(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】コックピットシステム調節装置及びコックピットシステム調節方法
(51)【国際特許分類】
B60K 35/232 20240101AFI20240729BHJP
B60R 21/015 20060101ALI20240729BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240729BHJP
G09G 5/08 20060101ALI20240729BHJP
H04N 13/346 20180101ALI20240729BHJP
H04N 13/363 20180101ALI20240729BHJP
H04N 13/366 20180101ALI20240729BHJP
H04N 13/128 20180101ALI20240729BHJP
G06T 7/70 20170101ALI20240729BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240729BHJP
【FI】
B60K35/232
B60R21/015 311
G09G5/00 550C
G09G5/00 550D
G09G5/00 550X
G09G5/08 D
H04N13/346
H04N13/363
H04N13/366
H04N13/128
G06T7/70 A
G06T7/00 660A
G09G5/00 X
(21)【出願番号】P 2022569182
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2021093205
(87)【国際公開番号】W WO2021228112
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】202010412998.1
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】匡 立
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲シュ▼悦
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲師▼▲華▼
【審査官】角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】特許第5992130(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2012/0154441(US,A1)
【文献】国際公開第2019/176878(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/002312(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00 -37/20
G09G 5/00 - 5/36
5/377- 5/42
B60R 21/015
G02B 27/01
G01C 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コックピットシステム調節装置であって、コックピットシステムはヘッドアップディスプレイHUDデバイスとシートデバイスとを備え、前記装置は、
ユーザに対して複数の拡張現実AR較正点を表示するように前記HUDデバイスを制御するように構成される較正制御モジュールと、
前記複数のAR較正点を前記ユーザが目視するときに生じるユーザ画像を取得するように構成される画像取得モジュールと、
前記ユーザ画像と前記複数のAR較正点の位置情報とに基づいて、前記ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するように構成される処理モジュールであって、前記コックピットシステム設定情報がHUDデバイス設定パラメータとシートデバイス設定パラメータとを備える、処理モジュールとを備え
、
前記処理モジュールが前記ユーザ画像と前記複数のAR較正点の前記位置情報とに基づいて、前記ユーザに適用可能な前記コックピットシステム設定情報を決定することは、
前記処理モジュールが、前記複数のAR較正点を前記ユーザが目視するときに生じる視認角度情報と、前記ユーザの高さ情報とを決定することと、
前記処理モジュールが前記高さ情報に基づいて前記ユーザの全高及び脚の長さを決定することと、
前記処理モジュールが前記視認角度情報に基づいて前記ユーザからステアリングホイールまでの奥行きを決定することと、
前記処理モジュールが、前記視認角度情報、前記全高、前記脚の長さ及び前記奥行きに基づいて、前記ユーザに適用可能な前記コックピットシステム設定情報を決定することとを含む、装置。
【請求項2】
前記処理モジュールは、
前記ユーザ画像に対して画像解析処理とヒューマンアイトラッキング処理とを実行することによって前記複数のAR較正点の前記位置情報に基づいて前記視認角度情報と前記高さ情報とを決定するように特に構成される、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理モジュールは、
前記視認角度情報、前記全高、前記脚の長さ及び前記奥行きを、コックピットシステム設定情報ベース中の予め記憶されたコックピットシステム設定情報と比較することによって取得される偏差値に基づいて、前記ユーザに適用可能な前記コックピットシステム設定情報を決定するように特に構成される、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、前記ユーザに適用可能な前記コックピットシステム設定情報と、前記ユーザの識別情報とをユーザ識別情報ベースに記憶するように構成される記憶モジュールをさらに備える、請求項1から
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記識別情報は顔情報を備え、処理モジュールは、
前記ユーザの前記顔情報を取得し、
前記顔情報と前記ユーザ識別情報ベースとに基づいて、前記ユーザに適用可能でありかつ前記顔情報に合致する前記コックピットシステム設定情報を探索するようにさらに構成され、
前記装置は、前記HUDデバイス設定パラメータと前記シートデバイス設定パラメータとに基づいて前記HUDデバイスと前記シートデバイスとを調節するように構成されるデバイス制御モジュールをさらに備える、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
前記HUDデバイス設定パラメータは空間光変調器SLM設定パラメータ、散乱スクリーン設定パラメータ、映像源設定パラメータ及び投影システム平行移動設定パラメータの少なくとも1つを備える、請求項1から
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
コックピットシステム調節方法であって、前記コックピットシステムはヘッドアップディスプレイHUDデバイスとシートデバイスとを備え、前記方法は、
ユーザに対して複数の拡張現実AR較正点を表示するように前記HUDデバイスを制御するステップと、
前記複数のAR較正点を前記ユーザが目視するときに生じる視認角度情報を取得するステップと、
前記視認角度情報に基づいて、前記ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するステップであって、前記コックピットシステム設定情報はHUDデバイス設定パラメータとシートデバイス設定パラメータとを含む、ステップとを含
み、
前記複数のAR較正点を前記ユーザが目視するときに生じる視認角度情報を取得する前記ステップは、
前記複数のAR較正点を前記ユーザが目視するときに生じる前記視認角度情報と、前記ユーザの高さ情報とを取得するステップを含み、
前記視認角度情報に基づいて、前記ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定する前記ステップは、
前記高さ情報に基づいて前記ユーザの全高及び脚の長さを決定するステップと、
前記視認角度情報に基づいて前記ユーザからステアリングホイールまでの奥行きを決定するステップと、
前記視認角度情報、前記全高、前記脚の長さ及び前記奥行きに基づいて、前記ユーザに適用可能な前記コックピットシステム設定情報を決定するステップとを含む、方法。
