(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】インピーダンス装置、振動ユニットの振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステム
(51)【国際特許分類】
H04R 29/00 20060101AFI20240729BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20240729BHJP
H04R 25/00 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H04R29/00 310
H04R1/00 317
H04R25/00 F
(21)【出願番号】P 2022554896
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 CN2021141078
(87)【国際公開番号】W WO2022148249
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】202110033059.0
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514156013
【氏名又は名称】深▲セン▼市韶音科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SHOKZ CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Floors 1-4,Factory Building 26,Shancheng Industrial Park,Shiyan Street,Bao’an District,Shenzhen,Guangdong 518108,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 真
(72)【発明者】
【氏名】付 峻江
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 磊
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-500284(JP,A)
【文献】特開2015-126408(JP,A)
【文献】特開2016-046600(JP,A)
【文献】特開2018-186572(JP,A)
【文献】特開2005-036821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 29/00
H04R 1/00
H04R 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスをシミュレートするためのインピーダンス装置であって、
質量部、弾性部、固定部及び減衰部を含み、前記質量部は、前記弾性部により前記固定部に接続され、
前記減衰部は、前記質量部と前記固定部との間に設置されて前記固定部に対する前記質量部の移動を減衰させ、
前記質量部が外部の振動ユニットと接触する場合、前記質量部は、前記振動ユニットの振動を受けて前記固定部に対して移動し、前記質量部の質量範囲は0.5g~5gであり、前記弾性部の弾性係数の範囲は600N/m~5000N/mであり、前記減衰部の減衰範囲は1~4であり、前記インピーダンス装置は、前記振動ユニットに6dB~50dBの範囲の機械インピーダンスを提供する、インピーダンス装置。
【請求項2】
前記質量部の質量範囲は1g~3.6gであり、前記弾性部の弾性係数の範囲は900N/m~1700N/mであり、前記減衰部の減衰範囲は2~3.7である、請求項1に記載のインピーダンス装置。
【請求項3】
周波数応答曲線にボトム値があり、前記ボトム値の範囲は6dB~15dBである、請求項1又は2に記載のインピーダンス装置。
【請求項4】
前記ボトム値に対応する周波数より小さい場合、機械インピーダンスは、周波数の増加に伴って小さくなり、前記ボトム値に対応する周波数より大きい場合、前記機械インピーダンスは、周波数の増加に伴って大きくなる、請求項3に記載のインピーダンス装置。
【請求項5】
前記固定部は固定アームを含み、前記質量部は前記固定アームに対向して設置され、前記質量部の一側は前記固定アームに向き、前記質量部の他側は前記固定アームとは反対の側を向いている、請求項1~4のいずれか一項に記載のインピーダンス装置。
【請求項6】
前記減衰部は前記質量部と前記固定アームとの間に位置する、請求項5に記載のインピーダンス装置。
【請求項7】
前記減衰部は、ばねダンパ、油圧ダンパ、摩擦ダンパ、パルスダンパ、回転ダンパ、粘性ダンパ、空気流ダンパ、減衰ヒンジ、及び減衰スライドレールのうちの少なくとも1種を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のインピーダンス装置。
【請求項8】
前記弾性部はばねを含み、前記減衰部は前記ばねの内部又は周囲に充填される、請求項1~7のいずれか一項に記載のインピーダンス装置。
【請求項9】
前記固定部は、一端が開口したケース構造であり、前記質量部は、前記弾性部により前記ケース構造の開口に吊り下げられる、請求項1~4のいずれか一項に記載のインピーダンス装置。
【請求項10】
前記弾性部は第1の端部及び第2の端部を含み、前記弾性部の第1の端部は前記質量部の側壁に接続され、前記弾性部の第2の端部は前記ケース構造の内壁に接続される、請求項9に記載のインピーダンス装置。
【請求項11】
前記弾性部の数は複数であり、前記複数の弾性部は前記質量部の側壁に沿って間隔を置いて分布する、請求項9又は10に記載のインピーダンス装置。
【請求項12】
前記弾性部は、圧縮ばね、引張ばね、ねじりばね、コイルばね、及び板ばねのうちの1種以上を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のインピーダンス装置。
【請求項13】
前記弾性部は網状構造をさらに含む、請求項9に記載のインピーダンス装置。
【請求項14】
前記減衰部は前記質量部と前記ケース構造の底壁との間に位置し、前記減衰部の一端は前記質量部の一側に接続され、前記減衰部の他端は前記ケース構造の底壁に接続される、請求項9~13のいずれか一項に記載のインピーダンス装置。
【請求項15】
前記質量部と前記ケース構造との間に密閉キャビティが取り囲まれるように形成され、前記密閉キャビティ内の気体は前記弾性部を形成する、請求項9に記載のインピーダンス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、振動シミュレーションの分野に関し、特に、インピーダンス装置を利用して振動ユニットの振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムに関する。
【0002】
[優先権情報]
本願は、2021年1月11日に出願された出願番号202110033059.0の中国出願に対する優先権を主張するものである。そのすべての内容は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
振動ユニットは、振動信号を生成して、人体頭部(例えば、頭部骨格)に振動信号を伝達することができる。振動ユニットの振動に対する人体頭部の影響をシミュレートして、振動ユニットの振動特性を知るために、一般的には、振動ユニットと人体頭部構造をシミュレートする装置とを結合する必要がある。いくつかの応用シーンにおいて、振動ユニットは、骨伝導イヤホン又は補聴器として使用される場合、ユーザの耳介の前側の顔領域に密着するが、人体頭部における該領域の骨格の硬度は頭蓋骨、乳様突起骨などの硬度より低く、すなわち、ユーザの耳介の前側の顔領域の機械インピーダンスは人体頭部の他の部位の機械インピーダンスとは明らかに異なり、現在の人体頭部をシミュレートする装置は、一般的にはユーザの耳の後ろの乳様突起の機械インピーダンスをシミュレートし、明らかに、振動ユニットが人体の耳介の前側の顔領域に密着するシーンのシミュレーションを満たすことができない。
【0004】
したがって、人体の耳介の前側の顔領域をシミュレートするためのインピーダンス装置、及び振動ユニットの振動に対するインピーダンス装置の影響をシミュレートするシステムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本願のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置は、質量部、弾性部、固定部及び減衰部を含み、質量部は、弾性部により固定部に接続され、減衰部は、質量部と固定部との間に設置されて固定部に対する質量部の移動を減衰させ、質量部が外部の振動ユニットと接触する場合、質量部は、振動ユニットの振動を受けて固定部に対して移動し、前記質量部の質量範囲は0.5g~5gであり、前記弾性部の弾性係数の範囲は600N/m~5000N/mであり、前記減衰部の減衰範囲は1~4であり、インピーダンス装置は、振動ユニットに6dB~50dBの範囲の機械インピーダンスを提供する。
【0006】
いくつかの実施例において、前記質量部の質量範囲は1g~3.6gであり、前記弾性部の弾性係数の範囲は900N/m~1700N/mであり、前記減衰部の減衰範囲は2~3.7である。
【0007】
いくつかの実施例において、前記インピーダンス装置の周波数応答曲線にボトム値があり、前記ボトム値の範囲は6dB~15dBである。
【0008】
いくつかの実施例において、前記ボトム値に対応する周波数より小さい場合、前記インピーダンス装置の機械インピーダンスは、周波数の増加に伴って小さくなり、前記ボトム値に対応する周波数より大きい場合、前記インピーダンス装置の機械インピーダンスは、周波数の増加に伴って大きくなる。
【0009】
いくつかの実施例において、固定部は固定アームを含み、質量部は固定アームに対向して設置され、質量部の一側は固定アームに向き、質量部の他側は固定アームとは反対の側を向いている。
【0010】
いくつかの実施例において、減衰部は質量部と固定アームとの間に位置する。
【0011】
いくつかの実施例において、減衰部は、ばねダンパ、油圧ダンパ、摩擦ダンパ、パルスダンパ、回転ダンパ、粘性ダンパ、空気流ダンパ、減衰ヒンジ、及び減衰スライドレールのうちの少なくとも1種を含む。
【0012】
いくつかの実施例において、弾性部はばねを含み、減衰部はばねの内部又は周囲に充填される。
【0013】
いくつかの実施例において、固定部は、一端が開口したケース構造であり、質量部は、弾性部によりケース構造の開口に吊り下げられる。
【0014】
いくつかの実施例において、弾性部は第1の端部及び第2の端部を含み、弾性部の第1の端部は質量部の側壁に接続され、弾性部の第2の端部はケース構造の内壁に接続される。
【0015】
いくつかの実施例において、弾性部の数は複数であり、複数の弾性部は質量部の側壁に沿って間隔を置いて分布する。
【0016】
