(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】取り付け底脚及びそれを備えた冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F16M 11/04 20060101AFI20240729BHJP
F16M 11/18 20060101ALI20240729BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20240729BHJP
F25D 23/10 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
F16M11/04 K
F16M11/18 Z
F25D23/00 303
F25D23/10
(21)【出願番号】P 2022579679
(86)(22)【出願日】2021-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2021092305
(87)【国際公開番号】W WO2021223749
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202010616654.2
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】李 暁峰
(72)【発明者】
【氏名】王 常志
(72)【発明者】
【氏名】費 斌
(72)【発明者】
【氏名】夏 恩品
(72)【発明者】
【氏名】朱 小兵
(72)【発明者】
【氏名】李 康
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106568288(CN,A)
【文献】中国実用新案第2333979(CN,Y)
【文献】特開2009-036458(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0046106(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0037662(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/00 - 13/08
F25D 23/00 - 23/12
H05K 5/02
F16G 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け底脚であって、
一部が支持台を形成する支持ベースと、
支持台の下方に転動可能に設けられるローラと、
第1スクリューと第1調整ディスクを有し、前記第1スクリューが前記支持台に回動可能に設けられ、前記第1調整ディスクが前記第1スクリューに固定して接続されるか、又は前記第1スクリューと一体化されて、前記第1スクリューを回動させる第1調整部と、
第2スクリューと第2調整ディスクを有し、前記第2スクリューが前記支持台に回動可能に設けられ、前記第2調整ディスクが前記第2スクリューに固定して接続されるか、前記第2スクリューと一体化されて、前記第2スクリューを回動させる第2調整部と、を含
み、
前記第1調整ディスク及び前記第2調整ディスクのいずれも円盤状であり、
前記第1調整ディスクの外周縁に複数の第1歯部が設けられ、スパナ工具及び/又は伝動ベルトと嵌合し、
前記第2調整ディスクの外周縁に複数の第2歯部が設けられ、スパナ工具及び/又は伝動ベルトと嵌合し、
前記第1調整ディスクのディスク径は前記第2調整ディスクのディスク径よりも大きく、
前記第2歯部と前記第1歯部は伝動可能に噛み合い、
前記第1スクリューのネジ方向と前記第2スクリューのネジ方向は逆である、
取り付け底脚。
【請求項2】
前記第1調整ディスク及び前記第1スクリューの回転軸線は、前記第1調整ディスクの中心軸線及び前記第1スクリューの中心軸線と同軸であり、
前記第1調整ディスクは前記第1スクリューの底部セクションから径方向に外に延在しており、
前記第2調整ディスク及び前記第2スクリューの回転軸線は、前記第2調整ディスクの中心軸線及び前記第2スクリューの中心軸線と同軸であり、前記第2調整ディスクは前記第2スクリューの底部セクションから径方向に外に延在している、
請求項1に記載の取り付け底脚。
【請求項3】
前記支持台は前記支持ベースにおける水平板状壁部であり、
前記ローラは水平方向に延在しているローラ軸と、前記ローラ軸の周りに回動するローラ本体と、を含み、
