給電することができる。すなわち、電池管理モジュール40は、メイン回路正極スイッチユニット20が第1の電流方向の電流を切断するように制御する場合、発電機50は加熱モジュール70に電力を供給することにより、加熱モジュール70は起動電源10を加熱することができる。
【0065】
説明すべきことは、起動電源10のセル温度が低い場合、起動電源10の許容充電電流が小さく、発電機50の出力電流が一般的に大きな電流であり、例えばアイドル状態で発電機50の出力電流が40A以上に達することができ、この時、発電機50が起動電源10を充電すると、起動電源10の損傷を引き起こす可能性があるため、起動電源10を加熱昇温した後、起動電源10のセル温度を上昇させてこそ、起動電源10の許容充電電流を発電機50の出力電流まで上昇させることができる。起動電源10を加熱する過程において、発電機50の出力電流が比較的に大きいため、電池管理モジュール40は、起動電源10の電池温度が充電需要を満たすように昇温するまでに、第1の電流方向の電流を切断して、発電機50の起動電源10に対する充電を切断するメイン回路正極スイッチユニット20を設置する必要がある。起動電源10の電池温度が充電需要を満たすように昇温した時にこそ、電池管理モジュール40はメイン回路正極スイッチユニット20の電流方向を双方向に設置して、起動電源10を充電する。
【0066】
メイン回路負極スイッチユニット30及び加熱モジュール70を設置することで、起動電源10の温度が低くて充電できない場合、発電機50により加熱モジュール70へ給電することにより、加熱モジュール70に起動電源10を加熱させ、起動電源10の温度を充電可能な温度範囲内に上昇させることができる。
【0067】
いくつかの実施例において、再び図4を参照すると、上記加熱モジュール70は加熱装置71及び加熱スイッチK3を含むことができ、加熱スイッチK3の制御端子は電池管理モジュール40に接続され、電池管理モジュール40は加熱スイッチK3のオン及びオフを制御することができる。加熱装置71の第1の端子は加熱スイッチK3を介してメイン回路正極スイッチユニット20の第2の端子に接続され、加熱装置71の第2の端子はメイン回路負極スイッチユニット30の第1の端子に接続される。加熱装置71は起動電源10の表面に設置されて、且つ通電状態で起動電源10を加熱してもよい。
【0068】
加熱装置は加熱スイッチK3がオンになっている場合に通電状態に入り、且つ発電機50の出力電圧を受信することができる。加熱装置は、通電状態で、起動電源10を加熱することにより、起動電源10の温度を上昇させることができる。例えば、加熱装置は、起動電源10の表面に設置された電熱フィルム(Electrothermal Film)であってもよく、該電熱フィルムは金属電熱フィルム、無機電熱フィルム及び高分子電熱フィルム等であってもよい。
【0069】
金属電熱フィルムは気相成長などの成膜技術を採用し、導電性の金属材質を絶縁材質に付着させ、金属層の表面にさらに一層の絶縁材料を被覆し、金属層がその中に厳密に包み込まれむ、シート状導電フィルムを形成する。金属電熱フィルムが通電した後、金属内部抵抗が発熱し、電熱効果を形成し、これにより起動電源10を加熱する。
【0070】
無機電熱フィルムは、導電性材料と難燃剤、成膜剤等の補助材料を混合し、かつ絶縁基材に塗布し、形成された導電性フィルムを指す。導電性材料は、無機物であってもよく、例えば、黒鉛、SiC、SiO、導電性インク、炭素繊維及び他の導電性ケイ酸塩等である。無機電熱フィルムの両端に一定の電圧を印加する場合、導電性材料は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、かつ起動電源10を加熱することができる。
【0071】
説明すべきことは、一部の無機導電性材料は常温で脆性物質であり、例えばSiOであり、このような物質を採用する電熱フィルムは、剛性基材に塗布する必要があり、板型材料として使用される。他の一部の無機導電性材料は、可撓性を有し、例えば導電性インク及び炭素繊維である。
【0072】
高分子電熱フィルムは、有機材料に導電性粒子を添加し、薄膜材料に加工した後にパッケージングするか、又は、導電性材料を絶縁材料基板に塗布し、有機導電性フィルムを製造し、さらに高分子絶縁材料でパッケージングする。高分子電熱フィルムとしては、シリカゲル電熱フィルム、ポリイミド電熱フィルム、エポキシ板電熱フィルム等を含むことができる。
【0073】