いくつかの実施例において、弾性部は、圧縮ばね、引張ばね、ねじりばね、コイルばね、及び板ばねのうちの1種以上を含む。
【0017】
いくつかの実施例において、弾性部は網状構造をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施例において、減衰部は質量部とケース構造の底壁との間に位置し、減衰部の一端は質量部の一側に接続され、減衰部の他端はケース構造の底壁に接続される。
【0019】
いくつかの実施例において、質量部とケース構造との間に密閉キャビティが取り囲まれるように形成され、密閉キャビティ内の気体は弾性部を形成する。
【0020】
本願の他のいくつかの実施例に係る、振動ユニットの振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムは、振動信号を提供するように構成される振動ユニットと、振動ユニットと接触し、かつ振動ユニットに機械インピーダンスを提供するインピーダンス装置と、振動ユニットとインピーダンス装置とを結合するように構成される接続部材と、振動ユニットの振動中のパラメータ情報を収集するように構成されるセンサと、を含む。
【0021】
いくつかの実施例において、接続部材は振動ユニット及びインピーダンス装置に0.05N~3.5Nの圧力を提供する。
【0022】
いくつかの実施例において、インピーダンス装置と振動ユニットとの結合領域の面積範囲は0.25cm2~4cm2である。
【0023】
いくつかの実施例において、接続部材はベース、支持ロッド、及び固定部材を含み、支持ロッドはベースに接続され、固定部材は第1の端部及び第2の端部を含み、固定部材の第1の端部は支持ロッドに接続され、固定部材の第2の端部は振動ユニットに接続される。
【0024】
いくつかの実施例において、システムは頭部モデルをさらに含み、インピーダンス装置は頭部モデルの耳珠近傍領域に位置する。
【0025】
いくつかの実施例において、接続部材は帯状構造であり、帯状構造は頭部モデルに巻きつけられて振動ユニットをインピーダンス装置に固定する。
【0026】
いくつかの実施例において、接続部材は耳掛け構造であり、耳掛け構造は頭部モデルの耳介と適合し、耳掛け構造は振動ユニットをインピーダンス装置に固定する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置100の例示的なブロック図である。
【
図2】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置200の概略構成図である。
【
図3】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置300の概略構成図である。
【
図4】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置400の概略構成図である。
【
図5】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置500の概略構成図である。
【
図6】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置600の概略構成図である。
【
図7】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置700の概略構成図である。
【
図8】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置800の平面構成図である。
【
図9】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置900の平面構成図である。
【
図10】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置1000の概略構成図である。
【
図11】本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置の機械インピーダンスのアナログ回路モデル図である。
【
図12】本明細書のいくつかの実施例に係る、振動ユニットの振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムの例示的なブロック図である。
【
図13】本明細書のいくつかの実施例に係る振動ユニットと頭部との結合領域のシミュレートされた位置図である。
【
図14】本明細書のいくつかの実施例に係る、振動ユニットの振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムの概略構成図である。
【
図15】本明細書のいくつかの実施例に係るセンサの分布概略図である。
【
図16】本明細書のいくつかの実施例に係る接続部材が頭部モデルに係合される概略構成図である。
【
図17】本明細書の他のいくつかの実施例に係る接続部材が頭部モデルに係合される概略構成図である。
【
図18】振動ユニットの振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムの周波数応答曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、単に本願の例又は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに応用することができる。言語環境から明らかではないか又は明記しない限り、図面において同じ符号は同じ構造又は操作を表す。
【0029】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部品、部分又は組立体を区別するための方法であることが理解されよう。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0030】
本願及び特許請求の範囲に示すように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「一」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素のみを含むように提示し、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は設備は、他のステップ又は要素も含む可能性がある。
【0031】
本明細書の実施例において、インピーダンス装置が説明される。いくつかの実施例において、インピーダンス装置は、質量部、弾性部及び固定部を含んでもよく、質量部は、弾性部により固定部に接続されてもよい。質量部は質量を提供するために用いられ、外部の振動ユニットが質量部に結合された場合、質量部は、頭部が振動ユニットにフィードバックする質量負荷をシミュレートすることができる。振動ユニットは、振動信号を生成できる素子を意味してもよい。いくつかの実施例において、振動ユニットは、オーディオ装置(例えば、スピーカ、イヤホン、及びプレーヤなど)に応用されてもよく、振動ユニットは、オーディオ信号を振動信号に変換する。いくつかの実施例において、振動ユニットは、聴覚装置(例えば、補聴器など)に応用されてもよい。弾性部は、質量部の移動に弾性を提供するために用いられ、頭部の皮膚の弾性をシミュレートすることができる。いくつかの実施例において、インピーダンス装置は、減衰部をさらに含んでもよく、減衰部は、振動ユニットに対する頭部の減衰をシミュレートするために用いられる。いくつかの実施例において、減衰部は、質量部と固定部との間に位置して、固定部に対する質量部の移動を減衰させる。質量部が外部の振動ユニットと接触する場合、質量部は、振動ユニットの振動を受けて固定部に対して移動する。
【0032】
上記インピーダンス装置の質量部、弾性部、及び/又は減衰部のパラメータを調整することにより、上記インピーダンス装置を利用して、振動ユニットに対する頭部の様々な領域の影響をシミュレートすることができる。いくつかの実施例において、振動ユニットに対する人体頭部の耳介の前側の顔領域(耳珠近傍領域とも呼ばれる)の影響をシミュレートするために、上記インピーダンス装置の質量部、弾性部、及び/又は減衰部のパラメータを以下のように調整することができる。質量部と振動ユニットとの間の圧力が0.05N~3.5Nの範囲内にある場合、インピーダンス装置は、振動ユニットに6dB~50dBの範囲の機械インピーダンスを提供する。日常的に耳珠近傍領域に密着する場合の0.05N~3.5Nの範囲は、人体が適応でき、快適な圧力の大きさであり、インピーダンス装置は、振動ユニットが印加した上記範囲の圧力に応答して振動ユニットに6dB~50dBの範囲の機械インピーダンスをフィードバックすることで、実際の使用時に耳珠近傍領域が振動ユニットにフィードバックする実際のインピーダンスをシミュレートすることができる。いくつかの実施例において、インピーダンス装置の機械インピーダンス周波数応答曲線には、特定の周波数帯域範囲(例えば、50Hz~500Hz)においてボトムピークがあり、すなわち、特定の周波数帯域範囲内においてインピーダンス装置の機械インピーダンスの最小値(ボトム値とも呼ばれる)がある。また、周波数がボトム値に対応する周波数より小さい場合、インピーダンス装置の機械インピーダンスは、周波数の増加に伴って小さくなり、周波数がボトム値に対応する周波数より大きい場合、インピーダンス装置の機械インピーダンスは、周波数の増加に伴って大きくなる。いくつかの実施例において、特定の周波数帯域範囲は、上記50Hz~500Hzに限定されない。いくつかの実施例において、特定の周波数帯域範囲は、60Hz~400Hz、70Hz~300Hz又は80Hz~200Hzなど他の周波数帯域範囲又は該範囲内の任意の周波数値であってもよい。いくつかの実施例において、インピーダンス装置の質量部、弾性部、及び/又は減衰部のパラメータを調整することにより、インピーダンス装置から提供される機械インピーダンスが頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスと一致又はほぼ一致するようにすることができる。例えば、いくつかの実施例において、インピーダンス装置の減衰を調整することにより、インピーダンス装置から提供される機械インピーダンスのボトム値が頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスのボトム値と一致又はほぼ一致するようにすることができる。また、例えば、いくつかの実施例において、質量部の質量及び弾性部の弾性係数を調整することにより、ボトム値に対応する周波数を特定の周波数範囲内にすることができる。
【0033】
なお、質量部と振動ユニットとの間の圧力は、上記範囲外にあってもよく、例えば、0.05Nより小さいか又は3.5Nより大きい。また、インピーダンス装置が振動ユニットに提供する機械インピーダンスも上記範囲に限定されない。例えば、インピーダンス装置は、振動ユニットに58dBの機械インピーダンスを提供してもよい。また、例えば、インピーダンス装置は、振動ユニットに3dBの機械インピーダンスを提供してもよい。質量部と振動ユニットとの間の圧力、質量部、弾性部及び減衰部のパラメータについては、本明細書の他の箇所の内容を参照することができる。
