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特許7528268同期スライド機構、サイド隠し扉システム及び該サイド隠し扉システムを有するキャビネット体
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  • 特許-同期スライド機構、サイド隠し扉システム及び該サイド隠し扉システムを有するキャビネット体 図1
  • 特許-同期スライド機構、サイド隠し扉システム及び該サイド隠し扉システムを有するキャビネット体 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】同期スライド機構、サイド隠し扉システム及び該サイド隠し扉システムを有するキャビネット体
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/58 20060101AFI20240729BHJP
   E05D 15/42 20060101ALI20240729BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
E05D15/58 A
E05D15/42
A47B55/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022573787
(86)(22)【出願日】2020-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2020103729
(87)【国際公開番号】W WO2021253569
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】202010544080.2
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520147083
【氏名又は名称】広東欧派克家居智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Guangdong OPK Smart Home Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.11,Ruihe Road,Yongning District,Xiaolan Town,Zhongshan City,Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】許 姜▲とく▼
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】実公昭11-014835(JP,Y1)
【文献】実開昭54-123131(JP,U)
【文献】実開平02-107384(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0232878(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00-15/58
A47B 55/00-55/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイド扉の移動をガイドするための同期スライド機構(1)であって、
ガイドレール(12)、第1リンク機構(13)及び第2リンク機構(14)を含み、
前記第1リンク機構(13)は、固定座(134)、第1リンク(131)及び第2リンク(132)を含み、
前記第1リンク(131)及び第2リンク(132)の同一側の一端部は、前記固定座(134)に枢結され、
前記第1リンク(131)及び第2リンク(132)は、前記固定座(134)の水平中軸の両側に位置し、
前記第1リンク(131)及び第2リンク(132)の他端部は、前記ガイドレール(12)に設けられている2つの摺動端(133)であり、
前記ガイドレール(12)が水平軸方向に往復動する場合、2つの前記摺動端(133)は互いに近接または離間し、
前記第2リンク機構(14)は、スライドベース(141)、前記固定座(134)の水平中軸に関して対称に設置される第3リンク(143)及び第4リンク(144)を含み、
前記スライドベース(141)及び前記固定座(134)は、前記ガイドレール(12)の同一側に位置し、
前記第3リンク(143)及び第4リンク(144)の同一側の一端部は、前記スライドベース(141)に枢結され、その他端は、前記第1リンク(131)、第2リンク(132)にそれぞれ枢結され、
横軸(11)をさらに含み、前記横軸(11)の一端は、前記固定座(134)に固定され、前記スライドベース(141)が、前記横軸(11)に摺動可能に係合することを特徴とする同期スライド機構(1)。
【請求項2】