前記支持ベースは、
前記支持台から下に延在しており、前記ローラ軸と嵌合する軸孔を有し、前記ローラ軸が前記支持ベースに回動可能に接続されることを可能にする下向き軸連結部をさらに含む、
請求項1に記載の取り付け底脚。
【請求項4】
前記支持台には、前記支持台の主板面の厚さ方向に貫通している第1ネジ無し孔及び第2ネジ無し孔が開けられ、
前記第1調整部は前記第1ネジ無し孔の上方に位置し、前記第2調整部は前記第2ネジ無し孔の上方に位置し、
一端が前記第1調整部に固定して接続されるか、又は前記第1調整部と一体化されて、他端が前記第1ネジ無し孔を貫通して前記第1ネジ無し孔の下周縁と嵌合して、前記第1調整部がその回転軸線の方向に沿って前記支持台に対して直線運動するときの自由度を制限する第1接続部材と、
一端が前記第2調整部に固定して接続されるか、又は前記第2調整部と一体化されて、他端が前記第2ネジ無し孔を貫通して前記第2ネジ無し孔の下周縁と嵌合して、前記第2調整部がその回転軸線の方向に沿って前記支持台に対して直線運動するときの自由度を制限する第2接続部材と、をさらに含む、
請求項1に記載の取り付け底脚。
【請求項5】
前記第1接続部材及び前記第2接続部材はいずれも、下縁部が複数の凸状係合部を周方向に有する中空円筒状係合爪であり、各前記凸状係合部はそれが属する係合爪の周壁セクションの間に開口を有し、各前記凸状係合部の下面は径方向に沿って外方に向かって斜め上方に傾斜した傾斜面であり、各前記凸状係合部の上面は前記係合爪の周壁に垂直な平面である、
請求項
4に記載の取り付け底脚。
【請求項6】
前記第1ネジ無し孔の孔壁及び前記第2ネジ無し孔の孔壁は、いずれも前記支持台の下面に下部環状フランジが形成されて、前記凸状係合部の上面とスナップ嵌めする、
請求項
5に記載の取り付け底脚。
【請求項7】
前記第1ネジ無し孔と前記第2ネジ無し孔は前記支持台の中心軸線に対して対称に設けられる、
請求項
4に記載の取り付け底脚。
【請求項8】
冷蔵庫であって、
前記冷蔵庫の底部に設けられた請求項1~
7の少なくともいずれか1項に記載の取り付け底脚を含み、
前記冷蔵庫の底部に第1ネジ孔及び第2ネジ孔が設けられ、前記第1スクリューは前記第1ネジ孔に螺接され、前記第2スクリューは前記第2ネジ孔に螺接される、
冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置を取り付ける技術に関し、特に、取り付け底脚及びそれを備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
取り付け底脚は、装置の底部に取り付けられて、装置を地面に支持するものである。
【0003】
従来技術では、取り付け底脚の中に、装置が静置状態にある場合に、装置の底部の平行度を調整できるものがある。しかし、使用状態にある取り付け底脚は、地面との摩擦力が大きいため、取り付けるときに装置を移動するのには大きな力が必要とされ、その結果、取り付け過程全体の操作が困難になり、取り付け効率が低下する。
【0004】
したがって、いかに取り付け底脚の構造を改良して、装置の取り付けの困難性を低減させるかは、当業者にとって早急に解決すべき技術的課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、上記の技術的課題の少なくともいずれか1つを解決する取り付け底脚及びそれを備えた冷蔵庫を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、取り付け底脚の構造を改良して、装置の取り付けの困難性を低減させることである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、取り付け底脚を利用して、装置の取り付けや調整における調整の安定性を向上させることである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、取り付け底脚による調整過程を簡単にすることである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、ローラの摩耗を低減又は回避して、取り付け底脚の耐用年数を延ばすことである。
【0010】
本発明の更なる目的は、冷蔵庫の取り付け構造を簡素化し、製造コストを削減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、
