(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】スマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 50/00 20060101AFI20240729BHJP
B60W 40/08 20120101ALI20240729BHJP
【FI】
B60W50/00
B60W40/08
(21)【出願番号】P 2022562549
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2021138518
(87)【国際公開番号】W WO2022183808
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】202110225619.2
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519291342
【氏名又は名称】南京航空航天大学
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 万忠
(72)【発明者】
【氏名】周 小川
(72)【発明者】
【氏名】王 春燕
(72)【発明者】
【氏名】▲欒▼ ▲衆▼楷
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 自宇
(72)【発明者】
【氏名】▲鐘▼ 怡欣
(72)【発明者】
【氏名】章 波
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-253726(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0009444(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112874502(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤ(drive-by-wire chassis;ドライブバイワイヤシャーシ)のサイバーフィジカルシステムであって、SoS(System of Systems;システムオブシステムズ)レベルCPS(Cyber-Physical Systems;サイバーフィジカルシステム)、システムレベルCPSとユニットレベルCPSを含み、複数のユニットレベルCPSと1つのシステムレベルCPSの間はデータ伝送を実現し、複数のシステムレベルCPSと1つのSoSレベルCPSの間はデータ伝送を実現し、
ユニットレベルCPSは、シャーシーバイワイヤであり、ドライバー入力モジュール、基本制御モジュール、実行モジュールと環境検知モジュールを含み、
前記ドライバー入力モジュールは、アクセルペダル及び前記アクセルペダルのストロークセンサと力センサ、ブレーキペダル及び前記ブレーキペダルのストロークセンサと力センサ、ハンドル及び前記ハンドルの舵角センサとトルクセンサ、車輪舵角センサを含み、ドライバーにより車両に入力する駆動、ブレーキ、ステアリング情報を検知するために用いられ、ドライバーの操作意図の抽出を実現し、
前記基本制御モジュールは、各センサで収集したデータを処理し、現在の動作状態に基づいて最適な走行ストラテジを作成し、実行モジュールに伝送し、
前記実行モジュールは、
前記基本制御モジュールの最適な走行ストラテジを実行情報として受信し、車両を操縦するために用いられ、
前記環境検知モジュールは、検出装置、測位装置と通信装置を含み、前記検出装置は、車両外部の情報と前方道路交通情報を検知するために用いられ、測位装置は、車両位置を測位するために用いられ、通信装置は、車両と車両の間の通信及び、車両と基地局の間の通信に用いられることで、車両の走行過程にリアルタイムの動作状態情報を取得し、
システムレベルCPSは、監視プラットフォームであり、協調制御モジュール、リアルタイム監視と診断モジュールを含み、現在走行中と同じ道路においてシャーシーバイワイヤを積載する車両の運転行動を監視するために用いられ、
前記協調制御モジュールは、監視されるシャーシーバイワイヤのセンサデータと前記実行モジュールから送信された前記実行情報を取得するために用いられ、前記実行情報との相互作用とリアルタイム分析により現在の動作状態下の局所最適スキームを取得し、基本制御モジュールに制御信号を送信し、前記リアルタイム監視と診断モジュールは、シャーシーバイワイヤを積載する車両の運転状況を監視と診断するために用いられ、
SoSレベルCPSは、ビッグデータプラットフォームであり、データ記憶ユニット、データ
相互作用(interaction)モジュール、データ分析モジュールを含み、インターネットを介して各監視プラットフォームとデータ伝送を行い、
前記データ記憶ユニットは、ビッグデータプラットフォームに伝送されるデータを記憶し、前記データ
相互作用モジュールは、シャーシーバイワイヤと監視プラットフォームの間の
前記センサデータ及び前記実行情報
の伝送
を実現するために用いられ、前記データ分析モジュールは、ビッグデータプラットフォームに伝送されるデータを分析し、シャーシーバイワイヤの理想的な動作を取得し、シャーシーバイワイヤの運転操作が理想的な動作であるか否かを判断する、ことを特徴とするスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステム。
【請求項2】
前記基本制御モジュールは、中央制御ユニット、ステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニット、駆動制御ユニットを含み、前記中央制御ユニットは、ステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニットと駆動制御ユニットを監視と制御するために用いられ、各センサ信号を受信し、車速を算出し、ステアリング、ブレーキと駆動力を割り当てるために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載のスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステム。
【請求項3】
前記最適な走行ストラテジは、現在の動作状態に適合する実行モジュールの実行状態であり、最適な走行ストラテジは、最適なステアリングストラテジ、最適なブレーキストラテジ、最適な駆動ストラテジ、最適な複合走行ストラテジを含み、前記最適なステアリングストラテジ、最適なブレーキストラテジ、最適な駆動ストラテジは、それぞ
れステアリング
の単一動作状態、ブレーキ
の単一動作状態、駆動
の単一動作状態で作成され、前記最適な複合走行ストラテジは、最適なステアリングストラテジと最適なブレーキストラテジ又は最適な駆動ストラテジの組み合わせであり、前記最適なステアリングストラテジは、前記実行モジュールに含まれるステアリング実行モータの実際エネルギー消費が最も小さいことと、ドライバーにより車輪舵角を補正する必要ないことを含み、前記最適なブレーキストラテジは、ブレーキモータのエネルギー消費が最も小さいことと、ブレーキ実行機構の実行時間が最も短いことと、ブレーキ実行機構が実行する過程にドライバーにより補正する必要ないことを含み、前記最適な駆動ストラテジは、インホイールモータのエネルギー消費が最も小さく且つ駆動実行機構の実行時間が最も短いことと、駆動実行機構が実行する過程にドライバーにより補正する必要ないことを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステム。
