(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】組成物及びその製造方法並びに化粧料
(51)【国際特許分類】
C09K 23/28 20220101AFI20240729BHJP
C09K 23/32 20220101ALI20240729BHJP
A61K 8/04 20060101ALI20240729BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20240729BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20240729BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240729BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20240729BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20240729BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20240729BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240729BHJP
C09K 23/22 20220101ALN20240729BHJP
【FI】
C09K23/28
C09K23/32
A61K8/04
A61K8/36
A61K8/42
A61K8/44
A61K8/49
A61K8/64
A61Q5/00
A61Q19/00
C09K23/22
(21)【出願番号】P 2022559246
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 JP2021039903
(87)【国際公開番号】W WO2022092232
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2020183653
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021005540
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021042818
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591057522
【氏名又は名称】旭化成ファインケム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】田村 幸永
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 浩行
(72)【発明者】
【氏名】関口 範夫
【審査官】河村 明希乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-164448(JP,A)
【文献】特開2011-039229(JP,A)
【文献】特開2018-043971(JP,A)
【文献】特開2020-121935(JP,A)
【文献】特開2020-125374(JP,A)
【文献】特開2010-105964(JP,A)
【文献】特開2019-099536(JP,A)
【文献】特開2016-053093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 23/00-23/56
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分Aと、
下記成分B及び/又は下記成分Eと、
を含有
し、
前記成分Bの、前記成分Aに対する割合が、0.004%以上7.0%以下であり、前記成分Eの量が、前記成分Aの質量を基準として、0.005質量%以上5.00質量%以下であることを特徴とする香粧品原料組成物
・成分A:下記一般式(A)で表されるアシル基含有アミノ酸誘導体又はその塩
【化1】
(式(A)中、
R1及びR2は、各々独立に、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の
炭素数7~21の炭化水素基であり、
M1、M2、及びM3は、各々独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、コリン、アルミニウム、又は亜鉛であり、
n1及びn2は、0及び2であるか、又は2及び0であり、
n3及びn4は、0及び2であるか、又は2及び0である)
・成分B:下記一般式(B)で表されるN-アシルピロリドンカルボン酸又はその塩
【化2】
(式(B)中、
R3は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の
炭素数7~21の炭化水素基であり、
M4は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、コリン、アルミニウム、又は亜鉛である)
・成分E:下記一般式(E)で表される脂肪酸アミド
【化5】
(式(E)中、
R6は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の
炭素数7~21の炭化水素基である)。
【請求項2】
前記一般式(A)及び(B)におけるM1~M
4が、各々独立に、Na、K、トリエタノールアミン、Mg、Ca、Al、Zn、アルギニン、又はHである、請求項1に記載の香粧品原料組成物。
【請求項3】
以下の工程を含む、請求項1
又は2に記載の香粧品原料組成物の製造方法:
1)水と有機溶媒とを含む混合溶媒中で、グルタミン酸又はその塩と脂肪酸クロライドとを反応させて、N-アシルグルタミン酸又はその塩を含む反応液を得、前記反応液を酸でpH1~6とし、25~80℃の温度において有機層と水層とに分層する工程;
2)前記有機層を酸性下で濃縮乾燥し、前記N-アシルグルタミン酸又はその塩の一部をN-アシルピロリドンカルボン酸又はその塩に変換する工程;
3)前記N-アシルグルタミン酸又はその塩と酸無水物とを反応させて、N-アシルグルタミン酸無水物を得る工程;及び
4)前記N-アシルグルタミン酸無水物とリジン又はその塩とを反応させて、アシル基含有アミノ酸誘導体又はその塩を得る工程。
【請求項4】
前記工程2)において、前記有機相を、乾燥減量が10質量%以下になるまで濃縮乾燥する、請求項
3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記工程2)における濃縮乾燥を減圧下にて、50℃以上で実施する、請求項
3又は
4に記載の製造方法。
【請求項6】
請求項1
又は2に記載の香粧品原料組成物を配合した化粧料。
【請求項7】
pH4以上である、請求項
6に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物(特に香粧品原料組成物)及びその製造方法並びに化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
アシル基含有アミノ酸誘導体は、微量添加でも香粧品原料として、特に毛髪や皮膚のpHに近い弱酸性処方の安定性や乳化性、分散性を良好にすることから近年特に重要視されている。例えば、特許文献1には、アシル基含有アミノ酸誘導体を含有するゲル状組成物が安定性、使用感にすぐれた組成物であることが開示されている。また、特許文献2には、アシル基含有アミノ酸誘導体の配合による化粧料における処方安定性や防腐効果や低刺激性への寄与に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4070768号公報
【文献】特開2006-160686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
香粧品処方においては、乳化能や分散能が高度に要求されることが特にスキンケア、ヘアケア用途でみられる。しかしながら、特許文献1、2等に記載されるような従来の香粧品処方においても、高度な乳化安定性や分散安定性を得ることはいまだ困難である。
【0005】
そこで、本発明は、優れた乳化安定性及び分散安定性を付与する組成物(特に香粧品原料組成物)を提供することを目的とする。
【0006】
すなわち、本発明者等は、上記目的を達するべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するアシル基含有アミノ酸誘導体を、様々な成分と組み合わせることによって、優れた乳化安定性及び分散安定性を付与する組成物を提供できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]
下記成分Aと、
下記成分B、下記成分C、下記成分D及び下記成分Eからなる群から選択される1種以上の成分(ただし、前記成分Cのみ、又は前記成分Dのみは除く)と、
を含有することを特徴とする組成物
・成分A:下記一般式(A)で表されるアシル基含有アミノ酸誘導体又はその塩
【化1】
(式(A)中、
R1及びR2は、各々独立に、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基であり、
M1、M2、及びM3は、各々独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、コリン、アルミニウム、又は亜鉛であり、
n1及びn2は、0及び2であるか、又は2及び0であり、
n3及びn4は、0及び2であるか、又は2及び0である)
・成分B:下記一般式(B)で表されるN-アシルピロリドンカルボン酸又はその塩
【化2】
(式(B)中、
R3は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基であり、
M4は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、コリン、アルミニウム、又は亜鉛である)
・成分C:下記一般式(C)で表されるアシルグルタミン酸又はその塩
【化3】
(式(C)中、
R4は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基であり、
M5及びM6は、各々独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、コリン、アルミニウム、又は亜鉛である)
・成分D:下記一般式(D)で表される脂肪酸又はその塩
【化4】
(式(D)中、
R5は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基であり、
M7は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、コリン、アルミニウム、又は亜鉛である)
・成分E:下記一般式(E)で表される脂肪酸アミド
【化5】
(式(E)中、
R6は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基である)。
[2]
前記成分Aと、前記成分Bとを含有する、[1]に記載の組成物。
[3]
前記成分Aと、前記成分Eとを含有する、[1]に記載の組成物。
[4]
前記成分Aと、前記成分Bと、前記成分Eとを含有する、[1]に記載の組成物。
[5]
前記一般式(A)~(E)におけるR1~R6が、各々独立に、炭化数1~29の炭化水素基である、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記一般式(A)~(D)におけるM1~M7が、各々独立に、Na、K、トリエタノールアミン、Mg、Ca、Al、Zn、アルギニン、又はHである、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
前記成分Bの、前記成分Aに対する割合が、0.004%以上である、[1]、[2]、[4]、[5]及び[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]