一部が支持台を形成する支持ベースと、
支持台の下方に転動可能に設けられるローラと、
第1スクリューと第1調整ディスクを有し、第1スクリューが支持台に回動可能に設けられ、第1調整ディスクが第1スクリューに固定して接続されるか、又は第1スクリューと一体化されて、第1スクリューを回動させる第1調整部と、
第2スクリューと第2調整ディスクを有し、第2スクリューが支持台に回動可能に設けられ、第2調整ディスクが第2スクリューに固定して接続されるか、第2スクリューと一体化されて、第2スクリューを回動させる第2調整部と、を含む取り付け底脚が提供される。
【0012】
好ましくは、第1調整ディスク及び第2調整ディスクのいずれも円盤状であり、
第1調整ディスクの外周縁に複数の第1歯部が設けられ、スパナ工具及び/又は伝動ベルトと嵌合し、
第2調整ディスクの外周縁に複数の第2歯部が設けられ、スパナ工具及び/又は伝動ベルトと嵌合する。
【0013】
好ましくは、第1調整ディスクのディスク径は第2調整ディスクのディスク径よりも大きく、
第2歯部と第1歯部は伝動可能に噛み合い、
第1スクリューのネジ方向と第2スクリューのネジ方向は逆である。
【0014】
好ましくは、第1調整ディスク及び第1スクリューの回転軸線は、第1調整ディスクの中心軸線及び第1スクリューの中心軸線と同軸であり、
第1調整ディスクは第1スクリューの底部セクションから径方向に外に延在しており、
第2調整ディスク及び第2スクリューの回転軸線は、第2調整ディスクの中心軸線及び第2スクリューの中心軸線と同軸であり、第2調整ディスクは第2スクリューの底部セクションから径方向に外に延在している。
【0015】
好ましくは、支持台は支持ベースにおける水平板状壁部であり、
ローラは水平方向に延在しているローラ軸と、ローラ軸の周りに回動するローラ本体と、を含み、
支持ベースは、
支持台から下に延在しており、ローラ軸と嵌合する軸孔を有し、ローラ軸が支持ベースに回動可能に接続されることを可能にする下向き軸連結部をさらに含む。
【0016】
好ましくは、支持台には、支持台の主板面の厚さ方向に貫通している第1ネジ無し孔及び第2ネジ無し孔が開けられ、
第1調整部は第1ネジ無し孔の上方に位置し、第2調整部は第2ネジ無し孔の上方に位置し、
取り付け底脚は、一端が第1調整部に固定して接続されるか、又は第1調整部と一体化されて、他端が第1ネジ無し孔を貫通して第1ネジ無し孔の下周縁と嵌合して、第1調整部がその回転軸線の方向に沿って支持台に対して直線運動するときの自由度を制限する第1接続部材と、
一端が第2調整部に固定して接続されるか、又は第2調整部と一体化されて、他端が第2ネジ無し孔を貫通して第2ネジ無し孔の下周縁と嵌合して、第2調整部がその回転軸線の方向に沿って支持台に対して直線運動するときの自由度を制限する第2接続部材と、をさらに含む。
【0017】
好ましくは、第1接続部材及び第2接続部材はいずれも、下縁部が複数の凸状係合部を周方向に有する中空円筒状係合爪であり、各凸状係合部はそれが属する係合爪の周壁セクションの間に開口を有し、各凸状係合部の下面は径方向に沿って外方に向かって斜め上方に傾斜した傾斜面であり、各凸状係合部の上面は係合爪の周壁に垂直な平面である。
【0018】
好ましくは、第1ネジ無し孔の孔壁及び第2ネジ無し孔の孔壁は、いずれも支持台の下面に下部環状フランジが形成されて、凸状係合部の上面とスナップ嵌めする。
【0019】
好ましくは、第1ネジ無し孔と第2ネジ無し孔は支持台の中心軸線に対して対称に設けられる。
【0020】
本発明の一態様によれば、冷蔵庫であって、
冷蔵庫の底部に設けられた上記の少なくともいずれか1項に記載の取り付け底脚を含み、
冷蔵庫の底部に第1ネジ孔及び第2ネジ孔が設けられ、第1スクリューは第1ネジ孔に螺接され、第2スクリューは第2ネジ孔に螺接される冷蔵庫がさらに提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の取り付け底脚及びそれを備えた冷蔵庫では、取り付け底脚は、支持ベースと、ローラと、第1調整部と、第2調整部と、を含む。ローラは支持ベースの支持台の下方に回動可能に設けられ、第1調整部及び第2調整部はいずれも支持台に回動可能に設けられたスクリューと、スクリューを回動させる調整ディスクと、を有する。取り付けるときに、ローラが取り付け底脚の位置する支持面上を転動可能であり、スクリューが支持台に対して回動可能であることによって、本発明の取り付け底脚は装置のレベリングに加えて、装置の移動に適用でき、しかも、体積が小さく、調整されやすく、調整範囲が広く、製造コストが低い。本発明の取り付け底脚を用いると、装置の取り付けの困難性を低減させ、取り付け効率を高め、省力化を図ることができる。