【請求項4】
前記シャーシーバイワイヤの理想的な動作は、理想的な動作データベースにおけるデータであり、理想的な操舵角、理想的なブレーキペダル開度、理想的なアクセルペダル開度を含み、前記理想的な操舵角は、データ分析モジュールにより計画され、所望経路に必要な操舵角の大きさであり、前記理想的なブレーキペダル開度は、データ分析モジュールにより計画され、前方や周囲にある障害物と交通安全距離を保持しながら、ドライバーの運転快適性を保証するブレーキペダル開度であり、前記理想的なアクセルペダル開度は、データ分析モジュールにより計画され、ドライバーの運転快適性を保持しながら、周囲にある障害物と交通安全距離を保証する交通環境速度制限要求に適合するアクセルペダル開度である、ことを特徴とする請求項1に記載のスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステム。
【請求項5】
前記理想的な動作データベースは、オフラインの同期データベースであり、自動車エンジニアの経験データ、自動車動力学と運動学モデルデータ、交通環境における自動車の走行データによりオフラインで同期に構成され、理想的な動作データベースにおけるデータは、いずれも安全運転とドライバーの快適性を保証する範囲にあり、前記自動車エンジニアの経験データは、ドライバーがステアリング、ブレーキ、駆動、ステアリングとブレーキ又は駆動を実行する場合の運転快適性データを含み、ドライバーがステアリング、ブレーキ、駆動する操作力と車速、加速度の非線形数学モデルデータであり、前記自動車動力学と運動学モデルは、ニュートンの運動の法則により算出されたステアリング、ブレーキ、駆動を実行する時の動力学と運動方程式と、キルヒホッフの法則により算出されたステアリング、ブレーキ、駆動を実行する時の前記実行モジュールに含まれるステアリング実行モータ、ブレーキモータ、駆動モータ、インホイールモータの電流方程式を含み、前記交通環境における自動車の走行データは、インターネット接続シャーシーバイワイヤの自動車がインターネットに接続される場合に記憶された運転情報データである、ことを特徴とする請求項4に記載のスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステム。
【請求項6】
前記ドライバー入力モジュール、基本制御モジュール、実行モジュールの間のブレーキ接続関係は、ブレーキペダルを踏み込む時、ブレーキペダルのストロークセンサと力センサが動作し、ブレーキコントローラは、ブレーキペダルのストロークセンサと力センサ情報を収集してブレーキ制御ユニットに伝送し、ブレーキ制御ユニットは、センサ情報に基づいてブレーキモータの電流出力を制御し、更にブレーキ実行機構の実行状態を制御し、車両に対するブレーキを実現し、ブレーキコントローラは、インホイールモータに接続され、ブレーキする時の車輪の回転状態を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載のスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステム。
【請求項7】
スマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムの制御方法であって、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステムに基づき、
ドライバー入力モジュールは、ドライバーの操作に応じた操作信号に対応するセンサ情報を発するステップ1)と、
基本制御モジュールは、シャーシーバイワイヤの環境検知モジュールの情報とドライバー入力モジュールのセンサ情報を取得するステップ2)と、
基本制御モジュールは、ドライバー入力モジュールのセンサ情報に基づいてドライバーの操作を判断し、ドライバーの操作情報と環境検知モジュールの情報を監視プラットフォームに伝送するステップ3)と、
監視プラットフォームは、シャーシーバイワイヤの情報をリアルタイムに監視と診断し、現在のドライバーの操作は現在の動作状態に適合するか否かを判断し、動作状態に適合する場合は、監視プラットフォームにより取得されたドライバーの操作と環境検知モジュールの情報をビッグデータプラットフォームに伝送し、動作状態に適合しない場合は、監視プラットフォームは、環境検知モジュールの情報に基づいて現在の動作状態に適合するようにドライバーの操作を調整し、環境検知モジュールの情報と調整後のドライバーの操作情報をビッグデータプラットフォームに伝送するステップ4)と、
ビッグデータプラットフォームは、監視プラットフォームにより伝送された操作情報を記憶するステップ5)と、
ビッグデータプラットフォームは、監視プラットフォームにより伝送されたドライバーの操作情報を分析し、監視プラットフォームにおける分析結果として、ドライバーの操作情報は理想的な運転操作である場合は、ドライバーの操作情報を監視プラットフォームにフィードバックし、ドライバーの操作情報の分析結果と理想的な運転操作情報の間に誤差が存在する場合は、データ分析で得られた理想的な運転操作情報を監視プラットフォームにフィードバックするステップ6)と、
監視プラットフォームは、フィードバック情報に基づいて車両のリアルタイムな局所最適スキームを形成し、局所最適スキームを現在の監視プラットフォームにより監視されるシャーシーバイワイヤにフィードバックするステップ7)と、
中央制御ユニットは、局所最適スキームに基づいて最適な走行ストラテジを生成し、ステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニット、駆動制御ユニットに伝送し、実行モジュールにおけるモータの出力電流を制御することによって、コントローラは実行モジュールに含まれるステアリング実行モータ、ブレーキモータ、インホイールモータ、又はブレーキコントローラ以外の他の実行機構を制御し、車両に対する出力を完了するステップ8)と、を含む、ことを特徴とするスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムの制御方法。
【請求項8】
前記ステップ2)では、センサを介して車両の現在の操舵角とトルク、車輪舵角、ブレーキペダルのストローク、アクセルペダルのストロークを取得し、環境検知モジュールにおける検出装置、測位装置と通信装置を介して現在の動作状態下の車両外部の情報、前方道路交通情報、位置情報、車両と車両の間の通信情報、車両と基地局の間の通信情報を取得する、ことを特徴とする請求項7に記載のスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムの制御方法。
【請求項9】
前記ステップ4)では、いずれかの道路の監視プラットフォームに故障が生じる場合、他のいずれかの道路の監視プラットフォームは、故障した監視プラットフォームのデータ情報を継続に管理し、現在道路内及び故障した監視プラットフォーム道路に対応するシャーシーバイワイヤをリアルタイムに監視と診断し、交通環境情報の安定性を保証する、ことを特徴とする請求項7に記載のスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムの制御方法。
【請求項10】
前記ステップ6)では、現在のドライバーの操作と理想的な運転操作の間に誤差が存在し、