前記成分Cの量が、前記成分Aと前記成分Cとの合計質量を基準として、0.8質量%以上であり、
前記成分Dの量が、前記成分Aと前記成分Dとの合計質量を基準として、0.06質量%以上である、
[1]及び[5]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]
前記成分Eの量が、、前記成分Aの質量を基準として、0.005質量%以上である、[1]及び[3]~[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
以下の工程を含む、[1]、[2]及び[4]~[9]のいずれかに記載の組成物の製造方法:
1)水と有機溶媒とを含む混合溶媒中で、グルタミン酸又はその塩と脂肪酸クロライドとを反応させて、N-アシルグルタミン酸又はその塩を含む反応液を得、前記反応液を酸でpH1~6とし、25~80℃の温度において有機層と水層とに分層する工程;
2)前記有機層を酸性下で濃縮乾燥し、前記N-アシルグルタミン酸又はその塩の一部をN-アシルピロリドンカルボン酸又はその塩に変換する工程;
3)前記N-アシルグルタミン酸又はその塩と酸無水物とを反応させて、N-アシルグルタミン酸無水物を得る工程;及び
4)前記N-アシルグルタミン酸無水物とリジン又はその塩とを反応させて、アシル基含有アミノ酸誘導体又はその塩を得る工程。
[11]
前記工程2)において、前記有機相を、乾燥減量が10質量%以下になるまで濃縮乾燥する、[10]に記載の製造方法。
[12]
前記工程2)における濃縮乾燥を減圧下にて、50℃以上で実施する、[10]又は[11]に記載の製造方法。
[13]
香粧品原料組成物である、[1]~[9]のいずれかに記載の組成物。
[14]
[1]~[9]のいずれかに記載の組成物の香粧品原料としての使用。
[15]
[1]~[9]のいずれかに記載の組成物を配合した化粧料。
[16]
pH4以上である、[15]に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、優れた乳化安定性及び分散安定性を付与する組成物(特に香粧品原料組成物)を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
【0010】
〔組成物〕
本実施形態のは、下記成分Aと、下記成分B、下記成分C、下記成分D及び下記成分Eからなる群から選択される1種以上の成分(ただし、成分Cのみ、又は成分Dのみは除く)と、を含有することを特徴とする組成物(特に香粧品原料組成物)及びこれを配合した化粧料に関する。成分の組み合わせとしては、例えば、A+B、A+E、A+B+C、A+B+D、A+B+E、A+C+D、A+C+E、A+B+C+D、A+B+C+E、A+C+D+Eが挙げられる。
【0011】
成分Aは、下記一般式(A)で表されるアシル基含有アミノ酸誘導体又はその塩である。
【化6】
(式(A)中、
R1及びR2は、各々独立に、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基であり、
M1、M2、及びM3は、各々独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、又はコリンであり、
n1及びn2は、0及び2であるか、又は2及び0であり、
n3及びn4は、0及び2であるか、又は2及び0である)
【0012】
成分Bは、下記一般式(B)で表されるN-アシルピロリドンカルボン酸又はその塩である。なお、本明細書において、成分Bは、「アシルPCA」ともいう。
【化7】
(式(B)中、
R3は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基であり、
M4は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、又はコリンである)
【0013】
成分Cは、下記一般式(C)で表されるアシルグルタミン酸又はその塩である。
【化8】
(式(C)中、
R4は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基であり、
M5及びM6は、各々独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、又はコリンである)
【0014】
成分Dは、下記一般式(D)で表される脂肪酸又はその塩である。
【化9】
(式(D)中、
R5は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基であり、
M7は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、又はコリンである)
【0015】
成分Eは、下記一般式(E)で表される脂肪酸アミドである。
【化10】
(式(E)中、
R6は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基である)。
【0016】
本実施形態の香粧品原料組成物は、高度な初期乳化安定性や分散安定性を香粧品処方に付与し、かつ良好な使用感も付与することができる。
【0017】
一般式(A)におけるR1及びR2は、炭化水素基であれば飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の種類に限定されることなく、いずれも使用可能である。例えば、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数9の炭化水素基、炭素数11の炭化水素基、炭素数13の炭化水素基、炭素数15の炭化水素基、炭素数17の炭化水素基、炭素数19の炭化水素基、炭素数21の炭化水素基としてもよい。特に、R1-C(=O)-構造及びR2-C(=O)-構造としては、カプロイル基、ウンデリレノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、イソミリストイル基、パルミトイル基、イソパルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレイル基、リノーリル基、リノレイル基、アラキジル基、ベヘニル基など世によく流通している炭化水素基も使用可能であるし、パーム油、パーム核油、ヤシ油由来である組成物の混合炭化水素基も使用可能である。例えば、炭素数1~29の炭化水素基である。好ましくは、炭素数7~23の炭化水素基である。より好ましくは、炭素数7~17の炭化水素基である。特に好ましくは、炭化水素基における空気酸化防止の管理が難しくない飽和炭化水素基を用いる。経済的観点から、さらにいっそう好ましくは、R1-C(=O)-構造及びR2-C(=O)-構造は、ラウロイル基および/またはミリストイル基である。
【0018】
一般式(A)で表されるアシル基含有アミノ酸誘導体の3つのカルボン酸基は、全て遊離カルボン酸でもよいし、全てカルボン酸塩でもよいし、遊離カルボン酸とカルボン酸塩との組み合わせでもよい。
【0019】
一般式(A)におけるカルボン酸塩(COOM1、COOM2、COOM3)としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルキルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩等のアミン塩(有機又は無機アンモニウム塩);リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩、コリン塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の単一物あるいは混合物が挙げられる。性能や入手容易性の観点より、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びトリエタノールアミン塩、アルギニンが好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。
【0020】
成分Aの含有量は、香粧品原料組成物の質量を基準として、0.003~3質量%であることが好ましく、0.01~2質量%であることがより好ましく、0.02~0.5質量%であることがさらに好ましい。
【0021】
一般式(B)におけるR3は、炭化水素基であれば飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の種類に限定されることなく、いずれも使用可能である。例えば、R3は、炭素数9の炭化水素基、炭素数11の炭化水素基、炭素数13の炭化水素基、炭素数15の炭化水素基、炭素数17の炭化水素基、炭素数19の炭化水素基、炭素数21の炭化水素基としてもよい。特に、R3-C(=O)-構造としては、カプロイル基、ウンデリレノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、イソミリストイル基、パルミトイル基、イソパルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレイル基、リノーリル基、リノレイル基、アラキジル基、ベヘニル基など世によく流通している炭化水素基も使用可能であるし、パーム油、パーム核油、ヤシ油由来である組成物の混合炭化水素基も使用可能である。好ましくは、炭素数7~23の炭化水素基である。例えば、炭素数1~29の炭化水素基である。より好ましくは、炭素数7~17の炭化水素基である。特に好ましくは、炭化水素基における空気酸化防止の管理が難しくない飽和炭化水素基を用いる。経済的観点から、さらにいっそう好ましくは、R3-C(=O)-構造は、ラウロイル基および/またはミリストイル基である。
【0022】
一般式(B)におけるカルボン酸塩(COOM4)としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルキルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩等のアミン塩(有機又は無機アンモニウム塩);リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩、コリン塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の単一物あるいは混合物が挙げられる。性能や入手容易性の観点より、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びトリエタノールアミン塩、アルギニンが好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。
【0023】
香粧品処方に高度な初期乳化安定性や分散安定性を付与することと経済性との観点より、成分Bの成分Aに対する割合は、0.004%以上7.0%以下であることが好ましく、より好ましくは0.01%以上3.5%以下であり、さらに好ましくは0.02%以上2.0%以下である。成分Bの含有量が、0.004%以上であると、処方系における乳化性および乳化安定性がより向上し、また成分Bが7.0%を以下だと、処方系の溶解安定性がさらに向上する。前記割合は、下記実施例に記載のHPLC分析法により測定することができる。
【0024】
成分Bの含有量は、香粧品原料組成物の質量を基準として、0.00003~0.03質量%であることが好ましく、0.0001~0.02質量%であることがより好ましく、0.0002~0.005質量%であることがさらに好ましい。
【0025】