【0022】
さらに、本発明の取り付け底脚及びそれを備えた冷蔵庫では、装置を取り付けるときに、第1調整ディスクと第2調整ディスクをそれぞれ調整することで、対応するネジ孔への第1スクリュー及び第2スクリューの螺入深さを調整することができ、これは、装置を取り付けて調整する過程における調整安定性や信頼性を向上させ、取り付けて調製するときの装置の揺れを減少又は回避し、取り付け品質を向上させるのに有利である。
【0023】
さらに、本発明の取り付け底脚及びそれを備えた冷蔵庫では、第1調整部の第1調整ディスク及び第2調整部の第2調整ディスクのいずれも外周縁に歯部が付いている円盤であり、第2調整ディスクの歯部は第1調整ディスクの歯部と伝動可能に噛み合うことができる。装置を取り付けるときに、スパナ工具及び/又は伝動ベルトを利用して第1調整ディスクを調整し、第1調整ディスクで第2調整ディスクを回動させることにより、対応するネジ孔への第1スクリュー及び第2スクリューの螺入深さを同時に調整することができ、このようにして、装置の調整安定性を確保しつつ、取り付け底脚の調整を簡素化することができる。
【0024】
さらに、本発明の取り付け底脚及びそれを備えた冷蔵庫では、各スクリューは支持台に対して回動可能であるので、各調整ディスクが駆動されて対応するスクリューを回動させると、支持台を固定することができ、これによって、ローラがスクリューの回動に連動して回動することを回避することができ、装置のレベリング操作を簡単にし、時間や労力を節約するだけでなく、ローラの摩耗を低減又は回避し、取り付け底脚の耐用年数を延ばすことができる。
【0025】
また、さらに、本発明の取り付け底脚及びそれを備えた冷蔵庫では、冷蔵庫の取り付け底脚はレベリング機能と移動機能を兼ね備えるため、冷蔵庫の底部に他の補助構造を取りつけることを削減又は回避することができ、これにより、冷蔵庫の取り付け構造を簡素化し、製造コストを削減させることができる。
【0026】
以下、図面を参照して本発明の特定の実施例を詳細に説明するが、それによって、本発明の上記及び他の目的、利点及び特徴が当業者にとってより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明のいくつかの特定の実施例を限定的ではなく例示的に説明する。図面中の同一の符号は、同一又は類似の部材又は部分を表す。当業者にとって明らかなように、これらの図面は必ずしも一定の縮尺で描かれたものではない。
【
図1】本発明の一実施例の取り付け底脚の概略図である。
【
図3】
図1に示す取り付け底脚の底部における一部の領域の下面図である。
【
図5】
図4に示す取り付け底脚の接続部材の一部の領域の概略図である。
【
図6】本発明一実施例に係る冷蔵庫の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の一実施例に係る取り付け底脚10の概略図である。本実施例の取り付け底脚10は、装置の底部に取り付けられるのに適しており、装置を所定の位置に取り付けるものである。本実施例の取り付け底脚10は、各種の装置、例えば、冷蔵庫70、エアコン、洗濯機などの家電製品に適用できるだけではなく、任意の他の設備、特に埋め込み型冷蔵庫70に適用できる。
【0029】
取り付け底脚10は、一般的に、ローラと、支持ベースと、調整部と、を含み、接続部材をさらに含んでもよい。ローラは支持ベースに取り付けられる。調整部は接続部材によって支持ベースに取り付けられる。調整部は、第1調整部400と第2調整部500の2つを含む。接続部材も、第1接続部材と第2接続部材の2つであってもよい。
【0030】
支持ベースは、支持台210と下向き軸連結部230を含む。
【0031】
支持ベースの一部は支持台210を形成し、支持台210は支持ベースにおける水平板状壁部であってもよい。ここで、「水平」とは取り付け底脚10の実際の使用状態に対するものである。いくつかの好ましい実施例では、支持台210の板壁は曲面であってもよい。
【0032】