前記中央制御ユニットによって
前記ステアリング
制御ユニット、
前記ブレーキ
制御ユニット、前記駆動制御ユニットを制御することでインホイールモータ、ステアリング実行モータ、ブレーキモータを駆動して追加の制御量を出力することにより、ドライバーの操作と理想的な運転操作との間の誤差を最小化し、利用されている制御アルゴリズムはH∞フィードバック制御アルゴリズムであり、
前記H∞フィードバック制御アルゴリズムは、
ドライバーから出力された操舵角θ
SWと理想的な操舵角θ
*
swの偏差はe
1により示され、ドライバーから出力されたブレーキペダル開度pと理想的なブレーキペダル開度p
*の偏差はe
2により示され、ドライバーから出力されたアクセルペダル開度qと理想的なアクセルペダル開度q
*の偏差はe
3により示されるステップ61)と、
偏差e
1、e
2、e
3がH∞フィードバックコントローラK(s)の入力であり、フィードバックコントローラK(s)は入力偏差e
1、e
2、e
3に基づいてステアリング実行モータ、ブレーキモータとインホイールモータが出力すべき追加舵角θ
1、θ
2、θ
3を算出し、中央制御ユニットとステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニット、駆動制御ユニットは、ステアリング実行モータ、ブレーキモータ、インホイールモータをそれぞれ制御して対応する追加舵角θ
1、θ
2、θ
3を出力するステップ62)と、
追加舵角θ
1、θ
2、θ
3はシャーシーバイワイヤシステムに作用され、更に車両の走行状態に影響を与え、同時にドライバーは現在の車両状態に基づいて対応する運転操作を行い、前記偏差e
1、e
2、e
3のそれぞれに対応する1組の新しい偏差e
4、e
5、e
6を取得するステップ63)と、
偏差e
i(i=1,2,3,…)を除去するまで、ステップ61)-ステップ63)を繰り返すステップ64)と、を含む、ことを特徴とする請求項7に記載のスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両シャーシーの制御技術分野に属し、具体的には、スマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステム及び制御方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
自動車のスマート化、電動化、電子化の発展に伴い、バイワイヤ技術は自動車において一般的に応用されている。バイワイヤ技術では、実行機構と操作機構の間は、機械的接続もなく、機械的エネルギーの伝達もなく、自動車ドライバーの操作命令はセンサにより検知され、電気信号の形態でインターネットを介して実行機構と電気コントローラに伝送する。
【0003】
従来の自動車シャーシーにより制御される実行機構は、主に複雑な機械又は油圧システムにより実現され、ドライバーも制御システムの重要な構成部分である。ドライバーが出した、車両の安全走行を目標とする様々な決定は、様々な物理的な要因によりある程度に影響され、車両の走行にはセキュリティリスクが存在する。シャーシーバイワイヤは、センサを介してドライバーの操作情報、車両の走行情報、交通環境情報などを収集し、収集した情報を電気信号に変換して電子制御ユニットに伝送することで、更に実行機構が動作するように制御する。ドライバーの意図により、リアルタイムの道路交通情報に合わせ、スマート交通環境下でリアルタイムの道路交通情報に基づいてドライバーの運転の意思決定を調整と補正し、ドライバーに安全な運転支援を提供する。
【0004】
出願番号が第CN201510882930.9号であり、名称が「車両ステアリング制御装置、制御方法及び自動車」である中国の特許発明では、ステアリングコントローラは舵角信号コレクターに接続され、操舵角信号に基づいて車輪のステアリング制御信号を発生し、ステアリング駆動モータは車輪のステアリング制御信号に基づいて車輪のステアリングを制御することを提供しているが、ハンドルのステアリングは依然としてドライバーによって制御されるため、ドライバーの操作に偏差が発生する場合、車両の走行にある程度のセキュリティリスクが存在る。出願番号がCN201810733593.0であり、名称が「ドライバー運転の意図識別及び制御方法」である中国特許発明では、収集したドライバー情報、車両の走行情報と交通環境情報により、予備的にドライバーの意図を識別し、ドライバーの予備的な意図に基づいて車両の走行状態を変え、更にドライバーにより調整される操作及び車両の走行データに基づき、ドライバーの意図を更に識別する。当該特許は、ドライバーの操作意識を識別するだけで、車両の走行情報と交通環境情報によってドライバーの操作行為を修正せず、ドライバーの操作は依然として運転の安全性に関連する。
【発明の概要】
【0005】
上記従来技術の欠点に対し、本発明の目的は、スマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステム及び制御方法を提供することで、従来技術においてドライバーの操作意識と環境情報によって理想的な運転操作を実現しにくいという問題を解決することである。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の採用した技術的解決手段は、
スマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムであって、SoSレベルCPS、システムレベルCPSとユニットレベルCPSを含み、複数のユニットレベルCPSと1つのシステムレベルCPSの間はデータ伝送を実現し、複数のシステムレベルCPSと1つのSoSレベルCPSの間はデータ伝送を実現し、
前記ユニットレベルCPSは、シャーシーバイワイヤであり、ドライバー入力モジュール、基本制御モジュール、実行モジュールと環境検知モジュールを含み、
前記ドライバー入力モジュールは、アクセルペダル及びそのストロークと力センサ、ブレーキペダル及びそのストロークと力センサ、ハンドル及びその舵角とトルクセンサ、車輪舵角センサを含み、ドライバーにより車両に入力する駆動、ブレーキ、ステアリング情報を検知するために用いられ、ドライバーの操作意図の抽出を実現し、
前記基本制御モジュールは、各センサに収集したデータを処理し、現在の動作状態に基づいて最適な走行ストラテジを作成し、実行モジュールに伝送し、
前記実行モジュールは、上記基本制御モジュールの最適な走行ストラテジを受信し、車両を操縦するために用いられ、
前記環境検知モジュールは、検出装置、測位装置と通信装置を含み、前記検出装置は、車両外部の情報と前方道路交通情報を検知するために用いられ、測位装置は、車両位置を測位するために用いられ、通信装置は、車両と車両の間の通信及び、車両と基地局の間の通信に用いられることで、車両の走行過程にリアルタイムの動作状態情報を取得し、
システムレベルCPSは、監視プラットフォームであり、協調制御モジュール、リアルタイム監視と診断モジュールを含み、同じ道路においてシャーシーバイワイヤを積載する車両の運転行動を監視するために用いられ、
前記協調制御モジュールは、監視されるシャーシーバイワイヤのセンサデータと実行モジュールから送信された実行情報を取得するために用いられ、情報対話とリアルタイム分析により現在の動作状態下の局所最適スキームを取得し、基本制御モジュールに制御信号を送信し、前記リアルタイム監視と診断モジュールは、シャーシーバイワイヤを積載する車両の運転状況を監視と診断するために用いられ、