前記第1リンク(131)と第2リンク(132)とは、前記固定座(134)の水平中軸に関して対称となることを特徴とする請求項1に記載の同期スライド機構(1)。
【請求項3】
前記第1リンク(131)及び第2リンク(132)は、1つの枢結部材により前記固定座(134)に枢結されることを特徴とする請求項2に記載の同期スライド機構(1)。
【請求項4】
前記第1リンク(131)及び第2リンク(132)は、それぞれ前記固定座(134)に枢結されることを特徴とする請求項2に記載の同期スライド機構(1)。
【請求項5】
前記横軸(11)には、シュート(111)が設けられ、
前記スライドベース(141)には、摺動部材が設けられ、
前記スライドベース(141)は、摺動部材により前記横軸(11)のシュート(111)内にスライドすることを特徴とする請求項1に記載の同期スライド機構(1)。
【請求項6】
前記摺動部材は、プーリであることを特徴とする請求項5に記載の同期スライド機構(1)。
【請求項7】
前記第3リンク(143)及び第4リンク(144)には、いずれも折曲部(142)が設けられ、
前記折曲部(142)により、前記第3リンク(143)及び第4リンク(144)の各ロッド体において異なる平面に位置部分が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の同期スライド機構(1)。
【請求項8】
前記第3リンク(143)及び第4リンク(144)の各ロッド体は、前記折曲部(142)によりフロントロッド部(145)及びバックロッド部(146)に分けられ、
前記第3リンク(143)及び第4リンク(144)のフロントロッド部(145)は、前記第1リンク(131)及び第2リンク(132)にそれぞれ枢結され、
前記第3リンク(143)及び第4リンク(144)のバックロッド部(146)は、それぞれ前記スライドベース(141)に枢結されることを特徴とする請求項7に記載の同期スライド機構(1)。
【請求項9】
前記フロントロッド部(145)と前記バックロッド部(146)とは、互いに平行になることを特徴とする請求項8に記載の同期スライド機構(1)。
【請求項10】
サイド隠し扉システムであって、
扉パネル(21)と、請求項1~9の何れか一項に記載の同期スライド機構(1)とを含み、
前記扉パネル(21)は、前記ガイドレール(12)にヒンジ結合されることを特徴とするサイド隠し扉システム。
【請求項11】
キャビネット体(3)あって、
請求項10に記載のサイド隠し扉システムを含み、
前記同期スライド機構(1)は、前記キャビネット体(3)の側部に設けられることを特徴とするキャビネット体(3)。
【請求項12】
前記キャビネット体(3)は、サイドパネル(31)及び内蔵パネル(32)を含み、
前記内蔵パネル(32)と、それに近い前記サイドパネル(31)との間には、収容室(33)が形成され、
前記同期スライド機構(1)は、前記収容室(33)内に位置することを特徴とする請求項1に記載のキャビネット体(3)。
【請求項13】
前記同期スライド機構(1)の固定座(134)は、前記内蔵パネル(32)に固定されることを特徴とする請求項12に記載のキャビネット体(3)。
【請求項14】
前記キャビネット体(3)内には、上スライドレール及び下スライドレールが設けられ、
前記ガイドレール(12)の両端には、摺動部材が設けられ、
前記ガイドレール(12)は、両端の摺動部材により前記上スライドレール及び下スライドレールに摺接されることを特徴とする請求項12または請求項13に記載のキャビネット体(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具業界の扉体伸縮機構に関し、より具体的に、同期スライド機構、サイド隠し扉システム及び該サイド隠し扉システムを有するキャビネット体に関し、該同期スライド機構により、扉体の伸縮、収納、隠しの機能を楽に実現できる。
【背景技術】
【0002】
現在の開き戸や引き戸、折れ戸などは、通常、扉パネルと扉体がヒンジ結合され、扉パネルを開閉する場合、扉パネルは常に扉体の外部に位置するため、大きなスペースが必要になり、生活に多くの不便さをもたらす。
【0003】
米国公開公報US5149180Aには、扉パネルを収納可能な家具が開示され、主に鋏形モジュールにより扉パネルの開き・閉じ機能を実現する。この鋏形モジュールは、ヒンジ結合される2つの横ビームを含む。2つの横ビームの上端は、いずれもキャビティ体の上部に回動可能に固定される。2つの横ビームの下端は、フレーム内に設けられて回動、上下に移動可能である。扉パネルがキャビティ内に移動する場合、2つの横ビームの上端は同じ高さに保持され、その下端は上下に移動可能である。
【0004】