【0034】
図1は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置100の例示的なブロック図である。
図1に示すように、インピーダンス装置100は、質量部101、弾性部102、減衰部103及び固定部104を含んでもよい。いくつかの実施例において、質量部101は、弾性部102により固定部104に接続されてもよい。いくつかの実施例において、質量部101は、弾性部102により固定部104と物理的に接続されてもよく、本明細書で説明される物理的な接続は、溶接、係止、接着又は一体成形など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施例において、質量部101が外部の振動ユニットと接触するか又は結合された場合、質量部101は、振動ユニットの振動を受けて固定部104に対して移動する。いくつかの実施例において、質量部101は、振動ユニットと直接接触するか又は結合され、振動ユニットが、振動が発生した場合、質量部101の移動を直接駆動してもよい。いくつかの実施例において、質量部101は、他の構造又は部材(例えば、保護フィルムなど)を介して振動ユニットと接触するか又は結合されて、振動ユニットの振動を受けて移動してもよい。いくつかの実施例において、質量部101と振動ユニットとの間の圧力が0.05N~3.5Nの範囲内にある場合、インピーダンス装置100は、振動ユニットに6dB~50dBの範囲の機械インピーダンスを提供してもよく、0.05N~3.5Nの範囲は、頭部の耳珠近傍領域に適切な圧力の大きさであり、6dB~50dBの範囲の機械インピーダンスは、実際の使用時に耳珠近傍領域が振動ユニットにフィードバックする実際のインピーダンスをシミュレートする。いくつかの実施例において、インピーダンス装置100が人体頭部の他の部位の機械インピーダンスをシミュレートするために用いられる場合、質量部101と振動ユニットとの間の圧力は、0.05Nより小さいか又は3.5Nより大きくてもよい。
【0036】
質量部101は、所定の重量を有する物体を意味する。インピーダンス装置100において、質量部101は、頭部の耳珠近傍領域が振動ユニットにフィードバックする質量負荷を特徴付けるために用いられてもよく、質量部101は慣性部とも呼ばれ、振動ユニットが質量部101に接続された場合、振動ユニットは、振動中に、質量部101を共に移動するように駆動し、このときに、質量部101と振動ユニットは、同位相を維持し、かつ同じ又はほぼ同じ振動加速度を有する。いくつかの実施例において、質量部101の形状は、円筒体、直方体、円錐、円錐台、球体などの規則的な構造体又は不規則な構造体を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、質量部101の材質は、プラスチック、木質、金属などの所定の剛性を有する任意の材質を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、インピーダンス装置の機械インピーダンスを6dB~50dB範囲内にするために、質量部101の質量範囲は0.5g~5gであってもよい。好ましくは、質量部101の質量範囲は0.6g~4.5gであってもよい。より好ましくは、質量部101の質量範囲は0.8g~4gであってもよい。より好ましくは、質量部101の質量範囲は1g~3.6gであってもよい。より好ましくは、質量部101の質量範囲は1.5g~3gであってもよい。より好ましくは、質量部101の質量範囲は2g~2.5gであってもよい。
【0037】
固定部104は、インピーダンス装置100の支持体を意味し、インピーダンス装置100の他の部材(例えば、質量部101、弾性部102、及び減衰部103)を支持するために用いられてもよい。いくつかの実施例において、固定部104の構造は、板状構造、ケース構造、ブロック状構造、台形構造などを含んでもよいが、これらに限定されない。なお、固定部104は、上記構造に限定されず、任意の形状の構造体であってもよく、インピーダンス装置100の他の部材(例えば、質量部101、弾性部102、及び減衰部103)を支持できる構造であればよく、本明細書においてさらに限定しない。
【0038】
弾性部102は、質量部101の移動に所定の弾性を提供するために用いられる。弾性部102の弾性力の大きさは、質量部101の移動変位又は移動幅に比例する。例えば、質量部の移動中に弾性部102を変形させ、弾性部102の弾性力が弾性部102の変形量に関連し、変形量が大きいほど、弾性部102が提供する弾性力が大きくなる。弾性部102の弾性係数は、人体頭部の耳珠近傍領域の等価弾性係数を特徴付けるために用いられてもよい。いくつかの実施例において、弾性部102の弾性係数を、人体頭部の耳珠近傍領域の等価弾性係数にほぼ等しくするように調整してもよい。いくつかの実施例において、人体頭部の耳珠近傍領域の硬度、着用者の様々な年齢層、振動ユニットを着用する時の圧力及び該位置の細胞の種類に応じて弾性部102の弾性係数を調整してもよい。具体的な原因は、人体頭部の異なる部位の硬度が異なり、等価弾性係数も異なることである。例えば、人体頭部の額部位、耳の後ろの乳様突起部位は硬度が大きく、その等価弾性係数が相対的に大きい。また、例えば、人体頭部の耳の前の側頭骨部位(すなわち、耳珠近傍領域)は額部位、耳の後ろの乳様突起部位より柔らかく、その等価弾性係数が相対的に小さい。また、人体頭部の異なる細胞中のエラスチン及びコラーゲンのヤング率が異なる(例えば、エラスチンのヤング率E≒0.3MPaであり、コラーゲンのヤング率E=100~1000MPaである)ため、人体頭部の異なる領域の等価弾性係数に対する異なる細胞の影響が大きい。さらに、同じ人の同じ部位であっても、等価弾性係数は、年齢層によって異なる。例えば、人体が老化した後、皮下液の量が減少するため、等価弾性係数はそれに応じて大きくなる。いくつかの実施例において、人体頭部の皮膚の等価弾性係数は、ユーザが振動ユニットを装着するときの振動ユニットと頭部の皮膚との間の圧力にも関連している。例えば、ユーザが振動ユニットを含む装置(例えば、聴覚装置、及びオーディオ装置など)を装着するとき、装置と人体頭部の皮膚との間に圧力が発生すると、装置が人体の皮下細胞を押圧し、装置に対応する皮下液の量に影響を及ぼし、圧力が大きいほど、装置に対応する皮下液の量が少なくなり、対応する等価弾性係数が大きくなる。人体頭部の皮膚の等価弾性係数が圧力に伴って変化する特性をシミュレートするために、いくつかの実施例において、弾性部102の弾性係数は、質量部101の移動変位又は移動幅に伴って変化するように設定されてもよく、例えば、質量部101の移動幅の増大に伴って、弾性部102の弾性係数も対応して大きくなる。弾性部102の弾性係数を頭部の耳珠近傍領域の等価弾性係数と等しくするか又はほぼ等しくするために、いくつかの実施例において、弾性部102の弾性係数の範囲は600N/m~5000N/mであってもよい。好ましくは、弾性部102の弾性係数の範囲は700N/m~4500N/mであってもよい。より好ましくは、弾性部102の弾性係数の範囲は800N/m~4000N/mであってもよい。好ましくは、弾性部102の弾性係数の範囲は850N/m~3500N/mであってもよい。好ましくは、弾性部102の弾性係数の範囲は900N/m~1700N/mであってもよい。好ましくは、弾性部102の弾性係数の範囲は1000N/m~1500N/mであってもよい。好ましくは、弾性部102の弾性係数の範囲は1100N/m~1400N/mであってもよい。いくつかの実施例において、弾性部102は、ばね、弾性軟質ゴム又はシリコーンゴム、弾性構造を有するプラスチック、弾性構造を有する金属など又は他の弾性を有する形態(例えば、エアクッション)を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、ばねは、圧縮ばね、引張ばね、ねじりばね、コイルばね、及び板ばねのうちの1種以上を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、弾性部102は流体(例えば、気体、液体又は気体と液体の混合物など)であってもよく、流体の形状に外部の作用力(例えば、質量部101が振動するときの流体への圧力)が作用するとき、流体が質量部101の移動に対して所定の抵抗(すなわち、粘性)を生成することにより、質量部101の移動に所定の弾性を提供する。
【0039】
減衰部103は、質量部101の移動を減衰させるために用いられてもよい。該減衰部103は、人体の等価減衰を特徴付けることができる。減衰部103による減衰を頭部の耳珠近傍領域の等価減衰と等しくするか又はほぼ等しくするために、いくつかの実施例において、減衰部103の減衰範囲は1~4であってもよい。より好ましくは、減衰部103の減衰範囲は1~3であってもよい。より好ましくは、減衰部103の減衰範囲は1~2であってもよい。いくつかの実施例において、減衰部103は、ばねダンパ、油圧ダンパ、摩擦ダンパ、パルスダンパ、回転ダンパ、粘性ダンパ、空気流ダンパ、減衰ヒンジ、及び減衰スライドレールのうちの1つ以上を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、減衰部103は、ある媒体(例えば、流体)の特性を利用して実現される形態(例えば、所定の粘性力を有する液体、例えば、磁性流体など)であってもよい。
【0040】
いくつかの実施例において、質量部101、弾性部102、及び減衰部103のうちの1つの部材は、質量作用、弾性作用又は減衰作用を同時に提供してもよい。いくつかの実施例において、質量部101及び弾性部102は、同じ部材により実現されてもよい。例えば、弾性シリコーンゴムブロックを、同時に質量部101及び弾性部102としてもよい。いくつかの実施例において、質量部101及び減衰部103は、同じ部材により実現されてもよい。例えば、固定部104は、質量部101と同じ形状の開口部を有し、質量部101の側壁が固定部104の内壁に接触して接続された場合、質量部101と固定部104との間の摩擦力を、インピーダンス装置100の減衰としてもよい。いくつかの実施例において、弾性部102及び減衰部103は、同じ部材により実現されてもよい。例えば、発泡体で充填されたか又は包まれたばねを、同時に弾性部102及び減衰部103とする。
【0041】
なお、上記インピーダンス装置100についての記述は、例示及び説明のためのものにすぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書を参照してインピーダンス装置100に対して、例えば、弾性部102又は減衰部103を省略するなど、様々な修正及び変更を行うことができるが、これらの修正及び変更は依然として本明細書の範囲内にある。
【0042】
