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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240729BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240729BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20240729BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 312
G09F9/30 308Z
H04M1/02 C
H05K5/02 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022569237
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2021095942
(87)【国際公開番号】W WO2021238958
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】202010479607.8
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】安 康彦
(72)【発明者】
【氏名】陳 云
(72)【発明者】
【氏名】朱 華勝
(72)【発明者】
【氏名】周 末
(72)【発明者】
【氏名】闕 海波
(72)【発明者】
【氏名】趙 紅超
(72)【発明者】
【氏名】曹 飛
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-531796(JP,A)
【文献】特開2003-319042(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0188778(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0062855(KR,A)
【文献】特開2012-134971(JP,A)
【文献】中国実用新案第206270800(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107424518(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0141849(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0176352(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G09F 9/30
H04M 1/02
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ケース(100)と、
前記第1ケース(100)に摺動可能に接続された第2ケース(200)と、
第1端が前記第2ケース(200)に接続された第1弾性部材(300)と、
第1端が前記第1弾性部材(300)の第2端に接続され、第2端が前記第1ケース(100)に接続され前記第1ケース(100)の駆動により第2端が移動可能となるフレキシブルディスプレイスクリーン(400)と、
前記第2ケース(200)内に回転可能に設けられ、前記フレキシブルディスプレイスクリーン(400)に転がり接触するシャフト(500)と、を含む電子機器であって、
前記第1ケース(100)が前記第2ケース(200)から遠ざかる方向に摺動する場合、前記第1ケース(100)は、前記フレキシブルディスプレイスクリーン(400)が前記シャフト(500)の周りを移動するように駆動し、前記フレキシブルディスプレイスクリーン(400)の一部は第1側から第2側に移動し、前記第1ケース(100)が前記第2ケース(200)に近づく方向に摺動する場合、前記第1弾性部材(300)は、前記フレキシブルディスプレイスクリーン(400)が前記シャフト(500)の周りを移動するように駆動し、前記フレキシブルディスプレイスクリーン(400)の一部は前記第2側から前記第1側に移動し、前記フレキシブルディスプレイスクリーン(400)は、前記シャフト(500)の周りを移動することにより、対向する前記第1側と前記第2側とに分けられ、前記第2側は前記フレキシブルディスプレイスクリーン(400)が露出する側であり、前記第1側は前記フレキシブルディスプレイスクリーン(400)が前記第2ケース(200)の内部に収納される側であり、
ダンパ(600)をさらに含み、前記第1弾性部材(300)の第1端は前記ダンパ(600)を介して前記第2ケース(200)に接続された、電子機器。
【請求項2】