一般式(C)におけるR4は、炭化水素基であれば飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の種類に限定されることなく、いずれも使用可能である。例えば、R4は、炭素数9の炭化水素基、炭素数11の炭化水素基、炭素数13の炭化水素基、炭素数15の炭化水素基、炭素数17の炭化水素基、炭素数19の炭化水素基、炭素数21の炭化水素基としてもよい。特に、R4-C(=O)-構造としては、カプロイル基、ウンデリレノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、イソミリストイル基、パルミトイル基、イソパルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレイル基、リノーリル基、リノレイル基、アラキジル基、ベヘニル基など世によく流通している炭化水素基も使用可能であるし、パーム油、パーム核油、ヤシ油由来である組成物の混合炭化水素基も使用可能である。例えば、炭素数1~29の炭化水素基である。好ましくは、炭素数7~23の炭化水素基である。より好ましくは、炭素数7~17の炭化水素基である。特に好ましくは、炭化水素基における空気酸化防止の管理が難しくない飽和炭化水素基を用いる。経済的観点から、さらにいっそう好ましくは、R4-C(=O)-構造は、ラウロイル基および/またはミリストイル基である。
【0026】
一般式(C)におけるカルボン酸塩(COOM5、COOM6)としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルキルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩等のアミン塩(有機又は無機アンモニウム塩);リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩、コリン塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の単一物あるいは混合物が挙げられる。性能や入手容易性の観点より、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びトリエタノールアミン塩、アルギニンが好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。
【0027】
成分Cの含有量(%)は、成分Aと成分Cの合計質量を基準として、0.8質量%以上であることが好ましく、0.8質量%以上8.0質量%以下であることがより好ましく、1.1質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましく、特に好ましくは、1.5質量%以上6.0質量%以下である。上記割合は、下記実施例に記載の方法により測定することができる。
【0028】
一般式(D)におけるR5は、炭化水素基であれば飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の種類に限定されることなく、いずれも使用可能である。例えば、R5は、炭素数9の炭化水素基、炭素数11の炭化水素基、炭素数13の炭化水素基、炭素数15の炭化水素基、炭素数17の炭化水素基、炭素数19の炭化水素基、炭素数21の炭化水素基としてもよい。特に、R5-C(=O)-構造としては、カプロイル基、ウンデリレノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、イソミリストイル基、パルミトイル基、イソパルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレイル基、リノーリル基、リノレイル基、アラキジル基、ベヘニル基など世によく流通している炭化水素基も使用可能であるし、パーム油、パーム核油、ヤシ油由来である組成物の混合炭化水素基も使用可能である。例えば、炭素数1~29の炭化水素基である。好ましくは、炭素数7~23の炭化水素基である。より好ましくは、炭素数7~17の炭化水素基である。特に好ましくは、炭化水素基における空気酸化防止の管理が難しくない飽和炭化水素基を用いる。経済的観点から、さらにいっそう好ましくは、R5-C(=O)-構造は、ラウロイル基および/またはミリストイル基である。
【0029】
一般式(D)におけるカルボン酸塩(COOM7)としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルキルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩等のアミン塩(有機又は無機アンモニウム塩);リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩、コリン塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の単一物あるいは混合物が挙げられる。性能や入手容易性の観点より、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びトリエタノールアミン塩、アルギニンが好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。
【0030】
成分Dの含有量(%)は、成分Aと成分Dの合計質量を基準として、0.06質量%以上であることが好ましく、0.06質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましく、0.11質量%以上3.0質量%以下であることがさらに好ましく、特に好ましくは、0.14質量%以上0.55質量%以下である。上記割合は、下記実施例に記載の方法により測定することができる。
【0031】
一般式(E)におけるR6は、炭化水素基であれば飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の種類に限定されることなく、いずれも使用可能である。例えば、R6は、炭素数9の炭化水素基、炭素数11の炭化水素基、炭素数13の炭化水素基、炭素数15の炭化水素基、炭素数17の炭化水素基、炭素数19の炭化水素基、炭素数21の炭化水素基としてもよい。特に、R6-C(=O)-構造としては、カプロイル基、ウンデリレノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、イソミリストイル基、パルミトイル基、イソパルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレイル基、リノーリル基、リノレイル基、アラキジル基、ベヘニル基など世によく流通している炭化水素基も使用可能であるし、パーム油、パーム核油、ヤシ油由来である組成物の混合炭化水素基も使用可能である。例えば、炭素数1~29の炭化水素基である。好ましくは、炭素数7~23の炭化水素基である。より好ましくは、炭素数7~17の炭化水素基である。特に好ましくは、炭化水素基における空気酸化防止の管理が難しくない飽和炭化水素基を用いる。経済的観点から、さらにいっそう好ましくは、R6-C(=O)-構造は、ラウロイル基および/またはミリストイル基である。
【0032】
香粧品処方に高度な初期乳化安定性や分散安定性を付与することと生産性との観点より、成分Eの成分Aに対する割合(成分A/成分E)は、0.005質量%以上5.00質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.02質量%以上3.00質量%以下であり、さらに好ましくは0.08質量%以上0.6質量%以下である。前記割合は、下記実施例に記載の方法により測定することができる。
【0033】
本実施形態の香粧品原料組成物及びこれを配合した化粧料のpHは、特に限定されないが、4.0~9.0であることが好ましく、より好ましくは4.5~8.5であり、さらに好ましくは5.0~8.0である。
【0034】
式(A)~(D)におけるM1~M7は、各々独立に、水素原子、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン、及びアルギニンからなる群から選ばれることが好ましい。
M1~M7は、各々独立に、水素原子、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン、及びアルギニンからなる群から選ばれ、M1~M7の少なくとも1つが、水素であり、M1~M7の少なくとも1つが、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン、及びアルギニンからなる群から選ばれることがより好ましい。
M1~M7は、各々独立に、水素又はナトリウムであり、M1~M7の少なくとも1つが、水素であり、M1~M7の少なくとも1つが、ナトリウムであることが更に好ましい。
【0035】
〔組成物の製造方法〕
本実施形態の組成物(特に香粧品原料組成物)の製造方法は、以下の工程を含む。
1)[第一工程]水と有機溶媒とを含む混合溶媒中で、グルタミン酸又はその塩と脂肪酸クロライドとを反応させて、N-アシルグルタミン酸又はその塩を含む反応液を得、前記反応液を酸でpH1~6とし、25~80℃の温度において有機層と水層とに分層する工程。
2)[第二工程]前記有機層を酸性下で濃縮乾燥し、前記N-アシルグルタミン酸又はその塩の一部をN-アシルピロリドンカルボン酸又はその塩(成分B)に変換する工程。
3)[第三工程]前記N-アシルグルタミン酸又はその塩と酸無水物とを反応させて、N-アシルグルタミン酸無水物を得る工程。
4)[第四工程]前記N-アシルグルタミン酸無水物とリジン又はその塩とを反応させて、アシル基含有アミノ酸誘導体又はその塩(成分A)を得る工程。
【0036】
[第一工程]
本実施形態のアシル化反応工程は、水と、例えばt-ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノール等の有機溶媒との混合溶媒中で、アルカリ性化合物の存在下で、グルタミン酸と脂肪酸クロライドとを縮合反応する工程であり、アシル化反応により、粗N-アシルグルタミン酸が生成する。
【0037】
アシル化反応工程において、グルタミン酸に対する脂肪酸クロライドのモル比は、1.05以下であることが好ましく、より好ましくは1.0以下であり、さらに好ましくは0.98以下である。グルタミン酸に対する脂肪酸クロライドのモル比が1.05以下であることで、遊離脂肪酸の生成量を低減しやすい傾向にある。
【0038】
アシル化反応工程において、混合溶媒の組成としては、水/有機溶媒の容量比が、90/10~20/80の範囲であることが好ましく、より好ましくは85/15~50/50の範囲である。90/10~20/80の範囲であることで、グルタミン酸と、脂肪酸クロライドとアルカリ性化合物との3者が相溶しやすく、反応速度を上げることができる。
【0039】
アシル化反応工程におけるグルタミン酸の仕込み濃度は、特に限定されないが、反応中経時的に反応液の粘度が上昇するため、反応終了に近くなった時点で攪拌混合が可能な程度の仕込み濃度に調整することが好ましい。
【0040】
アシル化反応工程の反応温度は、特に限定されないが、主反応促進と副反応抑制の観点より、-10~70℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは-10~20℃の範囲、さらに好ましくは-5~10℃の範囲である。
【0041】
アシル化反応工程で使用されるアルカリ性化合物としては、特に制限はされないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の無機塩基が挙げられる。
【0042】
アシル化反応工程におけるpHは、主反応促進と副反応抑制の観点より、9~13.5に維持することが好ましく、10~13の範囲に維持することがより好ましい。
【0043】
アシル化反応液を、例えば塩酸、硫酸のような酸(好ましくは鉱酸)でpHを1~6とし、有機層と水層との二層に分離し、有機層を取得する。アシル化反応液中では、生成したN-アシルグルタミン酸がアルカリ塩の形で存在している。これに酸を加えることで、N-アシルグルタミン酸中のカルボキシル基の一部もしくは全部をフリーの酸にすることで、有機層と水層とに分層するものである(酸沈工程)。酸沈時のpHによって、カルボキシル基の解離状態が変わり、分層状態、即ち有機層と水層との質量比や無機塩類の除去性がやや変わるため、pH1~3で実施することが好ましく、より好ましくはpH1~2.5である。
【0044】