上記の鋏形モジュールは、扉パネルの開き・閉じを実現できるが、ヒンジ結合される2つの横ビームが非同期にスライドするという問題を生じやすく、さらに、横ビームの上端が同一の高さに位置するため、高い取り付け精度が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、同期スライド機構、サイド隠し扉システム及び該サイド隠し扉システムを有するキャビネット体を提供することであり、該同期スライド機構により、扉体を同期、安定に伸縮、収納、隠すことができ、扉体によるスペースの占有を効果的に低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、サイド扉の移動をガイドするための同期スライド機構を提供する。前記同期スライド機構は、ガイドレール及び第1リンク機構を含む。前記第1リンク機構は、前記ガイドレールに設けられる2つの摺動端を含む。前記ガイドレールが水平軸方向に往復動する場合、2つの前記摺動端は互いに近接または離間する。
【0007】
好ましくは、前記第1リンク機構は、固定座、第1リンク及び第2リンクを含む。前記第1リンク及び第2リンクの同一側の一端部は、前記固定座に枢結される。前記第1リンク及び第2リンクは、前記固定座の水平中軸の両側に位置する。2つの前記摺動端は、前記第1リンク及び第2リンクの他端部にそれぞれ設けられる。
【0008】
好ましくは、前記第1リンクと前記第2リンクとは、前記固定座の水平中軸方向に対して対称となる。
【0009】
好ましくは、前記第1リンク及び前記第2リンクは、同一の枢結部材により前記固定座に枢結される。
【0010】
好ましくは、前記第1リンク及び前記第2リンクは、それぞれ前記固定座に枢結される。
【0011】
好ましくは、前記同期スライド機構は、第2リンク機構をさらに含む。前記第2リンク機構は、スライドベース、前記固定座の水平中軸方向に対して対称に設置される第3リンク及び第4リンクを含む。前記スライドベース及び前記固定座は、前記ガイドレールの同一側に位置する。前記第3リンク及び第4リンクの同一側の一端部は、前記スライドベースに枢結され、その他端は、前記第1リンク、第2リンクにそれぞれ枢結される。
【0012】
好ましくは、前記同期スライド機構は、横軸をさらに含む。前記横軸の一端は、前記固定座に固定され、その他端は、前記スライドベースに摺動可能に係合する。
【0013】
好ましくは、前記横軸には、シュートが設けられる。前記スライドベースには、摺動部材が設けられる。前記スライドベースは、摺動部材により前記横軸のシュート内にスライドする。
【0014】
好ましくは、前記摺動部材は、プーリである。
【0015】
好ましくは、前記第3リンク及び第4リンクには、いずれも折曲部が設けられる。前記折曲部により、前記第3リンク及び第4リンクの各ロッド体を奥行き方向において異なる平面に位置させる。
【0016】
好ましくは、前記第3リンク及び第4リンクの各ロッド体は、前記折曲部によりフロントロッド部及びバックロッド部に分けられる。前記第3リンク及び第4リンクのフロントロッド部は、前記第1リンク及び第2リンクにそれぞれ枢結される。前記第3リンク及び第4リンクのバックロッド部は、それぞれ前記スライドベースに枢結される。前記フロントロッド部は、奥行き方向において前記バックロッド部の内側に位置する。
【0017】
好ましくは、前記フロントロッド部と前記バックロッド部とは、互いに平行になる。
【0018】
他の態様では、本発明は、サイド隠し扉システムを提供し、扉パネルと、上記の同期スライド機構とを含む。前記扉パネルは、前記ガイドレールにヒンジ結合される。
【0019】
別の態様では、本発明は、キャビネット体を提供し、サイド隠し扉システムを含む。前記同期スライド機構は、前記キャビネット体の側部に設けられる。
【0020】
好ましくは、前記キャビネット体は、サイドパネルを含む。前記同期スライド機構の固定座は、前記サイドパネルに固定される。前記同期スライド機構は、前記キャビネット体の内部に位置する。
【0021】
好ましくは、前記キャビネット体は、内蔵パネルを含む。前記内蔵パネルと、それに近い前記サイドパネルとの間には、収容室が形成される。前記同期スライド機構は、前記収容室内に位置する。
【0022】
好ましくは、前記同期スライド機構の固定座は、前記サイドパネルに固定される。
【0023】
好ましくは、前記同期スライド機構の固定座は、前記内蔵パネルに固定される。
【0024】
好ましくは、前記キャビネット体内には、上スライドレール及び下スライドレールが設けられる。前記ガイドレールの両端には、摺動部材が設けられる。前記ガイドレールは、両端の摺動部材により前記上スライドレール及び下スライドレールに摺接される。
【0025】
本発明の有益な効果は以下通りである。
第1リンク機構と第2リンク機構との間に、水平軸方向に対して対称となる安定の四辺形が形成され、第1リンク機構の2つの摺動端がガイドレール内に上下スライドすると、第2リンク機構を回動させて横軸方向に往復動させ、第1リンク機構と第2リンク機構との組み合わせにより、全体の安定性と同期性を向上させる。本発明は、構造が安定で、同期性能が優れ、隠し扉の家具に適用し、広範囲の市場に寄与する。