図2は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置200の概略構成図である。
図2に示すように、インピーダンス装置200は、質量部201、弾性部202、減衰部203及び固定部204を含んでもよい。固定部204は、インピーダンス装置200の他の部材(例えば、質量部201、弾性部202、及び減衰部203)の支持載置体とし、固定部204は、板状構造、ブロック状構造、ケース構造などの規則的又は不規則な形状であってもよい。いくつかの実施例において、固定部204は固定アームを含んでもよく、該固定アームは、固定部204の局所構造又は全体構造であってもよい。例えば、固定部204が板状構造である場合、該板状構造は固定アームである。また、例えば、固定部204がケース構造である場合、固定アームはケース構造の1つの側壁であってもよい。いくつかの実施例において、質量部201は固定アームに対向して設置され、質量部201の一側は固定アームに向き、質量部201の他側は固定アームとは反対の側を向き、弾性部202が質量部201と固定アームとの間に位置して質量部201を支持することにより、質量部201は、外部の作用で(例えば、振動ユニットの振動で)固定部204に対して移動することができる。いくつかの実施例において、弾性部202は、2つの端部を有する柱状構造体であって、弾性部202の第1の端部が質量部201に接続され、弾性部202の第2の端部が固定アームに接続されてもよい。いくつかの実施例において、減衰部203は、質量部201と固定アームとの間に位置し、減衰部203の第1の端部が質量部201に接続され、減衰部203の第2の端部が固定アームに接続されてもよい。いくつかの実施例において、減衰部203は、ばねダンパ、油圧ダンパ、摩擦ダンパ、パルスダンパ、回転ダンパ、粘性ダンパ、空気流ダンパ、減衰ヒンジ、及び減衰スライドレールのうちの少なくとも1種を含んでもよい。
【0043】
なお、上記インピーダンス装置200についての記述は、例示及び説明のためのものにすぎず、インピーダンス装置200の質量部、弾性部、及び減衰部の数は上記1つに限定されず、複数であってもよく、例えば、弾性部の数は複数であってもよく、複数の弾性部は互いに直列に接続されてもよい。また、インピーダンス装置200の弾性部の数を調整することにより、弾性部全体の弾性係数を上記言及した600N/m~5000N/mの範囲内にすることができる。
【0044】
図3は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置300の概略構成図である。
図3に示すインピーダンス装置300と
図2に示すインピーダンス装置200は、全体構成がほぼ同じであるが、
図3に示すインピーダンス装置300において、質量部301の、固定部304とは反対の側を向いている側に保護層305があるという点で異なり、保護層305は、質量部301と振動ユニットとの直接的な接触を回避することにより、振動ユニットによる質量部301の摩耗を回避することができる。いくつかの実施例において、保護層305は、金属保護層、織物保護層、シリコーンゴム保護層又は軟質ゴム保護層など、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。また、
図3に示すインピーダンス装置300の弾性部302の数は、
図2に示すインピーダンス装置200の弾性部202の数とは異なる。いくつかの実施例において、弾性部302の数は、2つ以上であってもよい。弾性部302の数が複数である場合、複数の弾性部302は、質量部301と固定部304との間に位置してもよい。いくつかの実施例において、複数の弾性部302は、仕様(例えば、長さ、及び弾性係数など)が同じであるか又は異なる弾性素子であってもよい。複数の弾性部302の仕様が同じである場合、複数の弾性部302は、質量部301の固定部304に向いている側面に沿って均一に分布してもよい。複数の弾性部302の仕様が異なる場合、例えば、弾性部302の長さが異なる場合、長い弾性部302の両端がそれぞれ固定部304及び質量部301に接続され、短い複数の弾性素子が直列に接続されて1つの弾性部302を形成し、複数の弾性素子が直列に接続された弾性部302の両端がそれぞれ固定部304及び質量部301に接続されてもよい。なお、弾性部302の数は
図3に示す2つに限定されず、3つ、4つ、5つ又は5つ以上であってもよい。インピーダンス装置300の他の構造及び部材(例えば、減衰部303及び固定部304)は、
図2において説明されたインピーダンス装置200の一部の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には、
図2における説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0045】
いくつかの実施例において、インピーダンス装置の弾性部及び減衰部は、同じ部材により実現されてもよく、具体的には以下の
図4及びその関連説明を参照する。
図4は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置400の概略構成図である。
図4に示すように、弾性部402は1つ以上のばねを含んでもよく、ばねは、質量部401と固定部404を接続するために、質量部401と固定部404との間に位置する。いくつかの実施例において、ばねの内部又は周囲に減衰特性を有する物質を充填してもよく、減衰特性を有する物質がばねを減衰させることにより、充填後のばねは、弾性部及び減衰部の両方とすることができる。いくつかの実施例において、減衰部403は、フォーム、スポンジ、ゴム、シリコーンゴムなどの弾性体であってもよい。インピーダンス装置400の他の構造及び部材(例えば、固定部404及び保護層405)は、
図3において説明されたインピーダンス装置300の一部の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には、
図3における説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0046】
図5は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置500の概略構成図である。
図5に示すように、インピーダンス装置500は、質量部501、弾性部502、減衰部503及び固定部504を含んでもよい。いくつかの実施例において、固定部504は、一端が開口したケース構造であってもよく、質量部501は、固定部504の開口を通して振動ユニットに結合又は接触可能なように、弾性部502によりケース構造の開口に吊り下げられる。
【0047】
いくつかの実施例において、固定部504は、第1の側壁、第2の側壁及び第3の側壁を含み、ケース構造の開口が形成されるように第1の側壁と第2の側壁との間に間隔を有し、第3の側壁が開口位置に対向してもよい。質量部501は柱状構造体であり、質量部501の側壁は、弾性部502により固定部504の第1の側壁及び第2の側壁に接続され、質量部501の第3の側壁に向いている側と第3の側壁とは、減衰部503により接続される。いくつかの実施例において、質量部501の一部の構造は、固定部504の開口から延出してもよく、質量部501の全体構造は、開口が位置する平面の下方にあってもよく、質量部501の、第3の側壁とは反対の側を向いている側と、開口が位置する平面とが同じ平面内にあってもよい。なお、本明細書において、固定部504の第1の側壁、第2の側壁及び第3の側壁は、固定部504の説明を容易にするためのものである。いくつかの実施例において、第1の側壁と第2の側壁は、異なる側壁であってもよい。例えば、固定部504が立方体構造である場合、第1の側壁と第2の側壁は、立方体構造における位置が対向する2つの側壁であってもよい。いくつかの実施例において、第1の側壁と第2の側壁は、同じ側壁であってもよい。例えば、固定部504が円筒体構造である場合、第1の側壁と第2の側壁は、円筒体の側壁の異なる部位である。また、固定部504の側壁は、上記第1の側壁及び第2の側壁に限定されず、他の側壁、例えば、第4の側壁、及び第5の側壁などを含んでもよく、質量部501の側壁と他の側壁とは弾性部502により接続されてもよく、質量部501の側壁と他の側壁とは接続されなくてもよい。
【0048】
いくつかの実施例において、弾性部502は、第1の端部及び第2の端部を含んでもよく、弾性部502の第1の端部は質量部501の側壁に接続され、弾性部502の第2の端部はケース構造の内壁に接続される。いくつかの実施例において、弾性部502の数は複数であってもよく、複数の弾性部502は質量部501の側壁に沿って間隔を置いて分布してもよい。
【0049】
なお、
図2~
図5に示すインピーダンス装置は、例示及び説明のためのものにすぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書を参照してインピーダンス装置に対して、例えば、質量部の実施形態を変更するか又は弾性部の実施形態を変更するなど、様々な修正及び変更を行うことができるが、これらの修正及び変更は依然として本明細書の範囲内にある。
【0050】
図6は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置600の概略構成図である。
図6に示すように、固定部604は、一端が開口したケース構造であってもよく、弾性部602の数は複数であってもよく、複数の弾性部602は質量部601の側壁に沿って間隔を置いて分布する。
【0051】
いくつかの実施例において、固定部604は、一端が開口した円柱状ケース構造であってもよく、ケース構造はキャビティを有し、キャビティは質量部601、弾性部602及び減衰部603を収容することができ、ケース構造のキャビティは開口と連通し、質量部601の頂部は、固定部604の開口を通して振動ユニットに結合又は接触することができる。いくつかの実施例において、質量部601の側壁と固定部604の内壁との間の距離は、どこでも同じであってもよく、どこでも同じではなくてもよい。
【0052】
いくつかの実施例において、減衰部603は質量部601とケース構造の底壁との間に位置してもよい。いくつかの実施例において、減衰部603の一端は質量部601の一側に接続され、減衰部603の他端はケース構造の底壁に接続される。いくつかの実施例において、減衰部603は、質量部601の底部とケース構造の底壁との間に支持されるダンパであってもよい。
【0053】
いくつかの実施例において、弾性部602の第1の端部は質量部601の側壁に接続され、弾性部602の第2の端部はケース構造の内壁に接続される。いくつかの実施例において、複数の弾性部602が質量部601又は固定部604に作用する弾性力は、等しくてもよく、等しくなくてもよい。いくつかの実施例において、弾性部602は、圧縮ばね、引張ばね、ねじりばね、コイルばね、及び板ばねのうちの1種以上を含んでもよい。
【0054】