【請求項8】
前記複数のAR較正点を前記ユーザが目視するときに生じる視認角度情報を取得する前記ステップは、
前記複数のAR較正点を前記ユーザが目視するときに生じるユーザ画像を取得するステップと、
前記ユーザ画像と前記複数のAR較正点の位置情報とに基づいて、前記複数のAR較正点を前記ユーザが目視するときに生じる前記視認角度情報を決定するステップとを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザ画像と前記複数のAR較正点の位置情報とに基づいて、前記複数のAR較正点を前記ユーザが目視するときに生じる前記視認角度情報を決定する前記ステップは、
前記ユーザ画像に対して画像解析処理とヒューマンアイトラッキング処理とを実行することによって前記複数のAR較正点の前記位置情報に基づいて前記視認角度情報を決定するステップを含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記視認角度情報、前記全高、前記脚の長さ及び前記奥行きに基づいて、前記ユーザに適用可能な前記コックピットシステム設定情報を決定する前記ステップは、
前記視認角度情報、前記全高、前記脚の長さ及び前記奥行きを、コックピットシステム設定情報ベース中の予め記憶されたコックピットシステム設定情報と比較することによって取得される偏差値に基づいて、前記ユーザに適用可能な前記コックピットシステム設定情報を決定するステップを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記ユーザに適用可能な前記コックピットシステム設定情報と、前記ユーザの識別情報とをユーザ識別情報ベースに記憶するステップをさらに含む、請求項
7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記識別情報は顔情報を備え、前記方法は、
前記ユーザの前記顔情報を取得するステップと、
前記顔情報と前記ユーザ識別情報ベースとに基づいて、前記ユーザに適用可能でありかつ前記顔情報に合致する前記コックピットシステム設定情報を探索するステップと、
前記HUDデバイス設定パラメータと前記シートデバイス設定パラメータとに基づいて前記HUDデバイスと前記シートデバイスとを調節するステップとをさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記HUDデバイス設定パラメータは空間光変調器SLM設定パラメータ、散乱スクリーン設定パラメータ、映像源設定パラメータ及び投影システム平行移動設定パラメータの少なくとも1つを備える、請求項
7から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
コックピットシステムであって、前記コックピットシステムが請求項1から
6のいずれか一項に記載のコックピットシステム調節装置と、ヘッドアップディスプレイHUDデバイスと、シートデバイスとを備える、コックピットシステム。
【請求項15】
コンピュータプログラムを記憶するように構成されるコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは請求項
7から13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される指示を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
請求項
14に記載のコックピットシステムを備える、輸送手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年5月15日に中国国家知識産権局に出願され、名称が‘‘COCKPIT SYSTEM ADJUSTMENT APPARATUS AND COCKPIT SYSTEM ADJUSTMENT METHOD’’である中国特許出願第202010412998.1号の優先権を主張し、本中国特許出願の全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本出願は、車内システムの分野に関し、特に、コックピットシステム調節装置及びコックピットシステム調節方法に関する。
【背景技術】
【0003】
運転者は、輸送手段のシートデバイスが様々な高さ及び体重に対応するように自動的に調節されて最適な運転快適性が実現されることが可能であることを期待する。既存の解決手段では、運転者の高さ、体重及び空間的相対位置などの情報は通常、ヒューマンアイトラッキングや追加補助検出(たとえば、赤外線検出及び/又は圧力感知)などの技術を用いて取得され、これに応じて運転快適性が改善されるようにシートデバイスが調節される。
【0004】
既存の解決手段では、運転快適性を改善するようにシートデバイスを自動的に調節することにしか注目していない。しかし、今日、ヘッドアップディスプレイ(head-up display,HUD)デバイスを有する輸送手段がますます多くなっている。最適な運転快適性を実現するようにシートデバイスを自動的に調節することに加えて、運転者は最適な視認効果を実現するようにHUDデバイスが自動的に調節されることが可能であることを期待する。HUDデバイス、シートデバイスなどはまとめてコックピット(cockpit)システムと称される場合がある。今日のコックピットシステム調節装置も、今日のコックピットシステム調節方法も、運転者の2つの期待を同時に満たすことができない。
【発明の概要】
【0005】
本出願によってコックピットシステム調節装置とコックピットシステム調節方法とが提供され、これにより、優れた視認効果と高い運転快適性とをユーザが同時に実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係れば、コックピットシステム調節装置が提供され、本装置は、ユーザに対して複数のAR較正点を表示するようにHUDデバイスを制御するように構成される較正制御モジュールと、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じるユーザ画像を取得するように構成される画像取得モジュールと、ユーザ画像と、複数のAR較正点の位置情報とに基づいて、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じる視認角度情報と、ユーザの高さ情報とを決定し、視認角度情報と高さ情報とに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するように構成される処理モジュールとを含む。コックピットシステム設定情報はHUDデバイス設定パラメータとシートデバイス設定パラメータとを含む。
【0007】
第1の態様のコックピットシステム調節装置は、ユーザに対して複数のAR較正点を表示し、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じるユーザ画像を取得し、ユーザ画像に基づいて視認角度情報とユーザの高さ情報とを決定し、視認角度情報と高さ情報とに基づいて、ユーザに適用可能であるHUDデバイス設定パラメータ及びシートデバイス設定パラメータを決定し、これにより、優れた視認効果と高い運転快適性とをユーザが同時に実現することができる。これに加えて、追加の赤外線検出や圧力感知デバイスが必要ない。これにより、システムコストを下げることができる。
【0008】
複数のAR較正点が、走行安全性を改善する目的で特定の位置に与えられる較正点であってもよいことが当然分かる。この場合、決定されたコックピットシステム設定情報は走行安全性を改善するのに有用である。
【0009】
第1の態様の可能な実現例では、処理モジュールは、ユーザ画像に対して画像解析処理とヒューマンアイトラッキング処理とを実行することによって複数のAR較正点の位置情報に基づいて視認角度情報と高さ情報とを決定するように特に構成されてもよい。この可能な実現例では、ユーザ画像と、複数のAR較正点の位置情報と、画像解析やヒューマンアイトラッキングなどのアルゴリズムとに基づいて、その後の計算に用いられる視認角度や高さなどの情報が画像から容易かつ迅速に抽出されることが可能である。
【0010】
人間の眼の位置、AR較正点の位置、視認角度や奥行きなどのいくつかの値の間に三角形の幾何学的関係があることが当然分かる。三角形の幾何学的関係に基づいて視認角度情報と、ユーザからステアリングホイールまでの奥行きとが決定されてもよい。