SoSレベルCPSは、ビッグデータプラットフォームであり、データ記憶ユニット、データ交換モジュール、データ分析モジュールを含み、インターネットを介して各監視プラットフォームとデータ伝送を行い、
前記データ記憶ユニットは、ビッグデータプラットフォームに伝送するデータを記憶するために用いられ、前記データ交換モジュールは、シャーシーバイワイヤ、監視プラットフォームの間のセンサデータ、実行情報の伝送を実現するために用いられ、前記データ分析モジュールは、ビッグデータプラットフォームに伝送するデータを分析し、シャーシーバイワイヤの理想的な動作を取得し、シャーシーバイワイヤの運転操作は理想的な動作であるか否かを判断するために用いられる。
【0007】
更に、前記基本制御モジュールは、中央制御ユニット、ステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニット、駆動制御ユニットを含み、前記中央制御ユニットは、ステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニットと駆動制御ユニットを監視と制御するために用いられ、各センサ信号を受信し、車速を算出し、ステアリング、ブレーキと駆動力を割り当てるために用いられる。
【0008】
更に、前記最適な走行ストラテジは、現在の動作状態に適合する実行モジュールの実行状態であり、最適な走行ストラテジは、最適なステアリングストラテジ、最適なブレーキストラテジ、最適な駆動ストラテジ、最適な複合走行ストラテジを含み、前記最適なステアリングストラテジ、最適なブレーキストラテジ、最適な駆動ストラテジは、それぞれステアリング、ブレーキ、駆動などの単一動作状態で作成され、前記最適な複合走行ストラテジは、最適なステアリングストラテジと最適なブレーキストラテジ又は最適な駆動ストラテジの組み合わせであり、前記最適なステアリングストラテジは、ステアリング実行モータの実際エネルギー消費が最も小さいことと、ドライバーにより車輪舵角を補正する必要ないことを含み、前記最適なブレーキストラテジは、ブレーキモータのエネルギー消費が最も小さいことと、ブレーキ実行機構の実行時間が最も短いことと、ブレーキ実行機構が実行する過程にドライバーにより補正する必要ないことを含み、前記最適な駆動ストラテジは、インホイールモータのエネルギー消費が最も小さく且つ駆動実行機構の実行時間が最も短いことと、駆動実行機構が実行する過程にドライバーにより補正する必要ないことを含む。
【0009】
更に、前記実行モジュールは、車輪、インホイールモータ、ステアリング実行モータ、ステアリングコントローラ、ステアリング軸、伝動軸、ラックアンドピニオンステアリング装置、ステアリングプルロッド、ブレーキコントローラ、ブレーキ実行機構、ブレーキモータ、駆動コントローラ、駆動実行機構を含む。
更に、前記車両外部の情報は、道路車線、道路上の矢印記号、道端にある道路標識、交通信号機の情報を含む。
【0010】
更に、前記前方道路交通情報は、前方の凹凸障害物、車両、歩行者を含む。
【0011】
更に、前記局所最適スキームは、同じ監視プラットフォームにある全てのシャーシーバイワイヤの走行行為、ステアリング、ブレーキ、駆動、ステアリング且つブレーキ、ステアリング且つ駆動を含む。
【0012】
更に、前記ビッグデータプラットフォームに伝送するデータは、センサデータ、実行情報、車両外部情報、前方道路交通情報、位置情報、車両と車両の通信情報、車両と基地局の通信情報、監視プラットフォームにより生成された局所最適スキームを含む。
【0013】
更に、前記シャーシーバイワイヤの理想的な動作は、理想的な動作データベースにおけるデータであり、理想的な操舵角、理想的なブレーキペダル開度、理想的なアクセルペダル開度を含み、前記理想的な操舵角は、データ分析モジュールにより計画され、所望経路に必要な操舵角の大きさであり、前記理想的なブレーキペダル開度は、データ分析モジュールにより計画され、前方や周囲にある障害物と交通安全距離を保持しながら、ドライバーの運転快適性を保証するブレーキペダル開度であり、前記理想的なアクセルペダル開度は、データ分析モジュールにより計画され、ドライバーの運転快適性を保持しながら、周囲にある障害物と交通安全距離を保証する交通環境速度制限要求に適合するアクセルペダル開度である。
【0014】
更に、前記理想的な動作データベースは、オフラインの同期データベースであり、自動車エンジニアの経験データ、自動車動力学と運動学モデルデータ、交通環境における自動車の走行データによりオフラインで同期に構成され、理想的な動作データベースにおけるデータは、いずれも安全運転とドライバーの快適性を保証する範囲にあり、前記自動車エンジニアの経験データは、ドライバーがステアリング、ブレーキ、駆動、ステアリングとブレーキ又は駆動を実行する場合の運転快適性データを含み、ドライバーがステアリング、ブレーキ、駆動する操作力と車速、加速度の非線形数学モデルデータであり、前記自動車動力学と運動学モデルは、ニュートンの運動の法則により算出されたステアリング、ブレーキ、駆動を実行する時の動力学と運動方程式と、キルヒホッフの法則により算出されたステアリング、ブレーキ、駆動を実行する時のステアリング実行モータ、ブレーキモータ、駆動モータ、インホイールモータの電流方程式を含み、前記交通環境における自動車の走行データは、インターネット接続シャーシーバイワイヤの自動車がインターネットに接続される場合に記憶された運転情報データである。更に、前記ドライバー入力モジュール、基本制御モジュール、実行モジュールの間のステアリング接続関係は、操舵角とトルクセンサはハンドルに集積され、ハンドルはステアリング軸を介して伝動軸に接続され、伝動軸はラックアンドピニオンステアリング装置に接続され、ラックアンドピニオンステアリング装置はステアリングプルロッドに接続され、ステアリング実行モータは伝動軸に固定され、ハンドルを回す時に舵角とトルクセンサが動作し、ステアリングコントローラは、操舵角とトルク、車輪舵角情報を収集してステアリング制御ユニットに伝送し、ステアリング制御ユニットは、センサ情報に基づいてステアリング実行モータの電流出力を制御し、更に伝動軸のステアリングを制御し、ステアリングコントローラはインホイールモータに接続され、4つの車輪の回転を制御する。
【0015】
更に、前記ドライバー入力モジュール、基本制御モジュール、実行モジュールの間のブレーキ接続関係は、ブレーキペダルを踏み込む時、ブレーキペダルのストロークと力センサが動作し、ブレーキコントローラは、ブレーキペダルのストロークと力センサ情報を収集してブレーキ制御ユニットに伝送し、ブレーキ制御ユニットは、センサ情報に基づいてブレーキモータの電流出力を制御し、更にブレーキ実行機構の実行状態を制御し、車両に対するブレーキを実現し、ブレーキコントローラは、インホイールモータに接続され、ブレーキする時の車輪の回転状態を制御する。
【0016】
更に、前記ドライバー入力モジュール、基本制御モジュール、実行モジュールの間の駆動接続関係は、アクセルペダルを踏み込む時、アクセルペダルのストロークと力センサが動作し、駆動コントローラは、アクセルペダルのストロークと力センサ情報を収集して駆動制御ユニットに伝送し、駆動制御ユニットは、センサ情報に基づいて駆動実行機構の実行状態を制御し、車両に対する駆動を実現し、駆動コントローラは、車輪のインホイールモータに接続され、車輪を加速させる時の回転状態を制御する。