外部物体がインピーダンス装置600に入ってインピーダンス装置600の精度に影響を与えることを防止するために、いくつかの実施例において、インピーダンス装置600は(
図6に示されていない)阻止部をさらに含んでもよく、阻止部は質量部601の側壁と固定部604の内壁との間に位置してもよく、阻止部の側壁は固定部の内壁に接続される。いくつかの実施例において、阻止部は、質量部601の形状に適合する孔を含み、質量部601が阻止部の孔に位置してもよい。いくつかの実施例において、質量部601が阻止部の孔において振動できるように、該孔のサイズは質量部のサイズより大きくてもよい。いくつかの実施例において、阻止部の形状は、質量部601の側壁と固定部604とで形成された空間の形状と適合する。例えば、固定部604及び質量部601がいずれも円柱状構造である場合、阻止部は環状構造体であってもよい。また、例えば、固定部604が円柱状構造であり、質量部601が直方体構造である場合、阻止部の全体構造は、長方形の開口を有する円筒体である。なお、いくつかの実施例において、質量部601は、弾性部602により阻止部に接続されてもよい。
【0055】
いくつかの実施例において、減衰部は、減衰特性を有する任意の物体であってもよい。
図7は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置700の概略構成図であり、
図7に示すように、減衰部703は質量部701の底部と固定部704の底部との間に位置し、減衰部703は減衰特性を有する任意の物体、例えば、発泡体又は所定の粘性力を有する流体(例えば、磁性流体、及び液体)などであってもよい。質量部701、弾性部702、及び固定部704は、
図6において説明されたインピーダンス装置の一部の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には、
図6における説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0056】
弾性部の分布状況及び具体的な構造をより明確に説明するために、
図8及び
図9を参照して弾性部をさらに説明する。
図8は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置800の平面構成図である。
【0057】
図8aに示すように、いくつかの実施例において、弾性部802aは4つのばね(例えば、圧縮ばね、引張ばね、ねじりばね、コイルばね、及び板ばねのうちの1種以上)であってもよく、4つの弾性部802aは質量部801aの側壁に沿って均一に間隔を置いて分布する。いくつかの実施例において、質量部801aの側壁と固定部804aの内壁との間の距離は、どこでも同じであってもよく、同じ弾性部802aを使用することにより、質量部801aの振動中に、各弾性部802aが発生する弾性力を一致させることで、各弾性部802aの耐用年数を同じにして、テストにおけるインピーダンス装置の精度を向上させることができる。なお、弾性部802aの数は、
図8aに示す4つに限定されず、2つ、3つ、5つ及びそれ以上であってもよい。また、複数の弾性部802aは、タイプの異なるばねを含んでもよい。例えば、
図8aに示す4つのばねのうち、垂直方向に設置された2つのばねは圧縮ばねであり、横方向に設置された2つのばねはコイルばねである。
【0058】
図8bに示すように、いくつかの実施例において、弾性部802bは円弧状ばね片であってもよく、複数の弾性部802bは質量部801bの側壁に沿って均一に間隔を置いて分布する。なお、ばね片の形状は、上記円弧状に限定されず、他の形状、例えば、直線型、三角形、「V」字形、「Z」字形又は螺旋状などの規則的な形状又は不規則な形状であってもよい。インピーダンス装置800の他の構造及び部材は、
図6において説明されたインピーダンス装置600の一部の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には、
図6における説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0059】
図9は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置900の平面構成図である。
図9に示すように、インピーダンス装置900の弾性部902は網状構造であってもよく、網状構造は、複数の弾性を有する素子9021(例えば、ばね、及びばね片など)及び環状構造9022を含んでもよく、複数の弾性を有する素子9021は質量部901の側壁に沿って間隔を置いて分布し、複数の環状構造9022は質量部901の周りに間隔を置いて分布し、弾性を有する素子9021に接続される。質量部901は、網状構造により固定部904の開口に吊り下げられる。いくつかの実施例において、網状構造の内輪は質量部901の側壁に接続され、網状構造の外輪は固定部904の内壁に接続される。網状構造の内輪は、網状構造の質量部901の側壁に近い側を意味し、対応して、網状構造の外輪は、網状構造の質量部901の側壁から離れる側を意味する。いくつかの実施例において、網状構造の弾性を有する素子9021の形状は、長方形、三角形、円弧状、V字形などの規則的又は不規則な形状であってもよい。なお、網状構造の環状構造9022の形状は、他の形状、例えば、正方形、三角形、五角形、六角形などの任意の形状であってもよい。また、環状構造9022の数は、
図9に示す2つに限定されず、1つ、3つ以上であってもよい。環状構造9022の数が複数である場合、環状構造9022の形状は、同じであってもよく、異なってもよい。インピーダンス装置900の他の構造及び部材は、
図8において説明されたインピーダンス装置800の一部の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には、
図8における説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。また、
図9に示す網状構造の局所的な構造(例えば、弾性を有する素子9021、及び環状構造9022)は、
図5~
図8に示すインピーダンス装置にも適用することができる。
【0060】
図2~
図9に示すインピーダンス装置において、質量部、弾性部及び減衰部のパラメータについて、
図1及びその関連説明を参照することができる。例えば、質量部、弾性部及び減衰部のパラメータを調整することにより、質量部に印加された外力が0.05N~3.5Nである場合、インピーダンス装置の機械インピーダンスが6dB~50dBの範囲内にあるようにすることができ、例えば、弾性部のばねの数及び弾性係数、減衰部の減衰素子の数及び減衰、並びに質量部の質量などを調整することにより、特定の外力でのインピーダンス装置の機械インピーダンスを変更することができる。
【0061】
図10は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置1000の概略構成図であり、
図10に示すように、固定部1004は、一端が開口したケース構造であり、質量部1001とケース構造との間に密閉キャビティ1007が取り囲まれるように形成され、密閉キャビティ1007内の気体が弾性部を形成してもよい。いくつかの実施例において、質量部1001の側壁とケース構造の内壁との間に摩擦力があり、摩擦力は減衰部となってもよく、質量部1001とケース構造との間の摩擦力により、質量部1001の動きを所定の程度で減衰させる。
【0062】
図10に示すインピーダンス装置1000において、質量部1001に印加された外力が0.05N~3.5Nである場合、質量部1001の質量、質量部1001とケース構造との間の摩擦係数、又は密閉キャビティ1007内に充填された気体の圧力を調整することにより、インピーダンス装置1000の機械インピーダンスを目標範囲(例えば、6dB~50dB)内にしてもよい。いくつかの実施例において、密閉キャビティ1007内に、ケース構造の底壁を質量部1001に接続する弾性素子(例えば、ばね)を増設することにより、インピーダンス装置1000の機械インピーダンスを調整してもよい。
【0063】
なお、
図6~
図10に示すインピーダンス装置は、例示及び説明のためのものにすぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書を参照してインピーダンス装置に対して、例えば、質量部及び固定部の形状を変更するか又は質量部の側壁から延びる弾性部をフォームで包むなど、様々な修正及び変更を行うことができるが、これらの修正及び変更は依然として本明細書の範囲内にある。
【0064】
いくつかの実施例において、インピーダンス装置は、頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスをシミュレートするために用いられてもよい。頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスは、頭部の耳珠近傍領域の外部力の刺激への運動応答を意味する。運動応答は、変位応答、速度応答、加速度応答などのうちのいずれか1種以上を含んでもよい。説明の目的のために、本明細書において、外部力は振動ユニットの振動による励振力であってもよく、運動応答は速度応答である。いくつかの実施例において、頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスは、励振力と速度応答の幅との比として特徴付けてもよく、式は以下のとおりである。
【0065】
【数1】
式中、Fは振動ユニットによる励振力であり、vは速度応答であり、Zは頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスである。頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスが大きいほど、速度応答の幅は小さくなる。
【0066】
図11は、本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置の機械インピーダンスのアナログ回路モデル図である。機械インピーダンスの回路モデルにおいて、励振力Fを電圧に類推し、速度vを電流に類推し、(質量部による)慣性mをインダクタンスに類推し、コンプライアンスc(c=1/k、kが弾性部の弾性係数である)をコンデンサに類推し、(減衰部による)減衰rを抵抗に類推することにより、インピーダンス装置の機械インピーダンスのアナロジー回路モデルを取得することができ、
図11に示すように、インダクタンス、コンデンサ及び抵抗の直列回路である。これにより、機械インピーダンスZについては、以下の式がある。
【0067】
【数2】
式中、mは慣性であり、kは弾性係数であり、rは減衰であり、ωは振動ユニットの振動の角速度である。機械インピーダンスは複素数であり、実数部に虚数部を加えた形で表すことができる。さらに、機械インピーダンスの振幅の周波数応答は以下のように表すことができる。
【0068】
【数3】
式中、参考値0dBは、1V・s/mを表す。
【0069】