【0011】
第1の態様の可能な実現例では、処理モジュールは、高さ情報に基づいてユーザの全高及び脚の長さを決定し、視認角度情報に基づいてユーザからステアリングホイールまでの奥行きを決定し、視認角度情報、全高、脚の長さ及び奥行きに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するように特に構成されてもよい。視認角度情報はユーザの視認快適性を主に表わし、全高、脚の長さ及び奥行きはユーザの運転快適性を決定する。したがって、視認角度情報、全高、脚の長さ及び奥行きに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報が正確に決定されることが可能である。
【0012】
第1の態様の可能な実現例では、処理モジュールは、視認角度情報、全高、脚の長さ及び奥行きを、コックピットシステム設定情報ベース中の予め記憶されたコックピットシステム設定情報と比較することによって取得される偏差値に基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するように特に構成されてもよい。実際のコックピットシステムでは、ユーザの最適な視認位置と最も快適な運転位置とは通常異なる。本実現例では、最適な視認位置にいる運転者の視認角度と、最も快適な運転位置にいる運転者の全高、脚の長さ及び奥行きのパラメータとが事前の実験による記録を用いて取得されてもよい。視認角度誤差関数と快適運転位置誤差関数とが、これらの2つの誤差関数の合計が最小になるように適宜設計されてもよい。このようにして、視認効果と運転快適性との最適なバランスがとられた位置が見つかる。
【0013】
第1の態様の可能な実現例では、本装置は、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報と、ユーザの識別情報とをユーザ識別情報ベースに記憶するように構成される記憶モジュールをさらに含む。本実現例では、ユーザが次回に用いるために情報を探索するのに都合がよくなり得るように、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報と、ユーザの識別情報とがユーザ識別情報ベースに記録される。
【0014】
第1の態様の可能な実現例では、識別情報は顔情報を含む。処理モジュールは、ユーザの顔情報を取得し、顔情報とユーザ識別情報ベースとに基づいて、ユーザに適用可能でありかつ顔情報に合致するコックピットシステム設定情報を探索するようにさらに構成される。本装置は、ユーザに適用可能なHUDデバイス設定パラメータ及びシートデバイス設定パラメータに基づいてHUDデバイスとシートデバイスとを調節するように構成されるデバイス制御モジュールをさらに含む。本実現例では、ユーザの顔情報が取得される。ユーザ識別情報ベースが合致する顔情報を含む場合、較正が重ねて実行される必要がなく、ユーザに適用可能でありかつ顔情報に合致するコックピットシステム設定情報が直ちにかつ迅速に探索されることが可能である。
【0015】
第1の態様の可能な実現例では、HUDデバイス設定パラメータは空間光変調器SLM設定パラメータ、散乱スクリーン設定パラメータ、映像源設定パラメータや投影システム平行移動設定パラメータの少なくとも1つを含む。散乱スクリーン設定パラメータは散乱スクリーンの回転角度を含んでもよい。映像源設定パラメータはサイズ、輝度や映像源の位置などの映像源の映像化パラメータを含んでもよい。投影システム平行移動設定パラメータは空間における投影システムの上下の平行移動、左右の平行移動や前後の平行移動に関係するパラメータを含んでもよい。シートデバイス設定パラメータはシートの高さ、前後位置、左右位置及び傾斜角度の少なくとも1つを含んでもよい。
【0016】
第2の態様に係れば、コックピットシステム調節方法が提供される。コックピットシステムはヘッドアップディスプレイHUDデバイスとシートデバイスとを含む。本方法は、ユーザに対して複数の拡張現実AR較正点を表示するようにHUDデバイスを制御するステップと、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じるユーザ画像を取得するステップと、ユーザ画像と複数のAR較正点の位置情報とに基づいて、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じる視認角度情報と、ユーザの高さ情報とを決定するステップと、視認角度情報と高さ情報とに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するステップとを含む。コックピットシステム設定情報はHUDデバイス設定パラメータとシートデバイス設定パラメータとを含む。
【0017】
第2の態様の可能な実現例では、ユーザ画像と複数のAR較正点の位置情報とに基づいて、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じる視認角度情報とユーザの高さ情報とを決定するステップは、ユーザ画像に対して画像解析処理とヒューマンアイトラッキング処理とを実行することによって複数のAR較正点の位置情報に基づいて視認角度情報と高さ情報とを決定するステップを含む。
【0018】
第2の態様の可能な実現例では、視認角度情報と高さ情報とに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するステップは、高さ情報に基づいてユーザの全高及び脚の長さを決定するステップと、視認角度情報に基づいてユーザからステアリングホイールまでの奥行きを決定するステップと、視認角度情報、全高、脚の長さ及び奥行きに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するステップとを含む。
【0019】
第2の態様の可能な実現例では、視認角度情報、全高、脚の長さ及び奥行きに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するステップは、視認角度情報、全高、脚の長さ及び奥行きを、コックピットシステム設定情報ベース中の予め記憶されたコックピットシステム設定情報と比較することによって取得される偏差値に基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するステップを含む。
【0020】
第2の態様の可能な実現例では、本方法は、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報と、ユーザの識別情報とをユーザ識別情報ベースに記憶するステップをさらに含む。
【0021】
第2の態様の可能な実現例では、識別情報は顔情報を含む。本方法は、ユーザの顔情報を取得するステップと、顔情報とユーザ識別情報ベースとに基づいて、ユーザに適用可能でありかつ顔情報に合致するコックピットシステム設定情報を探索するステップと、HUDデバイス設定パラメータとシートデバイス設定パラメータとに基づいてHUDデバイスとシートデバイスとを調節するステップとをさらに含む。
【0022】
第3の態様に係れば、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムが、第2の態様又は第2の態様の可能な実現例のいずれか1つの方法を実行するための指示を含む、ように構成されるコンピュータ可読媒体が提供される。
【0023】
第4の態様に係れば、コックピットシステムが提供され、コックピットシステムは第1の態様又は第1の態様の可能な実現例のいずれか1つのコックピットシステム調節装置と、ヘッドアップディスプレイHUDデバイスと、シートデバイスとを含む。
【0024】
本出願の技術的解決手段は、車両に適用されてもよいし、航空機、宇宙飛翔体や船舶などの他の輸送手段に適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】本出願の一実施形態に係るコックピットシステム調節装置の概略ブロック図である。
【
図3】本出願の一実施形態に係るコックピットシステム調節装置が用いられる場面の概略図である。
【
図4】片眼で視認する場合に人間の眼の位置が左右に平行移動する際の異なるAR較正点の視認角度の概略図である。
【