【0026】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介する。もちろん、以下の説明における図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働を必要せず、これらの図面に示す構造から他の図面も取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施例1に係る同期スライド機構の組み立て説明図である。
図2】本発明の実施例2に係る同期スライド機構を他の角度から見た場合の構成を示す図である。
図3】本発明の実施例2に係る同期スライド機構を別の角度から見た場合の構成を示す図である。
図4】本発明の実施例2に係る同期スライド機構の一部を示す図である。
図5】本発明の実施例3に係るサイド隠し扉システムの構成を示す図である。
図6】本発明の実施例3に係るサイド隠し扉システムの組み立て説明図である。
図7】本発明の実施例4に係るキャビネット体の左側面図である。
図8】本発明の実施例4に係るキャビネット体の右側面図である。
図9】本発明の実施例4に係るキャビネット体に上下スライドレールが装着された場合の一部を示す図である。
図10】本発明の実施例4に係るキャビネット体の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
より良い理解と実施のために、本発明の実施例における技術案は、本発明の実施例における図面と併せて以下に明確かつ完全に説明する。
【0029】
本発明の説明では、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が示す方位または位置関係は、図示された方位または位置関係を基にし、本発明を容易に説明し且つ説明を簡素化するためのものに過ぎず、示した装置または素子は必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作されることを指示又は暗示しないため、本発明を限定するものとして理解できない。
【0030】
特に定義されていない限り、本明細書に用いられる全ての技術及び科学用語は本発明の技術分野に属する技術者が一般的に理解しているのと同じ意味である。本明細書において、本発明の明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明する目的でのみ使用され、本発明を限定するものではない。
【0031】
実施例1
本発明は、同期スライド機構1を開示する。図1図2図3及び図4に示すように、同期スライド機構1は、ガイドレール12及び第1リンク機構13を含む。第1リンク機構13は、固定座134、固定座134の水平中軸方向に対して対称となる第1リンク131及び第2リンク132を含む。第1リンク131及び第2リンク132の同一側の一端部は、固定座134に枢結され、第1リンク131及び第2リンク132の他端には、前記ガイドレール12に対応する摺動端133が設けられる。前記ガイドレール12が水平軸方向に往復動する場合、第1リンク131及び第2リンク132の摺動端133は互いに近接または離間する。
【0032】
好ましくは、第1リンク131及び第2リンク132は、1つの枢結部材により前記固定座134に枢結されるか、またはそれぞれ前記固定座134に枢結される。本実施例では、第1リンク131及び第2リンク132は、それぞれ前記固定座134に枢結される。こうすることで、第1リンク131及び第2リンク132のガイドレール12における摺動端133は、ガイドレール12が固定座134から離れる場合に漸次に近接し、ガイドレール12が固定座134に近接する場合に漸次に離間する。第1リンク131及び第2リンク132は、対称に設計されることで、ガイドレール12における摺動端133の移動をより同期する。
【0033】
実施例2
実施例1を基にして、この実施例2に係る同期スライド機構1は、図2に示すように、第2リンク機構14をさらに含む。前記第2リンク機構14は、スライドベース141、前記固定座134の水平中軸方向に対して対称に設置される第3リンク143及び第4リンク144を含む。前記スライドベース141及び前記固定座134は、前記ガイドレール12の同一側に位置する。前記第3リンク143及び第4リンク144の同一側の一端部は、前記スライドベース141に枢結される。第3リンク143の他端は、前記第1リンク131に枢結され、第4リンク144の他端は、前記第2リンク132に枢結される。
【0034】