上記式(1)、(2)及び(3)から分かるように、インピーダンス装置の質量、弾性部の弾性係数又は減衰部の減衰を調整することにより、インピーダンス装置を、インピーダンス装置から提供される機械インピーダンスが頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスとほぼ一致するようにする調整することができる。頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンス周波数応答曲線には、特定の周波数帯域範囲(例えば、50Hz~500Hz)においてボトムピークがあり、すなわち、特定の周波数帯域範囲内において頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスの最小値(ボトム値とも呼ばれる)がある。また、周波数が特定の周波数帯域範囲より小さい場合、頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスは周波数の増加に伴って小さく、周波数が特定の周波数帯域範囲より大きい場合、頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスは周波数の増加に伴って大きくなる。いくつかの実施例において、特定の周波数帯域範囲は、上記50Hz~500Hzに限定されない。いくつかの実施例において、特定の周波数帯域範囲は、60Hz~400Hz、70Hz~300Hz又は80Hz~200Hzなど他の周波数帯域範囲又はこれらの範囲内の任意の周波数値であってもよい。
【0070】
いくつかの実施例において、インピーダンス装置の減衰を調整することにより、インピーダンス装置から提供される機械インピーダンスのボトム値を頭部の耳珠近傍領域の機械インピーダンスのボトム値と一致させるか又はほぼ一致させることができる。いくつかの実施例において、減衰部の減衰範囲を1~4に調整することにより、インピーダンス装置の機械インピーダンスのボトム値を0dB~15dBにすることができる。好ましくは、減衰部の減衰を1.5~3.9に調整することにより、インピーダンス装置の機械インピーダンスのボトム値を2dB~13dBにすることができる。さらに好ましくは、減衰部の減衰を2~3.7に調整することにより、インピーダンス装置の機械インピーダンスのボトム値を3dB~12dBにすることができる。より好ましくは、減衰部の減衰を2.4~3.2に調整することにより、インピーダンス装置の機械インピーダンスのボトム値を6dB~10dBにすることができる。
【0071】
いくつかの実施例において、質量部の質量及び弾性部の弾性係数を調整することにより、ボトム値に対応する周波数を特定の周波数範囲内にすることができる。いくつかの実施例において、質量部の質量範囲を0.5g~5gに調整し、弾性部の弾性係数の範囲を600N/m~5000N/mに調整することにより、インピーダンス装置のボトム値を50Hz~500Hzの範囲内にすることができる。好ましくは、質量部の質量範囲を0.8g~4.5gに調整し、弾性部の弾性係数の範囲を700N/m~3500N/mに調整することにより、インピーダンス装置のボトム値を60Hz~320Hzの範囲内にすることができる。より好ましくは、質量部の質量範囲を1g~3.6gに調整し、弾性部の弾性係数の範囲を900N/m~1700N/mに調整することにより、インピーダンス装置のボトム値を80Hz~200Hzの範囲内にすることができる。
【0072】
図12は、本明細書のいくつかの実施例に係る、振動ユニットの振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムの例示的なブロック図である。
図12に示すように、システム1400は、振動ユニット1410、インピーダンス装置1420、接続部材1430及びセンサ1440を含む。
【0073】
いくつかの実施例において、振動ユニット1410は、振動信号を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、振動ユニット1410は、オーディオ情報を含む信号を振動信号に変換してもよい。いくつかの実施例において、オーディオ情報は、特定のデータフォーマットを有するビデオ、オーディオファイル、又は特定の方法でオーディオに変換できるデータ又はファイルを含んでもよく、オーディオ情報を含む信号は、振動ユニット1410と通信するか又は接続される記憶アセンブリに由来してもよい。いくつかの実施例において、オーディオ情報を含む信号は、電気信号、光信号、磁気信号、機械的信号など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、振動ユニット1410は、様々な方法でオーディオ情報を含む信号を取得することができ、信号取得方式は、有線又は無線取得を含むが、これらに限定されず、リアルタイム取得又は遅延取得を含んでもよく、例えば、振動ユニット1410は、有線又は無線でオーディオ情報を含む電気信号を受信してもよく、記憶媒体からデータを直接取得して、信号を生成してもよい。いくつかの実施例において、振動ユニット1410は、オーディオ情報を含む信号を機械的振動へ変換することができ、変換中に複数タイプのエネルギーの共存及び変換が発生する可能性があり、例えば、電気信号をエネルギー変換装置により機械的振動に直接変換して、音声を生成してもよく、また、例えば、オーディオ情報が光信号に含まれて、エネルギー変換装置により光信号から振動信号への変換プロセスを実現してもよく、エネルギー変換装置の動作中に共存及び変換可能な他のエネルギータイプは、熱エネルギー、及び磁場エネルギーなどを含む。いくつかの実施例において、エネルギー変換装置のエネルギー変換方式は、可動コイル式、静電式、圧電式、可動鉄式、空気圧式、電磁式など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0074】
いくつかの実施例において、インピーダンス装置1420は、振動ユニット1410と接触し、かつ振動ユニット1410に機械インピーダンスを提供してもよい。いくつかの実施例において、インピーダンス装置1420と振動ユニット1410との間に所定の圧力があり、インピーダンス装置1420から提供される機械インピーダンスにより、実際の使用時における振動ユニット1410に対する頭部のインピーダンスをシミュレートすることができ、機械インピーダンスを与えられた振動ユニット1410の振動状態が、実際に頭部に密着して使用されるときの振動特性と一致又はほぼ一致することで、システムは、振動ユニット1410に頭部の振動が結合したときにおける、振動ユニット1410の振動状態に対する頭部の機械インピーダンスの影響をシミュレートすることができる。インピーダンス装置の具体的な内容については、
図1~
図10の関連記述及び説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0075】
いくつかの実施例において、接続部材1430は、振動ユニット1410とインピーダンス装置1420とを結合するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、接続部材1430は、振動ユニット1410及びインピーダンス装置1420に0.05N~3.5Nの圧力を提供してもよい。好ましくは、接続部材1430は、振動ユニット1410及びインピーダンス装置1420に0.1N~3Nの圧力を提供してもよい。好ましくは、接続部材1430は、振動ユニット1410及びインピーダンス装置1420に0.3N~2.5Nの圧力を提供してもよい。好ましくは、接続部材1430は、振動ユニット1410及びインピーダンス装置1420に0.5N~2Nの圧力を提供してもよい。好ましくは、接続部材1430は、振動ユニット1410及びインピーダンス装置1420に0.8N~1.8Nの圧力を提供してもよい。好ましくは、接続部材1430は、振動ユニット1410及びインピーダンス装置1420に1N~1.5Nの圧力を提供してもよい。いくつかの実施例において、振動ユニット1410とインピーダンス装置1420が結合可能なように、接続部材1430は、振動ユニット1410に接続され、かつ振動ユニット1410に圧力を印加してもよく、例えば、支持架台などである。いくつかの実施例において、接続部材1430は、振動ユニット1410に接続され、かつ他の固定構造に接触して固定されてもよく、例えば、振動ユニット1410と他の固定構造をバインドできる接続部材1430などであり、他の固定構造は、頭部モデル又は固定物などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、接続部材1430は、振動ユニット1410と一体成形され、かつ他の固定構造に接触して固定されてもよく、例えば、イヤホンにおける一体成形された耳掛け構造、補聴器における一体成形された耳挟持構造、オーディオメガネにおける一体成形されたメガネフレーム構造などである。いくつかの実施例において、接続部材1430の材質は、所定の硬度及び形状を有するプラスチック、金属、及び所定の弾性を有するシリコーンゴム、織物を含むが、これらに限定されない。
【0076】
いくつかの実施例において、接続部材1430が振動ユニット1410及びインピーダンス装置1420に0.05N~3.5Nの圧力を提供する場合、インピーダンス装置1420は振動ユニット1410に6dB~50dBの範囲の機械インピーダンスを提供し、6dB~50dBの範囲の機械インピーダンスが、実際の使用時に耳珠近傍領域が振動ユニット1410にフィードバックする実際のインピーダンスをシミュレートするため、振動ユニット1410とインピーダンス装置1420が結合して振動するときにおける振動ユニット1410の振動に対する機械インピーダンスの影響により、振動ユニット1410に頭部の振動が結合したときにおける、振動ユニット1410の振動に対する頭部の実際のインピーダンスの影響をシミュレートすることができ、関連製品の開発及び製造におけるテスト又は較正を容易にすることができる。
【0077】
振動ユニット1410とインピーダンス装置1420との十分な密着を保証するために、いくつかの実施例において、インピーダンス装置1420と振動ユニット1410との結合領域の面積範囲は0.25cm2~4cm2であってもよい。いくつかの実施例において、インピーダンス装置1420と振動ユニット1410との結合領域の面積範囲は0.5cm2~3.8cm2であってもよい。いくつかの実施例において、インピーダンス装置1420と振動ユニット1410との結合領域の面積範囲は1cm2~3.6cm2である。いくつかの実施例において、インピーダンス装置1420と振動ユニット1410との結合領域の面積範囲は1.5cm2~3.4cm2である。いくつかの実施例において、インピーダンス装置1420と振動ユニット1410との結合領域の面積範囲は2cm2~3.2cm2である。なお、インピーダンス装置1420と振動ユニット1410との結合領域の面積は上記範囲に限定されず、他の範囲にあってもよい。例えば、結合領域の面積は4cm2より大きいか又は0.25cm2より小さく、結合領域の具体的な面積は、振動ユニット1410のサイズに応じて適宜調整することができる。