図5】片眼で視認する場合に人間の眼の位置が前後に平行移動する際の異なるAR較正点の視認角度の概略図である。
【
図6】本出願の一実施形態に係るコックピットシステム調節プロセスの概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態に係るコックピットシステム調節方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して本出願の技術的解決手段を説明する。
【0027】
図1はHUD想定例の概略図である。本出願のHUDデバイスは拡張現実(augmented reality,AR)に基づくHUDデバイスである。
図1に示されているように、HUDデバイスはウインドシールドの近傍に設置されてもよい。HUD想定例では、運転者又は前席搭乗者の前方で、対象A及び対象B(たとえば、先行している車両や、近くを歩行する歩行者)がウインドシールドの外側に存在すると仮定する。HUDデバイスは、ウインドシールドや、ウインドシールドの近傍にあるガラス、反射体など(本出願では光反射モジュールとまとめて称される)を用いてウインドシールドの外側で走行速度を映像化し、走行方向を映像化し、対象Aの関連情報の虚像及び対象Bの関連情報の虚像を結像して、運転者が頭を下げたり頭を回したりせずに走行情報を見るのを支援することができる。本出願では、光反射部がウインドシールドである例が以下の説明に用いられる。
【0028】
既存の解決手段は、運転快適性が改善されるようにコックピットシステムのシートデバイスを自動的に調節することしかしないものである。コックピットシステムがHUDデバイスをさらに含む場合、運転者は最適な視認効果が実現されるようにHUDデバイスが自動的に調節されることが可能であることをさらに期待する。今日のコックピットシステム調節装置も、今日のコックピットシステム調節方法も、運転者の2つの期待を同時に満たすことができない。これに加えて、既存の解決手段では、運転者の高さ、体重及び空間的相対位置などの情報は通常、ヒューマンアイトラッキングや追加補助検出(たとえば、赤外線検出及び/又は圧力感知)などの技術を用いて取得され、これに応じて運転快適性が改善されるようにシートデバイスが調節される。赤外線検出及び/又は圧力感知に用いられるデバイスはステアリングホイールに対する運転者の奥行きを取得するように構成され、当該デバイスのシステムコストは高くなる。
【0029】
上記の課題に対して、添付の図面を参照して、以下、本出願で提供されるコックピットシステム調節装置及びコックピットシステム調節方法を詳細に説明する。
【0030】
本出願の技術的解決手段を自動車分野、航空宇宙分野や航法分野に適用することができることが当然分かる。たとえば、本出願の技術的解決手段は、車両に適用されてもよいし、航空機、宇宙飛翔体や船舶などの他の輸送手段に適用されてもよい。本出願の実施形態ではこれは限定されない。本出願では、車両、航空機、宇宙飛翔体、船舶などは輸送手段とまとめて称されている。以下、説明のために例として車両を用いる。
【0031】
本出願では、コックピットシステム調節装置が提供される。コックピットシステムはHUDデバイスとシートデバイスとを含む。
図2は本出願の一実施形態に係るコックピットシステム調節装置200の概略ブロック図である。
図2に示されているように、コックピットシステム調節装置200は較正制御モジュール210と画像取得モジュール220と処理モジュール230とを含む。較正制御モジュール210は、ユーザに対して複数の拡張現実(augmented reality,AR)較正点を表示するようにHUDデバイスを制御するように構成されており、画像取得モジュール220は、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じるユーザ画像を取得するように構成されており、処理モジュール230は、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じるユーザ画像と、複数のAR較正点の位置情報とに基づいて、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じる視認角度情報と、ユーザの高さ情報とを決定し、視認角度情報と高さ情報とに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するように構成されている。コックピットシステム設定情報はHUDデバイス設定パラメータとシートデバイス設定パラメータとを含む。
【0032】
本出願の本実施形態のコックピットシステム調節装置は、ユーザに対して複数のAR較正点を表示し、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じるユーザ画像を取得し、ユーザ画像に基づいて視認角度情報とユーザの高さ情報とを決定し、視認角度情報と高さ情報とに基づいて、ユーザに適用可能であるHUDデバイス設定パラメータ及びシートデバイス設定パラメータを決定し、これにより、優れた視認効果と高い運転快適性とをユーザが同時に実現することができる。これに加えて、追加の赤外線検出や圧力感知デバイスが必要ない。これにより、システムコストを下げることができる。
【0033】
図3は本出願の本実施形態に係るコックピットシステム調節装置が用いられる場面の概略図である。
図3に示されているように、ユーザ(運転者)が運転席(ステアリングホイールの後ろにある)に着座しており、ユーザからステアリングホイールまでの奥行きがユーザとステアリングホイールとの水平方向の距離として理解されてもよい。たとえば、奥行きはステアリングホイールの中心からユーザの胴体までの水平方向の距離であってもよいし、奥行きはステアリングホイールの中心からユーザの眼までの距離であってもよいし、奥行きは別の値であってもよい。本出願ではこれは限定されない。本出願の本実施形態のコックピットシステム調節装置の画像取得モジュールがユーザを撮影するのに有用なようにウインドシールドの上部中央部分や、車両の上部に設置されてもよい。本出願ではこれは限定されない。HUDデバイスはウインドシールドに当てて複数のAR較正点の虚像(投影)を生成して、特定の仕方でユーザに目視することを促す。画像取得モジュールは、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じるユーザ画像をその後の解析及び処理のために取得する。
【0034】
本出願のいくつかの実施形態では、較正制御モジュール210は、HUDデバイスに指示を送って、複数のAR較正点を表示するようにHUDデバイスに指示する。複数のAR較正点は、ユーザの最適な視認角度を決定する目的で特定の位置に与えられる較正点であってもよいし、走行安全性を改善する目的で特定の位置に与えられる較正点であってもよいし、上記の2つの目的で特定の位置に与えられる較正点であってもよいし、別の目的で特定の位置に与えられる較正点であってもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0035】
特に、複数のAR較正点は、ウインドシールドの上、下、左及び右という4つの位置に分布させた較正点であってもよい。これの代わりに、複数のAR較正点は、ウインドシールド上の円に均等に分布させたり不均等に分布させたりした複数の較正点であってもよい。これの代わりに、複数のAR較正点は、別の形態で配置された複数の較正点であってもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0036】
本出願の本実施形態では、複数のAR較正点を個別に目視することをユーザに促すために、テキストやマークがウインドシールドに表示されてもよい。本出願の本実施形態では、AR較正点を目視することをユーザに促すために、複数のAR較正点の所定のAR較正点の形態が変化してもよい。たとえば、特定のAR較正点がより明るく表示されたり、特定のAR較正点が点滅することが有効にされたりする。本出願の本実施形態では、複数のAR較正点を個別に目視することをユーザに促すのに音声ガイダンスが用いられてもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0037】