加熱スイッチK3及び加熱装置71を設置することにより、電池管理モジュール40は、加熱スイッチK3がオンになるように制御して、加熱装置71を通電させて起動電源10を加熱させ、これにより起動電源10のセル温度を上昇させ、起動電源10が発電機50の出力電流を受信して充電することができるようにする。
【0074】
理解できるように、第3のスイッチK3は電界効果トランジスタであってもよく、第3のスイッチK3は電池管理モジュール40の内部に設置されてもよく、すなわち、加熱装置の一端は電池管理モジュール40を介してメイン回路負極スイッチユニット30の第1の端子に接続される。
【0075】
図4を参照すると、いくつかの実施例において、上記充放電制御回路は温度感知ユニット80をさらに含むことができ、温度感知ユニット80は起動電源10の内部に設置され、かつ電池管理モジュール40に電気的に接続される。
【0076】
温度感知ユニット80は起動電源10の内部のセル温度を検出し、かつ起動電源10のセル温度に基づいて対応する温度信号を生成することができる。例えば、上記温度感知ユニット80は、NTC(Negative Temperature Coefficient、負温度係数)サーミスタであってもよく、起動電源10内に設置されたNTCサーミスタにより、電池管理モジュール40はNTCサーミスタの両端の電圧変化を検出して、NTCサーミスタのリアルタイム抵抗値を決定し、かつリアルタイム抵抗値に基づいて起動電源10内のリアルタイムセル温度を決定することができる。同様に、温度感知ユニット80は、PTC(Positive Temperature Coefficient、正温度係数)サーミスタ又は他の温度測定素子であってもよい。
【0077】
温度感知ユニット80を設置することにより、電池管理モジュール40は温度感知ユニット80から送信された温度信号を受信し、かつ該温度信号に基づいて起動電源10のセル温度を決定することができる。セル温度が第1の温度閾値より低い場合、電池管理モジュール40は加熱モジュール70をオンにすることにより、起動電源10を加熱してセル温度を上昇させることができる。加熱過程において、電池管理モジュール40は、さらに、セル温度をリアルタイムに検出し、かつセル温度が第2の温度閾値より高い場合、加熱モジュール70をオフにし、加熱を停止することができる。
【0078】
図4を再び参照すると、いくつかの実施例において、上記充放電制御回路には、さらに、過電流保護モジュールFuse及びサンプリングモジュールShuntが直列接続されていてもよい。
【0079】
過電流保護モジュールFuseは、起動電源10の所在する電流回路に直列接続されているヒューズであってもよく、ヒューズは、電流が大きすぎる場合に溶断されることで、当該ヒューズの所在する電流回路を切断することができる。サンプリングモジュールShuntは、起動電源10の所在する電流回路に設置されているシャント抵抗であってもよく、シャント抵抗の両端の電圧を検出して、該シャント抵抗の所在する電流回路における電流を決定することができる。
【0080】
過電流保護モジュールFuseを設置することにより、電流が大きすぎる場合に充放電制御回路を切断して、回路における各デバイスの過電流損傷を避けることができる。サンプリングモジュールShuntを設置すると、電池管理モジュール40に電気的に接続することができ、電池管理モジュール40は、サンプリングモジュールShuntから送信されたサンプリング信号を受信することにより回路電流をサンプリングすることができる。
【0081】
本願の実施例は、充放電制御方法をさらに提供し、上記実施例における充放電制御回路の電池管理モジュールに適用され、図5に示すように、充放電制御方法は、以下のステップを含む。
【0082】
S510において、自動車の発電機が起動状態であることを検出した場合、メイン回路正極スイッチユニットをオンにする。
【0083】
S520において、起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達したことを検出した場合、メイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御する。
【0084】