【0017】
更に、前記インホイールモータは、左前輪インホイールモータ、右前輪インホイールモータ、左後輪インホイールモータ、右後輪インホイールモータを含み、4つのインホイールモータは、それぞれ対応する4つの車輪ハブの内部に集積され、車輪を駆動するために用いられる。
【0018】
シャーシーバイワイヤ、監視プラットフォーム、ビッグデータプラットフォームはインターネットを介してデータ伝送を実行し、
前記データ伝送の過程では、シャーシーバイワイヤは、ドライバーが運転操作を完了した後にドライバーの操作情報と環境情報を取得し、監視プラットフォームに伝送し、監視プラットフォームのリアルタイム監視と診断モジュールは、シャーシーバイワイヤにより伝送されるドライバーの操作情報と環境情報をリアルタイムに監視と診断し、診断結果をビッグデータプラットフォームに伝送し、ビッグデータプラットフォームは、情報の記憶と対話を完了し、データ分析モジュールを介してシャーシーバイワイヤの操作行為情報を取得し、監視プラットフォームに伝送し、監視プラットフォームの協調制御モジュールは、ビッグデータプラットフォームにより伝送される情報に基づいて局所最適スキームを生成し、シャーシーバイワイヤに伝送し、シャーシーバイワイヤの基本制御モジュールは、局所最適スキームに基づいて最適な走行ストラテジを形成し、実行モジュールは、最適な走行ストラテジに基づいて車両を制御する。
【0019】
次に、本願は、スマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムの制御方法を更に提供し、
ドライバーは操作信号を発するステップ1)と、
シャーシーバイワイヤの環境検知モジュールの情報とドライバー入力モジュールのセンサ情報を取得するステップ2)と、
基本制御モジュールは、ドライバー入力モジュールのセンサ情報に基づいてドライバーの操作を判断し、ドライバーの操作情報と環境検知モジュールの情報を監視プラットフォームに伝送するステップ3)と、
監視プラットフォームは、シャーシーバイワイヤの情報をリアルタイムに監視と診断し、現在のドライバーの操作は現在の動作状態に適合するか否かを判断し、動作状態に適合する場合は、監視プラットフォームにより取得されたドライバーの操作と環境検知モジュールの情報をビッグデータプラットフォームに伝送し、動作状態に適合しない場合は、監視プラットフォームは、環境検知モジュールの情報に基づいて現在の動作状態に適合するようにドライバーの操作を調整し、環境検知モジュールの情報と調整後のドライバーの操作情報をビッグデータプラットフォームに伝送するステップ4)と、
ビッグデータプラットフォームは、監視プラットフォームにより伝送された操作情報を記憶するステップ5)と、
ビッグデータプラットフォームは、監視プラットフォームにより伝送されたドライバーの操作情報を分析し、監視プラットフォームにおける分析結果として、ドライバーの操作情報は理想的な運転操作である場合は、ドライバーの操作情報を監視プラットフォームにフィードバックし、ドライバーの操作情報の分析結果と理想的な運転操作情報の間に誤差が存在する場合は、データ分析で得られた理想的な運転操作情報を監視プラットフォームにフィードバックするステップ6)と、
監視プラットフォームは、フィードバック情報に基づいて車両のリアルタイムな局所最適スキームを形成し、局所最適スキームを現在の監視プラットフォームにより監視されるシャーシーバイワイヤにフィードバックするステップ7)と、
中央制御ユニットは、局所最適スキームに対応する最適な走行ストラテジを生成し、ステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニット、駆動制御ユニットに伝送し、実行モジュールにおけるモータの出力電流を制御することによって、コントローラは実行モジュールにおける他の実行機構を制御し、車両に対する出力を完了するステップ8)と、を含む。
【0020】
更に、前記ステップ1)では、ドライバーから送信された操作信号は、ステアリング、ブレーキ、駆動、複合操作信号を含み、ここで、複合操作信号は、ステアリングとブレーキ又は駆動の組み合わせである。
【0021】
更に、前記ステップ2)では、センサを介して車両の現在の操舵角とトルク、車輪舵角、ブレーキペダルのストローク、アクセルペダルのストロークを取得し、環境検知モジュールにおける検出装置、測位装置と通信装置を介して現在の動作状態下の車両外部の情報、前方道路交通情報、位置情報、車両と車両の間の通信情報、車両と基地局の間の通信情報を取得する。
【0022】
更に、前記ステップ3)では、ドライバーの操作は、ステアリング、ブレーキ、駆動、複合操作を含み、ここで、複合操作は、ステアリングとブレーキ又は駆動の組み合わせを含む。
【0023】
更に、前記ステップ4)では、いずれかの道路の監視プラットフォームに故障が生じる場合、他のいずれかの道路の監視プラットフォームは、故障した監視プラットフォームのデータ情報を継続に管理し、現在道路内及び故障した監視プラットフォーム道路に対応するシャーシーバイワイヤをリアルタイムに監視と診断し、交通環境情報の安定性を保証する。
【0024】
更に、前記ステップ4)の現在の動作状態は、ステアリング動作状態、ブレーキ動作状態、加速動作状態、ステアリング動作状態とブレーキ動作状態又は加速動作状態の組み合わせ動作状態を含み、そのステアリング動作状態は、カーブ路走行、追越し、車線変更を含み、ブレーキ動作状態は、前方車両が減速し且つ前方車両との距離が交通安全距離以下となる状況、障害物を緊急に回避して停車する状況、車速が速度制限より高い時に速度制限区間を通過する状況を含み、加速動作状態は、車両発進、車速が速度制限より低い時に速度制限区間を通過する状況、追越しを含む。
【0025】
更に、前記ステップ6)では、現在のドライバーの操作と理想的な運転操作の間に誤差が存在し、中央制御ユニットによってステアリング、ブレーキ、駆動制御ユニットを制御することでインホイールモータ、ステアリング実行モータ、ブレーキモータを駆動して追加の制御量を出力することにより、ドライバーの操作と理想的な運転操作の誤差を最小化し、ここで、利用されている制御アルゴリズムはH∞フィードバック制御アルゴリズムであり、具体的には、
ドライバーから出力された操舵角θSWと理想的な操舵角θ*
swの偏差はe1により示され、ドライバーから出力されたブレーキペダル開度pと理想的なブレーキペダル開度p*の偏差はe2により示され、ドライバーから出力されたアクセルペダル開度qと理想的なアクセルペダル開度q*の偏差はe3により示されるステップ61)と、
偏差e1、e2、e3がH∞フィードバックコントローラK(s)の入力であり、フィードバックコントローラK(s)は入力偏差e1、e2、e3に基づいてステアリング実行モータ、ブレーキモータとインホイールモータが出力すべきの追加舵角θ1、θ2、θ3を算出し、中央制御ユニットとステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニット、駆動制御ユニットは、ステアリング実行モータ、ブレーキモータ、インホイールモータをそれぞれ制御して対応する追加舵角θ1、θ2、θ3を出力するステップ62)と、
追加舵角θ1、θ2、θ3はシャーシーバイワイヤシステムに作用され、更に車両の走行状態に影響を与え、同時にドライバーは現在の車両状態に基づいて対応する運転操作を行い、1組の新しい偏差e4、e5、e6を取得するステップ63)と、