前記第1ケース(100)の縁部に第1接続部(110)が設けられ、前記第2ケース(200)の縁部に第2接続部(210)が設けられ、前記第2ケース(200)の少なくとも一部は前記第1ケース(100)に外嵌され、前記第1接続部(110)と前記第2接続部(210)は摺動可能に接続された、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1接続部(110)及び前記第2接続部(210)のうち、一方はスライド溝であり、他方は突起であり、前記スライド溝と前記突起は摺動可能に係合する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1ケース(100)及び前記第2ケース(200)のうち、一方には位置規制溝(220)が設けられ、他方には位置規制スライダ(120)が設けられ、前記位置規制溝(220)と前記位置規制スライダ(120)は摺動可能に係合し、前記位置規制溝(220)の端部と前記位置規制スライダ(120)は位置規制するように係合する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記位置規制溝(220)及び前記位置規制スライダ(120)の数はともに2つであり、2つの前記位置規制溝(220)は平行であり、各前記位置規制溝(220)は1つの前記位置規制スライダ(120)と摺動可能に係合する、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1ケース(100)内に第1引掛部(130)が設けられ、前記第2ケース(200)内に第2引掛部(230)が設けられ、前記第1ケース(100)と前記第2ケース(200)が離間するように摺動する場合、前記第1引掛部(130)と前記第2引掛部(230)は位置規制するように係合する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
ボタン(700)をさらに含み、前記第1ケース(100)又は前記第2ケース(200)にボタン孔が開けられ、前記ボタン(700)は前記ボタン孔に移動可能に設けられ、前記ボタン(700)は、一端が前記第1ケース(100)又は前記第2ケース(200)の外面から突出し、他端が前記第1引掛部(130)又は前記第2引掛部(230)に伝動接続され、前記ボタン(700)は、前記第1引掛部(130)又は前記第2引掛部(230)を押して移動させ、前記第2引掛部(230)と前記第1引掛部(130)を分離するように駆動することができる、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
第2弾性部材(810)及びヒンジ接続軸(820)をさらに含み、前記ヒンジ接続軸(820)は前記第2ケース(200)内に設けられ、前記第2引掛部(230)は前記第2弾性部材(810)を介して前記第2ケース(200)に接続され、前記ヒンジ接続軸(820)にヒンジ接続され、前記ボタン(700)は、前記第2引掛部(230)を押して前記ヒンジ接続軸(820)の周りに回転させ、前記第2弾性部材(810)を圧縮するように駆動することで前記第2引掛部(230)と前記第1引掛部(130)を分離することができる、請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第1引掛部(130)は第1ガイド斜面(131)を有し、前記第2引掛部(230)は第2ガイド斜面(231)を有し、前記第1ガイド斜面(131)と前記第2ガイド斜面(231)は対向して設けられ、前記第1ガイド斜面(131)は前記第2ガイド斜面(231)と摺動可能に係合する、請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
エジェクタピンをさらに含み、前記第1ケース(100)にエジェクタピン孔が開けられ、前記エジェクタピンは前記エジェクタピン孔を通って前記第2ケース(200)内に延び入ることができ、前記エジェクタピンは前記第2引掛部(230)を押して移動させ、前記第2引掛部(230)と前記第1引掛部(130)を分離するように駆動することができる、請求項6に記載の電子機器。
【請求項11】
前記第1ケース(100)は第1中枠(140)を含み、前記第2ケース(200)は第2中枠(240)を含み、前記第1ケース(100)と前記第2ケース(200)は前記第1中枠(140)及び前記第2中枠(240)を介して摺動可能に接続することができ、前記第1ケース(100)と前記第2ケース(200)が突合せ状態にある場合、前記第1中枠(140)と前記第2中枠(240)は共面である、請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2020年05月29日に中国特許局に出願した出願番号202010479607.8、発明の名称「電子機器」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は参照によって本発明に組み込まれる。
【0002】