本出願のいくつかの実施形態では、画像取得モジュール220が車内組込み式カメラ、一般的なカメラや別の撮影装置であってもよい。本出願ではこれは限定されない。画像取得モジュール220によって取得されるユーザ画像は複数の画像であってもよいし、1つ以上の動画であってもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0038】
本出願のいくつかの実施形態では、処理モジュール230がユーザ画像と複数のAR較正点の位置情報とに基づいて、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じる視認角度情報と、ユーザの高さ情報とを決定することは、ユーザ画像に対して画像解析処理とヒューマンアイトラッキング(視線追跡とも称される)処理とを実行することによって複数のAR較正点の位置情報に基づいて視認角度情報と高さ情報とを決定することを含んでもよい。ヒューマンアイトラッキングは従来の技術に基づいて実施されてもよく、たとえば、ヒューマンアイトラッキングアルゴリズムに基づいて実施されてもよい。本記載では詳細を説明しない。画像解析やヒューマンアイトラッキングなどのアルゴリズムに基づいて、その後の計算に用いられる視認角度や高さなどの情報が画像から容易かつ迅速に抽出されることが可能である。複数のAR較正点の位置情報は較正制御モジュール210によって決定されて処理モジュール230に送られてもよいし、コックピットシステム調節装置200に予め記憶されてもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0039】
画像の関連情報が画像解析処理やヒューマンアイトラッキング処理を通じて取得されてもよい。たとえば、顔情報が顔認識アルゴリズムにしたがって取得されてもよい。顔認識アルゴリズムは固有顔(eigenface)アルゴリズム、ローカルバイナリパターン(local binary patterns,LBP)アルゴリズムやニューラルネットワーク(neural networks,NN)アルゴリズムなどの既存のアルゴリズムであってもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0040】
人間の眼(瞳孔)位置、瞳孔間距離などがヒューマンアイトラッキングアルゴリズムにしたがって取得されてもよく、その後、視認角度情報と、ユーザからステアリングホイールまでの奥行きとがAR較正点の位置情報に基づいて計算を通じて取得されてもよい。
【0041】
視認角度情報と、ユーザからステアリングホイールまでの奥行きとが人間の眼の位置とAR較正点の位置情報とに基づいて計算を通じて取得されることが可能であるのは、人間の眼の位置、AR較正点の位置、視認角度や奥行きなどのいくつかの値の間に三角形の幾何学的関係があるからである。異なる空間位置にある特定のAR較正点をユーザが視認するとき、ユーザの眼の視認角度は異なる。
【0042】
図4は片眼で視認する場合に人間の眼の位置が左右に平行移動する際の異なるAR較正点の視認角度の概略図である。人間の眼の位置1でAR較正点1を視認する視認角度はθ11である。人間の眼の位置1でAR較正点2を視認する視認角度はθ12である。人間の眼の位置2でAR較正点1を視認する視認角度はθ21である。人間の眼の位置2でAR較正点2を視認する視認角度はθ22である。三角形の幾何学的関係にしたがって、いくつかのデータが知られているときに他のデータ(たとえば、視認角度や奥行き)が取得されることが可能である。
【0043】
図5は片眼で視認する場合に人間の眼の位置が前後に平行移動する際の異なるAR較正点の視認角度の概略図である。人間の眼の位置1でAR較正点1を視認する視認角度はθ11である。人間の眼の位置1でAR較正点2を視認する視認角度はθ12である。人間の眼の位置2でAR較正点1を視認する視認角度はθ21である。人間の眼の位置2でAR較正点2を視認する視認角度はθ22である。三角形の幾何学的関係にしたがって、いくつかのデータが知られているときに他のデータ(たとえば、視認角度や奥行き)が取得されることが可能である。
【0044】
コックピットにいる者の相対高さが高さ認識アルゴリズムにしたがって認識されることで、その者の全高、身体上部の高さや脚の長さなどの高さ情報が取得されてもよい。たとえば、本出願の一実施形態では、高さモデルベースが記憶されてもよい。処理モジュールは入力としてユーザ画像を用いて高さモデルベースに基づいて上記の高さ情報を取得することができる。
【0045】
様々なアルゴリズムにしたがって取得される上記の情報が、様々なモデルパラメータベース(人工知能(artificial intelligence,AI)のモデルパラメータベースであってもよい)に基づいてもよい。たとえば、AIのモデルパラメータベースがオフラインAI訓練を通じて取得されてもよいし、クラウドやローカルのコックピットシステム調節装置で設定されてもよい。他の情報が上記の情報に基づいて計算を通じてさらに取得されてもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0046】
本出願のいくつかの実施形態では、処理モジュール230が視認角度情報と高さ情報とに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定することは、高さ情報に基づいてユーザの全高及び脚の長さを決定することと、視認角度情報に基づいてユーザからステアリングホイールまでの奥行きを決定することと、視認角度情報、全高、脚の長さ及び奥行きに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定することとを含んでもよい。上記では、高さ情報に基づいてユーザの全高と脚の長さとが決定され、視認角度情報に基づいてユーザからステアリングホイールまで奥行きが決定されることについて説明されている。本出願では、複数のAR較正点が目視されるときに生じる一連の視認角度情報は{θ}と表記される場合があり、ユーザの全高はhと表記される場合があり、脚の長さはlと表記される場合があり、ユーザからステアリングホイールまで奥行きはdと表記される場合がある。視認角度情報{θ}はユーザの視認快適性を主に表わし、{h,l,d}はユーザの運転快適性を決定する。したがって、視認角度情報{θ}、全高h、脚の長さl及び奥行きdに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報が正確に決定されることが可能である。
【0047】
一具体例では、視認角度情報{θ}、全高h、脚の長さl及び奥行きdに基づいて、コックピットシステム設定情報が実験式に基づく計算やモデリングに基づく計算を通じて取得されてもよい。
【0048】
別の具体例では、視認角度情報{θ}、全高h、脚の長さlと奥行きdを、コックピットシステム設定情報ベース中の予め記憶されたコックピットシステム設定情報と比較することによって取得される偏差値に基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報が決定されてもよい。
【0049】
コックピットシステム設定情報ベースはオフラインAI訓練を通じて取得されてもよく、コックピットシステム設定情報ベースには一連の予め記憶されたコックピットシステム設定情報が記録されてもよい。予め記憶されたコックピットシステム設定情報は予め記憶された視認角度情報{θ}と、予め記憶された全高h、脚の長さl及び奥行きdと、対応するHUDデバイス設定パラメータ及びシートデバイス設定パラメータとを含んでもよい。上記の予め記憶された視認角度情報{θ}、全高h、脚の長さl及び奥行きdは事前の実験測定又は計算、及び検証又は訓練を通じて取得されてもよく、視認効果と運転快適性との最適なバランスを表わすことができる。これに加えて、最適なバランスに基づくHUDデバイス設定パラメータ及びシートデバイス設定パラメータが記録される。
【0050】
実際のコックピットシステムでは、ユーザの最適な視認位置と最も快適な運転位置とは通常異なる。最適な視認位置にいる運転者の視認角度{θ*}と、最も快適な運転位置にいる運転者の全高、脚の長さ及び奥行きのパラメータ{h*,l*,d*}とが事前の実験による記録を用いて取得されてもよい。この例では、誤差関数C({θ},{θ*})と誤差関数C({h,l,d},{h*,l*,d*})とが、これらの2つの誤差関数の合計が最小になるように適宜設計されてもよい。このようにして、視認効果と運転快適性との最適なバランスがとられた位置が見つかる。
【0051】