酸沈工程における温度は、25~80℃であることが好ましい。より好ましくは40~70℃である。25℃以上であることで、分層平衡に達するまでの時間を短縮でき、平衡に達した際に有機層中の無機塩の残存量を低減できる傾向にある。
【0045】
[第二工程]
本発明形態の第二工程は、第一工程で得られた有機層を、酸性下で濃縮乾燥し、N-アシルグルタミン酸の一部をN-アシルピロリドンカルボン酸(成分B)に変換する。濃縮乾燥は、加温して、常圧下または減圧下で実施することが好ましい。濃縮乾燥は、乾燥減量が、好ましくは10質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下になるまで実施する。次工程でアシルグルタミン酸を無水物化するので、水分を減らすために、乾燥減量は少ない方が好ましい。
【0046】
本明細書において「乾燥減量」は、乾燥により減少する質量の割合を意味する。具体的には、試料1gを、105℃にて3時間乾燥した時に減少する質量の割合であり、下記式で算出される。
乾燥減量(%)=[{初期試料質量(g)-乾燥試料質量(g)}/初期試料質量(g)]×100
【0047】
濃縮乾燥は、常圧下もしくは減圧下で、当初は有機溶媒の沸点付近より高い温度、あるいは使用する有機溶媒と水との共沸点付近で、有機溶媒と水を留去することが好ましい。実質的に有機溶媒が水に対して質量比3%以下になると、共存するアシルグルタミン酸が発泡しやすくなるため、加熱しながらの注意深い減圧制御が必要である。有機溶媒がほぼ留去しても水分はまだ残存しており、実質の操作としては、水の沸点付近で減圧を続行することができる。上記の操作は、設定温度下で静置を続ける凍結乾燥方法と比較して、発泡制御、すなわち発泡状況に適応させた緩やかな撹拌が必要であるが、アシルグルタミン酸が約10質量%以下かつ85℃以上の高温下で、適量のアシルPCAを副生させ、これを処方系における乳化性や分散性に役立てることができる。
この工程にて、例えば、操作としては、凍結乾燥処理を用いる。処理中に殆ど発泡が生じず、乾燥操作上は人的には何ら実施することは無いので簡便であるが、アシルPCAは見られない。
【0048】
アシルグルタミン酸が主体の有機物に対して、乾燥減量が減じていくと、発泡は収束していく。到達減圧度200kPaにおいて、到達温度85℃以上を20分間以上維持した時、乾燥減量は、10質量%以下となる。
【0049】
より効率的に乾燥減量を減らしたい場合、到達減圧度は、50kPa以下が好ましく、20kPa以下がより好ましい。到達温度は、アシルグルタミン酸の融点および減圧度にも依存するが、70℃以上が望ましく、95℃以上がより好ましく、105℃以上が更に好ましい。
【0050】
乾燥減量を10質量%以下とすることによって、成分B(アシルPCA)を、アシルグルタミン酸から副生させることができる。
【0051】
[第三工程]
第二工程で得られたアシルグルタミン酸主体の固形物に、無水酢酸のような無水カルボン酸を反応させ、得られた反応液よりろ別・乾燥して、アシルグルタミン酸無水物主体の粗結晶を得ることができる。
【0052】
ここで、好ましい脱水剤は無水酢酸のような無水カルボン酸であり、経済的および環境的観点から無水酢酸を用いることが好ましい。アシルグルタミン酸を無水物化させる反応の後、過剰の無水酢酸および酢酸はろ別により除去する。アシルグルタミン酸無水物の純度を向上させるためにエーテル、次に石油エーテルで洗浄し、その後乾燥させて当該アシルグルタミン酸無水物主体の固形物を得ることができる。
【0053】
[第四工程]
第三工程で得られたアシルグルタミン酸無水物主体の固形物を、特許第4070768号公報に準じて、アシルグルタミン酸無水物2モル当量に対してリジンが1モル当量となるように、反応させて、後述に示すような、主成分が一般式(A)で表されるアシル基含有アミノ酸誘導体の水溶液を作製することができる。
【0054】
本発明に於ける香粧品とは、薬機法に言う医薬部外品および化粧品の総称であり、具体的には、医薬部外品としては口中清涼剤、腋臭防止剤、てんか粉類、養毛剤、除毛剤、染毛剤、パーマネントウェーブ用剤、浴用剤、薬用化粧品、薬用歯磨き類などを列挙することができ、化粧品としては、化粧石鹸、洗顔料(クリーム・ペースト状、液・ジェル状、顆粒・粉末状、エアゾール使用など)、シャンプー、リンスなどの清浄用化粧品;染毛料、ヘアトリートメント剤(クリーム状、ミスト状、オイル状、ジェル状その他の形態の物および枝毛コート剤を含む)、ヘアセット剤(髪油、セットローション、カーラーローション、ポマード、チック、びんつけ油、ヘアスプレー、ヘアミスト、ヘアリキッド、ヘアフォーム、ヘアジェル、ウォーターグリース)などの頭髪用化粧品;一般クリーム、乳液(クレンジングクリーム、コールドクリーム、バニシングクリーム、ハンドクリームなど)、ひげ剃り用クリーム(アフターシェービングクリーム、シェービングクリームなど)、化粧水(ハンドローション、一般化粧水など)、オーデコロン、ひげ剃り用ローション(アフターシェービングローション、シェービングローションなど)、化粧油、パックなどの基礎化粧品;おしろい(クリームおしろい、固形おしろい、粉おしろい、タルカムパウダー、練りおしろい、ベビーパウダー、ボディパウダー、水おしろいなど)、パウダー、ファンデーション(クリーム状、液状、固形など)、ほお紅、まゆずみ、アイクリーム、アイシャドウマスカラなどのメークアップ化粧品;一般香水、練り香水、粉末香水などの香水類;ゲルタイプ、液体タイプ、陶器タイプ等の芳香剤、消臭剤、脱臭剤;日焼け・日焼け止めクリーム、日焼け・日焼け止めローション、日焼け・日焼け止めオイルなどの日焼け・日焼け止め化粧品;爪クリーム、エナメル、エナメル除去液などの爪化粧品;アイライナー化粧品;口紅、リップクリームなどの口唇化粧品;歯磨きなどの口腔化粧品;バスソルト、バスオイル、バブルバスなどの浴用化粧品などを列挙することができる。
【0055】
本実施形態の香粧品原料組成物には、成分Aおよび成分B~成分E以外に、本発明の目的が損なわれない限り、用途、目的に応じ、各種の基材と併用することができる。
具体的には、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等のグルコシド類、メチルセルロース、カルボキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン-アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン-マレイン酸共重合物の塩、β-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等のノニオン性高分子等の分散剤;
【0056】
高級脂肪酸塩(石鹸)、疎水基部の炭素数8~20の高級脂肪酸の塩、N-アシルアミノ酸型アニオン界面活性剤:アシル基としては、炭素数8~20のもので前記したようなものが挙げられ、構成アミノ酸としては、グルタミン酸やアスパラギン酸等の前記した酸性アミノ酸類、またはグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、システイン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、オキシプロリン、β-アミノプロピオン酸、γ-アミノ酪酸、アントラニル酸、m-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸等のアミノ酸等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩等、アルキル硫酸エステル塩(AS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、アルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸塩、高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルファ-オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩(SAS)、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルファースルホン化脂肪酸塩、アルカンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、アルファースルホン化脂肪酸塩、高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩、N-アシル-N-アルキルタウリン塩、N-アシル-N-メチルタウリン塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ナフタリンスルフォン酸塩ホルマリン縮合物などのアニオン性界面活性剤;
【0057】
アルキルベタイン類、アルキルアミドベタイン類、アルキルスルホベタイン類、イミダゾリニウムベタイン類、酢酸ベタイン類、レシチン類などの両性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、等の酸化エチレン縮合型、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、アルキルポリグルコシド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ等脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、糖アミンアシル化物、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアミンオキサイド、などのノニオン性界面活性剤;
【0058】
第1~第3級脂肪酸アミン塩、塩化アルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、ジアルキルモルフォリニウム塩、アルキルイソキノリウム塩、ベンゼトニウム塩、ベンザルコニウム塩などのカチオン性界面活性剤;
【0059】
アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体、トラガントゴムなどの高分子界面活性剤;
リン脂質、レシチン、ラノリン、コレステロール、サポニンなどの天然界面活性剤;
【0060】
アボガド油、タートル油、トウモロコシ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、パーシック油、ひまし油、ぶどう種子油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、卵黄油、パーム油、パーム核油、トリイソオクタン酸グリセリン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリルコレステロール脂肪酸エステル、小麦胚芽油、サザンカ油、アマニ油、月見草油、エノ油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギル油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、馬油、硬化やし油、牛脂、牛脚脂、羊脂、硬化牛脂、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ひまし油等の油脂;
【0061】
流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、スクワラン等の炭化水素;
ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カボックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングルコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテルおよびその誘導体等のロウ;
【0062】