【0078】
いくつかの実施例において、センサ1440は、振動ユニット1410の振動中のパラメータ情報を収集するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、センサ1440は、さらに、振動ユニット1410とインピーダンス装置1420との結合振動中のパラメータ情報を収集するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、振動中のパラメータ情報は、振動ユニット1410の振動影響を特徴付けるために用いられてもよい。いくつかの実施例において、振動中のパラメータ情報は振動特徴データを含んでもよく、振動特徴データは、振動変位、振動速度、及び振動加速度などのうちの1種以上を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、振動中のパラメータ情報は、振動による空気伝導音響特徴データを含んでもよく、空気伝導音響特徴データは、空気伝導音の音圧レベル、周波数応答などのうちの1種以上を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、センサ1440は、振動ユニット1410に位置してもよく、例えば、センサ1440は、振動ユニット1410の表面又は内部に直接取り付けられてもよい。いくつかの実施例において、センサ1440は、振動ユニット1410と間接的に接続されてもよく、例えば、センサ1440は、インピーダンス装置1420の表面又は内部に取り付けられ、例えば、インピーダンス装置1420の質量部に取り付けられてもよい。いくつかの実施例において、センサ1440は、接続部材1430に位置してもよい。いくつかの実施例において、センサ1440の種類及び/又は形態は限定されず、例えば、センサ1440は、振動運動の加速度(速度又は変位)を取得できる非接触式レーザセンサ(例えば、振動計、ドップラー計測器など)であってもよく、様々な接触式加速度センサ、骨伝導センサ、圧電センサ、MEMSセンサなどであってもよい。
【0079】
いくつかの実施例において、システムはテストシステムをさらに含んでもよく、テストシステムは、少なくとも1つのセンサ1440に接続されて、少なくとも1つのセンサ1440の検出信号を収集及び/又は処理することができる。いくつかの実施例において、テストシステムは、振動ユニット1410に接続されて、振動ユニット1410に駆動信号を提供して、振動ユニット1410が機械的振動信号を生成するように駆動してもよい。いくつかの実施例において、テストシステムは、少なくとも1つのセンサ1440及び振動ユニット1410に接続されて、振動ユニット1410が機械的振動信号を生成するように駆動して、少なくとも1つのセンサ1440が収集した信号を収集し、処理する。
【0080】
図12に示す、振動ユニット1410の振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムは、例示及び説明のためのものにすぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではないことが理解されよう。当業者であれば、本明細書を参照して振動ユニット1410の振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムに対して、例えば、種類又は形態の異なるセンサ1440を複数設置してより多く、より完全なパラメータ情報を監視し、また、例えば、接続部材1430を除去し、振動ユニット1410とインピーダンス装置1420を磁気吸着又は接着の方法で結合するなど、様々な修正及び変更を行うことができるが、これらの修正及び変更は依然として本明細書の範囲内にある。
【0081】
図13は、本明細書のいくつかの実施例に係る、インピーダンス装置によりシミュレートされた頭部結合領域の位置図である。
図13に示すように、振動ユニット110が頭部に結合された場合、頭部の頭頂部から見下ろした断面において、振動ユニット110は人体の耳珠の前側(耳珠近傍領域と呼ばれる)に結合される。いくつかの実施例において、振動ユニット110は、主に耳珠前の側頭骨を振動させることにより、振動信号を鼓膜を介さずに中耳の耳小骨及び内耳の蝸牛に直接伝達する。場合によっては、振動ユニット110の振動により周囲の空気が振動して空気伝導音を生成し、このような空気伝導音は外耳道を介して鼓膜に伝達される。本明細書のいくつかの実施例に係るインピーダンス装置は、振動ユニット110が耳珠近傍領域と結合されるときの耳珠近傍領域に発生する実際のインピーダンスをシミュレートするために用いられ、振動ユニット110の振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムは、振動ユニット110に耳珠近傍領域の振動が結合されたときにおける、振動ユニット110の振動に対する耳珠近傍領域の実際のインピーダンスの影響をシミュレートするために用いられる。振動ユニット110と耳珠近傍領域との結合は、大部分の骨伝導イヤホンの応用シーンの要件を満たすだけでなく、一部の補聴器の応用シーンの要件を満たすこともできる。したがって、振動ユニット110の振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムは、振動ユニット110の振動に対する影響を客観的に測定することができ、シミュレーションにより、振動ユニット110に耳珠近傍領域の振動が結合されたときにおける実際の周波数応答を特徴付け、開発及び製造用のテスト又は較正装置とすることができる。
【0082】
接続部材による振動ユニット110とインピーダンス装置との結合圧力の調整を容易にするために、接続部材は、インピーダンス装置に対して独立した構造であってもよい。
図14は、本明細書のいくつかの実施例に係る、振動ユニット110の振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムの概略構成図である。
図14に示すように、接続部材は、支持ロッド122及び固定部材123を含んでもよい。
【0083】
いくつかの実施例において、固定部材123は第1の端部及び第2の端部を含んでもよく、固定部材123の第1の端部は支持ロッド122に接続され、固定部材123の第2の端部は振動ユニット110に接続される。いくつかの実施例において、支持ロッド122は、固定部材123を支持するために用いられる。いくつかの実施例において、支持ロッド122は縦方向に設置されてもよく、固定部材123は横方向に設置されてもよい。いくつかの実施例において、振動ユニット110に対する固定部材123の作用力は、振動ユニット110とインピーダンス装置との結合圧力を提供することができる。いくつかの実施例において、支持ロッド122と減衰装置との距離を微調整することにより、接続部材による振動ユニット110とインピーダンス装置との結合圧力の大きさを調整することができる。いくつかの実施例において、固定部材123の長さを微調整することにより、接続部材による振動ユニット110とインピーダンス装置との結合圧力の大きさを調整することができる。いくつかの実施例において、固定部材123の第1の端部を支持ロッド122に沿って相対移動可能に接続することにより、固定部材123の高さを容易に調整して、振動ユニット110をインピーダンス装置の高さに一致させることができる。
【0084】
いくつかの実施例において、接続部材はベース121をさらに含んでもよく、支持ロッド122はベース121に接続されてもよく、ベース121は接続部材の全体構造を安定化するために用いられる。いくつかの実施例において、支持ロッド122の第1の端部はベース121に接続され、支持ロッド122の第2の端部は固定部材123の第1の端部に接続される。
【0085】
いくつかの実施例において、システムは頭部モデル140をさらに含んでもよく、頭部モデル140は実際の頭部をシミュレートするために用いられ、接続部材は頭部モデル140に対して設置される。いくつかの実施例において、インピーダンス装置は頭部モデル140の耳珠近傍領域に位置し、接続部材に接続された振動ユニット110は、接続部材の加圧でインピーダンス装置に結合される。いくつかの実施例において、インピーダンス装置は、頭部モデル140の表面に配置されてもよい。いくつかの実施例において、インピーダンス装置は、頭部モデル140に埋め込まれてもよい。
【0086】
いくつかの実施例において、センサは、システムにおける、振動ユニット110の振動中のパラメータ情報を監視できるいずれの位置に配置されてもよい。
図15は、本明細書のいくつかの実施例に係る少なくとも1つのセンサの分布概略図である。
【0087】
図15(a)に示すように、いくつかの実施例において、接続部材120は振動ユニット110とインピーダンス装置(図示せず)を結合させることができ、センサ151はインピーダンス装置の内部又は表面に配置されてもよく、センサ151は、インピーダンス装置が振動ユニット110の振動により振動するパラメータ情報を収集することにより、振動ユニット110の振動中のパラメータ情報を取得する。いくつかの実施例において、センサ151はインピーダンス装置の質量部に取り付けられ、質量部は振動ユニット110と接触し、振動ユニット110は質量部の振動を駆動し、質量部は振動ユニット110の振動周波数に直接応答し、センサ151は、質量部の振動中のパラメータ情報を収集することにより、振動ユニット110の振動中のパラメータ情報を取得することができる。
【0088】
図15(b)に示すように、いくつかの実施例において、接続部材120は振動ユニット110とインピーダンス装置(図示せず)を結合させることができ、センサ152は、インピーダンス装置、振動ユニット110及び接続部材120から独立して配置されてもよく、例えば、センサ152は、システムのマスタに統合されてもよく、センサ152は、振動ユニット110の振動による空気伝導音響特徴データを収集することにより、振動中のパラメータ情報を取得することができる。また、例えば、振動ユニット又は質量部の表面の速度/加速度を測定するために、センサ152はレーザ速度計であってもよい。
【0089】
図15(c)に示すように、いくつかの実施例において、接続部材120は振動ユニット110とインピーダンス装置(図示せず)を結合させることができ、センサ153は、振動ユニット110の内部又は表面に配置されてもよく、センサ153は振動ユニット110の振動中のパラメータ情報を直接収集することができる。いくつかの実施例において、センサ153は、振動ユニット110を含む装置の内部に統合されてもよく、センサは、振動ユニット110の振動中のパラメータ情報を収集して、イヤホンの試験調整及び較正を行うために用いられてもよい。また、センサは、周波数応答を監視することにより、イヤホンが的確に着用されたか否か、例えば、顔に密着するように装着されたか否かを判断するために用いられてもよい。