本出願のいくつかの実施形態では、HUDデバイス設定パラメータは空間光変調器(spatial light modulator,SLM)設定パラメータ、散乱スクリーン設定パラメータ、映像源設定パラメータ及び投影システム平行移動設定パラメータの少なくとも1つを含む。
【0052】
本出願では、SLMは液晶オンシリコン(liquid crystal on silicon,LCOS)素子、液晶ディスプレイ(liquid crystal display,LCD)、デジタルマイクロミラーデバイス(digital micro-mirror device,DMD)や別の素子であってもよい。本出願ではこれは限定されない。SLMがLCOS素子であるものが例として用いられ、SLM設定パラメータはLCOS素子の回転角度を含んでもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0053】
本出願の散乱スクリーンが、投影映像化に利用可能なキャリア(carrier)であってもよく、たとえば、拡散体(diffusor)やカーテンであってもよい。本出願ではこれは限定されない。散乱スクリーン設定パラメータは散乱スクリーンの回転角度を含んでもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0054】
映像源設定パラメータはサイズ、輝度や映像源の位置などの映像源の映像化パラメータを含んでもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0055】
投影システム平行移動設定パラメータは空間における投影システムの上下の平行移動、左右の平行移動や前後の平行移動に関係するパラメータを含んでもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0056】
シートデバイス設定パラメータはシートの高さ、前後位置、左右位置及び傾斜角度の少なくとも1つを含んでもよいが、本出願はこれらに限定されない。
【0057】
本出願のいくつかの実施形態では、コックピットシステム調節装置200は、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報と、ユーザの識別情報とをユーザ識別情報ベースに記憶するように構成されている記憶モジュール240をさらに含んでもよい。ユーザが次回に用いるために情報を探索するのに都合がよくなり得るように、情報がユーザ識別情報ベースに記録される。ユーザ識別情報ベース中の各レコードは識別情報アイテムとコックピットシステム設定情報アイテムとを含み、各ユーザの識別情報と、視認効果と運転快適性との最適なバランスのための対応するコックピットシステム設定情報とを記録してもよい。識別情報アイテムの内容には顔情報、身元証明(identification,ID)コードなどが含まれてもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0058】
上述されている実施形態は較正プロセスに適用されてもよいし、設定調節プロセスに適用されてもよい。設定調節プロセスの視点から、コックピットシステム調節装置200は、ユーザに適用可能であるHUDデバイス設定パラメータ及びシートデバイス設定パラメータに基づいてHUDデバイス及びシートデバイスを調節するように構成されているデバイス制御モジュール250をさらに含んでもよい。
【0059】
デバイス制御モジュール250が処理モジュール230と有線方式で通信しても無線方式で通信してもよいことが当然分かる。通常、信頼性を確保するために有線方式を用いることができるが、本出願ではこれは限定されない。デバイス制御モジュール250は、HUDデバイスとシートデバイスとを制御するようにそれぞれ構成されるHUDデバイス制御サブモジュールとシートデバイス制御サブモジュールとに分割されてもよいが、本出願ではこれは限定されない。
【0060】
処理速度を改善するために、画像取得モジュール220を用いてユーザの顔が取得されてもよい(AR較正点が表示されないか目視されない場合に顔が取得されてもよいし、AR較正点が目視される場合に顔が取得されてもよいが、これは限定されない)。処理モジュール230は、ユーザの顔情報を取得し、ユーザ識別情報ベースが、合致する顔情報を含む場合、ユーザに適用可能でありかつ顔情報に合致するコックピットシステム設定情報を探索するようにさらに構成されてもよい。その後、デバイス制御モジュール250がユーザに適用可能であるHUDデバイス設定パラメータ及びシートデバイス設定パラメータに基づいてHUDデバイスとシートデバイスとを調節してもよい。ユーザ識別情報ベースが、合致する顔情報を含まない場合には、上記の較正プロセスが実行される。
【0061】
言い換えると、画像取得モジュールと処理モジュールとを用いてユーザ識別情報ベース中でユーザの識別情報が検索されてもよい。ユーザの識別情報が既に存在する場合には、較正プロセスが実行される必要はなく、ユーザ識別情報ベース中の過去のコックピットシステム設定情報が直ちに用いられる。ユーザの識別情報が存在しない場合には、このことはユーザが新規ユーザであることを示し、較正プロセスが実行される。
【0062】
したがって、本出願の一実施形態では、識別情報が顔情報を含む。処理モジュール230は、ユーザの顔情報を取得し、顔情報とユーザ識別情報ベースとに基づいて、ユーザに適用可能でありかつ顔情報に合致するコックピットシステム設定情報を探索するようにさらに構成されている。本装置は、ユーザに適用可能なHUDデバイス設定パラメータ及びシートデバイス設定パラメータに基づいてHUDデバイスとシートデバイスとを調節するように構成されているデバイス制御モジュールをさらに含む。
【0063】
高さモデルベース、コックピットシステム設定情報ベースとユーザ識別情報ベースなどの本出願の様々なデータベースがローカルのコックピットシステム調節装置で設定されてもよいし、クラウドで設定されてもよいことが当然分かる。本出願ではこれは限定されない。データベースがクラウドで設定される場合、コックピットシステム調節装置も、クラウドと通信するように構成される通信モジュールを有する状態で当然構成される。
【0064】
較正制御モジュール、画像取得モジュール、処理モジュール、記憶モジュール及びデバイス制御モジュールなどの本出願のモジュールが互いに組み合されたり、異なるハードウェアデバイスに分散したりしてもよいし、機能に基づいてサブモジュールにさらに分割されてもよいことが当然さらに分かる。本出願ではこれは限定されない。
【0065】
本出願では、上記のコックピットシステム調節装置、ヘッドアップディスプレイHUDデバイス及びシートデバイスを含むコックピットシステムが提供される。
【0066】
図6は本出願の一実施形態に係るコックピットシステム調節プロセス600の概略図である。
図6に示されている例では、プロセス600は以下のステップを含む。
【0067】
S605:車両が静止状態にあるときに、ユーザがコックピットシステム(カメラ(画像取得モジュールに対応する)とHUDデバイスとを含む)を起動する。
【0068】
S610:カメラがユーザの顔を取得し、顔を画像認識モジュールに送る。
【0069】
S615:画像認識モジュールが顔認識を実行して顔情報を取得して、顔情報を総合計算モジュールに送る。
【0070】
S620:総合計算モジュールがAIモデルパラメータベース中でユーザ識別情報ベースを検索して、合致する顔情報が存在する場合にS625を実行するか、合致する顔情報が存在しない場合にS630を実行する。
【0071】
S625:ユーザに適用可能でありかつ顔情報に合致するコックピットシステム設定情報をデバイス制御モジュールに送る。デバイス制御モジュールはユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報に基づいてHUDデバイスとシートデバイスとを調節する。S655が実行され、プロセスが終了する。
【0072】
S630:較正制御モジュールに表示物を送る。
【0073】
S635:較正制御モジュールがユーザに対して複数の較正点を表示するようにHUDデバイスを制御する。
【0074】
S640:較正制御モジュールが複数のAR較正点の位置情報を総合計算モジュールに送る。
【0075】