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、軟質ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸;
ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;
コレステロール、フィトステロール等のステロール類;
【0063】
ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル-2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸-2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セパチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸-2-ヘキシルデシル、パルミチン酸-2-ヘキシルデシル、アジピン酸-2-ヘキシルデシル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸-2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等のエステル油;
【0064】
ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、高分子シリコーン、揮発性シリコーン、環状シリコーン等の揮発性および不揮発性シリコーン;
グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3-ブタンジオール、プロパンジオール、ポリエチレングリコールなどのポリオール類;
【0065】
N-メチルグリシン、N,N-ジメチルグリシン、N,N,N-トリメチルグリシン、N-エチルグリシン、グリシルベタイン等のアルキルグリシン類、ソルビトール、ラフィノース、ピロリドンカルボン酸塩類、乳酸塩類、ヒアルロン酸塩類、セラミド類、トレハロース、キシロビオース、マルトース、ショ糖、ブドウ糖、植物性粘質多糖等の(多)糖類およびその誘導体、水溶性キチン、キトサン、ペクチン、コンドロイチン硫酸およびその塩等のグリコサミノグリカンおよびその塩、グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、アスパラギン酸、チロシン、バリン、ロイシン、アルギニン、グルタミン、プロリン酸等のアミノ酸およびその塩等、アミノカルボニル反応物等の糖アミノ酸化合物、アロエ、マロニエ等の植物抽出液、尿素、尿酸、アンモニア、グルコサミン、クレアチニン、DNA、RNA等の核酸関連物質などの保湿剤;
【0066】
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、グアーガム、ローカストビンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、シリコーンレジン等の水溶性および油溶性高分子;
【0067】
カチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル第4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、4級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、ポリグリコール/アミン縮合物、4級化コラーゲンポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンコポリマー、ポリアミノポリアミド、カチオン性キチン誘導体、4級化ポリマー等のカチオン性高分子ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルメチルグリコシド、テトラデセンスルホン酸塩等の増粘、増泡成分;
【0068】
デキストリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸等の油ゲル化剤;
エチレンジアミン四酢酸およびその塩類、ヒドロキシエチレンジアミン3酢酸およびその塩類、リン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸塩類、メタリン酸塩、ヒノキチール類などの金属イオン封鎖剤;
【0069】
パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸およびその塩類、フェノキシエタノール、ヒノキチール、サリチル酸およびその塩類、ソルビン酸およびその塩、デヒドロ酢酸およびその塩、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、ホウ酸、レゾルシン、トリブロムサラン、オルトフェニルフェノール、チラム、感光素201号、ハロカルバン、トリクロロカルバニド、酢酸トコフェロール、ジンクピリチオン、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、2,4,4-トリクロロ-2-ヒドロキシフェノール、ヘキサクロロフェン、クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、トリクロサン、ビオゾール等の防腐・抗菌剤;
【0070】
クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のpH調整剤;
その他トリクロロルカルバニリド、サリチル酸、ジンクピリチオン、イソプロピルメチルフェノールなどのふけ・かゆみ防止剤;
ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体その他の紫外線吸収剤;
【0071】
アスコルビン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の他、アンモニウム塩、アミノ酸塩等)、アスコルビン酸誘導体(L-アスコルビン酸アルキルエステル、L-アスコルビン酸リン酸エステル及びその塩、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステル及びその塩、L-アスコルビン酸グルコシド等)、アルコキシサリチル酸及びその塩(アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、ハイドロキノン配糖体及びその誘導体(アルブチン等)、コウジ酸及びその誘導体、エラグ酸、カミツレエキス、アルテアエキス、カンゾウエキス、ソウハクヒエキス、ラズベリーエキス、リンゴフラボノイド、フスマエキス、ビタミンEおよびその誘導体、ヒノキチオール、プラセンタエキス、ルシノール、カモミラET、グルタチオン、チョウジエキス、茶抽出物、アスタキサンチン、牛胎盤エキス、トラネキサム酸およびその誘導体、レゾルシンの誘導体、アズレン、γ―ヒドロキシ酪酸などの美白剤;
【0072】
センブリエキス、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体、ガンマーオリザノールなどの血行促進剤;
トウガラシチンキ、ショオウキョウチンキ、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステルなどの局所刺激剤;
各種ビタミンやアミノ酸などの栄養剤;
女性ホルモン剤;
毛根賦活剤;
【0073】
グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤;
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤;
メントール、カンフルなどの清涼剤;
塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸誘導体などの抗ヒスタミン剤;
【0074】
トコフェロール類、BHA、BHT、没食子酸、NDGAなどの酸化防止剤;
エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオールなどの皮脂抑制剤;
イオウ、サリチル酸、レゾルシンなどの角質剥離・溶解剤;
グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のα-ヒドロキシ酸;
サリチル酸等のβ-ヒドロキシル酸;
【0075】
タルク、カオリン、セリサイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化クロム、水酸化クロム、タール系色素等、マイカ、(合成)セリサイト、炭化ケイ素、窒化硼素、二酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、赤酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、群青、チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、ベンガラ、粘結顔料、グンジョウピンク、グンジョウバイオレット、水酸化クロム、雲母チタン、酸化クロム、酸化アルミニウムコバルト、カーボンブラック、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ベントナイト、(合成)マイカ、酸化ジルコニウム、(メタ)ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸カルシウム、ポリエチレン粉末、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート-ポリメチルメタクリレート積層末、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合粉末、塩化ビニリデン-メタクリル酸共重合粉末、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N-アシルリジン、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、植物の実や皮を粉末状にしたもの、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、カルミン、β-カロチン、金属石鹸、クロロフィル、サンセットエローFCF、ポンソーSX、エオシンYS、テトラブロモフルオレセイン、ローダミンB、キノリンエローSS、キノリンエローWS、アリザニンシアニングリーン、キニザリングリーン、リソールビンB、リソールビンBCA、パーマトンレッド、ヘリンドンピンクCN、フタロシアニンブルー、β-アポ-8-カロチナール、カプサンチン、リロピン、ビキシン、クロシン、カンタキサンチン、シソニン、ラファニン、ニノシアニン、カルサミン、サフロールイエロー、ルチン、クエルセチン、カカオ色素、リポフラビン、ラッカイン酸、カルミン酸、ケルメス酸、アリザニン、シコニン、アルカニン、ニキノクローム、血色素、クルクミン、ベタニン、等の化粧品用色材:
【0076】
精製水、その他、カキョクエキス、N-メチル-L-セリン、ホエイ、ニコチン酸アミド、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、メバロン酸、γ-アミノ酪酸(γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸を含む)、アルテアエキス、アロエエキス、アンズ核エキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、海水乾燥物、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カロットエキス、キューカンバエキス、ゲンチアナエキス、酵母エキス、米胚芽油、コンフリーエキス、サボンソウエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シラカバエキス、セイヨウハッカエキス、センブリエキス、ビサボロ-ル、プロポリス、ヘチマエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、海草、米ヌカ、カンゾウ、チンピ、トウキ、モモノハの粉砕物、スフィンゴ脂質、グアイアズレン、ビタミンC等を含むことができる。