支持台210は略長方形、円形、三角形や他の任意の多角形であってもよい。本実施例では、支持台210は略長方形である。支持台210には、支持台210の主板面の厚さ方向に貫通しているネジ無し孔が開けられる。本実施例では、ネジ無し孔はそれぞれ第1ネジ無し孔211及び第2ネジ無し孔212の2つであってもよい。第1ネジ無し孔211と第2ネジ無し孔212は、支持台210の中心軸線に対して対称に設けられ、中心軸線は支持台210の幅方向に延在している中心軸線であってもよい。ここで、「幅方向」と「長さ方向」は相対的なものである。
【0033】
下向き軸連結部230は支持台210から下に延在しており、ローラのローラ軸310(以下詳述)と嵌合する軸孔231を有し、ローラのローラ軸310が支持ベースに回動可能に接続されることを可能にする。本実施例では、下向き軸連結部230は支持ベースにおける垂直側壁部であってもよい。下向き軸連結部230は、それぞれ支持台210の対向する縁部位から下に延在する2つであってもよい。この「対向する縁部位」は支持台210の幅方向の対向する縁部位であってもよい。各下向き軸連結部230は軸孔231を有する。2つの下向き軸連結部230の軸孔231は対向して設けられる。軸孔231はそれぞれローラのローラ軸310の一端と嵌合する。
【0034】
別のいくつかの実施例では、下向き軸連結部230の位置や数を変更することが可能である。下向き軸連結部230は1つであってもよく、支持台210の中央部から下に延在する。下向き軸連結部230の軸孔231はローラのローラ軸310の中央セクションと嵌合してもよい。
【0035】
更なるいくつかの実施例では、支持ベースはさらに上向き回り止め部を含んでもよい。上向き回り止め部は支持台210から上に延在しており、取り付け底脚10に取り付けられる装置の対応するスロットに挿入されて、装置に対する支持台210の回動を制限するものである。好ましくは、上向き回り止め部は支持台210のうち調整部の調整ディスク(以下詳述)と離れた箇所で上に延在しており、これによって、上向き回り止め部が調整ディスクの回動を妨害することを回避できる。
【0036】
ローラは支持台210の下方に転動可能に設けられ、例えば、ローラは支持台210の中央部位の略下方に位置してもよい。ローラは水平方向に延在しているローラ軸310と、ローラ軸310の周りに回動するローラ本体320と、を含む。ローラ軸310の中心軸線は支持台210の幅方向に延在している中心軸線とは同一の垂直面内にあってもよい。
【0037】
第1調整部400は第1ネジ無し孔211の上方に位置し、第2調整部500は第2ネジ無し孔212の上方に位置する。各調整部は1つのスクリューと1つの調整ディスクを有する。
【0038】
第1調整部400は第1スクリュー410と第1調整ディスク420を有する。第1スクリュー410は支持台210に回動可能に設けられる。第1調整ディスク420は、第1スクリュー410に固定して接続されるか、又は第1スクリュー410と一体化されて、第1スクリュー410を回動させる。
【0039】
第2調整部500は第2スクリュー510と第2調整ディスク520を有する。第2スクリュー510は支持台210に回動可能に設けられる。第2調整ディスク520は、第2スクリュー510に固定して接続されるか、又は第2スクリュー510と一体化されて、第2スクリュー510を回動させる。
【0040】
使用状態の取り付け底脚10では、各スクリューは装置の底部のネジ孔に螺接され、ローラは装置を取り付ける空間の支持面、例えば、地面に支持される。装置を取り付けるときに、ローラは取り付け底脚10の位置する支持面上を転動可能であり、スクリューは支持台210に対して回動可能であることによって、本実施例の取り付け底脚10は装置のレベリングに加えて、装置の移動に適用できる。本実施例の取り付け底脚10によれば、装置の取り付けの困難性を低減させ、取り付け効率を高め、省力化を図ることができる。
【0041】
例えば、装置を取り付けるときに、まず、移動のステップを行い、次にレベリングのステップを行ってもよい。移動中、ローラが支持面上を転動することで移動中の摩擦抵抗が低下し、移動の難度が低下する。レベリングのステップでは、調整ディスクによってスクリューを回動させることにより、装置の底部にあるネジ孔へのスクリューの螺入深さを調整することで、装置の底部の高さ及び/又は平行度を調整することができ、容易に操作することができる。
【0042】