偏差ei(i=1,2,3,…)を除去するまでステップ61)-ステップ63)を繰り返すステップ64)と、を含む。
【0026】
更に、前記ステップ8)では、モータは、ステアリング実行モータ、ブレーキモータ、インホイールモータを含み、コントローラは、ステアリングコントローラ、ブレーキコントローラ、駆動コントローラを含み、他の実行機構は、実行モジュールにおける実行モータ、ブレーキモータ、インホイールモータ、ステアリングコントローラ、ブレーキコントローラ、駆動コントローラ以外の実行機構である。
【0027】
本発明の好適な効果は以下の通りである。
【0028】
本発明は、インホイールモータとサスペンションを集積し、エンジン、クラッチなどの従来の構造を廃止し、シャーシーの構造を簡略化させ、モータは直接的に車両の運転を駆動することができ、4つのインホイールモータを介して異なる車輪に異なる駆動、ブレーキ又はトルクを印加して車輪の独立制御を満たし、能動的安全と操作安定性を向上させる。
【0029】
本発明は、スマート交通環境を融合させ、シャーシーバイワイヤをサイバーフィジカルシステムの構成部分とし、検知、計算、通信、制御などの情報技術と自動制御技術を集積し、また、物理空間と情報空間における人、機械、物、環境、情報などの要素を合わせ、スマート車両の「検知-分析-決定-実行」の閉ループを構成することができる。
【0030】
本発明は、シャーシーバイワイヤのセンサと、検出、測位通信装置を介してドライバーの意図及び環境情報を取得し、サイバーフィジカルシステムを介して道路を走行する車両の情報を取得し、スマート交通環境に基づき、より多くのリアルタイムの交通動作状態情報を取得し、従来技術における車両の安全制御に対する情報取得は、本車センサに読み取った運転情報及びレーザー、レーダにより取得された周囲のリアルタイムの動作状態情報のみに基づいて実行され、路面における他の車両の運転行動情報の取得が欠如している欠点を改善する。
【0031】
本発明は、現在の動作状態下の車両の理想的な運転操作動作を分析することができ、シャーシーバイワイヤの中央制御ユニットは理想的な運転操作に基づいて最適な走行ストラテジを取得し、シャーシーバイワイヤは、監視プラットフォームの分析結果に基づいてドライバーの意図を診断し、ステアリング又はブレーキの誤差を補正し、シャーシーバイワイヤによる各モジュールに対する制御により、車両の走行の安全性を向上させる。従来技術において、ドライバーが誤って操作する時、ドライバー監視システムはドライバーに警報を発するだけで、深刻な時に車両を強制的に減速させ又は車両をロックするという欠点を改善する。
【0032】
本発明に係るシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムにおける監視プラットフォームは、ビッグデータプラットフォームによるサポートで相互通信、相互接続、相互操作を実行することができ、シャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムを介して路面上全ての走行している車両の情報に対する監視、診断とデータ分析を行うことができ、交通環境に対する予測の正確性を向上させる。更に、そのうちの1つの監視プラットフォームに故障が生じる場合は、他の監視プラットフォームは適時に当該故障した監視プラットフォームを代わりに動作することができ、スマート交通環境情報入力の安定性を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本願の実施例のシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステム構成図である。
【
図2】本願の実施例のシャーシーバイワイヤの構成図である。
【
図3】本願の実施例の方法を具体的に実施するフローチャートである。
【
図4】実施例H∞フィードバック制御の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
当業者が理解しやすいために、以下、実施例と図面に合わせて本発明を詳細に説明し、実施形態に言及されている内容は本発明を制限するものではない。
【0035】
図1に示すように、本発明のスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムは、SoSレベルCPS、システムレベルCPSとユニットレベルCPSを含み、ネットワークを介して、複数のユニットレベルCPSと1つのシステムレベルCPSの間はデータ伝送を実現し、複数のシステムレベルCPSと1つのSoSレベルCPSの間はデータ伝送を実現し、
【0036】
ユニットレベルCPSは、シャーシーバイワイヤであり、
図2に示すように、ドライバー入力モジュール、基本制御モジュール、実行モジュールと環境検知モジュールを含み、
前記ドライバー入力モジュールは、アクセルペダル及びそのストロークと力センサ、ブレーキペダル及びそのストロークと力センサ、ハンドル及びその舵角とトルクセンサ、車輪舵角センサを含み、ドライバーにより車両に入力する駆動、ブレーキ、ステアリング情報を検知するために用いられ、ドライバーの操作意図の抽出を実現し、
【0037】
前記基本制御モジュールは、各センサに収集したデータを処理し、現在の動作状態に基づいて最適な走行ストラテジを作成し、実行モジュールに伝送し、
前記実行モジュールは、上記基本制御モジュールの最適な走行ストラテジを受信し、車両を操縦するために用いられ、
【0038】
ここで、前記実行モジュールは、車輪、インホイールモータ、ステアリング実行モータ、ステアリングコントローラ、ステアリング軸、伝動軸、ラックアンドピニオンステアリング装置、ステアリングプルロッド、ブレーキコントローラ、ブレーキ実行機構、ブレーキモータ、駆動コントローラ、駆動実行機構を含む。
【0039】
ここで、前記最適な走行ストラテジは、現在の動作状態に適合する実行モジュールの実行状態であり、最適な走行ストラテジは、最適なステアリングストラテジ、最適なブレーキストラテジ、最適な駆動ストラテジ、最適な複合走行ストラテジを含み、前記最適なステアリングストラテジ、最適なブレーキストラテジ、最適な駆動ストラテジは、それぞれステアリング、ブレーキ、駆動などの単一動作状態で作成され、前記最適な複合走行ストラテジは、最適なステアリングストラテジと最適なブレーキストラテジ又は最適な駆動ストラテジの組み合わせであり、前記最適なステアリングストラテジは、ステアリング実行モータの実際エネルギー消費が最も小さいことと、ドライバーにより車輪舵角を補正する必要ないことを含み、前記最適なブレーキストラテジは、ブレーキモータのエネルギー消費が最も小さいことと、ブレーキ実行機構の実行時間が最も短いことと、ブレーキ実行機構が実行する過程にドライバーにより補正する必要ないことを含み、前記最適な駆動ストラテジは、インホイールモータのエネルギー消費が最も小さく且つ駆動実行機構の実行時間が最も短いことと、駆動実行機構が実行する過程にドライバーにより補正する必要ないことを含む。
【0040】
前記環境検知モジュールは、検出装置、測位装置と通信装置を含み、前記検出装置は、車両外部の情報と前方道路交通情報を検知するために用いられ、測位装置は、車両位置を測位するために用いられ、通信装置は、車両と車両の間の通信及び、車両と基地局の間の通信に用いられることで、車両の走行過程にリアルタイムの動作状態情報を取得し、
【0041】