本発明は、通信機器の技術分野に関し、特に、電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器の急速な発展に伴い、携帯電話、タブレットコンピュータ等の電子機器は、ますます広く応用されており、人々の仕事、生活、娯楽等においてますます多くの役割を果たしている。
【0004】
現在、電子機器のディスプレイスクリーンを大きくすることで、電子機器の視覚効果を向上させ、ユーザの使用ニーズを満たすことができる。しかし、電子機器のディスプレイスクリーンが大きくなると持ち運びが不便になる等の問題が出てくるため、ストレッチスクリーン付き電子機器の概念が登場してきている。具体的に、ストレッチスクリーン付き電子機器では、電子機器のディスプレイスクリーンはシャフトに転がり接続可能であり、ディスプレイスクリーンを収納すると、ディスプレイスクリーンをシャフトに巻き付けることができ、電子機器全体のサイズが小さくなり、さらに、ユーザが持ち運びやすくなる。ディスプレイスクリーンを展開すると、ディスプレイスクリーンのサイズが大きくなり、より良い視覚体験を提供することができる。
【0005】
しかし、ディスプレイスクリーンが完全に収納された場合に、ディスプレイスクリーンの大部分がシャフトに巻き付けられるため、ディスプレイスクリーンが損傷しやすくなり、ユーザの使用体験に影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、現在の電子機器のストレッチ可能なディスプレイスクリーンが損傷しやすいという問題を解決できる電子機器を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、次のように実現される。
【0008】
第1ケースと、前記第1ケースに摺動可能に接続された第2ケースと、第1端が前記第2ケースに接続された第1弾性部材と、第1端が前記第1弾性部材の第2端に接続され、第2端が前記第1ケースに接続され、前記第1ケースの駆動により第2端が移動可能となるフレキシブルディスプレイスクリーンと、前記第2ケース内に回転可能に設けられ、前記フレキシブルディスプレイスクリーンに転がり接触するシャフトと、を含む電子機器であって、前記第1ケースが前記第2ケースから遠ざかる方向に摺動する場合、前記第1ケースは、前記フレキシブルディスプレイスクリーンが前記シャフトの周りを移動するように駆動し、前記フレキシブルディスプレイスクリーンの一部は第1側から第2側に移動し、前記第1ケースが前記第2ケースに近づく方向に摺動する場合、前記第1弾性部材は、前記フレキシブルディスプレイスクリーンが前記シャフトの周りを移動するように駆動し、前記フレキシブルディスプレイスクリーンの一部は前記第2側から前記第1側に移動し、前記第1側と前記第2側は前記シャフトの反対する両側である、電子機器。
【0009】
本発明で採用される技術的解決手段は以下の有益な効果を達成することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施例で開示される電子機器では、第1ケースは、フレキシブルディスプレイスクリーンの外部環境に露出可能な表示面積が大きくなるように、フレキシブルディスプレイスクリーンを駆動して移動させることができるため、ユーザにより良い視覚効果を提供することができる。また、使い終わった後に、フレキシブルディスプレイスクリーンの一部は第2側から第1側に移動し、これにより、フレキシブルディスプレイスクリーンの収納を実現するだけではなく、第1弾性部材による引張力の作用下で、フレキシブルディスプレイスクリーンの一部は第1側で常に展開状態を維持でき、よって、フレキシブルディスプレイスクリーンの一部に皺が発生して損傷することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来技術の記述に用いられる図面について簡単に説明し、当然ながら、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面に想到し得る。
図1】本発明の実施例で開示される電子機器の構造模式図である。
図2】本発明の実施例で開示される電子機器の別の状態での構造模式図である。
図3-5】それぞれ本発明の実施例で開示される電子機器を異なる角度から見た構造模式図である。
図6】本発明の実施例で開示される電子機器の断面図である。
図7】本発明の実施例で開示される電子機器の部分断面図である。
図8】本発明の実施例で開示される電子機器の別の部分断面図である。
図9】本発明の実施例で開示される電子機器の部分構造模式図である。
図10】本発明の実施例で開示される電子機器の別の状態での部分構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本発明の具体的な実施例及び対応する図面を参照しながら、本発明の技術的解決手段を明確に、完全に説明する。当然ながら、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく、得られた他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0013】