S645:複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じるユーザ画像をカメラが取得し、ユーザ画像を画像認識モジュールに送る。
【0076】
S615:画像認識モジュールがユーザ画像に基づいて人間の眼の位置情報と高さ情報とを決定して、人間の眼の位置情報と高さ情報とを総合計算モジュールに送る。
【0077】
S650:総合計算モジュールが複数のAR較正点の位置情報と、人間の眼の位置情報と、高さ情報とに基づいて視認角度と、全高と、脚の長さと、ユーザからステアリングホイールまでの奥行きとを決定する。総合計算モジュールはユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を(たとえばAIモデルパラメータベースに基づいて)決定して、コックピットシステム設定情報をデバイス制御モジュールに送る。デバイス制御モジュールはユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報に基づいてHUDデバイスとシートデバイスとを調節する。S655が実行され、プロセスが終了する。
【0078】
S655:プロセスを終了する。
【0079】
本出願ではコックピットシステム調節方法が提供される。コックピットシステムはヘッドアップディスプレイHUDデバイスとシートデバイスとを含む。
図7は本出願の一実施形態に係るコックピットシステム調節方法700の概略フローチャートである。
図7に示されているように、方法700は以下のステップを含んでもよい。
【0080】
S710:ユーザに対して複数の拡張現実AR較正点を表示するようにHUDデバイスを制御する。
【0081】
S720:複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じるユーザ画像を取得する。
【0082】
S730:ユーザ画像と複数のAR較正点の位置情報とに基づいて、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じる視認角度情報と、ユーザの高さ情報とを決定する。
【0083】
S740:視認角度情報と高さ情報とに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定する。コックピットシステム設定情報はHUDデバイス設定パラメータとシートデバイス設定パラメータとを含む。
【0084】
本出願の本実施形態のコックピットシステム調節方法に係れば、ユーザに対して複数のAR較正点が表示され、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じるユーザ画像が取得され、ユーザ画像に基づいて視認角度情報とユーザの高さ情報とが決定され、視認角度情報と高さ情報とに基づいて、ユーザに適用可能なHUDデバイス設定パラメータ及びシートデバイス設定パラメータが決定され、これにより、優れた視認効果と高い運転快適性をユーザが同時に実現することができる。これに加えて、追加の赤外線検出や圧力感知デバイスが必要ない。これにより、システムコストを下げることができる。
【0085】
本出願のいくつかの実施形態では、S730の、ユーザ画像と複数のAR較正点の位置情報とに基づいて、複数のAR較正点をユーザが目視するときに生じる視認角度情報と、ユーザの高さ情報とを決定するステップは、ユーザ画像に対して画像解析処理とヒューマンアイトラッキング処理とを実行することによって複数のAR較正点の位置情報に基づいて視認角度情報と高さ情報とを決定するステップを含んでもよい。
【0086】
本出願のいくつかの実施形態では、S740の、視認角度情報と高さ情報とに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するステップは、高さ情報に基づいてユーザの全高及び脚の長さとを決定するステップと、視認角度情報に基づいてユーザからステアリングホイールまでの奥行きを決定するステップと、視認角度情報、全高、脚の長さ及び奥行きに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するステップとを含んでもよい。
【0087】
本出願のいくつかの実施形態では、視認角度情報、全高、脚の長さ及び奥行きに基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するステップは、視認角度情報、全高、脚の長さ及び奥行きを、コックピットシステム設定情報ベース中の予め記憶されたコックピットシステム設定情報と比較することによって取得される偏差値に基づいて、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報を決定するステップを含んでもよい。
【0088】
本出願のいくつかの実施形態では、方法700は、ユーザに適用可能なコックピットシステム設定情報と、ユーザの識別情報とをユーザ識別データベースに記憶するステップをさらに含んでもよい。
【0089】
本出願のいくつかの実施形態では、識別情報は顔情報を含む。方法700は、ユーザの顔情報を取得するステップと、顔情報とユーザ識別データベースとに基づいて、ユーザに適用可能でありかつ顔情報に合致するコックピットシステム設定情報を探索するステップと、HUDデバイス設定パラメータとシートデバイス設定パラメータとに基づいてHUDデバイスとシートデバイスとを調節するステップとをさらに含んでもよい。
【0090】
本出願のいくつかの実施形態では、HUDデバイス設定パラメータは空間光変調器SLM設定パラメータ、散乱スクリーン設定パラメータ、映像源設定パラメータ及び投影システム平行移動設定パラメータの少なくとも1つを含む。
【0091】
簡便に説明するために、上述されている方法のステップの実行が上記の製品の実施形態の対応するモジュール、部位及び構成要素に基づいて実施されてもよいことを当業者は明確に理解することができ、本記載では詳細は重ねて説明しない。
【0092】
本出願では、コンピュータプログラムを記憶するように構成されるコンピュータ可読媒体がさらに提供される。コンピュータプログラムは方法700を実行するための指示を含む。
【0093】
本出願ではコンピュータプログラムがさらに提供される。コンピュータプログラムは方法700を実行するための指示を含む。
【0094】
本出願の実施形態のコックピットシステム調節装置、又は装置中の処理モジュール及び記憶モジュールが1つ以上のチップであってもよい。たとえば、装置又は装置中の処理モジュールがフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array,FPGA)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit,ASIC)、システムオンチップ(system on chip,SoC)、中央処理装置(central processor unit,CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor,NP)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor,DSP)、マイクロコントローラユニット(micro controller unit,MCU)や、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device,PLD)や別の集積チップであってもよい。
【0095】
実施過程で、上記の方法のステップがハードウェア集積論理回路を用いて実施されたり、ソフトウェアの形態の指示を用いて実施されたりすることが可能である。本出願の実施形態を参照して開示されている方法のステップがハードウェアプロセッサによって直接実行されてもよいし、プロセッサ中のハードウェアとソフトウェアモジュールとの組合せを用いて実行されてもよい。ソフトウェアモジュールはランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ、プログラム可能読出し専用メモリ、電気的に消去可能なプログラム可能メモリやレジスタなどの本技術における成熟技術である記憶媒体内に位置してもよい。記憶媒体はメモリ中に位置し、プロセッサはメモリ中の情報を読み込んで、プロセッサのハードウェアと組み合せて上記の方法のステップを完遂する。重複を避けるために、本記載では詳細は重ねて説明しない。
【0096】