ここで、前記基本制御モジュールは、中央制御ユニット、ステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニット、駆動制御ユニットを含み、前記中央制御ユニットは、ステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニットと駆動制御ユニットを監視と制御するために用いられ、各センサ信号を受信し、車速を算出し、ステアリング、ブレーキと駆動力を割り当てるために用いられる。
【0042】
システムレベルCPSは、監視プラットフォームであり、協調制御モジュール、リアルタイム監視と診断モジュールを含み、同じ道路においてシャーシーバイワイヤを積載する車両の運転行動を監視するために用いられ、
【0043】
前記協調制御モジュールは、監視されるシャーシーバイワイヤのセンサデータと実行モジュールから送信された実行情報を取得するために用いられ、情報対話とリアルタイム分析により現在の動作状態下の局所最適スキームを取得し、基本制御モジュールに制御信号を送信し、前記リアルタイム監視と診断モジュールは、シャーシーバイワイヤを積載する車両の運転状況を監視と診断するために用いられ、
【0044】
SoSレベルCPSは、ビッグデータプラットフォームであり、データ記憶ユニット、データ交換モジュール、データ分析モジュールを含み、インターネットを介して各監視プラットフォームとデータ伝送を行い、
【0045】
前記データ記憶ユニットは、ビッグデータプラットフォームに伝送するデータを記憶するために用いられ、前記データ交換モジュールは、シャーシーバイワイヤ、監視プラットフォームの間のセンサデータ、実行情報の伝送を実現するために用いられ、前記データ分析モジュールは、ビッグデータプラットフォームに伝送するデータを分析し、シャーシーバイワイヤの理想的な動作を取得し、シャーシーバイワイヤの運転操作は理想的な動作であるか否かを判断するために用いられ、
【0046】
更に、前記車両外部の情報は、道路車線、道路上の矢印記号、道端にある道路標識、交通信号機の情報を含む。
【0047】
前記前方道路交通情報は、前方の凹凸障害物、車両、歩行者を含む。
【0048】
前記局所最適スキームは、同じ監視プラットフォームにある全てのシャーシーバイワイヤの走行行為、ステアリング、ブレーキ、駆動、ステアリング且つブレーキ、ステアリング且つ駆動を含む。
【0049】
前記ビッグデータプラットフォームに伝送するデータは、センサデータ、実行情報、車両外部情報、前方道路交通情報、位置情報、車両と車両の通信情報、車両と基地局の通信情報、監視プラットフォームにより生成された局所最適スキームを含む。
【0050】
前記シャーシーバイワイヤの理想的な動作は、理想的な動作データベースにおけるデータであり、理想的な操舵角、理想的なブレーキペダル開度、理想的なアクセルペダル開度を含み、前記理想的な操舵角は、データ分析モジュールにより計画され、所望経路に必要な操舵角の大きさであり、前記理想的なブレーキペダル開度は、データ分析モジュールにより計画され、前方や周囲にある障害物と交通安全距離を保持しながら、ドライバーの運転快適性を保証するブレーキペダル開度であり、前記理想的なアクセルペダル開度は、データ分析モジュールにより計画され、ドライバーの運転快適性を保持しながら、周囲にある障害物と交通安全距離を保証する交通環境速度制限要求に適合するアクセルペダル開度である。
【0051】
前記理想的な動作データベースは、オフラインの同期データベースであり、自動車エンジニアの経験データ、自動車動力学と運動学モデルデータ、交通環境における自動車の走行データによりオフラインで同期に構成され、理想的な動作データベースにおけるデータは、いずれも安全運転とドライバーの快適性を保証する範囲にあり、前記自動車エンジニアの経験データは、ドライバーがステアリング、ブレーキ、駆動、ステアリングとブレーキ又は駆動を実行する場合の運転快適性データを含み、ドライバーがステアリング、ブレーキ、駆動する操作力と車速、加速度の非線形数学モデルデータであり、前記自動車動力学と運動学モデルは、ニュートンの運動の法則により算出されたステアリング、ブレーキ、駆動を実行する時の動力学と運動方程式と、キルヒホッフの法則により算出されたステアリング、ブレーキ、駆動を実行する時のステアリング実行モータ、ブレーキモータ、駆動モータ、インホイールモータの電流方程式を含み、前記交通環境における自動車の走行データは、インターネット接続シャーシーバイワイヤの自動車がインターネットに接続される場合に記憶された運転情報データである。更に、前記ドライバー入力モジュール、基本制御モジュール、実行モジュールの間のステアリング接続関係は、操舵角とトルクセンサはハンドルに集積され、ハンドルはステアリング軸を介して伝動軸に接続され、伝動軸はラックアンドピニオンステアリング装置に接続され、ラックアンドピニオンステアリング装置はステアリングプルロッドに接続され、ステアリング実行モータは伝動軸に固定され、ハンドルを回す時に舵角とトルクセンサが動作し、ステアリングコントローラは、操舵角とトルク、車輪舵角情報を収集してステアリング制御ユニットに伝送し、ステアリング制御ユニットは、センサ情報に基づいてステアリング実行モータの電流出力を制御し、更に伝動軸のステアリングを制御し、ステアリングコントローラはインホイールモータに接続され、4つの車輪の回転を制御する。
【0052】
前記ドライバー入力モジュール、基本制御モジュール、実行モジュールの間のブレーキ接続関係は、ブレーキペダルを踏み込む時、ブレーキペダルのストロークと力センサが動作し、ブレーキコントローラは、ブレーキペダルのストロークと力センサ情報を収集してブレーキ制御ユニットに伝送し、ブレーキ制御ユニットは、センサ情報に基づいてブレーキモータの電流出力を制御し、更にブレーキ実行機構の実行状態を制御し、車両に対するブレーキを実現し、ブレーキコントローラは、インホイールモータに接続され、ブレーキする時の車輪の回転状態を制御する。
【0053】
前記ドライバー入力モジュール、基本制御モジュール、実行モジュールの間の駆動接続関係は、アクセルペダルを踏み込む時、アクセルペダルのストロークと力センサが動作し、駆動コントローラは、アクセルペダルのストロークと力センサ情報を収集して駆動制御ユニットに伝送し、駆動制御ユニットは、センサ情報に基づいて駆動実行機構の実行状態を制御し、車両に対する駆動を実現し、駆動コントローラは、車輪のインホイールモータに接続され、車輪を加速させる時の回転状態を制御する。
【0054】
前記インホイールモータは、左前輪インホイールモータ、右前輪インホイールモータ、左後輪インホイールモータ、右後輪インホイールモータを含み、4つのインホイールモータは、それぞれ対応する4つの車輪ハブの内部に集積され、車輪を駆動するために用いられる。
【0055】
シャーシーバイワイヤ、監視プラットフォーム、ビッグデータプラットフォームはインターネットを介してデータ伝送を実行し、
【0056】
前記データ伝送の過程では、シャーシーバイワイヤは、ドライバーが運転操作を完了した後にドライバーの操作情報と環境情報を取得し、監視プラットフォームに伝送し、監視プラットフォームのリアルタイム監視と診断モジュールは、シャーシーバイワイヤにより伝送されるドライバーの操作情報と環境情報をリアルタイムに監視と診断し、診断結果をビッグデータプラットフォームに伝送し、ビッグデータプラットフォームは、情報の記憶と対話を完了し、データ分析モジュールを介してシャーシーバイワイヤの操作行為情報を取得し、監視プラットフォームに伝送し、監視プラットフォームの協調制御モジュールは、ビッグデータプラットフォームにより伝送される情報に基づいて局所最適スキームを生成し、シャーシーバイワイヤに伝送し、シャーシーバイワイヤの基本制御モジュールは、局所最適スキームに基づいて最適な走行ストラテジを形成し、実行モジュールは、最適な走行ストラテジに基づいて車両を制御する。