スクリューは支持台210に対して回動可能であるので、調整ディスクが駆動されてスクリューを回動させると、支持台210を固定することができ、これによって、ローラがスクリューの回動に連動して回動することを回避することができ、装置のレベリング操作を簡単にし、時間や労力を節約するだけでなく、ローラの摩耗を低減又は回避し、取り付け底脚10の耐用年数を延ばすことができる。
【0043】
本実施例の取り付け底脚10は2つの調整部を含む。装置を取り付けるときに、第1調整ディスク420と第2調整ディスク520をそれぞれ調整することで、対応するネジ孔への第1スクリュー410及び第2スクリュー510の螺入深さを調整することができる。これは、装置を取り付けて調整する過程における調整安定性や信頼性を向上させ、取り付けて調製するときの装置の揺れを減少又は回避し、取り付け品質を向上させるのに有利である。
【0044】
図2は、
図1に示す取り付け底脚10の断面図である。
【0045】
第1調整ディスク420及び第1スクリュー410の回転軸線は、第1調整ディスク420の中心軸線及び第1スクリュー410の中心軸線と同軸である。第1調整ディスク420は、第1スクリュー410の底部セクションから径方向に外に延在している。第2調整ディスク520及び第2スクリュー510の回転軸線は、第2調整ディスク520の中心軸線及び第2スクリュー510の中心軸線と同軸である。第2調整ディスク520は、第2スクリュー510の底部セクションから径方向に外に延在している。
【0046】
本実施例では、第1スクリュー410の回転軸線及び第2スクリュー510の回転軸線はいずれも垂直方向に延在している。つまり、各調整ディスク及び対応するスクリューの回転軸線の方向は垂直方向であってもよい。スクリューは対応する調整ディスクの中央部位から上に延在して形成されてもよい。また、スクリューの頭部は調整ディスク内に埋め込まれてもよく、これによって、調整部の成形が簡素化される。スクリューの頭部はスクリューと一体化されている。スクリューの頭部はスクリューの底部セクションから径方向に外に延在して形成することができる。
【0047】
第1調整ディスク420及び第2調整ディスク520のいずれも円盤状である。第1調整ディスク420の外周縁に複数の第1歯部421が設けられ、スパナ工具及び/又は伝動ベルト(例えば、同期チェーン、同期ベルト)と嵌合する。第2調整ディスク520の外周縁に複数の第2歯部521が設けられ、スパナ工具及び/又は伝動ベルト(例えば、同期チェーン、同期ベルト)と嵌合する。スパナ工具及び/又は搬送ベルトが調整ディスクに作用力を印加することを考慮して、各調整ディスクは同じ所定の厚さを有してもよい。所定の厚さは実際の用途に応じて設定されてもよく、例えば、0.5~10cmであってもよいし、10cmよりも大きい任意の値であってもよい。別のいくつかの実施例では、調整ディスクの形状は変更されてもよく、例えば、調整ディスクは正方形、六角形又は任意の他の形状であってもよい。
【0048】
一般的に、装置の取り付け空間が小さい場合、取り付け操作者が装置の一部にアクセスできないことにより、このような部分に対する操作者の調整ができず、レベリングが非常に困難になる。
【0049】
本実施例では、調整ディスクは伝動ベルトと嵌合することができ、取り付け操作者による操作が容易な箇所、例えば、歯車や外周縁に凹溝がついている円柱体のような能動部材が設けられてもよい。取り付け底脚10、伝動ベルト、能動部材は、取り付けシステムを構成することができる。伝動ベルトが能動部材及び調整ディスクに巻設されており、能動部材を回動させることによって調整ディスクが回動させられ、これによって、装置のレベリングの難度が大幅に低下する。
【0050】
例えば、冷蔵庫70を食器棚に埋め込む場合、伝動ベルトを利用して調整ディスクを回動させることによって、スクリューを間接的に回動させてもよい。食器棚の内部の空間が限られるので、上記の取り付けシステムを用いることによって、冷蔵庫70を食器棚に埋め込むときのレベリングの難度を低下させることができる。
【0051】
第2歯部521と第1歯部421が伝動可能に噛み合うことによって、第2調整ディスク520は第1調整ディスク420に追従して回動することができる。第1調整ディスク420のディスク径は第2調整ディスク520のディスク径よりも大きい。ここで、ディスク径とはディスクの外周縁が位置する円の直径のことである。第1調整ディスク420のディスク径は第2調整ディスク520のディスク径よりも大きく、これによって、取り付け底脚10へ伝動ベルトを配置することが容易になり、伝動ベルトは第1調整ディスク420に巻接され、第1調整ディスク420を直接回動させることができる。第2調整ディスク520は、第1調整ディスク420の一方の側に従動的に配置されて、伝動ベルトの内側に位置してもよく、これによって、第1調整ディスク420に連動して回動駆動される。