本実施例において、メイン回路正極スイッチユニットを設置することにより、電池管理モジュールは、発電機が起動する時に、起動電源の電圧に基づいてメイン回路正極スイッチユニットの電流方向を設置することができる。起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値より低い場合、メイン回路正極スイッチユニットをオンにするように設定することができ、この場合、メイン回路正極スイッチユニットは第1の電流方向の電流を切断にせず、発電機が起動電源を充電することができ、起動電源が負荷に給電することもでき、これにより起動電源の充電及び放電を行うことができる。起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達した場合、メイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御することができ、起動電源が安定した電圧を正常に出力する時、発電機と形成された充電回路を切断し、これにより起動電源に対する継続的な充電を停止する。起動電源の電圧が高い場合、発電機と起動電源の充電回路を切断することにより、起動電源の過充電を避けることができ、且つ起動電源と全体車両負荷の給電回路を正常に保持し、起動電源が安定したフィルタ電圧を全体車両の他の負荷に出力することができるようにして、全体車両の給電の異常変動による故障又は事故を避けることができる。
【0085】
S510において、電池管理モジュールは自動車バスにアクセスして、かつ全体車両と通信することができる。電池管理モジュールは発電機が起動状態であることを検出した場合、メイン回路正極スイッチユニットをオンにすることができる。この場合、発電機は起動電源を充電することができ、起動電源は安定電圧を出力して全体車両の他の負荷に給電することができる。
【0086】
S520において、電池管理モジュールは、起動電源の電圧をリアルタイムに検出することができ、起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値より低い場合、メイン回路正極スイッチユニットの電流方向を双方向に保持するように設定することができる。電池管理モジュールは、起動電源の電圧が予め設定された電圧閾値に達したことを検出すると、起動電源がこの時満充電状態であることを示し、起動電源を充電し続けると起動電源の過充電を引き起こす。この時、電池管理モジュールはメイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御することができ、この時、起動電源は依然として安定した電圧を出力し続けて負荷に給電することができ、発電機から出力された充電電圧はメイン回路正極スイッチユニットにより切断されて起動電源を充電し続けることができず、それにより、起動電源に過充電が発生することを避けると同時に、起動電源が安定したフィルタ電圧を全体車両の他の負荷に出力することを保障し、全体車両の給電異常変動による故障又は事故を避けることができる。
【0087】
選択可能な実施例として、図6を参照すると、ステップS520の前に、以下のステップをさらに含むことができる。
【0088】
S610において、起動電源のセル温度を取得する。
【0089】
S620において、セル温度が第1の温度閾値より低い場合、加熱モジュールをオンにし、且つメイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御する。
【0090】
S630において、セル温度が第2の温度閾値より高い場合、加熱モジュールをオフにし、且つメイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を回復しかつ維持するように制御する。
【0091】
本実施例において、電池管理モジュールは、起動電源のセル温度に基づいて加熱モジュールの制御を行うことができる。セル温度が第1の温度閾値より低い場合、加熱モジュールがオンになるように制御し、かつ発電機が起動電源に対する充電を停止するように制御することができる。セル温度が第2の温度閾値より高い場合、加熱モジュールがオフになるように制御し、かつ発電機が起動電源を充電し始めるように制御することができる。
【0092】
S610において、電池管理モジュールは、さらに、起動電源のセル温度をリアルタイムに検出することができる。例えば、電池管理モジュールは起動電源内に設置された温度感知ユニットに接続され、温度感知ユニットから送信された温度信号を受信することにより、起動電源のセル温度を特定することができる。
【0093】
S620において、起動電源のセル温度が予め設定された第1の温度閾値より低い場合、この時、起動電源が低温条件にあり、許可された充電電流が小さいが、発電機の出力電流がこの時充電電流の許可範囲より高いため、発電機が起動電源を充電すると、起動電源の損傷を引き起こす。この時、電池管理モジュールは、メイン回路正極スイッチユニットが第1の電流方向の電流を切断するように制御して、発電機と起動電源の充電回路を切断し、起動電源と各負荷の給電回路が依然として正常に動作するように保持することができる。電池管理モジュールは、さらに、加熱モジュールをオンにするように制御して、起動電源を加熱し、起動電源のセル温度を上昇させることにより起動電源の充電電流の許容範囲を向上させることができる。