図3及び図4に示すように、同期スライド機構1には、シュート111付きの横軸11が水平方向にさらに設けられる。横軸11の一端は、前記固定座134に固定され、その他端は、前記スライドベース141に摺動可能に係合する。スライドベースには、シュート111に対応する摺動部材が設けられる。好ましくは、本実施例で用いられる摺動部材はプーリである。第3リンク143及び第4リンク144は、プーリとシュート111との係合により、水平方向に横軸11に沿ってスムーズに移動可能である。ガイドレール12の移動時に、第1リンク131及び第2リンク132の摺動端133は、鉛直方向にガイドレール12に沿ってスライドし、第3リンク143及び第4リンク144は、水平方向に横軸11に沿ってスライドする。第1リンク機構13及び第2リンク機構14で構成される四辺形構造は、機構全体をスムーズ、安定に運転させる。第1リンク131、第2リンク132、第3リンク143及び第4リンク144によるマルチロッドの連動により、機構全体の運転過程をより同期する。
【0035】
第3リンク143及び第4リンク144には、折曲部142が設けられる。第3リンク143を例として、第3リンク143は、折曲部142により、異なる平面に位置するフロントロッド部145及びバックロッド部146に分けられる。好ましくは、第3リンク143のフロントロッド部145とバックロッド部146は互いに平行になるとともに、フロントロッド部145は奥行き方向において前記バックロッド部146の内側に位置する。折曲部142の存在により、第3リンク143と第4リンク144とを奥行き方向に位置ずれさせる。さらに、第3リンク143及び第4リンク144の後部がスライドベース141に枢結されるため、スライドベースのプーリと横軸11のシュート11とをより係合させ、スライドベース141が横軸11に沿ってスライドする過程において、奥行き方向のばらつきが生じることなく、スライド過程もより円滑になる。
【0036】
実施例3
図5及び図6に示すように、本発明は、サイド隠し扉システム2をさらに開示する。当該サイド隠し扉システム2は、扉パネル21と、実施例2に記載の同期スライド機構1とを含む。具体的には、ガイドレール12には、ヒンジ部材が設けられ、扉パネル21はガイドレール12にヒンジ結合される。扉パネル21は、ヒンジ部材によって開閉する。さらに、扉パネル21がガイドレール12と平行になる場合、扉パネル21を押したり引いたりすると、同期スライド機構1の伸縮によりパネル21の伸縮を実現可能である。このような伸縮扉は、多種の用途に適用され、扉体の占用スペースを明らかに減らすことができる。
【0037】
実施例4
図7図8図9図10に示すように、本発明は、キャビネット体をさらに開示する。当該キャビネット体は、実施例3に記載のサイド隠し扉システム2を含む。本実施例では、キャビネット体3は、内蔵板32を含む。内蔵板32と、それに近いサイトパネル31との間には、収容室33が形成される。同期スライド機構1の固定座134は、内蔵板32に固定される。収容室33の上端及び下端には、上スライドレール34及び下スライドレール35がそれぞれ設けられる。ガイドレール12の両端には、上スライドレール34及び下スライドレール35に対応する摺動部材が設けられる。ガイドレール12は、両端の摺動部材により上スライドレール及び下スライドレールに摺接される。扉パネル21がガイドレール12と平行になる場合、パネル21を押したり引いたりすると、扉パネル21はガイドレール12の両端の摺動部材により収容室33の上スライドレール34及び下スライドレール35に円滑にスライドするとともに、同期スライド機構1によりパネル21の伸縮を実現する。
【0038】
本実施例の同期スライド機構は、家庭用家具の分野で幅広く適用することができ、同期スライド機構により、扉体の開きと隠す収納を実現することができ、扉体の開放によるスペースの要求を低減させる。この同期スライド機構は、構造が簡単で、サイド隠し扉が開く過程中の運転安定を保証し、扉体の揺れが生じにくい。
【0039】
本発明の解決策に開示された技術的手段は、上記の実施形態で開示された技術的手段に限定されず、上記の技術的特徴の任意の組み合わせからなる技術的解決策も含む。なお、当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、幾つかの改良や修飾を行うことができ、これらの改良や修飾も本発明の保護範囲とみなされる。
【0040】
1 同期スライド機構
11 横軸
111 シュート
12 ガイドレール
13 第1リンク機構
131 第1リンク
132 第2リンク
133 摺動端
134 固定座
14 第2リンク機構
141 スライドベース
142 折曲部
143 第3リンク
144 第4リンク
145 フロントロッド部
146 バックロッド部
2 サイド隠し扉システム
21 扉パネル
3 キャビネット体
31 サイドパネル
32 内蔵板
33 収容室
34 上スライドレール
35 下スライドレール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10