【実施例】
【0077】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
なお、実施例における各種の値は、本発明の実施形態における好ましい下限値又は上限値としてもよいし、上述した本発明の実施形態における同種の値(数値範囲の下限値及び上限値を含む。)と適宜組み合わせて好ましい数値範囲としてもよい。また、実施例における同種の2つの値を適宜組み合わせて好ましい数値範囲としてもよい。
【0078】
[製造例1]
L-グルタミン酸モノナトリウム1水和物104g(0.56mol)、純水265.2g、32%水酸化ナトリウム水溶液69.6g(水酸化ナトリウムとして0.56mol)の混合溶液に、87質量%t-ブタノール水溶液93.2gを加え、この溶液を3℃に維持しつつ、32%水酸化ナトリウムでpHを12に調整しながら塩化ラウロイル117.8g(0.54mol)を攪拌下、滴下した。
【0079】
次に75%硫酸を滴下して液のpH値を2に、また液の温度を65℃に調整し、1時間静置して有機層と水層とに分層した後、有機層を分取した。
この時の有機層中のラウロイルグルタミン酸を主体とする固形分/t-ブタノール/水の成分重量比は、62/24/14であった。
【0080】
[製造例2]
L-グルタミン酸モノナトリウム1水和物104g(0.56mol)、純水145.8g、32%水酸化ナトリウム水溶液69.6g(水酸化ナトリウムとして0.56mol)の混合溶液に、アセトン126gを加え、この溶液を3℃に維持しつつ、32%水酸化ナトリウムでpHを12に調整しながら塩化ラウロイル117.8g(0.54mol)を攪拌下、滴下した。
【0081】
次に75%硫酸を滴下して液のpH値を2に、また液の温度を50℃に調整し、1時間静置して有機層と水層とに分層した後、有機層を分取した。
この時の有機層中のラウロイルグルタミン酸を主体とする固形分/アセトン/水の成分重量比は、55/30/15であった。
【0082】
[製造例3]
L-グルタミン酸モノナトリウム1水和物104g(0.56mol)、純水265.2g、32%水酸化ナトリウム水溶液69.6g(水酸化ナトリウムとして0.56mol)の混合溶液に、87質量%t-ブタノール水溶液93.2gを加え、この溶液を3℃に維持しつつ、32%水酸化ナトリウムでpHを12に調整しながら、塩化ミリストイル26.6g(0.11mol)を撹拌下滴下、続いて塩化ラウロイル94.2g(0.43mol)を攪拌下、滴下した。
【0083】
次に75%硫酸を滴下して液のpH値を2に、また液の温度を65℃に調整し、1時間静置して有機層と水層とに分層した後、有機層を分取した。
この時の有機層中のアシルグルタミン酸(ラウロイルグルタミン酸とミリストイルグルタミン酸)を主体とする固形分/t-ブタノール/水の成分重量比は、62/27/11であった。
【0084】
<HPLC分析法>
下記の成分Bを含む実施例及び比較例において、成分A、成分Bは、下記のHPLCを用いた分析により得られたピークエリア面積から測定をした。
検出器:UV検出器(205nm)
測定機器としては、例えば(株)島津製作所のSPD-10Avp、SPD-10AVvp、SPD-20A及びSPD-20AV等が使用可能である。
分離管:内径6mm、長さ150mmのステンレス管に粒径5μm、孔径12nmのシリカゲルにオクタデシルシリル基を修飾したものを充填した。
分離管温度:60℃付近の一定温度
移動相:メタノール/水/リン酸=2000/400/0.31
流量:毎分0.8mL付近の一定量
【0085】
より具体的には、HPLCを用いた分析により得られた成分A、成分B等の検出される物質それぞれのピークエリア面積から、成分比を算出した。総成分比100%から、まずは得られた乾燥減量を差し引き、その差し引いた値を、HPLC分析で得られたピーク面積比で配分した。別途、成分B比率(%)を下記式で算出した。下記表中の「成分B比率(%)」に該当する。
成分B比率(%)=[成分Bのピークエリア面積/成分Aのピークエリア面積]×100
上記のようにUV検出を使用すると、アシルPCA(成分B)のピーク感度が他の物質より高いことから、成分B(%)比率においても、高い測定感度を保つことができる。
【0086】
[実施例1]
製造例1で得られたラウロイルグルタミン酸等の固形分/t-ブタノール/水の成分重量比が、62/24/14の有機層100gを、ゆるやかに撹拌しながら液温が90℃に到達するまで常圧にて昇温させた。その後徐々に減圧しながら昇温させ、発泡しすぎないように減圧度をゆるやかに上げていき、到達減圧度20kPaにおいて、到達温度105℃を20分間維持した。その後徐々に常圧に戻し、釜内の溶融物を回収した。得られた固形物を冷蔵庫で一晩置き、ジューサーミキサーにかけて粉砕した結果、56.6gの固形物が得られた。この固形物の乾燥減量は0.25%で、HPLC分析の結果、ラウロイルグルタミン酸94.9%、ラウロイルPCA3.7%、ラウリン酸0.44%であった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0087】
当該固形物54.0gを、無水酢酸36.4gに50℃で溶解させ、さらに無水酢酸18.2gを添加して、そのまま50℃で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、反応液から生成物をろ別することにより、N-ラウロイル-L-グルタミン酸無水物を主体とする粗結晶を得た。この結晶を、エーテル80ml、次いで石油エーテル15mlで洗浄・乾燥して固形物を34.0g取得した。この固形物の乾燥減量は0.24%で、HPLC分析の結果、ラウロイルグルタミン酸無水物95.2%、ラウロイルPCA2.3%、ラウロイルグルタミン酸2.2%で、ラウリン酸は検出されなかった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0088】
さらに、L-リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57gと混合した。この液を25%水酸化ナトリウム水溶液でpH範囲を10~11に調整しながら、また反応温度を5℃に維持しながら、攪拌下に、前述で洗浄・乾燥して得られた固形物31.1gを2時間を要して添加し、反応を実施した。さらに30分攪拌を続けた後、ターシャリーブタノールを液中濃度20質量%となるように添加した後、75%硫酸を滴下して液のpH値を2に、また液の温度を65℃に調整した。滴下終了後、攪拌を停止し、20分間65℃で静置すると有機層と水層とに分層し、これから有機層を分離した。未反応のリジンは水層に殆ど回収される。得られた有機層に対して、同じ水洗操作をくり返した後、得られた有機層から溶媒を除去し、水酸化ナトリウムで固形分30質量%、pH7(25℃)の水溶液になるように中和調製した。さらに水を加えながら、減圧蒸留し、ターシャリーブタノールを液中濃度10質量ppm以下になるまで減圧蒸留を、減圧度13~22kPa、液温45~60℃で続けた。最終的に得られたものは、式(A)で示すアシル化合物を含有する組成物を主体とするpH7(25℃)の32重量%水溶液で、成分Aは96.9%、成分BのアシルPCAは0.031%、ラウロイルグルタミン酸は2.98%であった。他に顕著な不純物は検出されなかった。前述のHPLC分析法によるアシルPCA(%)比率は、0.032%であった。
【0089】
[比較例1]
製造例1で得られたラウロイルグルタミン酸等の固形分/t-ブタノール/水の成分重量比が62/24/14の有機層100gを、凍結乾燥した。
予備凍結として、棚循環温度を-60℃に設定し、試料温度が-40℃に到達後2時間冷却した。棚循環温度を-40℃に設定し、2時間乾燥後、-10℃に設定し、ほぼ5Paで乾燥した。その後設定温度を、0℃、10℃、30℃に上げた。
品温27.5℃、到達真空度1Pa以下を確認後、乾燥窒素で真空解除した。以上の乾燥工程の所要時間は40時間で実施した。
得られた固形物は、プレート状であり、これをジューサーミキサーにかけて粉砕し、57.1gの固形物が得られた。この固形物の乾燥減量は、1.2%で、HPLC分析の結果、ラウロイルグルタミン酸98.1%、ラウロイルPCAは検出されず、ラウリン酸は0.40%であった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0090】
当該固形物54.0gを、無水酢酸36.4gに50℃で溶解させ、さらに無水酢酸18.2gを添加して、そのまま50℃で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、反応液から生成物をろ別することにより、N-ラウロイル-L-グルタミン酸無水物の粗結晶を得た。この結晶を、エーテル80ml、次いで石油エーテル15mlで洗浄・乾燥して固形物を34.3g取得した。この固形物の乾燥減量は1.2%であり、HPLC分析した結果、ラウロイルグルタミン酸無水物96.6%、ラウロイルグルタミン酸2.1%で、ラウロイルPCA及びラウリン酸は検出されなかった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0091】
さらに、L-リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57gと混合し、以降は、実施例1と同様の手法で成分Aの作製を続け、結果として、成分Aを含有する組成物を主体とするpH7(25℃)の32重量%水溶液を得た。この時、成分Aは97.1%、ラウロイルグルタミン酸は2.62%であった。ラウロイルPCA及びラウリン酸は検出されず、他にも顕著な不純物は検出されなかった。HPLC分析法によるアシルPCA(%)比率は0%であった。
【0092】
[実施例2]
製造例2で得られたラウロイルグルタミン酸等の固形分/アセトン/水の成分重量比が55/30/15の有機層115.0gを、ゆるやかに撹拌しながら液温が50℃に到達するまで常圧にて昇温させる。その後徐々に減圧しながら昇温させ、発泡しすぎないように減圧度をゆるやかに上げていき、到達減圧度が20kPaにて、到達温度105℃に達せさせた。到達減圧度が20kPaにて、到達温度105℃を80分間維持した。その後徐々に常圧に戻し、釜内の溶融物を回収した。濃縮開始後から完了まで10時間を所要した。得られた固形物を冷蔵庫で一晩置き、ジューサーミキサーにかけて粉砕した結果、58.9gの固形物が得られた。この固形物の乾燥減量は0.21%であり、HPLC分析の結果、ラウロイルグルタミン酸83.5%、ラウロイルPCA15.6%、ラウリン酸0.14%であった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0093】
当該固形物54.0gを、無水酢酸36.4gに50℃で溶解させ、さらに無水酢酸18.2gを添加して、そのまま50℃で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、反応液から生成物をろ別することにより、N-ラウロイル-L-グルタミン酸無水物の粗結晶を得た。この結晶を、エーテル80ml、次いで石油エーテル15mlで洗浄・乾燥して固形物を34.2g取得した。この固形物の乾燥減量は0.21%であり、HPLC分析の結果、ラウロイルグルタミン酸無水物83.7%、ラウロイルグルタミン酸1.9%、ラウロイルPCA13.4%、ラウリン酸は検出されなかった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0094】
さらに、L-リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57gと混合し、以降は、実施例1と同様の手法で成分Aの作製を続け、結果として、成分Aを含有する組成物を主体とするpH7(25℃)の32重量%水溶液を得た。この時、成分Aは95.3%、成分BのアシルPCAは1.27%、ラウロイルグルタミン酸は3.33%であった。他に顕著な不純物は検出されなかった。前述のHPLC分析法によるアシルPCA(%)比率は、1.33%であった。