【0090】
なお、
図14及び
図15に示すシステム図は、例示及び説明のためのものにすぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書を参照して振動ユニット110の振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムに対して、例えば、ベースを設置せず、また、例えば、接続部材の具体的な構造を変更するなど、様々な修正及び変更を行うことができるが、これらの修正及び変更は依然として本明細書の範囲内にある。
図14及び
図15に示す振動ユニット110及びインピーダンス装置についての具体的な内容は、
図12及び
図1~
図10において説明された振動ユニット及びインピーダンス装置の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的にはその説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。いくつかの実施例において、実際の使用中の接続部材による装置と頭部との係合をさらにシミュレートするために、接続部材と頭部が直接係合可能にしてもよい。
図16~
図17は、本願のいくつかの実施例に係る、接続部材が頭部モデル140に係合される概略構成図である。
【0091】
いくつかの実施例において、
図16に示すように、接続部材は帯状構造124であってもよく、帯状構造124は頭部モデル140に巻きつけられて振動ユニット110をインピーダンス装置に固定する。いくつかの実施例において、帯状構造124は方式Iとして実施されてもよく、帯状構造124が後頭部をわたって、両側が頭部モデル140の左耳及び右耳に位置する振動ユニット110にそれぞれ接続され、耳の上方を支点として振動ユニット110構造全体を支持することにより、振動ユニット110と頭部モデル140とを結合する。いくつかの実施例において、帯状構造124は方式IIとして実施されてもよく、帯状構造124は頭頂部をわたって、両側がそれぞれ左と右の振動ユニット110に接続され、頭頂部を支点として振動ユニット110構造全体を支持することにより、振動ユニット110と頭部モデル140とを結合する。いくつかの実施例において、帯状構造124は方式IIIとして実施されてもよく、帯状構造124は顔部をわたって、両側がそれぞれ左と右の振動ユニット110に接続され、例えば、メガネの形態で、鼻筋を支点として振動ユニット110構造全体を支持することにより、振動ユニット110と頭部モデル140とを結合する。いくつかの実施例において、帯状構造124は方式IVとして実施されてもよく、帯状構造124が額部及び後頭部をわたって、すなわち、帯状構造124が頭部を少なくとも一周し、両側がそれぞれ左と右の振動ユニット110に接続又は圧着される。いくつかの実施例において、頭部モデル140におけるインピーダンス装置に近い箇所に穴を開け、帯状構造124が穴を通して固定され、帯状構造124が振動ユニット110をインピーダンス装置に圧着する。いくつかの実施例において、帯状構造124は弾性バンド、糸ゴムなどの弾性構造であってもよく、帯状構造124は長さが調整可能な非弾性構造であってもよい。
【0092】
いくつかの実施例において、
図17に示すように、振動ユニット110をインピーダンス装置100に固定する耳掛け構造125であってもよい。いくつかの実施例において、耳掛け構造125は頭部モデル140の耳介と適合する。いくつかの実施例において、耳掛け構造125は頭部モデル140の耳甲介と適合する。いくつかの実施例において、耳掛け構造125は、いずれかの耳部に設置されて、振動ユニット110を対応する耳部のインピーダンス装置100に固定できる片側耳掛け構造125であってもよい。いくつかの実施例において、耳掛け構造125は、2つの振動ユニット110を両側耳部のインピーダンス装置100にそれぞれ固定できる両側耳掛け構造125であってもよい。
【0093】
なお、
図16~
図17に示す接続部材構造は、例示及び説明のためのものにすぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書を参照して接続部材構造に対して修正又は変更を行うことができ、例えば、帯状構造の数が複数であってもよく、帯状構造が頭部全体を包んでもよく、また、例えば、耳掛け構造が耳部全体を包む耳カバー形態であってもよいが、これらの修正及び変更は依然として本明細書の範囲内にある。
【0094】
図18は、振動ユニットの振動に対する頭部の影響をシミュレートするシステムの周波数応答曲線図である。図中、点線曲線は、実測された振動ユニットの宙吊り状態での振動の周波数応答曲線2101を表し、破線曲線は、実測された振動ユニットと実際の顔の耳珠近傍領域が結合した後の振動周波数応答曲線2102を表し、実線曲線は、インピーダンス装置と振動ユニットが結合した後の周波数応答曲線2103を表す。
図18に示すように、周波数応答曲線2101と周波数応答曲線2102から分かるように、振動ユニットの宙吊り状態での振動の周波数応答曲線と、振動ユニットと実際の顔の耳珠領域が結合した後の周波数応答曲線とには確かに明らかな差異がある。周波数応答曲線2102及び周波数応答曲線2103によると、25Hz~100Hzで、インピーダンス装置と振動ユニットが結合した後の周波数応答は、振動ユニットと実際の顔の耳珠近傍領域が結合した後の周波数応答とはほぼ一致し、200Hz~1000Hzで、インピーダンス装置と振動ユニットが結合した後の周波数応答と、振動ユニットと実際の顔の耳珠近傍領域が結合した後の周波数応答との差が小さく、周波数応答曲線2102と周波数応答曲線2103はほぼ一致する。以上より分かるように、本明細書に係るインピーダンス装置は、実際の顔の機械インピーダンスとほぼ一致し、実際の顔の機械的特徴を反映することができる。
【0095】
なお、実施例によって達成可能な有益な効果が異なるが、異なる実施例において、達成可能な有益な効果は、以上のいずれかの1つ又は複数の組み合わせであってもよく、他の任意の達成可能な有益な効果であってもよい。
【0096】
上記で基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例として提示されているにすぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されているため、本願の例示的な実施例の精神及び範囲内にある。
【0097】
さらに、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0098】
さらに、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に記載の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単にその目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、反対に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることが理解されよう。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又は移動装置に説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0099】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本開示を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることが理解されるであろう。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、特許請求される主題は、前述の単一の開示された実施例のすべての特徴より少ない場合がある。
【0100】
いくつかの実施例において成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」によって修飾されるものとして理解されよう。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、上記数字が説明する値の±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値パラメータは、いずれも特定の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本願のいくつかの実施例におけるその範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例では、このような数値は可能な限り正確に設定される。
【0101】
本願において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などのような他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の特許請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0102】
最後に、本願に記載の実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するものであることが理解されよう。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0103】
100 インピーダンス装置
101 質量部
102 弾性部
103 減衰部
104 固定部
110 振動ユニット
121 ベース
122 支持ロッド
123 固定部材
124 帯状構造
125 耳掛け構造
140 頭部モデル
151 センサ
152 センサ
153 センサ
200 インピーダンス装置
201 質量部
202 弾性部
203 減衰部
204 固定部
300 インピーダンス装置
301 質量部
302 弾性部
303 減衰部
304 固定部
305 保護層
400 インピーダンス装置
401 質量部
402 弾性部
403 減衰部
404 固定部
405 保護層
500 インピーダンス装置
501 質量部
502 弾性部
503 減衰部
504 固定部
600 インピーダンス装置
601 質量部
602 弾性部
603 減衰部
604 固定部
700 インピーダンス装置
701 質量部
702 弾性部
703 減衰部
704 固定部
800 インピーダンス装置
801a 質量部
802a 弾性部
804a 固定部
801b 質量部
802b 弾性部
900 インピーダンス装置
901 質量部
902 弾性部
904 固定部
1000 インピーダンス装置
1001 質量部
1004 固定部
1007 密閉キャビティ
1400 システム
1410 振動ユニット
1420 インピーダンス装置
1430 接続部材
1440 センサ