本出願の実施形態の処理モジュールは集積回路チップであってもよく、信号処理機能を持つことに留意するべきである。実施過程で、上記の方法の実施形態のステップが処理モジュールのハードウェア集積論理回路を用いて実施されたり、ソフトウェアの形態の指示を用いて実施されたりすることが可能である。処理モジュールは汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)や別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートやトランジスタロジックデバイスや、ディスクリートハードウェアコンポネントであってもよい。処理モジュールは、本出願の実施形態で開示されている方法、ステップ及び論理ブロック図を実施したり実行したりすることができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいし、当該プロセッサは任意の従来のプロセッサ、デコーダなどでもあってもよい。ソフトウェアモジュールはランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ、プログラム可能読出し専用メモリ、電気的に消去可能なプログラム可能メモリやレジスタなどの本技術における成熟技術である記憶媒体内に位置してもよい。記憶媒体はメモリ中に位置し、処理モジュールはメモリ中の情報を読み込んで、処理モジュールのハードウェアと組み合せて上記の方法のステップを完遂する。
【0097】
本出願の実施形態の記憶モジュールが揮発メモリであっても不揮発メモリであってもよいし、揮発メモリと不揮発メモリとを含んでもよいことが分かる。不揮発メモリは読出し専用メモリ(read-only memory,ROM)、プログラム可能読出し専用メモリ(programmable ROM,PROM)、消去可能なプログラム可能読出し専用メモリ(erasable PROM,EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能読出し専用メモリ(electrically EPROM,EEPROM)やフラッシュメモリであってもよい。揮発メモリは外部キャッシュとして用いられるランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)であってもよい。例の説明(ただし、限定を課さない)にわたって、多くの形態のRAMが用いられてもよく、たとえば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(static RAM,SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(dynamic RAM,DRAM)、同期型ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(synchronous DRAM,SDRAM)、ダブル・データ・レート同期型ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(double data rate SDRAM,DDR SDRAM)、拡張同期型ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(enhanced SDRAM,ESDRAM)、シンクロナス・リンク・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(synchlink DRAM,SLDRAM)やダイレクト・ラムバス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(direct rambus RAM,DR RAM)が用いられてもよい。本明細書で説明されているシステム及び方法のメモリが上記のメモリと別の適切なタイプの任意のメモリを含む(ただし、これらに限定されない)点に留意するべきである。
【0098】
説明を容易にするために、本明細書において数字で表記される様々な番号が区別のためだけに用いられているが、本出願の範囲を限定することを意図していないことが当然分かる。
【0099】
上記のプロセスの連続する番号が本出願の実施形態での実行順序を表わさないことが当然分かる。プロセスの実行順序はプロセスの機能と内部ロジックとにしたがって当然決定され、本出願の実施形態の実施過程に対するいかなる限定としても当然解釈されない。
【0100】
本明細書で開示されている実施形態で説明されている例と考えあわせて、電子ハードウェアや、コンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによって部位及びアルゴリズムステップを実施することができることに当業者は想到することができる。機能がハードウェアによって実行されるのかソフトウェアによって実行されるのかは技術的解決手段の具体的な用途及び設計制約条件に依存する。当業者は特定の用途毎に、説明されている機能を実施するのに異なる方法を用いることができるが、この実施が本出願の範囲を越えるとは当然考えられない。
【0101】
本出願で提供されているいくつかの実施形態では、開示されているシステム、装置及び方法が他の仕方で実施されてもよいことが当然分かる。たとえば、説明されている装置の実施形態は例にすぎない。たとえば、部位への分割は論理的機能の分割にすぎず、実際に実施する際には他の分割であってもよい。たとえば、複数の部位又は構成要素が組み合されたり別のシステムに組み込まれたりしてもよいし、いくつかの特徴が無視されたり実行されなかったりしてもよい。これに加えて、表示されたり説明されたりしている相互接続や直接接続や通信接続がいくつかのインタフェイスを用いて実施されてもよい。装置間や部位間の間接接続や通信接続が電子的形態で実施されても、機械形態で実施されても、他の形態で実施されてもよい。
【0102】
分離されている部分として説明されている部位が物理的に分離されてもよいし、物理的に分離されなくてもよく、部位として表示されている部分が物理的部位であってもよいし、物理的部位でなくてもよいし、一箇所に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分散してもよい。部位の一部又は全部が実施形態の解決手段の目的を達成するように実際の要件に基づいて選択されてもよい。
【0103】
これに加えて、本出願の実施形態の機能部位が1つの処理部に組み込まれてもよいし、部位の各々が物理的に単独で存在してもよいし、2つ以上の部位が1つの部位に組み込まれる。
【0104】
機能がソフトウェア機能部の形態で実施され、独立した製品として販売されたり使用されたりする場合、機能がコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づけば、必須なものとしての本出願の技術的解決手段や、先行技術に貢献する部分や、技術的解決手段の一部をソフトウェア製品の形態で実施することができる。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバやネットワークデバイスであってもよい)に本出願の実施形態で説明されている方法のステップの全部又は一部を実行するように指示するためのいくつかの指示を含む。上記の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読出し専用メモリ(read-only memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)、磁気ディスクや光ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
【0105】
上記の説明は本出願の特定の実現例にすぎず、本出願の保護範囲を限定することは意図されていない。本出願で開示されている技術的範囲内の当業者によって容易に想起される任意の変形や置換が本出願の保護範囲に含まれることになる。したがって、本出願の保護範囲は請求項の保護範囲にしたがうことになる。
【符号の説明】
【0106】
200 コックピットシステム調節装置
210 較正制御モジュール
220 画像取得モジュール
230 処理モジュール
240 記憶モジュール
250 デバイス制御モジュール
600 コックピットシステム調節プロセス
700 コックピットシステム調節方法