以下において、図面を参照しながら、本発明の各実施例で開示される技術的解決手段を詳細に説明する。
【0014】
図1図10に示すように、本発明の実施例は電子機器を開示し、開示される電子機器は、第1ケース100、第2ケース200、第1弾性部材300、及びフレキシブルディスプレイスクリーン400を含む。
【0015】
第1ケース100と第2ケース200は電子機器の外周部材であり、第1ケース100と第2ケース200は電子機器の他の部材に取り付け場所を提供することができる。本発明の実施例において、第2ケース200と第1ケース100は摺動可能に接続され、この場合、第1ケース100は第2ケース200に対して摺動可能であり、第1ケース100と第2ケース200をスライド状態又は突合せ状態にすることができる。
【0016】
第1弾性部材300は第2ケース200内に設けられてもよく、具体的に、第1弾性部材300の第1端は第2ケース200に接続され、第1弾性部材300の第2端はフレキシブルディスプレイスクリーン400に接続された。第1弾性部材300はフレキシブルディスプレイスクリーン400に弾性力を提供し、フレキシブルディスプレイスクリーン400を引張展開状態にすることができる。選択的に、第1弾性部材300はコイルバネであってもよく、コイルバネの構造が簡単であるため、組み立てが容易になる。当然ながら、第1弾性部材300は他の弾性を有する部材であってもよく、本発明の実施例ではこれについて限定しない。
【0017】
フレキシブルディスプレイスクリーン400はフレキシブルに変形可能なディスプレイスクリーンであり、本発明の実施例において、フレキシブルディスプレイスクリーン400の第1端は第1弾性部材300の第2端に接続され、フレキシブルディスプレイスクリーン400の第2端は第1ケース100に接続され、第1ケース100はフレキシブルディスプレイスクリーン400の第2端を駆動して移動させることができる。使用の際、第1ケース100はフレキシブルディスプレイスクリーン400の少なくとも一部が第1ケース100及び第2ケース200で展開するように駆動し、フレキシブルディスプレイスクリーン400の外部環境に露出可能な表示面積を大きくすることができるため、電子機器の視覚効果が高くなる。
【0018】
シャフト500は第2ケース200内に回転可能に設けられ、フレキシブルディスプレイスクリーン400はシャフト500に転がり接触する。シャフト500はフレキシブルディスプレイスクリーン400を位置決めする役割を果たすとともに、フレキシブルディスプレイスクリーン400の移動方向を変えることもできる。
【0019】
例えば、第1ケース100が第2ケース200から遠ざかる方向に摺動する場合、第1ケース100は、フレキシブルディスプレイスクリーン400がシャフト500の周りを移動するように駆動し、フレキシブルディスプレイスクリーン400の一部は第1側から第2側に移動し、これにより、フレキシブルディスプレイスクリーン400のより多くの部分が第1ケース100と第2ケース200からなる全体の外面で展示でき、フレキシブルディスプレイスクリーン400の外部環境に露出可能な表示面積が大きくなり、ユーザにより効果的に展示することができる。第1ケース100が第2ケース200に近づく方向に摺動する場合、第1弾性部材300は、フレキシブルディスプレイスクリーン400がシャフト500の周りを移動するように駆動し、フレキシブルディスプレイスクリーン400の一部は第2側から第1側に移動し、これにより、フレキシブルディスプレイスクリーン400の露出領域の一部が第1側に移行し、フレキシブルディスプレイスクリーン400の外部環境に露出可能な表示面積が減少し、第1側と第2側はシャフト500の反対する両側である。
【0020】
また、フレキシブルディスプレイスクリーン400の第1端が第1弾性部材300の第2端に接続されたため、第1弾性部材300は、第2側にあるフレキシブルディスプレイスクリーン400が展開状態を維持できるように、フレキシブルディスプレイスクリーン400に引張力を与えることができ、これにより、フレキシブルディスプレイスクリーン400に皺が発生して損傷することが防止される。
【0021】
上記のことから、本発明の実施例で開示される電子機器では、第1ケース100は、フレキシブルディスプレイスクリーン400の外部環境に露出可能な表示面積が大きくなるように、フレキシブルディスプレイスクリーン400を駆動して移動させることができるため、ユーザにより良い視覚効果を提供することができる。また、使い終わった後に、フレキシブルディスプレイスクリーン400の一部は第2側から第1側に移動し、これにより、フレキシブルディスプレイスクリーン400の収納を実現するだけではなく、第1弾性部材300による引張力の作用下で、フレキシブルディスプレイスクリーン400の一部は第1側で常に展開状態を維持でき、よって、フレキシブルディスプレイスクリーン400の一部に皺が発生して損傷することを防止できる。