【0057】
図3に示すように、本実施例は、上記システムに基づくスマート交通環境におけるシャーシーバイワイヤのサイバーフィジカルシステムの制御方法を更に提供し、具体的なステップは以下を含む。
【0058】
ステップ1)は、ドライバーは操作信号を送信し、ドライバーから送信された信号は、ステアリング、ブレーキ、駆動、複合操作信号を含み、ここで、複合操作信号は、ステアリングとブレーキ又は駆動の組み合わせである。
【0059】
ステップ2)は、シャーシーバイワイヤの環境検知モジュールの情報とドライバー入力モジュールのセンサ情報を取得し、
【0060】
前記ステップ2)では、センサを介して車両の現在の操舵角とトルク、車輪舵角、ブレーキペダルのストローク、アクセルペダルのストロークを取得し、環境検知モジュールにおける検出装置、測位装置と通信装置を介して現在の動作状態下の車両外部の情報、前方道路交通情報、位置情報、車両と車両の間の通信情報、車両と基地局の間の通信情報を取得する。
【0061】
ステップ3)は、基本制御モジュールは、ドライバー入力モジュールのセンサ情報に基づいてドライバーの操作を判断し、ドライバーの操作情報と環境検知モジュールの情報を監視プラットフォームに伝送し、ドライバーの操作は、ステアリング、ブレーキ、駆動、複合操作を含み、ここで、複合操作は、ステアリングとブレーキ又は駆動の組み合わせを含む。
【0062】
ステップ4)は、監視プラットフォームは、ネットワークを介してシャーシーバイワイヤの情報をリアルタイムに監視と診断し、現在のドライバーの操作は現在の動作状態に適合するか否かを判断し、動作状態に適合する場合は、監視プラットフォームにより取得されたドライバーの操作と環境検知モジュールの情報をビッグデータプラットフォームに伝送し、動作状態に適合しない場合は、監視プラットフォームは、環境検知モジュールの情報に基づいて現在の動作状態に適合するようにドライバーの操作を調整し、環境検知モジュールの情報と調整後のドライバーの操作情報をビッグデータプラットフォームに伝送し、
【0063】
前記ステップ4)では、いずれかの道路の監視プラットフォームに故障が生じる場合、他のいずれかの道路の監視プラットフォームは、故障した監視プラットフォームのデータ情報を継続に管理し、現在道路内及び故障した監視プラットフォーム道路に対応するシャーシーバイワイヤをリアルタイムに監視と診断し、交通環境情報の安定性を保証し、
【0064】
前記ステップ4)の現在の動作状態は、ステアリング動作状態、ブレーキ動作状態、加速動作状態、ステアリング動作状態とブレーキ動作状態又は加速動作状態の組み合わせ動作状態を含み、そのステアリング動作状態は、カーブ路走行、追越し、車線変更を含み、ブレーキ動作状態は、前方車両が減速し且つ前方車両との距離が交通安全距離以下となる状況、障害物を緊急に回避して停車する状況、車速が速度制限より高い時に速度制限区間を通過する状況を含み、加速動作状態は、車両発進、車速が速度制限より低い時に速度制限区間を通過する状況、追越しを含み、
【0065】
ステップ5)は、ビッグデータプラットフォームは、監視プラットフォームにより伝送された操作情報を記憶し、
【0066】
ステップ6)は、ビッグデータプラットフォームは、監視プラットフォームにより伝送されたドライバーの操作情報を分析し、監視プラットフォームにおける分析結果として、ドライバーの操作情報は理想的な運転操作である場合は、ドライバーの操作情報を監視プラットフォームにフィードバックし、ドライバーの操作情報の分析結果と理想的な運転操作情報の間に誤差が存在する場合は、データ分析で得られた理想的な運転操作情報を監視プラットフォームにフィードバックし、
【0067】
前記ステップ6)では、現在のドライバーの操作と理想的な運転操作の間に誤差が存在し、中央制御ユニットによってステアリング、ブレーキ、駆動制御ユニットを制御することでインホイールモータ、ステアリング実行モータ、ブレーキモータを駆動して追加の制御量を出力することにより、ドライバーの操作と理想的な運転操作の誤差を最小化し、ここで、利用されている制御アルゴリズムはH∞フィードバック制御アルゴリズムであり、
図4に示すように、具体的には、
【0068】
ドライバーから出力された操舵角θSWと理想的な操舵角θ*
swの偏差はe1により示され、ドライバーから出力されたブレーキペダル開度pと理想的なブレーキペダル開度p*の偏差はe2により示され、ドライバーから出力されたアクセルペダル開度qと理想的なアクセルペダル開度q*の偏差はe3により示されるステップ61)と、
【0069】
偏差e1、e2、e3がH∞フィードバックコントローラK(s)の入力であり、フィードバックコントローラK(s)は入力偏差e1、e2、e3に基づいてステアリング実行モータ、ブレーキモータとインホイールモータが出力すべきの追加舵角θ1、θ2、θ3を算出し、中央制御ユニットとステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニット、駆動制御ユニットは、ステアリング実行モータ、ブレーキモータ、インホイールモータをそれぞれ制御して対応する追加舵角θ1、θ2、θ3を出力するステップ62)と、
【0070】
追加舵角θ1、θ2、θ3はシャーシーバイワイヤシステムに作用され、更に車両の走行状態に影響を与え、同時にドライバーは現在の車両状態に基づいて対応する運転操作を行い、1組の新しい偏差e4、e5、e6を取得するステップ63)と、
【0071】
偏差ei(i=1,2,3,…)を除去するまで、ステップ61)-ステップ63)を繰り返すステップ64)と、を含む。
【0072】
ステップ7)は、監視プラットフォームは、フィードバック情報に基づいて車両のリアルタイムな局所最適スキームを形成し、インターネットにより局所最適スキームを現在の監視プラットフォームにより監視されるシャーシーバイワイヤにフィードバックし、
【0073】
ステップ8)は、中央制御ユニットは、局所最適スキームに対応する最適な走行ストラテジを生成し、ステアリング制御ユニット、ブレーキ制御ユニット、駆動制御ユニットに伝送し、実行モジュールにおけるモータの出力電流を制御することによって、コントローラは実行モジュールにおける他の実行機構を制御し、車両に対する出力を完了し、
【0074】
前記ステップ8)では、モータは、ステアリング実行モータ、ブレーキモータ、インホイールモータを含み、コントローラは、ステアリングコントローラ、ブレーキコントローラ、駆動コントローラを含み、他の実行機構は、実行モジュールにおける実行モータ、ブレーキモータ、インホイールモータ、ステアリングコントローラ、ブレーキコントローラ、駆動コントローラ以外の実行機構である。
【0075】
本発明は、具体的な応用形態が多く、上記内容は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、指摘すべきことは、当業者にとって、本発明の原理を逸脱しない限り、更にいくつかの改善を行ってもよく、これらの改善は本発明の特許請求の範囲と見なされるべきであることである。