【0094】
S630において、電池管理モジュールは、起動電源のセル温度が第2の温度閾値より高いことを検出した場合、この時、起動電源のセル温度が上昇したため、起動電源の充電電流の許容範囲もそれに伴って増大して、セル温度が第2の温度閾値より高い場合、この時、発電機の出力電流が起動電源の充電電流の許容範囲にあると特定することができ、この場合、加熱モジュールをオフに制御して加熱を停止し、かつメイン回路正極スイッチユニットを制御して第1の電流方向の電流を回復しかつ維持し、発電機と起動電源との間の充電回路を新たに導通させて、発電機はメイン回路正極スイッチユニットを介して充電電圧を出力して、起動電源を充電することができる。
【0095】
理解できるように、起動電源のセル温度が変化する時、加熱モジュールの頻繁なオン及びオフを避けるために、第1の温度閾値を第2の温度閾値よりも低く設定することができ、加熱モジュールは起動電源のセル温度を第1の温度閾値まで加熱した後、さらに第2の温度閾値まで加熱し続けて加熱を停止することができ、それにより、セル温度が第1の温度閾値以下に迅速に低下して加熱モジュールが頻繁に起動することを避ける。例えば、第1の温度閾値を5°に設定することができ、第2の温度閾値を8°に設定することができる。
【0096】
選択可能な実施例として、電池管理モジュールは、さらに、起動電源の電池状態を検出し、起動電源に故障が発生したことを検出した場合、電池管理モジュールがメイン回路正極スイッチユニットの電流方向をメイン回路正極スイッチユニットの第1の端子から第2の端子への方向に設定することにより、起動電源に対する充電を停止し、かつ故障情報を車両制御システムに送信することができる。
【0097】
図7は、本願の実施例により提供される充放電制御装置のハードウェア構造模式図を示す。
【0098】
充放電制御装置は、プロセッサ701及びコンピュータプログラムコマンドが記憶されている記憶部702を含むことができる。
【0099】
具体的には、上記プロセッサ701は、中央処理装置(CPU)、又は特定の集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)を含むか、又は本願の実施例を実施する一つ又は複数の集積回路に配置されてもよい。
【0100】
記憶部702は、データやコマンドのための大容量記憶部を含んでもよい。限定するものではないが、例として、記憶部702は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ又はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ドライブ、又は二つ以上のこれらの組み合わせを含むことができる。適切な場合に、記憶部702は、取り外し可能又は取り外し不可能(又は固定)な媒体を含むことができる。適切な場合に、記憶部702は、充放電制御装置の内部又は外部にあることができる。特定の実施例において、記憶部702は不揮発性固体メモリである。
【0101】
記憶部は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ディスク記憶媒体装置、光記憶媒体装置、フラッシュメモリ装置、電気、光学又は他の物理/有形のメモリ記憶装置を含むことができる。したがって、一般的には、記憶部は、コンピュータ実行可能なコマンドを含むソフトウェアが符号化された一つ又は複数の有形(非一時的)の読み取り可能な記憶媒体(例えば、メモリ装置)を含み、かつ該ソフトウェアが実行される(例えば、一つ又は複数のプロセッサにより)場合、それは本願の充放電制御方法を参照して説明された操作を実行するように動作することができる。
【0102】
プロセッサ701は、記憶部702に記憶されたコンピュータプログラムコマンドを読み取って実行することにより、上記実施例のいずれかの充放電制御方法を実現する。
【0103】
一例において、充放電制御装置は、通信インタフェース703及びバス710さらに含むことができる。ここで、図7に示すように、プロセッサ701、記憶部702、通信インタフェース703はバス710により接続され、かつ相互間の通信を完了する。
【0104】
通信インタフェース703は、主に、本願の実施例における各モジュール、装置、ユニット及び/又はデバイスの間の通信を実現するために用いられる。
【0105】