【0022】
さらに、本発明の実施例で開示される電子機器はダンパ600をさらに含んでもよく、第1弾性部材300の第1端はダンパ600を介して第2ケース200に接続されてもよい。ダンパ600は第1弾性部材300の自由振動によるエネルギーを減耗し、制振とエネルギー消散の作用を奏することができる。作動中、ダンパ600は第1弾性部材300によるフレキシブルディスプレイスクリーン400への引張力が過大になることを防止できるため、第1弾性部材300は、フレキシブルディスプレイスクリーン400の一部が第1側で安定して展開できるように、フレキシブルディスプレイスクリーン400を安定して引っ張ることができる。
【0023】
選択的に、フレキシブルディスプレイスクリーン400の一部が第1側でより良好に展開できるように、第1弾性部材300の数は2つであってもよく、2つの第1弾性部材300はフレキシブルディスプレイスクリーン400に対して対称に設けられてもよい。使用の際、2つの第1弾性部材300は、フレキシブルディスプレイスクリーン400の一部が第1側でより良好に展開できるように、2つの方向でフレキシブルディスプレイスクリーン400を引っ張ることができる。また、第1弾性部材300がフレキシブルディスプレイスクリーン400をより安定して引っ張ることができるように、各第1弾性部材300のいずれもがダンパ600を介して第2ケース200に接続されてもよい。
【0024】
本発明の実施例において、第1ケース100の縁部に第1接続部110が設けられてもよく、第2ケース200の縁部に第2接続部210が設けられてもよく、第2ケース200の少なくとも一部は第1ケース100に外嵌されてもよく、第1接続部110は第2接続部210に摺動可能に接続されてもよい。この場合、第1ケース100と第2ケース200の組み立てが容易になるように、第1ケース100と第2ケース200は第1接続部110及び第2接続部210を介して摺動可能に接続される。また、第2ケース200の少なくとも一部が第1ケース100に外嵌されることによって、電子機器の構造をよりコンパクトにすることができる。電子機器の全体的なレイアウトがしやすいように、電子機器の他の部材を第2ケース200内に設け、第1ケース100は電子機器のリアカバーだけとしてもよい。
【0025】
当然ながら、第1ケース100と第2ケース200が動けなくなることを防止するために、第1ケース100の対向する両側縁部のいずれにも第1接続部110が設けられてもよく、これに応じて、第2ケース200の対向する両側縁部のいずれにも第2接続部210が設けられてもよく、第1ケース100と第2ケース200は第1接続部110と第2接続部210の係合によって摺動可能に接続される。このような方式ではより良好なガイド作用が得られ、これにより、第1ケース100は第2ケース200に対してより良好に摺動することができ、第1ケース100と第2ケース200が動けなくなることが防止される。
【0026】
選択的に、第1接続部110及び第2接続部210のうち、一方はスライド溝であってもよく、他方は突起であってもよく、スライド溝と突起は摺動可能に係合してもよい。この場合、第1ケース100と第2ケース200はスライド溝と突起の摺動可能な係合によって摺動可能に接続することができる。スライド溝と突起は、第1ケース100が第2ケース200に対してより良好に摺動できるように、ガイドの作用を奏することができ、これにより、第1ケース100はフレキシブルディスプレイスクリーン400が展開又は収納するようにより良好に駆動することができる。
【0027】
本発明の実施例において、第1ケース100及び第2ケース200のうち、一方には位置規制溝220が設けられてもよく、他方には位置規制スライダ120が設けられてもよく、位置規制溝220と位置規制スライダ120は摺動可能に係合してもよく、位置規制溝220の端部と位置規制スライダ120は位置規制するように係合してもよい。この場合、第1ケース100と第2ケース200は位置規制溝220と位置規制スライダ120の摺動可能な係合によって摺動可能に接続することができる。位置規制溝220と位置規制スライダ120は、第1ケース100が第2ケース200に対してより良好に摺動できるように、ガイドの作用を奏することができるとともに、位置規制溝220の端部と位置規制スライダ120が位置規制するように係合することにより、第1ケース100が第2ケース200から離脱することも防止でき、よって、第1ケース100の摺動の安定性が向上する。
【0028】
代替的な一実施例において、図6に示すように、第1ケース100に位置規制スライダ120が設けられてもよく、第2ケース200に位置規制溝220が設けられてもよい。この場合、第1ケース100が容易に摺動できるように、第1ケース100には大きな厚さが不要であり、これにより第1ケース100の柔軟性がより高くなる。当然ながら、第1ケース100に設けられる位置規制スライダ120もまた、動けなくなる現象の発生を防止できる。
【0029】