【0095】
[比較例2]
製造例2で得られたラウロイルグルタミン酸等の固形分/アセトン/水の成分重量比が55/30/15の有機層115.0gを、凍結乾燥した。
予備凍結として、棚循環温度を-60℃に設定し、試料温度が-40℃に到達後2時間冷却した。棚循環温度を-40℃に設定し、2時間乾燥後、-10℃に設定し、ほぼ12Paで乾燥した。その後設定温度を、0℃、15℃、30℃に上げた。
品温27.5℃、到達真空度1Pa以下を確認後、乾燥窒素で真空解除した。以上の乾燥工程の所要時間は70時間で実施した。
得られた固形物は、プレート状であり、これをジューサーミキサーにかけて粉砕し、59.5gの固形物が得られた。この固形物の乾燥減量は0.51%であり、HPLC分析の結果、ラウロイルグルタミン酸98.9%、ラウロイルPCAとラウリン酸は検出されなかった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0096】
当該固形物54.0gを、無水酢酸36.4gに50℃で溶解させ、さらに無水酢酸18.2gを添加して、そのまま50℃で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、反応液から生成物をろ別することにより、N-ラウロイル-L-グルタミン酸無水物の粗結晶を得た。この結晶を、エーテル80ml、次いで石油エーテル15mlで洗浄・乾燥して固形物を34.2g取得した。この固形物の乾燥減量は1.2%であり、HPLC分析の結果、ラウロイルグルタミン酸無水物96.0%、ラウロイルグルタミン酸2.4%、ラウロイルPCAとラウリン酸は検出されなかった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0097】
さらに、L-リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57gと混合し、以降は、実施例1と同様の手法で成分Aの作製を続け、結果として、成分Aを含有する組成物を主体とするpH7(25℃)の32重量%水溶液を得た。この時、成分Aは96.3%、ラウロイルグルタミン酸は3.30%であった。ラウロイルPCA及びラウリン酸は検出されず、他にも顕著な不純物は検出されなかった。HPLC分析法によるアシルPCA(%)比率は0%であった。
【0098】
[実施例3]
製造例3で得られたアシルグルタミン酸等の固形分/t-ブタノール/水の成分重量比が、62/27/11の有機層100.0gを、ゆるやかに撹拌しながら液温が70℃に到達するまで常圧にて昇温させる。その後徐々に減圧しながら昇温させ、発泡しすぎないように減圧度をゆるやかに上げていき、到達減圧度が20kPaにて、到達温度115℃に達せさせ、これを20分間維持した。その後徐々に常圧に戻し、釜内の溶融物を回収した。得られた固形物を冷蔵庫で一晩置き、ジューサーミキサーにかけて粉砕した結果、55.5gの固形物が得られた。この固形物の乾燥減量は0.14%であり、HPLC分析の結果、アシルグルタミン酸90.9%、アシルPCA7.7%、遊離脂肪酸(ラウリン酸とミリスチン酸総計)は0.74%であった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0099】
当該固形物54.0gを、無水酢酸36.4gに50℃で溶解させ、さらに無水酢酸18.2gを添加して、そのまま50℃で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、反応液から生成物をろ別することにより、N-アシル-L-グルタミン酸無水物の粗結晶を得た。この結晶を、エーテル80ml、次いで石油エーテル15mlで洗浄・乾燥して固形物を33.7g取得した。この固形物の乾燥減量は0.20%であり、HPLC分析の結果、アシルグルタミン酸無水物91.6%、アシルグルタミン酸1.7%、アシルPCA6.1%、遊離脂肪酸は検出されなかった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0100】
さらに、L-リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57gと混合し、以降は、実施例1と同様の手法で成分Aの作製を続け、結果として、成分Aを含有する組成物を主体とするpH7(25℃)の32重量%水溶液を得た。この時、成分Aは96.2%、成分BのアシルPCAは0.293%、アシルグルタミン酸は2.61%であった。遊離脂肪酸は検出されなかった。他に顕著な不純物は検出されなかった。前述のHPLC分析法によるアシルPCA(%)比率は、0.312%であった。
【0101】
[比較例3]
製造例3で得られたアシルルグルタミン酸等の固形分/t-ブタノール/水の成分重量比が62/27/11の有機層100gを、凍結乾燥した。
予備凍結として、棚循環温度を-60℃に設定し、試料温度が-40℃に到達後2時間冷却した。棚循環温度を-40℃に設定し、2時間乾燥後、-10℃に設定し、ほぼ5Paで乾燥した。その後設定温度を、0℃、20℃、30℃に上げた。
品温27.5℃、到達真空度1Pa以下を確認後、乾燥窒素で真空解除した。以上の乾燥工程の所要時間は55時間で実施した。
得られた固形物は、プレート状であり、これをジューサーミキサーにかけて粉砕し、57.2gの固形物が得られた。この固形物の乾燥減量は、0.61%で、HPLC分析の結果、アシルグルタミン酸98.6%、アシルPCAは検出されず、遊離脂肪酸は0.54%であった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0102】
当該固形物54.0gを、無水酢酸36.4gに50℃で溶解させ、さらに無水酢酸18.2gを添加して、そのまま50℃で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、反応液から生成物をろ別することにより、N-アシル-L-グルタミン酸無水物の粗結晶を得た。この結晶を、エーテル80ml、次いで石油エーテル15mlで洗浄・乾燥して固形物を32.8g取得した。この固形物の乾燥減量は1.5%であり、HPLC分析した結果、アシルグルタミン酸無水物96.0%、アシルグルタミン酸2.1%で、アシルPCA及び遊離脂肪酸は検出されなかった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0103】
さらに、L-リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57gと混合し、以降は、実施例1と同様の手法で成分Aの作製を続け、結果として、成分Aを含有する組成物を主体とするpH7(25℃)の32重量%水溶液を得た。この時、成分Aは96.6%、アシルグルタミン酸は3.15%であった。アシルPCA及び遊離脂肪酸は検出されず、他にも顕著な不純物は検出されなかった。HPLC分析法によるアシルPCA(%)比率は0%であった。
【0104】
[実施例4]
製造例1と同等の操作を別途再度実施して、ラウロイルグルタミン酸等の固形分/t-ブタノール/水の成分重量比が、64/25/11の有機層を得た。この有機層125gをゆるやかに撹拌しながら液温が90℃に到達するまで常圧にて昇温させた。その後徐々に減圧しながら昇温させ、発泡しすぎないように減圧度をゆるやかに上げていき、到達減圧度40kPaにおいて、到達温度105℃を120分間維持した。その後徐々に常圧に戻し、釜内の溶融物を回収した。得られた固形物を冷蔵庫で一晩置き、ジューサーミキサーにかけて粉砕した結果、70.6gの固形物が得られた。この固形物の乾燥減量は0.20%で、HPLC分析の結果、ラウロイルグルタミン酸80.7%、ラウロイルPCA14.1%、ラウリン酸4.7%であった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0105】
当該固形物54.0gを、無水酢酸36.4gに50℃で溶解させ、さらに無水酢酸18.2gを添加して、そのまま50℃で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、反応液から生成物をろ別することにより、N-ラウロイル-L-グルタミン酸無水物を主体とする粗結晶を得た。この結晶を、エーテル80ml、更に再度エーテル80mlで洗浄・乾燥して固形物を32.7g取得した。この固形物の乾燥減量は0.19%で、HPLC分析の結果、ラウロイルグルタミン酸無水物84.5%、ラウロイルPCA13.0%、ラウロイルグルタミン酸1.9%で、ラウリン酸は検出されなかった。他に顕著な不純物は検出されなかった。
【0106】
さらに、L-リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57gと混合した。この液を25%水酸化ナトリウム水溶液でpH範囲を10~11に調整しながら、また反応温度を5℃に維持しながら、攪拌下に、前述で洗浄・乾燥して得られた固形物32.7gを2時間を要して添加し、反応を実施した。さらに30分攪拌を続けた後、ターシャリーブタノールを液中濃度20質量%となるように添加した後、75%硫酸を滴下して液のpH値を2に、また液の温度を65℃に調整した。滴下終了後、攪拌を停止し、20分間65℃で静置すると有機層と水層とに分層し、これから有機層を分離した。未反応のリジンは水層に殆ど回収される。得られた有機層に対して、同じ水洗操作をくり返した後、得られた有機層から溶媒を除去し、水酸化ナトリウムで固形分30質量%、pH7(25℃)の水溶液になるように中和調製した。さらに水を加えながら、減圧蒸留し、ターシャリーブタノールを液中濃度10質量ppm以下になるまで減圧蒸留を、減圧度13~22kPa、液温45~60℃で続けた。最終的に得られたものは、式(A)で示すアシル化合物を含有する組成物を主体とするpH7(25℃)の32重量%水溶液で、成分Aは91.2%、成分BのアシルPCAは6.25%、ラウロイルグルタミン酸は2.32%であった。他に顕著な不純物は検出されなかった。前述のHPLC分析法によるアシルPCA(%)比率は、6.85%であった。
【0107】
<HPLC分析法および固形分測定法>
成分Aに対する成分C及び成分Dの比率を算出する際は、下記のHPLCを用いた分析により得られたピークエリア面積から純度を算出した。
検出器:RI検出器
分離管:内径6mm、長さ150mmのステンレス管に、粒径5μm、孔径12nmのシリカゲルにオクタデシルシリル基を修飾したものを充填した。
分離管温度:60℃付近の一定温度
移動相:メタノール/水/リン酸=2000/400/0.31
流量:毎分0.8mL
続いて、成分C/成分A+C、成分D/成分A+Dは下記式で示され、下記表中の「成分C質量(%)」、「成分D質量(%)」に該当する。
成分C/成分A+C=
[成分Cの純分(g)/成分A純分(g)+成分C純分(g)]×100(%)
成分D/成分A+D=
[成分Dの純分(g)/成分A純分(g)+成分D純分(g)]×100(%)
【0108】
<高純度の成分Aの作製>
旭化成ファインケム(株)製ペリセアL-30の凍結乾燥物(水分2.0%)もしくは、実施例1で酸クロライドを変更して製造したその凍結乾燥物を原料として、下記の操作を実施した。上記凍結乾燥物と蒸留水とターシャリーブタノールを重量比45/33/22で60℃にて撹拌する。60℃到達後、硫酸をゆるやかに添加し、65℃でpH2になるまで硫酸添加を続け、30分後に撹拌を停止し、静置する。30分静置後、分層した下層(水層)を除いた。下層(水層)を秤量し、同重量の20重量%ターシャリーブタノール水溶液(ターシャリーブタノール/蒸留水の重量比が2/8)を上層に加え、60℃にて撹拌する。30分後に撹拌を止め、30分間静置する。下層をまた除く。前述の下層と同重量の20重量%ターシャリーブタノール水溶液を注入してから、撹拌、静置、下層を除く工程(水洗脱塩工程)を、さらに2回、計3回繰り返した。水洗脱塩工程を終えた有機層を凍結乾燥した。