【0052】
本実施例の取り付け底脚10では、装置を取り付けるときに、スパナ工具及び/又は伝動ベルトを利用して第1調整ディスク420を調整し、第1調整ディスク420によって第2調整ディスク520を回動させることによって、対応するネジ孔への第1スクリュー410及び第2スクリュー510の螺入深さを調整することができ、これによって、調整の安定性を確保しつつ、取り付け底脚10の調整を簡素化することができる。
【0053】
第1スクリュー410のネジ方向と第2スクリュー510のネジ方向は逆であり、例えば、第1スクリュー410のネジは右ネジであり、第2スクリュー510のネジは左ネジであってもよい。第2調整ディスク520は第1調整ディスク420に追従して回動するため、2つのスクリューのネジ方向が逆であることによって、対応するネジ孔への2つのスクリューの螺入又は螺出を同期化し、第1調整部400及び第2調整部500の調整中の一致性を確保する。
【0054】
図3は、
図1に示す取り付け底脚10の底部における一部の領域の下面図である。
図4は、
図1に示す取り付け底脚10の分解図である。
図5は、
図4に示す取り付け底脚10の接続部材における一部の領域の概略図である。
【0055】
第1接続部材は、一端が第1調整部400に固定して接続されるか、又は第1調整部400と一体化されて、他端が第1ネジ無し孔211を貫通して第1ネジ無し孔211の下周縁と嵌合して、第1調整部400がその回転軸線方向に沿って支持台210に対する直線運動するときの自由度を制限する。第2接続部材は、一端が第2調整部500に固定して接続されるか、又は第2調整部500と一体化されて、他端が第2ネジ無し孔212を貫通して第2ネジ無し孔212の下周縁と嵌合して、第2調整部500がその回転軸線方向に沿って支持台210に対して直線運動するときの自由度を制限する。つまり、装置を取り付けるときに、調整部がその回転軸線に沿って回動するとき、接続部材は対応する調整部が支持台210に対して垂直方向に沿って移動することを阻止し、調整部が垂直方向において支持台210に対して変位することを回避する。
【0056】
各接続部材が対応するネジ無し孔の下周縁に固定して接続されないことによって、調整部自体のみが回動し、支持台210を一緒に回動させることはなく、これによって、回動抵抗を減少させ、取り付け効率を高める。
【0057】
各接続部材は係合爪600であってもよい。第1接続部材及び第2接続部材は、いずれも下縁部が複数の凸状係合部610を周方向に有する中空円筒状係合爪600である。各接続部材は調整ディスクの底壁から下に延在して、対応するネジ無し孔を貫通して、ネジ無し孔の下周縁と嵌合することができる。
【0058】
各凸状係合部610は、それが属する係合爪600の周壁セクションの間に開口620を有し、すなわち、凸状係合部610は係合爪600の下縁部の周方向に順次間隔を空けて配列される。将係合爪600の下縁部がネジ無し孔に挿入されたときに、係合爪600の下縁部の外周は径方向における作用力を受けて内側に縮められ、ネジ無し孔をうまく貫通することができる。
【0059】
各凸状係合部610の下面は、径方向に沿って外方に向かって斜め上方に傾斜した傾斜面であり、これは、係合爪600の下縁部がネジ無し孔をスムーズに貫通するのに有利である。ここで、「外方に向かって」とは、中空円筒状係合爪600の実際の使用状態に対するものである。
【0060】
中空円筒状係合爪600の中心軸線は垂直方向に延在している。各凸状係合部610の上面は係合爪600の周壁に垂直な平面、例えば、略水平面である。各凸状係合部610の上面は対応するネジ無し孔の孔壁とスナップ嵌めしてもよい。第1ネジ無し孔211の孔壁及び第2ネジ無し孔212の孔壁は、いずれも支持台210の下面に下部環状フランジ202が形成されて、凸状係合部610の上面とスナップ嵌めし、これは、凸状係合部610の上面と支持台210の主板面との接触を回避するのに有利である。
【0061】