さらに、位置規制溝220と位置規制スライダ120の数はともに2つであってもよく、且つ2つの位置規制溝220は平行であってもよく、各位置規制溝220は1つの位置規制スライダ120と摺動可能に係合してもよい。再度図6を参照すると、この場合、2つの位置規制溝220と2つの位置規制スライダ120が位置規制するように係合することによって、より良好なガイド作用が得られ、第1ケース100は第2ケース200に対してより良好に摺動できるようになる。また、このような方式によれば、第1ケース100の少なくとも一部が第2ケース200から離脱することをより効果的に防止することもでき、さらに、第2ケース200の摺動の安定性をより効果的に向上させることができる。
【0030】
本発明で開示される実施例において、選択的に、第1ケース100内に第1引掛部130が設けられてもよく、第2ケース200内に第2引掛部230が設けられてもよい。第1ケース100と第2ケース200が離間するように摺動する場合、即ち、フレキシブルディスプレイスクリーン400の表示面積が外部環境により多く露出できる場合に、第1引掛部130と第2引掛部230は位置規制するように係合することができ、これにより、フレキシブルディスプレイスクリーン400が第1弾性部材300の引張力の作用によって収納することを防止でき、フレキシブルディスプレイスクリーン400を上記状態に維持することができ、よって、ユーザの使用体験が向上する。説明すべきことは、フレキシブルディスプレイスクリーン400が最大展開面積まで展開した場合に、第1引掛部130と第2引掛部230は位置規制するように係合してもよく、又は、フレキシブルディスプレイスクリーン400が一定の長さ展開したが、最大の展開面積になっていない場合に、第1引掛部130と第2引掛部230は位置規制するように係合してもよい点である。
【0031】
選択的に、第1ケース100と第2ケース200が離間するように摺動する場合、第1引掛部130は第2ケース200に近い位置に設けられ得、第2引掛部230は第1ケース100に近い位置に設けられ得、この場合、第1引掛部130と第2引掛部230が位置規制するように係合する時、第1ケース100は、フレキシブルディスプレイスクリーン400がより大きな表示面積を露出できるように、第2ケース200に対して大きい距離離間するまで摺動することができるため、電子機器により良い視覚効果を与える。
【0032】
代替的な一実施例において、電子機器はボタン700をさらに含んでもよく、第1ケース100又は第2ケース200にボタン孔が開けられてもよく、ボタン700はボタン孔に移動可能に設けられる。ユーザがボタン700を押しやすいように、ボタン700の一端は第1ケース又は第2ケース200の外面から突出してもよい。ボタン700の他端は第1引掛部130又は第2引掛部230に伝動接続されてもよく、この場合、ユーザがボタン700を押すと、ボタン700は、第1引掛部130又は第2引掛部230が元の位置からずれるように、第1引掛部130又は第2引掛部230を押して移動させることができ、これにより第2引掛部230と第1引掛部130を分離するように駆動することができ、さらに、第1ケース100が第2ケース200に近づく方向に移動できるようになる。このような方式によれば、ユーザの操作性が向上できるとともに、第2引掛部230と第1引掛部130がより離れやすくなる。
【0033】
当然ながら、上記ケースでは、第1ケース100にボタン孔が開けられてもよく、ボタン700はボタン孔に移動可能に設けられ、且つ、ユーザがボタン700を押しやすいように、ボタン700の一端は第1ケース100の外面から突出してもよく、ボタン700の他端は第1引掛部130に伝動接続されてもよい。例示的に、ボタン700は接続部材を介して第1引掛部130に伝動接続されてもよく、ユーザがボタン700を押すと、ボタン700は、第1引掛部130が元の位置からずれるように、第1引掛部130を押して移動させることができ、これにより、第2引掛部230と第1引掛部130を分離するように駆動することができ、さらに、第1ケース100が第2ケース200に近づく方向に移動できるようになる。
【0034】
あるいは、第2ケース200にボタン孔が開けられてもよく、ボタン700がボタン孔に移動可能に設けられ、且つ、ユーザがボタン700を押しやすいように、ボタン700の一端は第2ケース200の外面から突出してもよく、ボタン700の他端は第2引掛部230に伝動接続されてもよい。ユーザがボタン700を押すと、ボタン700は、第2引掛部230が元の位置からずれるように、第2引掛部230を押して移動させることができ、これにより、第2引掛部230と第1引掛部130を分離するように駆動することができ、さらに、第1ケース100が第2ケース200に近づく方向に移動できるようになる。本発明の実施例ではこれについて限定しない。
【0035】