バス710は、ハードウェア、ソフトウェア又は両者を含み、充放電制御装置の部品を互いに結合する。非限定的な一例として、バスは、アクセラレーテッド・グラフィクス・ポート(AGP)若しくはその他のグラフィック専用バス、EISA(Extended Industry Standard Architecture)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパートランスポート(HT)インターコネクト、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、インフィニバンド・インターコネクト、LPC(low-pin-count)バス、メモリバス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、コンピュータ用拡張バスアーキテクチャ(PCI)バス、PCIエクスプレス(PCI-X)バス、シリアルATA(SATA)バス、VLB(Video Electronics Standards Association local)バス、若しくはその他の好適なバス、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。適切な場合に、バス710は一つ又は複数のバスを含むことができる。この開示は特定のバスを図示して説明しているが、この開示は如何なる好適なバス又はインターコネクトをも意図している。
【0106】
該充放電制御装置は、上記充放電制御回路に基づき、図5図6を参照して説明した充放電制御方法を実現することができる。
【0107】
また、上記実施例における充放電制御方法と組み合わせて、本願の実施例はコンピュータ記憶媒体を提供して実現することができる。該コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラムコマンドが記憶されている。該コンピュータプログラムコマンドがプロセッサにより実行されると、上記実施例のいずれかの充放電制御方法を実現する。
【0108】
上述したブロック構成図に示した機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせとして実現することができる。ハードウェア方式で実現する場合、それは例えば電子回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、適切なファームウェア、プラグイン、機能カード等であってもよい。ソフトウェア方式で実現する場合、本願の要素は必要なタスクを実行するために用いられるプログラム又はコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは機械可読媒体に記憶されてもよく、又はキャリアで搬送されるデータ信号によって伝送媒体又は通信リンクで伝送されてもよい。「機械可読媒体」は、情報を記憶又は伝送可能な任意の媒体を含んでもよい。機械可読媒体の例は、電子回路、半導体メモリ装置、ROM、フラッシュメモリ、消去可能なROM(EROM)、フロッピーディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバ媒体、無線周波数(RF)リンク等を含む。コードセグメントは、インターネットやイントラネット等のコンピュータネットワークを介してダウンロードされてもよい。
【0109】
説明すべきことは、本明細書において、用語「含む」、「備える」又はその任意の他の変形は非排他的な含有をカバーすることを意図し、それにより、一連の要素を含む過程、方法、物品又は装置が、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素をさらに含むか、又はこのような過程、方法、物品又は装置に固有の要素をさらに含むようにしている。
【0110】
本明細書で具体的な例を用いて本願の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は本願の方法及びその核心思想の理解を助けるためにのみ用いる。以上は、本願の好ましい実施形態に過ぎず、指摘すべきことは、文字表現の有限性のため、客観的に無限の具体的な構造が存在し、本技術分野の当業者にとって、本願の原理から逸脱しない前提で、さらに、いくつかの改善、修飾又は変化を行うことができ、上記技術的特徴を適切な方式で組み合わせることもでき、これらの改善、修飾、変化又は組み合わせ、又は改善せずに本願の思想及び技術的解決手段を他の場面に直接適用することは、いずれも本願の保護範囲に属すと見なすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7