【0109】
上記乾燥物を室温にてエーテル100ml、次いで石油エーテル50mlで洗浄・乾燥した。これを再度実施し、成分Aを得た。これを前述のHPLCにて分析したが、ピーク比率0.1%以上の他成分は検出されなかった。
【0110】
<高純度の成分Bの作製>
窒素雰囲気10℃の条件下で、ピログルタミン酸90mmol、トリエチルアミン180mmol、アセトニトリル150mLをフラスコ内で撹拌混合した。次に、アセトニトリル60mLに各種酸クロライド90mmolを加えた溶液を添加後、氷浴から取り出し反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をガラスフィルターで濾過した後、減圧下でエバポレーターを用いて濃縮した。水150 mLと1 M塩酸120 mLを加えた後、残渣を酢酸エチル100 mLで4回抽出した。併合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、真空で濃縮した。残渣をヘプタン/酢酸エチル=5:4(90mL)で再結晶し、アシルピログルタミン酸を純度95%以上で得た。
【0111】
<高純度の成分Cの作製>
旭化成ファインケム(株)製アミノサーファクトALMS-P1もしくは、酸クロライドを変更して製造例1と同様の方法で製造した組成物に水洗操作を2度くり返した後、得られた有機層から溶媒を除去し、水酸化ナトリウムで固形分30質量%、pH7(25℃)の水溶液になるように中和調製乾燥させた組成物を原料として、下記の操作を実施した。上記製品と蒸留水とターシャリーブタノールを重量比45/33/22で60℃にて撹拌する。60℃到達後、硫酸をゆるやかに添加し、65℃でpH2になるまで硫酸添加を続け、30分後に撹拌を停止し、静置する。30分静置後、分層した下層(水層)を除いた。下層(水層)を秤量し、同重量の20重量%ターシャリーブタノール水溶液(ターシャリーグタノール/蒸留水の重量比が2/8)を上層に加え、60℃にて撹拌する。30分後に撹拌を止め、30分間静置する。下層をまた除く。前述の下層と同重量の20重量%ターシャリーブタノール水溶液を注入してから、撹拌、静置、下層を除く工程(水洗脱塩工程)を、さらに2回、計3回繰り返した。水洗脱塩工程を終えた有機層を凍結乾燥した。
【0112】
上記乾燥物を室温にてエーテル120ml、次いで石油エーテル60mlで洗浄・乾燥した。これを再度実施し、成分Cを得た。これを前述のHPLCにて分析したが、ピーク比率0.1%以上の他成分は検出されなかった。
【0113】
<高純度の成分Dの入手>
東京化成工業(株)より、カプリル酸(O0027)、ラウリン酸(L0011)、ミリスチン酸(M0476)、パルミチン酸(P1145)、ステアリン酸(S0163)、ベヘン酸(B1248)を入手した。
【0114】
<高純度の成分Eの入手>
富士フイルム和光純薬(株)より、カプリル酸アミド(O237203)、ラウリン酸アミド(516472)、ミリスチン酸アミド(B22610)、パルミチン酸アミド(QE-1627)、ステアリン酸アミド(192-04015)、ベヘン酸アミド(B131150)を入手した。
【0115】
<LC-MS分析法>
実施例及び比較例において、成分Eは、下記のLC-MSを用いた分析により純度を確認した。
(LC-MS装置)
分離管:内径2mm、長さ30mmのステンレス管に、粒径3μmの粒子にフェニル基を修飾したものを充填した。
分離管温度:40℃付近の一定温度
移動相:10mM酢酸アンモニウム水溶液及びアセトニトリルのグラジエント溶出法
流量:毎分0.3mL付近の一定量
測定機器としては、例えば(株)島津製作所のLCMS-9030等が使用可能である。
イオン化:ESI+
スキャンレンジ:m/z50~1200
M+H:200.203
【0116】
<HPLC分析法>
実施例及び比較例において、成分Eと成分Aの比率を算出する際は、下記のHPLCを用いた分析により純度を確認した。
検出器:UV検出器(205nm)
測定機器としては、例えば(株)島津製作所のSPD-10Avp、SPD-10AVvp、SPD-20A及びSPD-20AV等が使用可能である。
分離管:内径6mm、長さ150mmのステンレス管に、粒径5μm、孔径12nmのシリカゲルにオクタデシルシリル基を修飾したものを充填した。
分離管温度:60℃付近の一定温度
移動相:メタノール/水/リン酸=2000/400/0.31
流量:毎分0.8mL付近の一定量
より具体的には、成分E/成分Aは下記式で示し、下記表中の「成分E質量(%)」に該当する。
成分E/成分A=[成分Eの純分(g)/成分A純分(g)]×100(%)
【0117】
実施例、比較例で用いたコカミドMEAは川研ファインケミカル(株)のアミゾールCME、ラウラミドMEAは川研ファインケミカル(株)のアミゾールLMEを用いた。
【0118】
実施例27、30、33、36、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87は実施例1の32%水溶液と、実施例28、31、34、37、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88は実施例2の32%水溶液と、実施例29、32、35、38、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89は実施例4の32%水溶液と、上記の高純度成分A、成分C、成分D、成分Eを混合し、表に記載のカウンター塩・pHになるように調製した。その他の実施例・比較例は、高純度の成分A、成分C~成分Eを、正確に秤量し、得られた固体粉末にカウンター塩となりうる水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム若しくはトリエタノールアミン若しくはアルギニンを、計算量混合して、pHと固形分を調整した水溶液を作製した。これらの水溶液を最終的に指定のpHと固形分32%とに調整した。比較例7~9、10、12、14、16、18、20、22、24,26,28,30は、成分Aを同量のポリソルベート60に置換し、成分B~成分Eの比率はポリソルベート60が成分Aであった場合の比率として記載した。実施例9にはステアロイルグルタミン酸Naを1%、実施例10にはミリスチン酸3%、パルミチン酸2%を精製水と置き換えて追加した。
【0119】
<乳化安定性確認試験1>
下記の組成を作製した。
組成 wt%
・実施例又は比較例の32%水溶液 0.09
・油(パルミチン酸エチルヘキシル、オリーブオイル
ミネラルオイル、シクロメチコン、ジメチコン) 20.0
・カルボマー(カーボポール981) 0.2
・30wt/v% NaOH水溶液 0.28
・精製水 79.43
【0120】
上記組成は、下記1.~4.の作製順による。
1.カルボマーを精製水に溶解させる。
2.カルボマー水溶液をKOHもしくはトリエタノールアミンもしくはアルギニンもしくはNaOH水溶液で指定のpHに調整する。
3.実施例又は比較例の32%水溶液と、それぞれの油を加える。
4.室温で5分間、ホモミキサー(6000rpm)を用いて乳化する。
【0121】
上記組成を、55℃保存して2ケ月後、2.5ケ月後、3.0ケ月後に目視で確認した。
評価基準
5:液深の全部にわたり乳化している
4:液深の90%以上が乳化している
3:液深の80%以上が乳化している
2:液深の70%以上が乳化している
1:乳化している液深が70%に満たない
【0122】
<乳化安定性確認試験2>
下記の組成を作製した。
組成 wt%
・実施例又は比較例の32%水溶液 0.09
・ミネラルオイル(5,8~8.9mm2/s) 16.0
・固形油(セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール) 4.0
・カルボマー(カーボポール981) 0.2
・30wt/v% NaOH水溶液 0.28
・精製水 79.43
【0123】
上記組成は、下記1.~4.の作製順による。
1.カルボマーを精製水に溶解させ、カルボマー水溶液をKOHもしくはトリエタノールアミンもしくはアルギニンもしくはNaOH水溶液で指定のpHに調整する。
2.実施例又は比較例の32%水溶液と精製水を加えて水相とする。これを70℃まで加温する。
3.ミネラルオイルと固形油を油相として、70℃まで加温する。
4.水相と油相を混合し、ホモミキサー3000rpmで80℃まで撹拌昇温する。
5.ホモミキサー6000rpmで5分間乳化を実施する。
6.ホモミキサー3000rpmで25℃まで撹拌、冷却する。
7.脱気を行う。
【0124】
上記組成を、55℃保存して2ケ月間、2.5ケ月、3.0ケ月静置し、目視で乳化性を確認した。
評価基準
5:液深の全部にわたり乳化している。
4:液深の90%以上が乳化している。
3:液深の80%以上が乳化している。
2:液深の70%以上が乳化している。
1:乳化している液深が70%に満たない液深
【0125】
<分散性安定性確認試験>
実施例、比較例それぞれの固形分0.0075%水溶液に、1%濃度となるように酸化チタンを添加して、指定のpHになるようにKOHもしくはトリエタノールアミンもしくはアルギニンもしくはNaOH水溶液を添加した。その後、超音波処理を30秒間実施し、ホモジナイズ(10000rpm、2分)後、50℃で静置した時の上澄み液の吸光度(波長300nm)を測定し、水中分散性を確認した。
いずれの吸光度初期値も、1.8付近であり、200時間後、224時間後248時間後の吸光度測定で下記の評価を実施した。
評価基準
5:吸光度が1.7以上である
4:吸光度が1.5以上で1.7未満
3:吸光度が1.3以上で1.5未満
2:吸光度が1.0以上で1.3未満
1:吸光度が1.0未満
【0126】
<使用感評価>
乳化安定性確認試験1で調製したジメチコンの処方について下記の通り評価した。5名のパネラーによって官能評価を行い、平均値を評価点とした。
【0127】
(評価項目:なじませている最中のみずみずしさ)
非常にみずみずしさがある 5
みずみずしさがある 4
僅かにみずみずしさがある 3
ほとんどみずみずしさがない 2
みずみずしさがない 1
【0128】
(評価項目:なじませた後のべたつきのなさ)
べたつきがない 5
ほとんどべたつかない 4
僅かにべたつく 3
べたつく 2
とてもべたつく 1
【0129】
(評価項目:塗布時のコク感)
非常にコク感がある 5
コク感がある 4
僅かにコク感がある 3
ほとんどコク感がない 2
コク感がない 1
【0130】
(評価項目:なじませている最中の伸びの良さ)
非常に伸びが良い 5
伸びが良い 4
僅かに伸びが良い 3
あまり伸びがよくない 2
伸びが良くない 1
【0131】
(評価項目:なじませた後の滑らかさ)
非常に滑らかさがある 5
滑らかさがある 4
僅かに滑らかさがある 3
あまり滑らかさがない 2
滑らかさがない 1
【0132】
上述の乳化安定性確認試験1、乳化安定性確認試験2、分散性安定性確認試験及び使用感評価の4つの試験・評価を、それぞれ実施例、比較例の組成物を用いて実施した。結果を表1~5に示した。
なお、上述のとおり、表中の「成分B比率(%)」は成分Aに対するもの、「成分C質量(%)」は成分Aと成分Cの合計に対するもの、「成分D質量(%)」は成分Aと成分Dの合計に対するもの、「成分E質量(%)」は成分Aに対するもの、である。
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
実施例の組成物は、少なくとも、成分A及びB、成分A、C及びD、又は成分A及びEを含むため、乳化安定性、分散安定性及び使用感評価が、いずれも良好であった。一方、比較例は、発明に該当しない組成物であるため、乳化安定性および分散安定性のいずれもが実施例のものと比較して劣っていた。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明に係る香粧品原料組成物によれば、初期の乳化性能や分散性能はもとより、乳化安定性および分散性が長期間良好である等、優れた香粧品処方を提供することが可能となる。