さらに、電子機器は第2弾性部材810及びヒンジ接続軸820をさらに含んでもよく、ヒンジ接続軸820は第2ケース200内に設けられてもよく、第2引掛部230は第2弾性部材810を介して第2ケース200に接続されてもよく、且つ第2引掛部230はヒンジ接続軸820にヒンジ接続されてもよく、ボタン700は、第2引掛部230を押してヒンジ接続軸820の周りに回転させ、第2弾性部材810を圧縮するように駆動することで第2引掛部230と第1引掛部130を分離することができる。このような方式によれば、ボタン700はより容易に第2引掛部230を押して移動させることができ、また、第2引掛部230と第1引掛部130が離れた時、第2弾性部材810は、第2引掛部230と第1引掛部130が再度引っ掛けて係合できるように、第2引掛部230を元の位置に復帰させることができ、これにより、第2引掛部230と第1引掛部130の間の柔軟性が向上する。当然ながら、第2弾性部材810はコイルバネであってもよいし、他の弾性を有する部材であってもよく、本発明の実施例ではこれについて限定しない。
【0036】
本発明の実施例において、図9図10に示すように、第1引掛部130は第1ガイド斜面131を有してもよく、第2引掛部230は第2ガイド斜面231を有してもよく、第1ガイド斜面131と第2ガイド斜面231は対向して設けられてもよく、第1ガイド斜面131は第2ガイド斜面231と摺動可能に係合してもよい。この場合、第1ケース100が第2ケース200から遠ざかる方向に摺動する間に、第1ガイド斜面131が第2ガイド斜面231に対して摺動すると、第1引掛部130は、第1ガイド斜面131によって第2引掛部230が第2弾性部材810の方向へ揺動するように押し、第2弾性部材810を圧縮するように駆動することができる。再度図9を参照し、第1ガイド斜面131と第2ガイド斜面231が離間するように摺動する場合、第2弾性部材810は、第2引掛部230が元の位置に復帰するように、第2引掛部230に弾性力を加え、これにより、第2引掛部230と第1引掛部130が引っ掛けて係合するようになる。このような方式によれば、第2引掛部230と第1引掛部130の間の引っ掛け係合がより容易になり、これにより、フレキシブルディスプレイスクリーン400が第1弾性部材300の引張力の作用下で収納することをより効果的に防止することができ、フレキシブルディスプレイスクリーン400が展開状態に維持でき、ユーザの使用体験が高くなる。
【0037】
別の代替的な実施例において、電子機器はエジェクタピンをさらに含んでもよく、第1ケース100にエジェクタピン孔が開けられてもよく、使用の際、エジェクタピンはエジェクタピン孔を通って第2ケース200内に延び入ることができ、エジェクタピンは、第2引掛部230が元の位置からずれるように、第2引掛部230を押して移動させ、第2引掛部230と第1引掛部130を分離するように駆動することができる。このような方式によれば、第2引掛部230と第1引掛部130がより離れやすくなる。
【0038】
本発明で開示される実施例において、第1ケース100は第1中枠140を含んでもよく、第2ケース200は第2中枠240を含んでもよく、第1ケース100と第2ケース200は第1中枠140及び第2中枠240を介して摺動可能に接続することができ、図1に示すように、第1ケース100と第2ケース200が突合せ状態にある場合、第1中枠140と第2中枠240は共面であってもよい。このような方式によれば、電子機器の構造をよりコンパクトにすることができるとともに、電子機器の外観性能も向上できる。
【0039】
本発明の実施例で開示される電子機器は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、電子ブックリーダ、ウェアラブル機器(例えば、スマートウォッチ)、電子ゲーム機等であってもよく、本発明の実施例は電子機器の具体的な種類を限定しない。
【0040】
本発明の以上の実施例において、それぞれの実施例の相違点を重点として説明しており、それぞれの実施例の異なる最適化された特徴は、矛盾しない限り、組み合わせてより好ましい実施例を形成することができ、説明の便宜上、ここでは詳記しない。
【0041】
以上は本発明の実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明は様々な変更及び変形が可能である。本発明の精神及び原理内において行われる任意の修正、同等の代替、改善等は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0042】
100 第1ケース
110 第1接続部
120 位置規制スライダ
130 第1引掛部
131 第1ガイド斜面
140 第1中枠
200 第2ケース
210 第2接続部
220 位置規制溝
230 第2引掛部
231 第2ガイド斜面
240 第2中枠
300 第1弾性部材
400 フレキシブルディスプレイスクリーン
500 シャフト
600 ダンパ
700 ボタン
810 第2弾性部材
820 ヒンジ接続軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10