第1ネジ無し孔211のトップセクション及び第2ネジ無し孔212のトップセクションは、いずれもラッパ状であってもよい。各調整部は環状ガスケットや調整部の下面に形成された環状突起452を介して支持台210の上面に当接することができ、これによって、調整部と支持台210の上面との接触面積を小さくし、調整部の回動時の摩擦抵抗の低下に有利である。環状ガスケットは調整ディスクの下面と支持台210の上面との間に設けられてもよい。環状突起452は調整ディスクの下面に形成されてもよい。各調整部の環状突起452は、対応するネジ無し孔の外周に当接してもよい。
【0062】
いくつかの好ましい実施例では、調整部は環状ガスケット及び環状突起452が設けられなくてもよく、調整部の下面は平面状であって、支持台210の上面に直接当接してもよく、これは、取り付け底脚10の機械的強度の向上に有利である。
【0063】
図6は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫70の概略図である。冷蔵庫70の底部には、少なくとも1つの上記の実施例のいずれかの取り付け底脚10が設けられる。また、冷蔵庫70の底部には第1ネジ孔及び第2ネジ孔が開けられる。取り付け底脚10のスクリューはネジ孔に螺接される。第1スクリュー410は第1ネジ孔に螺接され、第2スクリュー510は第2ネジ孔に螺接される。
【0064】
本実施例の冷蔵庫70では、取り付け底脚10はレベリング機能と移動機能を兼ね備えるため、冷蔵庫70の底部に他の補助構造を取りつけることを削減又は回避することができ、これにより、冷蔵庫70の取り付け構造を簡素化し、製造コストを削減させることができる。
【0065】
取り付け底脚10は4つであって、このうち、2つは冷蔵庫70の底部の前側に設けられ、残りの2つは冷蔵庫70の底部の後側に設けられるようにしてもよい。
【0066】
別のいくつかの実施例では、取り付け底脚10は2つであって、全て冷蔵庫70の底部の後側に設けられるようにしてもよい。冷蔵庫70の底部の前側には、転動可能な前輪が設けられてもよい。
【0067】
ネジ孔は冷蔵庫70の底板に形成される。底板は直接冷蔵庫70の箱体の底板であってもよいし、箱体に増設された底板であってもよい。冷蔵庫70の底板には、底板を含む板面から上へ延びているネジ付きスリーブが設けられてもよく、ネジ付きスリーブの内部にネジ孔が形成されている。
【0068】
本実施例の取り付け底脚10及びそれを備えた冷蔵庫70では、取り付け底脚10は、支持ベースと、ローラと、第1調整部400と、第2調整部500と、を含む。ローラは支持ベースの支持台210の下方に回動可能に設けられ、第1調整部400及び第2調整部500はいずれも支持台210に回動可能に設けられたスクリューと、スクリューを回動させる調整ディスクと、を有する。取り付けるときに、ローラが取り付け底脚10の位置する支持面上を転動可能であり、スクリューが支持台210に対して回動可能であることによって、実施例の取り付け底脚10は装置のレベリングに加えて、装置の移動に適用でき、しかも、体積が小さく、調整されやすく、調整範囲が広く、製造コストが低い。実施例の取り付け底脚10を用いると、装置の取り付けの困難性を低減させ、取り付け効率を高め、省力化を図ることができる。
【0069】
本実施例の取り付け底脚10及びそれを備えた冷蔵庫70では、第1調整部400の第1調整ディスク420及び第2調整部500の第2調整ディスク520のいずれも外周縁に歯部が付いている円盤であり、第2調整ディスク520の歯部は第1調整ディスク420の歯部と伝動可能に噛み合うことができ、装置を取り付けるときに、スパナ工具及び/又は伝動ベルトを利用して第1調整ディスク420を調整し、第1調整ディスク420で第2調整ディスク520を回動させることによって、対応するネジ孔への第1スクリュー410及び第2スクリュー510の螺入深さを同時に調整することができ、このようにして、装置の調整安定性を確保しつつ、取り付け底脚10の調整を簡素化することができる。
【0070】
以上、本発明の複数の例示的な実施例を示して本明細書を説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本発明で開示された内容に基づいて本発明の原理に合致する多くの他の変更や修正を直接決定又は導出することができることを当業者は認識すべきである。よって、本発明の範囲はこれらの他の変更や修正をカバーするものとして理解され、見なされるべきである。